『リストランテ・ハロウィーン』
今宵も地上100フロアが100の料理で埋め尽くされ、地下100フロアの料理が片っ端から食い尽くされていくという恐ろしい噂のレストラン型超巨大ダンジョンである。
帝都櫻大戦中、キャンピーくんの力でデビルキングダムにやってきた勇者リリリリは腕を鳴らす。
「ひさしぶりに勇者します。腕がなるなあぶんぶん」
「死んだと聞いてたのに!」
「話が違う!」
「なんか気を失って気がついたらガチデビルに乗っ取られてました。私はオブリビオンではありません」
悪魔たちのブーイングを他所にリリリリは、久しぶりの勇者パワーに大張り切りで、悪魔達は夜な夜な恐怖に怯えているそうだ。
そんなリリリリが次に目指すは、地上+地下合計200階の巨大なダンジョン! 『リストランテ・ハロウィーン』!
なんでも、ビストログルメの没後も無限に「ちゃんと盛りつけされたおいしい料理」が湧き続けるというその迷宮は、実は今やオブリビオン残党の巣窟と化しているらしい。
このリストランテに巣食うオブリビオン達は、ダンジョングルメが膨大なデビルパワーを秘めていると知り、戦争に負けたあの日から、ひたすらに食べて食べて食べまくっているとのこと。
「それは撲滅必須ですね、勇者パワーで片っ端から撲滅です。ぶんぶん」
決してグルメが目当てではありません、と念を押しつつ、リリリリが向かうは巨大なダンジョン!
勿論猟兵達にも召集が掛かる。
「勇者様がそのように申していますので……まあ、猟兵の皆さんなら力こそパワーで何とでもなるでしょう! とご依頼いただいております……ね」
依頼書の束から一つ、付箋の付いた一枚を読み上げるユミナス・チャイブ(マジカル☆強化ナイト!・f22254)。
リストランテ・ハロウィーンの巨大迷宮内部では、素敵に盛り付けされたあらゆるジャンルの料理が無限に湧き出しており、これを食べるとデビルパワーでパワーアップできちゃいます! と注目用の付箋がついた行を読み上げたのち、グリモア猟兵として胃薬のストックを確認する。
「その昔、焼きそばから高級料理までなんでも作る魔王ビストログルメが建設した、という由緒正しき(?)ダンジョンのようですね、リリリリ様は非常にやる気に満ちているとの報告もありました」
リリリリ単独でも踏破出来そうな気もしなくもないが、何せ超巨大なダンジョンとのこと……数が多いに越したことはない。
何せ、料理が無限に湧いて出てくるというくらいだ、猟兵の胃袋も大いに期待されているのだろう。
「その場に沸いた料理を食べて力を付けつつダンジョン攻略とは……なかなかに暴力的ですね」
ダンジョンに巣食うオブリビオンも同様に食べて力を付けているとなれば、食べずに戦うという選択肢は無いだろう。
デビルパワー、存分に利用させてもらおうではないか。
「食欲の秋に相応しい、皆様のグルメバトルを展開していただければと思います!」
ロミナ毅流
猟兵の皆様、お疲れ様です! ロミナ毅流です。
食欲の秋に相応しい+ハロウィンを楽しめるシナリオフレームの登場です!
グルメダンジョン、ちょっと興味ありますね!?
この季節ならではの味覚から、季節外れの料理まで、何でもござれの豪華食卓を楽しみつつ、勇者リリリリ様とオブリビオン討伐に出掛けられるチャンスでもあります!
美味しいものを美味しくいただくのも猟兵の務め……? でしょうかね。
●第一章:『リストランテ・ハロウィーン!』
食べて食べて食べまくってデビルパワーを吸収しましょう!
ふさわしい食べ方で料理を食べるとより効率よく強力なデビルパワーを獲得することができますよ!
●第二章:対オブリビオン戦
リストランテの料理を食べまくってパワーアップを図っている、強力なオブリビオンに挑みます!
こちらも食べまくっていればプレイングボーナスが付与されますよ!
(食べていない場合でも、勇者リリリリが共闘してくれますので大丈夫! うまく連携を図ってください)
第一章で美味しくいただき、第二章では得たパワーを解放! といったプレイングが期待されるシナリオです。
皆様のメシテロプレイングが唸ること間違いなし! 是非とも奮ってご参加くださいませ!
宜しくお願い致します。
第1章 日常
『リストランテ・ハロウィーン!』
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POW : ボリュームのある料理を豪快に食べる
SPD : 気軽な軽食をライトに食べる
WIZ : 洗練されたマナーで高級料理を食べる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鐘射寺・大殺
魔王ビストログルメが遺した伝説の迷宮であるか。
無限に湧く料理を食すだけでパワーアップできるなど、
魅力的にも程があるのう!そんな素晴らしいスポットをオブリビオンに
占拠させておくわけにはゆかぬ。
【炎の魔王軍】を召喚し、《大軍指揮》《悪のカリスマ》で統率する。
それではこれより、リストランテ・ハロウィーン攻略作戦を開始する!
