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巨大宇宙船フォーマルハウト。その第七居住区に、忍び込む一団があった。
「サー、全員侵入に成功いたしました」
「うむ」
片膝をついて報告する白い装備の兵士に、黒ずくめの男はうなずきを一つ返す。サー、これは敬称であり、同時に騎士であることを表わしている。それはすなわち、サーと呼ばれた男が騎士である事を示していた。
「この居住区を制圧するための準備を進めるのだ」
「イエス、サー」
「思い出させてやるのだ、この宇宙の真の支配者が何者であったかを」
バサリ、と黒ずくめの男――帝国騎士は、マントをひるがえし告げた。
「銀河帝国の力を示せ」
「イエス、サー!」
「騎士……ふん、確かに騎士のようじゃな」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)はそうこぼし、つまらなそうに鼻を鳴らした。
「この銀河帝国の帝国騎士とやらが狙っておるのは、巨大宇宙船フォーマルハウト、その第七居住区という場所らしいのだがな? ここでテロを起こしこの宇宙船を占拠する拠点にしようと考えておるらしい。どうやら毒ガスを使うつもりのようじゃが……見下げた連中じゃ」
帝国騎士はクローン騎兵の一団を率い、着々とテロのための準備を整えている。事が起きれば、戦う力を持たない無辜の民が大勢死ぬ――ガングランが面白くない、と言うのはこの点だ。
「まずは、この第七居住区に潜伏してるおる連中の居場所を突き止める必要がある。そのための方法は、おぬしらに任せるとしよう」
第七居住区住んでいるのは、推定で数千人――テロが起きれば、この住人のどれだけが死ぬ事になるか。決して許せん、とガングランが吐き捨てた。
「騎士とは民を守る者の名じゃ。戦えぬ者を、ましてや毒を使って殺すなどあってはならん事じゃ。何としても、この騎士もどきどもの凶行を止めてくれ」
波多野志郎
SF、大好きです。どうも、波多野志郎にございます。
今回は毒ガステロを目論む帝国騎士とその配下たちと、戦っていただきます。
まずは、そのために情報を集めて連中の隠れ家を探す必要があります。
POWで宇宙船外壁や居住区画の地下処理施設など、人が訪れないところを体を張って調査したり、SPDで市民への聞き込みや市街偵察、身元確認などを行い、人の生活区画を足を使って調査したり、WIZで様々なデータベースへアクセスして敵の動向を予測、偽情報を流すなどの情報戦を行えます。
どんな方法で隠れ家を見つけ出すかは、皆さんのアイデア次第です。
それでは、皆さんの健闘をお祈りいたしております。QX!
第1章 冒険
『居住船内の調査』
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POW : 宇宙船外壁や居住区画の地下処理施設など、人が訪れないところを体を張って調査する
SPD : 市民への聞き込みや市街偵察、身元確認などを行い、人の生活区画を足を使って調査する
WIZ : 様々なデータベースへアクセスして敵の動向を予測、偽情報を流すなどの情報戦を行う
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エクサ・カラーヌド
オレニハコイツガイルカラナ(宇宙バイクを軽く叩きながら)。マトモナ用意ヲスル気ナラ、何カシラ目二付カナイ場所二装備ヤ何ヤラ置クハズダ。
オレノ騎乗スキル&操縦スキル+宇宙バイクナラ本来立チ入レナイ無空気エリアヤ廃棄場アタリモ割リ込メルダロウ。放射能エリアモ影響ナイハズダ。多分ナ。ソウイッタエリアヲアタッテ、何カシラ秘密兵器ヤ隠シ基地ガナイカヲ漁ルゼ
九鬼・雷堂
騎士の矜持ってのは正直わからんが、何せサムライなもんでね。
まあ、それでもテロなんかで民間人が巻き込まれるのはいい気分がしないな。
一丁、騎士サマの野望を食い止めてやろうじゃないか。
愛用の宇宙バイク(ドウジキリ号)に乗って、宇宙船外壁側から調査するとしようか。
かつて右目の有った所に仕込んであるサイバーアイの機能を使って、熱源が集中しているところを中心に探っていこう。
宇宙バイクの機動力があれば広範囲を調べられるだろう。
無事見つけられたらあとから来る奴らも追いやすいように鍵開けの技能を駆使して扉のロックを外しておこう。
ロックが外せない場合は、手荒になるが宇宙船に影響がない範囲で扉をぶった斬るぜ。
●星海は静かに
巨大宇宙船フォーマルハウト。星海を渡るスペースシップワールドのこの宇宙船は、残り僅かな人類の生存圏だ。巨大ではあるが、星と比べるべくもない――愛用の宇宙バイクであるドウジキリ号を駆り、九鬼・雷堂(ナインライヴス・f00769)は星海を渡る宇宙船の外壁を走っていた。
「騎士の矜持ってのは正直わからんが、何せサムライなもんでね。まあ、それでもテロなんかで民間人が巻き込まれるのはいい気分がしないな。一丁、騎士サマの野望を食い止めてやろうじゃないか」
雷堂が確認していたのは、宇宙船外壁側だ。他の宇宙船との交易などで行き交う事はあっても、基本的には宇宙船とは完全に密閉された空間だ。何故なら、壁の向こうは真空――酸素を必要とする生物にとっては、死の空間だからだ。
「さて、どんなもんかね」
雷堂は、かつて右目のあった場所に仕込んだサイバーアイで熱源が集中しているところを中心に探っていく。徒歩ならば時間がかかる場所も、ドウジキリ号なら素早く移動できる――その途中で、雷堂はふとドウジキリ号を止めた。
「おう」
「ソチラモ調査中カ」
出会ったのは、同じ猟兵であるエクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)だ。テレビウムであるエクサは、砂嵐になった顔を振って雷堂と改めて向き直る。
「ああ、そっちはどうだ。見つかったか?」
「イヤ、ダガ奇妙ナモノハ見ツケタ」
「奇妙なもの?」
エクサの言葉に、雷堂が問う。コッチダ、エクサが宇宙バイクで誘導する後を、雷堂もドウジキリ号で続いた。
二人で宇宙バイクを走らせる事、五分ほど。エクサが見つけた問題の場所に、たどり着いた。
「外壁整備用のハッチか」
「アア、オソラクココカラ侵入シタノダロウ」
エクサの言葉に、雷堂も同意する。その理由は、明白だ。
「おう、ロックが壊されてやがるな」
「ダガ、宇宙船ノクルーガ異常ニ気付イテイナイ。最近壊サレタノカ、アルイハ――」
「壊しても、見つからないとわかっていたかだな」
これだけ巨大な宇宙船だ、壊した事がバレなければ定期メンテナンスもそれなりの期間空くはずだ。
「調ベテオイタ。直近ノチェックハ三日前――次ノチェックハ二週間後ダ」
「ようは、その間に決着をつけようってことか」
ここから、銀河帝国の一団がどう動いたのか、それを追う必要があるだろう。改めて、雷堂とエクサは宇宙バイクを走らせた……。
成功
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陰白・幽
まずは敵を見つけなくちゃ始まらないよね、戦いに卑怯はないかもしれないけど気に入らないやり方ってあるよね。
【SPD】
(子どもであることを利用して怪しまれないように動くかな)
怪しい動きやいつもと違うことがあれば噂になってるだろうからその人たちの噂話を聞いたりしようかな。案外子どもたちの噂話とかになってたりしないかな。その中から【第6感】を使ってピンッときたことについて深く調べていくよ//
場所なんかが分かったらそこに行って怪しい人がいたらばれないように追跡かなー。小さい体を生かして物陰に隠れたり、段ポールをかぶって大追跡かー、頑張ろっと//
少しでも分かったことがあったらみんなと共有して頑張るよー
リーゼロッテ・ベルティエ
「無抵抗の民衆を巻き込むとはーー下衆共め」
苦虫を噛み潰す思いで足を進める。少しでも被害を食い止めねばならない。
観光客の振りをして、市井の人々に聞き込み調査を行う。
あくまでもさり気なく、連中に嗅ぎつけられないように。
おそらく、毎日街並みを見ており、異変に気付きやすいであろう店番の女性に尋ねる。
「ごきげんよう。私、この街に初めて参りましたの。素敵な場所ですね。女身一つのものですから、危ない場所がありましたら教えていただきたくて」
楽しい思い出だけ持ち帰りたいですから、とにこり微笑を添えることを忘れずに。
教えていただいたらお礼にひとつ商品を購入する。
怪しまれない程度に距離を取り、聞き込みを続ける。
ザザ・クライスト
「毒ガス攻撃だと? マトモな神経をしているとは思えないな」
POWを主軸に人の訪れない区域を調査する
可能であれば味方の猟兵とも協力
「こういうのは人海戦術に限る。協力は惜しまない」
不審者などを発見すれば技能・追跡1を活用して尾行を試みる
戦闘状況に陥った際はブラッド・ガイストを行使して戦闘に突入する
準備としては光源用にランタンや高所への移動にザイルなど
無理はしないが、慎重になり過ぎずに積極的に行動する
「非戦闘員が死ぬのは寝ざめが良くない」
●第七居住区
巨大宇宙船フォーマルハウトの第七居住区は、いくつかある居住区の中でも数万人と小規模ながら、活気に満ちた場所だった。
その理由は、リーゼロッテ・ベルティエ(人間のマジックナイト・f09566)にはすぐに理解できた。この居住区が他の宇宙船との交流を主に行なう、『出島』のような役割を担っているからだ。だから必然人の出入りは激しく、そして、通りは活気に満ちていた。
「ごきげんよう。私、この街に初めて参りましたの。素敵な場所ですね。女身一つのものですから、危ない場所がありましたら教えていただきたくて」
楽しい思い出だけ持ち帰りたいですから、とにこり微笑を添えることを忘れずに――リーゼロッテは、露天を営む恰幅のいい女性に問いかけた。
「ハハハ、ここはどこだって危ないよ!」
女性は上機嫌に、そう笑って答えた。本当に自分を心配してくれている、それが伝わる笑顔にリーゼロッテも笑みで小首を傾げる。
「あら、そうなの? とても良いところですのに」
「活気があるってのはね、金が集まるところってことさ。そんでもって、金には悪いヤツが群がるもんなんだよ」
それならば、リーゼロッテにも理解できる。だとすれば、銀河帝国がまず最初にこの第七居住区を選んだ理由もうなずけた。
まず、見慣れない顔があっても気にされないこと。そして、金に群がる悪党なら金で大抵の事は握りつぶせるということ。なるほど、潜伏して準備を整えるのにいい環境だ。
「これをもらえるかしら?」
「ああ、今日入ったばかりの新鮮な肉を使った串焼きさ。味は保証するよ」
リーゼロッテがお金を手渡し、串焼き肉を受け取る。噛めばそれだけで肉の味が口の中に広がっていく――確かに、保証するだけあって美味だった。
「そうそう。特別危ない場所だってなら、制御区域には近づかないようにね」
「制御区域?」
「ああ、生存環境を整えるための制御区域は立ち入り禁止だからね。悪人じゃなくても、怒られるよ」
「教えてくれて、ありがとう」
リーゼロッテは、そう答えると露天を後にした。その冷えた氷色の瞳で制御区域の方へと視線を向けた。
●噂話
「なぁ、知ってるか? 最近、制御区域に出入りしてる連中がいるって」
「いや、一般人は立ち入り禁止だろ? 犯罪者だって、近づねぇぞ? あそこ」
「そうなんだけどさぁ」
ただ、通りに立っていただけの陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が、そんな噂話を耳にした。
(「まずは敵を見つけなくちゃ始まらないよね」)
幽が子供だからという事もあるのだろう、大人達は幽の存在を気に留めない。自分達の言っている事を理解などできないだろう、そう思っているのか。噂話は、続く。
「ほら、知ってるだろう? あそこの正式名称」
「新制御区域だろ? 旧制御区域が老朽化したから、新しく建造し直したっていう。何年前の話だよ」
「居住区の制御区域の建て替えてんだぞ? 十年ぐらいで終わるかよ。だから、旧制御区域の方でまだ可動してんのがあっただろ。そっちの方に出入りしてるんじゃないかって噂でさ」
幽は、男達の話にふと真横に視線を向けた。
(「これで、この噂話は三件目だね……」)
子供達の間にも、似た噂はあった。ただし、もっと曖昧でオカルト的な幽霊が出るとか何とか言っていたか。ただ、共通点は制御区域に誰かが出入りしているというものだ。
「うん、調べる価値はありそうだね」
幽は、既に別の話題に変わっていた男達から離れ、歩き始めた。
●旧制御区域
制御区域と居住区の境目にあるのは、ただの金網だけだった。しかし、それを力技で強引に抜けるのは止めておいた方が良さそうだ――そう、ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)は判断した。
(「いくつも監視カメラが動いている。これを超えるとなると面倒だな」)
気付いた監視カメラには映らないように、ザザは自然体で歩いていく。よしんば見つかったとしても、初めて来た場所でつい迷い込んでしまった、そう言い訳しても通るぐらいの自然さで、周囲を見回していき――。
(「確か――あそこか?」)
ザザは、外壁側からの探索していた仲間からの情報も受け取っている。ちょうど、旧制御区域へと侵入できる場所に件の扉があったはずだ。
「こういうのは人海戦術に限る。協力は惜しまない」
自分一人で、乗り込む必要はない。そう考えれば、この情報を他の仲間にも伝えて共有すべきだろうとザザは考えた。
そのまま、突き当りに行き着いてしまってUターンしたと思わせるように、来た道を帰っていく。段々と近づいてくる雑踏の声に、ザザは吐き捨てた。
「毒ガス攻撃だと? マトモな神経をしているとは思えないな」
毒ガスは、人を選ばない。戦闘要員だけではなく、多くの非戦闘員も命を落とす事になるだろう。
「非戦闘員が死ぬのは寝ざめが良くない」
そんな真似はさせない、ザザはそう決意を新たにした……。
成功
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メタ・フレン
『WIZ』選択。
様々なデータベースへアクセスして敵の動向を予測します。
ついでに【ハッキング】を使って偽情報を流し、敵を混乱させましょう。
あ、こちら側のデータは【暗号作成】で暗号化して、極力敵に知られないようにしておきますね。
ラスベルト・ロスローリエン
……さてさて。
星界の彼方の国では騎士とは卑劣漢を意味するのかな?
僕のいた世界では、人界の騎士と言えば弱者への慈愛と擁護を剣に誓った筈だけれど。
【WIZ】
“四季の雫”を一口飲み頭をすっきりさせ【情報収集】を使用。
この端末とやらを操作すれば、知識の書庫に繋がるんだね。
『幾ら文明が異なろうと、人が考える事などそう変わりはしないさ』
確かこの箱舟の中では、空気も機械仕掛けで生み出されるのだったか。
毒を効果的に散布するなら、そうした施設は狙われそうだ。
空気を作る施設やそれを箱舟内に循環させる施設、そこへの侵入経路。
こうした点の情報調査を重点的に行おう。
『ところでこの機械、どうやって終了すれば良いのだい?』
セゲル・スヴェアボルグ
ふむ。偶には電脳魔術士らしく、ハッキングでもするとしようか。
とりあえず、そこら辺の端末からデータベースにアクセスするとして……ついでにクラッキングでもしておこう。
そうだな……うーむ。作戦の決行日を、遅らせつつも各データごとにランダムに設定して、区画の地図も改変しておこう。あとは今日の晩御飯を冷たいそばと豚肉の生姜焼きに変更だな。ついでに飲み物をからし入りの酒類に変更して……極力、食い合わせの悪いものでダメージを与えよう。
ジロー・フォルスター
イヅルと連携し、俺は市街の偵察に出る
今回の兵器は毒ガスだ
調べてみたが、宇宙船内は恐らく完全に空調管理されてるだろう
排気管の前で毒ガスを撒いた所で、目的の場所に被害を出す事はできねえ
「狙うなら空気の給気や循環施設…イヅル、候補地を出せるか?」
警察かそれに準ずる組織に『変装』して、聞き込みしやすくする
持ち前のコミュ力、情報収集、言いくるめは役に立つだろう
施設の管理員におかしな事を見聞きして無いか確認
アジトも近くに作るだろう
毒ガス以外に武器やガスマスクの類も持ち込んでるかもしれねえな
周囲で新たに物件を手に入れたり、普段見ない奴が出入りして無いかを聞き込みをする
イヅルから新情報があればそっちに回るぜ
不知火・イヅル
宇宙船の中で毒ガスなんて使われたら、大変なことになるだろうね。
あまり、想像はしたくないところだね。
ボクはジローと協力して、情報収集をしてみるよ。
まずは、データベースにハッキングして、毒ガスをまくのにうってつけな給排気施設の位置を確認してみるね。
数がどれくらいあるかはわからないけれど、特定できた場所をジローに教えておくよ。
彼は足で情報収集をしてるから、安全にも気をつけないといけないかな。
船内に監視カメラの類はあると思うから、ようすを見て、ジローの周りに変なヒトがいるようだったら、気をつけるように伝えるよ。
念のため、ジローの行動記録がデータベースに残らないようにできたらいいけれど。
メンカル・プルモーサ
ん、毒ガスはちょっと…かなり、許せない……スマートじゃない。
毒ガスでテロを起こすなら…うん。間違いなく空調施設には「仕掛け」をするはず……ここを重点的に調べる、かな。スプライトや愛用のパソコンを駆使して、調べる……(ハッキング5、情報収集2)
帝国兵の仕掛けを見つけてもすぐ介入出来るように準備だけして……最優先制御権への裏道だけは確保……あと、万一毒ガスが発生したときに問題にならない場所とガスの中和方法も……最悪、そこにガスを封じて中和出来るように……(情報収集2世界知識3)
逆に、介入する前にガスが流れないようにしてる場所があれば、そこが本拠地、もしくは一時的な拠点の筈……そこもチェック……
東風・春奈
毒ガスを使ってのテロとは、許せませんねー
なんとしてでも、止めなくてはなりませんー
私は電脳魔術士ですのでー、情報戦をしかけることにしましょうかー
敵騎士とその部下は、外部からやってきたと考えられますねー
ということは、どこかに侵入経路があったはずですー
そこから探ってみましょうかー
可能なら、スペースシップに住まわれているエンジニアさんにも【優しく】【誘惑】……いえ、お願いしてみますー
直接見つけられなくても、情報を他の猟兵さんに渡せば、きっと見つかるはずですねー
私は支援寄りでー、でもちゃーんとお仕事しますよー
他の方との連携描写・アドリブ描写などは歓迎ですー
自由に描写してもらえたらうれしいですー
ハル・パイアー
「毒、か。単純にしてて最大効果の恐怖だろうな。ただ呼吸するという生存の基本すらも奪われるのだから。ふん、気に入らんな。」
小官も本作戦の参加を希望します。
WIS《サイバーナビ=サポートシステム》を利用した情報戦をご覧に入れましょう。
まずは毒という性質上敵が掌握したいものは3点。
空気のフィルター。空調の通り路。そして人の密集する場所。
この3点の情報源へ[ハッキング]し、不審なデータアクセスに対しカウンターとして追跡を行うプログラムをAIに要請し[情報収集]。
また偽装イベント、何らかの嘘のお祭りを電子上に流し、敵の人的な動きを誘う試みも行います。
●電脳空間の戦い
宇宙船というのは科学技術の産物、言わば機械制御によって成り立っている。本来であれば生物が生活できる惑星環境を再現するのに、どれほどの技術が必要か――そう考えれば、この巨大宇宙船が電脳で制御されているのも当然と言えた。
だからこそ、電脳に強い猟兵にとってそこは主戦場と言ってもいい。
「そっちはどうですか?」
「順調だよ」
東風・春奈(小さくたって・f05906)の質問に、メタ・フレン(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f03345)は様々なデータベースにアクセスしながら、調査していた。
ここは第七居住区のとあるホテルの一室。電脳空間にアクセスしようとする猟兵達が、集まった部屋だった。
「ふむ。偶には電脳魔術士らしく、ハッキングでもするとしようか。とりあえず、データベースにアクセスするとして……ついでにクラッキングでもしておこう」
セゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)からすれば、せっかく新しいもの好きがこうじて、役に立つと思って手に入れた電脳魔術士の技術だ。どうにも、面倒になると物理で解決したくなるのだが。
「今日の晩御飯を冷たいそばと豚肉の生姜焼きに変更、ついでに飲み物をからし入りの酒類に変更して……極力、食い合わせの悪いものにしたら連中、腹を壊さんかな? 時間を稼げると思うんだが」
「そこまでオート化してたら、いっそすごいね」
メタがそうツッコミを入れるセゲルの言葉だが、そこまで上手く行かないのが世の常だ。外で情報収集をしていた組によると、旧制御区域が怪しいとの事だが……。
「そこから先が、難しいんですよね」
春奈が、そう小さく唸る。何せ、居住区域の重要部分だ。セキュリティも硬いし、洗い浚い調べるには、データが広大すぎる。
「もう少し、絞れればいいのですが……」
「それならば、小官の方で行けそうです」
ハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)は、その膨大な情報を三つのキーワードに絞って調査していた。
曰く、空気のフィルター。空調の通り路。そして人の密集する場所。
「……やっぱり、おかしいですね」
ハルは、小さく唸る。空調の通り道に関しては、第七居住区全体に及んでいる。本来なら空気のない場所なのだ、生命線と考えれば当然の事だ。また、人の密集する場所、と考えた時、これが難しく繁華街や居住エリア、外部との行き交う宇宙ドック、とこれまたバラけている。
「調べ方が悪いのでしょうか?」
「いえ、私はそうは思いません」
ハルの呟きを否定したのは、その調査を手伝っていた春奈だ。事実、毒ガスを効率的に使うのならば、ハルが調べた空調を使用する方法というのは正しい手段なのだ。
だとすれば、悪いのではなく足りない――そう見るべきか。
「……あれ?」
そう不意に声を上げたのは、“四季の雫”を飲み終えたラスベルト・ロスローリエン(灰の魔法使い・f02822)だ。
――この端末とやらを操作すれば、知識の書庫に繋がるんだね。
50歳のエルフウィザードは、そう言って端末を慣れない指先で動かしていたはずだった。ラスベルトは、「幾ら文明が異なろうと、人が考える事などそう変わりはしないさ」と機械としてではなく、人の扱う物という視点でそれと向かい合っていた。
だからこそ、ラスベルトは気付いたのだ――その『無駄』に。
「箱舟内に空気を循環させる施設、これだけどうして『二つ』あるんだい?」
「え?」
ハルは、もう一度自分が調査した空調の通り路を確認した。
「あー、旧制御区域の空調システムは比較的新しいヤツだったんだな。だから、新制御区域の空調システムの調整が完全に終わるまで、稼働させてたみたいだな」
「それも、そろそろ止めるみたい」
セゲルが調べた情報を、メタが補足する。新しい施設と古い施設、それを同時に動かす事など、珍しくはない――その知識がなかったエルフのラスベルトだから、気付いた点だ。
「そのデータ、こっちにもらえる?」
「ええ、どうぞ」
そう提案したのは、メンカル・プルモーサ(プルモーサ家の魔女・f08301)だ。ハルは、メンカルの端末に空調の通り路のデータを転送した。
「ありがとう」
カタン、と端末を手慣れた動きで叩き始め、メンカルは呟く。
「帝国兵の仕掛けを見つけてもすぐ介入出来るように準備だけして……最優先制御権への裏道だけは確保……あと、万一毒ガスが発生したときに問題にならない場所とガスの中和方法も……最悪、そこにガスを封じて中和出来るように……」
メンカルが着目したのは、銀河帝国が動いた最悪の時のシミュレートだ。毒ガスという手段を使う時、切っても切れない問題がある――そう、仕掛けた側の安全だ。
有効な手段と考えるなら、遠隔で仕掛けるか時限式だ。
遠隔ならばミサイルなどを長距離で飛ばして、自分達は安全な場所にいればいい。だが、これならわざわざ内側に侵入する必要がない。外側から叩き込むほうが手っ取り早く効率的だ。
時限式は、各所の空調の通り路に毒ガスを仕掛けて、同時に散布する方法だ。だが、これも仕掛けている間に発見されてしまえば失敗する可能性が高くなる。この場合は、侵入して即仕掛けて散布する方が確実だ。
だとすれば――。
「介入する前にガスが流れないようにしてる場所があれば、そこが本拠地、もしくは一時的な拠点の筈……そこもチェック……」
メンカルの指が、不意に止まる。その調査を行なって、全ての条件に合致するのは一箇所しかなかったからだ。
「――旧制御区域。きっと、ここ」
断言するメンカルに、不知火・イヅル(電脳世界のキオクの守り手・f02177)はうなずく。
「なら、そこを調査してもらおうよ」
●旧制御区域にて――
「なるほどな、完全に空調管理された宇宙船の、大本を抑えられていた訳だ」
ジロー・フォルスター(現実主義者の聖者・f02140)は、目の前を走っていく居住区の子供達に軽く手を振りながら、携帯端末に呼びかける。
「それで? 旧制御区域で他にわかった事はあるか、イヅル」
『ジローが睨んでた通り、新制御区域は工事中で資材が搬入されてるけど、工事の帳簿と合わない物が資材として運び込まれてるみたいだね』
携帯端末の向こうで、イヅルがそう答える。その帳簿にない資材を持ち込んだのは、フォーマルハウトではなく、他の宇宙船からの船らしい。あまり、行儀のいい連中ではなく、金を受け取れば違法な事にも手を出す輩である事は掴んでいた。
『連中に、からし入りの酒類送ってやったぜ!』
『ハッキングのデータは改ざん、暗号化しとくよ』
セゲルとメタの会話が漏れ聞こえたが、ジローは敢えて無視。金網越しに、旧制御区域を見上げた。
「……監視カメラは切れるか?」
『うん、待って…………終わったよ、これだけ人がいるとすぐ終わるね。十秒後、三分しか持たないから気をつけて。5、4、3、2、1――』
イヅルのカウントと同時、ジローは金網を駆け上がるとそのまま旧制御区域まで駆け抜けた。事前に、制御区域のカメラの位置を調べてくれた仲間がいたからこそ、最短距離でジローはそこでたどり着けた。
「――ビンゴだ」
ジローは、外側から見えないよう内部で監視していた白い帝国兵の姿を確認した。新制御区域に空調システムのメインが移動、サブとして稼働している旧制御区域側に銀河帝国は目をつけたのだろう。
「そうと分かれば、後は体勢の立て直しだな。殴り込みの準備をしよう」
『うん、わかったよ。ジローもこっちに合流して』
「了解」
タタン、と再びジローは金網を駆け上り、その場を後にする。叩くべき相手がわかれば、後は叩き潰すそれだけだ。
●そして、戦端を開くために
「銀河帝国の拠点が、発見できました。他の猟兵のみなさんに連絡しますね」
春奈の言葉に、ガハハとセゲルは笑った。
「ここからが本番だな」
細々とした理屈は必要ない、後は物理で潰してしまえばいいのだ――それこそが、セゲルの本領だった。
ホテルにいた猟兵達が、片付けを始める。こうなれば、後はスピード勝負だ。向こうが体勢を立て直す前に、勝負を賭けるだけ――。
「待ってくれ」
ラスベルトのその真剣な声に、仲間達の手が止まる。まさか、まだ問題が――そう緊張感が走る中、ラスベルトは言った。
「ところでこの機械、どうやって終了すれば良いのだい?」
「あ、それはですね」
本気で困っていたラスベルトを、春奈が手伝う。こうして、猟兵達は銀河帝国の一団が身を隠す本拠地へと挑むのであった……。
大成功
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第2章 集団戦
『クローン騎兵』
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POW : ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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●敵本拠地での前哨戦
未だ工事の続く新制御区域ではなく、解体が始まっていない旧制御区域はもしも毒ガスが発生した場合、唯一と言っていい安全地帯に変える事ができる。だからこそ、銀河帝国はそこを本拠地に選んだのだ。
帝国騎士がいる空調制御室まで、クローン騎兵達が警備を固めている。真正面から挑むか、あるいは雷堂とエクザが発見した外壁側からの侵入口を使うか、猟兵達の前には二つの選択肢がある。
この第七居住区の人々の未来は、猟兵達の双肩にかかっているのだ。帝国騎士の前に、クローン騎兵達に遅れを取っている場合ではない……。
エクサ・カラーヌド
マタコノパターンカ、帝国兵。
……マァ、外壁ハ誰カ他ノ奴二番目任セルカ。
アサルトウェポンデ弾ヲバラマキ、
範囲攻撃+2回攻撃+武器落トシデガッツリ牽制シツツ、陽動ヲ兼ネテバイクデ敵軍二突ッ込ム!
野生の勘+騎乗+操縦デジェノサイドモードノ銃弾ヲカイクグリ、我影掴不能デ蹴ラシテヤロウ。
荒ラセバ荒ラス程、奴ラハ足下ヲ見ナクナル。サテ、ドッチガ早イカナ。
ハル・パイアー
「言うまでもなく横道だな。戦場では己の全てを用いて能力を発揮せよ、だ。」
小官は引き続き襲撃任務に従事。
先に発見された外部整備用ハッチから侵入、矮躯の利を活かした奇襲暗殺による惑乱と撹乱を主としたスニーキングミッションを開始します。
主に《インビジブル・メン》での透過浸透。疲労の観点から使用は監視の密な要所と暗殺の際に留め、基本は[迷彩]と[忍び足]で進行。
道中はトラップを[見切り][情報収集]で周知と回避。必要なら[暗視]も併用。
攻撃時は[戦闘知識]で急所を見切った上での熱ブレードでの[早業][2回攻撃]。救援を阻止して確実なトドメ。
また、念の為に[毒耐性]を活性化。
「最大の恐怖には当然対策を」
ザザ・クライスト
『外壁側からの侵入口を使う』っきゃねェだろ?
陽動が必要なら正面からつつく手もあるだろォが、今回はどっちかてェと制圧速度の勝負だろォしな
奇襲をかけて制圧するぜ
モタモタしてると体勢を立て直しかねないしなァ
力押しが必要なら務めるぜ
タンク(盾役)として切り込んで「零距離射撃」で戦闘員を排除する
「オラッ、こんなところで手こずってる場合じゃねェだろ、一気に行くぜ!」
【POW】を軸に姿勢を低く駆け抜けるようにガンガン攻める
味方にも声をかけて粘られないように押せ押せだぜ
「ブラッド・ガイスト」で火力アップ
頭数が足りてるなら「支援射撃」で味方猟兵の援護も忘れずに
通信機などで連絡と連携をとって状況に応じた行動
セゲル・スヴェアボルグ
自分は安全地帯で高みの見物か。
司令官としてはある意味当然と言えば当然だが……まぁ良い。
俺は真正面から行かせてもらう。こちらで騒げば、外壁からの侵入もしやすくなるだろうしな。
まずは、エレクトロレギオンでクローン兵どもを攪乱するとしよう。
ざっと見積もって100体弱。デコイにはちょうどいいだろう。
そもそも一撃で倒せるようなガラクタだ。連続攻撃も無意味に等しいしな。
あわよくば集団で襲い掛からせてタコ殴りでもさせればいい。
いずれにしても、そっちに気が向いているうちに俺が叩き潰すだけの話だ。
あぁ、その関係もあるが当然前に出るぞ。その方が味方を庇いやすくもなるしな。
ラスベルト・ロスローリエン
外壁からの侵入は専門家に任せ、僕は正面からいこう。
派手に警備の兵とぶつかれば、陽動と援護になるかもしれない。
『――マナと共にあれ』
【WIZ】
“界境の銀糸”で銀の蔦を這わせ【地形の利用】で有利な地形や警備の盲点を探り当てたい。
遮蔽物や高所があればそれを活かして戦おう。
『機械仕掛けの火矢に負ける訳にはいかないね』
魔力を佩び光る愛剣の“エレンナウア”を振り【高速詠唱】【属性攻撃】【全力魔法】の三段構えで勝負だ。
弾幕が激しい所を見極め、限界まで《万色の箭》を編み帝国の尖兵達を射抜く。
『――大地と天空を遠く離れようと、僕がマナを見失う事はないさ』
さあ、進もう。
星海においても変わらぬ人の営みを護る為に。
陰白・幽
無事に敵の本拠地を見つけることができてよかったー、はゎ~……一段落ついたと思ったら眠くなってきたけど……ここからはさらに気を引き締めて頑張らねば//
旧制御区域は船にとって大切な場所だから周りに被害が出ないよう気をつけて戦うようにしよっと
他の人が動きやすくなるように、おとりもかねて敵の気を引くために敵に近接戦を仕掛けていくよ。「よーし、ぜんいんぶっとばすぞー」
敵の懐に潜り込んで全力でぶん殴ったり、尻尾で足下を払っていくよ。
少し離れた敵にはUCや鎖を使って強引にひっぱって間合いに引き込んで蹴りをしてやろっと。「おーらい、こっちだよーっと」
皆と力を合わせてるから、これ位だいじょーぶだよね。
メンカル・プルモーサ
……ん、あまり時間もかけてられないね……
……外壁側の進入口から……【現実を侵せし狩猟団】を突入させて陽動するね。
ガジェットを飛び回らせて……陽動と攪乱。(時間稼ぎ)
相手は戦術ドローンを使ってる部隊だから……無線で通信やデータのやりとりしてる、かも。ガジェットの一部に通信情報を集めさせて…解析・ハッキングして偽データを割り込ませて混乱させてみようかな(情報収集・世界知識・ハッキング)
すぐ対応されるかも、だけど電脳方面にも警戒させることで……動きを鈍らせる。偽データでの混乱よりその対応でクローン同士の連携が疎かになれば、狙い通り。例えば、連携のための通信を抑える、とか…ね。
九鬼・雷堂
目的地は旧制御区域か。
他のやつらは正面から、オレは外壁側の侵入口から。
つまり、挟み撃ちの形になるな。
外壁側で待機して待つ。
正面側からの通信を聴きながら、一番最高のタイミングで横合いから思い切り殴りつける機を探るぜ。
タイミングが整ったら、ドウジキリ号でドッグファイト開始だ。
ドウジキリ号を高機動戦闘モード(ブレードモード)に変形させるぜ。
各部が流線型のフォルムに包まれることで、高速で戦場に向かい、クローン騎兵に体当たりをかましていくぜ。
「オラオラオラァ!吹き飛びやがれッ!」
さぁて、後は親玉の野郎だけだな。
東風・春奈
【真正面から挑む】ことにしましょうかー
理由は大きく分けて二つですー
・真正面から突破を狙う人がいた場合
私の砲撃支援でー、どかんどかーんとやりましたらー、その人たちが突破できるかもしれませんねー
戦域は室内戦と思われますー
砲撃回避には労力が必要なはずですからー、支援にはもってこいですー
・外壁側からの侵入口を使う人がいた場合
私が派手に砲撃をしましたらー、騎兵の警戒は嫌でもこちらに向きますー
そうなれば、外壁側から潜入する班の支援にもなりますよねー
ただしー、あまりに早すぎると却って警戒を強めるかもしれませんからー、タイミングは外壁側とあわせますよー
アドリブ歓迎ですよー
少し伸ばし気味の口調でしゃべりますねー
不知火・イヅル
もしもだけど、毒ガスを早めにまかれたりしたら、困るんだよね。
ボクとイツカは、まずは銀河帝国の彼らが使っている通信関連を封鎖してみるよ。
現地の情報や作戦の変更が伝わらなければ、そういうことは防げそうだからね。
うまくできたら、監視カメラをハッキングしてみるね。
戦うのなら、周囲の遮蔽物や彼らの布陣とかが、気になるもの。
ボクひとりだと手が回らないかもしれないけれど、イツカもいるから、きっと大丈夫。
得られた情報は、ちゃんとみんなに伝えるよ。
だけれど、この間のボクたちはどうしても無防備になってしまうから、ジローが守ってくれるみたい。
助けてもらったら、お礼はちゃんと言わないとね。
ありがとう、ジロー。
ジロー・フォルスター
突入は『ハッキングし易いポイント』に近い入口から
イヅルが通信とカメラを抑えてくれる
その間ハッキングに集中できるように俺が守る
「イヅル、徹底的にやってやれよ!」
地形を利用して周囲にある物を遮蔽物代わりにしよう
鞭(拷問具)を血とロープワークで操って戦うぜ
仲間の傷は聖痕で癒そう
ブラスターレインはリフレクションライトで相殺する
光で相殺させれば目くらましにもなるはずだ
鞭を操って構えた熱戦銃を取り上げる
イヅルが危なければ体を張る
痛みには強いし怪我なら聖痕で治せる
疲れが溜まったら吸血→体力吸収で少しばかり敵兵から血を貰おう
(作戦終了まで、貧血で寝ててくれ)
武器と通信装置を取り上げて、ロープで縛っておく
壥・灰色
真正面から突破するのが大好きだ
というか、おれはそういう方が根本的に性に合ってる
あまり、小難しいことを考えるのは得意じゃない
それにおれが正面で派手に暴れれば、脇が甘くなるだろ?
