Natural Nature Naked
●春
その街は、4月だと言うのに暑かった。
太陽は高く、まるで夏を描く様に空は蒼い。
雲は見えず、海は近く、この場所だけは、何故か38度に近い気温となっていた。
コントラストが強い海辺を、あるいは街を、アンコウ姿のオブリビオンが彷徨いている。
彼らは、人を見かけるや否や、どこかへと連れ去っていく。
暑い。茹だる暑さが焼き付く様だ。いいや、全てを溶かして行く様だ。
森の奥、ドス黒い池の様な場所で、鹿にも似た生き物が頭を上げた、気がした。
●という夢を見たんだ。
上記の事が書かれた看板を背に、ひよこを模したブラックタール、ケース・バイケース(ひよこ・f03188)がぱたぱたしている。彼は次の看板へと、猟兵を案内した。
『オブリビオンによる謎の失踪事件が起きます。これを阻止してください。』
短い文面から、緊張が窺える。
『アンコウ型のオブリビオンが一般人を捉え、ボスの所まで連れていく様ですが、ボスは山の中に居るという事しか判明していません。』
ぴよ、とひよこ?はしょげた。
『なので先ず、アンコウ型のオブリビオンを追いかけたり、わざと捕まったりして、ボスの場所まで案内してもらう方が良いでしょう。』
ひよこはとてとてと次の看板に移動する。
『このアンコウのオブリビオンは特に、服を着ている者を優先して狙う様子です。なので、余り薄着ではない方が、ボスにたどり着き易いかもしれません。』
38度ともなれば、普通の人間はシャツと短いズボンでも辛いだろう。普段通り服を着ていれば、つまり大丈夫だ。
それにしても、何故?
『この気温と、オブリビオンの関係は、予知夢では分かりませんでした。』
ぴよ……ひよこはふがいなさそうにしおっとしている。
『ボスのオブリビオンは様々な物を溶かします。それは地面であろうと、皆様の持つ物であろうとも。』
ぴよ!ひよこはもう馴染みになった店の前にてちてちと歩いて行き、羽を広げた。入り口の看板にはこう書かれている。
『お荷物、お洋服お預かりします。』
中には服も置いてあるし、暗証番号タイプのロッカーも在る。心配な猟兵は、ここで着替えて行けと言うのだろう。
ひよこは出口で、貴方が出てくるのを待っている。
ひよこは!あなたが!出てくるのを!待っている!!
貴方が出てくれば、覚悟が決まっていようといなかろうと、転送が開始されるだろう。
「ぴよ」
『どうか、よろしくお願いします。』
KS
こんにちは、KSです。
三作目となりましたこちらのシナリオ、ざっくりとした内容は以下の様になっております。
第一章では謎とアンコウを追って頂き、ボスまでの道を突き止めます。
第二章では、現在詳しくは言えませんが、色々溶けてしまうタイミングがあります。
第三章では、色々溶けた関係で無くなった服をどうにかして調達したり、あるいはそのまま帰ったり、帰る為にひよこを探したりして頂きます。
シュールギャグなシナリオです。
敵対は、あまり無いシュールほのぼのギャグシリアスなシナリオです。
ほのぼの成分強めです。
エロスを混ぜられると、書けない可能性が高いので、ちょっとだけ注意して頂けると嬉しいです。
それでは!!!皆様!!!熱中症には気を付けてくださいね!!!!
第1章 集団戦
『アングラーフィッシュ・レイダース』
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POW : 丸呑み攻撃
【頭部の誘因突起から放つ催眠光】が命中した対象に対し、高威力高命中の【丸呑み攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 祭儀場の召喚
【口から吐く霧状の催眠ガス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を邪神復活の儀式空間に変える霧で満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 胃袋空間
小さな【体躯】で【丸呑みした口】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【広大な胃袋空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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アンコウ型のオブリビオンが、街を、海辺を、うろついている。
男が一人、倒れた。通勤の途中だったのだろうか、その男は、スーツだった。
オブリビオンは男の前に立つと、あぐり、男を丸呑みにする。
そのまま何処かへと消えていく。
暑い、熱い、全てが熔ける様な日差しの下で、アンコウの影は色濃く歩む。
のたり、のたり。ゆらり、ゆらり。
雷陣・通
このアンコウキッモ
!!!!!
人の身体してるぜ!
えーと、捕まるか追いかけるかすればいいんだな
…………えい(膝裏を狙うエグイローキック!)
オラ逃げるなー!!
ちゃんと案内しやがれ!!
(服装:全身図の通り)
(アドリブとか合わせとか好きにやってください)
寿・むべ
なるほど~
今日の晩御飯はアンコウ鍋ってことですね~
わかりました~
斬ります
とりあえず、用意して頂いた服にお着替えですね~
相手は丸呑みにするユーベルコードを使うようですが~
口ごと斬っちゃえば問題ないですよね~
そんなわけで、見かけたら剣刃一閃でさくっと刺身に~……
はい。むべ、丸呑みされます。
は?洗脳?されてるわけないじゃないですか。
狂気に満ちていると評判のこのUDCアースにおいて、
私ほど正気な女学生はそういませんよ。
丸呑みって人生ですよね。
ハイクオリティなライフをエンジョイする上で、
避けては通れないディスティニーです。
さてはあなたこそ洗脳されてますね。
いいから一緒に丸呑みされまひゃっはー。
●中は快適30度。ペットボトルのスポドリ付き。
「なるどほ~、つまり今日はアンコウ鍋ってことですね~」
のほほんとした声が、アスファルトの上へと響く。
気温38度。照りつける日は高く、熱い。
まぁ待ってくれむべちゃん。今回は探索なんだ。斬っちゃダメなんだ。
そんな声が届く筈もなく、むべは着替えた服に汗を流しながらアンコウを探してあっちへゆらり、こっちへゆわり。
腰に携えた日本刀が、熱さにカタリと鳴いている。
「居ませんね~。困りました~」
ふ~と額に落ちる汗を拭うむべに、忙しない足音が聞こえて来た。
ドタタ!バタバタ!
「オラ逃げるなー!!ちゃんと案内しやがれーーー!!」
それはアンコウもといアングラーフィッシュ・レイダースの一匹に、えぐいローキックを放ち逃げているそれを追っている最中の通の声だった。
「おぉっと、発見……と思いきや、なにやら慌ただしいですね~」
まぁでも斬れば良い。刀を構えるむべ。
食われるのであれば、その前に切裂けば良いだけの事。
間合いまであと4・3・2……閃光。
「はわ……はい、むべ、丸呑みされます。」
ぐるぐるお目目になったむべは刀をしまう。ストン。
これにびっくりしたのは通だった。
突然追いかけていたアンコウの目の前に出て来て刀を構えたかと思ったら、またしても唐突に刀をしまった上に立ち止まったアンコウに敬礼をしている女子が居るのだ。そりゃまぁ困惑も致し方無しだ。
「姉ちゃんどうした!?いや、斬られなくてよかったけど!よかったけど!」
父ちゃんが言っていた。人間暑さで頭がやられる事もあると。
「もしかして、頭か!す、涼しいとこ行かないと!」
一度あのアンコウを殴って止めて、どこか涼しい所に連れて行かないと!父親から、女の子は守ってやれと言われて来た通少年は、咄嗟にそんな事を考え、走る勢いのままアンコウに向けて拳を振り上げた。
しかし、その拳は横へと逸れる。
それはオブリビオンによってではなく、目の前の仲間による、妨害。
「何を言っているのですか?頭?いえいえ、私は正気です。洗脳とかされてないですよ?」
ぐるぐるお目目で、手を構えるむべ。刀は使わない。斬ってしまうから。
「いやほんと、狂気に満ちていると評判のこのUDCアースにおいて、私程正気な女学生そうはいませんよ。本当です。」
言いながら、じりじりと通との距離を詰めるむべ。
焦る通。
「姉ちゃんさては洗脳されたのか!」
そういやあのアンコウ、洗脳ビーム出してくるって聞いた気がする。
「ちがいます。」
違うらしい。
「でも姉ちゃんなんか目がやばいぞ!」
なにせぐるぐるしている。
「何を言っているんですか。丸呑みは人生ですよ?」
そんな人生聞いた事ない。
「俺の父ちゃんの言葉には、そんな言葉無かったぞ!?」
もしかしたらあったかもしれないけど、少なくとも今は知らない。会ったら聞こう。
「いいですか、丸呑みはハイクオリティなライフをエンジョイする上で避けては通れぬディステニーです。」
音の無い、摺足による距離の詰め。
「でぃす……?」
「運命って事です。私の父と同じ事。刀を振るえば物が斬れるのと同じ、つまりは当たり前って事です。」
殴れはしない女の子を相手に、通は一歩間合いを空ける。
一歩、しかし剣の娘は踏み込んだ。それは通常の歩で三歩に及ぶ、剣の道が至る歩の道だ。
通の腕ががっしりと、少女にしては硬い、己と同じ鍛える者の手に掴まれた。
「さてはあなたこそ、洗脳されていますね?」
「されてないぞ!?話聞けって!」
殴れば引き離せた手だが、そうは出来ない教えが在る。慌てる通とふんすと誇らしげなむべの横で、アンコウが口を大きく開けた。
「大丈夫です。いいから一緒に丸呑みにされまひゃほ~~」
「うわああぁあぁぁーーー!?」
しゅごっ
通とむべは吸い込まれた。
アンコウはしばらく待って、大丈夫そうなのを確認してからぽってぽってと去って行く。
道行くアンコウは太陽の下、大きな胃袋に二人を入れて、山の方へと歩んで行った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
クロ・ネコノ
失踪事件か、それで、アンコウのオブリビオンが原因を突き止めるための鍵な訳だね。
薄着じゃない方が良いらしいけど、私の服装だと微妙なラインだよね。まあ長袖だしいけるかな?
隠れて追いかけても良いんだけど、逃がして見失っても困るから倒れたフリをしてオブリビオンの方から来るのを待とうか。
あっ、地面も熱くなってるだろうし、下に何か敷いてその上に寝転がるよ。
にしてもあつい…、ほんと、溶けそうな暑さだよ…。
●地面では目玉焼きが焼けます。
黒猫、もといネコノはクール敷きパッドの上に寝転んでいた。
あっっづ。
真上では太陽がじりじりと体を焼いている。下に敷く物が無ければ、グリルに突っ込まれた魚の気分が味わえたことだろう。今の時点でちょっと味わっている。
「あっつ……ほんと、溶けそうな暑さだよ……」
それでも冷却効果のある敷きパッドは頑張っている。ちなみにこれは、返さなくても問題は無いと店から渡された物だ。作戦を話ておいてよかった。
「それにしても、私の服装で大丈夫かな?長袖だから大丈夫かな。」
ゆらゆらと尾を揺らしながら、ネコノは焼かれている。じりじりと音がする様な、熱さだ。
じっとしているだけで汗が出る。人が動いて良い暑さでは無い。
ところで、黒い服は太陽光を吸収しやすい。
長袖は熱を吸収し、人体に直接送り込む様に貼り付いて来る。
これもうオブリビオンの攻撃じゃないか?ネコノはちょっと思った。
「……まだかなーーーーあついよーーーー」
ごろろんじたじた!
あまりの熱さにごろごろし始めた頃、唐突に、黒い影がぬんっと視界を覆う。
突然の出来事に、ちょっと尻尾が膨らんだ。
ぱくっ。ネコノは口の中に回収される。
胃袋の中は、十六畳くらいあるだろうかという広さだ。
温度は外に比べてかなり涼しい。とはいえ寒くも無い。丁度30度ぐらいだろうか。居心地の良い湿度の無さをしている。
段ボールの上が開いた状態で、スポーツドリンクが置いてあった。
数本消えているのを見る限り、誰かしら飲んだりもしたのだろう。
「……太陽が無いだけで、これだけ涼しいか……」
っていうかここめっちゃ居心地良いな???そんな事を考えていると、出口らしい場所から、ぽとっと何かが落ちて来た。
熱さましにも使われる、冷却シートだ。
「……もしかして、熱中症だと思われてるのかな、これ……?」
だが、まぁ、暑かったのは事実だ。
ネコノは冷却シートを額に貼って、さて、ボスに辿り着くまでは。とスポドリを飲んでから、居心地の良い胃袋空間で昼寝を始めるのだった。
成功
🔵🔵🔴
花邨・八千代
寒いのも嫌いだけど暑いのも嫌いなんだよなァ、俺。
常に春か秋くらいの気温の世界ねーの?今度探してこいよ、ひよこ。
ところでお前ほんとどうやってあの看板書いたん、なァ。
◆行動
まぁ厚着すんのイヤだしアンコウ追いかけるっきゃねーよな。
【空躁】で追跡だ、逃さねーぞ魚類め。
魚類…?魚類でいいんだよなこいつら…?
索敵は「第六感」、もし逃げようとするなら全力で追いかけるぞ。
待てやコラァ!逃げてんじゃねェぞ!!!
そのブラ下げてるお洒落チョウチン引き千切んぞオラァ!!!
あとはそうだなー、「怪力」でぶら下がって連れて行かせるか。
あぁん?俺を飲み込む?吊るして捌くぞ。
いいから連れてけよ、安全運転でな。
●アンコウの胃の中が丁度良い温度。
「おいひよこ。常に春か夏かの気温の世界探してこいよ。」
な。とひよこに語りかけるガラの悪い羅刹。その名も八千代。
「ところでお前ほんとどうやってこの看板書いたん、なァ?」
訊ねるもぴよ?と首を傾げられただけだった。
レッツ転送。
「クッッソあちィ
!!!!」
真夏の太陽!!!いや春なんだけども!!
じりじりと身を焦がす熱射に鬼は叫んだ。
上着は置いて来たが、その分肌が直接焼かれる。いてえ。
その時、八千代の第六感が告げた。
「魚類!てめェそこかァ!!」
居た。突然の柄の悪い指差しにビクゥ!とするアンコウ。
おろおろ おろおろ ダッ
アンコウは逃げ出した!
「待てやコラァ!逃げんじゃねェぞ!そのぶら下げてるお洒落チョウチン引き千切んぞオラァ!!!」
完全なる恫喝である。しかも空操による空中ダッシュのスタイリッシュ恫喝。ほらーーアンコウちゃん泣いちゃったじゃん~~~。ちょっと羅刹~~手加減してあげてよ~~。
しくしく。アンコウはお洒落チョウチンを掴まれ捕獲されてしまった。
「オラ、親玉んとこ案内しろ。」
頭に乗る様な感じで怪力でぶら下がる八千代。能力の無駄遣い。
カパッと口を開けるアンコウの顎を蹴り上げて閉じさせる。
「あぁん?俺を飲み込むつもりか?吊るして捌くぞ?」
こわいよーーーアンコウは泣いた。しくしく。
「んだよ、めんどくせえな。泣くなよ。オラ、仕方ねェな。そこで止まれ。」
そう言うと八千代は、コンビニに入って行った。
ちなみにアンコウは、八千代が出て来るのをコンビニ前で大人しく体育座りで待っている。えらい。
「おらよ。これやるよ。感謝して崇めろ。」
一番安い氷菓子をアンコウの口に突っ込む八千代。自分のは高いやつ。あとで要求すれば代金は出ると思う。
しゃぐしゃぐ。アンコウはぱぁと嬉しそうな雰囲気になった。
「という訳で連れてけ。もちろん安全運転でな?」
ニィと笑って、再びチョウチンを掴んでぶら下がる八千代。
そのままでは暑いだろうと、アンコウは大きなパラソルを差した。
日陰が落ちる。
「お?なんだお前、気が利くじゃねェか。よォし、いけいけ~」
しゃぐしゃぐ。
アイス片手に道を行く、羅刹とアンコウ。
山へと向かう二人の先を、太陽はじりじりと焦がすのだった。
成功
🔵🔵🔴
エレクメトール・ナザーリフ
厚着すればする程補足されやすくなるのでしょうか
それなら十二単というのが見た目厚着そうです
これでいきましょう。私ドール何で特に暑さは気になりませんし
方針はわざと捕まってボスまで案内して頂きましょう
追跡するより案内して頂いた方が手っ取り早いです
普段着の上から十二単を着こんでいきます
……ところで何でこれがロッカーの中に入っているのでしょう
どうやって入れたのかも謎です
ちなみに十二単というのは20キロあるらしく
……ぶはっ
失礼しました
重すぎて四苦八苦している所を想像したら思わず吹きました
無事運べますかね?
丸呑みする途中で顎外れたりしません?
無理そうなら一枚一枚徐々に脱いでいきますが
自力で脱げるのでしょうか
●ドールだから暑くない。
「おっ?これにしましょう。そうしましょう。」
店から出て来たエレクメトールは、十二単を着ていた。よくあったな?ちなみに着付けは店員さんがやってくれた。
「わざと捕まって、ボスまで案内して頂きましょう。それが一番手っ取り早いし、なにより疲れ無さそうです。」
銃を撃つ為の体力が、削られてしまってはいけませんからね。とエレクメトールは一人頷く。
「しかし……この状態の私を、果たして易々と吸い込めるんですかね?ふふっ」
自分を飲み込もうとしておろおろしたり、顎が外れたりして四苦八苦しているアンコウの姿を思い浮かべて、少し楽しくなったエレクメトールは、そのまま店を出て転送された。
ぽてっ
転送された先は、道のど真ん中。
四方からアスファルトの照り返しが、真上からは日光が白く襲い来る。
きょろきょろ、アングラーフィッシュ・レイダースを探す。
しかし見つからない。
「ふーむ、何処に居るのでしょう?」
よいしょ、よいしょ、と十二単を引きずり歩くエレクメトール。
「……これすっごい邪魔ですね?」
邪魔でしょうとも。
「まったく、はやく見つけて欲しいものです。気が利かないですね。」
アンコウに対する期待が高すぎである。
虹色の飴を口に入れ、ずりずりと移動する十二単。大きな道路にも人影は無く、異様な太陽だけが輝いている。
熱で覆われた街。コンクリートのジャングル。ある意味異界だ。
そんな場所からひょっこりと、陸上魚類が現れた。
オブリビオンだ!
「……」
「……」
目が合うアンコウとエレクメトール。
「……!?」
十二単にアンコウもまさかの二度見である。
え!?このクソ暑いのに!?十二単!?正気!?そんな言葉が聞こえてきそうな三度見。
「……」
「……」
しばしの沈黙。
エレクメトールがぽつりとつぶやいた。
「イヤー、熱いデスネー……」
完全なる棒読み。
だがしかしアンコウに人の感情は分からない。
お前やっぱり暑いんじゃないかとおろつくアンコウ。どうすれば良いのかと十二単の周囲をカバディ感覚でうろつく。
「もうこれはー、ボスの所に連れてってもらうしかないですねー」
はっそうか!ボスの所に連れて行けばいいのか!アンコウは思った。
んぱっと口を開けるアンコウ。
しかし、どこから吸い込めばいいのか分からないアンコウ。
頭から飲み込めばいいのか?それとも引きずっている布から吸い込むべきなのか?アンコウは困惑している。
最終的に、アンコウは口をかぱぁと開けて、エレクメトールを手招きした。思ったより開いた口の奥は、なんか居心地良さそうな空間の気配がある。
「お?話の分かるアンコウですね。それではお邪魔させて頂きますよ~」
よいしょ、と頭を突っ込んでその中に入るエレクメトール。
ごろん、と転がり入った先で、彼女が十二単を脱いだのか?
それはまたの機会に。
成功
🔵🔵🔴
雨宮・冬華
厚着に引き寄せられる、ですって?
これは私がいくしかないのでは?ないのでは??
鯉さんあらためひよこさんのお役に経つためなら、服の一着や二着惜しくはない!
というわけで探索開始なのですなのです。
幸い厚着(古代王族の礼装並み)で寒暖に強く汗はかかないからたぶん見苦しくないのです。
さぁいざいざかかってこい!
ってアンコウですか?アンキモがお酒のあてにいいと聞く。酒飲みの家族の土産もばっちり、ですね!
とりあえずわざと捕まってみるのですよ。
きゃーだれかーたすけてー(とてつもない棒読み)
セリオス・アリス
アドリブ大歓迎
格好お任せ
なんだこの暑さ…正気じゃねえだろ
いっぱい着込めば『誘惑』できるんじゃねえかとか思ってたけど
涼しい印象(主観)のあるダークセイヴァー出身にはキツ…
暑さにダウンしかけつつも頑張って探す
探す…?探してもらうのを待つ
漸く現れたか…って
…え?あれに?
めちゃくちゃ歯とかあるけどあれに丸呑みされろって?
いや待て、もしかしたら手で拐っていく可能性も…
ねえな!!!
…うーん、やっぱ一回なぐって殺して、別のヤツの後をつけた方がいいだろ
うんうんそうしよう
拳に『全力』の魔力を乗せて準備万端
一撃で葬ってやる―!
殴りかかったところで催眠され(たい)
即墜ち2コマ
●38度はやばいって。
「なんだこの暑さ……正気じゃねえだろ……」
だらだらと汗を流しながら、セリオスは額を拭う。
その横で、しっかり着込みながらも汗一つ落としていない冬華が、高く両の拳を上げている。
「鯉あらためひよこさんのため、暑さも服も惜しくはないのです!というわけで探索開始なのですなのです!」
てりゃー!と気合を入れながらアンコウを探す冬華。
「俺も着込んで誘惑しようと思ったんだが……俺の住んでたダークセイヴァーじゃ、こんな暑さ無かったぞ……」
元気にばたばたと走り回る冬華に負けじと、ふらふらしながらもアンコウを探すセリオス。
探すっていうか、ちょっと木陰に入って座ってる。
いや無理だって。これ人間が活動してて良い暑さじゃないって……。
「あ!居ました!アンコウさんです!」
冬華が示した場所には、確かにアンコウもといアングラーフィッシュ・レイダースの姿があった。
「……!漸く現れたか!」
立ち上がるセリオス。あとはあれに丸呑みされて連れて行って貰えば……
え?うっそあれに??
「めちゃくちゃ歯とかあるけど??」
「きっと優しく丸呑みしてくれます!」
「その自信どこから来るんだ!?いやまて、もしかしたら手で連れて行く可能性も……」
二人に近付きながらパカァと口を開けるアンコウ。
「ねえな!!!!ねえわ!!口一択だわ!!」
「虫歯の無いお口です!」
「おう!良い事だな!!でも今それまじまじ見てるタイミングじゃねえから!」
どうするかと考えるセリオス。
一度殴って殺して、別のアンコウの後をつけて山まで行ったほうがいいのではないか。そう結論を出す。
うんうん、そうしよう。あの口はやばい。
ふと横を見ると、冬華が居ない。あれ!?あいつどこ行った!?
アンコウの方を見れば、てこてこと楽しそうに近付いて行く冬華の姿がそこにあった。
あっさり手を掴まれる冬華。
「きゃーだれかーたすけてーですー」
「棒読みぃ!!」
あれ絶対遊んでるだろ!
「まぁ良い!やる事は変わらねえ!」
拳に全力の魔力を乗せ、走り出す。
「喰らえ!一撃で葬ってやる!」
星球撃をアンコウの頭に叩き込もうとしたその時
ペカー
お洒落チョウチンが光った。
『二人とも……喉とか……渇いてませんか……』
「こ、こいつ、脳内に直接
……!?」
「おぉーー器用なアンコウさんです!」
『日差しが……辛くはありませんか……』
「くっ、正直つらい……!」
「焼けちゃいそうですね。危ないです。」
『服とか……要らないと、思いませんか……?』
「えっ……?」
「ほう」
『服とか……要らないですよね……』
「いや、服は要るだろ……?」
「むむぅー」
『服を着てると、暑いですよ……?とりあえず、一度中に入って、涼んで行って下さい。水分補給も出来ますよ。』
パカッと口を開けるアンコウ。
「えぇ……おじゃまします……」
「おじゃましまーす!」
洗脳によってなのか、あっさりと中へ入って行く二人。
そうして二人を回収して、アンコウは歩き出した。
目指すは山。その奥に居る、王冠携えた鹿の元。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
明智・珠稀
ふ、ふふ。普段は脱ぎたい派の私ではありますが、
これも任務遂行のため。着こみましょう…!!
(【変装】【早着替え】にて愛らしい兎の着ぐるみを着こみ←詳細お任せ)
さぁ、アンコウさん!
愛らしいうさぎちゃんがここにおりますよ、ほうらほうら、
追いかけてごらんなさぁい、ふふ!
暑さに関しましてもご安心ください。
私、責め苦は大好きです、ふふ…!
…と、良い子がマネしてはなりませんので
スポーツドリンク持参し着ぐるみに仕込ませていただきますね。ふふ!
しかし、アンコウさんにぱっくんされてしまうとは…!
考えただけでもゾクソクしてしまいます、ふ、ふふ…!!
さぁ、私を寝床に連れてって★(恍惚)
※アドリブ、絡み&ネタ大歓迎♡
●よい子は真似しちゃダメだぞぉ!
「普段は脱ぎたい派の私ではありますが、これも忍務遂行のため。着込みましょうとも
……!!」
バッ シュババババ 変装と早着替えの特技を活かし、ピンクでもこもこなうさちゃん着ぐるみを着込んだ明智。大きなリボンが愛らしい。
流石の姿に、ひよこも一瞬、送るのを躊躇った。流石に送ってすぐ倒れるのではないかと心配したのだ。
しかし、明智もといもこふわうさちゃんは、そんなひよこの頭を撫でる。
「ふふ、大丈夫ですよ。忍務遂行を約束します♡」
そう、このうさちゃん、中にはしっかりスポーツドリンクが設置されているのだ。熱中症対策までばっちりな素晴らしい変態。えらい。
ひよこは頷いて、明智もといもこふわうさちゃんを38度の炎天下へと叩き込むのだった。
「んん~~~~~あついですね~~~~💛」
そりゃそうだろう。なにせ外気温38度、太陽の熱はそれを越え、アスファルトでは目玉焼きが出来上がる。
だくだくと湧き出る汗が、その暑さを物語っている。もこふわうさちゃんの中は、まるでサウナだ。
明智はスポドリを一口飲んで、アンコウを探す。しかし、これでは見つかるのに時間が掛かってしまうかもしれない。
「私としては、この責めも好きなのですが……でもせっかくですから、元気なうちに、アンコウさんにぱっくん♡されたくもあります……!ということで、ちょっと大きくなりましょう!ふふ、健全な意味ですよ?」
何処かへとウィンクを飛ばしながら注釈を入れ、ユーベルコードを使用する明智。
そして現れる
デデーン
4m近いもこふわうさちゃん。
あっっっっつ。うそでしょ。誰がどう見たって暑い。狂気か。
ずんずんと移動する4m近いもこふわうさちゃん。プリティなお尻と丸い尻尾が魅力的。
「さぁ、アンコウさん!愛らしいうさぎちゃんがここにおりますよ!」
バッと手を広げ、ウェルカムポーズを取る明智もといもこふわうさちゃん!
そして気が付くアンコウ!えっ、なにあいつやばくね!?熱中症確定じゃん!アンコウはそんな事を思ったかもしれない。
「ほうらほうら、追いかけてごらんなさぁい、ふふ!」
ダッと走り出すもこふわうさちゃん。追いかけるアンコウ。
いつの間にか海辺へ来ていた二匹は、砂浜をキャッキャウフフ(幻聴)と駆ける。
5分ぐらいその光景が続いた後、さしもの変態も暑さと呼吸の難しさに息が切れた。
ぜぇはぁと肩で息をする変態もといもこふわうさちゃんに、なんとか追い付くアンコウ。
「ふぅ、はぁ、んふぅ、ぱっくんですか?ぱっくんですね?考えただけでもゾクゾクしてしまいます、ふ、ふふ
……!!」
自分を抱きしめるポーズのもこふわうさちゃんは、おろおろするアンコウにむしろ詰め寄った。
「さぁ、さぁ!私を寝床に連れてって★」
よいしょぉ💛もこふわうさちゃんは自らアンコウの口の中へと入って行った!
しゅぽん!
アンコウはしばし呆然とした後、冷えピタシートを口の中へと放り込み、とりあえず山の方へと向かうのだった。
成功
🔵🔵🔴
ジェイクス・ライアー
………珍しく、まともそうな依頼ではないか。
ん?なんだひよこ。近寄って来るな。
待て、まだ行くとは言ってな、
(問答無用の転送)
【紳士 on ザ ビーチ】
ことこの場において、私の格好は些か浮いてしまうようだな。とはいえ…着崩すような無様な真似はしないが。
紳士たるもの、この程度の暑さで弱音を吐くなど言語道断。……が、言葉にはしないが、暑いものは暑い。
表面上は涼しい顔を装い、目的の敵を探そう。
発見したならば、気配を消し[忍び足]で後を追う。
いくらまともそうだとはいえ、奴の持ってきた依頼で痛い目を見ないときはなかった。
……仲間すらも信用してはならない。気を引き締めていくぞ。
(アドリブ◎もう好きにして)
●このスーツは夏用じゃない。
この畜生の依頼では、珍しく看板を読んでいる紳士は思った。
「……珍しく、まともそうな依頼ではないか。」
意外だった。過去二回、頭の悪い依頼しかなかったこの畜生の依頼で、ここまでまともそうな依頼が出ている事が意外だった。
だがよく考えて欲しい。この畜生の依頼、出だしの看板だけはやたらとシリアス面をする。つまり今回も……いや、全開の依頼看板とか一切読んでないけど。
「……他の依頼にいくべきだろうな。」
何も好き好んで畜生に殺意を抱きたくはない。っていうかなんで殺意を沸かさなきゃいけないんだ畜生に。
そんな事を考えていたら、ひよこがいつの間にかとてとてと横に近寄って来た。
「ん?なんだひよこ。近寄って来るな。」
ぴよ!転送を開始します。
「待て、まだ行くとは言ってな」
転送されました。
後に残った彼のカバンは、ひよこがお店の中へと引っ張って保管する事としました。後で取りに来てもらいましょう。
シャイン オン ザ ビーチ
キラキラと真夏(春です。)の太陽が降り注ぐビーチに、紳士は居た。
スーツ姿のままで居た。
「あの野郎……なんでわざわざビーチにした
……!?」
街中とかあっただろうと思うが、畜生に文句を言っても仕方ない。
多分何も考えてない。
向こうの方でもこふわな兎とアンコウが何かしているのを見かけた。
……見かけてしまったものは仕方ない。あのアンコウの後を追おう。
普段の様に済ました顔で、紳士は静かにアングラーフィッシュ・レイダースの後を追う。
紳士の周囲のみ、まるで気温が下がっているかの様な、平然とした姿で。
着崩さぬスーツは、紳士としての覚悟だ。
無様を晒しはしないという、意地だ。
まぁ、暑いんだけども。
「……いくらまともそうだったとは言え、奴の持ってきた依頼で痛い目を見ない時は無かった。」
さっきも明らかに冬な姿の着ぐるみを飲み込んでた気がするしこのアンコウ。
仲間か。さっきのは仲間なのか?
「……仲間すらも信用してはならない。気を引き締めていくぞ。」
紳士は静かに己に言い聞かせ、アンコウの後を追う。
山の中へと入れば、そこは随分と涼しい。
木々が密集し、強い日差しが葉により緩和されているのだろう。
僅か浮いていた額の汗を拭い、紳士はさらに奥へと向かうアンコウを見失わない様進むのだった。
成功
🔵🔵🔴
ノア・コーウェン
えーと…?とりあえず厚着をして…囮になっておびき寄せて連れて行って貰えばいいっていう事ですよね…?
…僕暑いのあまり得意じゃないので厚着はあまり持ってないんですよね…。お腹出てますけど長袖ですし誤魔化されませんか…?ダメですか…。
大人しく着替えていきます…。
……あつい…暑いです……とろけそうです……。
こんな…厚着で…あつい気温で…戦うとか…無理じゃないです…?
動くことすら……ままならない…です…。
服…服脱いじゃダメですか…でも連れてってもらわないと……。
あついです……。つらいです……。
(服装はご自由に設定してください)
(アドリブ等歓迎)
多々羅・赤銅
なにそれ、地球温暖化オブリビオン?そりゃダメだわ今ですらクソ暑い夏が罪を犯さずして焦熱地獄だわ。生き地獄とか勘 マジ勘弁。
お前も黒いし暑いの嫌だよなひよこ〜。お天道様に涼しくしてくれって頼んで来っからな〜。
_
あっっっっっっつ(即上着を脱ぎ捨てる)
は????舐めてんのかこちとらまだ四月の春うららよ染井吉野も萎れるわ。
なあなあアンコウちょいと山まで案内してくんね?山なら避暑地だろ頼むよぉ、チータラやるから。
いやマジで暑い。タクシー呼ぼうぜアンコウ。や、なんか他見てるとお前が飲み込んでくれるみたいだけど!お前も暑いだろ!?ヨシ!!
〜アンコウに道案内してもらいながら冷房の効いた車内で快適な旅〜
〜平和〜
●もこもこなので、脱いでも恥ずかしくないんです。
ノアは看板を見上げていた。
「えーと……?とりあえず厚着をして、囮になっておびき寄せて連れて行って貰えばいいっていう事ですよね……?」
どうしよう。暑いのは得意じゃないから、厚着はあまり持っていない。
この服も一応長袖だから、誤魔化されたりしないだろうか?
……ダメだろうなぁ……。
ノアはそう自分で結論付けて、とぼとぼと店の中へと入って行った。
出て来たノアの姿は、ひよこだった。
黄色いひよこのパーカーは、嘴が日差し避けの役割を果たすフードになっている。
空気を含む丸袖は、ゆったりと腕を覆い丸い羽の様にも見える可愛らしい姿である。
見た目よりも涼しい素材で出来ているが、これならぱっと見暑そうである。
「よかった、これなら僕でも大丈夫そうです!」
ノアは元気一杯転送された。
「……あつい……暑いです……とろけそうです……」
ぐったりしていた。
「こんな……こんな気温で戦うとか……無理じゃないです……?」
フードを被る事で、首や頭の日差しを抑えているが、もこもこの毛皮は冬仕様だ。
熱をよく吸収し、逃がさない。
「動く事すら……ままならない、です……」
ふらりふらりとアンコウを探す。今車が来たら100%轢かれるだろう。
その近くに、キィッとタクシーが止まった。
「ノアじゃん!大丈夫か!?ほら乗った乗った!!」
その声は同じ団地に住む、赤銅の物だった。
「あれ……赤銅、さん……」
暑さの余り幻覚を見たかと首を傾げているノアを、ひょいと抱えてタクシーに乗せる赤銅。
何故か居るオブリビオン。
タクシーの中はがっつり冷えていてとても涼しい。
「ほらほら前開けなーー」
言いながらパーカーの前を開いてぱたぱたと冷たい空気を送り込む赤銅。
「……ありがとう、ございます……はっ!赤銅さんじゃないですか!」
冷気で正気が戻って来たノアは、驚いて座ったままちょっと跳び上がった。器用。
「ん?赤銅だぞ~!このアンコウがな、案内してくれっから!このまま涼しい車内でアジトまで行こうなー!」
なー!と肩を組む赤銅とアンコウ。
「えっ、仲良くなって……?え……?」
何してるんですか????と首を90度近く傾げるノアに、赤銅は話始めた。
「いやぁ、あれは地球温暖化オブリビオンマジ絶許と思い、ひよこと熱い約束を交わして飛ばされて来た直後だったんだけど……」
~転送後~
「あっっっっっっっっつ
!!!!」
上着を投げ捨てる赤銅。
作戦とは何だったのか。
「は????舐めてんのかこちらとらまだ四月の春うららだぞ染井吉野涸らす気か???」
そして目に入るアンコウ。
「おっ!なあなあ其処行くアンコウ!ちょいと山まで案内してくれよ!山なら避暑地だろ頼むよぉ、ほらチータラやるから!」
な!とチータラをアンコウの口に突っ込みながら肩を組む赤銅。
アンコウは困惑した。
なんでいきなりチータラ突っ込まれたんだろう。
いやでもとりあえず暑いらしいし、山行きたいらしいし、じゃあ一応呑んでおこうかな。と思って口を開けるアンコウ。そこにまたチータラを突っ込む赤銅。チータラ美味しい。
「いやマジで暑いから、タクシー呼ぼうぜタクシー。お前も暑いだろ?ヨシ!」
何がヨシかは分からないまま、アンコウはタクシーに一緒に乗車することとなるのだった。
~回想終了~
「と言う事で、今こいつに案内して貰ってるんだわ。涼しいの嬉しいみたいで、私もこいつもご機嫌ハッピーよ。いやぁ近代科学様様だわー!」
アンコウのチョウチンは、ご機嫌にゆんゆんと揺れている。ハッピー。
「な、なるほど……そうでしたか……流石赤銅さんです。」
そういう敵の懐柔の仕方もあるのか、とノアは思ったかもしれない。
誰しもに真似出来る事では無いとしても。
「ま、そんな訳で一緒に行こうぜ?どーせ言い値で金は出るしさ!」
にしし、と笑って車内にあった団扇でノアに風を送る。
熱中症になりかけていた少年は、それが心地良くて、頷く。オブリビオンが一緒だけど、悪いやつでは無さそうだし、と目を閉じる。
着いた先はどうか、涼しい所でありますように。
アンコウは、あ、そこ右です。と催眠光線で語り掛けていた。
無害。
冷房の効いたタクシーは進む。
目指すは山。
行ける場所まで。
そこから先はアンコウが、呑んで進んでくれるでしょう。
平和な旅は、いましばらく続きます。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『緑の王』
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POW : 暴食
【決して満たされぬ飢餓 】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【辺り一帯を黒く煮え滾る消化液の泥沼】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 巡り
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【消化液 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : 慈悲深く
【激しい咆哮 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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その場所は、木々が豊かで、黒いオブリビオンが発生させている沼が気化熱の効果を発しているのか、周囲の気温が低い。
その池の真ん中で、王冠にも似た角を讃えたオブリビオンが、その顔を上げた。
「え……この暑い中、服を……?」
しかも集団でくそ暑そうな服を……?
嘘でしょ?王は宿敵イラストの顔で猟兵達を三度見した。
とある猟兵が訊ねた。
「この熱さはお前が起こしたのか?」
王はゆっくりと首を振る。
「……ただの、異常気象だ。」
ただの異常気象だった。
「……そもそも私は、暑いのは苦手だ。放っておけば死ぬ。」
えっ、この王儚い。
「……私が、死ぬ様な、暑さだ……弱い人間は、もっと簡単に、死んでしまう。服とか、着てたら、死んでしまうぞ……?」
王に在るのは、ただ善意だ。
暑さにうだる人々が、服を身に付けなければいけない理由は何か。
それは社会と言う人間のまとまりが、そうでなければならないからだ。
けれどそれは自然の姿ではない。
それに服は暑い。
この暑い中さらに暑い服を着ていては、死んでしまうだろ。
何故そんな非道な事を、社会は人に強要するのだろう。
ならば、と王は思った。
服など着ずとも良い場所が在れば、このクソ暑い中、服など纏わずとも良いのではないか、と。
王に在るのは、ただ、善意だ。
服は自然では無い。それは科学の進歩だ。
その歩みを否定するつもりは無い。
けれど
けれど、この暑い中、それに縛られるのは余りにも、悲しいじゃないか。
「……という訳だ。」
だからここでは、服を着なくて良い。王はゆっくりと頷いた。
「安心、しろ……皆、仲間だ。」
さぁ、この森の、この一角では、誰もが、自由だ。
いいね?
―――――――――
※attention※
このボスは特殊な仕様となっております!下記の事を読み、了承した上で、楽しくご参加頂けます様お願い申し上げます!
①人工物が確定で溶けますが、生きている物は溶けません。(溶ける物の例:服、鎧、アクセサリー等。溶かしたくない物だけプレイングに記載お願いします。)(キマイラ等の毛や羽は溶けません。生きている物の扱いとなります。)
②確定でボスの攻撃が当たります。(そして服が溶けます。)
③このボスはすごく強いギャグ時空の生き物なので、攻撃は効きません。でも勝手に死にます。
④以上の理不尽が勝手に適用されますので、御理解の上プレイングを送って頂けます様、お願い致します。
それでは!良い全裸を!!
あ!エッチなのは書けないんで健全ギャグです!よろしくお願いします!
―――――――――
※追記※
脱いだ服も最終的に溶けて無くなる予定なので、安心して全裸になってください。
あ、全裸の王とは交流出来ます。話の通じるオブリビオンです。
書くことねえなって人は、身体の在り方の詳細とか健全に書いておくと、MSがはしゃぐと思います。
寿・むべ
う~ん
気がついたら妙な沼に放り込まれてますね~
このままじゃ剣が溶けそうです~
おまけに敵は勝手に死ぬって話ですし~
…えいっ(刀を沼の外めがけて放り投げる)
一先ず相手の言い分はわかりました
ここは肯定しつつ、手を広げて優しく抱擁しましょう
よくわかりますよ~
こんなクソ熱くてどうしようもない気候の中、
制服やスーツを強要されるとか理不尽ですよね~
なんで水着で登校してはいけないのか、
私もずっと不思議でなりませんでした~
それはそれとして制服のデザインは好きなんですけどね~
え?抱きしめられると暑苦しい?
そうですね、暑苦しい方が早く死ぬかと思いまして
私は早く帰ってアイスを食べつつクーラーで涼みたいんです
疾く死ねい
●ボスの周囲は結構涼しい。
「う~ん、気が付いたら妙な池に放り込まれてますね~」
アングラーフィッシュ・レイダースの催眠から目覚めたむべは、黒い池の中で刀を上げて周囲を見渡していた。
「……このままじゃ刀が溶けそうです~。それは流石に困ります~」
えいっと池の外に刀を投げるむべ。
刀は溶けない未来が決定されました。
溶けていく服もそのままに、むべは両手を広げる。
「よくわかりますよ~」
それは肯定だった。
「こんなクソ熱くてどうしようもない気候の中、制服やスーツを強要されるとか理不尽ですよね~」
ずぶずぶと、じわじわと地面が溶けているらしい陥没地帯に、足を踏み入れて行く。
「なんで水着で登校してはいけないのか、私もずっと不思議でなりませんでした~」
社会の理不尽を嘆く言葉に、そうか、と王は静かに頷く。
「まぁ~、それはそれとして制服のデザインは好きなんですけどね~」
王の近くへと寄り添い、人、と呼んで良いのだろうか。人を残した部分へと抱擁を寄せる。
王は、ただ静かにその話を、頷きながら聞いている。
気化熱の真中に居るからか、王はひんやりと冷たかった。
「……あつ……」
人の体温あっつ。
とは言え外の気温は38度。正直人の肌の方が冷たいのだが。
「うんうん。暑いでしょう。そうでしょう。」
むべは頷く。
「暑い方が早く死ぬかと思いまして。」
普段の、何処か人形にも似た無垢な表情のまま、王を見上げるむべ。
「私は早く帰ってアイスを食べつつクーラーで涼みたいんです。疾く死ねい。」
淡々、子供の様にも達観した大人の様にも聞こえる音の変わらなさで、むべはハグの姿勢を崩さない。
王は、その様子を見ながら、そっと腕を伸ばした。
それは、その小さな体を抱きしめる為に。
「?」
抱擁を返されるとは思っていなかったむべは、しばしきょとんとする。
これは効かない攻撃だったのだろうか?
「……人の子は、熱いな……」
困った様な音が響く声は、確かに効いていると感じさせたかもしれない。
「……だが……あたたかい、な。」
僅か。殆ど変わらぬ表情に、嬉しさが混じっていたのを、少女が気が付いたかは分からない。
王と少女は、しばし無言で抱擁を交わす。
「これ、もしや埒が明かないやつでは?」
むべは気が付いた。
「……ああ。向こうに水がある……川遊びも、良い物だぞ……」
頷いて、少し離れた場所を指す王。アンコウと一般人もそっちに居るらしい。
なんだか釈然とした気持ちは治まらないが、むべはそちらに行く事にした。
無垢な身体を反射する光が隠す。
この後魚を釣って焼いて食べたりした。
ボス戦とは何だったのか。
成功
🔵🔵🔴
雨宮・冬華
…あのぅ。暑いのが異常気象で、暑いなら脱げばいいなら、水風呂とか滝行とかじゃダメなのかしら?水着を着てプールできゃっきゃするのも夏の予行練習にいいと思うの。アンコウさんのお口に飛び込むの、私は楽しかったけど多分普通の人はびっくりするのですよ。
ところで立派な角ですね。さわりたい(そわぁ)
※性格は幼女で人懐っこいですが無駄にボディバランスがいいため実際の身長より比較対象がないと20センチ近く大きく見えます
チャームポイントは背中と足。胸は大きすぎず小さすぎず
服が溶けたときの反応「んー?まぁ何とかなれ、なのです。なくしたものを悔やんでも仕方ない。いざとなったらきっとひよこさんが捨て身で隠してくれる!」
●それもきっと、傲慢なのだろう。
冬華は疑問に思った。
「暑いなら脱げばいいなら、水風呂とか滝行とかじゃだめなのです?」
きょとんと首を傾げながら、訊ねる。その間にも服は溶けていた。
「水着を着てプールできゃっきゃするのも、夏の予行演習にいいと思うの!」
近くにある川の音が耳に僅か入る。そうそう、あんな風に皆で楽しく遊んで、疲れたら帰ればいい。
「アンコウさんのお口に飛び込むの、私は楽しかったけど、多分普通の人はびっくりするのですよ?」
服は完全に溶けた。まぁ溶けてしまったものは仕方ない。冬華はそういう細かい事は気にしないのだ。
カメラワークが仕事をして、顔とか背中しか映さないから大丈夫。さらさらと風に靡く長い髪が、良い感じに肌色部分を隠しているのでより安心だ。
「……お前の言う事は、正しいと、思う……」
王は頷く。
けれど、と大きな角を揺らしながら首を横に振る。
「……それは……人が、自ら、休もうと思う時、だけの事だ……」
今は平日。
社会は今日も彼等を歯車として動かしている。
スーツを着て、制服を着て、そうでなければオカシイとでも言う様に。
このクソ暑い中、それでも人は、自分の身よりも社会性を優先するのだ。
「……死んでは、ダメだ……」
弱い者を守る為に立ちはだかって来た王は、静かに首を横に振る。
「……外部を、気にする必要が無い場所に……無理矢理連れてくれば……どうしようもないと……諦めれば……人は、それを、受け入れて……ようやく、休む……」
言葉だけで人は動かない。
心配だけではどうする事も出来ない。
少し遠い場所にある川から、楽しそうな声が聞こえる。
「……良い案だと、思うぞ……?」
王は首を傾け、それから頷いた。
自分の行動を改めるつもりは、無いのだ。
穏やかであろうとも、人の為を思っていようとも、その存在はオブリビオン。
決して、相容れる生き物では、無い。
「なるほど……ところで立派な角ですね?触りたいです。」
手を伸ばす144cmに、王は静かに角を差し出す。
きゃっきゃと触る幼女(幼女ではない)の全体図は、角が隠しているので見えない。セーフ。
「……むこうに、川が、ある。……お前も、遊んで来ると、良い。」
角に戯れる幼女(幼女ではない。)に、ゆっくりと話す王。
冬華は、はーいと元気に返事をして、満足したのならその場を後にする。
放っておいても死ぬ生き物を、ここでわざわざ殺す為に動くのは、だってなんだか野暮じゃあないか。
「会えて嬉しかったのですよ。名も知らぬ王様」
微笑む冬華に、王は静かに頷いて。
冬華は光が乱反射する水辺の方へと、長い髪を揺らしながら走って行くのだった。
成功
🔵🔵🔴
クロ・ネコノ
ただの異常気象なの…しかも戦う気ないよねこのオブリビオン、帰っていい?
ちょ、服が溶ける!いやいやいや、全裸はさすがに困るよ。
真の姿<真の姿は身長3分の1程のSDキャラ>に変身して…あ、駄目だこっちの服も溶けてる!
【黒玉変化】で高反発体のゴムボールになろう、いくらなんでも全裸で徘徊は不味いよ!
(本来は真っ黒のゴムボール、しかし服が無いせいか今は8割位肌色。でもどう見てもゴムボールだから!健全!)
あっ…このままだと動けない。
エレクメトール・ナザーリフ
銃が撃ちたいのでそこの全裸王は殺りますが
私、重要な事に気が付きました
十二単の格好だと銃が撃てないのでは?
と、とりあえず《幻影舞踏》で先程の店員さんを想像して脱がして貰います
……私の想像だから私が着付け出来ないと無理?
出来る訳ないでしょ
では諦めて下さい?
何の為に出てきたんだお前は!
チッ、役に立ちませんね!
こうなったら六単ぐらいまで溶かす方針で
それなら撃てるようになるでしょう
銃だけは溶かす訳にはいかないので絶対に死守
幻影は身を呈して防げよ!
フリじゃないからな!
全裸にされた場合はその場にいる全員【零距離射撃】で抹殺
もとい記憶を消去します
なかった事にすれば良いだけDeathシ根
おっとノイズが!ニシ死!
●すまない……全裸依頼ですまない……。
「……もしやこの服では銃が撃てないのでは?」
エレクメトールは気が付いた。
十二単はとても動きにくい。冷静になってもならなくても、ボスに接近など出来る筈が無いのである。
気が付いたので幻影舞踏で着付けをしてくれた店員さんを呼び出してみた。
だがしかしシャーマンズゴーストな店員さんはふるふると頭を横に振る。
その様はまるで『いやいやそんな。貴女の想像なので、貴女が出来ない事は出来る訳がないです。』とでも言っているかの様だった。
役に立たない!!!
「チッ、役に立ちませんね!もうこうなったら半分くらい溶かす方針で行きましょう。それなら撃てる様になるでしょう!」
撃たないと言う選択肢は無い。そもそも撃つ為に依頼に出ているのだ。そこの王だって零距離で撃つ。
絶対に。
いいか、絶対に、だ。
バキッと虹色のキャンディを噛み砕けば、空中庭園で宙を駆ける。
重さでよろめく足を、それでもユーベルコードは先へと送る。
王の咆哮が轟く。
黒い池が津波の様に周囲を襲う。
それは十二単を六単にしただけでなく、近くに居た猟兵にも被害を出していた。
「ちょ、服が溶ける!いやいやいや、全裸はさすがに困るよ!」
とばっちりで服が溶けた始めたネコノは慌てていた。
これは健全な依頼であった筈だ。ここで突然この魅惑ボディが晒されるのは危うい。年齢制限的に危うい。
「こうなったら真の姿に変身して……!」
ちまっとしたかわいらしい姿になるネコノ。
だがしかし肌色率は変わらない!!
「駄目だ!こっちの服も溶けてるー!」
尻尾が膨らむ。
「不味いよーーいくらなんでも全裸で徘徊は不味いよ!」
もうこうなったら!と黒玉変化でゴムボールへと変身するネコノ。
本来は真っ黒な高反発ゴムボールだが、今は肌色が8割とセクシーなゴムボールになっている。ふわ~ぉ??
だがいくらセクシーでもゴムボールなので問題無い。年齢制限なんて無いんだ。
ほっとしたのもつかの間、ネコノは気が付いた。
「あっ……このままだと動けない。」
ぽつん、と池のそばに転がるゴムボール。
これこの後どうしよう……と冷や汗をかきながら思案するのだった。
エレクメトールの接近を歓迎する様に、王が両腕を広げる。
何かの攻撃かとも思ったが、知るものか。その頭に一撃ぶち込むのだ。
重たい十二単は宙を舞い、やがて王の元へと至る。
王冠にも似た角が聳えるその頭を、躊躇無く撃ち抜こうとしたその時
王からの抱擁があった。
「んえっ!!?」
これにはエレクメトールもびっくりである。
びっくりだったが普通に銃は撃った。ズドン。
王の頭が傾ぐ。やったか!
だがしかし、腕の力は抜けていない。
ぬいぐるみでも抱きしめるかの様な優しく、しかし有無を言わさぬ強さでもって、王はエレクメトールを抱きしめる。
「……良い、銃だ。」
感情が僅かのみ乗る音で、王は頷く。
じわじわと、服が溶けていく。
抵抗。ズドンと音が響く。
頭に空いた穴から、とぷとぷと黒い液体が零れる。
それは腕の中に納まっている、エレクメトールにも伝うだろう。
服が溶けていく。
「……あまり撃たれると……銃まで届いて、しまう……」
だから止めるんだ、と一言添えて、王は腕の中からエレクメトールを解放する。
十二単はすっかりその姿を消していた。
錯乱するエレクメトール!
そんなエレクメトールにぶん投げられ森をバインバインするネコノ!
ここに、猟兵同士の争いが!幕を!開けた!!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
雷陣・通
食われたと思ったら、何か凄いことになってた
って、うわあああああああ!
服が溶けた!
やっべえ、母ちゃんに怒られる!
どうしてくれるんだ王様!
あ、無理だよね
うん、分かった
とりあえず、このままだと黄金の輝きを出さないといけないから真の姿開放するね
『ライジングスタイル!』
都合よく電気の効果がカバーしてくれるぜ!
これで大丈夫だ!!
ところでさ……俺達、全裸なのに都合よく動物的処理されたり、骨になってて見えない王様ずるくね?
小学生としてそこはずるいと思うよ(股間を都合よく隠すイナズマ)
とりあえず、暑いんだけど飲物とかはない?
あ、ないんだ……じゃあ日向ぼっこ
(寝そべったところを逆光がカバー)
●太陽光だって逆光したい時ぐらいあります。
「う、うわああああああ!服が溶けた!!」
少年は慌てた。頭に過るのは羅刹のごとき母親の姿である。
「や、やべえ!母ちゃんに怒られる!どうしてくれるんだ王様!!」
ずびし、と王を指す通に、王はゆっくりと首を傾げて、すまない。とすまなくなさそうに謝った。
「あ、うん。そうだよね。無理だよね。」
物わかりが直感的に良い少年は分かった。
とりあえずこのままではどこのとは言わないが黄金の輝きがまろび出てしまう。躊躇無く真の姿を解放する。
レッツ『ライジングスタイル!』
紫電がその身体を覆う!
「都合よく電気が色々カバーしてくれるぜ!これで大丈夫だ!」
バチバチと爆ぜ覆う紫の光が、見えてはいけない場所をカバーしてくれる。
これならカメラアングルが過労死せずに済む。よかった。
「ところでさ……俺達は全裸なのに、都合よく動物的処理されたり、骨になってて見えない王様ずるくね?」
王は、ずるくない。としかしドヤ顔で首を横に振った。
「いや、ずるい。小学生としてそこはずるいと思うよ」
電気が爆ぜる。おおっと光で大事な場所が隠れている。圧倒的セーフ。
「……ずるくない……」
「いいやずるいね」
「……ずるくない」
「いやずるいって!」
王様はむすってした。てい、てい。襲い来る池の黒い水!
「うわ!実力行使か!王様さては大人気ないな!?」
ていていと黒い水を拳で殴り弾く通!
お互い一歩も引かないやりとり!
やがて水遊びを終えた二人は、握手を交わし、ここに友情が生まれた。
「とりあえず、暑いんだけど飲み物とかない?」
落ち着いて来た紫電が心もとなくなってきた時、アンコウが現れ、まろび出そうな黄金をその身で隠した。
その手にはスポドリ。
「お、そういえば胃の中?に有ったもんな。え?それ出せたんだ……」
アンコウは頷く。出し入れ自由です。
くぴくぴとスポドリを飲み、熱中症対策をする通。
「でも疲れたし、俺日向ぼっこでもするわ!じゃあな王様!」
尻を向け、水辺へと走って行く少年を、王は手を振って見送った。
平らな岩の上に水をかけ、その上にごろりと横になる少年。
その股間は、逆光により完璧な守りを見せていた。
成功
🔵🔵🔴
依世・凪波
アドリブ・絡み歓迎
羞恥ない子供脳
ひよこに言われた事を素直に実行
着替えて服と道具は置いてきた借り物
体型:発展途上な細身
足は逃げ足などで鍛えられそれなり
飛ぶ跳ねる等が可能な引き締まった足
腕は力弱めで細い
良く揺れるふさふさな狐尻尾
全体黒で先端のみ白、毛並みよし
■
うぅーあっつい!!もー脱ぎたいっ
言われる前から服を減らしたくてウズウズ
服着てたら死んじゃうって!?大変だ!脱がねーとダメなやつだ!
周り気にせず服を脱ぐ
ふわぁ~暑かったぁー
脱がない人を見かけたら
死んじゃう暑さだって!脱がねーとダメだってさ
俺手伝ってやろっか?心配げに同性へお節介
『早業』と【シーブズギャンビット】で加速
王の話って何か聞けるかなっ?
ノア・コーウェン
えぇ…?こんな暑い思いして…ただの…異常気象…なんです…?
その上…猟兵が来なくても…っていうことだったんです…?
…服を着てたら確かに死んでしまいますねこの暑さは…。
ただでさえ…ただでさえ僕は毛皮があるので暑いですし…。
しかもちょっと聞いてくださいよ…。僕、換毛期に入りたてでまだ全部夏毛に切り替わってないんですよ。何なら冬毛の割合の方が多いんですよ。
…えっなんですか服脱いでいいんですか。じゃあ脱ぎますね。服がもう暑くて暑くて…。
…えっあっ。服…溶け…えっ。…えっ?
(アドリブ歓迎)
(全裸になっていいって言われたので全裸になります)
(肉付きはそんなにない)
(ブツは大きめ)
(隠すとかしない)
●ふさふさにこの暑さは死ぬ。
ノアはぐったりしていた。
暑さでぐったりしていた。
いや、ここ涼しいんだけども、それでも30度は余裕であるわけで。
「えぇ……?こんな暑い思いして……ただの、異常気象……なんです……?」
暑さでぼんやりする頭で、ノアは王の話を反芻する。
「猟兵が来なくても……問題無かったんです……?」
まぁ、でも3日か4日くらいで戻る集団神隠しは頻発して数を増やしただろうから、猟兵が来る事に意味はあったのだ。
暑さで死ぬとは言え、いつ死ぬかまでは定かではない。
結局被害は出るのだ。いかに無害に見えたとしても。
えっ、ショック……という顔でよろめくノア。
その向こうでは、凪波が自分の服に手をかけていた。
「それはもういーとして!あっつい!!もー脱ぎたいっ!脱ぐっ!」
ばっ!凪波は脱いだ!
「ふわぁ~暑かったぁ~~」
まごうことなき全裸。カメラと股間の間を、木々の隙間から伸びた太陽光が遮っている。グッジョブ太陽光。
ふさふさの尻尾が、一糸纏わぬ状態を歓喜する様にぱったぱったと揺れている。やはり服はよくないのだ。特に暑い時は。
「ほら、脱がねーと死んじゃうってさ!っていうか死にそうだな!?大丈夫か?脱ぐの手伝ってやろうか?」
ぐったりしていくノアに心配そうに駆け寄る凪波。
「はわ……良いんですか?助かります……僕、今、換毛期入りたてで……まだ夏毛に切り替わって無いんですよ。なんなら冬毛の割合の方が多くて……」
暑さで再びぐったりしてきたノアは、凪波の助けを受けて瞬速で服を脱いだ。
二人の服は、木陰へばさっと放り投げられる。
幼いイタチの身体に立派な光が、差し込む。丁度木々の穴が多い場所だった様だ。危ねぇ。
「折角だから、王の話を聞きたいんだけど、何聞けばいいんだろうな。」
凪波はむぅ、と悩んだ。
「うーん……こうしようと思ったきっかけでも聞きます?」
「おっ、じゃあそうしよう!おーい、王様ー!」
手を振りながら、ざっぷっぷと黒い池に入って行く凪波。そして付いて行くノア。
黒い池はぬるい。
自分達の毛も溶けるかと思ったが、どうやら直接生えている毛は溶けないらしい。
「って事で、きっかけは?」
首を傾げる二匹に、うん。と頷いて王は話始めた。
「……その日……私は、アンコウに頼んで……冷たい物を買って来て貰った。」
だって暑かったから。
「……その時、アンコウは街で、倒れている男を……見つけたと言っていた……」
その男の姿はスーツだったらしい。
「……アンコウの介護で、目を覚ました男は……会社に、行かなければと……そのまま消えた、と言う……」
ちら、とアングラーフィッシュ・レイダースの方を見る。
彼等は今も、熱中症らしい人間は居ないかと、スポドリ片手に徘徊している。
「……休んでしまえば、良かったのにな……」
その後、大きな音と共に、白い車が走って行ったのだと、アンコウは言う。
それが救急車だと気が付いたのは、話を聞いた王だけだったが。
「……男が無事なのか、私は、知らない。だが……同じ過ちを犯していれば、どこかで誰かが死ぬ……それは、嫌だったんだ……せめて、私の手が、届く場所では……せめて。」
王は自分の手を見る。
そして、動かぬ足を。
「……まぁ……そんな、訳だ。」
納得しただろうか、と王は緩く首を傾げる。
ノアと凪波は、そうか、と頷いた。
ちなみに冬毛は溶けました。すっきり。心なしか、お肌や夏毛もつやつやです。
「……触っても、良いか……?」
手を伸ばす王。その手を跳ね除ける事は無く、二人はわしわしと撫でられる。思ったより力強い撫でだった。
「……うん。ありがとう……良い、手触りだった。」
しばらく撫でた後、王はそう言って、その声はほんの少し、嬉しそうな音だった。
さぁ、川へお行きと背中を押された全裸の二人は、元気に走り去って行く。
幼い二人には、この王の善悪は分からなかった。
でもとりあえずこの場で、自分達が殺す必要は無い訳で。
それなら涼しい水辺で遊ぶのも、悪く無いと思うのだ。
丁度お腹も空いて来た。魚でも釣れたらいいのだけれど。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ジェイクス・ライアー
なんだこれは。戦闘はどこだ。
ここに私が必要か?いや、必要ない。
帰る。私は帰る。
あ゛っ(回避)
やめろ(回避)
溶かすな!!!(回避!!!)
※オーダーメイドのスーツや武器が溶けて顔が死ぬ。半年待ったやつとかもあったのに。こいつ殺す。
※すっぽんぽんがなんだ。全裸ごときで無様に動きを鈍らせると思ったか。
※普通に攻撃する。
※全年齢への紳士的配慮。カメラワークには気をつけていい感じの位置に足をあげるし木とか草とかも助けてくれるはず。えらい。
※羞恥心を感じることこそ恥。
※ただしひよこ。テメェは殺す。
●視線を遮る角とか、葉っぱとか、太陽とか、水飛沫とか。
周囲が全裸になっていく様に、ジェイクスは頭を押さえていた。
嫌な予感が毎度毎度斜め上に当たるのなんなんだ。ここに私が必要か?いや必要無い。
紳士はそう結論を出した。
帰る。こんな依頼に居られるか。私は先に帰るぞ!
人はそれをフラグと言う。
帰ろうとしている紳士に気が付いて、王が手を伸ばした。
「あ、待て……」
黒い水が宙へ浮かび、ジェイクスに向かって襲い来る。
「あ゛っ!?」
神速を活かし回避する。
しかし黒い水の追撃は迫る。
「やめろ!!」
再びの回避。宙を蹴り、華麗に空で体勢を立て直す。
踊っているかの様な優美さで、紳士は地へと戻り、バックステップで続く水を避けて行く。
「溶かそうとするな!!!」
傘に隠された散弾銃が火を噴くが、それは水に阻まれ王にまで届かない。
黒い池の中に溶けて消える弾丸に舌打ちをする。
「……お前……そんな……暑さで……死ぬぞ……?」
一方王は心底心配していた。
「そういう……趣味だとしても……命の危機は、よく無いと、思うぞ……?」
なにやら不名誉な言いがかりを受けている気がする。
「だからと言って服を溶かそうとするな!」
避け続けるジェイクスに、王はむぅという顔をしている。
そんな二人の前に唐突に現れる、黄金のアンコウ。
「!?」
回避の途中で現れた新たな敵影に、ジェイクスは距離を空ける為に神速の脚で駆ける。
しかし、黄金のアンコウは、それを上回る速度でもって、紳士の背後へと回った。
「なっ、私のスピードに付いて来た、だと
……!?」
驚愕する紳士に、黒い水がばっしゃあとかかる。
しゅーー 服は溶けた。
黄金のアンコウは、王に親指を立てると、私の仕事は終わりましたみたいなドヤ面でそのまま消えた。
紳士はしばし全裸で呆然とする。
アンコウごときに追い付かれたのもショックだし、服が溶けたショックが大き過ぎた。
だが、まぁ、溶けてしまったものは仕方ない。
紳士は一つ溜息を付き、王の方を向く。
よし、殺そう。
覚悟を決めた紳士は、瞬きの間に王へと近接し
そしてここに、スタイリッシュすっぽんぽんバトルアクションが派手に開始されたのだった。
あと、ひよこは多分後で殺される。
成功
🔵🔵🔴
杜鬼・クロウ
【黒】
アドリブ◎
ピアスは守る
何故俺はこの依頼を受けたのか(ノースリーブに着替え後悔
セリオスと邂逅
ハ?コイツ何で全裸?正気かよ
暑さで頭イかれたか
テメェはよ…また俺に喧嘩売る気か(第六感で脱衣回避し恫喝
言って分からねェアホには痛い目見せねェとなァ(指鳴らし先制攻撃と言う名のツッコミ
全裸の王は放置
役目終えて勝手に死ねや!
【トリニティ・エンハンス】使用
防御力重視
心理戦絡む攻防戦開始
負けられねェ闘い
ボスの味方してンじゃねェよ!(八つ当たり
全力で殴ると見せて髪掴んで組み敷く
前隠せや前!!見せンなクソ!
クールビズ?俺は既にCOOLだろ!
おま、それウン万した…
鍛えられた細マッチョ
赤の勝負ボクサーパンツ
派手な柄
セリオス・アリス
【黒】
アドリブ◎
…なるほど脱ぐか
納得顔で脱衣しクロウと遭遇
…アイツ何てカッコしてんだ?
不審者を見る顔でクロウを見つめ
いや、お前が正気かよ
普通に近づいて普通に脱がそうと
おい、何で避けるんだ暑いだろうが!
クロウのツッコミ(物理)を見切り回避
…この暑さで頭沸いたか?
憐れみの目
あんま動くと全裸でも暑いな
お前も暑いだろすぐ楽にしてやる
とりあえず動くから脱がせねえんだ
殴って動きをとめよう
全力で殴りかかる
死ねとか可愛そうだろ!
無駄に王の味方し
手が止められたら足で咄嗟の一撃
いやお前普通にアツイだろ
クロウの服を強化した力で全部左右に引き裂く!
◆
notマッチョ
男らしさがあると同時に女性的な美をも孕んでいる
腰に呪痕
●身体の描写ほとんどしてなくてごめんな。
セリオスは頷いた。
「なるほど。脱ぐか」
そこに躊躇は無かった。そして全裸が在った。
生まれたままの本来の姿を曝け出しながら、セリオスはふと、クロウの姿を見つけた。
「……アイツ何てカッコしてんだ?」
正気か?みたいな顔でクロウを見るセリオス。
一方、衣服を身に纏っているクロウはクロウで、セリオスを狂人を見る目でガン見していた。
「ハ?何で全裸?正気かよ……暑さで頭イかれたか?」
この場以外であれば、ごもっともが過ぎる言葉である。
「いや、お前が正気かよ」
そんなクロウに近付き、セリオスは手を伸ばす。
そして普通に脱がそうとする。
「ハ?テメェはよ……また俺に喧嘩売る気か!」
その手を第六感で回避し、恫喝するクロウ。
しかしセリオスも負けてはいない。
「おい、何で避けるんだ暑いだろうが!」
「チッ、言ってわからねェ全裸には痛い目見せねェとダメか!」
バキキッ 指を鳴らしたかと思えば、そのまま殴りかかるクロウ。
そのツッコミを見切り、回避するセリオスは憐みの表情を向ける。
「……この暑さで頭沸いたか?」
「あァ?頭沸いてんのはテメェだろうが」
再びの攻防。一進一退の拳同士の音が響き、汗が開放的な肌の上へと落ちる。
「流石に、あんま動くと全裸でも暑いな……お前も暑いだろ。すぐ楽にしてやる」
「本当に、何故俺はこの依頼を受けたんだ……!それはともかく、やれるモンならやってみろや!」
話を聞かないセリオス。喧嘩に熱中するクロウ。
全裸の王はおろおろしている。
「大体なんでそんなに脱ぐのを嫌がるんだ。そんなに自信が無いのか」
「テメェより有るわ、フザケんなよ?」
方やトリニティ・エンハンスで防御力を上げるクロウ。透明な水がクロウの周囲を包み、セリオスの手を阻む。
一方相手の動きを止める為に全力で殴る事を決めたセリオスは、青星の盟約(オース・オブ・ディーヴァ)を使用する為に歌う。
王はおろおろしながら、とりあえず暑そうだからと黒い水を投げた。
しかしクロウのトリニティ・エンハンスに阻まれる。
「テメェは役目終えて勝手に死ねや!」
王ショック。
「お前!死ねとかかわいそうだろ!星に願い、鳥は囀ずる。――さあ歌声に応えろ、力を貸せ!」
攻撃力を上げた拳が、水を弾き飛ばしクロウを襲う。
「ハッ、テメェの拳はそんなもんかよ!」
全力で殴る!と見せかけ、セリオスの長い髪を掴み、バランスを崩した身体を組み敷こうとするクロウ。しかし身軽になっていたセリオスが、咄嗟にクロウを蹴る事で、距離を空ける。
脚を使う大きなアクションだったが、突然の鳥さんがふわ~ぉ♡を回避した。
「テメェ!!前隠せ前!見せンなクソ!」
だが目の前のクロウには見えていた。仕方ない。どんまい。
攻防はまだ続く。
しかし、分が悪いのは服を着ていたクロウの方だった。
服が汗を吸い、僅か重くなる。暑さが抜けず、体力を余分に消費する。
戦場では、そう言った要素もまた、隙を作る要因足り得るのだ。
「隙あり!!」
セリオスが鳩尾に、攻撃力を上げた一撃を叩き込む。
ぐっ、と息が押し出され、身動きが取れなくなったクロウを、セリオスが抑え込んだ。
「お前、普通にアツイんじゃねえか。無理するな。クールビズだクールビズ!」
「クールビズ?しゃらくせェ、俺は既にCOOLだろ!」
「うるせぇ!命より大事な服ってなんだよ!クールなんだろ!?反社会的ロックスタイルキメていけよ!!」
「なんで唐突にアホみたいな語彙が増えてんだよテメェ!!」
そしてクロウの服は、攻撃力強化された手によって左右に引き裂かれた。
哀れな布の切れ端が、宙を舞った。
ひらり ひらり
派手な赤いボクサーパンツも、その被害は免れなかった……。
「おま、その服ウン万した……」
「ふぅ、これで安心だな!」
いい笑顔で額の汗を拭うセリオス。
「上等だ!テメェ、続きだオラァ!!」
そして己の罪以外纏わぬ姿で、再度殴り合い始める二人。
「喧嘩は……喧嘩は……やめるんだ……」
王はおろおろしながら、それを見守る事しか出来ないのだった。
この後、王とは一切関係無く、森にちょっと穴が空いた。
猟兵って強い。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
明智・珠稀
ふふ、王様にそんな視線を投げかけていただけるなんて光栄ですね、ふふ…!(恍惚の着ぐるみ男)
おや、脱いでもいいのですか?ここは楽園ですかね違いますかね。
暑さに身悶えるも幸せですが、それを脱いだ際の解放感たるや…!
(変なポージングで攻撃&着ぐるみが溶けるのを待つ)
(全裸)
(ジャイアントも全裸のままで)
あぁ、パラダイス…!(恍惚で変なポージング)
(白くキメ細やかな肌はムダ毛の処理も徹底され。剣士らしくバランスよくついた筋肉と、プリっとしたもっちり尻)
しかしあれですね、王様の儚さは悲しみです。
私の全裸をぜひ目に焼き付けてください、お嫌ですかそうですか、ふふ!
※アドリブ、絡みネタ、シュール大歓迎♥️
●ゆっくり言うとちょっとセクシーだよね。
王に宿敵イラストの視線を貰った明智は、ゾクゾクしていた。
「ふふ、王様にそんな視線を投げかけていただけるなんて光栄ですね、ふふ……!」
なにせ彼は今もこふわうさちゃん。冷静に考えて三度見必須の姿である。
冬でも暑いでしょそれで全力疾走。
「おや、脱いでもいいのですか?」
周囲の人間は服が溶かされたり、脱いだりしている。
「んん~、ここは楽園ですかね違いますかね。」
もこふわうさちゃんは頬にもこもこな手を当ててくねくねしている。
「暑さに身悶えるのも幸せですが、それを脱いだ際の解放感たるや……!想像だけで息が切れてしまいます……!」
ハアハアする明智に、王は困った様子で掌を見せた。
「……それは……熱中症じゃ……」
「とぉう☆」
某少年誌の表紙さながらのポージングで、王様にアタックする明智!
黒い水が勢いよく当たる!
溶ける着ぐるみ。
現れるポージング全裸。
そして召喚されていた明智・ザ・ジャイアントもまた、召喚者のトレースにより全裸であった。
すごい肌色率。
今画面の7割が肌色。
「あぁ、パラダイス……!」
解放され恍惚のポージングを決める明智。無駄な筋肉の無い、細くも逞しく美しい足をスマートに上げて、そして降ろす。
アンコウが画面を全力疾走である。
「しかしあれですね、王様の儚さは悲しみです。」
こんなにもパラダイスな王様だからだろうか。そう言う明智の顔は、誠実だった。
「……ですが、どうしようもない事も、有るものです。」
目を伏せる。その顔も、姿も、芸術品の様に美しい。
まぁ全裸なんだけども。
「せめて私の全裸を、ぜひ目に焼き付けてください!」
そしてジャイアントと共にキュピィン☆とポージングを決める全裸。
王はそっと首を横に振った。
「あぁんっ、お嫌ですかそうですか、ふふ!」
だがしかし全裸は満更でもなさそうに、自分を抱きしめて悦に浸っていた。
……変態は、強いんだな……。王はそんな事を思ったかもしれない。
「……なぁ、変態……暑いのは、好きか……?」
私は嫌いだが、と王は首を傾げ、ゆっくりと訊ねる。
「んんっ!まさかの突然のご褒美……っ!ふふ……しかし、そうですね。案外、服の着苦しさも、内に籠る熱も、悪く無いモノですよ?」
熱とは、エネルギーだ。
そしてそれは、生きている証だ。
「王様も、ねっ ちゅぅ しょう♡ には、気をつけてくださいね?」
人差し指を唇に、そしてウィンクをひとつ。
王は、ん。と頷いて、ありがとう。とだけ残した。
「……だが……それはそれとして……お前は、汗がやばいから川へ行け……」
明智はアングラーフィッシュ・レイダースによって川へと連行された。
めでたしめでたし!!
大成功
🔵🔵🔵
花邨・八千代
なんでお前「名案だ」みたいなちょっとイイ顔してんの?
まるで名案じゃねーからな?
アレだぞ、パンがないならお菓子をっつーレベルの話だぞ?
ばかだなぁ、おまえ。
◆行動
まぁ溶けるなら仕方ねーな、アンコウ良い具合に隠せよお前。
そういやさっき買ったアイスまだあったよな、あったな(確定)
ま、どうせ死ぬんだろ王様。
一本くらい付き合えよ、死に水ならぬ死にアイスだ。
つめてーか?別にどっちでも良いんだけどよ。
ただの気まぐれだ、こんなの。
アイス食い終わるくらいまでは世間話に付き合え。
この暑さだ、そうかからねぇよ。
前から気になってんだけどその肋骨のとこ手ぇ突っ込んでみていい?
感覚とか内臓どーなってんの?やっぱどろどろ?
●青い空なら、どこまでも食えるんじゃないかと。
「なんでお前『名案だ』みたいなちょっとイイ顔してんの?まるで名案じゃねーからな?」
鬼は呆れていた。
「アレだぞ、パンが無いならお菓子をっつーレベルの話だぞ?」
それでも、この王は胸を張っている。
揺らぎはしない。
それがなんとも、なんでかは分からないけれど、心を締めて、鬼は柔らかく笑って溜息を吐いた。
「ばかだなぁ、おまえ。」
ちなみに現在全裸である。
「そういやさっき買ったアイス、まだあったよな?」
八千代は目の前でおろおろしているアンコウの口に手を突っ込んだ。おら出せ。まだあっただろ。おら。
「あったわ。」
あった。沢山買ってたから生き残ってた。
「ま、どうせ死ぬんだろ?一本くらい付き合えよ、死にアイスだ。」
ソーダ味のキャンディアイスを差し出して、鬼は肩を竦める。
カメラと八千代の間をアンコウがトレインしている。
「…………?」
ぐい、と押し付けられたアイスを受け取る王に、八千代は満足そうに頷いた。
包装を二人で開けて、ゴミは下に落とせば消える。
しゃく、と炎天下、木漏れ日の下で音がした。
「つめてーか?別にどっちでもいいんだけどよ」
その言葉に、王はしばし沈黙して、また一口アイスを齧る。
終わる事の無い空の色が、口へと消える。
「……つめたい。」
でも、なぜ?と言いたげに、王は緩く首を傾げた。
「はん……ただの気まぐれだ、こんなの。」
鬼は笑う。そうだ。ただの気まぐれだ。
でもなんでか、そうしたかった。珍しい事もあるもんだ。
何かしら、因縁でもあったんかね。ここじゃあまったく知らねぇけど。
「まぁ、アイス食い終わるくらいまでは、世間話に付き合え。」
どうせクソ暑い。そうかからずに、氷菓は消える。
友人の様に寄りかかって、自分のアイスを食いながら鬼は訊ねる。
「その肋骨のとこ手ぇ突っ込んでみていい?」
前から気になってたんだわ。とひとつ。言いながら返答を待たずに手を突っ込む。
躊躇と言う物が無い!!これには王も困惑である。
中は、ぬるい。けれど、熱い。炎を掴む様な感触が、けれど八千代の手を焼きはしない。温度としては39度。人体とほぼ変わらぬ熱さ。
けれどそこに固形は無い。
物がない。
虚無に近い場所をただ、ただ黒い炎が揺蕩う様に存在している。
だとすれば、この黒い水は、灰なのだろうか。
「感覚とかどーなってんだこれ?痛ぇのか?」
しゃくしゃくとアイスを食っている王の腹をまさぐるが、果ては見つからない。
「……痛くは、ない。」
違和感はちょっとだけある。
「……溶けて、ないか……?」
王の問いに、ずぽっと手を引っこ抜いて確認する八千代。
「無事だよ。鬼舐めんな?」
にししと笑う手は、先程と何も変わらない。
そうか。
よかった。
アイスを食べ終わるまで、もう少し。
下らない話でもしよう。
「その角もぎ取って良いか?」
「……たしかに、そろそろ生え変わるな……」
ヘラジカの角は春頃に生え変わるぞ!!
成功
🔵🔵🔴
多々羅・赤銅
暑いのお前のせいじゃないんかーい。
いやわかるぜ
暑いのは人も死ぬ
私らゆで卵になって死にたくねえ
暑いのは良くねえわ
ただそれはそれとして
私お前が何かしらんが許せねえから
お前が熱中症ゆで卵だオラァ
!!!!!
全裸が何だこちとらはだかんぼスキンシッパーだ あっ夜の話な!!!
動じぬ 我が身は炎にして刀 抜き身にして一層鋭利なる
難しい事書いたけど緑の王を見るとなんかしらんが怒りが湧き上がってきてたまらん事の表出なので「怒ってるんだな〜」くらいの気持ちで私のプレイングを読んでくれ
私も怒りたくなんてない(宿敵戦)
アンコウ
おい私とタクシードライブした仲だろ
やるぞ
私達は仲間だ
だめか!!!!私達は違う道を逝くぜ!!!!
●負
「暑いのお前のせいじゃないんかーい」
赤銅は緩く手を上げてツッコミを入れた。
ええ、お前のせいじゃないならこれひよこになんて言おう。っべーな、約束してたんだけどな~。と雑に頭の片隅で思いながら、赤銅は燻ぶる思いと共に脱ぎながら前へと踏み出した。
普通に脱いだ。フリースタイル。何も怖く無い。どうせ全員全裸だ。
「いやまぁな?わかるぜ。暑いのは人も死ぬ。私らゆで卵になるのは御免だ。暑いのはよくねぇわ。」
うん。暑いのはよくない。
ただそれはそれとして
「でも、私はお前がなんかしらんが赦せねえ」
負の感情のどれもが燻ぶり、どれもが痛い。
誰だ。誰が、こんな一面を、この空虚を、寂しさを、苦しさを、なんでだ。
涙が出そうだ。
あるいはもう、こぼれていたのかもしれない。
「って事でお前が熱中症ゆで卵だオラァ
!!!!!!」
しかし涙を綺麗に落とすには!!ここは余りにも全裸だった!!!
恥じる事など何もない状態で、殴りかかる赤銅!
「全裸が何だ!こちらとらはだかんぼスキンシッパーだコラ!!あ、夜の話しな!!!」
誰もそんな夜の事は聞いてないぞ!!!
動じぬ 我が身は 炎にして刀 抜き身にして一層鋭利なる
剣刃一閃。それは黒い水を割り、王の腹を大きく裂いた。
けれど、王は死なず、その腹は、傷は、回復していく。
ああ、それがまた、どうしようもなく、焦燥を駆り立てる。なんでだ。どうして。お前は、そうやって!
仁王立ちで王を睨む赤銅とカメラの間に、アンコウが割り入る。えらいぞアンコウ。
そんなアンコウに声をかける赤銅。
「アンコウ!おい!お前私とタクシードライブした仲だろ!」
はわわっ
「やるぞ、私達は仲間だ!」
はわわわわっ
アンコウは首を横に振った。
「だめか
!!!!!私達は違う道を逝くぜ
!!!!」
赤銅は王に向き直った!!!!
「お前、何一人で抱えてるみたいな顔してんだよ!そんで死ぬのが当たり前ですみたいな顔してんだよ!!違うだろ!」
だって、お前は一度、仲間が居る中で、一人になって、まるで私が弱いみたいに
「お前は、強いんだろ!ふざけんなよ!?」
なんで、寒そうなんだよ。こんな暑い場所で、こんなに人が居て、なんで、そんなに空っぽなんだよ。
「まぁ今は私の方が強いけどな
!!!!」
言いながら、赤銅は王に背を向け走った。
突然の敵前逃亡。
王は困惑した。
と、思ったら戻ってきた。なんか服を抱えている。
黒い水の上を駆け、飛沫が当たらぬ様に服を持ち、王に接敵した。
「これは私の分!!」
自分が着ていた服を、躊躇無く王にズポォ!!と着せる赤銅!
「これはアイツの分!!」
黄色いひよこパーカーが王を襲う!
「これはあの猟兵の分!!」
灰色と黒の服が王に被さる!
「そしてこれは!あの変態の分だ!!!」
もこふわうさちゃんがばっさぁと覆う!
あっっっっつ
「あっっっっつ……」
えっ、死ぬんだけど。みたいな顔をする王。
「どうだ!!暑いだろう!!私も持ってくる時死ぬかと思った
!!!!」
はーーーーっはっはっは!!高らかに笑う赤銅。
「あつ……あつい……死ぬ……くっ……これが……人のぬくもり……」
ぐらぐらと体が傾ぐ。
だがそんな中、王はふと微笑んだ。
「……ああ、もう、寂しくは無いか」
その言葉に回は無く、赤銅はただ、呪いを吐く。
「寝ろよ、もう。ろうそくの灯は、落ちたんだ。」
そうか。と王はうなずいて。
ばしゃりと黒い水へと落ちる。
閉じた目が満足そうだったのが、本当に赦せないけれど。
赤銅は、溜息ひとつ頭を掻いた。
「ったく、私だって怒りたくねぇよ。」
恨みは無い。あったかもしれない。
妬みは無い。あったかもしれないが。
嫉みは無い。あったとして、それは今の自分には、どうにでも出来る。
黒い水は消えていく。
「でもどうしたって……辛いもんは辛いさね。」
こうして、オブリビオンは退治され、アンコウも消え、熱い日差しは変わらないまま。
ただ全裸の猟兵と一般人だけが残された。
これ、こっからどうしようね???
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『謎解きゲームの時間』
|
POW : 実際に行動してみたり、第六感を駆使する
SPD : 手掛かりを素早く見つけ出す
WIZ : 提示された謎の内容を的確に導き出す
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
緑が美しい。
川の水は透き通り、魚が焼けて美味そうな匂いが漂っている。
木漏れ日はキラキラと眩しく、外は未だに熱い。
異様な肌色率。
生まれたままの姿で、猟兵達は頭を抱えた。
どうすんだよこれ。
―――――――――
※注意:これより先全員全裸です※
木漏れ日煌く山の中、皆様は「全裸だけどどうしよう?」という問題を解決して頂きます。
自力で戻る選択が出来ます。
その場合はどうやって戻るか、を明記して頂ければ大丈夫です。
他のグリモア猟兵を頼る事も、服を調達する事も出来ますが、どうやってやるか、は明記をお願い致します。
猟兵があるって言えば大概の物はあります。
ちなみにひよこは命の危機を感じたので森の中を逃げ回っています。
猟兵っていうか畜生なので仕方ないんです。
ひよこを掴まえてグリモアを起動させれば、荷物や服のある店の中へと転送されます。
ひよこは無力なので、確定で捕まえられますが、森の中を全裸で走り回る必要があります。がんばって
!!!!!
※再提出のお願い※
MSが遅筆の為、19日と20日にプレイングを提出して頂いた方は、執筆してリプレイをストックさせて頂いた状態で、再度のプレイング提出をお願いする事になるかと思います。
プレイングの締め切りは暫定24日とさせて頂きます。
何卒、よろしくお願い致します。
―――――――――
寿・むべ
いや~
実に熱い戦いでしたね~
いや展開的な意味ではなく物理的な意味です
最近のUDCアースの異常気象ちょっと酷いです
ともあれ事件もめでたく解決ですね~
それじゃ私は、夜になるまでここでボンヤリしてますか~
白昼堂々裸で公道を歩くつもりはありません~
このぬるま沼も慣れてみると存外快適ですしね~
帰り道を探す人は頑張ってください~
夜になったら私も手伝いますね~
あ、そうそう~
もし無事帰ることができたら、ひよこさんにこの伝言メモを渡しといてください~
『オイひよこテメェさっさとこの場の猟兵を回収しにこねーと何分割するまで生きてられるか耐久テストする羽目になるからなわかったら私がブチ切れる前にさっさと迎えに来』
●魚は多分、鮎の塩焼き。
王は消えたと他の猟兵から聞いて、川辺に居たむべは頷いた。
「いや~、実に熱い戦いでしたね~」
展開的な意味では無く、物理的な意味合いである。
最近のUDCアースの異常気象はどうなっているのか。解釈違いです。
「ともあれ、事件もめでたく解決ですね~」
よっこいせと川辺の岩に腰かけ、木に突き刺してある焼き魚を食べ始める。
きょとん、とする他の猟兵にぱたぱたと手を振るむべ。
「あ、お気になさらず~。私は、夜になるまでこの辺りでボンヤリしてようかと~」
白昼堂々自由過ぎる姿で公道を歩く気は無い。
「帰り道を探すのでしたら、がんばってください~」
あ、そうだ。と猟兵に紙を渡す。
「もしどこかでひよこさんを見つけたら、この伝言メモを渡してください~。よろしくお願いします~」
ぺこり、と頭をさげれば、猟兵は頷いてから森の奥へと入って行った。
ぱしゃぱしゃと水面に波を立てながら、空を見上げる。
夕暮れまではまだまだ時間があるだろう。
「……あれ?ひよこって文字読めるんですかね……?」
畜生なので……読めないですね……。
「チッ、折角書いたのに……」
ここまで使えない猟兵も居るのかレベルである。ひよこだから許して欲しい。
「やはり刻むしかないですね」
許されなかった。
ちなみにひよこはこの後、メモを渡された他の猟兵に捕獲され、連れて来られた。
メモに目を通した猟兵が、連れて来てくれたのだ。だってなんか呪いみたいな文言書いてあったから……。
ぴよぴよ。
そのひよこが何分割されたのか。分割したら1時間くらい戻らないから、もっかい魚釣って焼いて食べたりしたのか。
それは彼女と巻き込まれた猟兵にしか、わからない事なのだった。
ナイスフリースタイル。
成功
🔵🔵🔴
雨宮・冬華
ひーよーこーさーんー!お洋服あるところまでつれてってー!(大声で怖くないよー出てこないと食べるよーなどと叫びながら全裸で森の中を駆け回る野生児。おかしいこの子芸術品のはずなのに。芸術品なだけあってプロポーションはとても綺麗。色気は絶無)
裸にされてもあねぇがお洋服作ってくれるから気にしないけど町の中を歩くのはよくないのです。変質者で逮捕されてしまうのです。
ひーよーこーさーんー!どーこーだー!
あぁ、あんよが痛いですねぇ、靴がないからぎゃあぐえぇ!(ひよこさんに気をとられ過ぎて木の根に躓いて顔面からスライディング)
びぇぇぇぇん!びーよ"ーごーざーん
"!!!!!(助けなければいけないオーラ全開で泣く)
●外見16歳144cm。
「ひーよーこーさーん!」
どーこでーすかー!と大声でひよこを探す冬華。
自由過ぎる姿を咎める声は、ここには無い。
大きな声は怖くないよーアピールだったりするのだが、如何せんひよこはその大声から逃げる様に走っている。
畜生にとって、大声は怖い物なのだ。ぴよぴよ。
極めたフリースタイルで森の中を駆け回る元気一杯な冬華。野生児ももう少し布を纏っている気がする。
「出てこないとーー食べちゃいますよーー!」
よー よー よー と木霊する声。とこかでぴよっ!?と何かが聞こえた気がした。
「そこか!」
走る冬華。しかし追い求める姿は見つからない。
ひよこはどきどきしながら木陰で丸くなっている。ぷるぷる。
「ひーよーこーさーんー!どーこーだー!」
もー!と、かくれんぼで友達が見つからない子供の様に口を尖らせながら、森を進む。
「あぁ、あんよが痛いですねぇ……」
やがて、誰も居なくて心細くなってきたのか、そう言って可愛らしい眉を下げるヤドリガミ。芸術品が基であるその肌は白く、柔らかな銀細工に宿った身には、この森の葉はどれも痛い。
「しかし私は負けない!負けないのですよー!」
ひよこさーん!と声を上げ、ずんずこ進む幼女(幼女ではない。)は強い。
「でも痛いものは痛いのです!靴がないのは思ったよりふべっんぐぇうっ!」
ひよこを探し足元が疎かになっていた冬華は、木の根により思いっきり地面にファースト(多分そんな事ない)キスを奪われてしまった。
ズドッシャアと派手な音を立てて転んだ冬華。
沈黙。
「ひ、ひよ……」
突然の衝撃。
パニックの後、痛みと混乱が彼女を襲う。
ああ、助けを求めなければ。未だ日常では幼い頭は、本能的にそれを告ぐ。
警告音さながらに。
頭が真っ赤になる様だ。痛い、怖い、悲しい。かなしい。つらい。
「っふ、う、う”ぇえ゛ええ゛ぇ゛ぇ゛え゛えっ!!」
号泣。
芸術品とはなんだったのか!そんな濁音響く涙声で、助けを求めるサイレンは森に響く。
「ひ、びよっ、びよ゛ござぁあ゛ーーーん゛っ」
うえぇえええっ びえぇぇぇっ
いたいようかなしいようたすけてよう
ぐあんぎゃわんと声が響いて、隠れていたひよこは、恐る恐る樹から顔を覗かせた。
ひよこも、畜生だけれど猟兵だ。一応だけど、人の味方だ。
小さい子(言うほど小さくはない。)を泣かすのは、よくない事だと知っているのだ。
とて、ててて。ひよこ(1.5m)がばたばたと涙を流す冬華へと近付いていく。
ぴよ。やがて夜空の色が泣いている彼女の前へと現れる。
「! ひっ、びよっ!! ふぐっ、う゛っ づがま゛え゛まじだっ!!」
ぐわしっ!冬華はひよこを両手でがっしりホールドした。
身体が半分くらいもふもふに覆われる。あっつっ。
ぴよ。ひよこはもふっとした体を震わせて、彼女の怪我を回復させる。
ひよこは畜生だが、よく考えたらブラックタールだからユーベルコードも使えるのだ。
「う゛え゛ぇええ゛ええ゛っ゛ひよ゛ござんのばがぁーーー!」
ばかー!ばーか!と彼女の持つ最大限の罵倒でもって、ひよこを責める。あとついでに羽も抜こうとした。子供ってそういうとこあるよね。
けれどひよこは畜生なので、何を言われているのか分からない。
首を傾げて、とりあえずそのままもふもふする。羽毛ってあったかい。あっつ。羽を抜かれるのはめっちゃ拒否した。
やがて幼女(幼女ではない。)がぐしぐしと泣き止み落ち着くと、ひよこはグリモアを起動する。
最後にひよこをぎゅっと抱きしめる冬華に、ひよこはぴよ!と元気に鳴いて。
彼女はグリモアベースの、最初にあったコインロッカーのある服屋の中へと送られるのだった。
めでたし。
成功
🔵🔵🔴
ノア・コーウェン
事件も解決したみたいですし、そろそろ帰りましょうか…!
服溶けちゃいましたけど…まあでも別にあまり恥ずかしくないですし…。
このまま歩いて帰…あー…帰るためにはグリモア猟兵さんに送ってもらわないといけないんでしたね…。
じゃあ…ひよこさんに送ってもら…
え?ひよこさん逃げ回ってるんです?
見つけて捕まえないと他の人も多分困りますよね?
…よし!じゃあがんばって捕まえましょうか!
姿が見えさえすればあとは追いかけるだけになるんですが…。
でもまずは森の中を走り回ってでも探し出さないとですね!頑張ります!
(恥ずかしさは皆無)
(アドリブ歓迎)
(めちゃくちゃ走り回るし飛び回る)
(ブツは大きめ)
(隠すとかしない)
クロ・ネコノ
…これはどうしたものかな、さずがに全裸で歩き回るのはちょっと…、かといってゴムボールのままって訳にもいかないよね。
【黒玉変化】を解除して、【量産型呼び出し】で分身体を呼び出すよ。(真の姿のまま)
「さあ行け私(のコピー)、ひよこを探してくるんだ!」
さてあとは分身体に任せてまたゴムボールに…(分身体達に持っていかれる)
…こらこらこら、ちょっと!私で遊ぶな!
「「「サッカーしようぜ!」」」
こ、こいつ等私が戻るに戻れないからって、いいから真面目に探してよ!
(そのまま森の中を蹴り飛ばされて移動する事になり、結局自力で探すはめに)
雷陣・通
真の姿開放(ただ裸になっただけ)
とりあえずグリモアで帰るって言う手はあるんだけど、もし帰ったら不特定多数に俺達全裸陳列祭りになると思うんだ
で、提案なんだけど、葉っぱで隠さない?
みんながやらないなら俺一人でやるけど
(葉っぱ一枚で隠して)
ヤッター!
邪神が倒れたぞ(腰に両手を当てて、片膝を曲げて立つポーズ)
ヤッタヤッタ(ちからこぶをアピールして独特のステップで踊りだす)
とりあえずひよこ探してハッピーしようぜ!
みんな行こう!
(俺達の戦いはこれからだ!)
●先ずは一人
「あっ」
王の消えた気配に、耳をぴんっと尖らせるノア。
「……事件も解決したみたいですし、そろそろ帰らないとですね。」
川から上がり、ぴるぷるブルッシャアと身体を震わせ水を弾く。
「帰る為にはグリモア猟兵さんに送ってもらう必要があるんでしたね。えーっと、それならひよこさんに……ひよこさーん」
とてとてと王の居た場所へと戻ってきたノアが見たのは、あっちか!いや向こうだ!と何やら騒いでいる猟兵達の姿だった。
「どうしたんですかー?……え?ひよこさん逃げ回ってるんですか?」
事情を聞いて驚く。グリモア猟兵が逃げ回るなんて事態、そも無いから当然と言えば当然の反応である。
「えぇ……見つけて捕まえないと、他の人も多分困りますよね?」
川辺に居た黒髪の女の子が頭を過る。後であの子にも伝えておこう。情報の共有は、大切だ。
「……んっ、よし!じゃあ僕も頑張って捕まえます!」
大きな尻尾をふさふさと揺らしながら、ふんすっと両の拳を握るノア。
「先ずは森の中を探して……見つかりさえすればこちらのものです。動きはそこまで速くない筈ですので、捕獲はそこまで困難ではないと思います!」
先ずは川へ。
それから森の奥へと、ノアは気合充分、尻尾を揺らしながらずんずこ進んでいくのだった。
すれ違った猟兵の何人かは、ノアくんのノアくんを見て地味にショックを受けたりした図があったのだが、それについては詳しく触れないでおこう。お互いの為に。 お互いの為にな。
●そして二人目。からの沢山。
「これは……どうしたものかな……」
クロ・ネコノは困っていた。流石にギリシャ彫刻さながらの格好で歩くのはどうかと思って困っていた。かと言ってゴムボールのままと言う訳にもいかない。なにせ動けない。
「「「よーーーし!!!サッカーしようぜ
!!!!」」」
元気一杯!!ボールは友達ぃ!!!
「お、おまえら私が戻るに戻れないからってーー!!おわぁーーー!?」
とぉう!バインバイン なにおー!バインバイン くらえーローリングオーバーヘッド!いえーー!ナイッシュー!!
「ま、真面目に探せよぉーーーー!!のああぁああーーー!」
森の中を全力でサッカー場にする分身達。へいパース!ふっ、このザリガニバックステップ、奪える物なら奪ってみああーー!ボールー!甘いわ!へいへいキーパーびびってるー!
きゃっきゃと遊びまわる分身たちは、やがて一斉にこう言った。
「「「「あきた
!」」」」
飽きやがった! かいさーんかいさーんと解散していく自由の権化達に、ネコノはよろよろとゴムボールを解除する。
「け、結局こうなるのかよーーーー!うわーーん!もーーやけだよぉーーー!!どうにでもなれぇーーーっ」
此処が何処なのかもわからないまま、ネコノはひよこを探す為に自力で歩き始めた。
すーすーするよう。野生に戻るつもりは無いんだよう。
●集合
ネコノが少し歩けば、分身達の声がした。
「あ!お前らこんなところに居
……!?」
ガサガサと背の高い葉を掻き分け進んだ先!そこにはなんと!葉っぱを身に付けた分身達の姿が!
「なんで!?」
その疑問に答えたのは、真の姿(全裸)を解放した状態で、ミニサイズネコノ達に葉っぱを渡していた通だった。
「ん?いやぁ、このままだと全裸陳列祭りになりそうだから、葉っぱで隠そうと思って。」
ほい、ほい。っと一列に並んだネコノ達に葉っぱを一枚ずつ渡す通と、それをぺちっ!ぺちっ!と装着していくミニネコノ。
ミニでSDな感じじゃなかったら大変な図でした。
ずらっと葉っぱ一枚装着したネコノが並ぶ。笑うネコノ、ミニサイズ。
「や、やばいよ……これはやばいよ……!なんでこうギリギリな事しかしないんだ……!」
MSもどこまで書いた物か悩んではいる。
ガサガサと、再び草が揺れる。
「ぷはっ、ひよこさーーん、いますかーー?……へ?」
現れたノアは、目の前の光景に首を傾げた。
なんで皆葉っぱを?と疑問符を浮かべるノアに、通が葉っぱを渡す。
「お!とりあえずこれ着けろよ!そのままだとヤバイからさ!」
「え?!このままだとヤバイんですか!?」
と言うか葉っぱって身に着けられるものだったんですね!?そんな事を言いながらノアは葉っぱを股間に装着し……装着したんだけども……
「……これは……隠しきれて、ないな……?」
でけえ。
何がとは言わないが、でけえ。
通は考えた。このままでは葉っぱを着けた意味が無い。
そしてノアは首を傾げている。もふもふが、きゅ?と首を傾げている図はとても可愛らしい。可愛らしさから離れたものが葉っぱに隠れきれてない訳だけども。
通は悩む。このままではダメだ。しかし、これ以上大きな葉っぱは、難しい。どうすれば……父ちゃん……父ちゃんならこんな時、どうするんだ……?
イマジナリーダディの声は、応えた。
「なるほどな!!」
通は改めて葉っぱを手に取ると、ノアの隠れていない御立派様へとさらに重ねる。
そう。一人でダメな事は、二人で。
一枚でダメなら、二枚で隠せばいいのだ!
「流石だぜ父ちゃん……!これで俺達は、前に進める!」
握り拳で気合を入れ直す通。
これで準備は整った!
どこかから流れ出すメロディ。
ミニネコノ達が流す手拍子。さぁ始めよう!
「ヤッターーー!」
両手を上げたその声は、やまびこの様に響く。
ヤッタヤッタ!ヤッタヤッタ!
独特のステップで踊り出す、ミニネコノと通。
釣られて動きを真似し始めるノア。
困惑するネコノ(本体)。
「えっ、これ、私がオカシイの!?」
ヤッタ!ヤッタ!
「これ若い世代の子達絶対わかんないからね!!?」
ヤッタ!ヤッタ!
「もう知らない!知らないよ!?」
ヤッタ!ヤッタ!
「よし!とりあえずひよこ探して、皆でハッピーしようぜ!」
ヤッター!
「みんな行こう!」
いつの間にか暮れていた夕陽に向かって、走り出すプリケツ達。
――俺達の戦いは、これからだ!――
完!!
「完!じゃなくて!まって!ひよこ向こうで鳴いてる気配あったから!あった、聞いてないよーーー!!」
この後無事にひよこを捕獲して、三人でちゃんと戻りました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セリオス・アリス
【黒】
アドリブ◎
※好きにしてください
地形の変わった辺りを見て
意外と楽しかったからどうせならフル装備でもう一回やりあいてぇなぁ
その為にもさっさとひよこ探すか
またまた~変態とか言って最後はお前も楽しそうだったくせに~
つうかお前が抵抗しなきゃ服は破けなかったからな
と仁王立ちで言い放つ
【望みを叶える呪い歌】を歌い速度を上げて全裸で駆け回りひよこを探す
『第六感』を頼りに走り
気配があればクロウが隠れていても大きな声で教える
ひよこがグリモア起動してるとこを見て
…そういや俺もそれ(グリモア)出せるな
黒い鳥型のグリモアをクロウに見せる
…いってぇ!
避けきれず頭突きに頭を押さえて涙目
お前!馬鹿になったらどうすんだ!
杜鬼・クロウ
【黒】
アドリブ◎
常識の皮被った善良なツッコミヤクザです
一刻も早く帰りてェから一時休戦だ
ひよこ野郎…余計な手間増やしやがって(苛々
クソ、俺まで完全に露出狂のヘンタイじゃねェか在り得ねェ
コイツやっぱ正気じゃねェわ(ドン引き
だから前隠せ!
テメェは少し羞恥心と危機管理能力持てよ!ガキか!(恫喝・咄嗟の一撃でセーフ
イイから探すぞ!ついてこいや
山の中を第六感で捜索
ひよこの声や足跡を辿る(情報収集
人の気配感じたら身潜める
ひよこ捕獲後に衝撃の一言聞き硬直
ハ?なンでもっと早く思い出さねェンだよアホか!?
必死こいて探してたのも全部無駄足(気が遠く
これぐらいヤってもバチ当たらねェだろ(服屋で思い切りセリオスに頭突き
●全裸で寿命を削るの、どうなの???
森の中にとつじょぽっかりと空いた穴。その大きく太陽の光が降り注ぐ場所で、物理的に一皮むけた姿の二人が、立って居た。
「意外と楽しかったから、どうせならフル装備でもう一回やりあいてぇなぁ」
太陽眩い空を見上げながらセリオスは楽しそうに呟く。
「ああ、一刻も早く帰りてェから一時休戦だ。」
それに対し、クロウも頷きながら肯定を返す。
クロウに関しては戦闘とかより先ず服を着たいんだけども。
趣味趣向は違えど、とりあえず帰ろうと言う心は、ここに重なった。
「よーし、そうと決まればさっさとひよこ探すか」
おーいひよこ~とのんびりと声をかけながらその辺の木の影や、葉っぱをずらしてみたりする。
ひよこは居ない。
「ひよこ野郎……余計な手間増やしやがって……クソ、俺まで完全に露出狂のヘンタイじゃねェか在り得ねェ……」
イライラとした口調でそう言いながら、やや乱暴に森の中を探すクロウにセリオスはふむ?と首を傾げた。
「クロウは、裸を故意に見せて元気になる特殊な趣味があるのか?大変だな」
「あ゛!!?」
こいつ突然なに言い出しやがった!と明らかに喧嘩腰で声を返したクロウに、セリオスは真面目に語る。
「だって、露出狂なんだろう?露出狂の定義はそもそもそれで元気になるか、ならないかだ。もちろん、他の人間からの定義は異なるが、しかし現状だと誰もクロウを露出狂とは思わない筈だぞ?何せ脱げちまったもんは仕方ないし、ここはそういう場所だ。例えるなら、あれだ。銭湯で服着てる方がおかしいだろ?なのにわざわざ自分を露出狂と評価するなら、それ相応の心理的な理由が在る筈だ。つまり、クロウは元気になってしまうタイプ……ちがうか?」
「ちげえよ。なんで全裸に対してだけ突然理知的になってんだよ。怖すぎるだろ。」
突然の語りに正直ちょっと引いたクロウとの距離を縮め、セリオスは心配そうにその肩に手を乗せた。
「ちなみに、元気になってしまう人間は露出症という症状が関わって来る。もしも一般人に迷惑をかけてしまう可能性を感じるなら、病院に行く事をお勧めするぞ!」
「はっ倒すぞ!!?」
パァン!とその手を張り落してクロウは叫んだ。
「正気じゃねェよコイツ……」
全裸に対する肯定感にドン引きである。
「俺は正気だ。そもそもお前が抵抗しなけりゃ、服はやぶけなかったんだからな?つまりお前が今全裸なのは、お前の責任だぞ。」
ふんすっと仁王立ちで言い切るセリオス。
だがしかし断言出来る事なのだが、破けてなかったらそれはそれで王撃破に使われていたはずなので、やっぱり全裸だったのである。
「だから前隠せっつってんだろ!?」
カメラに近い場所でのツッコミ&恫喝により、セリオスのセリオスを画面に映す事は回避したクロウ。
「テメェは少し羞恥心と危機管理能力を持て!ガキか!」
がっくがっくと肩を揺する。カメラは横から映しているので、大事な所は足に隠れて見えない。セーフだ!
「うおっ、やめろ!揺れる!何処がとは言わないけど揺れる!」
「もうイイから探すぞ!ついてこいや!」
筋肉が付いた男らしい背を向け、歩き出すクロウ。
彼は第六感と情報収集を駆使し、ひよこの痕跡を探る。
足跡を発見。近い。恐らく、向こうだ。
「セリオス、向こうの方見てこい。お前の方が速ェだろ。」
「おっ、任せとけ。向こうな、オッケー。歌声に応えろ、力を貸せ……」
輝く太陽が零れる森の中を、歌いながら移動する一糸纏わぬ姿は、いっそ神々しさすらある。
歌は力となり、代わりにその命を削る。その速さでもって、セリオスは夜の色を眼下に捉えた。
「ひよこーー!!」
突然の上からの気配に、ひよこは跳び上がった。
「ぴぴょ!?」
そして見事に捕獲された。ぴよぴよ。もっふもっふの羽毛が暑苦しい。
「おーーい!クロウ!ひよこ捕まえたぞーー!あれ?クロウどこいったーー!?」
1.5mのひよこを抱えて走る。もっふもっふ。あっつ。
「クロウーーー!!あ!お前なーんだそこに居たのか!!」
「うるせえ!!もう少し静かに出来ねえのかテメエ!!」
そんな二人と目が合う、他の猟兵。
全裸がいっぱいコレクション。
「……とりあえず、戻るぞ……」
頭を抑えながら、クロウはひよこの頭を掴んだ。
グリモア起動します。
店へと帰還し、服を回収しながらセリオスは思い出した。
「そういや俺も出せたわ。」
「何をだ?」
「えーっと、ほら、あれ。コレ」
自分の黒い鳥型のグリモアを、クロウへと見せるセリオス。
数秒沈黙するクロウ。走馬燈の様に頭を過ぎ行く、全裸での思い出。
「…………オラァ
!!!!」
頭突き!
「ぃっってぇ
!?!!」
突然の衝撃に、セリオスは涙目になりながら頭を抱えた。
「おまっ、いってぇ!馬鹿になったらどうすんだ!!」
「知るか!!安心しろ!どうせ今と大差無ェ!!」
やんのか!?
来いよ!!
隣同士の着替え室で、やいのやいの、ぎゃいのぎゃいの。
着替えた二人はにぎやかに、グリモアベースを後にする。
どうぞまた、ごひいきに。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
明智・珠稀
■依世・凪波(f14773)さんと
(川からザブンとバタフライで生還し)
「あぁ、よき川でした、ふふ! さぁ王様、ねっ ちゅぅ しょう♡ について熱く語りましょ…」
王の不在を悟り
「あぁ、残念ですね…!」
切なさの表情(但し全裸)
「もっと交流したかったですね、ふふ…!」
(無駄に真の姿化⇒真っ白い羽が生える)
「護りたい、この楽園…!」
(ジャイアントも羽全裸)
●行動
「おや、凪波さんではありませんか…!」
知り合いの凪波さん発見
羞恥心なさそうな凪波さんに同類の香りを感じつつ
「ヒヨコたんを追えば、はだかんぼの楽園に通じているのですね…!」
全裸多そうな場所へブラブラ向かう(意味深)
※アドリブ&絡み&ネタ大歓迎♡
依世・凪波
明智珠稀◆f00992と
アドリブ・絡み歓迎
水辺で遊んでたら王様いなくなった…
撫でられた箇所に触れて王の声を思い出す
『野生の勘』で王がもうどこにも居ない事を悟りしゅんと耳と尻尾が下がる
よくわからぬ哀愁を感じ胸に手を当て座ってたら覚えある声に顔あげて
珠稀だー!白い羽根生えてるー!それどうしたんだーっ!?
鳴いた烏が笑うように無邪気に立ち上がり周りをぴょこぴょこ跳ねる
楽園?首傾げ
よくわかんないけど珠稀はそれ護りたいんだ?
それに追っかけっこも楽しそうだなっ!
服がなくても気にせず珠稀と一緒にひよこ探しに
【シーブズ・ギャンビット】に『ダッシュ』で加速
でもひよこ苛めるのは、めっ!だなっ
ちっちゃいし優しくもふる
●カメラの先には葉っぱとか、光とか、都合よく抜けた羽とかある。
明智は川からザッパザッパと生還して来た。
余りにも美しいバタフライのモーションである。
「あぁ、よき川でした!」
ザッパア!立ち上がると共に飛沫が光を帯びて彼の周囲をキラキラと舞う。
服が遠慮をして然るべき、芸術的な姿がそこには在った。
「さぁ王様!ねっ ちゅぅ しょう? について熱く語り……王様……?」
戻って来た明智の前には、沼の跡、溶けて抉れた地面だけが残っている。
「……あぁ、残念ですね……」
王の不在を感じ取り、秘境と自宅でのみ許される姿で目を伏せる明智。ここは秘境でも自宅でも無いけども。
「もっと交流したかったのですが、どうにもならない事もあるものです。ふふ……!」
バッ!!
無駄にポーズを付けて無駄に真の姿を解放し無駄に神々しさを演出する明智!
「護りたい、この楽園……!」
ジャイアント明智と共に恍惚のポーズ!
そしてそんなポーズを決めながら、明智は知り合いの姿を発見した。
「王様いなくなってた……」
それは、しゅんと耳と尻尾が下がる凪波だった。
水辺から戻って来たら居なくなっていた王の手を、自らの手で重ね、彼女の言葉を思い出す。ありがとう、と言った声の、ほんの少し上がった柔らかさ。
善か悪かでは無く、ただ、あの王がもう居ないという事が、少し寂しくて、哀しい。
よく解らない哀愁に胸に手を当て、天真爛漫が過ぎる状態で地面に座るその姿に、明智はにじりにじりと寄って行く。
今なら、声をかけても、いいのでは!?というタイミングで、明智は後ろから囁いた。
「凪 波 さ ん 💛」
「ひょわぁ!?!」
跳び上がる様に立ち上がった関係で、凪波の頭が強かに明智の額にぶつかった。ゴンッ!
「あぁん!♡」「っだぁっ!?」
衝撃に身悶える明智と、痛みに頭を抱える凪波。
少しの無言。
「なっ、えっ?珠稀? 珠稀だー!」
えっ!わっ、白い羽生えてる!それどうしたんだーっ!?と元気になった凪波の声が響く。
その様子に嬉しそうに明智は笑う。
「ふふっ、この姿は……そうですね。己の罪以外纏わぬ人々を、守護する者としての姿……と言うのはどうでしょう?」
どうでしょう?と聞いたのは、特にそれが真実という訳では無く、ただノリで語っているからである。MSもちょっとその辺の調べが付かなかった。
「守る者としての姿……!かっこいい……!」
キラキラとした瞳で、究極の原点回帰を見つめる凪波。
その一切躊躇の無い姿に、明智は己と同類の香を感じる。
そんな時、二人の少し遠くをひよこの鳴き声と猟兵の気配が駆け抜けて行った。
一人では無い。この、王が居た場所から消えた人々の多くは、ひよこを追いかけているのだろう。
「……なるほど。ヒヨコたんを追えば、はだかんぼの楽園に通じているのですね……!はだかんぼの楽園……!これは守護らねばなりません……っ」
己の身を抱えながら純白の翼を広げ、ポーズを決める全裸守護天使。それを見ながら、黒狐は首を傾げる。
「楽園?よくわかんないけど、珠稀はそれ護りたいんだ?」
「ええ。凪波さん、手伝って頂けますか?」
いい笑顔で手を差し出す明智。それをがっしと握り、凪波は笑う。
「いいぜ!追っかけっこも楽しそうだしな!」
こうして二人は、服の遠慮を受け取りながら、堂々と、ひよこを探す為にブラブラと移動を開始するのだった。
そう、気負う事なく、ブラブラと。
「おっと、このブラブラに深い意味はありませんよ💛ふふ、まぁよく考えたら、現状でブラブラしてない方が危ないと思うんですけどね?」
「珠稀、どこに話しかけてるんだ?ひよこは向こうだぞ!」
~以下略~
なんやかんやあって木の陰に隠れていた知り合いとも合流して、二人は店へと帰って来た。
疲れたけれど、心地良い疲労感。
全裸で森林浴をするのは、健康に良いのかもしれない。社会的には危ないけど。
ぎゃいぎゃいと騒がしい隣の着替え室の声を聞きながら、子狐は笑う。
「珠稀、今回の依頼、悪くなかった!暑かったけど!」
その明るい声に頷きながら、変態は優しく微笑んだ。
「それはなによりです。楽園にランデブーする機会があれば……その時は、またご一緒しましょうね。ふふ。」
仲間が出来るかもしれない期待に、変態の胸は躍っていたかもしれない。
元気に着替え室から出て行った知り合いの様子を追って、二人もよいせと外に出る。
「……お二人はお忙しい様子。どうしましょう?ストーキング……もとい、様子を見る為にばれない様について行ってみましょうか。」
その提案に、元気に頷く凪波。
「すとーきんぐって言うのはよく解んないけど、いいなそれ!よーし、絶対バレないぞー!」
こうして、彼らの冒険は続く。
そしてまたしても喧嘩で地形を変えようとした一撃は、明智が身を張って受け止めたおかげで何も起きなかったのだが……それはまた、別なシナリオと言う事で。
めでたし。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エレクメトール・ナザーリフ
ひどい戦いでしたね
銃は撃てないわ全裸だわ銃は撃てないわ
ただ全裸より深刻な問題があります
余り銃を撃ててない&糖分不足でそろそろ限界値を超えそうで
そうなるとトランス状態に入り意識が落ちます
その後復帰後に死んだ目をした人達から
銃の悪魔とかイカレ☆ドールとか失礼な二つ名で呼ばれたりするのですが
一体何を仕出かしたのか
今回は全裸ですしまた変な異名が付くと色々拙そうです、尊厳的な意味で
意識が途絶える前に何としてもひよこを見付けて帰還する必要があります
全裸は見られなければ問題ないので
《技能追憶》を発動、【目立たない】【迷彩】で姿を消しひよこを【追跡】します
何としてもひよこの息の根を止めないと
ギギギ、違ったか?
●そのひよこ、死んでも対応ユーベルコードあるから。
「ひどい戦いでしたね……」
遠く、空を見ながら呟くエレクメトールの頬を、風が優しく撫でる。
「銃は思う存分撃てないわ全裸だわ銃は撃てないわ、ほんとうにひどい戦いでした。」
さて、困った事がある。
「……なんと、そろそろ私の限界値が限界を迎えそうです。」
そうなると何が大変かと言うと、色々大変なのだ。
具体的に言うと、意識が落ちる。
そして意識が戻った頃には、何故か死んだ目をした人達から失礼な二つ名で呼ばれたりする様になる。
「一体なんですか、銃の悪魔とか、イカレ☆ドールとか。一体何を仕出かしたというんですか。」
特に今回は、反社会的過ぎる姿だ。再び変な異名が付くと、色々とダメな気がする。尊厳的な意味でヤバイ気がする。
「……意識が途絶える前に、何としてもひよこを見付けて帰還する必要があります。ええ、絶対にです。はい。」
そして彼女は走り始めた。
スキル・リコレクトにより強化した技能全てを駆使し、ひよこを追い詰める為に走る。
足跡と見つけ、引きずられた跡を見付け、方角を特定し、鳴き声を察知し、走る。走る。
時々人の目を掻い潜る為に止まったりもした。
はやく、はやく、見つけなければ。
「はやく、なんとしても、ひよこの息の根を止めないと……ギギギ、違ったか?」
意識が揺らぐ。
ゆらり、ゆらり。
落ちる、落ちる。その前に。
目の端は、夜色のもふもふを捉えた。
「……居やがったなぁ!」
跳躍。零、銃が火を噴く。
ズドン。
腹の底に響く音。ああ!そうだよこうでなきゃ!
あ?手応えがねえな?
「ぴ……ぴよ!」
硝煙漂う抉れた木から、ひよこがダッシュで逃げていく。
「おおっと、待て待て。まぁ待てって、違います。待ってください。とりあえず殺しますから待ってください。3、4回で良いですから。」
そしてダッシュで追いかけるエレクメトール。
銃がうきうきとくるくる回る。
3、4回って生き物の死として多く無い?というツッコミを、出来る人間はここには居ない。
ズドン バシュン ズガガガッ
森の中に銃撃音と共に笑い声が。そしてひよこの鳴き声が響く。ぴよーーーー!
この後ひよこが無事死んだのか、それとも逃げ切ったのか。
それはちょっと分からないが、少なくとも店に戻ったエレクメトールの意識はしっかりしていたし、なんならちょっと満足そうだった事は、明記させて頂こう。
大成功
🔵🔵🔵
花邨・八千代
ひゃっはーーー!ひよこ狩りじゃーーー!!!
俺とそんな変わらねーデカさで隠れられると思うなよ!!!
手伝えアンコウ!あ、そういやもう居なかった!
仕方ねーな、オッケー信じられるのは俺だけだ
◆ひよこ猟
あ、その前に焼いた魚一匹くれくれ
んまそーな匂いしてたんだよなァ、腹減ってんだ
一匹食ったらひよこ猟の開始だ
~用意するもの~
川べりひっくり返して出てきた虫
山に生えてる何か食えそうな物
以上!
それらをぺぺっと撒いてひよこをおびき寄せるぜ
逃げる?逃げるなら仕方ねぇなァ
地獄の果てまで【空躁】で追いかけ回してやろうじゃねぇか
「第六感」でどこに隠れようが見つけ出すぞ
裸なのはほら、山の緑とかそんなのが隠してくれんだろ
●生え変わるなら貰って来た。
「ひゃっはーーーー!!ひよこ狩りだオラァーーーーー!!!」
棘肩パッドでも装着してそうな声を上げる八千代。
「俺とそんな変わらねーデカさで隠れられると思うなよ!!!」
自信満々に金棒を掲げる鬼。殺す気か?
「手伝えアンコウ!」
後ろを振り返るも、そこにオブリビオンの姿は無い。
「……仕方ねーな。オッケー、信じられるのは俺だけだ!」
とりあえず先ずは川に行こう!何故なら暑いから!
煌く水が美しい。きゅらきゅらと音が聞こえそうな涼やかな川。
そして焼かれている魚。
鮎。先程まで油が流れ、じゅぅと音が零れていた出来立てほやほやの塩焼きが、その手には握られていた。
白い身は油と共につやつやふわふわと主張し、切れ目と焦げの入った皮は、香ばしい匂いを上げる。
パリッと軽快な音を立て、柔らかな身はがっつり口へと消えていく。
「んまそーな匂いしてたんだよなァ!っかーー、腹減ってる時の飯はやっぱ最高だぜ!」
貰った焼き魚をもっしゃもっしゃと食べ、さて!ひよこ猟の始まりである!
①先ずその辺の岩をひっくり返します。羅刹だから出来る事です。一般人は真似しない様にしましょう。
②山に生えてた何か食べられそうな物を集めてきます。茸は玄人にしかわかりませんので、避けた方が賢明でしょう。
③、①と②で集めたうねうねした生き物や、木の実、果物等を、わかりやすい感じに撒きます。
④ひよこが釣られてやって来ます。
「見ィーーーー付けたぜェーーーーー!!ひゃっはーーー!!!」
餌に釣られてやってきたひよこを捕獲しようと飛び掛かる八千代!!咄嗟に避けるひよこ!べしゃあ!!
沈黙!
「……ほォ……ひよこォ、良い度胸してんなァ?」
ゆらりと立ち上がる鬼に、ひよこはじりじりと後退する。
「ぴ、ぴよ……」
いや、わざとじゃないんですよ。きいてくださいアネさん。ちょっとびっくりしてよけちゃっただけなんですよ。ほんとうなんです。
そんな言葉が聞こえてきそうな狼狽の仕方で、ひよこはじりじりと後退する。
「逃げられるとォ」
だがしかし鬼はそんな様子見ちゃいねえし聞いちゃいねえ!そんなもんだよね!!
「思うなよォ!!!」
ダッシュ!ひよこが速かったか、それとも八千代が速かったか。一人と一匹は山の中を駆け出した!
「ぴ!ぴょ! ぴよーーーーー!!」
「待てひよこオラァ!!この八千代様から逃げられると思うなよォ!!!」
空躁を使い空中すらも道として、真の自由を得た姿のまま駆ける鬼。それからダバダバぴよぴよと逃げ回るひよこ。
追いかけっこはしばし続くも、勝者は決まっているのです。
店へと帰った八千代の手には、すこし大きな土産。思い出。
そいつを掲げて帰ったのなら、店主に貰ったサイダー飲んで、明日の天気にでも思いをひとつ。
夏空めいた春の空、消えて行った全裸の王。
明日は暑く無いと好い。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイクス・ライアー
神話世界に迷い込んだかと思うほど清々しい視界一面の全裸だな
さて………
貴様ァア!!!ファッキンひよこがァアア!!!!この落とし前どう付けんだよァ゛ア゛゛ッッッ!!??
(木の上を飛び駆け回る全裸)
(最終目標:ひよこの殺害)
●以下赤銅合わせ
(ひよこ引きずり)
ああ、お前はいつぞやの
……なんだお前そのピンク、地毛だったのか
ところで、確かお前グリモア猟兵だったろう?送って行ってくれ
ならば服が欲しい。流石に、街中でこの格好は捕まる。貸してくれ。
こいつと関わるとロクな目に合わん
寧ろこいつが愛でられている環境が理解できんがな
クソみたいな二択だな
(咳払い)…失礼、今のはなかったことに。そも、クソシャツってなんだ。
多々羅・赤銅
いやー〜〜〜
全裸だわ
怒りも落ち着いたし
みんな全裸だし
ひよこ追い立ててる殺意おじさんもいるし
鹿も消えたし
ヤニ無いや
まあいいかぁ
燃え尽きたような何か失ったような気分
貞操もクソも無ぇのになあ
大自然気持ちいい
●
おーっす鯉おじさん
バッチリ見てんのかよ可愛いだろピンク
……そういやグリモアあったわ忘れてた
思い出させてくれたお礼にお願い事なんでも聞こう
でもひよこ引きずってる時点で捕まんじゃね??
その黒いの、どうしても許せない相手ってやつ?
そりゃね、哀れで愚かな生き物ってのは可愛いもんだから
ねえ、綺麗なチンピラと綺麗なクソシャツどっちになりたい?
……ぶっは。あのねー餃子がビーム撃ってる柄のシャツがあってねー!
●赤銅視点
「いや~~~、全裸だわ」
清々しくも空気と共に在る身体で、赤銅は息を吐いた。
右を見ても全裸。左を見ても全裸。
神話の世界にでも迷い込んだかと思う程、人工物が見えない。
これはこれで、美しいのかもしれない。
煙草を取ろうと、ポケットを探すも、ああ、そういや全裸だったわ。と肌の感触で思い出す。
「……まあいいかぁ」
息を吐く。煙も無いただの二酸化炭素に、それでも灰を焼かれたような、何かを失った様な気持ちを混ぜ込んで。
「貞操も何も無ぇのになあ。なんでこんな気持ちになってんだろうな。」
大自然の風が、太腿の間を通り過ぎて行く。
涼しい。
そんな赤銅の視線の先を、怒声を上げながらすごい速さで走り去っていく殺意おじさん、もといジェイクス。
「……あの原住民、綺麗な顔してんな~~」
ピー音が入りそうな罵声を聞き流しながら、赤銅はとりあえずどうやって帰ろうかなーという方に意識を傾けるのだった。
向こうでなんか鈍い音が聞こえた。ひよこ死んだかな。
●ジェイクス視点
恥じる場所など無い姿で木の上を疾走していたジェイクスは、ひよこを追い詰めていた。
1.5mのひよこは、木の後ろに隠れて、居ないですぅみたいな雰囲気を醸し出している。いや、居るわ。見えまくってるわ。
「……はぁ……」
ジェイクスは溜めていた息を吐く。走っている間に、僅か怒りは落ち着きを見せていた。
「まぁな。貴様の様な畜生が責任など、取れる訳が無い。」
原初の姿でもってひよこと相対する紳士は、カメラワークにも紳士的だ。
葉や、木漏れ日が紳士の紳士たる場所を上手く隠している。
「ぴよ?」
ひよこは、消えた殺気にきょろきょろと周囲を見渡し、やがて友人だと一方的に思っている紳士へとぴよぴよと近付いていく。
「武器とスーツが溶けてしまったのも、まぁ、一億歩譲って此処に来てしまった私のせいと言えなくも……いや、絶対に私の責任では無いんだが……」
片手で頭を抑える友人(ひよこ視点)に、ひよこは心配そうに近寄る。ぴよぴよ。うろちょろ。回復ユーベルコードいる?
「はっはっはっ、なんだ?畜生でも人の心配をするのか?そうかそうか、よーしよしよし」
もっふぁっとしたひよこの羽毛を撫でる。ふかふかつやつやで心地良い手触り。抱き枕にでもすれば、寒い冬でも暖かく眠る事が出来るだろう温度。
「だが死ね
!!!!!」
ドゴォ!!地面に埋まるひよこの頭!そして追撃とばかりにそれを踏み抜く紳士!ゴシャッと響く骨の砕ける音。ひよこは死んだ。それはもう見事に死んだ。
「この気温で貴様の羽毛とか!!暑いに決まってんだろDickhead!!!なんで毎度毎度人の許可無く飛ばすんだ貴様!!?そもそもなんで畜生の癖にグリモア猟兵やってんだよFuck!!!もっと他人の迷惑を考えて送れないのか!!?」
ごもっともすぎる叫びを上げながら、ゴスゴスと動かなくなったひよこの骨を砕く。
「殺す!!!お前だけは!何が!!なんでも!!絶対に殺す
!!!!」
怒鳴り声と共に死体蹴りは続く。ドスッ ゴスッ ブジャッ ドシュッ
「…………ふぅ。」
僅か気の晴れたすっきりとした顔で、額の汗を爽やかに拭う紳士。畜生にマジギレしていたとは思えない、クールな顔である。
だが紳士は知っているのだ。やつがこの程度でくたばらない事を。
しばし考えた後、ぐわしと軟体動物さながらになったひよこを掴み、歩き出す。
どこかにグリモア猟兵は居ないかと、少し広い場所まで戻る事にしたのだ。
●そんなこんなで合流
ずるずるとひよこを引きずりながら王の居た場所まで戻って来たジェイクスは、見覚えのあるピンク髪を見つけた。赤銅である。
「おーっす鯉おじさん」
「ああ、お前はいつぞやの」
妖怪ケツ掴み女。と思ったが、それを口には出さない。なにせ紳士だから。
下を見る。
「……なんだお前、その髪地毛だったのか」
「ばっちり見てんのかよ。可愛いだろピンク?」
「まぁ、珍しくはあるな」
頷く。紳士とは。
ふと赤銅の目を見て、思い出した。
「お前、たしかグリモア猟兵だったろう?送って行ってくれないか。」
言われて赤銅も手を鳴らす。ぽんっ。
「そういやグリモアあったわ!忘れてた。思い出させてくれたお礼にお願いなんでも聞いてあげちゃおうそうしよう。なんかある?」
僅か考えてから、頷く。
「ならば服が欲しい。流石に、街中でこの格好は捕まる。貸してくれ。」
「おっ!いいぞぉ!赤銅様に任せとけぇ~。でもひよこ引きずってる時点で捕まんじゃね?」
「言われてみれば、そうかもしれん。無駄に大きいとこれだから。Cockroachの方がまだマシに思えて来るな、この畜生は。」
「とか言って~、そいつ団地に放り投げてくつもりだったんじゃないの鯉おじさ~ん?」
このこの~と言いたげに笑うその顔から、不愉快だとでも言いたげな溜息と共に顔を逸らすジェイクス。
それが無言の肯定に取れて、赤銅はやっぱりけらけらと笑う。
「どっかに埋めときゃいいのにさ。その黒いの、どうしても許せない相手ってやつ?」
「……こいつと関わるとロクな目に合わん。」
当たり前だろうと肩を竦めて眉を寄せる。
「寧ろこいつが愛でられている環境が理解できんが?」
ごもっとも。不利益の方が多い存在だ。
なんの役に立つのかと問われれば、それすら分からぬ畜生だ。
「いやいや、それでもさ。哀れで愚かな生き物ってのは、可愛いもんだからさ。」
益とは人それぞれだ。それは、人の幸福が様々である様に。
「……ふん。」
肯定か否定かすら分からぬ返事。まぁ、そんなもんだろう。
「とりあえず、そのひよこは置いてきなよぉ。どうせ復活して、最後は見回りでもして勝手に帰るさ。」
「……こいつ、そんな猟兵らしい事してるのか?」
畜生の分際で?首を傾げる紳士に、そーそー、多分ね!と確信の無い返事で笑う。
「ふむ。」
ひよこが地面にべちっと投げ捨てられたのを確認して、赤銅は訊ねた。
「じゃ、とりあえず私の部屋に飛ぶとすっか!あ、ねえねえ綺麗なチンピラと綺麗なクソシャツどっちになりたい?」
「は?クソみたいな二択だな」
言ってから、わざとらしい咳払い。
「失礼。今のはなかったことに。そも、クソシャツってなんだ?」
「ぶっはっ!あのねー餃子がビーム撃ってる柄のシャツがあってねー!」
そのわざとらしさと、続いた言葉が楽しくて、燃え尽きた様な空虚を消して女は笑う。
左様なら。然様なら。
朗々、空青く、白い雲は細く。蝋に似た色の、それは竜の姿にも見え。
本日、気温38度。
頭の熱で焼かれぬ様に、皆様どうか水分と、それから木陰の休息を。
大団円とはいかずとも、森はやがて賑やかに。
夕を越し、やがて穏やかな朝が来る。
さて、朝が来たなら皆様方々、いざ服を着て、出かけよう。
今日も今日とて、寒い場所は寒いのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年05月01日
宿敵
『緑の王』
を撃破!
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