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村の平和を取り戻して満腹になろう!

#アックス&ウィザーズ


「ラ・ラ・ラ……♪」
 歌が聞こえる。優しく、艶やかで、妖艶な歌は柔らかく響き、松明に照らされるだけの洞窟がまるでひとつのホールのようだった。
 その周りにはふらふらとした足取りで踊る男たち。
 そしてその足元には、点々と動物や人の亡骸が転がっている。
 たのしい、たのしい宴を、"それ"は今日も楽しんでいた。

 ☆☆☆

「皆さん、お集まりいただきありがとうございます!」
 そう言って猟兵の周りをくるんと飛んだのはフェアリーのファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。
「今回皆さんに行っていただく世界は、アックス&ウィザーズです。私のようなフェアリーを始め、エルフやドラゴンがいる世界ですね」
 その世界でも末端の村で起こっている事件に対応してもらいたいとのこと。
 事件が起こっている村は、小規模ながらも酪農や農業が盛んで比較的豊かな村だ。
 しかし、ここ最近山賊による人さらいや家畜の盗難などが相次いでいて深刻な被害にあっているらしい。
 村自体は都心から離れているため、訪れる冒険者も少なくなかなか対応が出来ていないとのこと。
 村人の装備は農具が主で、見張り用にある槍が数本程度。戦闘経験のある山賊達にその程度で太刀打ちできるわけもなく、立ち向かった者は無残に殺されてしまっているそうだ。
「皆さんの移動につきましては、私が責任を持って近場に転送しますのでご心配なく! あ、それと山賊さんたち、なんか様子がおかしいっていうか、挙動が変っていうか……もしかしたら、山賊達の後ろで糸を引いてる"なにか"がいるかもしれません」
 ファータはそう補足すると話を戻す。
 ひとまず村へは冒険者を装い行けば怪しまれることはないだろう。
 山賊達は最近毎晩村へ襲撃を掛けてくるらしい。夜間での戦闘になるだろうから、くれぐれも注意してほしいとのことだ。
 数は10人前後。
 おそらく黒幕がいるだろうから、わざと逃して巣窟を特定するもよし、生け捕りにして尋問するのもよし。
 方法は任せるので、とにかく徹底的に調べ上げ村の被害を無くすことが依頼成功の条件だ。

「あ、そうそう! 依頼成功の暁には、報酬に加えてなんと村で採れた農作物の料理を振る舞ってくれるそうですよ!」
 採れたて野菜を使った料理はもちろん、小麦やブドウの栽培も盛んなのでビール、ワイン等の酒類、家畜などから採取したミルクやチーズ、更にはベーコンやソーセージまで。
 食べきれないほどあるので、そういう意味でも覚悟を持って挑んで欲しいとのこと。
「私も行きたかったですけれど、お仕事優先ですので! 戦闘ばかりで気も滅入るでしょうし、頑張ったあとはいっぱい羽根を伸ばしてきてくださいね!」
 そう言ったファータは、自身の翅をぱたぱたと羽ばたかせたのだった。


苗木 葉菜
 はじめましてこんにちは!
 初シナリオを出させて頂きました苗木です。
 今回のシナリオは3章にて日常でおかしく楽しくわいわい飲み食いするものがあります。
 もし良ければお子様にたらふく美味しいものを食べさせて上げてください。
 食べる描写はもちろん、戦闘描写もがんばります!

 リプレイ返却はなるべく早めにを心がけますが、何分初めてでありますのでお時間をいただくこともあるかもしれません。ご了承ください。
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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さあっ、と優しい風が野原の草を揺らしささやくような音をたてる。
空気は澄んでいて――月明かりではっきりとはいかないまでも、ぼんやりとその野原の輪郭をつけていた。
その野原の先には、小さな村。
ぽつぽつと明かりはついていたが、それは僅かなものだった。
その村に向かって、ぞろぞろとうごめく影がひとつ、ふたつとまた増えていく。
静かな夜に、彼らのがさつな声が響く。
今日もやるか、どんなのをさらうか、何を持っていくか、誰を殺すか。
下品な笑いが、夜の空気に嫌らしいほど聞こえる。
村に、猟兵達が待ち構えてるのも知らずに。
フェリス・シー
盗賊団が相手なの 盗賊相手なら容赦なく火葬してもいいのなの

敵に対してインシニレイトで攻撃するのなの
発火した敵ならばきっと野戦でもわかりやすいのなの

延焼とか他の仲間が近接戦闘しにくくなったりもしかしたらなるかもしれないけど、みんな強そうだし大丈夫だと思っておくのなの

こんがり上手に焼けました~なの



山賊達がまず見たのは、光だった。
 小さな、小さな、20センチにも満たない光。
 その光はフェリス・シー(ちっちゃなカウンターバーン・f00058)で、野原に対峙したそれを、山賊達は訝しげに見つめる。
 フェリスは口元を釣り上げるように微笑むと、すっと盗賊達を指差す。
 「『こんがり焼けた』って言うのが適切って紅蓮術師の人から聞いたのなの」
 ――火葬(インシニレイト)。
 そうぽつりと言うと、山賊の一人が"光になった"。
 その光は炎で、人の焼ける臭いでそれに気付いた周りは一気に臨戦態勢に入る。
 暴れまわる山賊。少し野草に日が燃え移ったが、乾燥したものでもなかったため、さして燃え広がらず、そこに小さな照明が灯される。
 一人の仲間が外套でばさばさと火を消そうと試みるが、対象の身体から出たそれを消すことは容易ではなく、火だるまになった山賊は叫ぶ喉も焼かれ、暴れまわり、そしてやがて動かなくなった。
 そうこうしている間にフェリスは次の獲物を見定め、指を差そうとする。
 が、それに気付いた山賊は身を躱すように動いた。内側から発せられるものではなく、放出系の魔法と読んだのだろう。
 しかしその行動は有効で、不発に終わった。
 こうして戦いの火蓋が切って落とされたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリサレナ・ハイヴァーン
何こいつら……、薄気味悪いわね。
とりあえず何人か残して片付けちゃいましょ。
一人ずつ慎重にね。
暗くて視界が悪いけど命中率重視ならいけるでしょ。


バルディート・ラーガ
「ヒヒヒ、夜闇ってのは騙し討ちにうってつけですよねエ…お互いに。」
夜戦で集団戦ときたもんだ、まずはそこらに潜んで機を伺いやしょう。好機が来たら後ろからガツン!と【だまし討ち】で早めに頭数を減らしていきたいもんです。
相手さんは「下卑た叫び」で戦闘力を増強させるって?…ヒヒヒ、あっしも昔は手癖が悪くてねえ。もし物盗りに関わることなら「共感」して効果のおこぼれを頂いちまうかもしれやせん。そんな展開がありえたなら、ビビったところをあっしのユーベルコードで絡め取っちまいやしょう。



「ケケケ、よくもテメェ、やってくれたナァ!!」
 フェリスに向かって山賊が襲いかかろうとした瞬間、その腕を漆黒の槍が貫く。
「なにこいつら、薄気味悪いわね……」
 リリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)は怪訝な顔をしながら山賊達を見やった。
 暗闇で視界は決していいとは言えないが、先程の炎でいくらか周りが見える。
 一人ずつ、慎重に。――集中して。
 リリサレナは先程の槍を素早く引き抜くと、一度距離を取り月下のもと戦術槍(ヴァリアブル・ランス)を放つ。
 命中重視のそれは避けようと身を翻した山賊をものともせず、見事山賊の肩へと刺突が当たった。
「ヒ、ヒヒ、コイツラ皆殺しだゼェェェェ!!!」
 しかし致命傷とまではいかなかったようだ。山賊は狂ったように下卑た雄叫びを上げる。それに共感するかのように他の山賊達も叫んだ。
 奴らの士気が上がるのがわかる。リリサレナは背筋がつぅっと冷たくなる感覚を覚えたが、頭を振りすぐ目の前の敵に集中する。
 そう、自分は一人ではないのだから。
「ヒヒヒ、夜闇ってのは騙し討ちにうってつけですよねエ……お互いに。」
 リリサレナの耳から聞こえたのは、その飄々とした声。
 そして視界から見えたのは、黒い炎をまとった鞭だった。
 夜だからか炎はほぼ見えないが、ゆらゆらと陽炎によって大気が揺らぐ。その揺らぎは瞬く間に手負いの山賊を縛り上げた。
 「ガッ、……ぐ、ぁ……」
 もがき苦しむ仲間を見て後ずさる山賊たち。リリサレナと戦ってる位置からは死角の位置からゆらり、ゆらりと動くのはバルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)だ。
「そんな警戒しないでも。あっしはしがない蛇――仲良くしましょうや」
 そう言って自身の『黒炎の蛇鞭』を操れば、みちみちと音を立てながらそれが締まった。
そこにすかさずリリサレナの刺突。
鞭の拘束が解かれた山賊は、もう動かなくなっていた。
 「さてさて、どんどんヤっていきやしょうかね」
 それをさして気にする様子もないバルディートは、その腕に陽炎を纏いながら闇夜の影たちに目を向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

佐之上・権左衛門
【POW 】いくら波羅か減っても強奪はダメだ。飯が食いたかったら働け。ってそれが出来ないのか。
やれやれだな。
戦闘は最初に手持ちのグレートアクスで【範囲攻撃・二回攻撃】で色々吹っ飛ばす。ある程度数が減ったら【威圧咆哮】(叫び声はお任せ)で戦意を削ぎ、降伏勧告を。
山賊の攻撃などは【第六感】で予測して回避。


