宇宙漂流!? スペースシップ危機一髪!!
●爆発事故
「一体どうなっているんだ、これは!?」
船長の悲痛な叫びが、コントロールルームに響き渡る。
何万もの民間人を乗せて、広大な宇宙を渡る巨大なスペースシップ。そのスペースシップの推進機関が、突如爆発したのだ。しかも、その理由は全くの不明。
「メインの推進機関だけじゃなく、サブや姿勢制御用のノズルも全て停止しています!」
部下からの報告が、船長の絶望に追い打ちをかける。
「とにかく、早急に修理するんだ。このままでは、この船は宇宙を漂流することになってしまうぞ!」
「それが、先程から機関室との通信が途絶えています。修理に向かわせたクルー達からの報告も未だありません」
それは、報告する間もないほどの惨状ということなのか、或いは――。
絶望的な状況に、焦燥を募らせる船長だったが、状況はさらに悪い方向へと進んでいった。
「船長! 進路上にデブリ帯が! とてもビームや艦載機で破壊しきれる量ではありません!!」
いつもであれば進路を変更して回避できる、宇宙のゴミの密集地帯。だが、全ての推進機関の停止したスペースシップには、これを回避する術はない。
スペースシップは真っ直ぐに、多くの危険物が浮遊する宙域に突入していった。
響き渡る警報と、スペースシップ全体を襲う激震。
多くの人々を乗せたスペースシップは、就航以来最大の危機に瀕していた。
●救出作戦発動
「スペースシップワールドで、1隻のスペースシップが危機的状況に陥っています」
グリモアベースに集う猟兵達に、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は冷静な声でそう告げた。
「スペースシップの推進機関が、突然爆発を起こし停止してしまったのです。コントロールを失った宇宙船は、現在宇宙を漂流していますが、このままでは遠からず宇宙の藻屑となってしまうでしょう」
既に現時点で、スペースデブリとの激突によって一部区画が激しく損傷。住民の一部がその危険区画に取り残されているのだという。
「爆発の原因は現時点では不明です。でも一つだけ確実なことがあります。それは、これが単なる『事故』ではなく、オブリビオンの引き起こした『事件』であるということ」
この事件に対し、猟兵達が行うべきことは大きく分けて3つある。
「一つ目は、危険区画に取り残された住民を安全に避難させること。二つ目は、推進機関を速やかに修復すること。そして三つ目は、事件を引き起こしたオブリビオンを発見し、排除すること」
やることは多いが、猟兵達でなければ行えない任務だ。
「みなさんの活躍に、スペースシップで暮らす何万もの人々の命がかかっています。ワタシはみなさんをお送りすることしかできませんが、ご武運を祈っています」
そう言ってエルシーは、敬礼したのだった。
J九郎
こちらでははじめまして。
マスターのJ九郎といいます。どうぞよろしくお願いします。
オブリビオンの目論見を阻止し、スペースシップを救うことが目的になります。
まずは住民の避難とスペースシップの修理、そしてオブリビオンの捜索をお願いします。
皆様のプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『宇宙船を修復せよ!』
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POW : 崩落した区画の民間人の救助を行う。落ち込んだ民間人を気合で励ます。力を生かして修理する。
SPD : 素早さを生かして危険区域の民間人を救出。手品や曲芸で民間人を励ます。手先の器用さで宇宙船を修理する。
WIZ : 魔法などで民間人の救出。魔法の効果で炊き出しなどする。魔法を使って修復を手伝う。治療を行う。
👑11
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キケ・トレグローサ
「不安が伝染するのは不味いな・・・ここは旅芸人の腕の見せ所か」
キケの兄、勇敢で堂々とした青年エドの人格で乗組員と協力し、民間人の避難誘導し怪我をした人がいれば手当てを進める。
「猟兵たちが到着した!今は仲間たちが船の修復に向かっている。心配はしなくていい!」
不安がっている民間人の下にいって励ましたり、気晴らしになるようにと話し相手になってあげる。
「俺は猟兵であり、旅の歌い手でもある。一つ、歌でも聞いていかないか?」
民間人を集め、シンフォニアの力のこもった歌声を響かせて不安を取り除きながら治療を進める。
乗組員に現状の詳しい状況も逐一聞き、猟兵たちが戦闘を開始したら駆け付けられるよう準備しておく。
レヴィア・ストレイカー
「家族を失った」過去があるので「POW」を活かして民間人の救出に専念しプラズマジェットを活かし迅速に行動します。
まず、自力で動ける人の為に「離れてください、この瓦礫を取り除きます」
などと声を掛けつつ安全な場所までの通路の確保に可能な限り努め避難させる。
動けない人は「自分が必ず連れ帰ります、しっかり!」と声掛けながら海兵隊仕込の応急処置を行い抱えて救助する。
民間人にはどんな状況でも笑顔で「自分が必ず助けます。誰一人置き去りにしません」と励まします。
スピレイル・ナトゥア
「星空は綺麗ですが、やはり人間が生きていくには過酷な環境なのですね……」
なのに、スペースシップワールドのみなさんはどうして宇宙に出ようとするのでしょうか
それはそうと、まずは怪我人の手当てに当たらなければなりません
異世界から持参した干し肉や日持ちのする野菜で、栄養満点のシチューを作ろうと思います
炎の精霊さんを召喚して、お鍋を温めてもらいますよ
科学の進んだスペースシップワールドのひとたちからしてみたら衛生面のあまり良くない野蛮な食事かもしれませんが、私の暮らしていた部族では普通の食事です
この非常事態に贅沢なんて言っていてもなにも変わりません
つべこべ言わずに、まずはお腹を満たしてもらうとしましょう
フェルト・ユメノアール
スペースシップの一大事!
でも、こんな時こそみんなに笑顔でいてもらいたいよね
ならボクに出来る事は一つ!
ボクは【SPクラウンジェスター】を召喚!
二人で危険区域にいる人たちの救助と避難を行うよ
大声で逃げ遅れた人がいないか呼びかけて、子供やお年寄りの人は背負って救出
救出活動が終わったら避難所の人達にボクたちの芸を見てもらおう
みんな不安な気持ちになっているだろうから、それが少しでも和らぐようにね!
『トリックスターを投擲』してナイフ投げやジャグリングを披露
クラウンジェスターには助手としてナイフ投げの的になってもらったりジャグリングの相方をお願いする
失敗してもご愛敬!最初から最後まで元気に笑顔でやりきるよ!
●救助活動
スペースデブリが激突し、大きな損傷を受けたのは、工業ブロックだった。
「居住区ではなかったのが不幸中の幸いでしたね」
救助に駆け付けたレヴィア・ストレイカー(植民地海兵隊強襲歩兵・f03587)は、周囲の状況を確認しつつも安堵する。スペースシップの構造上、居住区は船の中心付近に作られていたことが幸いしたようだ。
「とはいえ、この区画で働いていた多くの人達が取り残されているんだ。早く救助しないとな」
キケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)は、多くの構造物が崩れ、炎や煙があちこちから立ち昇る工業ブロックへ、躊躇なく飛び込んでいく。勇敢で堂々としたその立ち振る舞いは、今は亡きキケの兄・エドそのままだった。
「猟兵たちが到着した! 今は仲間たちが船の修復に向かっている。心配はしなくていい!」
自らもさっそく救助活動を開始しながら、取り残された民間人達を安心させるように呼び掛けるキケ。
「離れてください、この瓦礫を取り除きます」
レヴィアは、自力で動ける人々を先導して、障害物を排除しながら安全な避難場所まで誘導していった。かつて戦火で両親を失った彼女にとって、自分と同じ境遇の子供達を生み出すようなことは絶対にしたくはない。怪我で動けない者には、
「自分が必ず連れ帰ります、しっかり!」
と声を掛けながら、海兵隊仕込みの応急処置を施すと、抱え上げて避難所まで運んでいった。
「逃げ遅れてる人はいない? いたら声を上げて!!」
そう呼びかけて回っているのはフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)だ。フェルトは、王冠をかぶった道化師『クラウンジェスター』を呼び出すと、協力して救助と避難を手伝っていく。
「自分が必ず助けます。誰一人置き去りにしません」
レヴィアのその励ましの言葉は、この場で救助活動に当たっている全ての猟兵達の気持ちの代弁だった。
「星空は綺麗ですが、やはり人間が生きていくには過酷な環境なのですね……」
避難所では、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が、自分の世界から持参した干し肉や日持ちのする野菜で、栄養満点のシチューを作っていた。具材を放り込み、炎の精霊を召喚して、よく煮込んでいく。
「さあどうぞ。暖かいうちに召し上がって下さい。お腹が空いていては、元気が出ませんよ」
そう言って、避難者達にシチューを配っていくスピレイル。スペースシップの中ではめったに見られない調理法と料理に戸惑う避難者もいたが、
「科学の進んだスペースシップで暮らすみなさんからしたら、衛生面のあまり良くない野蛮な食事かもしれませんが、私の暮らしていた部族では普通の食事です。この非常事態に贅沢なんて言っていてもなにも変わりませんよ」
スピレイルに笑顔で勧められ、恐る恐るといった感じでシチューを口に運んだ。
「……あったかい。それに、うまい」
意外そうな表情でそう呟くと、掻き込むようにシチューを口にする。それを見て、遠巻きにしていた避難者達も、順番にシチューを受け取り食べ始めた。
一方、一通り救助を終えて避難所に戻ってきたキケは、
「俺は猟兵であり、旅の歌い手でもある。一つ、歌でも聞いていかないか?」
そう呼びかけると、集まってきた避難者達に対し、シンフォニアの力のこもった歌声を響かせた。その歌に秘められた魔力が、避難者達の傷ついた心と体を癒していく。
「さあさあ、ボクのジャグリングも見ていってよ!」
フェルトは、投擲用のダガー『トリックスター』を宙に投げると、キケの歌に合わせてジャグリングを始めた。変幻自在、まるで魔法のように宙を舞うトリックスターに、人々の視線が釘付けになる。
(「これでみんなの不安な気持ちが、少しでも和らぐなら、例え失敗してもご愛敬だよね!」)
ジャグリングの次は、クラウンジェスターを的代わりにナイフ投げを披露するフェルト。彼女にとっては、避難者達の笑顔が何よりの報酬だ。
「なんとか、一人の死者も出さずに済んだようですね」
フェルトの芸を眺めながら、救助活動を終えたレヴィアがほっと息を吐く。
だが、推進機関を修理できなければ、いつまた同じような事故が起きないとも限らない。まだ、スペースシップの危機は去っていないのだ。
成功
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クネウス・ウィギンシティ
行動:スペースシップの推進機関を修理します。
エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)さんに、スペースシップのメーカーと推進機関(エンジン/ジェネレーター/航行装置)の種類を聞き出し
「スペアパーツ」を準備した上で出撃します。//
修理方法はステ―タス:「POW」と技能:「メカニック」、そして前述の「スペアパーツ」を用いた故障個所の取り換え修理です。
「エンジニアである私の出番ですかね。
推進機関が壊れたとなれば、主にエンジンもしくは航行装置の故障が予想されます。まず、やるべきことは避難よりもそのための時間を稼ぐこと。最悪、エンジンの爆発事故や避難艇の航行エラーだけは防がなければ
......」
エメラ・アーヴェスピア
あら、一部とはいえまさか依頼として宇宙船を弄れる日が来るとは思わなかったわ
これでも一技術者として、多少気にはなっていたのよね
それじゃあ、直してしまいましょうか
まずは何処が壊れているか、何が足りないか、何処から優先するべきかを調べましょう(【情報収集】【失せ物探し】)
そしてその場にいる技術者…多分、私の様に他にも直そうとする同僚さんが居ると思うわ…と軽く相談してから
危険、即座に修理するべきところから手分けして修理しましょう(【メカニック】)
さて…いったいオブリビオンは何をやってコレを壊したのか…それも調べられれば助かるのだけど
兎に角、被害が出る前に何とかしなくてはいけないわね
夜乃・瞳
大変なのです
宇宙船のピンチなのです
頑張って修理するのですよ
わたしはコールオプションを使ってテンタクルフォース(オレンジ色の発光球体から金属製の触手が複数生えているもの)を召喚して、船の修理を始めるのです。
テンタクルフォースを操り触手でガレキを退けたり、触手の先から発射されるレーザーで溶接したり、重要な回路の交換なんかも行っていくのです。
「ガンガン修理していくのですよ」
●修復作業
「一部とはいえ、まさか依頼として宇宙船を弄れる日が来るとは思わなかったわ」
メインエンジンの設置された機関室に駆け付けたエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)が、思わずつぶやく。こういう状況であっても、一技術者としての好奇心は抑えられないようだ。
機関室で猟兵達が見たのは、内部から爆発でもしたのか激しく損傷したメインエンジンと、地面に倒れ伏すこの船の整備クルー達の姿だった。
「大変なのです。宇宙船のピンチなのです!」
あわてて夜乃・瞳(ミレナリィドールのスターライダー・f01213)が、整備クルー達を助け起こす。幸い、意識を失っているだけのようだが、すぐに意識を取り戻す気配はない。
「とりあえず、安全な場所まで運ぶのです」
瞳を始めとした猟兵達が整備クルー達を機関室から運び出す間、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は破損したエンジンを詳しく観察していた。
「推進機関が壊れたとなれば、主にエンジンもしくは航行装置の故障が予想されます。まず、やるべきことは避難よりもそのための時間を稼ぐこと。最悪、エンジンの爆発事故や避難艇の航行エラーだけは防がなければ……」
外部から見た限りでは、エンジンに異常があったのは確実のようだ。航行装置については他の猟兵達に任せ、クネウスは直接エンジンの破損状況を調べ始める。エンジンは故障の影響か異常なほど熱を持っており、生身では触ることができないほどだ。だが、手足を機械化したクネウスならば、問題なく調べることができる。
「まずは何処が壊れているか、何が足りないか、何処から優先するべきかを調べましょう」
エメラルドバングルと魔改造ノートPCを取り出したエメラは、エンジンの現在のステータスを確認の上、故障個所を特定していく。
「これは……。意図的にリミッターを解除され、オーバーヒートさせられた痕跡があるわ」
「エンジンの故障の原因はそれのようですね。やはり、オブリビオンが意図的に引き起こした事故であることは間違いなさそうです」
故障個所を特定したエメラとクネウスは、さっそく修理に取り掛かった。
事前にエンジンやジェネレーターの機種を調べていたクネウスがスペアパーツを用意していたため、交換部品の不足に困らされることはない。問題は、エンジンの放つ高熱と、オーバーヒートの結果生じた内部爆発によって機器の形が歪み、取り外しが困難になっていること。
「それならお任せなのです!」
そこに、整備クルーを運び終えた瞳が戻ってくる。
『アクセスコード、『終焉の踊手』送信。転送システム開放なのです』
コードの発生と共に瞳が呼び出したのは【コールオプション】テンタクルフォースだった。オレンジ色の発光球体から生えた複数の金属製の触手が、エンジンの故障部分へと触手を伸ばしていく。
「さあ、ガンガン修理していくのですよ。指示をお願いするのです」
「了解です。スペースシップのエンジンの修復……技術の習得にはもってこいですね」
クネウスの指示に従って、瞳の操るテンタクルスフォースの触手が、手早くパーツの交換を始めた。
「では、そちらはお願いね。私は再度オーバーヒートしないように、リミッターをセットし直すわ」
その間にエメラは、エンジンのシステムを書き換えていく。
猟兵達の修理でエンジンが再稼働可能な状態になったのは、それから間もなくのことだった。
成功
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エル・クーゴー
『躯体番号L-95』
『支援を開始します』
●WIZ
・魔法修復
ゴーグルON
電脳世界展開
シップの破損箇所/深刻度/当座処置の可否/優先度/の判定を開始、友軍(仲間)へ情報を適宜送信します
当該躯体は電脳に高い親和性を発揮します
通信インフラの復旧に取り掛かります
[学習力]を駆使し構造を解析、ブラックボックス化された箇所等あらば[ハッキング]及び[暗号作成(の転用)]にて必要情報を適宜[情報収集]
ケーブルの補修・換装・接続等、マンパワーが求められる局面では独自の友軍を展開します
コード172:エレクトロレギオン・オルタ、ウイングキャット『マネギ』
マックス65体を召喚、こき使います
(デブ猫がモリモリ出て来る)
アルジス・アーリィグロウ
さて、さすがにアナログの船じゃないんだから船を統括するメインコンピューターはあるだろう、まずはそれにアクセスして詳しい状況の把握。そして船の破損部分の修理マニュアルあたりがあったら入手、微力ながら修理に参加(メカニックの技能が使用できるだろうか)。ついでに比較的安全なところを検索、民間人の誘導も。と、いうわけで、やれる事やったら向かいましょうか。「ある意味義体の頑丈さが役に立ってくれるかな。」
●オブリビオンの影
「ある意味義体の頑丈さが役に立ってくれたな」
アルジス・アーリィグロウ(サイボーグのブラスターガンナー・f02476)が、機関室で気を失っていた整備クルーを、機関室に隣接する管理室に運び込む。
その管理室では、エル・クーゴー(L95・f04770)が既にL95式電脳ゴーグルを展開し、船の異常個所を確認していた。
「電脳世界展開――シップの破損箇所/深刻度/当座処置の可否/優先度/の判定を開始」
エルは少女のような外観にそぐわないシステムメッセージ的な台詞を発しつつ、高速でキーボードに指を走らせていく。
「さて、さすがにアナログの船じゃないんだから船を統括するメインコンピューターはあるだろう。私もそれにアクセスして詳しい状況を把握させてもらうか」
アルジスも、管理室に備え付けられた端末でメインコンピューターにアクセスすると、メインエンジン以外に外部から侵入した形跡がないか確認を始めた。
二人はやがて、サブエンジンと姿勢制御用ノズルが、外部から強制的に停止させられていることを突き止める。
「これは本格的にハッキングされているな……。推進機関の修理マニュアルあたりがあったら入手しておきたいが」
アルジスはマニュアルを検索すると、メカニックとしての知識を駆使してシステムの復旧に取り掛かった。
「当該躯体は電脳に高い親和性を発揮します。インフラの復旧に取り掛かります」
一方で、エルは無表情のまま淡々と停止したシステムを復旧させていく。人手が足りないと判断したのか、ウイングキャット『マネギ』を、なんと65体召喚。でっぷりと太った猫の群れが管理室を埋め尽くし、アルジスがぎょっとした顔をするが、エルは気にせずに作業を続けている。
「システム構造解析/ブラックボックス化された領域を確認/ハッキングにて暗号解析――セキュリティ解除/アクセスポイント特定」
そしてエルは、この機関室にほど近い艦載機の格納スペースから、システムに対するハッキングが行われていたことを発見した。
「ここに、今回の事件の黒幕がいる可能性が高いな。近場だし、確認してくるか」
「いえ、その必要はありません」
エルの答えに怪訝そうな表情を浮かべるアルジス。だがその理由は、すぐにエルの口から語られた。
「該当区画から、複数の反応が機関室に向けて移動中。――敵が、動き出したようです」
成功
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第2章 集団戦
『バトルドロイド』
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POW : バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ : シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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●銀河帝国の反撃
「何者かがエンジンを修復したようだな。――無駄なことを」
銀河帝国製の漆黒の鎧を身に纏った男が呟く。
せっかくスペースシップの推進機関を破壊し、船の乗員達に恐怖と絶望を味合わせてやるところだったというのに、とんだ興ざめだ。
整備クルー達にも恐怖を味合わせるため、殺さずに気を失わせるに留めたのが失敗だったのだろうか。それとも、整備クルー以外の何者かが、推進機関を復旧させたのだろうか。
だが、エンジンなどまた壊せばよいだけのこと。そして邪魔者は、排除すればいいだけのことだ。
「行け、バトルドロイド部隊。機関室でエンジンを修理している者共を皆殺しにし、今度はエンジンを二度と修理できないように破壊するのだ!」
鎧の男の指令を受け、格納スペースで待機状態にあった10体のバトルドロイドは、一斉に機関室目掛け進撃を開始したのだった。
クネウス・ウィギンシティ
「既に機関室に居る以上、向かって来る敵を直接迎撃した方が早そうですね」
以下の内容で攻撃します。
・準備:飛行ドローンを展開
※索敵(自ユーベルコード条件)と囮(敵POWユーベルコード対策)
・ステータス:「POW」
・技能:「先制攻撃4」「スナイパー8」
・ユーベルコード:「ARTEMIS(アルテミス)」
説明:【ドローンの索敵】により、レベルの二乗(12×12=144)mまでの視認している対象を、【アームドフォート】で攻撃する。
「囮として『速く動く物』であるドローンを放ちつつ、機関室から直接狙撃させて貰いましょうか」
船体へのダメージも考えて、ドロイドに確実に当たるように狙撃します。
エル・クーゴー
●真の姿
電脳が超加速
マネギ運用がより精密に
●POW
マップ情報からダクト等の通過も視野に最短最速ルート算出
[空中戦]用バーニアの推進力を適宜噴射、機関室方面を急ぎ目指す
敵性との交戦地点は機関室側を背にし「機関室外」を想定
※機関部を毀損させない様
UCマネギを数体ずつ召喚、交戦を開始
味方の戦線合流迄は[時間稼ぎ]主眼
・本格交戦
敵一体に付き、
最大戦速100%で攪乱機動する3体
と
90%速で機動する2体
を嗾ける
100%速マネギは敵の攻撃対象として破壊される前提のデコイ
90%速マネギがその隙に敵を攻撃する作戦
90%速でも100%速と変わりなく無差別攻撃対象となる際は90%速を80%・70%…と減衰させ微調整
スピレイル・ナトゥア
WIZを使います
帝国と戦うのは猟兵になってから当たり前の日常ですが、なんだか今日は不思議な気分です
私の作ったご飯を『あったかい』『うまい』と言ってくれたひとたちを背中に守って戦っているのだと思うと、いままで以上の力が湧いてきます
召喚した炎の精霊と、精霊印の突撃銃を武器にして戦います
猟兵の仲間たちを【援護射撃】しつつ、相手の隙をついては【捨て身の一撃】を繰り返すとしましょう
「ここでは土がないのでゴーレムさんは召喚できませんが、ゴーレム召喚は本来私の得意技術です。同じゴーレム使いとして、帝国のゴーレムさんには決して負けません」
この先は通行止めです
帝国のゴーレムさん、機関室までは絶対に通しませんよ!
