勇者vsツンデレ喫茶
●帰ってきやがった勇者
『帝都櫻大戰』で世界各地に派遣された助っ人たちの帰還作戦が実施される中、デビルキングワールドだけは事情が違っていた。
「死んだと聞いてたのに!」
「話が違う!」
あちこちからブーイングやら悲鳴やらが飛び交うここは『リストランテ・ハロウィーン』。かつて「焼きそばから高級料理までなんでも作る」と謳われた2ndKING『魔王ビストログルメ』が建設したという、地上100階地下100階にも及ぶという超巨大迷宮だ。……6thKING『ビームスプリッター』の『黄金大迷宮』といい、KINGたるものダンジョンの一つでも作らないといけないんですかね?
さて、騒ぎの中心にいたのは5thKINGである『勇者リリリリ』だ。アスリートアースから故郷であるデビルキングワールドに帰ってきた彼女は、楽しく愉快に勇者稼業を再開して魔王やらラスボスやらをボコっていたのだが、『リストランテ・ハロウィーン』にガチデビル一派の残党がいるという噂を聞き、ここを訪れたのだった。
「なんか気を失って気がついたらガチデビルに乗っ取られてました。私はオブリビオンではありません」
何気に重要なことを言いつつ、オブリビオンをボコボコ倒していくリリリリ。
「ちょっと!何好き勝手やってんの!」
奥から現れた少女――『小悪魔』と呼ばれる種族のようだ――が無謀にもリリリリに挑みかかる。
「む、少しは腕が立つようですね。」
「そりゃ『7thKING WAR』に負けたあの日からずっとここの料理を食べていたからね。大量のデビルパワーを吸収した私は、強い!」
●祝勝会はデビキンで
「みんな、サクラミラージュを助けてくれてありがとう。ホント感謝してもしきれないや。」
柏宮・晴仁(柏宮家の御曹司・f42421)がグリモアベースに集まった猟兵たちに頭を下げる。
「それで、お礼といっちゃアレだけどみんなでメシ食いに行かね?デビキンにすげーレストランがあんのさ。その名も『リストランテ・ハロウィーン』。」
デビキンの料理、と聞いただけでげんなりした顔の猟兵がちらほら現れた。味はともかく、全体的に毒々しい見た目が当たり前なデビキンの料理は猟兵の間でも好き嫌いが分かれる性質のものだ。
「あ、料理は真っ当にきれいな盛り付けがされているから安心していいぞ。」
太陽のようなグリモアが現地の料理を映し出す。それに安堵した猟兵は少なからずいたという。
「それで、ここの料理ってのが大量のデビルパワーを含んでるんだよ。みんなもその恩恵にあずかれるんだけど、このデビルパワーを狙ってオブリビオンも住み着いてるんだわ。で、オブリビオンをボコりに『勇者リリリリ』もやってくる。」
グリモアが映像を切り替える。
「みんなに行ってもらうフロアにはツンデレ喫茶があるんだけど、そこの店主『小悪魔ラマエ』がリリリリに戦いを挑むんだよ。無謀っちゃ無謀だけど、彼女も大量のデビルパワーを吸収して強くなっているから、リリリリに協力してやって欲しい。」
グリモアが日光の如き光を放つ。
「じゃみんな、現地で合流な!」
武炎鉄
こんにちわ、武炎鉄です。19作目はハロウィンシナリオです。戦争以外での期間限定シナリオは初めてかも。
なお、OPからお察しの通り今回もトンチキシナリオです。
●第1章は『リストランテ・ハロウィーン』で食事をします。
●出された料理に対応したマナーを守って食事をすると更に大量のデビルパワーを摂取出来ます。(ジャンクフードならちょっとお行儀悪く、フレンチのフルコースならテーブルマナーを守るなど)
●第1章のみ晴仁が同行します。お気軽にお声がけください。
●第2章は『小悪魔ラマエ』との戦闘です。詳しくは断章にて。
●第1章で食事をされた方は第2章でプレイングボーナスが発生します。
●第2章では『勇者リリリリ』と共闘出来ます。こちらもプレイングボーナスが発生しますので、お気軽にどうぞ。
第1章 日常
『リストランテ・ハロウィーン!』
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POW : ボリュームのある料理を豪快に食べる
SPD : 気軽な軽食をライトに食べる
WIZ : 洗練されたマナーで高級料理を食べる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●KINGのレストラン
『リストランテ・ハロウィーン』へと転送された猟兵たち。彼らが目にしたのはどこまでも続く通路の両側に、多種多様なジャンルの飲食店が立ち並ぶ一大フードコートだった。
「おっ!みんな来たか!」
先に来ていた晴仁が明るい笑顔で手を振った。その隣には『勇者リリリリ』もいる。
「さっきそこでリリリリとバッタリ会ってさー。あ、これフロアマップ。店選びの参考にどうぞ。」
地図が印刷された冊子を皆に配る晴仁。気配りのできる男である。
「私はお先に行ってますのでー、また後でー。」
冊子を手に、自分だけさっさと先に行ってしまったリリリリ。彼女を追いかけるように、猟兵たちは『リストランテ・ハロウィーン』へと挑むのであった。
榎木・葵桜
晴仁さんがご一緒できるならぜひ!
せっかくだしUCで田中さんにも同行してもらうね!
料理を美味しく食べるのには自信あるけど、
ほら、こういうのって一人は寂しいし
何より食事は楽しくが鉄則だしね!
お店選びは晴仁さんにお任せしたいかな
だってどれも魅力的なんだもん
なんならダイスの神様にお願いしてもいいくらい♪
大丈夫、ジャンクもフルコースもマナーはそれなりに心得てるし
わかんなかったら晴仁さんや田中さんの振る舞い見て真似っこすればいいんだし!(違う意味のやる気)
なんにせよ、美味しく食べることには自信あるのでいっぱい食べちゃうね!
どの料理もハロウィン仕様の飾り付け盛り付けになってるかな?
ふふ、とっても楽しみー♪
●鉄板の上のハロウィン
「折角ですし、晴仁さんもご一緒しませんか?」
晴仁に声を掛けてきたのは榎木・葵桜(桜舞・f06218)だ。傍らには鎧武者のUDC怪物『田中さん』もいる。
「おっ、いいね!で、行きたい店とかもう決めた?」
「んー、晴仁さんにお任せしてもいいですか?どこのお店も魅力的で決められなくて。」
「オレはオッケーだけど、葵桜は何か苦手だったり食べられないのとかある?」
「特には無いですけど、どうしてですか?」
「ほら、店決めた後で『アレがダメ』とか言われるとこっちも困るじゃん?だったら先に聞いといて、選択肢から外していく方がスムーズだし。」
「なるほど。」
感心した葵桜と田中さんに、晴仁が質問を続ける。
「テーブルマナーとか分かる?大丈夫?」
「大丈夫、ジャンクもフルコースもマナーはそれなりに心得てるし、わかんなかったら晴仁さんや田中さんの振る舞い見て真似っこすればいいんだし!」
「その心意気や良し!ということで突撃だ!」
こうして3人は超巨大フードコートへと足を踏み入れたのだった。
「どの料理もハロウィン仕様の飾り付け盛り付けになってるかな?ふふ、とっても楽しみー♪」
楽し気にスキップする葵桜と、その後ろをついていく『田中さん』。そしてグルメガイドと実店舗を比較しながら店を選ぶ晴仁。
「こことかどうよ?」
晴仁が立ち止まったのはお好み焼き店だ。ハロウィン風の飾りに『食べ放題』の文字が躍る。
「いいですね、ここにしましょう!」
こうして店に入った3人は、鉄板が据え付けられた掘りごたつ式の座席に案内された。
「時間無制限、飲み物はドリンクバー形式、1人1皿の空き皿交換制と。基本的には自分で焼くけど、難しい時は店員を呼べば手伝ってくれると。」
メニューに記載された注意事項を確認する晴仁。
「へー、お好み焼きだけじゃなくて、焼肉やサラダ、唐揚げにフライドポテトなんかのサイドメニューもあるんですね。あっ、デザートもある!」
こちらはメニューの品ぞろえに驚く葵桜。
「なになに『たくさん種類を食べたい方向けに小さめサイズをご用意しました』『追加トッピングでカスタマイズもお楽しみいただけます』だって。至れり尽くせりだな。」
『魔王ビストロキング』の細やかな心配りに感服しつつ、早速注文する3人。葵桜は小さめサイズのミックスにチーズを追加し、『田中さん』は豚玉、晴仁はモダン焼きを注文した。
注文の品が運ばれてきた。早速焼き始める3人。ここで意外なスキルを発揮したのが晴仁だ。生地と具材を手際よくかき混ぜて焼き、慣れた手つきでよく焼けた生地をひっくり返した。
「わぁ、お上手ですね!」
「鉄板焼きも華族の嗜みだからな、これくらいできないと。」
華族の嗜みとは一体、と疑問に思う『田中さん』をよそに、焼きあがったお好み焼きに手早くソースを塗り、マヨネーズでジャック・オー・ランタンを書き上げ、青のりを振りかける晴仁。その様子をキラキラとした眼差しで見つめる葵桜。
「「いただきます!」」
完成したお好み焼きをほふほふと食べる3人。
「おいしい!」
「次はもんじゃ焼きいってみるか!」
鉄板を囲んでわいわい楽しく食べるのが、お好み焼きの本流なのだろう。『田中さん』は己の体に力が滾るのを感じ取っていた。
大成功
🔵🔵🔵
冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。
あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。
戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。
仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
●ビューティフル・ムーンを探して
「どこにしましょうかぁ?」
ショップガイドを手にぶらぶら歩く冷泉院・卯月(壱七八あーる・f40880)。彼女にはすべての店が魅力的に見えてしまい、迷いが止まらないのである。
「あら?あなたも猟兵かしら?」
声を掛けてきたのは仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)の女性人格『ネイル』だ。
「そうですよ~。えーと……」
「『ネイル』でいいわよ。その様子だと、どの店に入るか決めかねているようね?」
「はい。ネイルさんは決めましたかぁ?」
「残念ながら、アタシも決まらないのよ。候補は絞ったんだけどね。」
ネイルが手にしたフロアマップを見れば、確かにいくつかの店に丸印が付けられている。
「ん?ぶちくん、たれちゃんどうしましたかぁ?」
卯月の足元にいた2匹の兎――『ファミリアロッド』と呼ばれる杖が変化したもの――が店の軒先を示す。その先には『テイクアウトできます』の文字が掲げられていた。
「そっかぁ!テイクアウトかぁ!」
「なるほど!みんなでシェアすればいいのね!そうすればいろんな店の味が楽しめる!」
「ぶちくんもたれちゃんもお手柄ですぅ!」
2匹を抱きしめる卯月。その顔は紛れもなく笑顔だ。
それからしばらくして、休憩スペースで卯月とネイルは再会した。2人とも手にはたくさんの袋を抱えている。
「沢山買ったわね~。
「ネイルさんこそ~。」
お互いに袋の中身を確認し、早速中から一つ取り出してみた。卯月はハロウィン風のデコレーションが施された大きなかぼちゃマフィン、ネイルは野菜たっぷりのサンドイッチだ。
「「いただきます!」」
一口目で分かる美味しさに笑顔がこぼれる。
「おいひぃ~!」
「今まで食べたサンドイッチの中でも上位ね、これ!」
「みたらし団子なんてどうですかぁ?」
「いいわね!シュークリームと交換しましょ!」
2人の楽しいテイクアウト交換会はまだまだ続くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『小悪魔ラマエ』
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POW : あんたのために努力した訳じゃないから!
自身が淹れた【努力して味を追求した紅茶】を飲んだ対象を【良い香りとツンデレオーラ】で包み、24時間の自動回復能力と【悪女】耐性を与える。
SPD : 私が作りたくって作ってるだけなんだから!
手持ちの食材を用い、10秒でレベル×1品の料理を作る。料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療する。
WIZ : ま、また来てくれるわよね……?
対象にひとつ要求する。対象が要求を否定しなければ【ポイントカードを渡し】、否定したら【手をとって泣き落とし】、理解不能なら【チップとして少し多めのD】を奪う。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「レマ・アード」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ツンデレにはツンデレをぶつけんだよ!
猟兵たちが食事を楽しみ、あらかたデビルパワーを蓄えた頃。フロアの奥から物騒な物音やら悲鳴やらが聞こえてきた。「やっぱり」と思い駆けつけてみれば、そこには『勇者リリリリ』と悪魔の角と羽と尾を持つ少女が対峙していた。
「頑張れラマエちゃん!」
どこからか集まってきたギャラリーから熱い声援が飛ぶ。
「べ、別にあんた達のために戦うんじゃないからね!」
声援にツンデレムーブで返すラマエ。
「む、完全とはいいませんがこちらがアウェイですね。」
こちらが不利であることを認めつつ、ギャラリーの中に猟兵たちの姿を確認したリリリリが一つ提案をしてきた。
「みなさん、こちらもツンデレで対抗しましょう。」
※追加情報
『勇者リリリリ』はユーベルコードを使用します(『バトル・オブ・オリンピア』で使用したものと同じ)。
使用の際はプレイングで指定してください。
榎木・葵桜
【二桜】
ツンデレいいよね!
その気持ちはよーっくわかる!
でも、私的にはラマエちゃんより
うちのツンデレの方が100倍可愛いって思うんだ!
そんなわけで、ここに一人ツンデレ(姫ちゃん)を用意してみました!
はい、姫ちゃん!
そこでデレて!
え、食べてないなら今食べて!
お包みしたデザートもここにあるから、ほら、あーん!
ほらー、照れないの、女の子同士だし♪(ぐいぐい)
てことで、ツンデレに百合属性も加えてみたー!
どうよ!(ギャラリー見た)
(成功しても失敗しても、あははと笑い飛ばし)
ま、そんなわけで!
私にとってのツンデレは姫ちゃんだけで十分だから、あなたはここでおっしまい!
UC発動!
いっけー、田中さん!
彩瑠・姫桜
【二桜】
(訳もわからず連れてこられた人)
あお、私、料理食べてないのよ
いきなり振られて力なんて出せる訳ないじゃない
そしてデレてって何よ、ていうか私ツンデレじゃな…って、なっ?!
(あーんってされれば真っ赤になり)
…ば、馬鹿なの?!
……し、仕方ないわね、あおだから受け入れるんだからね……っ
(ぐいぐいと積極攻勢で押されれば
そのままあーんを受け入れてモゴモゴ)
…ていうか、こんなのでギャラリーの空気が変わる訳ないじゃない
(心底そう思いながら、ギャラリー見渡して)
とりあえず、今回私は支援に回るわ
UCを敵にお見舞いして隙を狙いつつ
リリリリさんに「大罪魔法「六つの大罪」」を使ってもらうようにお願いするわね
●二人は桜色
「ツンデレいいよね!その気持ちはよーっくわかる!」
思わずヘドバンするほど力強く頷く葵桜。
「でしょう?いいよねラマエちゃん……。」
隣のモブ悪魔が話しかけてくる。どうやら彼はラマエの店の常連のようだ。
「でも、私的にはラマエちゃんよりうちのツンデレの方が100倍可愛いって思うんだ!そんなわけで、ここに一人ツンデレを用意してみました!」
いきなり紹介されて困惑した顔を浮かべるのは彩瑠・姫桜(冬桜・f04489)。先ほどまで別の店で料理を選んでいたところを訳も分からずいきなり連れてこられたのだった。
「あお、私、料理食べてないのよ。いきなり振られて力なんて出せる訳ないじゃない。」
桜姫の言うことももっともである。だが葵桜は抜かりない。
「え、食べてないなら今食べて!」
その言葉と共に出てきたのはテイクアウト用の箱に入れられたショートケーキの数々だ。実は葵桜、晴仁とお好み焼きを食べた後、帰宅してからのお土産用にとケーキを手に入れていたのだ。
「はい、姫ちゃん!そこでデレて!お包みしたデザートもここにあるから、ほら、あーん!」
スプーンで掬い取ったモンブランをグイグイと突き付ける葵桜。桜姫と過剰に密着している状態は、その筋の人が見れば鼻血ものであろう。
「そしてデレてって何よ、ていうか私ツンデレじゃな…って、なっ?!」
口の中にモンブランを突っ込まれる桜姫。
「ほらー、照れないの、女の子同士だし♪」
「…ば、馬鹿なの?!……し、仕方ないわね、あおだから受け入れるんだからね……っ。」
勢いで咀嚼する桜姫の顔は真っ赤に染まっている。そして葵桜は会心のドヤ顔だ。
「…ていうか、こんなのでギャラリーの空気が変わる訳ないじゃない。」
ぼやきながら周囲を見渡す桜姫だが、伝統的なツンデレムーブ沸き立つギャラリーに内心若干引いている。。
「てことで、ツンデレに百合属性も加えてみたー!どうよ!」
「くっ、スタンダードなツンデレムーブに百合要素を組み合わせることで威力を増すとは!」
「『口では嫌がっていても体は正直』でもありますね。」
ラマエの解説っぽい台詞にリリリリの身も蓋もない一言が加わる。お前ら本当は仲いいな?
「ま、そんなわけで!私にとってのツンデレは姫ちゃんだけで十分だから、あなたはここでおっしまい!」
葵桜の影から『田中さん』が現れた。『田中さん』もまた、お好み焼きをたらふく食べてデビルパワーを蓄えている。
「リリリリさん、ちょっといい?」
「どうしました?」
こっそりリリリリを呼び止める桜姫。彼女が取り出したのはふわりとした白燐蟲だ。
「この子をお貸ししますので、戦っていただけませんか?実は私に策が……。」
ゴニョゴニョとリリリリに耳打ちする桜姫。彼女は何を考えているのだろうか。
「いっけー、田中さん!」
早速ラマエに槍を突き刺そうとする『田中さん』。ラマエは何事もなく回避したが、リリリリが無数の祭壇を発生させる。
「まさか、これは!」
ラマエの顔が恐怖におののく。噂に聞く勇者が操る大罪魔法。その中の一つが自分の目の前で起きている。
「そうです。これが大罪魔法『六つの大罪』です。」
祭壇から『六大罪獣』の群れが現れる。一部ギャラリーを襲っているのもいるが、頑丈さに定評のあるデビキンの住民なので大丈夫だろう。
「それー。」
盾を構えて突撃してくるリリリリを回避しようとするラマエ。だが運悪く祭壇の角に足の小指をぶつけてしまう。動けなくなったラマエに『六大罪獣』の群れが襲い掛かる。最早袋叩きだ。その上から『田中さん』の炎を纏った槍が降りかかる。炎の槍は『六大罪獣』ごとラマエを貫いた。
「認めたくないものね、若さゆえのイチャ百合ツンデレというものは。」
ボロボロになったらラマエが負けを認めた。豆を認める時ですらツンデレである。
「そうそう、あんた達また来てくれるわよね?」
「もちろん!」
「まぁ、葵桜がどうしてもって言うなら付き合ってあげてもいいけど。」
「そう、じゃあこれ渡しておくわね。」
ラマエが2人に店のポイントカードを手渡した。
「ポイントが溜まったら、ドリンク1杯分くらいはサービスしてあげるわよ。」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
●敵におやつを送る
盛り上がるオーディエンスに惹かれてやって来たのはミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)。
「にゃにゃ?何をしているのかにゃ?」
早速観客に尋ねるミーヤ。物怖じしないのが彼女の長所である。
「勇者リリリリが猟兵と組んでラマエちゃんとツンデレバトルしてるんだよ!」
『ツンデレバトル』が何かはよく分からないが、リリリリが戦っているのなら助太刀しないわけにはいかない。
「この勝負、助太刀するにゃ!」
「どなたか知りませんが、助かりますね。」
リリリリが軽く感謝の姿勢を見せる。と、ラマエが『違う』と言わんばかりに首を横に振る。
「甘いわね!こんな時は『あ、アンタの助けが無くても勝てるんだから!でも、来てくれてアリガト…。』と言うのよ!後半部分をちょっと小声にするのがコツね!」
「ヒュー!流石ラマエちゃんだぜ!」
ラマエの正統派ツンデレムーブに観客が沸き立つ。
「なるほど、そう来ますか。」
感心するリリリリに、何かを思いついたミーヤ。
「リリリリさん、ちょっと時間を稼いでほしいのにゃ!」
ミーヤはその辺の店に駆け込むと、厨房を貸してもらうように頼み込み、料理を始めた。
「困りましたね。まぁいいでしょう。」
そんな訳で『堕天シールド』から空飛ぶ小型盾を具現化し、ラマエに飛ばすリリリリ。なお今回はガチデビルの影響下から脱している影響で、普通の小型盾となっている。
「なかなかじゃないの!」
対するラマエも銀のお盆をフリスビーのように投げつける。ユーベルコードの力を使っていないにも関わらず、結構な威力だ。これも『リストランテ・ハロウィーン』の料理の力だろうか。
「お待たせしましたにゃ!」
戻ってきたミーヤは山盛りのお菓子を抱えていた。これは彼女が手作りしたものだ。そして、このお菓子にはユーベルコードの力が込められている。
「いっぱいいっぱいあるのにゃ!どれ食べるのにゃ?」
リリリリのみならず、キャラリーにもお菓子を振る舞いだすミーヤ。そして
「ラマエさんも食べるのにゃ!」
「本気で言ってるの?」
口では疑っているラマエだが、その目はミーヤが心から申し出ていることを見抜いていた。
「ん~、沢山作りすぎちゃって、残すのももったいないからあげるのにゃ。」
ぎこちなさが出ているミーヤにラマエは居ても立っても居られない衝動にかられた。
「なるほど、ツンデレムーブは初めてのようね。お手本を見せてあげるわ。」
今度はラマエがユーベルコードの力を駆使して料理を作り始めた。周囲に空腹を煽るいい香りが立ち込める。
「ラマエちゃんのお料理タイムだ!」
ミーヤのお菓子を食べつつ盛り上がる観客。君ら本当に楽しそうだね?
「私が作りたくって作ってるだけなんだから!……でも、食べたかったら食べていいわよ?」
完成した料理は和食に洋食、中華にイタリアン、スイーツなどいずれも『恋人に作ってもらいたい』や『家庭的な』が頭に付くタイプであることに注意を払えば、バラエティに富んだ顔ぶれだ。
「おいしいのにゃ!」
「かなりやりますね。」
ミーヤとリリリリもラマエの料理をいただく。そして、リリリリがふとした疑問をラマエに投げかけた。
「あなた、どうしてガチデビルのところにいたんですか?」
「簡単よ、店の拡大の為ね。」
「何の捻りもないじゃないですか。」
そんな2人のやり取りを知ってか知らずか、ミーヤはお腹いっぱいになるまでラマエの料理を堪能したのであった。
成功
🔵🔵🔴
飛・曉虎
●POW【龍虎】
ムムム…ハロウィンとは菓子を貰えねば生と死を賭して戦い合う催事
血湧き肉躍る宴に期待していれば…兄者よ、ツンデレとは一体何だ!?
ふーむ…吾輩と兄者とでよく交わしているやりとりとな
そうであれば普段と変わらぬ様で良いのだな、ムハハハ!
おお、グルメ勝負か!
であれば味見役を…え、吾輩も『裂鋼爪』で材料を仕込めと?
うぬぬ…吾輩は食べる専門であるが断ればゲンコは避けられぬ!
別に兄者がおっかないからではないぞ!
吾輩も食べたいのだからな!
おお、これは吾輩の大好物である中華風オムレツ!
流石は兄者
吾輩の好みで責めてくるとは…なっ、吾輩の為に作った訳でないと!?
吾輩も兄者の為に手伝った訳でないからな!
黄・威龍
●POW【龍虎】
…ま、互いに惚気あったり茶をしばいたりしていればシャオの言い分も尤もだ
ツンデレってのはアレだ
テメェや俺が照れ隠しでよくやってしまう奴だ
さぁて、デビルパワーとやらの力で満ちた拳って奴を知りたかったが、ここはこの場の空気に合わせて…茶を馳走になるとするか
しかし、ここはグルメ迷宮
願えば料理が出てくるが、作ってならねぇって決まりは存在してねぇ…いくぞ、【ウォー・アイ・満漢全席!】
努力して味を追求した紅茶が相手なら、こちらはグルメな魔王も唸ってしまう料理を出すまでだ
シャオが小言をボヤきながら細かく切った材料で作るは…中華風オムレツ
テメェの為に作ったんじゃねぇからな、食いな!
●『覇浪院』と書く訳ではない
ツンデレバトルも佳境に入ってきた頃、デビキンの悪魔たちとはいささか異なる風情の2人組がやって来た。
「ムムム…ハロウィンとは菓子を貰えねば生と死を賭して戦い合う催事。血湧き肉躍る宴に期待していれば……。」
難し気に状況を見つめるのは飛・曉虎(大力無双の暴れん坊神将・f36077)。そもそも彼女の知るハロウィンの定義が間違っているのだが、ここにツッコミを入れる者はこの場にいない。そして『ツンデレ』という聞きなれぬ概念。
「兄者よ、ツンデレとは一体何だ!?」
曉虎が隣にいた黄・威龍(遊侠江湖・f32683)に尋ねる。彼はとある経緯で曉虎と義兄弟の契りを交わし、曉虎から『兄者』と呼ばれていたのだった。
「ツンデレってのはアレだ。テメェや俺が照れ隠しでよくやってしまう奴だ。」
「ふーむ…吾輩と兄者とでよく交わしているやりとりとな。そうであれば普段と変わらぬ様で良いのだな、ムハハハ!」
威龍の説明にあっさりと納得した曉虎。この2人、普段からこんなノリなのである。
「あんたのために努力した訳じゃないから!……でも、食後のティータイムに一杯どう?」
ラマエがユーベルコードの力を使い、観客に温かい紅茶を振る舞いだした。紅茶の心地よい香りと湯気が周囲を包む。
「やっぱこれだよな~。」
「来店ポイント貯めたらドリンク1杯無料なんだぜ!もちろんこの紅茶も対象だ!」
「さぁて、デビルパワーとやらの力で満ちた拳って奴を知りたかったが、ここはこの場の空気に合わせて…茶を馳走になるとするか。」
威龍も紅茶を受け取り、茶葉の香りを楽しみながら飲み始めた。曉虎は紅茶が熱いのか、ふーふーと冷ましつつチビチビと飲んでいる。
観客の空気がラマエに傾き始めている。対するリリリリは料理があまり得意ではない。決して作れないわけではないのだが、どうしても「切っただけ」とか「焼いただけ」みたいな大雑把なものになってしまうのだ。
「あ、ちょうどいいところに猟兵が。」
2人に気づいたリリリリが声を掛けてきた。
「ちょっと空気がラマエに傾いていまして、何とかしたいので2人に手伝ってほしいんですね。」
何ともアバウトなお願いだが、それで断るほど2人も野暮ではない。二つ返事で引き受けると、威龍は早速準備を始めた。
「ここはグルメ迷宮。願えば料理が出てくるが、作ってならねぇって決まりは存在してねぇ…いくぞ!」
威龍の周囲がユーベルコードの光に包まれる。そして現れたのは大振りの中華鍋に高火力のコンロ。そして山海の新鮮な食材の数々。威龍は厨房を丸ごと出現させ、そこで料理を作ろうというのだ。
「おお、グルメ勝負か!であれば味見役を…」
ワクワク顔の曉虎であったが、そこに威龍が待ったをかける。
「シャオ、お前も手伝うんだ。ほら、これを細かく切れ。」
曉虎の目の前に大量の材料が置かれた。
「うぬぬ…吾輩は食べる専門であるが断ればゲンコは避けられぬ!別に兄者がおっかないからではないぞ!吾輩も食べたいのだからな!」
ツンデレムーブなのか素なのかよく分からない叫びを上げながら、ユーベルコードの力が込められた獣爪で材料を細かく引き裂いていく。
「努力して味を追求した紅茶が相手なら、こちらはグルメな魔王も唸ってしまう料理を出すまでだ。シャオが小言をボヤきながら細かく切った材料で作るは…中華風オムレツ!」
曉虎が切り刻んだ大量の材料を、高火力の中華鍋で炒めて下味をつけて一度取り出し、そこに溶き卵を流し入れて先程炒めた具材と合わせ、形を整える。
ふわふわの状態で皿に盛られた中華オムレツに合わせるのは、黒酢を使った特製のあんかけだ。彩りにみじん切りの青ネギを飾り付け、あっという間に中華オムレツが完成した。
「おお、これは吾輩の大好物である中華風オムレツ!流石は兄者、吾輩の好みで責めてくるとは…」
嬉々として中華オムレツに手を伸ばす曉虎であったが、その瞬間、威龍がぴしゃりと言い放った。
「テメェの為に作ったんじゃねぇからな、食いな!」
スイ、と皿が曉虎を通り越し、ラマエの前に飛んでいった。
「なっ、吾輩の為に作った訳でないと!?吾輩も兄者の為に手伝った訳でないからな!」
ツンデレというよりただの文句じゃないか、という意見はさておき、ラマエは見極めるように中華オムレツを見た。
「この食欲をそそる黒酢の香り、シンプルながらも蓮華を入れたくなる衝動に駆られる見た目、悔しいけどやるじゃない。」
そして蓮華で中華オムレツをひと掬いし、口へ運ぶラマエ。一口、また一口。その様子を皆が固唾を呑んで見守る。
「……ライスよ、白いライスと一緒に食べる味だわ!」
「そう言うと思ったぞ。ほら。」
威龍が茶碗に盛られた炊き立てご飯を差し出すと、ラマエは迷うことなくその上に中華オムレツを乗せ、何の遠慮もせずにかき込む。
「うわぁ、美味しそう……。」
「見てるこっちも腹減ってきた。」
「む、あれは天津飯ですね。確かに美味しいのは間違いないです。」
目の前で展開される調理に、視覚と嗅覚をやられた観客たちの空気が威龍に傾き始めた。そして
「お前らの分も作ってあるぞ、食え!」
決定的ともいえる一言に、勝負はほぼ決した。
「吾輩も兄者の為に手伝った訳でないからな!」
「いいじゃないですか、ちゃんと曉虎の分も用意してあったんですから。」
2人並んで中華オムレツを食する曉虎とリリリリ。
「男のツンデレ、というのは時に女のツンデレを凌駕する破壊力を発揮するのよ。いわゆる『ギャップ萌え』の要素があるからね。」
そして冷静に敗因分析をするラマエ。向こうでは威龍が中華鍋を振るっている。
「時にラマエ、あなたの実力があればガチデビルに頼らずとも店を大きくできるのでは?」
リリリリが直球に話を切り出す。
「5thKINGと7thKINGを相手にここまでの立ち回りができるなら、きっと上手くいきますよ。」
「そうは言ってもね……。」
浮かない顔のラマエ。だが、思わぬところから声が上がる。
「ラマエちゃんならできるよ!」
「そうだよ!ラマエちゃんのお店、いいお店だよ!」
「この世界で一番のツンデレ喫茶だよ!」
ラマエの店の常連客達だ。店のことならラマエの次くらいに熟知している彼らの声が、ラマエの心に染み渡る。
「ラマエ、どうして泣いているのだ?」
曉虎が問う。ラマエの答えはシンプルだった。
「目にゴミが入っただけなんだから!……みんな、アリガト。」
成功
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