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爆砕☆エクスプロージョン

#アルダワ魔法学園


 アルダワ魔法学園には実に様々な迷宮が存在している。
 あらゆるジャンルのトラップがあり、探索しようとする者へと襲いかかってくるのだ。
 その中でひときわ火薬臭いが為に、人が寄り付かない不人気な迷宮があった。
 トラップに使われる火薬量が多い事に加え、通気性の悪い場所なので罠が発動していなくても火薬の臭いが充満していた。

 そんな意図せず人避けとなった迷宮の中を、好き好んで根城としているオブリビオンが居た。
「んにゃふっふ……。もう、食べられぬのじゃあ……」
 昼夜も分からぬ迷宮の中で、疲れて眠りこけているオブリビオン。
 部屋の中は近代的な研究室の様な見た目に改造されており、蛍光灯の光によってかなり明るい。
 怪しい色の薬品棚やら、作製途中の戦闘人形らしき物体が壁沿いに並んでいる。
 そこそこ大きな柱時計の針が、日が変わる手前の時間帯を指していた。
 消灯時間を設ければ良い気もするが、閃きの邪魔になるからと導入する気は無いという。
 実験の最中だったのだろうか、怪しげな用具が乗った机に突っ伏して眠っていた。
 前日まであまり眠っていなかったらしく、全く起きる気配が無い。
「うーん……むにゃむにゃ……」
 見様によっては微笑ましくも考えられる光景、その静寂は一瞬で崩れ去る事になる。
 視界は真っ白な閃光に包まれていき、直後に鼓膜が破れそうな炸裂音が響くのであった……。

「あぁ、視ているだけで頭がガンガンするじゃないですか……」
 見事に目を回しながら、戸辺・鈴海(味覚を求める来訪者・f00008)がふらついている。
 よっぽどの爆発だったのか両腕で耳を抑えており、相当堪えている様子だった。
「…………こほん。どうやらアルダワ魔法学園迷宮の中でオブリビオンが自爆してしまうみたいです」
 体裁を整えた鈴海の口から告げられた予知が想定外過ぎて、話を聞いていた猟兵たちの動きが止まる。
 反応は多種多様であるが、その目線が訴えているモノは本質的には一緒であろう。
「想定通りの反応を有難う御座います。オブリビオンが自滅すること自体は問題では無いんですが、自爆する場所に問題があるんです」
 鈴海の説明によると、その迷宮のトラップが爆発物に特化しているのが非常にまずいのだという。
 自爆がトラップ用の爆弾等の誘爆を招いてしまって、カタストロフ級の大爆発に発展してしまうらしい。
「あまりに爆発物だらけの迷宮で危険なのもあって、探索を行う人がほとんどいなかったのも関係しているんです。ただでさえ充分過ぎる火薬量なのですが、人が来ないのを良い事にオブリビオンが爆弾等を追加していて量が増えてまして……」
 なんとも迷惑なオブリビオンである、うっかり自爆するだけで迷宮を壊すだけでは済まない騒ぎとなるのは当人も計算していないだろう。
 大爆発が起きる前に迷宮へと突入して、元凶となるオブリビオンを懲らしめる必要があるという事だ。
「最初のフロアには色々な種類の爆弾が飛んでくるみたいなので注意してください。衝撃で爆発する爆弾、遅延式や時限式の爆弾、防水や中身が火薬以外の爆弾まであるみたいです。」
 かなり沢山の爆弾が飛んでくるらしく、無傷で通り抜けるには対策をしっかり行う必要がありそうである。
「次のフロアには大量の地雷が待ち構えています、重力制御の魔法がかけられていて一気に飛ぶ事は出来ないでしょう。踏んで爆発する地雷以外にも、各種センサーと連動している物もあるので気を付けてください」
 要は種類の異なる爆発物で一杯の場所を、突破しながら進んでいくしかないという事だ。
「オブリビオンは爆弾魔ではないですが、自爆は浪漫と考えるタイプなので非常に危ないです。ただしオブリビオンの自爆攻撃が原因で、大爆発に繋がる事は無いみたいなので安心してください。問題はその部屋の中に起爆に繋がるモノがあるからなので」
 映画の演出でも味わえないであろう火薬と爆発への冒険へと、猟兵たちは挑む事となるのであった。


銖梨
 某爆弾ゲームではリモコン+キックが出来る様になった頃が全盛期の銖梨です。
 最近ではアーケード版ありますよね、時々プレイしてますが楽しいです。

 今回はアルダワ魔法学園にて、大爆発を未然に阻止するギャグ依頼となっております。
 爆弾は吐いて捨てる程ありますので、どんどん爆発させてしましょう。
 もし希望の爆弾とかある場合は教えてください、無理ではない限りぶつけます。
 被害に逢った際のダメージについても、ギャグ依頼補正が乗るので注意です。

 オープニングでも触れている通り、オブリビオンを倒す際には部屋の中の起爆スイッチも止めてください。
 誰もスイッチを止めずに帰ろうとすると、大爆発が起きて黒焦げENDになっても知りませんよ。
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第1章 冒険 『ボムボムトラップ』

POW   :    あえて攻撃を加える事によって誘爆させる、爆発する事自体は受け入れて全力で爆風を受け止める

SPD   :    爆弾に触れぬ様慎重に部屋を通り抜ける、爆弾が起爆する前に全力疾走で部屋を抜ける

WIZ   :    魔法や知恵を駆使し、爆弾を解除する、又は爆風を抑える為の策を講ずる。

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クロ・ネコノ
なんとまぁ、自爆するにしても迷惑かけないようにして欲しいね。
(アンジェリカ(f11144)とセットでお願いします)
まずは爆弾が飛んでくる部屋か、
飛んでくる爆弾をキャッチして投げ返すよ、衝撃で爆発されると困るから【ゴム体質】で衝撃を与えないように受け止めよう!
(目の前でコショウが詰まった爆弾が爆発、くしゃみした拍子に持っていた爆弾を落として爆発!全身真っ黒に。)

<アドリブ歓迎!>


アンジェリカ・ヘインズビー
お仕事です、頑張りましょう。
(クロ・ネコノさん(f06406)と一緒にして下さい)
クロさんがキャッチしてくれるそうなので、後ろをついていきます。
ただ何もしない訳じゃありません、周りの警戒をして爆弾が飛んできたらクロさんに報告します。

【アドリブ歓迎】


主・役
えにっちゃんも把握してない裏人格『ボム娘』アバターが勝手に憑依。
アバターの特徴は
爆発に命を懸けている
人の話を聞かない
脊髄反射でモノをしゃべる
爆発に命を懸けている
常にハイテンション
深く物を考えない
爆破に命を懸けている

爆発依頼と聞いて表に出てきたようです。
「爆発物なら任せろ!ひゃっはー!」
「最終究極奥義!奮迅爆発!」
ところかまわず爆破して回ってることでしょう。
何故か爆弾という言葉に「呼んだ?」と反応します。お前じゃない引っ込んでいら!

なお、ボム娘憑依中の記憶は主人格のえにっちゃんにはありません。


マクベス・メインクーン
なんつぅはた迷惑なオブリビオンだよ…
流石に大爆発はやべぇだろうし、解除しに行ってくるか

<WIZ>
飛んでくる爆弾は基本『フェンリル』に氷の力を借りて【属性魔法】で【範囲攻撃】で撃って凍らせて無効化する
撃ち落とせなかったり氷が効かない爆弾は、『ガルーダ』の風の力で自身に風を纏って【オーラ防御】して爆風を防ぐ
それでも防げない爆弾は【野生の勘】で察知して【逃げ足】で走って駆け抜ける、後ろですっごい爆発してても振り返んねぇからな!!
他の猟兵で危なそうなやつが居たら【援護射撃】で爆弾を凍らせて助けるぞ

しっかし、爆弾魔じゃねぇのに種類豊富だなぁおい!


楠瀬・亜夜
アルダワには数々のダンジョンがあるとは聞いていましたが
なかなかに面白そうなダンジョンではないですか
これは攻略のやりがいがありますね
(ふふふ……これは優雅に罠を突破してカリスマ度をあげるチャンス……
待っていなさい、迷宮よ!)

ともあれ確かに厄介な罠ですね……
避けて通る事が困難なのであれば、爆弾自体が近づけないように
対策するべきですね

【SPD】
【knife vision】で複数のナイフを周囲に展開し
自分に近づく爆弾を迎撃するように操作します
同時に銃撃により爆弾の撃墜を狙いましょう

そうしながら慎重かつ迅速に歩を進めれば
突破できる筈です

(爆発に巻き込まれたら某飲茶のような恰好でボロボロで倒れています)


レイ・キャスケット
ふふふ、爆弾迷宮だって?
魔法を使って遠距離から起爆が可能なボクにとってそんなの大した脅威じゃぁないって
それにしてもほっといたら自爆しちゃうような災魔って……ずいぶんとおっちょこちょいなんだね?

【POW】
地面に直接爆発魔法を打ち込んで誘爆、爆風は≪アルコバレーノ≫で防ぐ、うん完璧
さくさく進むよ!ってうっかり進んだら赤外線反応式の爆弾が作動して目の前を鉈が通過して壁に刺さる(青い顔)し…慎重にすすむよ…

防御壁を解除した瞬間作動したり他の人が爆発させた爆風がなぜかワープしてきたりスライムが飛び散ってきたり(もはや爆弾ですらない)

どうなってんのさこの迷宮は!

※ギャグ補正で不運・おっちょこちょい属性付与


ウルフシャ・オーゲツ
考えを変えるのじゃ。爆発してしまってもいいさ、と。
某英国紳士の教えのもと、自分が爆発して誘爆を誘えばすでに爆散している自分は爆発することはないという発想の転換により全てを吹き飛ばす星となろう!
……なに? 敵とやることが同じ?
ちゃ、ちゃんと計算して爆発させれば全部まとめて爆発することはないはずじゃろ?
ビルの爆破的な嗜好性……もとい指向性爆破というやつじゃ!
巨大弓になんやかんやのパワーを仮初の体から抽出し、爆散させることによりうちは粉々になるが爆弾も一緒に爆発じゃ!

さて、派手にやった後は仮初の体を作り直そう。
他の者を巻き込まぬよう注意したつもりじゃが……あ、猟兵は見ておったが学生は完璧に忘れ……。


フロッシュ・フェローチェス
無傷で通り切れない事を前提にするか。
加速式充填衝角炉のモード変更……スピードを活かして進むよ。

ホロデバイスゴーグルによる情報収集は常に行い、爆弾の種類を簡易的にでも知ろう。そしてダッシュ基本で爆弾をすり抜け、もし反応しても爆発する前に早業で切り替えつつ避ける。
万が一の時はジャンプと同時に衝撃波を放ち、己を吹き飛ばしているような勢いで前方に跳べば……爆炎は回避出来るかな。

多様な爆弾があると言ってたけど。付近を通っただけで爆裂する類もあるなら、この作戦は吉かもしれない。
【選択UC】使っての三次元軌道ならより多く躱せるかもね。

しかし火薬以外の類もあるのか。
――変なのあったりしないよね?

※アドリブ歓迎



 爆弾トラップのフロア手前に集結する猟兵たち、既に火薬の臭いが充満しており明らかに危険な場所であると判断出来るであろう。
 フロアの中はまだ爆発音もせず静かである事から、どうやら先客は居ない様だ。
「アルダワには数々のダンジョンがあると話には聞いていましたが、これはこれは」
「こんな爆弾迷宮なんて、ボクにとっては大した脅威じゃぁないって」
「中々の自信ですね。確かに面白そうですし、攻略のやり甲斐があるというものです」
 やけに風変わりなダンジョンの探索に、楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)とレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)のテンションはやや高めであった。
 爆弾というのは殺意の高いトラップである為に、突破する姿を撮影していれば絵になるのは間違いないだろう。
((ふふふ……))
 心の中で思い描いている内容には差があるものの、にやけ顔を浮かべるタイミングがシンクロしてしまう亜夜とレイ。
 その横ではマクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)が、オブリビオンのぐうたらさ加減に頭を悩ませていた。
「流石に大爆発はやべぇだろうし、解除しに行ってくるか」
「それにしてもほっといたら自爆しちゃうなんて、随分とおっちょこちょいなんだね?」
「いやいや、はた迷惑極まりないだろ。なんつぅ神経したオブリビオンだよ……」
 生粋のツッコミ気質であるマクベス、対峙する前からその考えに至る所は流石である。
 正直に言ってしまえば、この手の依頼でのツッコミ役は貴重な存在であるのは間違いない。

 そう、敵だけではなく味方にもツッコミが必要なのを忘れてはならない。
 主・役(エクストリームアーティスト・f05138)とウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)の様子を見れば丸分かりである。
「クククッ、考えを変えるのじゃ。爆発してしまってもいいさ、と。」
「いぇーい、張り切っていっちゃうよー!」
「エニシさんもやる気満々じゃな、これはうちも負けてはいられんのう」
「爆発物なら任せろ!ひゃっはー!」
 意気揚々としている暁の流星亭コンビ、危険物満載のトラップゾーンをハイキングか何かと勘違いしていないだろうか。
 役ことえにっちゃんの本来の性格は、こんなボンバーおバカではない。
 しかしこのむせ返る程の火薬の臭いに引き寄せられた裏人格が、えにっちゃんへ勝手に憑依してしまったのだ。
 憑依中の記憶は引き継がない為、爆発物の天国状態なこの迷宮での体験が忘れられなくなる事は無さそうなのが幸いだろうか。
 ウルフシャについても同様と言いたいところなのだが、彼女については紛れもなく地である。
 発想の柔軟性に優れていると表現してしまえば、良い意味で捉えてくれる人もいるかも知れない。
 しかし街頭アンケートを取ろうものなら、十中八九間違いなくそれはおかしいと言われる結果が容易に想像可能だ。

 普段通りのペースで迷宮で挑もうとする面々も勿論存在する。
「お仕事です、頑張りましょう」
「オブリビオンだから仕方ないかもしれないけど、自爆するなら迷惑かけないようにして欲しいね」
「はい……懲らしめてあげます」
 うっかり過ぎる存在にやや困惑気味のクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)を、アンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)が普段通りの無表情で励ましている。
 先日はクロがアンジェリカをお持ち帰りして延長戦を行っていたが、色々な意味で今ではすっかり元通りである。
 その隣ではフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)が入念に準備運動をしながら思案していた。
(トラップの量は確認出来ないし、無傷で通り切れない事を前提にするか……)
 フロア内への滞在時間に比例して、爆弾の危機度合いが高いと判断したフロッシュはスピード勝負を決意する。
 それぞれがそれぞれの準備を整えた事を確認し、一斉にフロア内へと突入していく猟兵たち。
 互いの無事を祈ったかどうかは、きっと爆弾の雨を掻い潜るという結果を以って示されるであろう。

 先行したのはフロッシュとボム娘状態のえにっちゃんの二名である。
 しかし考えがかけ離れているが為に、その進みはハードモードと化していた。
 判断力が求められる速攻を選んだフロッシュだったが、回避しなくてはいけない爆弾が増えるという目に遭っているのだ。
「ほとんどは普通の爆弾、回避すること自体は困難ではないね」
「んんー?呼んだ?」
「呼んでないけど、爆破するの止めてくれないかな」
「楽しいよー、一緒にやろう!」
「もしかしなくても話聞いてないよね」
「あの辺りも爆破させちゃおっと、どーん!」
「ああもうっ……」
 爆弾と爆破以外の話が通じなくなっているえにっちゃんが手当たり次第に爆破を続けていくのに対し、フロッシュは爆発パターンからホロデバイスゴーグルで情報を記録してゆき回避の精度を高めて対抗していた。
 高速の爆弾バトルとなっている様に見えるが、えにっちゃんには悪気は一切無いのでフロッシュが対応に苦慮しているのだ。
 誘爆量の多い爆炎もスカイステッパーでかわせているので、このまま行けば恐らく問題無いだろう。

 その一方で着実に爆弾処理をしながら進むのは、亜夜とレイにマクベスの三名。
 レイが直に地面へと爆発魔法を打ち込むという荒業で遠距離から爆弾を起爆、衝撃で飛んでくる爆弾を亜夜のknife visionとマクベスの氷魔法により対処しており良い連携となっている。
 安全地帯を作りながらの行動となれば、リスクがかなり軽減する事は間違いないであろう。
「うん完璧だね、さくさく進むよ!」
「おいおい、不用心に進んだら危ねえって」
「大丈夫だいじ…………ひっ」
 風を切り裂く音と共にレイの前髪がはらりと数本カットされる、罠の発動用に使われた斧か鉈が爆風で飛んできたのだろうか。
 一歩間違えば頭にクリティカルヒットなだけに、レイの顔はこれでもかという位に真っ青になった。
「これは確かに厄介な罠ですね、避ける事よりも着実に爆弾自体を対策しましょう」
「そうだね。し、慎重に進むよ……」
 冷静な対処を心掛ける亜夜の言う通り、通ってきた後ろ側からは爆弾は飛んできていない。
 大きな爆炎はレイの拡散する重層の虹とマクベスのオーラ防御により対処も出来る。
 しっかりと爆弾を処理しながら進む事で、多少時間を要しているものの被害を出さずに進んでいく。

 クロとアンジェリカの二人に関しては、爆弾の対処がまるでパーティゲームの様であった。
「右前から三つ、次に左上から二つ来ます」
「よっ、ほっ、ほいっと」
 爆弾同士が当たらない様に、ゴム体質で飛んでくる爆弾を投げ返すというより跳ね返すようにして対処するクロ。
 アンジェリカはそんなクロの後ろについて、爆弾が飛んでくる方向や数の報告役に徹している。
 こういったトラップへの対処はクロが得意としている為、アンジェリカは完全に支援モードなのだ。
 上手い連携なのだが流石に数が多すぎた、先に進むにつれて難易度が上がるかの様に爆弾の数が増えていく。
 繰り出す腕が分裂するかの如く動かしていたクロの目の前で、触る前にいきなり爆弾が炸裂する。
「うわぁ、ちょっと何……っぷしょい」
「クロさん、大丈夫……くしゅ」
 爆弾の中には大量のコショウが詰まっており、揃って口を開けてくしゃみを連続してしまう。
 足元には対処しきれず落としてしまった爆弾が数個転がっていて、逃げなければ危ない状況である。
 そんな二人に更なる追撃が仕掛けられる。
「へっきゅし…………んご!!」
「くしゅん…………んんぅ!!」
 水まんじゅうみたいなモノが、大きく開いていた二人の口にダイレクトシュートされたのだ。
 突然の事に驚きを隠せない二人、勝手に口の中から喉を通ってお腹へとダンクされてしまう。
 この迷宮でおやつのプレゼントを行っている訳は無く、直ぐに身をもって何が起きたかを味わう事となる。
「ぶぼべぇ……!?」
「んべるぅ……!?」
 変な声を上げると共に足元の爆弾が起爆し、爆煙によって二人の姿が見えなくなる。
 煙が晴れてきて見えてきた二人の姿は、真っ黒な上に全身が膨れてパンパンの風船みたいになっていた。
 外からだけではなく中からも爆弾の洗礼を受けて、爆弾っぽい見た目にさせられてしまった事になる。
 少なくともだらしなく開けられた口から煙を吐き出しきるまでは、情けない姿を晒す事となる二人なのであった。

 最後までフロアに入らないでいたウルフシャは、渾身のキメ顔で自らの力を具現化していく。
 それは一度は封印せざるを得ないと判断した禁忌に近い力なのだ
「自分が爆発して誘爆を誘ってしまえば既に爆散している自分はノーダメージ、という発想の転換により全てを吹き飛ばす星となろう!」
 簡単に解説するならばウルフシャはヤドリガミであるが為に、人間の身体は仮初めの物であり消失しても無事という事である。
 まるでゲームにおいて残機があるから大丈夫、次の周回では復活しているから大丈夫の精神だろうか。
 どちらにせよ幼少期のトラウマ案件に参戦しない事だけを今は祈ろう。
「残った爆弾は纏めて薙ぎ払ってみせよう、さぁ発射するのじゃ」
 巨大弓をしならせて自らを矢として勢い良く放つ、轟音と共に床や天井に亀裂が入る程の風圧がかかる。
 小気味良い音と共に、ストックされていた爆弾が次々と炸裂する音が聞こえていった。

 急速に加速していきながら飛んでいくウルフシャ、仮初めの身体は既に悲鳴を上げている。
 本人は他の面子を巻き込まぬ様にしたつもりなのだが、元々人が居ない事を忘れている注意力では説得力が足りない。
 更にそうは問屋が卸さないと言わんばかりに不運だった者が居た。
「もう、さっきからどうなってんのさこの迷宮は!」
 ダメージこそほぼ無いレイだが、チョークの粉満載の爆弾や水風船爆弾を食らっていておかんむりである。
「それならば、私の後ろに如何でしょう。正面のカバーは任せてください。」
 亜夜がレイの前に移動した時だった、マクベスだけはその違和感を察知して真横へと大きく方向転換する。
「そうだね、お願いじよぉぉぉぉおおおおおおおお!?」
「ぐっ、はぁぁぁぁああああああああ!?」
 爆弾トラップが飛んでこない真後ろからの強襲がレイのお尻へとクリーンヒット、目の前の亜夜をも巻き込んで飛んで行ってしまう。
「あいつら吹っ飛んでいきやがった。爆弾の種類豊富過ぎねぇかおい!」
 マクベスが真相に気付くのはこのフロアを抜ける頃になるだろう、その時にはツッコミ疲れを覚悟する必要があるかもしれないが。

「…………何か言う事ある?」
「まだ爆破し足りないっ、あっち行ってくる!」
 フロアの端っこ側の壁にぶら下がった状態のフロッシュを置いて、えにっちゃんはその場を離れていく。
 どうしてこういう事になっているかと言えば、出口を守る様に設置されていた巨大スライム型爆弾をえにっちゃんがウキウキで爆散させたからだ。
 被害を抑えようと回避は試みたが、粘着性の高い液体によって今の状況になっているのである。
 やり場のない怒りを抑えつつ、固まれば剥がせるであろうと考察するフロッシュだったが時は待ってはくれなかった。
「ん、何か飛んでくる。動けないなら撃ち落と…………え」
 識別した情報により刻天炉を放つのに躊躇いが生まれてしまう、なにせ飛んできたのは味方なのだから。
「もがもがもが、ふしゃー」
 肉体への負担が軽減されたが為、身体の原型が残ったままのウルフシャだったが目の前が真っ暗で何が起きているか分からなかった。
 例え状況を把握していたとしても、止められる術を有していないので特に結果が変わる訳ではない。
 レイと亜夜はさしずめ座席無しのジェットコースターよりも凶悪なナニカに翻弄されている気分だろうか。
 いや、そもそも強烈な風圧とGで大変な事になっているのが恐らく正解だろう。
「冗談きついって………………むぎょおお!!」
 吹っ飛んできたというより発射されてきた三人分の重みと運動エネルギーが、フロッシュの待つ壁へと正面衝突する。
 ひしゃげていく壁にめり込みながら苦し気な声を上げるフロッシュ、しかしこれだけでは終わらない。
 衝突によってウルフシャの身体に限界が訪れ、緑色の光を放ち大爆発を起こしたのだ。
 周囲の壁を崩壊させる程の爆発は、その場にいたレイ、亜夜、フロッシュの三名を巻き込むには十分な火力であるのは説明せずとも分かるだろう。
 眩い緑の矢が部屋の端へと過ぎ去った後に残ったのは、服がボロボロで肌がきつね色に焼き上がった姿。
 力なく手足が投げ出された状態で並べられたように倒れている姿は、かなり滑稽なモノと化していたのだった。
「ひゅーひゅー、すっごい爆発だったけど誰がやったの?」
 引き返してきたえにっちゃんは介抱するでなく、身体をつんつんしてくるだけだ。
 部屋の角までの爆弾を誘爆させてきたウルフシャは、仮初めの身体を作り直して戻ってくるも惨状を見た瞬間に状況を察してしまい茫然自失となってしまった。
 フードファイター的には美味しそうだと一瞬思うかもしれないが、流星が如くの痕で一目瞭然なので気付かない訳が無い。
 結局は置いて行かれる形となったマクベスが到着するまでの間、この状態のまま放置される事となる。
 幸いな点があるとすれば、此処が人が居ない迷宮の中であるという事であろうか。
 こうして事故を起こしつつも、何とか次のフロアへと歩を進める猟兵たちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『地雷原迷宮』

POW   :    正面突破

SPD   :    スピードや身軽さを活かして爆弾を避けながら進む

WIZ   :    爆弾の仕組みや配置を見抜き、無力化する

👑11
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 たくさんの爆弾を抜けた先は事前の説明通り迷宮となっていた。
 罠は基本地雷のみではあるが、重力制御の魔法によって飛行する事は出来なくなっている。
 その他にも地雷を回避するのを阻害する為のギミックが幾つか仕掛けられているかもしれない。
 オブリビオンが呑気に眠っている部屋へと繋がる道を、早めに見つける必要があるだろう。
 しかし地雷についても火薬以外が仕込まれている可能性があるので、充分に注意するに越した事は無い。
 どのような選択を取るかは各々の判断となる、一体どの様な爆発が待つかは猟兵次第なのだ。
楠瀬・亜夜
あいたたた……散々な目に遭いました……
しかし辛うじてカリスマパワーで事なきを得ました
ふふ、こういう時こそ狼狽えず、冷静に振舞うことが大事なのです
……いえ?けっして涙目にはなってませんよ?なってませんってば

【SPD】
さて、お次は地雷原ときましたか
地雷であるなら前のフロアの爆弾よりも比較的安全に起爆させる
事はできるでしょうが問題はギミックの方ですね……
まずはフロア入り口から狙撃であちこち狙いできるだけ地雷を
除去できるように試しましょう

数さえ減らせれば多少は危険度は下がるはずですし
比較的安全そうなルートを見定め、残りの地雷とギミックに
注意しながら素早く突破してしまいましょう

(アドリブ可)


レイ・キャスケット
ひどいめにあった!
まさか後ろからのフレンドリファイアもあるなんて!
二度あることは三度…じゃなくて、次はないように一層気を付けて(足元の注意がお留守になっていてボム)

(何事もなかったかのように)(プスプス)
ここは担当を決めて【フェイント】【挑発】寄りの思考で地雷回避妨害のトラップの発見と解除の方に意識を割いて、爆弾解除の方はお任せ
≪二重可変の三稜鏡≫の通常弾丸で氷漬けにしたり熱感知反応させたりして難なく処理を進めて

OK、トラップは先に誤作動させたし爆弾も破壊したし、敵のいる部屋探っ(二重仕掛けのトラップにひっかかる)

※アドリブギャグ歓迎



 先程までの爆弾まみれだった場所と異なり、この地雷原フロアは迷宮構造となっていてそのほとんどが入り組んだ通路で構成されている。
 トラップを取り付けるに壁の位置が調整された跡がある為、単純な迷宮よりも面倒になっている。
 入口から射線が通る分の床を狙撃する楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)は、近めにあった地雷が爆発する衝撃から軽い関節の痛みを感じつつ身体を起こす。
「あいたたた……先程は散々な目に遭いました。カリスマパワーが無かったらどうなってた事やら……」
「まさか後ろからのフレンドリファイアもあるなんて考えても無かった!……ところでカリスマパワーって何?」
「威厳ある者が自然と得るオーラみたいなものです」
「それにしてはさっきまで隣に転がってた時は」
「なってません」
 レイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)は亜夜が明らかにカリスマブレイクしている姿を知っているが、ツッコミ続けてしまうと涙目になりそうだと思い止める事にする。
 そもそも自分も一緒になって酷い目に遭っているので、からかったとしても空しくなってしまうであろう。
「二度あることは三度……じゃなくて、次はないように一層気を付け――」
「れ、レイさん!?」
 気合を入れなおさねばとぐっと両手を握りしめたレイは、足元への注意がお留守となり運悪く地雷を踏み抜いてしまって爆発する。
 亜夜の拳銃による狙撃によって、地雷の数は減ってはいたが全ての地雷の位置を把握している訳でもなく打ち漏らしが出てしまうのは仕方ないだろう。
「じゃあボクは妨害トラップを探すから、亜夜さんは地雷の除去をお願い」
「ふふ、分かりました。ギミックの解除はお任せしましょう」
 軽く焦げているレイが何事も無かったかの様に振る舞う姿を、亜夜はカリスマ的な行動として理にかなっていて頼もしいと感じた。
 実際は不運体質な所があるレイが慣れているだけな気がするが。

 レイの付与の羽衣より放たれる『二重可変の三稜鏡』の弾丸が、迷宮ご自慢のトラップを破壊していく。
 センサーは氷漬けにして故障させ、熱源探知は誤反応を誘発し対応した地雷を起爆していった。
 一方の亜夜は床を狙撃しながら通り道を見定める方法として、地雷の起爆具合から安全そうなルートを見出していた。
 銃を打ち込んでも反応の無い方向は不確定要素が多い、地雷が無いとは判断出来ないのでなるべくは通りたくないという理屈だ。
 役割分担が出来ている事と、共に遠距離から対処を講じているので非常に効率良く進めているだろう。
「良い調子です、このまま素早く突破してしまいましょう」
「OK。トラップは先に誤作動させたし、とっとと敵の居る部屋探ぞぶっ……」
 勢い良く踏み出した所で、急に目の前の壁がせり上がった所為で激突してしまったレイ。
 どうやら一定以上の重さに反応するトラップが床に残っており、二人の行方を塞ぐ壁が現れたという訳だ。
 いや、正確には後ろ側からも壁がせり上がっていて閉じ込められてしまっている。
「既に地雷は除去出来てますし、このトラップはどういう……あっ」
 辺りを見回した亜夜は気付いてしまった、顔を押さえるレイの肩を叩き上を見る様に促す。
 天井を見上げれば気付くだろう、この場所だけやけに天井が高く出来ている事に。
 その意図に対して嫌な予感を感じてしまうと共に、パラパラと円形の物体が降ってくる。
 これがクッキー入り缶詰であれば幸せかもしれないが、新鮮な地雷のプレゼントであった。
 しかし地雷は爆弾とは違い、上から降ってくるだけで爆発する訳ではない。
 閉鎖された空間の中へ地雷が次々と落ちてくるが、二人は上に乗る訳にもいかずに地雷の中へと埋もれていく。
「えっ、ちょっと多い多い」
 地雷の山は二人の胸辺りまで到達した頃に打ち止めとなる、明らかに多過ぎなのは製作者の要らぬサービス心であろうか。
 そして最後の地雷はご丁寧な事に時限式地雷である事を分かり易くアピールしていた。
「やだ待っ――――」
「もうやめ――――」
 レイと亜夜の抗議の声は白い閃光と共にかけ消えて、連鎖する様な大きな炸裂音が鳴り響く。
 狭い空間の中で大量の地雷が炸裂する感覚、四方八方から全力でタックルされるかの様な衝撃であろう。
 この爆発により二人を閉じ込めていた壁が崩壊するも、煙が晴れた中に居た二人はボロボロの黒焦げであった。
「てっ……てぇ…………」
「まぁ……せぅ…………」
 よく分からない立ち方になりながら、口から煙を吐きつつ言葉にならない事を呟いている。
 頭がシェイクされており目もぐるぐる回しているのだろう、視線があべこべになったいた。
 そして全く同じタイミングで前のめりに倒れこむ、これだけの爆発を食らっては致し方無いであろう。
 動かない限りは追加で爆発する地雷は無い為、少なくとも気が付くまでは休むしかない。
 繰り返しになってしまうが、この場所が迷宮内である事が本当に幸いと思うしか今はないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロ・ネコノ
ごほっごほっ。
爆発されるのはあると思ってたけどね、内側からは想定外だよ。
(アンジェリカ(f11144)とセットでお願いします)
で、アンジェリカがごり押しで行く気みたいだね、そのやり方だと私に出来る事はないかな?
大人しくついていこうか。

<アドリブ歓迎!>


アンジェリカ・ヘインズビー
…けほっ。
(クロ・ネコノさん(f06406)と一緒にして下さい)
…よくわかりました、一つ一つ対処しようとしても無駄です。

[怪力]
横向きにしたマジックハンマーに魔力を注いで、横幅が通路いっぱいの大きさになるまで大きくします。
あとは下に押さえつけながらモップがけのような形で押していきます。
多少の爆発なら私の力で抑えられます、それにハンマーが受け止めてくれるので安全に進めるはずです。

(ハンマーが間にある事でセンサー式の地雷が反応せずにハンマーの前に溜まっていき(ハンマーで見えない)、そこに接触式の地雷が加わって大爆発、多少どころではない爆発には耐え切れず、ハンマーと爆発が2人を襲う)

【アドリブ歓迎】



「ごほっごほっ。爆発されるっていうのはあると思ってたけどね、内側からやられるのは流石に想定外だよ」
「……けほっ」
 クロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)とアンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)の二人は、未だに煙たく感じてしまう口の中を整えようとして咳き込んでいた。
 先程のフロアにて文字通り爆弾を味わってしまったが為に、咳と共に吐き出される息は少し煙混じりである。
 あれだけの爆発をある意味ダイレクトに食らったのもあり、通常よりもまだ多少身体がむくんでいる様な気がしないでもない。
「……よく分かりました、一つ一つ対処しようとしても無駄です」
「おっ、アンジェリカえらいやる気満々だね」
 アンジェリカは手にしたマジックハンマーの面部分を横向きにし、斜め下方向に構えた状態で魔力を注いでゆく。
 ハンマーが徐々に巨大化していき、ヘッドの横幅が通路と同等の長さとなった。
 相当な重量となったハンマーであるが、アンジェリカは持ち前の怪力で軽々と扱う事が出来る。
「ではいきます、付いてきてください……」
「大人しくついていこうか。ごり押しで攻めるんだったら、私には出来る事は無さそうだしね」
 アンジェリカは無表情な顔をそのままにダッシュし、モップ掛けならぬハンマー掛けを慣行する。
 ハンマーによる衝撃で地雷が爆発するも、力で抑え込みながら突き進んでいく。
 例えるならば、彼女にとってはジープ辺りの車のタイヤで道の小石を踏んでいる程度の衝撃か。
 更に通路幅までハンマーを大きくしていた事から、センサー類もそのほとんどが作動せずに壊されていく。
 見た目は全く綺麗にはなっていないのだが、地雷除去という面だけで見れば実に優秀である。

 迷宮を掃除していくアンジェリカにの後ろを行くクロはふと疑問に思っている事があった。
 爆弾の時と比べて爆発の頻度が少ないのは、何か理由があるのではないかと。
 そしてその不安はアンジェリカに声を掛けようとする前に、最悪の形で的中する時を迎えてしまう。
「そろそろ瓦礫が溜まってきてるみたいです、一度止まってから再出発します」
「え、うん。分かったよ」
 ハンマーを通路幅まで広げている為、細かい石以外は手前側にどんどんと積み重なってしまうのは仕方ない。
 だがしかし、それを瓦礫と判断するのは少し迂闊であった。
 アンジェリカから死角となるはハンマーの前には、不発弾と化したセンサー式の地雷が大量に残っていたのである。
 それは不人気な商品がワゴン売りで乱雑に散らかっている姿の様にも見えるだろう。
 意図せず地雷運びをしていたアンジェリカがスピードを落としてしまえば、通常の地雷の誘爆はさけられない訳で。
「あの左曲がりの辺りで止ま――――」
「あー、やっぱ――――」
 大量の地雷がほぼ一斉に爆発してしまい、アンジェリカのハンマーが簡単に吹き飛ぶ。
 ハンマーは通路の幅まで広げている為、アンジェリカとクロのお腹辺りに正面からクリーンヒット。
 爆発の勢いはその程度では止める事は出来ず、ハンマーに巻き込まれる形となって通路を逆走する形で飛んでいく。
 高速で飛ぶハンマーは凄く緩やかな弧を描く様に飛んでいき、高さだけはゆっくりと二人を地面へと連れていき……。
「びべりゃ…………!?」
「ばごどぅ…………!?」
 背中から設置した二人を地面へ置いたままハンマーは地滑りした為、アンジェリカとクロは上半身だけぺったんこに伸ばされてしまう。
 それぞれの上半身は通路の半分近い幅にまで拡がっており、どれだけ強い衝撃であったかを物語っている。
 驚愕や後悔の表情は残っておらず、潰されて横に伸び伸びになった残念な顔があるだけだった。
 潰れていないままぴくぴくしている下半身との対比が実に滑稽であろう。
 実質トランス状態な二人が復活するには、少し時間がかかるかもしれない。
 それまでの間は半身カーペット状態を晒しているしかなさそうだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

主・役
引き続きボム娘モード。
仙剣刃姫で製作した深層学習AI搭載ラジコン戦車『神風シンクタンク(思考戦車)』の群れをトッカンさせて地雷を発動させながら攻略。
「なんでぇ、あいつはあっち側か。浮遊大陸一緒に駆け巡った連中はこっち側が多いのにようやるわ」
仕掛けられた爆発物から製作者にあたりをつけたようですが、脊髄反射で生きてるので適当こいてるだけかもしれません。
「いやーなつかしいねぇ。これもあいつが造ってくれたんだよな」
持ちあげた戦車の底面にはアストネージュ・T・平賀の刻印が。
「あいつとはよく潜入工作で爆破しては一緒に始末書書かされたよなー」
混ぜては危険な二人の邂逅が刻一刻と近づいている。


アリス・セカンドカラー
我々の業界ではご褒美よ☆
てな感じでリジュネレーション頼りになんの対策もせず、いや。
タルパストーカーで自分のスワンプマンを量産よ、五感が共有されてるからご褒美も量産されるわね♥
アリスインワンダーランドとルナティックパーティで法則さえ改変して見せる私は例え虚無に返されようと即時リポップが可能、つまりなんの気兼ねも無く自爆しまくれるわ☆
ありゃ、ボム娘ちゃん?浮遊大陸ぶりー、アストちんで遊びにきたの?
そっかそっか、こっちのアトラクションがお目当てかぁボム娘ちゃんならそうだよね。シンクタンクってそういう意味ではなかった筈なんだけどなー。

待っててアストちん、すぐに遊びに行くからね☆



 引き続きボム娘モードで絶好調のえにっちゃんこと主・役(エクストリームアーティスト・f05138)の元へ、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)がやってきた。
 傍から見れば少女同士のほんわかとした邂逅であるが、場所もシチュエーションもハチャメチャである。
「ボム娘ちゃんかしら、もう久し振りー。アストちんで遊びにきたの?」
「いやいや、遊ぶのはこれからだーって」
「そっかそっか、こっちのアトラクションがお目当てかぁ。ボム娘ちゃんならそうだよね」
「さぁ、行こう。神風シンクタンクたちよー」
「うーん、シンクタンクってそういう意味ではなかった筈なんだけどなー」
 会話の意味が理解出来ていれば、晴れてエスパー検定の入門編はクリアではなかろうか。
 どの程度まで把握しているのかとか、その辺は企業秘密とさせて頂くとしよう。

 そんなこんなで混ぜなくても危険な二人の通る道は常に爆発していた、文字通りの意味で間違いない。
 ボム娘のえにっちゃんは『仙剣刃姫』で製作した深層学習AI搭載ラジコン戦車『神風シンクタンク(思考戦車)』を大量投入、砲を発射して爆破したり地雷を踏ませて戦車ごと誘爆したりとやりたい放題。
 アリスに至っては『人工未知霊体・忍』で自分のスワンプマンを量産して、次々と地雷へ突っ込ませている。
 四肢が吹っ飛ぶアリス、内臓がこんにちはするアリス、高火力過ぎて炭化するアリスがどんどん出来上がっていくのだが、アリス本人はリジュネレーションでご褒美にしていくのだから手の付けようがないのだ。
「軍事基地の弾薬庫でも、この量の爆発は味わえないから嬉しいわね。この辺りは地雷が少なくなったから、あっち側も攻てみるしかないわ」
 出口を探すよりも残っている地雷を探す行為に驚愕だが、別に目的を忘れている訳ではないだろう。
 えにっちゃんが楽しんでいる間はまだ時間がある、ならば自分も楽しまなければ勿体無いではないかと。
「なんでぇなんでぇ、やっぱりあいつはあっち側か」
 爆発物の特徴から製作者にあたりを付けたらしいボム娘、認識違いでなければその判断はきっと正しいだろう。
 しかし事情を知らない人が見れば、脊髄反射だけで生きている奴が調子こいて適当な事を言っている様にしか見えないのではないか。
「まぁ、それはしゃーないか。やっぱ懐かしいもんだねぇ。こいつもあいつが造ってくれたんだよな」
 ラジコン戦車を持ち上げて履帯の間の刻印を覗く、それは遠い昔を見る様な目だ。
「あいつとはよく潜入工作で爆破しては一緒に始末書書かされたよなー」
「あら、もういいの?もうちょっと遊んでいく?」
「よいぞよいぞ、後は前に進みがてらでー」
「ふふっ、もう少し楽しませてもらうわね」
 色々な意味で地雷原を根こそぎ蹂躙していきながら進むボム娘とアリス。
 このまま行けばどの様な邂逅が待っているのだろうか、その時はもう直ぐそこまで近付いてきている。
 そしてどんな結果を導くのかは、混ぜてみないと分からないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マクベス・メインクーン
次は地雷かよ、ほんと爆発物のレパートリー多いなっ!
っていうかこんだけの種類作るとかオブリビオン暇かよっ!!

まぁ要は踏まなきゃいいんだろうが…通り道を『フェンリル』の氷【属性魔法】で凍らせながら地雷を踏まないようにするぜ
ただし他のやつが爆発させたものに関しては巻き込まれる
流石に全部に巻き込まれてたら身が持たねぇから、【野生の勘】で危ねぇやつは避けるようにするけどな…
とりあえず味方が怪我してたらUCで治すが、必要なさそうな気がしないでもない

っていうか、こんだけ派手に爆発音してんのにオブリビオンの奴は全然起きないとかマジかよ……呑気すぎんだろぉ


フロッシュ・フェローチェス
(失態でやり場のない怒りに震える)
……いや落ち着け。今は地雷攻略を考える。
重力制御のレベル測定。ゴーグルで情報収集し、少しジャンプして跳躍可能かを試す。地雷位置も探るだけ探り――此処も爆発が起きる前提で。
ダッシュ開始。
踏んでも、早業で加速式を充填し一気に突破だ。
衝撃波を放てば、爆炎遅延&超速移動が出来るか?

問題は阻害ギミック。
叩き落しや足引っ掛けとか強引な手で起爆させられるかも。
安全重視で随時警戒して進もう。
けど足を止める罠は?壁や棒に、トラウマ再現――前者2つはあり得るか。
っていうかトラウマって言っても河童のアレとか、ペチャンコだし。
潰す罠なら今回はただの打撃。回避は可能だね。

※アドリブ歓迎


ウルフシャ・オーゲツ
爆発は力じゃ。
そして力は肉じゃ。

すなわち、爆発は、肉じゃ!(美しいふしゃ式三段論法)

冗談はさておき、爆発には爆発を、爆弾ハンバーグでもはむはむしながらふしゃふしゃと攻略するとしよう。

「ふっふっふ、どのような爆弾が来ようと、肉を食えば超えられないものなどあるまい」
 爆発で適度に焦げたとしてもそれはそれ、お肉も焦げ目が付いている方が美味しそうに見えるじゃろう。
 ……う、うちを食べる出ないぞ?

なんにせようちを止まらずつきすすむ!
……美味しいお肉がたくさん出てくる爆弾とかがあれば足止めされちゃうなーこまっちゃうなーどうしようかなー!

※何が起こっても何をしても不思議じゃないので、なんでもこい、じゃな!



「まったく今度は地雷かよ、爆発物の展示会って言いたくなるレパートリーの充実度だぜ」
「………………」
「そんでどうやって突破するか、って大丈夫か」
「…………あ、うん。次は地雷だったね」
 マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)に心配になるのも無理はない。
 フロア間の移動中にフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は、静かにぷるぷると怒りをかみ殺す様にずっと震えていたからだ。
 彼女は思考を切り替えるが為に、自分の両頬を手で叩いて気合を入れ直す。
(冷静さを欠いたら負け、ここは落ち着いて地雷攻略をしないと……)
 フロッシュはその場でジャンプをして着地までにかかる負荷を計算して、重力制御がどの程度のレベルであるかを測定する。
 無理をすれば連続でジャンプする事は可能そうではあるが、スピードを殺してしまう難点もあって望ましい選択では無いだろう。
 更に視認可能な範囲に地雷や罠がある確率が高い場所を探っていく。
「ふっふっふ、如何なる爆弾であろうとも肉を食えば越えられぬものなどあるまい」
 その横ではウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)が、ビーフ100%の肉々しい爆弾ハンバーグを食べている。
 つなぎを使っていないハンバーグは、肉の味を楽しむのに向いているだろう。
 フードファイター的には食事を取る事は意味で準備運動なのには違いないのだが、先程のフロアで見た光景でハンバーグを食べたくなったのではないかと少し心配である。
「爆発は力じゃ。そして力とは肉じゃ。即ち、爆発は『肉』じゃ!」
「んなわけがあるかぁ!」
「ふしゃー!?」
 華麗なる三段論法はマクベスに即ツッコミされ、ふしゃふしゃしてしまうウルフシャ。
 それでもハンバーグを食べる手は止めない、冷めない様に美味しく頂くのは食事の基本である。
 こうして三者三様の方法で迷宮の攻略が始まった。

 フロッシュとウルフシャの二人は地雷を踏んでしまう事を想定して走っていた。
 フロッシュはブーツで地雷を踏んだ感覚がした際に、加速式を早業で展開して爆発を回避して進んでいる。
 ウルフシャは地雷を強引に踏み抜きながらも、爆炎で追加のハンバーグを直火焼きにして補充しながら進む。
「走りながら食べてると危なくない」
「この肉は燃料みたいなモノ故に問題なっしんぐじゃ。これはうちの分じゃから、物欲しそうな目で見てもあげられぬぞ」
「……違うって」
 しかしフードファイターではないにせよ、フロッシュも実は大食いであったりする。
 火薬の臭いに満ちていた迷宮の中に、肉が焼ける匂いが充満するのだから全く興味が無いと言えば嘘になるだろう。
 焼肉屋から肉を焼いた匂いが鼻をくすぐれば、肉を食べたくなる気分になってしまう原理と一緒だ。
「全く無茶苦茶だな、フォローはオレがするしかないか」
 マクベスは行く道を氷魔法で凍結させて対処しながら進んでいる為に、二人のやや後ろを進む形となっている。
 地雷は踏み抜かれている物が多いのもあって、彼自身は比較的安全に進む事が出来た。
 それだけに彼には余計に気になって仕方が無い光景につっこまざるを得ないのだ。
「てめぇら呑気に肉食ってるんじゃねぇ!」
「……ふしゃ?」
「ん、密度ぎっしりしてる」
 ウルフシャのおすそ分け攻撃を受けながら、地雷の爆発を衝撃波で相殺するという器用な事をしているフロッシュ。
 考え方によっては妨害であるのだが、フードファイター的には全くも善意による行動だ。
 しかし絵面は明らかにおかしい、マクベスがツッコミを入れるのもやむを得ない状況であろう。
「ふむ、食べたいのなら追いついてくるが良いのじゃ」
「そうじゃねぇ、ピクニックしに来てるんじゃないんだぞ!」
「……う、うちを食べる出ないぞ?」
「なんでそうなるんだ!?」
 どうやら爆発を受けて焦げた身体を焼けごろだというジョークは届かなかった様だ。
 焦げた身体を見て美味しそうだと認知する層は限られるのが普通だろう。
 そしてTPOを弁える事も必要であるとウルフシャは身をもって味わう事となる。

 かなり前方の床と天井が開いて壁となり、前方を走る二人の前に立ちはだかった。
 ギミックを警戒していたフロッシュは、速度を緩めて警戒する。
 以前に開いた天井からのお年玉をプレゼントされた事もあるからだ。
 実際にその読みは正しく、天井は穴が開いており地雷状の物が降ってきたのだが……
「おぉ、この匂いはステーキに違いあるまいっ」
 いち早く地雷が肉厚のステーキと判断したウルフシャが飛びついてしまう。
「おい!?迂闊に食べたりするんじゃ……」
「んまいっ、抜群の焼き加減ではないか」
「一体どういう事……」
 爆発すると身構えたマクベスとフロッシュであったが、ウルフシャの頭が吹き飛ぶ事は無く健在である。
 呆気に取られていると、焼いたステーキの香ばしい匂いが鼻をくすぐってきた。
 よく見れば床の部分は油の引いた鉄板の様な作りとなっており、受け皿となっている事が分かるだろう。
「推測すると、肉の匂いでセンサーが反応したのかも」
「こんな種類のトラップまで作るとか、オブリビオン暇かよっ!!」
「お肉美味しいのじゃ。て、手が止まらぬっ」
 ウルフシャは地雷型ステーキの虜となっており、次々とかぶりついて平らげてゆく。
 どうやら暫くは足止めを食らうしかなさそうだ。
「こういう罠なら実害は無いだろうし、休憩と考えるなら良いか」
「この肉を蹴散らしたら後が怖いかもしれねぇし構わないぜ。」
 一心不乱にステーキを食らうウルフシャの姿に、苦笑するフロッシュとマクベスもご相伴に与る事とした。
 迷宮内ではあちこちから派手な爆発音が聞こえている、実に変なシチュエーションでの食事会だ。
 足止めを目的をしている為にステーキの味は妥協を許さない味わいとなっており、地雷を模していて厚さ大きさは申し分無し。
 焼き加減はレアになっているが、鉄板で焼けば自分で調節出来るという至れり尽くせりの仕様であった。
 フードファイターのウルフシャだけでなく、フロッシュの顔も幾分か緩んでいる様に見える。
(トラップにここまで拘り過ぎて正直おかしくないか。それにしても、オブリビオンの奴は全然起きないとかマジかよ……呑気すぎんだろぉ)
 これから対峙するであろう相手に対しても、ツッコミをせざるを得ないのではないかと不安でいっぱいなマクベスであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アストネージュ・トーマスライト・ヒラーガ』

POW   :    にっしっし、俺様こそ一番の技術の変態じゃよw
いま戦っている対象に有効な【妖しい発明品】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    いっしっし、ようこそ俺様のラボへ。歓迎しようw
戦闘用の、自身と同じ強さの【自立行動型実験器具】と【敵と同数の防衛ゴーレム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    爆発☆オチ
【暴走した発明品の自身も巻き込む自爆】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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 爆発に次ぐ爆発を抜けてきた先にあった部屋まで到達した猟兵たち。
 迷宮内の壁と違い、清潔感を感じる白い壁と蛍光灯の光に眩しさを感じるであろう。
 これだけ騒がしくしていれば、流石のオブリビオンも起きて……なかった。
 布団で寝ている訳でも、ソファーに横になっている訳でもないのにぐっすり眠りこけている。
 呆気に取られてしまうかもしれないが、他にオブリビオンと思われる姿は無い。

 さぁ、まずは居眠りしているオブリビオンをとっちめてお仕置きタイムを慣行するのだ。
 寝ぼけていようが遠慮をする事は無い、トラップで溜まった鬱憤も晴らしてしまって構わないだろう。
 そして事前に触れられていた通り、自爆を止める事を決して忘れてはならない。
 各フロアの爆発物の量は減ってはいるが、それでも十分な火薬が残っているのだから。
アリス・セカンドカラー
とりまアリスインワンダーランドのカートゥーンの法則とコントの法則を全力発動。これで、どれだけ規模の大きな爆発が起ころうともアフロになる程度のダメージにおさえられるわ。

じゃ、防波堤も張ったところでアストちんに悪戯タイム♥ルナティックパーティの薄い本の法則を適用して、と。そこに情欲の炎を点火すれば……ほうらイケない感情が爆発するでしょ♥で・も、まだ終わりじゃないのよ♪もっともっと爆発的な快感を与えてあげる♥
アストちんが関わってる時点で爆発落ちは確定してる、なら、それまではキマシタワーで愉しく愉しく遊びましょ♪アストちんの情欲を爆発させまくるわよ♥今回もいい声で哭いてね☆


主・役
引き続きボム娘モード。
神風シンクタンクをアストの顔の前にセットして寝起きドッキリ☆
色々物色するためにカウントは30ぐらいでセット。カウント0と同時に魔法の花火がアストの顔面を強襲する。

「かーっ、相変わらずわけわかんねぇモノ作ってやがるなぁ、お、おもしろそうなの発見もらっとこ」
「おー、起きたか?邪魔してんよ、ところでコレどう使うんだ?」
「あ?勝手にさわるな?ケチくせぇこと言うなよなぁ、お、アレはなんだ?」
勝手知ったるなんとやらと研究所内を好き勝手に物色。スイッチは押すもの。
「なにしにきた帰れ?そういう訳にもいかんのよ、それより変態(アリス)も来てるぞ、貞操を守る準備をしああ遅かったかぁがんがれ」


レイ・キャスケット
●心情
(頭のいいアホの子っぽい……)
なんか…あの子ほっといてもいいんじゃない?ダメ?ダメか、そうだよねぇ…
またボム迷宮にされても困るしねぇ…

●戦闘
爆発物は危険だから凍らせて…って、魔力妨害地場発生器?
なんてピンポイントなイヤガラセ!剣も魔法も使えないじゃん!
仕方ないなぁ、物理で殴るしかないよね(メイス片手に)
UC≪マトウモノ≫で身体強化【ダッシュ・二回攻撃・吹き飛ばし】

●戦闘後
起爆スイッチの存在、忘れてないよね?大丈夫、ボクは忘れてない
スイッチが一つとは限らないしきちんと隅から隅まで確認したしもうこれで大丈夫!
…大丈夫だよね?
※アドリブギャグ歓迎


アンジェリカ・ヘインズビー
見つけましたよ元凶、覚悟してください。
…しかしまずは起爆スイッチです、オブリビオンに仕返しするのはその後です。

(向かう途中で身長計のような器具を見つけ、その機械の名称に足を止める)
…シンチョーカエールくん?、身長を変える?(身長が低いのを気にしているアンジェリカは起爆スイッチを後回しにして機械に近づく)
(周りを見回して)…ちょっと試すだけです。
(1人言い訳をしながら170cmとセット、珍しく期待した顔で測定部分に立つ)

(が、ただ縦に縮める機械で背を伸ばす機能は無く、エラーを吐き、以前のデータが適応、薬品をスプレーされ、測定部が叩き付けられて20cm程に圧縮され、現在の身長が書かれた紙が出る)


クロ・ネコノ
やっとたどり着いたね、にしても今までの場所と雰囲気変わりすぎじゃない?。
ま、とにかく起爆スイッチを止めるのが先だね、急ごう。
これかな、えーと、…ん?!(起爆スイッチに触れようとしたところ尻尾に衝撃を感じ振り向くと、掃除機型の機械に尻尾が吸い込まれていた)
ちょっと!なにこれ?!(尻尾を引き抜こうとするもまったく抜けない)
強力すぎでしょ!…電源切っても止まらないんだけどこのポンコツ!?(途端吸い込む力が強くなり、どんどん吸い込まれていく)
ちょっ、誰か…(完全に吸い込まれ、ホースを通り掃除機本体に収納される)
…(掃除機がガタガタ揺れるが、内部で作動する音と共に静かになり、圧縮された状態で排出される)


マクベス・メインクーン
嘘だろおい……あんだけ近くで爆発してて起きないのかよっ!
寝起きを襲撃はすっげぇ悪役っぽいが……この際しょうがねぇ、倒さなきゃ迷宮が爆発しちまうしな

魔装銃に『ガルーダ』の力を借りて風【属性攻撃】で【スナイパー】
炎とかだと誘爆しそうだからな、風の刃で切り裂きに行くぜ
あんま恨みとかはねぇが、自爆エンドだけはごめんだぜっ!
敵の爆弾攻撃なんかは『リヴァイアサン』の水の力をぶつけて不発にさせる
UC使用されたら『ガルーダ』の風の防壁で【オーラ防御】する
自身がツッコミした際にはUC使用するぜ

最後に起爆スイッチを停止、まったくはた迷惑なオブリビオンだったぜ……


フロッシュ・フェローチェス
美味しかった、じゃない黒幕か。
爆破された事に変わり無いし鬱憤を……あれコイツの所為でキツネ色になったっけ?
――獅子身中の虫だ……!
兎に角装置を探すけど探索者が多い場合は戦闘に回る。

探す場合はダッシュで早業捜索だ。スイッチ優先で戦闘は後回し。
ただ何処にあるのか……隠してたり高所にある可能性も踏まえないと。

戦闘は接近戦と鎖の合わせ。拳から追撃の鎖での二回攻撃主体だ。
脚には衝撃波を纏わせ威力向上。睨砲は咄嗟の時に。

一度で済んだからか余裕あるねアタシ。
――自爆を許したら、どうなるんだろ……?
……滅多な事考えるなって。他の人を巻き込むな、実験は個人だけでね。
そも爆破されたい訳じゃ無いし。
※アドリブ大歓迎


楠瀬・亜夜
ふふふ、数々の仕掛けを突破し無事に最深部まで到達する
事ができましたね。カリスマっぷりが怖い……
(爆発のショックで記憶が飛んだ)

で、あれが例のオブリビオンですか
……寝てる?
いや、私には分かります
あれはこちらの油断を誘っているのです
数々のトラップといい中々の策士のようですね

いいでしょう、ならば全力でねじ伏せるまでです
槍を召喚し相手に向けた状態で構え
部屋の外から内部に向かて槍を投げつけ
【緋色の悪夢】を発動させド派手に爆発四散させてさしあげましょう
我がカリスマの一撃を喰らうがいい

……自爆阻止?任せてください
カリスマパワーでちょちょいのちょいですよ
え?方法?なんやかんやでなんとかします


ウルフシャ・オーゲツ
ぐっもーにん、あすとたん♪
……と、ごにゃー〇的な超感覚に目覚めそうじゃが、おそらく張本人来る気がするしそれは置いてじゃな。
【心づもり】
ウチが爆発することで周囲を爆発させられることはすでに知られておるかもしれぬ(寝てるけど)
ならば、ウチが爆発して中身が漏れたらどうなるかを体感してもらうとしようかのう。

【戦えっ】
実際に何が起こるかはわからぬがUCを発動して中身をちょっとだしてみるとしよう!
とても出てはいけない者や見ただけでいろんなものがすり減るものが出てくるかもしれぬ。
他の者が限りなく少ない状態で、こ奴だけに特別にくらわさなければなるまい。
※チョコふしゃでも邪神でもSCPでもなんでも出て大丈夫です



 机に突っ伏した体勢で眠りこけているオブリビオンは、猟兵たちの来訪に気付いて起きる様子は全くない。
 そんな机の上には大きな図面の様な紙が何枚も散らかっており、彼女が作業中に眠りに落ちた事を表している。
 元々来客が迷い込む事も無かったが為に、警戒心がすっかりと無くなってしまっていたのだ。
「嘘だろおい……あんだけ近くで爆発してて起きないのかよっ!」
「いえ、あれは寝てるのではありません。ああやって此方の油断を誘っているのです、私には分かります」
「普通にガチで眠ってる以外にないだろ……」
 マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)は楠瀬・亜夜(追憶の断片・f03907)に対して控えめにツッコミをする。
 全力でツッコミを入れなかったのにはちょっとした理由がある、それは亜夜の様子がおかしい事に勘付いてしまったからだ。
「ふふふ、数々の仕掛けを無事に突破出来たのもカリスマパワーのおかげです。ああ、あふれ出んばかりのカリスマっぷりが怖い……」
「……うん、流石だとボクも思うよ」
 亜夜は度重なる爆発のショックにより記憶が飛んでしまっており、罠を華麗に回避してきたと思い込んでいた。
 その様子をレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)は調子を合わせて話している。
 先程のフロアでの爆発は相当なモノだった事を身をもって知っており、そっとしておくのも優しさであろうという判断をしていたのだ。
 そう考えてもおかしくない衝撃だったと自分でも感じてしまっていたし、爆発直後の姿を思い出せば尚更仕方ないであろう。

「美味しかった、じゃないやっと黒幕の登場か」
「んむ、腹ごしらえもバッチリじゃな」
「……食べ過ぎで置いてかれそうになってたよね」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)の鋭い指摘に、思わずたじろぐウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)の姿があった。
 彼女は持ち前の食欲を如何なく発揮した結果、お肉を残して進むのを最後まで躊躇っていたらしい。
 そう言うフロッシュも結構な量のお肉を堪能していたのもあってか、そこまで強く追及するつもりもなかった。
「爆破された事には変わり無いし鬱憤を……あれ、コイツの所為でキツネ色になったんだっけ」
「そ、そりゃあ当たり前に決まっておろう。そこまで特殊な爆弾であればオブリビオンの仕業に違いなかろうて」
(――獅子身中の虫だ……!)
 返答の胡散臭さが天元突破していたウルフシャの反応によって、フロッシュはおおよその事情を把握するに至っただろう。
 どういった原理かは分からないが爆発で焼かれた要因を知っているという事は、味方であれど予断は許さないという訳である。
 そんなフロッシュは起爆に繋がるであろう装置があると踏み、部屋の中の探索を優先する事に決めた。
 オブリビオンの対処に当たる猟兵が多めだと判断しての行動である、そうなれば起きる前から行動しておいて損は無い。
 部屋の中に置いてある物を一通り見まわしてから、フロッシュはダッシュで部屋の中への捜索へと走る。
 それと時を同じくして、オブリビオンにとってきついきついお灸据えが始まったのであった。

 未だ寝たままであるオブリビオンのアストネージュ・T・ヒラーガに対し、最初にどうしても仕掛けたいと向かっていったのは迷宮に入ってからボム娘モードである主・役(エクストリームアーティスト・f05138)だ。
 先程のフロアでも活躍した神風シンクタンクをアストネージュの眼前に置き準備完了、タイマーは30s程度にセットして机の上を物色し始める。
「かーっ、相変わらず訳わかんねぇモノ作ってやがるなぁ。お、面白そうなの発見だ貰っとこ」
 オブリビオン相手とはいえ技術接収を目の前で堂々と行っていくえにっちゃんことボム娘である。
 そしてタイマーが0を刻むと共にアストネージュの顔面に魔法の花火が炸裂、誰かに起こされるとは全く考えていない所へ寝起きドッキリが問答無用で突き刺さった。
「ほぎゃっ、俺様の顔に悪戯する不届き者が現れるとは……ぬぬ?」
「おー、起きたか。邪魔してんよ、ところでコレどう使うんだ?」
 まるで友達の家に押しかけて勝手におもちゃを漁っているノリだが、アストネージュにとってはえにっちゃんの容姿には見覚えが特に無いであろう。
 しかし目の前に置かれたラジコン戦車にはどことなく見覚えがある訳で、寝起きしたての頭では思考が追い付かず軽く混乱していた。
「まてまてまて、部外者が我が物顔で物色するでない!」
「あ、勝手に触るな?ケチくせぇこと言うなよなぁ……お、アレはなんだ?」
 アストネージュの制止もなんのその、先制パンチをして満足したボム娘は部屋の端に置かれたマシンに目を付けて勝手に物色を開始する。
 勝手な事をされてはたまらないと、試作中の魔法人形を呼び出す為の携帯端末を操作しようとするアストネージュに次なる脅威が襲いかかった。
「はぁい、アストちん。元気にしてたー?」
「はぁ?ちょっ、やめんか何しに来おったのじゃ!?」
 アストネージュの背後から、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)が覆い被さる様にして接近してきたのだ。
 誰に絡まれたかを察したアストネージュは危険を察知して、汗だらだらの情けない表情になりつつある。
「さぁ、アストちんに悪戯タイムよ。こうやってこうして、そこに情欲の炎を点火すれば……っと、ほぉらイケない感情が爆発するでしょ?」
「ひぃぃ、なにを……しておる……っ」
 『月に魅いられた愉しい愉しいパーティー♪』によって、アストネージュの完全に覚醒していなかった思考にピンク色の靄がかかっていく。
 身体の随所が半強制的に反応していき、顔が紅くなっていき呼吸も荒くなる。
「でも、まだ終わりじゃないのよぉ。もっともっと爆発的な快感を与えてあげる」
「このっ、あぁ……そこはっ……んぅぅ!?」
 効果は抜群であり早くも達してしまうアストネージュに、アリスは容赦なく追撃を与えていく。
 自分も愉しみながらも相手を拘束するというのは、なんと美味しく愉悦を感じる時間であろうか。
 互いに果てる感覚が短くなっていき、シンクロする瞬間がまたたまらなく気持ちよいのだ。
 しかし如何せんTPO案件である、ここから先どこまで貪ったのかはご想像にお任せしようと思う。
「そーいや変態も来てるぞ、貞操を守る準備をし……ああ、遅かったかぁがんがれ」
 最初に言っておけばもう少しましになったかもしれない事を、今頃になってボム娘が呟くのだった。

「やっとたどり着いたね、全くえらい目にあったよ」
「……はい、元凶を懲らしめないと気が済まないです」
「いやぁ、それにしても今までの場所と雰囲気変わりすぎじゃない?」
 爆発以外からのダメージからも何とか回復したクロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)とアンジェリカ・ヘインズビー(寡黙でサイボーグなバーバリアン少女・f11144)だが、二人とも心なしか肌がいつもよりもテカテカしたままの様に見える。
「まずは自爆の阻止を優先しましょう、オブリビオンへの仕返しはその後です」
「ほいほい。兎に角起爆を止めるのを先決していかないとね、急ごう」
 部屋の一角に様々なモノが置かれていた事から、二人は別々に分かれて捜索を行う事とした。
 研究の成果物から失敗作に材料までも、かなり雑多に置いているのでかなり探すのは面倒であろう。
 しかし爆発を止めるのであれば元凶を見つけなければならないと、手分けして作業を開始するのであった。

 アンジェリカは主に学園内にありそうな物が並んでいる辺りを物色していた。
 手足のパーツが取り付けられた跳び箱、多連装されている黒板消し、チャイムの音がなるオルゴールなどが揃っている。
 どれも起爆には繋がるモノではないとスルーしようとしたアンジェリカであったが、身長計を前にした所でピタリと足が止まった。
「シンチョーカエールくん、ですか。身長を変える……」
 アンジェリカにとって身長が低いのはコンプレックスであった、クロと比べても約10cmは小さいのである。
 その身長計は透明な電話ボックスの様な箱の中に納まる構造となっており、扉のタッチパネルに対して設定を行える様だ。
 身長変更を行う発明品なのであれば試してみたい、そんな誘惑にアンジェリカは勝つ事が出来なかった。
「…………ちょっと試すだけです」
 誰にも見られていないの事を見回して確認つつ、自分への言い訳をしながらタッチパネルに170と入力するアンジェリカ。
 ボックスの中に入った彼女の顔は、何時に無く活き活きしており期待に満ちていた。
 扉にロックがかかりボックス内に霧状の薬品が散布されていく、肌に染み込んでくる感触がむず痒くも心地良い。
 しかしボックス内にも聴こえる音量の機械音声が、アンジェリカの期待を裏切ってしまう。
「――無効ナ値ガ入力サレテマス。最適モードヲ実行ニ移シマス」
「……開きません。待っ――」
 危険を察したアンジェリカの声が掻き消えると同時に、重い扉を勢いよく閉める様な音が鳴り響く。
 身長計の測定部分とボックスの天井部分が連動する形で、アンジェリカの頭上から叩きつけられたのだ。
 有無を言わさずにアンジェリカはボックス内で縦方向に一瞬にして圧縮されてしまう。
 出来上がったのは座布団の様な形となり、完全に原型を失ってしまったアンジェリカの姿である。
 扉が自動で開いてボックス内からは流し出されるも、完全に身動きが取れない状態にされてしまって手も足も出ない。
 そしてタッチパネル下部から『圧縮完了 厚さ15cm』と書かれた紙が、アンジェリカ模様の物体の近くへはらりと落ちるのであった。

 一方のクロは改造家電が散らかっているエリアの中を漁っていた。
 ドラムの数が異様に多い洗濯機、妙に尖った形のドライヤー、ミラーボール型のエアコンなど変わった見た目の物が多い。
 試作品は有線コードの繋がったリモコン式のタイプが多く、クロは一つずつ家電の動きを止めながら探していた。
 動いたままだった家電の大体は動きが止まっており、消去法で操作を続けていたクロだったのだが……。
「これはまだ触ってないかな、えーと……ん!?」
 クロは自分の尻尾が強く引っ張られたような感触に驚き、自分の後ろを素早く振り向く。
 彼女の目に映ったのは掃除機なのだが、ノズル部分だけがやけに大きかった。
「ちょっと強力過ぎでしょ!なにこのポンコツ!?」
 尻尾を引き抜こうと手をかけるもビクともしない、それどころか更に吸われてお尻が食い込んでいる。
 しかも電源を切っても止まらない、どうやらバッテリー充電式であった様だ。
 強力な吸引力で無理矢理お尻を突破され、上半身もどんどん吸い込まれていってしまう。
「……ちょっ、誰か――」
 助けを呼ぶ声は掻き消え、クロは完全に吸い込まれて掃除機のホースを通じて本体へと送り出されていった。
 始めは掃除機がガタガタと揺れていたのだが、空気を吐き出す大きな音と共に振動も止まっていく。
 暫く経った後に掃除機の蓋の一部が開いて、勢い良く四角い板状の物体が飛び出した。
 無理矢理押し込まれてしまったクロだった物体は、ぎっちりと圧縮されてしまっており簡単に戻れる様子も無い。
 その後床に投げ出されるようにして排出された二人だったモノが、小型ロボット掃除機によって運ばれる事により再会を果たす。
 しかし色んな意味で圧縮されてしまっていたアンジェリカとクロは、抵抗も出来ないので為されるがままに運ばれていくのだった。

「……全く、捜索だけでも骨が折れるね」
 箒を振り回すカカシ型ロボを、拳から鎖による追撃を叩き込んで無力化するフロッシュ。
 アストネージュは邪魔される事も無く研究に没頭していた為に、邪魔となる発明品の数がやけに多かった。
 様々なモノがひしめいている部屋の中なので、効率良く探していくというのは中々に難しい様だ。
 巧妙に隠されている可能性も考慮しつつ、高所を探すのに『スカイステッパー』で天井近くも確認していく。
「ん、アレってもしかして……」
 その中でフロッシュは転がっている発明品とは違う印象を受ける物を見つける。
 決して高い場所にあった訳ではないのだが、上から見た事によってその特徴に気付くに至ったのだろう。
「それで自爆するって事になるんだ、納得だね」
 室内を迅速に回ったので置いてあった物は大体把握しており、他に同じ様な存在が無かったことも確認出来ている。
 一足先に起爆の引き金となる要因を特定したフロッシュは、しっかりと解除を行った上で引き返すのだった。

 アストネージュはアリスによる濃密な攻めを受け続けて、ギブアップ寸前まで追い込まれていたのだった。
「うぁぁあ~……この変態がぁ、やめるんじゃあ……」
「口ではそう言ってても、アストちんの身体は正直さんよ」
 オブリビオンとの戦闘らしからぬ状況に、残りの面々は呆気に取られたり様子見してたりしていた。
(頭は良いんだけど、すっごくアホの子っぽい……)
 あまりにも害がある様に見えないレイは、ふと思った事を他の猟兵に問い掛けてみる。
「なんか……あの子は放っといても問題無いんじゃない?」
「いや、倒さなきゃ迷宮が爆発しそうになる度にしばく必要が出てくるぜ」
「そうだよね、またボム迷宮にされても困るしねぇ……ダメかぁ」
 マクベスが言う通り、うっかりは今回限りとは限らないのである。
 毎回解決しに行っていたら、母親か幼馴染レベルの世話焼きポイントの高さなのだ。
「相手はもう骨抜き、そろそろ全力でねじ伏せて宜しいのでは」
「お、おう。そうだな、待ってても終わる気配が全くないから仕方ないぜ」
 亜夜が促す通り、アリスは『アリスインワンダーランド』を展開しているのと被弾歓迎である為に一向に離れる気が無い。
 ならば限界手前のアストネージュに引導を渡してあげるのも優しさかもしれないのだ。
 いざ戦闘態勢に入ろうとした三人だが、レイの様子がおかしい事に気付く。
「えぇー、なんてピンポイントなイヤガラセ。剣も魔法も使えないじゃん!」
 実は前フロアの地雷によって、体内側から魔力妨害地場が生まれてきているらしい。
 特殊な地雷を混ぜておいたのはアストネージュだが、この場合は逆効果だったのではないだろうか。
「仕方ないなぁ、物理で殴るしかないよねっ」
「じ、準備周到じゃねえか……」
 マクベスが強くツッコミを入れるのを躊躇う程に、レイがメイスを用意する流れが早かったのだ。
 そして三人は最初からトドメ前提で、アストネージュへの一斉攻撃を仕掛ける。
「さぁ、教えて差し上げます。我がカリスマの一撃を食らうがいい!」
「風の刃で狙い打たせてもらうぜ!」
 亜夜は身の丈を超えるであろう巨大な真紅に光る槍を手元に召喚、片手で握り高速投擲を行う。
 マクベスは魔装銃に風属性を施した狙撃攻撃を放つ。
「はいはーい、お楽しみの所失礼するからね!」
「そろそろ佳境みたい、最後まで一緒よアストちん」
「嫌じゃあ~、放さんかこのぉ……ごぶぅ!?」
 勢いをつけて迫ってきたレイが『制限術式-魔闘強化-』で強化された状態で、アストネージュにメイスによる二回転の打撃を叩き込んでアリスごと吹き飛ばす。
 低空で宙を舞っているアストネージュを亜夜の槍とマクベスの風刃が切り裂いていく、更に『緋色の悪夢』が炸裂してアストネージュが懐に仕舞っていたリモコンが軽快に爆発した。
 回避も出来ずにまともに受けた攻撃によって、アストネージュはかなりの深手を負っただろう。
 アリスもろとも部屋の奥の方まで吹っ飛んで行ったのを見た三人は、後は任せる事にして起爆阻止へ動く事にするのだった。

「せ、せめて俺様にもまともに戦わせ……でぇぇ!」
「ふふふっ、痛みも段々と気持ち良くなるから安心して」
 吹っ飛ばされてもアリスタイムが継続しているアストネージュは息も絶え絶えであった。
 この状況で更なる刺客が顔を見せる、ひょっこりと姿を消していたウルフシャである。
「ぐっもーにん、あすとたん♪」
「ひぃぃ、なんじゃお主はっ」
 ウルフシャはアストネージュに最初から肉薄してきた、つまりは爆発はどんとこいスタイルだろう。
 しかしアリスと違って後になって現れたのには理由がある、あまり見られたくないからだ。
 先程の攻撃によって吹き飛んだのが幸いして、ウルフシャの行動はほとんどの面子には見られる事は無い。
 アリスにはバッチリみられてしまうが、アリス相手なら問題無いのではないだろうか。
「ちょっとやそっとでは体験出来ぬ爆発を、ウチが今から見せてやろうかの」
「俺様は他人の爆発を味わう趣味は……あぼぶぅ!?」
「アストちん幸せそうな顔をして………るぶぶぅ♪」
 ウルフシャは笑顔満点に『収容違反』を発動し、溢れ出たナニカがアストネージュとアリスのあらゆる口の中を満たしてゆく。
 それでも飛び込む先が無いモノは、大きさを問わず穴をという穴を埋め立てていった。
 アストネージュはこれまでの攻めで限界であったのもあり、直ぐに臨界点へと昇りつめていく。
「んぼぅ♪もうお別れみたいね残念だわ」
「ふっしゃっしゃ、もっと味わせたかったのう」
 光り輝いていくアストネージュを見やり余裕を見せる二人を閃光が包み込んでいき、理不尽な自爆を以って此度のアストネージュは野望も果たす余裕も無く散っていくのであった。

 こうして個人的な事故を除けば、目的を達したと思われた依頼は終わりを迎える事となる。
 回収された面子を含めてほとんどの猟兵が帰還したが、レイと亜夜は起爆解除を考えて部屋の中を見回ってた。
 そこになにやら考え事をしていたフロッシュの姿を見つける。
「あれ、まだ帰ってなかったんだ。どうしたの?」
「まだ余裕あるから残ってただけ……」
「そうでしたか、てっきり私たちと一緒で起爆の解除をしていたのかと」
 三人は情報共有をしていた訳ではない、気になってフロッシュは二人に問い掛けた。
「くまなく探したけど、起爆装置は一箇所だけで解除済だから」
「ええっ、隅から隅まで確認したしもう大丈夫だと思ってた所なんだけどっ」
「もしかして、時計のスイッチって触った……?」
「勿論操作しました、カリスマパワーでちょちょいのちょいですよ」
 フロッシュの思考が一瞬停止する、彼女にとってはその一瞬がとても長く感じたであろう。
 柱時計の上についていたスイッチが本物なのかを実験したい好奇心で悩んでいる場合ではなかったのだ。
「……はっ、マズイ急がないと」
「ちょちょ、それって大丈夫じゃないの!?」
 急いでダッシュしていくフロッシュ、慌ててついていくレイ、いまいち話を飲み込めてない亜夜の三人。
 しかし三人が柱時計に辿り着こうとする時には、時計の針が深夜0時を告げてしまい……。
 この日一番の大爆発が床下に昔から仕掛けられていた火薬の引火により巻き起こるのであった。
 グリモアベースに運ばれてきた三人は、逆に綺麗だと言いたくなるレベルの焦げ焦げの真っ黒の姿であった。
 装備も吹き飛んで外れており服も焦げ落ちて、近くで見ないと誰が誰だか分からない有様だったという。
 その姿をみたマクベスは喉が潰れそうになる程の大声でツッコミを炸裂させるのであった。

 なお、予知の時点よりも軽い爆発で地表はセーフだった事を付け加えておく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月08日


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#アルダワ魔法学園


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蒼汁之人・ごにゃーぽさんです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト