あいつは大切なものを盗んでいきました
●グリモアベース
「今日は集まってくれてありがとうございますー」
空間に展開した電脳パネルを弄りながら、グリモア猟兵のアイラ・グラシスは気怠そうに声を上げた。
「えー、まずはこれを見てください」
操作していたパネルに映像が映し出される。高いビルが建て並び、空を舞う人影
......ヒーローズアースだ。だが、アスファルトは所々砕けて、大破した車があちこちに転がっている。
「はい、見ての通り、ヒーローズアースです。この街、実はヒーローが不足しているのでこの有様なのです。なんか、オブリビオンがヒーロー狩りをしているようで
......迷惑な話です、ほんと」
大きくため息をついてパネルを操作すると、懐から飴を取り出して口に放り込んだ。
「このままだと街が崩壊、悪徳の街になってしまうので、皆様には黒幕の討伐をお願いしたいのですよ。使う作戦は、炙り出しです。皆様には治安維持活動を行ってもらい、問題のオブリビオンが猟兵をヒーローだと思って狩りに来たところを返り討ちにしてもらいます」
指先で画面をスライドしていくと、映像が二画面に分割され、片方には巨大な船、もう片方には綺麗な教会が映る。
「こちらが今回、解決していただく事件の現場でございます。まず船なんですが
......これ、もうすぐ沈みます。海のど真ん中で」
さらりと告げられた不穏な言葉に、猟兵たちの顔色が真剣なものに変わる。
「これは貨物船なので、船員はせいぜい20人です。沈没の原因はヴィランの襲撃なので、第一に上客の救出、次にヴィランの確保です。貨物に紛れて乗船した工作員が二人、いるようです。殺さずに捕縛、ですよ?よく覚えておいてくださいね」
最初のミッションは海上での救出活動。部隊は大海原であるため、策無しに行っても自分が死ぬだけだ。
船の画面を閉じ、教会を見るように促す。
「この教会なんですが、結婚式会場です。ここで式を挙げる婿さんとお嫁さんがヴィランに襲撃される予知を見ました。なんとか守って会場まで送り届けてください」
説明を終えると伸びを一つしてグリモアを展開。転移の準備を始める。
「......まあ、こんな感じで慈善活動をしていただければ、例のオブリビオンは出てくるでしょうし、まずは人助けからですよー。頑張ってくださいね」
その言葉はすぐに転移先の環境音で掻き消されることとなる。風が吹き、時化た海で揺れる船が、その船体を傾けようとしていた。
鈴の音
鈴の音と申します。ヒーローズアースでの事件です。
第一章は上客救助&ヴィラン拘束。
第二章は花嫁婿の送り届け。花嫁か婿か、好きな方をお運びください。どちらかが救出される描写が無くても、無事に会場に辿り着いたことになります。
第三章は黒幕討伐です。
各章の選択肢はあくまで目安ですので、自由に行動してください。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 冒険
『手を伸ばし、掴みとれ。君求める物。』
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POW : 海に落ちた者を探す
SPD : いち早く乗客の所を目指す
WIZ : 脱出までの経路を導き出す
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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花狩・アシエト
POW
「救助活動」で海に落ちたやつを助けるぞ!
水着なんてないので、コートを脱いで上着も脱いで、武器も置いて身軽になって飛び込む
おっと上から大体の当たりをつけてからな!
あと浮き輪も持って!
うを…さすがに着衣水泳はやりすぎたか…
自由形で泳ぎ、落ちてるやつのところに
「これに掴まれ」
「体の力を抜いて」
「浮き輪から手離すなよ!」
「頑張れ、もうちょっとだ!」
などと言いつつ船のほうへ戻る
それを体力が続く限りやる
ぜー…はー…
2、3人が限度だろうな…くそ、ほかの猟兵たちに託すしかないか
アドリブ、絡み歓迎
「うわ
......思ってた以上にひっどいな、これ」
激しく揺れる船の上、花狩・アシエト(アジ・ダハーカ・f16490)は荒れ狂う海を見つめて頭を抱える。
波の間からちらほらと覗く服と必死にもがく腕が見えた。このままでは乗員が遠くへ流されてしまうだろう。
「あー、水着とかはねえな
......しょうがない」
携えた武器を甲板にある物陰に置き、その上に、脱いだ上着を雑に畳んで乗せた。
「よし、行くか
.........と、そうだ」
きょろきょろと辺りを見渡して探すのは浮輪。すぐそこに備え付けの救命浮輪が見つかったので取っておく。
船の上から人を探して目星を付けると、一度大きく深呼吸して、海へ飛び込んだ。
波が泳ぎを阻害し、視界も悪い。なおかつ服を着たまま飛び込んだため、非常に泳ぎにくい。
浮輪の紐を引っ張りながら泳いでいくと、一人の船員男の元へ辿り着いた。波に呑まれながらも必死に手足をばたつかせている。
「これに、掴まれ!!」
叫びながら浮輪はしっかりと男に届き、軽いパニックになりながら浮輪を掴む。
「よし、いいぞ。体の力を抜いて」
少し落ち着いてきた男を引いて船まで戻った。思っていた以上にキツイ作業だ。
「......はぁ、はぁ、しんど
.........」
救助された乗員は頭を何度も下げながらも、海の方をちらちらと見て気にする素振りを見せる。
「任せとけって。残りも助けるからよ」
そう言って、アシエトは再び海に身を投げた。
疲労を振り払って海を行くと、波の隙間に二人の影が。
「片方は小柄そうだし、行けるか?」
一人をここに置いて戻っても、かえって危険だ。溺れた人のそばに近づくと自分も巻き込まれかね、などと言っている場合ではない。
片方に浮輪を投げ、小柄な方に接近する。
「おい、大丈夫か!?」
腕を伸ばせば、すぐにあちらも手を伸ばして掴んでくる。藁にもすがる思い、というやつだろう。生きようと暴れるのを力と根性でで無理矢理抑え、何度も声をかけると落ち着いてきたようだ。
「そうだ。体の力を抜いて」
一人を抱えて、浮輪を引き、無事に船に辿り着くと、甲板に身を投げ出すアシエト。腕も脚も限界だ。痛くて力が入らない。
「ぜー…はー…...あー、くそ、あとはほかの猟兵たちに託すしかないか
......」
息を切らして歯を噛みしめる。しかし、彼は人の命を救ったのだ。助けられた乗組員たちがせっせと仲間の救助の準備を始めた。
成功
🔵🔵🔴
シゥ・フリージア
海で沈む、タイヘン!
ファル、てつだって!
★ファルはシゥがりょーへーなる前、死んじゃった
でもずっと傍いてくれる
シゥのダイジなママ
ファルはとってもニオイわかる
シゥの目【視力】と合わせて船内に残されたヒトみつける
見つけたらお声かけするね!【コミュ力】
シゥ、たすけ来た
ファルの鼻なら水のにおいで出口わかる
ここ(フェアリーランド)入ってシゥの合図までゆっくりしてて
シゥのこと信じて?
1人でもいっぱい助けて安全な場所へ
★草笛で近くにいるウミガメさんやイルカさんなどを呼び
【動物会話、動物使い】でおねがい
海に落ちちゃった人、近くまで連れてきて!
見つけてくれたら一緒にフェアリーランドで安全なとこまで連れてくね
「海で沈む、タイヘン!」
傾く船の上、シゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)は風に煽られながらも羽を羽ばたかせる。
海に放り出された人もいるが、船内に取り残されて動くにも動けない人もいるはずだ。
大きな波を分けて行くよりも、船内の方が妖精の体躯を生かせるだろう。
「ファル、てつだって!」
虚空にそう呼びかけると現れたのは、一匹の狼。そこにいるが、実体はない。
しかし、彼女の目には子を慈しむ暖かな光が確かに宿っている。
「よし、行くよ!」
シゥは船内へと続く扉の隙間へと身を滑らせた。
ひとまず下層部へ降りた。船底は軽く浸水していた。沈むのも時間の問題か。
ファルの鼻がひくひくと動くと、扉の前に駆けてゆく。
扉に入るとそこには三人の船員が縮こまっていた。
「シゥ、たすけ来た」
突然登場した妖精の姿にきょとんと目を丸くする乗組員。そう放心している暇はない。
「ここ入ってシゥの合図までゆっくりしてて。……シゥのこと信じて?」
手持ちサイズの壺を指差して頼み込むシゥ。若干の不信感を感じつつも、
「………信じていいんだな?」
力強くしっかりとシゥが頷くと、三人は意を決して同時に壺に触れた。
船員の体はフェアリーランドに吸い込まれ、無事に保護された。
船内を回って甲板に戻ってくると、おもむろに取り出したのは草笛。
口にあてがい吹き始める。柔らかな音色は風の中を縫い、海原の彼方まで飛んでゆき……海獣を呼んだ。
「おねがい、海に落ちちゃった人、近くまで連れてきて!」
手を振り叫べば、イルカやウミガメは意気揚々と船から離れていった。海は彼らの独壇場だろう。効率的に救助できるだろう。
暫く待っていると、背中に人を乗せて戻ってくる子がちらほらと。
「ありがとう!」
感謝の言葉に嬉しそうに見える海獣たちは、まだ居る漂流者を求めて再び海に潜っていった。
動物による救助活動は生命の神秘を感じさせる光景であった。とても美しく、それでいて愛を感じるような。
絆の救出劇はもう暫く続く。
大成功
🔵🔵🔵
シャオ・フィルナート
おいで、翠狼…
狼の嗅覚を利用しヴィランの捕獲…
敵に対峙してる方が…楽でいい……
発見次第足音を殺し闇に紛れるような【暗殺技術】で
うち1人へ急接近
★罪咎の剣を喉元に突きつけ★死星眼を発動
安心しろ…殺す気は無い
大人しくしていれば傷1つ無く保護してやる
多少の生命力吸収はあるけど…
【催眠術】で意識を奪い翠狼の背に乗せ連れ出すのが目的
もう1人が仕掛けてくるようなら
背に★氷の翼を生成し攻撃を弾き
氷の【属性攻撃】により足場の水分を凍らせ足止め
言ったよね…大人しくしてれば、って
証拠隠蔽するの面倒なんだから…手間取らせないでよ
わざと振り上げた武器への恐れを見せた隙に視線を合わせ催眠術
…ちょっと、手荒だった…?
「おいで、翠狼……」
甲板に佇むシャオ・フィルナート(悪魔に魅入られし者・f00507)が小さく呟くと、紺碧色の狼が一匹、召喚された。
「………主よ、何か御用だろうか?」
翠狼と呼ばれた大狼がシャオに尋ねる。床に溢れる海水が、狼の足元を避けているように見えた。
「ちょっと、人を探すのを…手伝って」
短く用件を伝えると、船内へ続く扉を押し開けて、下層の貨物室へと歩みを進める。
「しかし、主が人探しとは………」
「………探すのは、敵だよ」
シャオはどうも、人と対峙することを避けてしまう。それは彼の育ちから来るものであろう。
だがら、敵と一緒にいる分には楽だと感じる。打倒すべき存在に、これからの多幸・不幸など、あるか分からないだろう。
暗く冷たい船内を進んでいる内に、貨物室に到着。入り口は開放されたままの状態だった。浸水は少しだけ。
広い広い空間に、所狭しと並べられている箱の数々。パッケージには茶葉や穀物、見慣れない文字が見える。
「主、あそこです」
翠狼がシャオに、小さな囁きで耳打ちした。鼻先は、一際目立つ派手な色の段ボールが積み重ねられた場所を示している。
シャオは無言で頷くと、ナイフを握りしめて静かにその場所へ。
陰からそっと覗き込むと、黒い目出し帽を被った男が一人、貨物にもたれかかっていた。
男の姿を確認すると、薄暗さに紛れて一気に距離を詰めて、横から首筋にナイフを突き立てた。
男が腰の短剣に手を伸ばしていたが、シャオの方が少しばかり速かった。
「安心しろ…殺す気は無い。大人しくしていれば傷1つ無く保護してやる」
耳元で静かに、しかしはっきりと告げた。男の額に冷や汗が流れている。
男の肩を軽く叩く。こちらを向いた男の視線は、シャオの肩の上を流れている。そして、男は笑った。
「まさか………」
「オラァ、どこの女か知らんが、くたばれェ!!」
咄嗟に振り向いたシャオの脳天に刃を振りかざそうとする、もう一人の男。
暗闇からの不意打ち。勝ちを確信した男達の希望は、いとも容易く打ち砕かれることとなる。
振り下ろされた剣が弾かれた。何事かと見ると、シャオの背中には美しい氷の翼が。僅かな光を反射してキラキラと輝いている。
思わずたじろいだ男の足を逃さない。濡れた床が突如氷結したのだ。
「なんだこれ、クソッ!」
凍りついた足を外そうと必死にもがく男に、静かにシャオは歩み寄る。
「言ったよね…大人しくしてれば、って。証拠隠蔽するの面倒なんだから…手間取らせないでよ」
この船はもうじき海の藻屑となるわけであるから、血痕とか、証拠など簡単に発掘されないとも思うが、念のため。
振り上げられたナイフ。顔を上げた男と、ばっちりと目を合わせる。右目は惹き込まれそうな金色。
視線が逃げる前に、催眠術をかける。男は糸が切れたように床に倒れこんだ。
もう一人の男は完全に腰を抜かしていたので、簡単に催眠をかけて無力化した。
凍った靴を脱がせて、二人の男を翠狼の背中に放り投げると、貨物室を後にする。
「ちょっと、手荒だった…?あと、俺は男、なんだけど………」
並んで歩いている途中、ふと問いかけられた狼は、心配はいらないだろう、と一言だけ、主に返した。
大成功
🔵🔵🔵
御門・アヤメ
『多機能システム』で工作員確保の情報を確認した。
あとは、海に落ちた乗組員の救助を優先。
【鎧装召喚】で呼び出した灰色の機械鎧を身に纏い、空中から海に落ちた人を【怪力】で引っ張り上げてお姫様抱っこしながら安全地帯へ輸送する。
「大丈夫。あなた達を救助に来た」
何度か往復して、落ちた人を全員助けるまで続ける。
「もう少し、がんばって」
「結婚式の時間が近づいている」
「もっと急がないと」
ちょうど工作員二人が確保された頃、御門・アヤメ(歴戦の鋼鉄人形・f17692)は船上より海を見渡していた。
ヴィラン捕縛の情報を得て、残るは乗員の救助のみである。
海に身を投じる前に、召喚した鎧に身を包む。灰色の装甲は、空を覆う雲に少し、似ている気がした。
アヤメは手すりを乗り越えて、大海原の上を飛んでいく。
吹き荒れる風と大時化の海、助けを呼ぶ僅かな声が聞こえるはずもない。
空を飛ぶ利点を生かして、上から己の目を頼りに人を探していく。
しばらくして、波の割れ目に人を見つけた。服装から、この船の乗組員だと分かる。
波に飲まれぬよう慎重に高度を下げると、相手の腕をとって水の中から引き揚げた。
「大丈夫。あなた達を救助に来た」
海に投げ出されたと思ったら宙に連れ出されてパニックに陥っているのを宥め、脱出準備をしている船上へと送り届けた。
頭を何度も下げる相手に目もくれず、アヤメは再び海へ。
海獣の協力もあり、次々と人命を救出していく。
「結婚式の時間が近づいている。もっと急がないと」
先を見据えての行動。鎧の高速飛翔を使って海原を飛び回り、遂に乗組員全員の安全を確認することができた。
幸いにも軽い怪我程度で済んだようで、死人は出なかった。
船は間も無く沈んでゆき、乗組員はただただ、猟兵に頭を下げながら、自分らの船が無残に海に飲まれていく様子を見ていることしかできなかった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『ブライダル・ラン!!』
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POW : お姫様抱っこして強引に切り抜ける
SPD : お姫様抱っこして速さで駆け抜ける
WIZ : お姫様抱っこしてヴィランを撒く
👑11
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●どうしてこうなった
場面はうって変わって街中へ。
「俺を差し置いて、幸せになろうだなんて………許さねぇ!!」
机を叩いて立ち上がった一人の男。彼の目的は、人の幸せを壊すこと。
ただ、自分より幸せな人が許せない。だからヴィランに堕ちた、それだけ。
「俺の計画に狂いはねぇ………これで全部ぶっ壊してやるぜ!!!」
男が壁に向けたのは、一丁のアサルトライフルだった。
そんなことは知らず、新郎新婦はそれぞれの自宅から会場に向かおうとしていた。
服や化粧は済ませ、幸せムード全開で頬が緩んでいる。
二人が靴を履いて、玄関から顔を出す。さぁ、お出迎えの時間だ。
花狩・アシエト
えーーっ!?また新郎!?(開けてびっくり玉手箱)
もういいよ、ほら、行こう
新郎が走るより、俺が走った方が早いからさ
お姫様抱っこ……あとで新婦さんにしてやるんだぞ!
「目立たない」で新郎をお姫様抱っこだ!
俺だって男をお姫様抱っこしたくないから!諦めろ!
「第六感」で妨害を避けつつ、全力で走る!
POWかな
とりあえず力技だ
新郎に攻撃が及びそうになったら、身を呈して守る
周囲の冷やかしには、誤解だから!結婚するの俺じゃないから!と全力で否定しつつ走る
もー、ゲイじゃないから!
無事につけたら新郎のケツ叩く
オラ!おめでとさん!
誤解されたら否定していく姿勢で
アドリブ歓迎
無事に人命救助を終え、足早に街へ向かった花狩・アシエト(アジ・ダハーカ・f16490)。
アイラの説明にあった家へと到着し、玄関前の壁にもたれかかって待っていると、現れたのはタキシードに身を包んだ男。
「えーーっ!?また新郎!?」
思わず口から飛び出た言葉。"また"というからには、前にもこんなことがあったのだろうか
......。
「もういいよ、ほら、行こう。……あとで新婦さんにしてやるんだぞ!」
「ちょ、君、何を!?」
アシエトは、半ば諦めたように新郎を抱き上げて、家の門から飛び出した。
「何なんだ一体!!」
「これには訳があってだな、俺だって本当は、男をお姫様抱っこしたくないから!不本意だから
!!......ほら、来たぜ」
御立腹の婿に詳しく説明する暇もなく、背後からの弾丸を第六感で感じ取り、電信柱を盾にして防ぐ。
突然の銃撃、新郎の顔が恐怖に青くなる。
「ちょっと飛ばすぞ!」
素早く方向転換し、細い小路に滑り込むように移動。道の続くまま、大通りへ走り出た。
人の波を掻き分けながらも、そのスピードを緩めない。この人混みならば相手も見失ってくれるだろう。
この行動が功を成したのか、後ろから銃声はしない。だが、
「おーおー、熱いねぇ君たち!」
「いいぞ、行け行け!!!」
待っていたのは観衆の歓声、というよりかは冷やかし。アシエト自身は多少目立たなく出来ても、新郎自体の存在感が消えることはなく、結果的にバレバレである。
「違うから!結婚するのは俺じゃないから!だから誤解だって、もー、ゲイじゃないから!!!」
全力で否定しながら人を避けて走る。心なしか、スピードが上がったような気がする。
全力疾走のおかげでかなり早く会場に到着した。振り返ってもヴィランはいない。
「オラ!おめでとさん!」
新郎を少し雑に下すと、尻を叩いて会場へ送り出す。
彼は尻をさすって振り返り、軽く会釈して教会の中へ行ってしまった。
「はぁ、終わった
......今回、肉体労働キツすぎないか
.........?」
アシエトは、酷使した己の足をさすりながら、新郎の背中を見つめていた。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
お姫様だっこ…僕の腕力じゃ難し…あっ、そうだ
風の【全力魔法】を
自分の腕の周りに纏わせながら
お迎えにあがりましたよ、素敵な花嫁様
そっと花嫁の手を取り
その体にも柔らかく風を纏わせることで
腕力を使わなくてもお姫様だっこを可能に
詳しい事情は説明してる暇無いけど
僕達は味方です
少し飛ぶから気をつけてね
翼を広げ空中飛行
僕の合図で声を抑えて
横目で敵の様子を伺い庇うように【オーラ防御】
不定期に花嫁に合図を出し【指定UC】で姿を隠す事で
体力は温存しつつ敵を撒く
途中敵が増えてきたら時折地に足を着け★花園を生成
【破魔】の花弁を風魔法で遠隔操作し視界と進行を妨害
服に汚れは無い?
貴女方の未来に、祝福の【祈り】を
お幸せに
さて、婿が終われば、あとは花嫁だ。
新婦の家の玄関先にふわりと現れたのは、天使。まるで婚姻の儀を祝福するかのように、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はやってきた。
そろそろ花嫁が出てくる頃合いだろうが、どうしたものか。己の腕力で人一人抱えながら式場まで行くのは少々辛い。
かといってずるずると引き摺るわけにもいかないし、ゆっくり歩いていれば、ヴィランにサクッとやられてお終い。
暫し考え込んでいたが、一つ、閃いた。
意識を少し集中させれば、澪の両腕に風が渦巻き始める。風の力で上手いこと支えられれば、と考えたのだ。
まもなく、目的の人が顔を出した。
「お迎えにあがりましたよ、素敵な花嫁様」
そして、右手を差し出した見知らぬ『少女』に首を傾げている。
状況を呑み込めない花嫁相手にもたついている暇はない。澪は彼女の手を取ると、左手も回して抱き上げた。
「え、ちょっと、なんなの!?」
新婦は目を丸くする。驚いている理由は二つ。一つは、目の前の華奢な子が自分をお姫様抱っこしている事実。もう一つは、自分を抱いている『少女』の背中に、翼が広げられたこと。
「詳しい事情は説明してる暇無いけど……僕達は味方です。少し飛ぶから気をつけてね」
言葉が終わらぬうちに翼は羽ばたき始めたかと思うと、二人は式場に向かって移動し始めた。
ヒーローズアースには空飛ぶヒーローがいるとは言え、まさか自分が飛ぼうこととなろうとは思ってもいなかったのだろう。軽く放心している。
そんな花嫁を大事に抱えながらちらりと後ろを振り返ると、路地のあちこちからこちらを狙う者が覗いている。手には各々特色様々な銃器。
銃口は間違いなくこちらを向いている。殺る気満々のようだ。
「………僕がカウントするから、“ゼロ”の時に静かにね」
新婦はただ首を縦に振った。
「じゃあ、行くよ。さん、にぃ、いち………ゼロ」
合図で二人は息を潜める。同時に二人は、消えた。まるでそこには元々何もなかったかのように透明になった。
ヴィランはきょとんとして辺りを見回してみると、姿を捉えられずに地団駄を踏む。
しばらくすると透明化を解き、ふぅ、と息を吐く。魔法をかけながら翼を動かしてユーベルコードを使うとなれば、それなりに疲れるのだ。
その後も順調に式場へ近づいていく。時折、当てずっぽうに銃を乱射する者もいたが、オーラ防御で適宜防ぎながら進んでいった。
とはいえ、式場が近づけば近づくほどヴィランの数も多くなってきた。透明化だけでは撒ききれないだろう。
すると、澪はおもむろに高度を下げて、トン、と地上に降り、地面を蹴って再び上空へ。
澪の靴が触れた場所から次々と花が芽吹き始めた。その花弁を風魔法で操り、敵の視界と進行を妨害する。
破魔の力が込められた花びらの舞には、たまらずヴィランは立ち往生。天使は花風に紛れて何処かに消えてしまった。
刺客を撒き、少し行けば式場に到着した。ふわりと翼を使ってゆっくりと着陸し、そっと花嫁を下ろす。
「服に汚れは無い?」
丁寧に飛んだおかげか、服に目立った汚れはない。最後に、と澪は目を閉じ、彼らのために祈る。
「……お幸せに」
新婦は、祈りを終えてにこりと微笑む澪に会釈すると、小走りに式場へ行ってしまった。
天使に送り届けられた花嫁。きっと幸せを掴むだろう。
花嫁は一つ、澪について誤解をしているようだが、両者は、誤解し誤解されていることに気づくことはなかった。
大成功
🔵🔵🔵
※トミーウォーカーからのお知らせ
ここからはトミーウォーカーの「一本三三七」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
クリスティーヌ・エスポワール(サポート)
『紙の匂いって落ち着くわ……勿論、ニコもね?』
スペースノイドの電脳魔術士×サイキッカー、14歳の女です。
普段の口調は「文学少女系(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)」、兄弟姉妹には「照れ隠しが入る(私、相手の名前、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
鈴木・志乃(サポート)
『もっと、もっと、ワクワクしよう!』
『皆が幸せになれたらいいなぁ』
オラトリオの聖者
女性
DS生まれCF育ちのパフォーマー
人の幸せが自身の幸せである典型的な『良い人』だが、あくまで全ては自身が楽しむ為と主張する
オブリビオンですら幸せになれないか模索する程度には恐ろしく優しい
しかして速やかに割りきることも出来るのは過去がそこそこ悲惨だったから
魅せることが大好きで配信では歌ってみたを多数投稿
両声類アルトテノール
ごく個人的な秘密から依頼にほぼ無差別に頻繁に参加しようとする
【根っこの考え】
自己を世界の幸福の為の道具と考えており、一切の躊躇なく自己犠牲を払う
必要があれば自身の感情すら『操る』
【武器】
光の鎖
星羅・羽織(サポート)
「……特別に、手伝って、あげても、いい。困ってるなら、仕方ない、から」
魔術師ローブのヤドリガミ。
何世代にも渡って受け継がれてきたローブがヤドリガミになったもの。
その内には蓄えられた膨大な魔力によって疑似的な宇宙が成っている。
見た目は小学生くらいだけれど、年齢は数百歳。
性格は見た目通り幼めで、寂しがり。
困っている人は放っておけないタイプのため、遠回りなことを言いながらも、積極的に手伝ってくれる。
蓄えられた知識は広く深い。それを活用して必要とあらば助言もする。
喋りはたどたどしい。
戦闘は中遠距離からの宇宙魔法を駆使して行う。
セリフや行動は完全にお任せ!
好きに喋らせたり動かしたりしてください。
アシエトが花婿を、澪が花嫁を境界に連れてくる。
これで任務は完了か……と思いきや、式が始まろうとする境界に、澪を追いかけてきた武装集団が集結してきた。
「俺の計画を邪魔するとは許せねぇ……もはや容赦しねぇぜ、教会ごとぶっ壊してやる!!!」
アサルトライフルを構えたヴィランの男を筆頭に、ありあわせの銃で武装した破落戸ども。
破落戸は、ヴィランが雇った裏社会の雑魚なので、その銃弾が直撃しようと、猟兵にとっては『ちょっと痛かったよ!』くらいで済むが、結婚式場に乱入されると、かなり問題だ。
花嫁花婿神父に参列者などは、その程度の銃で撃たれただけで死んでしまうかもしれないのだ。
この結婚式の危機に立ち上がったのは、鈴木・志乃(ブラック・f12101)である。
「私は、結婚式にのような幸せな人達を鑑賞するのが趣味なんです。だから……私の鑑賞の邪魔をするお邪魔虫は、お仕置きです」
破落戸どもの最初の一斉者を、全て自分の殻で受け止めた志乃が、銃撃をものともせずに、ニコリと微笑みかけると、破落戸どもは目に見えて引いた。
絵にかいたようなドン引きだ。
「こいつは、いったいなんなんだ!」
「ヒーローなら銃弾で死ななくてもおかしくねぇが、体で受けるとか、気がくるってやがる」
「俺は降りる、ヒーローがいなくなったって言ったから引き受けたんだ」
逃げ出そうとする破落戸ども。
だが、それをアサルトライフルのヴィランが威嚇射撃で黙らせた。
「逃げる奴ぁ、俺が撃つ。あの女は俺がヤる、お前達は先に教会で暴れるんだよ」
ヴィランの威嚇に、破落戸どもは逃げ出すのをやめる。
命がけで志乃と戦えと言われれば逃げ出しただろうが、志乃の相手はヴィランがしてくれて、自分達は予定通り結婚式に乱入するというのならば、それはそれでアリだ。
「わっ、わかったよ」
「あんたには逆らわねぇ」
「あのイカレた女の相手をしなくていいなら……」
「ヒャッハー、カップルは爆発だぁ!」
嬉々として教会に雪崩れ込もうとする破落戸たち。
「ちょっと待つのです!」
志乃は、慌てて、それを阻止しようとしたが、アサルトライフルのヴィランが立ちふさがる。
このままでは……と焦る志乃に、電信柱の上から闇色のローブをまとった小柄な少女が箒に乗って舞い降りてきた。
その少女……星羅・羽織(星空に願いを・f00376)は、
「……特別に、手伝って、あげても、いい。困ってるなら、仕方ない、から」
と、志乃に教会に行くように即すと、アサルトライフルのヴィランの前に立ちふさがったのだ。
「恩に着ます」
そう言って志乃が教会に向けて走り出す。
「待ちやがれ!」
今度はヴィランが、志乃の移動を阻止しようと追いすがろうとするが、記憶の書を手にした羽織がそれを許さない。
「ここは通行止め……。それに……『私の、宇宙<魔力>から、逃れる』事は不可能」
羽織が手にした記憶の書から膨大な魔力が発せられ空間を歪ませる。
アサルトライフルのヴィランは、その強大な魔力に冷や汗をだらだらと流しながら、手汗ですべろうとするライフルをなんとか構えて、羽織に向けて発砲しようとする。
「あなたは、もう動けない」
だが、羽織が発した一言と共に、引き金を引くだけの指の動きさえ封殺されてしまったのだ。
「あ……え……?」
発する声さえ封じられたアサルトライフルのヴィランの手から、アサルトライフルを取り上げた羽織は、「犯人確保」と、ヴィランを物理的に拘束し、箒で殴って気絶させたのだった。
一方、教会に乱入しようとする破落戸を追いかけた志乃だが、最後尾の数人を無力化したところで、残る敵を追いかけられなくなっていた。
いや、1人なら追える。
だが、1人を追えば、残りが教会に雪崩れ込んでしまうのだ。
「追ってくる、追ってくるぞー」
「あのヴィラン、約束をやぶりやがった。が、もう逃げられねぇ」
「やるしかない、やるしかないんだ」
「ヒャッハー、相手は一人だバラバラでいけば、全員は捕まらねぇぜ!」
逃げ惑いながら教会に乱入する破落戸たち。
この状況に、
「くっ」
志乃は、身を挺しても破落戸を止められない自分の不甲斐なさにギリっと唇をかみしめた。
が、その時、教会の中から、無数のドローンが飛来すると、バラバラに突入しようとする破落戸どもに襲い掛かった。
それは、クリスティーヌ・エスポワールのエレクトロレギオンであった。
「あなた達、ここは、神聖な教会ですよ。公序良俗に反する行動は慎んで貰ないかしらね」
教会備え付けの聖書を片手に読みながら、電脳ゴーグルモーヴェー・ズイユから、エレクトロレギオンを統制しつつ姿を見せたクリスティーヌは、まるで図書館で騒いだ男の子たちを注意するように、破落戸どもを注意した。
「うっすみません」
「もう、騒ぎませんです」
「もう無理だ、降伏します」
「ヒャッハー、相手が多すぎる、これはどうしようもない。……ごめんなさい」
眼鏡少女の御説教と、圧倒的な物量の前に、破落戸どもは正座して謝った。
「反省するのは良い事ですよ。ヴィランも無事に捕まりましたから、あなた達の味方はもういません。安心して罪を償ってください」
と言っても、未遂ですし、ヴィランに強要された部分もあるので、それほど重い罪にはならないはずです……と、クリスティーヌに諭された破落戸どもは、
「ははぁぁぁ」
「ありがとうございます」
「罪を償ったら、彼女探します」
「ヒャッハー、姐御って呼んでいいっすか」
と反省してお縄についたのだった。
その後クリスティーヌは、破落戸をおいかけてきた志乃とヴィランを捕縛した羽織にも、教会備えつけの聖書を手渡すと、讃美歌のページを指し示した。
「そろそろ、式も佳境のようですから……。皆に合わせて、讃美歌を歌ってみませんか?」
新郎新婦の門出の式、参列者達の讃美歌に加わった、猟兵達の歌声は、2人の幸せを祈るように空に溶けていった。
成功
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第3章 ボス戦
『ミス・ワルプルギス』
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POW : キリング・クレセント
【三日月型の光の刃】が命中した対象を切断する。
SPD : 流星魔弾
【「あなたの命、頂戴します」と書いた予告状】が命中した対象に対し、高威力高命中の【星型の光弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 紅い夜の吸血鬼
自身に【夜闇色のドレス】をまとい、高速移動と【鮮血色のエネルギー波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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九十九・静香
結婚が幸せで邪魔してはいけない、というのは何処の世界も同じようですね
それでは最後の邪魔者、お相手させて頂きましょうか
【存在感】を放ちながらの【パフォーマンス】筋肉体勢(マッスルポーズ)を【気合】を入れて存分にする
『これはお2人のこれからを祝福する為捧げる筋肉体勢。そして、貴方を倒す為の物です』
UCを発動しここからの行動成功率を上昇致します
敵が月の刃を飛ばしたり斬りかかってきたならば、【カウンター】で刃範囲以外を【怪力】拳ですかさず殴り飛ばし粉砕
複数同時の時は【グラップル】による体運びと拳・肘を使った攻撃で捌き、敵に接近
最後は怪力拳・怪力蹴りの連続【2回攻撃】ラッシュで終わりにします
『祝福あれ』
結婚式を終えた教会の前に、少女の喘ぎ声が響いていた。
「ふっふっはー、ふっふっはー」
声の主は、清楚なかんばせを紅潮させて、艶めかしい吐息を吐き出して、腰を上下に運動させ続ける……。
つまりスクワットだ。
清楚な少女の首から下は、筋骨隆々のマッスルスパーク。
腹部に施された『筋』の文様から放たれる筋肉の躍動は、はじける汗と共に、周囲の空気を変質させるほどの存在感を放っていた。
その少女……九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)は、敵の襲来を感知したのか、トレーニングを中断すると、両腕に力を込めて、モスト・マスキュラー。
はちきれんばかりの筋肉が、その力を最大限に高めて、襲来する敵の攻撃を予測して迎え撃つ。
「これは、結婚式を挙げられたお2人のこれからを祝福する為捧げる筋肉体勢。そして、貴方を倒す為の物です」
油断している所をブスリと刺そうと隙を伺っていたミス・ワルプルギスは、この想定外の迎撃に言葉を失うも、左腕に三日月形の光の刃を作り、静香に向けて解き放つ。
静香は、この攻撃を握った拳の怪力マッスルで叩き落とすと、トレーニングの成果たる両脚の怪奇!超筋肉脚を解き放ち、巨体とは思えぬ軽やかさで宙を舞い、ミス・ワルプルギスに肉迫してみせる。
「ちっパワータイプかと思えば、スピードもあるのかやり難いね」
ミス・ワルプルギスは、そのマッスル突進を、闘牛士のように華麗に回避しようとするが、その回避は既に見切られていた。
ミス・ワルプルギスに静香の怪力拳が襲い掛かる。
「くぅぅぅ」
この拳は、なんとか間に合わせたアームブロックで受ける事ができたが、衝撃で動きが止まった所に放たれた、怪力蹴りをまともに受け、ミス・ワルプルギスは、蹴り飛ばされて消え去った。
大成功
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エミリロット・エカルネージュ
ヒーロー狩りの黒幕は貴女かな?その為に一般人まで巻き込んで、ボクも一応ヒーローの端くれでもあるから、直々に出てきて悪いけど
ラストオーダーにして貰っちゃおうかな、変身っ!
●POW
『早業』でギョウザライダー・チルドを攻撃力重視で発動
秋刀魚のなめろうの揚げ餃子の鎧装を纏い
敵の攻撃とユーベルコードを『第六感』で『見切り』『残像』を残して回避し
当たりそうになったら
水餃子バリアが当たる瞬間
『残像』に『オーラ防御』を込めた実体のある残像を作り身代わりに
近づいたらクロマグロソード変形のガントレットを使い『早業』で『残像』を描き動き回りつつ四方八方から『グラップル』でボコボコにするよ
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
火土金水・明
「なるほど、今回のすべての事件の黒幕はあなたなんですね。」「たいした動機では無いと思いますけど、言い分ぐらいは聞いてあげますよ。」(不意打ちされないように注意は怠りません)
【WIZ】で攻撃です。
【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【フレイムランス】で『ミス・ワルプルギス』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「残念ながら、オブリビオンは『骸の海』へ帰ってください。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
「なんて、パワーだ。桁違いだよ」
静香の怪力蹴りで吹き飛ばされたミス・ワルプルギスは、飛ばされた先のビルの壁面に足を着くと、三角飛びの要領で、衝撃を殺しつつ地面に降りて、ホっと一息……。
つく事もできず、新たな敵に遭遇していた。
「ヒーロー狩りの黒幕は貴女で間違いないかな?」
紅い龍の刺繍をあしらったお洒落クンフー服をまとった赤褐色の肌の少女、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライが、着地を成功させたミス・ワルプルギスに問いかける。
「あんたもヒーローで、あの筋肉娘の仲間……というわけかい?」
三日月の光刃を出して戦闘態勢を整えるミス・ワルプルギスに、エミリロットは、
「自白確認したよ。ボクも一応ヒーローの端くれでもあるから、一般人を巻き込んだ悪事は許せないんだよ。ということで……、変身っ!」
変身の合言葉と共に、彼女のチルドドライバーから『Chilled Standby!』の電子音が響きわたり、エミリロットは格好良いポーズと共に、変身ヒーロー『ギョウザライダー・チルド』へと変身を遂げた。
右手に装備されたマグロソードはカチンコチンに冷凍されており、その破壊力は絶大。
左手に展開された水餃子バリアは、柔軟に敵の攻撃を受け止める。
そして、その胸には『チルドナメロウ』の文字が燦然と輝いていた。
「いや、お前、統一性なさすぎだろ」
ミス・ワルプルギスはそう突っ込んだが、ヒーローの前に理屈は無用である。
エミリロットは、残像を利用して四方八方からマグロガントレッドで、ミス・ワルプルギスをぶん殴り、ミス・ワルプルギスの突っ込みを封殺して見せた。
「悪即斬。みたか! なめろう餃子の力!」
ミス・ワルプルギスは、斬ってねーし、なめろうも餃子も関係ないだろっというツッコミをする余裕もなく、殴打の嵐から逃れると、切り札足る紅い夜の吸血鬼を発動する。
この技は、毎秒寿命を削る為、長時間の発動はするべきでは無いが、ここまで追い込まれては、出し惜しみなどできはしない。
だが……、漆黒のドレス姿に変化したミス・ワルプルギスの前に、彼女の夜闇色のドレスと対なすような、黒色のローブを纏いマントを羽織った魔女が立ちふさがった。
「さて、何か言い残す事はありますか?」
そう尋ねつつも、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)は、七色に輝く杖を翳し、ミス・ワルプルギスに応える暇さえ与えず、先制攻撃でフレイムランスを叩きこんだ。
255本の炎の槍が、容赦なく、ミス・ワルプルギスに襲い掛かる。
「あぁ、応える必要はないですよ。たいした動機では無いと思いますので」
ミス・ワルプルギスは、炎の槍から逃れようと藻掻くが、フェイントを交えて放たれる範囲攻撃を前に、逃れ切る事は出来ない。
夜闇色のドレスが裂け、穿たれ、ミス・ワルプルギスの白い肌と鮮血とが、明の生み出した炎の中に浮かび上がった。
「残念ながら、オブリビオンは『骸の海』へ帰ってください」
そして、問答無用とばかりに、明は2回攻撃のフレイムランスを解き放つ。
血だるまになりつつ、その炎の地獄から逃れ出る、ミス・ワルプルギス……。
だが、その炎から逃れた彼女の前に、彼女にとっても死神が姿を現した……。
大成功
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豊雛院・叶葉
■方針
・【WIZ】使用
・アド/絡◎
■行動
世界は広う御座います故、婚姻の際の妨害を是とする文化も有り得ましょうが、皆様の様子を拝見する限り、その様な事情では無いのでしょう。
であれば、斯様な行いは許されざることに御座います。
女神様に[祈り]を捧げ【乳白燭】を用います。
『魑魅魍魎(=オブリビオン)』のみを浄化する[破魔]の炎に御座います故、此方で『彼女』の周囲を囲み、狭めて参りましょう。
抜けられる隙間が無ければ、どれ程速くとも触れずに通過することは難しゅう御座います。
破壊の為、エネルギーの放射を行いそうであれば、其方に意識が向いた隙に残りを一気に狭め、焼くことと致しまする。
安らかにお休み下さいませ。
炎の槍が形作る死の檻より逃れ転がり出たミス・ワルプルギス。
その彼女の前に立った死神は、きわめて露出度が高く体型がもろわかりな巫女服を着用した、豊満を絵に描いたような巫女、豊雛院・叶葉(豊饒の巫女・叶・f05905)であった。
「あなたの行いは許されざることに御座います」
叶葉は、ミス・ワルプルギスにそう言い放つと、女神への祈りを捧げたてまつった。
『豊乳女神等の廣き厚き御恵みを 辱み奉り 高き尊き神教のまにまに』
豊乳女神への祈りと共に、叶葉のたわわが、前後左右に揺れ動き暴れまわる。それは、まさに持てる者の暴虐であったかもしれない。
(これを目撃したエミリロットは、自分の成長限界を超えた律動に慄然とし、明は、特徴は同じ筈なのですが……と、囁いたらしい)
叶葉の呪言が女神に届いたのか、35の『魑魅魍魎』のみを浄化する破魔の炎が灯り、ミス・ワルプルギスを取り囲む。
取り囲まれたミス・ワルプルギスは、その炎の揺らめきに魅入られたように動きを止めた。
「豊乳女神さまはおっしゃいました。もはや、逃れる能わざると……」
叶葉の言葉と共に、炎の揺らめきはその間隔を狭めていき……ミス・ワルプルギスの体を焼き尽くしていく。
ミス・ワルプルギスは、痛みを感じる事も無いような陶然とした表情のまま、ゆっくりと浄化され消え去っていった。
その場に残ったのは、燃え尽きた、わずかな塵のみ。
それが、この街を悪徳の町に変えようとしたオブリビオンの最期であった。
「安らかにお休み下さいませ」
叶葉は、消え去ったミス・ワルプルギスに慈愛の言葉をかけて、巫女の礼を捧げる、その動作と共に、彼女のたわわがまたしても、大きく弾んで暴れまわる。
それは、まるで、彼女の信じる女神を讃えるようであった。
大成功
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