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【サポート優先】氷漬けの公団住宅ヨンロク号

#シルバーレイン #戦後 #ゴーストタウン

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#戦後
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#ゴーストタウン


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。


 銀誓館の能力者であれば足を踏み入れたこともあるだろう。
 既に60年近く前に、都市部にて働く者と家族を受け止めた公団住宅、愛称は『ヨンロク号』
 ゴーストタウン化した平成時代、堅牢なるコンクリートに囲まれた同じ間取りの部屋は、ゴーストの手により組み替えられた。
「実はローラ、一時期住処にして、いた。夏以外。夏は、地獄……」
 そして令和の今、白、黒、茶、毛色そのままの名をつけられたゴーストウルフを従えた娘、ローラ・エンディミオン(狼使い・f35786)は、あっさりと口にした。
 能力者だから良い訓練にもなるし、寒さも凌げる。ひんやりとして誰もいない空間は、少女時代にカリストに軟禁されていた塔に何処か似ていて落ち着いたものだ。
 頭を擦りつける白狼を撫でてやりつつ、ぽつりぽつりと続けた。
「年が明けて、久しぶりに、行ってみたら……様子がおかしくて……」
 ウゥと黒毛の狼が牙を剥く。それは能力者達へではなくて、ゴーストタウンに居着いた同種の獣に向けてだ。
「雪狼。そいつらがうろつきだしたせいで、ヨンロク号は、氷づけ……けっこー、強い」
 先陣を切る奴が麻痺させたり速度で翻弄したりと、能力者を不利に追い込んだ上で、群れで襲いかかってくる。非常に厄介だ。
「ただ、やつらは獣。人であるみんなは、知恵がある」
 例えば、跳躍しづらい天井の低い踊り場で戦う、特殊空間とは言えドアと部屋は存在しているので、うまく利用して群れを分断する――など、団地であることを生かし戦えば有利に立ち回れる。
「……奥に雪狼を操るボスが、いる。そいつを倒さないと、また雪狼が湧き出してくる、厄介……」
 戦いに慣れぬノービスが迷い込んでしまったらひとたまりも無い。そこで猟兵である皆に討伐を頼みたいのだとローラは締めくくる。
 


一縷野望
またゴーストタウンに行きたい! ちなみに美春はよく凌駕し、椿は速攻で沈みました。ゴースト大合体はロマン!

オープニングをご覧いただきありがとうございます、一縷野です
公開と同時にプレイングは受付けております
予定が読めないので【サポート優先】としましたが通常プレイングも歓迎です。同行は2名まででお願いします
1つの章を10日ほどかけてゆっくりと書いていく予定ですが、採用率ははやい方が高いです
各章で『挑戦者』がどかっと増えた後はサポート執筆に入っているので採用率が下がります

敵の🔵取得数=PCの🔴​の数 です
後から来てSPDを選ぶと難易度があがります

断章はありません
「氷漬けの団地の中で戦う」でお好きにプレイングをかけていただければ幸いです
(敵の雰囲気を見たい方は、2章目1番目のリプレイをご参照ください)

ご縁があればよろしくお願いします
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第1章 集団戦 『雪狼』

POW   :    魔氷の牙
噛み付きが命中した部位を捕食し、【魔氷で動きを鈍らせ、イニシアチブ】を得る。
SPD   :    飛翔雪狼
レベル×5km/hで飛翔しながら、【マヒ効果のある冷気の爪】で「🔵取得数+2回」攻撃する。
WIZ   :    狩りの時間
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【雪狼の増援】が出現し、指定の敵だけを【包囲し、それまでの戦闘を学習した立ち回り】と【魔氷の牙と爪】で攻撃する。

イラスト:白狼印けい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山吹・慧
ここを訪れるのは初めてなのですが、
ローラさんがここに住んでいたのですか。
ならば、住みやすくしておいた方が良いでしょうね。

そういえば、駆け出しの頃に紫刻館で窮地に陥った事が
ありましたね……。
新たな能力者達の為にもオブリビオンは一掃しましょうか。

飛翔した敵の動きは【集中力】による【気功法】で感じ取り、
爪の攻撃をクラッシュ49で【受け流し】てから【カウンター】を
撃ってやりましょう。
敵が弱ってきたならば【転玄脚・嵐】を放って纏めて薙ぎ払います。
残った敵には烈風を足場にして【功夫】の技術で追撃を
仕掛けていきます。

些か親しみを感じる敵ではありますが情けは無用ですね。




 ロクヨン号があるのは関東地方、冷え込むが積雪はない。だが一度建物に踏み込むと雪風が頬を切る。
 山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)は防寒具の襟を立てる。入ってすぐ目についたたき火の跡には笑みが零れた。テントの配置も含め人狼騎士団で習った馴染みあるものだからだ。ローラとゴーストウルフたちの設営に違いない。
「ローラさんは極寒の雪はものともしないでしょうけれど……この数の獣をひとりで相手取るのは難しいでしょうね」
 ローラはグリモアで撤退路も確保してくれている、だから安心してこちらも荒事にあたれるというもの。敬愛する|聖女《アリス》は撤退戦のプロだ。重要さもよくわかっている。
 ローラが案じていた駆け出し能力者の手に余ることも、紫刻館での苦い経験で身に染みている。だから銀誓館から応酬銀狼騎士団にて研鑽を重ねた己がやることは心得ているつもりだ。
 慧はふぅー……っと息を吐き出し意識をロクヨン号全域にシンクロさせる。湿りけを帯びた高い爪音の方角は西の上階が多い。他の微々たるものも確りと把握し、慧はかつんと踵を鳴らし階段を踏みしめる。
 ――出会い頭に雪と同化した顎が牙を剥く!
 だが慧は、空駆ける前足をつかみ取りあっさりと後方へ叩きつけた。獣の誇る猛スピードが却って徒となったのだ。
 次々と飛来する狼も予め察知していれば怖ろしくはない。壁に張り付き躱し、躊躇わず掌底を突き出し進路を乱す。
『!』
 悲鳴すらあげず霧散する獣の強さは慧がよく知る狼の生き様と重なる。親しみは持つも情けは無用。
「……ッ、ただの一撃でこれですからね」
 引いた指先につく爪痕から即座に凍え肘まで強ばった。やはり長期戦は不利だ。無論、全て彼の想定内である。
 慧は踊り場の壁を蹴ると、飛び交う狼の群れに躍り込む。スピーディであるが故に彼らの動きは余りに直線的である、更に――。
「はぁっ!」
 慧の嵐は獣ご自慢の速度をあっさり凌駕できるのだ。
 回し蹴りで3匹、渦巻く烈風に囚われ藻掻く白き獣の脳天を踏み壊し、更に上昇。片腕で軽く掴み蹴り上げる。
 斯様なる自在の空中戦にて群れをひとつ葬りさるのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウルスラ・ロザーノ
ヨンロク探索かー、そら楽しくはあらへんかったけど、ホンマ懐かしい青春の1ページやで
今となっては全然怖くもないけど、この場じゃやっぱ4人で戦わんと、気持ちがちょい寂しいね
ま、頑張ってこ! てか寒う!

ここの特徴は、通路とかの幅が細く狭いことやな
大勢の敵に囲まれたり回り込まれんようドアん所に陣取って、
一匹ずつしか襲ってこれん形に誘い込むで

スケートみたいに滑る…なんやいつもと変わらん機動や
クレファンで爪撃をきっちり迎撃、する前からガンガン先撃ちして、残した衝撃波へ飛び込ませるのも狙ってくよ
まあ最悪爪は腕でガードすりゃええ、脚さえ動けば問題なく継戦できるわ
速度や跳躍でボクに勝てるなんて、思わへんことや!




 おにぎりやサンドイッチ、お菓子……ひとくくりにソウルフードかも、なぁんてお喋りしつつ買い込んで、ヨンロクに限らず様々なゴーストタウンを4人チームで訪れた。
 ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)にとって、ヨンロク探索は懐かしい青春の1ページ。まぁ恐い目に遭ったりはしたけれど。
「ひとりで来れるほど|強《つよ》なったっけど、やっぱ4人やなぁ。気持ちがちょい寂しいね」
 いざっと踏み込んだなら、雪景色!
「てか寒う!」
 くしゅんっ! 太陽の双眸をぎゅっとして鼻を擦りまずは状況確認。
 踝までの雪に、ごぅごぅと雪がつむじを巻いてるはいるが、各部屋や階段前の通路が狭く入り組んでいるのは以前と変わらない。むろん記憶の配置とは違っているが、想定内のこと。
「あいつら素早いらしいしな。囲まれたら一発でお陀仏や」
 ならば知略で対抗だ。ウルスラは階段に一番近い部屋の中を確認、何者も踏み行った痕跡はない。
「よっしゃ……ドアは一旦閉めとこか」
 ドアの影に潜むと耳を澄ませば、湿った高い爪音が近づくのがわかる。
(「ひゅー、まさに群れの狩りやな。おーこわ」)
 遠く吹き荒れる風めいた唸り声が一瞬で大きくなった。
 タイミングばっちりでノブを捻る。そうして手前の1頭にmeteoro negroを放った。これで致命傷だなんて甘いことは考えちゃあいない。鋼糸を引きドアの内側にご招待だ。
 仲間を呼ぶ前に喉から顎の裏を滑り潰す。宙返りで埃とつららの生える天井を滑り、血だまりに頭を垂れるけだものへ追撃する。
「おっと!」
 前脚の叩きつけをスウェーで避け回し蹴り。ドアも巻き込み開き、次の得物をご招待だ!
『グゥゥ……』
 床にて血と伏せる仲間に気づいた奴らをドアで挟み招き入れる。今度は2匹、だが焦りはない。既にこの部屋は踊るが愉しのボクの舞台――三日月の軌跡を踏んで宙返り。誘われた狼も同じく足場にしようと三日月を踏んだ。
「残念、それ使えるのはボクだけや!」
 錐揉みで千切れるが一息つく暇も無い。背後から兇刃が迫る。逆サマーソルトキックで斬り裂くも、敵もさるもの。相打ち上等での引っ掻きを繰り出してくる。
「……ッ!」
 三日月を蹴って前へ。引っ掻き腕に齧りつかれたならば膝蹴りをお見舞、更なる高速蹴りで息の根を止める。
「うっわ、冷たっ。はよお風呂入りたいなぁ」
 凍てつく左手にも怯まず更なる得物を誘い込む。脚さえ動けば継戦に対する憂いは一切ないのだ!

