●始まり
「や、やだ!! 止めてよ!」
ヘルゲ・ルンドグレン(魔導騎士・f44787)は叫んだ。
遠いご先祖様が半妖精で、先祖返りした彼女疎ましく感じた実兄が寝ているヘルゲを襲い、彼女は自分の身を守る為に反撃した。
他の世界であれば正当防衛、と言って逃れられるだろうが――
「出ていけ! 我がルンドグレン家の長兄に傷を付ける程に反発する女なんぞいらぬ!」
父親の罵声が耳から離れない――
そんな悪夢を久々に見て起きたら、冷や汗でシャツが濡れており寒さで思わず体を震わせた。
「(はぁ、今日はギルドにお仕事あればいいのだけど……)」
あれから月日は経ち、ヘルゲは生きるために剣も魔法も半端な実力ではあったが“
無い”よりマシだ。
それでも、明日食べる食事や寝床を得られる程度に仕事は出来ている。
全て、ではないが。
「へぇ、古代遺跡の調査ですか……」
ギルドで仕事を探していると、受付嬢が人手が欲しい『古代遺跡の調査』の話をされた。
「指定されているモノ以外は報酬金代わりに取得していただいて構いません、と」
「それは何かな?」
「巨大なので直ぐに分かる、と聞いております」
「(そっか、そんなの持って帰れないよね)」
ヘルゲはただ、古代遺跡に高価なアイテムが拾えれば良い、と思い仕事を受けると遺跡へと向かった。
●出会い
こうしてヘルゲは、古代遺跡に足を踏み入れる事になったのだ、が――
「わーっ!!」
他の冒険者たちが警戒して使ってない入口へ足を踏み入れた瞬間、ふわっとした浮遊感と共にヘルゲは落ちる先が見えない落とし穴に落ちてしまう。
「どこまでぇぇ続いているのぉぉ! お尻無くなっちゃうよーっ!」
古代遺跡の落とし穴、小石とか風化でぼっこぼこになっており滑り心地は最悪だ。
ズ、ドーン!
「いっ、たぁ……」
落とし穴の終点で落下し、ヘルゲは顔を上げると――
眼前には
タイタニアキャバリアの姿があり、本物かどうかを確かめに為に触れる。
「わぁ……」
キャバリアから光が溢れ、封印を解いたと同時に魔法使いの素質が開花して体から魔力が溢れ出す。
「キミはウロボロスって言うんだね。アタシはヘルゲ。よろしくね!」
と、言ってヘルゲはウロボロスを見上げると、意志表示をして答えた。
こうしてヘルゲは半端者ではなく立派な魔法使いとなり、
ウロボロスの乗り手となったのであった。
成功
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