魔女を騙した男たちの罪と代償
●運命?
血と鉛が飛び交う鉄筋コンクリートジャングルという名の世界サイバーザナドゥにて、ロベリア・アナスタシア(『媚薬』と『快楽』を愛する美魔嬢エルフ・f23913)は何となく入った路地にあった店のショーケースに視線を向けた。
所謂アングラショップと呼ばれている店が多くある路地。
そのアングラショップの中でも比較的に新しい店、店内もピカピカで少し怪しいと思って“普通の人”ならば近寄らないであろう。
しかし、ロベリアは魔女である。
露出してて目立っているが、薬師として故郷と辺境で自作した薬も売っている魔女だ。
そんな彼女の頭から“怪しい”なんて疑いの言葉が脳から霧散する程に眼前にあったのは――
高性能調合キット(超高額)であった。
「いやー美しいお姉さん、お目が高い! 有名な研究所で使われているのと同じモノなんだよ、コレ」
目にスコープをはめ込んだちょっと怪しい店主はもう、口が裂けているのでは? てレベルで口角を大きく上げながら言った。
「で、お値段は?」
澄ました顔でロベリアは指先で財布の中のお金を数えながら問うと、店主はショーケース兼防弾ガラス兼ディスプレイを操作する。
「このくらいですねぇ。まぁ? あのぉ? 研究所が使っているのと同じなのでぇ?」
「ぐ、ぐぅ……そ、そうなのね」
徐々に店主の顔が近付いてくるが、ロベリアの財布には流石に否、高額過ぎて1%も無い。
なので、ロベリアは店を飛び出ると所謂『歓楽街』と呼ばれる場所へ向かったのであった。
●
バイトそのいち
歓楽街でバイトを探そうとしていたら、向こうからスカウトしに来た爽やかなお兄さんがヌード写真の被写体になってくれるバイトを募集している話をされる。
「絶対にアナタの様な美しい方は素晴らしい被写体になれますよ!」
「なるほどね。本? 雑誌? それとも絵画かしら?」
「そりゃぁ~もう~大人向け雑誌に決まっているじゃないですかー」
なんやかんやで話を聞いていたロベリアであったが、気が付けばスタジオの入り口に立っていた。
「バイト代はコレくらい出しますので」
と、お兄さんがロベリアにバイト代の値段表を渡されると同時にスタジオの中へ押し込まれた。
「ん? 1本とか1P
……??」
そうロベリアが呟くと、無数の足音が近付いて来る。
ふ、と顔を上げた瞬間――
「本日の素人さんでーす!」
カーテンが開き、金の歯を剥き出しに笑う“成金”と言葉を聞いて想像するおっさんそのものが円形のベッドに座っていた。
「これはこれは……」
「んぶっ!」
成金おっさんはロベリアを床に座らせると、白くて丸いナニカが付いた雄を口へぶち込んだ。
そんな程度の事なぞ慣れているロベリアは、舌先で裏を擦りながら口をすぼめて喉に当たる先を吸い上げた。
「な、これは……素人では、ないっ!!」
何も知らない少年の様にヘコヘコと腰を振る成金おっさんの雄はロベリアの口の中で暴れ、あっという間に欲望を吐き出してしまった。
「お、おぉ……逸材……っ!?」
「んふぅ❤」
成金おっさんの雄が力無く萎むと、ロベリアは口を開いて舌で白い汁を転がしながらゴクリと飲み干した。
「あらら~?」
「ずっと通って数え切れぬ素人を楽しんだが……ここまで、素晴らしいのは初めてだ!」
成金おっさんの雄は再び元気になると、ロベリアを四つん這いにさせるとデカお尻を掴んで雄を突っ込んだ。
「この! この! 沢山のモノを知っている体じゃないか!」
「あは~❤そういうアナタもア❤レは、良いっ❤ごりっごりしてて気持ち良いわぁ❤」
別に凄くテクがあるとは思えない腰の動きではあったが、成金おっさんの雄は丸くて白い突起はロベリアの中で気持ち良い場所をマッサージしてくれる。
そう、手練れのマッサージ師の様に。
だが、流石におっさん。
人とは加齢と共にアレコレが衰えるのは魔女であるロベリアは知っている。
「バイト代は弾む! ナマで中に!」
「いいわよ❤い~っぱい出してね❤」
成金おっさんの雄から再び欲望をロベリアの中で吐き出される。
奥へ、奥へ、と己の欲望を詰め込ませるかの様にねっとりとした腰の動きをする。
「お、おぉ……最高じゃ……」
「サービスね」
腰が抜け、成金おっさんは床へ尻を付けるとロベリアは萎れた雄を咥えた。
「ぐっ……最高じゃないか……」
成金おっさんが賢者タイムにお掃除されていると、ドアが開き屈強な若い男たちが入ってきた。
「お時間です。次は団体客でございます」
「では、倍の料金を払っておくのでな!」
そそくさと、成金おっさんはお掃除に満足した笑顔を浮かべながら着替えながら出て行った。
「あん❤凄く元気なのがいっぱいね❤」
ロベリアの眼前に若々しく、そして雄々しい雄がたっていた。
穴という穴、使える箇所も全て駆使して時々クセのある香りが混ざっているが、そんな事も“味”として欲望に塗れて恍惚の表情を浮かべた。
翌日――
ある程度の欲を発散し、男たちは満足して帰ってしまった。
シャワーで汗を流して、衣類とは言い難い衣類(主にマント)をクリーニングされてのを店員が手渡しする。
「お姉さん、バイト代や。評判ええからまた来てな~」
「ん~っ、楽しかったよ」
まだまだ高性能調合キットが買える代金ではないが、ロベリアは分厚い封筒を受け取ると新たなバイトを探しに朝方で人気が少ない歓楽街を歩き出すのであった。
●
バイトそのに
ストリップバーかと思い、入ったバーに早朝にも関わらず席は性別、年齢、種族問わず満席であった。
「お嬢さん、出てみないかい?」
「何をするの?」
「ストリップだよ。お客さんが投げ銭もするからそれの――」
と、店員が言葉の続きを言う前にロベリアは即答する。
「七割、損はさせないよ?」
「なら……成果を見てからお望みの通りに」
「いいえ、契約しておくべきよ」
「承知しました」
店員が持ってきた契約書にロベリアはサインをし、舞台の椅子に座ると強化ガラスで出来た壁が舞台ごと覆った。
こんな先進的な世界だからこそ、
ロクでもない事に科学力を費やすのは頭がどうにかしている
天才がいるから発展しているのだろうと納得してしまう。
本来ならば、出演者は叫び、驚き、懇願して観客に助けを求めるであろう。
「(ふぅん、人工触手ね。ちょっと残念かな?)」
「さて、皆さん装置の着用をお願いします」
店内に声が響き、観客たちは沢山の線が伸びている道具を下半身に装着した。
ロベリアの足元でふにゃふにゃの触手が元気になり、個性的なカタチを成して汁をまき散らしながら伸びた。
「これは、これで❤」
触手がロベリアの蜜壺へ突き入れ、何となく金やダイヤを思わせる輝きの触手を掴んで弄ぶと欲望が噴火した火山の様に噴き出した。
「(そう……そういう事――)」
店の広さ的にテーブルとテーブルの間が広く、観客はソロばっかりで身なりはあまりよろしくない。
なのに、人工触手を使うとは“そういう性癖”の集まりであり、そして――
「あぁん❤皆さん、気持ちいい~?」
お金はナイけどシたいだけの雄は、ロベリアが人工触手へ与えている刺激をオモチャを通して伝えているのだ。
ロベリア自身、何本も何人も相手しても構わないがソレが出来ない人種がいる。
NTRだの、獣だの、オークだの、機械だの……数え出したらキリがない。
眼鏡の様な機会を通して
VRを見ながら楽しんでいる様だ。
実際にこの世界での科学力なら可能かもしれないが、きっとお値段は非常に高額になって通常の雄では無理だろう。
「あっ❤カメラの向こうの方~いっぱい、気持ちよくなろうね~❤」
ヤケにカメラが多い、と思ったらコッチは金持ちの道楽みたいなモノであろう。
現地に来なくともオモチャの準備が出来るお金持ちは、自宅で参加代金に加えてチップを出す事で専用の人工触手で楽しんでいる。
「んちゅ❤じゅるるる~❤」
約2時間、舞台で人工触手を通して沢山の欲望を受け止めたロベリアは、バーカウンターに胸だけ露出したメイド服姿で立つ。
「注文でラテにしてください」
「はぁい」
ロベリアの前に出されたコーヒカップに胸をマッサージしてミルクを注いでカフェラテの出来上がり。
飲み物に混ぜたり、直飲み、テイクアウト用、ドローンで配達用と注文が入る度に胸からミルクを出す。
「すっごい繁盛ねぇ~アタシ出来ないから羨ましいわぁ。って事でバイト代ね」
空は夕焼けに染まり、夜の足音が近付く頃に女店長が出勤してくると重たいポーチをロベリアに手渡した。
先日バイトした時よりも重たいく、中身を確認せずとも沢山の金だと分かる。
「(さて、これで半分ね。どうしよう……あ)」
次のバイト先を探している最中に丁度いいイベントが視界に入った――
●賭けイベント
大会や小さなイベントなんて賞金では手は届かない、が――
「(賭け裏闘技……)」
ロベリアは地下闘技場へ足を踏み入れた。
「はぁん❤お”ーっ❤早く出しなさいよぉーっ❤」
「雑魚メスじゃねぇか!」
「サキュバスだから賭けたのにーっ!」
闘技場に敷かれたマットレスの上でサキュバスが男たちの上で腰を振っているが、だらしなく口を開いてただ快楽を貪っていた。
反対側では美しい
腹筋の男勝りな女は余裕のある表情で男たちを雄を制圧している。
「(口吸い量……本数競い……うわぁ、物理的なのはいただけないわね)」
口には出来ない内容のモノもあり、ロベリアはそいうのは避けて口や壺を使って抜く競技にエントリーをした。
トーナメントではなく総当たり、挑戦者を全員倒してしまえばかなり高額な賞金が貰える。
「しょ……勝者、ロベリア!!」
小さな闘技場の凄腕であっても素人に毛が生えた程度の実力。
男たちも屈強でありながらも、所詮サイバーザナドゥに染まった薬漬けもしくはちょっと医療の力を借りた程度だ。
ロベリアは圧勝すると、高性能調合キットが買える程の賞金を渡されるとお店に向かって駆け出したのであった。
●念願の……?
「これ、ください!」
数日もかかってロベリアは大金を手にして、お店に向かうと店主の前に札束の山を積み上げると高性能調合キット(超高額)を指しながら言った。
「え? あ? ま、毎度あり!」
ショーケースの中身はホログラム、治安が悪いサイバーザナドゥなりの防衛だろう。
厳重なセキュリティで守られている倉庫から高性能調合キット(超高額)の実物が運び出され、ロベリアの前に出されると店主はいそいそと金の束を持ってバックヤードへ消えていった。
「(念願の!)」
眼を輝かせながらロベリアは高性能調合キット(超高額)を手にし、店を後にして歩き出すとボロボロの新聞紙がビル風に吹かれながら足元に落ちた。
『詐欺横行、有名研究所も使用をうたう――――――キットの……偽物を……販売……汚職……』
汚れ、破れて所々は読めないがロベリアの視界に入り、先程買った高性能調合キットへ視線を落とした。
踵を返し店へ向かうと灯りは落ちており、自動ドアはうんともすんもと動かなかった。
宣伝していた五月蠅いほどの機械的な声さえも聞こえず、まるで元から店なんて無かったかのように否、
そんな店は元から無かったのだ。
ロベリアは高性能調合キットをしっかりと抱え、店から離れようとしたら笑い声か響いた。
「がははは、間抜けな痴女で大儲けだ!」
「今日は高級娼館でぱーっとしましょうよ!」
「そうだな、エルフで痴女と頭も股もゆるゆるなヤツはこうやって金づるするに限る」
車に乗り込むと、男たちはサイバーザナドゥの喧騒に消えていった、が――
「そう……そういう事、ね」
ロベリアが高性能調合キットを開き、箱は立派であったが中身は錆びた使用済みの器具を見て静かに目を閉じた。
夜――
指名手配されている詐欺集団グループは、闇夜に紛れて娼館へと車を走らせた。
豪華な娼館の門の前で会員カードをかざそうとした瞬間、ドン! とボンネットに降り立った
裸マント痴女がヘッドライトに照らされている。
「「え? は? えっっ」」
間抜けな声を上げる男たちは、ロベリアのナイスバディに視線は釘付けでテントを張ってしまう。
妖艶な笑みを浮かべるとロベリアは、ヘッドライトをオフにして運転手席に座っている男の上に跨った。
「う、うわぁぁぁぁ!!」
蜜壺に雄を迎え入れると、ロベリアの容赦ない動きに男はあっという間に果ててしまう。
「まだまだ、これから、よ?」
「ま、まってむっ、うっっおぉ……っ!」
無理矢理、雄を奮い立たせロベリアの本気の一端だけで精はあっという間に吐き出すと生気まで奪われてしまう。
骨と皮だけになってしまった仲間を見て、他の男たちも逃げ出そうとするが――
ロベリアの気迫に腰を抜かして、精も生気も次々と抜かれてしまうのを見届けた娼館が警察に連絡を入れた。
翌日――
『本日の天気は晴天となっており――』
ビルに付けられた大型モニターにニュースが流れている。
『昨日の夜。指名手配中の詐欺集団、廃墟にて
ミイラになって発見され――……』
彼らが娼館だと思ったのは偽の娼館であった。
その廃墟の裏側に建っているのが本物の娼館であり、そのお店の門と似ており、視界の悪い夜だからこそ彼らは間違えてしまったのだ。
そんな事に気付く前に痴女、ほぼ布を纏ってない状態のロベリアを見たならば――
いや、そんな些細な事はもうミイラ状態になった彼らの口から語られる事は一生無いだろう。
『続いては――廃業寸前のボランティア協会に差出人不明の寄付金が!? 元々、孤児や貧困家庭を支援している――……』
ゴン、と燃えないゴミ入れに綺麗な箱を放り込んだ。
そんな些細な音は雑踏にかき消され、灰色の髪をビル風で靡かせなら魔嬢は帽子を飛ばされぬ様に手で押さえながら微笑んだ。
成功
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