●迎撃開始
エルから敵接近の報を受けた猟兵達は、急ぎ迎撃態勢を整えていた。
「既に機関室に居る以上、向かって来る敵を直接迎撃した方が早そうですね」
クネウスは飛行ドローンを展開すると、通路へと飛ばし索敵を開始する。
一方、管理室にいたエルは、
「船内マップ情報取得/他の猟兵とのリンク開放/情報共有開始」
船内のマップを仲間達に送信しつつ、自身は[空中戦]用バーニアの推進力を適宜噴射し、最短ルートで機関室を目指す。
そして、救助活動を行っていた猟兵達も、エルから送られてきたマップ情報を頼りに、手の空いた者から機関室を目指し駆け出していた。
(「私の作ったご飯を『あったかい』『うまい』と言ってくれたひとたちを背中に守って戦っているのだと思うと、いままで以上の力が湧いてきます」)
スピレイルは、歓声で送り出してくれた避難者達に最後に一瞥をくれると、決意を固めたように機関室目掛け走り始めたのだった。
機関室に向けて通路を行軍していくバトルドロイド達。一糸乱れぬその動きは見事と言えたが、広くもない通路で一塊に行軍するのは、余りにも迂闊過ぎた。
クネウスの放った飛行ドローンのうち1体が、バトルドロイド達の姿を捉える。ほぼ同時にバトルドロイドもドローンを発見し、手にした熱戦銃を構えるが、それよりも速く。
「囮のドローンにかかりましたね。では、機関室から直接狙撃させて貰いましょうか」
クネウスは機関室の扉の影から、“INCORPORATING ARMED FORT「リア・ファル」”による狙撃を敢行した。先制攻撃となるその一撃が、先頭を行くバトルドロイドの頭部を射抜く。バトルドロイド達もすかさず熱線銃で反撃するが、機関室の扉が防壁代わりとなり、クネウスには当たらない。
そして、バトルドロイド達の注意が機関室の方へ向いている隙をついて、エルの操るウイングキャット『マネギ』の群れが、バトルドロイド達に纏わりついていった。
『!?!?!?』
でっぷりと太った猫の群れに取り囲まれ、感情など持たないはずのドロイド達が困惑した様子を見せる。
「電脳超加速/マネギ制御効率50%向上」
真の姿となり、電脳の計算速度を加速させたエルのコントロールで、マネギ達がバトルドロイドを足止めする。
だが、ドロイド達が困惑したのもほんの一瞬だ。マネギの戦闘能力がそれほど高くないと見て取ると、正確無比な射撃を最大戦速100%で攪乱機動するマネギに叩き込む。
「ですが、その動きも想定内です」
数体のマネギが撃破される中、90%速で機動していたマネギが、隙をついてバトルドロイド達に攻撃を加える。
「コード:『ARTEMIS(アルテミス)』。射貫かせてもらいますよ!」
さらに機関室からのクネウスの狙撃が、バトルドロイドに的確に命中し、ダメージを蓄積していく。遮蔽物の影からの狙撃であることに加え、万一にも船体にダメージを与えないよう必中を期して攻撃しているため、手数は少ないが、ドロイド達にとっては充分な脅威だろう。
バトルドロイドのうち後方に位置していた数体が、狙撃に身を晒さないため、或いはマネギの群れを振り切るため、じわじわと後退していく。だが、
「炎の精霊さん。助けてくれない?」
機関室に通じる通路と別の通路が十字に交わる地点まで後退した時。突如別の通路側から飛来した炎の精霊が突撃し、後退しようとしていたドロイドに激突、炎上させた。
スピレイル達、救助活動を行っていた猟兵達が駆け付けてきたのだ。
「時間稼ぎ成功/これより、機関室防衛重点に切り替え」
エルの指示で時間稼ぎに徹していたマネギ達が、今度は守りを主体とした態勢に移る。
「ここでは土がないのでゴーレムさんは召喚できませんが、ゴーレム召喚は本来私の得意技術です。同じゴーレム使いとして、帝国のゴーレムさんには決して負けません」
合流したスピレイル達も防衛に加わり、機関室への道を塞いだ。
「この先は通行止めです。帝国のゴーレムさん、機関室までは絶対に通しませんよ!」
仲間達を援護射撃しつつ、炎の精霊に捨て身の一撃を繰り出させるスピレイル。
バトルドロイド達の進撃は、機関室を目の前にして、完全に停止していた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アルジス・アーリィグロウ
さて、敵さん案外あっさりと直接行動に出たものだな、ゆっくり準備を整える時間はなさそうだ。
迎撃に向かいながら友軍となる猟兵に通信、敵の予想進路と挟撃や有利に迎撃できそうな地点を具申する。
現状可能な限り有利な状況を積み上げたうえで、迎撃開始といこうか。
戦闘の基本はアームドフォート、マシンガンで弾幕をはって牽制、単機で飛び出てきたり動きの鈍った敵がいたらハンドブラスターのクイックドロウをお見舞いする。
「長物だけでこんな閉所での戦闘行為なんてするわけがないだろう?」
(範囲攻撃、援護射撃、零距離射撃、クイックドロウが対応可能技能でしょうか)
さて、流石にこいつらだけで破壊工作なんてできそうにないよ、なぁ。
夜乃・瞳
バトルドロイドにエンジンを壊されるわけにはいかないのです
わたしは、天使の棺を使って機動兵器(戦闘機にキャタピラをつけて更に装甲で覆ったようなもの)を身に纏いエンジンを背後にかばう様にして戦っていくのですよ
でも、流石にここで波動砲やミサイルなんかは使えないのです
機首についている20mm機銃と両舷に搭載された対空迎撃用のファランクスレーザー砲でなるべく船を傷つけないように戦うのです。
フェルト・ユメノアール
いよいよ敵のご登場だね!
ショウマストゴーオン!この戦い、絶対に勝ってみんなを守ってみせるよ!
ボクは【<スペルカード>無人造の機兵】を発動!
このカードは自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する事ができる!
さらに、機兵トークンの効果発動!自身をリリースして、エリア内にいる他の機兵トークン1体の能力をアップする!
ボクは敵と同数の10体の機兵トークンを残し、残る機兵トークンをリリース!
素のトークンとドロイドで1対1の状況を作りだした上で
ボクと合体トークンで1体ずつ確実に各個撃破していくよ
攻撃時はSPDで攪乱、障害物を利用してブラスターを避けつつ
『トリックスターを投擲』して攻撃!
レヴィア・ストレイカー
機関部への誤射に注意しつつ「POW」を活かし戦う。
「やはり、二次攻撃に出たか・・・」
味方や機関部を攻撃させない為に射撃や「フルバースト・マキシム」など派手に攻撃して敵の注意を引きつつ戦い、可能なら味方の行動がし易いように火力支援を行う。
「どうした!そんな攻撃じゃ海兵隊の新兵すら殺せないぞ!」
「自分が援護します!」
また、戦闘中は敵が自爆特攻などの機械ならではの破壊工作にでないか海兵隊での経験を活かして注意し、兆候が見えた際には阻止を図りつつ周りへ周知する
「自分の悪い予感が外れてくれると良いのですが・・・」
負傷者がでた場合は、退避行動の支援または救出を行いその際は多少の被弾覚悟で行動する
●包囲殲滅
「敵さん案外あっさりと直接行動に出たものだな、ゆっくり準備を整える時間はなさそうだ」
エルの後を追って管理室を飛び出したアルジスは、救助活動を行っていた仲間達と示し合わせ、十字路部分でバトルドロイド達を挟撃することに成功していた。
「さあ、迎撃開始といこうか」
アルジスのアームドフォートが火を噴き、バトルドロイドを吹き飛ばす。
「いよいよ敵のご登場だね! ショウマストゴーオン! この戦い、絶対に勝ってみんなを守ってみせるよ!」
一方、十字路の反対側では、救助活動を終え駆け付けたフェルトが、どこからともなく取り出したスペルカードを構えていた。
「【<スペルカード>無人造の機兵】を発動! このカードは自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する事ができる! さらに、機兵トークンの効果発動! 自身をリリースして、エリア内にいる他の機兵トークン1体の能力をアップする! ボクは敵と同数の10体の機兵トークンを残し、残る機兵トークンをリリース!」
まさに呪文の如き口上で、召喚した機兵の内、素の能力のままの10体をバトルドロイドに1対1になるよう向かわせる。
「やはり、二次攻撃に出たか……」
同じく救助活動後に合流したレヴィアは、会敵と同時に装備した全武装を構え、一斉射で全てのバトルドロイドへ攻撃を仕掛けていた。ダメージを与えることももちろんだが、ドロイド達の注意を引き付け、味方や機関部に攻撃が向かないようにするのが最大の目的だ。
「どうした! そんな攻撃じゃ海兵隊の新兵すら殺せないぞ!」
ドロイドにどこまで効果があるかは分からないが、挑発の言葉も織り交ぜながら味方の行動がし易いように火力支援を行うレヴィア。
三方からの攻撃に晒され、バトルドロイド達が1体、また1体と倒れていく。そして、その数が残り5体となった所で、突如ドロイド達の動きが変わった。
『バトルスイッチ、オン。【超戦闘モード】発動』
機械音声が響き渡ると同時に、バトルドロイド達の装甲が赤く変化する。そして、それまでの動きとは段違いの速度で熱線銃を発射。それぞれ対峙していた機兵を一瞬で破壊した。
「うそ!? 性能が上がった!?」
瞬く間に手駒を減らされたフェルトが、驚愕する。
「性能が上がったというより……暴走してるのか!?」
バトルドロイド達が乱射する熱線から身をかわしつつ、アルジスが舌打ちした。アルジスがそう判断したのは、バトルドロイド達の攻撃が、仲間のドロイド達が傷つくことも厭わない無差別攻撃に変化していたからだ。
その中から1体のドロイドが、自身が傷つくことも恐れずに、機関室へ向けて突撃していく。
「まさか、自爆特攻する気では!? 自分の悪い予感が外れてくれると良いのですが……」
レヴィアが突撃するドロイドの動きを封じるようにその足を目掛けてM56スマートガンを放ちつつ、仲間達に警告を発する。
「エンジンを壊されるわけにはいかないのです!」
機関室で防衛線を張っていた瞳が、意を決したように機関室から飛び出した。
「サイバーコネクトシステム《天使の棺》接続なのです」
そして、戦闘機にキャタピラをつけて更に装甲で覆ったような形状の機動兵器をその身に纏い、特攻してくるドロイドの前に立ちはだかる。
「流石にここで波動砲やミサイルなんかは使えないのです。けど!!」
瞳は機首に搭載された20mm機銃と両舷に搭載された対空迎撃用のファランクスレーザー砲をバトルドロイドに向け、集中砲火を浴びせた。その攻撃で脚を吹き飛ばされたドロイドだったが、それでも這うように機関室目掛け進みながら、立ちはだかる瞳に熱線銃の連射を浴びせる。
「うっ! でも、この程度では退けないのです」
守りを固める瞳。だがドロイドがそれ以上先に進むことはなかった。バトルドロイドの背後に迫っていたアルジスが、ハンドブラスターのクイックドロウでその頭部を吹き飛ばしたからだ。
「長物だけでこんな閉所での戦闘行為なんてするわけがないだろう?」
そう言うとアルジスは背後を振り返った。
暴走したといっても既に相当の損傷を受けていたバトルドロイド達は、一体、また一体と活動不能に追い込まれている。
「さあ、これでフィナーレだよ!」
フェルトの投げた投擲用ダガー“トリックスター”が、最後のドロイドの胸部を貫く。
猟兵達は、バトルドロイド達の攻撃からメインエンジンを守り切ったのだ。
成功
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エメラ・アーヴェスピア
さて…それじゃあ直し終わったし犯人の情報を…あら、どうやら先を越されてしまったようね
既に戦闘中…ここが相手の目標地点かしら
ただ…いつ目標を変えるかわからないし、増援からの奇襲も考えると…一応、私は敵の反応を探し、追跡するわ
(【情報収集】【失せ物探し】【追跡】)
まぁ…戦闘を完全に任せる訳にもいけないわね
『この場は既に我が陣地』、配置は出入り口を半包囲
狙いは出入り口、わざわざ入ってきた敵を集中砲火よ
ここが最終防衛ライン、抜かせるわけにはいかないわ
(【一斉発射】【拠点防御】【地形の利用】)
まぁ、どちらの仕事も無かった方が安全
私の杞憂で終わればいいのだけどね
●黒い影
バトルドロイド達と猟兵達が機関室前で激戦を繰り広げていた頃。
「さて……それじゃあ直し終わったし犯人の情報を……あら、どうやら先を越されてしまったようね」
1人エンジンの最終チェックを続けていたエメラは、今更ながらに戦闘の真っ最中であることに気が付いた。
「既に戦闘中……ここが相手の目標地点かしら」
敵の目的がエンジンの破壊であるのなら、当然この機関室を狙ってくるだろう。
「でも……いつ目標を変えるかわからないし、増援からの奇襲も考えると……」
エメラは念のためにと、船のネットワークにアクセスし、敵の反応を探し始めた。
「……ん? この機関室には、外から通じる点検口があるのね。まさかとは思うけど」
人が立って歩くことも出来ない狭い点検口だけに、監視カメラも設置されていない。気になったエメラは、点検口に魔導蒸気砲台を向かわせた。
『ほう……ここに気付く者がいたとはな』
「!?」
次の瞬間、偵察に向かわせていた魔導蒸気砲台と共に、点検口の入り口が弾け飛んだ。そして、黒い人影が点検口から飛び出してくる。
「あなたは!!」
『我が名はザルーゴー。恐怖と絶望を司る栄えある帝国騎士である』
黒き仮面と装甲に身を固めた帝国騎士が、尊大な態度で応じる。
「銀河帝国の騎士様が、点検口を這い進んできたのを想像すると、笑えるわね。でも、ここは既に、私の砲撃陣地よ」
エメラの前方に展開していた魔導蒸気砲台が一斉に火を噴き、ザルーゴーを狙い撃つ。だがザルーゴーは、妖しきオーラを纏った剣を神速の速さで振り回し、全ての銃弾を弾き返してしまった。
『愚かなり、女よ。貴様一人で、帝国騎士である我を止めることができると思っているのか』
ザルーゴーの嘲笑に、しかしエメラもまた、笑みで返す。
「愚かなのはあなたよ。私は一人じゃない。多くの仲間達がいる」
『む?』
エメラがザルーゴーの相手をしている間に、バトルドロイド部隊を壊滅させた猟兵達が駆け付け、いつの間にかザルーゴーを取り囲んでいたのだ。
『役立たずのドロイドどもめ。囮の役目すら十分に果たせぬとは。仕方あるまい、我が直々に、汝らに恐怖と絶望を与えてやろう』
圧倒的に多勢に無勢と呼べる状況下で。しかしザルーゴーは不敵にそう言い放ったのだった。
成功
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第3章 ボス戦
『帝国騎士』
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POW : インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD : ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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エメラ・アーヴェスピア
どうやら、備えておいて正解だったようね
そして…良くもまぁ私の砲弾を軽く弾き飛ばしてくれたわね
倒れるまで撃ち込んでやりたい所だけど…そうも言っていられないかしら
再展開、『この場は既に我が陣地』。ただし配置はエンジン前に立つ私の前へ壁の様に
他の同僚さん達が全力で戦えるように、防衛は受け持ってあげる…だから、頑張りなさい
エンジン狙いの旗や飛ぶ斬撃はわざと一台砲台を当てる事で追加効果を無効に
他の行動は近づかせないように撃つことで封じるしかないわね
あぁ、それと他の同僚さんが相手の隙を必要とするなら援護するわよ?
自分への攻撃は浮遊盾、お願い
(【援護射撃】【一斉発射】【拠点防御】【盾受け】【地形の利用】)
フェルト・ユメノアール
本命のご登場だね
キミみたいに平和を乱す悪党はボクたちが許さないんだから!
敵の動きから考えて、中途半端な攻撃じゃかわされるのがオチかな
だったらボクは【<ユニットカード>SPフォーチュンマリオネッター】を召喚!
そして、フォーチュンマリオネッターの効果発動!
このカードは攻撃できない代わりに敵ユニット1体を選択し、そのユニットに対して有効な効果を持つ傀儡トークン1体を召喚する事ができる!
電撃と斬撃に対して有効な白い耐電ラバースーツに身を包み剣を携えたヒーローのような傀儡で敵を攻撃
そして、ボクはSPDでみんなの援護
接近されたら終わりだから『トリックスターを投擲』しつつ距離をとって攪乱、攻撃の妨害を狙う
クネウス・ウィギンシティ
「敵の指揮官のお出ましですか、エメラさんが見つけてくれた以上、奇襲は成立しません」
既に機関室に居る・敵発見済みなので以下の内容で攻撃します。
【POW】
・UC:ZERO-DISTANCE SHOOT
・技能:先制攻撃、零距離射撃
「この距離ならば、回避は出来ないでしょう」
敵がPOW UC「インペリアルブレイド」を放つ場合は、自前のフォースセイバーで斬撃・爆破を軽減し(【武器受け】)、互いを「念動力の鎖」で繋いで貰います。
一対一ではないので、私を繋いでいる間、他の味方に対して隙が生まれるかも知れません。
「鎖で繋いで貰って悪いですが、これで『逃がしませんよ』」
●先制
「指揮官自らのお出ましですか。ですがエメラさんが見つけてくれた以上、そちらの奇襲は成立しません」
クネウスが挑発するように帝国騎士ザルーゴーに告げると、
「キミみたいに平和を乱す悪党はボクたちが許さないんだから!」
フェルトもスペルカードを構えて、ザルーゴーをにらむ。
「良くもまぁ私の砲弾を軽く弾き飛ばしてくれたわね」
エメラは魔導蒸気砲台を配置し直し、陣地を再構築。メインエンジンを守る位置に布陣した。
他の猟兵達もそれぞれにザルーゴーの攻撃に備え身構える中、しかしザルーゴーは余裕の態度を崩さない。
『数が多いな。汝らを皆殺しにするのには、少々時間がかかりそうだ』
言うや、ザルーゴーはゆっくりと手にした光剣『インペルアルブレイド』を構えた。
(「倒れるまで撃ち込んでやりたい所だけど……そうも言っていられないかしら」)
先制攻撃を加えたいところをぐっと抑えて、エメラは守りを固める。いざとなれば、魔導蒸気砲台を犠牲にしてでも仲間達を守り切る覚悟だ。
『では行くぞ』
ザルーゴーが、インペリアルブレイドを神速で一閃。だがその一撃を、クネウスは待ち構えていた。フォース・ガンブレードでインペリアルブレイドを受け止める。
『ほう、この一撃を受けとめるとは。だが真の恐怖はこれからだ』
ザルーゴーはそのまま勢いを殺さずにクネウスのフォース・ガンブレードを弾くと、念動力の鎖で剣と剣を縛り付けた。
『これで汝は我から逃げられぬ』
一旦距離を置いてから、インペリアルブレイドを振るい、念を込めた衝撃波を放つ。
「ぐうっ!」
その一撃はクネウスに直撃するが、クネウスは倒れそうになるのをぐっと堪え、機械化された腕で念の鎖を掴んだ。
「鎖で繋いで貰って悪いですが、これで『逃がしませんよ』」
『何?』
ザルーゴーが戸惑いの色を見せた直後。
「動きが停まった今が好機だね! ボクは【<ユニットカード>SPフォーチュンマリオネッター】を召喚! そして、フォーチュンマリオネッターの効果発動! このカードは攻撃できない代わりに敵ユニット1体を選択し、そのユニットに対して有効な効果を持つ傀儡トークン1体を召喚する事ができる!」
フェルトが召喚したのは、白い耐電ラバースーツに身を包み剣を携えたヒーローのような格好の傀儡人形。その人形が、剣を振りかぶりザルーゴーに斬りかかる。
『愚か。人形如きに我は斬れぬ』
その斬撃を、軽々とインペリアルブレイドで受け止めるザルーゴー。だがその隙に、クネウスが鎖を手繰り寄せるようにザルーゴーの懐に飛び込んだ。
「この距離ならば、やれるはずだ。【ZERO-DISTANCE SHOOT】!!」
そして、内蔵火器「リア・ファル」を、零距離でザルーゴーに叩きこむ。
『馬鹿な
……!?』
ついにザルーゴーが、よろめく。
「隙をつくるなら、今ね。援護するわよ?」
すかさずエメラが砲台による一斉射を浴びせ、
「だったらボクも!」
さらにフェルトが撹乱するようにトリックスターを投擲する。
致命的な隙が、ザルーゴーに生じた。
成功
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エル・クーゴー
●真の姿
フォートから大量の銃身・砲身を孔雀の羽の如く展開
『敵指揮官捕捉』
『徹底殲滅モードに移行』
『遠距離戦闘担当、躯体番号L-95』
『――ワイルドハントを開始します』
●POW
交戦地帯へは徒歩で進入
タスク1:敵に確実なる損耗を
タスク2:流れ弾による室内の毀損の回避
適解の算出を完了しました
セレクト>ファイアワークス・ドライブ、命中率重視形態
当該躯体は射撃戦に高い殲滅力を発揮します
友軍の攻撃・防御・間合い調整の機を適宜拓くべく[援護射撃]を敢行
本機が念動力の鎖に繋がれた際は、ここで潜めていた飛行用バーニア展開[空中戦]に移行
三次元機動を繰り広げつつ射撃戦続行
繋がれている事を逆手に取り敵を振り回します
アルジス・アーリィグロウ
ま、案の定、といったところか。
取り囲んでいる状況なのはいいが、飛び道具を撃ちまくれる状況とはとても言えないな。
でも何とかしなければならないのが辛い所だ。
戦闘はPOW基準
まずはサイバーアイに照準システムを直結させたアサルトマシンガンのシングルショットを丁寧に当てて実弾の衝撃による足止め目的の援護射撃を
(援護射撃、スナイパー、衝撃波あたりが該当する技能でしょうか)
念動力の鎖でつながれたらしめたもの、手繰り寄せながら突っ込んでヴァリアブル・ウェポン(今回は大きな一発目的の攻撃力重視)でもある展開型格闘用クローでそのまま掻っ捌きにいきます。
「こういう不意討ちは、初見相手には結構効果的、てね。」
レヴィア・ストレイカー
敵の余裕ぶりから敵が隠し玉的な行動があると考えて、攻撃の際には深追いはせずに警戒しつつ民間人に危害を加えた帝国騎士にM56スマートガンで怒りの銃撃を浴びせる。
「騎士道精神が無いお前は騎士より愚劣なテロリストの方がお似合いだ!」
敵の素早い行動にはガンヘッドバラージやUA571セントリーガンの「範囲攻撃」を駆使して確実なダメージ又は敵の行動の阻害を狙う
「早い・・・だが、海兵隊の装備と戦術を侮るなよ!」
味方の行動の際にはM56スマートガンの「援護射撃」で行動を支援する。
「自分が制圧射撃で援護します」
●帝国の底力
「敵指揮官の戦力低下確認」
エルは、ここが最大の好機と判断し、真の姿に変貌する。L95式アームドフォートから、大量の銃身・砲身を孔雀の羽の如く展開。
『徹底殲滅モードに移行完了/遠距離戦闘担当、躯体番号L-95/――ワイルドハントを開始します』
そして全砲門をザルーゴーに向け、集中攻撃を浴びせる。
「取り囲んでいる状況、さらに相手が態勢を崩しているのはいいが、飛び道具を撃ちまくれる状況とはとても言えないのがつらいな」
アルジスの言う通り、エルも全ての砲門による一斉射は行えないでいる。味方にも被害が及ぶ可能性、さらに機関室内をも破壊してしまう可能性があるからだ。
アルジスは堅実に、サイバーアイに照準システムを直結させたアサルトマシンガンのシングルショットを丁寧に当てていく。
「騎士道精神が無いお前は騎士より愚劣なテロリストの方がお似合いだ!」
レヴィアも、M56スマートガンで怒りの銃撃を当てていった。
猟兵達からの集中砲火に晒されたザルーゴーは、耐えきれずにその場に膝をつく。
『……貴様ら』
銃撃に無防備に晒されながら、ザルーゴーは低い声で唸った。そして、いきなりその場で立ち上がると、
『帝国騎士に対して、不敬であろうがーッ!!』
そう叫ぶと共に、念動力で巨大な帝国旗を生み出し、その旗を振り回す。
その一振りで、旗に当たった銃弾がすべて無力化されたように弾き飛ばされ、さらにザルーゴーに接近していた猟兵達が一斉に吹き飛ばされた。
『この宇宙は、すべからく我ら銀河帝国の領土である。ならばこそ、この船も汝らの命も全て、銀河皇帝のものであると知れ!!』
立ち上がったザルーゴーは、心なしか先ほどより殺気が増しているように見える。
思わず気圧される者もいる中で、エルは沈着に戦況を分析していた。
「適解の算出を完了しました/セレクト>ファイアワークス・ドライブ、命中率重視形態」
そして、味方の士気を高めるように、ザルーゴーの損耗を第一とした射撃を開始する。
『愚かしい』
ザルーゴーは、先程魔導蒸気砲台の銃弾を弾き返したように、光剣を素早く振るって銃弾から身を守っていたが、
「早い……だが、海兵隊の装備と戦術を侮るなよ!」
レヴィアはガンヘッドバラージとUA571セントリーガンによる同時射撃で、さらにザラーゴーを守勢一方に追い込んでいった。
そして、ザラーゴーが光剣を守りに使ったことで生じた間隙に、アルジスが右腕の拳を握り締め突撃していく。剣の間合いよりも更に短い、拳の間合い。
『馬鹿め、見切っておるわ!』
ザラーゴーは紙一重の動きでその攻撃を回避しようと動く。だが、
「自分が制圧射撃で援護します」
M56スマートガンに持ち替えたレヴィアの援護射撃が、ザラーゴーの動きをわずかだが鈍らせる。その隙に、完全にザラーゴーの間合いの内に入るアルジス。
「こういう不意討ちは、初見相手には結構効果的、てね」
次の瞬間、アルジスの右前腕が、真っ二つに裂けた。そして、瞬く間に白兵戦闘用大型鉤爪に変形。その鉤爪が、ザラーゴーを挟み込んだ。
『なん……だと!!』
アルジスが、サイボーグのパワーを活かして、ザラーゴーの体を持ち上げていく。
そして身動きのできないザラーゴーに、飛行用バーニアを展開したエルが、空中から射撃を浴びせていった。
決着はついたかと思われたその時。
『我にこの力を使わせるとはな……』
ザラーゴーの全身が、鮮血の如き禍々しいオーラに包まれた。そのオーラの圧が、大型鉤爪をこじ開け、ザラーゴーは瞬時に鉤爪から脱出。距離を取ろうとしたアルジスに赤黒い電撃を浴びせた。
『ダークフォースを纏った我は無敵。さあ、汝らに真の恐怖と絶望を味合わせてやろう』
ザラーゴーの最期の反撃が、始まろうとしていた。
成功
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スピレイル・ナトゥア
「恐怖と絶望を司る騎士ですか。ちゃんちゃらおかしいです。恐怖や絶望なんかよりも、『あったかい』や『うまい』を与えたほうがよっぽど人生楽しいですよ。まあ、オブリビオンであるあなたにこんなことを言っても、理解できないのでしょうけど」
破壊活動に精を出すぐらいなら、原理が失われてしまってもう量産できないコアマシンの復元にでも精を出して欲しいものです
まあ、そんなことしてくれるわけもないので、精霊印の突撃銃で仲間たちを【援護射撃】しつつ、隙をついて部族の信仰のシンボルとしてではない本物の『精霊の眼』を開いて『蒼色の螺旋』を放つという十八番の戦法を披露するとしましょう
民間人さんたちの笑顔を力に変えて戦います
夜乃・瞳
引き続き、天使の棺を使って機動兵器状態で戦うのです
ダークフォース、アレを仕留めるのは並大抵の攻撃じゃ無理そうなのです
でも、やっぱりここで波動砲を撃つのは不味いのですよ
それは本当に最終手段なのです。
引き続き、機銃や対空レーザーファランクス砲で味方を助けるべく援護射撃を続けるのですよ
さらに、もしチャンスがあるようなら体当たりからの機銃と対空レーザー、更に私の装備であるマンボウさんからの一斉発射で大ダメージを狙うのです
●恐怖と絶望を超えて
『恐怖せよ! 全宇宙を統べる銀河帝国の闇の力に!!』
ザラーゴーが、念動力を練り上げて顕現させた帝国旗を振るい、猟兵達をなぎ倒し、
『絶望せよ! 成す術もなく倒れ伏すしかない自らの実力に!!』
ザラーゴーがインペリアルブレイドから放った黒い衝撃が、猟兵達を切り裂いていく。
『崇拝せよ! 再びこの宇宙を統べる銀河帝国の栄光を!!』
猟兵達の銃撃を、斬撃を、闇のオーラがはね返す。
絶対的な力を誇示しつつ傲然と猟兵達を睥睨するザラーゴーに、しかしそれでも猟兵達は立ち向かっていった。
「ダークフォース、アレを仕留めるのは並大抵の攻撃じゃ無理そうなのです」
瞳は、バトルドロイド戦に引き続きサイバーコネクトシステム《天使の棺》と接続した機動兵器状態で、ザラーゴーに挑んでいく。機銃と対空レーザーファランクス砲が火を噴き、ザラーゴー身を覆うダークフォースに波紋を生じさせた。
『だが、無意味だ』
ザラーゴーの振るったインペルアルブレイドが《天使の棺》を切り裂き、《天使の棺》から激しく火花が上がる。
「いえ、無意味ではなかったのです」
『何?』
「いま真の眼を開きましょう。私は運命を視る忌み子。何人たりともこの御手からは逃れられない……!」
ザラーゴーの意識が瞳に向いている隙に、普段は封じられているスピレイルの『精霊の眼』が開いていた。
『愚かな。それが何だというのだ』
「あなたのその闇のオーラは、自らの寿命を代償に発動しているものと見ました。ならば、この【蒼色の螺旋】の力なら」
スピレイルの『精霊の眼』が、ザラーゴーに向けられる。次の瞬間、蒼い螺旋の形を取り可視化されたザラーゴーの“運命”が、ザラーゴーに絡みつくように高速で回転していった。
『これは!?』
「それがあなたの運命。あなたの寿命を削る速度を加速させます」
蒼い螺旋が回転するのに合わせ、ザラーゴーを覆う闇のオーラが薄れていく。
「これなら、攻撃が通用するのです」
瞳が、機種を再びザラーゴーに向けた。
「でも、やっぱりここで波動砲を撃つのは不味いのですよ。ですから、これでいきます!」
《天使の棺》がブースターを全開放し、最高加速度で一気にザラーゴーに突撃していく。
『ぐうっ!!』
避けきれずに体当たりをくらったザラーゴーに対し、密着状態で機銃と対空レーザーを一斉射。さらにトドメとばかりに4体の近接防衛用ドローン甲型【マンボウさん】が口からレーザーを放つ。
『ふざけおって! このようなもので!!』
瞳の総攻撃で身に纏う黒い装甲に無数のヒビを生じさせながらも、ザラーゴーは暗黒の念の結晶である帝国旗を振り、マンボウさんを叩き落とし瞳を押し返す。
『恐怖こそがこの宇宙の真理! 絶望こそがこの宇宙の掟!! 貴様らがどれだけあがこうと、変えることなどできはせぬ!!』
「恐怖と絶望ですか。ちゃんちゃらおかしいです。恐怖や絶望なんかよりも、『あったかい』や『うまい』を与えたほうがよっぽど人生楽しいですよ。まあ、オブリビオンであるあなたにこんなことを言っても、理解できないのでしょうけど」
スピレイルが、ザラーゴーを真っ向から否定する言葉を返した。スピレイルを後押しするのは、救助した民間人たちの見せた笑顔。それが、スピレイルに力を与える。
「私には見えます。あなたの運命が、既に尽きているのが」
『ふざけるな! 栄光ある帝国騎士である余が、このようなところで終わるはずがない!!』
だが、確かにザルーゴーには見えていなかったのだ。スピレイルの言葉に気を取られるあまり、他の猟兵達の動きが。
「さあ、これで決着なのです」
瞳を始めとした猟兵達が、構えた武器による一斉攻撃をザルーゴーに浴びせる。
スピレイルの【蒼色の螺旋】でダークフォースを無力化されていたザルーゴーに、その総攻撃を耐えきれるだけの力は最早、残されていなかった。
『この余が、敗れるとは……。だが、恐怖と絶望のある限り、銀河帝国は滅びぬ! 過去の記憶と共に、何度でも蘇るのだ!!』
ザルーゴーの黒い装甲が砕け散る。その内部から黒い負のオーラが霧のように吹きだすが、それも一瞬のこと。霧が晴れた時、そこには装甲の残骸が遺されているのみだった。
「残念ながら、この世界には恐怖と絶望を上回るものがあるんですよ」
スピレイルがそう呟いた時、大きな歓声が機関室に響き渡った。
船の各部から駆け付けてきた船長を始めとした船員達。目を覚ました整備クルー達。そして少しでも猟兵達の力になりたいとやってきた、工業区画で救出された民間人達。
彼らの恐怖に打ち克つ強い心と希望こそが、帝国に対抗する力となるのだ。
その事実を再確認すると、猟兵達は危機を乗り越えたスペースシップを、惜しまれつつ後にしたのだった。
大成功
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