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テレビウム・ロック!~麻雀牌は仮面とともに~

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ


「うーん……なんなのこれ、どうしたらいいの……。」
 テレビウムの女の子、セリアは困っていた。
「なんで鍵なの! こんなのかわいくないよ!」
 そう、本来顔にあたる場所に鍵が表示され、表情を出すことができないのだった。
「もうやだよう……みんなに顔合わせられない。」
 大通りから離れ、狭い路地でに入り込むと、
「いたぞ!」
「あいつだ!」
「ヒャッハー!」
 頭が麻雀牌の怪人たちが迫ってきた。
「……え?」
「「「鍵はいただくぜぇい!」」」

「……っていうのが、私が見た予知ってわけ。」
 タバコを燻らし、目深にかぶった帽子の下から猟兵達を見ているのは、ニャルラ・トテプ(煙草好きなチシャ猫・f17284)だった。
「君たちには、テレビウムのお嬢ちゃんを救ってもらいたい。
 簡単なことさ、怪人たちをぶっ倒せばいいんだ。
 ただまぁ、予知で見えたのは……麻雀だっけ? それの頭した奴らだけでね。
 他にもいるかもしれない。」
 ここでニャルラは一息吸い込み、白い煙を吐き出して、
「まぁ、どっちにしろ簡単なことさ。
 新手が出たとしても、君たちがやることに変わりはないからね。
 お嬢ちゃんを狙ってくる敵を倒すのさ、何が出ようとね。」
 君たちはヒーローというわけさ、と楽しそうに語るニャルラはグリモアを輝かせてゲートを開く。
「この件は、同じような予知をしているグリモア猟兵も多い、これは大きな流れになるだろう。
 さぁ楽しんできてくれ! 結果を楽しみにしているよ!」


ヨグ
 ヨグです、今回もよろしくお願いします。
 初めてのキマイラフューチャーであり、グリモア猟兵ニャルラの初仕事です。
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第1章 集団戦 『雀牌戦闘員』

POW   :    国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑7
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アーサー・ツヴァイク
※アドリブ共闘大歓迎

テレビウムの少女を恐怖の渦に陥れるその行為…断゛じ゛て゛許゛さ゛ん゛!゛
覚悟しやがれ…頭豆腐野郎共!!

ということで大型バイクのライドランに【騎乗】した状態でテレビウムちゃんと豆腐軍団の間に割り込ませてもらうぜ!
そしてそのまま豆腐軍団の中に突撃だ! バイクアクションで蹴散らしてやるぜ!!
相手は豆腐だし、おいしく焼いてしまおうかね。顔面にお見舞いしてやるよ…超高熱の【プロミネンス・インパクト】をな!!

…ん? 豆腐じゃないって? いや…そこの白い奴とかどう見ても豆腐だろ。裏面は焼き色だろ? …【挑発】? 何のことだ?


カーニンヒェン・ボーゲン
お困りの事があれば、お救いするのが猟兵の務めにございましょう。
ヒーローと呼ばれるには些か老いた身ではありますが、このジジイも助太刀しますぞ。

お嬢さんには大きな大きな帽子を持参してプレゼントいたしましょう。
解決にはなりませんが、表情を隠すことはできます。
今暫く、このジジイめらに時間をくだされ。

麻雀牌どのらは136枚、いらっしゃるのでしょうか…。
攻撃時の役は既に判明しています。その役に関わる牌を先に潰してしまいましょう。
それなりの手数は揃っております故。
攻撃はUC:手足たちの銃撃によって行います。
牌に関係なく技は出せるのでしょうが…、なに、読み勝つには役持ちから潰す。賭け事の定石かと思いまして。



「ひっ! や、やだ……!」
 テレビウムのセリアへじりじりと近づく、雀牌戦闘員たち。
「さぁ、こっちへ来るんだ。」
「痛いようにはしないさ。」
 路地の奥へ追い込まれ、もう駄目だと思ったその時。
「渡した後は知らないがぶべら!」
「……え?」
 突如、大型バイクに弾き飛ばされる戦闘員『發』。
 異変にセリアが顔をあげると、ドラゴンの意匠が入ったバイクを駆る赤いマフラーの男と目が合った。
 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)はウインクを返すと、戦闘員たちへ向き直る。
「テレビウムの少女を恐怖の渦に陥れる、その行為……断じて許さん!」
「なんだと!? 我らの邪魔をするというのか!」
「あぁそうさ、覚悟しやがれ……頭豆腐野郎共!!」
 啖呵を切るその様子を見ていたセリアの頭に、ぱさっと大きな帽子がのせられた。
「え、これ?」
「失礼……急だったもので、お気に召すかどうか。」
 すぐ横から聞こえた優しげな声に顔を上げると、初老の男性が微笑みかけていた。
 カーニンヒェン・ボーゲン(或いは一介のジジイ・f05393)は自身の被った帽子をはずして一礼し、
「解決にはなりませんが、帽子は表情を隠すことはできます。今暫く、このジジイめらに時間をくだされ。」
「う、うん……ありが、とう。」
 帽子のつばで目元を隠すようにしながら、セリアは答える。
 ニコリと微笑みで返し、カーニンヒェンは戦闘員へ向き直り、
「では、始めさせていただきますよ。」
 自身の書いた手記、それを開いた。

 その頃。
「豆腐だと……!」
「貴様! 我らを豆腐と申すか!」
 戦闘員たちがアーサーへ抗議していた。
「……ん? 豆腐じゃないって?」
 しかし、抗議の意味が解っていない。
 麻雀そのものを知らないアーサーには、一番似た形として頭に浮かんだのが豆腐だったのだ。
「だってお前、そこの白い奴とかどう見ても豆腐だろ。裏面は焼き色だろ?」
「きっさまぁ!! 我は『白』だ! 豆腐でも蒲鉾でもないわ!」
「おお、蒲鉾も似てんな。」
 何気なく、悪気もなく言った言葉だったが、戦闘員たちを激昂させるには十分だった。
「鍵は後だ!」
「まずは貴様から血祭りにあげてやる!」
 そして戦闘員たちは集まり、
「「「フォーメーション・国士無双!」」」

 彼らの体は光に包まれる……ということはなかった。
 ……明らかに一つ、欠けていた。
「く、何故だ!?」
「その、顔にホウレンソウでもついてる奴か?」
 アーサーが指さした先には、最初に轢かれた戦闘員『發』の姿。
 そして、目線を上げることで、多数の銃口がこちらを狙っていることに気が付く。
「攻撃に使う役は、解っておりますからな。」
 カーニンヒェンの呼び出した手足こと、戦闘用のバイクたち。
 その銃口は、白と中へ向いていた。
「その役に関わる牌を、先に潰してしまいましょう。」
「ぎゃあああ!」
「は、白! 中!」
 蜂の巣にされた白と中。
 そこへ戦闘員が駆け寄り、抱え起こすが、すでに息絶えていた。
「く、貴様ら!」
 その戦闘員が見たのは、視界いっぱいのドラゴンの顔。
「蹴散らしてやるぜ!!」
 突っ込んできたのは、アーサーの大型バイクだった。
「ぐああああ!」
「顔面にお見舞いしてやるよ……超高熱のプロミネンス・インパクトをな!!」
 アーサーはバイクアクションで戦闘員たちを弾き飛ばし、1体の顔面へ排熱口を押し付けた。
「ぎゃあああ!」
「へ、これでてめえは黒だな!」
 すぐに距離を離したアーサーに、カーニンヒェンは手を叩きながら話しかけた。
「お見事、これで役は作れませんね。」
「おう!……役ってのが解ってねえが。」
「はっはっは、これは失敬。賭け事は、昔熱くなったことがありましてな。」
 つまり……彼らはもう、本来の力を出せないのですよ。
 その言葉の通り、残った戦闘員たちでは役も作れない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リュシール・ミラー
何やら裏で手を引く何かがいそうだねぇ。ささ、とりあえずキミたちは骸の海へ還ってもらおうか。

そういう訳で頑張りたまえ道化くん。とりあえずマージャン? とか呼ばれるモノを切り落とせばいいのかな。大抵の生物は頭外せばいけるだろう。相手の攻撃は【見切り】なり【スライディング】なり宙返りの【パフォーマンス】なりで避けてね。
それと無駄な前口上や立ち回りで【存在感】でも出しておきたまえ。私は彼女を連れて安全圏に引くから。そっちに敵を寄せなさい。おや、怖がらなくていいよ。私は敵じゃない。いや、本当だから。猟兵だから味方だよ?

アドリブ等ご自由に。


ハルカ・ラグランジュ
大の大人が寄ってたかって、こんなに可愛い子達をさらうなんて…恥を知りなさい!
と言ったところで、素直に反省してはくれないでしょうね。
だったら力尽くで教えてあげるわ!

見たところ点棒を持っていないようだけど、どうやって立直をかけるつもりなのかしら?
と、話を振って気をそらしたところに、UC「ウィザード・ミサイル」を打ち込んであげるわ。
…「打ち込む」は縁起が悪いかしら。

少々卑怯だけれど、あなた達の方が数が多いし構わないわよね?



「何やら裏で手を引く何かがいそうだねぇ。」
 喪服のような黒服を着て、戦闘員たちの行動に思いを巡らすリュシール・ミラー(ダンスマカブル・f14809)と、
「大の大人が寄ってたかって、こんなに可愛い子達をさらうなんて……恥を知りなさい!」
 琥珀色の髪をなびかせ、戦闘員たちを指さしながら自信ありげに言葉を放つ、ハルカ・ラグランジュ(人間のサウンドソルジャー・f17426)。
「……と言ったところで、素直に反省してはくれないでしょうね。」
「当たり前だ!」
「我らには使命があるのだ!」
 戦闘員、イーピンとリャンソーが叫び返す。
「だったら、力尽くで教えてあげるわ!」
「うむ、とりあえずキミたちは骸の海へ還ってもらおうか。」
「「させるか!」」

 戦闘員たちは身構えるが、内心では焦っていた。
「く、まずいぞ。」
「あぁ、三元牌がやられてしまった。」
 本来できないはずのテレパシーで会話ができてしまうほどに焦っていた。
「はーいはいはい! 君たちの首を取りに来ましたよ!」
「何!?」
 リュシールの陰から現れた道化師の姿とその言葉に、一斉にそちらを向く戦闘員たち。
「いやん! そんなに見つめられると……。」
 ポロリ、と道化師の首が落ちた。
「はっ……いまだ!」
 リーダーらしいイーピンの掛け声とともに、即座に戦闘員たちは彼へ飛び蹴りを放つ。
 それを軽い身のこなしで避け、あまつさえ自分の首でリフティングを始める道化師。
「危ない危ない! 自分の首が落ちる所だったよ!」
「落ちてるだろうが!」
 戦闘員たちはすっかり道化師に夢中になっていた。
「ここは、我ら必殺の立直で……!」
「ねぇ、お兄さんたち。」
「なんだ!?」
 ハルカが話しかけると、イラついた様子ながら聞き返してきたリーダー。
「見たところ点棒を持っていないようだけど、どうやって立直をかけるつもりなのかしら?」
「それはだな!」
 素朴な疑問、という感じに聞いてきたハルカの言葉に、自信満々に振り返る戦闘員。
「……引っかかったわね!」
「「「うわあああああ!」」」
 振り返った先に見えたのは、ハルカの魔力で生み出された大量の炎の矢。
「ふふん、たっぷり打ち込んでやるわ!」
 ハルカの手が降りるとともに、それは戦闘員たちへ降り注ぐ。
「ぐあああ!」
「く、この程度の打ち込み!」
「あぁ、そうか。」
 何かに気が付いたように手を叩き、ハルカは言葉を続ける。
「『打ち込む』は縁起が悪いかしら?」
「「「そういう問題ではない!」」」
「あ、そう。」
「ぐあああああああ!」
 戦闘員たちは一斉に叫ぶが、ハルカは意に介さず、さらに炎の矢を降り注がせる。
「へへ! ボクの事を忘れちゃだめだよ!」
「うぼあ!」
 大半の戦闘員が炎の矢にやられ、かろうじて生き残っていたリーダーも道化師が振り下ろしたサーベルに首を斬り落とされ、ただの麻雀牌と化していた。

「や、やだ……来ないで……!」
「私は敵じゃない。……いや、本当だから。猟兵だから味方だよ?」
 怯えながら大きな帽子を被って後退るセリアに、リュシールはゆっくりと近づいていた。
「……何をしているんですか。」
「おお、来てくれたね! ということは戦闘員は倒したようだね!」
 呆れた顔で自分を見るハルカの視線に気が付き、リュシールは大げさな身振りで答える。
「終わった、の?」
「ええ、もう追ってこないわ!」
 まだ顔は鍵のままだったが、セリアの安心した様子は伝わってきた。
「さてさて……それでは、どうしようかね。」
「うーん、どうすればいいのかな。」
 手がかりがなくなった二人はなんとなく顔を見合わせ、セリアの顔を見ると……。
「……え、この先?」
「おや、君も認識できるのかい?」
 鍵が立体的に方向を指すように映っていた。
「うん……なんだか、呼んでるみたい。」
「よし、じゃあそこへ行こう!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『邪悪な仮面』

POW   :    怪光線
レベル×5本の【闇】属性の【光線】を放つ。
SPD   :    闇影の鎖
【自身の影】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    暗黒の力
予め【邪悪なオーラを纏う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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 セリアの顔に浮かぶ鍵に従い、道を進む猟兵達。
 その周りを、謎の仮面が飛び回ることに気が付いた。
「警告……警告……。」
「そこで、止まりなさい……。」
 どうやら、仮面たちは行く手を遮る気のようだ。
「……ど、どうしよう?」
 セリアは不安そうな様子で振り返ってくる。
 猟兵達は武器を手に、仮面を落として進むことを決めた。
カーニンヒェン・ボーゲン
ちらりと聞こえた「渡した後」、とはどういう意図のものでしょうな?
場合によってはこのジジイ、修羅となり情報収集(ロープワークとUC:剣刃一閃を使用した『お話し合い』)を
強行させていただくことも辞さない構えにございますな。
…レディの御前にございますからな。
行うなら目立たぬよう脇道に入るなどし、大っぴらには行いませんが。
ジジイめらまで、不安を煽るようなことは避けたいです。

誰の指示なのか。
それは個人なのか、組織なのか。
外見の特徴や、怪人間での知名度などをお訊ねします。
大規模な動きがあったようですから、影響力を持つ者が関わっているのでしょうな。
他のテレビウムどのらの鍵も、同じ場所を示したのでしょうか…。


アーサー・ツヴァイク
※共闘アドリブ大歓迎

うおっ、ここらじゃなかなか見かけないガチ感あるオブリビオンだな…。まあ、邪魔するってんならやる事は変わらないがな!

闇の力で攻めてくるっていうのなら、こっちは光の力で対抗だ! レイシューターを構えて【レイシューター・フルバースト】を挨拶代わりにぶちかますぜ!
後はレイシューターの【一斉発射】で撃ち落としたり、ブーストアームの【吹き飛ばし】でぶっ飛ばしたりして強引に道を作るぜ!
突破口が見えたらテレビウムちゃんをライドランに乗せて【フルスピード・スカイドライブ】を発動。止められる前に突っ切ってやるぜ!

つーか、止まれって言われて素直に止まるわけねーだろ! こっちは急いでんだ!!


リュシール・ミラー
ここから先に進ませたくない存在、か。少なくともキミたちに従うつもりはないよ。さあとっとと破壊されて、この先に通してもらおうか。

道化くんを続投。ピョンピョン跳ねて仮面を【見切り】【パフォーマンス】で足場にしつつ【串刺し】て破壊しようか。仮面だからパカーンと割れるかな。落下してもキミは死ぬかな、死なないよね。思う存分暴れるように。【スライディング】して空中から蹴り落としてもいいよ。邪悪なオーラを纏っている奴がいたら、積極的にそれを攻撃。火でも吹いて驚かせた後叩き割りな。


ハルカ・ラグランジュ
「どうしよう?」ですって?
答えは最初から決まってるわ。「力尽くで押し通る!」よ!!

仮面の群れに突っ込んで、UC「散るが故に」で一掃するわ。

セリア、怖がることはないわよ。
愛も勇気も希望も無い様な連中に、私たちが負けるわけないでしょう?

※アドリブ・連携歓迎



「『どうしよう?』ですって?」
 振り返ったセリアの眼に、キリっとした視線で見返すハルカが映る。 
「答えは最初から決まってるわ。『力尽くで押し通る!』よ!!」
「う、うん!」
 こちらへ指を向けながら自信満々に言い切るその姿は、セリアの中にうまれた不安を吹き飛ばすのに十分な力を持っていた。
「ここらじゃなかなか見かけない、ガチ感あるオブリビオンだが……。」
 鷲の意匠が施された大型レーザーガンを構え、アーサーはセリアにバイクへ乗るように手招きし、
「まあ、邪魔するってんならやる事は変わらないがな!」
 浮遊する仮面をレーザーで薙ぎ払い、戦いの火蓋が切られた。

「ガガ……抵抗の意思、あり。」
「鎮圧……開始。」
 仮面達は黒いオーラを纏い、漆黒のレーザーを放ち始める。
「ここから先に進ませたくない存在、か。あいにくと、キミたちに従うつもりはないよ。」
「ええ、ここは押し通らせていただきましょう。」
 リュシールは道化師を呼び出し、カーニンヒェンも刀を引き抜く。
「あたしたちが道を作るわ! その間に行って!」
 言うが早いか、ハルカは仮面の群れへ飛び込んでいく。
「オーケー、任せたぜ!」
「え、え?」
 困惑気味なセリアを乗せ、ドラゴンの意匠から蒸気を発するアーサーのバイク。
「鎮圧……鎮圧……。」
「ひゃあ! そんなの当たったらわたくし死んでしまいますよ!」
 レーザーに貫かれて片腕がもげながらも、サーベルで斬り落として行く道化師。
「少し、お聞きしたいこともありますからな!」
 身をかわしつつ近づき、一刀の下に斬り伏せるカーニンヒェン。
 そして、もっとも仮面の多い場所へ走り込んだハルカの周りを、花びらが辺りを舞い始める。
 仮面の放つレーザーは花びらに遮られ、ハルカに届くことはなかった。
「セリア、怖がることはないわよ。愛も勇気も希望も無い様な連中に、私たちが負けるわけないでしょう?」
 振り返ってニコリと笑うと、舞い散る花びらに姿が隠れる。
「その目に焼き付けなさい。限りある者の美しさを!」
「止まり、なさ……ガガ!」
 そして、ハルカを中心に花びらが一斉に周囲へ飛ぶ。
 仮面達はその勢いにたまらず、道を開ける形となった。
「よし、行くぜ! 舌噛むなよ!」
「う、うん……!」
 バイクのエンジンを吹かし、最高に回ったところでアーサーはクラッチをつなぐ。
「行くぜ、ライドラン! 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ!!」
 最高速度まで、わずか数秒。
 その様はまるで、白い砲弾といった様相だった。
「ひぃあぁぁぁぁぁぁぁ……!」
 エンジン音とともに、セリアの悲鳴が遠ざかっていく。
「止まりなさい……。」
「残念だが、止まるのは君たちの方だねぇ。」
 仮面達は追撃に移ろうとするが、そこへ立ちふさがるリュシール。
「さて、掃討戦といこうじゃないか。」

 空中をふわふわと飛びながら追いかけようとする仮面へ、道化師の口から吐きかけられる炎。
「あっはっは! あたしらにはあまり興味はありませんって?」
 それも困るんでさぁ! とちぎれた腕を投げつけると、閃光とともに破裂する。
 衝撃で落ちてきた仮面の一つを、カーニンヒェンは片手でつかみ上げる。
 刀でいつでも貫けるように構えつつ、問いかける。
「……貴方がたは、どなたの命令で動いているのでしょう?」
「ギギ……回答、拒否。」
「ふむ。」
 ガ! と仮面に刃を当て、
「では質問を変えましょうか。」
 いつもと変わらぬ、好々爺とした雰囲気のまま問いかける。
「他のテレビウムどのらの鍵も、同じ場所を示したのでしょうか?」
「ガ……鍵は、個別。……固有の、場所。」
「ふむふむ、そうでしたか。」
 刀に手を当て、圧し切るカーニンヒェン。
「ひゅー、やるね!」
 その様を見ていたハルカは、自身の周囲へ花びらを舞わせる。
「私も負けられないわ!」
「あたしもお手伝いしますぜ!」
 道化師も体から炎を上げ、花びらごと燃え盛る。
「燃え尽きろ!」
 掛け声とともに、残った仮面達へ襲い掛かる炎の花びら。
「ガ……ガガ……。」
 残った仮面達は、ただの黒い灰となって舞っていた。

「お疲れ様です。それでは、急ぎましょうか。」
「そうね、ほかの追手が来てても嫌だし!」
 と駆け出そうとした時、前方に謎の光が天に向けて照射されるのが見えた。
「……本当に、急いだほうがよさそうだねぇ。」

 鍵の示す通りについた場所は、何の変哲もない通りだった。
「お、おい! 大丈夫か!」
 そこへ着いた途端、セリアは浮かび上がりながら全身から光を放っていた。
 アーサーの言葉にも答えはない……まるで、意識はないようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ザニーユ・モア』

POW   :    ぺちゃんこになっちゃえ!
【対象の頭上】から【対象のレベルの二乗tの重さの金床】を放ち、【ぺちゃんこにする事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    スラップスティックショータイム!
いま戦っている対象に有効な【コミカルな結果を引き起こす道具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    もっと笑わせる為に!
戦闘力のない【カートゥーン風に変換されるテレビカメラ】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【出演者の滑稽な姿を見た視聴者の笑い】によって武器や防具がパワーアップする。
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 セリアが放つ光。
 それは猟兵達にも目印となったが、敵にもその様は見られていたのだった。
「あっはっは! やっと見つけたよ!」
 いかにもカートゥーンといった雰囲気の、ネズミのバーチャルキャラクター。
「君たちには悪いけど、この子をそのままにさせられないのさ! だから悪いけど……。」
 死んでもらうよ!
 そう言って、彼はテレビカメラを浮かべて笑いを浮かべていた。
アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎

上からくる金床は…1521トン!? どっから出せんだあんなん!?
まずは左腕の【フラッシュブレード】を取り出して【サウザンド・フラッシュエッジ】を金床に叩き込む。1521本の剣刃で細かく切り分けて【吹き飛ばし】だ。
ある程度は吹き飛ばしたり消し飛ばしたりできるだろうが、残った分がこっちに来るかもしれん。その時は【怪力・力溜め】を込めて【プロミネンス・インパクト】を落ちてくる金床にぶちかます! パワーと高熱の力で金床をぶっつぶすぜ!

相手の攻撃を凌いだら、こっちの番だ…。
今度はそっちが凌いでみせろ…1521本の【サウザンド・フラッシュエッジ】をな!!


リュシール・ミラー
光? いや、今はアチラの方が優先だ。それに彼がこの状態を止めるならば、こちらにとっては問題ないだろうしね。

相手は一人。ならば騎士くんと蛇竜くんにお任せしよう。手始めにこの世界では余り見かけられない風貌で彼や視聴者に【恐怖を与える】としよう。そりゃもう、笑えないくらいにね。
そして蛇竜くんに騎士くんが乗り【力溜め】した後突撃。【串刺し】【生命力吸収】しつつ深く刺さなければ追撃。刺されば地面にそのまま繋げよう。
後は蛇竜くんが蹂躙するなり他の猟兵に任せるなりしてもらおうか。

さて、光はいつぐらいまでに収まるのだろうか。収まったらこのまま落下、とかはないと思いたいね。


ハルカ・ラグランジュ
あら、可愛いの外見だけなのね。
それなら遠慮はいらないわね!!

UC「Reached for the stars」を発動。
高速で飛び回る派手な【パフォーマンス】で気を引きながら、隙を見て光【属性攻撃】魔法で攻撃するわ。

誰も死なせないし、彼女も渡さない!
ついでに言わせてもらえば、絵面の面白さだけを求めるとすぐに限界が来るわよ!

※アドリブ・連携歓迎


カーニンヒェン・ボーゲン
おいそれと退くとは思わないことですな。
セリアどのは必ず守り通します。
そちらが手を引かぬなら、まずはジジイめらが相手です。
先のオブリビオンに指示を出した方ですかな?
コミカルな状況には我が事ながら笑ってしまいそうです。

手に魔導書を持ち、UC:アザゼルを呼びます。
加護を求めるのは違いますな。
敵の殲滅をもって平穏を齎しなさい。
遠距離からの狙撃にて、相手の素早さや大きさに左右されずに攻撃を行いたいですが、
セリアどのが狙われるなら優先して庇いに入ります。
共に行動している間は回避に専念し、動きの追跡を。反撃チャンスを見極めたいところ。
アザゼルの放つ前の矢に風の力を溜め、空気の防壁で盾受けを試みます 。



「光……? いや、それよりもアチラの方が優先だ。」
 セリアの様子は気になるものの、まずは敵の排除と振り向いたリュシール。
「ええ、その通りです。先のオブリビオンに指示を出した者でしょう。」
 カーニンヒェンは懐から使い込まれた魔導書を取り出し、オブリビオンのネズミと対峙する。
「おいそれと退くとは思わないことですな。」
「きひひ! もちろん、実力で退かせてもらうよ!」
 さぁ、殺ろうか!との声とともにネズミが空を指さすと、風を切る音が聞こえてきた。

「な、どっから出したんだあんなん!?」
 アーサーの頭上に『1521トン』と書かれた巨大な金床が現れ、今まさに落ちてきていた。
「どっからだって? そんなこと考えちゃ駄目さ、何せ漫画の世界だからね!」
「うおおおおおお!」
 ネズミの御託を背に、狐の紋が浮かぶ左腕からフラッシュブレードを出し、金床を切り刻むアーサー。
 高速で振られる光刃は、瞬く間に金床を鉄くずに変えた……が、
「きひひ! まだまだ!」
「なんだと!?」
 凝集し、一塊になった金床が飛来する。
「させない!」
 ハルカの声とともに、煌めく光が金床にかすめた。
 直後、集まる力を失ってキラキラと輝く鉄の粉となって降り注いだ。
「……やるねぇ、お姉さん?」
「ふん! 可愛いのは見た目だけのようね!」
 煌めく光は、高速で宙を飛ぶハルカ。
 意地の悪い笑いを浮かべるネズミに、威勢よく啖呵を切る。
「誰も死なせないし、彼女も渡さない! ついでに言わせてもらえば、絵面の面白さだけを求めるとすぐに限界が来るわよ!」
「け、知った口をきくねぇ!」
 次はどうかな!? と嗤うネズミが、懐から何かを取り出す様子を見せる。

「いやはや、若い方々に任せるというわけにはいきませんな。」
「確かに、そのようだねぇ。……いやいや、私もそれなりに若いのだがね?」
「はっはっは! そうでしたな。」
 失敬失敬、とカーニンヒェンは魔導書を開く。
「アザゼル、哀しき霊よ……。さぁ、我らの敵を討ちたまえ。」
 ページに浮かび上がる文字と文様。
 そこから上がる刹那の光に呼び出される悪魔を見たリュシールも、
「相手は一人。ならば騎士くんと蛇竜くんにお任せしよう。」
 胸に差した蘭が輝くと、すぐ横からふわりと亡霊騎士が現れる。
 その喪服のような服から伸びる手を上げると、亡霊蛇竜が地面から浮き上がった。
 2体を愛おしそうに眺め、
「さぁ行きたまえ! 手始めに、この世界では余り見かけられない姿で彼や視聴者に恐怖を与えよう!」
 指示を出すと、蛇竜に騎乗してランスを構えた騎士が、ネズミへ突進した。

「空飛ぶ人はこれで捕まえよう!」
 ネズミが取り出したのは投げ縄だったが、それを回し始めた途端に風の刃がロープを斬った。
「え、ちょ!」
「……敵の殲滅をもって、平穏を齎しなさい。」
 カーニンヒェンの指示で風の刃を放つ、アザゼルの方を向いたネズミ。
 その目が捉えたのは、高速で這い寄る蛇竜とランス。
「待って待って!?」
「誰が待つかよ!」
 笑えないモノ……恐怖しか生まない霊体の騎士を、カメラは映すわけにはいかない。
 カメラは声の主であるアーサーの方を向くと、力を溜めて大量の光刃を生み出した姿を映す。
「いやいや! 笑えないから!」
「あったり前でしょ!」
 最後の笑い……そのつもりでハルカの側をカメラが向く。
 そのレンズが映したのは、煌めく光となったハルカが生み出す、練り上げられた光の魔力。
 ピシッ!とレンズにひびが入る。
「笑えない状態にしてやるわ!」
「凌いでみせろ……1521本のサウザンド・フラッシュエッジをな!!」
「ぎぃやああぁぁぁ!!」
 ハルカとアーサーから放たれる、光の魔力と刃。
 その光の洪水を貫く、亡霊騎士のランス。
「ぐふ……。」
「これだけやれば、笑いどころではないだろうねぇ。」
 ランスに腹を貫かれ、どこもかしこも焦げ跡と切り傷だらけのネズミを見て、リュシールは呟く。
「へへ……きっひひひ!」
 ネズミが突然笑いだすと、自身の頭をもぎ取った。
 首から火を放つ導火線が伸びるそれを、セリアの方へ投げつける。
「奥の手は残すものさ!」
「でしょうな。」
 間に入ったのはカーニンヒェン。
「く! だ、だけどこのままだと爆発するぞ!」
「大丈夫です。アザゼル、やってしまいなさい。」
 そう声をかけると、爆弾を風が包む。
「これで、終わり!」
 上空へ持ち上げられたそれを、ハルカの手から放たれる光が貫く。
 ドーン!!
 爆弾は巨大な花火となって、上空に光の花を咲かせたのだった。

「へへ、さすがにこれで終わりだろ。」
「お疲れ様です、皆さん。」
 武装を仕舞うアーサーに、カーニンヒェンは声をかけていた。
「セリアちゃん、まだ光ったままだね?」
「そうだね。収まったらこのまま落下、とかはないと思いたいね。」
 ハルカとリュシールがセリアを見上げていると、急に光が収まり、ゆっくりとセリアの体が落ちてきた。
「おっと……いやはや、死んではいないようで。」
「物騒なこと言うなよ。」
 リュシールが受け止めたセリアからは、寝息が聞こえてくる。
 その様を見てほっと肩の力を抜いた時、突然周りの街並みから声が響いた。

『システム・フラワーズより緊急救援要請』
『全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり』
『テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う』

 その声は、まるでビル群が直接喋ったようにも聞こえた。
「……何だったんだろう?」
「解りませんな。しかし、まずは一件落着というところでしょう。」
「ああ、そうだな!」
 何かが起きている、その感覚はある。
 そして、テレビウムの少女セリアを守れたことで、物事はいい方向に進んだのを感じる。
「さて、そろそろ眠り姫も目覚めてくれると助かるのだけれどね。」
 彼女のモニターには、しっかりと本来の顔が浮かんでいる。
 その寝顔は、安心しきったように、安らかな顔だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月29日
宿敵 『ザニーユ・モア』 を撃破!


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクロ・ネコノです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト