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グレイト・アゲイン

#ヒーローズアース #サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』

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#ヒーローズアース
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#サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』


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●この物語はフィクションです
『メークグレートアゲーン!!』
 とか怒鳴っているのはある意味立派な体格をした、ある意味態度が立派な老人、その名も【ミスター・プレジデント】。なんでもヒーローあがりの政治家だったけど汚職が発覚して失職した……らしいのだが、その後またいろいろあって、本当にいろいろな事がありすぎて、ついにこの星の大統領にまで上り詰めて名前通りのプレジデントになってしまったのだ。そして最高権力につくや否や自分勝手な法律法案を乱発して星を混乱に陥れ、一部の者たちに歓喜を、その他星の内外問わず大勢の者たちには恐怖と絶望をまき散らしまくっている。一説によれば彼の勢いだけはある言葉と態度に騙されて、あるいはよくわからないけどなんとなくで投票してしまった人たちですら、こんなはずではなかったと嘆いているとかとか。自業自得だと切って捨てるには本当にいろいろありすぎたらしいのだが。
『これまで我々を搾取しまくっていた不逞な不法移民を取り締まるのだ!やれい!』
『イーッ!!』
 ミスターの号令で襲い掛かるは数千数万の大軍勢。その不法移民とか難癖つけられた相手は……たったひとり。
『なんかわけわかんねえ事好き勝手言ってくれてるなあ!あ?』
 だがそのたったひとりには恐れの表情など何もない。なぜなら。
『アタシを誰だと思ってるんだ!宇宙史上初めて第三銀河を統一した最強のギャラクシィリーガー!究極美少女【エル・ティグレ】だ!』
 かくして壮絶な戦いが始まった……なぜかサッカーで。

「……みんなわかってると思うけど、あくまでこれはヒーローズアースという世界での話なのだ」
 なぜかそんな前置きを挟んだ大豪傑・麗刃(26歳児・f01156)だが、言われるまでもなくそんな事は居並ぶ猟兵たちにはもちろん承知の事であろう。
「ともあれ、ザ・タイガーちゃんは今ヒーローズアース征服の真っ最中で、ちょうどとある星で独裁者と戦っているらしいのだ……なぜかサッカーで」
 まあエル・ティグレがサッカーで戦うのはわかる。しかし対戦相手がそれに付きあうのは……まあ猟兵だって彼女と戦う時にはサッカーにつきあったわけだし、そういうものなのだろう、たぶん。そう思うしかあるまいて。
「なのでティーガーちゃんを助けるならこっちもサッカーで戦った方が『らしい』と思うのだ、なんとなく」
 ……らしい、か。うーん、わかるようなわからないような。猟兵たちの意見が割れそうである。

 要約すると。
 サッカーに関しては宇宙球の実力者であるエル・ティグレだが、さすがに相手の数が多すぎるので、猟兵にはそれを助けてほしいと。
 まずは敵の大軍を蹴散らし、その後ボスとの戦いになる。ボスもまた大軍に守られているので、いかに相手の堅守を破りボスに攻撃を仕掛けるかが鍵となるようだ。それが終わったら解放された民衆の歓待が待っている事だろう。

「きみたちはサッカーをしてもいいし、しなくてもいい……でも空気的にはした方がいいんじゃないかなーな感じはあるのだ。なにせハリマオちゃんを助けるわけだし」
 むろんわざわざサッカーをする必要はないのかもしれない。なにせエルティグレは今や猟兵の配下だしね。わざわざ部下に合わせる必要もあるまい。だが合わせるメリットもある。なにせ相手は大軍。サッカーというルールで相手を縛るのは効果あるかもしれないし。このあたりは猟兵の考え方次第だろう。
「いずれにせよ、敵はぶっ飛ばさなきゃいけないのだ。なんとかしてほしいのだ!」
 結局重要なのはこれなのだ。ともあれ猟兵たちはヒーローズアースの大宇宙へと向かうのであった。


らあめそまそ
 きみたちは空気を読んでもいいし読まなくてもいい。らあめそまそです。
 ヒーローズアースのエル・ティグレシナリオをお送りいたします。皆様は宇宙空間でサッカーをしてもいいし、サッカーとかわからないという方はしなくてもいいという感じでいきましょう。エル・ティグレ関連のシナリオで青丸が299個溜まったらエル・ティグレはアスリートアースに戻れるという事なので、皆様のご協力をいただけるなら幸いです。
 改めまして皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ダーティーポリス』

POW   :    動くな、止まれ
【銃弾】が命中した対象を爆破し、更に互いを【手錠】で繋ぐ。
SPD   :    命をかけて全うする
【仲間と共鳴する咆哮により暴走状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    我々には覚悟があるのだ
【絶対的な忠誠心】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。

イラスト:森乃ゴリラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●この物語はフィクションです(2回目)
『むう!また我が国から不当な搾取を行わんとする不法移民めがやってきたか!』
 猟兵の姿を認めた【ミスター・プレジデント】はさっそく配下たちに迎撃を命じた。
『すぐさま連中を拘束して送り返してやれ!多少の不法行為は構わん!仮に捕まろうがわしが超法規的措置で解放してやるから安心して殺せ!』
『イーッ!!』
 ミスター・プレジデントの号令で、忠実なる兵士たちは猟兵に襲い掛かった。

 権力の犬である『ダーティポリス』の能力は以下の3種類だ。
【動くな、止まれ】は相手を容赦なく銃撃して手錠で拘束するというものだ。単体ならともかく集団で弾幕を張られたら回避は非常に困難だろうし、かすりでもしたらたちまち逮捕拘禁されてしまうだろう。
【命をかけて全うする】は暴走状態となって戦闘力をおおいに上げるものだ。これは仲間とともに咆哮を上げる事で共鳴によりさらに強化されるらしい。数の多い相手が強化されるのは面倒この上ない。
【我々には覚悟があるのだ】はプレジデントへの忠誠心により巨大化して戦闘能力を多いに上げるものだ(2回目)。犬なので忠誠心は相当に高いだろう。数の多い相手が強化されるのは面倒この上ない(2回目)。

 以上、権力の犬なだけあって戦意は非常に高く、しかも数の優位を活かした戦い方をしてくる。まともに戦うとなかなか面倒な相手だが、なにせここはサッカー空間だ。サッカーのルールを活かせば相手の動きを縛る事もできるかもしれない。むろん自信があるならサッカーにこだわらず戦うのもアリだろう。全ては猟兵にかかっている。ともあれ国家の駄犬どもはとっとと蹴散らし、大統領選のやり直しに挑もうではないか。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『不法』移民という時点で密入国や不法滞在等の犯罪者ですから、或る程度妥当では有りますが。

『FAS』で機動性を確保、『FLS』で『FPS』を召喚し空間歪曲障壁を形成、『FPS』で射撃情報を確保して直線で飛ぶ『銃弾』を逸らせば『手錠』は問題無いですねぇ。
そして【霈熌】を発動し『聖豊印』を形成、超広範囲に毎秒降り注ぐ『雷の雨』を連射すれば、この数相手でも十分な攻撃回数が見込める上、総ダメージに比例した強化が可能ですので、エルさんには『FRS』の[砲撃]と共に大統領までの突破口を開いて頂けましたら。
一応『落雷発生時は試合中断』という、サッカー開催のルールにも則っておりますので?



●稲妻シュートってこういうことか
 エル・ティグレや猟兵たちを不法移民と呼び排除せんとする敵について、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が考えたのは。
「『不法』移民という時点で密入国や不法滞在等の犯罪者ですから、或る程度妥当では有りますが」
 ……えっと、それは猟兵たちへの攻撃の話でいいんですよね?違う意図があったとしてもその方向で話を進めますが。実際むこうからすれば猟兵もエル・ティグレもちゃんとしたルートによらずこの星に来ているわけだから、密入国どころの話ではなく堂々と不法侵入しているわけで、たしかに排除されても仕方ない点はある。しかも、しかもだ。
『あ、えっと、御主人様?』
 どうやらティグレはるこるに気が付いたようだ。ともあれ、ティグレが星に突っ込んで行う事は不法滞在なんて生易しいものじゃなくて。
『そうなんだぜです!アタシは真っ向から侵略に来てやったんだぜですから、不法移民なんて言われ方は不本意だよでございます!』
 相変わらず無理やりな敬語、というより語尾だけ取り繕っている感じの喋り方でまくしたてるティグレに、るこるは。
(それは……もしかして不法移民よりもさらに悪いのではないでしょうか?)
 考えはしたが、まあむこうもかなり悪い奴のようだし、あえて口に出すのはやめたようだ。いずれにせよ、排除するのはむこうの論理で、それに抵抗するのはこっちの論理だ。じゃあどうするか。
『決まってるぜ!サッカーが強い方が勝つんだよでございます!!』
「……まあ、結局そういう事ですよねぇ」
 エネルギー翼を広げながら、るこるはティグレの言葉に同調した。ここは押し通すのが正解だろう。その眼前に立ちはだかるのは犬のおまわりさんの大軍。
『御用だワン!大人しくお縄を頂戴するワン!』
 逮捕するような事を言っておきながらやる事は拳銃発射である。基本単発の拳銃とはいえ何千何万が一斉発射すれば立派な弾幕だ。しかも射殺できなければ逮捕という普通は逆だろな二段構えである。
「いずれにせよ弾を防げば爆発も逮捕もないですからねえ」
 るこるは防御用の祭器を使って弾丸の軌道を曲げ、直撃を防いだ。それでもなお何万もの弾丸は飛んでくる。祭器でユーベルコードを防ぐのはいずれ限界が来るだろうが、むろんるこるとて次の手は用意してある。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『雷轟の加護』をお与え下さいませ」
 発動したユーベルコードの名は【霈熌】といった。霈は大雨、熌は燃え上がる事だ。読みの『ハイゼンタルシンテイ』は『沛然たる震霆』か。たちまち上空に形成された印は聖豊印と言うらしい。そこから警官たちに降り注ぐは乳白色の雷。豊な印と呼ぶにはいささか物騒な感じもあるが、もともと雷光というのは豊作をもたらすため稲の|夫《つま》と呼ばれ現在の稲妻って言葉に至るらしいから理屈の上では合っている。
『キャインキャインっっっ』
 連続して降り注ぐ落雷の連発にはさすがのダーティーポリスたちも列を乱して逃げ惑う始末。今こそ好機であった。
「さあエルさん、今のうちに大統領までの突破口を!」
『お、おうでございます』
「サッカーは雷では試合中止になるものですゆえ、相手の動きは止まるはずですぅ」
 ここまで完全にサッカー無視で戦いを進めてきて、よもやここでサッカーのルールを持ち出してくるとは思わなかった。まあサッカー関係あろうがなかろうが確かに相手の動きは乱れている。チャンスなのは確かだろう。
『それにしても雷ごときで試合が止まるたぁ情けねえ、アスリートアースならこの程度じゃ試合は……』
 そこまで言いかけて、ティグレはるこるの方を向いた。
『……あれ?ひょっとしてこの場合はアタシも試合中止しなきゃならねえって事かでございますか?』
「その発想はなかったですねえ、まあエルさんはアスリートアースルールでよろしいのではないかと」
『そ、そうだなですね!』
 かくしてティグレはるこるの砲撃の援護を得て、敵陣へと突っ込んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)と父の陽輝(f44868)と参加

いきなり宇宙に放り出されて父上が呆然としているが。まあ、初めての世界の上、転送先が宇宙空間なんてどんな喜劇でもありえないしねえ。

不法移民・・・いつからアンタの国になったんだ?あいかわらず無茶苦茶だねミスター・プレジゼント。まあ、容赦なくぼこぼこにしようか。父上もようやく状況を理解したようだし。

攻撃は【迷彩】【残像】【心眼】【オーラ防御】【回復力】で踏ん張る。

数が多いだけあって攻撃がうざいねえ・・・律、ナイスだ!!父上、やっちゃおう!!光焔の槍で容赦なく【範囲攻撃】!!父上もノリノリ・・性格似てるね。本当に。


真宮・律
妻の響(f00434)と義父の陽輝(f44868)と参加

(義父は下の名前で呼びます)

なんか異世界の大将格が異世界の宇宙で支配権を争うなんてどこかの映画にありそうだな。あ、陽輝さんが呆然としている。確かに目の前の状況はうけいれがたいだろうなあ。

不法移民ね。まあ、不法侵入にふさわしく好き放題振る舞わせてもらう。馬鹿正直にサッカーやるつもりはない。

攻撃は【残像】【心眼】【迷彩】【回復力】で踏ん張る。数が多いしパワーアップしてるだけにきついな・・・陽輝さん、大丈夫ですか?

ああ、ばっちり動きを鈍らせる!!黒雷の意志で感電させる!!響と陽輝さんの容赦ない追撃に本当に親子そっくりだな、と敵群に合掌する。


天野・陽輝
娘の響(f00434)と義理の息子の律(f38364)と参加

え〜と・・これはどういう状況かな?転移先が宇宙空間ですごいオーラを持つ二人がサッカーコートみたいなところで言い争っているんだが?

呆然としている私を尻目に犬頭の集団が強烈な攻撃をしかけてくるので我に返って【オーラ防御】【残像】【心眼】【第六感】で回避。やれやれ、老体にはきついねえ。

とりあえず状況は理解した。あの犬頭を壊滅させればいいんだね?響の合図に応じてヘパイストスの炎を発動。響と戦えるだけで嬉しいのに共に技を繰り出せるなんて気分がのるじゃないか!!娘の槍と炎で戦場を盛り上げよう!!



●親子のチームワーク
 引き続き戦場に現れた猟兵は3人であった。その中で戸惑ったような声をあげたのは他2人よりも年長と思われる猟兵。
「え〜と……これはどういう状況かな?転移先が宇宙空間で……」
 天野・陽輝(眩耀の曙光・f44868)はどうやら宇宙空間に出た経験が少ないようだ。そもヒーローズアースで戦うのも初めてならば、宇宙での活動を主とするスペースシップorオペラワールド世界に行った事もないらしい。そしてさらに陽輝を困惑させたのが眼前の状況。
「すごいオーラを持つ二人がサッカーコートみたいなところで言い争っているんだが?」
 まあ2人は2人である。ただし片方が本当に単独なのに対し、もう片方は大軍、それも宇宙規模の大軍を率いてその後方でどっしりと構えているので、あまりに対照的であるが。
「あ、陽輝さんが呆然としている」
「まあ、初めての世界の上、転送先が宇宙空間なんてどんな喜劇でもありえないしねえ」
「確かに目の前の状況は受け入れがたいだろうなあ、なんか異世界の大将格が異世界の宇宙で支配権を争うなんてどこかの映画にありそうだな」
 一方、陽輝の娘である真宮・響(赫灼の炎・f00434)と、その夫の真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)はスペースシップワールド世界での活動経験があった。ヒーローズアースは響は訪れた事があり、律は初めてのようだが、まあ宇宙に変わりはないだろう。いずれにせよ、宇宙の星と支配する悪役と、それを開放ではなく征服しに来た異世界人の戦いという構図はなかなか初見で判断するのが難しい状況と言えたが、とりあえず猟兵のやるべきことは今回は決まっていた。
『あ、また新たな|御主人様《猟兵》が来たかでございますか』
 すごいオーラを持ったふたりのうち単独の方、そして猟兵が味方すべき方であるエル・ティグレは猟兵3人の姿を認めたようだ。
『今回はサッカーやってくれるんだろうなですか?』
「サッカー?」
『むう!また新たな不法移民めがやってきたか!』
 そして大軍を率いている方のミスター・プレジデントもまた新たな猟兵に気が付き、さっそくダーティーポリスに命を下す。
『殺すのだ!逮捕して国外追放でも構わん!』
『イーッ!!』
「不法移民……いつからアンタの国になったんだ?」
 ミスター・プレジデントに対する響の言葉は正論であった。ミスター・プレジデントの立場はプレジデント、大統領であり、あくまで国の役職についたにすぎず、国のトップではあるが国王や皇帝のような国そのものの主権者として保持しているような存在ではあるまい。あくまでこの星の主権は国民にあるのだ。
「まあ、不法侵入にふさわしく好き放題振る舞わせてもらう。馬鹿正直にサッカーやるつもりはない」
『やらねえのかよでございますか……』
 律の言葉にちょっと寂しそうなエル・ティグレ。このあたりの方針は響も陽輝も同じなようだ。繰り返すが猟兵のスタイルに合っていればサッカーやればいいし、そうでなければやらないで良いのだ。
『大人しくしろ!我々には覚悟があるのだワン!』
 ダーティーポリスたちは一声上げると次々に巨大化していった。広い宇宙空間であるが、それでも敵の数が多く、それが巨大化したとあっては状況としては敵が七分に黒が三分……は多少盛っている感もあるが、感覚的にはそれくらい敵が強大に見えてもおかしくはあるまい。
「おっと、これは呆けているわけにはいかないねえ。とりあえずあの犬頭を壊滅させればいいんだね?」
「父上もようやく状況を理解したようだし、アタシたちもやるよ!容赦なくボコボコにしようか」
 巨大警察犬の群れが襲い掛かって来るのを見て、いささか呆然としていた陽輝もさすがに我に返ったようだ。響や律とともに早速戦闘準備を整え攻撃に備えた。
『全員突撃だワン!』
 そして黒の暴力が猟兵たちに襲い掛かって来た。こうなっては手にした警棒とか考慮しなくともその巨体だけで立派な質量兵器だ。だが猟兵一家も歴戦の戦士である。津波のように押し寄せてくる敵の攻撃を見切って回避し、相手の目をごまかしていなし、防ぎ、それでも防ぎきれない分はどうにか回復し、必死で攻撃に耐えた。
「数が多いだけあって攻撃がうざいねえ」
「その上パワーアップしてるだけにきついな……陽輝さん、大丈夫ですか?」
「やれやれ、老体にはちょっとこたえるねえ」
 義父を案じる律の言葉に応じる陽輝は弱気に聞こえる言葉とは裏腹に口調はまだ余裕ありそうだった。その点は響も律も一緒だったが、いつまでも敵の攻撃に耐えているだけではいけない。それは戦いもサッカーも同じであろう。余力があるうちに反撃に転じなければならない。
『カテナチオだでございます!』
 果たしてエル・ティグレの言葉は3人に伝わっただろうか。まあ細かい言葉の意味はわからなくても、ニュアンスぐらいなら状況判断でどうにか通じるのは通じるだろう。
「要するに守り抜いたら攻めろって事だろ?律!頼んだよ!」
「ああ、ばっちり動きを鈍らせる!」
 響に促され、律が一歩前に出た。
『なかなかしぶといが敵だがかなり疲れているはずワン!もう一押しだワン!』
「さて、そううまく行くかな?」
 もう少しの攻撃で猟兵たちは壊滅する。そう踏んだダーティーポリスたちは再度の突撃を敢行した。だがそこに律のユーベルコードが炸裂した。【黒雷の意志】により射程内に踏み込んだポリスたちに容赦なく黒い雷が降り注ぐ。だが偶然にもつい先程対峙した猟兵も雷を使用していたのでポリスたちは慣れていたようだ。
『また雷だワンか!馬鹿のひとつ覚えとはこの事だワン!』
「はたしてそうかな?」
『……!な、なんだこれは!?体がッッッ』
 だが結果的には慣れていた事がむしろ不利に作用したようだ。律の放った黒雷には感電により敵の動きを鈍らせる効果があったのだ。その効果で黒い津波の勢いが明らかに弱まった。
「律、ナイスだ!!父上、やっちゃおう!!」
「ああ、戦場を盛り上げよう!!」
 ここが好機とばかりに続いて響と陽輝がユーベルコードを発動させた。響の【光焔の槍】と陽輝の【ヘパイストスの炎】が合わさり、巨大な光り輝く炎と化してダーティーポリスたち目掛け飛んでいった。
「こいつを避けられるものなら避けてみな!!」
「私は未来を守り抜く!!」
 回避を試みるポリスたちだったが先の感電のためそれもままならない。かくして敵兵で埋まらんばかりだった戦場に巨大な空間が生まれ、エル・ティグレはそこを通ってゆうゆうとミスター・プレジデントの方に駆けていった。
「それにしても、父上もノリノリだね」
「それはそうさ。響と戦えるだけで嬉しいのに共に技を繰り出せるなんて気分がのるじゃないか!!」
 陽輝の言葉は間違いなく戦場の高揚がうかがえるものだったが、同時に娘と離れていた時間を埋めるかのような感傷を兼ね備えていたように、響と律には思えた。
「アタシと性格似てるね、本当に」
「本当に親子そっくりだな」
 こちらもどことなくしみじみした感じの響。そんなふたりを見ながら、親子の容赦ない追撃を受けた敵群に向けて人知れず合掌する律であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高崎・カント
康治さん(f42930)と一緒なのです
(修司が名乗らないので別人格の名前で覚えた)

もきゅう……
DEIを否定されると、モーラットはとっても困るのです
サッカーもできなくなっちゃうのです
アスリートアースはモーラットもスポーツできて楽しかったのです!

ティグレさんを軸に攻めるのです
上下左右にパスを振って、攪乱するのです
カントは小さい身体を活かして敵陣に切り込むのです
敵選手の足元を駆け回り、パチパチで目を眩ませちゃうのです【UC使用】

敵をカント達に引きつけたらボールに電気の力を込めるのです
マークが外れたティグレさんにロングパスしてシュートを撃ってもらうのです

もっきゅ! 多様性の勝利なのです!


遠藤・修司
カント(f42195)と
修司はスポーツ苦手なので、スポーツ大好きな人格(康治)が出ている

まったく、自由、平等、スポーツマンシップが理念じゃないのかな
……ん? アスリートアースではそうだよ
スポーツは基本的人権だと日本書紀にも書いてある
サッカーの神(式神の八咫烏)もそうだそうだと言ってるよ

僕は中衛から味方の動きを見てパスを出していく
サッカーの神も合わせて、立体的にパスを回してボールをキープ
敵陣を翻弄しながら押し上げるよ

カントが敵を怯ませたら一気に攻める
ティグレ、カント、そして式神の力をボールに宿して、ラケットで打つ!【UC使用『紅炎陰陽符』を選択】

よし! 皆が個性を生かして活躍した試合だったね!


エドゥアルト・ルーデル
これはヒーローズアースでのお話なんだ
誰が何と言おうとヒーローズアースなんだ

いっけなーい侵略侵略!早くしないと遅れちゃうでござる!全てを奪ったら帰るので不法移民ではございませぬぞ!
わからずやのポリスメンに道徳を叩き込まんとな…合せろエルボースタンプ氏!拙者がボールを上げるからエルダードラゴン氏がシュートだ!
という訳でサッカーしようぜ!お前らボールな!

ポリスメンに目線を向けるとグラビティがスイと出る
動かず見るだけ良いので攻撃されないですぞ!連続爆破で空に打ち上げていけ!名選手は視線だけで試合を支配できるんでござるよ知らんけど
トドメにエル・タヒン氏が相手選手をゴールにシューッ!超!エキサイティンッ!



●みんな違ってみんないい
『おのれ!行き過ぎた多様性を振りかざす不逞なる輩を早く排除するのだ!』
 なかなかエル・ティグレを逮捕できない部下たちに怒鳴り散らすミスター・プレジデント。むろんプレジデントには『行き過ぎ』を是正するなどという意図は毛頭なく、多様性そのものを排除したがっているのは目に見えていた。
「もきゅう……」
 そんなプレジデントを見ながら、高崎・カント(夢見るモーラット・f42195)は愕然としていた。
「DEIを否定されると、モーラットはとっても困るのです」
 |多様性《diversity》、|公平性《equity》、|包括性《inclusion》の頭文字を取ってDEI。人々の多様性を認め、人々を廟堂に扱い、人々が一体感を持てるようなそんな社会。ミスター・プレジデントはそれを憎み、その政策をものすごく簡単に言えば自分が好きなものを優遇して嫌いなものを徹底的にいじめて排除しようとしているようにしか見えないものであった。
「サッカーもできなくなっちゃうのです!アスリートアースはモーラットもスポーツできて楽しかったのです!」
 たしかにカントはアスリートアースでいろいろとやってきたようだ。サッカーのみならず野球にプロレスにテニスにトライアスロンにキャンプに何やらよくわからないスポーツまで。カントにとってはものすごく刺激的な体験であった。そういえばシルバーレイン世界ではモーラットが一般生徒に混じってソフトボールするのもダメだったようで。モーラットが種族ゆえに排除されない世界はやはりすばらしいものであるだろう。
「まったく、自由、平等、スポーツマンシップが理念じゃないのかな」
 カント同様、ミスター・プレジデントの言葉にあきれたように言うのは遠藤・修司(ヒヤデスの窓・f42930)……いや違う。修司は多重人格者なのだがどうやら本人はスポーツが苦手なようで、今しゃべっているのはスポーツ大好きな遠坂康治という人格らしい。
「あ、康治さんなのです!」
 修司を見かけたはいいが、どうも修司はあんまり口数多くないようで、カントと共闘は幾度かしたけど一度たりとも名乗った事がないらしく、カントは別人格の名前で覚えてしまったようだ。まあ今回に限っては正解を引いたわけだが。
「なんなのですその理念は?」
「……ん? アスリートアースではそうだよ、スポーツは基本的人権だと日本書紀にも書いてある」
「そうなのですか!すごいのです!」
 康治の言葉に、カントはスポーツマンリアリティショックを起こす事もなく素直に感心した。まあスポーツ嫌いな人だっているだろうけど、アスリートアースなら認められても良いだろう。
「サッカーの神もそうだそうだと言ってるよ」
 康治に応えるように、肩に止まったラドンではなく八咫烏を模した式神が一声鳴いた。アスリートアースにおいても日本サッカーのシンボルはやはり八咫烏なのであろう。そしてやはりカントは素直にそれを受け容れた。
「神様なのですか!すごいのです!」
『サッカーの神だってですか?』
 その言葉を聞いたのはカントだけではなかった。もしかしてサッカーやってくれるのか、と期待を込めたエル・ティグレがふたりの所に駆け寄ろうとした、その時。
「いっけなーい侵略侵略!」
『え?』
 突然曲がり角からやってきた男に衝突したのであった。
『って、なんでこんな所に突然曲がり角なんか出てきたんだでございますか!?』
 さすがに困惑したティグレ。だがぶつかったもう片方のエドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)は全く気にしていない様子であった。
「早くしないと遅れちゃうでござる!全てを奪ったら帰るので不法移民ではございませぬぞ!」
『いや、まあ、それは確かに不法移民のつもりなんざねえでございますが』
「なんだか個性的な人が来たね」
「もっきゅ……」
 まあカントも康治もなかなか個性的といえば個性的であるのだが。ただまあ方向性の違いというのもあるから、派手な個性地味な個性てのはあるのかもしれない。
「わからずやのポリスメンに道徳を叩き込まんとな……オット!その前に重要な事があったでござる!」
 エドゥアルトはどこかの方を向いた。

「これはヒーローズアースでのお話なんだ 誰が何と言おうとヒーローズアースなんだ」

「……??」
「……もきゅ??」
『……??』
 うん、むろんそんな事は言われなくてもみんな分かってるはず……分かってるよね??

「という訳でサッカーしようぜ!お前らボールな!」
 ちょっと物騒なエドゥアルトの言葉で、ともあれ試合は始まった。
『ううっ、やっとサッカーができるぜです……』
 感涙もそこそこにエル・ティグレは敵陣に真っ向から切り込んでいく。援護を得たその勢いは5人抜きを果たしたエースストライカーのごとくか。だがダーティーポリスたちとてそう簡単に抜かせてくれる相手ではない。
『ひるむな!命をかけて全うするワン!』『我々には覚悟があるのだワン!』『ワオーン!!』
 何千ものポリスたちが咆哮を挙げ、それらが共鳴して暴走状態となった。また別のポリスたちは巨大化して大幅に戦闘能力を上昇させた。強敵の大軍を前にした猟兵たちとティグレだが、むろんそのようなものにひるむわけにはいかない。
「合わせろエルボースタンプ氏!」
『……って、アタシの事かでございますか?』
「拙者がボールを上げるからエルダードラゴン氏がシュートだ!」
『いやだからアタシは……ええい話は後でするぜでございます!!』
 エドゥアルトとティグレの会話に、なぜか遠くでグリモア猟兵が「なかなかやるな」みたいな顔したらしい。
「……まあいいか、行こう!」
 こちらもあんまり理解できてなさそうな康治はサッカーの神こと式神の八咫烏とともに中衛として動き、後方からエースストライカーとして突っ込んでいくティグレを援護するつもりのようだ。
『真っ向からぶっ飛ばすぜ!』
 フィールドを駆け回るティグレに暴走状態のダーティーポリスたちが襲い掛かって来た。理性を失い速く動く者に無差別攻撃を行うポリスたちにとってティグレはいい的であった。それに対して康治は立体的なパス回しを行う事で敵陣をかく乱する。一方エドゥアルトはなぜか後方で微動だにしない。
「……あれ?なんで動かないんだい?」
「うろたえるな小僧ども!!」
 むろんそこにはちゃんと理由はある。疑問を呈した康治を一喝すると、エドゥアルトは戦場を睨みつけた。
「動く相手に攻撃する敵なら、動かず見るだけなら攻撃されないですぞ!」
 たしかに理にかなっている。そして動かぬままにエドゥアルトがポリスメンに目線を向けるとなるほどグラビティがスイと出た。【サイコフォース】でポリスたちは次々と連続爆破され空に打ち上げられていった。
「名選手は視線だけで試合を支配できるんでござるよ知らんけど」
「いや、それ、そういう事なのかなあ」
 かくしてフリーになったティグレは改めてフィールドを駆けるが、今度は巨大化ポリスが襲い掛かって来た。暴走ポリスと違って理性を持つため違ったやり方が要求されるが、そこに飛び込んでいったのは。
「もっきゅー!カントにまかせるです!」
 カントはモーラット特有の小さい体で巨大なポリスのただ中に勇敢に駆け込むと【モラスパーク】を発動した。巨大化して強化されたポリスたちだったが、むしろ巨体が災いして素早く動くカントを捕らえる事ができない。翻弄された挙句に静電気をまともに直視して目を眩ます結果となった。
「ティグレさん!今なのです!」
『おうよ!アタシの必殺シュートをくらうがいいでございます!』
「いっけーエル・タヒン氏!そこに拙者の力もひとつまみでござる!」
『いやだから誰の名前だよでございますかそれは』
 カントの電気とエドゥアルトのグラビティが乗ったボールをエル・ティグレが全力で蹴り込む……と、そこにもうひとつ。
「ならここに僕の力も加えさせてもらうよ!」
 八咫烏の力を込めた康治のラケットがボールをとらえ、炎と燃え上がりさらに加速した。3人の猟兵の力とエル・ティグレの宇宙級のサッカー技術が生み出したとてつもない必殺シュートは立ちはだかるポリスたちは全員車田飛びでぶっ飛ぶ羽目になり、ボールは見事に相手ゴールに突き刺さったのだった。
「超!エキサイティンッ!」
『これもみんなのおかげだぜでございます!』
「よし!皆が個性を生かして活躍した試合だったね!」
「もっきゅ!多様性の勝利なのです!」
「いやあみんな個性的ですばらしいでござるなあ、拙者などはこの通り地味なもので」
「「……いやいやいやいや」」
 とても個性的な4人が活躍し、ついに敵大将への道が開けた。戦いはここからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ミスター・プレジデント』

POW   :    グレイト・アゲイン「偉大なる英雄の復活」
無敵の【ヒーローとしての全盛期であった若き頃の姿】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    グレイト・ウォール「人民を守る屈強なる壁」
戦場全体に、【高さ10mの分厚い鉄筋コンクリートの壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    グレイト・リーダー「容易く行われる凄惨な正義」
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【行動を応援する熱狂的な支持者からの支持率】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●砂上のプレジデントタワー
『おのれおのれ!偉大なる我が国の主権を侵そうとする宗教テロリストどもめ!』
 猟兵たちとエル・ティグレに近くまで来られ、ミスター・プレジデントの怒りは最高潮であった。
『こうなったらわし自らが偉大なる我が国の威厳を見せつけてくれるわ!覚悟しろ侵略者ども!』

 わし自らとか言っておきながら、ミスター・プレジデントの周囲にはいまだに大量のダーティーポリスどもがあるじを守っている。プレジデントに攻撃を仕掛けるためにはこの守りを突破しないとどうにかならないだろう。そして厄介な事にミスター・プレジデント自身の能力も、その守りをさらに強めているのだ。
【|偉大なる英雄の復活《GREAT AGAIN》】はヒーロー活動と不動産業で大活躍したであろう若き日の自分を呼び出すものだ。なんだかんだで大統領になるほど有名だったようだ。自らへの自信に由来するとされるその強さは無敵と呼んで差し支えない程らしいが、その自信を崩す方法はあるだろうか。
【|人民を守る屈強なる壁《GREAT WALL》】は近隣国から自国を守るために計画されているらしい巨大な壁を迷路のように作るというものだ。鉄筋コンクリート製らしいけど実際の強度は現実の鉄筋コンクリートよりも強いだろう。これでポリスたちによる守りがさらに頑強になる事が予想される。
【|容易く行われる凄惨な正義《GREAT LEADER》】は、なんとあらゆる攻撃に行動するという反則的なものだ。そのコストは『プレジデントの行動を応援する熱狂的な支持者からの支持率』らしいが、困った事に熱狂的な支持者たちがちょうどプレジデントを守っている所だ。さてどうしたものだろうか?

 いずれにせよ、まずはどうにかダーティーポリスたちの防御を掻い潜らねばならない。そのためにはエル・ティグレと協力してサッカーの要領で突破しても良いし、サッカーが合わない、あるいは他の手段があると思えばそっちでも良いだろう。突破したらしたでプレジデントの厄介な能力をどうにかしなければならないが、星を救い、エル・ティグレにアスリートアースに帰ってもらうためにも、これはどうにかしないといけないだろう。だから、その、なんだ。ご健闘をお祈りしております。
(訂正)
×なんとあらゆる攻撃に行動するという
〇なんとあらゆる行動に成功するという
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
女神様の使徒ですから、『宗教関係者』というのは確かに事実ですねぇ。

召喚済みの『FPS』により敵方の配置を把握、『FLS』で『FIS』を召喚し空間歪曲を形成しまして。
【殫靕】を発動、戦場全体を『魔域』で覆い「過去への意思と忠義を排せ」と命じますねぇ。
当然断るでしょうが、『思いの強さ』に比例した弱体化を齎す『理』が『魔域』に満ちている以上、大統領の『過去への思い』による強化は相殺可能、周囲の警官達も『忠犬』であるが故に大幅に力を失いますぅ。
動きの遅れた大統領さんの間近に『FIS』でエルさんと共に転移、彼女の『暗黒星雲』で大統領の力を更に抑え、各『祭器』で[追撃]しますねぇ。



●まあこうなるよね
 言うに事を欠いて……かどうかは知らないが猟兵たちの事を宗教テロリストなどとぬかしたミスター・プレジデントに対し、夢ヶ枝・るこるの反応はといえば。
「女神様の使徒ですから、『宗教関係者』というのは確かに事実ですねぇ」
 言われてみればたしかに宗教関係者だ。プレジデントが想定している宗教とは違うものではあろうが。そういえば宗教関係者な猟兵ってのもしばしば見られますが、プレジデントが想定している宗教関係の猟兵っているんでしょうかねえ……いやいやいやいやこの物語はあくまでフィクションですええ。ともあれ敵は大軍こちらは少数、なればまず事前情報を知る事と、るこるは情報収集用の祭器を使って敵陣の配置の把握につとめた。
『我が国を侵そうとする原理主義者どもはこのわし自らが引導を渡してくれるわ!』
 なんの原理主義だろうね。ともあれ、大量の護衛に囲まれながらわし自らとはちゃんちゃらおかしいと思いきや。
『見せてやろう!我が国が|再び偉大になる《GREAT AGAIN》瞬間を!』
 プレジデントの怒号とともに現れたのはひとりの人間の姿。プレジデントと同じようなヒーローコスチュームに身を包んではいるが、その引き締まった筋肉質の体型はまぎれもない現役バリバリのスーパーヒーローのものだ。見ただけで強いのはわかるが、それと同じくらいにハンサムな甘いマスクに浮かべる微笑は民衆の指示を大いに集める事であろう。信じられるか?これこそ今まさに醜態をさらしまっているミスター・プレジデントの若かりし姿だっていうんだぜ。
『見たか!偉大なるわしの姿を!』
『おおー!プレジデント万歳ー!!』
 これをもってプレジデント自らが戦うを称するのは多少欺瞞も含まれているような気がしないでもないが、ただ少なくとも大統領を囲む警察官たちはその姿にもとから忠誠度が高かったところにくわえておおいに士気を高めたようだ。果たしてこの頑強な守りをどうしたものか。
「むこうの力は自分に対する強い自信、そして忠誠度からきているようですねえ」
 このあたりのるこるの分析は、自らが豊饒の女神の使徒として強い信仰を持っているあたりで共感する点もあったかもしれない。だからこそ、それを攻略する道筋も見出す事ができた。
「なので、それを崩してあげれば良いのですよお」
 むろんそんな事が容易にできるはずはない……普通なら。だが猟兵ならば話が違ってくる。るこるは力ある言葉を発動させた。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『演算の加護』をお与え下さいませ」
 そのユーベルコードの名は【殫靕】といった。殫=尽、靕は正しい事だ。読みのセイゼンタルホウテイシキは『整然たる方程式』であろう。なるほどことごとく正しい、と。で方程式で何をするかといえば。
『な、なんだこれは!』
 プレジデントは驚愕した。戦場全体をあやしげな領域が覆ったのだ。これはユーベルコードの効果による魔域なる空間らしい。そしてその効果は。
「命じます!過去への意思と忠義を排せ!」
『な、なんだとぉ!?』
 要するに、プレジデントは自らが呼び出した若い自分の強さの根源である、自らの過去への強い自信を。プレジデントをとりまく守護兵たちにはこれまた強さの原動力である大統領への強い支持を、それぞれ捨てろというものである。仮にこれを受け容れた場合るこるの戦闘力が上昇するらしいが。
『おのれ邪教の信者め!この強い星はテロリストの要求なんぞ飲む気はないぞ!』
 当然の拒絶。だがるこるにとってはこれも方程式の範疇であった。
「まあ、そうでしょうねえ」
 自分だって信仰を捨てるように言われたらこうもなろうというものであった。そしてそうなった時の仕掛けも。るこるはサッカーには見えなかったので出番はないものと完全に油断していたエル・ティグレに声をかけた。
「エルさん、一緒に参りましょう」
『え?アタシも一緒に行くのかでございますか?』
 返事を待たずに転移用祭器でるこるはティグレとともに敵陣深く侵入した。
『馬鹿め!飛んでクウェートを攻めるイラク軍とはまさに貴様らの事よ!砂漠の狐作戦でボコボコにしてくれるわ!』
「エルさん、暗黒星雲をお願いしますねえ」
『お、おうでございます』
『ふん!いくら貴様が強かろうとこの数とワシの力の前では……!?』
 侵入者を排除しようとしたプレジデントたちだが、呼び出した若き頃のプレジデントも、守備兵たちも、その力は本来のものよりもはるかに低い。逆にティグレの暗黒星雲に圧倒され、その力はさらに弱まるばかりだ。
『こ、これはどういう事だッッッ』
 るこるの仕掛け、それは拒絶した者にはその思いの強さに比例した全能力低下が降りかかるという恐るべきもの。そして思いに関してはプレジデントは凄まじいものがあった。すなわち自らの思いが自縄自縛となっていたのであった。
『お、おのれさすが民主主義の敵は卑怯な手段を用いるやつだ!』
「まあ、なんとおっしゃっても構いませんけどねえ」
 プレジデントの根拠なき罵倒に対し、るこるは言い返すよりも攻撃用祭器でありったけの火力を叩きつける方を選んだのだった。大統領の罵声は大爆発の中に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)、父の陽輝(f44868)参加

確かに大統領を名乗るだけあって実績はあるんだろうね。とりまきは無数にあるし、指示は絶対だろう。こちらも奥の手を使おう。何律は渋い顔してるんだ?

母の底力発動!!ああ、巨大化して圧倒的なプレッシャーを演出する!!ああ、ダーティポリスどもを【怪力】【気合い】【グラップル】や【足払い】で【範囲攻撃】。反撃も許さず蹂躙していく。

律と父上は壁の方の攻略してるようだね。なんだが律と父上が苦笑しているようだけど。さあ、かかってこい!!母は強い!!国家権力なんぞ押し返してやる!!


真宮・律
妻の響(f00434)と義理の父の陽輝(f44868)と参加

まあ、確かに実際に大統領としての実績がなければプレジゼントとは名乗れないよな。途端に世界から葬られるだろう。やっぱり侮れないな。

響、何する気だ?(おおきくなった響をみて)出た・・・この状態の響は関わると潰されるので、陽輝さんと壁を攻略しようか。

確かに壊す前にダーティポリスの妨害があるかもな。【残像】【心眼】【オーラ防御】【回復力】【瞬間思考力】で攻撃をしのぎながら、ライトニングフォーミュラを発動。ありったけの電流をぶつける。

陽輝さん、無事ですか?え?こんなに響がたくましくなって仰天?たくましすぎると思いますけど{苦笑}


天野・陽輝
娘の響(f00434)と義理の息子の律(f38364)と参加

確かに、実際に実績がなければプレジゼントは名乗れないね。実質的に最高権力者って訳だね。でもここの星の住民のため、横暴な権力者は退陣してもらおう。

響、奥の手とは(巨大化した娘に目を丸くする)いつの間にこんなにたくましくなったんだが。まあ、響に蹴り飛ばされないようにするよ。

この迷路のような壁を突破するんだね?相変わらずダーティポリイスが多い。【オーラ防御}【残像】【第六感】【回復力】で踏ん張りながら黎明の音楽隊を発動。無数のピクシーに突撃させる。

まあ、響の人生はきいてるが・・・本当に強くなったね。響は。



●家族
『おのれアカどもめ!』
 多大なダメージを受けたと思われたミスター・プレジデントだったが、さすがに戦いはまだ始まったばかりだ。むろん万全ではないだろうが、少なくとも敵手に対する怒りと自らへの強大な自信は失われるどころかますます燃え上がっている有様だ。おそらく戦闘能力についても万全の状態とまったく変わらない事だろう。そして改めて【グレイト・アゲイン】を発動、若き日の自身を召喚した。
『先刻のような卑劣な手段は二度と通用すると思うな!我が星に相応しい物量攻撃を見せてくれるわ!』
『大統領ー!大統領万歳ー!!』
 数を減じたダーティーポリスたちもその数はまだまだ多く、士気も高いままだ。そんな様子を見て、真宮・響はつぶやいた。
「確かに大統領を名乗るだけあって実績はあるんだろうね」
 それは間違いないだろう。少なくとも過去のヒーロー活動で知名度は抜群にあるというのは容易に想定された。かつてスーパーヒーローだった人物がなぜこんな風に堕落した政治家になってしまったのか。年老いていく過程で堕落したのか、それとも最初から内面に黒いものを秘めていて、うまいことそれを隠しながらヒーロー活動をやっていたのか、それは本人にしかわからないことだろう。
「まあ、確かに実際に大統領としての実績がなければプレジデントとは名乗れないよな」
 真宮・律は妻の言葉に同調した。このあたりは難しい所で、大統領としての『実績』はまああるだろう。ただしそれが万人に受け容れられるものかどうかは議論の分かれる(同じ割合に分かれるとは言ってない)ところではあるだろうが。しかし、こいつが最初に出現した時期を見ると、たぶんだけどこいつはまだ大統領じゃなかったらしく。つまり大統領ではないのに我こそ真の大統領だという妄想でプレジデントと名乗っていた可能性がかなり高いのである。こんなやつがなんで本当に大統領になってしまったかといえば……繰り返すけど、本当にいろいろな事があったようで。うん。
「並大抵の奴なら途端に世界から葬られるだろう。やっぱり侮れないな」
「いずれにせよ、実質的に最高権力者って訳だね。でもここの星の住民のため、横暴な権力者は退陣してもらおう」
 結局のところ、天野・陽輝の言葉が全てなのだろう。政治家になる前の実績とか関係ない。自称通りの大統領になってしまった後の行いこそが重要なのだ。まあ実際の所、エル・ティグレを助ける目的があるわけだから、その時点でプレジデントとは敵対しなけりゃならないわけではあるが。
『ふん!汚い不法移民めが侵入を図ろうとしているようだが、偉大なるわしは既に対策を立てていたのだ!これを見よ!』
 真宮家の3人に気付いたプレジデントはこんな事もあろうかと用意させた【グレイト・ウォール】を出現させた。なんでも鉄筋コンクリート製の壁を作るに際し、プレジデントは製作費を不法侵入者の『出どころ』である隣国に支払わせようというとんでもない暴挙に出たが、さすがにこれは当然のように拒絶されたとか。しかし今出た壁はただの一枚の壁ではない。プレジデントまでの道を阻む巨大な迷路なのだ。
「さて、どうしたものかねえ」
 陽輝の言葉に律も響も頭を悩ませる。突破しなければならないのは眼前の巨大迷宮だけではない。プレジデントの取り巻きであるダーティーポリスたち、そして大統領の若かりし頃の虚像。この3つに対処しなければならないのだ。
「馬鹿正直に迷路を抜けるよりは、壊してしまおう」
「なるほど、正面から突破するわけだね」
 迷宮に対しては律の案が採用された。相当に頑丈な壁かもしれないが、複数の猟兵がかかればどうにかなると判断したのだろう。で、残る問題についてだが。
「取り巻きは無数にあるし、指示は絶対だろうね」
「確かに、相変わらずダーティーポリスが多いね」
「そっちはアタシが任されるよ、奥の手を使おう」
「奥の手……響、何する気だ?まさか……」
 大統領の虚像とダーティーポリスは響がまとめて相手をするという。そしてその『奥の手』に、どうやら律は思い当たるフシがあったようだ。
「ん?何、律は渋い顔してるんだ?」
「い、いや、何でもない」
「ま、いっか。じゃあいくよ!」
『不審者だワン!抹殺するワン!場合によっては逮捕拘禁し処罰しても構ワン!』
 国境の壁に一直線に向かう3人に、さっそくダーティーポリスどもが殺到してきた。それに対し響が一歩前に進み出た。それを見て律は陽輝に呼びかける。
「陽輝さん!危険です!下がりましょう!」
「ん?なんだかわからないが、その方が良さそうだね」
 律の真剣な様子に陽輝も足を止め、ふたりして響から距離をとった。自然と響は犬どもに単騎で立ち向かう形になる。そして響は『奥の手』を発動させた。
「家族のためならなんだってやってやるさ!見せてやるよ!」
 途端にその体が巨大化し、身長3mを超え、4本の腕を持つ異形の鬼がそこに現れた。おそらくこの星の者は『鬼子母神』という名などわからないだろう。自らの子を育てるために他人の子供を食べ恐怖された鬼。その力は今後方にいる父に夫、そしてここにいない子供たちのために振るわれるものだ。
「さあ、かかってこい!!」
『ひ、ひるむなワン!皆でかかれば倒せるはずワン!』
 さすがのダーティーポリスたちもこれには驚いたが、それでも数の優位と大統領への忠誠心をもって突っ込んできた。だが多勢に無勢などという言葉が通用するほど今の響は甘くはない。
「本当に来るとはね!その度胸だけは大したもんだよ!」
 たちまち犬どもを蹴散らしていった。そこに飛んできたのが派手なコスチュームのスーパーヒーロー。若き頃のミスター・プレジデントの虚像だ。今度はダーティーポリスのようにはいかないだろう。それでも響は真っ向からこれに立ち向かっていった。
「母は強い!!国家権力なんぞ押し返してやる!!」

「出た……」
「あれが響の奥の手かね?」
 前もって知っていた律と、知らなかった陽輝は対照的な反応を示した。
「いつの間にこんなにたくましくなったんだか」
「言ってる場合じゃないですよ陽輝さん、潰される前に俺たちは壁の方に行きましょう」
 響が虚像のスーパーヒーローと警察を相手取っている間にふたりは迷宮を攻略する手はずだった、が。
「相変わらずダーティポリスが多いね」
「妨害されるのは間違いないですね」
 どうやら半数は壁の防衛に回っていたらしい。それでもやる事に変わりはない。当初の予定通り壁を破壊する事で迷宮を突破するのだ。ふたりは意を決すると壁に突撃していった。
『敵襲だワン!ここは通さんわん!』
 むろん、このような事態を想定して配置されていたポリスたちはふたりの姿を見て次々に突撃していった。
「きます!」
「ああ、しばらく耐えだな」
 強力な壁を破壊するためには強力なユーベルコードが必要だろう。発動までの時間を稼ぐべく、ふたりは敵の波状攻撃を必死で耐えた。そして。
「行くぞ!【ライトニングフォーミュラ】!」
「さあピクシーたちよ!歌い踊り給え!」
 十分な生体電流のチャージ時間を経て律が放つ大量のホーミングレーザーが、陽輝が【黎明の音楽隊】で呼び出した小妖精の群れが、壁に向かい、これを粉々に粉砕していった。
「そっちは終わったかい?」
 同時にプレジデントの虚像を退けた響がふたりの方に来るのが見えた。残りのポリスたちは一度後方に引き上げ、進撃するなら今が好機だろう。
「それにしても、響の人生は聞いてるが……本当に強くなったね、仰天するほどたくましくなったよ」
「……たくましすぎると思いますけど」
 響の姿を見ながら感慨深げにつぶやく陽輝と、苦笑いを浮かべる律。ふたりの態度は全く異なっているようで、その実、根っこの部分では一致していたかもしれなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

遠藤・修司
カント(f42195)と
引き続き康治が出ている

あ、カントが何か悩んでるね
僕達はサッカーしに来ただけだよ
大統領を弾劾するかはこの星の人達が決めればいいのさ

よしよし、やる気になってくれたみたいだね
選手のメンタルケアも僕の仕事だからね

サッカーの神(式神)を飛ばして、相手や味方の位置を確認して指示を出す
迷路の上のカントを起点に、相手の手の届かないところからパスを繋ぐ

いい感じに敵の守りを抜けたら、ティグレに竜巻で飛んでもらおう
ちょっとパチパチするかもだけど、君なら大丈夫さ

ねえ“|僕《修司》”、あの辺に魔法陣を置いてくれるかな?【UC使用】
ティグレのシュートに運動エネルギー3倍の魔法陣を4つ重ねるよ


高崎・カント
康治さん(f42930)と

もきゅ? もきゅぴぴぃ、きゅーう?
カントは知ってるのです
大事なことは皆で多数決をするのです
銀誓館はそうなのです

あの人は一応選挙で選ばれたのですよね?
いくらめちゃくちゃでもぶっ飛ばしていいのです?

もっきゅ、そうでした! これはサッカーなのです!
遠慮無くぶっ飛ばすのです!

10mの壁なんてモーラットには意味ないのです【UC使用】
竜巻をぴょんぴょん飛んで迷路の上をドリブルするのです
画一性は突発的なことには弱いのです
カントは猟兵なので自分で考えて動けるのです

犬さんが困っている隙にボールを回して、守備の隙を突くのです
敵が竜巻に昇ってくるようなら、パチパチして攻撃なのです



●いんだよ細けえ事は
『むう!わしの作った壁が!』
 どうやらこっそり抜けるならともかく、真っ向から壁が破壊された事にミスター・プレジデントは衝撃を受けたようだ。
『おのれ!次はぬかるでないぞわしの支持者どもよ!』
『イーッ!!』
 プレジデントはダーティーポリスたちとともに気合を入れなおすと、新たなグレイト・ウォールを張り、猟兵を迎え撃つのであった。

 一方、壁を攻撃する側の高崎・カントに遠藤・修司だったが。
「もきゅう……もきゅ?もきゅぴぴぃ、きゅーう?」
「ん?どうしたんだいカント君?」
 なぜかカントが浮かない顔をしていたため、修司ではなく前回から引き続き出ている遠坂康治の人格が声をかけた。
「カントは知ってるのです、大事なことは皆で多数決をするのです」
「うん、そうだね」
「銀誓館はそうなのです」
 そうらしい。シルバーレインにおいては何か重大ごとを決める時には能力者の投票で決められていたのである。なので、ちょっと今回の依頼にも引っかかるところがあったようだ。
「あの人は一応選挙で選ばれたのですよね?いくらめちゃくちゃでもぶっ飛ばしていいのです?」
「なるほどね」
 たしかに。どんな理由や前提があったとはいえ、あのミスター・プレジデントはたしかに大統領選挙で選ばれたのだ。それは確かな事だ。それを正当化させる論理はいくつかあるだろう。例えばこれまで触れていなかったが結局プレジデントはオブリビオンなのでそれを倒す事は基本的には最優先されるというのはあるだろう。あとは民主主義というのは多数決で決められたトップに絶対服従しなければならないというものではなく、むしろ主権者としてはある人が投票した人が当選したとして、のちにそれが過ちだと思ったならむしろ投票したからこそそれを厳しく批判し場合によっては退陣を迫る責務があり、実際に人々が自ら選んだ大統領に苦しめられ、しかし退陣を迫るほどの力がないのなら代行を考えてもいいのだ、とか。で、結局のところ、カントの疑問に対する康治の回答はきわめてシンプルなものだった。
「僕達はサッカーしに来ただけだよ、大統領を弾劾するかはこの星の人達が決めればいいのさ」
「もっきゅ、そうでした!これはサッカーなのです!」
 そしてシンプルだからこそカントに通じたのかもしれない。まあそのサッカーをしようとしているエル・ティグレに侵略の意志がバリバリにあるとかはまあこの際考えなくても良いだろう。
「遠慮無くぶっ飛ばすのです!」
「よしよし、やる気になってくれたみたいだね、選手のメンタルケアも僕の仕事だからね」
 気合の入ったカントに笑顔を向け、康治は『サッカーの神』こと式神を飛ばした。上空から相手の陣形を把握するのが目的だ。
「それじゃあ行くのです!」
『待ちやがれでございます、先陣を切るのはエースストライカーであるアタシだぜです』
「ちょっと待ってください」
 敵陣に突っ込んでいったカントに負けるまいと突撃しようとしたエル・ティグレを康治は止めた。
『なんだでございますか?』
「まずはカント君に足場を作ってもらいましょう」

「見えてきたのです!」
 全力で走るカントの前に現れたのは高さ10mを誇る壁、そしてそれを守る敵兵の群れであった。
『敵襲だワン!あの毛玉を逮捕するワン!』
「早速犬さんたちが来たのです!まずはこれです!」
 敵襲にもカントは速度を落とさず、いやむしろさらに加速した。その体がやがて回転を始め、彗星のような尾を引く竜巻を化した。
「これがカントのモラ・スピンなのです!またの名をカント・タイフーンなのです!」
『キャインキャインっっっ』
 ボウリングのピンのように、あるいは大量の一般兵に向けて一騎当千の将が武器を一振りしたかのように、ダーティーポリスたちはまとめて吹き飛ばされた。だがモラ・スピンの効果はそれにとどまらない。高速回転移動を行った軌跡にはいくつもの竜巻が残されていたのである。
「10mの壁なんてモーラットには意味ないのです!」
 カントは竜巻を足場にするとそのまま壁の上まであっという間に辿り着いた。そこに『サッカーの神』を通じて康治からボールが送られてきた。
「ナイスパスなのです!」
 そのままカントは壁の上をドリブルしながら進んでいく。これにはさすがのダーティーポリスたちも驚愕。
『お、おのれなんという事をッッッ』
「画一性は突発的なことには弱いのです!カントは猟兵なので自分で考えて動けるのです!」
 たしかにオブリビオンは強力だ。だがその情報は事前に伝わっており、かつ不規則的な行動も基本的には来ない(応用的には知らん)。猟兵がオブリビオンと戦うための基本と言えただろう。とはいえ画一性ある相手といえどそこまで硬直はしていないようで。
『そうだ!我々も竜巻を登ればいいのだ!』
 一応それくらいは思いつく頭はあったようだ。だが。
「残念ですがそれは読み筋なのです!」
『こ、これはッッッぎにゃああああ』
 竜巻にはパチパチ火花が宿っており、それがダーティーポリスたちに容易に利用させてくれない。そしてそれを見て、康治はティグレに伝えた。
「さて、そろそろティグレ君にも行ってもらうかな」
『ま、まさかアタシがアレを登れって事かよですか?』
「ちょっとパチパチするかもだけど、君なら大丈夫さ」
『ええいやったるわいでございます!』
 大丈夫と言われてはそれで尻込みしてはフォーミュラとしての沽券にかかわるとティグレは一直線に壁に突っ走っていった。それを見ながら康治は自分の中の『遠藤修司』に呼びかけた。
「ねえ、“|僕《修司》”」
(……なんだい、今回は僕の出番はないと思ってたんだけど)
「あの辺に魔法陣を置いてくれるかな?」
(……ああ、そういうことか……)

 壁を登ろうとするポリスたちをパチパチで追い払いながらボールをキープするカントのところに。
『痛てて……待たせたなでございます!』
 どうにか静電気に耐えながら竜巻を駆け上って来たエル・ティグレが合流した。
「待ってたのです!あとは頼むです!」
『頼まれたよでございます!くらいやがれ!』
 カントから任されたボールをティグレはダイレクトにシュート!その方向にはミスター・プレジデント。
『馬鹿め!フォーミュラだかなんだか知らんがそんなところからボールを蹴った所で仮に届いたとしてもただのボールでしかないわ!』
 嘲笑ったプレジデント。だが彼は気付いていなかった。ティグレと自らの間に魔法陣が展開された事を。康治、いや修司の使った【魔弾の射手奥義】による魔法陣はそこを通過した物の運動エネルギーを3倍にする効果がある。今回現れた魔法陣は4つ。すなわち運動エネルギーは3×3×3×3=81倍。ただでさえ強烈なティグレのシュートはなにやらとんでもない事になってプレジデントに一直線。
『へばあっ!?』
 プレジデントくんふっとばされたー!
『よっしゃ!見事に決まったぜでございます!』
「ナイッシューなのです!」
「ふたりとも、ナイスプレーだ」
 得点を喜ぶティグレとカントの様子を遠くから見つつ康治は親指を上げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
なァにが偉大な国でござるか!サッカーランクで一番でもないくせにデカい顔して貰っちゃあ困りますぞ!サッカー弱い国に人権はねぇこの弱小サッカー野郎が!
…とエルフ氏が申してますぞ

ヒーローと不動産王として無敵であってもサッカー選手としてはどうかな?
当たりを強く!容赦なくプレスしていけ!時には背後からマントを引っ掴んで妨害だ!言いがかりだなぁ拙者は触ってないですぞ…恐らくそれは神の手でござる!そんな言いがかりヒーローがやっていいのかァ~?
審判が見ていない所では何やっても許されるんだよ!オラッ半端ないってラフプレー見せたる!得意だからな!

サッカーの部分はエル・ティg…エルナン・コルテス氏が頑張ってくだち!



●マリーシア
『んんんんんー、許るさーん!!』
 自慢の壁を完全に突破されてミスター・プレジデントは完全にぶち切れていた。
『こうなったら仕方がない!わし自ら我が国の偉大さを見せつけてくれるわ!』
 改めて、若いころの自らの姿を呼び出し、猟兵とエル・ティグレを迎え撃つ準備は万端だ。果たしてこれをわし自らと呼んでいいのか疑問はあるが、まあ能力の産物だからセーフだろうそういうことにしておこう。
「なァにが偉大な国でござるか!」
 そしてエル・ティグレとともに現れたエドゥアルト・ルーデルは実にいい表情でプレジデントを嘲笑した。
「サッカーランクで一番でもないくせにデカい顔して貰っちゃあ困りますぞ!」
『サッカーランクだと!?』
 このシナリオはあくまでヒーローズアースの話だと前置きした上で、どっかの国のとあるランキングはこれを書いてる時点で……16位。思ってたより高い。ただまあ一番でない事には変わりない。世の中数値上一番を取るだけが全てじゃないジャンルだってあるのだろうけど少なくともサッカーの分野では本田や香川だって優勝した事ないからカスだって言われてしまうわけで。
「サッカー弱い国に人権はねぇこの弱小サッカー野郎が!……とエルフ氏が申してますぞ」
『言ってねえ言ってねえぞでございますあと相変わらず名前が違うでございます』
『何を言うか!』
 言いたい放題のエドゥアルトに対してプレジデントもさすがに言い返した。
『ワシの国は前回のワールドカップでノックアウトステージに行ったが貴様の国はどうだった?』
「さてなんのことでござろうなあ?ちょっと言ってる意味わからないでござる」
 まあプレジデントの国と某国は別の国だろうし、エドゥアルトの故郷もワールドカップでグループリーグ敗退した某国と明言はされてないようなので、ちょっと記憶の混線があるのかもしれない。
『そもワシの国ではサッカーなど惰弱者がやるものだ!ワシのようなジョックがやるのはアメリカンフットボールにレスリングにバスケットボールと決まっておるわ!』
『なんだと野蛮人が!』
「まあ待つでござるよエルサムライ氏」
 文字通り人生賭けてきたサッカーを馬鹿にされて激高しかけたエル・ティグレをエドゥアルトは押しとどめた。
「ここはサッカー選手らしくサッカーで語るでござるよ!相手だってああは言っているけど結局サッカーには逆らえんようでござるし!」
『あ、ああ、そうだなですね、アタシとした事が取り乱しちまったでございます』
『ふん!サッカーなど下等な玉遊びである事をワシが証明してやろう!』
 かくして改めてエドゥアルトとエル・ティグレは若き日のプレジデントと対峙した。サッカーとくればルールはシンプルである。猟兵側はヤングプレジデントの妨害を掻い潜ってプレジデントにシュートを叩き込めば勝利で良いだろう。ただそれは無論容易ではない。中途半端なロングシュートなどは全てヤングに阻まれてしまうだろう。なんとかしてヤングを抜かなければならない。
「ヒーローと不動産王として無敵であってもサッカー選手としてはどうかな?」
 それでもエドゥアルトは自信満々にヤングに指を突き付けた。対するヤングは虚像なためか、あるいは若い頃が本当にそうだったのかはわからないが、あくまで仏頂面を通していた。
「本当のサッカーというものを見せつけてやるでござる!このエル・ティg…エルナン・コルテス氏が!」
『おい……でございます』
「頑張ってくだち!」
『……ございます』
 こいつ|無法者《ヤベーヤツ》だ。ティグレは思ったが、一応立場の問題があったので口には出さなかった。ただサッカーを見せつける事自体に異存はない。ボールを受け取るとドリブルで一気にヤングを抜き去ろうとした。だがさすがはヤングも無敵のヒーローである。鍛えられた肉体から繰り出される俊敏な動きはさしものサッカーフォーミュラといえど簡単には抜く事ができない。
「当たりを強く!容赦なくプレスしていけ!抜くなんて何かにひっかかるでござる!」
『……そうでございますね』
 エドゥアルトの言葉にツッコミを入れたくなるのを我慢しながら必死で隙を探るティグレ。だがなかなか見つかるものでは……と思いきや。ヤングの動きが一瞬止まった。
『今だぜです!』
 それを見逃すティグレではない。ヤングの横をすり抜けると一気に駆け抜けていった。それを追おうとしたヤングだが、今度はよもやの転倒。
『おい!卑怯な真似を!』
 無口なヤングに代わってプレジデントが猛抗議をした。というのもエドゥアルトがヤングのマントをひっつかんだり、足をかけて転ばせたところをしっかりと見ていたのである。
「言いがかりだなぁ拙者は触ってないですぞ」
『何を戯言を!』
「恐らくそれは神の手でござる!そんな言いがかりヒーローがやっていいのかァ~?」
 怒り狂うプレジデントなどどこ吹く風とばかりにエドゥアルトは挑発めいた言葉を飛ばす。
「審判が見ていない所では何やっても許されるんだよ!」
 なんというやりたい放題ぶり。なんというハジケぶり。エドゥアルト半端ないって。よもや既存の法を無視しまくって新たに自分勝手な法を作りまくったプレジデントが、それが通じないサッカーの法によって痛い目を見るとは。いやこれ法の問題じゃないという意見もあるがまあ大した問題ではないだろう。
『お、おのれ蛮族どもめー!やっぱりサッカーなんかやってる奴はろくな奴ではないのだ!』
『言いたい事はそれだけか?』
 そうこうしているうちにエル・ティグレはプレジデントの目前まで来ていた。サッカーで言うならペナルティエリアまで侵入されてキーパーと1対1になったも同然の状況だ。
『こいつをくらいやがれ!』
『!!??』

 プレジデントくんふっとばされたー!

(ば、馬鹿な、この星にはワシが必要なのだ、この星を再び偉大にするためワシは必ず戻って来るぞおおおおお)

 そしてそのまま骸の海に還っていった。
「ブレグジットとやら、拙者と貴様の実力はほぼ互角だった、だが勝負を分けたのは……わずかな心の在り方の差ッ!」
『いやいやいやいや決めたのはアタシだでございますから』
 そして結局エル・ティグレはキメ顔のエドゥアルトに突っ込みを入れる事になったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『かがやけ!ホットドックで大食い大会!!』

POW   :    勢いで食べて食べて食べまくる!

SPD   :    ウィンナーとパンに分けて流し込むぜ!

WIZ   :    心を無にして食べまくる!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アメリカンなもてなし方
 前大統領はオブリビオンだった!
 その事実は星全体をおおいに揺るがせる事になったが、それでも猟兵たちとエル・ティグレの活躍により危うくオブリビオンに支配されかけた星は解放された。いずれ改めて大統領選挙が行われるだろうが、経緯が経緯だけにおそらくミスター・プレジデントの対立候補だった政治家が新たな大統領に就任するだろうというのがもっぱらの噂である。

 それはさておき。
 誰に言われるまでもなく、人々は一時の平和を祝って祭りを始めたのであった。で、猟兵たちもそこに参加する事になったのだが、そこで盛大に行われているひとつの催し物があった。
「おお!あんたらも参加していくかい?英雄さまの食いっぷりを是非見せてくれ!」

 なんとなくこの星に相応しいような、ホットドック大食い大会。
 成り行きで参加を決めた猟兵たちの運命はどっちだ?

 ちなみに大食いなんて無理って人は……大会への参加は別に競技者だけじゃなく、観客、裏方、その他いろいろ考えられますということでひとつ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
この催しは有難いですねぇ。
楽しませて頂きますぅ。

【閎胘】を発動、【|無極万食姫《インフィニット・イーター》】のスキルを解放しますねぇ。
元々の『膨大な体内容量』を[肉体改造]と[化術]で更に増幅し消化と吸収の速度を超強化、[大食い]の量と[早食い]の速度と共に[限界突破]することで、名前の通り『無限に等しい量の食事』が可能になりますぅ。
一般的な『大食い大会』に用いられるサイズのホットドッグでしたら、体感的には普通の方にとっての塩一粒以下の量にしかなりませんので、時間の許す限り頂きますねぇ。
まあ、吸収完了までの間、お腹が凄まじく膨れることになるのは、仕方がないということで?



●いきなり本命登場
 改めてになるが、夢ヶ枝・るこるは豊饒の女神の使徒である。どうやらその教えにはよく食べる事が含まれているようで。まあ豊作になったらその分食わなきゃこれをもたらしてくださった神様に申し訳が立たないのはあるだろうから、それは首肯できる。そんなわけで、るこるは山と積まれたホットドックを前に笑顔を隠せずにいた。
「この催しは有難いですねぇ。楽しませて頂きますぅ」
 非常にふくよかな体形のるこるが壇上に上がったのを見て観客たちは熱狂した。それはむろんるこるの体型が女性ながら大食漢である事が容易に想像できたからであり、決して露出度の多い服装のためではない。余談だが女性に対して『大食「漢」』という言葉を使うのが妥当か否かを某AIに聞いてみた所「気になるなら『大食い』とかが無難だけど別に大食漢だってそこまで性別意識した言葉じゃないから使ってもいいんじゃね?」との事。ともあれホットドックの大食いを期待する観客たちに応えるためというわけではないが、るこるはユーベルコードを使用した。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、無限なる暴食の化身よ、私の元へ」
 その名は【閎胘】といった。閎=門、胘は動物の胃袋の事だ。読みの『ヒョウビョウタルキカイ』は『縹渺たる気海(奇怪?)』……うーん。ともあれこれで得られるスキルは『|無極万食姫《infinite eater》』なる、まさに大食い早食いのために用意されたものであった。もともとるこるはそんなもの使わなくても非常に大食いであるらしいが、このスキルで消化吸収速度は超上昇、その食事量と食事スピードを限界突破させ、結果として通常サイズのホットドックなら1個が常人にとっての塩粒1粒に等しい量に感じられ、文字通り無限に等しい量の食事が可能になるとか……おいこいつ出禁にした方が良くねえか?
「では早速、いただきますぅ」
 戦闘開始を告げるピストルの音とともに、そりゃあもう食べる食べる食べる。まあユーベルコードに頼ろうと頼るまいとそんなこたぁ観客がわかるはずがない。とにかくその見事な食いっぷりにただただ声援を送るだけだ。そしてやがて観客たちは気付くだろう。食べまくるにつれてるこるのおなかがむちゃくちゃ膨れている事を。どうやら胃腸の容量までは無限にならなかったようだ。それでも吸収してしまえばいったんは減るぽいので凄まじい。るこるの服が露出が多い理由が、この状況で着れる服がなかなか見つからないという事だそうな。
 ともあれこの食いっぷりなら優勝は目に見えている。そう、誰もが思った事だろう。果たしてストップるこるを成し遂げる猟兵は現れるのだろうか?それは今後のお楽しみということで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
夫の律(f38364)と父の陽輝(f44868)と参加

まあ、なんとかなったようでよかった。後はこの星の人たちに一任するよ。もうミスター・プレジテントの圧力はないだろうし。

ホットドック大食い大会・・・まあ、心を無にすれば一杯食べれるね。父上は裏方か。まあ、父上は年齢的に大食いは無理だしね。

大食いといえば律の独壇場じゃないか?実は娘の奏のお腹はブラックホールだが、これは律からの遺伝だ。実はサメを1匹じゃ足りなくてもう1匹しめたぐらいだ。

律はホットドックは大好物だ。虚無の表情をしながら食べる私と食べまくる律とホットドックを目の前に次々と置いていく父上と水を差し入れるシチュがみれるんじゃないかな?


真宮・律
妻の響(f00434)と義理の父の陽輝(f44868)と参加

まあ、ミスター・プレジゼントの影響力がなくなれば、この星は自由な意見が出せる。この星はもう安心だな。もうイベント開催準備してるしな。

ホットドック!!大好物だな!!そうだな、サメは2匹シメた!!おいしかった!!実は奏程ではないが、俺はかなり食べる。陽輝さんは裏方か。まあ、年齢的に大食いは無理だしな。

大食いは俺の独壇場だな。結果、最早無表情になった響とハイスピードでホットドックを食べまくる俺と、笑顔でホットドックと水を配る陽輝さんの姿が見れるかと。


天野・陽輝
娘の響(f00434)と義理の息子の律(f38364)と参加

プロバガンダに使われていた側からいえば圧倒的なプレッシャーがなくなれば皆自由に意見が出せる。この星は大丈夫だろう。

さあ、湿っぽい話はここまでにして。ホットドックは私は嫌いではないが、律と孫のように健啖家ではないし、年齢的な問題もあるしね。裏方に回らせてもらうよ。

黎明の音楽隊でシルキーを出していいならお手伝いさせるよ。こころを無にして食べまくる響と食べまくる律を微笑ましく思いながらホットドックを配っていくよ。水も差し入れるかね。いい催しだ。私も参考にするか。



●家族もそれぞれ
 ミスター・プレジデントの『退陣』により活気が出てきた星。
「まあ、なんとかなったようでよかった。後はこの星の人たちに一任するよ。もうミスター・プレジテントの圧力はないだろうし」
 安堵したように真宮・響は言った。それに真宮・律に天野・陽輝も同調する。
「まあ、ミスター・プレジゼントの影響力がなくなれば、この星は自由な意見が出せる」
「圧倒的なプレッシャーがなくなったからね」
 かつて自らも音楽家として、ダークセイヴァー世界において知らず知らずのうちに支配者たるヴァンパイアのプロパガンダとして陽輝には複雑な思いがあったようだ。
「この星は大丈夫だろう」
「そうだな、もうイベント開催準備してるしな……お!」
 さっそく活気を取り戻し始めた都市を見て、復活を確信していた3人。そんな彼らの中でホットドック大食いに目を光らせたのは律だった。
「ホットドック!!大好物だ!!」
「あー、アンタはそう言うと思ってたよ」
 目を輝かせる律に苦笑する響。実はこう見えて律は非常に大食いらしい。響との間の娘はそれにさらに輪をかけたブラックホール級らしいのだが、そこまでではないにせよ律もそうとうなようで。
「この間もサメ1匹じゃ足りなくて2匹シメたぐらいだからね」
「ああ、あれはおいしかった!」
「そんな事があったのか」
 落ち着き払ったように言う陽輝も驚いてはいるのだろうけどちょっと口調からはうかがえない。なによりも目の前にはより重要な事があったのだ。
「それよりも響はどうするんだい?」
「こっちは俺に任されて見物でもしてたらどうだ?」
 響は律と違い食事量は常人並みだ。参加者には律クラスの大食いも多数出るだろうし、猟兵ならユーベルコードを使って食事量を大幅に増やす者も出てきそうだ。そんな中に参加するのは無謀と男ふたりは判断したのだろう。だが響の決断は。
「……いや、出る!」
 勝算よりも負けず嫌いの気質が勝ったようだ。
「おいおい、大丈夫か?」
「心を無にすれば一杯食べられる!」
「……わかった、ふたりでがんばろう。陽輝さんは?」
 説得は無理だろう。それくらいは律にもわかっていた。一方で陽輝は別の選択肢を選んだようだ。
「ホットドックは私も嫌いではないが、私はそこまで健啖家ではないし、何よりトシだからね」
「さすがに父上は年齢的に無理か」
「それじゃ陽輝さんは見物に回るんです?」
「いや、それもおもしろくないな。裏方に回らせてもらうよ。お前たちの助けぐらいはできるさ」
 律と響がホットドックを食べ、陽輝がバックアップに回る。かくして布陣は決まった。あとは食べるだけだ。

 かくして戦いは始まった。
「うん、こいつはうまい!」
 大食い用の簡素なものとはいえ、本場のホットドックは焼き加減や味付けが実に洗練されており、それを律は存分に味わった。ただ味わってばかりもいられない。重要なのは大食い、早食いだ。律は次々にホットドックを体内におさめていく。体格に見合わぬ大食いぶりに会場はおおいに沸いた。
「……」
 一方、対照的に響は死んだような目でただ淡々とホットドックを消化していった。これで満腹感を忘れようという作戦のようだ。何か感情を挟むとたちまち腹部の強烈な圧迫感が響を襲う事だろう。他の参加者や隣の律のような華やかさのない食べ方にはヤジが飛ぶかもしれないが、また大会終了後の反動も気にならないでもないが、少なくとも今は全て忘れるのだ。
「ふたりともがんばってるな」
 そして陽輝はそんなふたりに微笑みを向けながらホットドックや水を配っていった。実はこっそりと【黎明の音楽隊】で呼び出したお手伝い妖精のシルキーでふたりの回復を行ってたりするのだが、まあ他の猟兵もユーベルコード使ってたし、あるいはヒーローズアースなら能力も大食いのうちという事という認識だったりするのかな、と、なんか先刻とは真逆な地の文であった。
「いい催しだ、私も参考にするか」
 余裕のあらわれか、会場の盛り上がりを見てそんな事を考えた陽輝。果たして勝者は誰になるのか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高崎・カント
もきゅぴぴ、きゅっぴ! もきゅー!!
夢のような光景なのです!

お、お、お、おいしそうなのです(じゅるり)
これ全部食べていいのです? わーいなのですー!(嬉しすぎて踊る)

カントの1番好きな言葉はゆーいっちゃんからの「大好き」なのですが、2番目に好きなのは「召し上がれ」なのです
それではお言葉に甘えて……いただきますなのですー!!

もきゅもきゅ……もきゅーん!
さすが本場の味、お口の中で熱々のソーセージが跳ねるのです
これなら何本でも食べられちゃうのです

実はカントは早食いは得意じゃないのです
おいしいものはじっくり味わいたいのです
もきゅもきゅ、もぐもぐ……ぺろり(大皿を空にして)
おかわりくださいなのですー!!



●これでいいのだ
「もきゅぴぴ、きゅっぴ!もきゅー!!夢のような光景なのです!
 目の前に山と積まれたホットドック。そしてその後方にはさらに大量のホットドックの群れ。その光景に高崎・カントの笑顔はゆるみきっていた。平和になった世界でこのような幸福に出会えるとは。がんばった甲斐があるというものである。まあカントにはそんな意識はなく、あくまでサッカーしにきただけかもしれないが。
「これ全部食べていいのです?」
 むろん食べて良い。なぜならホットドック大食い大会だから。ただし他に参加者はいるので、彼らに食われてしまったら自然とカントの食べる分が減ってしまう可能性はある。なぜならホットドック大食い大会だから(2回目)。
「わーいなのです!」
 思わず踊り出すカント。ただでさえかわいいモーラットが笑顔で踊るのだからその光景は会場の者たちをおおいに和ませたであろうが、だがここは大食い大会の場。むろんそれはカントも重々承知である。改めて席に着くと、ホットドックを前にさらに笑顔。
「カントの1番好きな言葉はゆーいっちゃんからの『大好き』なのですが、2番目に好きなのは『召し上がれ』なのです!」
 時として召し上がれを待たずに食べてしまう事があるらしいのはまあ御愛嬌として。
「それではお言葉に甘えて……いただきますなのですー!!」
 ぱくり。さすがに食べ放題用のホットドックとあり、店で食べるような工夫がされているわけではない。それでも焼きたてのソーセージと温かいパン、そこにかかったケチャップやマスタードとのマリアージュ、これだけで十分なのだ。
「もきゅもきゅ……もきゅーん!」
 思わずカントが声をあげるほどの味わいであった。
「さすが本場の味、お口の中で熱々のソーセージが跳ねるのです!これなら何本でも食べられちゃうのです!」
 いくら食べても飽きが来ない。それでなければ大食い大会は成立しないだろう。カントはもきゅもきゅもぐもぐ大皿に積まれたホットドックを次々に消化していった……が、その速度は大食い大会にしてはちょっと遅いかもしれないものであった。それもそのはず。
「実はカントは早食いは得意じゃないのです、おいしいものはじっくり味わいたいのです」
 ちょっと趣旨と違うよカントちゃん。だがそれでも良いのだ。この星自慢のホットドックを、かわいいモーラットがおいしそうに味わっている。なんとも人々を幸福にする光景ではないか。それでいいじゃないか。やがて大皿ひとつがぺろりと空になった。
「おかわりくださいなのですー!!」
 すぐさま次の皿が運ばれてきた。おそらく運ぶ者も、それを見ている者たちも、カントに負けない笑顔だったに違いない。それはまるでこの星の未来を示しているようであったかもしれなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

遠藤・修司
『ねえ“|僕《修司》”。医療スタッフやるなら僕に身体貸した方が合理的じゃない?』
「“|僕《康治》”は前科があるだろ。お断りだね」
『焼きそバトルのこと?』
「身体は僕のなんだよ。ノリで勝手に参加されたら困るんだ」
『いや僕は事故や病気に繫がりかねない早食いや大食いには否定的な立場だよ。前に参加したのは大勢に適量を振る舞うという新しい方式に感銘を受けてね。やもすれば量のみを問いがちな食バトルに健康という一石を投じたいと、それなら自分が参加するのが一番だろうと思ってさ(以下スポーツと健康について延々と語る)』
「(げんなり)あー、何かあったら呼ぶから」
『分かった、呼ばれないことを祈ってるよ!』

やっと静かになった……
みんなよく食べるなあ
見てるだけで胸焼けがしてきた
僕のホットドッグは|式神《サッカーの神》にあげよう

おいしいかい? 僕のも食べていいよ
あ、式神の本来の持ち主の“|僕《春親》”が怒ってる
無闇に食べ物をやるな?
変な呼び方するな?
符を勝手に使うな?
はぁ、そういうのは“|僕《康治》”に言ってよね……



●たぶん一番最初の人だと思う
 改めてになるが、遠藤・修司は多重人格者である。多重人格者にもいろいろあるが、彼の場合は別世界における修司その人に他ならないのだという。で今回のシナリオはこれまで多少変則的とはいえサッカーだったのでやはりアスリートアースの住人が最適というのは誰もが到達する所だろう。そんなわけで、これまではアスリートアースに住まう修司こと遠坂康治が表に出ていたのだが。
「やれやれ……」
 サッカーも終わったので康治の人格は引っ込み、今はもとの修司が自らの身体をコントロールしていた。でひとつの戦いが終わり、今度の戦場はホットドック大食い大会だという。だが修司はインドアなだけあって食事量には自信は全くない。それでも催し物に関わるのは猟兵としては義務だろう。そんなわけで修司が選んだのは……。
(ねえ“僕”)
 引っ込んだはずの康治が修司に語り掛けてきた。
(医療スタッフやるなら僕に身体貸した方が合理的じゃない?)
 どうやら修司はその方向で祭典に関わるようだ。なるほど大食い大会はある意味アスリート的であるから、それのスタッフならアスリートアース住民の方が妥当かもしれない……だが。
「お断りだね」
 修司は即座に拒絶した。
「“|僕《康治》”は前科があるだろ」
(焼きそバトルのこと?)
 焼きそバトル。それは……えーと。どうやらアスリートアースのごく一部で行われている、焼きそばを用いた競技のようだ。なんでも焼きそばを作って食べてというこれら一連の動作を基準はよくわからないが点数つけて優劣を競うとか、そういう競技らしいね。で、康治がその焼きそバトルを観戦したいと言って修司の身体を借り、で結局観戦にとどまらず自ら参戦してしまった、という事があったらしいのだ。
「身体は僕のなんだよ。ノリで勝手に参加されたら困るんだ」
(いや僕は事故や病気に繫がりかねない早食いや大食いには否定的な立場だよ。前に参加したのは大勢に適量を振る舞うという新しい方式に感銘を受けてね。やもすれば量のみを問いがちな食バトルに健康という一石を投じたいと、それなら自分が参加するのが一番だろうと思ってさ。そもそも……)
 このあたりの考え方はスポーツ至上主義でそのために体を鍛える事を第一義とするアスリートアース住人らしいといえよう。たしかに焼きそバトルに、というより焼きそばというどちらかといえば炭水化物メインでジャンクな印象ある料理に健康という概念を取り入れたのはなかなか新しい観点だし、実際にウケてはいた。なのでこのホットドック大食い大会にもいろいろと言いたい、できれば介入したいという気持ちがあったのかもしれない……が。
「……あ~、わかったわかった」
 修司にとっては勝手なバトル参戦もだが、黙っていたらスポーツと健康について何時間でもしゃべり続け僧な康治にも今はちょっとうんざりしていた。このあたりで強引にでも話を打ち切った方がいいだろう。
「何かあったら呼ぶから」
(分かった、呼ばれないことを祈ってるよ!)

「やっと静かになった……」
 そんなわけで改めて医療スタッフとして、何かアクシデントが起きたらすぐに事を起こさねばと参加者たちを観察する修司だったが、幸いにもみんな健康そのもののようで、食いすぎでぶっ倒れたりするような軟弱者はここにはいないようだ。
「みんなよく食べるなあ……見てるだけで胸焼けがしてきた」
 このままでは参加者の前に自分がぶっ倒れそうだ。これでは目の前に『まかない』とばかりに置かれた自分用のホットドックにすら手をつけられそうにない。ふと見ると目の前には康治が『サッカーの神』と呼んでいた式神の姿。どうやら式神にもホットドックが配られたようで、うまそうにパクついていた。
「おいしいかい?僕のも食べていいよ」
 差し出されたホットドックに|式神《サッカーの神》は飛びつくとあっという間に飲み込んでいった。なんとなく微笑ましいような光景にちょっとのんびりしかけた修司……だったが。
「……え?『無闇に食べ物をやるな』?」
 その声は式神の本来の使い手である、アヤカシエンパイアにおける修司の遠江春親だった。
「『変な呼び方するな』?『符を勝手に使うな』?はぁ……」
 確かに食べ物はあげてしまった。それは認めよう。だが後半のふたつは修司は悪くない。式神を呼び出したのも、サッカーの神と呼んだのも、全て。
「そういうのは“|僕《康治》”に言ってよね……」
 頭を抱えた修司。

 結局大食い大会はアクシデントもなく、用意された大量のホットドックが全て参加者の胃袋におさめられたという形で終了となった。むろん康治が呼ばれる事もなかった。
 さて誰が優勝したかは……まあ、そんなささいな事はどうでもいいじゃないか。この星が平和になり、エル・ティグレのアスリートアース帰還までにあと青丸がいくつ必要になかはわからないが、少なくとも着実に歩を進めている。それで十分だろう。
 エル・ティグレが次の戦場に向かうのを見届け、猟兵たちもまた新たな道に進み始めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年02月26日


挿絵イラスト