そうすれば、外壁から侵入するメンバーの作戦遂行率が上がるはずだ
そういうわけで、付き合ってもらう
二回攻撃、全力魔法。魔術回路「壊鍵」に魔力を突っ込み、脚に「衝撃」を生成。踏み込みと同時に解き放ち、神速で接敵。
今度は衝撃を拳に籠め、一体につき二発。顎と鳩尾を破壊する狙いで拳を叩き込み、敵陣を暴れ回って攪乱する。飛び込めばブラスターは当てづらいだろ。
おれは、そういう距離での格闘が大得意なんだ。
●目と耳を潰すために
(「もしもだけど、毒ガスを早めにまかれたりしたら、困るんだよね」)
不知火・イヅル(電脳世界のキオクの守り手・f02177)の心配は、一手先を見ていた。だからこそ、抑えておかなくてはならないものがある。
「イヅル、徹底的にやってやれよ!」
ジロー・フォルスター(現実主義者の聖者・f02140)の言葉に、イヅルは笑みをこぼす。
「ああ、任せてくれ。まずは――」
電脳コンタクトレンズに映るコンソールに、イヅルは指を滑らせていく。イヅルとジローがいるのは、制御区域からわずかに離れた街の死角だ。178cmのジローが壁のように立てば、小柄なイヅルの姿は隠れてしまう――何をやっているかなど、それこそ言わずもがなだ。
イヅルは銀河帝国が使っている通信関連を封鎖、並びに監視カメラのハッキングを試みる。目を、耳を、潰しておく。そうする事で、現在の状況の把握や作戦の変更の伝達を妨げるのが目的だ。
「ねえ、イツカ。手伝ってよ」
死んだ双子の弟「イツカ」の助力を受けて、イヅルはその作業を手早くこなしていく。ジローはその二人を守るように立ち、周囲にサングラス越しに視線を走らせた。
(「この調子なら、向こうも楽になってるかね?」)
ジローは、旧制御区域に視線を送る。外からは、まったく変化は見つけられない。ならば、突入した仲間達は上手くやっているのだろう。
だからこそ、ジローは待つ。イヅルが完全に作業を終える、その時を……。
●正面からの突入
イヅルとイツカが、ジローに護衛をされてハッキングしている頃。正面から突入した猟兵達が抵抗なくすんだのは、監視カメラが排除されたからだろう。
でなければ、真正面に立って巨大なアームドフォートを構えた東風・春奈(小さくたって・f05906)に気付いていただろう。
「どかんどかーんとやりますよー」
口調は可愛らしく、小柄で愛らしい春奈だが、砲撃の音は洒落にならない程凄まじい。それがいい笑顔で一歩、また一歩と近づいてくるのだから、いっそホラーな光景と言えただろう。
だが、春奈は自分の役割を確実に果たしていた。陽動――他の仲間達が侵入するための目くらましとしては間違いなく機能していた。
「なんだ、あれは!?」
「おい、応援を……くそ、何があっ――」
混乱するクローン騎兵の眼前に、降り立つ影があった。欠伸を噛み殺した、陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)だ。
「はわ~……」
「――な!?」
二人のクローン騎兵が、幽にブラスターの銃口を向けた刹那。幽が消えた、そう見えるほどの身のこなしで低く構え、横回転。尾で二人の足を払って、宙を舞わせた。そこに、正確な射撃で春奈が砲撃を撃ち込んでいった。
「お見事です~」
幽が天井に尾で張り付いていたのに気付いていた春奈が、笑顔で褒める。それにこくんとうなずくと、幽は気怠げに呟いた。
「よーし、ぜんいんぶっとばすぞー」
真正面の陽動によって起こる砲撃音を聞きながら、セゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)が呟く。
「自分は安全地帯で高みの見物か。司令官としてはある意味当然と言えば当然だが……まぁ良い」
旧制御区域に踏み入ったセゲルはエレクトロレギオンを発動、小型の戦闘用【機械兵器】を召喚した。
「行って来い」
セゲルの言葉に、【機械兵器】達は散っていく。セゲルも将刃【マシャルク】を肩に担いで歩き出した。
「な、なんだ、これ!?」
ふと、無数の熱光線が眼前を走った。そこにいたのは、【機械兵器】に群がられたクローン騎兵の姿がある。ブラスターレインで迫る【機械兵器】を撃ち抜く手際は、悪くはない。
「くそ、どうして繋がらない!? 通信妨害か!?」
「ああ、そうだな」
「――!?」
セゲルが、即座にクローン騎兵に間合いを詰める。真っ直ぐに突き出した将刃【マシャルク】の刺突は、もはやサイズもあって騎兵のランスチャージに近かった。セゲルの一撃を受けて後方へ吹き飛んだクローン騎兵が、ブラスターをジェノサイドモードに変形させようとするが――間に合わない。
「ひ!?」
セゲルのエレクトロレギオンの群れが、破壊される事を恐れる事なく数で押し切ったのだ。猛攻に耐えきれずに倒れたクローン騎兵に、セゲルは再び歩き出した。
――その頃、旧制御区域では単発的な戦いがいくつも起こっていた。巨大宇宙船の一区画、それを担う制御区域である。複雑ではないが、その分広い。だからこそ、クローン騎兵は多くない人員を、少数で警備させていた。
「ウマクハッキングシテクレタヨウダナ」
ガガガガガガガガガガガガガガ! とアサルトウェポンの銃弾を撃ち込んでいきながら、エクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)は角に隠れたクローン騎兵を牽制する。壁が銃痕が刻まれ、クローン騎兵は反撃する余裕さえない。
(「本当ナラ、コンナ余裕ハナカッタダロウガナ」)
人員を拡散させていた理由は、通信で連携が取れたからだ。その目と耳を潰された――予想外の事態に叩き込まれたクローン騎兵と、最初からこの状況を把握していた猟兵ではどちらが有利かなど火を見るよりも明らかだ。
「こ、の……!」
このままでは、埒があかない。そう判断したクローン騎兵は、着弾覚悟で角から走り出す。エクサへとブラスターを乱射、傷を受けようと倒そうと捨て身で挑みかかってきた。
だが、エクサにとってその判断は遅すぎるものだった。
「モット早ク、ソウスルベキダッタ」
【愚者の見上げし黄金龍】を駆り、エクサはその熱光線を掻い潜っていく。宇宙バイクの疾走は一瞬で距離を詰め、エクサが巻き起こした白黒で構成された激しい「砂嵐」に飲み込まれ、クローン騎兵はズタボロになって前のめりに崩れ落ちた。
「次ダ」
その結果を見るまでもない、エクサは【愚者の見上げし黄金龍】のアクセルを全開。先へと急いだ。
「やっぱり、真正面から突破する方がおれには根本的に性に合ってる。そういうわけで、付き合ってもらうぞ」
二階へと駆け上がっていた壥・灰色(ゴーストノート・f00067)が、言い捨てる。二人のクローン騎兵がブラスターを構えた瞬間、灰色は脚に『衝撃』を生成、その加速で踊り場から一気に駆け上がった。
「くそッ!」
クローン騎兵が、灰色の意図に気付く。灰色は二人のクローン騎兵の間に、降り立った。もしも灰色に照準を合わせれば、同士討ちになりかねない――その迷いは、ほんの一瞬の隙を生んだ。
「砕け、壊鍵」
右の拳を鳩尾に、左の掌を顎に――零距離で灰色は『衝撃』を開放した。壊鍵起動・壱式(ギガース・ドライブ・ゼロワン)、神速の加速を生む『衝撃』はクローン騎兵のアーマーを粉砕、同時に顎に受けた威力で天井へと叩きつけられた。
「――ッ!」
もう一人のクローン騎兵が、ブラスターの引き金を引く。しかし、その熱光線は階段を穿った。振り返りざま、肘で灰色がブラスターの銃口をずらしたのだ。
「おれは、こういう距離での格闘が大得意なんだ」
「ドローン!」
クローン騎兵がドローンを展開するより早く、振り向くのと同時に脇腹へと押し当てた灰色の壊鍵起動・壱式(ギガース・ドライブ・ゼロワン)が、クローン騎兵を薙ぎ倒した。
直線の廊下、そこでラスベルト・ロスローリエン(灰の魔法使い・f02822)はクローン騎兵と対峙していた。出会った瞬間の距離は、十五メートルほど。距離を詰めるのには長すぎる、遠距離の間合いだ。
クローン騎兵は、ブラスターを構える。この距離で、同等の条件なら負けない。その自身が、迷いのない攻撃から見て取れた。
しかし、二人の条件は同じではないのだ。
「――マナと共にあれ」
不意に、ラスベルトの姿がかき消えた。より正確には、立っていたはずのラスベルトが、何の動作もなくその場から消えたのだ。
これにはタネも仕掛けもある、張り巡らせていた界境の銀糸による、銀の蔦が階段の方へラスベルトを引っ張ったのだ。
「機械仕掛けの火矢に負ける訳にはいかないね」
ラスベルトは誇りを込めて呟き、魔力を佩び光る愛剣“エレンナウア”を振った。
「この手に構えるは森羅の大弓。番えたるは万象織り成す四大の矢。言の葉の弦をいざ引き絞り、常闇穿つ黎明の嚆矢とせん」
ドドドドン! と万色の箭(バンショクノヤ)が不規則な軌道を描いて、クローン騎兵へと迫る。クローン騎兵は逃れようとするも、左右は壁だ――事前に地形を把握して挑んだラスベルトとは、対峙した時点で同条件ではなかったのだ。
「が、あ……」
「――大地と天空を遠く離れようと、僕がマナを見失う事はないさ」
クローン騎兵が崩れ落ちる音を聞き、ラスベルトが言い捨てる。そして、階段を登り始めた。星海においても変わらぬ人の営みを護るために、ラスベルトは先へ進んだ。
●外壁からの侵入
同時刻、巨大宇宙船フォーマルハウト外壁部分。
「あいつらはは正面から、オレたちは外壁側の侵入口から。つまり、挟み撃ちの形になるな」
九鬼・雷堂(ナインライヴス・f00769)の言葉に、メンカル・プルモーサ(プルモーサ家の魔女・f08301)は小さくなずく。
「……ん、あまり時間もかけてられないね……」
外壁部には、小さいながらハッチがある。その入口からの侵入を、試みようとする者達がいた。メンカルは、扉を開けて中に踏み込むと小さく唱える。
「我が軍勢よ、集え、出でよ。汝は電霊、汝は猟団。魔女が望むは現を狩り取る百鬼夜行」
メンカルの現実を侵せし狩猟団(エレクトロ・ファンタズム・ワイルドハント)によって、プログラムが実体化したガジェットの群れが展開していった。そして、メンカルがハンドヘルドコンピュータを起動させる。
「……私、ここでハッキングしてみる」
「よし、任せた」
うなずき、雷堂と仲間達は旧制御区域へと駆け出し、散っていく。ドウジキリ号を高機動戦闘モード(ブレードモード)に変形させ、雷堂はこぼした。
「どうやら、あの扉は上層階に繋がってたみたいだなっと!」
上の方にも、鈍い衝撃が伝わった。それを感じながら、雷堂はニヤリと笑う。その視線の先に、通信が遮断されたクローン騎兵の姿があったからだ。
「な!? お前、どこから――」
「オラオラオラァ! 吹き飛びやがれッ!」
答えてやる義理など無い、雷堂は迷わずアクセルを全開にするとクローン騎兵を轢いて加速した。
その雷堂に、熱光線が放たれる。二人のクローン騎兵が、こちらに気付いたのだ。
「ははっ、連携もクソもねぇってか」
ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)が笑い、二人のクローン騎兵へと駆け込んでいく。放たれるブラスターレインなど、歯牙にもかけない――低い体勢で駆け抜けると、ザザはバラライカKBN18へと己の血を宿した。ブラッド・ガイストによって殺戮捕食態へと変化したバラライカKBN18の銃口をクローン騎兵の装甲へと押し当て、ザザは即座に引き金を引く!
「オラッ、こんなところで手こずってる場合じゃねェだろ、一気に行くぜ!」
「違いないな」
ザザの言葉に雷堂もニヤリと笑い、先へと進む。見つけた端から、クローン騎兵を駆逐していく――まさに、狩りと言うべき光景だった。
●そして、目的地へ
クローン騎兵の混乱は、通信の遮断と共に猟兵達の奇襲によって広がっていく。
「おい、サーに状況をお伝えしろ!」
「通信が効かないんだ!」
「なら、直接行け!」
そのやり取りを交わし、一人のクローン騎兵が通路の奥へと走っていく。真正面の入り口からも、外壁部の入り口からも遠い――空調システムの管理室へと。
クローン騎兵は、周囲を警戒して走っていく。敵を騎士の元へ連れて行くような愚を犯す訳にはいかないからだ。
だから、細心の注意を払った。問題は、その注意でさえ足りなかったという事だ。
「――!?」
不意に、自身の体の自由が奪われた。それが何者かに肩に乗られたからだ――クローン騎兵がそう気付く、暇さえなかった。
ザシュ、とヘルメットとアーマーの隙間に、高熱の刃が突き刺さる。血が吹き出るより早く、ゴキリ、という音を立ててクローン騎兵の首がおかしな方へと捻じ曲げられ、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
「……ここか」
そう言って姿を現したのは、ハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)だった。インビジブル・メンによって透明化、迷彩と忍び足によってここまでクローン騎兵をスニーキングして来たのだ。
ハルは再び、気配を殺して来た道を戻り始める。一人で挑んでいい相手ではない、場所を把握した事を仲間へ伝えるべく、次の行動を開始した……。
大成功
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第3章 ボス戦
『帝国騎士』
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POW : インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD : ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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●帝国の騎士
帝国の騎士は一人、空調システムの管理室で作業を続けていた。
「完全ではない。だが、ただでは終わらさん」
未だ、空調システムを完全に掌握している訳ではない。だが、今の状況でも十分に効果は期待できる――そう判断したのだ。
「クローン騎兵など、後でまだ呼び寄せれば良いだけのこと。時間を稼げれば良い」
コンソールを打つ指の速度は、速い。帝国騎士にとって、部下などただの備品だ。便利な道具だ。使えなくなれば、新しい道具を持ってくればいい――それだけの存在なのだ。
だから、この状況にも与えない。結局は、自分一人で事を成し遂げればいいのだ。少なくとも、動揺もなければ感慨もない。それゆえに、この帝国騎士は間違えない。
今は、一秒でも早く目的を果たすのみ――帝国騎士は、仮面の下で笑った。
ハル・パイアー
「簡潔に明瞭に、そして迅速に。では、すべき事を成そう。」
小官は斥候によって得た情報を開示し。敵の本陣を全味方に報告、共有。
そのまま帝国騎士への攻撃に参加を表明致します。
主な目的は敵への牽制と行動阻害で隙を作る事、そして敵陣内の情報収集にあります。
敵陣侵入時は[ダッシュ]で足を止めず《クイックドロウ》を起動し、ブラスターの[早業][クイックドロウ]で[誘導弾]の連続射撃。
同時に[毒耐性]を活性化させつつ空気の状態を[情報収集]。必要であれば味方への警告役も同時に担います。
「そして同時にブラフがあろうと踏み潰す。無駄な時間を与えてやらんよ。」
ザザ・クライスト
管理室に飛び込むと同時に攻撃だ
動くななんて言ってやる義理はねェ
問答無用にバラライカのトリガーを引いて帝国騎士に銃弾を叩き込む
少なくとも悠長にコンソールを操作する猶予は与えねェぜ
「そのイカレた野郎をコンソールから引っぺがせ!」
味方の猟兵にも合図を送って包囲陣形で激烈に攻撃を加え続ける
【念動力の鎖】で繋がれたなら逆用してコンソールから引きはがす
自身へのダメージは二の次だ。毒ガスだけは絶対に阻止する
「オレのことは構うな! 今は毒ガスの阻止だけを考えろッ!」
大ダメージを受けて厳しいようなら【戦場の亡霊】に戦闘を続行させるぜ
メンカル・プルモーサ
……ん、ここまで追い詰めても焦ってない……強敵
こっちの仕掛けも何時まで持つか判らない。テロを実行される前に倒す……
【現実を侵せし狩猟団】を呼び出して騎士に仕掛けるね……
一番の目的はユーベルコードを含めた騎士の動きの情報収集。
だから今回は半ば使い捨てで、あえてガジェットが攻撃を受ける前提で攻撃を仕掛けるよ……(情報収集・時間稼ぎ・属性攻撃・オーラ防御)
コードの情報を集めたら…【崩壊せし邪悪なる符号】で相殺しにいくよ……
……帝国の領土って、簡単に消える物なんだ…(不敵に。実際は寧ろ困難だがその様子は見せない。)
エクサ・カラーヌド
取リ敢エズ、奴ノ指ヲ止メルノガ先決。
……急グカ。イツモノ騎乗+操縦二加エテ【ゴッドスピードライド】ダ。一刻モ早ク奴ノ元二辿リ着キ……ブレーキゼロデソノママ突進ダ。
隔壁トカ、ブチ破ッタ方ガ良サソウ(時短になるor後続が楽できる)ナラブチ破ル。
轢キ殺セタリ、機械ガ動作停止スル程度二壊レルヨウナラ重畳ッテ奴ダナ。
……突進ガ阻害サレソウトカデアレバ仕方ナイ。アサルトウェポンカラノ「スナイピング」デ代用ダ。何トシテモ手ヲ止メテ貰ワナイトナ。
セゲル・スヴェアボルグ
そういえば、あのテレビウム、どこかで見たことある気がするが……まぁいいか。
とりあえず、空調管理室で作業をしている電気屋のおじさんに一発かましてこないとな。
さて、こちらはドラゴニアン・チェインで応戦するつもりなわけだが……互いにつなぎあうことになるのかこれは。
まぁ、そうなったならガチンコで殴りあえばよいだけのこと。
いくらタイピングが速かろうが、【グラップル】と【怪力】で手が動かせないようにしてしまえば、どうすることもできまい。
一方、俺の方はゴーグルがあれば指など使わなくとも【ハッキング】程度なら可能だ。空調を止める分には問題はないだろう。
余裕がなければ他の奴に任せればいいしな。
ラスベルト・ロスローリエン
いいや。君が歩む無明の冥府魔道は此処で終わりさ。
その剣と野望、折らせて貰う。
【WIZ】
『さて……こちらの騎士にも御出馬願おう』
“エレンナウア”の刀身に手を翳し【高速詠唱】で《散華の騎士》を詠唱。
(白光を纏い青白い甲冑に身を包んだエルフの戦乙女)
闇の鋭剣で斬り結び、光の霊槍を投擲させ帝国の走狗の鎧を穿たせる。
僕も彼女の動きに合わせ【全力魔法】でマナの雷撃を放ち援護しよう。
戦乙女と共に邪なる帝国の旗を打ち払ってやるさ。
『無辜の民を害し権勢を誇る輩の旗など、如何なる世界にも翻させてなるものか』
何時の世も覇道を歩む者は魂の暗黒面に落ちやすいものだね。
星界の果てに揺れる箱舟にマナの調和が在らんことを……
壥・灰色
ハルか、彼から伝え聞いた他の猟兵から、ボスの居場所を聞き
現場に急行
拙速かも知れないが、四人ばかりいるなら一足先に始めさせてもらおう
追いかけ他の皆も来るはずだ
「壊鍵、撃殺式。起動」
ぶつけ合わせたナックルガード『衝拳』が、その表面に複雑怪奇な文様を宿す
魔術回路『壊鍵』の衝撃を増幅する、ただそれだけの特殊な魔術式だ
脚に衝撃を宿し、地面を蹴りつけて前進、即座に拳で打撃
「二回攻撃」の技能を電瞬の接近、そして神速の打撃として活用する
援護型の猟兵が攻撃をする際はステップでアウトレンジへ退避
隙を見て再びステップイン、騎士の剣のレンジ、その内側へ潜り込んで格闘戦を繰り広げる
ジロー・フォルスター
イヅル。大元の目的は『毒ガスで住民を殺させない』事だ
毒ガスの発生装置を止める
それが無理なら循環装置を止める
その対応ができれば、奴らの目的自体を打破できるはずだ
「イヅル、要はお前だ。信じてるぜ」
・行動
俺は『カタストロフ』で風を起こす
加減して必要なだけの効果が得られるようにな
新鮮な空気を集め、俺とイヅルの周りの毒ガスを除ける
目的は破壊じゃない。暴走させねえように扱うぜ
地形を見るのは得意だ。物を隠せそうな場所をイヅルに教えよう
装置は俺も電流を流して電源を止めるのと、化学物質ごと氷漬けにする選択肢を持っておく
(集中してるだろう…頑張れよ、イヅル)
万が一騎士が追って来たら、足止めは俺がやろう
不知火・イヅル
ジローと一緒に、毒ガスの発生装置がある場所をさがすよ。
ボクは、これまでの情報と第六感を頼りにしてみるね。
もし、装置を見つけることができたら、ハッキングで制御できないか試してみるよ。
無理だったら、「バグ」を使って装置を動かしている電源を止められないかも試してみる。
余計な衝撃を与えて、毒ガスがもれても困るから、加減には気をつけるね。
でも、万が一のときのことは、ジローにまかせるつもり。
ボクはジローを信じるから、ジローもボクの勘を信じて。
コロッサス・ロードス
「異世界の騎士と剣を交える。本来ならば喜ばしい事だが……騎士の何たるかを知らぬ者が相手では此度の戦いは名誉に欠ける。ならばこれは決闘ではなく、民草を脅かす害虫……否、毒虫の駆除と言ったところか」
基本戦術は『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
攻撃時は『2回攻撃』と『怪力』を活かした『鎧砕き』で相手の装甲を削り
【インペリアルブレイド】に対しては、飛ぶ斬撃を素早く『見切り』、『カウンター』を合わせる為に相討ち『覚悟』で敵の懐に飛び込み、最も損傷の激しい装甲部分に『捨て身の一撃』【黎明の剣】を放つ
陰白・幽
やっと騒動の原因の人を見つけられたよ、これまでとは比べられないくらい強そうだから、気合いを入れて、頑張らねば……疲れて~きたけど……
間合いを詰めると危ないかな……でも、遠くからの相手に対しての対策も持ってるよね、一人で十分って考えてそうだもん。
うーん……よし、中距離をたもって戦闘をして鎖や鋼糸を使って相手の右手を狙っていくよ、武器を持ってる手を狙われたら誰でもいやだもんね。
あとー、チャンスがあったらUCで相手の右手を狙うよ、当たれば動きを封じるのに役立つし、躱すのに気をとられればそれはそれでいーよね。
ここって毒の準備をしてた場所だし、敵の動きには注意しておこっと。
よーし、これで最後、感張るぞ~
東風・春奈
なによりも空調システムの操作を止めないといけませんねー
味方さんに隙をついてシステムを落とす人などいるでしょうかー?
いなければ、いっそ破壊してしまいましょうかー。大砲を使ってどかーんと一発ですー
もちろんプログラムが済んでるようでしたら、止められなくなることを怖れて逆に破壊されないよう妨害しますー
戦闘では、地形の破壊と支援攻撃を主に行いますねー
大砲は当たらずとも撃つだけで脅威、繰り返しですが基本方針ですねー
飛ぶ斬撃は回避を狙いますねー。でも、念動力の鎖で繋がれようと、大砲の邪魔はできませんー。それに後ろの方の私へ攻撃を仕掛けるということは、前衛の皆さんが黙っていないはずですー
アドリブ歓迎ですよー
九鬼・雷堂
さてさていよいよ親玉の登場だな。
テロなんてそう簡単にさせるわけには行かないねェ。
戦闘開始と共に右目から眼帯状のデバイスが展開。
バイクからは降り、刀を片手に構えて応戦するぜ。
しかし飛ぶ斬撃があるとは厄介だねえ。
刀でいなしながら隙を探っていくぜ。
まあ、近づけないならそれはそれで打つ方法はあるってわけだが。
おもむろに右目のサイバーアイから収束させた電撃をレーザー状にして放つぜ。
この一撃でひるませて間合いを詰めて接敵するぜ。
「何でもありが、オレの流儀よ」
●それは、想定外の――
旧制御区域内での戦闘は、次のステージへと移行しようとしていた。クローン騎兵の駆逐が終わり、猟兵達は次の行動を開始する。
「間違いなく、あの部屋で何かをしている」
「取リ敢エズ、奴ノ指ヲ止メルノガ先決」
帝国騎士の居場所を掴んだハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)の言葉に、エクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)は【愚者の見上げし黄金龍】で加速する。旧制御区域の建物内を、最大速度で――そのエクサを見て、セゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)はふと脳裏に何かが浮かんだ。
(「そういえば、あのテレビウム、どこかで見たことある気がするが……まぁいいか」) 今は、急ぐ必要がある。セゲルも駆け出しながら、吐き捨てた。
「とりあえず、空調管理室で作業をしている電気屋のおじさんに一発かましてこないとな」
「そっち以外も、頑張ってくれる人達がいるみたいですよー」
その横を走るのは、東風・春奈(小さくたって・f05906)だ。
「簡潔に明瞭に、そして迅速に。では、すべき事を成そう」
ハルの言葉に、仲間達がうなずく。空中システムの管理室、そこへ猟兵達が一斉に走り込んだ。
「そのイカレた野郎をコンソールから引っぺがせ!」
ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)が、バラライカKBN18の銃弾を即座に撃ち込む。コンソールの前にいた帝国騎士は振り返りざまの斬撃で銃弾を切り落とした。
「なるほど、お前達か……」
帝国騎士の声が、震える。猟兵達が引き剥がすより先に、帝国騎士は自らの足でコンソールから離れた。
「どういう風の吹き回しだ?」
その真意を問う九鬼・雷堂(ナインライヴス・f00769)に、帝国騎士は一つの反応で返す。怒りではなく――笑い。いっそ、愉快だと言いたげな帝国騎士は言い捨てた。
「やってくれたな、お前達。これで我が計画のすべてが潰えた」
●勝利条件
時は、しばし遡る。
――イヅル。大元の目的は『毒ガスで住民を殺させない』事だ。
ジロー・フォルスター(現実主義者の聖者・f02140)は、二つ名の通り現実主義者だった。向こうがどんな切り札を持っているかわからない、だからこそ最小限度の勝利条件をそこに引いた。
「だからこそ、相手の最大の手札を潰す……だね?」
「そうだ」
不知火・イヅル(電脳世界のキオクの守り手・f02177)の回答に、ジローは同意する。この第七居住区を効率よく毒で蔓延させるのならどうするべきか? イヅルは一つの答えを出す。
「毒ガスの発生装置が、あるはずなんだ。それを排除できれば……」
イヅルは思考を巡らせる。これまでの情報と第六感を頼りに――ジローは無言で、イヅルを待った。それだけの信頼が、二人にはあるのだ。
「お二人とも、帝国騎士の居場所がわかりましたよー」
「――!」
春奈がジローとイヅルにそう告げた瞬間、イヅルがハっと息を飲む。
「そうか、そうなんだ!」
「……こっちでやりたい事が出来た。そっちは任せていいか?」
「はいー、そう報告しときますねー」
ジローの言葉に、春奈も了承する。駆け出したジローとイヅルと見送り、春奈は仲間達へと合流するために駆け出した。
「ようは、あそこは安全なエリアなんだ。なら、あそこに毒ガスを持ち込むはずがない」 イヅルは、虫呼び(コールバグ)によって呼び出した小型の戦闘用【電子生命体「バグ」】を召喚、空調のダクトへと潜り込ませた。
「帝国騎士は、空気の通り道――ダクトに、毒ガスを仕込んでいたんだよ。それも複数、仕掛けそのものが単純だからハッキングはできないけど……」
それでも、物理的に電子生命体「バグ」で除去する事は可能だ。ダクトの要所要所に仕掛けられた毒ガスの発生装置を回収し――。
「ようは、この宇宙船から排除すればいいんだろ?」
「うん、頼むよジロー」
集められた毒ガス発生装置は、残らずジローのカタストロフによって氷漬けにされていく。爆発物を液体窒素で凍らせる爆弾処理と同じ理屈だ、集められた毒ガスはこうして無力化され――パン! とジローとイズルは、満面の笑みでハイタッチした。
●誇りを持って
「ハーハハハハハハハハハハハハハハハハ! これは、想定していなかった……いや、想定外だ! よくもまぁ、優先順位を間違えなかったものよ!」
帝国騎士の笑い声に、春奈は悟る。あの二人が、やってくれたんですねー、と。
「異世界の騎士と剣を交える。本来ならば喜ばしい事だが……騎士の何たるかを知らぬ者が相手では此度の戦いは名誉に欠ける。ならばこれは決闘ではなく、民草を脅かす害虫……否、毒虫の駆除と言ったところか」
コロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)は、金剛夜叉を引き抜く。コロッサスの言葉に、ようやく笑いをおさめた帝国騎士が赤き光の刃を展開した。
「意見の相違よな。民草? アレこそ害虫……否、雑草よ。銀河帝国を忘れた雑草を処理して、何が悪い?」
「それは貴様の理屈だ」
「そうだ、それが何か?」
コロッサスの殺意さえこもった視線を、そよ風のように帝国騎士は受け流す。そして、言葉を続けた。
「我ら銀河帝国には銀河帝国の理屈が、貴様らには貴様らの理屈がある。それがどうした?」
「言いたい事は、それだけか?」
壥・灰色(ゴーストノート・f00067)が衝拳を構えると、帝国騎士は光の剣の切っ先を突きつけ、言った。
「予感がある、貴様らは危険だ。今はまだ弱く、無きに等しい力だが――遠くない未来、銀河帝国に暗い影を落とすであろう。ならば、ここで斬り捨てる。それでこそ、この敗北を償えるという――」
もの、と続くはずだった帝国騎士の言葉が止まる。陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が、竜繰鋼糸を振るったのだ。
「もういい? 疲れてきたし」
「構わんとも!」
ヒュガ! と空中で火花が散る。幽の竜繰鋼糸の軌道を見切り、帝国騎士が切り落としていったのだ。
「……ん、ここまで追い詰めても焦ってない……強敵」
メンカル・プルモーサ(プルモーサ家の魔女・f08301)が呟いた瞬間、ラスベルト・ロスローリエン(灰の魔法使い・f02822)が動いた。
「さて……こちらの騎士にも御出馬願おう」
ラスベルトが“エレンナウア”の刀身に手をかざし高速詠唱、白光と共に青白い甲冑に身を包んだエルフの戦乙女が光の霊槍を投擲した。帝国騎士は、その霊槍を空中で両断した。
「クハハハハ! 次の芸はなんだ!?」
「なら、俺がいくぜ」
そう言って、雷堂が片手で構えた刀を振りかぶる。それに身構えた帝国騎士へ、おもむろに右目のサイバーアイから収束させた電撃をレーザー状にして放った。
「刀はどうした!?」
「何でもありが、オレの流儀よ」
「ふざけたヤツよ!!」
レーザーをダークフォースバリアで受け止めた帝国騎士に、雷堂が豪快に笑う。それに笑みで返して帝国騎士が、猟兵達へと踊りかかった。
●激闘の果てに
空調管理室に、激しい戦闘音が鳴り響く。
「挟撃トイコウカ」
「ああ」
エクサが大型バイクのアクセルを吹かすと、逆方向へハルが駆け出す。エクサのアサルトウェポンの銃撃とハルのクイックドロウを帝国騎士は横回転、光の刃で切り落とした。「ぬ――!?」
その帝国騎士の腕に、鎖が絡みつく――セゲルのドラゴニアン・チェインだ。
「っらああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
セゲルが強引に鎖を引き、帝国騎士の体が宙を舞う。踏ん張りなど、意味をなさない。引き寄せられた帝国騎士は、即座に行動に移った。
すなわち――引き寄せられた勢いを利用した、頭突きへと。
「――!!」
ガゴン! と金属同士がぶつかったような音をさせ、セゲルと帝国騎士がのけぞる。セゲルが帝国騎士の頭突きを、自身の頭突きで迎え撃ったのだ。
「石頭が!」
言い捨て、空中で帝国騎士は回し蹴りを放つ。セゲルはそれを、両腕でガードした。帝国騎士は、そのまま着地。その頭上を、灰色が取っていた。
「――装填、機動」
上から振り下ろす灰色の拳を帝国騎士はステップで回避、そこへ続けざまに放たれた逆の拳を光の剣で受け流した。そして、鎖を光の剣で断ち切ると、大きく後方へと跳んだ。
「呆れるぐらいに、強いぜ」
ザザが一人暴れる帝国騎士に、吐き捨てる。猟兵達の全力を真っ向から受け止める、それほどの実力を帝国騎士は持っていた。だからこそ、ザザは見逃さない――針の穴を通すような、わずかな勝機。それを、帝国騎士より先に見つけるのだ、と。
「ひるがえれ! 我が帝国の戦旗よ!」
帝国騎士は、念動力で形成した帝国の旗を生み出し投擲した。当たろうと外れようと自身に有利な状況を生み出すためのインペリアルフラッグの一撃――しかし、その誇り高き旗は空中でかき消えた。
「な!?」
「……帝国の領土って、簡単に消える物なんだ……」
メンカルが、不敵に言う。崩壊せし邪悪なる符号(ユーベルコード・ディスインテグレイト)、敵のユーベルコードに対して発動する情報を分解・相殺するカウンター魔術だ。幾度も見て解析し見切って、ようやく可能とした荒業だ――しかし、メンカルはそんな困難さを魅せず、不敵に言ってのけたのだ。
まさに、その瞬間こそ針の穴を通す唯一の好機だった。ザザは即座に、バラライカKBN18の銃弾を連射した。
「動かすな! 押し切れ!」
「お、のれえええええええ!!」
一つ、二つ、三つと銃弾を断ち切りながら、四発目の銃弾を肩に受けて、帝国騎士は体勢を崩す。
「俺が左腕をやる!」
「よーし、これで最後、頑張るぞ~」
セゲルと幽が、同時にドラゴニアン・チェインを放つ。ジャャララララララララララララ! と左右の腕を鎖で絡め取られ、帝国騎士の動きが止まった。
「あのあたりかなー? えいやー!」
ドン! と春奈の背部砲塔による一斉射撃が、次々と着弾する。その砲撃は、床を破壊して帝国騎士の足元を失わせた。
「な、んだと
……!?」
足場がなければ、踏ん張れない。そこへハルとエクサが続けざまに銃弾を撃ち込んでいく。ダークフォースバリアの撃ち抜く銃弾に、帝国騎士の体が震えた。
「さ、せるか、ああああああああああああああああああああ!!」
ドドォ! と赤黒い電撃を撒き散らす帝国騎士へ、灰色が迷わず踏み込んだ。
「壊鍵、撃殺式。起動」
ヴォン! とナックルガード『衝拳』をぶつけ合うと、その表面に複雑怪奇な文様を宿す――そして、両拳を突き出す灰色の渾身の打撃が帝国騎士の鎧を砕いた。
「落ちろおおおおおおおおおおおおお!!」
そこへ、雷堂がサムライブレイドを構え振り下ろした。胸を貫かれた帝国騎士が、穴を落下する――!
「無辜の民を害し権勢を誇る輩の旗など、如何なる世界にも翻させてなるものか」
「我、神魂気魄の閃撃を以て獣心を断つ」
ラスベルトが召喚する古の戦乙女が放つ闇の鋭剣が、コロッサスが繰り出した捨て身の黎明の剣(レイメイノツルギ)が、帝国騎士を刺し貫いた。
「く、はは……銀河帝国……に、栄光、あれ……!」
コロッサスが、紅き神火と払暁の輝きを宿す神剣を振り払い、帝国騎士を両断する。それが止めとなった、帝国騎士は爆発四散し、跡形もなく消滅した……。
●星海渡る船の中で
旧制御区域の建物から出れば、毒など混ざっていない心地よい風が猟兵達を出迎えてくれる。
「終わったか?」
「ああ」
ちょうど旧制御区域に到着したジローに、灰色は短く答えた。これでこの第七居住区を襲うはずだった悲劇は免れた――完全なる猟兵達の勝利で終わったのだ。
「何時の世も覇道を歩む者は魂の暗黒面に落ちやすいものだね」
「だからこそ、堕ちてはならないんだ」
ラスベルトの呟きに答えるコロッサスの声色には、必要以上の実感がある。矜持無き者は幾ら武勇に優れようとも所詮外道――ある戦いで、ひとりの少女を守る事こそ己の本懐と定めたコロッサスにとってあの帝国騎士は、決して許してはならない存在なのだ。
「さぁ、ここにはもう用はない。お暇するとしよう」
「そうだな」
イヅルに言われ、ジローもうなずく。やるべき事、すべき事は終わった。これからはこの巨大宇宙船フォーマルハウトの住人達の問題だ。
「星界の果てに揺れる箱舟にマナの調和が在らんことを……」
ラスベルトは、静かに祈りを捧げる。鋼鉄の壁一つ隔てたそこは、決して生命が生きる事を許さない冷たい宇宙だ。だからこそ、生命が生きる事が出来るこの宇宙船にこそ、祝福があるべきだと――。
こうして、巨大宇宙船フォーマルハウトでの猟兵達の戦いは終わった。しかし、この事件もスペースシップワールドにおける銀河帝国の作戦はこうしている今も、どこかで行われているのだ。
帝国騎士が言ったように、銀河帝国を仇なす敵に猟兵がなるかどうか――それはまだ、定かではない……。
大成功
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