さて、まずは軍団を挙げての大食事会だ!
配下の兵士たちには質より量で、B級グルメの食べ放題を振舞う。
我輩は宮廷魔術師団長や悪魔戦士団長といった魔王軍幹部らと
共に、高級料理のフルコースを堪能するぞ!
《宮廷作法》《貴人のカリスマ》を発揮し、一級料理に舌鼓を
打ちつつ作戦会議といこうかのう!
「魔王ビストログルメが遺した伝説の迷宮であるか」
迷宮を前に、鐘射寺・大殺(砕魂の魔王・f36145)は両腕を組みキメポーズで言い放った。
「無限に湧く料理を食すだけでパワーアップできるなど、魅力的にも程があるのう! そんな素晴らしいスポットをオブリビオンに占拠させておくわけにはゆかぬ」
そう、この迷宮の最大の魅力は、魔王亡きあとも無限に湧くグルメの数々であり、それを食してパワーアップが出来るという一点に尽きる。
……現状、その恩恵を受けているのがオブリビオンだけというのが問題ではあるのだが。
しかし、この度の勇者リリリリによる討伐部隊に参加出来るのは僥倖であった。
思う存分にグルメを味わえる……もとい、パワーアップが出来るとあれば、猟兵としてこの上ない魅力スポットであると言えよう。
迷宮自体を破壊することは難しいが、定期的に猟兵が巡回して食べまくり……おっと、力を付けてオブリビオン退治に勤しめるのであれば、何も恐れる場所ではなくなるだろう。
デビルキングダムに於いて暴食の限りを尽くすというのは大層悪いことであり、倫理的にはかなり「善いこと」になるのだろう。
これは、勇者も相当なワルとして語り継がれていくことになるに違いない。
その一団として参加出来るとあれば、大殺にとっても魅力的な話である。
「【炎の魔王軍】を召喚し、《大軍指揮》《悪のカリスマ》で統率する」
配下モンスターを大量に召喚し、更なる巨大な一団として参戦することを決め、鬨の声を挙げた。
「それではこれより、リストランテ・ハロウィーン攻略作戦を開始する!」
真っ赤なマントを翻し、モンスターを率いていざ『リストランテ・ハロウィン』へ突撃!
「さて、まずは軍団を挙げての大食事会だ!」
配下のモンスターたちの士気もかなり昂っている。
何せ、上司の許可ありで無料食べ放題状態なのだ、それはもう、腕も胃も鳴ろうというものだ。
特に、B級グルメの受けがいい。
高級な食事よりも、圧倒的にコスパも良く、工夫のある珍しい食事となれば、そこかしこから雄たけびも上がるし、おかわりの声も次々上がる。
その一声だけで、次々と現れる料理たち。
しかも、同じものばかりではなく、色々なご当地のB級グルメが湧き出てくるのだから、胃も心も大満足であった。
「ありがてえ、ありがてえ」
「うめえ、うめえ」
「こっちも、こっちのもイケるぞ! まだまだ食える!」
うんうん、そうだろうそうだろうと満足げに頷く上司に見守られながらの飯が美味い。
「我輩は宮廷魔術師団長や悪魔戦士団長といった魔王軍幹部らと共に、高級料理のフルコースを堪能するぞ!」
大殺側は厳選された高級料理を前に、ズラリと綺麗にテーブルを囲む。
団長、幹部らも揃って卓に付くと、前菜から順に料理が現れて並んでいく。
皆、器用にテーブルマナーに従い、美しく食べ進めていく──。
(《宮廷作法》《貴人のカリスマ》を発揮し、一級料理に舌鼓を打ちつつ作戦会議といこうかのう!)
本来、食事をしながらの会話はあまりマナーが良いものではないのだが、ここはダンジョンであるので、そこは気にせずに大殺と団長・幹部らは今後についての話し合いをしながら料理に舌鼓を打つことにした。
「ふむ……確かにこれは美味。しかもこうして味わうだけでも体に力が漲るようである」
「このような力、野放しにはしておけませんな」
「して、斯様な力を手にしているのは我々だけではなく、オブリビオン側もとのことであるが」
「うむ、その点に関しては、我らには勇者リリリリという存在もある、こうして皆で食事会を楽しみ力を付け団結力を高めることにより、討伐も捗ろうというもの」
「ふふふ……今宵の討伐、まさに腕が鳴るのう!」
前菜、サラダ、スープ、サイドディッシュ、メインディッシュ……勿論食事に合う飲み物も大変に美味であり、一同の食事は滞りなく優雅に続いていく。
特にメインディッシュのラムチョップの焼き加減が絶妙であった。
ソースの旨味がまた、肉本来の味を引き立て、臭みを消し見事な調和を見せており、大殺も思わずおかわりと言ってしまいそうになるくらいだ。(勿論コース料理におかわりという概念はない。)
締めのデザートが登場したところで、戦術会議も佳境に差し掛かっている。
「それでは、配下のものたちに先陣を切らせ、三方向から遠距離・魔術、そして接近戦の攻防を繰り広げるという構図で宜しいか」
「我輩は総指揮をとりつつ、勇者殿と突撃部隊を形成するぞ!」
フランボワーズとピスタチオのジェラートが滑らかに口の中で解けていく。
「うむ、満足だった。これで心して戦闘に挑めるというもの!」
大殺は口元を拭いながら、湧き上がる力を噛み締め、次なる戦に挑む決意を新たにするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
パトリシア・パープル
大量に食べてパワーアップとか幸せの極みっしょ!
マナーとか知らないから狙い目はジャンクフードね
到着したら速攻でUCを使用
変更する物理法則は『質量保存の法則』を指定
これで、質量を無視して食事ができるはずだから、後はたべまくるだけね
狙い目は特大サイズのハンバーガー
一応、食べ方の種類はあるのよね
まずはバンズとパティをスライドさせて段差を作り、厚みを減らして食べるスライドバスター!
次は、回転させながら周囲から少しずつ齧って行くローリングスター!
時には上下反転させて食べるアップサイドダウン!
そして最後はバーガーを押しつぶして一気に食べるボンバープレス!
創意工夫で楽しく食べる
これがジャンクフードの醍醐味よ!
「大量に食べてパワーアップとか幸せの極みっしょ! マナーとか知らないから狙い目はジャンクフードね」
リストランテ・ハロウィンを前に、パトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)は空腹で意気込んでいた。
美味しいものをたらふく食べられると聞いて、いてもたってもいられずお腹を空かせてやってきたのだ。
食べたいものを食べられるだけ食べる、夢のような場所。
人生に於いて一度は経験してみたい贅沢の一つだが、これが叶うことはなかなか無いものだ。
それが叶うこの場所にやってきて、じゅるりと唾を飲み込む。
入り口前から既に美味しそうな香りが漂っているではないか!
「うーん! これは食べ甲斐がありそうね!」
速攻でユーベルコード:|MOF式物理干渉《モフシキ・フィジカル・リライト》を使用するパトリシア。
『常識の通用しない世界にしてあげるわ! アニメみたいにね!』
変更する物理法則は『質量保存の法則』を指定。
度合いに応じて【自身に向けられた物体へのベクトル操作能力】が高まり、攻撃力・耐久力・速度が最大1.5倍まで増加出来るのだ。
「これで、質量を無視して食事ができるはずだから、後はたべまくるだけね」
腕まくりをしながら、ずんずんとダンジョンに入店していく。
(狙い目は特大サイズのハンバーガー!)
ファストフードのなかでも大きめの、所謂アメリカンサイズと言われる類のハンバーガー、サイドメニュー等がこれでもかと湧き上がってくる。
ドリンクのカップを手にしてさて、とおしぼりで手を拭いて準備は万端。
「一応、食べ方の種類はあるのよね、それでは準備をして……」
いただきます、と手を合わせて軽く一礼すると、巨大ハンバーガーの群れに挑むパトリシア。
まずはバンズとパティをスライドさせて段差を作り、厚みを減らして食べるスライドバスター!
次は、回転させながら周囲から少しずつ齧って行くローリングスター!
時には上下反転させて食べるアップサイドダウン!
そして最後はバーガーを押しつぶして一気に食べるボンバープレス!
食べ方の工夫を一通り試しながら、次々と豪快にハンバーガーを口に運んでいく。
噛み締めるほどに肉汁溢れる炭火焼パティ、ふわふわのバンズに、フレッシュなトマト、時にはベーコンやチーズなど味の濃い具材も楽しみつつ、グリルした玉ねぎやアボカド、フィッシュカツのものも熱々で食欲が止まらない。
ジャンクフードとはいえ、どれも味のバランスが良いし、適度に野菜も挟み込まれていて栄養面も問題なく食べ進められる。
フライドポテトもコールスローも時々口休めに食べるにぴったりだし、炭酸の利いたドリンクは口の中をさっぱりとさせてくれ、まだまだ無限に食べられそうだ。
「創意工夫で楽しく食べる、これがジャンクフードの醍醐味よ!」
空になったドリンクカップと、バーガーの包み紙が積み重なっていく。
次はどの種類のものを食べようかと思案する時間も楽しい。
パトリシアにとって、リストランテ・ハロウィンはまさに理想のハンバーガーダンジョンと化していた。
そして食べれば食べるほど、パワーが湧いてくる。
美味しくて恐ろしいダンジョンの攻略はまだ始まったばかりだ。
「よぉし、次はハイパートリプルステーキチーズバーガー、行っちゃおう! ドリンクはコーラでサイドはフレンチポテトとオニオンフライ! まだまだ行けるわよ~!」
望めば望むだけ湧き出てくる食事。
仕組みはわからないが、今はとにかくこのダンジョンを楽しめるだけ楽しんでおこうと思うパトリシアなのだった。
成功
🔵🔵🔴
獅子戸・馗鍾
ふぅむ、無限に湧き出す料理とは…まさしく藤原氏の勇将『藤原秀郷』殿が大百足退治の褒美に龍神より賜った無尽俵の如し
わしも若くイケイケだった頃はそれはもう、藤原秀郷殿に劣るも勝らぬ武勇伝があったものじゃが、今はそれを語る場ではありませぬ
食は命の源であり、食は全ての基本
幼き頃の若にとくと説いた事が本当であったと感謝し、その命をありがたく頂戴仕ろう
しかし、普段食べ慣れている平安の馳走ではなく、異郷の世界ならではの料理を体験したいもの
ここは若が何時ぞやか政務をすっぽかして異世界へ遊びに行った折に食したと申された拉麺なる物を頂こう
ずるずると音を立てるのが作法とされるが、味は如何ほどに…むほおお!
美味い!
「ふぅむ、無限に湧き出す料理とは……まさしく藤原氏の勇将『藤原秀郷』殿が大百足退治の褒美に龍神より賜った無尽俵の如し」
平安装束をかっちりと着こなし、獅子戸・馗鍾(御獅式神爺・f43003)が入口前に立っている。
リストランテ・ハロウィン。
異国の世界で名を馳せる、グルメダンジョンであると聞いてやってきた。
(わしも若くイケイケだった頃はそれはもう、藤原秀郷殿に劣るも勝らぬ武勇伝があったものじゃが、今はそれを語る場ではありませぬ)
自慢の髭を撫でながら、店……もとい、ダンジョン構えを見やり、思案していた。
どのような仕組みであるかはわからないが、食事をすることで力が沸き上がる上に、その料理が無限に湧くとなれば、不思議極まりなく調査に挑むべきかと思うのだが、はてさて、どう攻略すべきか?
「食は命の源であり、食は全ての基本。幼き頃の若にとくと説いた事が本当であったと感謝し、その命をありがたく頂戴仕ろう」
食事とは、いただきますに始まり、ご馳走様に終わるある意味儀式のようなものだ。
動植物の命を余さず無駄なく吸収するだけでなく、数々の調理方法により栄養価の吸収を助け、手間と味付けによりそれを娯楽に高めあげる。
本来食事は生き物にとって欠かせない摂理ではあるのだが、こと人間に於いては楽しみにまで昇華させている行為でもあった。
それを無限に楽しめるとなると……これは覚悟して挑む必要があるな、と馗鍾は|武士《もののふ》として改めて決意をし、その入り口の門戸を潜った。
「しかし、普段食べ慣れている平安の馳走ではなく、異郷の世界ならではの料理を体験したいもの」
望めばどんな料理も湧き出てくるというリストランテで、馗鍾は何を食すべきかをまず悩んでいた。
食事の準備に於いて『何でもいい』は禁句であるとどこかで聞いたような気がする。
それに、このダンジョンの仕組み的に、ある程度具体的に希望しなければ料理は提供されないようだった。
あれやこれやと悩んでいる間には、特に何かしらの想定した料理が沸き上がってこなかったのである。
原理は全く分からないが、とにかく不思議な場所であるな……と、馗鍾はやや警戒して足を進めた。
「よし、ここは若が何時ぞやか政務をすっぽかして異世界へ遊びに行った折に食したと申された拉麺なる物を頂こう」
そう思った瞬間、一人前の卓が現れる。
何とも不思議なその現象に驚きながらも、馗鍾は席に付くと……テーブルの上にどこからともなく拉麺が湧いて出てきたではないか!
(ほう……! これが、若が食した拉麺なる料理!)
大振りな丼のような、赤い装飾の器に、麺と少しの具材、そしてたっぷりの汁が入った一膳がそこのあった。
立ち上る湯気からは、何とも言えぬ芳醇な出汁の香りがしてくる。
(なるほど、つけ汁と共に食べる麺料理であるな! 聞いたところによると基本の型は醤油をもとにした味付けらしいが、これがまさにそれか……!)
若から聞いていた通りの見た目、そして想像以上に胃をくすぐる香り。
「ずるずると音を立てるのが作法とされるが、味は如何ほどに…むほおお! 美味い!」
出汁と醤油の絡み合いが見事な風味になり、細打ちの麺に絡んで口の中に滑り込んでくる。
麺のコシも素晴らしい、適度な歯応えがあり、のど越しもつるりとしている。
添えられたゆで卵、筍を甘辛く煮たもの、刻み葱、煮込んだ肉の薄切り……かなりベーシックなしょうゆラーメンではあったが、馗鍾には初めての味であった。
あまりの美味さに、それなりの量があったかと思った丼があっという間に空になってしまったではないか!
「むうう……! これは確かに美味なる料理……! はっ、しかしこれを理由に若の政務放棄を許してはならぬ……いやしかし美味であるな……」
知ってしまったらもう、戻れない。
馗鍾は次なる拉麺の出現を今か今かと待ち侘びる自分に気付いてしまった。
この後、リストランテは馗鍾を拉麺のコースでもてなすべく、小ぶりの器で様々な味と具材の拉麺を提供した。
しょうゆの次は、塩……味噌……そしてとんこつ。
バター、コーン、野菜炒め、異国の茸、海苔などなど、スープと具材の組み合わせも華やかに馗鍾を楽しませてくれる。
楽しそうに麺とスープをすすりながら、馗鍾は夢中になって拉麺を満喫していた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『『断悪の天使』カコエル』
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POW : エンジェル・プロモーション
【自身が敵から負傷を受ける度に上位の天使】に変身する。変身の度に自身の【翼】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD : セイクリッド・シャイン
【自身から溢れ出る聖なる輝き】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
WIZ : エンジェルハイロゥ
対象の【頭部】に【天使の輪】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[頭部]を自在に操作できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
お腹いっぱいに豪華料理をこれでもかと食した猟兵達を待っていたのは、同じく食事で力を付けたオブリビオンであった。
リストランテで力を付けたのはこちらも同じ……さて、猟兵達がわんぱくオブリビオンに対抗する腹ごなし、上手く行くだろうか?
鐘射寺・大殺
ふーっ、腹ごしらえはこんなもんかのう。
わが軍団も、我が輩も存分に料理を味わい鋭気を養った。
では、オブリビオン退治を始めようか!
勇者リリリリもよろしく頼むぞ!
魔剣オメガを《ぶん回し》、天使に《切り込み》だ!
…ぬっ、こやつ変身しおった!?負傷を回復し、
そのうえパワーアップするのか!
このままではダメージを与える度に相手が強化されてしまう…
よし、ここはリリリリと連携をかけて戦おう。
ワイバーンの有栖川の背に乗り、《空中戦》だ!
【魔王の雷】を降らせ、敵の行動を妨害しつつ空から接近しよう。
リリリリが盾役を引き受けている間に《騎乗突撃》!
有栖川の体当たりと、
抗体兵器NOによる《回復阻害攻撃》の同時アタックだ!
「ふーっ、腹ごしらえはこんなもんかのう」
鐘射寺・大殺(砕魂の魔王・f36145)とその配下である【炎の魔王軍】は、『リストランテ・ハロウィン』の湧き出る料理をこれでもかと堪能し、次なる階層に足を踏み入れた。
「わが軍団も、我が輩も存分に料理を味わい鋭気を養った。では、オブリビオン退治を始めようか!
勇者リリリリもよろしく頼むぞ!」
暫く似たような景色の回廊が続く中を進む一団。
勇者リリリリも殿を務め、行くや進めや、いざダンジョンを仕切っているオブリビオンとの対峙!
どのくらい階段を下りただろうか、やっと異様な空気の階層に到達すると、そこに姿を見せたのは、同じく料理を食らってパワーアップしていたオブリビオン:『断悪の天使』カコエルであった。
「魔剣オメガを《ぶん回し》、天使に《切り込み》だ!」
しかし、大殺と軍団の突進は、あっさりとカコエルに躱されてしまう。
すぐさまカコエルは、エンジェル・プロモーションを唱えた。
【自身が敵から負傷を受ける度に上位の天使】に変身する技だ。
変身の度に自身の【翼】の数と身長が2倍になり、負傷が回復するのだ。
「…ぬっ、こやつ変身しおった!? 負傷を回復し、そのうえパワーアップするのか!」
天使と名が付き、頭上に光の環を輝かせるオブリビオンは、これまで食べた料理の力と本来持ち合わせた能力を組み合わせて立ち回り、存分にパワーアップした姿を見せつける。
(このままではダメージを与える度に相手が強化されてしまう……よし、ここはリリリリと連携をかけて戦おう)
勇者リリリリに視線を向け、連携の合図を取る大殺。
軍団の配下達はそのままカコエルに突撃させ、ワイバーンの有栖川を召喚する。
その背に乗り、《空中戦》を挑む!
ダンジョンとはいえ、カコエルも飛べるほど、かなりの広さがあるフロアである。
ワイバーン・有栖川が器用に低空飛行をしてカコエルを狙っていくと、大殺はその背の上でユーベルコード:|魔王の雷《デビルライトニング》を唱えた!
『フハハハ!天をも支配する、我輩の権能をとくと目に焼き付けるがいい!』
全身に【雷雲】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【魔界の黒い稲妻】で妨害する技だ。
有栖川と共に、雷雲の力を得て稲妻と共に空から接近して攻撃を図る。
これにはカコエルも苦戦を強いられ、エンジェル・プロモーションの効果を発揮出来ぬターンが続く。
その間も大殺と有栖川の黒い稲妻攻撃がヒットし、どんどん交戦は拮抗から優位に傾き始めた。
勇者リリリリが盾役を引き受けている間に、大殺の構えが大きく変わる。
「行くぞ、《騎乗突撃》!」
有栖川の体当たりと、抗体兵器NOによる《回復阻害攻撃》の同時アタックを仕掛けた!
「!!!!」
この攻撃がカコエルに見事に命中、回復技を阻止されてしまっては、パワーアップも儘ならない。
そして再度、大殺と有栖川による稲妻アタックが命中する──!
「やりましたね!」
リリリリが微笑む、その場に倒れたのは『断悪の天使』カコエル。
見事、大殺と有栖川、そしてその配下の軍団のアタックにより勝利を手にするのだった。
大成功
🔵🔵🔵
パトリシア・パープル
食事でパワーアップできたとはいえ、負傷回復されるとか面倒ね
でも……迂闊な強化は身を滅ぼすってことを教えてあげるわ
まずはスカンクガス爆弾を放って煙と激臭で撹乱目潰し
勿論、その程度じゃ止まらないってことは承知
敢えて相手にUCを使わせたところで、こっちのも本命のUCを叩き込むわ
一撃で倒せなくても問題なし
だって……相手が使ったUCの効果を反転させることが目的だからね
これで相手は上位じゃなくて『下位の天使』に変身することになるし、変身の度に翼の数と身長が2倍じゃなくて『半分』になるはず
パワーアップどころかパワーダウンさせたところで、更にUCで追撃!
どんどん弱体化させながら吹っ飛ばしてあげるわ!
「さーて、そろそろ良い頃合いかしら、オブリビオン退治にレッツゴー!」
パトリシア・パープル(スカンクレディ・f03038)も、しこたま美味しい料理を食べパワーアップしたところで、次の階層へと足を運ぶ。
『リストランテ・ハロウィン』の上下合計200階層という広大な敷地内でも、パワーアップしたからこそ相手の気配も感じ取れるようになっていたのだ。
強大な力を感じながら、ずんずんとフロアを迷いなく進んでいくパトリシア。
そして現れたのが……『断悪の天使』カコエル。
天使の風貌でありながら、邪悪な気配と恐ろしい力を感じさせるオブリビオン特有のオーラを纏っており、ふよふよと宙を浮いて移動しているのが見えた。
互いに気配を感じ合うと、目を合わせて対峙する。
カコエル側はすぐさまエンジェル・プロモーションを唱え、自身の強化を図ろうとする。
【自身が敵から負傷を受ける度に上位の天使】に変身し、その度に自身の【翼】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する技だ。
「食事でパワーアップできたとはいえ、負傷回復されるとか面倒ね。でも……迂闊な強化は身を滅ぼすってことを教えてあげるわ」
パトリシアはそれをただ見ているだけではない。
スカンクガス爆弾を放って、煙と激臭で撹乱目潰し攻撃を試みる。
「!」
これにはカコエルも若干怯みかけたが、ダメージはエンジェルプロモーションの効果で回復出来てしまう。
(勿論、その程度じゃ止まらないってことは承知)
これはパトリシアの作戦には既に織り込み済みだ。
(敢えて相手にUCを使わせたところで、こっちのも本命のUCを叩き込むわ)
改めて姿勢を整え、技の発動に備えて構える。
『全部裏返しにしてあげるわね……オセロゲームみたいに!』
パトリシアのユーベルコード:|因果反転衝撃波《ユーベル・インヴァージョン・ショックウェーブ》がカコエルに命中すると、カコエルは遠くの壁まで吹き飛ばされた!
すぐさま回復を図ろうとするカコエルだが……。
「一撃で倒せなくても問題なし。だって……相手が使ったUCの効果を反転させることが目的だからね」
パトリシアの目的は見事に的中し、カコエルのエンジェルプロモーションは効果を反転させられてしまう。
つまり、回復しようとするたびにダメージに変換されてしまうのだ。
(これで相手は上位じゃなくて『下位の天使』に変身することになるし、変身の度に翼の数と身長が2倍じゃなくて『半分』になるはず)
回復はダメージに、大きさは半分に。
これにはカコエルも混乱してしまった。
「パワーアップどころかパワーダウンさせたところで、更にUCで追撃! どんどん弱体化させながら吹っ飛ばしてあげるわ!」
反転を確認したパトリシアの怒涛の攻撃が炸裂する! これにはカコエルも対処しきれず、どんどんダメージが強化され、体の大きさも天使の威厳も減っていき──ついには天使というよりも妖精といった程度のサイズにまで縮み弱り切ってしまった。
「ふふん、どうかしら? 私の頭脳戦の勝利ってところね!」
地面に落ちて震えるカコエルの羽根を摘まみ上げ、パトリシアは優位に立ち微笑む。
そして最後の一撃を叩き込むと……更に小さくなってしまったカコエルはもう、動かない。
「やったわ!」
パトリシアは勝利の喜びにガッツポーズを決める。
『リストランテ・ハロウィン』に束の間の平和が訪れるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
(他に仕留めたい人がいればその手助け)
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
「相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。」
ラムダ・ツァオ(影・f00001)は来る強敵オブリビオンとの対戦に向けて、作戦を練っていた。
『リストランテ・ハロウィーン』の階層は地上地下、合わせて200もあるのだ。
だが、リストランテの料理をたらふく食べたオブリビオンの強力な気配を辿ること自体は、恐らく可能であろう。
問題は、どんなオブリビオンであろうとも退治する……とはいえ、長期戦になった場合は、やはりこちらの分が悪いということだ。
階段を一つ一つ踏みしめながら進む、その足取りはかなり慎重である。
やがて、オブリビオンの気配が感じられるようになり……姿を現したのは『断悪の天使』カコエル!
天使でありながらオブリビオンと化した存在に、ラムダは若干の嫌悪感を覚えた。
(天使型となると……やっぱり長期戦は避けられないわね。着実に狙うしかない)
勿論、隙があれば見逃したくない。
(見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極める!)
ひとまずご挨拶とばかりに攻撃を試みるが、これは通らない。
次に投擲攻撃を見舞うが、これは命中するも、相手のユーベルコード:エンジェル・プロモーションの発動を促してしまう結果になってしまった。
【自身が敵から負傷を受ける度に上位の天使】に変身し、その度に自身の【翼】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する技であった。
初見の状態から翼と体躯のサイズの増加に驚き、ラムダは別の手筈を検討せざるを得なくなってしまったのだ。
(通常攻撃は相手の回復と増長に繋がってしまう……だとしたら、どうする? こちらも有効なユーベルコードを使って仕掛けるしかないか……)
牽制攻撃で間合いを図りつつ、そのタイミングを待つ。
相手の隙を何とか見つけて、有効な攻撃を一つ与えたいと考えているのだが、案の定長期戦を覚悟せざるを得なかった。
後は、気力と体力の勝負かもしれない。
カコエルからの攻撃は寸でのところで見切り避けつつ、その時を待つ。
じっくり……焦らずに……。
(よし、今!)
カコエルが焦れて連続攻撃に入ろうと姿勢を大きく溜めたところに、渾身の一撃を放ち、追いかけ即座にユーベルコード:剣刃一閃を発動させた!
【近接斬撃武器】が命中した対象を切断する技だ。
「!」
優位に立っていたカコエルはやや慢心していたのか、翼と体躯の変化中を狙われ、まともに攻撃を食らってしまう。
通常ならその瞬間もエンジェル・プロモーションが発動しそうなものだが……『発動中の被ダメージ』に対応しきれず、増えようとした翼は消え、増加しようとしていたぶんの体躯はラムダの近接斬撃により切り裂かれる!
(よし、この感じでタイミングを計って狙っていけば……行ける!)
カコエルに向けて改めて狙いを定めるラムダの斬撃が繰り返しヒットし、剣刃一閃の効果で天使は翼をもがれて強化に至れない。
そのうち強化の力が尽きたのか、カコエルはまともに立ち回れずダメージを食らうばかりになっていき……ついにはその体の中心を文字通り『切断』された。
本体がまともに切断されて、天使カコエルは飛べなくなって地に堕ちる。
ラムダの強い集中力の勝利であった。
成功
🔵🔵🔴
陽環・柳火(サポート)
東方妖怪のグールドライバー×戦巫女です。
悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
正面からのぶつかり合いを好みますが、護符を化け術で変化させて操作したりなどの小技も使えます。
全力魔法使用後の魔力枯渇はにゃんジュール等の補給で補います
名刀『マタタビ丸』は量産品なので、もしも壊れても予備があります。
アームドフォードを使用する場合はイラストからイメージをしてもらえれば
ユーベルコードは指定した物か公開しているものを使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動し他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
リィンティア・アシャンティ(サポート)
「大切な未来が閉ざされてしまいませんように。少しでも力になれますように」
妖精ルノを連れた、礼儀正しくほわほわと穏やかな雰囲気の妖精騎士
穏やかながらエンドブレイカーとして戦っていたので
助けなければいけないもののためには勇敢に戦います
どこの世界へ向かっても困っている人がいて助けが必要ならば
お手伝いしたいです
攻撃と援護、どちらを重視するかは
周囲との連携を大事にしつつ、臨機応変に
武器を持ち、ルノと一緒に戦います
UCや武器はその時に一番有効だと思ったものを使用します
大切な戦いです。多少の怪我は恐れずに
自分ができることを精一杯にして勝利を
諦めることなく最後まで戦います
アドリブや連携は歓迎
迷惑行為はしません
「何があっても悪い奴らはぶっ潰す、そのくらいシンプルでいいんだよ」
陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は、拳を握りしめながらリストランテの階段を進んでいく。
この地で力を蓄えた強大なオブリビオンが居ると聞いて、やってきたのだ。
強いやつと真正面から戦えるというだけでも、腕が鳴るというもの。
「大切な未来が閉ざされてしまいませんように。少しでも力になれますように」
妖精ルノを連れた、礼儀正しくほわほわと穏やかな雰囲気の妖精騎士、リィンティア・アシャンティ(眠る光の歌声・f39564)もまた、階段を進んでいく。
祈りを力に代えるようにしながら、一歩一歩進んでいくその足に願いを込めるように、確実に。
例え待ち受ける先に巨悪が居ようとも、真摯に挑むつもりだ。
殿は勇者リリリリが努めている。
三人で軽微な敵は薙ぎ払いつつ、無限に湧く料理をつまみ食いするような形で少しの力も得て、敵の力を感じるその先へと、確実に進んでいくのだった
やがて、三人の前に、強大な力を付けた『断悪の天使』カコエルが現れた。
だいぶ階段を進んできた先に、このような力を持つ敵が潜んでいたことに三者三様に構えを整える。
「来るのが遅かったな、猟兵……そしてそこな存在は勇者か、どんな相手であろうとも、このリストランテで力を得た我はそう簡単には倒せぬぞ」
「何という典型的なフラグ建築!」
勇者リリリリは別の意味でカコエルの言動に驚いてしまった。
今時のオブリビオンとしては非常に礼儀正しいテンプレート的挨拶を返してきたことに、柳火とリィンティアの二人も顔を見合わせている。
「いや、本当に驚いた……これで四天王だったりすると最高なんだけどな!」
「あ、あの、流石にそこまでは可愛そうです……ほら、震えてるじゃないですか」
「ええい、ええい、忌々しい! 我はお前たちのような脆弱な存在には決して負けぬ!」
「二本目のフラグいただきましたー」
「ゆ、勇者様、煽らないでください!」
何とも緊張感のない中ではあるが、各自きっちり戦闘態勢には入っている。
武器を握り、構えを取り、間合いを図る。
照れ隠しからか、まずはカコエルがその強大な力を示すかのように、大きく翼を広げて見せる。
溢れ出すオーラから、蓄積されている力を感じることが出来るようで、勇者一行はより一層の準備を心がけた。
翼のみならず、本体からも輝きの光が強くなる……セイクリッド・シャインだ。
【自身から溢れ出る聖なる輝き】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行うようにする技である(抵抗は可能である)。
これをまともに受けてしまわないように、勇者がガード技を広く展開させた。
「天使型が放つ光、そこに意味がないわけがないのよね、まともに喰らわないようにしないと……」
「厄介だな、光ともなると範囲が広くて隙を見出すのが難しい」
「それでしたら、私が突破口を開きます!」
リィンティアがユーベルコード:グレイブカウンターの詠唱に入った。
【シールドスピア】を構える間には攻撃できないが、正面からの全攻撃を【盾部分】で必ず防御し、その後【槍の突き刺し】で反撃できる隙を伺っている。
「防御は私が担当して隙を狙います、皆さんも続いてください!」
リィンティアの【槍の突き刺し】が発動する瞬間を狙って、柳火も攻撃を仕掛けるべく一歩を踏み出した。
「よし、攻撃は俺に任せな! どこまでも食らいついていくぜ!」
ユーベルコード:抜刀術の極意の構えを取り、やりが発動した瞬間を狙って接近! カコエルに対して【日本刀】を自身の【鞘】に納めている間、0秒攻撃もしくは自動反撃を行った。
恐ろしい速さの連続攻撃にカコエルは光の展開を諦めざるを得なくなってしまう。
「それでは真打、行きますよー、ぶんぶん」
そしてとどめとばかりに勇者リリリリが接近攻撃を仕掛け、三者三様の攻撃がカコエルに命中し、天使の力を封じていく──!
「そんな馬鹿な! あんなに力を付けるのに食べて食べて食べまくったのにー!」
「それはわたしたちも同じですよー、ぶんぶん、美味しかったなー」
勇者リリリリは確実にこのリストランテを満喫している……だからこその連携攻撃がばっちり決められたのだ。
柳火に至っては、攻撃の合間にもにゃんジュールを補給していたし、リィンティアは妖精ルノが運んでくれる、湧き出た砂糖菓子を防御の間にいただいていたりもした。
「少々お行儀が悪いかなとは思ったのですが、ここはそういうリストランテだと伺いましたので……」
「俺に至ってはにゃんジュールがあれば無敵ってワケよ!」
締めに、柳火が刀を鞘に納めると、どこからともなく『お約束の爆炎』がカコエルのいる場所に広がった。
ちゅどーん。
「うわああああああん! おのれ勇者一行め~!」
カコエルの叫びは虚しく爆発音と共に轟いた。
「いやいや、勇者は何もしてないですし、もぐもぐ」
「すっかりお料理を楽しんでいらっしゃいますね……w」
「にゃんジュールよりも美味いなら、俺も少しいただいていこうかな!」
ここは『リストランテ・ハロウィン』。
ハロウィンの季節を過ぎてもなお、無限に湧きだす豪華料理の山で力を付けるものたちによって楽しまれるダンジョンとして、語り継がれ名物化していった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