ティエル・ティエリエル
「ふむふむ、山賊に困っているんだね。大丈夫、ボクに任せておいてよ!」
山賊が現れるのが夜遅くということで、お子様は寝ている時間……?ふふん、ボク夜更かし頑張るよ☆

小さな身体を有効活用して、普通の人間が隠れられないような場所に潜んでいるよ。
山賊が現れたらまずは不意打ちだよ。逃げられないようにレイピア型の獣奏器で足をぶすりと刺すよ。

その後は【ライオンライド】で体長40cm程度の子供の黄金のライオンを呼び出し跨ると、
縦横無尽に走り回りながら、【SPD】でかく乱して戦うよ。

足を怪我して逃げられなくなった山賊を捕まえたら、レイピアでチクチクしながら尋問だよ。


寺内・美月
武器『L9A1 2.02inch LM』にて照明弾を発射する。戦場が明るくなったところで山賊に攻撃開始。(夜間戦闘に徹する場合は高性能炸薬弾でなぎ払う)
前衛がいる場合
『完全管制制圧射撃』にて援護射撃をする。拘束に成功した場合は掃討を開始する。
前衛がいない場合
援護射撃の元『剣刃一閃』にて山賊を確実に切り倒す。最後の一人は殴り倒して拘束する。
※情報の正確性を重視するなら二人は拘束する


ソルカ・キャラハン
悪いことをする方にはおしおきを、ですにゃ!
ご飯やお友達が欲しいにゃら、ちゃんとお願いをして、おうかがい、をたてるべきだと、自分は思いますですにゃ。
…おっかない方は苦手でありますにゃが、へいわのため、がんばりますですにゃ!
はんてぃんぐたいむ、すたーとでありますにゃ!

ライディング・ウィングにて、山賊さんや他のみにゃさんの動きを見極めながら、飛びながら弓矢で応戦、援護を行いましょう。

素敵な月夜をだいなしにする、みみざわりなお下品な大声は、角笛の音で消しちゃいましょう。
お味方さんの戦意向上もかねまして。

暗さには多少慣れておりますですにゃが、ミミズクさんからも、なびげーと、をいただきながら戦いましょう。



刹那、この一帯を光が包む。
 それは寺内・美月(人間の戦場傭兵・f02790)の照明弾で、一瞬この辺りだけに真昼が訪れたがごとくぱっと光ったあと、遅れて銃特有のだぁんっ、とした乾いた音が響いた。
 それによりおぼろげだった山賊達の位置が浮き彫りになる。
 これほど高性能な銃がないこの世界。なにかの魔法だろうか、しかしこんな魔法は見たことがない。
 先程の照明弾が、ゆらゆらと蛍のようにゆっくり、ゆっくりと落ちていくのを見る山賊。少しの間だったが、猟兵達には十分の時間だった。
「こちら後方支援に徹する。前衛の皆、援護は任せて欲しい。」
 その声色はどこか幼さが残るが、冷淡としていて落ち着いた口調だ。
「大丈夫、ボクに任せておいてよ!」
 お子様は寝てる時間だけど、ふふん、ボク夜更かし頑張っちゃうんだから!
 そう元気に野草から飛び出したのはティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)。
 小さな彼女は完全に山賊の死角から飛び出し、レイピア型の獣奏器で勢いよく足をめがけて突き刺した。
 その姿はまさしく蝶のように舞い、蜂のように刺す。
「やれやれ、こっちにもいるぞ、っと!」
 続いてのっそりと現れたのは佐之上・権左衛門(おっさんは蛮族傭兵・f00239)。
 彼はよいしょという落ち着いた声とは全くもって合わない豪快にグレートアクスを振るう。
「いくら腹が減っても、強奪は駄目だろ! 食いたきゃ働け!」
 ってそれが出来ないのか。とぼやきながら放たれた強撃は、ここ前方にいた山賊達数人を吹き飛ばす。
 それを察してか素早く範囲外に離れたティエルはさすがと言わんばかりにひゅうっと口笛を鳴らした。
 その攻撃に驚愕しながらも、範囲から逸れた山賊達はナイフを手に権左衛門達へと襲いかかろうとする。
 瞬間、ひゅんっと勢い良く空気を切る音と共に山賊の腕に矢が突き刺さった。
 激痛に思わず叫ぶ仲間を尻目に、山賊の一人が矢の方向へと目を向ける。その方向は、空だった。
 ぽっかりと浮かぶ月に、羽音もなく飛ぶのは1羽のミミズク。そしてその背乗っているなにか。
 ぴょこんとした可愛らしい獣耳。猫らしいシルエットから、ケット・シーであることがわかった。
「悪いことする方にはおしおきを、ですにゃ!」
 はんてぃんぐたいむ、すたーとでありますにゃ! 可愛らしい緑色の瞳をくりくりと動かしながらそういったのはソルカ・キャラハン(若葉印の楽猫・f06025)。
 おっかない山賊達は本音を言えば少しだけ苦手。けれどへいわのために、彼女は次の弓を構える。
 夜目は多少効くが、それでも仲間に当てないようにと、自身の召喚したミミズクと呼吸を合わせ糸に針を通すがごとく矢を放っていった。
「前方の敵に火力集中、敵の行動を封じ込め」
 そう淡々と言いながら引き金を引く美月。放たれた弾丸は意思を持ったかのように草や味方を避け、山賊達に確実に当たる。
 ――情報の正確性を重視するなら、二人は拘束したいところだな。
「あいよ!」「りょーかい、いっくよー☆」
 美月の言葉に前衛の二人がすぐさま動く。
 ティエルはライオンライドで小型のライオンを召喚すると、それにまたがり山賊たちを縫うように動き回る。
 山賊たちがそれに石つぶてを投げるが、素早く小さな彼女達にはかすりもしなかった。
 それを一瞥した権左衛門はやれやれと言わんばかりにため息をついたあと、ゆっくりと一回だけ、深呼吸をする。
「寄ってたかって恥ずかしくないんだか……あぁいう輩にゃ大声あげてビビらせるのが一番なんだ、まぁ見ときな――ッ」
 次に聞こえたのは、雷鳴だった。
 いや、正確には権左衛門のユーベルコードである威圧咆哮なのだが、あまりの音量にまるで雷が落ちたがごとく空気が震え、野草がざわつき、ついでに味方はさっと耳を塞ぐ。
 山賊たちはというと、そのあまりの大声に身体が震え動けないものもしばしばいた。そのうちの一人がぺたんと尻もちをつく。
 それにはっとしたソルカは、すぐさま耳に置いていた手を矢へ、そして弓へ。
 そして地面に縫い付けるように、山賊の手の甲を矢が貫いた。
 暴れまわり矢を抜こうとする山賊に、ぱん。と無機質な銃声が響いた。
 美月は動く標的の足に見事弾を命中させると、誰にも聞こえないよう小さく息を吐く。標的は死なないまでも、戦意を喪失したのか暴れずただ痛みに苦しんでいた。
「とにかくひとりかくほですにゃ!」
 ソルカがそう叫ぶと同時に、権左衛門がその山賊に近づき拘束をする。
 もう勝ち目がないと悟った山賊の一部はそろそろと後ずさりをし始めた。
 拘束できそうなのは一人だけか。
 美月は小さく奥歯を噛む。残りの山賊たちは攻撃を警戒し、撤退の体勢を取っているのがわかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

才堂・紅葉
・SPDを使用
ここ最近、スペース関係の仕事ばかりで新鮮な食品に飢えている。
具体的にはもそもそした栄養ブロックやらチューブ入りの完全栄養食やらはもう嫌だ! きちんと食べ物の形をした料理が食べたいのだ、切実に。
そんな矢先に丁度良い依頼だった。久しぶりに人間らしい食生活を満喫できる……。
なので山賊退治位は引き受けねばならない。
具体的な話。夜闇にまぎれて仕掛けてくる山賊の一人を【忍び足】で不意打ちし、【二回攻撃】で【グラップル】だ。【盗み攻撃】で刃物を奪い、締め技で落して物陰に引きずって生け捕りを狙う。尋問の心得のある猟兵に引渡し、いなければ放置して【忍び足】でアジトまで尾行しよう。


須藤・莉亜
「山賊の血は何味なのかな?あんまり期待できなそうだけど」

山賊を咎力封じで縛ってから、大鎌で斬っていこう。
暗いから不意打ちを警戒しとかないと…。
一人くらいは残して巣まで案内して貰おうかな?
他の山賊の血をこれ見よがしに飲んで見せたら、怖がって逃げてくれないかなぁ。

「ご馳走さま。君はどうする?逃げても良いよ?それとも僕のご飯になる?」


キャサリン・エンスレイヴ
・作戦

a.「見つけ出してやるぞ必ず」
他参加者と示し合わせ、ニ~三名わざと逃がして巣窟を特定。
 自身のユーベルコードで追跡。絶対見逃さない。
 経緯と緯度を把握しつつ、経路を本体の方で地図に都度記入。
 巣窟らしき場所に到達次第、周辺を慎重に調査し不審な物&生物の有無を確認。
 「これが戦災孤児を養うためなら可愛げがあるんだが」と一人呟く。
 襲撃の理由が比較的真っ当なら。
 「(蝙蝠を通じて思わず発言)俺たちの事を木石か何かと思ってない?」
 得た情報を他参加者に周知。

b.他参加者に松明片手に角材や農具を持ち、集団で山狩りを行う振り装う事を提案。
 駄目元で山賊を威圧or油断して巣窟から出てくるなら御の字。


リリサレナ・ハイヴァーン
「はぁ、まんまと囮役にされたわね。まあいいわ、だったら釘付けにしてあげる!」
真の姿を解放して黒風鎧装で更に強化よ。聖槍の輝きを見なさい!
黒い装備たちも負けじと禍々しくなり【恐怖を与える】

「こんな脅威、無視できないわよねぇ?」

黒槍と小盾で【武器受け】【盾受け】を使った受けの姿勢で引き付ける
【怪力】や【カウンター】で押し返してやるわ

(思いっきり喧嘩売って引き付けたけど、援護来るわよね?だまし討でもなんでもいいからさっさと減らして!!!でないと【ダッシュ】で逃げるからね!?)



猟兵達に数を減らされ、拘束され、残った山賊の数は、五人。
 半数以上の仲間を失った山賊たちは既に逃げる体勢に入ろうとしていた。
 五人。あれだけいた山賊たちを半数以下にしたのだから猟兵達の実力は確かなのだが、いかんせん泳がせるには多い数字だ。
 いずれ巣窟を特定し、そこに侵入して相手をするのだから、泳がせるならなるべく最低限の数がいい。
 先程の照明弾は消え、野原には暗闇が戻る。この闇に紛れ山賊たちは姿を消すだろう。
 キャサリン・エンスレイヴ(人間のウィザード・f01442)は自身のコウモリを召喚するが、追撃に使わずこれはあくまでも追跡用に回したい。
 ――せめて、彼らの気を引くものがあれば。他の猟兵達と共に戦いやすくなるのだが。
 そのときだった。禍々しい気配を感じたのは。
 振り返ればそれは先程山賊と戦闘していたリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)で、わずかにその身体は漆黒の旋風で覆われていた。
「はぁ、さっきの彼にまんまと囮役にされたわね。まあいいわ、だったらいっそ、釘付けにしてあげる!」
 真の姿。この禍々しさは山賊たちにも伝わった様子で、ずりずりと後ずさりをし始める。追撃をしたかったのに、戦意を失った相手にこれでは逆効果ではないか。
 キャサリンは焦るが、リリサレナの口から出たのは挑発の言葉。
「あら、尻尾を巻いて逃げるのかしら? ……こんな脅威、無視出来ないわよねぇ?」
 そう言って自身の聖なる槍を構えれば、 コケにされたことを黙ってられなかった奴らが、対抗するように数名ナイフを構え始める。
「んだとテメェ!」
 さすがに全員そうとは行かなかったが御の字だろう。一時はどうなることかと思ったが、山賊たちの知能が低かったおかげでなんとかなったか。キャサリンは心の中でそっと胸をなでおろした。
 やってられるかと言わんばかりにこっそり逃げ出した山賊が、一人見える。
 キャサリンはそれを見逃さない。すかさずコウモリを飛ばした。彼らのコントロールは難しいが、失敗は許されない。集中力を使うため、戦っている猟兵達から数歩下がる。
「山賊の血は何味なのかな?――あんまり期待できなそうだけど」
 そのコウモリを気付かせないように飛び出したのは須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)。
 夜の黒に良く映える、純白の鎌を振るいながら咎力封じを山賊の一人に繰り出した。
 現れた拘束具に、まんまと捕まる山賊。
 喋れもせず、全く動けない山賊の上にとんと乗ると、大きな釜を軽々操り、その首をすぱんと飛ばした。
 純白の鎌についた血は、鎌自身に吸い込まれるようにして消えていく。味覚が共有されているそれに莉亜はぺろりと舌なめずりすると「……ご馳走様」と呟いた。
 その不気味な光景に他の山賊たちは怖気づくが、それでもナイフで切りつけんと向かっていく。
 それをひらりとかわした莉亜。そしてその先にいたのは、忍び足で闇夜に紛れていた才堂・紅葉(お嬢・f08859)。
 彼女は慣れた様子で山賊に足払いをかけると、敵の持っていたナイフを奪い取り、その柄を思い切り首の後ろに向かって振り下ろした。
「ここ最近、スペース関連の依頼ばかりだったから……こういう戦場は久しぶり」
 ぽつりそういう紅葉。その言葉と同時に「ガッ!」という短い悲鳴の後地面と熱烈なキスをする山賊。すかさずその背に乗り、山賊にさらなる追撃を与えた。
 動かなくなった山賊。念の為息があることを確認する。と、生け捕りを察した莉亜が再び咎人封じを繰り出しその山賊を拘束した。
 紅葉はそれに短くお礼を言うと戦闘に巻き込まれないようずりずりとそれを物陰に移動させる。
 残る二人はリリサレナと戦闘中だった。山賊たちの動きを上手くいなしながら、時折受けた攻撃を小盾で弾き返す。
 その表情は冷静なものだったが、本人としては内心援護が来るかどうかひやひやしていた。
 そこに援軍として現れたのは紅葉。再び夜に紛れた彼女は、隙だらけの山賊の頸動脈に自身のサバイバルナイフを突き刺す。
 味方であるリリサレナも、その忍び足には気付かなかった。残り一人になった山賊に対し、彼女は白の小盾で突き飛ばすと今度は漆黒の槍を構え、その胸に打ち込む。
 脊髄反射によりびくんと上がる腕。そしてそれはしばらくしないうちにぱたんと地に落ちた。

「終わったのかな」
 あとから駆けつけてきた莉亜がぽつりと言う。
 先程の猟兵達と合わせて生け捕りは二人。現在キャサリンが追跡している山賊が、一人。
 申し分ない成果だろう。これで山賊の拠点が割れるはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ハーピー』

POW   :    エキドナブラッド
【伝説に語られる『魔獣の母』の血】に覚醒して【怒りと食欲をあらわにした怪物の形相】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ハーピーシャウト
【金切り声と羽ばたきに乗せて衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ハーピーズソング
【ハーピーの歌声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑17
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ティエルとフェリス、二人の妖精が捕まった山賊達の周りをうろちょろと群がる。
「アジトはどこにあるのなの?」「喋らないとチクチクだよ?」
「ヒ、ヒィイイイ!」
 フェリスのレイピア型獣奏器を見て悲鳴をあげる山賊。
「おいおい、ただ怖がらせたら駄目だろ……」
 権左衛門がそんな二人を見て苦笑した。
 見かねたのか、美月が膝を折り話し始めた。その声はゆっくりとしたものだが、威圧感が十分に感じられる。
「あなた方は拘束されました。降伏し私達にアジトを教えてくださるなら、命は助けましょう」
 戦闘が終わったからか、先ほどとは打って変わって丁寧な口調だ。
「もし、それが受け入れられないのならば――」
 その言葉と共に、山賊の背後から武器を構える音がする。
 見ればバルディートや莉亜、リリサレナが山賊を見下ろしていて、いつでも攻撃ができる体勢を取っていた。
 命がない。知能が低い山賊達でも、それが十分にわかる殺意。
「わ、わわわわかった! アジトについて教える!」
 だから命だけは勘弁してくれぇぇえ、と情けない声を出す山賊二人。
 山賊たちがしどろもどろに話し始めた内容はこうだ。
 アジトはすぐそこの森の奥にある洞窟。中には仲間が数人と、歌姫がいる。
「歌姫、ですにゃ?」
 ソルカが首を傾げる。なんでもその歌姫はいつの間にか洞窟内におり、生贄や供物を捧げるとそれはそれは美しく、足元がふわふわして頭をぼーっと酔わせてくれる歌を聞かせてくれるそうだ。
 しかしそれらが足りないと山賊たちを襲う残虐な性格で、その歌姫に献上するために強奪行為をしていたとのことだった。
「何度も逃げようとしたが、気がつくとその洞窟にいるんだ……」
 おそらく歌によって操られているのだろう。
 その情報を聞いて「多分それ、ハーピーだと思うのなの」とフェリスがぽつり言う。それに他のメンバーもなるほどと頷いた。
「じゃあ、あとはアジトにいってハーピー達を倒せばいいのかな。」
 莉亜が鎌をしまいながら言う。あとは正確な場所だろうか。
「すまない、待たせたな」
 そう言って一枚の紙を持ってきたのはキャサリン。自身の召喚させたコウモリを通じて、位置や経路を書き込んだ地図を作ったという。
「アジトが洞窟でよかった。コウモリがいても違和感がないからな。」
 今現在もコウモリで様子を探っているという。
 中はそれほど広くはないが、20人くらいは入れる大きさだろう。中にいるのは案の定ハーピーだ。山賊達がやられてることは気にもとめず歌っている。
 しかし先程の話から献上する生贄や供物がたりないならばこの洞窟内すべての生物を食い散らかし、挙句の果てには豊かなこの村を標的にするだろう。
「おそらく距離的にはそう遠くない。今からでも行けば、被害を最小限に抑えられるだろう。」
 そういうキャサリンに、周りの猟兵たちは頷いた。
「村人たちに掛け合って集団で山狩りでも行ければいいのだが。」
 続いて提案したが、相談の結果今の時間帯が深夜であること、ここの守りが手薄になることから、村人には見張りをつけたほうがいいだろうと結論付けられた。

 グリモア猟兵が開いたゲートから、新たな援軍が来る可能性もあるため、正面突破でも問題ないだろう。
 一気に畳み掛けよう。そう誰かが言うと猟兵達は立ち上がり、洞窟のある森へと向かっていったのだった。
リリサレナ・ハイヴァーン
あれ?ヤバイやついたら真っ先に排除しようとしない?
ビビって逃げようとしてたから焦ったわ…

先程の戦いを反省してしゅーんと落ち込みながらみんなの後を付いていく

今回は後方支援で行かせてもらうわ。

体の内から取り出した迅雷を使って人力レールガンの雷神槍を放つわよ
【槍投げ、スナイパー、属性攻撃、串刺し】

「撃ち落とすわよ!!!」


佐之上・権左衛門
【POW】可愛らしい姿してるけど魔物なんだよねぇ・・・キマイラ達と似てるような似てないような・・・ま、どうでもいいか。
とりあえず、お前さんに恨みはないが狩らせて貰うぜ。

愛用のグレートアクスで単身ハーピーに突貫、『二回攻撃・鎧砕き・範囲攻撃』でその命を削りにかかる。
空に逃げられても左手指に仕込んだピアッシングニードルで『傷口をえぐる・串刺し』による対空砲火を。
隙があったら山賊戦で使ったユーベルコード【即席閃光弾】を今一度使い、目くらましに。

回避は空中戦を想定して【第六感】に全てを任せてちょこまかと不規則に動きながら戦う。


フェリス・シー
盗賊のリーダーはハーピーだったのなの
ハーピーなら交戦経験あるのなの

対抗呪文でハーピーの行動をカウンターしてみるのなの

あ、それカンスペでなの

ハーピーの行動阻害したらほかの仲間の人も順調に攻撃で気るに違いないのなの


須藤・莉亜
「ハーピーねぇ。ちょっとは味も期待できるかな?」

挨拶がわりに眷属の吸血蝙蝠たちをけしかけてみようか。
顔を中心に攻撃させて相手の視界を奪っていこう。その隙に僕が直接大鎌で切りに行こうかな。羽を上手いこと切れたら相手の機動力も下がるかも。

「んー、さっぱりした感じの味だね。意外といけるや。」
もっと味あわせてくれたら嬉しいな。


バルディート・ラーガ
ふむふむ、敵サンの本拠地は洞窟と。
正確な場所まで割り出せる方がいらしたのは僥倖ですねえ。

相変わらず取り巻きが幾人かいるようなンで、あっしはまずソッチの対応に動きやしょう。うまいこと気づかれずに不意打ちできりゃ、歌で酔っぱらってるとこをなんなく仕留められますかねえ。



「さっきの山賊、ビビって逃げようとしてたから焦ったわ………。」
 ヤバイやついたら先に排除しようとしない?とぶつぶつ言いながらしゅんとしているのはリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)。
 そんなリリサレナを佐之上・権左衛門(おっさんは蛮族傭兵・f00239)は苦笑いしながら励ました。
「しっかし、あんな可愛い姿をしているけど、魔物なんだよねぇ……。」
 ちなみに現在猟兵達がいるのは、洞窟内部。洞窟は細い一本道の後、奥の方に大きく開けた空間となっている。
 猟兵達がいるのは、その空間の手前の岩陰。先の猟兵が飛ばしたコウモリが、その頭上でキィっと鳴いた。
 その空間の奥にちらりと見えるのが、今回の諸悪の根源であるハーピーである。
 ふわふわと柔らかそうな羽根の映えている手足は人間のそれとはかけ離れているが、胴部分はさして人間の女性とは変わらない。
 尤も、人間の女性であるのならば多少は羞恥して露出を無くすのだろうが。
「あの見た目に騙されたらいけないのなの」
 そう注意を促すのは過去にハーピーと交戦経験があるというフェリス・シー(ちっちゃなカウンターバーン・f00058)。
 なんでもアレは知能の低い的を洗脳するための仮の姿で、本来の姿は怪物のそれと変わりはないらしい。
「なるほどな、……ま、やっこさんに恨みはないが、狩らせてもらうぜ。」
 権左衛門はそう言うと自身のグレートアクスを担ぎながらぐっと一度かがむと、そこから勢いよく地を蹴り広い空間に飛び出した。
 先程とは違い、洞窟の壁にはぽつぽつと照明がある。視界は悪くない。
 取り巻きに山賊がいることはコウモリを通じてなんとなくわかっていたが、四人ほどか。
 権左衛門はそれらに目もくれずハーピーに突撃していく。
 取り巻きが権左衛門に気付き、そちらへ向かおうとしたその時、再びあの蛇が現れた。
「ヒヒヒ、コッチの対応はあっしにお任せを」
 バルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)は権左衛門に気を取られている取り巻きを不意打ちで鮮やかに仕留める。
 相手は手負いの者や、歌に酔っている者達だけ。頭が攻撃されてるとなれば、そちらにも気を取られがちだろう。
 これくらいなら自分一人でもなんとか出来よう。
 バルディートは自身の武器である鞭を打ち鳴らすと、そこから漆黒の炎を出しながら応戦していった。

 一方ハーピーの方はというと、グレートアクスを大きく振りかぶった権左衛門に対し。
「フフ、フ、フフフ。お客サン……♪」
 余裕の表情でそう言った。その腕は、強靭な趾で止められる。
 刹那、ハーピーの姿が変わっていった。女性の部分が羽根に覆われ、ヒトらしい面影は無くなっていき、めきめきと身体が成長していく。
 鳥の怪人と言うにふさわしい姿になったそれは、つんざくような奇声を上げながら権左衛門を蹴り払う。ぶわっ!と宙に舞う身体。見た目に騙されてはいけないという言葉は事実だったか。
 おそらく空中で身動きが取れないであろう所に、追撃が来るだろう。戦闘経験が豊富な権左衛門はすぐさまそう判断すると空中で身を捻り体勢を整えながら次へ備える。
「撃ち落とすわよ!!!」
 が、ハーピーの追撃が来るより早く、リリサレナの雷神槍がハーピーを掠った。
 電撃を帯びたそれは致命傷にならないまでも動きを止めるには十分で、権左衛門は追撃されることなく無事着地すると左手首に仕込んだピアッシングニードルを発射する。
 攻撃を受けようやく地に降り立ったハーピー。相手の数が多いことを理解したのか、ゆっくりと息を吸い込むと、大きく羽ばたいた。
 ――ギィィイイイイアアアアアア!!!!!!
 羽ばたきと同時に洞窟に反響する声、いや、もう既に声の域を出て音と言えるものだろう。
 その強大な衝撃派は、洞窟の空間にいるほぼすべての者に対して無差別にダメージを与えた。
「仲間ごと攻撃するなんて、なんて無茶苦茶するのなの……っ!」
 フェリスが対抗呪文を試みたが、それも間に合わず小さな体は吹き飛ばされる。
 岩壁にぶつかろうかというところを、丁度後方にいた須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)が間一髪で受け止めた。フェリスがお礼を言いながらハーピーを見やる。
「でも、あの姿はきっと長くは続かないと思うのなの。」
 相手は短期決戦を狙ったか。残念ながら倒れたのはバルディートと応戦していた取り巻き達だけのほうだが。
「ふぅん、なるほどね。じゃあ僕も、ご挨拶といこうかな」
 ――さあ、ご飯の時間だよ。
 そう言いながら莉亜が召喚したのは吸血コウモリだ。キィキィと小さな声を上げながら現れた沢山のそれは、不規則に動きながらもハーピーの顔に向かって飛んでいく。
 癇癪を起こしたように暴れるハーピー。その隙に莉亜はすらりと純白の大鎌を構えると、その鮮やかな羽根を切り離した。悲痛な声を上げるハーピー。
「んー、さっぱりとした味だね。意外といけるや。」
 鎌を通じてその血を十分と堪能してる間に、ハーピーは肥大化した腕でコウモリを振り払った。
 もうあれが飛ぶことは難しいだろう。猟兵達には多少ダメージがあるものの、戦況は優勢と言えるものだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

寺内・美月
洞窟内であるため近~中距離武器のみを携行。洞窟内に生存者がいれば保護する。
『APS拳銃』『ACR小銃』を使い中距離からハーピーを牽制しつつ『SSW式治療レーザー』にて味方の戦闘力回復を支援する。
ただし前衛が危機的状況に陥る若しくはその危険性がある場合は、抜刀して前衛と交代し近接攻撃にて前衛の戦力回復の時間を稼ぐ。


ソルカ・キャラハン
にゃるほど、山賊さん方はハーピーさんにこきつかわれていた、というわけでありますにゃね。
音楽は時にとても大きな力ににゃりますが、その力を悪いことに使うのは、聞き捨てにゃりません、でありますにゃ。

ハーピーさんへのおしおきは他のみにゃさんにお任せさせていただき、自分はハーピーさんにお邪魔いただきにくい場所で、フィドルでサウンド・オブ・パワーを奏でましょう。
みにゃさんのぱわーあっぷと、犠牲になられた方へ捧げるよう…ハーピーさんも踊りたくなるような、陽気な音色とやさしい歌を洞窟のホールへ響かせましょう。

ひとをむりやり縛り付けるようなものは、音楽ではありませんですにゃ。
…同じ歌を歌えたら素敵でしょうにゃ。



優勢とは言ったものの、先程のハーピーシャウトはなかなかの大技だった。
 取り巻きの山賊だった者たちは、その衝撃波に身を切られ無残な姿となっている。
 戦闘場所が洞窟ということもあったからか、その声の威力は膨大で、衝撃波にやられて傷口を押さえてる者や、時折頭に手を当てふらついてる者も居た。
 あちらが短期決戦を望んでいるのなら、こちらはなるべく万全の状態で対抗し続け、長期に持ち込んだほうが有利だろう、数の利もある。
 その時だった。猟兵達にぱっとレーザーが当たる。
 「負傷者にレーザー照射、治療を開始する。」
 ゆっくりと息を吐きながらトリガーを引いたのは寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)。彼も衝撃波の被害にあったが、最前線で戦う仲間の治療が優先と判断したのだろう。
 そのレーザーに当たった猟兵達は、みるみるうちに回復していった。
「く……っ」
 しかし仲間が回復する分、自身は疲労する。先程の衝撃波のダメージもあってか、レーザー照射し終わる頃にはふらついていた。
 そんな美月をまるで支えるかのような、軽やかな音楽が響く。
 次に聞こえるのは、優しく、優しい、敵であった亡骸達や、そこで犠牲になった人たちにも染み渡るような、朗らかな歌。
 その歌の主はハーピーなどではなく、ソルカ・キャラハン(若葉印の楽猫・f06025)の歌声だった。
 彼女の声を洞窟は反響させる。なるべく後方に位置どっていた彼女は衝撃波の被害が少なく、攻撃も届きにくい。存分に歌うことが出来た。
「……ひとをむりやり縛り付けるようなものは、音楽ではありませんですにゃ」
 音楽は、音を楽しむもの。――歌う者同士、同じ歌を歌えたら素敵だっただろうに。
 そう想い目を伏せながら彼女は歌う。歌を聞いた猟兵達は身体が熱く、活性化するのを感じた。
 ソルカのユーベルコード、サウンド・オブ・パワーの効果は抜群で、先程ふらついていた美月も、ソルカの歌を聞いて持ち直す。「……支援、感謝する。」という小さな声は、ソルカの歌に溶けて消えた。
 味方への支援も上々。
 歌が目障りだと言わんばかりにハーピーが奇声を上げ暴れるが、美月は素早く立ち上がると自身のAPS拳銃を構え牽制する。
 弾がなくなった時のことを考え、ACR小銃をいつでも撃てるよう小脇に抱えながら、ハーピーの動きを制限していった。
「みにゃさん! あともう一息ですにゃ!」
 仲間を鼓舞するようにソルカが叫ぶと、周りの猟兵達も士気をあげるようにそれに応える。
 ハーピーが撃破されるまで、もう少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御堂・詩音
待たせたかしら?援軍の到着よ
相手が速かろうと飛んでいようと関係無いわ、機動力勝負は得意分野なの
より疾く駆け、より高く飛び、どう動いても捉えてあげる
ましてや洞窟のような地形の利用がしやすい場所なんて、私にはおあつらえ向きね
手裏剣で撃ち落とされるのと、鋼糸で縛って引き落とされるのと、どっちが好みかしら?
あまり苦戦するようなら、降魔化身法での自己強化も辞さないわ
毒やら出血やらは面倒だけど、敵を瞬殺すれば関係無いわよね


才堂・紅葉
ハーピィかこれまた厄介な相手ね。変身も大変だけど、飛んで歌われるだけでも手強いわ。
方針としては【地形を利用】して【忍び足】で間合を詰めて待機。味方の攻撃に合せ、出来た隙にジャケットを脱いで身軽になってのシーブズ・ギャンビットで一突きするわ。私の火力じゃ倒し切るのは難しいので【手をつないで】羽を掴み【グラップル】の空中関節技で痛めつけ、【二回攻撃】で空中投げに移行し味方前衛まで【吹き飛ばし】をするわ。取り敢えず叩き落せば、他の猟兵達が何とかするでしょ。私はその後はアサルトウェポンで支援に徹するわね。山賊や増援の警戒も必要だしね


キャサリン・エンスレイヴ
・準備

a.事前に紅い世界を使用しての洞窟の崩落を試みる旨を他参加者に周知。
 頃合いを見計らって一本道へ後退し、洞窟外へ退避してもらう。
 事前に周知する事が不可能もしくは無理がある際は、
 「皆、洞窟の外へ退避だ。俺のユーベルコードがどかんといくぜ!!」
 ふぅ。
 …このように大声で叫んで報せる。

・作戦

a.概要
 他参加者を退避させた後、紅い世界で洞窟を崩落させる。
 細い一本道が望ましいが、無理なら開けた空間で使用する。

b.退避完了後、洞窟の天井へ向けて紅い世界を使用。
 敵が脱出を図る頃合いを見計らい、真正面から紅い世界で対処。
 他参加者が、まだいるようなら撃ち漏らしは各個撃破してもらう。
 要は掃討。



ハーピーの撃破、もとい村の平和、もといまともな美味しい食事にありつけるまで、あと一息。
 そう気合を入れ直す才堂・紅葉(お嬢・f08859)は、忍び足でハーピーのすぐ近くの間合いまで来ていた。
 しかしハーピーは紅葉の存在に気付かない。それほどに現在の姿でいることに余裕がないのだろう。
「ア"ア"ア"ア"ア"ッ!」
 悲痛な声が洞窟内に響く。飛びにくい翼を乱暴に羽ばたかせ、空中から猟兵達を仕留めようとした、その時。
「隙あり!」
 待ってましたと言わんばかりの跳躍。紅葉はハーピーに飛びかかるが、今一歩間合いが足らなかったようだ、ハーピーは振り向き様に蹴りをお見舞いした。
 しかし、ハーピーの趾に捕まったのは、紅葉でなく、彼女のジャケット。
「こちらのほうが、一枚上手だったよう、ねっ!」
 服を脱ぐことによって身軽になった紅葉。彼女は素早く移動し再びハーピーの死角から飛びかかると自身のユーベルコード、シーブズ・ギャンビットをお見舞いした。
 深々と刺さる紅葉のダガー。ハーピーは擦り切れるような悲鳴を上げるが、致命傷とまでは至らない。トドメを刺し切るには自身の火力が足らないことなど百も承知だ。
 ――それがどうした。
 紅葉はダガーを握るその手を離さなかった。そこを起点としてハーピーの身体にしがみつき、両の翼を握りしめるとそこから巧みに肩関節を締め上げる。
 思い通りにならない身体、上半身を動かせば激痛が走った。もうまともな思考能力もない鳥はどうすればいいのかわからず、がくんと膝をつく。
 それをわかっていたかのように紅葉は地面を踏みしめると、そのままハーピーを背負投げで投げ飛ばした!
 小柄なその身体のどこにそんな力があるのか、ハーピーが飛ばされた先は、洞窟の空間入口付近。
「トドメ、任せたわ。」
 紅葉は不敵に笑う。そこにいたのは、この洞窟の位置特定に大きく貢献したキャサリン・エンスレイヴ(人間のウィザード・f01442)と、新たな援軍、御堂・詩音(シノビメイデン・f04251)。
「……ここまでお膳立てされたんじゃ、全力を出さない訳には行かないわね。」
 そう言った彼女の頭からは、つぅっと血が垂れているのがわかる。降魔化身法の代償であるそれは、代わりに恐ろしく強靭な力を詩音に宿した。
 詩音は自身の武器である金剛蜂の針を構えると、飛んできたハーピーを受け止めるような体勢でそれを突き刺す。
 勢いも利用されたそれはハーピーの急所に深々と入り、ついでにひねるように動かせばびくん!と痙攣したようにハーピーが蠢いた。
 どさりと地に落ちる鳥。さあっ、と羽根が散っていく。
 人らしい胴体に戻ったそれは、恨めしそうにこちらを見上げていた。ひゅー、ひゅー、と喉笛を鳴らしながら浅く呼吸をしているのがわかる。
 もう誰が見ても猟兵達の勝ちは明らかだった。
「頃合いを見て洞窟を崩落させるつもりだったんだが、その前に片がついたな。」
 詩音がハーピーを見下ろし、そして確実に息を止める。それをなんでもない光景のようにただ見ながらキャサリンが言った。
「ふぅ、……そうね。けれど、今回の件を変に騒ぎ立てないようにさせるためにも、ここはなかったことにしたほうがいいかもしれないわ。」
 事件の概要を聞いてここに到着した詩音は、今回村を襲わせていたのがハーピーだということが村に周知されていないこと、村人がオブリビオンであるハーピーの亡骸を偶然見つけて変に不安を煽ることがないほうがいいだろうと指摘する。
 情報を元に山賊のアジトへ行った。山賊のアジトを壊滅させた。アジト内に特に目ぼしい物もなく、戦闘により崩壊してしまった。という報告をしたほうが後腐れはないだろう。
「なるほど。一理ある。」
 キャサリンは頷くと、洞窟内にいる全員に外へ退避するように伝えた。
 全員が退避したのを確認すると、自分も下がり、通路へと移動する。そして大きく息を吸い込むと、彼女のハスキーボイスが洞窟内に響いた。
 ――ターイラー・ターザンメ・ウォウアリフ・イェーター。
 その詠唱と共に、キャサリンのユーベルコードが発動する。
 退避した猟兵達が見たのは、紅だった。その紅は耳を塞ぎたくなるような轟音を鳴らすと、がらがらと洞窟が崩落する音と共に消えていく。
 紅い世界。自身の大技を放ったキャサリンは音が完全に鳴り止むまで洞窟だったものを見つめると、「ふぅ」と一息つきながら猟兵達の方へと向き直った。
 そこにいるのは仲間である猟兵達。その仲間たちの後ろには有明の空が広がり、もう少しすればこちらからも紅が出ることだろう。
「さて、村に戻りましょうか」
 うーんと伸びをしながら言う紅葉に、猟兵達も頷いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『残さず食らえ!』

POW   :    食って、食って、食いまくる! 腹が裂けようとも!

SPD   :    こういうのは一気にガァーッと搔き込んじゃえばいいんだよ!

WIZ   :    食べ方に工夫を凝らせば、いくらでも食べられる!

👑11
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夜が明けた。それと同時に村へと戻った猟兵達、もとい村人たちから見たら冒険者達は、見張りの村人に報告を済ませる。
 ほぼ夜通し戦闘していたのもあって、充てがわれた仮宿でほとんどの猟兵達は仮眠を取っていた。
 そして目が覚め、肩の荷が降りたのもあってか談笑しながら村長へ改めて報告に向かう、途中。
 猟兵達は、そこで異常な光景を目にした。
「な、なに、これ……。」
 リリサレナは目の前に立ちはだかる山を見て愕然とする。その山はすべて食材で、麓では調理が行われていた。
 長い大きなテーブルに所狭しと並べられる食事、食事、食事。
 長年生きてきたが、これほどまでの食べ物を目にする機会など、あっただろうか。
 その横にいた権左衛門は、額に手を当て風景でも眺めるように山を見ていた。
「こりゃおっさんの胃袋には堪えそうだな……。」
 口元をよく見れば、若干ひくついてるのがわかる。
 話には聞いていたが、これほどとは。
 山の頂上辺りを見れば、フェリスが凄いのなの!と飛び回りながら食材を吟味している。あの小さな身体に、一体どれほどのご飯が入るのだろうか。
 そんな一部の猟兵達の先で、丁寧に村長に対し報告を行う美月。
 あの時打ち合わせた通りハーピーの存在は伏せ、アジトは崩壊している旨も伝えた。万が一のために、落石の危険があるため近づかないようにという情報も付け加える。
「ところで――」
 そしてさすがの美月も気になったのか、報告が終わると食材の山に目をやった。
「これ、全部僕たちへの食事なのかな。」
 美月の言葉を代弁するかのように、村長に問う莉亜。村長は大きく頷いた。
 何分食事くらいしかいいところがない村です、どうかお楽しみください。と顔をくしゃくしゃにして笑いながら言う老夫。
「こりゃまア……頑張った甲斐がありやしたねぇ……」
 バルディートが言う。その横でソルカが村長の笑顔を見て釣られて笑うも、内心は食いきれるだろうかと不安を抱えていた。食事を残せばこの笑顔が曇ってしまいそうだ。
 ひとまず報告は済んだため、猟兵達は改めてテーブルを見る。

 農業と酪農が盛んなこの村。その中でも目立つのがチーズだ。
 大きなチーズが、大きな鍋に溶かされてとろとろと揺らいでいる。その周りには新鮮な野菜、野菜、野菜。
 ほっくほくの茹でたじゃがいもやニンジン、トウモロコシ。ブロッコリーを始めとした青野菜。
 魔法で部分的な気温調整などをしているのだろうか、一部の季節でしか採れない野菜や果物も置いてあった。
 その野菜を使ったスープ。汁物も複数種あり、トマトの物やコーンスープや牛乳を使ったシチューまである。正直これだけでも相当お腹はいっぱいになるだろう。
 スープの傍らには今朝焼いたばかりだというパンがずらりと並んでいた。ふわっふわのホワイトブレッドや、バターがふんだんに使われているクロワッサン、外側がぱりっとしているフランスパンのようなものなど。この一角がまるでパン屋なのではないかと錯覚するくらいだ。
 そして極めつけは肉である。最近生まれた仔牛をこのために屠畜したらしく、生の肉が部位別に贅沢に並べてあった。鶏もまるごとローストされた状態で何匹か佇んでいる。
 豚はベーコンや腸詰めに加工されているものが主だったが、炭火によりじうじうと焼かれていた。その金網から肉汁がしたたる様を見て、紅葉は思わず生唾を飲む。
「こ、これは俺たちだけではとても……。」
 しかしどんなにおいしそうだと言っても、ヒトの腹には限界というものがある。キャサリンは村人達もどうか一緒に食べて欲しいと進言した。
 村長がそれでも遠慮をしたので詩音に協力を求めるが、彼女は雰囲気こそ清ましているものの、聞く耳を持たず眼の前の食事をぎらぎらと見つめていた。開始の合図があればその軽やかな身のこなしで飛びつきそうな勢いである。
 紅葉も腕まくりをし、待ちに待った食事を更に美味しく食べるために軽く運動をしていた。
 食う気なのか、この量を。
 おそらく大食いに自信がある者もいるのかもしれないが、いかんせんこの人数では不安だ。最終的に村人達にも食べてもらうかもしれないが、グリモア猟兵が開けたゲートはまだ開いている。
 ――正直、今が一番援軍に駆けつけてもらいたい。
 猟兵の誰かの想いは、ゲートの向こうに届くだろうか。
 美味しい、ある意味の戦いが、始まろうとしていた。
才堂・紅葉
・SPD指定
壮観ねぇ。どれも美味しそう。
そうそうこれこう言うのが文明的な人間の食生活よ。
困ったことにどれを食べても美味しくて目移りする。お腹には限界はあるが全メニューを制覇したいのが人情だろう。バイキングは小分けで種類をこなす派なのだ。
・猟兵仲間や主催者から【情報収集】で今のメニューと先のメニューをチェック。好みの物から手を付けて回り、分量の多い物は近くの頼りになりそうな猟兵なり地元民なりに【優しく】【手をつなぐ】。「皿を取ってみましたが、私には少し多かったようです」品の良い控えめで、少し困った笑顔でお願い(押し付け)し【忍び足】で【地形を利用】して離脱。この調子で全種目制覇を目指すわ。


リリサレナ・ハイヴァーン
POW
この村の食料自給率どうなってんのよ……

いいわ!全部食べてやるわよ!

鶏のローストを丸ごと一匹掴んでかぶりついてシチューで流し込む
パンに厚切りベーコンと野菜を挟んでかぶりつく
茹で野菜をチーズに潜らせて食べる

ドラゴンランスのクーロと神狼召喚でフェンリルのブラックも呼び出して一緒に食べる

ほらクーロ~、仔牛の肉よ。もりもり食べて立派な竜になるのよ~「くわー!」

ちょっとブラック!あんた腸詰ばっか食べてんじゃないわよ!野菜も食べなさい!



青々とした空の下、猟兵達が祝杯を掲げる。
 そして「乾杯!」や「いただきます!」が辺りからちらほら聞こえた。才堂・紅葉(お嬢・f08859)はそれを聞き一息すると、自身も手を合わせる。
 最近ずっとスペース関係の仕事をしていたため、主食は固形型の携帯食料や、チューブに入った栄養食だった。
 機械系の種族ならともかく、人間である紅葉にとって、食は精神的にも欠かせない大事なものだ。栄養が取れればいいというわけではない。
 紅葉はまず目に入ったじゃがいもを小皿に載せると、鍋でくつくつと温まっているとろけたチーズをレードルで掬いってとろーりとそれに掛けた。
 ほくほくと粉を吹いているじゃがいもを、黄色いそれがゆったりと包み込む。その光景だけでももう、食欲をそそった。
 冷めないうちにとフォークで刺し、糸引くそれに何度か息を吹きかけながら口に入れる。
「……っ!!」
 それでもまだ熱かったのか、ほふほふと何度か息を吹いた。落ち着いてくると口の中で広がる濃厚なチーズの風味に乗って、じゃがいもが舌を転がっていく。
 そうそうこれこう言うのが文明的な人間の食生活よ……!と噛み締めながら、ごくんとそれを飲み込んだ。
 野菜はまだまだたくさんある。が、全メニューを制覇したい。もっと一気に食べたい欲を抑え込み、他のメニューを回る。他の猟兵達から美味しかったものを聞き出すのも忘れない。
 優しい味わいのスープを少しずつよそい食べる様は、急いで食べているはずなのにどこか品がある。
 しかし自分の胃袋には限界があった。さすがにお腹に溜まりやすい肉の部位やパンを全種制覇するのは厳しい。
 紅葉は取りすぎた全部位の肉の皿を持ちながら辺りを見回す。
 するとそこには戦闘ですら使用しなかった神狼を召喚し、一心不乱に食べているリリサレナ・ハイヴァーン(黒百合魔槍リリサレナ・f04590)がいた。
 よく見るとその傍らにはドラゴンランスであろう仔竜もいる。
 リリサレナは豪快にローストチキンを頬張り、飲みやすいようマグカップに注いだシチューで流し込む。
 彼女が召喚した神狼は腸詰めをスナックのように頬張っていた。
「ちょっとブラック!あんた腸詰ばっか食べてんじゃないわよ!野菜も食べなさい!」
 果たしてほぼ肉食であろう狼が野菜を食べていい物なのか。しかし召喚獣であるためそういった細かいことは関係ないのだろうか。
 ブラックと呼ばれた神狼は、リリサレナの言葉にしゅんとしながらもそもそとトウモロコシ等に噛みついていた。
 一方、ドラゴンランスの黒い仔竜は彼女から仔牛の肉を貰っている。
「ほらクーロ~、仔牛の肉よ。もりもり食べて立派な竜になるのよ~!」
 まるで子供優しく語りかけるように言えば、クーロは返事をするかのようにクエッと鳴いた。そして美味しそうに肉に齧り付く。
 まさかこのためだけに二匹を出すとは。
 紅葉はその光景を見ながら、共に戦ったリリサレナに声をかける。
 リリサレナも彼女に気付くと、片手で肉をかじりながら、もう片方の手をぶんぶんと紅葉の方へ振った。
 紅葉は軽く咳払いをすると振っている彼女の手を優しく握り、「皿を取ってみましたが、私には少し多かったようです」と自分の皿を押し付け……いや、渡す。
 戦闘中と雰囲気が違う彼女に若干違和感を覚えるも、お礼を言いながらそれを受け取った。
 再び食事に向き直るリリサレナを尻目に、そっと別の料理を取りに行く紅葉。
 目指すは料理全種制覇。食べていない食事は、まだまだあるのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御堂・詩音
私は後から応援に来ただけだし、遠慮しようとも思ったのだけれど…
村の人たちの好意を無下にするわけにはいかないものね?
大丈夫よ詩音(うたね)、後で少し苦しいだけよ…ふふ…

さすがに酪農や農業が盛んなだけあって、食べ物も逸品ぞろいね
特にクロワッサン(かしら?よく似てるけど)は最高ね
バターの香りと香ばしい味がたまらないわ、いくらでも食べられそう

早食い・大食いのコツは、あまり噛まずに素早く飲み込んでいく事らしいわね
つまり満腹中枢が働く前に詰め込んでいく、という原理よ
自信が無いならそうしなさいな?
私はそんな事はしないわ、食べ物は味わって食べないと
ただちょっと素早く噛んで、素早く味わって、素早く飲み込むだけよ


エクセレス・フィオーレカリバー
タダ飯貰えるって聞いてやってきたわ!!!(バーン!)

じゃあシチューとパンをいただこうかしら。

ふぅ……美味しかったわ!お腹いっぱい!(シチュー1杯とパン2個完食)



「タダ飯貰えるって聞いてやってきたわ!!!」
 ばーん! という効果音が似合いそうな勢いで来たのは、エクセレス・フィオーレカリバー(蒼薔薇の魔剣・f05561)。
 このある種の戦いを聞きつけて来てくれたらしい。
 幸い元々猟兵達が沢山いるのもあり、この料理の量だ。一人や二人、三人や四人、増えても何ら問題ないだろう。
 丁度近くにいた御堂・詩音(シノビメイデン・f04251)が同じ猟兵ということで軽く挨拶をした。
 挨拶をした後、詩音は再び料理へと向き直る。料理を食べきるには兎にも角にも人手は必要だろう。彼女は精神を集中させると、自身のユーベルコード、オルタナティブ・ダブルを使用しもうひとりの自分を出現させた。
「――村の人たちの好意を無下にするわけにはいかないものね? 大丈夫よ詩音(うたね)、後で少し苦しいだけよ。ふふ……。」
 詩音(うたね)と呼ばれたもうひとりの詩音は、その言葉にゆっくりと頷く。
 そんな彼女に教えるかのように、大食いについての極意を丁寧に解説していった。
「早食い・大食いのコツは、あまり噛まずに素早く飲み込んでいく事らしいわ。つまり満腹中枢が働く前に詰め込んでいく、という原理よ。」
 自信がないならそうしなさいな。
 そう言いながら手にとったのはクロワッサンらしきディニッシュ生地のパン。バターの香りを堪能してからさくっと一口食べる。
 何層にも渡るパイ生地のようなそれは、一噛みすればさくっとした食感を、二噛みすればバターの風味を感じられた。咀嚼していくうちに口いっぱいに広がるバターの香りは、口内だけにとどまらず鼻にまで抜け、いくらでも食べられてしまいそうな錯覚さえ覚える。
 これにチーズを掛けたらどんなに美味しいだろう。ソーセージやベーコン、ハムなどと組み合わせてもいい。もちろん野菜を取るのも忘れずに。
 いくらバターがふんだんに使われているジューシーなパンとはいえ、口の中の水分は持ってかれる。適宜にスープでそれを補いながら、詩音は食べ進めていく。
 そのスピードは早いながらも、先程言ったような噛まずに飲むということはしていなかった。
 彼女曰く「食べ物は味わって食べないと」だそう。どうやら大食いには自信があったようだ。対する詩音(うたね)も食べる方らしく、もりもりと食べている。
 二人は美味しそうに食べていたが、ただ人よりちょっと素早く噛んで、素早く味わって、素早く飲み込んでいた。
 それを尻目に、エクセレスはマイペースにパンにシチューを浸す。
 ひたひたになったパンをぱくんと口に含めば、とろけるような舌触りと共にクリームの風味と小麦の香りが口の中に広がった。
 おいしそうに、ぱくぱくと食べ始め、しばらくしないうちに手を合わせる。
「ふぅ……美味しかったわ!お腹いっぱい!」
 そう言った彼女の前にあるのは、シチューの皿と、パンが2つのっていた皿のみ。
 小さな援軍はそれだけを食べ満足そうに微笑んだのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フェリス・シー
フェリスちゃんは食べ物で無茶はしないのなの。食べられるだけ好きなものだけ食べるだけなの。

そもそも、20センチに満たないサイズでは人間の茶碗一杯も厳しいのだ、焼け石に水である。
まあ、種族によっては食物をとることさえ可能かどうかわからないようなのもいるが

フェリスちゃんにとって第一に『食べ過ぎて気分悪くなったら楽しくないから』という事で食べるだけ食べたら歌ったり踊ったりして勝手に楽しむのなの


ソルカ・キャラハン
ハーピーさんへのおしおきも無事に済み、おしごと完了、と思いきや…これはとんでもないふくへい…らすぼす、というやつですかにゃ…?
めしてろ、とはこういう状況のことを言うのでしょうかにゃ?

どれもこれもとっても美味しそうでありますですにゃが、自分、食が細いのでありますにゃ…めーでー、へるぷあす、ですにゃ。
みにゃさんの笑顔を守るため、ここは後方支援、といきましょう!

心に流れるお弔いの旋律もそこそこに、食欲が湧くような、楽しい曲を奏でましょう!
鼻歌交じりにフィドルを弾き弾き、おいしいごはんに、恵みに感謝を♪
…こっそり、ゆーべるこーどを発動させておきましょうかにゃ。
にゃにしろ、これは『戦い』ですからにゃ!



「ハーピーさんへのおしおきも済んでおしごと完了……かと思いきや、れはとんでもないふくへい……らすぼす、というやつですかにゃ……?」
 そうぼやきながらちまちまと食べているのはソルカ・キャラハン(若葉印の楽猫・f06025)である。
 目の前の料理はどれも美味しそうで素晴らしいが、元々食の細かった彼女には到底手に負えない。それでもなんとかお皿に盛った料理を食べきるとふぅと一息ついた。
 自分が食べた量のなんと微々たることか、と悲観するも、それでも出来ることを探そうとするソルカ。
 周りを見れば、食べすぎて苦しそうな様子の猟兵もちらほら見える。
 そうだ、そんな猟兵達のために、元気が出る歌を歌おう。ソルカは立ち上がると、長いテーブルの中心辺りの少し離れた位置でフィドルを構えた。
 辺境の村では見慣れない楽器のせいか、村人たちが遠巻きに見ている。ソルカはそんな村人たちを笑顔で手招きしたあと、すっと演奏に入った。
 どこかの民族音楽だろうか、軽やかなそれは柔らかな風に乗り、村中に響くように広がる。
 ――おいしいごはんと自然の恵みに感謝を込めて。
 時折鼻歌も交えながら、楽しそうに嬉しそうに音楽を奏でる。すると音楽に吸い込まれるように、小さな光が飛んできた。フェリス・シー(ちっちゃなカウンターバーン・f00058)だ。
 妖精である彼女は料理を沢山食べられるはずもなく、早々に食べるのをやめアテもなく飛んでいたのだが、楽しそうな気配を察して来たらしい。ふわふわとソルカの周りを飛ぶフェリス。
「とっても楽しいのなの! 元気がでるのなの!」
 そう言いながらくるくる踊る彼女と、演奏しているソルカの目が合う。果たしてソルカのユーベルコード、サウンド・オブ・パワーの効果を受けていることに彼女は気付いているのだろうか。
 満腹になった猟兵たちはもちろん、村人たちもなにやら活気付く。活気付いた村人の一部が、料理を更に量産してしまったが、きっと強化された猟兵達なら大丈夫だろう。そう、きっと。
「フェリスちゃんもいっぱい踊るのなの!」
 そういうフェリスはもう食べる気配はないようだ。食べたところで焼け石に水なのかもしれないが。
 ひとまず、自分の出来ることはしたのだ。ソルカが最後の旋律を弾き終えると、わあっと拍手が沸き起こる。
 しかしその後すぐさま村人からアンコールがなされ、フェリスもそれに乗っかる。ソルカは顔をほころばせると、再びフィドルを構えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

明石・真多子
芋煮艇の皆と出られると嬉しいな

飯!それは生命の燃料!
食事!それは生物の根源!
自然界においてノロノロ食べるやつは生き残れないよ!
いかに早く!多く!美味しく食べられるかが重要なんだよ!
一族の集まり会食で培ったアタシの食事術をとくとご覧あれ!

まずは人間タイプの口じゃ、そもそも食事スピードがおはなしにならないからね、【鮫蛸変化の術】で頭を大きなサメに変えてスピードアップ!
おまけに両腕と4本の触手を使って口に投げ込みまくるよ!

さらにガンガン食べるよ!人間達の有限な胃袋じゃたいした量は食べられないようだけど、その点アタシはタコ!【伸縮自在の術】で胃袋も体ごと拡張してどんどん膨らむよ!目指せタコバルーン!


バルディート・ラーガ
うッ…美味い飯にありつけるってのは大変ありがてえンですが、流石にこの量をこの場の全員でてえのは難しいンじゃあないですかねえ。
つーワケでまずは物陰に隠れてSFチック通信機をポチっとな。旅団の仲間にヘルプを要請しやす。

なるべく大勢来てくれるよう祈ったら、あとはもう立ち向かうほかなし、ですねえ。持てる限りのPOWを尽くして体型がツチノコになるまで食らいついていきやしょう、主に野菜を。
…いや肉を食えねえってわけじゃあないんですが。遠いご先祖がイグアナなのか知らねえが、俺ァ野菜の方が好きなんですよう…


エミリィ・ジゼル
ラーガ様からの「ただで飯が食える」という電波を受信してやってまいりました。
メイドのかじできないと申します。

ご飯ならお任せください。
ここぞとばかりに大食い技能を発揮してご飯をモリモリ頂きましょう。

もちろんそれだけではありません。
【増えるメイドの術】を使って、自分を追加で17人増量。
これだけ増えればご飯の消費も更に進むというものです。

さぁ、食べるぞー。

「いやー、働かないで食べる飯は最高でおじゃるな!」



遠くから聞こえる音楽を聞きながら、神妙な面持ちで未だ沢山ある料理を見つめるバルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)。
 沢山ご飯があるのはありがたい。それが美味しいとなれば尚更だ。
 しかし、今回の量はいささかこの人数で食べきるのは限度があるまいか。
 中にはユーベルコードを使用している者までいるようだが、その者達もあとどれくらい持つか。
 バルディートは人目を盗みゲート近くまで行くと、小さな通信機器を取り出し、それに向かって何言か言葉を交わす。
 しばらくして戻ってくると、ようやく料理を食べ始めた。
 柔らかな葉野菜にチーズを掛け、軽く香辛料を振って口に入れる。チーズの香りに負けないくらい野菜の旨味が強く、そのおいしさに小さく口元が緩んだ。
 問題は量を食べなければいけないということ。信じられるのは己の体力と胃袋のみ。野菜をとっては、そのまま食べたり、調味料を加えたり、他の野菜と合わせて食べていく。
 食べるものは野菜がほとんどだが、その勢いは凄まじかった。蛇のようなシルエットが、ツチノコになっても構わないと言わんばかりに食べ続けていると後ろから声が掛かる。
「『ただで飯が食える』というのは本当だったようですね。」
 バルディートが振り向くと、そこには同じ旅団に所属しているエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)がいた。
「おや! 来てくれやしたか!」
 先程の機器で援軍を要請したようだ。エミリィはバルディートを見てにっこり笑うと「ご飯ならお任せください。」と言い切った。
 すると同じくにっこり笑った表情のエミリィが、二人、三人、四人、五人――合計十七人にもなっていく。ちなみに本物以外には額に1と書いてあるようだ。
 ユーベルコードか。バルディートはその光景を呆然として見るが、それもつかの間、エミリィは手を前に突き出しこう叫んだ。
「さあいけ、かじできないさんズ!」
 その号令と共にぞろぞろと料理に群がるメイド、もといかじできないさんは、ご飯だ―、食べるぞー、と口々に言いながら目の前の食事を見事に平らげていった。
 気がつけばエミリィ自身もその群れに混ざり、もはやどれが本物だかわからない状況になってきている。
「いやー、働かないで食べる飯は最高でおじゃるな!」という声が群れから聞こえてきた気がしたが、バルディートは聞こえないふりをした。
 しかしまだまだある食材の山。これだけのかじできないさんをもってしても、食べきれるかは五分だ。
 そんな五分である確率を上げていかんと、ぬらりと現れるのは赤い触手。
 見慣れたそれにバルディートが目をやれば、同じく旅団の仲間、明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)が食材の山の前で仁王立ちしていた。
 飯。それは生命の燃料!
 食事。それは生物の根源!
「自然界においてノロノロ食べるやつは生き残れないよ! 一族の集まり会食で培ったアタシの食事術をとくとご覧あれ!」
 そういうと真多子は印を組む。組んだと思えばどろんと頭が煙に包まれた。
 煙が晴れたその先に先程の少女の面影はなく、あるのは大きな鮫の頭。
 真多子のユーベルコードである軟体忍法、鮫蛸変化の術だ。
 彼女は人間のそれとは比べ物にならないほど大きな口を開けると、次々に山の麓にできている料理の数々を放り込んでいく。
 放り込む腕に自身の触手も加わり、そのスピードたるや十七人いるかじできないさんズとほぼ互角であった。
 こういう席ではいかに早く、多く、美味しく食べられるかが重要だと言う真多子。
 そのまま更に印を組む。すると今度は僅かな振動でも彼女の皮膚がゆたゆたと揺れているのがわかった。
 軟体忍法、伸縮自在の術である。超軟体となったその身体は物理的限界を覆す。
 それは骨や内蔵、つまり肋骨や胃さえも柔らかくなり、食べれば食べるだけ膨らんでいくのだ。これで胃が食べ物を拒否することもない。
 まさに無敵の状態だった。どんどんと無くなっていく食材、どんどんと膨らんでいく腹。
 この宴が終わる頃には、大きなタコバルーンができているに違いない。
 バルディートはそれを想像しながら、来てくれた仲間に感謝しつつ、もっそもっそと取った野菜を食べるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャサリン・エンスレイヴ
・作戦

a.「腸詰めは好きだから、まあ良いか!」
 そうなるとプレッツェルと生ビールが欲しいな。
 ザワークラウトもあるとベリーナイス。

b.「手料理とは心遣いさ。それを念頭におけば量など何て事はない」
 すべての料理を平らげる心持で飲みかつ喰らう。
 マイ食器でいただく。

c.「かぁ~! 沁みるぅ~!」
 スープの入った寸胴を両手でがしっと掴み、口元へ寄せて飲み干す。
 くぅ~! スープおかわり!

d.「知らないのか? 茹でたじゃがいもにチーズは合うんだぜ」
 即席料理を披露する。
 バターと醤油もいいけどな!

e.「持ち帰りたいがみっともないか」
 事前にユーベルコードでタッパーを吸い込み、食べるふりをして持ち帰る。



「凄い光景だな……ここまですればさすがに余らないだろうか。」
 余ったらこっそり持って帰ろうと思っていたのだが。
 援軍として来た猟兵達を遠巻きに見るのはキャサリン・エンスレイヴ(ウィザード・f01442)だ。
 今回この戦いのサポートとして大きく役割を果たしたキャサリンは先程の光景に踵を返すと、他のメンバーに負けず宴を大いに楽しんでいく。
 まずは自身の好物である腸詰めを沢山取ると、プレッツェルらしき生地のパンと、ザワークラウトも皿へと取っていった。
 フォークで腸詰めを突けば、そこからぷしゅっと肉汁が溢れる。彼女はそれが勿体無いと言わんばかりに皿を近づけて口に入れた。
 口に入れた腸詰めは歯を入れればぱりっと弾け、口の中を肉汁で満たしてくれる。
 もし自分が飲酒が出来る年齢で、ビールなどがあれば言うことがなかっただろう。
 彼女は油っこくなった口の中をザワークラウトを食べて相殺し、ビールの代わりにと手にとったクラブソーダを流し込んだ。
 もちろん他の料理も美味しくいただく。牛肉が置いてある所に行けばフリカデレがあった。粗挽きのそれを、彼女はマイ食器を使って一口一口噛み締める。プレッツェルとの相性もよく、村の人が心を込めて作ったとなれば食も進むもの。次に咀嚼しているときに目に入った寸胴鍋の元に行くと、鍋ごとつかみその中身である野菜スープをごっくごくと飲み干していった。
 これには近くにいた村人も目を見開いたが、キャサリンはそれを気にする様子もない。
「かぁ~! 沁みるぅ~!」とまるで一杯やったかのように言えば、その村人におかわりをお願いするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

寺内・美月
仮眠しても流石に一徹後に重い物は胃が持たないので、緑黄色野菜とスープ中心(少なめ)。村長や村人たちとたわいない会話をしつつ、自分の皿に取ったものは食べきる。



ある猟兵ははち切れるほど食べ、ある猟兵は歌い、ある猟兵は踊る。
 そんな周りの猟兵達を見ながら寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)は黙々と事務的に食べていた。
「楽しんでおられますかな?」
 そう声をかけてきたのは、村の村長だ。美月は軽く会釈をすると「お陰様で楽しい時間を過ごしています。」と丁寧に返した。
 わいわいやっている仲間を見るのが楽しいのは本当だが、更に本音を言うなら仮眠をしたとはいえ一徹後の身体にこの量、この料理は堪える。
 それでも出されたものは食べるのが礼儀だ。せめて自分で決めて皿に取った量だけは食べきろうと料理を口に運んでいった。
 村長はそんな美月を知ってか知らずか、ゆったりとした優しい口調で話しかけていく。
「今回は本当にありがとうございました……。最近、風の噂で群竜大陸が復活したとも聞きますし、村にも不穏な空気が流れていましたが、今日は久しぶりに皆活気付いております」
 こんな都市部から離れた村でもその噂が届いているのか。猟兵達も未だその点については捕捉しきれていないが、日に日に強くなっていくオブリビオン――今回で言う山賊やハーピーを見るに、噂だけに留まらなそうだ。
 この世界には元々冒険者という戦力がいる、が。それも対応できなくなってくる案件が増えてくるだろう。
 今回の件でさえ、冒険者の手には負えない。今後もこの村に脅威が襲い来るかもしれない。
 美月はスープを一匙飲むと、村長に向き直る。
「また、村が襲われたときは私達が向かいます。ご安心ください。」
 そう言ってうっすらと微笑めば、目の前の老人はまたくしゃっとした笑顔を見せた。

 話しながら食べているうちに、美月の皿は空になっていて。
 目の前を見れば、大きなタコバルーンが大量の空の食器と共に佇んでいた。
 こうして、ある種の戦いは終息に向かっていく。
 そんな中、存分に食べたとある猟兵から「ご馳走様でした!」と大きな声が聞こえる。
 美月もそれに習い、空になった食器に手を合わせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月28日


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#アックス&ウィザーズ


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト