●ベガスとウサギ
獣人戦線のアメリカ合衆国ネバダ州。そこにもラスベガスは存在している。
UDCアースの歴史で説明すると、ギャンブルの都市に成り上がるのは第二次世界大戦終結後の1946年。それまでのラスベガスは核実験場と軍事基地の街であった。
しかし、とあるギャングがホテルを建設し、ホテル内部でのギャンブルで多大な利益を得た。すると二匹目のどじょうを狙いに、裏社会の人間がここぞとばかりにやって来てはホテルを次々と作っていった。ホテルラッシュである。
だが、最終的には当局の締め付けと州法の徹底的な規制によって健全化された。これがUDCアースにおける大まかな歴史である。
だが、獣人戦線の場合。あまりにも致命的な問題が二つ存在する。
ギャングだ。恐るべき暴力組織の彼らは衰えることなく、賭博で財を築いている。そしてもう一つの問題点は非常にシンプルだ。
今現在、ラスベガスの裏社会にはアメリカマフィア、
人民租界、
ヴィクトリア、
帝国民がひしめき合っている。そして彼らは互いに牽制し合いながら抗争と裏切り、同盟を何度も行っているのだ。
超大国による、
影の代理戦争は裏社会でも行われていた。勝者が全てを総取りというシンプルなルールで。
●サイバーカジノ
人民租界が運営するサイバーカジノ、
Cyber Gaming 杂项技巧。主に新しい物好きな若者やカジノに慣れていない田舎者を顧客としている。何しろイカサマがないのだ。認知できなければないのだから。
しかし、この未来的カジノに乱入者が現れた。
『Hey! 動くんじゃあねえぞ!』
それはあまりにも時代錯誤的なウサギである。古めかしいリボルバーを二丁、自信ありげに構えている。よく見れば、その銃は西部開拓時代に使われた名銃【ピースメーカー】だ。
『俺様ん名はバニー・ザ・キッド! 目的は金。お前らが金を出さねえってんなら、コイツを使う!』
キッドが取り出した金属片は――逢魔弾道弾! 起爆すれば街一つを飲み込み、オブリビオン溢れる異形の都へと変貌させてしまう唾棄すべき兵器である! そんな兵器を何故たかがアウトローが持っているというのか!
『さあ、死にたくなければさっさと出すもんを出しやがれってんだ!』
彼は天に向かって銃を撃つ。普段、強盗やらマフィアの襲撃やらに対処している警備員ですら、この状況に動けずにいた。それは当然の話である。強盗に核を使うバカは居ない!
カラスの警備員(堅気である)達はどうしたものかと顔を見合わせていた。
●コード407
「ラスベガスにある電子カジノ。そこは
人民租界共のシマなんだが……」
暮林・朝徳(人間の咎人殺し・f43618)は不機嫌気味に煙草を吹かした。
「どこぞから流れた
けったいなオモチャを鉄砲玉に渡して、強盗させちゃってんのよね。怖くない?」
もはやシノギが奪えないなら毒を流して何もかもを破壊する腹積もりらしい。まるで大戦末期の焦土作戦めいた事を、一般市民のいる一都市で行おうとしているのである!
実にいい迷惑だ!
「そんだからさあ……こいつ等どうにかしない? このまんまだと、何処の陣営も破壊兵器の出し合いになっちまうからさあ」
憲兵は若干嫌そうにしながらそう呟いた。
サバ缶煮込み丼
ラスベガスと言えば何を思い浮かべますか? 自分の場合、PSO2とフォールアウトニューベガスを連想するサバ缶煮込み丼です。
今回の構成は以下の通り。
第1章:🏠『サイバーカジノ!』
チャイニーズマフィアが管理しているカジノへ入り込みます。強盗が来るまでの間は暇でしょうし……それまでカジノで大損しない程度に遊んでおきましょう。
第2章:👿『バニー・ザ・キッド』
他勢力からけしかけられた強盗です。どういう訳か、逢魔弾道弾を持って立てこもっています。
どうにかしてこれを排除しましょう。
説明は以上です。何卒宜しくお願い致します。
第1章 日常
『サイバーカジノ!』
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POW : スロットを回す
SPD : ポーカーで真剣勝負
WIZ : ルーレットに賭ける
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禹・黄風
砂漠のど真ん中…混沌とした状況になっているのも納得ではありますが。
ともあれここにいる客や警備員の大半は多分裏社会に関係ないカラスの一般人、きちんと彼らを守らねばなりませんね。
スロットで無表情に遊んでるふりをしつつ鉄砲玉ウサギの襲来に警戒を。
念の為避難経路は確認して事件時に一般人を誘導できるようにしておきます。
のめり込みすぎなければいい…無理しない程度の資金でレートの低いスロットでまずは慣れましょうか。
心眼とか集中力でリールを見切り目押し狙ってみます。
慣れてきたら高レートへ。まずイカサマされるでしょうから最終的な負けは覚悟の上。
…多少の幸運でひっくり返せるかもしれませんが。
※アドリブ絡み等お任せ
禹・黄風(武の頂を・f40009)はスロット台の前に腰掛け、無表情でスロットを回す。しかし、その目付は油断ならない戦士のそれである。周囲を警戒し、不穏な気配を見れば己の得物へ手を伸ばせる様に利き手はフリーになっている。
(砂漠のど真ん中……混沌とした状況になっているのも納得ではありますが)
ここは一種の治外法権となっていた。ラスベガスは単にギャンブルの都市という訳ではないらしい。言わば影の戦場というべきである。
(ともあれ……ここにいる客や警備員の大半は多分裏社会に関係ないカラスの一般人、きちんと彼らを守らねばなりませんね)
しかし、堅気は関係ない事である! 万が一に備え、避難経路は確認しておく。出口は二つ、警備員は拳銃等で武装済み。しかしオブビリオン相手を相手取るにはやや火力不足。
避難誘導の際は彼らを頼るべきか。
それはそれとして、彼はスロットに視線を移す。スロット台の前に居るのに、スロットをしない奴は大いに目立つ。現に、警備員は禹に対し、訝しむ様な目線を向けていた。恐らくスパイかヒットマンだと思われているのだろう。
彼は心眼と人並外れた集中力でタイミングを計り、レバーを引いた。
軽快な電子音と共にカジノコインが吐き出される! 大当たりだ!
更に禹はレバーを引く。大当たり大当たり! みるみるうちにカジノ支配人の顔色が赤いそれに変わってゆく。支配人は指を時計回しに回転させた。合図である。
するとリールは明らかに速度を上げた。速度からして自動車のタイヤ並みの回転だ。電子カジノだから可能なイカサマである!
しかしそれでもコインが止まらぬ。イカサマすらも乗り越えて来たあのトラは正しく賭場荒らしになりかねない。
支配人は警備員に無言の指示を出す。彼の右手には小さな黒い置時計を握っている。
中国において時計は【終わり・終わる・人の死】を意味する言葉と同じ音であり、それ故贈り物としてはタブーとされている。だが、彼らにおいてはその贈り物が意味するのは……【いずれか報復を行う】であろう。
あるいは単に出禁通告かもしれない。支配人は時計片手にスロット台のトラへと近づいた。如何にも営業的な笑みを浮かべながら。
大成功
🔵🔵🔵
アニー・ポップ
カジノね。予算はグリモア猟兵に申請する…損した場合かな、これは。
ここはSPDで。これなら偶然性より頭脳でいけるから。POWは遠隔操作される可能性ありって事で。WIZで操作したら不自然な動きするからあちら側もあまりやる感じは無いと思うんだけど、SPDなら、イカサマも人手だし、見つけたら交渉術で追い詰めるつもりなので。
さて、普通に楽しみましょう。
最初の段階で豚札しかなかったら勝負は捨てるわ。
勝てないと分かってるのに手を付けるのは時間がもったいないし。
小刻みに頭脳を駆使しながら勝利を呼ぶわ。
ネズミは知性が武器なのよ。
あと、下手に勝ち過ぎないように負ける演技も仕込むわ。
どうせ、野兎がくるんだし。
アニー・ポップ(白鼠夜想曲・f39927)はポーカーの席に腰掛けていた。これならば乱数などの偶然性に惑わされないし、頭脳勝負が可能である。
スロットでは遠隔操作されかねない。一応、ルーレットも検討したが――ボールが弾かれるだの、謎のスライド移動だのと超自然的挙動が見えていた。アレはどう見繕ったってダメだ。
しかしポーカーは違った。デジタル化されたこのカジノでも、どうやらディーラーは人力である。となれば、イカサマが発覚した時に、【メガコーポ式交渉術】でどうのこうのと追い詰めれるだろう。
(予算はグリモア猟兵に申請する……損した場合かな、これは)
アニーはあのだらしのない憲兵を思い浮かべた。万に一つ大損した時は彼から徴収しようかしら、と不穏な企みをしながら。
「……なぁんか、嫌な気配したぞ今……!」
一方
詰所の憲兵は何か感じたのか、拳銃のグリップを握り締めた。具体的には手痛い出費の予感である。
「……さあて、禁煙禁煙!」
拳銃から手を離し、先程まで吸っていた煙草を灰皿に擦り付けた。
「さて、楽しみましょう」
「では、お配りします……」
ディーラーは素早く手札を切り、五人の客に手札を配った。アニーの手元にあるのはダイヤの5、ハートの4、クラブの6、クラブの3にスペードの7。役は
ノーハンド。ストレートフラッシュのなりそこないだ。
「フォールドよ。あたしは降りるわ」
彼女は迷うことなく勝負を降りた。
(勝てないと分かってるのに手を付けるのは時間がもったいないし)
しかし負けっぱなしというのも癪だ。アニーは損を取り戻す程度に勝ちを重ねんと思考する。
「それではネクストゲームを……」
ディーラーはまた手札を切り、カードを配り始めた――が、ここでアニーが待ったをかけた。
「ネズミは知性が武器なのよ。騙そうとしたってそうは行かないわよ?」
ディーラーの動きが止まる。止まった隙にアニーは山札を手に取った。
出てきたのは……10、ジャック、クイーン、キングにエース。しかも、全てスペード。
「フォールスカット……!」
客の一人は怒りの形相でディーラーを睨んでいる。フォールスカットとは、シャッフルしているように見せかけて、実はシャッフルしないイカサマの事だ。もちろんこれが接待の場であればまあ、許されなくもないだろう。
だが、真っ当に(健全ではないが)賭博に誇りと命を賭けるばくち打ちからすれば面白くないだろう!
イカサマも含めてのギャンブルと考える彼らにとって、単なるえこひいきは侮辱である。あからさまにヤクザそうなカラスに至っては、懐からドスを取り出していた。それがテーブルに突き刺され、ディーラーはヒィと小さい悲鳴を上げた。
ディーラーにはもう、論理的思考力も冷静な判断力もない!
「し、支配人! 支配人!」
イカサマディーラーは支配人を呼んだ。しかし代わりにやって来たのは警備員二名。明らかに大陸系の顔付の二人組はディーラーの肩を叩く。そして二人は顔を耳元へ寄せ、ドスの利いた母国語で囁いた。
「
你对你的客户很粗鲁,不是吗?」
「
你嘅老闆會畀你一封辭職信。 太好啦!」
警備員はお客に頭を下げた後、ディーラーを連行していった。きっと彼は【退職】させられるのだろう。勤務先は埠頭か工場の二択だろう。具体的には……プレス機とか……ドラム缶とか。
「ふふ……これで損はチャラね……!」
彼女は最終的に程良く勝敗を重ね、悪くない戦果を得た。満足感で胸が膨らむ一方で、内心に冷淡な考えが過る。
(どうせ、野兎がくるんだし)
カラス達の騒音めいた会話を背景に、彼女の足は換金所へと向かっていた。
大成功
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第2章 ボス戦
『バニー・ザ・キッド』
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POW : ガンマンスタイル
【2丁拳銃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 早撃ち
レベル分の1秒で【実弾】を発射できる。
WIZ : 超炸裂弾
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【大爆発を起こす炸裂弾】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
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『Hey! 動くんじゃあねえぞ!』
バニー・ザ・キッドはグリモアの指示した時間通りに現れた。
『俺様ん名はバニー・ザ・キッド! 目的は金。お前らが金を出さねえってんなら、コイツを使う!』
例の如く、取り出したのはいつもの帝国謹製、逢魔弾道弾。やっぱり鉄砲玉にしてはあまりにも過剰である。カミカゼとどっこいどっこいだろう。
『さあ、死にたくなければさっさと出すもんを出しやがれってんだ!』
彼は猟兵の存在に気が付いていないようである。今のところ、彼は警備員や客に対して妙な動きをしないかと目を光らせているようだ。
しかし、下手に目立てば一般人に危険が及ぶ。更に彼の隣に例の弾頭がある。
いわば街一つを丸ごと人質にされている訳である。下手に暴れれば、間違いなく起爆するだろう。
慎重に行くか、それとも大胆に攻めて兵器を無力化するか。あるいはその両方を一気にするか。
勝負の行方とベガスの明日は現場の猟兵たちに賭けられた。つまり、猟兵にオールイン!

禹・黄風
来たか…まあ丁度いいと言えば丁度いいのですが。
支配人が近くに来ているなら好都合、命が惜しければこの勝ち分のコインを渡せと伝えます。
言い分呑むならすぐに起爆させる事はないでしょうし命惜しさに差し出した、と思わせられれば。
その間にバニーの死角で三節棍をこっそり準備しバニーがコイン受け取るか隙を見せたらUC起動、逢魔弾道弾起爆の為の行動妨害を最優先に妨害を開始。
衝撃で起爆する可能性を警戒、バニーの手を連撃で重点的に狙いつつ逢魔弾道弾から引き剥がすようバニーを薙ぎ払い吹き飛ばしましょう。
引き離せたら逢魔弾道弾を確保、跳弾含め狙われぬよう守りつつ伸縮自在の三節棍で遠距離から追撃を。
※アドリブ絡み等お任せ
「来たか……まあ丁度いいと言えば丁度いいのですが」
禹・黄風(武の頂を・f40009)は詰め寄っていた支配人にこう言った。
「命が惜しければこの勝ち分のコインを渡してくれませんか?」
物腰は柔らかに、しかし脅しをほんのりにじませながら。支配人は若干目を逸らした。出禁にしようとして軽く脅すつもりだったのだが、逆に自分が脅されている。金を差し出せば安全を与えると言っている訳である。コイツは――!
しかし、その憤りは胸へと落とし込む。今の脅威は強盗ウサギ。更に言えば警備員は逢魔弾道弾で脅され動けない。となればコイツに丸投げしても良さそうだ。金を払って出禁にでもすれば尚良いだろう。
「よぉし、お前の手切れ金として払っておこう……」
何が何でも脅威にはご退場願いたいのだから!
「お前の欲しがる物だ! 持っていけ!」
支配人はトランクケースを床に滑らせ、ウサギへ送り付けた。ウサギはそれを踵で止め、中身を確認しようとゆっくり屈む。そして小脇に逢魔弾道弾を抱えたまま蓋を開ける。
『……テメェ! こりゃカジノチップじゃあねえか! ふざけてんのかッ!?』
彼がそう怒鳴ったその時――視界に紫炎の闘気がチラついて。
「――阻む」
唐突に伸びて来た三節棍が目にも止まらぬ速さで手を力強く叩く!
『グアッ――?! なんだお前、どっから出て来たんだ!?』
手から逢魔弾が離れ……離れたそれはトラの手元に収まった。その間、僅か数秒!
『――野郎ォ!』
だが、ウサギも負けじと左右のリボルバーを放つ! だが銃弾がトラへ迫った途端、それらは次々と風圧で吹き飛ばされた! 跳弾やらも警戒しているようで、跳弾狙いの弾丸すらも弾いた!
「……オイ、何してんだ! あの爆弾を確保しろッ!」
「は……ハイ!」
我に返ったカラス達も逢魔弾道弾を確保せんと動く。彼らがどうにかして確保したと叫んだとき、支配人は胸を撫で下ろした。少なくともこれで首が薄皮一枚で繋がったようである。
大成功
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月羽・みたま
動画配信者をしている子。ゲーム実況が中心だが他のこともやる。戦闘も勿論配信する。
普段の口調は「私、君、だね、だよ、だよね、なのかな?」
■戦闘
リアライズドアーム:ショットで取り出した射撃武器
同:クロスで取り出した近接武器
での攻撃
ショートケーキと名付けたワイバーンで騎乗攻撃やブレス攻撃なども
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「こんみたー! みたまチャンネルへようこそ!」
活発そうな挨拶を行っているのは月羽・みたま(Mitama Ch.・f41282)。明らかに浮いた雰囲気を漂わせている謎の乱入者に対し、ウサギは目を丸くしている。
『ちゃんねる……こんみた……何言ってんだ、このタイミングで……?』
困惑しつつも、バニー・ザ・キッドは早撃ちを試みる。目にも止まらぬ素早さで引き抜かれた銃は音よりも早く、弾を放った!
「目指せパーフェクトコンボー!」
しかし尚の青色立方体とどこからともなく現れた剣が銃弾を弾く!
『なんじゃあこりゃあ!?』
ウサギはこのよく分からない物体に思わず叫んだ。これがユーベルコード【プラハ・ビート】によるものである事など、彼には知る由もない!
更に半透明な赤い壁やら棘のついた煙幕弾が軽快な音楽と共に流れてくる! それらはみたま目掛けて迫っているのだ。
『なんだよこりゃあ……! ふざけやがってェ!』
彼はこの長方形たちに良い様にされていた。狙おうにも銃すら構える隙が無いのだから!
大成功
🔵🔵🔵
アニー・ポップ
ふぅん、いかにも時代遅れ的なのが出てきたわね。
ここには不釣り合いなのがね。
まぁ、こっちに気付かなければなんとかなるし。
武器からして旧式だし、あっちが撃つ前に、こっちがレーザー光線を先に撃っちまえば、勝てると思うのよね。
はい、一丁上がりっとね。(UC使用)
(ふぅん、いかにも時代遅れ的なのが出てきたわね。ここには不釣り合いなのがね……)
アニー・ポップ(白鼠夜想曲・f39927)は目立たぬようにスロット台の前に座る。まるでSF映画の様なカジノで西部開拓時代めいた強盗がいる。酷くシュールな光景だ。更に手に持っているのはダイナマイトではなく、現代を象徴する死の兵器【逢魔弾道弾】。今と昔と未来が一つの空間に存在している訳である。
アニーはウサギ強盗を観察する。武装は旧式のリボルバーが両手に二丁。小脇に逢魔弾道弾。まだアニーには気が付いていないようで、警備員や客が妙な動きをしないかどうかを見張っているようだ。
『オイ、金はまだなのか!?』
苛立ちを隠せていないようで、キッドはひたすらダンッと床を蹴っている。
(先に撃てば勝てそうね……)
アニーはコッソリ懐に隠し持っていたディスクガンをゆっくりと取り出し、銃口をさりげなく強盗へ向けた。そして――ZAP!
『ウッ……なんだぁ……?』
バニーは一体何が起きたのか、何故倒れたのかを理解する間もないまま、彼の意識は闇へと落ちた。
彼はどうやら【キューソネコカミ】によって撃たれた途端に死亡したようである。
「はい、一丁上がりっとね……」
そしてアニーは何事もなかったかのように、席を立つ。突然倒れた強盗に、カラス達は困惑のあまり黙り込んでいる。そんな中、白鼠は目立たぬ様にしかし自然な素振りで歩んでゆく。彼らが我に返った頃には、もう彼女の姿は見当たらないだろう。
大成功
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リン・ベルナット
アドリブとか大歓迎だよ!
むむ!このままだと一般人がピンチ!なんとかしなきゃだよね。
正々堂々行きたい所だけどそれだと色々危ないかも?
よし、ここは【迂曲する魔球】の出番だね!
相手の死角からボールを投げてUCのパワーで軌道を変えつつ後ろからボールを敵のウサギさんに当てちゃうよ!
上手く当てることができれば敵さんも混乱するはず!
そうなればチャンス到来!だね!
得意の「ダッシュ」で一気に近づいてー
敵の「体制を崩す」ためにタックルしてー
ヒーローらしく「グラップル」技術で組み付いて制圧しちゃうよ!
銃も爆弾も無力化すればこっちのもの!いっくぞー!
「むむ! このままだと一般人がピンチ! なんとかしなきゃだよね!」
リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)はヒーローらしく正々堂々と出ようとして足を止める。現在、ウサギの強盗が逢魔弾道弾を構えているので、下手に出れば間違いなく起爆するかもしれない。そうなれば何もかもがお終いだ。
「よし、ここはこれで……!」
彼女はコッソリ取り出した硬式ボールを投げた。見当違いの方向へ飛んで行ったそれは突然方向を変え、ウサギへと迫ってゆく!
迂曲する魔球によって放たれたそれは強盗ウサギへと向かって――ウサギの手元に当たった!
『イッテ!? 何だいきなり?! ってアッ、ヤッベ!!』
突然の衝撃と痛みのあまり、拳銃と弾頭を落としてしまった。
「チャンス到来!」
その隙にリンはダッシュで急接近し、キッドの体勢をタックルで崩す!
『なんだいきなりなんだお前ッ!? どっから出て来たァ!? 放せえ!』
身動きできない様にガッシリ組み付き、強盗を拘束する!
「か、確保ォ!」
更に動けなくなったウサギをカラス達が取り囲んだ! 更に彼らは銃を構えた。
『……へへっ、こりゃどーも参っちまったもんで』
彼は潔く残ったリボルバーを手から離した。
「
站起来,美国混蛋!」
『
Say it in English, in English!』
喚きながら、ウサギはズルズルと引きずられてゆく。恐らく
糧食加工機に叩き潰されるのだろう。
大成功
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