成功 🔵​🔵​🔴​

不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」「リア充は死ね」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにないオブリビオンに対しては最初はやる気なさそうにしますが、状況を前進させる意思は一応あるので無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。一度敵とみなせば以降はもう容赦はしません。
オブリビオンに対しては基本的には『リア充ころし(焼却)』と『ガソリン』を併用して消毒という名の焼却を図ります。状況に応じて『リア充ころし(爆破)』や『リア充爆破スイッチ』等を併用して物理的にリア充爆発しろを実現させようとします。
見た目がやられ役なので逆襲くらう展開も可能です。




 どんな状況であれアベックのかほりは見逃さない。それが、不破・静武(人間の非モテの味方・f37639)の矜持だ。
 そんな彼だが、2頭の銀狼にガブガブされていきなりピンチである。
「ぎゃおおおおおおおん!!! 恋人同士で高級レストランでお食事かよおおおお!!!!」
 自分を高級レストランになぞらえる所がしゅごい。いや、それは置いといて、このままだと敗走必至である……が、リア充への怒りは既にMAX充電! ここからは反撃ターイム!
「リア獣は消毒だ~~!!」
 ボンッ! 静武のまるい体を芯にして全身が燃え上がる。齧りついていた狼は一瞬で消し炭へと果てた。悲鳴をあげる間もなかった。
「おおおお、許さないぞ~~!! お前ら、さてはハーレムだなぁ~?!」
 全身に炎を纏い、静武はゆらりと狼の群れへダイブ! 刹那、周囲が地獄の窯が開いたかの如く燃えたぎる! 白狼は必死に静武に噛みついて屠ろうと足掻くが、全て捨て身の無敵の人に叶うものはない。
 周囲の積雪を融かし、古い木造部分を炭に変えた。横たわり息をしているのは静武のみである。

成功 🔵​🔵​🔴​

柳・依月(サポート)
俺は柳依月、UDCアースの大学生だ。……だが、実は人間じゃない。妖怪だ。それでも俺は人間が好きで人間と共にある。彼らの日常を守る為、てのが俺の戦う理由になるのかな。
戦闘時は基本仕込み番傘での近接戦だが、中長距離や支援に回る時などは呪髪糸や禍魂による呪いなんかも使用する。
非戦闘なら情報収集が得意だ。主にネットだが、聞き込みとかもする。【化術】も得意だからな。

以下PL
ギャグ系の状況でもノリはいい方です。
 UCは指定した物をどれでも使用し(詠唱ご自由に)、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。




「おっと、狼の群れとは厄介だな」
 着流し姿の柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・f43523)は、古風な大学生がふらりと廃墟に迷い込んだ風情である。
 団地は平成、依月はそれよりレトロ。だが、見た目で判断してはならない。数珠を下げた黒手袋を翳すと、青年の姿は電子ノイズに覆われた。
 今にも飛びかからんとしていた狼たちは明らかに精彩を欠く。彼らからすると、依月の姿も臭いも全てが忽然と消え失せたようにしか見えないからだ。
「背中ががらあきだ」
 こつんこつんこつんっと煙管で数体を小突く。流石にこれで致命傷とはならぬが、立派な布石。
『ウゥゥゥ』
『ガルゥゥゥ』
 1体が仲間の首に齧りつく。それが合図だ、当然やり返し――団地の中は同士討ちの血潮でそこかしこが汚れていく。
「ふぅ……まだぼんやりしてる奴もいるな」
 煙管を咥え煙りを吐いた。灰色の得体の知れぬ靄に包まれたら最後、冷静な判断力は二度と戻ってこない、だって殺して殺して殺されるから。

成功 🔵​🔵​🔴​

レンフィート・ディアレスト
ゴーストタウン住みは気合入ってるなぁ……それはさておいて。

懐かしいね、もう記憶も薄っすらだけど、未熟な頃は世話になったよ。
23号棟と11号棟も終わったら見てこようかな。まだあのファクシミリとか動いてるかな?

話も積もるけど、油断は禁物。
久々のゴーストタウン掃除といこう。

🌒

いやさむっ。
まだ一月だよ。氷漬けって嫌がらせか……?
相手も群れだし、ここは纏めて燃やしてしまおうか。

[読心術]で動きを先読み、狭い通路や部屋に集団を誘導して【隕石の魔弾秘儀】。
凍った団地ごと[範囲攻撃]で焼いていく。
増援も包囲……集まってきてくれるなら好都合。
一網打尽にできる位置取りを心がけ、魔炎で魔氷を溶かしながら戦おう。




 踵が雪に吸われ、キュッと鳴いた。
 レンフィート・ディアレスト(探究の貴・f38958)は一面の雪景色に二の腕を抱きしめ震える。
「いやさむっ。まだ一月だよ。氷漬けって嫌がらせか……?」
 所々木造も残る当時から廃れた景色を目にすると、曖昧だった記憶が徐々に形作られていく。とはいえ、配置はよく組み代わるから上書きされているのだろうな、とも思う。
「23号棟と11号棟も終わったら見てこようかな。まだあのファクシミリとか動いてるかな?」
 世紀末を憂い転生を誓いあう少女達は、今の世で「異世界転生」だなんてカジュアルに消費されているのを聞いたらどんな顔をするだろう?
 80年代には高速通信など夢の技術だった。ファクシミリより魔を招いてしまうぐらいには。
 昭和に固定されたようなこの匣を歩くと、当時よりも更に時代は進んだのだなぁとレンフィートは感慨に囚われる。
「……おっと、あれはー……」
 過ぎる先、横目にひっかかるのはローラの設営跡だ、きちんとしていて気合いを感じる。恐らく狼やボスが討伐されたら戻る気だろう、ならば戦場はここから離すべきだ。誰しも住処を荒らされたいとは思うまい。
 常にヨンロクの空間と同期して獣たちの気配を読み取る。自然とはやくなる足で4階へ到達。雪のせいで仄暗くも、射込む月明かりが一筋の光を零している。
(「成程、これは厄介だ」)
 出会い頭、モノクルそばの肌が引き攣った。
 大方悪戯に飛び込んで痛い目をみたのだろう、狼たちは階段の登り口で待ち構えていた。
 だが、その用心深さが命取り。
 レンフィートは編み上げ済の詠唱を即解き放つ。
 ――狼たちは虚を突かれる。こんな戦いは死したる同胞の知識には、ない。
 ゴウンッ……! 天井が熱で撓み焔の星がその一部を露出された。ただそれだけで、群れた狼たちの半数が灼ききられる。雪に焔、質量が高く貫通した側が夥しい力を振う相性だ。
 獣たちの悲鳴を背にレンフィートは不吉なる星の脇を過ぎる。この棟の寿命は数える程だ。出来うる限り多くを巻き込んで葬りさりたい。
「ほぉら、こっちだ。恐くてこれないか?」
 堕ちていく星の形に開いた穴の向こうで、レンフィートはからかうように嗤った。反響に苛つき耳を尖らせた1頭が飛び込んできた。それを皮切りに次々とくる奴らめを黒檀のステッキで捌き、非常階段のドアまで下がる。
 追い詰めた! そう狼らが慢心した刹那、再びの星が堕ちる。
 狼だけでなくこの階層を塵へと変えていく前で、レンフィートは口端をもちあげた。
「――落星がひとつだなんて、誰が決めたんだい?」

成功 🔵​🔵​🔴​

陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。

悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。

 ユーベルコードは指定した物か公開しているものを使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。




 ――銀狼集団の効果的な片付け方。変そうして紛れます、そして不意打ちします、以上。
「ぎゃぁあああ! 待って待って待って待っt……なんで俺が仲間じゃないってバレたんだよ?!」
 陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は大ピンチであった。
 真っ黒なさんかくおみみはは両方も銀狼が齧りついて前衛的なアクセサリー状態であるし、手足もがぶがぶされてもはや動けない。
 どうしてバレたのか?
 まず氷属性の狼からすると炎属性なのがあやしい。
 耳に塗り忘れがあった。
 あと猫。
 柳火は猫だよ。
 猫じゃあ仕方ねえな。
「くッ、弱っちいからビビって群れてるくせに良い度胸だぁ! ……ッ! ぎゃあ、いたたたたたたたた!」
 ああもうこのまま死ぬのかな、俺。
 どうせ最期になるのなら、ジュール1袋20本一気食いをしたかったな。

 ――ぱたり。ちーん。
 柳火の冒険は終わった。陽環先生の次回作にご期待ください――。

 こっから逆転しなきゃいけないわけですが……どうしようもう1行使っちゃった。
 戦いが終わったら一発行くぜとコンビニで仕入れておいた期間限定キャビアジュールが懐からぺそりとおちる。
 バリバリッと袋が開き、すごい勢いで細い袋が凹んでいく。ジュールを喰った猫は無敵だ。ジュールを知らぬ銀狼は涎を垂らし羨望の眼差しで息絶えるのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミランダ・モニカ(サポート)
『アタシに任せな!』
『アンタの人生を面白おかしくしてやるよ!』
煙管(仕込み銃)のヤドリガミ
戦場傭兵×クレリック、71歳の女
口調は「アタシ、呼び捨て、だね、だよ、~かい?」

あらゆる世界に関わり人脈とコネを結ぶ事を目的に突撃猟兵してるよ
傭兵として闘い、シスターとして祈り、義賊としてお宝を奪う
一番大事なのは義理人情さ
何事もプライド持ってやるよ

戦闘は徒手空拳メイン
銃で補う
カードは不意打ち

UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動するよ
一般人にも他の猟兵にも迷惑をかける行為はしない
依頼成功のためでも公序良俗に反する行動はしない

後はお任せ
アレンジ連携歓迎
宜しく頼むよ




「さぁて、今日の戦場はここかい? 随分とまたシケた場所だねぇ」
 極寒の白を琥珀の煙に書換えて、ミランダ・モニカ(マザーズロザリオ・f05823)は雪ずくめの団地に肩を竦めた。
 もはや廃墟と化して二十年近い、金目のものなどありゃしないのは一目瞭然だ。
「だが、得物にゃあ事欠かないねぇ」
 ニヤリと口端をあげ開きっぱなしのドアに手をかけたその時だ、白い群れがミランダ目掛けて襲いかかってきた!
 猟兵らとの戦いを重ねた奴らは、瞬く間にミランダを取り囲む。手数としては圧倒的に敵にアドバンテージがあるも、ミランダは涼しい顔だ。
「あらよっと」
 ブーツでドアを蹴飛ばして怯んだ獣たちへ弾丸をぶちかます。回るリボルバーの奏でる音が今日も心地良い。
 屍踏んで真正面、古びた消化器をもぎ取るとそのまま脳天に叩きつけた。
「こういうのを振り回すのは慣れていてねえ」
 割れた脳味噌からの返り血を浴びて、妙齢の婦人は哄笑する。
「シスターをやってたころに、こうやって振り回していたの、さ!」
 剣の軽やかさとは逆を行く薙ぎ払いでまた数匹屠る。古びた団地には、ミランダが武器と使えるものがゴマンと転がっているのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ(サポート)
アドリブ・連携〇

同伴者がいる場合は同伴者をサポートするよう行動
戦い方は遠近両用
接近戦→【破魔】を付与した破魔刀
遠距離→精霊の護符の【乱れ撃ち】
同伴者が苦手な方を受け持つ動きを取ります

単独で戦う場合は敵の苦手とする方での戦い方を主軸に
護衛対象がいる場合は自分の身を挺して【かばう】
負傷した者がいれば護符に【治療属性攻撃】を付与し、対象に貼り付けて応急手当を試み

仲間達に危害を加えるような行動は取らず
誰かを傷付けるくらいならば自分が傷付く方を選ぶ性格
(意外と熱血系の性格)

UCは味方の援護を主体に、戦況の維持・好転へと尽力

他に状況に合うUCへの変更及び演出としての複数UC使用可
MS様の判断にお任せます


ディルティーノ・ラヴィヴィス(サポート)
僕の出番かな?強さとカッコ良さを磨くぞ、っと。

旅人だからどの世界にも順応できるし、
戦闘では武芸者らしくどんな武器でも扱うよ。
自分でよく扱うのは野太刀、|棘《ソーン》、ハルバードかな?

遠距離戦より白兵戦で思いっきり戦う方が得意だね。
壁役や時間稼ぎ、囮役もできると思うよ。
誰かを護る為なら怪我なんて大した事ないからね、そんなの慣れてるし。
なーんて言って、実は戦闘狂って事なのかもしれないけど。

当たり前だけどマイナスになる事はしないよ。猟兵としても、カッコ良さを追求する者としてもね。

使うユーベルコードや技能、その他諸々はお任せするよ。
どーぞよろしくね。
あ、ちなみに僕はオトコと言い張るぞ。いいね?うん。


シュドール・レッドジルコン(サポート)
むー?……ん!

『名前は『シュドール・レッドジルコン』。呼びにくかったら『シューコ』と呼んでくれても良い。』
『好物はブッシュ・ド・ノエル。』
『髪の毛武器を長柄の斧として扱う事が主。身体能力は、こう見えて素早い方。』
『シューコの目に入った人物は何だかやる気が上がる。故にいつも誰かを見つめている。面白いから。』
(↑と言う内容の、いくつかの文章をカンペに書いている)

〇超絶無口なので、普段は『ん』か『む』以外の単語を言いません。
〇ユーベルコードは何を使っても構いません。(18禁でない且つ)彼女の個性(設定)を活かしてくれると大歓迎です。よろしくお願いします。




「むー?」
 吐く息が白い。無意識で縮こまるシュドール・レッドジルコン(じっと見つめる・f45059)へ、上着を貸すよと肩にかけたのはディルティーノ・ラヴィヴィス(黄昏の獅子・f38911)だ。
「僕は色んな所を旅してきたからねえ。これぐらいの雪もへっちゃらなのさ」
 呵々と笑う様は若いイケメンにしか見えないが、年齢はダブルスコアで孤児院では面倒見の良い兄貴分である。
「ん……」
 生まれ故郷が極寒地なのでこれぐらいはへっちゃらなのだが、目の前の人からは愛ばかりが伝わってくる。だからシュドールは借りた上着を着込み袖をくるくるした。
「よしよし。子供は素直が一番!」
「さてさて、今回の狼は集団で噛みつき機動性を奪うそうだ。仲間も呼べるし、死んだ仲間の記憶も含め敵のパターンも学習しているらしい」
 どうする? と、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は2人に視線をくれる。
「僕は白兵戦で思いっきり暴れるのが得意だけど……お、嬢ちゃんも?」
 ディルティーノに頷くシュドールは、手持ちのメモを掲げて見せる。
『名前は『シュドール・レッドジルコン』。呼びにくかったら『シューコ』と呼んでくれても良い』
「シューコ、じゃあ僕はディルって呼んでね。で、シューコと僕は暴れたい。けど考えなしだとマズいよね。だからまずは僕が囮になって引っ張ってこようかと」
「ふむ……」
 ひりょは護符【空飛ぶ仲間の援護】をつまみあげてディルティーノに渡す。
「麒麟が封じてある。守護のオーラをディルに付与した後は好きに使ってくれ」
「ありがとうね。じゃーあ、散らす役回りをしてもらおうよ。シューコも殴る……お、すごいねえ、その斧」
「……ん!」
 髪の毛より錬成した大ぶりの斧を手にちょっと自慢げなシュドールである。
「わかった。じゃあ俺はシューコさんの援護につくよ。符は幾つかある、状況に応じてひとつ解放する。だから2人とも思いっきりやるといい」

 ――雪のつもる階段を軽く駆け上がると、ディルティーノは左手の野太刀を出会い頭にぶん回す。ギャンッと獣の悲鳴が上がるも、奴らも手練れだ。果敢に来訪者の腕を喰らわんと飛びかかる。
『ガウッ』
 どこか精霊コヨーテに似た姿の獣が、突き出した右腕に牙を食い込ませる。熱い水と共に凍てつきが一気に体を蝕んでいく。
「面白いぐらい狙いにはまるね」
『?!』
 白狼を黒薔薇の|棘《ソーン》が縁取る。直後、数十年経過した蔦の如く無尽蔵に絡みつき肉体を塵に変えた。
 現れた麒麟よりの守護にて凍結を祓い、ディルティーノは群れを分断するように再び野太刀をぶんまわす。

 麒麟は、1対1なら充分過ぎる殺傷能力を有する。2体を屠り、狼を煽ってすいーっと背を向けた。挑発にかかり駆け下りる狼を、華奢な足がまずは一蹴り。更に斧での脳天割り。
「ん!」
 蹴り跡が足場になるのに気づき、シュドールはけんけんぱっと遊ぶように身軽に跳ねる。跳ねてはかち割り、また蹴って足場を作り……繰り返す内に愉しくなってくる。
 躰が、軽い。
「……むー?」
「大丈夫、まだまだいけるよ。バックアップは任せて」
「ん!」
 ひりょの激励にますます前のめりに征く。その傍らには常にひりょの護符がある。尽きてはまた投擲されて寄り添って、その繰り返しだ。
 この護符は予めUCを練り込んだものとは別のものである。UCは既に起動済、だからシュドールの疵は痛みを感じる前にふさがり、肉体は更なる領域へと高められていく。
「そっち行くよ!」
「……ん!」
 ディルティーノにより叩き下ろされた最後の一頭に、シュドールの踵落としが見事に決まった!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

篝火・楼花
ひんやりとして、|お友達《死霊》が過ごしやすそうね……
兄さん、懐かしいわね
ここで修行を少ししたわね……

兄を連れて注意深く辺りを見回す
ネクロオーブを操り、女の子の死霊に囮になってもらう
敵を発見したら此方に戻ってきてもらい、囮に惹かれ飛び出た敵を兄と剣で攻撃
また死霊に注意を引き付けてもらう
ドアと部屋の境目で敵からの死角を作り、兄と背中合わせで背中から攻撃されないよう留意

敵の個体が増えた場合はUCで兄を強化
ふふ、心配しないで、兄さん
無理はしないから
一緒に片付ければ早く終わるわ……
だから、寿命を縮めたと叱らないで?

囮の子もお友達
最大限に労り、優しく声をかける
無理やり動かしてるのではなく友情援助




 さくりっ、足元で響く音と瞳を刺す白銀に、篝火・楼花(仄かな灯り・f35336)は焔の瞳を瞬かせる。
 兄さん――そう呼べば左の掌が結ばれる。熱はない、然れど嘗て過ごした思い出の中からぬくもりは何時だって蘇る。
「懐かしいわね、ここで修行を少ししたわね……けれど雪がつもると随分と違うわ……」
 |お友達《死霊》の気配もどこか弾むようだ。ひんやりとして過ごしやすいのかもしれない。
「ふふふ、いけないわ。ちゃんと気を引き締めなくてはよね」
 つららがぱきりと割れておちてくる。避けるか頭を庇うか惑ったら、すっとのびた兄の手がつららを握って潰してくれた。
「兄さん、ありがとう」
 花唇が綻ぶもつかの間、はたりっと気持ちが張り詰める、獣の湿った足音が聞こえたのだ。楼花は布を解き宝玉を冷気に晒す、霊媒の祈りを捧げたならば周囲を漂う霊が像を結んだ。
「ちゃんと私達の所へ逃げてきてね。無理はしちゃだめよ?」
 囮役の少女を送り出して、楼花は手近なドアを開く。元は家族が暮らしたであろう部屋も、今は雪で埋もれて到底室内とは見えぬ。
「兄さん、今日もお願いね」
 つないだ手をほどき背中合わせ。楼花が廊下側に立ち、少女霊の気配を手繰る。
 悲鳴。
 ざわつく心を堪えるように拳を胸にあてたなら、瞳を濡らした少女霊がますます血の気の抜けた顔で飛び込んでくる。
「兄さん!」
 獰猛な牙が少女霊に食らいつくのをたまらず庇ってしまった。だってこの子はお友達なのだ、痛い思いなんてさせたくない。
 身を屈めた楼花の上を刃が通過した。兄の刃は獣の口中を串刺しにする。だが余りに数が多い。
 楼花は自身の剣ごと指を組み、先に英霊を召喚することにした。力添えは兄へ、だが命の代償は自らが負う。
「兄さん、行って……ふふ、心配しないで、無理はしないから」
 ――兄が知る、妹の強がりの微笑み。だが同時に、止めさせることもできない。か弱く見えて芯がスッと通っているのもやっぱり知っているから。
 兄は英霊の力を受けると狼の群れの中へ。返し刃でも薙ぎ払い、見事に半数を一気に屠った。
「一緒に片付ければ早く終わるわ……」
 兄を狙う狼を刻み、血を払う。
「だから、寿命を縮めたと叱らないで?」
 背中越しにそう告げたなら、兄はこれが答えと妹の眼前の獣を斬り払うのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴鹿・小春
うわー懐かし!
11号棟の扉は1031だったっけ?違った気も?
平穏取り戻す為に退治頑張らないとねー。

足場に注意しつつ壁近くを移動、障害物利用して敵に完全に包囲されないよう注意。
…あちこちにある鏡は避けようかな!
いやローラさんが住処にしてたなら特殊空間とかもう大丈夫だと思うけども気分的に!
雪狼に下手にこっちから動いて攻めると足滑らして隙できたりしそうなので大通連でのカウンター狙い。
足止めてたら増援で包囲狙うだろうけどこっちも薙刀で爪とか受け流しつつUC起動!
大通連振るって蒼の雷弾ばら撒いて雪狼纏めて痺れさせちゃおう!
敵の動き鈍ったら滑らぬよう注意しつつばっさり仕留めてくねー!

※アドリブ絡み等お任せ


河崎・統治(サポート)
絡み、アドリブ歓迎

戦闘前にイグニッションカードから装備を展開し装着。
味方と連携しつつ周囲を警戒、【地形の利用】をしつつ【索敵】【偵察】して進む。暗所では暗視ゴーグルを使用する。
敵と遭遇したらアサルトウェポン、アームガトリングと21式複合兵装ユニット2型の【誘導弾】と【砲撃】【レーザー射撃】による【弾幕】【制圧射撃】で攻撃しつつ接近し、白兵戦の間合いまで接近した所で水月を抜刀し【切り込み】【切断】で攻撃する。
可能なら装甲の隙間や関節を狙い【鎧無視攻撃】【鎧砕き】を仕掛ける。
敵の攻撃は【推力移動】【見切り】で回避するか【武器受け】【オーラ防御】で防御する。
使用UCは状況に合わせて変更。




 神官服に鎧を纏い、鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)はゴーストタウンのヨンロク号に足を踏み入れた。もう28歳のお兄さんだけど、童顔で愛らしいもっちり体型だからか、ゆるきゃらめいた愛嬌がある。
「うわー懐かし! 11号棟の扉は1031だったっけ?」
 なんにしても、当時とはまた配置が換わり11号棟の扉へは今日は辿り着けないようだ。
 ぽちゃっとした頬に雪が張り付きひんやり。ぺぺっと払いながら足跡をつけていく。
「あ、やっぱり鏡がある。ローラさんから特別に注意ってなかったから、特殊空間とかもう大丈夫だと思うけど気分的に!」
 くるんっと踊り場の鏡から背を向けてひくりと鼻を鳴らす。壁に張り付き背後をとられぬよう留意。敵が集団でくるのもわかっている。
「その立ち振る舞い、かつてのゴーストタウンヨンロク号を知っているとみた。どうだい? 組まないか?」
 暗視ゴーグルをあげて河崎・統治(帰って来た能力者・f03854)が精悍なる双眸で誘う。小春はにっこりとおててふりふり。
「もちろんだよ! ゴーストタウンと言えばパーティアタックが定番だもんね!」
「了解、先に下調べしたんだが……あちらには敵軍はみられなかったよ」
 既に索敵済と統治は西側の棟を指さした。
「あ、そうなんだ。僕は非常階段付近を見てきたけれど、他の猟兵さんが倒したのか静かなもんだったよ」
 それで戻ってきたのは中央の階段だ。2人は頷きあうと、互いの背を庇うようにして階段を昇りだした。
「そうだ、統治さんは何期生? 大人になると外見から年齢ってわからないよねー」
「一期生だ」
「わお、大先輩だー!」
「先に|こっち《UDC》に迷い込んでしまってな、まさかまたこうしてゴーストタウン攻略をするとは思わなかったよ」
 なんて和やかトークの間も常に気を抜かずにいるのは銀誓館育ちの掟である。
 ――来る。
 獣の気配に向けて、統治がまず弾丸をばらまいた。跳弾がつららを割り、床を抜く。弾幕の中、明らかに獣たちが怯むのを感じる。それに乗じて小春が前に出て、存在を知らせるように薙刀で弧を描く。
 ギャンッ! と悲鳴があがった。パーティを組んだ直後であれ、既に息はぴったりだ。
「僕が相手だよ」
 統治の編んだ幾何学の焔が小春の白い頬を輝かせる。目印を得たと言わんばかりの狼たちの襲撃は計算通りだ。
 敵の勢いを利用し右へと受け流し、狼を一定の場に固める。そこから漏れたものは、統治の焔が灼いてくれた。
 りぃん……ん! と、ラストの薙ぎ払いが結わえた鈴が啼く。
「さー纏めて痺れちゃえ!」
 焔のあかりに雷光がまじり、さながら冬の大花火だ。眩い輝きと雷音に耳を伏せ固まるもの、そもそもひっくり返り四肢をひくつかせるもの……と、群れ全体が完全に硬直してしまった。
「こちらは任せろ」
 統治の水刀が翻る。
「わかった!」
 背中合わせに隙は見せず、小春は雪を踏みしめ落ち着いて薙刀を振う。身動きできぬ1体が腹から血を噴き出し倒れた先に、駆けつけた群れがいた。
「キリが無いね、スピードあーっぷ!」
「了解」
 小春がしゃんっと鈴を鳴らし雷撃で足止めするのにあわせ、統治が斬りかかる。
 統治が弾丸ばらまきで怯ませたらすかさず小春が薙ぎ払い。
 息ぴったりのコンビネーションの前では、増援は焼け石に水。雪狼らは銀誓館の猛者達に為す術なく屠られるのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マグラ・ユメノミヤ(サポート)
「木戸銭は結構――貴方がたの苦痛と骸さえ頂ければ、十分ですから」
◆口調
・一人称は私、二人称は貴方。持って回ったような物言いで、敵にさえ敬語を用いるものの内容は悪辣
◆癖・習性
・コワモテに反してぬいぐるみや人形を好む
・苦痛を受ける度に気分が高まる性癖
◆行動傾向
・妻と部下をオブリビオンに殺された経験から生命の埒外に到達した悲しみの猟兵。胸中に渦巻くのは、復讐心と愛する者を護れなかった罪悪感……
・見えざる魔力のからくり糸で、凶器を仕込んだ球体関節人形を自在に操ってあらゆる試練に挑む。ダークセイヴァーを出自とするだけあって、そのスタイルは冷徹で老獪
・死霊術士であることから、魔導にもいちおう通暁している




 ふわり、と雪が糸のように細く靡く。
 マグラ・ユメノミヤ(堂巡魔眩の人形師・f35119)は凍り付くノブを捻り、軋むドアをあけはなった。
 暗がりをランタンで照らせば、雪からまるくふわっとした耳がのぞている。注意深く歩を進めそれを持ちあげる。手の中に現れたのは、ところどころ解れたテディベアだ。
 テディを慈しむ子供がこの部屋で暮らしていた。恐らくはゴーストの餌食ではなく、引っ越しか巣立ちでいなくなったのだろうことはマグラにとっての救いだ。
「あなたは立派に勤めを果たしたのでしょう、よくがんばりましたね」
 優しくねぎらう老紳士の背後に、飢えた獣の唸り声。いつの間にかずらりと増えて老紳士を取り囲んでいる。
「去りなさい、招かれざる獣らよ。ここはあなた達の舞台にあらず」
 だがマグラからは一切の焦りも恐怖もない。そう言い放つと同時に、雪狼らは縦に横にみじん切りだ。
「十三秒、すら掛かりませんでしたか」
 既に部屋に踏み込む前に糸仕掛けは済んでいた。
 肉片と成り果てた雪狼を一瞥すると、マグラはテディベアを抱き部屋を辞した。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

インプレッサターボ・フォレストハリアー(サポート)
「いんぷノセリフハコンナ感ジのヒラガタかたかな逆転表記デオ願イスルにゃ」

敵には感慨もなくただただ蹴散らすのみ。
「戦闘ニハ余計ナ感情ハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
たぶん感情あるけどかっこいいから言ってるだけな気がする。実際ダメージ受けたり敵の非道だったりに怒るとお前絶対感情あるだろな反応を示す事も。
「タシカコウイウ時『ますたー』ナラコウ言ッテタにゃ。ブッ殺ス、ふぁっく」

選択されたユーベルコードが
キャリバースピン:なるべく多数を巻き込むように相手を誘導してまとめてなぎ倒す
デッドヒートキャリバー:可能なら誰かに乗ってもらう。なるべく多数を巻き込むようにひき逃げしそのまま離脱。再攻撃は状況次第。


アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならなくてもいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。

正直状況とかよくわかってにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ殺すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。

基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれでぃー』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ殺おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」




「にゃ、さ、さむいのにゃああああああ!」
 アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)が入り口でがたぶる震えていたら、隣に蒼いネコミミをはやしたメイドさんに並ばれた。
「ツイニいんぷガ大寒波ヲイッソウスルにゃ」
 インプレッサターボ・フォレストハリアー(ワールドラリーエクスペリメンタル・f44230)は器用に喋る。かつてケルディバでグンマーのご当地アイドルを名乗っていた『ますたー』に付き従っていたが、いまは独り立ちした。
「にゃって、にゃって語尾はキャラ被りにゃのにゃあ!」
 先に来たこちらに譲れと言おうとして、アイクルはぴきーんっと固まった。
「あ、あ、だけど、そっちにはネコミミがついてるのにゃ……あたしの方がパチモンっぽいのにゃあ」
 髪をつまんで引っ張ってもさんかくにはなならい。
「(´・ω・`)」
 にゃというアイデンティティをいまは手放すべきだろうか、いいや、と本人だけは真剣に葛藤をしていたら、隣からめちゃめちゃでけえ機械音がした。
「Σにゃ、にゃにが起ったにゃあ?!」
「ライドオン。足ヲ轢キ潰スにゃ」
 えらい物騒やでこいつ。
 穹色のバイクから、先ほどのにゃ語が響いてくる。アイクルは口を×にしてすとっと腰掛ける。あ、シートは思ったより柔らかくて座り心地がいい。
「……って、にゃあああ?! 急発進するにゃああ!!」
 走りだしたインプレッサターボは、まさにターボ。いつの間にか集っていた雪狼をぺちちちちっとはね飛ばす。文字にするとなんか軽いが、車輪に巻き込まれ潰れたり壁にぶち当たって動かなくなったりと、狼からすれば大・惨・事!
「いんぷハ殺リキリマシたにゃ。ご命令ヲドウゾ」
「そんにゃの決まってるのにゃ! ガーッとつっこむのにゃあ!」
 パワーフードをひとかじり、ひゃっはーと掲げたヘビィアックスを両手に掲げ、蛮族スタイルでぶっこみだぁ!
「ぶっ殺おおおおおおす! ●ぁぁぁぁぁぁっく!!」
 急スピードに軽快に巡るアックスのダンスにて、走った後にはブラッド・フェスティバルが絶賛開催中なのだ!
 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥

それはまるでチートのような、とんでもない才能であると便利な|舞台装置《デウス・エクス・マーキナー》役な|狂言回し《サポート》。

瞬間的に|主観の世界観を切り替える魔術的パラダイムシフト《高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築化術結界術》で妄想を魔力具現化する|混沌魔術《欲望開放》で|戦闘、諜報、輜重《多重詠唱×各種技能》とマルチに活動可能。
|大概のことは高水準でこなせるわ《高性能を駆使する、応用力》

依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
|エナジードレイン《大食い×魔力供給×料理》と|融合《捕食×魔喰》でえっちなのうみそおいしいです♥




「統制がとれている群れは狩りの能力が素晴らしいと聞くわ」
 けれどあくまで現実的な面においてだ。
 アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)は、ゴーストという超常でありながら、リアルな物理法則に囚われる愚かさを既にお見通しだ。
「猟兵達はどんな魔法を使ったかしら? 結局は上手に対応できなかったんじゃないの?」
 アリスの周囲を取り囲み牙を剥く狼。
 胴体を食み、柔らかな四肢を噛み砕こう――群れに戦い方は伝播している、だがそのようなものはアリスという混沌の申し子の前では無に帰す。
「ヨーソロー! 今日の戦場は此処よー!」
“ひゃっはー! てめえらぁ! 残らず奪うぞお!”
 彼方に向けて手を振れば、黒々とした巨大海賊船が虚空より顕現する。ぶんぶんと蜂の集合体めいた戦士達は飛び降りると銀色狼に馬乗りになり武器をふりまわす。
 略奪の地獄絵図を、アリスは艶然たる笑みで悦に入り眺めている。

成功 🔵​🔵​🔴​

カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級植民艦3番艦カグヤに宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ。

まずは地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を放ちますわ。
あるいは周囲から慌てて止められ、仕方なしに別のユーベルコードを使いますわね。

多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は致しませんわ。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします。




「あらあら、負けてはいられませんわ。モンデンキント級植民艦3番艦カグヤ、参ります」
 海賊船の活躍を前にして、|宇宙《そら》の戦艦の化身としてじっとはしていられない。
 カグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)は、七色の衣より扇子の先端を覗かせる。十二単めいた衣は、ある国の寓話のお姫様の影響を受けているのかもしれない。
「私はそなたらにあれやこれやを持ってこいと命じはしませんことよ。むしろ与えます」
 さぁ、
 光、
 あれ。
 扇子の先に絡みついた人差し指が上を指す。そこには仲間が破いたヨンロク号の天井の残骸があり、更に上は星空……は、つかの間、モンデンキント級植民艦3番艦カグヤの勇姿が全てを埋めつくす。
 非常に単純な攻撃だ。
 しかし、地球型惑星を破壊できると歌われる主砲での攻撃は純粋に強い。特殊空間で暮らす獣達は、着弾点で跳ね上がったかと思うと瞬く間に粉みじんとなり消え去った。
 こんなことをされたら、群れでの学習など役に立つわけがない。猟兵は無茶をする。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。




 廃墟と見せ掛けて、歪んでいる。
 リアル世界を変貌させたゴーストタウンは、ブレイズゲートと何処か似ている気がした。
 北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)の踵が雪を踏みしめ前にに征く。
 狼が空を飛ぶように怖ろしいスピードで襲いかかってくるのは把握済。群れは他の者に動きを合わせて1+1を∞近くに跳ね上げる。
「さあ、いつでもくるがいい」
 中庭のように開けた空間に佇み静かに声を響かせる。左右に部屋や廊下が延びており、何処からでも襲い放題だ。
 みずからを餌皿にのせた上での挑発に南と西の気配が反応を示す。奴らも用心深いのか斥候役の狼をよこしてきた。
 ぶづっ……づんっっ……!
 鈍く濁った肉の切断される音が耳を突く。
「――」
 優希斗は指にかけた『夕顔』を軽く引いただけだ。それだけで、計算づくで張り巡らされた糸が怖ろしい刃となる。狼のスピードがはやい? それだけ殺傷能力が跳ね上がるわけだ。
「隠れていれば無傷で済むと思うか? 甘い」
 ひとつ掛かればそこから群れの場所は逆算できる。潜む敵を見切り、目にも止らぬ早業で指を踊らせれば、方々からけだものの悲鳴があがる――。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!


人柄

普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します


心情

仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています


基本行動

味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します

一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします

またUC【贖罪】により楽には死ねません

ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います


戦闘

味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用


戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます




 吐く息を白くぼかして、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)はヨンロク号の床を踏みしめる。
 既に仲間が倒した雪狼らの遺骸がそこかしこにあり、積雪に紛れる獣毛の赤が目につく。
「……けれど、まだ彼らを焚きつけるボスが出てきませんね。まだ生き残りがいるのでしょう」
 トリップの赤い十字架がやはり同じように白の中で浮かび上がる。
 尖らせた神経に掛かる敵へはほぼ自動的に弾丸を撃ち込んだ。トリガーの作る鎮魂歌を小さく口ずさみ、死せる獣たちへ弔いの気持ちを寄せる。
 共存は不可能だ。
 だから、彼らを此処に棲まわせるわけにはいかない。
 裏を返すと、彼らには猟兵を狩る権利があるのかもしれない。見出した住処を荒らす猟兵に集団で牙を剥く。
 命をいただくという考えにおいては、彼らとシホは通じるものがあるやもしれぬ。
 ……だから、子供の獣であろうが弾丸の元に屠る。覚悟はできている、お互いに。
 あくまで優しき鎮魂歌、それが止むその時に、公団住宅ヨンロク号につかの間の静寂が訪れる。
 ――吹雪が激しくなる。
 奴が、くる。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『雪男』

POW   :    突然の迷い子
【予知になかった小学生以下の迷子の少女】を見せた対象全員に「【(避難させるまで戦いを止めてくれ!)】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【問答無用で殴り飛ばされ、戦闘能力】が半減する。
SPD   :    雪玉アタック
【巨大な雪玉】を放ち、命中した敵を【雪玉】に包み継続ダメージを与える。自身が【あらかじめ雪玉を転が】していると威力アップ。
WIZ   :    氷雪地獄
戦場全体に【猛烈な吹雪】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【雪だるまアーマーの装着】による攻撃力と防御力の強化を与える。

イラスト:桜木バンビ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。




 吹雪が勢いを増した。
 そんな中で、大柄な腕を釣りさげた雪男は、鮫のような歯で不気味に嗤う。
『おーおーおー、こんなとこに迷い込んじまった童子らよ、可哀想じゃのう、恐いのう』
 腕で雪を遮ってやりながら、雪男は黒ずんだ容についた瞳を煌めかせる。こいつ、子供達を人質に取ると猟兵らが怯むのをわかってやっている!
 予知になかったので、この少女らが一体どこから迷い込んだのかなどの詳細は不明だ。
「うわ、厄介なことになってますよ……」
 ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)は水晶玉を引っ込める。
 危ない、危ない。因果に干渉をしたら、あの少女らがどうなったことか! 使うならなにか手立てを考えなくてはならないだろう。
『ぬ?! さっそく現れたかぁ、猟兵めえ!』
 盛る吹雪がティモシーに襲いかかる。
「寒いのはいやですよぅ!」
 着物の袖で雪を防ぎ、指にはさんだ白紙のカードに写し取る。
 雪だるまのアーマーを纏った敵にこれが果たして効くのか悩む。だがやってみようとティモシーは『氷雪地獄』をカードより巻き起こしてぶつけた!
『ぐっ! ワシに馴染まぬ雪は疎ましいわぁああ!』
 白い毛皮が血に染まるのを確認し、ティモシーは得た情報を持ち替えることにした――。

成功 🔵​🔵​🔴​


【マスターコメント】
2章目に入りました、雪男を倒してください
敵の雰囲気をつかみたい方は、1本目のサポートリプレイをご参照ください

>補足
雪男は「予知にはなかった少女達」を人質にしています
少女達が本当に生きた人間なのかどうかは現時点では不明です
プレイングで少女達にふれてあれば描写します
誰も触れずとも後味の悪いことにはなりませんので、やりたいように行動していただければと思います

>執筆予定日
31日以降を予定しています
それ以前に届いた通常プレイングは合間を見て執筆します。達成度の関係で2名以降は再送をお願いすることになりそうです
(27日現在、挑戦者2名はサポートです)

それではプレイングお待ちしております
島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎
「じゃあ、始めましょうか」
戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ【地形の利用】をしながら【索敵】して行動します。
戦闘になったら強弓を使い、遠距離から【スナイパー】【範囲攻撃】【貫通攻撃】で攻撃します。
中距離以下の距離ではなぎなた、ガンナイフを使い分け【切り込み】【薙ぎ払い】【零距離射撃】で攻撃します。
味方と連係する場合は、【援護射撃】【威嚇射撃】で味方を援護します。
敵の攻撃は【戦闘知識】【瞬間思考力】で判断し【見切り】で回避するか【武器受け】【オーラ防御】で防御します。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。


鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です

かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――|起動《イグニッション》!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用

TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
「|神機召喚《アクセス》――|起動《イグニッション》!」からのキャバリア召喚で暴れます

例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
不明な点はお任せします




「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
「むしろ他の世界の方に問題なく使っていただく為のお掃除、ですよね」
 互いに銀誓館出身の鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)と島津・有紗(人間の戦巫女・f04210)の醸し出す空気は殺伐とは逆さまだ。ちなみに未だ雪男の前に姿を晒してはいない。
「予知に引っかからなかったのが気になる所ですね」
 そう言う影華に、有紗は戦闘スタイルを問うた。
「え? 遠距離からも黒燐奏甲でガッチリ固めての近接戦もいけますけど」
「わかりました」
 有紗が頷くと、腕輪がしゃりん……と涼やかな音を奏でる。同時に聖別された枝を媒介道具と見立て雪上に魔方陣を描く。
「これでよし、っと」
 魔方陣は蒼の燐光を煌めかせ力を得た。
「これはー、どんな効果があるのでしょうか? ……あ、色が変わりましたね」
 赤黒きおぞましさは、自身の連れる蟲に似ている。
「影華さんと私がこれを踏み越えると、3倍の速度で動けます。一撃離脱がやりやすくなりますね」
 ぽんっと越えると、確かに身に満ちる動力が増した。
「おお、確かに、これはすごいですね」
「この魔方陣を母体にすれば、速攻にして数多く構築できます。敵の速度は10分の1にまで落とせますので、子供達を盾になんてする暇がありませんよ」
「おっけー、じゃあ体力を削りにいきましょうか」
 2人は3倍の素早さで雪男ま前に出でた。
『おぅおぅ、この子らがどうなっても……ぐはっ!』
 黒き容がノックバック、鼻血が雪上を染めるも既に影華の姿は背後だ。
「雪玉ってお綺麗ですこと!」
 禍々しいと言ってはいけない、漆黒をにしくるように後ろ頭を蹴飛ばして、装着済のゆきだるまアーマーを削り落とす。吹雪が襲いかかる場に影華は既にいない。
『ははーん、そこの巫女装束が操ってやがるなぁー!』
 目の前で魔方陣を描く有紗に巨大な雪玉を叩きつけようとする雪男。だが体が上手く動かない。
「止っているようにしか見えませんよ」
 有紗は薙刀で素早く斬り飛ばす。
「さらに脱いじゃいましょうね、可愛い名前でぶっそうなその鎧を」
 蹌踉けた先には影華がいて、肘打ちからの引っ掻きで雪だるまアーマーを根こそぎ引きはがすのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)




 ――寒くはない。
 烈火の如く鮮やかな髪色のそのままに、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)の胸には「世のため己の力を振え」との誇りが燃え盛っている。
 だから叩きつけるような吹雪が脇腹や太ももに張り付いても、なにひとつイネスの障害たり得ないのだ。
 さぁ、此度も祈ろう――“ビキニアーマー神もご照覧あれ”
 ゴゥッ!
 跳躍に惹かれたか一瞬吹雪が地から空へと吹きすさぶ。
『わーはっはっはっ! そのような薄布一枚で極寒に挑むとは正気の沙汰ではな……ぐはっ!』
 嘗て巨獣であったものが、高笑いの間抜け面に突き刺さる。そのままてこの原理で持ちあげて転ばせると、疾風迅雷電光石火の勢いで胴体に蹴りを入れる。
「一族伝統の鎧への愚弄、万死に値するわ」
 命を捧げ、敵を屠る。
 崇高なる意志と覚悟でこの白い鎧を身に纏っているのだ。
 スピードに翻弄されるがままの雪男は訳がわからぬままで血ダルマとなりどおっと仰向けにひっくりかえるのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

マチルダ・バレンタイン(サポート)
ケルブレ世界から来たヴァルキュリアの鎧装騎兵
普段着がメイド服
外見から想像出来ないが大食い
戦闘前に余裕が有れば事前に【情報収集】をする
戦闘時はバスターグレイブと23式複合兵装ユニットの【エネルギー弾、誘導弾】の【一斉発射、砲撃】で攻撃。接近戦になったらゲシュタルトグレイブの【なぎ払い】で攻撃
敵の攻撃は【ジャストガード】で受けるか回避する。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです




 雪の遮蔽に腹ばいになり、マチルダ・バレンタイン(ヴァルキュリアの鎧装騎兵・f40886)は彼方へと目を凝らす。
「どうでしょうか?」
 傍らの響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)も同じ方向に菫の双眸を向けているが、気遣わしさが強い。
「仲間からの報告、そしてこの大雪の中でも疲弊した様子がみられません。やはり少女らは人ならざるものとの判断が正しいかと思います」
 身を起こし胸元に盛られた雪を払い落とし、マチルダはリズへと振り返る。
「……そうですか。けれど、万が一ということもあります」
「私の誤認、または過ぎた物言いでしたら申し訳ありません」
 マチルダはそう言い置いてから、言葉を重ねる。
「リズさんは、例え少女達が人外だとしても危険に晒したくはない、違いますか?」
 心を見抜かれたようで、瞠目するリズ。それが答えだ。
 マチルダはふふっと頬を緩めると、23式複合兵装ユニットを展開する。
「攻撃目標は『雪男』のみ。奴の動きを奪い、リズさんの安全を確保します。どうか思うままに行動してください」
 揺るぎない蒼の眼差しを前にして、遠慮は失礼だと悟る。
「……ありがとうございます。無茶はなさらずにお願いします」
「はい」
 返事と共にマチルダの背後から射出されるあらゆる弾丸が雪男の四肢に着弾する。
 リズは玉の残す煙を踏みしめるように飛び上がる。低い団地の天井スレスレを飛び、雪男の元へ。
「……! やはり、そうでしたか」
 吹雪を起こし強化されるのは雪男ばかりで、周囲の少女らはガチガチと歯を鳴らし震えていた。この雪は彼女らを癒やすことはないのだ。
『ぬっ! お前、能力者か! 死ね!』
「させませんよ!」
 雪男の掌はマチルダからするば恰好の的だ。バウンッと弾けて煙を残す、少し遅れて雪を巻き上げ巨体の倒れる音が建物を揺るがす。
「……もうここは持ちません。だからどうか本来の場所へ」
 リズが祈りの形に指を組むと、白い羽根より桜花がふんわり。周囲の吹雪をかき消していく。
「もう恐くありませんよ。どうか安らかに」
 雪男に無理強いされて怯えていた少女達は、桜の祝福を受けて次々と霧散し還りゆく――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。

SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す

■行動
ガラが悪くとも信心深いため戦う前に【祈り】を捧げる事を忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないまま行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローへ、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ

■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業、魔導書
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う

アドリブ連帯歓迎




「ふーん、やっと、ボスのお出ましか……今回は一般の被害者がいないようでなによりだけど。それはそれとして咎はキッチリと清算して骸の海に帰って貰らわないとね」
 政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が雪に踏み行ったのは、先の戦いで少女らが消えた直後である。
「気が合うなぁ、オレも同じことを考えてたわ」
 これほどに不貞不貞しく神父服を着こなす男がいただろうか? ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)は片側だけ歪めた口端を持ちあげて胸の十字架を握りしめる。
「あいつがバケモノと果てたのは怨嗟か? それとも殺戮への溢れる快楽に溺れる者か?」
「そんな高尚な考えすらなさそうだけどね」
「だろうな。むしろ獣ぐらいに難しいこと考えねぇ方がラクなんだろうよ。ただオレはお役ごめんだけど」
 思考が皆無であれば、神に縋ってまで為したいと悩みはしないだろう。
「さて、と。私はこれで行くわ」
 朱鞠がそう宣言した刹那、ギュスターヴは空間への圧がべらぼうに増したのに気づく。青き炎として漏れ出る力が、封を解いたとわからせにきている。
「あなたはどうするの?」
「オレかい?」
 握った十字架を掲げ、ギュスターヴは片目を閉じる。
「今日も神に祈るだけだ。それでシバいてシバく」
「OK、じゃあ人質が追加される前にシバきにいきましょ♪」
 にんまりと艶然に笑い、朱鞠は雪を滑るように飛び出していく。
『雪で固められて死ねぇ』
 素早い投擲だが、狐龍の力を解放した朱鞠からすれば赤子のハイハイのように鈍い。
「なにかしたかしら?」
 スッと背後に立ち膝蹴りからの暴力乱舞を叩き込む。ほんのひとかけらの解放でこれである。
「主は来ませり、主は来ませり」
 聖書を開き静かに紡ぐ。黒き澱は後光と変わり、ギュスターヴは清らかなる聖職者の慎みを醸し出す。
 傍らにはクリスマスリースに飾られた蝋燭が浮いている。
「主の生誕からは過ぎてしまいましたが。さぁ、受け取りなさい――」
 揺らぐ蝋燭の焔は魔力を孕み、矢のように一斉に雪男へと襲いかかる。
『ぎゃあああ、熱い、熱いぃぃ!」
 必死に雪をたぐり寄せようとも、神の奇跡がもたらす業火は決して消えることはなく、獣を骸の海へと引きずり込むのだ。

【使用ユーベルコード】
ウィザード・ミサイル
レベル×5本の【炎】属性の【魔法の矢】を放つ。 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!




 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は観客であり役者である精霊達に問う。
「あの醜く浅ましき雪の獣は、少女を盾に猟兵殺しを望む。これは駆逐すべき悪ではなかろうか?」
 精霊達からは拍手が起る。誰ひとりとしてシェーラに反対する者はいない。
「お嬢さん方もどうだろうか?」
 紫苑の双眸にて雪男に支配されし少女達を捉える。そこには慈悲があった。
『……』
 絶えず手にした彩精霊銃を放しては受け止めて、だがまだ引き金は引かない。
『お前、気に入らん! もう死ね』
「まだ彼女らの意見陳述の時間だというのに、それすらも認められぬ下賤が」
 シェーラの麗しき容の中で片眉が不機嫌に持ち上がる。
「――そうも正義が遂行されるのを畏れるか」
 精霊が少女の肩に止まり笑みかける。まるで「大丈夫」「正直にね」と励ますように。
『おおおおお! 凍えて朽ちるがよいわー!』
「愚かな。もう答えはでている。既に僕は全てを終えているとわからぬか」
 シェーラの言葉通りだ。
 これほどの猛吹雪にもかかわらず、現れた時の儘だ。身につけた仕立ての良い上着も、人間より艶やかなる肌も欠片も濡れていない。無論傷もない。
 ――悪を駆逐する願いはここに完遂される。
「僕がトリガーを引くまでもない」

成功 🔵​🔵​🔴​

バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
ご用命あらば即参上! アドリブ連携歓迎デース!

普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイル:白兵射撃の物理系

各種武装の中から敵に有効なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!


飯綱・杏子(サポート)
ジビエ|食材《オブリビオン》がヒト型でなければ料理して喰らうっす
ヒト型の|食材《オブリビオン》を料理するときはこちらがヒト型を辞めるのが|マナー《マイルール》っす

リビングアーマーや宇宙船の類だってきっと貝類みたいに美味しい可食部があるし、食器としても活用するっす
どんなに癖のある|肉《ジビエ》でも濃い味付けにすれば食えない肉はないっす

悪魔だから|毒は利かない《【毒耐性】持ち》っす。酔うけど。腐敗も発酵もわたしには一緒っす
あと|八つ裂きにされても死なない《【切断部位の接続】持ち》っす

シナリオの傾向によっては、ヒト型を性的な意味で食い散らかしてもいいっすよ
白子もミルクも大好きっす




「これは! 美味の予感っすーー!」
 飯綱・杏子(悪食の飯テロリスト・f32261)は寒さではなく感激で打ち震えている。
「あー、飯綱サンはアレを捕食されたいのデスネ?」
 アッテマスカ? と、きゅきゅいと緑のおさげを揺らして覗き込むのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だ。寒さからちょっとギシッてる。
「はやく仕事を終えテ、あったかーい温泉につかりたいデス」
「温泉には鍋っすよねぇ……くぱくぱくぱって煮える音がたんまらないっす。じゅるり」
「……わかりマシタ」
 がしゃんっ! と物々しい音をたて、バルタンはなんと武装解除だ! だがすぐに、薪を組みキャンプの準備をはじめる。猛吹雪の中で火がつくかって? 問題ない、バルタンはありとあらゆる状況に対応出来る重火器装備を搭載しているのだ!
「飯綱サン、食材をとってきてください」
 まな板をセット、出刃包丁を手に振り返る。
「りょ!」
 全てを察知した食欲魔神は、信じられぬ距離を瞬時に跳躍し、白い脳天にミートハンマーを叩き込む。
 ギャン! と生々しい悲鳴と共に脳味噌がトゲトゲにへばりつく。
「ははー、これで死なないとは流石っす! しかしこれだけじゃあ食い足りないんで、|雪玉《天然水》ごといただきっす!」
 フルスイングで肝と共にかっさらう。仰向けにひっくり返ったのを身もせずに飯綱はわくわくとバルタンの待つキャンプ地へ戻る。
「古いキッチンは使い勝手が悪いデース! あ、お帰りなサーイ! 大漁デスネ」
 何故かあった野菜を刻み土鍋にシュート、上から雪玉を被せる。
「はい、肝と脳味噌。珍味よりっすね」
 取り皿とお箸を用意してワクワクの杏子の目の前で『雪男珍味の土鍋煮込み』が出来上がる。
『ぐごごごッ! ふざけやがってえ! もろとも遭難し死ねええええ』
 巨大雪玉が叩きつけられて、お鍋が粉々★
「×●●▼×!!!!!!! @@×!! ……っすよおおお!」
 大凡この世のものとは思えぬ罵詈雑言と共に杏子がミートハンマーを振りかぶるも、雪男は自らつるっと全てひっくり返ってしまった。
「ふむ、これしきの量で済むトハ、さてはもはや死にタイですネ?」
 ――バルタンの願い『雪男が鍋料理を食べてる間は気絶していて欲しい』
「飯縄サン、こちらに鍋第2号が仕込んであるのデス。どうぞどうぞ」
 パァアアっと杏子の容が輝いた。ああ、鍋物のいいにおい。スライディング正座にて鍋候。
「いただくっす! ……くーーー! 沁みるっすねえ!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

山吹・慧
元凶が現れましたか。
そして、あの人質の少女達……。
些か面倒な状況ですね……。

人質の彼女達が何者かもわからないので、
【気功法】で場の気の流れを呼み、
彼女達の動向にも気を配りながら戦いましょう。

雪男に対してはエンジェリックウィングの
光の【羽を飛ばす】【目潰し】を仕掛けて
【認識阻害】を狙いましょう。
怯んだならば、接近して【グラップル】の技術で
投げ飛ばし、人質から引き離します。
そして【セカンド・イグニッション】を発動。
敵の放つ雪玉は【オーラ防御】を展開した上で破壊。
そのまま【リミッター解除】した【乱れ撃ち】を放ちます。

雪合戦は、ここではなく骸の海で存分に楽しんで下さい。




 ――ホワイトアウト。
 階段を昇る山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)の眼前で吹雪があり得ざる程に強まった。だが彼の心は落ち着き払っている。
(「むしろ、こうやって元凶現ると知らせてくれて助かりますね」)
 斥候の仲間の猟兵より、人質の少女らがいると把握済。
(「所属不明。罠なのか囚われの身なのか……些か面倒な状況ですね……」)
 そうだとしても為すことは同じだ。
 欧州の人狼騎士団に所属して長い。ブリザードの中で仲間と助け合った経験は数え切れぬ程ある。
 まず、雪の中では、平衡感覚や方向感覚が奪われる。故に目に頼るのではなく、気を読むのだ。
 瞼をおろし躰の力を抜く。リラックスより生み出される集中力こそが気功法の極意。
 ああ、いる。
 中央にこの団地に根を下ろす存在が。
「…………浅いですね」
 周囲に確かに微弱な信号が幾つかある。弱っている、ないしはこの世の者ではないか。
「従属、支配……」
 どうやら人質は生きた人間ではなさそうだ。しかし巻き込むのは慧の矜持に反する。もしも無辜の霊が脅迫されて従わされているのだとしたら、解放してやるのが筋だろう。
 結局、やることは変わらないのだ――人質の安全を確保した上での敵殲滅。
「――」
 荘厳なる純白の翼が白磁の頬を掠めて広がった。双眸の紅だけが艶やかに雪に咲く。
『……んなっ?!』
 自身の雪のみと高をくくっていた雪男が目に羽根を浴びせられ浮き足立つ、その時にはもう慧は眼前にいる。すんなりとした腕で毛むくじゃらの巨体を掴む。そして大凡想像できぬダイナミックさで彼方へとぶん投げた。
『…………』
「もう大丈夫ですよ」
 彼女達への避難誘導は必要ない。
 だから慧は雪を蹴り空中で二つ目の起動へと移った――刹那、翼が焔に包まれたかのように赤く朱く輝いた。
 赤色のオーラにて制止する雪玉をクラッシュ49にて押しつぶす。後ろに流れる空気を推進力に変え雪男へ唐竹割り。
 ぎゅるっと雪を踏み固め着地回転、そのまま賜りの剣にて薙ぎ払いからの目視できぬラッシュを浴びせる。
『ぎゃああ!』
 チッ……と、鉄の擦れる音。
「雪合戦は、ここではなく骸の海で存分に楽しんで下さい」
 鞘に刃を収めた慧は血ダルマを一顧だにせず、去った少女達の気配にほっと安堵する。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルスラ・ロザーノ
女の子が人質? …なあんか敵の罠っぽいなー
でも、絶対に違うって断言はできんからちゃんと助ける方針でいくよ

てなわけで、ベランダとか外壁とかの裏ルートを伝って、雪男に発見されんように注意しながら接近をするで
遮蔽物も多いしうまく利用して近づけるやろ
もし少女たちに見つかったら落ち着かせる笑顔で「しーっ」するよ、ここで逆に騒ぐようなら罠確定やな

そんじゃ、人質取るような奴は遠慮せーへん!
寒さも雪玉もお前自身も、まとめて全部ボクの情熱で溶かしたるわ! ずっきゅーん♪
人質の子たちも震えが止まって今なら足が動くやろ、早よ逃げるんや!
さあ、雪玉ぶつけられようがボクはビームを止めへんよ、このまま押しきったるわ!


レンフィート・ディアレスト
小癪っていうか、姑息――その場凌ぎ――な真似を……
予知になかったのは気になるけれど、それでやることが変わるワケじゃない
本物でも違っても、先ず助けてから考えるのが銀誓館流……のはず

🌒

【城塞世界・影真似】を発動
氷漬けの戦場を影の城に塗り替えて有利に戦闘を進めよう
たとえゴーストタウンでも、ここはお前の居場所じゃない。返してもらおうか。

城壁を作り出し、少女達を遮蔽して雪男から分断。吹き荒れる吹雪も押さえ込む
喚び出したサキュバスから援護攻撃を貰いながら雪だるまアーマーを撃ち抜く[拳銃格闘術][零距離射撃]を叩き込もう

少女達には被害が及ばないよう気を配る
見覚えがあったり――しても関係ないかな、今は




 団地を更に改造してダンジョン仕立てにしているものだから、潜む場所には事欠かない。
「女の子が人質? ……なあんか敵の罠っぽいなー」
 ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)はすんっと鼻を鳴らした。仲間の戦闘を見る限り、少女達は悲鳴をあげてはいたが、舞台装置めいても見えた。
「小癪っていうか、姑息――その場凌ぎ――な真似を……」
 レンフィート・ディアレスト(探究の貴・f38958)は再び少女の顔を見定めようとするも、仲間が離脱した後だと至難の業と悟り嘆息。
「レンフィートはあの子らが本物やって思てんの?」
「どうだろうね。予知になかったのは気になるけれど」
 含みある物言いだが、既に結論は出ている様子。それは同じだとウルスラは見た。
「それでやることが変わるワケじゃない」
 本物でも違っても、先ず助けてから考えるのが銀誓館流……のはず。少なくとも在学中の経験はそのようにレンフィートを育んだ。
「やっぱりそうやんな。絶対に違うって断言はできんからちゃんと助ける方針でいこか」
 ウルスラには吹雪く前の館の作りが頭に叩き込まれている。既に雪男に不意打ちをするルートは構築完了だ。
「もしも彼女達が雪男の罠ならどうするんだい?」
「やー、危険やなぁ。ピンチになるなぁ」
 からりと笑うウルスラからは畏れなんぞ感じられない。
「どうだかね、随分と余裕って顔だけど」
「まぁホンモンかニセモンか見分けて相応の手は打つよ、大丈夫大丈夫なんとかなるって」
 気負いのなさは経験に裏打ちされたものだ。心強いとレンフィートも口元傾がせ立ち上がる。
「僕の能力は多少の距離があっても発動可能だ。状況に応じたフォローはお任せあれ。だから先行は任せるよ」
「おう、任されたで!」


 ウルスラは凍り付いた窓を指の熱で溶かし開く。窓の外は嘘のように風も雪もない。関東の冬ではあるがあたたかいぐらいだ。
「いくで」
 するりと壁に張り付くと、上階ベランダの柵に手を伸ばす。鉄棒の要領で降り立ったのは今となってはそうお目にかかれない広い板作りのベランダだ。
 硝子戸を開くと真っ白な頭と寄り添う少女らが見えた。
「……」
 ウルスラに続き荒れたベラン降り立ったレンフィートは、古雑誌の束を前に息を呑む。
(「もしかしたら、帰りに寄るまでもないのかもしれないね……」)
 ウルスラは髪をぎゅっと結わえ直すと心の熱情が昂ぶった。
「いってくるな」
「ご武運を」
 ベランダに詰まれた前世紀のオカルト雑誌の山にレンフィートはしばし気配を消す。

 ウルスラが身を乗り出した所で人質の1人と目があった。雪ですっかり白くなってはいるが、元はセーラー服のようだ。
「しーっ」
 落ち着かせるように微笑んで、人差し指を唇に宛がう。すると少女は……大方の予想通り傍らの雪男をぺちぺちと叩き敵襲を知らせる。
「やっぱり罠やんかー!」
 既に踏み切っていたウルスラはレンフィートに知らせるようにそう叫ぶ。焦りは一切なく、空中ブランコのように両腕を大きく広げ飛翔する。
『ふはっ! 飛んで火に入る冬の虫よお! お人好しの銀誓館のバカめぇ、死ねえ!』
 雪男は転がしていた雪玉を巨大錬成しウルスラ目掛けて投げつけた。
「寒さも雪玉もお前自身も、まとめて全部ボクの情熱で溶かしたるわ!」
 言葉通りにウルスラの周囲が赤や橙のあたたか色に書換えられていく。
「ずっきゅーん♪」
 |へぶん《天国》♪
 人殺しの雪がパァッと砕け散った、ネオンのようにキラキラするビームに照らされ七色に輝くダイアモンドダスト。ああ、イルミネーションのように胸がわくわくする。
「震えが止まって今なら足が動くやろ、早よ逃げるんや!」
 罠だとわかってなおウルスラはそう促した。
『ほーん、やはり正義の味方は拘るかぁ。お前達は餌だゾ、役立たずは潰しちまうゾ』
 少女達は手にしたナイフに目を落とし戸惑っている。苛ついた雪男は雪玉を投げ込もうと振りかぶった。
 ゴウンッ!
 異次元より現れし黒い城壁がその腕をしこたま打ちのめした!
「おっと! そないなへろへろ当たらへんわ」
 暴投された雪玉はウルスラのビームにて砕かれた。そうして眼下にそびえ立つ影の城に口笛。
「豪快やな。ええで、こういうの好きや」
 城壁に着地し、これより攻守交代とバックアップ開始。
 城主レンフィートは、城壁に仁王立ちしTMM-M:Not-SilverBulletを構え呼びかける。
「前世戦士達よ! 聖賢者トリスメギストスの導きに、自らの命すら捧げ地球を魔王の手より救わんとした崇高なる魂を忘れたのか!」
 ざわっ。
 寄り添う少女達はざわめき、レンフィートへ注目する。
「その雪男は魔王の足元にも及ばぬ下賤なる獣よ! 目を覚ませ! 気高き戦士達よ!」
 ナイフを手にする少女達がはっと目を見張ると、雪男に握られた腕から藻掻きだす。
 そうだ、その隙があればいい。サキュバスの銃弾が雪男の追撃を阻み、鋭く生えた城壁が少女と雪男を分断する。
 だが、雪男から離れたことで消えゆく彼女達。レンフィートの胸を切なさが染めあげる。
「……お疲れ様、今度こそ静かなる眠りを」
 存在の歪みは是正され、気高き戦士達は還り征く。
「もう絶対に傷つけさせない、この僕の存在に賭けて」
 果敢に距離をつめ、もはや体当たりでレンフィートは雪だるまアーマーを撃ち落した。
「そうか、きみらはあの時の……」
 銀誓館出身でこのゴーストタウンに来たウルスラも、彼女らの正体に思い当たった。
「きみらが護ろうとした未来は、こうやってちーゃんと続いとるよ」
 例え、当時は狂気からの誇大妄想だったのだとしても、根元に純粋な願いがあったのも事実だから。
「さぁ! パッションにのって天国へいき。今度こそ迷ったらあかんよ!」
 ウルスラの情熱のビームがまたまた雪を弾き、綺羅で消えゆく少女らを飾る。
『ぐぅうう……!』
「ヨンロク号を我が物顔で支配する厚かましさは虫ずが走る。命をもって購うことだ」
 歯がみの唇に銃口を押し当てて、レンフィートは引き金を引く。口中から後頭部へ抜けた弾丸は銀にあらず。だが夥しいダメージを雪男に与えるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級植民艦3番艦カグヤに宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ。

まずは地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クルセイド」を放ちますわ。
あるいは周囲から慌てて止められ、仕方なしに別のユーベルコードを使いますわね。

多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は致しませんわ。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします。


リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。

基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます




「いやぁ、先ほどはお見事! 豪快にぶちかました痕跡は見てきたっすよ」
 ぺらぺらと捲し立てるリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)を前にして、カグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)は黒髪を後ろに流す。
「お話が冗長です。持って回った物言いが許される事態ではないかと」
「あーはい。人質の女の子がいるんで、正義の仮面としちゃあビーム砲ぶっぱで全て吹き飛ばすのは避けたいところっす」
 ぶっちゃけた。
 カグヤは納得したので、尖らせた唇を戻す。
「わかりました。であれば、雪男から少女達を引き離せばよろしいですか? 『Malbona Kodo : ducent dudek ses. Vitra labirinto.』」
「はい、よろしいっす。けれど、どんな手を使っ……のわぁああ!」
 カグヤの麗かな声音が機械音めいた呪文を唱えると、ヨンロク号が積み木のように豪快に組み替えられていく。彼方からは獣らしきモノの叫び声のオマケ付き。
 あっという間に大迷宮。
「人質は雪男から隔離し絶対安全な防壁にて保護しております。あとはお任せしましたよ」
「こう入り組んじゃあなぁ」
「出口はひとつだけです。そして雪男は脱出不可能です」
「OKー、そいじゃあ行ってくるっす」
 分銅を振り回し天井から突き出た柱に絡めると、リカルドはターザンのように飛び立っていく。
 迷路にされてしまったのならば、上空から行けば良い。ちょっと狡い? 正義の味方が遅刻してどうするよ。
 迷路の中でヤケクソ気味に吹雪を起こす敵発見~!
「そいや!」
『んなぁ?!』
 敵が反応する前に手裏剣を投げつける。吹雪を抜けた先に確実な手応えと肉の斬れる音。
『ぎゃあああ! どーこーだああああ』
(「教えないっすよ」)
 ワイヤーアクション、空中で手品師のように次々と指に手裏剣が生えてくる。
 血塗れで朱くなった吹雪の中へ投擲、そのたびに眼下では獣の悲鳴があがるのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。

◆戦闘
射撃(愛用は詠唱銃だが、様々な銃器を使い分けている)と魔術による広範囲攻撃が主。
魔力の操作に長け、射撃の腕も確か。
作戦次第では、闇色の武器を召喚(UC【異界の剣の召喚】)して前衛を務めることもある。

◆特技
・情報収集
・機械の扱いにも魔術知識にも精通している

◆UDC『ツキ』
闇色の狼の姿をしており、魂や魔力の匂いを嗅ぎ分けての追跡や索敵が得意。
戦闘は鋭い牙や爪で敵を引き裂き、喰らう。

◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方




「はぁ……」
 シン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は蒼空色の瞳を瞼に隠す。
 魂ごと繋がる『ツキ』が先ほどからずっと文句を言っているのだから、気持ちも重たくなろうというもの。
『すっかり出遅れたじゃねえか。折角、同類を食い荒らしてやれるチャンスだったのによ』
「しょうがありませんよ、ツキ。こうしたものは『縁』です。どうしたってつながらない時もあるのですよ」
『チッ! 相変わらず口ばっかり達者だな』
 傍らで顎をあいて舌を出す。強大で藍色をした狼は、それだけで吹雪を融かし道を作る。
『まぁいい……雪狼どもを操っていた奴の臭いがぷんぷんするぜ』
 剥き出しの木板を蹴って跳躍、投げつけられた雪玉をしなやかに躱……さずに、敢えてつっこんでいく。
『……んなっ?!』
 ぐしゃんっと砕けた雪から現れた堂々たる四肢の獣を前に、雪男はギザギザ歯を開いて呆然としている。
 その間抜けな鼻っ面に噛みつき大回転、そのたびに鮮血が雪を染めあげていく。
「僕のやることはなにもなさそうですね」
 むしろスーツを汚さぬようにと下がるシン。まさにツキの強さへの信頼の証だ。
『……ぬるいぞ、本当にボスなのか?』
 皮むきのように毛皮を剥いで、傍らに着地したツキは呆れたように吐き捨てるのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手




「まぁ、お嬢様方、どうかご自身の身はご自身でお守りくださいませね♪」
 そう嘯くシルヴァーナのナイフの刃先は既に6回折れている。折れた先は全て雪男の喉元、腸、額……に2本ずつ突き刺さっているのだ。
 ガタガタと怯える少女の|亡霊《・・》に、薄く嘲い。元人格の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)が目撃すれば震え上がるだろうか?
『き……さまぁ』
「あらあら、まだ動けますの? 頑丈ですわねえ」
 鼻歌交じりに雪玉をなます斬り、そうして突き出した切っ先で瞳を貫き、ぺきんっと折る。そうしてますます深く突き刺さるのだ。
 シルヴァーナは『Zanne di squalo』の先っぽを指で弄ぶ。鮫の|歯《刃》は幾ら折ってもすぐ生える。
『ぐおお、お、おっ! おおお!』
 ヤケクソ気味に振り回す腕からの猛吹雪も、まさに涼しげな顔で躱し宙返り。
「もっと遊んで差し上げたいのですけれど、そろそろ刻限でございますわぁ。フフフ、あなたが猟兵の猛攻を生き延びたなら、またお相手して差し上げますわね」
 完全に雪男の視界から外れた所で、ドサリッと雪がなだれるような音がする。
『俺様から逃げられると思うなぁ!?』
 ここは庭だと意地を見せ雪をたぐり寄せるように音の元へ辿り着く。だが雪男が片目で捉えたのは、既に離脱した足跡と黒い1本の髪のみだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴鹿・小春
うーわ寒いね!
猛吹雪で視界もいまひとつな上に全面凍結だし雪男のホームグラウンド…?
予知にない迷子はどっちかなー…ま、どっちでもいいように対応すればいいよね!

大通連からつうれんに持ち替えて一気に切り込んでくね!
背中側とか人質の子?を盾にし辛い側に回り込みつつ呪詛纏わせた斬撃で雪男の足とかを切りつけアーマー壊してくね。
凍結した床も活用してスライディングとかから意表突いた攻撃仕掛けたり逆に一気に距離取ったり。
ある程度アーマー壊れるか攻め時と見たらUC起動!
けーくん憑依させて魔力供給で限界突破して一気に雪男に切り込みつつ至近距離から雑霊弾叩き込む!
当然人質?には当てないようにね!

※アドリブ絡み等お任せ




 階下よりも見事な雪景色。まさにホワイトアウト。
「うーわ寒いね! わっぷ……!」
 どささっと落ちてきた雪からぽこっと頭を出す鈴鹿・小春(万彩の剣・f36941)は、ぷるるっと狼が体をゆする仕草でふりおとした。
「けーくんは上手く避けるよねえ」
 既に臨戦態勢と出て来てくれてるケットシーワンダラーの欅田くんは、雪に埋まる主を大丈夫? と眺めている。冷たいから手は貸さない、そんなとこは猫だ。
「予知にない迷子はどっちかなー……? けーくんはどう思う?」
 ことりと首を傾げるけーくんに、まぁそうだよね、と小春はにへら笑い。
「巻き込まない、傷つけないが大前提だよねー。もしも攻撃してきたら、その時対応すればいいし。じゃあいこっ、けーくん!」
 もこっもこっと雪を踏み、小春は軽快に駆けだしていく。
 いきなり開けた場所に出た。そこに浅黒い足と顔が吹雪の中で浮かび上がっている。雪だるまアーマーは、味方が随分と削ってくれたようだ。今回も蓄積厳禁。少女達は……目を凝らすも目視は叶わない。
「うーん。これは一気に切り込んでくのがいいかなー」
 けーくんの顎をもふもふっと撫でながら作戦立案。雪の中でもあったかい。
「けーくん、素早さフォローお願いね」
「にぃあん」
 きゅう。
 けーくんは小春の袖を握ってこくこく。
「よぉし。じゃーあ、つうれん、行くよー」
 薙刀から持ち替えて全力ダッシュ! ばねめいた軽やか疾走は猫のもの。足音も軽く一気に踏み切る。
『んおー?』
 雪男が前面に抱え込む少女を抱き直したその時、踵にちくりとした刺激が走る。ゾワゾワッとした痛み未満が駆け上り、ぽろりぽろりと背中から雪の鎧が剥がれ落ちていく。
『敵かぁ! ぬおお!』
 足元からの吹雪を起こすも、既に離れた小春の姿が全く見えていないのでかすりもしない。それどころか隙だらけ、ここぞとばかりにスライディングGOGO!
「けーくん! お願い!」
「みゃ!」
 ほんわりと小春の全身があたかかくなる、けーくんをぎゅってした時のように。同時に、一気に満ちて溢れる魔力にて周囲を漂う雑霊を呼び寄せる。
「せーの!」
 ドォッ! 雑霊弾が激しくぶつかり雪男の身を蝕んでいく。耳を突く衝撃と共に、壁に張り付いた雪の塊が揺さぶられてからズレるようにそこかしこで崩れた。
『か……ど、こだ?』
 ぎょろりと向いた雪男の瞳はとうとう小春を捉えることなく喀血と共に倒れ伏す。
「……ふー。女の子たちは……いないねー」
 倒れる巨体に巻き込まれぬようにと構えていたが、彼女らは幻影か霊だった模様。被害者はひとりも出さず、小春は銀誓館の卒業生として誇り高く仕事を終えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪




「んー、これだけ白いとどうせ気づかれちゃうよね。じゃーあ、派手にいこっかー♪」
 クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)がパチンっと指を鳴らすと、雪上に艶やかな黒肌のメイドさんがたっくさん現れた。
『お嬢様方、こちらでございます』
 雪男が少女を嗾ける前に、メイドドレスを翻した娘らが手を引き導いた。降りかかる吹雪は身を挺して庇う。
『……あ、ありがとう』
『これしきのこと、従者としては当たり前でございます』
 クローネのメイドは麗かにお辞儀する、その間も警戒は怠らず。吹雪は全て叩き斬られているのだ。
「なるほどぉー……吹雪が攻撃になるってことは味方判定じゃないよね? やーっぱり無理矢理従わせてたわけかぁ……」
 メイドに紛れていつの間にやら至近距離。クローネは雪男の後頭部に食らいつくと、ドスソードと呼ばれる刀を喉元に宛がう。
「そういうの、クローネちゃんはいただけないなぁ――というか、大っ嫌いだよ」
 怜悧に尖る台詞と共に、喉仏を斬り割いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗
【SPD】
予知に無い少女…成程、そういう能力か
その少女達が雪男、アンタが攫って来た子供達なのであれば救う必要はあるが…
悪いが、俺には幻影にしか見えないのでね
まあ、後味が悪くなるのは個人的には嫌だから…
―だから。
悪いけれど、その少女達と雪玉の軌跡がどういう方向で行くのか
今、この場で|予知《・・》させて貰うとしようか
真の姿:https://tw6.jp/gallery/?id=149146
先制攻撃+早業で少しでも早くUCを起動させて
地形の利用+第六感+見切り+残像+戦闘知識で
自身の残像をばらまき雪男に沢山の『猟兵』と殴り合っていると誤謬させつつ肉薄
更に周囲の少女達が巻き込まれない方向に残像を作って巨大な雪玉を誘導
双刀を居合抜刀、2回攻撃+見切り+属性攻撃:焔で雪男を斬る
…悪いんだけれどさ
全部は救えないかも知れないけれど、出来る限り救いたい想いはある
そして…もし少女達が犠牲になるのだとしても
その人達を犠牲にした罪は背負い続けると俺は決めている
…アンタ達にそれがどう見えるのかは知らないけれどもね




 散々に傭兵に裏をかかれた雪男は、命を削る覚悟でヨンロク号を吹雪で埋め尽くした。分厚い壁めいた吹雪を抜けるのは猟兵とて骨が折れることだろう。
(「……これも雪玉というわけか」)
 自ら予知を視るからこそわかることもある。
 北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)は口元を白く霞ませて、吹雪の向こう側を見据える。
(「予知に無い少女……成程、そういう能力か」)
 もう結論は出ている。
 優希斗からは幻影にしか見えない。だから手心を加える必要もなし。
 ……だがもしも、万が一、だ。
(「その少女達が雪男、アンタが攫って来た子供達なのであれば救う必要はある……」)
 それは尊い命を消してはならぬという絶対原則と同時に、予知したグリモア猟兵の心を護る為でもある。予定外の犠牲者が出たら? どうしようもなかったのだとしても、己の見通す力が劣っていたからと自責の念に苛まれる筈だ。
 誰もが優希斗のような強い精神構造を有してはいない。そう、自分は一度は遠くにあった自責の念を引き込んで未だ贖罪を重ねている。心苛まれる段階はとうに越えた。しかし他の者の辛さを軽んじる愚も犯さない。
「まあ、後味が悪くなるのは個人的には嫌だから……」
 ――だから。
 打つ手はひとつ――。
 一度伏した瞼があがれば、蒼燐光がふたつ灯る。
 同時に蒼月・零式と月下美人が煌々とした同じ輝きを得た。それぞれ優希斗ではない娘の涙と闇で編み上げた刃がスッと優希斗の肉体に軸を通す。
 見目は然程変わらぬ、だが、存在が変質する。
 娘らの堕ちた先に浸り驚異的な力を得た上で、優希斗は怖ろしいまでに不屈の精神力でそれらを支配下においた。
 支配は先ほどの糸のように張り巡らされて、このゴーストタウン丸ごとが優希斗が認知可能となる。
 |予知《・・》だ。
 ほんの刹那先を読む、それで充分。
 優希斗は、現在と先の先をきちりと分けて把握する。
(「――吹雪が、晴れる。誘うつもり、だ」)
 視界に映るのは変わらない、雪男と少女は吹雪で隠されている。だが優希斗が歩を進めると出迎えるように止んだ。
 開けた向こう側、まず目につくのは巨大な雪玉。転がすのは血で汚れた雪男だ。寄り添い震える少女達もいる。
 むろん優希斗にとっては既知。
 現実では未だ棒立ちの彼らだが、優希斗の予知内では|既に行動を開始している《・・・・・・・・・・・》。
『ふーははは! お前の戦い方は見ていたぞぉ? あの犬ッコロ達もちったあ役にたつもんだぁ。この吹雪は俺様の手足よ。変な紐を仕込んだところで全て凍らせて千切るのみよ』
“――長台詞を悠長に吐くが、動きは存外素早い。笑い声が途絶えた時にはもう投げられている”
 優に六畳間ほどはある雪玉から、果たして逃れる隙間は存在するのか? ないだろうと確実なる殺しを予想した雪男は大口をあいて哄笑する。

 だが、所詮は予|想《・》だ。想うだけ。
 此方は予|知《・》だ。既に知っている。

 無造作に壁を刺し飛翔、まるで翼ある者のように優希斗は壁を駆けた。冷たく罅割れたコンクリートを踵が踏み、背中を過ぎる巨大な雪玉にはかすりもしない。
 少女達が雪を纏い、優希斗を追うように両腕を掲げてきた。雪男に抱きかかえられた彼女らは、憐れ奴めの端末だ。身をちぎり作る雪玉を優希斗目掛けて投げつけてくる。
(「……仲間達からは、少女らは亡霊であり雪男の技は使えぬようだと聞いていたが」)
 予知と齟齬を起こしていたが、優希斗は予知を信頼し天井から宙返り。少女らの雪玉の動きもわかっていれば避けるのは容易いことだ。

 ――さて、仕込みは終わりだ。

 雪玉を躱し宙に舞う優希斗。
 壁を駆け上がる優希斗。
 雪玉を叩き割る優希斗。
 少女の霊へ手をさしのべる優希斗。
 優希斗、優希斗、優希斗、優希斗…………。

『お、お前ぇ……分身、だと?! 小癪なぁ!』
 あんぐりと開いた口より喀血。
「――」
 背中より握りしめた二振りを合わせ突き刺して、知覚された時には残像の何処かと同期しそこにはいない。
『てんめぇ! 今度こそぉぉ……ホンモノはわかってんだからなぁ!』
 流石に丸めた雪玉は1メートル程度。雪男は渾身の力でもって一番色濃い優希斗目掛けてぶんなげる。
「……ああ、視えた」
 無論、残像。
 少女達を一番巻き込まぬルートの先に偽の己を置いた。既にそこにはおらず、優希斗は雪男の両手のギリギリ先を斬りあげる。
『!』
『??』
 雪色の少女達が瞠目し浮き足立つ。
「もう自由だ、在るべき場所に逝くがいい」
 一手を使い、雪男との紲を断ってやる。
 だが、
 無残。
 少女らを見送る優希斗は、ゴスンッと鈍い音で雪玉に押しつぶされた。
『……死、ねえええ』
 潰れた雪玉により、ますます白く白く白に塗りつぶされた床が雪男の双眸に映りこむ。
 ――その白が、赤く糸を引いた。ぽたりと融け落ちるのは雪男の指だ。
『! ……な、なん、だと……?!』
 吃驚に開きすぎた瞳が裏返り、汚い水に崩れる。雪男はこの世で一番熱く痛い焔に焼かれ命を佚していく……。
 チッ……、とほぼひとつの鋼音。双刀を鞘に収め、焔にゆらぐ獣男を背中越しに一瞥するのは無傷の優希斗だ。
「俺だって血ぐらいは流すんだ。それが無いってことは……ああ、アンタにはわからないか」
 真っ白で汚れひとつない雪上が眩しい。
 融けた雪男は混ざることすら許されずに骸の海に還りゆく。
『ぐ……騙した……なぁ』
 ぐずり、と、雪崩直前の雪が噛み合う音を残し、雪男はこの世界から完全に消滅した。
「お互い様だろう? ……騙しだから、直接この手が犠牲を産まずに済んだ訳だがな」
 罪は上乗せされなかった。けれど、そもそも彼女達が、過去手が届かなかった事件の犠牲者なのだとしたら……?
「罪をすすんで背負い続けるサガを、アンタ達はどう見るんだろうか――知ろうよしもないけれどもね」
 余りに絶大すぎて未だ消えぬ雪景色の中で、優希斗は無言で口元を白く煙らせる。無論、帰り道は視えている。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年02月14日


挿絵イラスト