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檄!糞不味闇鍋過激団

#キマイラフューチャー


●それが、糞不味闇鍋過激団なのだ!
「あはは!これすっげ~面白いよ」
「何、何?」
「あははマジ面白い!俺もやろうかな!」
 キマイラフューチャーでは空前絶後の『闇鍋』ブームが到来していた。そのキマイラの多くがそのある動画に注目している。彼らが見ていたのは『闇鍋』を食べるバラエティー番組だ。闇鍋を行い、反応を見て楽しい、やって楽しい、パーティーゲームのように番組は取り上げていた。その反響が良かったからか、配信している動画サイトのチャンネル登録数はもう20万人を優に越えている。
「俺もチャンネル登録しよう!」
「アタシも闇鍋やってみたい!」
 そんな風にして、多くの人々を阿鼻叫喚の渦に誘導していく。

 鍋に何かヤバいモノを入れまくるという鬼畜の所業が流行した訳は、怪人が配信した『闇鍋』を食べるバラエティー番組にあったのだ。

「ああ、もう止めてくれ!うちのお鍋は普通に食べて欲しいんだ!」

「闇鍋専用の鍋じゃないんだ!止めろおおおお」

 店主の悲痛な悲鳴がキマイラフューチャー内を駆け巡る。

●俺たち、闇鍋のために戦います。
「あーみんなは鍋好き?」
 そんな事を猟兵に問いかけたのは宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)だ。
「俺はねぇ~キムチ鍋が好きなんだよね」
 にんまりと笑いながら宮前は好きな鍋の話をする。が、脱線している事に気が付いた宮前は『おっと、そうじゃなかった』と少し言葉を溢すと、改めて集まってくれた猟兵に説明を始めるのだった。
「ええと、場所はキマイラフューチャーだよ。
 そこで前人未到の偉業(?)を出した怪人がいてね~?」
 その怪人は闇鍋をする動画を面白おかしく編集してはパーティーを盛り上げる為のちょっとしたゲームとして取り上げ、配信していると言う。
「そのせいで、飲食店に迷惑を掛けてるんだ」
 つまりはブームに乗った者たちが、こぞって闇鍋を持ち込んだり、勝手に鍋にヤバいモノを入れまくる事案が相次いでいるらしく、営業妨害となっているらしい。
「処罰しようにも多すぎてキリがないからね……みんなにはどうにかブームを終わらせて欲しいんだ!」
 そう宮前は言うと、地図を取り出しキマイラフューチャーの飲食店街をペンで記す。
「先ずは事件を解決に導くために、危険性を訴えるもよし、闇鍋を阻止するもよし、新たなブームを巻き起こしても良いかもしれない……。
 どんな方法でも良い。早々に事件の収束と終息をお願いしたいんだよ」
 猟兵たちはキマイラたちを命の危険(?)から守り、飲食店街の平和を取り戻す為にも、協力することにしたのだった。

「闇鍋を滅ぼして、正義をしめそーね!」

 タロットカード型のグリモアを起動する宮前。
 猟兵たちは目映い光に包み込まれ、件の場所に転送されていくのであった。


LichT
 はじめましてもしくはお世話になっております。
 ヒーローズアースのシナリオを出そうと思ったのに、いつの間にかキマイラフューチャーのシナリオを出してしまったLichTです。
 第1章ではブームを終わらせる為、住人へのアピールタイム(脳筋)になっております。
 第2章で、ヤミナベーを守る、面の魔力によって操られた怪人(元はヤミナベーの動画信者たち)との戦いになります。
 第3章は、ヤミナベー戦です。

 大まかな流れは上記のようになっております。
 共闘、アドリブ可能であれば、お手数お掛け致しますが文頭か文末のどちらかにご記載下さい。また、単騎で挑みたい猟兵の方や同行者が居る方におきましても同様に、その旨のご記載をお願い致します。

 皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。こちらもより良いリプレイを御送り出来るよう、精進して参りますので、どうかよろしくお願い致します!
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第1章 冒険 『闇鍋ブームを終わらせろ!』

POW   :    演技でどうにか闇鍋の危険性を訴えるぞ!

SPD   :    闇鍋材料をすり替えて闇鍋を阻止するぞ!

WIZ   :    闇鍋以外の新たなブームを巻き起こすぞ!

👑11
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パルル・ブラックベリー
はい! パルルちゃんはぁ、食べ物で遊ぶのはご法度だと思いまーす!
食べ物を粗末にすると怖い人達が出てくることを実証してあげるね

ということでユーベルコードでパルルちゃんのファンを召喚して闇鍋するパルルちゃんを演技でお仕置きしてもらいます。
演技だから痛くないよ!痛くない、痛く……いたっ、えっちょっ、マジで殴――いたたっ!誰だ今側頭部蹴った奴!おまっ、後で覚えとけよ!痛い痛い痛い!

※アドリブ連携OK



●※このあとファンはみっちりお仕置きされました
 ここは、キマイラフューチャーの食い道楽が集まる飲食店街。あのおぞましき『闇鍋ブーム』により、この飲食店街も無法地帯になってしまっていた。
 そんな中、小さな可憐なフェアリーがこの無法地帯の飲食店街にやって来たのだった。彼女──パルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)がやって来たのには理由がある。『闇鍋ブーム』を終わらせる為だ。
「はい! パルルちゃんはぁ、食べ物で遊ぶのはご法度だと思いまーす!」
 パルルは猫被りな様子で、闇鍋をしてる連中に声を掛ける。
「あんだy……「あ?…ごめんね?でもぉ、食べ物を粗末にするのは駄目だと思うんだもん」
 何だよ、とかでも言おうとしたのだろうが呆気なくパルルに阻止される。強いな。結構腹g……流石ブラックベリーと呼ばれるだけあるな!
 ともあれ、彼女の考えた作戦は、食べ物を粗末にすると怖い人たちが出てくるという認識を持たせ実証する作戦だ。
「そっかぁ、じゃあパルルちゃんも『闇鍋』やってみようかな?」
 梃子でも動かない彼らを見たパルルは、そう言って隣のテーブルを陣取る。パルルの作戦なぞには気付かない様子で、『やっぱりやりたかったんじゃん』などと巫山戯た事を抜かしていた。
 早速、闇鍋を始めるパルル。鍋に何やら食べ物じゃないものも入っている……ような気もするが『闇鍋』だからな、気にしない。
「おい!そこの女!闇鍋なんかしてんじゃねぇよ!」
「そうだ!食べ物を粗末にするな!」
 パルルが『闇鍋』をしている最中、突如声を荒げて乗り込んで来た男たちがいた。そして、男たちはパルルに殴りかかる!
「痛い!痛い!」
 殴られたパルルは、うるうると目に涙を溜めごめんなさいと訴えるように、男たちを見る。
 実は、この乗り込んで来た男たち…彼女のユーベルコード【悪質な売名活動(ファン・オブ・フォールス)】によって呼び出された、パルルのファン(金で雇ったファンを自称するサクラ)であった。
「痛い!痛い痛い痛い痛い!」
 そのため彼らも殴りかかっているのは演技であり、痛くない…痛く、ない……?はず、なのだが……?
「痛い!痛い!痛い!
 ……いたっ、えっちょ、マジで殴───いたたっ!」
 そう、演技であるこれは痛くないはずなのだ。が、パルルのファン(金で雇ったファンを自称するサクラ)は本気で殴りに来てるようだ……?そんな状況下で、段々とパルルの形相が変わっていく。
「誰だ今側頭部蹴った奴!おまっ、後で覚えとけよ!
 痛い痛い痛い!」
 猫被りも剥がれ落ちたパルル。口調が…あれ?な感じになってしまったが、『闇鍋』をやっている連中は気付かない。というか、この状況を呆然と見ていたのだった。
「(ま、マジかよ……女の子があの位酷い仕打ちを受けてるのなら、俺たちもっとヤバくね!?!?)」
「(やっぱり闇鍋なんて、やんない方がいいんだよ!)」
 殴られるという事態に注目されている為、パルルの本性がむき出しになっている事実に、誰一人気づいていない!良かったな、パルルちゃん!
「「ご、ごめんなさい!食べ物を粗末にしませんから許して下さい!」」
 男たちは顔を真っ青にして、逃げた。
 この店で、『闇鍋』をしようとする客は少なからずとも居ない筈だ。
 何故なら、食べ物を粗末にすると怖い人たちが出てきてボコボコにされるから────。

