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わからない。俺たちは雰囲気でSFをやっている。

#スペースシップワールド


「私は……なんだ?」
 無機質な空間の中、目覚めた彼には、おおよそ自我と呼べるものがなかった。目的はある。人類殲滅。それが己の使命だ。自分が何者かもわかる。銀河帝国の帝国騎士。それが自分だ。
「だが……帝国とはなんだ?私は帝国騎士として、どのようにあればいい」
 知識としてはわかっていても、彼には、行動規範が身についていなかったのだ。目的意識の命じるままに、無人兵器を操り、コロニー船を占拠する作業を進めていく彼の中には、己への疑問が渦巻いていた。そんな時、彼は思ったのだ。
 己の占拠したこの地を解放しにやってくる者たちを参考にし、彼らに敵対するにふさわしい在り方でいればよいのだと。


「ようこそお越しくださいました、猟兵の皆様」
 猟兵たちがグリモアベースに訪れると、周囲には広大な宇宙空間が広がっていた。どうやら、次なる任務はスペースシップワールドでの冒険らしい。
「スペースシップワールドのとある食糧生産用のコロニー船に、銀河帝国の小型戦艦が追突したそうです」
 スペースシップワールド。かつての戦争により、人類の安住の地が、巨大宇宙船の中にしか存在しなくなった宇宙世界だ。惑星こそ滅びれど、悪辣なる銀河帝国もまた潰えたはずのこの世界で、しかし巨悪はオブリビオンとなって復活し人々を脅かしている。
「追突した小型戦艦から、帝国騎士が船内に潜入し、コロニー船の一部区画を乗っ取っています。今回の皆様のお仕事は、乗っ取られた区画を解放し、帝国騎士を打倒することです」
 これだけならば、脅威とはいえ、昨今のこの世界ではよくあることなのだが。今回は一つ問題があるのだ、と指を立てる。
「その帝国騎士はどうやらオブリビオンとしての復活の際に、自身のアイデンティティを見失ってしまったようです」
 自我が不確かな状態でも、自身の根底に刻まれた人類への敵愾心は薄れていないようで、コロニー船の占拠に向けて動いているのだが、その際に探しているものがあるらしい。
「それこそが、自身のアイデンティティです。彼は、己の支配した区画をカメラやドローン等で監視しています。皆様が戦艦攻略の中で見せた行動に応じて、彼は、この世界とは何か。銀河帝国とは何か。己は何者か。学びなおしていくことでしょう。そうして、皆様が帝国騎士の元へ辿り着くころには――」
 立派な騎士が再誕しているという寸法である。
「ただ、そうですね。彼の騎士は現在、外部から得た情報をなんでも鵜呑みにしてしまう状態のようです。皆様の行動に応じては、奇妙な行動ばかり取る人物になってしまうかもしれません」
 猟兵たちは、奇妙な行動を取る帝国騎士を思い思いに想像し、小さく笑った。
「とはいえ、いかに奇妙な行動を取ろうと、帝国騎士は強敵です。心して向かってくださいませ」
 最後に丁重に一礼し、アルレクリアは猟兵たちを転送させた。


月光盗夜
 いつもお世話になっております、月光盗夜です。
 今回のシナリオですが、どうにもSFというものへの意識がふわふわしている帝国騎士との戦いになります。
 第一章第二章は、帝国軍に占拠された区画の探検となります。基本的には、フラグメントで示唆されているような選択肢をベースに活動していただければと思いますが、その際に皆さんがとった行動に応じて、最終章でのボスの言動、行動が変化します。

 これだけではふわふわしていますので、若干詳しく語りますと、例えば第一章第二章に、サムライエンパイアからやってきたような武士が大挙して押しかけた場合、最終章では武士道精神を湛えた帝国騎士との決戦になるかもしれません。
 あるいは、第一章第二章で、スイッチを見れば押したがるような愉快な方たちの冒険を見れば、最終章で戦う帝国騎士も、落ち着きのない子になるでしょう。
 つまりは、探検パートでギャグっぽい行動を取れば取るほど最終決戦もギャグっぽくなり、硬派なスペオペっぽい行動をとったならば、重厚なSF感のある強敵が立ちはだかる。そのように考えていただいて構いません。

 そんなシナリオとなっています。勿論、みなさん全員に同じ方向性のプレイングを強制するものではありませんので、心の赴くまま、カッコいい、あるいは面白いプレイングを描いていただければと思います。
 面白そう、と感じていただけたならば、どうぞシナリオにお越しいただければ幸いです。
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第1章 冒険 『コンピュータ、反抗す』

POW   :    AIが仕掛けたトラップや警備ロボ等を力尽くで排除して進む。

SPD   :    トラップや警備ロボ等の動きを見切り、素早く進む。

WIZ   :    ハッキングや魔法でAIの行動を阻む。

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アルレクリアによってコロニー船に送り込まれた猟兵たちは、帝国騎士の占拠しているという区画にやってきていた。区画を仕切る壁の向こうは、警戒態勢を示す赤いランプが派手に明滅している。どうやら、コロニー船にもとより備えられている警備機械群を突破しなければ、先へと進むことはできないようだ。
 頷きあい、猟兵たちは警戒区域に足を踏み入れる。
ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)――Copy。グリモア猟兵からの提供情報を理解した。これより任務に当たる。

(ザザッ)【SPD】を用い早急に攻略する。
使用技能『迷彩』。本機の可視性を低下させ、気付かれづらい様にしつつ侵入。
警備ロボットや罠は『メカニック』としての知識を使用し、罠の種類や警備ロボットの巡廻タイミングを把握した上でなるべく戦闘を回避しつつ先に進む。

地面に設置された罠は『Leg Vernier』で跳躍し回避する。

(ザザッ)無駄な行動を取れば敵が弱くなる――?把握はしている。
しかし本機にはその様な真似は出来ない。
――また、強敵との戦闘も大いに歓迎する。

――本機の行動指針は以上、実行に移る。オーヴァ。(ザザッ)


上垣・重
僕らの行動が影響する・・・ならなるべく姿を見せず何をされたかもわからないような行動をしたらどうなるんですかね?

そんな事を呟きながら区画の目立たない場所でフードを被って【迷彩】状態でキューブ・オブ・グリモワールを繋げてコンピュータへの【ハッキング】を試みることにします。
AIの行動を少し弄って先ずはドローン型の警備ロボットの一時的な正常化を図ります、ようは【時間稼ぎ】ですね。
排除したり、避けながら動く他の方がいればそのルート上だけでも長く正常化させてあげたいです。

これでも電子の海から生まれた存在なのでこういうモノを弄るのはお手の物ですよ、えぇ多分、はい。



「――Copy。グリモア猟兵からの提供情報を理解した。これより任務に当たる」
 ザザ、と言葉の節々にノイズを交えながら、黒豹の如き機械鎧を纏った戦士、ジャガーノート・ジャック(オーバーキル・f02381)が首肯する。
「サーチ完了。最適経路で目的地へ向かう」
 警戒区画に踏み込んだ彼は、メカニックとしての知識も交えて事前に導き出したルートを進むことで、警備ロボットとの接触を最低限に抑えながら、時に障害物や壁に溶け込む迷彩技術で監視カメラを切り抜け、時に己の脚部に仕込まれたバーニア機能で設置された罠を回避していく。
「――Copy。目的地に到達した」
「ありがとうございます。この場所なら、ゆっくり安心してハッキングができそうですからね」
 機械鎧の戦士は、警備の死角にゆっくりとバーニアで降り立つと、両腕に抱えていた青年――上垣・重(虚飾の魔人・f00260)をそっと降ろす。警備ロボットの警戒を的確に潜り抜けるルートを開拓できたのは、高いハッキング技術を持つ彼の協力によるところが大きい。
「それでは、本機はこのまま最適経路での進攻を継続する」
「ええ、こちらでもある程度の支援はできるかと。……あなたは、そういったやり方でいくのですね?」
 バーニアを起動し、再び先へ進もうとするジャックに、重が問いかける。
「無駄な行動を取れば敵が弱くなる――?把握はしている、しかし本機にはその様な真似は出来ない。――第一、強敵との戦闘は大いに歓迎だ」
「応援していますよ。お気をつけて」
 異形の同胞の言葉に、青年は静かに微笑む。
「では、本機は作戦を継続する。健闘を祈る。――オーヴァ」
 バーニアを静かに稼働させて去っていく同胞の少年の背中を見送りながら、重はハッキングを開始する。
「僕らの行動が影響する……なら、なるべく姿を見せず何をされたかもわからないような行動をしたらどうなるんですかね?ふふ、それはたどり着いてのお楽しみでしょうか」
 そういって青年は、仲間たちを支援すべくハッキングに勤しむ。これによって、警備ロボットの少なからぬ数が無力化される。見事な手際であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベンタ・グラーフェン
ほう、今こそこのベンタ・グラーフェンの出番でありますな!

ふっふっふ。我輩、くればぁ、でありますからな!他の猟兵の補助に回りましょうぞ。

ブラックタールの体に、ゴッドペインターのペイント武器。具体的にはペンキの入ったバケツでありますが……これの組み合わせで……はっ!!!
(空中にペンキを投げつけて、その間に四角く味方を覆うような形状に変化)

ダンボール!!!

これでAIの探査をごまかせるはずですぞ。
潜入捜査にダンボールは有能、とお聞きしておりますからな。

ん?ごまかせない?そんなときはまー……ペンキをカメラにぶちまけて誤魔化すと致しましょう。なーに、大丈夫大丈夫。是非、我輩におまかせを!


ヴェイル・ランカスター
この世界はな、すごい(S)フレンドリー(F)なんだ…

例えばそう、この【優しきゴリラ氏】
通路のど真ん中とかクッソ邪魔な所に陣取ってお前ら帝国軍を見守ってくれるんだ…。
そうすりゃお前らはオレ達を視界に入れなくて済むし、オレはゴリラウォークで悠々と先に進めるわけよ。
win-winだろ?これがすごい(S)フレンドリー(F)だ。



「この世界はな、すごい(S)フレンドリー(F)なんだ……」
 びしっ、と監視カメラに、そしてその先にいるであろう帝国騎士に伝えるために、指をさして、大柄なウォーマシンの男、ヴェイル・ランカスター(自称エリート警備兵・f03879)は言う。
「例えばそう、この【優しきゴリラ氏】。通路のど真ん中とかクッソ邪魔な所に陣取ってお前ら帝国軍を見守ってくれるんだ……」
 そう言って、ヴェイルが己のユーベルコードによって、極めて緻密に造られたゴリラの偽物を生み出す。優しきゴリラ氏はのっしのっしと歩いて、通路の真ん中に向かって行く。
「そう、そして更に!この我輩、ベンタ・グラーフェンがこのようにしてダンボールに変形することで、味方をカメラや警備ロボットの視界から遮るわけですな!」
 そう意気揚々と言うのは黒い液状生命体、ブラックタールの男、ベンタ・グラーフェン(黄昏時のシルエット・f07563)だ。彼は、紳士然とした平常時の姿を解くと、己の姿をダンボールのように変形させる。
「優しきゴリラ氏と、ダンボールによる二重のカモフラージュ……これでオレ達は悠々と進めるって寸法だ」
「まさにS(すごく)F(フレンドリー)!友情の力ですな!我輩としましては、この身で護るお味方が麗しい女性でしたならばなおよしだったのですが」
 やれやれ、とダンボール姿のまま呟くベンタに、ヴェイルも言い返す。
「うるせえ、オレだってどうせ密着するならオッサンより女の方がいいっての。……行くぜ!」
「合点承知!」
 そう言うと、ヴェイルは黒いダンボールを被ったまま、こそこそと移動し始める。だが。移動して間もなくして、彼らに銃火が降り注いだ。
「うおおおおお!なんでだ!カモフラージュは完璧なんじゃなかったのか!」
 慌てたように、ベンタを脱ぎ捨てるヴェイル。彼が、通路を塞いでいるはずの優しきゴリラ氏の方を向くと――彼は、既に警備ロボットの攻撃によってボロボロになっていた。なにせ、戦闘能力も本物のゴリラ同然なので、重火器の前には無力だった。
「ゴ、ゴリラ氏――ッ!畜生、なんてことを……!」
「嘆いている暇はありませんぞ!我々はゴリラ氏の分まで先に進まねばなりませぬ!」
 そういうと、人型の姿に戻ったヴェイルが、己のペイントブキ、バケツを監視カメラや警備ロボットの動体センサーに向かってぶちまける。
「行きましょう、ヴェイル殿!ゴリラ氏の分まで!」
「ああ、S(すごく)F(フレンドリー)に誓って……!」
 二人は涙をこらえ、必死に駆けて行くのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ニィ・ハンブルビー
【POW】使用

ええっ?え?コロニー船?ころ え?
な、なんかよくわかんない言葉がいっぱいだけど、
とりあえず雰囲気でやっていくよ!

このきれいな色のスイッチはなんなのかな?
きれいな色だからいっぱい壊そう!

ああ!?なんか警報っぽいのが鳴ってる!?
トラップや警備ロボ等がいっぱい出てきてすごい…
これが本物のスペースシップワールドなんだ…
やっぱりボクには潜入なんて難しすぎるよ!

あっ、もしかして…!
スイッチがたくさんあるから沢山出てくるのかな!
よ~し!これからはいっぱいスイッチを叩き壊すぞ!
【水の一滴岩をも砕く】で飛び回りながら破壊だー!


プクルルトゥルルア・ピエルルティエルル
騎士とかアイデンティティーとか難しいこと考えるわね、私そういう興味ないわぁ。ふふっ…とりあえず壊せればそれでいいしねぇ。

私バカだからトラップの解除とかハッキングなんて無理だし、できないし。全部グラウンドクラッシャーで壊しながら進みましょう。
先制されるのも嫌だし、怪しいと思ったところは手当たり次第に攻撃して行きましょう。うふふっ…壊して壊して壊し尽くす。壊すのは楽しいわねぇ、ふふふっ。
船内がべこべこになるけど、そこは最終的に帝国騎士君のせいにしましょう、これは名案だわぁ。向こうが何かしてきたのが悪い、だから私は悪くないわぁ



「わあ!ここ、なんなんだろう!カラフルなスイッチがいっぱいだぁ」
 迷い込んだ部屋の中できょろきょろと周囲を見回すのは、ニィ・ハンブルビー(近距離パワー型フェアリー・f04621)。彼女はスイッチをためつすがめつ眺めると、いいことを思いついた、と手を叩く。
「そうだ、とってもカラフルで綺麗だから……壊そう!」
 えい、と無邪気な態度で彼女がスイッチを、というよりも、スイッチの設置されている機械そのものを蹴り飛ばすと、けたたましいアラームが鳴り、周囲からわらわらと集まった警備ロボットたちが彼女に攻撃を仕掛ける。
「あわわ、大変大変!」
「……あらぁ?私と気が合いそうな子がいるじゃない」
 しかし、警備ロボットたちが、銃弾を発射しようとした瞬間、その包囲網の中心、すなわちニィの足元に、ひたすら重い一撃が叩き付けられ、彼女を取り囲んでいたロボットたちは壊滅する。
「わわ、ありがとう!」
「いいのよぉ、私、バカだから壊すしかできないし、ふふふっ」
 彼女を救う一撃を放ったプクルルトゥルルア・ピエルルティエルル(ブラックタールのバーバリアン・f06907)は、くすくすと微笑みかける。
「それにしても、罠も警備ロボットもいっぱいで大変だね、これがスペースシップワールドなんだね!」
「そうねぇ。私、ハッキングだの潜入だのはできないし興味ないから大変だわぁ」
 奇しくも、腕力をもってよしとするバーバリアン同士の二人の少女は、呑気に言葉を交わす。
「あっ、そうだ!もしかして、こんな風にスイッチがいっぱいあるから大変なんじゃないかな!全部壊しちゃうのはどうだろう!」
「あらぁ、名案じゃない?怪しいと思ったところは手当たり次第に壊して壊して壊し尽くす。そうすれば、先手を取られることもないものねぇ」
 いいアイディアだ、と頷きあった二人は、精密機器の集まった空間に、その暴威をふるう。高速で飛び蹴りまわすニィと、ゆっくりと重い動作で戦斧を振るうプクルルトゥルルアのそれぞれの攻撃が、機械群を見るも無残な姿に変貌させていく。
「コロニー船の中がボロボロになっちゃうけど、不可抗力よねぇ。というか、帝国騎士君のせいだわぁ。そういうことにしておきましょ?」
「こ、ころ……コロっ?う、うん!とにかく敵が悪い!そーゆーことにしとこー!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノノ・スメラギ
アハハッ! 騎士たる者が己の矜持を忘れ、騎士道を忘れ、他人を覗き見してお勉強とは滑稽極まるね! まあ、生きてた頃からそんなものがあったとも思えないけどね?(愉しげに、しかしたっぷりの悪意を滲ませて)
さて、まずは本来ならボクの冴え渡る知性を見せてあげるのも吝かではないのだけど、あまり賢しげな事を学ばれても厄介だからね……正面からお邪魔しようじゃないか。
VMAXランチャーを速度重視にして障害を打ち抜き、固そうなやつはアックスフォームで叩き切るよ。
いやー、こう言う力づく見たいのはあんまり好きじゃないんだけど、仕方ないよね。
さー、思う存分ぶっ壊そうか!!


夷洞・みさき
空の向こうに初めて来たけど、海に似ている気がするかな。

折角黄泉帰ったのに有様を忘れるなんて、憐れだね。
そういった死人を導くのも、僕の有様かな。
立派な帝国軍人になってもらおう。そして、有るべき所に還ってもらおう。
有様を忘れた死人に真摯に。

WIZ
魂が無い物なら、同胞たちに操ってもらってこっちの手駒にしてもらおうかな。
この手の使役物は同士討ちはしないからね。
操った機械を使って増援の出口や製造機と思わしき物を壊してゆく。
「あれ?そういや、ここって壊して良かったのかい?」

言う事聞かない悪い機械は無慈悲に轢き潰そう。
やっぱり、悪い軍人は、無慈悲でないとね。



「アハハッ! 騎士たる者が己の矜持を忘れ、騎士道を忘れ、他人を覗き見してお勉強とは滑稽極まるね!」
 己を取り囲む警備ロボットたちを、複合魔導デバイスVM-AXランチャーから、機関銃のように繰り出される弾丸で蹴散らしながら、ノノ・スメラギ(銃斧の戦姫・f07170)じゃ高らかに笑う。
「まあ、生きてた頃からそんなものがあったとも思えないけどね?」
「いいや――きっと、彼も元は、確かな有様を持っていたのだろう。折角帰って来たのに、それを忘れてしまっているのは、憐れだけれど」
 敵を退け、一旦休憩するように悪辣な笑顔で呟く彼女に、隣に歩み寄った夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)が静かに言葉を向ける。
「ハッ、銀河帝国の奴らにそんなものあるもんか。……まぁ、味方と問答している場合じゃないね」
「そうか。君は、この星の海の出身なのだね。それならば、僕の知らないことがあるのだろう。ともあれ、問答をしている場合じゃないというのはその通りだね」
 スペースノイドゆえに、銀河帝国に強い敵意を示すノノに、みさきは視線で小さく謝意を示す。
「澱んだ海の底より来たれ。身を裂け、魅よ咲け。我ら七人の聲を、呪いを、恨みを、羨望を示そう。忘却した者達に懇願の祈りを込めて」
 みさきは死霊術により己の同胞たちを呼び覚ます。昏く澱んだ海よりやってきた死霊の咎人殺したちは、警備ロボットに憑りついて操り、増援の出現する経路を潰していく。警備ロボットもそれに抵抗しようとするが、澱んだ海の底から訪れた七人分の怨嗟に晒されては、多くのロボットたちには抵抗する術はなかった。
 中大型の警備ロボットの中には、縁さに抵抗する者もいたが、そんな彼らにみさきは不健康な相貌から、命なきロボットすらも魂が底冷えするような笑みを浮かべる。
「言う事聞かない悪い機械は無慈悲に轢き潰そう。やっぱり、悪い軍人は、無慈悲でないとね」
 その言葉を合図とするように、VM-AXランチャーをアックスモードに変形させたノノが、大型ロボットを叩き潰した。
「ボクはお前たちに恨みもある。……思う存分、ぶっ壊す!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


帝国騎士の覗くモニターに、ちら、ちら、と影が映っては、一瞬で姿を消す。
「――成程、帝国騎士たるもの、任務遂行は、速やかに」
 モニターの画面が移り変わると、今度は、機械兵たちと正面対決をする猟兵たちの姿。
「そして、敵対者は冷酷で、無慈悲に、力でねじ伏せる」
 ふむふむ、と頷いていた帝国騎士は、最後に小さく首を傾げる。
「――最後に、時に、S(すごく)F(フレンドリー)に……?」


第2章 冒険 『廃棄された墜落戦艦』

POW   :    戦艦のパーツやスパコンなどの重量物を運び出す。

SPD   :    資源物資を取捨選択し、有用な物資を数多く運び出す。

WIZ   :    記録を見つけ、戦艦がどんな敵と戦ったかの情報を得る。

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機械たちの警備する区画をくぐりぬけた猟兵たちは、コロニー船と、銀河帝国の小型戦艦の衝突部に辿りついた。この奥に帝国騎士はいるのだろう。幸いにして、今通ってきた区画と異なり、小型戦艦は衝突時に警備機能の大半を失ったようで、帝国騎士の元までは比較的安全に進むことができるはずだ。
 そして、幸いにして、戦艦内には有用な物資も散見される。突破の最中に傷ついたコロニー船の補修のためにも、道中、資源の回収などをしていくのもよいだろう。
ハル・パイアー
「確か、追突したのだったか……。侵攻より先に片付けだろうかこれは」

小官はこれよりPOW《トラクターパルス》による重量物の移動を行います。
まずは牽引力を[操縦]し、主に精密機器周りの除去、修理用部品等の発掘を行います。その時に[情報収集]で危険物を発見した場合は隅の方に寄せ、[世界知識]に基づいた多世界に通用する"フレルナ、キケン"の表示をマーキング。その後引き続き味方の捜索の援護に終始致します。

「これだけすれば触れる者は居らんだろう。しかしこれではただの倉庫整理だな。……ん?なんだ、"倉庫番?箱入り娘?"よく分からんキーワードが検出したな。バグか?」



「ふむ、確か……追突したのだったか、これは」
 ハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)が小型戦艦内部に足を踏み入れると、そこには、衝突の際の衝撃で散乱したらしい、大小さまざまな物資や機器があった。
「侵攻より先に片付けだろうか、これは。――擬似サイキックデバイスオン」
 ふむ、とひとりごちるようにうなずいてハルが手を伸ばすと、戦艦内に積みあがった物資たちが一人でに動き出す。彼の操る不可視の牽引帯が物資を確保し、操っているのだ。スペースシップワールドならではの、高度な科学技術はハチソン効果を利用しこのような芸当すら可能にするのである。
「精密機器は別の場所に集め、危険物にはその旨を提示……と」
 不可視の牽引帯を手際よく操縦し、てきぱきと作業を進めていくハル。普通の人ひとりがやるより遥かに効率よく、物資の分析と仕分けを行う。
「これだけすれば触れる者は居らんだろう。……しかしこれではただの倉庫整理だな」
 彼が手を動かす度、迅速かつ正確に物資が移動していく。その様は、熟練者の進めるパズルゲームかのようであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネグル・ギュネス
さて、潜り込めたのは重畳。
必要なものをしっかり頂いて行くとしようか。

何につけても必要なものは物資だ。
時間は有限だし、【SPD】を生かして、物資の取捨選択をスピーディにやろう。

【サイバーアイ】で物資の状態、情報を解析し、使えるものを大量に持って行こう。
鍵が掛かっている箱があれば、【鍵開け】技能で、針金でちょいちょいと開けてしまおう


勿論人の手では足りないから、宇宙バイクに荷台をつけて、その上に積み込む
しっかり固定したら、ユーベルコード【ゴッドスピードライド】で素早く持ち出そう

もし途中で誰かが困っていたら、バイクに荷物を載せてあげようかな

あまり重たいと、バイクのA.Iが不満を垂れるがね。


黒白・鈴凛
ほうほうほう?
物資を集めて行けば良いアルナ?
イヤー、華奢な私には重い荷物何て持てないアル。
精々何か大切そうな箱を笹を食いながら持っていくことくらいネ!(怪力+9)
それから
まさか、男どもが私より軽い物持っていったりしないアルナ?
っと挑発もしておこうか。
ガッツがある奴は好きアルヨ。
頑張ってる奴は誉めてやるネ。



「ほうほうほう?物資を集めていけばいいアルナ?整理整頓してくれてる奴もいるみたいで丁度よかたアルネ」
 笹を齧りながら、のんびりと物色するように船内を見回すのは、パンダの特徴を備えた女性、黒白・鈴凛(白黒娘々・f01262)だ。彼女は何やら重要そうな大きな箱に目星をつけると、悠々とした足取りでその箱に近づき、ひょい、と何でもなさそうな仕草で持ち上げる。
「イヤー、華奢なワタシには重い荷物なんて持てないネ」
 本人の嘯くように、細腕からは信じがたい芸当をしながら、彼女はコロニー船の方に荷物を担いでいく。その途中、何やら作業を進める青年を見かけて彼女はイタズラっぽく声をかけた。
「そこのお前、ちょと手伝うヨロシ。まさか頼れる男がワタシより軽い荷物持つなんて言わないアルネ?」
「む、私か?構わないが……少々待ってくれ」
 鈴凛に呼びかけられて振り向かないまま答えるのは、ネグル・ギュネス(ロスト・オブ・パストデイズ・f00099)。彼はサイバーアイによって散乱する機器の分析を行い、持ち運ぶ物資を判断していた。
「こちらはレアメタルが使用されている。持ち運びもしやすいし改修だな。こちらは先程のものと入っていた情報が8割型一致、優先度は低いか……と、すまない。それで、何用だろうか」
 目の前の物資の分析が一段落したらしく、彼は振り向いて鈴凛に問い返す。彼女は、己の担ぐ箱を指さして笑いかけた。
「これアルヨ。なんとなく重要そうだから持てきたはいいけど、重いから手伝ってほしいネ」
「む、それは……ほう、戦艦のコンピュータの情報集積ユニットのようだな。確かにそれを持ち帰れば有用だろうが。私では如何とも……いや、お前がいたな、ファントム」
 サイバーアイで鈴凛の担ぐ箱の重要性を見抜いたものの、どうしたものか、と悩むネグルは、己の相棒たるスターバイクに乗せていくことを思いつく。
「というわけで、お嬢さん。そのユニットをこいつにのせて貰えるだろうか」
「おお、お前頼りになるネ、褒めてやるアルヨ」
 にっかり笑った鈴凛は、担いでいた箱を、どかっ、と鈍い音を立てて、ネグルのスターバイクの荷台に乗せる。軽く軋むような音を立てたスターバイクは、警告メッセージを乗り手に発した。
「何、荷重制限超過ギリギリ……?お嬢さん、貴女は案外腕力があるのか?」
「女に力持ち言うは失礼になる時もあるアルヨ。言わぬが華ネ」
 そんな会話をしながら、大きな箱を乗せたスターバイクと、その乗り手。そして、パンダの半獣の女性は物資を運んで行くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ペパシア・ドロキペ
SFってひょっとしてソウルフードのことじゃないかしら!
わたくしのユーベルコードで畑をつくって、美味しいお野菜をオブリビオンさんに食べさせてあげましょう!きっと喜んでくれますわ!
ちょうどよくたくさん肥料(物資)が転がってますし、いい畑になることだと思いますわ!
数ヶ月後が楽しみですわね!


ヴェイル・ランカスター
全く酷い目にあったぜ。
ゴリラ氏が居なけりゃ即死だったな…。

【POW】戦艦の行動不能狙いも兼ねて、重要そうなパーツを拝借していくか。
ま、オレとアイツらの仲だし、ちょっとくらいは大目に見てくれるだろ。
重量物から優先して運び出しておくかね。エンジンとかぶっこ抜ければ良いんだけどなぁ。
ついでに生きてる警備機能があればぶっ壊しておくか。



「わたくし、思いつきましたわ!SFってひょっとしてソウルフードのことじゃないかしら!」
 きっとそうに違いない、と手を叩くペパシア・ドロキペ(お嬢様はカラスと戯れたい・f00817)に、ヴェイル・ランカスターが首を傾げる。
「なに、S(すごく)F(フレンドリー)じゃねえのか?」
「ふふ、そういう解釈もありますわね……。けれど、わたくしにとってはソウルフードのことなのでしてよ!あなた、あの辺りの邪魔な大きいのをどけてくださいまし」
 びしっ、と長い案山子の手で指さすペパシアに、ヴェイルはぼやきながら頷く。
「元々、デカくて重要そうなやつから引っこ抜いてくつもりだったから構わねえけどよ。……オラッ!」
 よいしょ、と気合を入れながら、さながら重機のように大型物資を移動させていくヴェイル。暫くすると、ペパシアの指示したあたりには小型の物資が散乱するのみになった。
「こんなもんか。で、こいつをどうするんだ?」
「ふふ、こうするのですわ!ぽいぽい、ぽーいっ、美味しくなぁれ!」
 鞄から取り出した調味料をペパシアがぽいぽいと放ると、地面にぶつかった瓶があっけなく割れる。怪訝そうに首を傾げるヴェイルの目の前で、調味料の散乱した区画に、豊かな土と、新鮮な若芽が現れた。
「おお、すげぇな。なんだこりゃ!」
「わたくしのユーベルコードの力で、ここは栄養たっぷりの野菜畑になりましたわ!」
 そう言って、彼女は早速野菜畑から新鮮な野菜をいくつか収穫してみせる。
「美味しいお野菜を収穫してオブリビオンさんに食べさせてあげましょう!きっと喜んでくれますわ!」
「ほう、そいつはS(すごく)F(フレンドリー)なうえにSF(ソウルフード)じゃねぇか……!」
 ついでにいえば、今回のトラブルで被害を受けたコロニー船の食糧生産機能を補完することにもなったのだが、ペパシアがそこまで考えての行動だったのかはわからない。この畑は後々、ペパシアファームと名付けられてスペースノイドたちに好まれたという話があったとかなかったとか。
「さあさあ、このお野菜をオブリビオンさんに届けに行きませんと」
「応、任せな……っと!ちょっと待ってな」
 まだ生きている警備トラップがあることに気付いたヴェイルは、出発際に、のしのしと進んでいき、そのトラップを破壊する。
「あら、そんなことしてよかったんですの?」
「あー、大丈夫大丈夫。アイツらとオレの仲だから。すごくフレンドリーだから大丈夫。さ、行こうぜ」
 本気なのか適当なのかそんなことを言うと、大柄なウォーマシンとカカシのミレナリィドールは、帝国騎士のいる最深部に向かって進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベンタ・グラーフェン
【POW】使用。

優しきゴリラ氏……冷静に考えると何かわかりませんが、彼の犠牲を無駄にするわけには参りません。

幸いにして、こちらは警備が軽微な様子。
我輩、こう見えても力持ちでありますからな!この体を用いれば……
そう!スパコンのような精密機械を壊さずに、運び出すことができましょう。

スパコンを体で包んで、ずーりずりと、ずーりずりと。
うっかり、転んだり味方に投げられたりしてもこのバウンドボディでしっかりキャッチ!ハート!グラーフェン!!

