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海底に眠る追憶

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #勇者 #勇者の伝説探索


●海辺の村に伝わる昔話
 その昔、勇者の一行である冒険者たちは千の竜が住まう邪悪なる『群竜大陸』へと向かい、『帝竜ヴァルギリオス』を倒しました。
 ヴァルギリオスは戦いに敗れて滅びゆく最期に、たくさんの冒険者を道連れにするために臣下の竜までも犠牲にして群竜大陸を破壊し、海の底へと沈めてしまいました。
 多くの冒険者たちは帰らぬ人となりましたが、戦いは勝利に終わりました。
 命を落としたすべての冒険者は、勇者として讃えられたのだそうです。

 海の乙女ドゥーヴァは泳ぎが得意で、沈みゆく群竜大陸から一人でも多くの冒険者を救おうとしましたが、その手に余るほど多くの人が濁流に呑み込まれてゆきます。
 皆が皆『ドゥーヴァだけでも生きて帰れ』とその助けを断るので、仕方なく独りで群竜大陸を離れることにしました。
 何か月もかけて潮流に身を任せて辿り着いた先には、名前もないほど小さな漁村がありました。
 ドゥーヴァは村人に助けられて休息をとると、船を借りて再び群竜大陸へと向かいました。
 しかし、大陸を失ったことによって潮の流れが激変し、大陸へ戻るどころか沖合へ出ることすら叶いません。
 悲しみにくれて村へ引き返すドゥーヴァですが、帰り着いた村にはドゥーヴァが探していた仲間――であったもの――が流れ着いていました。
「わたしは、ひとり生き残ってしまいました。皆を弔うのがわたしの役目です」
 こうして村で暮らし始めたドゥーヴァは祠を作り、時折流れ着いてくる遺体や遺品らしきものを納め続けたのだそうです。

●伝説をサルベージせよ
「皆、アックス&ウィザーズので最も有名な古い伝説は知っているかな」
 フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)がグリモアベースで猟兵達に声をかける。
「さきの銀河帝国攻略戦では、銀河皇帝リスアット・スターゲイザーがスペースシップワールドのオブリビオン・フォーミュラだった。それを踏まえると、この世界にある伝説の帝竜ヴァルギリオスは、アックス&ウィザーズのオブリビオン・フォーミュラである可能性が高い」
 そこで手掛かりである『群竜大陸』を発見できれば、この世界をオブリビオンの手から解放する手立てになり得るのだという。
 そのために勇者たちの意思が宿る情報や物品を集め、予知の精度を高めるのが今回の目的だ。

「皆に向かってもらうのは、海辺の村ドゥーヴァ――の近くにある海底洞窟だ。なんでも冒険者の生き残りが晩年を過ごした村だそうで、村の名前もその冒険者にあやかって付けられたそうだよ」
 海辺の村ドゥーヴァの霊廟にはかつて勇者たちの遺品が納められていたが、そのすべては遺族やその子孫に引き渡されていて、今となっては散逸している。
 冒険者ドゥーヴァ自身の逸話も村へ住み始めた時期より後のものばかりで、群竜大陸への手掛かりがつかめるかどうかは怪しい。

「でもね、ドゥーヴァ以外にも漂着物を集めていた存在がいた。それは、近くに住むマーメイドたちだ。彼女たちは海中に生息する好奇心旺盛な種族で、特に宝石類が好きらしい。どのぐらいかというと集団で貿易船に襲いかかるぐらいには、ね」
 かつては人魚の肉を食べれば長寿になる、という噂で狩られて絶滅したが、今はオブリビオンとして蘇り、再び悪さをしているらしい。

「マーメイドの海底洞窟を直接訪ねて、勇者たちの伝説の手掛かりを探しに行こう。海中じゃ他に敵がいないからって、相当油断してるようだからね」
 今から転移を行えば、財宝のある場所に直接出られる。
 だが、その財宝すべてを持ち帰るのは難しいだろう。それほど長きにわたって蒐集された財宝がそこには眠っている。
 なるべく勇者の息吹を感じられるようなものに目星をつけて、選んでみるのが良いかもしれない。
「財宝を得たら、長い洞窟を抜けることになる。ずっと水中だから何か工夫した方が良いかもしれない。まぁ、猟兵だから溺死するような事態はほぼ考えられないんだけど、苦しいものは苦しいからね」
 そして冒険だけでは終わらせてくれないのがこの手の話のお約束、襲ってくるマーメイドたちとの戦いにも備えが必要だ。

「マーメイドたちとの戦いを完全に回避すると遅かれ早かれ村が襲われかねないからね。ついでと言っちゃ何だけど、よろしく頼むよ」
 そう言うとフルムはグリモアをハマダイコンの形に変え、猟兵達を送り出すのだった。


みづかぜ
 みなさんこんにちは、みづかぜです。初めましての方は初めまして。オープニングをご覧いただき、ありがとうございます。
 微力ではありますが全力で猟兵の皆様の冒険をお手伝いする所存でございますので、宜しくお願い致します。

 第一章は【日常】『魅惑の宝物庫』です。
 思うがままに『これは勇者の遺品に違いない!』という品をプレイング上でご指定ください。
 お任せの場合はみづかぜが勝手に設定いたします。

 第二章は【冒険】『竜の喉元』です。
 長い水中洞窟をいかにして抜けるか、工夫してみてください。
 ド根性でもオッケーです!

 第三章は【集団戦】『魅惑のマーメイド』です。
 異常を察知して追ってきた人魚たちと戦います。
 相手はオブリビオンであり、こちらは必ず財宝を持ち帰らなければならない状況なので説得の類は無効です。お気を付けください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『魅惑の宝物庫』

POW   :    大きな財宝を選ぶ

SPD   :    煌めく財宝を選ぶ

WIZ   :    魔力を感じる財宝を選ぶ

イラスト:小日向 マキナ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
ライヴァルト・ナトゥア
【WIZ】

これはまた煌びやかな場所だなぁ。でも、この中で大事なものは一握り
富を求めるわけでなし、サクサク探そうか
(【メカニック】で作成した年代測定機を片手に【第六感】で魔力を強く帯びた品物を探す)
この剣は、ダメだ。年代が新しい。この櫛は、劣化が始まってる。大した素材じゃないのか
(そして強い魔力を帯びた水色の涙型をした宝石を見つける。無造作に放られたそれは、その扱いとは裏腹に強い魔力を宿していた。その上、年代測定機でも判定できないほどに過去のものであるようだ)
これは、仄かに温かみさえある宝石?強い魔力を持った乙女の涙は、幾星霜も残り続けるというけど、まさかな
しかし、何かの手がかりにはなるだろうか


ソフィア・テレンティア
かつて帝竜ヴァルギリオスと戦った勇者達に所縁ある品……でございますか。
ふむ……月並みではありますが、勇者、勇気あるものと考えて、勇気が石言葉のルビーを探してみましょうか、魔力を感じるものであれば、なおよしでございます。【ガジェット】により財宝の山をスキャンし、財宝の中でも魔力のより高い物を厳選致しましょう。
さて、嘗ての勇者の遺品……見つかればよいのですが。


宇冠・由
「がごぼご」(訳:海底探査なんて初めてですわ)

私は空飛ぶヒーローマスク、今回ブレイズキャリバーとしての力は発揮できそうにないので、お魚さんたちの力を借りましょう
鮫と心通わせ、鮫に被られたままいざ海底洞窟へ

(とはいっても、ここの財宝は元々ドゥーヴァ村の方々のもの。それを横取りする気にはなれません。人魚を退治したら、村の方々もここを訪れることができるかもしれませんし)
見渡す限りの宝石に金銀財宝を見渡し満足して、せめてと選ぶのは洞窟に転がる小さな貝殻

これなら記念に持ち帰ってもバチは当たりませんわよね?



「がごぼご」
 水没しかけた宝物庫の水際に転移したうさぎの面から空気の泡が次々に浮かぶ。いや、正しくはうさぎの面ではなく宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)であった。転移前に心通わせた鮫の身体を借り、自在に水中を泳ぐ作戦だ。
 普段はブレイズキャリバーであり、炎そのものの姿さえとり得る由のマスクから発せられる『海底探査なんて初めてですわ』という心持ちは、周りの猟兵にも伝わった。
 この宝物庫はやや入り組んでいる。
 水や塩に弱いものや水に浮いてしまう財宝を保管する場所は空気があり、逆に、空気に触れると劣化しやすい宝物は水没した部分にと、大まかに分類されていた。
「これはまた煌びやかな場所だなぁ。でも、この中で大事なものは一握り、富を求めるわけでなし、サクサク探そうか」
 青い猫耳をぴこっとさせて藍色の衣に身を包んだライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)は大量に集まった金貨を意識から外して年代測定機を片手に持ち、勘を頼りに『魔力を強く帯びた品物』を探す。
「かつて帝竜ヴァルギリオスと戦った勇者達に所縁ある品……でございますか」
 ソフィア・テレンティア(歌唱魔導蒸気機関搭載機・壱式・f02643)も同様に、ヘッドドレスの猫耳を立てて、ガジェットを使って財宝の中から魔力の高いものを探すべく堆く積まれた山にスキャンを行う。
 ソフィアは『ルビー』に着目していた。勇気を石言葉に持つそれは、勇者のシンボルに相応しい。
「さて、嘗ての勇者の遺品……見つかればよいのですが」
 
(様々な財宝が……ドゥーヴァ村の方に拾われて、そこから遺族へ渡るべきだった品だけでなく、嵐で海に沈んだ船や、自分たちで襲った船の積み荷もこのように集めていたのですね……)
 由が鮫の力を借りて泳ぐ洞窟――海中宝物庫の一角は、岩礁を覆い隠す勢いで、見渡す限り宝石と金銀財宝が積まれている。
 夥しい数の金貨に刻まれた紋様が示す地域や年代も、ときおり金貨から覗く宝飾品から推察される文化様式もさまざまだが、人魚たちが偶に手入れをしているらしくどれもみな、綺麗だ。
 この風変わりな、それでいて美しい宝物庫の光景を見ることが出来ただけでも由は満足だった。
(あら。これなら記念に持ち帰ってもバチは当たりませんわよね?)
 洞窟の隅に転がっていた小さな貝殻が由の目に留まる。
 真っ白な巻貝で、何の変哲もないように見える。
 けれど、海の住民であるマーメイドがわざわざ宝物に加えたこの貝は、持ち込むに至るそれなりの理由があったのだろう。
 由にも『見つけさせた』それは、ひょっとすると不思議な何かが宿っているのかもしれない。

「この剣は、ダメだ。年代が新しい」
 ライヴァルトが手に取った宝のひとつ。豪奢な宝石を飾った儀礼剣は、年代測定機で比較的近代の結果を示す。
「この櫛は、劣化が始まってる。大した素材じゃないのか」
 艶やかな飴色に透き通る櫛には、細かなひびが見られた。
「他を探すか」
 とりわけ目立つよう置かれた派手な宝の山から一旦目を離し、ライヴァルトは目を瞑る。魔力を感じた方向にあったのは、岩の裂け目に転がる小さな涙型の宝石であった。水色を帯びているが非常に透明に近いそれは、何かの拍子に落としてそのまま気づかれなかったようでうっすら砂埃を被っている。
「頼むから奥へ落ちるなよ……」
 懐刀を隙間の広がった部分から差し込み、そのまま峰に宝石を載せゆっくりと手前へ引く。
 手に取り埃を払うと、仄かに温かみを感じる。
 年代測定機は判別不能の結果を示した。
「強い魔力を持った乙女の涙は、幾星霜も残り続けるというけど、……まさかな」
 しかし、何かの手がかりにはなるだろうか――とライヴァルトはその宝石を布に包みポーチへと仕舞うのだった。

「一口にルビーと言っても、その在り方は様々にございますね」
 魔力の篭る紅玉やその宝飾品を集めたソフィアは、形も色も異なる財宝をさらに選り分ける。
「これは……箱にかけられた魔法でしたか」
 中身よりも器に価値がある、そんなケース(二重の意味で)もあった。
「いつの世も、贈る相手に想いを込めたのでございましょう」
 ルビーの指輪に宿した加護の魔法からは、強い意志を感じる。その輝きが災難から身を守るように、勝利を導くように。活力を齎す血の色は、その願いに応えてきたのかもしれない。
「中に、星が――」
 単純な六条の星彩線が入っているだけでなく、より強い星辰の魔法の力を感じるスタールビーもあった。惜しむらくは何かに取りつけられていたであろう加工の痕跡があるが、石だけを外し取られてしまった物であったことだろうか。
「こちらは、もっと詳細に調べてみる必要がございます」
 ソフィアは丁寧に綿でルビーを包むと、ガジェットの収納部分におさめて運び出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
あら、財宝なんて良いじゃない♪
勇者の遺産も良いけど、良さそうなモノはできる限り持ち帰りたいわね。価値のある宝石とか美術品とか…。
こんな穴倉で眠らせるのは勿体ないわ♪

という事で、勇者の遺品を探しつつ、価値のありそうなお宝を【念動力】で纏めて【魔城スカーレット】(に通じる穴)に送ってしまうわ。
ついでに一緒に連れて来た雪花(雪女見習い)にも一緒に勇者の遺品やお宝を探させて城へ運ばせるとするわ。

「おねぇさま、意外とがめついのー」
「わたしはこんなところで眠らせるのは勿体ないと思ってるだけよ…あら?」

赤い大きな宝石が付けられ、魔力の加護が籠められたペンダントを発見。
必ず戻ると言った文が…

※アドリブ等歓迎


ナミル・タグイール
にゃああお宝にゃ!!きらきらピカピカいっぱいにゃー!
テンションあがるにゃ最高にゃ!
むふふ、ぜーんぶナミルが頂くマスにゃ!

ジャラジャラっと装飾は身につけて、細かい金ぴかは自前のミミックに詰めれるだけ詰め込んで
じゃらじゃらキラキラにゃー♪貰えるだけ貰って帰るにゃ!
なにか忘れてる気がするけど…金ぴか以上に大事なことはないにゃ!
にゃー!めっちゃぴかぴかなティアラあるにゃ!オーラがすごいにゃ!
きっと伝説のレアモノデスにゃ。これもナミルのものにゃ!(耳に引っ掛けるように頭に載せて嬉しそうに)

も、もうちょっとだけにゃ!まだお宝部屋にいたいデスにゃー!(なにかされない限り動きたくない猫)
何でも歓迎


リグ・アシュリーズ
よっし、大体わかった!鍵となるのはこの三つね。
伝説の勇者にマーメイド、そしてハマダイコン。
……なんでよ!!(転移直後、彼方に思わずツッコミ)

宝箱の底に小さい宝物が落ちてないか、探してみます。
件の勇者は女性だし、マーメイドが持ち去ったことから
細やかなアクセサリ類が多めじゃないかなーって思って。
光沢のある金ぴか系は友だちが既に集めてそうだから、
私は年代物のアクセを探してみるわね!
若干色がくすんでても、勇者のお宝となれば別格なはず。

海の乙女って肩書きから想像して、
青い宝石・海神や船のイカリなど、
海にまつわるモチーフのものを探してみます。
他に浜辺で見つかりそうなもの……。

ハマダイコンの……花……?



 勇者ゆかりの品に目的を絞る者達がいる一方で、せっかくならと財宝の山に挑む者もいる。
「あら、財宝なんて良いじゃない♪ こんな穴倉で眠らせるのは勿体ないわ♪」
 勇者の遺産も良いが、良さそうなモノはできる限り持ち帰りたいと考えるフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、価値ある宝石や美術品に目を付けていた。
 勇者の遺品を探すことも忘れていないが、詳細な調査は後でもできる。
 価値のありそうな美術品や宝石を見定めると、魔導書を紐解き魔術で異空間へと通じる穴を開ける。そして念動力で纏めてその穴から異空間の魔城スカーレットへと送り込んでしまうのであった。
 その光景はさながら美しい財宝が自ら意志をもって穴へ飛び込んでいく流れ星の魔法のようにも見えた。
「おねぇさま、意外とがめついのー」
 フレミアが連れてきた雪花は、一緒に勇者の遺品や宝物を探す手伝いをしつつも『おねぇさま』の意外な一面に驚いている。しかし、自分もちゃっかりオーロラに光る冷たい石を確保しているのだった。
「わたしは、価値ある宝をこんなところで眠らせるのは勿体ないと思ってるだけよ……あら?」
 フレミアの念動力が及ばなかった部分があった。見遣れば、そこには赤い大きな宝石を抱くペンダントがある。手に取ると、鎖を含む全体から魔力による加護を感じた。
「デザインは並み、ってところかしら。古そうね」
 可もなく不可もなく、無難なつくりをしていた。
 しかし、台座の金属に刻まれた紋様をよく見ると文字列にも見える、何らかの祈りが篭められている。
「必ず、戻る……?」
 その願いが力となって念動力を弾いたのだろうか。
 フレミアは後で詳しく調べてみようと、そのペンダントに目印のリボンを結んで魔城スカーレットへと送るのだった。

「にゃああお宝にゃ!! きらきらピカピカいっぱいにゃー! テンションあがるにゃ最高にゃ! ……むふふ、ぜーんぶナミルが頂くマスにゃ!」
 黒く長い毛の間からのぞく二色の眼を爛々と輝かせて、ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は財宝の山にその爪を伸ばす。
 ジャラジャラとした大きめの装飾品は可能な限り身につけて、細かい金貨や宝飾は自前のゴールデンミミックへとどんどん詰め込んでゆく。呪いの有無も気にしないのだ。むしろ呪われたほうがナミルの力に変わる節すらある。
「じゃらじゃらキラキラにゃー♪ 貰えるだけ貰って帰るにゃ!」
 宝物庫の金貨や金細工、ありとあらゆる金ぴかが猫の財宝(カタラ・プルトス)によってナミルの秘密の宝物庫へとジャンジャンバリバリ底無しに吸い込まれてゆく。フェアリーランド系統のユーベルコード、やっぱり強すぎィ!

「伝説の勇者にマーメイド、そしてハマダイコン。……なんでよ!!」
 転移直後に彼方へとツッコミを入れるリグ・アシュリーズ(人狼の黒騎士・f10093)だが、目前の知人にもさらにツッコミを入れざるを得ない。
「金なら際限がないのね!?」
「なにか忘れてる気がするけど……金ぴか以上に大事なことはないにゃ!」
 超高速で依頼の主旨を見失うナミルを前に、リグは落ち着いて自分の考えをまとめる。マーメイドが収集するのなら、こまごまとしたアクセサリが多いであろうこと。勇者のものであれば、普通の物品とは別格かもしれないこと。
「私は年代物のアクセを探してみるわね!」
 リグはナミルが金ぴかを取り終えた宝箱の底に残っている地味なアクセサリに目を凝らす。
 底の方にはとても古びた装飾品や、積まれた際に割れ落ちた装身具の欠片が見えた。
 海の乙女ドゥーヴァ自身は何も遺さなかったのだろうか。そう思うと、青い宝石・海神や船のイカリなど、海にまつわるモチーフが脳裏に浮かぶ。
 なかなか該当するような品は見つからないか、あっても魔力が感じられないなどピンと来るものがない。
「他に浜辺で見つかりそうなもの……。ハマダイコンの……花……?」
 紫色にグラデーションがかった四枚の花弁と同じ色形をしたピアスが箱の隅に引っかかっていたのをリグは取り出す。
「あれだけ大量の金属の下敷きになっても壊れていないなんて……」
 ひょっとすると、という可能性を考えて、リグはそのピアスをそっと仕舞い込むのだった。

「にゃー! めっちゃぴかぴかなティアラあるにゃ! オーラがすごいにゃ!」
 宝の山を開拓していたナミルが、その中でもひときわ輝く冠を見つける。
 やや小ぶりではあるものの、王族の晩餐会にも恥じない見事な大粒の金剛石と艶やかな金が相まって、目が眩みそうなぐらい煌めいている。
「きっと伝説のレアモノデスにゃ。これもナミルのものにゃ!」
 ナミルはティアラが落ちないよう、耳に引っ掛けるように頭に載せる。
 壁に嵌め込まれた玻璃の鏡を覗き込むと、まるで女王様だ。
「コレクションが増えマスにゃ~♪」
 笑顔は人を愛らしくする。とても嬉しそうに、うっとりと金ぴかに包まれる自分を眺める時間は至福の時であった。
「さあ、そろそろここから出ようか」
 リグにつんつんとつつかれながらも、ナミルはその場を離れようとしない。
「も、もうちょっとだけにゃ! まだお宝部屋にいたいデスにゃー!」
 ――今はもう少しだけ、この幻想に溺れるのも良いのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『竜の喉元』

POW   :    気合で進む

SPD   :    手早く進む

WIZ   :    賢く進む

👑11
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 名残惜しくはあるが、留まっていられる時間は有限だ。
 猟兵たちは宝物庫から出るべく、海中洞窟へ潜る。
 宝物庫と違ってここから先に空気の層はない。
 先が見えない程に細長く続く洞窟だが、幸いにも脅威はおらず戦闘は不要だ。

 ――どのように泳ぐか、はたまた泳がずに解決してしまうのか。
 各々工夫しながら、その先に進もう。
ライヴァルト・ナトゥア
【WIZ】

水泳も苦手じゃあないんだけど、ここは少し頭を使って進むことにしよう
(UCでオオカミを数匹召喚。それぞれに縄を括り付けて、先端は束ねて自分の腕に括り付ける)
うん、それじゃ行こうか
(召喚したがゆえに狼たちは一糸乱れぬ動きで動かせる。それに、狼たちには息つぎも必要ない。後は、このまま引いて行ってもらえばいい。苦戦している仲間がいるなら、追加で召喚して引かせてやってもいい)
マーメイドどものいぬ間にって感じだが、フルムが言うにはそううまくはいかないって話だったな
憂鬱だが敵対者は、何よりオブリビオンは見過ごせない。今まで屠ってきたやつらのことも考えれば、なおさらに
丁重にお相手してやろうじゃないか


宇冠・由
空気のある場所なら地獄の炎が使えます
宝の大まかな見取り図を地図に残し、私の仮面の中に仕舞っていざ脱出へ
(全て終わったら、この地図を村の方にお渡しできればいいのですけれど……)

(この貝殻、とっても綺麗ですわ。水の中だと淡く光るんですのね)
魅せられた真っ白な巻貝を、防水ばっちりな仮面の中へ大事にしまい込みます

洞窟は、来た時に仲良くなった鮫に被さって移動しますわ
鮫は周囲を敏感に感じ取る能力が備わっております
暗く入り組んでいても、海中が主戦場の鮫に支障は少ないでしょう

もし洞窟が細すぎて鮫では進めない場合、水流に身を任せて仮面単独で泳いで(?)いきます
流されるまま、ぐるぐると回って洞窟外へと排出
POW




(全て終わったら、この地図を村の方にお渡しできればいいのですけれど……)
 空気のある層で地獄の炎を器用に操り、由は宝の大まかな見取り図を地図に残し、仮面の内側に仕舞う。
 財宝はマーメイド達にとってみれば自分たちのテリトリーに勝手に流れてきたようなものだろうが、村のものや村に届けられれば元の持ち主に戻るはずだったものも含まれている可能性は高い。
 再びこの海底洞窟を訪れる者の作業が迅速に進むよう、由は複雑化していた宝物庫の構造を書き記した。
(この貝殻、とっても綺麗ですわ。水の中だと淡く光るんですのね)
 魅せられた真っ白な巻貝も同じく、仮面の中に仕舞う。さすがはブレイズキャリバー、仮面はばっちり完全防水なのだ。
 由は探索した時と同じく、鮫に被さって海底洞窟も泳いで移動を行う。
 幸いにも鮫が通れないほど狭くなっている部分もなく、すいすいと泳いでゆける。
 地上にはない海中特有の風景は由にとって映像でしか体験したことのない世界であったが、鮫に被られて進む感触は悪くない。
 海中における狩りのスペシャリストらしくスピードは少々速めだが、流される場合に比べて恐さは一切なく、鮫から伝わる感覚は自ら海を攻略しているようで安心感がある。
(慣れてしまえば、落ちる心配なく空を飛べるようなものですわね……)
 浮力の程よい心地よさに身を任せ、余裕で洞窟を進んでゆく由であった。

「汝らは影の映し身、地に満ちたる狼の軍勢、意に従いて万里を駆けよ」
 ライヴァルトが左手のに封印した天狼の力を借りるべく、詠唱の言葉を紡ぐ。
 水泳は苦手ではないものの、この先にまだまだ試練が待ち受けているのならば少々頭を使って体力の消費を抑えよう――そうして『複製召喚・天地満たす狼の軍勢』によって呼び出された複数の狼それぞれに縄を括り付け、自らの腕と繋ぐ。
「うん、それじゃ行こうか」
 通常の生物ではない、召喚された狼たちに息つぎは不要。さらに、狼たちは一糸乱れぬ統率で動くことができる。
 ライヴァルトは先を泳ぐ狼に牽かれ、マリンブルーに彩られた静かな海を進んだ。
(マーメイドどものいぬ間にって感じだが……)
 海の生き物たちは見たこともない狼たちの姿を恐れ、ライヴァルトが近づいても岩陰や砂へと隠れてゆく。
 このまま何事もなく海面まで進みたいところだが、予知通りならばそうはいかないのだろう。
(憂鬱だが敵対者は、何よりオブリビオンは見過ごせない。今まで屠ってきたやつらのことも考えれば、なおさらに丁重にお相手してやろうじゃないか)
 内なる士気を高め、苦戦する猟兵がいれば追加の狼を召喚ができるよう、ライヴァルトは後方へも気を配りつつゆっくりと進む。
 今のところさしたるトラブルは見受けられないが、まだまだ出口は見えない。
 用心に越したことはないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
あら、ナミルやっぱりいたのね。宝関連だからいるかも、とは思ったけど…一緒に氷獄鳥の巣穴へ宝探し行って以来ね♪

ふふっ…こういう水関係は初めてじゃないのよね。こういう経験が何度もあるのも問題かもしれないけど…。

潜る前に【念動力】で周囲の空気を圧縮して自身に纏わせ、念と空気の潜水服(潜水球)を形成。
水に潜った後は水の流れを【サイコキネシス】で操り、そのまま外まで移動するわ。

…そういえば、この宝を集めたマーメイドって一度絶滅してるのよね?復活してから集め直したのかしら?それとも、復活前から集めてたものが手つかずで残ってたのかしら…?

※アドリブ等歓迎


ナミル・タグイール
リグ(f10093)と同行
まだお宝漁りたいにゃ…名残惜しすぎるにゃー!
リグが偵察しに行ってくれてる間にちょっとだけ、あとちょっとだけにゃ。

ロープも結んで準備OKにゃ!毛皮も金ぴかも重くなるけどきっと大丈夫にゃ。
猫目ぱわー!(と勘)で暗闇も安心にゃ
教えてもらった場所に気をつけながら気合で泳ぐマスにゃ!
息が苦しくなったら【猫の財宝】で避難にゃ。盗んじゃダメデスにゃ?
ナミルも入れるはずにゃ!多分にゃ!宝箱だけはそのままだから使う場所を気をつけるにゃ。

…なんか下の方でキラキラが見えた気がするにゃ。まだお宝あるにゃ?
ちょっとだけ!ちょっとだけ寄り道させてにゃー!
何でも歓迎(基本的にはリグに従う)


リグ・アシュリーズ
ナミル(f00003)ちゃんと

濡れても困らない格好で海中トンネルを泳ぎます。
濡れた服の重さを侮るなかれ、私はシャツで十分!

まずは偵察がてら軽く潜ってみるね。
手繰って戻れるようロープで腰と岩を結び、
暗闇に目を慣らしてルートを探ります。
「ここは深く潜らないと頭打ちそう」等、
潜る時の難所をナミルちゃんや周りの人に伝えるね。

本番ではナミルちゃんと互いをロープで結ぶ事を提案。
息が苦しくなったら、ナミルちゃんの猫の財宝で
空気のある宝物庫に一瞬飛ばしてもらおうかな。
泳ぐときの負担はナミルちゃんの方がありそうだから、
出口へ抜ける時は先に上がってロープを引っ張って補助するつもり。
待ってて、今引っぱりあげるから!



「濡れた服の重さを侮るなかれ、私はシャツで十分!」
 リグは外套を脱いで、軽装になる。
 ロープを腰に括ると、宝物庫の出口付近にある出っ張った岩へと結ぶ。
 強く引っ張っても岩がすっぽ抜けないことを確認し、偵察がてら軽く潜ってみると、早くにユーベルコードや種族特性を活かして海中洞窟を抜けた猟兵たちが残していった目印があった。せり出す岩に海藻が縛ってあったり、石を矢印の形に並べたりとその種類はさまざまだ。
(これは分かりやすい! 先を越されはしたけれど、仲間に恵まれたわね)
 さらに先には細かな泡がゆっくり筋状に浮かんでゆくのも見える。おそらくは、トラブルに備えてゆっくり進んでいるのだろう。
 リグはナミルへと吉報を持ち帰るべく、命綱を手繰り寄せて宝物庫へ戻るのだった。

「あら、ナミルやっぱりいたのね。宝関連だからいるかも、とは思ったけど……一緒に氷獄鳥の巣穴へ宝探し行って以来ね♪」
 目ぼしいお宝をユーベルコードでごっそりバキュームしていった剛の者たちが出会う。
「まだお宝漁りたいにゃ……名残惜しすぎるにゃー! リグが偵察しに行ってくれてる間にちょっとだけ、あとちょっとだけにゃ」
 ナミルのスーパー金ぴかタイムはまだまだ続く。ざらざらだけど試しに磨いてみたらぴかぴかというパターンを発見してからずぶずぶなのだ。目が『もっとここに居たいデスにゃ!』と全力で輝いている。
 そんなナミルを微笑ましく眺めつつもフレミアは水に潜る準備を行う。
「ふふっ……こういう水関係は初めてじゃないのよね。こういう経験が何度もあるのも問題かもしれないけど……」
 ある伝承において、吸血鬼は流れる水を渡れないのだという説もある。もちろんそうでない者もいるのだが、こういった困難を克服できるに越したことはないのかもしれない。
「このぐらい……かしらね」
 念動力で周囲の空気を圧縮する。出来た空気の層を自身の周囲に纏わせている様子は眼を凝らさなければ全く見えないものであったろう。
 フレミアが水面へ足を一歩踏み出すと、海水が距離を置いて逃げてゆく。そのままもう片方の足も添えて海の中へと沈めば、巨大風船のように大きな泡がフレミアの周囲を覆って潜水服の役目を果たしていた。
 念動力による潜水球の完成である。
 そして、水流をうまくサイコキネシスで操り推進力へと変える。その光景は泡に閉じ込められた少女が海中を漂うような儚いものにも見えるかもしれないが、実際はとても安定していた。
「……そういえば、この宝を集めたマーメイドって一度絶滅してるのよね? 復活してから集め直したのかしら? それとも、復活前から集めてたものが手つかずで残ってたのかしら……?」
 考え事も出来るぐらいには余裕がある。
 猟兵の皆で回収した宝のおよその総量から逆算すると、おそらくは手つかずで残っていたのだろう。
 もしかすると遠い昔、海辺に集落が出来たこと自体がマーメイド達にとっては人間からの侵略行為だったのかもしれない。
 真偽を確かめる術はないが――オブリビオンとして蘇った存在は必ず世界を滅ぼす。マーメイド達がいかなる悲しみをその内に宿していようとも、倒さねばならない。

「ロープも結んで準備OKにゃ! 毛皮も金ぴかも重くなるけどきっと大丈夫にゃ」
 自慢のもふもふな毛並みとハントしたお宝が重荷になってしまいそうだが、ナミルは臆することなくやる気にあふれている。
 偵察から戻ったリグは、今度は岩ではなく、ナミルと互いをロープで結ぶ。
 二人はナミルの『猫の財宝』を応用して、ナミルの宝物庫から空気を補給する作戦だ。
「盗んじゃダメデスにゃ?」
「そんなことしないから、心配しなくて大丈夫よ」
 いつでも外に出られる宝物庫は便利だ。宝箱を使う場所に気を付ければ、苦しくなったら息継ぎ、を何度でも繰り返すことができる。もっと危なければ二人とも宝物庫に避難することだってできてしまうのだ。
「……なんか下の方でキラキラが見えた気がするにゃ。まだお宝あるにゃ? ちょっとだけ! ちょっとだけ寄り道させてにゃー!」
「もう、それらしいものは残ってないと思うけど……本当に、ちょっとだけよ?」
 時にはのんびり海中散歩。本当にナミルの言う通り砂の中に埋もれかけた金貨が見つかったりして、勘もさることながらその眼はあなどれない。闇に紛れたお宝も見逃さないのだ。
 血の色に艶めく折れた珊瑚も拾って、ミミックに入る宝物が増えてゆく。
「浮く分もあると、重くないデスにゃー」
「水面へ近づく時は特に大変そうね。私、体力温存しておくわ」
 ナミルの負担も考慮して、リグはフォローに回る。
 実際、リグが引っ張り上げなければ相当な重みで浮けないかもしれない。

 こうして、猟兵達は皆それぞれの方法で海底洞窟を抜けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『魅惑のマーメイド』

POW   :    人魚の槍
【トライデント 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    水を得た魚
【水の中に入る。または大量の水を召還し 】【自由自在に泳ぎまわり奇襲をかける。】【水の中で活性化されること】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    魅了する歌声
【同士討ちを誘発させる歌声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:chole

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 洞窟を抜けた先では、多くの岩礁に波が押し寄せている。島というよりは、ごつごつとした岩場だ。水に浸かった部分も多く海中からの奇襲に備える必要はあるが、この上で戦うのに支障はないだろう。
 マーメイド達は手に槍を構え、その岩に腰かけて待ち伏せをしていた。
「魚たちが騒がしいと思ったら、まさか人間とはねー」
「どこから迷い込んだのかは知らないけど……、まさか宝に手をつけたりはしてないわよね?」
 もしも泳ぎの早い個体に確認に行かれたら、隠し通せそうにない。
 ここはやはり、戦うしかないだろう――!
リグ・アシュリーズ
ナミルちゃんと共闘。
加えて、さっき親しげに話してたフレミアさんをじーっと見た後、「仲間!」とおもむろに握手を求める。
マーメイドは「敵!」と雑に認識。
「さあ、行くわよ!」

潜水直後で銃は湿気てそうだし、足を止めて黒剣で戦います。
リーチ面で槍に劣るけど、先手を許すかわりに
槍を剣で叩き折って、強引に得意な間合いに持ち込むわ!
ナミルちゃんが人魚を一本釣りをする間は、横槍を入れられないようカバー。

敵が増えてきたら、数減らし狙いで挑発!
「このピアスとかイヤリング、綺麗ね!頂いちゃおうかしらー?」
寄ってきたところで磯の岩盤に勢いよく剣を叩きつけ、『砂礫の雨』を降らせるわ!
尖った石って痛いのよ、食らいなさいっ!


フレミア・レイブラッド
人魚と言えば綺麗な子達が多いと聞くけど、噂通り可愛い子が多いわね♪


自身と雪花の周囲に【念動力】の膜を作って歌声の効果を軽減。
水に潜る等で奇襲仕掛けようとする子は【念動力】を水面に網の目の様に張り巡らせて身動きを封じて捕獲。
攻撃は敵の動きを【見切り、第六感】で見切り、魔槍【怪力、早業、2回攻撃】による攻撃で槍を弾き飛ばし、力の差を見せて心を折るわ。その上で【魅了の魔眼・快】【催眠術】【誘惑】魅惑のフェロモン、快楽を伴う【吸血】でこの子達を魅了、虜にしてこの子達も眷属にするわ♪
雪花を始め、わたしの城にはそういった子達が何人かいるしね。
雪花には吹雪等で動きを封じる手伝いをお願いするわ

※アドリブ等歓迎


ナミル・タグイール
リグと同行
フレミアにゃ!色々できてすごいデスにゃ!今回もピカピカにために頑張るにゃ!
…宝ってなんのことにゃ?この金ぴかはナミルのデスにゃ!

もう水は入りたくないにゃ。敵にこっちに来てもらうにゃ!
水しぶきに【黄金の鎖】を投げまくるにゃ!当たるまで投げるにゃー!(外れたら引っ張って回収)
突撃してくるようならカウンターでくっつけるとかもしたいにゃ。
当たったら繋がった鎖の【呪詛】で力を奪ってからの一本釣りにゃ!大物釣るにゃ!
陸に上げたらそのまま振り回して武器にしてやるマスにゃ!もう逃さないにゃー!
ぶんぶんして満足したらリグに切ってもらうかナミルの斧でザックリにゃ。
滑って落ちないように気をつけるにゃ!


宇冠・由
(水中戦では私に戦う術はありません、どうにかして空中戦に持ち込まなくては)
鮫にのって海上へ
ビーストマスターで周囲の魚の力も借りながら戦います

仮面の本体を鮫から切り離して戦いますわ
私は空飛ぶヒーローマスク、相手が水中が得意とするなら空は私のフィールドでしてよ

地獄の炎で全身を形づくり、その存在感で目立つことで私に攻撃を向けさせ、他の方への攻撃をかばいます
人魚の槍は私に当てようとするなら投擲せざる得ません
地獄の炎の部分なら、命中してもすぐに再生できます。そして武器を失った人魚は歌うだけでほとんど無力

「さぁ、お魚さん、力を貸して」
周囲にいる魚群をぶつけ攻撃。鮫の歯は人魚にも通用するのでしょうか?



「フレミアにゃ! 色々できてすごいデスにゃ! 今回もピカピカのために頑張るにゃ!」
 別々に洞窟を抜けたナミルとリグ、フレミアは、岩陰で合流する。
「また随分と豪奢な宝を見つけたみたいね。良かったじゃない」
 ナミルの一時的にしおしおになった毛並みを心配しつつも、フレミアはその頭に戴く冠に目をつける。
「……宝ってなんのことにゃ? この金ぴかはナミルのデスにゃ!」
 ――すっとぼけた! いやもしかすると、もう自分のものとして定着して久しい認識なのかもしれない。
「仲間!」
 フレミアをじーっと見つめていたリグも、乾かした手でおもむろに握手を求める。
「そ、そうね」
 思わず律儀に握手を返すフレミア。苦労人仲間かどうかはわからないが、何かしら通じるものがあったのだろう。
「で、あっちは敵!」
 岩陰の向こうに見える肌色はマーメイドのものだ。今見えている数は少ないが遅れてやってくる個体もいる。最終的な数は猟兵を上回るはずだ。
 そうしてリグは敵を認識すると、くろがねの剣を構え戦いに備えるのだった。

 水飛沫を上げて勢いよく海面から高く飛び上がった鮫が、器用に頭に載せていた何かをさらに上へと投て再び海へと落下していく。
 世界が世界ならよく訓練されたイルカのショーのような光景はマーメイド達の目を惹くが、パフォーマンスはまだまだ終わらない。
 そのまま投げ飛ばされたと思われていたボール……ではなくうさぎの仮面は、火を噴き激しく燃え上がると、ワンピースを着た少女のようなシルエットを形作る。
「皆様の為の力――」
 由が地獄の炎で全身を形作り、岩壁の間を飛翔していた。
「何あれ、精霊?」
「敵には違いないわ」
 自分達にとって知らない存在にマーメイド達は色めき立つ。
「消えなさい!」
 トライデントを投げて由の体に見事命中させたマーメイドは得意げに笑うが、由の炎は槍が通った痕跡を塞ぐように再び燃えさかる。
「その程度では、わたくしには通じませんわ」
「なっ……」
「きっとあの頭が本体よ!」
 武器を取りに潜るものや、よく狙いを定めるもの。マーメイドたちは悠々と上昇してみせる由に気を取られている。
「逃さないにゃー!」
 岩場の間を縫うように投げられたナミルの黄金の錠前が、槍を構えていたマーメイドを後ろから爆破した。
 錠前につながった黄金の鎖によって縛られたマーメイドは強い呪いを受けて力を失う。
「一本釣りにゃ! 大物釣るにゃ!」
「援護しますわ」
 由が音叉を鳴らすと、海中から鮫が集まってくる。あえて敵を惹きつけているため『七草芹(シロネグサ)』によりビーストマスターとしての能力も高まっていた。
「さぁ、お魚さん、力を貸して」
 大きな鮫が口を開けて人魚のひれに噛みつくと、小さな鮫もそれを見習うようにして水中のマーメイドの弱いところを狙う。普段は干渉しない同じ海の隣人(隣魚?)が突然牙を剥いてきたことにマーメイドたちは慌てた。
「ちょっと、やめなさいよ」
「もらった!」
 リグがその隙を突いて黒剣を振るう。あっけなく叩き斬られた人魚はそのまま手伝いをした鮫への報酬となった。
「何をしてくれるの!」
 寄ってきたマーメイドのトライデントによる一撃を剣で受けるようにして撥ねてそのまま叩き折り、リグは距離を詰めて自分の得意な間合いに持ち込む。
 統率が取れていないのか、岩の上では不利と見たマーメイドは仲間を見捨てて海へ飛び込み逃げてゆく。
「このピアスとかイヤリング、綺麗ね! 頂いちゃおうかしらー?」
 さっきそこで盗ってきましたというライブ感がしっくりくるように、リグは包んでいたハンカチーフを開いて宝物庫のアクセサリをマーメイドたちに見せびらかす。
「それは……」
 小さな耳飾りのデザインを正確に視認した個体は少なかったが、その輝きを見て各々が宝物庫に仕舞った自分のお気に入りを想起する。一種の心理的トラップだ。
「返せ!」
 海中から戻ってリグへと寄ってきたマーメイドたちが見たのは、磯の岩盤へと勢いよく黒剣を叩きつけるリグの姿。
「尖った石って痛いのよ、食らいなさいっ!」
 破砕された岩が砂礫の雨(ダスティ・レイン)となって降り注ぎ、マーメイドたちを散らしてゆく。
 態勢を整えるために一旦沈むものもいれば、そのまま動かなくなって沈んでゆくものもいた。
「人魚と言えば綺麗な子達が多いと聞くけど、噂通り可愛い子が多いわね♪」
 楽しそうな言葉からは考えられないほどに強い力で、フレミアの真紅の槍はマーメイドのトライデントをあっさりと弾いてゆく。
「ふん、当たり前よ! 何人もイケメンを落としてきたんだから」
 マーメイドはといえば、一対一ではまず武器捌きで勝てそうにない負け惜しみだ。
「男よりも、わたしの虜になりなさい」
 フレミアの視線にあてられたマーメイドは、強い魅了の魔力に身体を貫かれる。
「嫌よ、体が……」
 逃れ得ぬ強い快楽が襲う。目の前の存在から言い知れぬ魅力を感じる。
「わたしの眷属にしてあげるわ♪」
 囀るような澄んだ声が耳から沁み込むようにして脳を揺さぶる。身を捧げたい衝動に駆られる。
「はぁっ、はぁッ……だめ、だめぇっ」
 マーメイドは力を振り、絞り岩場から滑り落ちるようにして海へ逃れてゆく。
 だが、その身体は沈まずに泡となって消えた。強い魅了が地上に生きる者との恋の先に待ち受ける運命まで夢想させたのだろうか。
「さっきからこの妙な網とか雪とか、邪魔なのよ!」
 すかさず魅了の範囲から外れていた別のマーメイドが、海中からフレミアの傍にいた雪花を狙って槍を突き出す。
「逃さないにゃー!」
 だがそこに鉢合わせたのはナミルが黄金の鎖で振り回している『縛られたマーメイド』だ。
「きゃああっ」
 十分な遠心力を伴った一撃は、同士討ちのような形で人魚たちを薙ぎ払ってゆく。
「いっぱいぶんぶんして楽しかったにゃ」
 後から駆けつけたものも含めて、戦場に残るマーメイドはごっそりとその数を減らしている――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ライヴァルト・ナトゥア
やぁやぁ、人魚諸君
君たちの言うとおり、俺たちは財宝に手をつけた。だが、そのことに関して君達に何か言われるいわれはないな
(UCを起動。【ジャンプ】【空中戦】で立体駆動)
何せ、君たちも貿易船を襲って手に入れたのだろう?ならば、それが自分に返ってきたとしても、なんらおかしくはないだろう
(海面上を跳びながら【2回攻撃】の手数で飛翔する斬撃を連発。斬撃の雨のようにも見えるそれを降らせる)
やったらやられるものだ。それがどんな世界でも同じで、それを止めることなど出来はしない
(【第六感】で攻撃を感知し、歌の時は耳を塞ぐ)
不運といえば不運なのだろうな。けれど、それは往々にして理不尽に訪れるものだよ



「やぁやぁ、人魚諸君」
 なるべく穏やかにマーメイドたちへ語り掛けるライヴァルトであるが、彼女らはますます警戒を強める一方だ。
「わたし達のシマをよくも荒らしたわね!」
 島というよりは海底だったが、それはともかくとしてこの辺りの海はマーメイドたちの支配地域だと言いたいらしい。ライヴァルトへと近づくマーメイド達は手に手に三叉槍を構えている。
「君たちの言うとおり、俺たちは財宝に手をつけた。だが、そのことに関して君達に何か言われるいわれはないな」
 その語り口こそ穏やかなままであったが、岩を蹴り高く跳び上がると、猛き蒼狼の外装がライヴァルトを覆う。封印を解かれた蒼狼を纏うライヴァルトは自在に岩場を駆ける。
「何せ、君たちも貿易船を襲って手に入れたのだろう? ならば、それが自分に返ってきたとしても、なんらおかしくはないだろう」
 ライヴァルトの声色が低くなる。姿勢も低く取り海面すれすれへ降りた青狼はひときわ強く岩を蹴ると、勢いそのままに鎌と化した右手でマーメイドの首を刈り取った。
「ひっ……」
 先程まで生きていた隣の仲間が全身を弛緩させて海へ沈む。肌を伝う生臭い血に思わずマーメイドは竦む。
 ライヴァルトの言葉に間違いはない。かつてこのマーメイド達は船を沈め、宝を奪い、人間を殺した。
「でも、だって、欲しかったんだもの」
「やったらやられるものだ。それがどんな世界でも同じで、それを止めることなど出来はしない」
 慌てて海へ潜り、不意を突いて海から奇襲しようとしていたマーメイドを、狼の爪が掬い上げる。驟雨が水面を穿つように斬撃が降り、斬られた人魚が次々と陸の岩場へと上がる。
「いやよ! どうしてわたし達ばっかり!」
(不運といえば不運なのだろうな。けれど、それは往々にして理不尽に訪れるものだよ)
 ライヴァルトはその同情を言葉にはしなかった。
 いかに世の理が悲しみに満ちていようとも、それを口にすることは彼女たちの救いに繋がらない。

 やがて、海に静けさが訪れた。
 骸の海へと再び放逐されたオブリビオンが去り、猟兵たちの手元には幾ばくかの追憶の品々が残る。
 遠くに見える海辺の村を目指し脅威が去ったことを伝えれば、きっと村人たちも喜ぶだろう。
 今はもう少しだけ、波に揺られて冒険を――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月15日


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#勇者の伝説探索


30




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 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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挿絵イラスト