 パルルはファン(金で雇ったファンを自称するサクラ)と共に、闇鍋ブームを終わらせる一手を打ったのだ。
 どうか、演技であれどパルルちゃんを殴って蹴った、ファン(金で雇ったファンを自称するサクラ)が酷い目に遭いませんように……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小宮・あき
旅団「ホテル・ペンドラゴン」の仲間と参加します。
ですが、皆やりたい事がバラバラ。
他皆さんとの連携・アドリブも歓迎です。

SPD:闇鍋材料をすり替えて闇鍋を阻止するぞ!
お客様の具材をすり替え、美味しいお鍋の良さに気付いてもらおう作戦です!

従業員に【変装】して【目立たない】よう行動。
「闇鍋用のスープご用意いたしまーす」
【料理】技能を駆使してで闇鍋風に見える(少し濁った色の)スープを用意。
匂いは香辛料、色は着色料で、印象だけ闇鍋風にした実は凄く美味しいスープ。
そして具材を【早業】で【盗み】、美味しい具材にすり替えます!

お鍋は美味しく食べるもの!ですね。


カイム・クローバー
【ペンドラゴン】で行動。
【P】
俺は闇鍋の危険性をネットを通じて、垂れ流す。過去に猟団で闇鍋を食って腹を壊した事があるから危険性は十分に熟知している。
しかし!刺激に飢えるキマイラの民衆がこんな楽しそうな話題を放っておくはずがない(断言)
そこで猟兵である俺が皆に代わって作りかけの闇鍋を食ってみるとしよう。言っておく。これはフィクションじゃない。本物の猟兵VS闇鍋だ。
まずは中身を掻きまわして、それをネット配信。カメラ?誰かそこら辺のキマイラに頼む。んでその中から明らかにヤバそうなのをチョイス。口の中へ(モグモグ) ………っ!?(青白い顔になって口を押えて、倒れ込むようにトイレに駆けだす)


ジャック・ソウル
【ペンドラゴン】で行動。

【心情】
こんな危険な鍋がキマイラフューチャーに広まったら大変!
ミー達で阻止しないと!

これが今流行りの鍋『闇鍋』だね。ワーオ!これは凄い鍋だね。
ミーは初めて食べるよ。いただきまーす!これは・・・うっ、誰かヘルプ!ヘルプ!

技能【存在感】【パフォーマンス】でのたうち回ったり、
UC【ブレイズフレイム】を安全な場所で吹いたり、大げさなリアクションをして闇鍋の危険性をキマイラ達に見せつける。

※アドリブ歓迎


高野・エドワード
【ペンドラゴン】で行動。
イケメン君の勇姿をしっかりと皆に届けるべく、本来そこら辺のキマイラに頼む筈だったカメラ係に立候補したよ♪
まずはイケメン君をアップでお届け!話題性十分、さらにイケメンが出てると知れば視聴率はうなぎ登りの筈!!

そしてその後は……グロ注意とか言っといた方がいいのかな?鍋にカメラを映す。

これから彼はこの地獄のような鍋を食べるんですよ…どうなることか。
というか何が入ってるんだろうか…。最低限食べ物ではある筈だよね、うん。

一瞬一瞬をしっかり逃さずカメラに映すよ。
………。イケメン君がトイレに駆けだしだら、こうなるから闇鍋は止めた方がいい的なことを言って終了。 イケメン君、生きて!



●ノンフィクション≒シークレット・ホット・ポット
 『闇鍋』───それはこの場にいる誰もが、あまり良い記憶を持たない。それはこの『闇鍋ブーム』を作った元凶、ヤミナベーが生み出された理由をこの場にいる誰しもが知っていたからだ。
 かくして旅団『ホテル・ペンドラゴン』の面々は、『自分たちで世に出してしまった劇物は自分たちで』排除する信念のもと、闇鍋ブームを終わらせるべく立ち上がったのであった。

「(先ずは美味しいお鍋の良さに気付いてもらいましょうか!)」
 小宮・あき(人間の聖者・f03848)はそう考えながら、自身が用意した鍋に入ったスープを、ぐつぐつと煮込んでいた。見た目は……流石闇鍋と言わんばかりのスープ。濁っていて何が入っているか、想像してしまえばしてしまう程、怖い。さて……小宮はどうやって美味しい『鍋』を提供するつもりなのだろうか?
「失礼します!闇鍋用のスープご用意いたしまーす」
 店員風の姿を装った小宮は鍋を客の前にセッティングする。設置がたのカセットコンロの上に鍋を置き、火を着ける。このままでは、ヤミナベーが思う通りの『闇鍋』が始まってしまう!──だが、小宮には考えがあった。
「じゃあ、闇鍋するか!」
 その客の一声で始められた『闇鍋』。客はわいわいと話ながら、濁ったスープの中に到底食べられるモノとは思えないモノや、鍋に入れるべきでは無いものを投入───している筈だが。おや?
「……」
 『闇鍋』の中に入れる、その刹那。小宮は、凄い集中力で『闇鍋』のヤバい具材を、普通の『鍋』の具材へすり替えていた!入れていくその瞬間瞬間を逃さずに、目にも留まらぬ早さですり替えていくのだ。だが、具材を変えた所でそもそものスープが不味いのであれば意味はない。
「美味い!」
 一口スープを口にした客1人が、舌鼓を鳴らすと感嘆の声を上げた。
「具材、俺たちが持ってきたのが何故か入ってないみたいだけど……これなら、こっちの『鍋』の方が断然いい!」
「何々?……お、こりゃあ美味い!『闇鍋』にする方がこりゃ、勿体ねぇ!」
 次々と他の客が一口と絶品スープを口にする。そう、小宮が用意したスープ。彼女の経験と料理スキルを生かし、作り上げた『闇鍋風に見えるスープ』だったのだ。その『闇鍋風に見えるスープ』は印象だけを闇鍋風にして、スープ自体は鶏ガラスープを効かせ、オイスターソースとお酒、麺つゆや塩を加えた絶品スープなのであった!
「(ふふ、美味しいお鍋の良さに気付いて貰えたようで何より!)」
 小宮が苦労して工夫を練ったお陰もあり、絶品『鍋』が完成したのだ。美味しそうな鍋をつつくその客を見ていた周りのお客も、その絶品『鍋』を食べたいと、『闇鍋』の注文が相次いでキャンセルされ、代わりにその絶品『鍋』の注文が大量に入ってきた。お店としては嬉しい悲鳴である。
「(さて、次のお客様に『お鍋』の準備を致しましょうか!)」
 小宮は、早速絶品『鍋』を提供すべくスープの入った鍋を運んでいく。
「(ここら一帯は『闇鍋』の注文キャンセルがありましたが、やっぱりそれでもキャンセルしていないお客様もいらっしゃるのよね……?)」
 確かに小宮が担当する2階フロアのお客全てが『闇鍋』の注文をキャンセルしていたが、1階フロアのお客に関してはまだキャンセルが取れていない。
「(どうしましょう……それにしても1階フロアの方、随分と静かなような……?)」
 何事かと心配になった小宮はこっそりと1階フロアの様子を見に行く。
 少しのざわつきはあるものの、やはり静か過ぎる。それに席に座っている客も歯抜けになっていて、どういう事か人が少ない。
「(奥の方に行ってみましょう)」
 1階フロアの奥には座敷の部屋になっている筈。小宮が近づいて行くと、そこには驚きの光景が広がっていた。
 座敷の戸を開けた状態で沢山のギャラリー(客)が集まっていたのである。
「(何故、此処にお客様が集まっているんでしょうか……?)」
 疑問符を頭の上に浮かべながら、人をかき分けてやっとの事で覗き込む。
「(あ!あれは……!!)」

 4人掛けの座敷部屋でカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)とジャック・ソウル(パンプキンヘッド・f02764)は、中央に置かれた絶対ヤバい災害レベルの異臭を放つ『闇鍋』を前に、怪訝そうな顔でじっとその『闇鍋』を見ていたのである。そして、それを撮影する高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)は真剣な面持ちでカメラを覗き込んで、しっかりとクローバーとソウルを捉えていた。

「(えええええ、エディさんにカイムさん、ジャックくんまで……どうして此処に!?!?)」
 小宮が見たのは同じ旅団の仲間である3人が、『闇鍋』と向き合い、何やら真剣そうな顔つきでじっとしている様子。驚愕の声をあくまでも出さずに、思うだけで留まらせていた彼女は3人を注視する事しか出来ない。

「(ヤバいな……この闇鍋。青い食紅が食欲減退を誘い、更に異臭でそれを追い込んで来やがる)」
「(これは……いつぞやの『闇鍋』と似た感じがするね!)」
 真っ青の『闇鍋』を覗き込んでいるクローバーとソウルの顔も心なしか真っ青に見える。
「(イケメン君もジャックくんも顔色がもう悪い!頑張って、2人共!)」
 撮影しながらエールを送っていた高野は、『闇鍋』と対峙する2人を余所に生配信を続ける。
「(マスコットキャラクター的存在のジャックくんとイケメンな彼が出る生配信……珍しい組み合わせも相まって話題性十分、視聴者はうなぎ登りの筈!!)」
 確かに可愛い枠のマスコットキャラクター的存在ソウルと、格好いい枠のイケメン君と呼ばれるクローバーは珍しい組み合わせだ。その2人が『闇鍋』を食べるというのであれば、話題性も抜群だろう。
 高野の生配信画面に映る視聴者数はもう50万人を突破している。
「視聴しているみんな!これは一応念のために言っておくけど、グロッキーな場面が殆ど(?)かも知れないから、視聴するみんなは注意してね!」
 そう言って、『闇鍋』をズームアップ!わあ!綺麗な青色!まるでネモフィラのような美しい青!……いやいや、やっぱこれ人が食うモノじゃ無くない!?

「(色が……凄いですね…蛍光ピンクも嫌ですけど、青もちょっと)」
 げんなりした様子で小宮は『闇鍋』を見ている。ちょっと…処じゃないですよ!ヤバいですって!これ完全にイケメンと可愛いマスコットキャラクター的な子がいなけりゃ地獄ですって(個人的意見)

「これから彼らはこの地獄のような鍋を食べるんですよ…どうなることか」
 実況していく高野。
「いや、『地獄』って言葉は止めてくれ…言ってると本当に現実になりそうだからな」
 クローバーとソウルは身を粉にする覚悟で、闇鍋の危険性を訴えようとしていた。
「(過去に猟団で闇鍋を食って腹を壊した事があるから危険性は十分に熟知してる)」
 そう、実は旅団『ホテル・ペンドラゴン』組は一度旅団内で、おぞましき『闇鍋』を食べた事があった…ああ、あの阿鼻叫喚の地獄絵図懐かしい……とかじゃなく!全く良い思い出ではないので思い出したくもない人が大半だろう。
 ともあれ過去に『闇鍋』を食らい腹を壊した事があるクローバーは、危険性を熟知している故か嫌な汗が止まらない。多分それ拒否反応だよ!
「(しかし!刺激に飢えるキマイラの民衆がこんな楽しそうな話題を放っておくはずがない)」
 キッパリと断言して、『闇鍋』のスープを掬い上げるクローバー。
「(こんな危険な鍋がキマイラフューチャー全土に広まったら大変!
 ミー達で阻止しないと!)」
 クローバーが掬い上げた鮮やかな青色を放つスープを見たソウルは危険信号の旗が挙がるのを感じていた。思い出したくもないあの、『闇鍋』がフラッシュバックする……。
「(うっ、嫌な記憶を思い出しちゃったよ。あの『闇鍋』も負けず劣らず凄いカラーをしてたよね……)」
 ソウルはそんな思い出に思いを馳せていた。段々、先が見えないこの『闇鍋』が“まし”に見えてきた。旅団で口にしたヤバい『闇鍋』の方が酷かった気がするのだ……いや、もう彼は手遅れだ。酷い『闇鍋』を見すぎて感化されてしまっている。

「というか何が入ってるんだろうか…。最低限食べ物ではある筈だよね、うん」
 高野は、カメラ越しに『闇鍋』を見ながら画面に鮮やかな青色スープを映し出していく。というか、凄く引いてない?いや、分かる、分かるよ。だってカメラズームアップするもんね?誰よりも鮮明な『闇鍋』を直視してるようなものだもん、辛いね!
「猟兵である俺とジャックが皆に代わって作りかけの闇鍋を食ってみるとしよう。言っておく。これはフィクションじゃない。
 本物の猟兵VS闇鍋だ」
 その言葉の後、鍋の中身を掻き回してドロドロべちょべちょになった黒っぽいような物体と、青い餅のようなものが纏わりついた(殆ど溶けている為塊とは言いにくいが)塊を、お椀に寄せる。明らかにヤバそうなモノをチョイスしたな……!クローバー!死ぬぞ!?本当に良いのか!?!?
「これが今流行りの鍋『闇鍋』だね。ワーオ!これは凄い鍋だね。
 ミーは初めて食べるよ。いただきまーす!」
 クローバーが寄せてくれた具材をソウルは一口放り込む。
「これは・・・うっ、誰かヘルプ!ヘルプ!」
 助けを求めるソウルの声が徐々に細々となっていく……そしてのたうちまわるソウルの体からは、炎が!
「うわ!とんでもない事に……て、イケメン君!?」
「………っ!?」
 青白い顔で口元を抑えダッシュしていく、クローバー。彼が向かった先はトイレだった。
「こんな風になっちゃうから、闇鍋は止めた方が……」
 そう言って締め括ろうとした高野の元に、誰かが近付く!

「周囲の方はすみませんが、退いて下さい!医者です!」
 
 そう言って割り込んで来たのは、白衣姿の医者だ。白衣姿の医者は倒れたソウルの元に来ると、脈を確認し始める。
「彼は意識不明のようですね……血圧も下がりはじめています!
 今すぐ手当てを!」
 白衣姿の医者の言葉に、『闇鍋』ってヤバいんじゃないか、そんな認識が徐々に広がっていた。
「じ、実はもう1人トイレに行った彼も居るんだ!」
 高野は白衣姿の医者にそう言うと、トイレの方を指差す!
「わかりました……!」
 そう言って、トイレに向かって数分後、帰ってきた白衣姿の医者は顔を真っ青にしていた。
「彼は、いえ……彼も意識が混濁としている状況です。このままでは……助かりません」
 今すぐに緊急搬送しましょう!とその医者が言うと……2人を運び出す準備をする。

「『闇鍋』をするって事は命の危険と隣合わせだって言う事は頭に留めておいた方が良いかもしれないね……?
 緊急事態だから、そろそろ終わるよ」

 高野はそう言って動画を締め括った。これ以降の映像はない。

 この生配信は、衝撃的な映像としてキマイラフューチャー内を震撼させた。『闇鍋』はヤバい、命を落とすものとして、危険視されブームは急速に終息していった。
 あの尊き命は忘れない(死んでない)。彼らの事は、身を呈して危険性を訴えたヒーローとしてキマイラフューチャーに語り継がれていくのだろう。

 そして、そんな『闇鍋』ブームが終息したのと同時期に絶品『鍋』ブームが到来したのだった。

「あー死ぬかと思ったぜ」
「ミーも駄目かと思っちゃったよ」
「そうだよね。僕もあの地獄の産物はちょっと…ね。
 それよりも、あきちゃんが白衣姿で来たのは吃驚したよ」
「突然ごめんなさい。でも、ちょっと過激な方が説得力が増すかと思って……」
「いや、俺もあれは良かったと思うぜ?結果的にすぐブームは終息してくれたしな」
「うんうん。ミーたちの事もヘルプしてくれたしね!回復してくれて助かったよ!」
「取り敢えず、もう僕は『闇鍋』は懲り懲りだなぁ」
「ええ、私もです」

 そんな猟兵たちの声が聞こえたとか聞こえなかったとか……ともあれクローバー、ソウル、高野の3人がブームを終息させ、小宮が新たな絶品『鍋』ブームを引き起こしたのは言うまでもない。
 こうして、彼らはそのお店を後にしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『大頭頭ズ』

POW   :    x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。
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●匿名アンチ<大頭頭ズ>
 猟兵たちが店の外に出たその瞬間。襲いかかるのは【大頭頭ズ】!
 どうやら諸悪の根源であるヤミナベーを守るために、【大頭頭ズ】がやって来たようだ。
 そして有無を言わせず猛攻する!

『ヤミナベがいちばん!フツーのなべなんてジャドウだ!』
『ヤミナベーのどうがのパクりだろ!ケセ!』

 彼ら?彼女ら?はそう騒ぎ立てて、飲食店街を荒らし回っていく……。彼らはヤミナベーの動画の信者であった者たちであった。面の魔力によって攻撃性を増した彼らは、物を破壊し街を混乱に貶める。
 このままでは、住民に危害を加えかねない!特に『闇鍋』動画を配信したり、ブームを終わらせようとした猟兵たちや動画配信者などには、かなり怒っているらしい。通常であの様子だきっと猟兵たちには食って掛かるだろう。
 猟兵たちはキマイラフューチャーの平和を守るべく、阻止する為に掃滅するのだった。
レパル・リオン
「闇鍋は悪い文明!!!!!!」
何の脈絡もなく、イェーガー・レパル参上!
冗談じゃないわ、鍋に限らず食事ってのは人が生きるため、幸せになるためのものよ!
だいたい闇鍋なんて、見る側は面白くてもやる側は命がけなのよ!
あたしも激辛焼きそばとか、残飯とか、すっぱい梅干しとか、ジヒドロなんとかっていう謎の液体とか…ううう……(旅団の企画で色々食べたことを思い出して震えている)
とにかくアンタたちお面怪人との戦い方は知ってるわ!【スカイステッパー】で跳んで、【瞬打】でお面を蹴り割る!お面が邪魔で、上への攻撃は苦手でしょ?
「アンタ達!なんかには!邪道とか!言われたく!ないわよ!」



●追憶のミステリアス・ポット
 鬱憤を晴らすかのように街を荒らしまくる【大頭頭ズ】の前に立ち塞がったのは、レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)だ。
「闇鍋は悪い文明!!!!!!」
 某ゲームのアル何とかっていうキャラクターの台詞に似ているような気もするが…うん気のせいだな!何の脈絡もなく唐突に現れたリオンは、怒濤の攻撃を浴びせる!拳を一直線に打ち込み【大頭頭ズ】の面を割っていく!
 うん…この子結構殺意高めじゃない???やっぱり某ゲームのアル何とかみたいに『闇鍋』という文明を破壊する気満々なのでは……???
『ヤミナベがいちばんだ!!!』
 【大頭頭ズ】はやられても尚そう言い切る。
「冗談じゃないわ、鍋に限らず食事ってのは人が生きるため、幸せになるためのものよ!」
 その言い分にカチンと来たのか、真っ向から否定に入るリオン。
「だいたい闇鍋なんて、見る側は面白くてもやる側は命がけなのよ!」
 アンタたちは見て面白がってただけでしょ!と【大頭頭ズ】に言い放つ。この【大頭頭ズ】は動画配信を見ていただけのただの視聴者であって、実のところ『闇鍋』を食べたことも無い。リオンの言う事に、本当の事なので何も言い返せなくなった【大頭頭ズ】。
「あたしも激辛焼きそばとか、残飯とか、すっぱい梅干しとか、ジヒドロなんとかっていう謎の液体とか…ううう……」
 そう、リオンは自身の所属している旅団『魔法少女の秘密基地』で鍋を食べたことがあった。食材が食材なだけに実質『闇鍋』と言っても過言ではない。そんな有象無象のヤバいモノを食べてきたリオンにとっては、『闇鍋』という文明は破壊すべき標的であった。言いながら思い出してしまったリオンは、色々食べた事を思い出して震えていた。その震えが、恐怖からなのかはさてはて……。
「とにかくアンタたちお面怪人との戦い方は知ってるわ!」
 リオンが繰り出したのは空中を蹴りあげ、天馬の如く駆ける【スカイステッパー】!一気に【大頭頭ズ】の頭上に陣取ったリオンは死角を狙って、攻撃!
「よっ!」
 死角から繰り出される【瞬打(チーターヒット)】が、面に向けて強力な1打擊を打ち込む!
『ちょこまかと……!』
 【大頭頭ズ】も、どうにか上の攻撃に対応しようとするも面が視界を遮り、死角になってしまっている為に対応しきれないでいた!
 これを好機に一気呵成とリオンは次々に空中から【大頭頭ズ】の面を蹴り割っていく。
「アンタ達!なんかには!邪道とか!言われたく!ないわよ!」
 1打擊、2打擊、3打擊と蹴り上げ面を割り、面からの魔力を断つ。攻撃性を増大させていた面が消えたことによって、面を被っていた住人は、正気を取り戻す事が出来た。

 リオンの働きによって【大頭頭ズ】の数を減らす事が出来た。
 事態の終息まであともう少し─────。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
【ペンドラゴン】参加。
【S】
おいおい、見た目明らかにふざけた連中のクセに俺のUCと互角に打ち合うだと!?冗談じゃねぇ、カッコつけまくった俺のUCがこんなギャグみてぇなオブリビオンに負けてたまるかよ!!(必死)
あきちゃんの援護を受けつつ、前衛で動く。【残像】【二回攻撃】【串刺し】を併用したUCで確実に潰していくぜ。 相手の攻撃に対しては【残像】【見切り】で回避しつつ、技の隙間にねじ込むように差し込んでく。 合間に【挑発】入れて、注意をこっちに向けるか。言っとくが後衛を狙えると思うなよ?まずは俺を倒してからにするんだな!


高野・エドワード
【ペンドラゴン】で参加。
折角だから引き続きカメラを回そうか。屋外なら飛びながらの撮影も可能だし、【世界知識】を活用しつつスタイリッシュで臨場感溢れる戦闘シーンをお魅せしよう!

again視聴者のみんな!闇鍋を布教するとんでもない奴らが街を荒らしているんだ…!
でも大丈夫、こんな時のために猟兵はいるのさ♪

勿論戦闘にも参加するよ。基本的に後衛からサポートする。
撮影も皆の邪魔にならないように全体の状況を把握しながら行いたいね。
【全力魔法】【高速詠唱】でUCを発動。攻撃の為でもあるし、敵の目の辺りに狙いを集中させて視界を奪うようにもできないかな。
相手の攻撃は【見切り】【オーラ防御】【空中戦】で対処を試る。


ジャック・ソウル
【ペンドラゴン】で参加。

【心情】目には目を、頭には頭をだね!

ワーオ!大っきな頭だね!ミーのカボチャヘッドとユー達の大頭どっちが固いか勝負しようよ! UC【Jack the Trick】を使って大頭頭ズの大頭めがけて【一斉発射】して【鎧砕き】【鎧無視攻撃】をあきさんの援護うけつつ【だまし討ち】【吹き飛ばし】で攻撃しやすい様にカボチャヘッドを動かす。 エドワードさんにミーのカボチャヘッドのほうが固かったみたいだね♪え?そんなこ無いって?それじゃもう一勝負しようか!アーユーレディー!


小宮・あき
【ペンドラゴン】参加。
旅団「ホテル・ペンドラゴン」の仲間と引き続き参加。

団長ですもの、団員みんなの戦闘スタイルは把握済みです!
私は皆のサポートになるように動きましょう。

後衛からサポート。
UC【愛雨霰】でマスケット銃37本を念動力で操作し、
前衛を走る仲間のサポートや、後衛に向かう攻撃排除に動きます。

「私、愛されていますから」
【一斉発射】【援護射撃】【零距離射撃】をしたかと思えば
【フェイント】【だまし打ち】をしてみたり。
マスケット銃を2本クロスさせ【武器受け】で敵の進行を防いだりします。

周囲の様子は【視力】【聞き耳】【第六感】【野生の感】で気を配る。
【回避】は脚武器の【ダッシュ】と併せて軽やかに。



●Passionate!
「again視聴者のみんな!闇鍋を布教するとんでもない奴らが街を荒らしているんだ…!
でも大丈夫、こんな時のために猟兵はいるのさ♪」
 画面に向かってぱちんとウインクをして、早速カメラを回し始めたのは高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)だ。カメラが映し出した先は、飲食店街を荒らしまくる【大頭頭ズ】の姿。
「おいおい、見た目明らかにふざけた連中のクセに俺のUCと互角に打ち合うだと!?
 冗談じゃねぇ、カッコつけまくった俺のUCがこんなギャグみてぇなオブリビオンに負けてたまるかよ!!」
 カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は必死にそう言うと、双剣帝【アンファング】を構える。
『ギャグとかいわれたくない!』
 大頭頭ズも言われっぱなしでは居られないと、ぎゃあぎゃあ喚く。中国武術のような動きを見せて、超高速の連続攻撃が繰り出される!
「おっと、あっちもやる気満々だね!でもこの位じゃ甘いよ!」
 高野はそう言うと、大頭頭ズが見渡せる位置まで空高く飛ぶ。
「青き愛の洗礼をその身に刻め」
 瞬間、自由と愛の杖ツィーディアが淡い光と共に消え失せる。そしてその光が空気に霧散すると同時に、天から降り注ぐブルースターの花びら。ユーベルコード【瑠璃花弁の嵐(ブルースター・テンペスト)】の力であった。ブルースターの降り注ぐ範囲内の大頭頭ズは防ぐ手立てもなく、無防備なままに攻撃を受ける!更に、降り注ぐブルースターが視界を遮る為に、動きが鈍くなっていく!
「追い詰めますよ!」
 高野に続く形で小宮・あき(人間の聖者・f03848)は絶妙なタイミングで攻撃排除の一手を打つ。
「私、愛されていますから」
 小宮の回りに展開された、37本ものマスケット銃の銃口が大頭頭ズの方へ向けられる。彼女の合図と共に放たれた一斉射撃は大頭頭の攻撃を打ち消す!隙が出来た大頭頭ズに接近すると、百発百中の必中技零距離射撃を撃ち込んでいく!
『寄せ集めの猟兵の癖に!』
 大頭頭ズもがむしゃらにもがいて、猟兵たちに攻撃を仕掛ける!が、しかし小宮はマスケット銃をクロスさせ盾のように操ると、攻撃を防いでいく!
「ただの寄せ集めとは失礼ですね」
 大頭頭ズの頭を狙い撃ちすると、フェイントを織り混ぜながら猛攻する!止まることを知らない攻撃の嵐は、更に勢いを増していく!
「(あきちゃんとエドワードのお陰で、楽に出来そうだな)」
 小宮や高野が遠方から、敵の前衛を崩していってるお陰もあってか敵は隙だらけだ。クローバーは双剣帝【アンファング】を振るって攻撃!
「さぁ、踊るとするか!」
 1秒もの時間で距離にして2m程を素早く動き回るクローバーは、その速度を利用して双剣による連続攻撃を大頭頭ズに喰らわせていく!これはクローバーのユーベルコード【死の舞踏(ダンス・マカブル)】だ。彼の残像が大頭頭ズを翻弄していく。
「2人共、タイミングぴったりだよ。これぞ阿吽の呼吸だね!
 ……おっと?ジャックくんが何か企んでるっぽいね。注目して見ようか!」
 高野は、大頭頭ズの群衆の中からジャック・ソウル(パンプキンヘッド・f02764)を見つけ出すとカメラでその姿をバッチリ撮る!
「(目には目を、頭には頭をだね!)」
 そんなごり押しの考えで、ソウルは大頭頭ズの懐に入り込み、打撃を加えていく!目には目を歯には歯を、だった気もするが…まあそんなちっぽけなことは気にしない!
「ミーのトリック見破れるかい?」
 そう言って空中に呼び出したのはカボチャヘッドだ 。大頭頭ズは突如、出現した無数のカボチャヘッドに狼狽える。
「ワーオ!大っきな頭だね!
 ミーのカボチャヘッドとユー達の大頭どっちが固いか勝負しようよ!」
 突然開催された耐久力対決!カボチャヘッドは大頭頭ズ目掛けて、急降下していき落下!ズドン!と重苦しい音を立てて大頭頭ズの頭をぺしゃんこにする!
「わお、何ていうか結構力ずくだね!でもジャックくんが優勢かな?」
 防ごうにもブルースターの花びらが視界を遮り、上手く動けず、更にマスケット銃の牽制によって更に行動範囲を狭められている今、大頭頭ズは追い込まれている状態なのだ。
「ミーのカボチャヘッドのほうが固かったみたいだね♪
 え?そんなこと無いって?
 それじゃもう一勝負しようか!アーユーレディー!」

 地獄のゴングが鳴ってしまった今、大頭頭ズはもう逃げ場はない。手遅れだった。
 こうして4人の猟兵の活躍によって大体の敵の数を減らす事が出来た。
 殲滅完了まで、あともう少し!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パルル・ブラックベリー
クソがぁ!パルルちゃんの頭蹴ったのはテメェらだな!?やっぱりオブリビオンは纏めて骸に消えてもらわねぇとなぁ?

ほらほらヤミナベーの人気にあやかってやったぞ!まぁパルルちゃんのが数億倍可愛いし人気もあるぞ!三下が!
アイツらが集まって来たら1人ずつビンタしてくれるわ!大体何だよヤミナベーって。この依頼受けるまで知らなかったわ

【アドリブ、連携可】



●女って恐い!(※個人差があります)
 暴れまくる大頭頭ズの前に砂塵を巻き上げて踊り出た、パルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)は顔面蒼白であった。
「クソがぁ!パルルちゃんの頭蹴ったのはテメェらだな!?
 やっぱりオブリビオンは纏めて骸に消えてもらわねぇとなぁ?」
 可愛い見た目とは打ってかわって、結構乱暴な物言いなんですね!なんて、巫山戯ている場合じゃない。取り敢えずキャラどうした案件なのだが……いや、本当にマジでどうした???
 ブラックベリーは、大頭頭ズを前に余裕綽々と構えていた。凄い強キャラ感を出しながら立ち尽くすブラックベリー。いいや、でもブラックベリーのキラキラした衣装を見ていると腹が立って来るような…?気のせいだな!きっと!
「ほらほらヤミナベーの人気にあやかってやったぞ!
 まぁパルルちゃんのが数億倍可愛いし人気もあるぞ!
 三下が!」
 息をするように毒を吐くブラックベリーに、大頭頭ズも黙っちゃいられない!
「うるせぇ!どこが可愛いんだ!ヤミナベー動画がいちばんだ!」
「テメェらがウルッッセェンだよ!!」
 その瞬間、パァンッと叩く音が聞こえたかと思うと、大頭頭ズの1人が倒れる。
 いや、恐いわ。女って恐い。
 あまりの威力に呆然と立ち尽くす、大頭頭ズ。これはブラックベリーのユーベルコード【アイドルの柔肌に触れるのはご法度だゾ☆(ヒステリック・ビンタ)】だ。亜音速域のビンタによる、超高速かつ大威力の一撃を放つ技であった。
「パルルちゃんに触りたいならぁー。
 特別に手の平だけ許してあげる!死ねぇ!」
 キャラ崩壊どころではないキャラ大崩壊だよ。パァンッ!パァンッ!と次々にビンタで大頭頭ズを排除していく!というか、ビンタした周囲にソニックブームが発生してるんですけどー!?!?何これ、ヤバくない??というか威力凄いな。
 何か楯突こうものならば直ぐにビンタで排除され、殺されるのだ。そう、しかも───女の子のビンタでな。
 妖精の女の子に、しかもビンタごときで倒されて良いのか…情けない。
「大体何だよヤミナベーって。この依頼受けるまで知らなかったわ」
 ブラックベリーのその言葉を最後に、大頭頭ズの意識は途絶えた。

 ブラックベリーのちょっとした怒りで、漸く大頭頭ズは骸の海になった。
 これで、飲食店街も平和を取り戻した事だろう。
 女は怒らせるな、此方から言える事は以上だ。

 また1つ学んだ猟兵たちも、次なる脅威に向けて進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『闇落ち怪人ヤミナベー』

POW   :    怨嗟の叫びを上げる食材達
【材料になった食材 】の霊を召喚する。これは【汁による毒】や【臭いによる麻痺】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    ショートケーキ・ギャンビット
【毒々しい色の汁を吸ったショートケーキ 】による素早い一撃を放つ。また、【無理矢理食べさせる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    ジャッジメント・出し汁具材
【何故か生えている目玉 】を向けた対象に、【催眠で蛍光色の出し汁一杯の食材を食させる】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●グツグツ……グツ…(訳:テメェら絶対に許さねェ)
 猟兵たちが『闇鍋』ブームを沈静化させ、ブームを無事終らせる事に成功した、その時。
 グツ…グツグツグツ
 何処からか、グツグツと音が聞こえる。猟兵たちが辺りを見回してもそれらしきものはない。
 ドシーン!
 大きな音が飲食店街に広がり、砂塵の中から出てきたのは『闇鍋』ブームを流行らせた主犯、『ヤミナベー』だった!

 グツグツ!グツグツグツグツ………!!!!

 どうやら、猟兵たちが『闇鍋』ブームを沈静化させた事にご立腹の様だが、猟兵達だって大変な思いをしてここまでやって来たのだ、今さら身を引く訳にもいかない!
 怒り狂う『ヤミナベー』を闇に葬り去るべく、猟兵たちは武器を取るのだった!
パルル・ブラックベリー
……なんだァ、てめェ。言いたいことあんなら理解出来る言語を 話せるようになってから出直せや!そんなグツグツ煮込んだ音でパルルちゃん可愛い!パルルちゃん天才!とか言われても分かんねーよ!
材料になった食材がナンボのもんじゃい!パルルちゃん花粉症気味で臭い分かんねーんだよバーカ!
はたいてひっくり返してその中身ぶちまけてくれるわ!そしてそのまま鍋の中にパルルちゃんファンクラブ招待券を詰め込んでくれるわ!



●よい子は真似しないでね…依頼主との約束だぞ
 グツグツ…グツグツと煮えた鍋がパルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)の眼前に居た。
 グツグツグツグツ……
 目の前でただただグツグツグツグツというだけの鍋を、腕を組みながら、嘗め回すように見ていたブラックベリーは舌打ちをする。
「……なんだァ、てめェ。
 言いたいことあんなら理解出来る言語を話せるようになってから出直せや!」
 そしてキレ始める。かわいい顔が台無s…ゲフンゲフン、すみませんでした。ナンデモナイデス。
 ともあれブラックベリーにはヤミナベーの言っている事が不快な内容に聞こえたのだろう。罵声を浴びせる。
「そんなグツグツ煮込んだ音で『パルルちゃん可愛い!』
 『パルルちゃん天才!』とか言われても分かんねーよ!」
 いや、言ってねーよ!?!?というか、パルルちゃんにはヤミナベーの言葉が不快な内容に聞こえたんじゃないんだね!すっごいポジティブシンキング!そうか……分からない言語で言われたからなんだね!……って、ソコ!?
 突っ込みたいところは山ほどあるが、いやもう、なにも言うまい。ブラックベリーの言葉に更に腹が立ったのか、ヤミナベーの中身はグツグツグツグツと更に沸騰していた。そのせいもあってか、かな~り臭いがキツイ事になっているのだが、ブラックベリーは平然と仁王立ちしたまま動かない。
「材料になった食材がナンボのもんじゃい!
 パルルちゃん花粉症気味で臭い分かんねーんだよバーカ!」
 あ、そうだったんですね……パルルちゃん花粉症だったんだ…へ~意外、とか感想言ってる場合ではない。嗅いだら卒倒する位にはかなりキツイ臭いなのだが、ブラックベリーには全く効果なし。こんな時に花粉症とか、不幸中の幸いというか…幸運というか、兎に角持ってる女である。
「あぁん?……分かる言葉で言えってぇんだよ!オラァ!」
 ダァン!と物凄い勢いで地面を鳴らすと、ヤミナベーに語気を強めて言う。恐喝みたいにも見えるが、ブラックベリーと出逢ってしまったのが運の尽きというもの、諦めろヤミナベー。
 グツ………グツ………
 ん?どうやらブラックベリーの恐喝が効いているよう、だ?
 いや──違うな、これは、ヤミナベーが食材の霊を召喚しようとしている行動だ。
 ドバァ!
 ヤミナベーは憤慨しているようで、鍋の中身を派手にぶちまけながら、召喚した食材の霊と共にブラックベリーへ攻撃を仕掛ける!──が、しかし!

「はたいてひっくり返してその中身ぶちまけてくれるわ!」

 パァン!と近付いて来たヤミナベーの巨体をただの平手打ちではっ倒すブラックベリー!
 これは──【アイドルの柔肌に触れるのはご法度だゾ☆(ヒステリック・ビンタ)】だ!その証拠に、周囲にソニックブームが発生している。(ソニックブームが発生する位のビンタってゴリr…嘘です)
「あ?止めろって?誰が止めるかよ!止めろって言われて止める奴居ねえよ!漫画ではそう相場が決まってンだよ!」
 そして、もう一度亜音速域のビンタを喰らわせる!ヤミナベーの巨体は転がるように倒れ、鍋の中身が溢れて出していた。
「オラァ!ファンクラブ招待券だ!コレが欲しかったんだろ!」
 すっからかんになった鍋の中に無理矢理大量のファンクラブ招待券を突っ込む!
 グツグツグツグツ!グツグツ!(要らねぇ!)
「嬉しいんなら、嬉しいって言えや!」
 いや、多分要らないって言ってます。なんてこと分かる筈もなく、拷問並の強制力でファンクラブ招待券をヤミナベーに押し付け……いや、プレゼントしていく。

 ブラックベリーの猛攻のお陰もあってか、ヤミナベーはかなり疲弊していた。精神的にも体力的にも、かなり消耗している筈だ。
 完全消滅するのはどちらか。
 結果が分かるまでには、もう少し時間が必要そうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高野・エドワード
うわっは…中々強烈な………うっ、あんまりじっくり見ると正気度が失われる気がする。
特にあの目はまずい。なんか、本当に…まずい。怒りとか呪いとか、そんな風なものを沢山宿してる気がする…。

!!今真ん中の目と目があった!!あぁぁ本当無理だ、愛のガチ勢(笑)にだって好みとかそういうのは勿論ある訳で。多少守備範囲が広いだけで実際価値観とかは普通な訳で。可愛いものは可愛いと思うし無理なものは無理なんだよ!

常に【オーラ防御】でがっちり身を守り、敵から距離を取る。
仲間の動向を追い(鍋はあんまり見たくないよ)必要な際にUC【愛はALMIGHTY☆】をすぐに発動できるよう待機しておく。【全力魔法・高速詠唱】


ジャック・ソウル
【ペンドラゴン】で行動。

【心情】
ミー達が作ってしまった怪物だからミー達できっちりかたおつけないとね。

ヤミナベー・・・見た目も攻撃厄介だね・・・うっ・・・

【気合い】と【覚悟】でヤミナベーの懐に飛び込み、両手に装備した【ラッキーパンチ】にUC【ブレイズフレイム】の炎を纏わせて【2回攻撃】【属性攻撃】をヤミナベーの攻撃は【見切り】で回避してからの【カウンター】ラッキーパンチに仕込んだバネを利用して【だまし討ち】【吹き飛ばし】をする。

ミーのパンチはには秘密があるんだよ!特別に見せてあげるね♪


カイム・クローバー
出やがったな…ヤミナベー。あの日の悪夢を俺は片時も忘れた事はねぇぜ。唸る腹痛。トイレから離れられない辛さがお前に分かるか!ヤミナベー!!あの日余りの不味さに俺が掴んだのが何の食材だったかも分からねぇ。覚えてるのはかなり甘かったのと噛んだ時の変な触感だけだ。二度と俺は食べ物を粗末にしない。そう誓ったんだ!!【S】
…って訳でぶっ飛ばすとしよう。前衛担当で剣を振って叩き斬るぜ。【二回攻撃】【串刺し】を併用しつつ、ヤミナベーのケーキは【残像】【見切り】で回避していく。【挑発】併用で前衛の俺に集中して貰えりゃ、後衛の安全も確保できるかもしれねぇな。 隙を見つけてUC。渾身の一撃を込めて!…終わらせるぜ!


小宮・あき
旅団「ホテル・ペンドラゴン」で参加。
いやぁ皆さん、恨みつらみが凄いですね。
実は私、当時一切食べてなかっただなんて言えませんね。

後衛でサポート。
見せ場は宿敵持ちのカイムさんに。
カイムさんが動きやすいようサポートします。

耐性:電撃・毒・火炎・呪詛・氷結・激痛
防御:オーラ防御
あらゆる手を使って防御してやろうという気持ちです。

「本物ど~れだ♪」
UC【戦場のハレム】で自身そっくりの人物を38体召喚。
手のひらの文字は、両手で所持するマスケット銃で見えません。
本人である私は後方に控え、召喚体を前面に。攪乱に動きます。

UC【愛雨霰】でカイムさんの進行を邪魔する敵を露払い。
第六感で警戒を怠らないよう注意します。



●希望を信ぜよ、さすれば道は開かれん
 先方した猟兵のお陰もあり、ヤミナベーは疲弊していた。疲弊というか、げんなりしているような気もしないでも無いが、その様子を伺っていた旅団【ホテル・ペンドラゴン】の面々は、三者三様の反応を示していた。
「うわっは…中々強烈な………うっ、あんまりじっくり見ると正気度が失われる気がする」
「見た目から既に攻撃されてる気分だよ……うっ…厄介だね」
 こちらもこちらで既にもうげんなりした様子の高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)とジャック・ソウル(パンプキンヘッド・f02764)は手で口元を覆い、気分が優れない様子で話していた。
「出やがったな…ヤミナベー」
 そんな中、多分誰よりも被害者であろうカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は、闘志に燃えていたのであった。
「(いやぁ皆さん、恨みつらみが凄いですね。
 ……実は私、当時一切食べてなかっただなんて言えませんね)」
 3人の様子を眺めていた小宮・あき(人間の聖者・f03848)は、しみじみとそう思いつつもヤミナベーをちらと横目で見てみる。ヤミナベーは4人の姿を見るや否や、血走った目をギョロッと向けてグツグツグツグツと煮込んだ音で、無言の圧力をかけてきていた。
「特にあの目はまずい。なんか、本当に…まずい。怒りとか呪いとか、そんな風なものを沢山宿してる気がする…」
 高野は、苦笑しながらというよりかは、寧ろひきつった笑みでヤミナベーを見ながら、呟く。
「!!
 今真ん中の目と目があった!!
 あぁぁ本当無理だ、愛のガチ勢(笑)にだって好みとかそういうのは勿論ある訳で。多少守備範囲が広いだけで実際価値観とかは普通な訳で。可愛いものは可愛いと思うし無理なものは無理なんだよ!」
 目玉が高野を捉えた瞬間、ビクッと体を強張らせ叫ぶ!いくら愛のガチ勢(笑)たる男が居たとしても、このヤミナベーはちょっと受け入れがたい。高野は守備範囲は広い方だが、これは、ちょっと、その…御遠慮願いたい類いのものであろう。
 ヤミナベーはと言うと、『無理』と言われた事に対してショックを抱いたようで、心なしかグツグツという音も小さくなっているような気がする。
「ちょっと落ち込んでる……?」
「ええ……えっと落ち込まないで?って罪悪感から言葉が出ちゃったけど、いや、でも本当に無理だから!」
 小宮がこてんと頭を傾げて、疑問符を浮かべながら言うと、それを聞いた高野はつい口から出た言葉を否定するように、いやいやいやと頭を振っていた。
「(でも……ミー達が作ってしまった怪物だから、ミー達できっちり方を付けないとね)」
 両手に装備したラッキーパンチを構え直しながら、ソウルは考えていた。
「(ミーもあのヤミナベーは無理だけど…そうも言ってられないかな)」
 ソウルは覚悟を改めて、ヤミナベーの懐に飛び込む!すると紅蓮の炎が両手のラッキーパンチを覆う。これはソウルのユーベルコード【ブレイズフレイム】だ。ソウルは紅蓮の炎を纏ったまま打撃を打ち込む!ヤミナベーは攻撃を受けても尚、体制を崩す事なく、反撃!材料になった食材の霊を呼び出したヤミナベーは、その霊に攻撃の号令をする!
「!」
 材料になった食材の霊は、怨念をもって汁を吹き掛けていく!飛び散った汁は、毒素が強いようで、これが当たってしまったら、こっちもただでは済まないだろうという事が安易に想像できる。ソウルはその攻撃を見切って避ける、が。
「っ!」
 ソウルがラッキーパンチに仕込んだ騙し討ちで、強力な一手を打ったのとほぼ同時に、ヤミナベーが繰り出したのは───強烈な臭いによる麻痺攻撃!
「(油断してたよ………!)」
 毒素の強い汁の命中は回避出来ても、これは“臭い”だ。“臭い”の類いはそれ相応の対処をしなければ、回避は難しい。
「ジャックくん!」
 麻痺して動けないソウルの元へすぐさま駆け寄ってきたのは、高野だった。そして、高野は高速詠唱でユーベルコードを発動させる!
「愛は人々を救い、世界を変えるのさ!さぁ、僕の愛を受け取ってっ♪」
 淡く桃色の光を放つハートは、ソウルに向け放たれ、命中。ソウルの体に当たるとふわっと淡い光を放って消える。これは【愛はALMIGHTY☆】の高速治癒魔法だ。
「ワーオ!動けるようになった!」
 ソウルは高野にありがとうと、感謝の意を込めて言うと、ヤミナベーへもう一度攻撃を仕掛けようとする。ヤミナベーはソウルを回復させた高野が邪魔だと感じたのか、攻撃対象を高野へシフトチェンジ。
「(うわ……不味いね……)」
 危機に晒された今、打てる最善策は……そう考えている高野の目の前を横切る影が。
「(!
 え……あきちゃん?)」
 ヤミナベーから視線を逸らさせるように、横切った影の正体──それは小宮だった。マスケット銃を構え、攪乱させるかの如く、動き回る。
「(ん?あきちゃんが、沢山居る……!?)」
 一瞬、自分の目が疲れているのではないかと疑う高野であったが、これは小宮の使用したユーベルコード【戦場のハレム(ダミー)】だった。38体もの小宮と同じ姿をした人物が召喚され、その人物たちはヤミナベーを四方六方八方を囲むように動き回っている。
 ともあれ、その小宮の動きによって高野への攻撃は止む。だが、そこで終わるほどヤミナベーも優しくはない。咄嗟にヤミナベーは【ショートケーキ・ギャンビット】を広範囲に放つ!
「成る程……本物がどれなのか分からないので、取り敢えず全部掃討する作戦ですか……ふふ。
 その作戦もありだとは思いますが…今のこの状況で使うのは得策ではないと思いますよ!」
 毒々しい色の汁を吸った、ショートケーキにすらもう見えないショートケーキが全方位に飛び交い、小宮を攻撃し始める。
「私が何の策もなく包囲網を張るわけがないんですよね!
 さあ、通して貰います。希望の活路を!」
 38体もの彼女の分身は同様にマスケット銃を構え、ヤミナベーへと立ち向かう!小宮の周囲を展開し始めたマスケット銃は、ヤミナベーを包囲する!希望の活路は【愛雨霰(アイ・アメ・アラレ)】の銃撃によって切り開かれる。雨のように降り注がれる大量の銃弾はヤミナベーを窮地に追いやっていく!
 グツ……グツ…グツ
 ヤミナベーの動きは急速に鈍くなる。どうやら攻撃が効いてきたらしい。そんなヤミナベーの元に、止めを刺すべくタイミングを伺っていた、あの男──クローバーがやって来た。
「…あの日の悪夢を俺は片時も忘れた事はねぇぜ。
 ───唸る腹痛。トイレから離れられない辛さがお前に分かるか!ヤミナベー!!
 あの日余りの不味さに俺が掴んだのが何の食材だったかも分からねぇ。覚えてるのはかなり甘かったのと噛んだ時の変な触感だけだ。
 二度と俺は食べ物を粗末にしない。そう誓ったんだ!!」
 そう……あれはいつの日だったか、旅団で鍋を楽しんでいた(?)時だった。団員が次々と入れていくヤバい(普通は鍋に入れないよ!)代物。入れたら絶対に一口は食べなくてはならないルールの元、阿鼻叫喚のヤバいイベントと化した『闇鍋』。ホテルのオーナーである小宮だけは、ストッパー係として様子を伺って居たが、アレは見るだけでも正気度を1d100しなきゃならない位のヤバい案件であった筈。団員がヤバい代物を入れていくのを見ているだけでも辛いのに、入れていた本人たちはどれ程の苦痛を味わったのだろう……きっと、計り知れない苦痛だろう。
 そんな中、その食材達が怨念をもって怪人と化したのは言うまでもない。だからこそ、4人は始末しなきゃならない責任感に駆られていたのだった。
「…って訳でぶっ飛ばすとしよう。
 大丈夫だ、すぐ終わらせてやるよ」
 クローバーはMarchociasの切っ先をヤミナベーへ向け素早く、一薙ぎ二薙ぎ。隙をみて、フェンシングのような突きの強力な攻撃を入れ込みつつ、連続攻撃を仕掛けていく!
「痺れさせてやるぜ?受け取りな!」
 ユーベルコード【紫雷の一撃(ソニックブロウ)】の強力な突きがヤミナベーへ入る。ファンデヴのような動きをして、強力な追撃を加えていく。紫電を纏ったMarchociasは、ヤミナベーの弱点を軽々と突いて確実にダメージを与える!ヤミナベーの体が段々とひび割れて、今にも粉々になってしまいそうな状態へ変わっていく。
「眠れ、さすれば救われん……なんてな」
 パキンッ───!
 粉々に砕け散ったヤミナベーの体は、もう動くこともない。クローバーの渾身の一撃によって完全に動きを停止したのだった。残ったのは、残骸のみ。塵同然になったヤミナベーは、復活することなく眠りに就いた。

 猟兵の活躍によって『闇鍋』ブームは幕を閉じた。これでもう、腹痛に苦しむ事も、正気度が減る事も、悪夢を見る事も無いだろう。多分───きっと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月04日
宿敵 『闇落ち怪人ヤミナベー』 を撃破!


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はカイム・クローバーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト