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(猟兵に負けるまで)解放されないダービー芝2400m

#アスリートアース #戦後 #その他スポーツ #競馬 #JCK邪悪な中央競馬組合


●こりゃ拉致だよ!?
 ダークリーガーと言えどスポーツマンシップに乗っ取っている選手である。だから基本的にヒール系ダークリーガーでもなければ乱闘騒ぎや暴力沙汰を起こす訳でもないのだ。犯罪なども元が犯罪者とか事情が無ければ行わないだろう。
 しかし今回、競馬界においてはどうやらその例外に属する輩が居るようである。

 アスリートアース、JCK邪悪な中央競馬組合本部地下にて。
 何も知らされていないダークリーガーはようやく真実を知らされた。背広に黒の蹄鉄の代紋を付けた男はただ寡黙にダークリーガーを見つめている。
『えっ、負けるまで解放されないんですか……!?』
 知らずのうちに悪魔契約書にサインさせられたレジェンドアスリーテスは素っ頓狂な声を上げた。反応からして完全にそんな事なんて知らされてないよと言わんばかりに反論しようとしたレジェンドの手前に鞭が飛ぶ。
 彼女の周りには勝負服に身を包んだ超人騎手たちが取り囲んでいた。手には乗馬用鞭。しかも全員ダークリーガーである。下手な事を言えば四方から更にダーク化した騎手たちの容赦なき痛打が飛んできそうだ。
 ヤクザはようやく口を開く。
「いいかい、ダークリーガーさんよぉ……契約の穴を付けば、ウチラJCK邪悪な中央競馬組合から逃げられると思うなよ?」
 アスリーテスは背中に汗が伝うのを感じていた。彼女はこの感覚を知っている。試合とは違う、冷たいこの緊張感は――殺気だ。それも筋の者裏社会の人間特有の殺気である。
『ハイ……』
 結局、対抗など出来ない。契約書は絶対だし、何よりダークリーガーとしての本能に逆らえないのだ。強要されているとは言え――いつか来るであろう死闘の気配に彼女は身震いしていた。

●不本意であろうと。
「邪悪な中央競馬組合ってなに……?」
 中嶋・李良(禁忌破りの探究者・f43760)はもう訳が分からんと言いたげな表情を浮かべた。そもそも邪悪な競馬ってなんだ?
「……あ、グリモアが教えてくれた」
 どうやらツッコミどころしかないこの状況を、グリモアは教えてくれるらしい。
「ダークリーガーを拉致って負けるまで無理やり競馬させるダークリーガーの組織……それ実質無期懲役じゃんか!」
 かなり悪質な組織である。そして件のダークリーガーはその組織に捕まっているのだ。しかもダークリーガーなので、基本的に一般人相手では太刀打ち出来ない。ダーク化させつつ、契約で縛る事で逃げ出せなくさせているらしい。
「へえ、契約違反したダークリーガーを競馬の馬とかにしてしまうの……こわあ……」
 更に質が悪くなった。こんな無法が我が物顔でのさばっていれば、間違いなく競馬業界は斜陽を通り越して日没だ。免れる事の出来ない終焉である。
「……良ければだけどさ、何とかしてこの契約条件を満たせないかなあ。ホント、良ければだけどさ……」


サバ缶煮込み丼
 競馬実況は良いですぞ。サバ缶煮込み丼です。
 今回、競馬を行います。馬とかは競馬場が貸してくれます。

 第1章:⛺『その他スポーツを練習しよう』
 JCKに対抗しようとするジョッキー達が多くいます。
 ルールは基本的に競馬と同じですが、ユーベルコードとか武器の使用、加害行為等は反則ではないものとします。
 禁止事項:地面から数メートル以上の浮遊(ホバーはアリ)
 エンジンなどの動力を使用する乗り物(ただし、キャバリアなどの歩行する乗り物や自分で漕ぐ自転車などは除外)。
 自分で出走する場合:何らかの知的生命体を騎手として、体のどこかしらに見えるように載せてください。

 第2章:👿『レジェンドアスリーテス』
 理不尽にも拉致されていたダークリーガーです。ですが、闘争心は燃え上がっており何が何でも負けるつもりはなさそうです。
 なので、他のジョッキーを抜かし、一着を取ってしまいましょう!

 Q:JCK邪悪な中央競馬組合とは?
 A:ダークリーガーが集まったヤクザ的な組織。
 なお、JRA日本中央競馬会などの実在する組織とは関係は特になく、ただ単に彼らの組織名が被っただけであります。
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第1章 冒険 『その他スポーツを練習しよう』

POW   :    体当たりで果敢にチャレンジする

SPD   :    器用にコツを掴みながら練習する

WIZ   :    ルールや戦術の理解を深める

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ロラン・ヒュッテンブレナー
愛馬のバヤズィッドと一緒に参加するの

競馬みたいにたくさんのお馬さんとレースするのは、バヤズィッドもぼくも初めてだから、まずはレースの雰囲気に慣れないとね
予め情報検索で情報収集してて、お馬さん同士のコンディションやレース中の駆け引き、愛馬の得意不得意の把握が重要かなと思ってるの

バヤズィッドは足の速さはあるから、スタートに慣れようか
人狼化の影響か、動物とお話できるから意思疎通はばっちりのハズなの

やれるだけ練習するけど、付け焼き刃だからね
ぼくとバヤズィッドの絆が試されると思うの
バヤズィッド、スタートダッシュ後の位置取りに気をつけて、流す程度で何度も繰り返してみよ?
キミからの意見も聞かせてね



 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)と黒毛の馬バヤズィッドの両名は競馬場の雰囲気に気圧されていた。まず観客席の圧がおっかない程に高いのだ。何しろ彼らの手元には馬券がある。そりゃあ殺気も放つだろう。
 更に言えば騎手も馬もどこかギラギラした様な殺気を放っている。ダーク化とかとは関係ない、言わば生存競争めいた殺気だ。特に騎手は賞金が懸かっている。勝利できなければ明日の飯は無いかもしれぬ。
 要はここも生きるか死ぬかの戦場である。
「まずはレースの雰囲気に慣れないとね」
 武者震いでもしているのか、バヤズィッドはフンスッと力んで鼻息を吹き出した。

「お馬さん同士のコンディションやレース中の駆け引き、愛馬の得意不得意の把握が重要かなと思ってるの」
 同意する様に黒毛は頭を軽く振った。あらかじめ知っておいてはいるものの、最終的には出たとこ勝負になりかねないが……無知よりはよっぽど良い。
 コンディションに関して言えば脚の調子はかなり重要だ。何故なら脚は馬にとっての生命線であり心臓である。
 折れてしまえばほぼ確実に苦しんで死ぬのだ。安楽死以外の方法がなくなってしまう。
 コンディションを確認しながら、ロランは続ける。
「バヤズィッドは足の速さはあるから、スタートに慣れようか」
 馬と少年はさっそくスタートダッシュのリハーサルに移った。ゲートインからスタートダッシュを決める為に。出遅れをしてしまえば勝利への道から大きく逸れてしまう為、この練習は間違いなく重要な行動だろう。
 だが、競走馬でもない限りゲートスタートはおろかゲートインすらした事はない。
「やれるだけ練習するけど、付け焼き刃だからね。ぼくとバヤズィッドの絆が試されると思うの」
 結局、人馬一体で行けるとこまで行くしかない訳だ。いきなりの長距離走になるだろう。だが、やるしかない。
 ロランはバヤズィッドに語り掛ける様に言う。
「バヤズィッド。スタートダッシュ後の位置取りに気をつけて、流す程度で何度も繰り返してみよ?」
 今からやる練習は位置取り。確かに重要だ。中団に巻き込まれ抜こうにも抜けない事になってしまえば目も当てられない。例え脚が良かろうと位置が悪ければ抜かせない。逃げ、差し、先行、追い込み、あとマクリ。
 ポジション次第でどの戦略で行くかも問われてくる。
 そりゃあ大事だ是非やろう。と同意する様に今度はヒヒィンと力強めに嘶き……勢い余って立ち上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーネスト・シートン
なんなんですか、ここ。
拘束されているのがダークリーガーなんでしょうけど。
お馬さん扱うわたくしとしては、心配な点がある程度ですかね。
ダークリーガーには厳しくてもお馬さんにはちゃんとしてくれているんでしょうかね??
え?契約違反したダークリーガーは馬に??
こわっ!!
ピノキオに出てくる遊園地みたく子供をロバにするような感じみたいですね…

とま、わたくしも普通に競馬に参加させていただきますね。
あ、もちろん、お馬さんはサラブレットじゃなく、ムスタングにしますね(UCで呼び出す)
お馬さんには【動物使い】や【野生の勘】【動物と話す】でケアしながら走りに参加しますね。



「なんなんですか、ここ」
 アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)は訝しむ様な表情で厩舎を見渡していた。
「そりゃあ厩舎ですよ。何の変哲もない……」
 案内人である職員(ただしJCK構成員)はボヤきつつも説明は云々と続く。しっかり見た限り、雑に馬を扱っている感じはしない。名に邪悪と冠しているが、あくまでも競馬組合なのだから、商売道具である馬は丁寧に扱っているようだ。何なら馬用温泉とかプールとか、主治医とか……かなり設備と言い、人員と言い、牧場と言い……何から何までしっかりしている様子だ。
「まあ、拘束されているのがダークリーガーなんでしょうけど」
 すると案内人はスッと指差した。そこには栗毛の馬が佇んでいた。だが、目付はどこか怯えているようだ。この栗毛は鎖に繋がれていた。しかも、かなり厳重に南京錠を何錠もしている。
「アレがダークリーガーです」
「え?」
 一瞬、処理出来なかった。まるで馬を指差して人間だと言い切った様な。
「契約違反したんでぇ……契約通り馬に……成り立ての頃は皆あーなるんです」
「契約違反したダークリーガーは馬に……?」
 悪寒がシートンの背筋を走る。ダークリーガーに厳しいのは百歩譲って構わんが、人間を馬に変えるのは些か理解を超えている!
「ピノキオに出てくる遊園地みたく子供をロバにするような感じみたいですね……」
「あぁ、そういう感じですわな。分かりますよ……売り飛ばしはしませんけども」
 何故か途中でピノキオ談義が始まりかけたが、なんだかんだで案内は完了した。

「とま、わたくしも普通に競馬に参加させていただきますね」
 それはそれとして。彼は普通に選手としてエントリーした。用意した馬はユーベルコード【ライディング・ムスタング】で呼び出した野生のムスタングである。野生の馬なのでもちろん鞍は付いていない。蹄鉄もしていない。
「それじゃあよろしくお願いしますね」
 若干困惑気味に辺りを見渡しながら、ムスタングは控えめに嘶き声を上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス(サポート)
『さーて、どう調べるっすかね~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、非戦闘時はコミュ力や宇宙バイクの機動力で情報収集をしたりなどが可能。ある程度のその世界の知識や常識なども世界知識でわきまえていたりもする
色々な世界を渡って学んだことで魔術や機械の操縦など何でもござれ
また、仮面単体の時のサイズを利用すれば、念動力と組み合わせて、狭い場所を通ったり潜入調査を行うこともできる

基本的には真面目に仕事はしますが、きれいなお姉さんと一緒に行動できる選択肢があれば、迷わずそちらを選ぶチャラいキツネさんです



「それじゃ、お願いするっすよ〜」
 リカルド・マスケラス(希望の仮面マスカレイド・f12160)はさっそく動物型の忍者を呼び出した。それはどう見たって馬である。明らかにトンチキに思われるだろうが……これでも参加可能だ。
 と言う訳で、彼は軽く走り込みを行う事とした。芝場を軽く走り、感覚を掴むつもりらしい。
「おー、こんな感じっすか!」
 忍者馬を走らせて、何となくの感覚が掴めたらしい。しかし、距離は2400。遅すぎては一着は取れず、早すぎてはバテてしまう。更に言えば位置取りなども考えねばならぬ。
「こりゃあ……大変っすね……」
 競馬は考える事が多すぎる。脚質の読み合いとか場所の陣取り方、相手をいかに通さずかつ相手を抜かすか……複雑怪奇な読み合いこそ醍醐味とも言われるが、まさにその通りだろう。
「あとは……練習相手がいるっすね」
 練習相手も欲しいものだ。この際、コミュ力で何とかならないだろうか。そう考えながら、騎手たちの集まりへと歩みを進める。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『レジェンドアスリーテス』

POW   :    レジェンド降臨
【伝説のアスリート】のオーラを纏い、自身の【陸上】競技力と【水泳】競技力を2〜8倍にする(競技が限定的である程強い)。
SPD   :    疾風のごとく
自身と武装を【敵を切り裂く疾風】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[敵を切り裂く疾風]を飛ばして遠距離攻撃も可能。
WIZ   :    アンリミテッド・スピード
【全力疾走】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
👑11
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 さて、そろそろ始まりそうな頃合いだ。
『頑張らないとね……』
 レジェンドアスリーテスは緊張感を誤魔化す様に手綱を握る。ダークリーガーがダークホースに変えられるなど溜まったもんではないのだ。
『次、パトックに出るんだ!』
『えっ、パトックにも出るんですか!?』
 しかしそれはそれとして、彼女はパトックへ引きずり出された。ダークホースと一緒に。
アハト・アリスズナンバー
サバ缶煮込み丼マスターにおまかせします。かっこいいアハト・アリスズナンバーをお願いします!

「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に突撃し、アリスの敵を排除するように動きます。

その他の部分はマスターさんにお任せします



『一番人気、アハト・アリスズナンバー(これが私だから・f28285)。腰のどぶろくが没収されたので少しご機嫌斜めか?』
『馬の上で飲酒するのはかなりマズいですからね……残念ながら当然でしょう』
 一方、話題の人物であるアハトはゼッケンナンバー14番、栗毛の牡馬に乗っていた。
『二番人気、レジェンドアスリーテス。目付きからして既に違います。まさに刃物と言った所!』
『下手を打てば明日はダークホースにされかねないので、焦るのも当然と言った所でしょうか』
 一方、レジェンドが跨るのは黒馬だ。ゼッケンナンバーは6番。油断ならない気配を纏って手綱を握り締めていた。
 職員の誘導と共に落ち着いた様子で馬たちは次々とゲートへと入ってゆく。
『良バ場の芝2400、王座は誰の手に! 各馬、ゲートインです!』
 鼓笛隊によるファンファーレ。そしてその後に来るのは――ゲートが開いた!
『おっと、十四番出遅れか!?』
『百戦錬磨の猟兵と言えど出馬経験者は少ないのでしょうか。ですが、猟兵にはユーベルコードがありますので断定はできません! 勝負がどう転ぶのでしょうか?』
 先頭を往くのはレジェンドアスリーテス! 疾風のごとく駆け抜け、騎手諸共吹き飛ばす様に走り去っている! だが、飛ばし過ぎれば後々響く。焦りのあまり、体力管理が抜け落ちているようだ。
「アリスコード送信。リミッター限定解除コード承認。――フルスロットル」
 本部に送ったのはアリスオブレコードブレイク! その途端、彼女の股がる栗毛が残像を残して疾走してゆく!
『おーっと、ここでユーベルコードを使ったかァ!』
『先行を捉えるにはピッタリ。ですが、速度を落とさずにカーブしきれるかどうかは腕前次第と言った所でしょうか』

 現在、アハトの順位は大体中くらいから上位あたり。
『ごめんなさい! 死にたくはないんです!』
 カーブに入ったアスリーテスは背後の猟兵に向けて、疾風を放った!
「グワーッ!」
 他騎手を巻き込んで、疾風は芝を駆け抜けた! だが、本命であるアハトは無傷! 手にはアリスズナンバーランスを構えている。見切られたのだ!
 更に言えばカーブを抜けて、今は残りの直線ライン!
『ここから一騎打ちとなりました! 最後に笑うは伝説か、猟兵かあ!?』
 残り数百。アハトに旋風が更に吹き荒れるが、やはり見切られている! 芝も土も砂も全てだ!
 残り数十。徐々に伝説へと近づいている! もはやハナかクビ差と言った所!
 残り数メートル! 風と光が芝の上を焦がしながら進んで行き――
『――現在いま伝説かこを超えたのかッ! 圧倒的不利をも蹴散らして猟兵が抜いたぁ!』
『いやあ、猟兵の潜在能力は実に油断ならないですねえ。勝負に絶対はないという事でもありますが……』
 アハトはレジェンドアスリーテスに勝利した!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロラン・ヒュッテンブレナー
バヤズィッドに騎乗してレースに出るよ

スタートダッシュ、ここが肝心だよバヤズィッド
息を合わせて、…、…、Go!

レジェンドアスリーテスさんを索敵して追跡
後ろについて離されない様に
オーラ防御の結界術で妨害は全部弾くよ
そして、レジェンドアスリーテスさんの技術と呼吸を情報収集

本気になってもらわないと意味ないから、バヤズィッド、がんばって!
バヤズィッドが走りやすい様に尻尾も駆使したバランスでフォロー
勝負はラストの直線
相手が強化する気配を察知したらUC発動
後ろでじっくり見てたぼくの学習力を侮らないでね

ここだよ、バヤズィッド!
魔力供給して体力をブースト
まくりに賭けて全力なの!
ぼくたちの絆を見せるの!



「スタートダッシュ、ここが肝心だよバヤズィッド……」
 高まるプレッシャーを感じながら、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)とバヤズィッドはゲートが開くのを待っていた。
 彼の右隣にレジェンドアスリーテスが待機していた。殺気と焦燥がごっちゃになった様な表情で彼女は手綱を握り締めながら。
「息を合わせて……」
 一秒経過。ゲートは開かぬ。
 二秒経過。まだ開かない。
 三秒経過。少し焦りが募り始める。
 四秒経過――ゲートが開いた!
「Go!」
 スタートダッシュはしっかり決まった! 練習の成果だろう!
 かなり理想的な滑り出しで飛び出した両名はダークリーガーの背中に付く。決して離さぬように追跡し、視線すら逸らす事無く走っている。
『やっぱり来ましたか……!』
 レジェンドアスリーテスは馬に指示を出す。すると馬は何やら後ろ足を大きく踏み込み……芝生と土を蹴り上げた! 規定上特に問題はない妨害だ!
 だが、オーラと結界によってそれらは防がれる。
『不気味ですね……』
 ロランの視線に彼女は気味の悪さを感じていた。この視線は覚えがある。己もこの目をした事があるのだから。
『――私の技術を盗むつもりですねッ!』
 これ以上見せたらマズイと判断したのか、アンリミテッド・スピードを解き放つ!
 現在地点はカーブの終わり、直線ラインへと差し掛かる!
「うぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!」
 ロランも対抗する様に超常を貪る人狼の咆哮ヴォイド・ハウリングを試みた。そして尻尾でバランスを取りながら、見様見真似で取り込んだ技術を使っている!
「ここだよ、バヤズィッド!」
 後はマクリに賭けるのみ。人馬一体と化した人狼と馬は直線を駆け抜けてゆく!
 体力が危うくなれば魔力供給で回復し、全力疾走し続ける!
『――いやぁ、負けですね……』
 人馬一体の絆が伝説を乗り越えたのだろう。一馬身抜いて、ロランが先にゴールした! 

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「勝手に契約させて縛るやり方、気に入らないっすね」
まずは普通にレースっすよ。UCで呼んだ馬の特殊能力を利用。パドック、レース序盤はあまり目立たないよう振る舞い、伏兵に徹する。発見されにくい特性から体力を温存しやすい位置をキープしつつアスリーテスをマーク。
最後の直線でスパートをかけて一気に差す

あとはJCKの鼻を明かしてやりたいっすけど、どうするっすかね〜。馬とは別に忍犬を生み出して向こうの拠点に忍び込み、契約書にさらに何か不利な契約が記載ないか、勝手に契約結ぶなどの悪事の証拠はないか悪事を暴いておきたいっすね
勝負以外で相手を陥れるような奴はそうされてもいい覚悟がある奴だけっすよ



「勝手に契約させて縛るやり方、気に入らないっすね」
 リカルド・マスケラス(希望の仮面マスカレイド・f12160)は静かに憤慨していた。あまりにも姑息なやり方だ。どうにかしてJCKの鼻を明かしたいものだが、それはレース後に行うべきだろう。
 忍法・忍犬術ニンケンジュツで馬を呼び出し、パドックへ向かう。
 目立たず、アピールも最低限に。伏兵として彼は振舞っている。だが、騎手の何人かはジィッと見つめていた。どうやら警戒されている。その視線はゲートに入るまで続いた。

 ゲートが開いた途端に、リカルドは中団の馬群に潜り込んだ。風を前方騎手が受けてくれるおかげで馬も騎手も消耗なく走れている。位置をキープしながら、先行を往くレジェンドアスリーテスに狙いを付けた。仕掛け時はカーブを曲がった瞬間、場所はラストスパートの直線だ。
『……何か変ですね』
 アスリーテスは何やら表情が険しくなる。油断ならない相手の気配を感じたからだ。
 馬郡は遂に最後の直線に差し掛かった! その時、リカルド動く! スパートをかけ、一気に差しに掛かって来た!
『なんと!?』
 突然の伏兵にアスリーテスは対応が追い付かない! ユーベルコードを発動させるよりも早く、狐面は彼女を追い越した! そして直線を駆け抜けてゴールイン!
 唐突な逆転劇に馬券を握り締めた観客たちはもう阿鼻叫喚である!

 さて、競馬場から所変わってJCK事務所。
 リカルドの命令を受けた忍犬は嗅覚を頼りに契約書を探していた。契約書に一方的な記載がないか、同意なしの契約を無理やり行うなどの証拠を探る為である。
 しばらくウロチョロしていたが、書類棚へと潜り込んだ犬は悪魔契約書を発見した。あと、カーボン紙とクリップボードも。よく見ればそれは一枚の紙の様に重ねられている。契約書の上にカーボン紙を敷いているらしい。
 適当な書類にサインを行わせ、後で契約を行ったと難癖を付ければ契約したとゴリ押せるだろう。悪徳商法などが行う違法契約術の一つだ!
 更に内容もかなり不利なものだ。クーリングオフは認められないし、契約終了期間はJCKの判断。挙句の果てに重要な記述は隅っこに小さく書いてある始末。もはや絵にかいたような詐欺のやり口である。
 更に突然失踪したスポーツ選手やらダーク化した人物の顔写真や住所などがファイリングされ、書物の山脈めいて連なっている。
 どうやら白日の下に晒すべき悪事はまだあるらしい。それも一つ二つでは収まらない程に。

 忍犬の報告と決定的証拠である契約書を確認しながら、リカルドは呟く。
「勝負以外で相手を陥れるような奴はそうされてもいい覚悟がある奴だけっすよ」
 さて。競馬系ヤクザたちの弱みを握った。が、この情報はどうしたものか。SNSにリークすべきか、然るべき組織に流すべきか。いっそ全部やってしまうか?

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
シャークサンダー号(4歳・メス・サメ)

各馬ゲートに入って、スタートしました
まずは先行争い、ハナを切ったのは4番シャークサンダー、鞍上はジゼル。単騎の逃げに持ち込んだ
その後はレジェンドアスリーテス。中団以降は一塊

先頭1000m通過は57秒4、1番手は4番シャークサンダー。二番手以降とは10馬身。シャークサンダー一人旅

(中略)

4コーナーへと入ります。依然としてリードはシャークサンダー
後続も徐々に加速していく。6馬身、5馬身。2番手はレジェンドアスリーテス。インを突いて差を詰める

残り200m、シャークサンダー僅かにリード!シャークサンダー1馬身半!
内からはレジェンドアスリーテスがやってきた。レジェンドアスリーテスもやってきた!

シャークか、レジェンドか。シャークか、レジェンドか。
残り100m。レジェンドが追う!シャークが逃げる!レジェンドが追う!シャークが逃げる!
届くか、届くか!しかしレジェンド、わずかに届かない!

シャークサンダー、一着でゴールイン!
この大一番で世紀の逃げ切りを達成しました!



「四番、シャークサンダー号(4歳・メス・サメ)。海を泳ぐ希少なサラブレッド。騎手はエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)。家事が苦手なメイドとの評判です」
 どう見てもサメにしか見えないが、これはあくまでもサメっぽいサラブレッドである。何の問題もない。
 拍手とファンファーレが響き渡る。ゲートインした馬たちはゲートオープンを今か今かと待ち続け……。
「スタートしました!」
 シャークサンダーはスタートダッシュを決めて、走り出す!
「まずは先行争い、ハナを切ったのは4番シャークサンダー、鞍上はジゼル。狙うは単騎の逃げか!」
 躍り出たのはサメだ! その後ろをアスリーテスが追いかける形に落ち着く。更にその後ろに中団が迫る。皆、目をぎらつかせながら、機会を狙っているようだ。だが、先行達に追いつける気配がまるでしない。
「先頭1000m通過は57秒4、1番手は4番シャークサンダー。二番手以降とは10馬身。シャークサンダー一人旅。果たしてアレは馬なのか?」
 実況のボヤキと共に試合はより加速してゆく。
「4コーナーへと入ります。依然としてリードはシャークサンダー……二番手、レジェンドアスリーテス動いた! インを突いて差を詰めるかッ!」
 レジェンドアスリーテスは更にユーベルコードを発動! 伝説のアスリートの気迫を纏い、更に距離を詰めて来た!
「残り200m、シャークサンダー僅かにリード! シャークサンダー1馬身半! だが、内からレジェンドアスリーテス迫る迫る! レジェンドアスリーテス意地を見せるかッ!」
 デッドレースは白熱し、観客たちは握りしめた馬券に汗が染みつくのも忘れている。もはや感覚すらも置き去りになる程に、この試合に熱中しているのだ!
「シャークか、レジェンドか。シャークか、レジェンドか! どちらに転んでもおかしくない!」
 歓声は大気を震わせ、差せだの抜かせだのと祈りを叫ぶ声すらもかき消してゆく。
「残り100m。レジェンドが追う! シャークが逃げる! レジェンドが追う! シャークが逃げる! どっちだ! どっちが行く!?」
 残り一馬身半。竜巻を纏ったシャークサンダーとオーラを纏ったアスリーテスがゴールへ迫る!
「届くか、届くか! しかしレジェンド、わずかに届かない!」
 競馬場は更なる伝説を見た。サメのサラブレッドと着ぐるみジョッキーの伝説を。
「シャークサンダー、一着でゴールイン! この大一番で世紀の逃げ切りを達成しました!」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年11月20日


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#アスリートアース
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#戦後
🔒
#その他スポーツ
#競馬
#|JCK《邪悪な中央競馬組合》


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト