●『怪人』たるもの
サイバーパンクめいた近未来都市。その片隅、薄暗い路地裏で必死に走るバーチャルキャラクターの少女が一人。
何かに追われるかのように、綺麗な服が汚れるのも気にせず走り続け、時折恐怖に染まった表情のまま後ろをチラチラと確認する。
細い道を右に左に走り抜け、ついに目指していた広場にたどり着く。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……こ、ここまで来れば……!」
この広場を抜ければ、人が大勢いる大通りに出られる。
そう思った少女の強張った表情が少しだけ緩んだ。
だが次の瞬間、再び少女の顔が絶望に染まる。広場の出口を塞ぐように、機械の怪人が降ってきたのだ。
「そ、そんなっ……!」
「へっへっへっ! 残念だったなぁ、ここは行き止まりだぁ!」
立ち止まってしまった少女の後からも、同じ機械の怪人がゾロゾロと現れる。
何人もの怪人に囲まれてしまった少女はぺたんとその場に座り込み、目尻に涙を浮かべ恐怖に震えてしまう。その様を見た怪人たちが下卑た笑い声を上げ、更なる恐怖に身を縮ませた。
やがて、路地の奥から大柄な怪人がゆっくりと姿を現し、酷薄な笑みを浮かべる。
「よく逃げたが、鬼ごっこはここまでだ」
そう言って少女を見下ろす、機関車のような頭をした怪人は楽しげに肩を揺らす。
「他の同胞たちは緩いのだ。我々が布教するならば、もっとも我々にあったものを選べばいい」
機関車頭の怪人の語る言葉に、取り巻きの怪人たちも頷く。
「それは『悪』だ。怪人に相応しい、絶対的な悪。つまり、いたいけな少女を追い回し、取り囲み、嬲り、そして殺す。これこそが怪人、これこそが悪といものだろう?」
「ひっ……!」
軽い口調で紡がれるも底知れぬ邪悪さを滲ませた言葉に、少女は自らの未来を擬視し短い悲鳴を漏らす。
その様を見て更に笑いを増やす怪人たち。隔絶された広場は、邪悪な意思に満ちていた。
「こちらとしても残念だが、おまえにはヒーローは現れなかったのだよ。なぁに、そう落ち込むな。すぐにそんなことは考えられなくなる」
「ここまで追い回される姿も、これからのお前の悲鳴も、撮影している配信動画を通して住民どもに『悪』の心を届けるだろう。そうなれば、もう我々の天下になろうさ!」
怪人に掛けられる言葉に、最早嗚咽を漏らすことしかできない少女。
その心の中では、切実な叫びのみがあった。
(誰か……誰か、助けてッ……!)
●正義の使者たち
「みんなー! 今日はマヒロのために集まってくれてありがとーっ☆」
グリモアベースにて、集まった猟兵たちにグリモア猟兵の星野・茉宙がポーズをとりながらそう声をかける。
「今回マヒロは、キマイラフューチャーでの事件を予知したんだっ☆……ごほん、真面目な話だからアイドルモードはここまでね」
そこまで言うと、茉宙はポーズをやめて手元の資料に目を落とした。
「キマイラフューチャーで怪人が『悪』の心を住民たちに広め、支持者を増やそうと事件を起こすわ。このままだと現地に住んでいるとあるバーチャルキャラクターの女の子が犠牲になっちゃう」
茉宙が語る事件の内容に、猟兵たちの間にもざわめきが走る。そんな猟兵たちの反応を横目にしながらも詳しい内容を語っていく。
「被害に遭う彼女はキマイラフューチャーのちょっと有名な動画配信者なんだけど、日課の散歩動画の撮影を行っていた時に、たまたま怪人たちが集まっているところに出くわしてしまうの。そして、『悪』の布教用動画を撮るために怪人に散々追い回された挙句、追い詰められて最後は……」
いたましい内容に、思わず口を噤みギュッと目を瞑る茉宙。
だが、すぐに表情を戻し話し続ける。
「だから、みんなにはこの事件を防いでほしいの。今はまだ小さい規模だけれど、こんな凶悪な怪人を放置してたらいつ勢力を拡大して大規模な事件を起こすか分からないもの」
毅然とした態度でそう語ってはいるが、その手は内心を表しているのか資料を持った手のひらは強く握り込まれていた。
「普通ならもう少女は囲まれているし、救出するのも難しいかもしれないけれど……不幸中の幸いとでも言うのかな、なんとかなる手はあるわ」
そう断言する茉宙はその対策を猟兵たちに語る。
どうやら、その怪人たちは主張する『悪』であること、『怪人』らしくあることに異様なまでに拘っているらしく、そこにつけ込む隙があるとのこと。
「やつらは悪を布教するために、正義を見逃すことが決して出来ないわ。つまり、正義のヒーローがいたら倒さずにはいられなくなるってこと。だから、みんなを現場に転送したあとに、正義のヒーローとしてカッコよく登場と名乗りをキメて欲しいの!」
そう言って握った拳を掲げる。
その顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
「熱血バーニングにキメてもいいし、クールでスタイリッシュにキメてもいいし、効率的で知的にキメてもいいわ。とにかく、悪の怪人が見逃せないくらいのアピールをして! そうすれば、ライブ配信されてる動画を通して住民のみんなに正義の心を届けられるし、怪人たちはみんなを倒すことを最優先にする。結果的に少女も悪を感じてしまった住民のみんなも助けてあげられるわ! それに、余裕ぶったボスは取り巻きの戦闘を前座と言い切って終わるまで決して手を出してこないの。だから順番に、遠慮なくボコボコにしてやってちょうだい!」
そこまで言い切り、茉宙は一度話を締めくくった。
全てを語り終えた茉宙の、猟兵たちに向けられた視線は信頼で満ちている。
「悪をブームにするだなんて許せない! 私、みんななら絶対阻止して勝つって信じてるから!」
ひらぶき改太
ひらぶきと申します。
今回はキマイラフューチャーでの、悪の布教阻止と悪の怪人たちとのバトルです。
カッコよくキメて、華麗に怪人を倒して、巻き込まれた少女を助けてあげてください。
流れとしては、名乗りを上げて怪人の注意を惹きつつ正義を語る第1章、取り巻きを片付ける第2章、ボスとの決戦を行う第3章となります。
皆様は転送された時点で広場におり、広場は遮蔽物もなく開けた場所で、戦闘に入る時点でバーチャルキャラクターの少女は怪人の意識の外になったことに気づき邪魔にならないところまで退避しますので、周囲のことは気にせず存分に戦って下さい。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『かっこよく登場して自分の名前を告げる』
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POW : 敵の前に堂々と姿を見せて、高らかに名乗る! 高いところに昇っていてもいい。
SPD : 敵を闇に紛れて倒したり、敵が成功を確信した瞬間に妨害。そして静かに名を告げる。
WIZ : 姿を見せて名乗った時には、すでに人質の保護や宝物の確保などの支援が終わっている。
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ナナシ・ナナイ
のりのりで名乗りあげるで『そこまでや!!』『お天道様が許しても、このナナシ・ナナイが見逃さへん!!』そういってユーべルコードで攻撃や
少女に凶行が及ぶ、その寸前。
「そこまでや!!」
威勢のいい声と共に路地の奥から飛び出して来たナナシ・ナナイ(ナニワのマンハンター・f00913)の姿に、その場にある全ての視線が向けられる。
「ちっ、邪魔者か」
気分のいいところを邪魔された機関車の怪人は、苛立ったように舌打ちを向ける。
だがナナシは気にも留めない。
「こないな悪いこと、たとえお天道様が許しても、このナナシ・ナナイが見逃さへん!!」
どころか、居並ぶ怪人の威などまるで無いかのように、強い視線と共にそう啖呵を切った
つまらなそうにその言葉を聞いた機関車の怪人だったが、何かを思いついたように再び愉快な声色に戻った。
「ふむ……ま、いいだろう。動画用のサンプルは多いに越したことはない。貴様の勇気が折れる姿もまた一興だ」
取り巻きの怪人たちも、その言葉に昏い笑いを響かせた。
怪人も、そして恐怖に震える少女も、憐れな犠牲者が増えるだけだと、そう思っていた。
だが、しかし。
「ほー、言うやないか。せやったら、こいつは挨拶代りや!」
不敵に笑うナナシの側に幾多もの突撃銃が現れ、放たれる銃弾の嵐が怪人たちを襲う。
「なんだとっ!?」
思いもしない攻撃に、怪人たちを驚愕が襲う。だが敵もさるもの、狙いを付けずに掃射したことから集弾率が低かったのか各々が防御に成功し、皮肉にもその怪人の壁が少女を守った。
「貴様ァ、猟兵か!」
怒りを露わにする機関車の怪人。
だが少女の耳には、その声には僅かな喜色が乗っているように聞こえた。
成功
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シホ・イオア
この世に悪がいるなら正義がいるのも当然で、
お前たちの悪事は空からまるっとお見通し!
フェアリーナイト参上!
少女をかばうように上からダイブ!
私自身が光っているし暗い路地なら目立つんじゃないかな?
少女は壺に避難してもらいましょう
シシィ・オクトニーア
自分勝手な理想のために何の罪もない少女を虐めるなんて許せません!
そんな悪い怪人さんは懲らしめてしまいましょうね!
私は怪人たちの注意を引き付けるために正々堂々と姿を見せます。
姿を見せるなら、なるべく高く、私の声が聞こえる範囲の場所で。
太陽または街灯などの光をバックにするのがポイントです。
光を受けた宝石の髪をなびかせて登場しますよ!
「そこまでです!怪人たち!」
「金剛石の身体に正義の心!フードファイター・シシィ、ただ今参上です!」
「人を害する悪は許しません!一切合切平らげます!」
少し恥ずかしいし怪人さんたちは美味しくなさそうですけど、頑張ります!
他にも同じように名乗る人がいましたら協力したいですね。
怒気を見せた怪人たちが、手始めにと少女へと向き直る。
少女もまた、足手纏いになるくらいならと悲壮な覚悟を決めようとした、その時。
「「そこまでです!!」」
凛とした声が、広場全体に木霊する。
弾かれたように怪人たちが、涙を浮かべた少女が空を見上げる。
広場を囲む建物群、その屋上に太陽を背にした2つの影があった。
「何者だ! 姿を見せろ!」
「言われなくとも!」
新手かと警戒する怪人たちを笑うかのように、影は軽く優雅に少女の側へと降り立った。
シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)がその身に宿した光が暗い路地裏で明るく輝き、シシィ・オクトニーア(金剛石は宝石箱から旅立つ・f03316)の金剛石の髪を美しく照らし出す。
その幻想的とも言える光景に、少女は涙を流すのも忘れ魅入り、怪人もまた忌ま忌ましさと喜びが入り混じった視線を向けていた。
「この世に悪がいるなら正義がいるのも当然で、お前たちの悪事は空からまるっとお見通し!」
「人を害する悪は許しません! 一切合切平らげます!」
シホとシシィは己の正義を唱え、少女を背に庇うように怪人と対峙する。
だが、すでに怪人の視界に少女はいない。
「フェアリーナイト・シホ!」
「フードファイター・シシィ!」
「「ただいま参上!!」」
力強い名乗りで怪人たちには衝撃が走り、少女は思わず止まった涙が再び流れる。
少女の心は、暖かいもので溢れていた。
「来てくれたんだ……ヒーローが……!」
「もう大丈夫だよ! ほら、危ないからこの中に入っていて!」
「はいっ! ありがとうございます!」
怪人たちが放心しているうちに、シホは少女を自分のフェアリーランドへ避難させ、改めて悪を名乗るものたちへ向き直る。
「くっ……フフフ……ハァーッハッハッハッ!! そうだ、待っていたぞ『正義のヒーロー』ども!!」
突如、狂ったかのような高笑いを響かせ、感情を爆発させる機関車頭の怪人。
もはやその声には、誰が聞いても分かる喜色が満たされていた。
「そうだ、そうだとも! 闇あるところに光あり、悪あるところに正義あり! それこそ真理、我らは表裏であり、切っても切れぬものであり、お互いなくてはならないものだ!!」
恍惚に浸るかのような怪人のセリフにシホとシシィの背筋に冷たいものが流れる。
「こいつ、狂ってるよ……!」
「えぇ、正義と戦うことを心の底から喜んでいる……!」
尚も消えぬ高笑いが二人の言葉を肯定しているかのようで。
取り巻きの怪人たちすらもが、当初の目的を忘れたかのように目をギラギラと輝かせて、猟兵たちを睨んでいた。
大成功
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スター・レイガン
HAHAHAHAHA!ヒーローの出番ということか、そして目立てと言うことかね?
ならばこのキャプテンレイガンの得意分野だよ。任せたまえ、星野君。
【POW】
【空中戦】と【ジェットパック】で高いところに登り、私のスーパーパワーで光を発しながら怪人達に向かって存在の顕示を行うぞ。
HAHAHAHAHA!怪人達よ、このキャプテンレイガンが相手をしてあげよう!
そこのお嬢さん、どうぞダージリンティーでも飲みながら見学していてくれたまえ。
【スターパンチ】を【2回攻撃】で加速し、モブ怪人の数を減らしていくぞ。
見るがいい、このキャプテンレイガンの輝きを!悪がこの世に栄えた試しはあったかもしれんが私の前ではないのだ!
アンシェ・ローム
できるだけわたくしに注目させますわよ。
「おーっほっほ!!そこまでですわっ!街に蔓延る邪悪な怪人ども!」
……こんな感じで。
身長が低いので、周りに光るちょうちょさんを侍らせ、謎の光の塊になって怪人どもをますます注目させます。
「世界に平和を届ける、一陣の光!」
ばーんっとちょうちょさんを離散させ、登場ですわ!うふふっ、こういうのやってみたかったんですの!
そして最後は名乗り!
その名も…!にゃも……
うーむ、ヒーローっぽい名前おもいつきませんわ……。と、とにかく目立てばいいんですものね!
「名前はまだない!!参上ですわっ」
三毛乃・珠
わし、猫じゃし。カッコよく登場しても格好付かなそうじゃしな。
ユーベルコードの炎で
怪人をかく乱しつつ攻撃しておる間に
小柄な身体を活かして少女を助けるかのぅ?
「お嬢ちゃん大丈夫かの?
少々頼りなく見えるかもしれんが
わしに任せておくとよい。
こう見えてもわし、強いからのぅ!」
時雨・零士
ヒーローを呼んでるってなら、応えねぇワケにはいかねぇな…!!
宇宙バイクに騎乗した状態で颯爽と登場。
そのまま怪人達の群れに突っ込む様にバイクを踊らせつつ、怪人達を眺めながら、啖呵を切るぜ。
「悪党ども!そんなに正義のヒーローの登場がお望みなら、お望み通り拝ませてやるぜ!ヒーローの勇姿をな!!」
で、啖呵を切った後にヒーローらしく「変身」!!
決めポーズもしっかり決めて、怪人どもを威圧するぜ!
最早怪人たちの目には猟兵、正義のヒーローたちしか映っていない。
高笑いを続ける機関車頭の怪人を尻目に、取り巻きの怪人の一部がもう待ちきれんとばかりに、猟兵たちへと襲いかかる。
だが、それは叶わなかった。
「HAHAHAHAHA! そうは問屋が下ろさないとも!」
飛び込んできたスター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)の輝く右腕が、襲おうとした怪人を叩き戻したのだ。
正義のヒーローとしての使命に燃え、体を輝かせていく。
「見るがいい、このキャプテンレイガンの輝きを! 悪がこの世に栄えた試しはあったかもしれんが、私の前ではないのだ!」
ジェットパックで滞空しながら、高らかに笑うレイガン。
その姿を捉えた怪人たちだったが、よく聞くと高笑いは一つではない。
「おーっほっほ! そこまでですわっ! 街に蔓延る邪悪な怪人ども!!」
レイガンとは別の方向から、そんなセリフと共にアンシェ・ローム(ポテチはいかが?・f06211)が現れる。
自分に視線が集中したことを確認すると、ポーズをとって言葉を続ける。
「世界に平和を届ける、一陣の光! その名も!」
更にポーズをとり、ヒーローとして名乗ろうとする。
が。
(にゃも……うーむ、ヒーローっぽい名前が思いつきませんわ……と、とにかく、目立てばいいんですものね!)
唐突に動きが止まり、ダラダラと汗を流す。
怪人たちは突如止まったその姿に訝しげな視線を向けるが、アンシェは開き直ったように再び声を張り上げる。
「名前はまだ無いっ!! 参上ですわっ!!」
告げられたセリフに、怪人たちはまたヒーローが増えたと更に戦意を増す。
だが、そんな怪人たちの動きを鳴り響くバイクの駆動音が止める。
何処からだ、とあたりを見回した次の瞬間、怪人たちへと上空から宇宙バイクが突っ込んできた。
予想外の出来事に目を白黒させるも、跳ね飛ばされた怪人たちは咄嗟に受け身をとりながらゴロゴロと転がる。
バイクに跨った時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)は、そんな怪人たちを眺めながら啖呵を切る。
「悪党ども! そんなに正義のヒーローの登場をご所望なら、お望み通り拝ませてやるぜ! ヒーローの勇姿をな!!」
言うが早いか、バイクから飛び降り構えをとる零士。
「変身ッ!!」
掛け声と共に、己のサイボーグとしての力とグールドライバーとしての力が体を駆け巡り、その身を変えた。
「俺はデオルム! 通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!!」
その分かりやすい正義のヒーローとしての姿に、機関車頭の怪人が更に笑い声をワントーン上げていた。
そんな流れを見て、ため息を吐きながらぽてぽてと歩いてくる影が1つ。
「うっそじゃろ、わしあの後に行くの? わし、猫じゃしカッコよく登場しても格好つかないんじゃが」
そうボヤきながら現れたのは三毛乃・珠(ケットシーのクレリック・f04785)。
その姿を見て鼻で笑う怪人だったが、すぐに異変に気付く。
珠から何匹もの、炎の猫が現れ出したのだ。そしてそのまま、怪人たちへと飛びかかるっていった。
「ほーれ、コイツはよう燃えるぞ?」
おどけたように声をかける珠だったが、その効果は覿面。
襲いかかる炎の猫に、囲みを作っていた怪人たちは慌ててしまいその包囲を崩してしまったのだ。
チャンスとばかりに包囲されていた猟兵たちと駆けつけた猟兵が合流する。
みすみす目の前で戦力の増強を許してしまった機関車頭の怪人は、ただただ楽しそうに笑うばかり。
そして、混乱から立ち直った取り巻きの怪人たちがこれまた愛憎入り混じった視線を投げかけてくる。
でも、猟兵たちは怯まない。
「HAHAHAHAHA! 怪人たちよ、このキャプテンレイガンが相手をしてあげよう!」
レイガンは悪を見据え、高らかに宣言し。
「おーっほっほ! 平和を乱す敵は倒しちゃいますわよ!」
アンシェは高らかに謳い。
「悪党ども、ひとっ走りつき合えよ!」
零士は力強くハンドルを握り。
「ま、わしに任せておくとよい。これでもわし、強いからのぅ!」
珠が不適な笑みを向ける。
そうして集まった猟兵たちが怪人へと戦意を向けると、機関車頭の怪人がまた嬉しそうに声を上げる。
「さぁ、始めようじゃないか! 大きな正義を倒した時、またこちらの悪も大きくなろう!!」
正義のヒーロー、悪の怪人。
今、両極の戦いが始まろうとしていた。
大成功
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第2章 集団戦
『スロットマシン怪人』
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POW : プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
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まずは前座だ、と語る機関車頭の怪人の言葉通りに、取り巻きの怪人たちが前に出る。
10を超える数のスロットマシーンの怪人たちは、迸る戦意を隠そうともしない。
ボスだの取り巻きだのという立場など忘れたかのように、己こそあのヒーローを討ち取らんと昂ぶっている。
そして、ただただ正義を貪り喰らおうと、この刹那に全てを込めて猟兵たちへと襲いかかった。
ナナシ・ナナイ
おうおう雑魚がわらわらと、自分らに用はないんや。わいのアサルトウェポンで蜂の巣にしてやるで!皆と連携しながら目指すは大将首や!!ガンガン攻めるわ!
立花・桜華
助けを求める声があるかぎり、イェーガーは必ず駆けつけるよ!
助けを求める声は確かに届いていたよ!
【怪人との戦い】
先ずは先制攻撃として投擲用ナイフを敵へ投擲して攻撃
その後は残像によるフェイントを交えつつダッシュを用いて高速移動を行う
敵の懐に飛び込めたら剣刃一閃(ユーベルコード)で攻撃を仕掛け、周囲の怪人をなぎ払いつつ斬撃による衝撃波を飛ばす
敵の一撃には注意、しっかりと見切ってカウンターを行う
野生の感を用いて敵の行動を予測し、回避またはダメージの軽減を狙う
勝敗を決めるのは数じゃない!誰かを思う優しさと守り抜くという覚悟!そして強大な敵にも立ち向かう勇気だよ!
スター・レイガン
Hmm、頭数は多いようだね。
数で劣るこちら側としては一体ずつ各個撃破と行こうか。
スピードスター、キャプテンレイガンの動きを捉えられるかな?
【SPD】
今の私はサイドキックだ。私が撹乱するから止めは任せたぞ!
と味方に対し宣言
数で劣るうちは私は敵の撹乱に努めるぞ
とにかく1箇所にとどまらず走り回るとともに【空中戦】も併用して敵と敵の間を飛びまわる。
こうすることで、敵の【スリーセブンクラッシャー】が途中で中止できない事を活かして、敵の同志討ちを狙うぞ。
回避の合間に余裕が有れば光線銃で【クイックドロウ】
敵の狙いを妨害して目標をずらしたり、傷ついた敵に対して【零距離射撃】を行いダメージを蓄積させていくぞ。
●駆け抜けろ、悪を狩るものたち
「おうおう雑魚がわらわらと、自分らに用はないんや」
居並ぶ怪人を見てそう嘯くナナシ・ナナイ(ナニワのマンハンター・f00913)を横目にしながら、スター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)は冷静に戦力差を測る。
「Hmm、頭数は多いようだね。数で劣る数で劣るこちら側としては一体ずつ各個撃破と行こうか」
「オッケー、確実に行こう」
レイガンの声に応える立花・桜華(羅刹のシーフ・f05787)は己の得物に手を伸ばす。
猟兵たちと怪人たちの間に弦を張られたような緊張感が満ちる。
そして怪人たちが動き出そうとしたその瞬間
、先に桜華が動いた。
「それじゃ、先手は頂くよっと!」
「うぐっ!」
懐から素早く投擲されたナイフが怪人の出鼻を挫く。
それを見た猟兵たちは駆け出し、怪人も遅れじと動いた。頭部のスロットマシーンが高速回転し、猟兵たちを切り裂こうと唸りを上げる。
だが、それを良しとしないものがいた。
「HAHAHAHA! このスピードスター、キャプテンレイガンを捉えられるかな?」
先んじて駆け出したレイガンがそのままの勢いで怪人の波へ飛び込み、怪人と怪人の間を縫うように駆け回る。
更に時折光線銃をクイックドロウで発射することで怪人たちを撹乱していく。
「今の私はサイドキックだ! 私が撹乱するから止めは任せたぞ!」
仲間を信じて走り、飛び続けるレイガンの後を追うように桜華がフェイントで残像を発生させながら高速で駆ける。
そのまま続けて敵の中へと飛び込んだ桜華を尻目に、ナナシが突撃銃型のアサルトウェポンの弾丸を怪人へとバラ撒く。
「わいのアサルトウェポンで蜂の巣にしてやるで!」
放たれた銃弾はともすればレイガンや桜華にも当たりかねないが、寸前で察知し躱す。
「ガンガン行くで、狙うは大将首や!」
そう威勢良く攻撃するナナシだったが、敵も取り巻きとはいえ立派なオブリビオン。
頭部のスロットに遺失武器のロケットを付け、高速でナナシへと打ち出した。
思わぬ反撃に大きなダメージを負うナナシだったが、その攻撃が止むことはない。ナナシのユーベルコードで、同等の強さの亡霊が現れたからだ。
そして、続く銃撃で態勢の崩れた敵へとレイガンと桜華が迫る。
「後ろがお留守だぞ? Shoot!!」
今まで撹乱に注力していたレイガンだが、分かりやすい隙を見逃すはずがない。
背後からゼロ距離で光線銃を撃たれた怪人は堪らず倒れた。
「勝負を決めるのは数じゃない! 誰かを思う優しさと守り抜くという覚悟! そして!」
混乱に乗じて怪人の懐まで一気に飛び込んだ桜華の白刃が疾る。
防御するどころか、桜華の姿にも気付かなかった怪人に守る術はない。
「強大な敵にも立ち向かう、勇気だよ!」
振り抜いた刀を鞘へと戻したと同時に、ゆっくりと怪人が地に伏せる。
「助けを呼ぶ声があるかぎり、イェーガーは必ず駆けつけるんだよ。わかったかな、悪の怪人さん?」
桜華は不敵に笑いそう言い捨てると、次なる怪人へと向かっていったのだった。
成功
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時雨・零士
何体出て来ようが関係ねぇ…まとめて叩き潰してやるぜ!!
バイク【騎乗】で突っ込むと同時にフォームチェンジ!
敵を跳ね飛ばしたり、敵の間を走り抜ける等で敵集団を攪乱し、フォームチェンジの能力で操った風の弾丸や風の刃を、なるべく敵の腕部(レバー?)や脚部、後は敵のスロットの上…重心の上辺りを狙って叩き込んでいく。
あのフォルムからして一度ひっくり返ったら起き上がり難そうだしな…。
んで、頃合いを見計らってバイクから飛び出し、風の力を乗せた【捨て身の一撃】(ライダーキック)を叩き込んで一体ずつ潰していくぜ!
シシィ・オクトニーア
正義と戦うことを楽しみにしている悪の怪人ですか……それ自体が悪かは分かりませんが、それで無関係な人たちを害していい理由にはなりませんよね。
なんとしてでも倒してしまいましょう!
頼りになる猟兵の方々も来てくださいましたので、皆さんと協力して戦いたいですね。
主に 、生まれながらの光で皆さんのサポートを頑張りますよ。
対象は最も傷付いている味方、次に前線で戦っている味方を優先して回復いたします。
回復の必要が無くて、かつ疲労が蓄積している状態でなければ攻撃に参加します。
ヒーローとして名乗った以上は、それに相応しく堂々とした戦いもしたいですからね!
正義の光ここにあり、です!
シホ・イオア
フェアリーの私なら敵の下を潜り抜けたり
頭上を飛び越したりもできるでしょう。
縦横無尽に飛び回り敵を翻弄します。
あ、味方のバイクに巻き込まれるのはさけたいなぁ。
攻撃技はスリーセブン・スラッシャーしかないのかな?
他の技は自己強化みたいだし。
ならスロットを動かせなくしてあげましょう
風よ刃に宿りて敵を戒める力となれ!
……よく見たら敵の頭の上って死角だし休めそうな気が。
●ヒーロー対怪人
「正義と戦うことを楽しみにしている悪の怪人、ですか……」
戦う相手の怪人たちを見てかぶりを振るシシィ・オクトニーア(金剛石は宝石箱から旅立つ・f03316)。
「それ自体が悪かはわかりませんが、無関係な人たちを害していい理由にはなりません。なんとしてでも倒してしまいましょう!」
僅かにあった迷いのようなものを消し、聖なる光を湛えて構えるシシィの横を、大型バイクが駆け抜けた。
「何体出てこようが関係ねぇ……まとめて叩き潰してやるぜ!!」
そう叫びながら、バイクごと敵集団の中へと飛び込んでいく時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)。
「行くぜ……チェンジ、ハスターフォーム……!」
怪人たちへと突撃すると同時に、零士の身体が混沌のオーラと漆黒の風に包まれる。
怪人たちが動揺するのを見逃すはずもなく、そのままバイクで敵を跳ね飛ばし、更に近くの敵に風の弾丸や風の刃を容赦なく撃ち込んでいく。
その攻撃は的確に脚部や腕部、スロット部分を狙い倒れる怪人たち。
「これが……風の神の力だ……!」
倒した怪人たちを一瞥すると、再びバイクを駆り敵陣を自由自在に駆け回る。
そんな零士を狙おうとする怪人だが、それは叶わなかった。
「ほらほら、私はここだよ!」
小柄な体躯を活かして、敵の頭上や敵の下を縦横無尽に飛び回り翻弄するシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)の姿があったからだ。
ちょこまかと飛び続けるシホへと攻撃するも、まるで当たることのない怪人たち。
どころか、たまに敵の真上で少し休んでいる始末。
「さて、危ないのはそのスロットかな?」
シホの目は、猟兵たちを切り刻まんと高速回転するスロットに向いている。
怪人たちの普通の攻撃はともかく、直接攻撃するユーベルコードはそのスロットだけだと見抜いていたからだ。
「なら、そのスロットを動かせなくしてあげましょう! 風よ、刃に宿りて敵を戒める力となれ!」
シホの掲げたルーンソードに、風の魔力が纏われる。
そして、そのまま敵へと急接近し、スロット部分を狙い斬り付けた。
「ぐっ、まだまだ……!? な、なんで動かないんだ!?」
「へへっ、どんなもんだい! て、うわっと」
傷も浅く、反撃しようとした怪人だったが突然自分のスロットが動かなくなったことに動揺し、その間に少し距離をとったシホは得意気に笑う。
そしてそんな隙だらけな怪人を狙い、零士がバイクを操る。
「隙ありだっ!」
「ぐわっ」
跳ね飛ばされた怪人はそのまま地へと沈んだが、まだまだ終わらんとばかりに他の怪人がすぐさま入れ替わるように現れる。
シホと零士を見て気炎を燃やす怪人だったが、猟兵は彼らだけではない。
「私をお忘れではないですかっ!」
全体の回復を済ませたシシィが前線に参戦したのだ。
完全に意識の外であったシシィの攻撃に、押され続ける怪人。
「ヒーローとして、相応しい堂々とした戦いもお見せしないとですからね!」
矢継ぎ早に繰り出されるナイフやフォーク、スプーンといったシシィの攻撃にどんどん怪人の余裕が無くなっていく。
そして隙ができたその時、シシィが大きく武器を振るい怪人を吹き飛ばす。
「今です!」
シシィが怪人を見据えながらも声をかける。
それに応じたのは漆黒の風を纏い、バイクから空高くへ飛び上がった零士。
「うおおおっ! ライダーキィィック!!」
一陣の風と化した零士がの飛び蹴りが、怪人を捉えた。
そのまま怪人を貫き着地した零士の背後で、ゆっくりと倒れた怪人が爆散する。
その華麗な一撃を見て衝撃を受けているほかの怪人へ向けて、シホとシシィも不敵に笑い武器を構える。
「私達猟兵の力、舐めないでよね!」
「正義の光ここにあり、です!」
もはや猟兵と怪人に数の差はなく、優位を失った怪人に勝ち目はない。
だが怪人たちも華々しく散らんと、刹那の光を求めて猟兵との戦いをやめる気配もない。
結果、加速度的に怪人側が数を減らしていき、ついには最期の一人も倒れるのだった。
成功
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第3章 ボス戦
『機関車怪人』
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POW : トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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●狂乱、怪人・機関車男!
「ふ、ふははははは!! 良い、良いぞヒーローども!!」
スロットマシーン怪人たちが全て倒れたのを見て、高笑いを響かせながら意気揚々と前へ進み出る機関車頭の怪人。
その脳内にはもう悪の布教だのなんだのといった目的は抜け落ち、ただただ悪の怪人たる己が正義のヒーローである猟兵たちを嬲り、倒し、屠ることしかない。
朗々と輝くその瞳が、集まった猟兵たちを見渡す。
「では名乗ろうか! 我が名は怪人デストレイン!! 貴様等全員、我が車体の錆にしてくれよう!!」
臨戦態勢に入ったデストレインから発せられるオーラは、先のスロットマシーン怪人たちの比ではない。
その迸る戦意と悪意を受け、しかし猟兵たちとて退くわけにはいかない。
激戦の予感を、各々が感じていた。
ナナシ・ナナイ
わいの身体はボドボドダ。やけど挫けるナナシさんじゃありまへんで。わいの拷問具はこいつみたいな動き回るやつに有効や。そうして動きを制限してユーベルコードで攻撃やで。前とは違って一点集中や!
●暴走機関車の猛攻
重厚なフォルムに反して、軽やかに走り猟兵たちに迫るデストレイン。
だが、その動きに待ったをかけるナナシ・ナナイ(ナニワのマンハンター・f00913)。
「わいの拷問具は、お前みたいな動き回るやつには有効やろ!」
デストレインの動きを止めんとばかりに蛇腹状の鉄条網が襲いかかる。
そして集中攻撃するべく、ユーベルコードで己の全武器を複製し、狙いをつけた。
だがナナシの拷問具が届く寸前、デストレインが身長の2倍、おおよそ4mほどの蒸気機関車を召喚し騎乗したのだ。
「ふっはははは!! 何人たりとも我が歩みを止められんとも!!」
「なんやそれ!?」
拷問具が弾かれたことに動揺しながらも、複製した武器群から放たれる銃弾の嵐がデストレインを襲う。
降り注ぐ銃弾に傷を負うデストレインだったが、しかしその走りが止まることはない。
「くくっ! 返礼だ!」
デストレインはそのままの勢いで、蒸気機関車ごとナナシに体当たりを食らわせる。
「うぐっ……や、やるやんけ!」
吹き飛ばされるもすぐ体制を整えるナナシだったが、デストレインの強靭さに冷や汗を流すのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
スター・レイガン
ほう、デストレインか
良かろう、名乗られたからには名乗り返さねばならん、再度名乗ろう。
私はキャプテンスター・レイガンだ。
定刻を乱す暴走列車には駅でも車庫でもなく、墓場へと急行していただこう!
【POW】
強力な相手との戦いならば、全力を持って戦うまで
そして列車と平地で戦う訳にはいかん、自分の得意なフィールドで戦わせてもらう
【光線銃】による射撃で牽制を行いつつ
【空中戦】を使用し空や建物を利用し周囲を飛び回りながら射撃を行い隙を窺う。
隙ができたら建物の壁を蹴って【ジェットパック】の出力を上げ一気に加速
空から【2回攻撃】で加速した【スターパンチ】を全力で放つぞ。
受けてみよ、キャプテンレイガンの必殺の拳を!
●ヒーローvsヴィラン
「ほう、デストレインか。良かろう、名乗られたからには名乗り返さねばなるまい」
そう言って悠然と佇むスター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)。
その堂々とした立ち姿に、デストレインも喜色を湛えて向かい合う。
「私の名はキャプテンスター・レイガン! 定刻を乱す暴走列車には駅でも車庫でもなく、墓場へと急行していただこう!」
「怪人、いや、ヴィランとして言わせてもらう! 出来るものならやってみるがいい!!」
言うが早いか、体を鎧で覆うように鉄道模型を見に纏いレイガンへとタックルを繰り出すデストレイン。
突撃してくるデストレインをひらりとかわし飛び上がる。
「列車と平地で戦うわけにはいかんからな、得意なフィールドで戦わせてもらう!」
ジェットパックで飛び回り、光線銃で牽制の射撃を繰り返すレイガン。
煩わしそうに防ぎ、避けるデストレインだったが、ラチがあかないと思ったのか蒸気を吐き出し外周を走り出し、加速を付けてレイガン向けて跳び上がる。
風を切る勢いで拳を振るうデストレインだが、平地ならば兎も角空中戦はレイガンに分があった。
「HAHAHA! 残念だったね!」
器用に空中でひらりと身を躱したレイガンは、そのまま近くの建物を足場にし、ジェットパックを点火させ加速して空中で身動きの出来ないデストレインへ飛び出す。
「受けてみよ、キャプテンレイガンの必殺の拳を!!」
Kabooom!!
レイガンの右腕が光り輝き、鉄道模型の装甲を粉砕しながらデストレインの体へ突き刺さる。
その凄まじい力に、苦悶の声を漏らし地面に叩きつけられるデストレイン。
「がはっ……く、くく、まだまだ倒れてやるつもりはない……!」
「ふむ、中々頑丈だな」
大きなダメージを負ったはずなのに、何でもないように立ち上がるデストレインの姿にレイガンが驚く。
まだまだ戦いが終わる気配はない。
猟兵たちは改めて気を引き締めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シシィ・オクトニーア
怪人デストレインですか。先程の怪人たちよりも強大な敵、ですね。
気を引き締めないと……!
敵は高速で移動したり体当たり攻撃をするとのことなので、今度は始めから前線で戦います。
フードファイト・ワイルドモードで自身を強化して立ち向かいます。
【大食い】なので他の人よりちょっと多めに食べられると思いますよ!
とは言っても単純な力勝負では厳しいと思いますので、相手の体当たりは真正面で受けずに受け流すようにしたいです。
体当たりを避けることが出来たり、敵がトレイン・フリークで自身を強化したりしたら、その隙を付いて攻撃したいですね。
可能であれば、他の猟兵の皆さんと連携して戦えたらいいなと思います。
シホ・イオア
遠距離攻撃は持っていないし接近戦を挑むしかないかな。
但し、フェアリーの接近戦だから相手はやりずらいでしょう。
正々堂々とは思うけどリーチの差はね……
そういえば【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】を使ってパワーアップするんでしたっけ?
ユーベルコードじゃなければ奪えるんでしょうけど……
【鉄道模型】【鉄道写真】には興味あるし。格好いいのかなー?
高速移動を武器としてるみたいだし狙いは足だよね。
肉を切らせて骨を断ーつ!
炎よ刃に宿りて悪を焼き尽くせ!
アンシェ・ローム
親玉登場ですわね!……な、なんだか遠目で見たときよりも結構大きいですわね…。
でもっ正義の鉄槌やっちゃいますわよ!
攻撃を当てやすくするなら敵の動きを抑える必要がありますわね。
攻撃を盾で受け流しますわよ。すてーんと転けてくれると良いのですけれど!その後ごつーんと打撃をお見舞いしてやりますわ!
吹っ飛んでしまったら……まあ、そのときはその時で……
鈍くなったところで
「ジャッジメントクルセイド!」
ってやつですわ!
●蒸気吹き、少女舞う
「怪人デストレインですか。先程の怪人たちよりも強大な敵、ですね。 気を引き締めないと……!」
猟兵たちと五分以上に戦うデストレインの姿に、シシィ・オクトニーア(金剛石は宝石箱から旅立つ・f03316)が表情を引き締める。
その隣ではアンシェ・ローム(ですわ〜ますわ〜・f06211)が聳え立つデストレインの巨体に目を丸くするも、しかし退くことはない。
「親玉登場ですわね!……な、なんだか遠目で見たときよりも結構大きいですけれど……でもっ、正義の鉄槌やっちゃいますわよ!」
シシィがユーベルコードの力を使うべくお肉を食べだし、アンシェがデストレインの攻撃に備えるべく盾を構える中、浮遊するシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が考え込む。
(「遠距離攻撃は持ってないし、接近戦を挑むしかないかな」)
平地での接近戦はやや不利にも思ったが、それでも笑みは崩さない。
ルーンソードを抜き、その切っ先をデストレインに向けて対峙するシホ。
そして、デストレインが蒸気を発しながら勢いよく突っ込んでくる。
拳を振り上げるその姿に、あえて前に出るシホ。
「但し、フェアリーの接近戦だけど!」
シホの小さな身体にデストレインの拳が当たることは無く、ひらりひらりと避けながらルーンソードを振るう。
「ちっ、ちょこまかと!」
「正々堂々と行かせてもらうけど、リーチの差はどうしようもないしね」
苛立たしげなデストレインの声もなんのその、付かず離れずの戦いをするシホだが、逆にシホの側の攻撃も効果が薄い。
そんな状況を見て、シシィとアンシェが進み出る。
完全に受け止める態勢のアンシェを見たデストレインは、矛先をそちらに変える。
「ならば受けてみるがいい、我が必殺を!」
言うが否や、高速走行モードへと変身しアンシェに迫るデストレイン。
噴出す蒸気がシホの剣を拒み、歩みを止めることはない。
「喰らえ! アクシデントクラッシュ!」
「ふにゃああ!?」
高速走行の助走と蒸気によって加速したデストレインの体当たりがアンシェを襲った。
盾で受け流そうとするアンシェだったが、想像以上の衝撃にころんと吹っ飛び転がってしまう。
だがその後ろにはシシィも控えている。
「ふははははは! 我が歩みを止められるかな!?」
「くっ、なんて重い!」
戦闘力が強化された状況でも拮抗かそれ以上の力を見せるデストレインに、受け流したシシィも苦悶の声を漏らす。
受け流され、駆け抜けたデストレインが高速走行モードを解除し、今度はどこからともなく時刻表を取り出す。
そして攻撃力を上げるためか、バンテージのように拳へと巻こうとしていた。
しかしシシィはそれを見逃さない。
「させませんっ!」
「むっ、易々と強化させてはくれんかっ」
シシィの振るうナイフとフォークにその腕で鍔競り合うデストレイン。
ギチギチとお互い力が篭っているのがわかるが、そんな状況を猟兵が見逃すはずもない。
「ジャッジメント・クルセイド! ですわ!」
「ちっ、そうそう当たりはせんぞ!」
アンシェの放つ天からの光を見て、即座に飛び退くデストレイン。
再び構え直すデストレインだが、もうその時にはシホが死角から飛び込んでいた。
「炎よ刃に宿りて悪を焼き尽くせ!」
「なにっ!」
炎の魔力をエンチャントした剣が、デストレインの足を切り裂く。
そして、炎がまるで戒めるかのようにデストレインの足に絡みついた。
「ふふん、これでお得意の高速移動はしずらくなったでしょ?」
「小癪な!」
得意気に笑うシホと対照的に、やや戦況が傾いてきたことを感じデストレインが苦々しく言葉を吐き捨てるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
時雨・零士
列車型の怪人か…おもしれぇ!テメェは正面からぶち破る!!
…ホントならハスターフォームの風で敵の蒸気を封じる、とかのが効果ありそうだが…。あの装甲とパワー、ヒーローとして正面からぶち破りたくなった…!挑ませて貰うぜ…!!
先刻同様、バイクへ乗り、アクセル全開で【騎乗】【操縦】【見切り】を活用しながら敵にバイクで体当たりを仕掛ける様に何回も攻撃。
最後はバイクの加速力も利用した【捨て身の一撃】による【カオス・ストライク】で粉砕してやるぜ…!!
これが…俺の全力の一撃だ…!!
●怪人の矜持
「列車型の怪人か……おもしれぇ!テメェは正面からぶち破る!!」
そう高々と宣言する時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)の言葉に、デストレインが大きく笑う。
「ならば来るがいい、ヒーロー!! 貴様と私、どちらが強いか見せてやろうとも!!」
言いながら、再び鉄道模型の鎧を見に纏うデストレイン。
猟兵たちの活躍でその自慢の足は鈍くなったものの、その体躯が生み出す膂力は未だ健在。
いつでも来いと言わんばかりに、デストレインが待ち構える。
(「……ホントならハスターフォームの風で敵の蒸気を封じる、とかのが効果ありそうだが……あの装甲とパワー、ヒーローとして正面からぶち破りたくなった!」)
それはヒーローとしての矜持か、怪人としての矜持か。
あえて、ただ全力でぶつかることを選んだ零士と、またその全力を迎え撃たんとするデストレイン。
二人の間には、一瞬の奇妙な静寂があった。
だが、すぐに零士のバイクの駆動音が荒らしの前の静けさを切り裂いた。
「挑ませて貰うぜ…!! これが……俺の全力の一撃だ
……!!」
猛々しく迫るバイクの勢いのままに跳び上がった零士から、混沌の魔力が放たれる。
避けることのないデストレインに命中すると、混沌の魔力が円錐のようなコーンを描いた。
そして、零士の身体を混沌の魔力が包む。
「喰らえッ! カオス・ストライクッ!!」
その凄まじい勢いで繰り出される跳び蹴りが、コーンを撃ち抜くようにデストレインへと迫る。
気迫とともにその両腕で受け止めるデストレインだったが、情勢は零士に決した。
「ぐああああ!!」
零士の一撃が両腕を弾き、その胴へと直撃する。
堪らず吹き飛ばされるデストレイン。
満身創痍の状況だが、しかし、まだ怪人は立ち上がる。
「まだだ、まだ……終わってない……!」
その恐るべき耐久力と精神に、猟兵たちは気を引き締めなおしていた。
大成功
🔵🔵🔵
スター・レイガン
いいや、そろそろ終電の時間だよ、デストレイン。
君が頑丈さに自信が有るというのなら、私は倒れるまで飽和攻撃をするだけさ。
【SPD】
再攻撃と行こう
このキャプテンレイガン、銃の扱いにはいささか自信が有るのだよ。
【空中戦】で地面スレスレを飛行し【ジェットパック】で加速するぞ
【クイックドロウ(技能)】と【クイックドロウ(UC)】を合わせ【位相転移銃】で弾幕を張りながら接近
ジェットパックも宇宙の戦闘機も有効なマニューバは一緒さ
相手の攻撃射程圏内に入る直前に急上昇又はローリングを行い敵の攻撃の空振りを誘い、隙を作らせるよ
隙が出来たならば【光線銃】を突き付け最大出力の【零距離射撃】と行こう
迸れ、レーザーガン!
三毛乃・珠
ぬお!SL頭とな!?敵ながら中々ハイカラな奴じゃのぅ。
然しまあ人様に迷惑をかける輩にはお仕置きじゃ!
少々灸をすえてやらんとの。とは言えわしのは ちと熱いぞ?
【WIS】
敵が攻撃を軽減してくるのなら
こっちはその上で正面からぶち抜くまでじゃ!
『猫又の火』を一塊にして『鎧砕き』を使用しつつ
巨大猫パンチでも喰らわしてみようかの
●暴走特急、ラストラン
「ぬお! SL頭とな!? 敵ながら中々ハイカラな奴じゃのぅ」
デストレインの姿を見て、思わずそう零す三毛乃・珠(ケットシーのクレリック・f04785)。
だが、その戦意が鈍ることはない。
「然しまあ、人様に迷惑をかける輩にはお仕置きじゃ!」
そう言ってビシ、と手に持つメイスを向ける。
そんな珠を背に隠すように、スター・レイガン(キャプテンレイガン・f02054)がジェットパックの火を灯しながら降り立つ。
「貴様の拳はもう受けた、そして耐えたことを忘れたか!」
「HAHAHA! 君が頑丈さに自信が有るというのなら、私は倒れるまで飽和攻撃をするだけさ!」
言い放ち、ジェットパックで今度は地を撫でるように低く飛び回るレイガン。
「ジェットパックも宇宙の戦闘機も、有効なマニューバは一緒さ!」
「ちっ、猪口才な!」
デストレインの攻撃範囲ギリギリで急上昇し、急展開し、くるりと回り、空振りを誘う。
そして、素早くホルダーから抜いたレイガンの銃が何度も光を放ち、弾幕を張る。
もはや十分に動くこともできないデストレインだが、迫る銃弾を掻き消すように大きく腕を振り回し対抗していた。
だが、その弾幕の奥ではすでに珠が準備を終えていた。
「少々灸をすえてやらんとの。とは言えわしのは ちと熱いぞ?」
珠から放たれた猫型の炎が、一点に集まり巨大な一匹の燃え盛る猫へと変化していく。
そして、その燃え盛る炎を肉球から吹き出しながらデストレインへと前足を振るった。
「こっちは貴様のその防御、正面からぶち抜くまでじゃ!」
「ぐ、ぬおぉぉ!! なんの、これしきぃぃ!!」
だが、満身創痍ながら敵もさるもの。
猫の燃え盛る前足と正面からぶつかるように蒸気を噴き出しながら拳を振るう。
拮抗する両者だが、ついにデストレインが打ち勝ち、炎の猫を掻き消した。
「はぁっ、はぁっ……貴様等猟兵、正義のヒーローどもをあの世まで送り届けるまで、私は止まらんぞ……!」
「いいや、そろそろ終電の時間だよ、デストレイン」
「なっ」
肩で息をするデストレインだったが、それでもまだ戦意は消えることがない。
それでも、もう終わり。
その目の前、ゼロ距離でデストレインに光線銃を突きつけるレイガンがいたのだから。
「汽笛を鳴らしたまえ、これにてFinishさ! 迸れ、レーザーガン!!」
「貴様、キャプテンッ……レイガァァァンッ!!」
一条の光が、デストレインの身体を貫く
くらり、と後ろへよろめき、堪え……倒れた。
再びデストレインが立ち上がる様子はない。
悪の路線を突き進む、狂乱する蒸気機関車の最期であった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