「ひっ! お、おたすけぇ!」
「そうはいかねえなぁ……!」
注連縄で縛られた旅商人と思しき男に対し、目の前に浮かぶ狐の面が喋る。
「に、荷物が欲しいなら、全部置いていきますから!」
「……ほう。」
狐の面は少し悩むように動き、舌なめずりするかのように旅商人を睨め付ける。
「いいだろう、全部置いていけ。」
「へ、へい!」
注連縄が緩み、旅商人が荷物をそこに置く。
すると、急に注連縄が旅商人の体を締め上げ始めた。
「が……は、放すって……!」
「あぁ?」
首を絞められ、真っ赤になった顔に狐の面は近づき、
「おまえは、全部って言ったよな?」
「か……は……。」
「けひひ! てめえの体も全部頂くに決まってるだろうが!」
息絶えた旅商人に対し、狐の面の笑い声がいつまでも響いていた……。
「皆さん、集まっていただき、ありがとうございます。」
猟兵達を笑顔で迎えながら、八咫は事の顛末を話し始めた。
「サムライエンパイアのとある藩の境に、本来の幕府が作った物とは違う関所が出るそうです。
普通の人なら何事もなく通してくれるそうですが、妖怪の気をひくモノを持っていると、どこかへ引きずり込まれるらしいです。
まずはその関所を探してください、旅人などから噂が聞けるはずです。」
それと……と符を取り出して見せながら、
「私が見た引きずり込まれた人は、この符のような陰陽術で使う呪物を持っていた旅商人でした。
おそらく、何らかの妖気を察知して、自分の物とするつもりなのでしょう。
そのようなモノを持っていれば、引きずり込まれるでしょう。
そうすれば、後は妖怪を倒すだけです。」
頑張ってくださいね?と笑顔を向け、八咫がゲートを開くと、藩の境近くの旅籠が見えた。
ヨグ
ヨグです、今回もよろしくお願いします。
人を攫う関所、それをなんとかしてください。
第1章 冒険
『関所を破れ』
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POW : 正面から正々堂々関所を破る
SPD : 旅人から情報を得る、建物に侵入
WIZ : わざと捕まって様子をみる
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リカルド・マスケラス
「ちょいちょいちょい!似た顔で問題行動起こされても困るっすよ!コンなイケメンが人を襲うなんて勘違いされたらどうするんすか!」
まー、そんな理由で依頼参加っす
気の引きそうなものと言えば、自分自信(お面)か宇宙バイクっすかね?とりあえず、関所が見つかれば、宇宙バイクにお面を乗っけた状態で関所をぶち破りに行くっす
まー、場所に関しては【コミュ力】交えて旅籠の人から訊くっすかね。旅の料理人でも名乗って
「このへんで、通らないといけない関所ってどのあたりっすかね?」
そこで本来ない関所の噂でも聞ければいいんすけどね。
ついでにこの辺の名物料理と調理法でも訊いて世界知識を深めるっすかねー
選択UCはほぼフレーバー
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
まるで人食い関所ね
人々の安寧の為にも早く解決しないと
わざと捕まって何処から引きずり込まれるのか手掛かりを残します
事前に私の行動の意図を味方へ伝えておきます
髪には目印用の花を挿しておきます
人が消える関所について
<動物と話す、コミュ力、優しさで情報収集>
場所の見当が付いたら旅人に<変装>して探ります
ヴェールとヘッドドレスとゴスロリドレスは
魔力が籠っていますので妖怪の気は惹けるかしら?
引きずり込まれる際は花弁を落として目印にします
仲間が駆けつけるまでか弱いフリをして捕まり
<コミュ力、誘惑、おびき寄せで嗜虐心を煽って時間稼ぎ>
命の危険が有れば【贖罪】で耐えます
嫌!放して下さい!
「ちょいちょいちょい! 似た顔で問題行動起こされても困るっすよ!」
転送されてすぐ、話にあったのと似た狐の面を横被りにした男、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、自分である面をさすって笑いながら言う。
「コンなイケメンが人を襲うなんて勘違いされたらどうするんすか!」
「ええ、まぁ……そう、ですね。」
そういえば、彼は面が本体でしたね……と納得しつつ頷いたのは、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
「とりあえず……まずは、その場所を調べなければいけませんね。」
「そっすね! じゃあちょっくら行ってくるんで!」
「あ……。」
言うが早いか、あっけにとられたシホを背に、リカルドは旅籠の方へ駆け出していった。
「……関所なら、この道を真っ直ぐ行って、途中を右に曲がったところね。」
「おー、助かったっすよ! いや~、やっぱりお姉さんに声かけて良かったなぁ!」
飯屋になっていた旅籠の1階、少し遅い朝食を食べていた旅芸人風の女性に話かけていたリカルド。
「いや、構わないけど……なんでまた?」
「あれなんすよ、なんかほんとはないはずの関所がある、とかって聞いたもんで。」
「あぁ……。」
少し顔を曇らせ、女性は周りを見渡して静かに語った。
「さっき言った道だけど、途中を左に行くと出るって。」
「……お化けっすか?」
「似てるわ、あの世への関所だって。……まぁ、噂だけど。」
「……って話っすよ。」
「ふむふむ……ビンゴ、と。」
かくして二人……もとい、バイクに乗った狐の面であるリカルドと、純白の羽を揺らしながら横を歩くシホ。
「でも、さっきのところを左に曲がって、しばらくたったんすけどね?」
「確かに……あら?」
二人の前に、1匹の鴉が降り立った。
翼を広げつつ、かぁ!と一鳴きして飛び立っていった。
「……帰った方がいいよ、だって。」
「わかるんすか?」
「ええ、優しい子みたいね。」
鴉の飛び立った方向へ視線を向けて呟く。
「……ごめんなさいね。忠告を無視することになるけど、許してね。」
そのまま道を進んでいると、急に視界が霧に包まれた。
「ちょ! なんか見えないっすよ!」
まるで水中にいるかのように息苦しい。
ぼんやりと見えるのは、二つの篝火と簡単な門。
「……嫌! 放して下さい!」
シホの悲鳴が響き、霧がはれる。
……そこに残されていたのは、エーデルワイスの白い花びらだけだった。
大成功
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弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です。
【WIZ】
ここは1つ、わざと掴まって様子を見てみましょう。
私の義眼の【魔見の玉】と義腕の【負ケジ乃腕】、それと右手に嵌めている【戒めの手袋】ははっきり言って分かる人が見れば怪しい物ですからね。
さて、どんな風に何処へと連れ込まれるのやら?
(注、銀花は服も【妄執の軍服ワンピース】で怪しげな物だと言う事を失念しています)
すみません、天下自在符を持っているのですが通っても宜しいでしょうか?
こちらで吟味ですか?
服も脱ぐのは良いのですが、男性の方に肌を見られるのはちょっと……。
あ、何をするんですか!?
目と腕と服を返して縄を解いて下さい!
夜神・静流
「悪しき魔の者が裏に居そうですね。討伐しなければ」
お祓い道具と霊符、破魔・呪詛耐性・第六感あたりの技能を使用して妖しげな気を探ってみます。
「妖や呪物の気配……こちらでしょうか」
それらしい物を察知できたら、そこに向かって忍び込みます。
目立たない・忍び足・暗殺技能を使用。壁や障害物を乗り越える必要があればダッシュ・ジャンプ・クライミング技能を使用します。
他に侵入や索敵をする仲間が居れば協力。
アドリブ・絡み歓迎。
春乃・菊生
妖怪の正体や手の内がわからぬではどうしようもないのう。
ここは旅人を装い、わざと捕まって相手の出方を見るかの。
媒介道具を持って居れば気を引くことも叶おう。
「確か、こちらの方とか言っておったのう。」
謎の関所が出るという噂の道を歩いて時間が立ち、薙刀を背負った春乃・菊生(羅刹のシャーマン・f17466)は道の先を見ながら呟く。
「ところで、皆は道具は持ってるじゃろうか?」
「ええ、問題なく。」
「ばっちり、持ってますよ。」
答えたのは、二人とも腰に刀を差した女性と少女。
お払いの道具一式を常に持ち歩く夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)と、呪物である義眼と義椀、それと手袋をつけている弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)。
「よし、では向こうから動くまで行くとするかのう。」
「あれは……?」
道の先に、白い花びらが落ちているのに気が付いた夜神。
「先に行ってた人の、ですね。」
「ふむ、ということはこの辺で出るということか。」
慎重に……と春乃が続けようとした時、辺りを霧が包む。
「ただの霧……という感じではないですね。」
「そう、ですね。悪いモノが見えます。」
妖気のようなモノを感じ、刀に手をかける夜神と、義眼を通して妖気を見た弥久。
霧の中、ぼんやりと見えていた二つの篝火がはっきりと見えた時、簡素な門が道に現れた。
「……噂の関所、じゃな。」
3人が歩みを進めると、立ちふさがるのは2人の男。
「すみません、天下自在符を持っているのですが通っても宜しいでしょうか?」
「荷を検めさせてもらおう。」
弥久の見せた天下自在符に目もくれず、陰気な声でそう言った。
「ふむ、これでいいかのう?」
一人目は春乃。
元々荷物は少なく、薙刀は簡単に見る程度で終わり、持っていた媒介道具をじっくりと検分しているようだった。
「のう、通っていいのじゃろうか?」
「……少し待て、全員終わってからだ。」
「ご苦労なことじゃのう。」
まぁよいが、と装備一式をつけながら、春乃は仲間の様子を見る。
「では、次。」
「お手柔らかに。」
次は夜神。
腰に付けた愛刀、十六夜と白夜を預けるのは気が引けたが、男たちはチラッと一瞥しただけで済ませたようだった。
しかし、浄化の霊符や大幣などのお払いの道具については、先ほどと同じように妙に長く見ている。
「何か、悪い物でも見えますか?」
「……いや、問題はない。」
「なら、いいですけど。」
大して問題があるということはなく、一式を戻された夜神。
「最後だ。」
「はい、じゃあこれですね。」
3人の中で一番若い弥久が腰の物、白嵐玉椿を見せていると、
「……服を脱いでもらおうか。」
「え、え? いや、服も脱ぐのは良いのですが、男性の方に肌を見られるのはちょっと……。」
「いいから脱げ。」
有無を言わさぬ様子に、軍服を模したワンピースを開けさせると、男たちはしきりに腕を触って見ている。
「……あ。」
「ほう、これはなかなか。」
取り外せる義手であると見るや、一度取り外して確認し、すぐに弥久へ返した。
「えっと、もう着ていいんですよ、ね?」
「……ああ、ご苦労だった。」
用は済んだとばかりに、男たちは弥久に一式を返し、離れていった。
(女の子の裸を見たんだし、もっと反応してもいいと思わない? なんでこの人達、そっちに無反応なの……。)
などと弥久が考えていると、男たちの姿が突然ぐにゃりと溶け始めた。
「ひ!」
「なんじゃ!?」
べちゃり! と粘り気のある液体のように地に広がる……。
と見るや、その中から半透明のクラゲが湧き出し、宙を舞い始めた。
「……そっか、人じゃなかったから反応なかったんですね。」
「そんなことを言っている場合じゃないですよ!」
成功
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第2章 集団戦
『水晶宮からの使者』
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POW : サヨナラ。
自身に【望みを吸い増殖した怪火】をまとい、高速移動と【檻を出た者のトラウマ投影と夢の欠片】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 夢占い
小さな【浮遊する幻影の怪火】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【鍵の無い檻。望みを何でも投影する幻影空間】で、いつでも外に出られる。
WIZ : 海火垂る
【細波の記憶を染めた青の怪火】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
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霧に呑まれた者たちは、本来山の中にいるべきではないモノに出会ったという。
それは本来、海にいるモノ。
この地に縛られ、動けずにいるモノは、少しの妖力や魔力などを察知することができた。
……この地に住まう悪しき者によって、モノはここに置かれた。
呪物を狙う、悪しき者にモノは縛られていた。
今はただ、人を飲み込むモノとして。
春乃・菊生
ふむ。海月じゃの。
しかし、陸の上に居るとはちと面妖じゃな。
こやつら、何某かの術で呼ばれたか、縛られでもしたのじゃろうか?
……ふむ。まあ、どのみち放っておくわけにもいくまいの。
片っ端から叩き切ってくれようぞ。
秘術ノ壱で【鎧武者】の霊を召喚し、【大薙刀】でなぎ払い。
斬撃の効果が薄いようじゃったら、媒介道具による衝撃波で攻撃。
高速治療じゃろうがお構いなし。
再生する端から削るまでじゃ。
とは言え、じゃ。
こやつらが何某かの術を受けているのであれば、これで終わりとも思えぬのう。
術の癖だけでも見破れぬものかの。
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
(内心。縛られなかったのは幸いですが、
殿方の前で服を脱がされる事になるなんて…。
と恥ずかしがっています)
って!(人がクラゲに変わった事に驚き)
なるほど…。
妖気を察知するだけでなく直接見定めてから強奪する気なのね
(静かに袖口から聖銃を取り出して構えます)
【祝音】で味方の癒しを優先します。
攻撃の余裕があれば【鈴蘭の嵐】を
<誘導弾、フェイントで援護射撃>
青の怪火ごと撃ち落とします。
敵の攻撃は<第六感、見切り>で回避し
当たりそうなら<オーラ防御、武器受け>
ここはあなた達が居て良い場所ではありません。
海に…骸の海にお帰り下さい。
さて、決着を付けましょうか、
狐面のオブリビオンさん?
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です。
さて、不当に私の肌を見たのですから唯で済ませはしませんよ。
膾斬りにして酢漬けにしてあげましょう。
愛刀の白嵐玉椿で斬り掛かります、【怪力】のスキルで先ずは絞めるのを際優先に攻撃します。
殺しきれて居なかったら鋭刃線閃で念入りに止めです。
夜神・静流
真の姿を解放。
「私は夜神の剣士。一族の使命に従い、魔を滅する者」
残像・早業・属性攻撃・範囲攻撃・破魔技能を使用。
二ノ秘剣・焔舞による三十六個の炎の斬撃を放って攻撃します。
また、投擲・破魔技能を使用しての霊符の投擲も同時に行います。
視力・見切り技能で回復を行なおうとする個体を見切り、優先して排除します。
「焼き祓え。二ノ秘剣・焔舞」
アドリブ・絡み歓迎。
(縛られなかったのは幸いですが、殿方の前で服を脱がされる事になるなんて……。)
服を開けさせられていた弥久を見て、シホは顔を赤くしながらそんなことを考えていた。
が、目の前で男たちが崩れてクラゲになるのを見て、
「って! え、なんですこれ!?」
「海月……じゃの。しかし、陸の上に居るとはちと面妖じゃな。」
比較的冷静に状況を見ていた春乃が呟く。
「こやつら、何某かの術で呼ばれたか、縛られでもしたのじゃろうか?」
「やったとすればおそらく、最初に話のあった狐の面ですか……妖気を察知するだけでなく、直接見定めてから強奪する気なのね。」
なるほど……とシホは納得しながら、静かに袖口から聖銃を取り出していると、後ろから笑い声が聞こえてきた。
「ふっふふふふ……。」
「あ、あの、弥久さん……?」
振り返ると、愛刀の白嵐玉椿に手をかけながら笑う弥久がいた。
ひとしきり笑うと、愛刀を引き抜き、
「さて……不当に私の肌を見たのですから、唯で済ませはしませんよ。膾斬りにして酢漬けにしてあげましょう。」
クラゲたちへ斬りかかっていった。
「私は夜神の剣士。一族の使命に従い、魔を滅する者!」
その名乗りとともに、夜神は天使のような真の姿を開放する。
「我が剣は業火……魔を焼き祓うやいうわっ!」
「くらえええい!」
夜神が十六夜を引き抜き、刃状の火炎をあげた横を弥久が駆け抜け、クラゲの1体を一刀のもとに斬り伏せる。
「危ないですよ!」
「ふふふ……次は、あなたです!」
「……もう。」
まるで聞いていない様子でクラゲを切り裂く弥久を見て、これ以上言う必要もないと火炎の制御を続ける。
仲間を斬り捨てられたクラゲたちは怪火を纏い、動きを速め始めた。
「ふむ、我も手下を出すとしようかの。片っ端から叩き切ってくれようぞ。」
春乃は鎧武者の霊を呼び出し、クラゲたちへ走らせる。
武者はその手の大薙刀を振り回し、まとめて薙ぎ払う。
「焼き祓え。二ノ秘剣・焔舞。」
クラゲたちが薙刀の風圧で周囲へ散ったところへ、夜神の炎刃が襲い掛かる。
その刃は舞うように、クラゲたちを燃やしていった。
そして、周囲に花びらが散る。
「ここはあなた達が居て良い場所ではありません。海に……骸の海にお帰り下さい。」
シホの祈りの声に、舞い散る鈴蘭の花びらに触れたクラゲが引きちぎられていく。
「これで粗方、というところじゃのう。」
「ええ、後は残りを倒すだけです。」
春乃は武者に強弓で射貫かせ、夜神は霊符を散ったクラゲへ投げつける。
シホも牽制に聖銃を構えて放つが、クラゲが青い怪火を放つと傷が癒えていくのが見えた。
「回復までするんですね。」
「ふふふ、念入りに斬って上げますよ!」
そんなクラゲを、弥久が一刀の下に斬り捨てていく。
……全てのクラゲたちが動かなくなるまで、それほど時間はかからなかった。
「さて、じゃあ酢漬けにしますか。」
「え、本当に食べるんですか?」
「……ふふ、冗談ですよ。」
刀を収めながら呟く弥久に、シホは思わずつっこむ。
「まぁ頭も冷えたかのう。さて……。」
霊の武者を帰らせ、春乃が辺りを見渡していると、周囲に鬼火が浮かぶ。
「……元凶、ですね。」
身構えた夜神の視線の先、鬼火に照らされて周囲の物が見えはじめた。
様々な呪物……霊符、注連縄、藁人形などの道具たち。
大きなものでは、人の頭蓋骨などもある。
「戦利品ってことかな。」
「そのようじゃな。」
降霊の秘術を伝える一族、その末裔である春乃に、呪物の使い道が頭に浮かんだ。
「呪いを操り、人の魂を抜き取り、物に魂を縛り付ける……か。なかなか、質の悪い術士に編み出された術式じゃな。」
「悪趣味ね……。」
「全くじゃ。先ほどの海月も、その応用じゃろうよ、元々ここにいたモノではないからのう。」
と推察した部分を語っていると、手を叩くような音が響く。
そちらへ視線を向けると、狐の面がふわりと浮かんでいた。
「……お出まし、ね。」
「では、決着を付けましょうか。狐面のオブリビオンさん?」
各々武器を構え、狐の面と対峙した
大成功
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第3章 ボス戦
『魔神兵鬼『ヨウコ』』
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POW : 呪法・契約怨嗟
【口から語られる呪詛の言葉】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 呪法・剥奪電霊
対象の攻撃を軽減する【電脳体】に変身しつつ、【技能を奪い、自身を成長させる捕食行動】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 呪法・偽狐灯
レベル×5本の【電気】属性の【それぞれ個別に操れる、狐火の幻影】を放つ。
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「お見事お見事! なかなか見どころがあるじゃねえか!」
狐の面……そして、青く光る体で手を叩きながら語りかけてくる、モノ。
「呪力のありそうなもんも持ってるなぁ……さぁて。」
バリバリと静電気のような音を放ちながら喋るソレは、ただの霊体ではなかった。
「お前らの全てを置いていってもらうぜぇ!」
術士によって作られた、偽りの霊体。
死罪になった罪人の魂を狐の面に込めた、心霊兵器のなれのはて……。
ソレは、本能の赴くままにすべてを奪おうとする。
強欲な罪人の魂の、本能のままに。
夜神・静流
「呪われし存在……我が剣で討ち滅ぼす」
真の姿および八ノ太刀・神威を解放。
見切り・残像・第六感で敵の攻撃を回避しつつ、避けきれない分は神威の効果とオーラ防御で防ぎ接近。
ダッシュ・ジャンプ・空中戦技能を使い、背中の翼で空を飛びながら光の刃で攻撃します。
攻撃時は破魔・怪力技能を使用。
撃破後は破魔・呪詛耐性技能を使ってお祓いをする。
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です。
なるほど、追い剥ぎの親玉はケダモノモドキでしたか。
パチパチうるさいですよ、調伏してあげますので掛かって来なさい。
とは言った物の、刀で斬り掛かったら痺れそうな体をしていますね……。
ここは1つ、実は呪物の鞘から【衝撃波】を放射して範囲攻撃したり【誘導弾】を撃って攻撃しましょう。
相手が弱ったり攻勢に出てきたら人狼咆哮で追撃します。
うーん、それにしてもあの縄、キチンと表面処理してないので縛られた人はチクチクしてしまうのでしょうね……、ダニとか中に棲んでそうです。
30分くらい煮沸してから陰日で乾燥させて、薄く油を塗ってから毛羽を焼かないと……。
「なるほど、追い剥ぎの親玉はケダモノモドキでしたか。」
弥久は白嵐玉椿の柄を撫でながら、電気のような相手の様子を見ていた。
「パチパチうるさいですよ、調伏してあげますので掛かって来なさい。」
「我が身は神の依代、我が剣は魔を断つ刃!」
夜神の姿はそのままに、脇差『白夜』を引き抜くと、刀身が光に包まれる。
「呪われし存在……我が剣で討ち滅ぼす。」
「きひひ! できるものならなぁ!」
対する狐面はニヤニヤと嗤うように揺れながら、狐火を展開する。
普通のものと違い、ジジ……という音とともにブレるそれを、猟兵達へ放ってきた。
「そんな痺れそうな狐火に当たりたくはないです!」
弥久の愛刀、白嵐玉椿。
鞘に入ったままのそれを振るうと、魔力の衝撃が広がった。
「かき消してあげますよ!」
鞘から放たれる衝撃、さらに電気を吸い寄せる魔力球を放つと、狐火はそちらを追うように動いて消えた。
「けけ……なかなか面白い鞘じゃねえか!」
「あ、やっぱりわかるんですね。」
「よそ見してる暇はありませんよ!」
夜神の声に視線を向けると、天使の羽を広げて仮面へ飛び掛かるところだった。
「八ノ太刀・神威!」
「く、ぐあああ!」
振るわれる、元の脇差よりもはるかに長い光の刃。
仮面はぎりぎりで避けるが、電気でできた霊体が斬り裂かれ、注連縄が斬り飛ばされた。
「へ、へへ……やるじゃねえか!」
切り裂かれた霊体から狐火を浮かべて夜神へ放つが、空中でも羽で軌道を変える夜神の動きに追いつくことはなかった。
「さぁ! まだ終わりじゃないですよ!」
「しゃらくせえ! その刀置いていきやがれええ!」
「うーん……。」
斬り飛ばされた注連縄を見ながら、弥久は思案していた。
「それにしてもあの縄、キチンと表面処理してないので、縛られた人はチクチクしてしまうのでしょうね……ダニとか中に棲んでそうです。」
やっぱりちゃんと煮沸して、陰日で乾燥させて、薄く油を塗ってから毛羽を焼かないと……。
ひゅん! という風切り音に瞬時に反応して飛び退くと、まさにその注連縄が弥久の鞘を狙って投げられていたのだった。
「危ないですよ!」
「よそ見してんじゃねえ! それをよこしやがれ!」
仮面が注連縄をさらに投げつけるが、その横から光が一筋走った。
「よそ見はどっちですか!」
「ち! てめえは後回しだ!」
飛び交う狐火と、切り裂く光刃。
「ふふ、本当に強欲な仮面で。」
すぅ……と弥久は大きく息を吸い、仮面が狐火を放った瞬間、
「かき消えろ!!」
「!?」
大音量の咆哮に、かき消される狐火。
「塵と消えなさい!」
「ぐあああああ!」
機会を見逃さず、夜神が光刃で斬りかかる。
狐面の耳を斬り飛ばした。
「やりましたね!」
「……いいえ、まだ浅いようです。」
油断なく狐面を見ると、まだ呪力は消える様子はない。
「てめえら……。」
地の底から響くような声。
「許さねぇ……。」
魂に刻まれた、罪人の魂の声だった。
「全て、全てだ! すべてをよこせぇ!」
電気の体を削ることをものともせず、狐火を放つ。
自分の体がなくなる……それすらも考えていないかのように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
春乃・菊生
死者への礼も知らぬ痴れ者がおるようじゃの。憐れなことじゃ。
見るに堪えんの。我が祓ってくれよう。
初手、我自身の手で弓を引き、矢を放つ。
じゃが、わざと妖狐まで矢を届かせず妖狐の油断を誘おう。
そして一瞬の油断をついて【高速詠唱】[秘術ノ参]。
瞬時に武者の霊を呼び出し【援護射撃】をさせる。
この一矢に【破魔】の力を乗せ、防具ごとに【串刺し】、【鎧砕き】にしてくれようぞ。
その後は流石に油断は誘えぬかのう。
我自身の薙刀で【破魔】+【なぎ払い】つつ、隙を見せたら[秘術ノ参]で追撃じゃ。
黄泉平坂へ還るがよい。
シホ・エーデルワイス
アドリブ&味方と連携歓迎
制御者不在の暴走した心霊兵器ですか…
明確な理由も目的もなく力を求め続けた結果の末路…
ここで断ち切ります!
【祝音】で味方の癒しを優先
偽狐灯は<誘導弾、フェイント、スナイパー、援護射撃>で
トリップの銀の弾を【弾葬】でばら撒いて避雷針にするか
【華霞】で撃ち落とす
敵の攻撃は<第六感、見切り>で回避し
当たりそうなら<オーラ防御、武器受け>で防御します
攻撃の余裕があれば【弾葬】を<楽器演奏、誘導弾、フェイント>で撃ちます
戦後
犠牲者や呪物に縛り付けられた人々の冥福を<祈り>ます
帰路
行きの道で忠告してくれた鴉さんに逢えたら<動物と話す>
心配させてしまってごめんなさい
でも
もう大丈夫だよ
リカルド・マスケラス
「で、奪うだけ奪って、あとはどうするつもりっすか?その呪具を何かに使いたいとかはあるんすか?そもそも、何のための呪具か、分かっているんすか?」
そう言いながらも分身して、敵と相対する
分身は『5』を7体くらいにして、鎖鎌で攻撃をしかける。
敵から技能を奪われたら、
「自分が身につけた力は、力ない人々を守る為のもの、みんなを笑顔にする為のものっす。何の為に得た力で、何の為に使う為のものなのか、理解しないで取り込まれたところで、怖くはないっす」
そう言いながらも、分身で相手を拘束しつつ、鎖分銅で攻撃
電撃系攻撃対策に一応、鎖鎌を地面に突き立て、アース代わりにしようとしてみる
悪いお面はここで退場してもらうっすよ
「……で、奪うだけ奪って、あとはどうするつもりっすか?」
リカルドは相手の狐面の言葉に問いかける。
自身も狐の面であり、自我を持って生きている身として。
「その呪具を何かに使いたいとかはあるんすか? そもそも、何のための呪具か、分かっているんすか?」
「それすらもわからない、制御者不在の暴走した心霊兵器なんでしょうね。」
憐みのこもった目で傷ついた狐面を見るシホ。
「見るに堪えんの。我が祓ってくれよう。」
春乃も強弓を引きつつ、狐面と対峙する。
「死者への礼も知らぬ痴れ者め!」
「知ったことかよぉ!! 消えされぇ!」
春乃が矢を放つのと同時に、狐面も電気の体から鬼火を放ってきた。
……狐面から少し手前に突き刺さる矢。
「くけけけ! 弓もまともに引けねえのか!」
「け! 力の使い方を分かってない仮面に解らないっすよね!」
狐面から放たれた鬼火に向かい、リカルドは召喚した7体の分身に鎖鎌の分銅を投げつけさせる。
痺れるのも気にせず、鎌の部分をアースに地面へ電気を通して消していた。
「く、やるな……ぐあ!」
「よく見んからじゃ、愚か者め!」
狐面に突き刺さる、破魔の矢。
春乃の弓の腕を軽く見て油断し、鬼火を対処するリカルドの側だけを見ていた狐面に、即座に召喚した幽霊武者の強弓の矢が飛来していたのだった。
「回復は任せて下さい。」
「へへ、ありがとうっすよ!」
腕が一部焦げたリカルドの分身たちへ、シホの慈愛の光が包む。
見る間に癒された分身たちが、狐面へ一斉に鎖鎌で斬りかかる。
「くけけけ! ただで斬らせると思うなぁ!」
「なに!?」
ジジ……と狐面の姿がぶれると、電磁体と化した体に空を切る鎌。
それとともに、分身の動きが明らかに鈍った。
「てめぇの能力は『奪った』ぜぇ!」
「く、てめぇ……!」
ターン!
放たれた聖別された弾丸がかすめ、クルクルと飛ぶ狐面。
「ぐ、くっそ!」
「隙あり、です。」
聖銃を構えるシホを睨む狐面。
そこへ横薙ぎに払われる、薙刀の一閃。
「ぬあああああ!」
「こちらは一人ではないからのう!」
くるりと舞を舞うように薙刀を回した春乃。
地に叩き落とされた狐面。
「く、くそ……!」
そして、狐面が浮き上がると、周囲を駆け回るリカルドの分身たち。
「て、てめえの力は奪ったはず!」
「……今も、全力じゃないっすよ。」
しかし、言葉とは裏腹に、分身たちの動きは元と遜色なかった。
「自分が身につけた力は、力ない人々を守る為のもの、みんなを笑顔にする為のものっす。」
「ぐあああああ!」
四方八方から鎖鎌に斬りかかられ、狐面も損傷が激しくなっていた。
「何の為に得た力で、何の為に使う為のものなのか、理解しないで取り込まれたところで、怖くはないっすよ!」
「さぁ、とどめとゆこうぞ。」
狐面の目に、破魔の矢を番えた春乃の姿が映る。
「黄泉平坂へ還るがよい!」
「ぐぅ……!」
正確に額に突き刺さる矢。
電磁体も消え失せ、狐面が地面に落ちる。
「く、くひひひ! 死ぬのなんざ怖くねえさ!」
狐面の笑い声が響く。
「俺は蘇る! 何度でもなぁ!」
くひひひ……!
その笑いを残し、狐面は二つに割れ、崩れて塵となった。
ふと辺りを見渡すと、偽りの関所ではなく、元の山道に立っていた。
「ふぅ、終わったっすね!」
「ああ、お疲れさまじゃな。」
分身体を消したリカルドと、亡霊武者を返らせた春乃。
周囲を改めて見渡すと、呪符や人形などとともに人の遺体も放置されていた。
「これは……弔っていきましょう。」
「うむ、そうじゃな。」
シホと春乃、やり方はそれぞれだが心を込めた祈りをささげていると、一羽の鴉が近くの枝からその姿を見ていることに気が付いた。
「おや? もしかして、来た時の鴉っすかね?」
「そのようですね。」
かぁ! と一声鳴くと、猟兵達の前から飛び立った。
「今度はなんて?」
リカルドの問いに、シホは笑顔を向けて言った。
「……無事でよかった、だそうです。」
大成功
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