KKKKバハムートキャバリア支部・爆誕
●初めてのバハムートキャバリア
バハムートキャバリア――『
人造竜騎』を駆る人類と、『
獣騎』に変形する
百獣族が戦う世界。
かつて
聖なる決闘を重んじていた
百獣族が人類の『
人造竜騎』によって根絶やしにされた世界では今、オブリビオンとして蘇った
百獣族からの決闘を迎え撃つ責務を負って人類は日々を生きている。
上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)が初めてこの世界を訪れキャメロット城へ赴いた時、一人の騎士が声をかけてきた。
「失礼。貴殿は猟兵の上野イオナ殿か」
「そうだけど」
「ああ……ようやくこれを渡せる。貴殿に預かっているものがある」
よほど長い間探していたのか、全身から力が抜けるような溜息の後に騎士は一通の手紙を差し出した。
「え、誰から……? 僕この世界に来るの初めてで知り合いとかいないけど」
「KKKKのカインから、と言えば伝わると言っていたが? あれは貴殿の知り合いではないのか」
「……カインが何だって!?」
思わず引ったくるように手紙を受けとり、乱暴に中身を開く。
カインを最後に呼び出したのはキマイラフューチャーでの
キング・ブレインとの決戦だ。世界を渡る能力を持っていたブレブレならともかく、猟書家でもないオブリビオンのカインにそんな能力があるとは考えにくいのだが――。
●拝啓、イオナ様
君がこれを読むのはいつ頃になるか……うまく届けばいいが……。
さっきぶり? 久方ぶり? 君の同志にして友のカインだぞ!
大首領様の役に立ちたくてオブリビオン化したのに、いざ目の前に呼び出されたら激熱の四天王戦だったりライオン枠争奪戦だったりでもう情緒が木っ端微塵だった……大首領様も最後まで悪を貫いて本当にかっこいい……大首領様は永遠……好き……。
そう。大首領様は永遠なのだ。
君が立ち上げたKKKKは確かに「
キング・ブレイン様が
キマイラフューチャーで
活躍する姿を見たい
会」だが、大首領様の勇姿を末長く語り継ぐ会も必要だと思わないか? 新生KKKK、「
キング・ブレイン様が
キマイラフューチャーで
活躍した姿を語り継ぐ
会」として! 大首領様の活躍の軌跡が大首領様と共に失われてしまうのはあまりにも! 惜しい!!
今の私だが、君と共に戦ったキングブレインキャッスルが爆発した時に逃げ遅れてしまってな。爆風に飛ばされて、それから何がどうなったのか……気が付いたら、まだ猟兵もいないこのバハムートキャバリアという世界にいた。
キングブレインキャッスルには、元々スーパー怪人を他の世界へ送り出すための装置があった。大首領様のブレインバイシクルが組み込まれていた装置だから、私が他の世界へ飛ばされたのはそれが関係しているのかも……え、推しの秘密道具を使っちゃった!? すごいことなのでは!? どうしようイオナ
!!!!!
おっと、私の現状を説明するつもりが。
見知らぬ世界に飛ばされて、流石の私も途方に暮れつつあてもなく彷徨っていたら、人間に見つかってな。道を聞こうとしたら、それこそ私が大首領様にするように、咽び泣いて祈られてしまったのだ……大首領様もこんなお気持ちだったのかな……。
会う人間が皆そんな調子で、どうやらこの世界にライオンという動物は存在せず、「騎士道精神の象徴」である架空の存在とされているらしいのだ。この世界で騎士が戦いの際に搭乗する『
人造竜騎』の最新型も黄金のライオン型なのだ! 何かすごい世界に来てしまったぞ私!
しかしこの集落、いや領地と言おうか。領地の主はその輝けるライオンキャバリアの乗り手でもあったのだが、領民に対してはひどい奴でな。必要以上に貢ぎ物をせしめたり、金を要求したり、何も出せない民からは女子供を連れ去ったりと、外道の限りを尽くしていたのだ! 大首領様は悪の世界征服を目指しておられたが、あのお方は礼儀や筋道を厳守されていたのだ! 筋も通さない悪徳領主など、KKKK会長として野放しにはできない!
よって、私はなんと……領主からライオンキャバリアをぶんどり、領主を追い出したのだ! 奪われていた金品や家族ももちろん返したぞ! 大首領様に恥じない、ワルい方法で、最後まで筋を通したのだ!
とはいえ、私は余所者。
悪い領主を追い出したら立ち去るつもりでいたのだが……領民から是非新しい領主にと、こう……。いや、私はしがないKKKK会長でしかないわけで、その……土地の領主とか、管理とか、無理みが強い……と、丁重にお断りしたんだが……あなたが好きなんだと、一生ついていく、と言われると……悪い気はしないのと、むしろ断る方が悪い気がして……うん。
結局、今はこの世界の盗賊騎士という形で、領主っぽいことをしている。KKKK会長として様々な企画を練っていた経験も活かせそうだ! 大首領様もキマイラフューチャーに来られた当初はこんな気持ちだったのかな……なんて思ってみたりして……大首領様ならこんな時こうするかな、とか考えながらやると……実際、結構うまくいく。やっぱり大首領様は素晴らしい。
そうだ。これはイオナに伝えておかねば。
KKKKバハムートキャバリア支部を、始めたぞ!
うん。ここの領主を続ける内に、どうやったら私のようになれるのかと聞かれたことがあってな。私はそこで……大首領様の話をした!
他の領民や、領地に決闘を仕掛けに来た百獣族にも話したぞ! 流石は大首領様、その人柄に感服してくれる者も多くて……思いきってKKKKの支部を立てることにしたのだ!
大首領様の精神と功績を忘れないために、しかし土地の迷惑にはならないように、今はKKKKの活動として本とか小さな像とかを作ってるな! 紙が貴重な土地だったので、ここでの会誌はなんと……羊皮紙の特別製だ!! 羊皮紙のKKKK会誌とかヤバい!! 今目の前にあるのを見せてやりたいぞ……!
最近になって、ついに猟兵もこの世界へ来るようになったと聞いた。
猟兵ならまずキャメロットへ行く可能性が高いだろう。この手紙を、キャメロットの騎士へ渡しておく。イオナなら私からだとわかるはずだ。
もしこの手紙を見たら、いつかイオナも私の領地へ来てくれ。またKKKKの活動をしよう!!
君の友・カインより。
●変わらぬ友
手紙を読み終えたイオナは複雑だった。
カインはオブリビオンでありながら、その生前から変わらずイオナと友人でいる。しかしオブリビオンである以上、本来は猟兵として倒さねばならない存在だ。カインがそんな存在になってしまったのは、イオナが教えたキング・ブレインという人に心酔し過ぎてしまった為であり――それが、流れ流れて今の状況になっていることを思うと。
「……どうしよっかなぁ……」
KKKKとしての活動自体は、好きだ。単純にブレブレについて語るのもテンションが上がる。同好の志であり友人でもあるカインとならなお楽しいだろう。KKKKの精神が転じてひとつの領地を救ったのも喜ばしい。
しかし――彼はやはり、オブリビオンになってしまったのだと。その原因が自分なのだと思うと。
「どうするのが……いいのかなぁ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