【初心者向け】魔物たちは春の甘露を狙う
アックス&ウィザーズの世界にも春が訪れた。
厳しい冬を乗り越えた人々は互いに喜び合う。
ある村では花を愛で、ある村では夜通し歌い飲み明かした。
またある村では、春の花や木の実を収穫し、それをジャムにして春を楽しむ。
そのための工房や市場も充実しており、交易も盛んな村である。
だが、その村を虎視眈々と制圧しようとしている軍服の男がいた。
「我が軍の兵站拠点に相応しい村だ。さて、一気に制圧してしまおうか」
軍服の男はオブリビオンである。
そして、彼が率いる異形の魔獣もまたオブリビオン。
春を喜ぶ村に、過去からの毒牙が迫りくる……!
「でも、あたいの予知で、この事件が発生する前にみんなを転送できちゃうわけだねっ!」
蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が集まった猟兵たちへ告げる。
「でね? 今回は、ジャム工場のある村を守るべく、オブリビオンの拠点に猟兵のみんなが逆に攻め込んじゃおうっていう作戦なんだよっ!」
幸い、予知で村の付近にある森の中にオブリビオンの拠点が存在すると判明したとレモンは言う。
転送先もこの拠点と目と鼻の、森の遊歩道の入り口付近となる。
遊歩道から拠点までは一本道であるため、迷うことはない。
そのまま速やかに拠点へ向かい、今回の事件の首謀者を討伐するという依頼内容だ。
「オブリビオンも猟兵自ら攻め込んでくるとは思っていないはず! だからこちらから奇襲を仕掛ける形になるよっ! 奇襲に適したアイテムや技能があると、更に上手くいくと思うよっ!」
森の中という事は死角が多い。それを利用するのも手だろう。
逆に敵に利用されないように立ち回りを工夫する必要もあるだろう。
「みんなならきっと事件を解決してくれると、あたいは信じているよっ! 無事に解決出来たら、村でジャム作り体験ができるよっ! それを楽しみにして、頑張ろうねっ!」
レモンは頭上のグリモアを輝かせると、早速、アックス&ウィザーズへ転送を開始した。
七転 十五起
七転十五起、なぎてんはねおきです。
この依頼は【初心者向け】シナリオとなっております。
PBWのシナリオに馴染みの薄い方に楽しんでいただけたらと思います。
シナリオ参加が初めての方、大歓迎です。
プレイング最低限の字数でも構いませんので、お気軽に挑戦してみてください。
勿論、自称しょしんしゃの猟兵の皆様にも楽しんでいただけたら幸いです。
なお、戦闘ルールが分からない方は、歯車マークの【ガレージ】から『説明書』→左下の目次から『シナリオ』をクリックすると、プレイングや戦闘ルールの詳細が記載されていますので、ご参考までにどうぞ!
第一章は集団戦です。無双しちゃってください!
第二章はボス戦です。悪い奴なのでブッ飛ばしてください!
第三章は日常イベントです。村の工房でジャム作りを体験できます。
なお、第3章では、お客様が誘ってくれるプレイングをかけてくれた場合のみ、オープニングに登場したグリモア猟兵『蛇塚・レモン』を、リプレイに登場させる事も可能です(登場可能なのは第3章のみです)。
それでは、初心者の猟兵の皆さまの挑戦をお待ちしております。
初心者(ニュービー)には優しくね!!
第1章 集団戦
『ナーガクーガ』
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POW : 飛びかかる影
【不意打ちの飛びかかり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【輝く牙による食い千切り攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 激昂
【怒りの咆哮を上げて威嚇する】事で【興奮状態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 集団防衛
【強敵の出現を知らせる警戒の咆哮】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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アーサー・ツヴァイク
※アドリブ共闘大歓迎
※しょしんしゃです!
嘘です本当の初心者優先でお願いします
さて…場慣れしてない猟兵が多そうだし、ここは一つ手本を見せるぜ!
森の中に入ったら【ツヴァイク博士】を召喚し、猫野郎を探してもらうぜ。頼むぜ、義父さん!
一匹見つけたら【スナイパー】の力を駆使して【レイシューター・フルバースト】を叩き込む。
仲間がやられたら警戒されるだろうから、【存在感】を発揮して敵の眼をこっちに向けさせよう。要は俺が囮になるってことだ。こっちに集中させた方が場慣れしてない猟兵も動きやすいだろ。
さあ、飛びかかってこいよ!
間近にいる方が【プロミネンス・インパクト】をぶちかましやすいからな!
エーデルティール・スピネル
初任務!初任務デスヨ!✨誰と共に戦うことになるか…楽しみデス!
甘いモノも…実は結構、楽しみデス。
☆戦闘
「…おっと、早速、オブリビオンの登場、デスネ!」
【殺気】を帯びながらUC【妖剣解放】で正面突破!
「ンッフフフフ
……!!」
と気持ち悪い笑い声をあげながら、UCの高速移動で敵をかく乱させつつ、囲まれた時は衝撃波を使い、踊るように(【ダンス】)妖刀で敵を滅多切りデス!
(アドリブや絡み等があるようですが大歓迎です。是非!)
四葉・蛍輝
アドリブ、他の参加者との連携歓迎です。
実践は初なので基本は後衛からの援護射撃。
メイン武器はエレメンタルロッド(普段の形状は鍵で戦闘時に巨大化した鍵の杖になるイメージです)で光の雨を降らせる等光属性攻撃を使用。
負傷者が出た場合は回復に回ります。
普段は意識的に穏やかな口調で話すよう心がけていますが戦闘中等集中しだすと淡々と人形的になるイメージでいます。
表情筋も豊かでく基本無表情のため口調でカバーしようと努力中。
台詞イメージ(通常)
淡々としがちのため意識的に穏やかな口調で話す
「指示があれば合わせて動くよ」
「右の敵は任せて」
台詞イメージ(集中)
「目標補足。光雨射撃」
「損傷軽微。異常無」
ユーフィ・バウム
※アドリブも絡みも歓迎です
森育ちとしては、獣型オブビリオンに
負けるわけにはいきませんね
速やかに拠点へ向かい、
【戦闘知識】を生かし、奇襲に適した位置取りを心がけます
【野生の勘】で森の死角などを把握して、
活かせれば尚良いです
そして攻める時は【ダッシュ】で迫り一気に強襲しましょう
戦闘時は、仲間と連携を意識・孤立を防ぎつつ
【なぎ払い】で多くの敵に一撃を叩きつけます
囲まれそうな際は【吹き飛ばし】て一度に多くの敵に
攻め込まれるのを防ぎます
敵の攻撃は【見切り】、【オーラ防御】でがっちりと堪える
見た目よりずっと頑丈なのです、
そんなもの、効きませんよ?
反撃に【力溜め】ての《トランスバスター》!
倒して行きますよ!
敵の拠点は森の中。
予知によって奇襲の機会を得た猟兵4人が、森の入り口へ転送された。
「よし、まずは自己紹介だな」
赤銅色の髪の青年がマフラーをたなびかせた。
「俺の名前はアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)! いわゆる改造人間だ。戦闘時は暁の戦士ドーンブレイカーに変身するぜ! よろしくな!」
その威風堂々たる立ち振る舞いは、歴戦の猟兵だと一目で判るものであった。
「次はワタシ! 初任務! 初任務デスヨ!✨」
笑顔を輝かせる桃色の髪の女性……ではなく、ノンセクシャルな男性が無邪気に手を挙げて自己紹介を始めた。
「ワタシ、エーデルティール・スピネル(カクテル・トリックスター・f17495)、デス! とある神話に登場する酒と宝石の神なのデス! 趣味は人間観察と童話の類の読書、それと魔石細工デス! 皆サンと共に戦えるのが……楽しみデス! あッ、甘いモノも……実は結構、楽しみデス」
首に眷属である妖蛇の兄弟を巻きながら、朗らかにスピネルは挨拶を済ませた。
「俺も実践は初だよ。よろしくね。名前は……本名は覚えてないけど、今は四葉・蛍輝(蛍火・f17592)って名乗ってる。ミレナリィドールなんだ。まだ分からないことも多いけど頑張るよ」
種族柄か、四葉の表情の起伏は乏しい。
だが、声の抑揚で、彼は今、初めての任務に期待と不安が入り混じっていることが容易に推測できた。
「えっと、俺、あんまり表情に変化ないから、意識的に穏やかな口調で話すよう心がけてるんだ。冷たい印象を与えがちだけど、決してみんなと距離を置きたいとか、そんなつもりはないから……」
「大丈夫です。とても誠実そうな人だなぁって思いました」
ぽやぽやとしたお嬢様口調で四葉をフォローするのは、青眼銀髪のツインテール少女、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)である。
「ユーフィ・バウムです。森育ちとしては、獣型オブビリオンに負けるわけにはいきません。頑張りましょうね」
これで全員の自己紹介が終わった。
アーサーはこの中で自分が一番の熟練者だと悟ると、力強く他の3人へ告げた。
「さて……今回は場慣れしてない猟兵が2人いるし、ここはひとつ手本を見せるぜ!」
アーサーが何処からともなく取り出したるは、サンドライバーと名付けた変身ベルト。
腹部にかざすと、ベルト部分が自動的に伸びて装着を完了させる。
そしてアーサーに埋め込まれたサンストーンの力で、アーサーは変身をするのだ!
「いくぜ! 変身ッ!」
鳴り響く電子音声!
【ソウゥルバーニングッ! コンプリートッ!】
アーサーの身体がプロミネンスめいた炎に包まれたかと思えば、一瞬にして真紅の戦士へと変貌を遂げた!
ベルト部分に輝く、横向きのAの頭文字!
「暁の戦士! ドーンブレイカーッ!」
ポーズを決めるドーンブレイカーに、他の猟兵3名は思わず拍手!
これにちょっと気を良くしたドーンブレイカーは、すぐさま行動を開始。
ベルトの力を発動させて、召還を行った。
ライズツール【ライフォン】を操作し、ユーベルコードを発動!
【Select……】
「出番だよ、義父さん!」
『おや、私の出番ですか? アルトゥール』
ベルトの中から出現したのは、アーサーの義父で、アーサーの強化改造手術を手掛けた科学者のツヴァイク博士だ。
ただ、他者から極めて発見され難く、他の猟兵でも意識を集中しないと視認すら覚束ない。
「義父さん、この近くにオブリビオンの群れがいるみたいだ。多分、猫みたいなやつなんだが」
『なるほど、この遊歩道の先を見てくればよいのですね? では行ってきましょう』
「頼んだよ、義父さん!」
博士が森の遊歩道を分け入って進んでいく。恐らく、長年整備されていないであろう遊歩道は、草木が生い茂って完全に獣道と化している。
「俺と義父さんの五感は今、共有されている。猫野郎を見付けたら急行するぜ!」
『アーサー、早速、怪しい獣を見付けましたよ』
博士の眼を通して、ドーンブレイカーは蛇の鱗目いた体表のジャガーのような魔獣を確認した。
「ありがとう、義父さん! よし、こっそり近付こうぜ!」
暁のヒーローの手引きで、難なく群れからはぐれた魔獣――ナーガクーガを発見した猟兵一行。
手始めにドーンブレイカーが先制攻撃を仕掛ける。
ベルトにかざしたライズツール【ライフォン】が唸る!
【Select……BURST ACTION!】
「フルパワーでぶちかますぜ!!」
ドーンブレイカーはシューティングギャラクシィ形態へ瞬時に変身すると、砲身に鷲のオブジェが付いている大型の射撃武器『レイシューター』から、狙い澄まされた最大火力のソーラーパワー砲弾が発射された!
KABOOOOOOOOOM!!!
赤の炎と黒い煙が巻き起こり、一撃でナーガクーガが爆発四散!
「あそこを見て。さっきので気付かれたみたいだね」
四葉が指差す方向から、ナーガクーガの大群が押し寄せてくるではないか。
木々を飛び越え、草むらを掻き分け、猟兵たちに牙と爪を建てんと興奮している!
「……おっと、早速、オブリビオンの援軍登場、デスネ!」
妖刀を抜き払ったスピネルが魔獣の群れの前に躍り出ると、妖刀の怨念をまとい、殺気を解放しながら斬撃による衝撃波で正面から切りかかってゆく!
ユーベルコード『妖剣解放』をスピネルが踊るように放つと、近寄ってきた魔獣が一体、また一体と血飛沫を上げて細切れになっていった!
「ンッフフフフ……!! いいデスネ!! 心が弾みマスネ♪♪♪」
高速移動を織り交ぜながら、気持ち悪い笑い声を漏らして切りかかってゆく姿はとてもサディスティックである。
「指示があれば合わせて動くよ」
四葉の声に、ユーフィが声を掛ける。
「わたしは敵の背後を突きます! 四葉さんは正面から敵を惹きつけてください!」
「あ、ワタシは左側を一掃するデス♥」
スピネルの指示も併せて聞いた四葉は、二人に向けて大きく頷いた。
彼の手元で、小さな鍵が巨大化し、鍵型のエレメンタルロッドへと変化した。
「わかった。右側の敵は任せて」
四葉は魔力を集中させると、その口調が途端に淡々と人形的な口調へと変化する。
「目標補足。光雨、射撃準備、完了」
鍵杖の先を魔獣の群れへ向けると、それらの上空に魔方陣が浮かび上がる!
「一斉射撃、開始」
四葉の号令によって鍵杖から光が放たれたかと思えば、上空の魔方陣から光の矢の雨が魔獣の群れへ降り注ぐ!
断末魔を上げて倒れ込む魔獣だが、全てを屠ることは出来なかった。
四葉の攻撃を受けた魔獣たちが方向を上げ始めた。
すると、倒れていた魔獣の数匹が立ち上がり、次第に凶暴さが増してゆくのが見て取れた。
パワーアップしている!
だが、魔獣の背後へ木々を飛び移りながら忍び寄ってくるユーフィの姿が!
その手には巨大な青く輝く牙めいた武器『ディアボロス』を携え、思いっきり横薙ぎに振りかぶった!
「この間合いなら、避けられませんよ!」
真一文字に魔獣たちへ武器を叩き付けると、かっ飛ばされたナーガクーガたちは木々の幹へ激突し、意識を手放した。
すかさず他の魔獣たちがユーフィへ飛び掛かり、己の牙で喰らい付かんと試みる。
だが、ユーフィの身体はオーラで覆われ、彼女の褐色の肌へ牙と爪を今以上食い込ませることは出来なかった。
「見た目よりずっと頑丈なのです、そんなもの、効きませんよ?」
敢えて噛み付かせて魔獣の動きを封じたユーフィは、背後から飛び掛かってきた魔獣の一撃を回避する。
そして、噛み付かれた腕に群がる魔獣ごと、襲ってきた魔獣へ体当たり!
木の幹とユーフィに首を挟まれた魔獣はもがき苦しむ!
「行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ! まとめて消し飛ばしますよ!」
ユーフィの鍛え上げられた豊満な肉体から放たれる拳の一撃が魔獣の壁に突き刺さると、オーラと拳圧で前方の木が折れるほどの一撃となって魔獣の下半身を一気に吹き飛ばした!
地鳴りを起こして倒れる大木!
その衝撃に、ドーンブレイカーを襲っていた魔獣たちが一瞬怯んだ!
「今だ! 合わせるぜ、スピネル!」
「ンッフフフフ……!! 囮役、ありがとうございマス、アーサーくん! トドメを刺すのデス!!」
2人の猟兵が魔獣の群れに詰め寄る!
魔獣もまた怒りの咆哮を上げて威嚇し、興奮したまま突っ込んでくる!
これにドーンブレイカーはライズツール【ライフォン】を操作してユーベルコードを発動させる!
そして彼の姿がアナザーフォーム『ブレイキングダークネス』へと変換!
「近付いてくるなら好都合だ! 必殺技だ!」
【Select……BURN ACTION!】
「この手に宿る太陽の力……受けてみやがれえええええ
!!!!」
【Prominence Impact!】
左手に刻まれた聖痕に力を集め、超高熱になった拳を振りかぶり、全力で魔獣を殴り付けた!
爆炎を巻き起こしながら、魔獣は後方へ仲間を巻き込みながら大炎上、大爆発!
「滅多切りデス!」
そしてスピネルが残る魔獣たちへ死の剣舞を披露して切り刻んでいった!
こうして、魔獣の群れを駆逐した猟兵4名。
「損傷軽微。異常無し。回復魔法、行使」
四葉は『生まれながらの光』でドーンブレイカーとユーフィの傷を癒してゆく。
残す首謀者との戦いへ向けて、万全の準備を整えた猟兵たちは、更に獣道と化した遊歩道の奥へと突き進んでゆく。
大成功
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第2章 ボス戦
『謎の軍団妖精突撃隊長『ハル・バートン』』
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POW : 地べたに這いつくばるがいい!
単純で重い【足での踏みつけ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 我が肉体に傷を付けられるかね
全身を【堂々と立ちながら超防御体勢】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : 遠距離や召喚やバフ・デバフに頼るんじゃねぇーぞ!
技能名「【範囲攻撃/恐怖を与える/衝撃波/気絶攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
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猟兵たちは森の奥で廃屋を発見した。
その窓から、赤い軍服の男が飛び出してきた。
「やはり来たか、猟兵! ナーガクーガの群れを倒したからと言っていい気になるな!」
身の丈ほどの斧槍を構え、猟兵たちと対峙する。
……しかし、猟兵たちは目を疑う。
男の背丈は、成人男性の1/6ほど(30cm)だったのだから。
「貴様等! 俺がフェアリーだからって笑ったなぁ!?」
斧槍を振り回して怒り狂う軍服の男。
「この俺を妖精突撃隊長ハル・バートンと知って愚弄するか!? いいだろう! 貴様等、その考えを地獄で後悔させてやる! 俺の鍛え上げられた鋼の肉体を思い知れ!!」
激昂する妖精突撃隊長ハル・バートンが地面を踏み付けると、なんと着地地点にクレーターが出来たではないか!
このオブリビオンを倒さねば、村が甚大な被害を受けてしまうだろう。
さあ、猟兵たちよ、武器をとれ!
ユーフィ・バウム
※アドリブ・絡みは大歓迎ですよっ!
悪い人登場ですね!
初任務の方がぜひ華々しく止めを刺して欲しいですが、
その前に私が弱らせましょう
打ち合いつつも相手の攻撃を【見切り】、
致命の一撃を避けて【オーラ防御】!
オーラ纏う鍛えた肉体で、受けきります
痛みなんてへっちゃらな【激痛耐性】です
そして反撃!【グラップル】で組み付き、
【力溜め】ての【吹き飛ばし】で相手を空中に放り投げ、
飛び上がっての《トランクスラッシュ》の一撃!
鍛え上げた肉体を弾ませた【空中戦】での
ヒップアタックを命中させてダウンさせます
どうですか、森の勇者の一撃っ
きっとまだフィニッシュではないと思うので、
後はお任せします、ばっちり決めてくださいね!
四葉・蛍輝
引き続きよろしくお願いします。
今回もアドリブ、共闘歓迎です。
「人は見かけによらない…勉強になる」
「俺は皆の援護に回るよ。攻撃はお願いしていいかな」
攻撃は皆に任せてサポートメインに行動。
ハル・バートンの動きに注視してミレナリオ・リフレクションでの攻撃無効化を狙う。
基本はハル・バートンの動きに合わせて行動。
相手が防御行動を取ってる間等は味方の回復を担当。
現れたオブリビオンこと妖精突撃隊長ハル・バートン。
その体に見合わず強大なパワーを誇る一撃に、猟兵たちは油断ならぬと身構える。
「悪い人登場ですね!」
ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は気合の入った声を上げると、ちらりと四葉・蛍輝(蛍火・f17592)を見遣る。
(初任務の方がぜひ華々しく止めを刺して欲しいですが、その前に私が弱らせましょう)
ユーフィはこの任務で初依頼の猟兵たちに経験を積ませようと考える。
そんな四葉は、真剣な表情でバーンを見詰めていた。
「あんな小さいのに、凄い力だ。人は見かけによらない……勉強になる」
「貴様! 小さいと言ったな!? よほど死にたいらしいな?」
耳聡く四葉の呟きを拾って激昂するバーン。
自分に敵意を向けられたことを察すると、四葉は咄嗟に防御の構え。
「俺は皆の援護に回るよ。ユーフィさん、攻撃はお願いしていいかな」
「そういうことでしたら、任せてください!」
バーンは機は熟したとばかりに、斧槍を掲げて叫んだ。
「ゆくぞ、猟兵ども! ぬおおおおっ!」
突っ込んでくる小柄な敵は、その小さな躯体にも関わらずパワフルなタックルを仕掛けてきた!
「遠距離や召喚やバフ・デバフに頼るんじゃねぇーぞ! 戦士なら武器で殴れ!!」
バーンは光が満ちる斧槍を振り上げると、四葉に向けて飛び掛かってくる!
そこへ割って入り、オーラを全身から立ち昇らせたユーフィが攻撃を受け止める!
ユーフィの肌に斧槍の刃が突き立てられるも、彼女のオーラと身に纏う抗魔の衣に阻まれて斧槍はそれ以上、肉と骨を蝕むことが出来ない。
だが衝撃波によってユーフィの身体は後ろに押し戻され、四葉は吹っ飛ばされる!
「ぬ!? 俺の一撃を喰らって原形を保っているなんてな? さすがは猟兵だ!」
「オーラ纏う鍛えた肉体は、あなたの刃なんてへっちゃらです! 痛くないですよ!」
実際は小柄なユーフィの身体に途轍もない重圧が圧し掛かってきた瞬間、脳が揺さぶられた。だが、後ろにいる四葉を守らんという覚悟と、ユーフィの今までの鍛錬で身に着けた激痛態勢で踏ん張り、余裕ぶってみせる。
これがバーンの神経を逆なでしてゆく。
「おのれ、ならばこれでどうだ!」
バーンはユーフィの頭上を越えて高く飛び上がり、ドロップキックの要領で急降下!
「ふははは! 地べたに這いつくばるがいい!」
「それは先ほど見ました!」
しかし、ユーフィはバク転で身軽にバーンの着地点を回避し、クレーターでうずくまるバーンへ向けて反撃を開始!
「隙あり、です!」
ユーフィは素早く右手を伸ばしてバーンを掴む!
「なに!? 俺が攻撃の反動で動けないところを!? くそ、放せ!!」
ユーフィの手の中でもがくバーン。
だが、徐々にユーフィの握力が強くなり、バーンの身体を締め上げてゆく!
「さぁ、行きますよ!」
ユーフィはオーバースロー投法で振り被る。
これは、一本足投法!
左足を高々と上げた後に大きく踏み込み、溜めに溜めた力を込めてバーンを空中に放り投げた。
「おおおおおおぉぉ!?」
放り投げたバーンは天高く打ち上げられた!
地上ではユーフィが両足に力を込めて、オーラを噴き上げてハイパージャンプ!
「鍛えられた肉体を、めいっぱい叩き込みますっ! 喰らってください!」
これは回避不可の空中強打!
だが、バーンもこの瞬間を待ち構えていた!
「馬鹿め! 今度こそ叩き斬ってくれる!」
バーンが斧槍を遠心力を乗せて振り回す!
このままでは跳び上がったユーフィの顔面が真っ二つに割れてしまう!
絶体絶命!
「ははははは! 死ねぇ!!」
「――させないよ」
ここで四葉が動いた。
「敵性ユーベルコード解析完了。同一ユーベルコードの発動準備終了。迎撃、開始」
なんと、四葉もいきなり全力で飛び上がると、エレメンタルロッドを輝かせて上段に振りかぶる!
「目標補足。ユーベルコード『ミレナリオ・リフレクション』……執行」
鈍重なロッドのひと振りはバーンの槍斧を打ち払い、ユーベルコードを完全に無効化!
「……ユーフィさん!」
「四葉さん、ありがとうございます! 今度こそ……!」
ユーフィは木の枝を三角跳びの要領で蹴り飛ばすと、勢いを付けたままバーンの上からヒップアタック!
ルチャリブレめいた華麗な空中戦からの急降下!
地面とユーフィの鍛え上げられた大殿筋に挟まれたバーンは、地面に減り込んでしまった!
「どうですか、森の勇者の一撃っ!」
「……な、なかなかやるな!」
だが、バーンはクレーターの中から這い上がってきた!
これにユーフィは予定調和だと言わんばかりに頷く。
「やはりまだフィニッシュではないと思いました……。後はお任せします、ばっちり決めてくださいね!」
後続の猟兵たちへ前を譲ると、ユーフィは四葉の回復魔法の施しを受けるために後退をしていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エーデルティール・スピネル
小柄な姿のどこからあんなパワーが?興味深いデス✨
…まあ、そんなコトはいいんデス。我ら猟兵に敵うもの無しデスヨ-!
★戦闘
「細かい指示は頼みましたよ皆サン!」
【クライシスゾーン】を使いつつ、周りの指示に合わせて動きマショウ!
「フフフ…たまには数の暴力も悪くないデスネー?なんて!」
周囲の石ころとかを、スゴイ竜巻に変換しマスッ
大きな指示がなければ、【殺気】全開で竜巻と共に攻撃を仕掛けマス。上手い事背後にまわれたらいいのデスが…。
もし背後にまわれたら、指輪の【毒使い】の力を使いマショウ!
アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎
※🔵過多の時は不採用可
敵は小柄ながら相当なパワーがあるようだ。相手の姿形で判断するのは危険だな…
敵に向かって【ダッシュ】で接近、その間に左腕のフラッシュブレードを取り出して斬撃を飛ばす。連続で攻撃を繰り出し、敵の防御を誘うぜ!
敵に接近できたら【グラップル】で、右手で敵を鷲掴みだ! このままグッと力で攻めたいところだが…ビクともしないだろうな。奴の防御力は並ではない。
だが、この状態では動けないという弱点を突かせてもらうぜ!
右手でがっちり掴んだまんま…【ブーステッド・ソニックアーム】で右手毎、奴を超高速で射出するぜ! マッハ4を超えるスピードで、空の彼方に飛んで行きやがれ!!
前に進み出るエーデルティール・スピネル(カクテル・トリックスター・f17495)とアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)こと暁の戦士ドーンブレイカーは、クレーターから這い出てくるバーンへ向かって猛ダッシュ!
「小柄な姿のどこからあんなパワーが? 興味深いデス✨」
「確かに、敵は小柄ながら相当なパワーがあるようだ。相手の姿形で判断するのは危険だな……。気を付けろ、スピネル」
「平気デス! というか、そんなコトはいいんデス。我ら猟兵に敵うもの無しデスヨ-! 細かい指示は頼みましたよ、アーサーくん!」
「左右から挟み撃ちにするぞ、スピネル!」
「判りましたデス!」
スピネルは立ち止まり、スピリットヒーローとしての能力を発揮する!
「ユーベルコード『クライシスゾーン』デス! フフフ……たまには数の暴力も悪くないデスネー? ……なんて!」
スピネルの半径17m以内の小石や岩が突如、超次元の竜巻に変換されて敵の周りを包囲!
そのひとつひとつが災害級の威力を誇り、バーンは斧槍を地面に突き立てて吹き飛ばされないように堪えている。
「なんのぉ! これしきの事で!!」
バーンは斧槍を号外に振り回すと、衝撃波で複数の竜巻の威力を削ぎ落してゆくではないか!
「言っただろ!? 遠距離攻撃なんかに頼ってんじゃねーぞ!! この斧槍ひとつで凌いでみせるぜ!」
「だったら、こういうのはどうだ!?」
ドーンブレイカーは左義手と一体化した籠手から、輝く光の刃を顕在させた。
「喰らえ! フラッシュブレード連続斬りだ!」
光の刃が空間を奔る度に、剣圧が幾重にも飛び道具のようにバーンへ向かって飛んでゆく!
背中をバックリと切り裂かれ、たたらを踏むバーン。
「貴様! 剣をそのように使うとは言語道断だ! 近接武器はこう使うんだ!」
バーンは振り返ると、斧槍を暁の戦士へ向けて振り上げ、叩き斬ろうと接近!
だが、バーンは再び、自分の背中に激痛が走るとその場に蹲ってしまった。
「ぐぬぅ!? な、なんだ、この痛みは!?」
「それはワタシからのプレゼント、デス!」
スピネルは竜巻に紛れて、腕輪を付けた手で妖刀を握り、バーンの後ろから斬りかかったのだ。
いまだ竜巻は健在。そして挟み撃ち。
バーンは己の不利を悟り、最終判断に至る。
「フハハハハハ! 俺もヤキが回ったようだが、もうこれ以上は無駄だと知れ!」
バーンは全身に力を籠めると、その筋肉がモリモリと隆起し始めたではないか!
そして腕を組んで堂々と仁王立ちで猟兵2人に言い放つ。
「さて、我が肉体に傷を付けられるかね?」
「なら、試させてもらうぜ!」
ドーンブレイカーは右拳をブースターで勢いをつけて殴り付けた!
その高速パンチはバーンの全身に激突!
しかし、バーンから余裕の笑みが零れる。
「フフフフフ、その程度が、猟兵!? 効かぬ、効かぬぞ!」
「チッ、めちゃくちゃ固くなってやがる!」
「ならば竜巻で攻撃デス!」
スピネルの竜巻攻撃も、筋肉の鎧でバンプアップしたバーンは吹き飛びもしなかった。
「今の俺は無敵! 俺の鋼の肉体は今、如何なる攻撃もユーベルコードも、無傷でやり過ごすことができる!」
勝ち誇った表情で高笑いをするバーン。
だが、逆に笑ったのは猟兵2人であった。
「そのユーベルコード、自分から動けない系統の奴だろ? つまり、攻撃は出来ないよな?」
「あ、ワタシの攻撃は“既に完了している”のデス♪」
ドーンブレイカーは今までオブリビオンとの戦闘からユーベルコードの弱点を指摘し、スピネルはしめしめと悪童のような無邪気な笑顔でニヤニヤと笑う。
バーンはそれを鼻で笑ってあしらった。
「フンッ、負け惜しみでよく吠える奴らだな……ん、ぅ、ぐっ!?」
突如、バーンの顔色が土気色へと変わってゆく。
その両目は虚ろになり、呼吸が荒くなってゆく。
「オヤオヤ、ようやく効き始めましたネ、私のプレゼントした猛毒が!」
「き、貴様、先ほどの一太刀は、まさか!?」
バーンは必死に無敵状態を維持しようと踏ん張る。
スピネルは満面の笑みでネタ晴らしを始めた。
「そのまさかデス! 竜巻が効かないので、この『毒花の指輪』から分泌される毒を塗った妖刀で斬り付けたのデスヨ!」
「ぐっ!? まずいぞ、無敵状態を解除した瞬間、俺はこいつの毒で死んでしまう……!」
つまり、スピネルのトドメは“既に完了していた”のだ!!
「それはいいことを聞いたぜ」
既に勝敗が決したことを察したドーンブレイカー。
彼はむんずとバーンを右手で掴み上げた。
「スピネル、お手柄だぜ! だが、無敵状態のこいつをすぐに倒すことは出来ない。ここは俺に任せてくれないか?」
「お手並み拝見、デス!」
ドーンブレイカーは右手の獅子型の聖痕に念を込め始めた。
そしてライズツール【ライフォン】を左手で操り、ベルトのサンドラーバーへかざし、必殺のユーベルコードを発動させた!
【Select……COUNT ACTION!】
「マッハ4を超えるスピードで、空の彼方を通り越して、骸の海の向こう側まで……」
【3……2……1……! Good luck!】
「飛んでいきやがれえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
右腕のブーストアームからバーンがマッハ4近い超速度で大空へ射出された!
「ああああああああああああああぁぁぁぁ――!!」
バーンの悲鳴がドップラー効果を伴いながら遠ざかってゆく。
恐怖でユーベルコードが解除された妖精型オブリビオンは、約マッハ4の衝撃波で全身の骨が砕け、気が緩んだ瞬間に全身に猛毒が回り、口から泡を吹いて絶命する。
その死体は森をゆうに飛び越え、そのまま雲を突き抜け、骸の海へと溶けるように消えてくのだった。
大成功
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第3章 日常
『蜜をぎゅっと』
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POW : とにかく果実もりだくさん
SPD : 丁寧に、レシピ通り
WIZ : アレンジちょい足しお任せあれ!
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かくして、オブリビオンの襲撃を未然に防いだ猟兵たち。
森から外に出て、近くの村を訪れてみれば、そこは春祭りの真っ最中。
特に、ジャム工房には大勢の観光客や地元の村人たちがこぞってジャム作りを体験しているようである。これは、猟兵たちも参加しておいて損はない。
「やぁ、いらっしゃい! 材料は豊富にあるから、大抵のジャムならここで作れるはずだ」
工房の主人は快活に教えてくれた。
こっそり猟兵たちの様子を見に来たグリモア猟兵のレモンも春祭りに合流。
彼女はジャム作りに興味津々の様子。
もし他の猟兵が声を掛ければ、同行するだろうが、特に気にしなくとも構わない。
さぁ、ジャム作り体験の始まりだ!
四葉・蛍輝
最後までよろしくお願いします。
今回もアドリブ等歓迎です。
せっかくなので蛇塚さんも一緒にとジャム作りに誘うよ。せっかくだから皆で一緒に楽しみたいよね。
「甘いもの好きだからジャム作り、楽しみだったんだよね」
表情は変わらずとも、声色明るく楽しみにしていたことが伝わる様子で。
「何味にするか迷うよね、どれも美味しそう。蛇塚さんはオススメある?」
オススメがあればその味のジャム作りにチャレンジ。
景気良く砂糖を投入しようとする。
「え……何事も加減が大事?そうか……」
少し残念そうな声色で。
それでも美味しいジャムを作って大事そうに瓶に詰めて持ち帰ろうと思います。
「すごくいい記念になったな」
春祭りの活気に溢れる村を闊歩する四葉・蛍輝(蛍火・f17592)は、早速、ジャム工房の扉を叩く。
「すみません、ここでジャムを作っているって聞いたのですが」
中から顔を出したのは工房の職人。
職人は笑顔で四葉を歓迎すると、彼を中へ招待した。
「あの、もうひとり、いるんですけど……」
四葉の後ろから顔を出すのは、金髪のポニーテールのグリモア猟兵であった。
「ほら、レモンさんも一緒に行こうよ?」
「蛍輝君、ありがとっ!」
レモンの手を取り、四葉が工房へエスコート。
「せっかくだから、一緒に楽しみたいよね。それに、甘いもの好きだからジャム作り、楽しみだったんだ」
四葉の表情は相変わらず変化に乏しいが、彼の声色は格段に明るく、このイベントを楽しみにしていたことがレモンにも伝わってきた。
「蛍輝君は甘いものが好きなんだね~っ! あっ、ねぇ、見て見て! 色々あるよっ!」
レモンが指差すそこには、様々なジャムの素材が所狭しと揃っていた。
定番のイチゴやラズベリー、ブルーベリーやシトラス系、変わり種はハーブ類など、そのまま食べても美味しそうな素材ばかりだ。
四葉はそれらを前にして、腕を組んで唸りだす。
「うぅん、何味にするか迷うよね、どれも美味しそう。蛇塚さんはオススメある?」
「レモンはないっぽい……」
自分の名前と同じ果実を探していたレモンが呟く。
残念ながらレモンの収穫時期は11月から2月頃。
常温保存が常のアックス&ウィザーズでは、生果のまま春まで保存するのは難しいだろう。
結局、ふたりはオーソドックスなイチゴを素材として選択した。
「よし、いっぱい甘くしないとだね」
四葉は計量せずに景気よくドカドカとイチゴの入った鍋に砂糖を投入してゆく!
「蛍輝君、ストーップッ! お砂糖、入れすぎだよっ!?」
すかさずレモンが制止する。
そして四葉にレシピ通りの分量で作らないと失敗しやすくなったり、味が悪くなったりすることをレモンから教えられた。
「え……何事も加減が大事? そうか……」
レシピの存在意義を説かれ、理解した上で、四葉は少し残念そうな声色で肩を落とす。
彼は隠れ甘党だった。
それでも、四葉はレシピを参考にして大量のイチゴジャムを煮詰めると、煮沸消毒した瓶に詰めてご満悦の様子。
相変わらず表情には出ないが、四葉の周りの空気が若干キラキラと輝いている気がした。
「すごくいい記念になったな。世界の危機も守れたし、本当に色々と頑張ったよ」
四葉はレモンに軽く礼を告げると、大量の出来立てイチゴジャムの瓶を袋に詰めて持ち帰るのだった。
大成功
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エーデルティール・スピネル
(最後もよろしくおねがいします、アドリブ絡み大歓迎です!)
さぁて、ワタシもジャム作りしマスヨー!
誘える人はまだいませんが…
「うーむ…誰かと合流できたらいいのデスガ…」
【WIS】
もうすでに使いたい素材はブラックベリーと決めてマス。
他のも気になりマスガ…
「ブラックベリーのジャム…昔はよく食べてたんデスヨネ…」
砂糖ではなく蜂蜜を使って作りマス!ちょっとおお目に入れても大丈夫…デスヨネ?
なるべく楽しく、手際よく作りたいデス!
上手く出来たら、知り合いへのお土産として持ち帰りマスネ
村の春祭りをエーデルティール・スピネル(カクテル・トリックスター・f17495)は足取り軽く散策中。
スピネルにとって、アックス&ウィザーズの世界は初体験。
珍しい露店の品々や大道芸を目にして、子供のように大はしゃぎ!
「この世界は楽しいデスネ! それもこれも、ワタシたちがオブリビオンをやっつけたから、デスガネ?」
猟兵としての初仕事を経験し、その結果、この春祭りが開催されていると思うと、スピネルはじんわりと胸の奥が暖かく、そしてこそばゆくなった。
「うーむ……。誰かと合流できたらいいのデスガ……、残念ながら、今回は単独行動デスネ」
うなだれていても仕方がない。
スピネルは気持ちを入れ替え、ジャム工房へ足を運ぶ。
「さぁて、ワタシもジャム作りしマスヨー! ごめんくだサイ!」
すると、工房の奥から恰幅のいい職人の男性が現れた。
「おや、いらっしゃい! 見かけない顔だね、お嬢さん?」
「イヤイヤ、ワタシはこう見えて男性でシテ!」
桃色の長い髪と女性らしい服装のスピネル。
初見では男性だと見抜くことは難しいのだろう。
工房の職人は苦笑いしながらスピネルに謝罪。
「そいつは申し訳ない。なかなかの美丈夫じゃねぇか。さて、材料はどれだい?」
「実はすでに使いたい素材はブラックベリーと決めてマス」
他も気になる、と言いたげにスピネルの目線は泳いでいるが、ここは初志貫徹。
「ブラックベリーのジャム……昔はよく食べてたんデスヨネ……」
「思い出の味ってやつか。作り方は分かるのか?」
「ハイ! 砂糖の代わりに蜂蜜をたっぷり使いマス!」
「へぇ、うちではやらない手法だな。もしよかったら教えてくれないか?」
「ヨロコンデー!」
こうして、ジャム職人とスピネルの二人三脚の作業が始まった。
摘み立てのブラックベリーを鍋に投入。
そこへ瓶の中身が空になる勢いで蜂蜜を大量に流し込んでゆく。
「お、おい? こんなに入れて大丈夫なのか?」
未知の作業に不安を隠せないジャム職人へ、スピネルは朗らかに親指を立てて頷いた。
「平気、平気デス! もうちょっと多めに入れても大丈夫……デス、多分」
「なぁ、頼むぜ、スピネル先生……?」
「ま、任せてくだサイ! 手際よくいきまショウ!」
その後、悪戦苦闘しながらも、ブラックベリーのハニージャムが完成!
2人は早速試食をしてみる。
「これデス! 昔を思い出す懐かしい味デス!」
「こいつは美味いな! このレシピ、うちの工房で新商品として活用させてくれないか?」
「勿論デス!」
こうして、スピネルの持ち込んだ異世界のレシピが、アックス&ウィザーズの新たな食卓を彩ることになりそうである。
スピネルも出来上がったジャムの瓶を抱え、ウキウキしながら工房を後にする。
「お土産がたくさんできまシタ! これが猟兵の仕事なのデスネ! とても興味深いデス!」
新たな冒険の門出に相応しい実感とお土産を携え、スピネルは帰還を果たすのだった。
これは、新たな猟兵たちの最初の一歩を記した冒険記である。
大成功
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