ぷかぷかふよふよ、空をゆく。
ざぁんばしゃぁん、水をかく。
夜空を揺蕩う海月と、水で微睡む古代魚──。
●
「アルダワの迷宮、って、いろんな地形、ありますねー……」
クラゲと魚のぬいぐるみを並べて、寧宮・澪(澪標・f04690)が話し出す。
「地下迷宮から、災魔……オブリビオンが、侵攻して、来てるんですよー……魔法学園の、生徒さんにはー……荷が重いので、倒すお手伝い、お願いできますかー……?」
クラゲのぬいぐるみを手に持ち、
「迷宮内を漂っているくらげを倒してー……」
魚のぬいぐるみを指して、
「迷宮の、水のあるフロアまで上がってきた……古代魚型、オブリビオンを倒して、ください、なー……」
生徒が迷宮に入る前に攻略できるよう送るので、生徒について考慮しなくて良い。
迷宮は迷うほど複雑でないが──。
「夜みたいな、迷宮、でしてー……」
壁や天井が仄かに星のように輝いていたり、場所によっては時折月光のような光が差し込んでいたりする。
街灯のように浮かぶ魔法の明かりがそこかしこにあるので、ランプなどを持っていなくても視界は確保できる。
ただようくらげを倒しつつ奥へ進んでいけば、古代魚のいる水のあるフロアまでたどり着ける。
古代魚は水中にいるが、フロアには通路が張り巡らされており、猟兵の移動や攻撃、ユーベルコードは問題なく届くので心配ない。
もちろん泳いで攻撃するのも構わない。
「無事倒しましたらー……魔法学園でやってる、星巡り、見て帰りましょー……」
蒸気機関と魔法が生み出した、星空を立体投影する特別室。
重力も曖昧にされたその場所では星の海を泳ぎながら、幻影の星あかりに触れることができる。
自分で幻の星を生むための魔法もその場で教えてもらえる。
「ふわふわ、揺蕩うのも……すいすい、泳ぐのもいいですしー……捕まえたり、自分で星座作ったり、もいいですねー……」
今度はどこからか取り出した真鍮製の天球儀を回してゆらゆら揺れつつ、澪は一音、謳って。
「夜に浮かぶくらげと、海の古代魚……ちょっと、幻想的かも、ですねー……では、よろしくお願いします、ねー……」
淡い青と黒の線が迷宮への道を紡いだ。
霧野
夜のような水族館が好きです。
よろしくお願いします。霧野です。
迷宮をただようくらげを倒して奥に進み、
ボスの古代魚型オブリビオンを倒して、
飛んで星空を楽しめる施設で遊んで帰る。
そんなシナリオです。
皆様のプレイング、お待ちしております。
●シナリオについて
一章:迷宮内をただようくらげを倒します。集団戦です。
くらげは空中をふよふよしていますが、攻撃や武器は自由に届きます。
二章:水のあるフロアで古代魚型オブリビオンを倒します。ボス戦です。
ボスは水中にいますが問題なく攻撃が届きます。
三章:蒸気機関と魔法が生み出した、星空を立体投影する特別室で、空中と星空を楽しみます。こっそり澪もおります。お声がけいただいたら登場させていただきます。
●複数人で参加される方へ
どなたかとご一緒に参加される場合、プレイングに「お相手の呼び名(ID)」を。
グループ参加を希望の場合は【グループ名】をご記入いただけると、助かります。
●アドリブなどについて
結構アドリブやお一人参加でも、他の方との絡み多めかもしれません。
以下の記号はプレイングの文字数削減としてプレイングの頭にご利用下さい。
◎ アドリブ歓迎・絡み歓迎。
△ アドリブ歓迎・絡みNG。
× アドリブNG・絡みNG。
第1章 集団戦
『ふよふよくらげ』
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POW : ふよふよ、とうめいになる
全身を【うっすら透明っぽい姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ふよふよ、ぴゅーっとする
【空中をふよふよすること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【口から噴き出した水】で攻撃する。
WIZ : ふよふよ、しびしびする
【ふよふよした全身】から【高圧電流】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
●星空迷宮
グリモア猟兵が作った道をくぐり抜けるて、迷宮の入り口に立つ。
迷宮を構成する壁や天井に輝く鉱石が含まれているため、地下迷宮なのに星空のように見える。
ところどころ明るいのは、魔法の明かりだろうか。
たまに雲の切れ間から月光がさすような、ほの白い光が迷宮を照らす。
そんな煌めく壁や天井、明かりを透かすようにくらげがふよふよ、たゆたっていて。
ファリド・ローズブレイド
◎ 【ミラン(f10316)】
※褒める時や甘やかす時は「はちみつちゃん」と呼ぶ
※普段はミランかミルーシェニカ(気分による)
・心情
なんだかとても幻想的だね。
私の愛し子と出会ったときを思い出すよ。
・戦闘
「さぁ、私の愛し子、ミルーシェニカ、共にいこうか」
私は戦闘をしたことがなくてね…
ミルーシェニカと、他にも猟兵たちがいるだろう。
その人達の補助として動くとするよ
練成カミヤドリであれば、手数は確保できるだろうし、皆が攻撃しそこなったり逃げだしそうなものに攻撃をしかけるとしよう
近づいてきた敵には獣奏器(竜笛)で攻撃するとしようかな
ミラン・ローズブレイド
◎ 【ファリド(f10313)】
ファーラ様と呼ぶ
・心情
ファーラ様が言うからきてみたけれど…
夜……そうか、ファーラ様にとって…
・行動
他の猟兵もいるよね…出来れば皆と協力していきたいね
ファーラ様は戦闘は初めてだし、出来るだけファーラ様のお傍に
「えぇ、ファーラ様。貴方の御心のままに……」
俺の祈り、俺の命。
ファーラ様を守りつつ先へ進もう
鈴蘭の嵐ならば複数体巻き込めるし、ファーラ様と合わせれば数多くの敵を巻き込めるでしょう。
少しは他の猟兵の役にたてるといいんですけどね
●追想
(なんだかとても幻想的だね。私の愛し子と出会ったときを思い出すよ)
ファリド・ローズブレイド(科戸風・f10313)は彼の愛し子、ミラン・ローズブレイド(羽風・f10316)と出会ったときのことを思い出す。
闇に煌めく小さな星々に淡い魔法の光。
幻想的な風景に、たったひとりの小さな手を握りしめた、そんな過去の記憶が喚起されたのだろうか。
共にあるミランは壁に含まれる鉱石を眺めながら、彼を孤独から連れ出してくれたファリドを思う。
(ファーラ様が言うからきてみたけれど…夜……そうか、ファーラ様にとって…)
彼を「愛してくれた」ファリドにとって、夜は──。
「さぁ、私の愛し子、ミルーシェニカ、共にいこうか」
「えぇ、ファーラ様。貴方の御心のままに……」
思考の海に沈みかけたミランに、ファリドの声が届いた。すぐに応えを返す。
(ここは迷宮、油断はできない。戦いは初めてのファーラ様を守るため──できるだけ傍に)
故にミランはファリドの隣に並び立つ。
「ありがとう」
「はい」
自分を守ってくれるのであろう、優しい愛し子にファリドは微笑み、それにミランも笑みを返す。
それから視線を奥に移して、他の猟兵が奥に進んでいくのを追うように彼らも足を進めたのだった。
●鈴蘭と煙管
少し奥へと歩けばふよふよ浮いたくらげのちいさな群れと遭遇した。
星のような煌めきや、魔法の明かりを透かしてただようくらげのいる光景は物語の中のよう。
けれど、彼らはオブリビオン。
人が生きる此岸とは相いれぬ、彼岸のもの。
さて、ファリドとミランを見つけたくらげが興味を抱いたのかそばに寄ってきた。
「戦闘は、初めてなんだよね……」
「大丈夫です」
周りの猟兵達もくらげと遭遇したようで、辺りはやや騒がしくなっている。
初の戦闘に少し不安げな白皙の麗人を背にかばうようにしながら、蜂蜜の瞳の少年は星屑乃祈願を手に乗せた。
星屑を閉じ込めたネクロオーブが、闇にも鮮やかな鈴蘭に変わり──ミランを中心とした風に乗って辺りへ舞い広がった。
ミランの祈りであり、命である大切な父親、大事な存在であるファリドを守りたい。
そんな祈りを抱いた鈴蘭の花びらに包まれたくらげは、静かに消えていく。
鈴蘭の嵐の範囲から流されるままたゆたい、逃がれそうなくらげは、ファリドの錬成カミヤドリ──彼の本体である優美な真鍮色の煙管の、意のままに動く分身に押され阻まれ、逃げることは叶わない。
「おっと」
「ファーラ様」
鈴蘭を耐え、煙管からも逃れたくらげがふよふよただよい、ファリドに向けてぴゅーっと水を出した。
ファリドは舞うような軽い身のこなしで避け、龍笛でくらげを払う。
ぷよん、と柔らかい手応えでくらげは簡単に打ち払われれ、そのまま鈴蘭の嵐に包まれた。
「ありがとう、はちみつちゃん。助かったよ」
「お怪我がなくてよかったです」
二人の連携により辺りにいたくらげは一掃され、星屑の夜に溶けるように消えていく。
近くの猟兵が助かった、とでも言うように手を上げたり、目礼を二人に投げかけ、先に進んでいった。
二人も頷きや目礼で答えて。
「少しは役立てたでしょうか」
「きっとね。さあ、先に進もうか」
白と黒の髪の親子は、夜の迷宮の更に奥へと足を踏み出した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リダン・ムグルエギ
◎
アタシね、色んな世界の珍しい景色を見るのが趣味なの
いいわよね、夜と星と水
好みのデザインだわ
ま、準備なしに満喫とは行かないわよね
事前に防具改造アートで催眠模様を織り込んだフードを複数作るわ
織り込むのは見た人の視覚を操り着用者を『ふよふよくらげ』だと誤認させる模様
くらげも同士討ちはしないでしょ多分
これを着て、一切戦わずに
散策したり海月を至近距離から撮影する
これが今回のアタシの作戦(デザイン)よ
他の人にもフードを配るわ
奇襲の足しになるんじゃない?
スマホで撮影しつつのんびり散策
攻撃しないからこそ見れるステキな光景もありそう
他の人が戦うならその光景も眺めましょ
攻撃されたら…諦めて逃げ回るわ
たーすけてー
エスチーカ・アムグラド
◎
くらげがふよふよ!確かに幻想的な光景!
でもでも、相手はオブリビオン……ここでは災魔だっけ?
奥に進むためにもしーっかり倒さないと!
向こうがふよふよならチーカはふわりひらりと戦うんだから!
くらげにも目……って、あ、あるみたい!それに口も!
こっちの姿が見えるなら注意を引いて誘導!回避に専念しながら、一か所に集めるようにぐるぐる飛んで、他の皆さんが攻撃しやすくなったらいいなって!【おびき寄せ+空中戦】
電流はちょーっと怖いけど、怖気づいてちゃ剣士は務まらないもの!
この剣を握っていると勇気が湧いてくるから、最前線も怖くない!【勇気+鼓舞】
集めた後は花の刃で一網打尽!【範囲攻撃+属性攻撃】
霧亡・ネリネ
◎
(そこらじゅうがキラキラで、光るもの好きとしてはすごくいい景色)
きらきら星空に、ふーよふよ、ふよふよ
……んむ、くらげさんもキレイなだけならよかったのだが
あぶないから、しっかり倒すぞ
*
WIZ能力を重視
人形のフリューゲルを起こして、戦いに移るのだ
……おお、ライトあびたようにキラキラだ……
これは張り切らねば♪
動きときらきらで《おびき寄せ1≫、人形の手で確実にぱちんと叩いていくぞ(《諧謔》)
しびしびが沢山伝わってこないよう、ぱちんと叩いたらすぐ手を退くよう動かそう(《逃げ足2》)
間に合わなくてびりびりしても、軽く済むように魔術を使うのだ(《オーラ防御4丁目》)
●幻想海月
「きらきら星空に、ふーよふよ、ふよふよ」
「くらげがふよふよ!確かに幻想的な光景!」
「いいわよね、夜と星と水」
きらきらに溢れたこの場で、霧亡・ネリネ(リンガリングミストレス・f00213)は踊るような足取りで辺りを巡り。
エスチーカ・アムグラド(Espada lilia・f00890)も、柔らかな桃色の髪をなびかせ、ふわりひらりと夜を舞う。
そして夜空にくらげが舞う幻想的な光景は、色んな世界の珍しい景色を見るのが趣味であるリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)の好むデザインであった。
「でもでも、相手はオブリビオン……ここでは災魔だっけ?」
「……んむ、くらげさんもキレイなだけならよかったのだが。あぶないから、しっかり倒すぞ」
「うん、奥に進むためにもしーっかり倒さないと!」
「じゃあ二人とも、これ使う?」
決意を新たにするエスチーカとネリネに、リダンが差し出したのは半透明に煌めくフード。
「催眠模様を織り込んだフードなのよ。こうして被ると」
「おおっ!くらげになったぞ!」
「すごーい!」
リダンが防具改造アートで作成したフードには、着用者をふよふよくらげと誤認させる効果がある。
事前に幻とわかっているか、じっくり注意して見れば本来の姿に気づくこともあるかもしれないが、そうでなければ騙されるだろう。
「奇襲の足しにはなるんじゃないかしら」
「うんうん、助かります!」
「ありがたくお借りするぞ!」
●刃嵐、諧謔、偽装
さて、新たなくらげ三匹は広間に漂うくらげの間近まで進み、観察してみる。
(くらげにも目……って、あ、あるみたい!それに口も!)
近くで見たことでエスチーカはくらげに小さな目と口があることに気づく。
目があるならば動きで注意を引いて誘導することも可能だろう。
エスチーカとネリネは、フードを脱ぎ捨て偽装を解いた。
突如そばに現れた猟兵に驚いたか、くらげたちの動きが変わり、少し戸惑うに揺れる。
「向こうがふよふよならチーカはふわりひらりと戦うんだから!」
エスチーカは回避に専念しつつ、ぐるぐるくらげたちの周りを飛び回り、一か所に集めるように撹乱し、おびき寄せる。
(電流はちょーっと怖いけど、怖気づいてちゃ剣士は務まらないもの!)
しびれさせようと迫るくらげに怯えることはない、その手に携えたグラディオラがエスチーカに勇気を湧き起こし、鼓舞してくれる。
「……おお、ライトあびたようにキラキラだ……これは張り切らねば♪」
ネリネが人形のフリューゲルを起こせば、蓄音機のラッパやドレスの装飾が光を浴びて煌めく。
ネリネが奏でるままに大きな手がひらめけば、彩るきらきらはあちらこちらに。
「うん、やはりきらきらはいいな♪」
少女と大きな人形が奏でる煌めきにつられるように、風から逃れたくらげもおびき寄せられ。
そうして、一箇所に集められたくらげたちは──。
「風に舞え、花の刃!」
刃嵐(トルメンタ・デ・グラディオラ)──エスチーカのグラディオラが無数のグラジオラスに姿を変え、風に舞いながら一網打尽に切り裂いていき。
「冗談にみえたか?正確さは本物だぞ」
諧謔(スケルツォ)──ネリネの操り糸を纏った繊手が指し示した、こちらをしびしびさせようとしたくらげを、オーラで弾き、足で躱した巨躯の人形の手が正確にぱちんと叩き、屠っていく。
「あら、見た時点で、戦う前に勝負は決まってるのに」
そしてリダンはくらげの群れの中で観察する。
ふわふわしびしびさせようとしたくらげはゴートリック・ファウストによって与えられた嘘の情報に騙されて、その場にただ漂うばかり。
安全なまま、くらげの群れの中で妖精と少女と人形の奏でる光景をフードで偽装したまま、万魔宮で撮影していた。
くらげに囲まれたまま戦わず、攻撃しないからこそ、見ることのできた不思議な光景。
(おとぎ話のような、ステキな光景ね)
それは彼女の新たな作品のインスピレーションになっただろうか。
妖精と花、少女と人形の舞が終わり、デザイナーが満足するまでもう少し。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リュカ・エンキアンサス
◎
セロお兄さん(f06061)と
ほんとだ。くらげってなんだか不思議
うん、かわいいと思うよ
…やっぱり狙うなら頭かなあ(銃を構えながら
…お兄さんは相変わらず甘いことを言っている
倒さなきゃいけないに決まってるだろ。ほら構えて
綺麗やかわいいと、敵や味方とは話が別
というわけで銃で狙いを定めて一斉掃射するよ
そりゃもうためらいもなく慈悲もなくね
攻撃動作を取ってる個体から的確に頭部(?)を狙って倒していく
透明になっているやつは後回し
他のが片付いたら第六感や戦闘知識で怪しいところを撃つ
落ち着いて対処していこう
…いや。綺麗な景色だと思うし宇宙は好きです。ほんとほんと
くらげも嫌いじゃないよ
…だからそんな顔しないで
セロ・アルコイリス
◎
リュカ(f02586)を引っ張って
ほらリュカ見てください
夜空をクラゲが浮いてますよ
キレーですねぇ
……わーリュカくん容赦ねーですねぇ(へらり
ま、倒さなきゃ誰かが困るってんなら倒すまで、か
……ん? コイツらは倒さなくても先に進めさえすりゃいいんですかね?
いやいや、前に本物の宇宙でキレーなクラゲと戦ったときは倒さなくても良かったんですって
周囲の猟兵サンの様子見ながら
……いや、倒した方が良さそうですかね、しゃーねーなぁ
透明になったヤツは『野生の勘』でなんとかなりゃいいな
倒す必要あるなら容赦なく【暴風雨】を
えー? おれのカオなんていつもと変わんねーでしょ、
れいけつかんー
だなんて思ってねーですよ?
●夜空の海月
リュカ・エンキアンサス(蒼炎の・f02586)の腕を引きながら、セロ・アルコイリス(花盗人・f06061)は歓声を上げた。
「ほらリュカ見てください、夜空をクラゲが浮いてますよ」
「ほんとだ。くらげってなんだか不思議」
ふわふわふよふよ。
水の中で揺れるように、空を泳ぐくらげたち。
縮んだり伸びたりしながら、半透明の体に星の壁を透けさせて辺りを揺蕩っている。
「キレーですねぇ」
「うん、かわいいと思うよ」
そう言いながら青い瞳を星の光に煌かせ、リュカは──銃を構えた。
●鉄の雨、風と雨
「……やっぱり狙うなら頭かなあ」
「……わーリュカくん容赦ねーですねぇ」
へらりと東雲色の瞳を細めてセロは笑いつつ、ただふよふようろつくくらげたちを眺めて、ふっと思ったことを口にする。
「……ん?コイツらは倒さなくても先に進めさえすりゃいいんですかね?」
「倒さなきゃいけないに決まってるだろ」
「いやいや、前に本物の宇宙でキレーなクラゲと戦ったときは倒さなくても良かったんですって」
以前、宙海月を倒したときのことをセロは思い出す。
あの宙海月たちは広大な宇宙の別の宙域へ追いやることができたが、ここは果てと限りのある迷宮。
道を塞ぐようにたゆたうくらげも無論いる。
更にくらげたちが下に戻らない以上、放置すれば地上に溢れてくるだろう。
故に周囲の猟兵もくらげたちに容赦はしない。
その様子を確認したセロは、
「……いや、倒した方が良さそうですかね、しゃーねーなぁ」
「ほら構えて、綺麗やかわいいと、敵や味方とは話が別」
「ま、倒さなきゃ誰かが困るってんなら倒すまで、か」
倒さなくてはアルダワに住む人が困ってしまうのはわかっているが、なんとなく気が乗らないセロを横目に
(……お兄さんは相変わらず甘いことを言っている)
生きるため、倒さなくてはいけないものは倒すべきだ。
だからためらわない。
リュカは躊躇せず、携えた銃から弾を放って辺りを一斉掃射する。
攻撃に反応してふよふよただよいながら近づいて、水を浴びせよう、しびしびさせようとした個体から的確に頭部──と思われる、目と口のある部位──を狙って倒していく。
もっともくらげたちの攻撃がリュカに当たることはないだろう。
絶望の福音で10秒先の未来を予測、更夜を翻して自由に動き回れる彼を捉えるのは非常に難しい。
そんな彼にあわせて、風と雨が訪れる。
「雨あめ、降れふれ──」
セロは白虹の髪をなびかせて、流れる雨であり、吹きつける風である複合属性の魔法の矢を生成する。
いつか出会った嵐の男から着想を得た暴風雨(トルメンタ)はその名のままに、くらげたちを飲み込み、刺し貫いていく。
「……いや。綺麗な景色だと思うし宇宙は好きです。ほんとほんと。くらげも嫌いじゃないよ」
ある程度群れを倒し、残ったくらげが透明になるのを第六感や戦闘知識で対処しながらリュカは呟く。
ためらいもなく、慈悲もない。
けれども綺麗だと思うのも、好き、嫌いじゃないと思うのも本当の気持ちで。
「……だからそんな顔しないで」
「えー?おれのカオなんていつもと変わんねーでしょ、『れいけつかんー』だなんて思ってねーですよ?」
野生の勘で同じく透明なくらげの動きを封じるように攻めながら、そう答えるセロの顔は「うわー容赦ねー慈悲もねー」とでも言いたそうな、本気でそうは思っていないだろう顔。
左頬のココロもちょっと意地悪そうに見える。
「お兄さん、からかってるでしょ」
「バレてました?」
この場に残るくらげもあと僅か。
間もなく雨も止むだろう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リヴィア・ハルフェニア
◎
今回の迷宮は確かに星の瞬く夜空みたい。
空中を泳いでるこのくらげも可愛いけれど、敵だから仕方ないわね。
相手が電流を使うなら、此方も雷で対応しましょうか。
【誘惑】を引き付け、【属性攻撃3:氷,雷】UCで吹雪を発生させ、味方を巻き込まないように気を付け敵に放つわ。
攻撃は【第六感2】で回避よ。
●精霊と行く
「今回の迷宮は確かに星の瞬く夜空みたい」
リヴィア・ハルフェニア(歌紡ぎ精霊と心通わす人形姫・f09686)は、金の瞳に星明かりを写しつつ、精霊のルトと迷宮を進む。
強く弱く、大きく小さく。
煌めく鉱石が壁にも天井にもある光景は、彼女の言うとおり夜空のようで。
「空中を泳いでるこのくらげも可愛いけれど……」
夜空を薄く透かせて泳ぐくらげも愛らしい。
辺りにただよう精霊も、珍しげにくらげのまわりを飛び交っている。
けれど、くらげたちは災いの魔物。
決して相容れないものたちであるから。
「敵だから仕方ないわね」
ひときわ多くくらげの集まるその通路で、リヴィアは友であるルトを杖に変え、くらげたちと対峙した。
●氷雷
「ほら、ほら。おいでなさい?」
神秘的な少女の人形は、杖を待たぬ方の手をひらめかせ、くらげを誘う。
軽やかにひらめく手の動きに誘惑されたくらげは、ふよふよただよいながら、リヴィアに近づいていく。
そしてしびしびさせるために体で触れようと──
「貴方達が雷を使うなら、此方も雷で対応しましょうか」
そうリヴィアが告げた途端、伸ばされた触腕は、生まれた吹雪に包まれる。
ただ雪が吹き付ける吹雪ではなく、雷の属性を加えた自然現象──エレメンタル・ファンタジアで生み出された、雷を纏う吹雪。
リヴィアは付近の猟兵を巻き込むことも、吹雪を荒ぶらせ、暴走させることもなく操り、くらげたちを次々と雷と吹雪で打ち据えていく。
くらげの攻撃を第六感で感知しかわしてながらも、難しい制御を容易くこなすように見えるのは、精霊を友にし、様々な自然現象を把握する彼女だからだろうか。
辺りに雪がつもり、吹雪が止む頃にはくらげの姿は跡形もなく、消え去っていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『骸の海のダンクルオルテウス』
|
POW : 噛みつき
【噛みつき 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 尾撃
【尾っぽ 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : 影化
【輪郭のぼやけた影 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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●古代魚の住まう湖
猟兵達がふよふよくらげを退け、奥に進んで辿り着いた先には大きな広間。
この迷宮で最も広いここには深い湖があった。
湖面には装飾が施された通路が張り巡らされている。
いくつも浮いた魔法の明かりに照らされ、神秘的な光景に感じるかもしれない。
──ばしゃり。
集う猟兵の耳に水を打つ音が届く。
暗い昏い湖の中、うっすら浮かぶ緑の瞳。
迷宮の奥底で封じられていた骸の海のダンクルオルテウスは、異分子である猟兵を認めたのか、水面へと浮上してきた。
ファリド・ローズブレイド
◎ 【ミラン(f10316)】
※褒める時や甘やかす時は「はちみつちゃん」と呼ぶ
※普段はミランかミルーシェニカ
・心情
私の愛し子は戦闘の際にも心強いねぇ…
とても、嬉しいことだね
・行動
複数いるわけでもなし……一撃の攻撃力が高い方が良かろう。
「ミラン、今回は私も前に出させていただくよ」
愛し子が後ろを守ってくれると言うのならば、心強いからね
とはいえ、出来るだけ近づきすぎないように注意するよ
ナイフで指先をきって、血液を代償に牽牛花を殺戮捕食態にして、攻撃を
これで他の猟兵の攻撃が通りやすくなるだろうか
あまり我々は戦闘なれもしていないし、出来るだけ他の猟兵たちと意思疎通を図って連携をとりたいところだね
ミラン・ローズブレイド
◎ 【ファリド(f10313)】
ファーラ様と呼ぶ
・心情
先程とは違って、無骨だな…
これは、「綺麗」じゃない、排除しないとね
・行動
「尾撃が怖いですし、ファーラ様、あまり近づかないでくださいね」
他の猟兵も攻撃をしているはず、となればリザレクト・オブリビオンで攻撃を引きうければいいかな
騎士と邪竜には影化攻撃してもらうためにも、できるだけ早く動いて攻撃してもらおう
「貴方がそれを望むのなら」
俺は全力で貴方の援護を
でも、もしもファーラ様に攻撃がいきそうなら【かばう】よ
貴方は俺の祈り、俺の命ですから、守らせてください
庇って解除された場合は星屑乃祈願で攻撃しつつ、もう一度ユーベルコードで召喚できたらしようかな
檀・三喜エ門
◎
おじさん、魚は好きだけど、これは仲良くなれそうにないかな…
この湖の主、と言える迫力だねぇ
形貌こそ立派だけど、生徒さんの為だ。猟兵の端くれとして、一肌脱ぐよ
「…それでは主殿、尋常にお手合わせ願おうか」
水辺の戦闘は足場に気を付けたい
攻撃は届くが向こうも同じ。足元にも油断せず
一定の場所に留まらず、常に攻撃の場を移す
他猟兵の位置の把握も念頭に、戦況を見極めた立ち回りを心掛けよう
弓での通常攻撃を主体とし、
敵からの攻撃の予兆等わかれば、七星七縛符にて攻撃の妨害
ありったけの矢を主殿にご馳走しよう
他猟兵の力を借りられるのであれば、一気に畳み掛けて貰えると有難い
これもおじさんの寿命だからさ、有効に活用しなきゃ
朧・紅
表人格のお嬢様が《紅》
裏人格の殺人鬼が《朧》
武器はロープと刃だけのギロチン刃
自身の血で赤く染め蛇のように自由に動かします
紅のみで行動
朧は脳内で少し反応
◎
お魚さん…こっちですよー?
靴を脱ぎ水に入れた柔らかい足でぱしゃりと呼んで
食いつけば紙一重でひらりと避けれるですかね?
水面から出てきたらギロチンロープで絡めてよいしょって上陸させちゃうです
攻撃範囲に入らないようロープを長くのばしてギロチン刃で鱗を削ぎヒレを断ち三枚おろそうとしてみたり
ふと疑問
この魚、食べれたりするです?
脳内の朧に語りかけてみるが
しらン、やらン
そっけない態度に料理の出来ない紅はちぇーって顔をするのです
リヴィア・ハルフェニア
◎ここの湖も神秘的できれいな場所ね。
敵は水面から上がってくるとはいえ水の中。
それにこの広さなら・・・。
私は後方でUCを使用。
ただ私は戦えないし、傷を受ける訳にはいかないから敵からの攻撃は【オーラ防御,第六感2,学習力2】で回避に徹底するわ。
もし解除されたら慌てずそのまま皆さんのサポートに回るわ。
【歌唱3,鼓舞2,優しさ2】で【シンフォニック・キュア】を使い傷ついた仲間を癒すわね。
●科戸風、羽風
(私の愛し子は戦闘の際にも心強いねぇ……とても、嬉しいことだね)
愛し子とともに水のフロアへ足を踏み入れたファリドは、先程の戦闘で見たミランの頼もしさに顔を綻ばせている。
先のくらげとの戦いでも彼はファリドを守り、共にあってくれたのだ。
大きく頼もしく育ってくれたことへの喜びを抱いたまま、古代魚の住まう湖を見やった。
(先程とは違って、無骨だな……これは、「綺麗」じゃない、排除しないとね)
底から垣間見える古代魚は剥き出した牙に頑強そうなヒレ、ごつごつとしたフォルムで、ミランにとって「綺麗」には感じられない。
故に排除する。存在せずともいいものだ。
愛しの父とともにある限り、彼が屈することはないだろうから、戦いに躊躇はない。
全力でファリドを守りつつ、排除すればいいだけだ。
●落日、朧と紅、人形姫
(おじさん、魚は好きだけど、これは仲良くなれそうにないかな……)
この湖の主と言える迫力を出しているダンクルオルテウスを見た、檀・三喜エ門(落日・f13003)は鬼灯色の目を眇めて、弓を構える。
かの魚はまさにダンジョンの主。
立派な形貌こそ立派だけど、魔法学園の生徒さんの為。猟兵の端くれとして一肌脱ごう、と決めている。
「おっきいお魚さん!なのです!」
朧・紅(朧と紅・f01176)は浮かんできた巨体に興奮するように声を上げた。
彼女よりも大きいかもしれない魚はどんどん水面に迫ってくる。
(おら、やンぞ)
もう一人の人格・朧に促され、赤髪の少女は、赤い紅いロープ付きのギロチンの刃を構え、いつでも振るえるように備えた。
「ここの湖も神秘的できれいな場所ね」
リヴィアは夜の湖と通路のフロアに、感嘆するような息を一つ。
少しだけダンクルオルテウスから距離を取ったその位置は、彼女が他の猟兵を支援するのに適した場所だ。
(それに、この広さなら)
彼らを呼ぶこともできるかもしれない──そう考え、杖を構えた。
●
この戦いは、複数ではなく古代魚一体との戦い。
ならば一撃の攻撃力が高い方が良かろう。
「ミラン、今回は私も前に出させていただくよ」
「貴方がそれを望むのなら」
そう考えたファリドはミランに背を預ける。
託されたミランはファリドをいつでも庇い、守れる位置を取り、星屑乃祈願を携えた。
彼の命、祈りであるファリドを守るのはミランの一番の願いでもあるから。
けれどももしものことを考えて、蜂蜜色の瞳で見つめてファリドに助言する。
「尾撃が怖いですし、ファーラ様、あまり近づかないでくださいね」
「ああ、そうだね。ありがとう」
強力な一撃を貰えばいかに守られていても一撃で倒れかねない。
やはり愛し子は頼もしい、と柔らかな煙の瞳を細め、ファリドはナイフで優美な指先を傷つけ、血を流す。
その血を代償にブラッド・ガイストでもって牽牛花を殺戮捕食態へと変化させた。
その横で紅は、靴を脱ぐ。
「お魚さん……こっちですよー?」
水に入れた小さな柔らかい素足でぱしゃりと湖面を叩き、浮上しつつあったダンクルオルテウスを自分の立つ通路へ呼んでみた。
近くの小さな獲物が呼んでいると感じたか、ダンクルオルテウスは足に噛み付こうと急浮上。
小さな獲物だ、何度も噛む必要はない。
大きな口を開け、確実に噛むことにする。
ざばん、と急に上がって来た白い牙が紅に迫る。
予想より急な浮上に紅の挙動はほんの少し遅れてしまい、このままでは足先を持っていかれるか、と思われたとき。
矢が、びょう、とダンクルオルテウスの鼻先を掠め、噛みつきの勢いが削がれる
戦況を把握することに意識を割り振り、備えていた三喜エ門が、おびき寄せようとしている紅に気づき、援護射撃で放ったのだ。
生じた隙に紅は名前の通りの髪を靡かせ、紙一重でひらりと避けて、改めてロープと刃を構えるのだった。
「ありがとうなのです!」
「どういたしまして。……それでは主殿、尋常にお手合わせ願おうか」
視線や頷きでもって彼らは連携を行い、布陣を敷いた。
ファリドと紅は、前に立ち、水面に上がってくるであろう古代魚を捉えることを狙い。
三喜エ門は油断なく場を睥睨し、矢をつがえる。
ミランはいつでも死霊たちを呼べるように、ファリドを守るように位置を取り。
リヴィアは後衛にて、大きな力を使うために集中している。
あと一歩で獲物をのがした古代魚は感情の伺えぬ目で猟兵達を見やった。
新たな獲物を認め、捕食するためにまずはこれらから、と狙いを定めたのだ。
その歪な輪郭が揺らいだかと思えば、ダンクルオルテウスの体は影となり、ただただ血と肉を求め、彼らに迫る。
「囮を出します。皆さんはゆっくりと動いて下さればいいかと」
それを見計らい、ミランは死霊騎士と死霊蛇竜を呼び出して、彼らに可能な限り素早く移動してもらう。
他の猟兵を狙わせないため、囮にしたのだ。
猟兵達はその意を受けて、立ち回りを少し緩やかにし、騎士と蛇竜から距離をとった。
そして理性を失ったダンクルオルテウスは思惑通り、死霊達に狙いを定めて暴れ回る。
自らの身の安全など考えていない。
ただ他より早いモノを目掛けて跳ね、噛み付こうとするだけだ。
「黒き破壊と白き再生────廻る自然の理に連なる尊き者よ──古の盟約により私の声に応えて!」
リディアはその間に集中して紡いだ力でもって、偉大な存在を呼び寄せる。
リディアとの盟約に応じ、荒ぶる黒と揺蕩う白──害なる存在を喰らう破壊の黒き龍の精霊王と、害なる存在を滅する再生の白き鯨の聖霊王──無論、あくまで力の一部だ。彼らを呼ぶこと自体が極めて困難であり、本来の力を持つものを呼ぼうとすればなお難しいものとなる──が顕現する。
「ありがとう、王達……どうか、害なすものを、倒すために貴方達の力を貸して下さい」
古代魚と同じくらいの大きさの王達は滲んだ影を害なる存在と認めた。
彼らの顕現を維持するリディアに変わり、影に喰らいつき、打ち据える。
どんなに耐久力が高くとも、ある程度の衝撃は通ってしまう。
古代魚の影は猟兵達のいる通路へと叩きつけられ、実体を取り戻した。
「逃さないよ」
それを逃さずファリドは牽牛花で捕食し、他の猟兵の攻撃が当たりやすいようその場に留め。
「ぐるぐるですー」
同時に紅もギロチンロープ絡め取り、動きを封じ、簡単に水中に戻れないようにした。
「じゃ、おじさんも─あれ?」
寿命を費やしてでも、七星七縛符で動きを封じようとした三喜エ門は、たまたま今回はそれ用の護符がないことに気づいた。
残念ながら今は七星七縛符を使用できない。
「ありゃ、仕方ないね。なら、主殿に矢をご馳走しよう」
ならば矢でもって穿つだけだ。
足場に気をつけながらも素早く、効果的に矢を射ることのできる距離を陣どって、びょう、びょうと援護射撃を行う。
ありったけの矢を振る舞い、ダンクルオルテウスがそばに来たモノを尾で打とうとすれば矢が牽制していく。
「やっちゃうですよー!」
紅は尾の一撃や、噛みつきの攻撃範囲に入らないようロープを長くのばした。
そのままユーベルコードを発動する。
「赤く紅く、鮮烈に斬り刻むのです!」
紅朧月を展開、ギロチンの刃が冥途へ誘う曼珠沙華のように閃き、鱗を削ぐ。
返す刃で、胸ヒレを断って削っていく。
三昧に下ろそうとしたところで、ふと疑問を覚えた紅は、脳内で朧に問いかける。
(この魚、食べれたりするです?)
(しらンし、やらン)
朧のそっけない態度に、もし食べれたら料理してもらうと思っていた料理の出来ない紅は、ちぇーって顔をした。
「大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫なのです!」
そばにいた紅の表情に気づいたファリドが声を掛ければ、元気な声が返ってきた。
それに頷いたファリドが牽牛花で魚を削れば、ミランの援護である死霊の騎士と蛇竜が追撃する。
何も言葉をかわさずとも、通じ合う心で連携が可能だった。
「さすがだね、はちみつちゃん。頼りになるね」
「ありがとうございます、ファーラ様」
褒められれば面映い。けれどもとても嬉しい。
戦いの最中ではあるが、ほんの少しだけ。
ミランは喜びに心を震わせたのだった。
成功
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●
傷を追ったダンクルオルテウスだが、未だ健在だ。
僅かに緩んだロープと捕食から抜け出し、また水中へと潜る。
もっと小さな獲物から狙うべきか。
古代魚は湖の底から辺りを見回し、探す。
簡単に力を削げそうな、獲物を。
霧亡・ネリネ
◎
明かりが水面にも映って、通路も飾りがあって、きらきらがいっぱいだ
……おっとと、お魚さんに集中しなければ。
リピート(繰り返し)だ。もひとつ踊るぞ、フリューゲル。
《おびき寄せ3、存在感3、パフォーマンス2≫でお魚さんの注意をこっちに引き付け、人形の手で攻撃していくぞ。くるくるっと回って《なぎ払い5》も。
……あ、これ私知っているぞ。もぐらたたきさんだな(?)
姿が影に変わったら警戒だな
人形の機動はテンポを下げて、《フェイント5》主体に切り替える
人形を遮蔽代わりに《盾受け1》《オーラ防御》、すぐ退けるよう瞬発力で《逃げ足2》を併用して出来るだけ壊れちゃわないようにするぞ
リダン・ムグルエギ
◎
さて、良い動画も取れたしこれで失礼するわね!
くらげに擬態してるしだいじょーぶだいじょーギャァァァ!?
この魚…もしかして、クラゲも捕食する系?
ただ、全力で逃げるのも芸が無いわね
ここは他の猟兵に任せる為に…こんなデザインはどうかしら?
そう、ダンなんとかさん無力化作戦!
(葉巻に火をつけ
まぁ、仕掛けは単純よ
アタシの言葉を一言浴びせるだけよ
「あなたのすぐ傍に皆居るわよ
って
相手の視覚をデザインする技で「彼我の距離感」を狂わせてその短い射程の技を失敗させるようにするの
さ、これでアタシのお仕事は十分、攻撃は他の猟兵の皆に任せてアタシは(高速移動で)帰るわ!
(他の誰かがWIZで判定した場合追い回されるフラグ)
リュカ・エンキアンサス
セロおにいさん(f06061)と
…うわ
また面白いのが来た
…
どうしよう捕まえて乗ってみたい
前は任せた。距離をとって銃で撃つ
通路があるなら足場に不自由はしないだろう
落ちないように気を配りながらもとりあえず攻撃を切らさないようにするよ
目とか、口とか、急所っぽいところに銃弾を打ち込みつつも、
攻撃の動作を感じたら、それを妨害するように撃ってもみる
こいつこそ倒さず済めばよかったのにな
万が一近づかれたら、ナイフを抜いて応戦
水にもぐるそぶりを見せたら、ナイフをその体に突き刺して一緒に潜…しないよ。しないってば
だからそんな顔しないで
もしそんなときが着たら、勿論、一緒に行くだろう?
まあ、今はそうなる前に片づけよう
セロ・アルコイリス
◎
リュカ(f02586)と
うげ
えー思ってたのと違いますこんなん
もっとかわいいのとかキレーなのとかー
……(リュカを黙って見る)
あぃあぃ、いつも通り後ろは任せますよ
ダガー抜いて『ダッシュ』、
【シーブズ・ギャンビット】と『早業』『空中戦』で
水面に浮き上がって来たサカナの背に飛び乗りつつ攻撃できりゃ重畳
難しいなら【突風】喚びますけど
できるだけダガー主体で
リュカが危なけりゃ全力で『かばう』
トドメさせそならダガー『投擲』
させねーですよ?(サカナにではなく、リュカに)
おれの前では、ぜったいに。
……まあ、あんたがそれを望むなら?
けどま、そんなコト望まねーでしょうが
ほら、行きますよ
エスチーカ・アムグラド
わー!ここもすっごい綺麗!
湖面に明かりが映ってなんだか幻想的っ!
でも……あやや、光ってるのは明かりだけじゃなくて、水中の瞳も……!
魚といえばー……釣り!
チーカの身体じゃ到底釣り上げられそうにないけど、自分から上がってきたところを捕まえるならどうかな?
湖の上を飛び回って、チーカが餌の代わり!チーカの事を食べようと水上に跳ね上がったら、風の鎖で拘束できないか試してみよう!【空中戦+おびき寄せ】
上手く拘束出が来たら、それか攻撃できる隙があったら、剣であちこちのヒレを狙っていこう
泳ぐ力を少しでも弱らせられたら、きっと他の人も戦いやすくなるかなって!
●演奏家、剣士、デザイナー
「すごいな、きらきらがいっぱいだ」
光り輝く広間の通路の上で、ネリネは喜んでくるりくるりと回る。
揺れる湖面は星や明かりを映してきらきらが踊り、通路の装飾も光を受けて輝いている。
そばにいるフリューゲルもこの広間の中で、より輝いているようだ。
(……おっとと、お魚さんに集中しなければ)
黒く鈍い影の中、水の底で鈍く光る緑が目に入り、ネリネは気を引き締めた。
「わー!ここもすっごい綺麗!湖面に明かりが映ってなんだか幻想的っ!」
同様に喜ぶのはエスチーカ。
ひらりふわり緑の羽をひらめかせ、湖の上を舞い遊ぶ。
(でも……あやや、光ってるのは明かりだけじゃなくて、水中の瞳も……!)
湖の中にエスチーカが見たのは輝く緑の目玉。
ダンクルオルテウスの大きな目が何かを捉えたか、
ぐんぐんと水の中の緑の光が湖面に近づいてきて──
「さて、良い動画も取れたしこれで失礼するわね!」
一応中まで入って、すぐに踵を返したのはリダン。
積極的に戦うつもりはやっぱりなくて。
「くらげに擬態してるしだいじょーぶだいじょーギャァァァ!?」
帰ろうとした彼女の鼻先を白い牙が掠めて通り過ぎた。
水しぶきを浴びてくらげフードはびっちゃあとなる。
(この魚…もしかして、クラゲも捕食する系?)
特別仲間ではなかったようで、緑の目に狙われているような気さえした。
●蒼炎、花盗人
「……うわ」
「うげ」
ダンクルオルテウスを見たリュカとセロの反応は明暗別れていた。
「また面白いのが来た」
何か心をくすぐるのか、常よりも青い目をきらめかせて、古代魚を眺めるリュカ。
大きな魚が跳ねたり泳いだりする光景は、とても面白い。
「えー思ってたのと違いますこんなん、
もっとかわいいのとかキレーなのとかー」
期待が外れて、左頬のココロもしょげたような気さえするセロ。
もっと幻想的で、綺麗だったり可愛らしい魚を期待していたのに、黒いゴツゴツして獰猛そうな魚ではがっかりだ。
対象的な表情で、二人並んだまま大きな魚を見つめて、リュカは呟いた。
「……どうしよう捕まえて乗ってみたい」
「……」
東雲の色が、隣の少年に向けられた。
黙ってリュカを見つめるセロの顔には、「本気ですか?」と書かれていた。
●
「ふ、ふふふ」
リダンは葉巻に火をつけ一つ、息を吐く。
濡れたフードはすでに脱いだ。
紫煙をくゆらせ、冷静になればただ、全力で逃げるのも芸が無い、と思う。
より素晴らしく、ここは他の猟兵に任せる為に……。
彼女の脳裏には一つ、デザインが浮かび上がっていく。
「そう、ダンなんとかさん無力化作戦!」
仕掛けは単純。
次に接近したときがデザインお披露目のタイミング。
リダンはそれを待ち、静かに煙を吸い込んだ。
「魚といえばー……釣り!」
湖面の上を風と駆け巡りながら、エスチーカは考える。
小さな体で釣り上げるのは相当難しそうだ。
しかし相手が近くに来たときならば。
(お魚さんが、自分から上がってきたところを捕まえるならどうかな?)
エスチーカ自身がが餌の代わりとなって、魚を呼び寄せる。
食べようとするならば上がってくるはず。
そう、狙い通りにダンクルオルテウスは上がってきた──予想より早い勢いで。
思い切り跳ねてから尾鰭で小さな妖精を狙い、湖に落とそうというのか。
それとも他の猟兵を狙って齧り付くのか。
けれど湖面を割って頭が出たその時にただ一言が浴びせられる。
「──あなたのすぐ傍に皆居るわよ」
それは悪魔の囁きか天使の囀りか。
冥底/酩酊の葉巻からたなびく催眠性の煙の香りを纏わせて。
緑の目に映る彼と我、此方と彼方、距離を狂わせる。
リダンのゴートリック・フォースでもって相手の視覚をデザインされたダンクルオルテウスの尾撃は空を切った。
「風の精霊さん、敵を縛り付ける力を!」
その瞬間、エスチーカのVaina del vientから風があふれる。
解き放たれた精霊の力は風の鎖を編み上げ、古代魚を中空に拘束した。
風縛(アタール・コン・エル・ヴィエント)──此度は敵を封じるために。
「前は任せた」
「あぃあぃ、いつも通り後ろは任せますよ」
リュカは灯り木を構えて後ろに跳んで。
セロは牙を構えてダッシュする。
「リピート(繰り返し)だ。もひとつ踊るぞ、フリューゲル」
ネリネはくるり、フリューゲルを奏でて拘束を引きちぎろうと暴れる古代魚の気を引いた。
そばまで伸ばされる大きな人形の腕に噛みつこうと顔を固定するも、風の鎖は千切れない。
「邪魔しちゃめっですよー!」
エスチーカも鱗を削いで防御力を削り、胸や背のヒレを剣で削り、機動力を削ぎ落としていく。
「狙い放題、かな……こいつこそ倒さず済めばよかったのにな」
残念そうにしながらも、リュカは目や大きな口の中等、鱗に守られていない急所に銃弾を打ち込みつつ、噛みつきや尾を翻す動作にあわせて銃を打ち込み、攻撃を妨害する。
「はいはい、行きますよーっと」
その間にセロは、とん、とんっと通路の装飾を足場にして高く飛び上がり、ダンクルオルテウスの背中に飛び乗った。
その勢いを乗せたまま白い虹と羽をたなびかせて、牙を振りぬく。
シーブズ・ギャンビット、まさに早業、疾風の如き一撃。
身を削がれた古代魚は一際大きく身を震わせた。
「さあ、正確に、だ、フリューゲル」
スケルツォの拍子にのって、奏でるフリューゲルの大きな手が追い打ちをかけるようにセロが削いだ場所に正確に追撃する。
重なった傷にダンクルオルテウスは体を揺らがせ影となり、鎖から逃れ出た。
一度湖に潜った後、早く動く物体──距離を取るために移動していたリュカの後ろから湖面へ影が現れる。
「リュカ!」
全力で守る。そう決めているセロがリュカを庇うために走り、リュカも散梅を抜いて構える。
(近くにきて、水の中に入るなら──ナイフをその体に突き刺して一緒に潜って……)
ただただ早く動くものを追う、理性のない魚は──
「さ、これでアタシのお仕事は十分、攻撃は他の猟兵の皆に任せてアタシは(高速移動で)帰るわ!」
ゴートリック・フォースのもう一つの効果、高速移動でもって駆けだし、フラグを立てたリダンに狙いを定め直した。
「ギャアアアアアア!!」
「……」
「……リュカ、させねーですよ?おれの前では、ぜったいに」
もしかしたら乗れるチャンスだったかもしれない。
そんな残念そうな雰囲気のリュカにセロは釘を差す。
「しないよ。しないってば。だからそんな顔しないで」
心配そうな、怒ったような──置いていくな、というような。
いくつもの切ないココロが入り混じった顔を、しないで。
「でも、お兄さん。もしそんなときが着たら、勿論、一緒に行くだろう?」
「……まあ、あんたがそれを望むなら?」
(けどま、そんなコト望まねーでしょうが)
きっとこの少年は、一人で駆け出して行ってしまうのだ。
セロを置いて。
「まあ、今はそうなる前に片づけよう」
「そーですねー」
「よっと」
逃げ回るリダンと追うダンクルオルテウスがそばに来たときに、ネリネはフリューゲルの機動のテンポを下げて、古代魚を一度沈めた。
影を解いたダンクルオルテウスをくるくるっと回ってなぎ払い、フェイントをかけながら沈められては浮いて、浮いたら沈めてを繰り返す。
「……あ、これ私知っているぞ。もぐらたたきさんだな」
まあ似たようなものだろう。
くるりくるり、気を引かれた古代魚が開けた、大きな口奥に
「……さよなら」
リュカの灯り木の銃弾が吸い込まれる。
それがとどめとなって、ダンクルオルテウスの輪郭が崩れ、崩壊していき。
最後には細かな星屑のように湖に広がり、消えていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
第3章 日常
『まほろばの星巡り』
|
POW : 廻る星を追ってみる。
SPD : 星の動きを読み、先回りして捕まえてみる。
WIZ : 魔法で星の光を作ってみる。
|
●星巡り
学園の大きな部屋の扉を開けると、猟兵達を出迎えたのは一面の星空。
壁、床、天井すべて夜空を映し出す。
古代魚とくらげのいた星空迷宮を参考に作ったそうで、すでにいくつかの星が浮かんでいる。
とん、と床を軽く蹴れば ふわりと浮く体。
そのまま体を傾けたり、空を軽くかけば思ったままの動きができそうだ。
先程教えてもらった魔法の言葉を紡げば大小色様々、明かりの強さも自由に変わる星が産み出せた。
手でそっと押してやれば好きな場所に動かせる。
勢い良く放れば動き続ける星も出せるだろう。
どうか一時の休息を、心ゆくまで楽しんで欲しい。
これだけを見に来た、という人も歓迎だ。
ミラン・ローズブレイド
◎ 【ファリド(f10313)】
ファーラ様と呼ぶ
「ファーラ様、お怪我はありませんか?」
皆さんのおかげで怪我はないと分かってはいても、一応確認を
それが終わったら一緒に見ましょうか。
って、俺は戦闘には参加してないので!
「……なるほど」
この、美しくない羽根を出すのはあまり本意ではないのだけれど
(赤紫のぼろぼろの六枚羽根を出しつつ)
それでも、貴方と同じ場所を飛べるというのならば、それはとても幸せなことなので
「どの星を追いかけましょうか」
どんな星でも、きっと楽しいだろうけれど
ファリド・ローズブレイド
◎ 【ミラン(f10316)】
※褒める時や甘やかす時は「はちみつちゃん」と呼ぶ
※普段はミランかミルーシェニカ(気分による)
戦闘自体は初めてだったけれどなんとかなったね
皆様と私の愛し子のおかげだ
「あぁ、大丈夫だよ。それよりも私のはちみつちゃんはどうかな?」
確認ついでに瞳を覗き込んで頭も撫でてあげよう
さて、星を追ったり、作ったり、捕まえたりできるのか…それはとても興味ぶかいね
「そうだね…一緒に飛んでみたかったんだ」
私はヤドリガミゆえに、君のような美しい羽根はないからね
さぁ、一緒に星を追いかけようか
(戦闘自体は初めてだったけれどなんとかなったね……皆様と私の愛し子のおかげだ)
古代魚を倒して迷宮の入り口に向かう中、感謝を懐きながらファリドはミランと並んで入り口へと歩みを進める。
「ファーラ様、お怪我はありませんか?」
「あぁ、大丈夫だよ。それよりも私のはちみつちゃんはどうかな?怪我はないかい?」
もちろんミランも、他の猟兵の助けもあってファリドが古代魚から目につくような怪我を負わされていないことはわかっている。
けれど最愛の父親にかすり傷でもあったらすぐに癒やしたい、と思うから彼は確認するのだ。
そんなミランを甘やかすようにファリドは蜂蜜色の瞳を覗き込み、優しく頭を撫でて。
むしろ愛し子にこそ怪我がないか、ヴェールや服の下に隠れてないか、しっかり細かに全身を確認していく。
「うん、怪我してないみたいで良かったよ」
「ありがとうございます……って、俺は戦闘には参加してないので!」
「いいや、はちみつちゃんもしっかり戦って私を守ってくれたよ。ありがとう」
「──はい。貴方のためなら」
何よりも大事なファリドを守れた、それはミランの大きな喜び。
更にお礼を言われると幸せが溢れそうになる。
親子の絆を深めながら案内についていけば、星空の広がる会場にたどり着く。
数百人迎え入れても余裕のある空間は、飛び交うにもぶつかることなく、誰もが自由に自由に過ごすことができそうだ。
「さて、星を追ったり、作ったり、捕まえたりできるのか……それはとても興味ぶかいね」
簡単に説明を聞いて中に入れば、すでに幾らかは星が浮いて漂っている。
側にあった星を捉えてみれば、手元でただよい、少し押し出せばそのまま動いていく。
「ファーラ様、何をしましょうか?」
「そうだね……ミルーシェニカ、私は君と一緒に飛んでみたかったんだ」
煙管のヤドリガミたるファリドにはオラトリオのミランのような羽はない。
常ならば、空を共に飛ぶことはできない。
「私には君のような美しい羽根はないからね。でもこういう場なら、一緒に飛べるだろう?」
けれどこの場でなら、ともに飛べるから。
朝焼けのような夕闇のような、美しい羽根の愛し子とともに。
「……なるほど」
ミランには自分の羽根を美しいとは思えない。
赤紫のぼろぼろの六枚をあまり出したくない。
けれど、ファリドが美しいと言ってくれて。
今、同じ場所を飛べるというのならば、それはとても幸せなことだ。
「さぁ、一緒に星を追いかけようか」
「はい。どの星を追いかけましょうか」
(貴方が選んだ星なら、どんな星でも、きっと楽しいだろうけれど)
早い星、ゆっくりな星、不思議な軌道の星。
どんな星でも、一緒に追いかけるならきっと楽しい。
そうミランは思い、微笑む。
「じゃあ、あの二つにしよう」
そんなミランにファリドが指差したのは乳白色と蜂蜜色の寄り添う星。
お互いの目と同じ色合いの星が二つ連れたって星空を巡っている。
「はい。はい──ファーラ様。共に、いきましょう」
「うん、一緒に行こう」
あの夜から、いつだって側にいるから。
互いを最愛とする親子は手を取り合って床を蹴り、彼らのような二つ星を追い始めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エスチーカ・アムグラド
翅を使わなくても身体が浮くなんてやっぱり新鮮!
それにお星さまと飛ぶなんて、ううん、泳ぐかな? 何だか夢みたい!
チーカは誰かが動かしたお星さまと一緒に空中遊泳してみたいな、腕や足を使って!
ゆっくり動くお星さまとならそれ位が丁度いいかなって!
もしすっごく速いお星さまがあったら……えへへ、その時はチーカの自慢の翅で競争!
あとはー……そうだ、お星さまを動かせるなら星座を作ったりも出来るかも?
この迷宮で見たもの、くらげ座に、古代魚座!
それにお世話になったネリネお姉さんやリダンお姉さんに因んだものも、頑張ったら星座で作れちゃったりして!
お人形さんとか、葉巻とか!
●
「翅を使わなくても身体が浮くなんてやっぱり新鮮!」
広い空間でただ床を蹴ったり、体をひねれば軽々浮く感覚にエスチーカは大興奮だ。
「それにお星さまと飛ぶなんて、ううん、泳ぐかな?何だか夢みたい!」
普段は手の届かない星とともに飛ぶ、まさしく夢のような光景だ。
ゆるり、ふわりとあたりを飛んでいると、誰かが浮かべて流した黄緑の星がそばに来た。
歩く程度の速度のそれは、エスチーカの側を通って行くようだ。
「よーし!」
その星に並んで空をかき、蹴って泳ぐように黄緑色の星を追う。
ふわふわとただよう星と、まるで散歩しているようでエスチーカは笑う。
後ろから藤色の星が、流星のように追い抜いていった。
エスチーカは翅も使って加速し、espadachín Capaを翻して競争を始める。
風と一緒にくるくる飛び交う星と妖精は、まさしくお伽噺のよう。
一通り追いかけっこしたあと、エスチーカは別の楽しみ方も試そうと思う。
「そうだ、お星さまを動かせるなら星座を作ったりも出来るかも?」
手元に新しい星を幾つも生み出して、エスチーカはこの迷宮で見たものを作り出す。
水色で作ったふわふわ漂うくらげ座、緑と紺色の水面から跳ね上がった古代魚座。
それにともに戦った仲間の、真鍮色のネリネの人形の星座に、水色と青のリダンの葉巻の星座。
「うん、できた!」
きらきら輝く幾つもの星座と、負けないくらい輝いた笑顔の妖精。
この冒険と輝きも、妖精の剣士の物語の一編になっただろうか。
大成功
🔵🔵🔵
リダン・ムグルエギ
【GOATia】△WIZ
走るのつっかれたぁ(ぐったり)
でも、宇宙山羊としてはこの遊びはテンションあがるわ
お友達と一緒にはしゃぎましょ
アタシは星作りをメインに遊ぼうと思うの
こう見えてデザイナー
撮影映えするアートの腕はそこそこよ
オリオンをイメージしつつもちまっとした感じのしょこりん座
天の川で作った髪が片側だけが長めなサイキッカーJK座
その天の川に隠れるように潜むアサシン妖精座と
お友達イメージの星々をつくったり
アタシも星と見まがうような模様のコートを羽織いたゆたって
宇宙山羊座になりきるわ
って、アタシを動かさないで?!取らないで?!
疲れて動きにくいのよー
最後は皆でよもぎちゃんのカメラへピースピース!ね
ショコラ・リング
【GOATia】の皆さんと参加
【POW判定】△
リダンさんはお勤めお疲れ様でございました
星空を漂うことができるなんてまるで夢のようでございます!
この浮く感じも新鮮で、フェアリーさんになった気分でございますね!
クシナさんも普段はこんな感じなのでしょうか?
なんだかお星様は無性に大事な物の様な気がして、麻仁さんが流星群飛ばしたらそれをつい本能的に追いかけてしまうかもしれません
宇宙山羊座を目にしたら目を回して星を追いかける勢いのまま壁とか天井に突っ込んでしまったりとか
リダンさんに星座を作って頂いたらそこに並んで星座風なポーズを取りながら記念写真をでございますね
四方城・麻仁
【GOATia】△
ロマンティックな体験ができると聞いて遊びに来たよ。
リダンさんは、変な星座作るカンジ?面白そう。
なんだか疲れてるようだし、私も念動力で手伝うよ。
クシナちゃんは肩上にどうぞどうぞ。
離れた場所からこう…グイグイっと。
こうしてると、まるで星そのものを自由に動かしてるみたい。
なんだかエモくない?本物の星もやればできるかな。
余った星で流星群びゅーん!…あ…星じゃなくてリダンさんだった。
って…しょこりん!?
こうしてると、まるで犬にフリスビーを投げているみたい。
なんだかエモ…くない!可愛いけど!
最後にスマホで記念撮影。
星空を綺麗に撮れるアプリを入れてきたからね。
みんなも入って。はい!ピース!
クシナ・イリオム
△【GOATia】
生徒が進入しないよう誘導の手伝いをしてたら戦闘に参加しそこねちゃった。
戦闘組ほどじゃないけど疲れたしお言葉に甘えて肩に座らせてもらうね、麻仁。
私が地上にいて皆が飛んでるのっていつもは逆だから結構新鮮。
……星の海を泳ぐ二人を見ているとどこまでも遠くに行ってしまいそうな気がする。
いつか、夢を掴み星のように遠く輝く存在に……いや、ふっとばされてるせいで物理的に遠くに行きそうになってるね。
とりあえず、回収してくる。
写真は可能なら麻仁の肩に乗ったまま。
……最近では当たり前になってきた手の届くところに誰かがいる事。
これって結構嬉しいものだね。
●
「走るのつっかれたぁ……」
「リダンさんはお勤めお疲れ様でございました」
最後に古代魚に追い掛け回され走って逃げるという、強制ダイエットな羽目になったので若干ぐったりモードなリダン。
彼女を労っているのは同じ【GOATia】の住人、ショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)だ。
「クシナちゃんは肩上にどうぞどうぞ」
「ありがとう、ちょっと疲れたしお言葉に甘えて肩に座らせてもらうね、麻仁」
戦闘には参加しなかったが、討伐まで生徒が迷宮に入らないよう誘導してくれていたクシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)も合流して、ロマンティックな体験ができると聞いて遊びに来た四方城・麻仁(サイキッカーJK・f14117)の肩へ座った。
全員揃ってから改めて会場を見ると、一面見渡す限り星の海のような光景。
「星空を漂うことができるなんてまるで夢のようでございます!」
軽く床を蹴って浮いた体に、ショコラのテンションも上がる。
ふわふわどこまでも飛んでいけそうな感覚はなかなか普段は体験できないものだ。
「この浮く感じも新鮮で、フェアリーさんになった気分でございますね!クシナさんも普段はこんな感じなのでしょうか?」
「そうね、そうかも。それに私が地上にいて皆が飛んでるのっていつもは逆だから結構新鮮」
麻仁の肩に座ったまま、地上からアンニュイな表情ながらもどこか楽しげな雰囲気で、クシナはショコラを見上げる。
「うふふ、やっぱり星作りよね」
同じように浮かび上がったリダンは星をたくさん生み出していた。
こう見えて、とつけなくともリダンはデザイナー。
撮影映えするアートの腕でもって華麗な星座を生み出していく。
「リダンさんは、変な星座作るカンジ?面白そう」
面白そうな作業に惹かれ、かつ疲れているリダンを手伝おうと、麻仁も地上から作った星を念動力で操作して、楽しい空中の星座づくりに参加する。
クシナはゆったりと出来上がるのを麻仁の肩で眺めることにした。
二人が作り出すのはやはり【GOATia】の面々。
まずはオリオンをイメージしたポーズで角笛を携え振り上げつつも、可愛らしくちまっとした感じの、ショコラをモデルにしたしょこりん座。
優雅に流れる天の川で髪を表現し、片側だけが長めなアシンメトリーな髪型でヨーヨーで遊ぶ、麻仁がモデルのサイキッカーJK座。
その天の川に隠れるように潜み、シンプルなローブに身を包み、アンニュイな表情を浮かべた、クシナがモデルのアサシン妖精座。
「こうしてると、まるで星そのものを自由に動かしてるみたい。なんだかエモくない?本物の星もやればできるかな」
現実の星も頑張ったら念動力で、グイグイッと。
余った星々をビューン、と流星群にしながら、頼もしくもちょっぴり怖いことを麻仁は呟く。
「って、アタシを動かさないで?!取らないで?!」
「……あ……星じゃなくてリダンさんだった」
いつの間にやら出来上がっていた宇宙山羊座──もとい星と見まがうような模様のコートを羽織いたゆたって、なんとも言えない深淵を見つめるような、見ていると目がぐるぐるしてくるような表情を浮かべていたリダンを巻き込んで流してしまった。
「ああっ、お星様がっ!」
「って……しょこりん!?」
そしてゆったりその場をたゆたっていたショコラが、流れていく星々が大事なものように感じ、流星群を追いかける。
「……星の海を泳ぐ二人を見ているとどこまでも遠くに行ってしまいそうな気がする」
地上から飛び交う二人を見上げ、クシナは一人ごちる。
いつか自分を置いていって、きっとこの星空にある星座のように、きらきら輝く存在になるだろう、そう思うのだ。
さて、星を追いかけ集めていたショコラだがその過程で深淵を覗く宇宙山羊座と目があった。
「…………」
「…………」
とたん、追いかける勢いのまま目をぐるぐるにして壁に突っ込んだり、天井にぶつかったりと蛇行し始めるショコラ。
リダンも疲れているため慣性に逆らわず、星空を流れていく。
(いつか、夢を掴み星のように遠く輝く存在に……)
そんなふうにしんみり考えていたら、飛んでいく二人との直接的な距離が結構離れていた。
「ふっとばされてるせいで物理的に遠くに行きそうになってるね」
「こうしてると、まるで犬にフリスビーを投げているみたい。なんだかエモ……くない!可愛いけど!」
「とりあえず、回収してくる」
クシナに回収された二人が揃ったら、最後にするのはやっぱり記念撮影。
「星空を綺麗に撮れるアプリを入れてきたからね!」
麻仁が揚々と構えるスマホに入るようそれぞれ並ぶ。
「みんなも入って。はい!ピース!」
(……最近では当たり前になってきた手の届くところに誰かがいる事。これって結構嬉しいものだね)
「記念撮影でございますね!」
「ピースピース」
麻仁はサイキッカーJK座のようにちょっと首かしげて髪を流してピース。
当たり前になってきた幸せを抱き、クシナはアサシン妖精座の如く麻仁の肩にのってピース。
ショコラはしょこりん座と並んでおそろいの角笛を掲げたポーズ。
リダンも疲れながらも満足げな笑顔でピースピース。
カシャリ、と撮影の軽い音とともに楽しい輝きの一枚がスマホに記録されたのだった。
大成功
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ノネ・ェメ
こっそり来るらしい澪さんをみつけて、ご一緒したい~。 一部始終を付きまt、、付き添いさえ出来ればそれで。
UCで音楽を演る機会が増えるにつれ、段々と耳が研ぎ澄まされてきてて。今なら澪さんがどこにいても、音を聴き取れそうな気はしてる。
ネットで多少の交流こそあれど、ちゃんと会ってゆっくり、はなかなか出来なかったから、夜空の浮遊や星座作りといった目玉は満喫しつつ、まったりしつつのおんなじ時間を過ごせたら、それがノネには何よりまほろば。
そいえば。 さん付けでなくても、あだ名でも何でも、好きな呼び方で大丈夫ですからね?? さん付けがよければ全然OKですし~。
●
UCで音楽を演る機会が増えるにつれて、段々とノネの耳は研ぎ澄まされてきていた。
「―― óʊp(ə)n híɚ ――」
今なら、同じ空間のどこにいても、澪の歌う音を聴き取れるだろう。
そんな自信がある。
「見つけた〜」
隅っこに陣どってクッションを枕にふわふわ浮いて小さく小さく歌っていた澪を、ノネは世界を渡るときに聞いた音を思い返しながら微かに聞こえた歌を縁にして探し出す。
レイヤードコーデを翻し、漂って近づけば向こうもこちらに気づいた様子で顔を上げた。
「……はいー?何かご用、ですかー?」
「はい、よければご一緒したいな〜、と」
微睡んだような顔で見る澪に、ノネは目的を告げる。
「どうぞー、ご自由にー……」
「はい!」
二人でまったり、星空をたゆたいながらとりとめもないことを話しつつ。
気まぐれに手元に星を生み出し、少しずつ流してみたり。
のんびり同じ時間を過ごすのはなかなかに落ち着く──こんな空間はノネのまほろばだ。
微睡むようなゆったりした時間を星々の中で過ごすのは華やかではないかもしれないが、楽しいものだった。
「そいえば。 さん付けでなくても、あだ名でも何でも、好きな呼び方で大丈夫ですからね?? 」
「んー……うーん……のーちゃんとか、のんちゃんー……ねーちゃん、とかー……」
……澪には、あだ名のネーミングセンスもあまりないようだ。
ノネは自分で呼び名を決めたほうがいいだろう。
大成功
🔵🔵🔵
リヴィア・ハルフェニア
◎
星巡り…ふふ、実は楽しみにしてたの。
なんだか不思議だけれど素敵な光景ね。
色んな種類の星や星座を作ったり、体を浮かせてゆっくり星を眺めるのも楽しそうだわ。
●
リヴィアは彼女の一の友たるルトとともに星空を漂う。
「星巡り……ふふ、実は楽しみにしてたの。
なんだか不思議だけれど素敵な光景ね」
羽も持たず、今はミレナリィドールの身の自分が、何もせずとも中に浮き、星とともに浮いてたゆたうことができる。
旅立つ前には想像できなかったことだ。
リディアは中に浮かんだまま、手元に星を生み出して。
(そうね、彼らの星座を作るのも楽しいかしら)
力を貸してくれる精霊たちの姿を思い浮かべて、彼らの姿、もしくは関わる贈りものを象った星座を作り出すことにした。
彼女の身に付ける清浄なる杖や友愛の髪飾り、精霊王たる龍や鯨──いくつもいくつも星を生み出しては、少しずつ並べ形を作る。
大小様々な色で作られていく星座たちはリディアの大切な存在だ。
感謝を込めて、思いを込めて丁寧に形作る。
少し時間はかかったが、無事に星座が完成した。
いくつも出来上がった星座をルトが巡るのを、傍らでゆっくりと眺める。
世界はまだまだ知らないことや、新しい可能性に満ちている。
そのことをこの星空でより感じ、新たな体験をした人形姫は穏やかに微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
檀・三喜エ門
◎
澪ちゃんをお誘いしてみようかな
「おじさんと空中遊泳はどうだい?」
そして、星を作ってみたいんだ
浮かぶコツがあれば教えて貰おう
方向転換は難しそうだけど
一度、浮いてみたかったんだよね~
こんなふわふわ心地は体験するのも初めてで、眠くなるのも頷ける
しかし…澪ちゃんは星空が似合うねェ
学生さんに魔法を教わり、作った星をスッと放ってみる
俺の故郷では昔、「ほうき星は厄災を運んでくる」なんて言われたものだけど、
美しく幻想的で、滅多に見られないからこそ皆は怖がっていたのだろうね
これだけ身近に感じられるのは貴重な体験だ
澪ちゃんはどんな星を作ったんだい?
お互い見せ合いっこしよ…しまった、ほうき星…もうあんな所に…
●
まったりしている澪のもとに、白檀の香りとともに三喜エ門が訪れる。
「おや、ミキヲさんー……」
「やあ、澪ちゃん。おじさんと空中遊泳はどうだい?」
「いいですよー……」
傍らの猟兵に了承をとって、澪は三喜エ門と星空に並ぶ。
「浮かぶコツってあるのかな?」
「んー……力入れすぎず、ふわーっと……?」
とても感覚的で曖昧な答えだったが、、三喜エ門はそれなりに自身で浮いた状態を維持する。
急な方向転換は難しいがゆっくりと動く分には問題ないだろう。
「一度、浮いてみたかったんだよね~」
百歳経た香炉のヤドリガミである三喜エ門だが、これまで身一つで浮遊することはなかっただろう。
しっかりとした地面もなく支えるものもない、ふわふわとした自由な心地は体験するのも初めてで、何だか眠くなりそうだ。
「しかし…澪ちゃんは星空が似合うねェ」
「ありがとう、ですよー……」
澪はふわふわ眠たげ無表情ながらも、褒められてなんとなく嬉しそう。
三喜エ門は教わった魔法で鬼灯色の星を作り出し、スッと放ってみる。
星は尾を引いて辺りを回りだした。
「俺の故郷では昔、「ほうき星は厄災を運んでくる」なんて言われたものだけど、美しく幻想的で、滅多に見られないからこそ皆は怖がっていたのだろうね」
天狗とも言われ、凶兆の徴とされたほうき星。それをこれだけ身近に感じられるのは貴重な体験だ。
「澪ちゃんはどんな星を作ったんだい?
お互い見せ合いっこしよ……」
と、三喜エ門が言ったときには、放ったほうき星は気がつけば遠くに飛び去っていた。
「しまった、ほうき星……もうあんな所に……」
「はやい、ですねー……」
澪は手元の瞬くように明滅する青い星を三喜エ門に見せてから、ほうき星を追いかけるように放りなげて。
「疲れたら、休みながらー……追いかけたら、いいんですよー……」
「そうだね、そうしようか」
ゆるりと白檀の香りを靡かせて、星を巡ることにした。
大成功
🔵🔵🔵
セロ・アルコイリス
◎
リュカ(f02586)と
すごいな
宇宙を再現しちまえるんですね、アルダワは
とん、と地を蹴って空中へ
ぼやっと眺めてるだけでも楽しそう
流れ星とかも作れるんですね、見てみてーです
え、え、これ掴めるんですか(リュカからの流れ星に思わず手を伸ばし)
(消えても掴めても楽しい)
自分も全力で流れ星作ってみたりして
願いごとし放題ですね、これ(別になにもしねーけど)
確かに遠いきらきらがたくさんあんのはキレーですよね
魔法の言葉紡いで、リュカの星喚びのお手伝い
虹いろの星々を溢れんばかりに
流星雨にするならその下に潜り込んでみたい
せっかくだし、リュカもどうです?
リュカ・エンキアンサス
◎
セロお兄さん(f06061)と
スペースシップワールドの宇宙もいいけれど、
こっちの宇宙も、なんだか楽しそうな気がするよ。
え?流れ星?いいよ。…それ
(って、セロお兄さんのほうに星を投げてみたりする)
んー。俺はいっぱい星があるのが好きだから、ちょっと小さめのをたくさん出して浮べてみようかな
旅の道中で、星はいっぱい見たことあるから…
こんな色と、あんな色と、そんな色と…見たことはないけどこんなのもあるはず…
(気がつけばなんだかすごい量の星が浮いていた)
なんだかすごいことになってきたな…
よし、流星雨にしよう。まとめて流して、その先を見送ろうかな
下に潜るのか。いいな
願い事し放題…。楽して儲けたい、かな
●
「すごいな、宇宙を再現しちまえるんですね、アルダワは」
「スペースシップワールドの宇宙もいいけれど、こっちの宇宙も、なんだか楽しそうな気がするよ」
とん、と地を蹴って空中へ舞い上がるセロ。
追いかけて身軽く浮き上がるリュカ。
ここに浮く星は近くによっても魔法の明かりでしかないが、それ故に夢や幻想のような光景で。
新しい惑星を見つける、遠い星に思いを馳せる、というのとは違う楽しみ方ができそうだ。
そんな魔法の星空をゆっくりと眺めてるだけでも楽しそうだが、周りでは星を生み出し、流したり浮かべたりしている。
「流れ星とかも作れるんですね、見てみてーです」
「え?流れ星?いいよ。……それ」
リュカは手元に星を生んで、軽くセロの方へ投げる。
「え、え、これ掴めるんですか」
投げられた流れ星にセロが思わず手を伸ばせば、星は彼の手の中に留まってきらめいている。
感嘆の声を上げながら、セロは自分でも星を作って全力で投げ、尾を引いて行く星を生み出した。
一通り星を生んでは流したり、飾ったりして楽しんだあと。
「リュカはどんな星空が好きです?」
「んー。俺はいっぱい星があるのが好きだから、ちょっと小さめのをたくさん出して浮べてみようかな」
「確かに遠いきらきらがたくさんあんのはキレーですよね」
大きな星がぽんと輝く星空もいいけれど、小さな星が遠くきらめくのも素敵だ。
今回はそんな星空を生み出したい。
(今までの旅の道中で、星はいっぱい見たことあるから……)
リュカは自身が見てきた星空を思い出しながら、こんな色と、あんな色と、そんな色と……見たことはないけどこんなのもあるはず……、と思い浮かぶまま星をどんどん作って。
「はいはい、手伝いますよー」
セロも魔法の言葉を紡いで、手を振るえば、彼の髪のような虹色の星々を生み出していく。
気づけば小さな赤、青、黄や他の色、金銀、白や虹の色のようにきらめく様々な色の星が、この一帯に溢れんばかりにきらめいていた。
「なんだかすごいことになってきたな……よし、流星雨にしよう」
「きれーそうですね。あ、流星雨にするならその下に潜り込んでみたいですね。せっかくだし、リュカもどうです?」
「下に潜るのか。いいな」
二人は辺りを埋め尽くす星をまとめて流して、流星雨にすることにした。
もし下から眺めたら、まさに雨のように流れる星々を見上げられるだろう。
天頂あたりに一度持ち上げてから、降りしきる雨のように周囲に流して。
小さな光をきらめかせ流れる星を、地上から二人並んで見上げる。
「願いごとし放題ですね、これ」
「願い事し放題……。楽して儲けたい、かな」
特に星にかける願いを持たないセロと、捜し物を続けるためにか楽して儲けたいと願うリュカ。
二人で並んで見上げる星の雨は、今までで一番綺麗だったかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
霧亡・ネリネ
◎
きらきら、やっぱり良いな。何度みてもうれしくなるな♪
おしごと終わった後で見たから、なおさらうれしいぞ。
教えてもらった魔法で、きらきらお星様をつくってみたいな
琥珀の色は好きな色だ。だから私は濃い目の黄色にしたい
そそっと動かして、気に入った位置に持って行くぞ
お星さまを見上げたことはあるが見下ろしたことはないな……
持って行く時に動きようによっては、見下ろすっぽいことができる……素敵だなぁ。(すごく楽しい)
●
「きらきら、やっぱり良いな。何度みてもうれしくなるな♪」
らんらん♪とつきそうな雰囲気でネリネはうれしげに星空を楽しむ。
いつもきらきらはうれしいが、任務が終わった後に楽しむきらきらはなおさらうれしいものだ。
床を蹴って浮き上がり、赤銅色の毛先を踊らせながら星空のきらきらを満喫する。
360°どこを見てもきらきらがいっぱいで、とてもうれしい光景だ。
「きらきらお星様をつくってみたいな」
きらきらを増やせばもっと楽しいだろうと、そこに加える星をネリネは作ることにする。
うきうきと入り口で習った魔法の言葉で星を紡ぎ、手の内に生み出す。
ネリネの大好きな濃い目の黄色、Waldhornの煌めいたところのような、ちょっとつり上がった彼女の瞳のような琥珀色の星。
それをそっと動かして、ネリネの気に入った位置に持って行く。
「お星さまを見上げたことはあるが見下ろしたことはないな……」
ふと思い立って、星を気に入った位置に置いてから、そのずっと上に浮き上がった。
他にこの会場で楽しむ人が生み出した星も見下ろすような高い位置まで浮き上がれば──自身のおいた琥珀星も含めて一面の星を見下ろすようになった。
「……素敵だなぁ」
たくさんの大好きなきらきらと同じくらいきらきらの笑顔を浮かべて。
ネリネは星空に包まれるという、夢のようなご褒美をたっぷり楽しんだのだった。
大成功
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