そう、全てはS(すごく)F(フレンドリー)に!
仲間と和気あいあいとしながら作業をするのです。

幼子が傍からみたら夢に出そうなのは内緒という事で1つお願いいたします。


プクルルトゥルルア・ピエルルティエルル
コンテナに使えそうなものを手あたり次第に突っ込んで運ぶことにするわ。ただ精密機器はぶっ壊すと思うから私は運ぶのをやめましょう、そこは誰かに任せるわ。私はできるだけ重くて丈夫で壊れないものを選択するわ。
コロニー船の外壁がダメになってるなら小型戦艦の外壁でも引っぺがして持ってく必要もあるかしらね。

コンテナはUCのバウンドボディを使って運ぶわ。
腕を伸ばしてコンテナの取っ手と壁のでっぱりでも掴んで、弾性力を与えれば一気に運べるでしょうしね。それか、自分をパチンコのゴムの代わりにして、飛ばしながら運びましょう。コンテナが明後日の方向に吹っ飛んでくかもしれないけど、まぁそれはその時にでも考える事にします。



「これに、これに……これなんかも丈夫そうよね。えい」
 プクルルトゥルルア・ピエルルティエルルは、戦艦内で見つけたコンテナに、片端から物資を詰め込んでいた。なるべく重くて丈夫そうなものを優先して、ぽいぽいと。
「ううん、これなんかは重そうだけど、壊れやすそうよね……」
 スパコンのパーツを前にプクルルトゥルルアが悩んでいると、後ろから声をかける男がいた。
「同胞のお嬢さん、では、それは我輩にお任せを」
 彼女と同じくブラックタールの紳士、ベンタ・グラーフェンだ。彼は己の体をずるずると変形させ、スパコンをすっぽりと包み込む。彼らの種族の特徴たるバウンドボディのなせる業であった。
「そう、こうすれば、重くて繊細な機器もばっちり運べるという寸法ですな!」
 ベンタはその状態で、己の体をずりずりと這わせ、スパコンを運んでいく。子供が見れば泣き出しそうな有様であったが、幸か不幸かこの場にいるのは彼の同胞だけであった。
「ああ、なるほど。ああすれば詰め込んだ後のコンテナも運びやすいかしら」
 彼女は同じく、バウンドボディを使っての運搬を思いついた。ぎゅうぎゅうに物資が詰まったコンテナの取っ手を掴むと、そのまま、己の体をずるずると伸ばして、反対側の手で壁の出っ張りを掴んだ。
 えい、と彼女が壁を掴む手を離すと、ぴんと張り詰めていたゴム状の体が収縮し、スリングショットのように勢いよくコンテナを弾き飛ばすのであった。
「……あっ」
 ごごご、と風を切って進むコンテナは、スパコンを引きずっていたベンタの体を掠め、彼を弾き飛ばす。
 ゴム毬のように地面を跳ねた後、彼は近づいてくるプクルルトゥルルアに特徴的な声で己の無事を知らせた。
「大丈夫!このバウンドボディでしっかりキャッチ!ハート!グラーフェン!!」
 何やら、別の世界で人気が出そうな名乗り口上をあげる彼に、同族の少女は冷めた視線を向けた。
「……そういうことなら、私はこのまま続けるわよ?」
「あ、お待ちを!共同作業で参りましょうぞお嬢さん、フレンドリーに!そう、S(すごく)F(フレンドリー)に!」
 同族同士、仲が良いのか悪いのか。そんな掛け合いをしながら物資を運ぶ2人であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ゼン・ランドー
来ましたね…!掻き入れ時が!!!
目ぼしい物に手を付けられない内に速攻で金目の物を狙っていきます。

換金性など知ったことか!とにかく高価な値が付くものを優先に
重い?ならばサイコキネシスの出番です!
自分の筋力との合わせ技でガンガン運び出します。

さあ、儲けますよ!


ノノ・スメラギ
もっと派手な抵抗が待っているかと思ったんだけど、静かなもんじゃないか。ふーむ。張り合いがないね。ここは間抜けな帝国騎士に手本を見せてやるとしようか。
監視カメラに向けて大仰に名乗りを上げてやろう。
「やあやあ、我こそは銃斧の騎士、ノノ・スメラギ。お前たち銀河帝国の悪逆に鉄槌を下す者だ! お前に少しでも騎士としての矜持があるなら、名乗りを上げ、正々堂々の戦いに応じる事だ! 答えは、直接会った時に聞くとしよう」と言うだけいって、カメラを打ち抜くよ。
さて、相手の目も見えなくなったことだし、頂けるものは頂いておくとしようか。
それが騎士のやる事かって? 帝国の害獣共から巻き上げるのに何の遠慮があるんだい?



「もっと派手な抵抗があると思ってたんだけど……静かなもんじゃないか」
 張り合いがないな、とため息をつくと、ノノ・スメラギは監視カメラをびしっと己の得物で指し、大仰な名乗りを上げる。
「やあやあ、我こそは銃斧の騎士、ノノ・スメラギ!お前たち銀河帝国の悪逆に鉄槌を下すものだ!お前に少しでも騎士としての矜持があるなら、名乗りを上げ、正々堂々の戦いに応じるがいい!答えは直接会った時に聞くとしよう!」
 一方的にそう告げると、魔導デバイスから放った弾丸でカメラを無力化する。
「おやおや、騎士様の名乗り上げは終わりましたか?それでは監視の目もなくなったようですし、私もお仕事をさせてもらいましょうねぇ」
 カメラが破壊されたのと同時に、早口で言いながら顔を出したのは、狐耳の優男、ゼン・ランドー(余燼・f05086)だ。金目の物を頂いていこうと物色するゼンに、ノノは肩を竦めて声をかける。
「おいおい、ボクだってもらっていく予定なんだからね、独り占めはよしてくれよ」
「おや、騎士様がそんなことをしてよろしいので?」
 咎めるというよりは、からかう調子で問いかけるゼンに、ノノはからからと笑った。
「帝国の害獣どもから巻き上げるのになんの遠慮がいるんだい?正義の行いといったっていいくらいさ」
「それはそれは。いいでしょう。では、特に重たそうなものなどは協力して回収するということでいかがです?モノによっては、協力した方が取り分が多くなることもあるでしょうからね」
 爽やかな態度の中に漂う銀河帝国への深い敵意を感じ取った妖狐は、深入りせずに頷くと、同じ目的同士、協力しての回収と山分けを持ちかけるのであった。
「よし、それでいこうじゃないか」
「商談成立ですね、さあ、儲けますよ!」
 こうして二人は、協力しててきぱきと回収作業を進めるのだった。ノノは帝国の戦闘資料、ゼンは帝国の高い技術で作られた小型ユニットといった品を、時折こっそり懐に収めるのを、お互い様と見逃しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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こうして、猟兵たちは敵を退け、物資を回収し、小型戦艦の最深部へとたどり着いた。
「ようこそ、銀河帝国に逆らう愚かなる諸君」
真暗闇の部屋に、ライトが一斉に灯ると、全身黒ずくめの鎧のオブリビオン――そう、往時の銀河帝国最強戦力のひとつ、帝国騎士の男が、念動力の剣を抜いて猟兵たちに名乗りを上げる。
「私こそは、銀河帝国最強と言われた帝国騎士のその一人。記憶を失おうとも、帝国に逆らう愚かなる者たちを見逃すわけにはいかん」
 冷酷な声で猟兵たちに告げる。
「そう、君たちの命をここで断つことこそ――SFの民としての、私のせめてもの慈悲だ」
(すごくフレンドリー……)
(ああ、すごくフレンドリーのことだ……)
 帝国騎士の瞳に宿る、一筋の柔らかな光の意味するところを理解した一部の猟兵たちがひそひそ声を交わす。
「さあ、来るがいい!冷酷なる帝国騎士たる私は甘くはないぞ!」
 どこかズレていながらも、つとめて帝国騎士らしくあらんとする彼は、猟兵たちに向かって攻撃を仕掛ける。さあ、決戦の時だ!
彗殿・晃
なるほど!S(すごく)F(ふれんどりー)っすね!
こほん。ししょーの教え第一、言葉の通じる相手なら礼儀を忘れずにっす。
傭兵の意義をもって敬意のもとに討ち果たすっすよ!ただし、あくまで傭兵としてっ!
【POW】【ビルドロボット】周りの資材で作ったロボット(バーンブレイザー)に乗り込んで真正面から力比べといこうじゃないっすか!
念動力の鎖、どんとこいっす!そのぶん動きづらくなるのはお互い様っすよ!
殴りあってできた残骸を【地形の利用】するようにロボットサイズの【スクラップシャッター】として形成してそのまま【傷をえぐる】ようにぶん殴るっす!
やったかっ、す!


皇樹・星佳
おお! 決闘の前にアイサツをするのはえらいのだ!
あたしがホメてやるぞ!
じゃあ次は名乗るのだ! あたしは皇樹星佳、セイカ様と呼ぶといいのだぞ!
えっ、名前がない……? それは気の毒なのだ……暫定的にキッシーくんと名乗るといいのだ。

では、いざ尋常に勝負なのだ!
皇樹流の真髄は多彩な移動法だっておじーちゃんが言ってたのだ。
すり足、ジャンプ、縮地、バックステッポ……考えうる限りのトリッキーな脚さばきがこの武術にあるのだぞ!
さすがの帝国騎士でも、この動きについてこさせるワケにはいかないのだ!
回避に徹してそこまで強気な攻めはしないけれど、その分敵を翻弄して動きを見切ったり、誰かが行動する時間稼ぎをするのだ!



「おおー!決闘の前にアイサツをするとはえらいのだ!あたしがホメてやるぞ!」
「はい!ししょーの教えに従って、言葉の通じる相手なら、こちらも礼儀を忘れずにっすね!」
 尊大なる幼女、皇樹・星佳(撃滅神剣・f08751)がうんうん、と帝国騎士の態度に頷くと、彗殿・晃(ビルドゥングスロマン・f04309)も同調する。
「アイサツを終えたら次は名乗りを上げるのだ!あたしは皇樹星佳、セイカ様と呼ぶといいのだぞ!」
「名乗り、っすか!?じゃあおれも!えーっと、彗殿晃っす、あんたの名前を教えるっすよ!」
 びしっ、と星佳が帝国騎士を指さし堂々と名乗りを上げ、晃もどこかたどたどしくもそれに追従した。しかし、帝国騎士は、静かに首を振る。
「ふ――。私の名など、忘却の彼方だ。私はただ、お前たちに相対する存在。それだけでいい」
「えっ、名前がない……?それは気の毒なのだ……。暫定的にキッシーくんと名乗るといいのだ」
「帝国騎士のキッシーっすね、よろしく頼むっす!」
 冗談などではなく、本気で同情するように幼い剣豪は帝国騎士を見つめ、いいことを思いついた、というようにその安直ですらある名を告げた。
「ふ、キッシーか。では、今この時だけはその名を名乗るとしよう。……さあ、お喋りの時間は終わりだ。かかってこい!」
「では、いざ尋常に勝負なのだ!」
 帝国騎士が念動力で形成した帝国旗で、絡めとるようにして星佳を捕らえようとするが、彼女はカカッとバックステップでその攻撃を回避する。
「ほう、幼い外見に似合わず熟練の技を見せるな!」
「おじーちゃんの教えなのだ!どんどん打ち込んでくるといいぞ!」
 帝国騎士は旗を自由自在に奮って星佳を攻め立てるが、彼女には旗のフレンジの先すらも触れることはかなわない。すり足、縮地、時にはジャンプ。様々な足さばきを駆使して攻撃を凌ぐその様は、戦いと言うよりも、踊っているようですらあった。
 一方的に翻弄されているようにも見える帝国騎士だが、記憶を失おうとも帝国最高戦力の一人。ただやられているわけではなかった。彼女が旗を避ける度、回避された旗が掠めた床が、帝国領土と化していく。そう、帝国に仇為すものを威圧する、一種の幻覚である。
「だが、回避しているだけでは勝てんぞ!私の攻撃は、ただお前を捕らえるためのものではない!」
「ふふん、承知の上なのだ!あたしだって一人で戦っているわけではないのだからな!」
 帝国騎士の言葉に、幼い剣豪は不敵な笑みを返す。騎士が怪訝な色を鎧の奥の瞳に浮かべたその時、少年の楽し気な声が戦場に響いた。
「時間稼いでくれてありがとうっす!おかげさまでバーンブレイザー、完成っすよ!」
 そこには、道中や戦場で回収した資材を合体させて作ったロボットに乗り込んだ晃の姿があったのだ。
「なんと……!この巨体は手ごわいか!」
 騎士は警戒したように念動力を宿した飛ぶ斬撃でロボットを襲い、念動力の鎖で動きを縛ろうとするが、それもまた彼の意図する内であった。
「鎖で動きづらくなるのはお互い様っす!さあ、力比べと行くっすよ!」
「ぐ、ぐぬおおおおおおおお!」
 ウォーマシンにも匹敵しようかと言う巨体に引きずられた帝国騎士は、重たいパンチの一撃を喰らって吹っ飛び、壁を壊しながら瓦礫の中に埋もれる。
「やったか……!?」
「いや、まだなのだ!」
 星佳の言葉を証明するように、手傷を負えど、未だ余力を見せる帝国騎士が、ゆっくりと瓦礫の中から現れるのだった。
 戦いはまだまだこれからだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペパシア・ドロキペ
帝国騎士さん、お野菜を持ってきましたわよ!
帝国騎士さんがすごくフレンドリーな存在になっていると信じてお茄子を手渡したいですわ。色が似てますしきっと気にいると思いますの

それはともかく、相手が攻撃してきたらすかさずユーベルコードを使ってみんなを守りますわ。
わたくしは動けなくなりますけど、それでみんなの受けるダメージを少しは減らすことが出来ると思いますの。
冒険は助け合いですわよね!


プリンセラ・プリンセス
「誰ぞ来よ。――決闘の時間です」
呼びかけに応えたのは2番目の兄、オズヴァルド。
プリンセラの服装は動きやすい軽装に、雰囲気は粗暴な野獣のようなものへと変化する。
「プリンセラの体じゃイマイチ筋肉が足りんな。まぁなんとかするとしよう」
武器は無い、いやその両手につけられた手甲が武器だ。
「科学の力とやら、見せてもらおうか!」
オルタナティブ・ダブルを囮に接近する。
「プリンセラの体は脆いからな。一撃だけで許してやろう!」
挑発行動に含まれた相手を指差す動作。それはジャッジメントクルセイドの動作。天上から振る光で相手の行動を封じる、制限するためのもの。
本命はそれに気を取られた隙の十文字斬り。



「帝国騎士さん、お野菜を持ってきましたわよ!」
 ペパシア・ドロキペは、先程戦艦内に作り出した野菜畑から収穫してきた新鮮な茄子を、帝国騎士に向かって差し出す。
「これは……?」
「お茄子ですわ!あなたと見た目も似ていますしきっと好きになりますわ!」
 確かに、言われてみれば艶やかな黒い全身に、所々の赤紫といった特徴は茄子と似ているかもしれない。帝国茄子、もとい、帝国騎士は、茄子をためつすがめつ眺めたあと、一口ぱくり、と喰らった。
「茄子というのか、これは……。確かに美味だ」
「そうでしょう、そうでしょう。お野菜を食べればみなさん元気も貰えて仲良しでしてよ!」
 にこにこと笑いかけるカカシの少女に、しかし帝国騎士は静かに首を振る。
「お前の好意はありがたい。しかし、私は帝国騎士。人類殲滅こそが、私の使命だ」
「そんな……。お友達になれるかと思いましたのに」
 しょんぼり、と肩を落とすペパシア。プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)が、彼女に手を差し出す。
「あるいは、戦わずに済むのなら、と静観していましたが――。やはり、オブリビオンとの和解はなりませんか。お立ちになって、ミレナリィドールのあなた。私たちは、戦わなければなりません」
 ペパシアを立ち上がらせると、プリンセラは祈るように呟く。
「誰ぞ来よ。――決闘の時間です」
 その言葉とともに、彼女の服装は動きやすい軽装に、雰囲気は粗暴な野獣のようなものへと変化する。彼女の二番目の兄、オズヴァルドが力を貸してくれたあらわれだ。
「むっ……!貴様、なかなか厄介な技をもっているようだな!」
 オズヴァルドの戦闘経験を見抜いたか、帝国騎士は、飛ぶ斬撃をプリンセラ、改めオズヴァルドに向かって放つ。
「戦わなければならないのでしたら、味方を護るのがわたくしの仕事ですわ!」
 ペパシアはそう言って、自身の姿を巨大なメタルかかしに変貌させる。飛ぶ斬撃は命中したが、深手を与えることはできず、ペパシアと帝国騎士の間に念動力の鎖を結ぶ。
「自ら動きを封じてくれるとは好都合!案山子の女、暫し鎖を支えていろ!」
「お任せあれ!」
 殆ど身動きの取れない身なれど、踏ん張りを聞かせて鎖を引っ張るペパシア。鎖で繋がれる帝国騎士は、身動きを大きく邪魔される。その隙にオズヴァルドは帝国騎士に肉薄した。
「ふん、隙だらけだな!」
 ちょいちょい、と中指で挑発するように騎士を指さす。しかし、それすらも攻撃動作の内。ジャッジメントクルセイド。天から降り注ぐ光が騎士を取り囲む。
「さあ、くらえい!」
 鎖と光牢で二重に束縛された騎士を、プリンセラの肉体が悲鳴を上げるほどの十文字斬りが襲う。そして、光が晴れた時には――。
「何、いないだと!」
「鎖を自ら解くことに成功していなければ危なかった……!」
 すんでの所で鎖を解除し、飛びのいていたらしい。無理矢理鎖を振りほどいた反動と、光をまともに浴びたことで手傷を負ってはいるが、本命の十字斬りは惜しくもかわされてしまったようだ。
「おのれ、なかなかやる……!プリンセラの肉体では連発はできん!後は任せたぞ、お前たち!」

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ユア・アラマート
……なんか、なんだ
外道や下衆は好きじゃないが。この絶妙に倒しにくいフレンドリーさは別ベクトルで厄介だな
とはいえ、過去は過去に叩き戻すのが私達だ
慈悲深く、誇り高き騎士だというなら、正々堂々真っ向勝負で破れてもらおう

SPD判定
ダッシュ技能を利用しての加速で高速化した敵の速度に対抗
同時に術式を発動し、性別が逆になった自分の分身のような存在を召喚

二人で常に動き回ることで攻撃を的を絞らせず、狙いを定められないように翻弄しながら近接の間合いにまで接近
暗殺技能を利用し、敵の死角へと回り込んでから装備しているダガーで攻撃
的確に急所を切り裂いてダメージを与える


浅葱・シアラ
ひぅっ!?
冷酷な帝国騎士さん……怖い……!
皆、こんな冷酷な騎士さんと戦うなんて……。
……あれ、皆なんでそんな顔してるんだろう……シア、なんかおかしなこと言った……?

冷酷な騎士さん相手だものね、皆怪我しちゃわないか心配だよ
シアは技能の目立たないと迷彩、地形の利用を使って物陰に隠れながら皆の回復に徹するよ

使うユーベルコードは紫光蝶
蝶々の精霊さん達に癒しの光を皆に届けるよ
攻撃をよく受けてたり、傷が深い人から優先して癒すね
シアは疲れちゃうかも、だけど、皆に無事で戦い抜いて欲しいから、一杯披露して沢山癒しちゃう!

だって、相手は凄く冷酷な騎士さんだもんね、油断大敵だよ!



「……なんか、なんだ。外道や下衆は好きじゃないが。この絶妙に倒しにくいフレンドリーさは別ベクトルで厄介だな」
 ユア・アラマート(セルフケージ・f00261)は、少し悩むように、狐耳を軽く掻く。お前もそう思うだろう、とすぐそばにいる猟兵に目をやる。
「ひぅっ!?冷酷な帝国騎士さん……怖い……!」
 だが、視線を向けた先にいたのは、心の底から帝国騎士に怯えるように身を竦めさせる小さな妖精、浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)だった。
「こっちはこっちで調子が狂うな……」
「え、え?あなたは、あんなに冷酷な騎士さんと戦うの、怖くないの……?」
 和み半分、戸惑い半分といった様子で首を傾げるユアに、シアラはおろおろと問いかける。
「ああ……いや、そうだな。大丈夫、過去は過去に叩き戻すのが私達だろう?」
 不安げな妖精の少女を安心させるように、妖狐の女は小さく笑いかけた。
「慈悲深く、誇り高き騎士だというなら、正々堂々真っ向勝負で破ってやろうじゃないか。――おいで、悪戯好きの君」
 ユアが虚空に向かって囁きかけると、性別が反転した彼女とでも表現すべき、彼女の分身が術式によって生み出される。二人の妖狐はそっと一度、手を合わせあってから、帝国騎士に向かって駆けだした。
「分身と来たか!だが、帝国領と化したこの船内で、私の速度に敵うか?」
 そういって、帝国騎士は爆発的な真紅のオーラを身に纏う。己の生命力を削って戦闘力を爆発的に増大させるこのユーベルコードの影響化では、彼は圧倒的な高速戦闘が可能になる。
「――これでも、速さには結構自信があってね!」
 雷撃と斬撃の二重奏がユアとその分身を襲う。しかし彼女たちは、その高速機動によって、騎士に的を絞らせない。
「なかなかやるようだな。だが、まだ足りん!帝国騎士たる私の前では!」
 彼の言う通り、単純な速度では帝国騎士が僅かに上回る。直感による回避、高速軌道による翻弄を交えてなお、ユアも、その分身も、徐々に傷を負っていた。
「確かに、このままだと捕える前にやられかねない、か――っ?」
 ユアが不安げにそう呟いた時、彼女の肩に、小さな光の蝶がとまった。すわ敵の攻撃か、と警戒するユアに、光の蝶はその翅から撒いた光の鱗粉をふりかける。その鱗粉は、仄かな花の香りとともに、彼女の傷を瞬く間に癒した。
「そうか、これは」
(騎士さんはやっぱり強いけれど、大丈夫。シアがついてるから!)
 妖精の少女の祈りの声が、ユアには聞こえた気がした。見れば、彼女の分身や。あるいは、共に戦っている猟兵たちもまた、光の蝶に癒されているようであった。
「これほどの治癒、お前自身も傷つけるだろうに……。ああ、その分は、任せておくれ」
 彼女は勇気づけられたように、更にその速度を増すと、帝国騎士の背中に回り込む。
「何ッ――」
 華麗に背中に回り込んだユアは、暗殺者としての経験を活かし、的確に帝国騎士の背中に致命の一刺しを与えた。
「二人分……いや、三人分……ふふ、私たち全員分の一撃ということにしておこう」
 そう不敵に笑うと、反撃を喰らうより前に、素早くユアは距離を取った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)――思いの外ユーモラスになったらしいか。
――が、どうあれ討伐対象だ。可及的速やかに撃破するのみ。

(ザザッ)SPDで挑む。
使用UC:『Craft: Bomb』。
製造するのは『地雷』――いくつかのポイントにlv㎥が許容する範囲で殺傷力のあるものを精製し設置。

高速で移動しようと踏んで仕舞えば作動する。
回避行動は困難と推察。

自身のブラスターによる熱線で『援護射撃』をした上で敵を地雷の位置まで誘導、或いは味方の猟兵に誘導してもらう事とする。

踏まずとも、地雷に近づいたところを『スナイパー』で射抜けば敵の足止めくらいは叶うだろう。

本機の行動指針は以上、実行に移る。オーヴァ。(ザザッ)


ハル・パイアー
「あの倉庫整理もSFの範疇なのだろうか……いや、釈然としない困惑に囚われても仕方あるまい。さて、いかに滑稽に見えようと任務だ。」

小官はこれより"SFな"帝国騎士との戦闘行為を開始します。
まずは《バトル・インテリジェンス》を起動。熱ブレードを用いた高速交差斬撃ルーチンを行使します。
動作は[ダッシュ]で近づき[見切り]で相手の動きを躱し、[早業][2回攻撃]による交差切りで一撃離脱するものであります。

「貴方が"SFの民"を名乗るならば、親切にも斬撃を召し上がって頂けましたら幸いですね。(慇懃無[礼儀作法])」



「――思いの外ユーモラスになったらしいか。――が、どうあれ討伐対象だ。可及的速やかに撃破するのみ」
「ええ、いかに滑稽に見えようと、任務は任務であります。……対象は既に深手を負っているようです。このまま追い込みましょう」
 ノイズ交じりの声で話す異形の戦士、ジャガーノート・ジャックの言葉を、ハル・パイアーが肯定する。
「これより本機は敵の機動力を削ぐべく地雷を仕掛ける」
「了解であります。小官はその補助をいたしましょう」
 軍人気質とでもいうべき性格を持つもの同士気が合うのか、二人の少年は、短い言葉で的確に作戦を共有する。
「では、参ります!」
「ほう、お前もこの世界の者か!お前も私を憎むか?」
 ハルは帝国騎士に駆け寄りながら、戦術ユニットを召喚し、己の動きを補助させる。帝国騎士は幾人かとのやりとりの経験からか、スペースシップワールドの民としての在り方を彼に問う。
「小官は貴様個人に対して特定の恨みがあるわけではありませんが、さりとてフレンドリーなどとやる気もない。任務を遂行する、それだけです」
 駆け寄りながらそう答えると、ハルは己の持つ複数の武器の中から最適なもの。プラズマ式熱ブレード、N=フューザーを取り出して斬りかかる。だが、念動力の剣による鍔迫り合いを受けて、熱ブレードは押し返される。
「手傷を負えど、そのようにわかりやすい攻撃で帝国騎士たる私が傷つくと思ったか?」
「SFの民、などと名乗る割には、親切に攻撃を喰らってくれる、というわけではないのですな!もとより期待していたわけでもありませんが!」
 騎士の追撃を見切って躱すと、二度目の太刀を振るう。腹部を狙ったこの一撃もまた、帝国騎士の構えた念動力の刃に防がれるが、今度はハルが熱ブレードを押し込んだ。
「ぐっ……先ほどは、わざとすぐ引いたな!」
「如何にも、であります」
 ぐぐぐ、と鍔迫り合いしたまま、少年は帝国騎士を押し込む。一歩、二歩、と騎士は押し込まれていき――カチッ。
「何、まさか!」
「その通りだ。よくやってくれた、感謝する」
 そう、そこには、ジャックの仕掛けた地雷があったのだ。轟音を立てて、騎士の足元が爆発する。帝国騎士は、爆発の衝撃で大きく吹っ飛び、床を転がった。
「ぐっ、だが、これだけでは、私の機動力は完全には――」
「そうか、では、追撃を行う」
 今一度立ち上がろうとする帝国騎士に、ジャックの熱線銃による狙撃が見舞われる。隙だらけの所を追撃された騎士はもはや、満足に立ち上がることもかなわない。
「本機のミッションは完了した。最後の一撃は任せる。オーヴァ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノノ・スメラギ
命を断つことが慈悲だって?
……笑わせるなよ。銀河に蔓延る害獣が!!
お前達の蛮行で、この世界(スペースシップワールド)の人類生存圏に、人が生きられる惑星はひとつたりとも残っちゃいないんだぞ!?
そんな所業がお前達の慈悲だって言うのなら、そっくりそのまま返してやろうじゃ無いか!!

来るまでの道中で力溜めで魔力をギリギリまでチャージしておくよ。
戦闘が始まったら、ガンナーズで魔力弾を一斉発射しつつ、ランチャーを連射して突撃、アックス形態で叩き斬り、返す刀でもう一撃くれてやるとしよう。(二回攻撃)
防御は最低限、シールドデバイス(盾受け)とメタルコートの最適化でしのいで、全力を叩きつけるまでさ。



「命を断つことが慈悲だって?……笑わせるなよ。銀河に蔓延る害獣が!!」
 満身創痍の騎士の前に、ノノ・スメラギが立ちはだかる。彼女は、普段の自信ありげな快活な笑みが嘘のような、悲痛にすら見える怒りの表情を浮かべていた。
「お前達の蛮行で、この世界の人類生存圏に、人が生きられる惑星はひとつたりとも残っちゃいないんだぞ!?」
「惑星はなくなったかもしれない。だが、お前たちは今もしぶとく生きているのだろう」
 ただ事実を述べるように言う怨敵に、ノノは叫ぶ。
「そんな所業がお前達の慈悲だって言うのなら、そっくりそのまま返してやろうじゃ無いか!!」
「ああ、そうだ。だが、お前たちは我ら帝国を打倒したのだろう。今回も同じことだ。お前が我ら帝国の所業を憎むのならば、止めるための術は一つしかない」
 静かな口調で、帝国騎士は少女騎士に語り掛ける。諭すようにすら聞こえる口調に、彼女はますます激昂する。
「お前に言われるまでもない!帝国の野望は、このボクが打ち砕く!」
 この区画に辿りつくまでの道中。そして、戦闘中にもずっと溜めてきた魔力を使って、彼女は最大の攻撃を放つ。まずは、VM-AXランチャーの周囲に展開した射撃デバイスによる一斉射撃。そして、その間にランチャー本体を連射。
「VMリアクター、第一限定解除!フルドライブ!ファイナルシーケンス……行っけええええ!!」
 そして、最後に斧に変形した得物に、全力の魔力を込め……十字を刻むような斧の一撃を、騎士に放つのであった。
「見事だ。私は誇り高き帝国の騎士、キッシー……。再び蘇る事あらば、お前を最初に倒すとしよう」
「……言ってなよ。何度だって、お前たちの野望はボクが打ち砕いてやる」
 最後までどこか律儀に告げる帝国騎士に背中を向けて、少女騎士は、帰り路を歩き出すのであった。


 こうして、蘇った帝国騎士は再び打倒された。しかし、ここ以外にもまたどこかで今日も帝国の脅威は復活しており、また、未だ銀河帝国にこの世界が脅かされていることは変わらない。
 数多の世界でも屈指の窮地にあるといえるこの世界を、真の意味で救うことができるのは、やはり猟兵たちだけなのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月27日


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#スペースシップワールド


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト