●海の街に羽ばたく悪雀
獣人戦線、オーストラリア南東部。
比較的大きな川の河口近くに築かれた港町にはサメ獣人が多く住んでいた。川と海、両方の水を上手く利用して作られた水路は水棲生物向けで、陸地の方も段差が少なく移動し易い構造になっている。小舟をレンタルすれば陸上の生き物でも水路を活用でき街中を移動するにはもってこいだ。
豊富な水を利用した大きな噴水――中心には勇ましいサメの彫像が鎮座しているその場所は、現地住民が待ち合わせにもよく使っている名所でもある。
港では
糧食を作る為の海藻などの海産物を積み込んだ船から荷下ろしが行われており、海中には戦火に備え海底に入口を作った塹壕や基地、倉庫なども作られている。
そんな港町に住まう住人は見た目はちょっと怖いけれども温厚、けれど危険が迫れば勇敢に戦う戦士でもある。外からやってきた人々にも優しく接してくれる彼らは穏やかに日常を過ごし、南半球で温かくなりつつある季節を楽しんでいた。
――けれど、こんな穏やかな街にも幻朧帝国の魔の手が迫っている。
グリモアベース。
「帝都櫻大戰も終わって他の世界でもちょくちょく動きが出始めてるね。まあ、今回俺が見た予知はそれとは関係ない獣人戦線のものなんだけど」
シャチのキマイラであるヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は、集まった猟兵達に彼が見た予知についてまずそう切り出した。
「今回狙われてるのはオーストラリアにある少数種族のサメの多く住む港町だ。今のところサメでは猟兵に覚醒した者もいないけれど、だからこそ覚醒する者が出てくる前に潰したいんだろうね。向こうの作戦は逢魔弾道弾を町の重要な場所に設置して起爆、町を逢魔が辻に変えてオブリビオンの都にしちゃうっていうものだから設置前に止めないとまずいね」
だからちゃちゃっと現地に向かって逢魔弾道弾を設置しに来たエージェントを迎撃してほしいのだとヴィクトルは言って、予知の詳細について説明を移す。
「まず町はサメが住人の大半占めてるだけあって水が豊富、近くの川と海から水を汲み上げて引っ張って来ていい感じの水路にしてるね。少数派ではあるけどコアラとかの獣人もこの町には住んでるから陸の生き物でも普通に暮らせてるみたいだね。港は割と大きめ、沿岸部の海中にも隠し倉庫とか塹壕作ってるから防衛戦とか結構強いんじゃないかな。それで住民についてだけど、性質的には戦地から遠いこともあっておおらかで温厚な気質の獣人が多い……でも勝負事には血が騒いじゃうみたいで、命がかかると勇敢な戦士に早変わりするよ。結構地元愛強い人も多いみたいだからこの町に興味ある人は仲良くなりやすいかもね」
町や住人について説明したヴィクトルは、破壊工作を仕掛けてくるオブリビオンについても語る。
「それでこの町にやってくる幻朧帝国のエージェントは『情報部中尉・伏見広葉』っていうスズメ、小さいけど素早く飛び回って攪乱してくる厄介な相手だよ。陸地で戦うより海の方……海上で戦う事ができれば戦いやすいかもしれないけど、普通に地上で戦っても油断しなければ押し切れる、とは思うよ。現地のサメの協力があれば海で戦ったりするのもやり易いかもね」
そう説明したヴィクトルはグリモアである鍵を手にして、転送の準備を開始する。
「サクラミラージュの方で幻朧帝イティハーサは滅んだけど、こっちの幻朧帝国による破壊工作は普通に続いてる。幻朧帝といっても別人なのかなー……ともかく、いつまで続くかは分からないけども幻朧帝国の企みを打ち破り続けないと獣人達が大変な目に遭ってしまう。だから頑張って一つ一つ、悪しき超大国の作戦を潰す為に頑張ろうか」
そうシャチのキマイラは話を締め括り、猟兵達をオーストラリアのサメの港町へと転送したのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
秋になってますがこの夏はずっとサメな気分だった気がします。
第一章はサメ獣人が大半を占めるオーストラリア南東部の海辺の港町で観光を楽しんでください。
町の構造はサメ仕様となっていて水路があちこちに走っていて、ゴンドラのような小舟等も移動手段もよく使われているようです。
住人の性質は普段はおおらかですが勝負ごとになると燃えてくるサメが多いようなので、そこを踏まえると仲良くなりやすいかもしれません。
第二章は逢魔弾道弾を設置しようとやってくる『情報部中尉・伏見広葉』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『観光を楽しもう!』
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POW : とにかく体当たりで積極的に楽しむ
SPD : あちこち素早く回りつつたっぷり楽しむ
WIZ : ガイドブックや案内を確認しながらのんびり楽しむ
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中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
「あら、なかなか楽しそうですわね」
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格。楽しそうなことには積極的なおっとりお嬢様。食べ物とかはイタリアン系が好き。基本的にお嬢様然とした態度は崩さない自称フランス系イタリア人
楽しそうな催し物があれば、参加者側でのんびりと参加します
裕美に出てきて欲しい時は【オルタナティブ・ダブル】も使用可能です。裕美は頼れていじりがいのある妹みたいな存在で、楽き巻き込めそうなら巻き込みます
あと、虫が苦手
●令嬢は海の街を堪能する
オーストラリア南東部、サメの街の名所である噴水へ、優雅な印象の白髪の令嬢めいた猟兵がやってきていた。
「なんとも平和な景色ですわね」
多重人格者の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)、その副人格であるシルヴァーナはサメ獣人達が平和に暮らす景色を見て、そう呟いた。
先日は地中海沿岸のサメの街で酒宴に軽く参加していたが、そちらのサメに比べると此方は幾分のんびりしているように感じられる。
(「あの石像、美化されていませんこと?」)
噴水の中心にそびえ立つサメの石像は如何にも海の戦士と言った風体で、顔立ちからは仁王像のような迫力が感じられる。周囲でほのぼのしているサメはどちらかといえば愛嬌が勝っているようだが、グリモア猟兵が語るには危険が迫れば彼らも勇猛な戦士の側面が現れるという。オブリビオン相手、幻朧帝国のエージェント相手には真っ向勝負で勝ち切ることはできないだろうが、土地勘のある彼らのサポートがあればより確実に悲劇を食い止めることができるだろう。
ともあれそれを期待し過ぎるのも宜しくないだろう。この風光明媚な海の街を観光するついでに土地に詳しくなっておくのも悪くはないかもしれない。
「あの船着き場で小舟に乗れるのかしら?」
広い水路の岸にある数艘の小舟を係留した建物――分かりやすくレンタル料金まで書かれているそれをを見て、シルヴァーナは次はそれで楽しもうと優雅に、心なしか楽しげに見える所作で小舟をレンタルして水路での街巡りを楽しむのだった。
成功
🔵🔵🔴
試作機・庚
意思疎通ができるサメに会える!ということで来たんデスけど…本当にサメが生活してるデスね…(ほぼほぼ観光に来ている)
とりあえず戦闘のために現地を下見しつつ即席の安全地帯になりそうなところをピックアップしておくデスかね
一般人(一般サメ?)はそこに避難させる予定デスよ
まぁそんな業務関係のこともこなしつつ何より観光デスね
どんなサメがいるのか気になるデスね…
あと南半球デスしあっちはそろそろ夏…
海の様子も見ておきたいところデスよ
なにはともあれ遊ぶデスよー!
●抜け目ない観光旅行
「……本当にサメが生活してるデスね……」
――意志疎通ができるサメに会える!
そんなキャッチフレーズは特に無いのだけれども、少数種族のサメ達が多く住まうという町の話を聞いて転移してきた試作機・庚(
盾いらず・f30104)は、町を歩いたり水路を泳いだりしている知性を感じるサメ獣人達の姿に、ちょっとばかり驚きのような感動のような奇妙な感情を覚えていた。
幼い子供たちや妖精階梯のサメ達がが水路で泳ぎ、その横をサメやコアラが船頭を務めるゴンドラのような小舟が通り過ぎていく、なんともほのぼのとした穏やかな景色。
それらを破壊しようとする幻朧帝国のエージェントを食い止めるために、まず庚はガイド付きの小舟をレンタルして水路伝いに町をざっくりと回ってもらい、即席の安全地帯になりそうな場所をレプリカントの頭脳に刻み込んでいく。
(「避難そのものは水路に逃げ込めればどうにかなりそうデスね」)
町のあちこちにある水路、それなりに深さもあるからサメであるならそこに飛び込めば緊急避難は可能だろう。
そのまま小舟で水路を下っていけば、河口の近くの港へとたどり着く。広がる海は穏やかで、港の方にはたくましい体格のサメ達が採ってきた海藻をどっさり積み上げている。
『ここは海底に色々あるからなあ。何かあってもここの洞窟に逃げ込めば大丈夫さ』
ホオジロザメのようなガイドは庚にそう笑って説明する。この周囲一帯が逢魔が辻に変えられるような事があれば海底洞窟に逃げ込んでも厳しいかもしれないが、そこまでひどい状況にならぬように戦わねばと庚は思考する。
それにしても。
「南半球デスし、夏も近づいて来てるんでショウか」
庚が感じる潮風はやや温く、陽射しは初夏を感じさせる眩しさだ。
『この大陸の北の方なら陸の種族でももう泳げるぐらいだけど、この辺りはまだ春だからなあ。多分来月ぐらいが丁度いい……まあ、今でも十分泳げるけどな!』
俺達は年中泳いでるし、とガイドは楽しそうに笑う。水が冷たい季節にも強いようだ。
町を巡り海も確認し、住民の安全を確保する為の場所等はある程度確認はできた。後はエージェントを迎撃するだけ――とその前に。
折角サメ達の町に来たのに楽しまないという選択肢は庚にはない。まだまだこの町で十分に楽しんだり遊んだとは言い切れない。
「なにはともあれ遊ぶデスよー!」
猟兵仕事の事は一先ず置いて、今を楽しむためにガイドの案内を聞きながら、庚は町の名所へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『情報部中尉・伏見広葉』
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POW : 工作員の抜け道
【地形をも削り取る風魔法や地形変換魔術】で長さ1万÷レベルmの洞穴を掘ると、終点が「同じ世界の任意の場所」に繋がるワープゲートになる。
SPD : ハラハラ風見鶏
自身と武装を【接触者の冷静さと判断力を奪う特殊な竜巻】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[接触者の冷静さと判断力を奪う特殊な竜巻]を飛ばして遠距離攻撃も可能。
WIZ : 形あるなら思うがままに
【触れたものを急速に劣化させる疾風】を纏ってレベル×5km/hで跳び回り、触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能にする。
👑11
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●悪雀は悪意と共に
町の中の水路、その水面が不意に揺れる。
小さな何かが通り過ぎたような、そんな波紋を残して小鳥が水面スレスレを飛んでいく。
ただのスズメではない。幻朧帝国所属の軍帽のスズメは破壊工作の為にやって来たエージェントであり、水路伝いにこの町への侵入を果たしていた。
情報将校としての隠密能力で、サメ達にも気づかれないように潜入したオブリビオンの任務は逢魔弾道弾の設置に適した場所を見つけ出し、起爆させること。
町の中心にある噴水は重要地点ではあるがサメ達がよく通り隠れて設置するには難しい、ならばとエージェントが選んだのは港の一角。木製の桟橋に積まれた海藻のコンテナで上手い具合に身を隠し、逢魔弾道弾を起爆して海底の洞窟ごと町の大半を逢魔が辻に塗り替えるという作戦を、エージェントは選んだ。
水路の上を静かに低空飛行して港へと到着してエージェント、後は手頃な場所を探して設置と起爆を行うだけ――だがそこに猟兵達が駆け込んでくる。
観光をたっぷり楽しみつつも、猟兵達はエージェントの襲撃を警戒していた。それもあって港へ飛んできた小柄なスズメの影を運良く見逃さず、敵として速やかに認識して駆けつけることができたのだ。
『バカな! 何故わかった!?』
オブリビオンからすれば運が悪かったとしか言いようがないが、スズメはすぐさま戦闘態勢を取り気流を身に纏いはじめる。
まだ港にはサメ達もいるが、状況はよくわかっていないだろう。上手く避難させるか、あるいは協力を得て共に戦うか――それは猟兵の行動次第。
ともあれ戦いの火蓋は落とされた。サメ達の平和な町を守るために、猟兵達は悪しきエージェントに対し、ユーベルコードを起動し交戦を開始するのだった。
居神・ヲリヒメ
アドリブ・連携歓迎
かっこいいよなァ、サメ。まッ、サメだろうがなかろうが、平和に生きてる連中を傷つけようってンなら、成敗させてもらうぜ?
おっとそこのサメさん達。オレ達、今からちょいと荒事始める予定でさ。
離れて見ててくれるか? まッ、派手なヒーローショーみたいなもんだと思ってくれりゃあいいさ。
ふん、情報将校さんよ、まともにやり合うつもりはないってか?
ワープかなんか知らねえが、洞穴に隠れるなんざ、空に生きる鳥の風上にもおけねえヤツだ。
けど、させねえよ。UC【冠菊・雷花】!
折紙使いの花には神秘の力が宿るのさ。たとえ地面の中に入り込もうが、裁きの雷は悪党を逃がしはしない!
ほら、焼き鳥になっちまいな!
●折紙の菊は悪しきを裁く
気流を纏い戦闘態勢に入った小柄なスズメの姿を目撃した港のサメ獣人達は、無意識に後方に後ずさっていた。
屈強なサメ獣人達に比べれば妖精階梯の軍帽のスズメは貧弱に見える――だが、サメ達はその本能でこの存在が脅威であると感じていた。
状況がわからぬままに戦いに巻き込まれかねない距離で本能的な恐怖に襲われかけていた彼らに、砕けた口調の二本の狐の尾を生やした燃えるような赤髪の女が呼びかける。
「おっとそこのサメさん達。オレ達、今からちょいと荒事始める予定でさ。離れて見ててくれるか?」
その妖狐の女は居神・ヲリヒメ(折紙使い・f28587)、彼女の言葉にはっとしたサメ達は、静かに彼女とスズメの近くから離れていく。
(「……かっこいいよなァ、サメ」)
戸惑いながら離れていくサメ獣人達を見遣りつつ、ヲリヒメはそんな事を考える。
パニック映画での主役、海の生き物の中でも凶暴で強い種として創作で扱われる事も多々ある彼らであり、ここにいるサメ達の中にも強力な戦士はいるのだろう。
しかしサメの種族で猟兵に覚醒したものは未だ確認されていない。今現在、彼らを守ることができるのは猟兵であるヲリヒメ達だけだ。
「まッ、派手なヒーローショーみたいなもんだと思ってくれりゃあいいさ」
ライダースーツを纏い、二本の狐の尾を揺らす彼女は離れたサメ達にそう言いながら、気流纏うスズメ――幻朧帝国のエージェントに相対する。
身体は小さい癖にその悪意は底知れないオブリビオン、彼女の思うままに任務を達成させてしまえばこのサメ達の街は滅び果ててしまうことだろう。
「まッ、サメだろうがなかろうが、平和に生きてる連中を傷つけようってンなら、成敗させてもらうぜ?」
術用の折り紙の束を取り出し構えるヲリヒメ、それを空から見下ろしていた広葉は、一瞬空高くへと舞って急降下、すぐ近くの波打ち際の地面に一直線に突っ込んでいく。
地面に激突する寸前、エージェントの真正面の地面が風に削られ超高速で穴が穿たれていく。落下速度と同等の速度で生成されるはワープゲートを作り出すためのトンネル、ヲリヒメがその穴を覗き込めば、地形変換魔術で崩れぬよう固定しながら掘り進むエージェントの後ろ姿が僅かに見え、暗闇の中に消えていった。
「ふん、情報将校さんよ、まともにやり合うつもりはないってか?」
このワープゲートがどこに繋がるかはわからない。洞穴に隠れる等という空に生きる鳥の風上にも置けない行為だと、ヲリヒメは考える。
故に、
「させねえよ。【冠菊・雷花】!」
ユーベルコードを起動して折紙で菊を折り、スズメが消えていった穴の中へと放つ。折紙使いの花には神秘が宿る――たとえ地面の中に入り込もうと、悪党を逃さない神秘の力が。
「空に咲くは誓いの冠菊、轟かせよう正義の雷花を!」
妖狐が叫ぶと同時、洞穴の中がぱっと光り輝いた。直後背後に気配を感じてヲリヒメが正面に飛べば、雷に打たれたかのように羽を焦がした広葉がふらふらの状態で出現してきた。
恐らく奇襲のためにワープを利用しようとして、しかしゲートにたどり着く直前にヲリヒメの攻撃が命中、その衝撃で転移直後の攻撃に失敗したのだろう。
雷の大輪の花は洞穴の中で花開き、悪しきオブリビオンは裁かれ焼いた。風魔法で纏う気流に幾らか軽減はされたのだろうが、それでも無視できないダメージを負ったことは想像に難くない。
『これしきの傷で……』
風を操りさらなる気流を纏うエージェント、ここからが本番だろうと気を引き締めつつ、ヲリヒメは折紙を持つ手に力を込めるのだった。
大成功
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キノ・コバルトリュフ
マッシュルーム!みんな出ておいで!総力戦だよ!!
キノキノ、みんながいて心強いね。
シメジ?何体か足りないような?
急用があってこれなかったの?
エノキ、仕方ないね。
マイタケ、来てくれたみんなで楽しんじゃおう!
●竜巻と水の星霊たち
纏う気流は竜巻となり、小柄なスズメの身体を覆い隠す――紙で折られた菊から放たれた雷撃を受けたエージェントは、姿を隠しながらの攻撃に戦法を切り替える。
術者を覆い視聴嗅覚での感知を不可能にする上に触れたのならば冷静さや判断力まで失わせる厄介な竜巻が放たれる中、キノコ笠に星霊スピカのスピちゃんを乗せてやってきたキノ・コバルトリュフ(
キノコつむりの星霊術士・f39074)はユーベルコード【バトルウィズフレンズ】を起動する。
「マッシュルーム! みんな出ておいで! 総力戦だよ!!」
キノコつむりの呼びかけに応え新たに現れたのは三体の星霊、白鮫の星霊ジェナスや人魚姿の星霊アクア、ペンギンのような星霊ディオスと水に縁のある星霊ばかり。
「シメジ? 何体か足りないような?」
首を傾げるキノ、あまり多く召喚しても生命力を共有しているから攻撃を受ければ被害もそれだけ拡大してしまうから程々の数でもいいのだが――と考える彼女に、星霊アクアが身振り手振りで何事かを説明する。
「急用があってこれなかったの? エノキ、仕方ないね」
それでも星霊の皆がいて心強い事に変わりはない。今竜巻に身を隠した相手を感知することはできないが、みんながいるなら心強くそれだけで十分。
「マイタケ、来てくれたみんなで楽しんじゃおう!」
そう呼びかければ、三体の星霊たちは協力して海の水を操って小規模な津波を引き起こし港に派手に叩きつけて、その余波で海水が空へ巻き上げられて雨のように周囲に降り注ぐ。
遠くでサメ獣人達が驚いているが、その間にキノは不自然に雨が吹き飛ばされている空間――竜巻に覆われた広葉の座標を見出すことに成功していた。
「エノキ! 一気に攻めるよ!!」
召喚主の号令に三体の星霊達は水流を叩きつけ、更に空から襲いかかる白鮫の攻撃に竜巻は乱れ負傷したスズメの姿が顕になる。
『そんな出鱈目な力をよくも……!』
悔しそうに睨みつけてくるエージェントは竜巻を放ちキノを攻撃、だが星霊たちが操る水の攻撃は竜巻を相殺、キノへは届かない。
「シイタケ! みんなありがとうね」
頼れる友達のような星霊たちと共に、キノコつむりの星霊術士はマイペースに戦うのだった。
大成功
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中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
●猟奇令嬢の刃は閃いて
星霊たちの操る水を受けて姿を露わにしたスズメのオブリビオン、その隙を見逃さず優雅な所作で中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)――の副人格、シルヴァーナは鮫牙の名を冠する惨殺ナイフ『 Zanne di squalo』と心理的なトリガーでもある『principessa di tagliatore』の二振りの刃を手に躊躇なく飛び込んでいく。
戦いがすぐに終わってしまうのは勿体ない、そんな風に感じてしまう彼女の本質は享楽的な戦闘狂である。
思考力や冷静さを失わせる竜巻を連続で放ちシルヴァーナを迎撃しようとするエージェントだが、微笑みすら湛えたシルヴァーナは優雅なステップで竜巻を軽やかに躱し確実に距離を詰めてくる。
広葉が竜巻で全身を覆い姿を晦ませようとするが、
「もう遅いですわよ」
既にシルヴァーナは広葉を間合いに捉え、ユーベルコード【九死殺戮刃】を起動してその赤の瞳を輝かせていた。
閃く鮫牙の殺戮刃物、一度の斬撃は九倍に増幅されてスズメを切り裂き、二刀流故に瞬く間に十八連――一撃だけは代償として自身に軽く向けてはいるから、エージェントには瞬時に十七の斬撃を刻み込むことに成功した。
「……意外と頑丈、ですわね」
本来なら切断に至る程に素早く鮮やかなシルヴァーナの斬撃、しかしエージェントは風を魔法で操り障壁として刃をギリギリのラインで切り抜けたのだ。
とは言え身体部位の切断は辛うじて免れただけで満身創痍であることには変わりはない。小柄なスズメの身体でだから致死量であってもおかしくない血を全身から流しながらも、広葉の目はまだ任務達成を諦めておらず、苦し紛れにシルヴァーナへ竜巻を放ち距離を取った。
残像を残し敵の狙いを撹乱する独特なステップで広葉の反撃の竜巻を躱しつつ、シルヴァーナはオブリビオンの最後の足掻きを楽しむような笑みを浮かべて次の攻撃の機会を窺うのだった。
成功
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試作機・庚
さて予知によるとそろそろデスか
町のサメとかには避難してもらったデスけど…スズメとなると小さくて速くて面倒デスね…
とりあえず支配領域を構えておいてスピードがいくら速くてもストップさせられるようにしておくデスか(事前準備とかが必要な行動なら中断させられるデスけど…さて)
攻撃は昔ながらの【マルチプルミサイル】を展開してミサイルカーニバルと洒落込むデスか
逃げるなら今のうち、私の後ろには行かせないデスよ
連携・アレンジ・マスタリング歓迎デス
●行き着く先は行き止まり
幻朧帝国のエージェントが行動を開始するほんの少し前。
(「さて予知によるとそろそろデスか」)
既に町のサメ達の避難は完了、残すはこちらの港のサメ達だけかと考えつつ、港へと向かう試作機・庚(
盾いらず・f30104)はこの町を狙う幻朧帝国のエージェントについて思考を巡らせていた。
(「スズメとなると小さくて速くて面倒デスね…」)
グリモア猟兵から聞いた話では小柄かつ動きは俊敏、おまけにワープゲートを生成したり姿を完全に隠すユーベルコードなど逃げに回られたら厄介極まりない能力のオンパレードだ。
どう対抗するかを考えながら、庚は水路を通り港のサメ達を避難させるべく港へと向かっていった。
そして、庚が港に着いた丁度そのタイミングでエージェントは戦闘を開始していた。
赤髪の妖狐が呼びかけ下がらせたサメ達を守りつつ十分安全な海の中へ飛び込ませ逃がして戦線に合流するレプリカント。
満身創痍のスズメが風の魔法を操り空へと舞い、再び地面にトンネル、そしてワープゲートを作り出そうと地面を削り地形を改変せんと魔力を迸らせる。
そこで全身の防御装備を整えた庚が前に出て、
「さて、此処から先へは行かせないデスし攻撃も通さないデスよ。先に私を超えてからデスね」
告げると同時に起動するはユーベルコード【仁王立ち】、同時に彼女は周囲159メートルもの範囲に及ぶ支配領域を帯びており、その間合いにスズメのエージェントは囚われてしまう。
「逃げるなら今のうち、私の後ろには行かせないデスよ」
やや軽い口調で挑発する庚だが、その守りは決して軽いものではない鉄壁そのものだ。
どれだけスピードが速くてもこの領域に入ったならばそれを阻むことは可能、彼女の
挑発行為を受けてしまったならば、その行動そして移動は中断させられてしまう。このエージェントの武器は高い機動力、それが封じられてしまったのならば、そこに与えられる運命は
行き止まりのみ。
移動を封じられ広葉が動揺している間に庚はレプリカントのボディに装備されていたコンテナ型のMFMG『
戊・己』の陰の黄の黄宝石を輝かせ、ミサイルポッドを生成・展開。
直後それらから放たれるのは
暴虐の嵐――昔から彼女が得意とする戦法を、凌ぎ切るだけの手札をエージェントは持ち合わせていなかった。
『おのれ……この私がこんなところで……』
冷静な口調ながら心底無念を滲ませた、エージェントの最期の言葉はミサイルの爆風と爆音にかき消され、聞き届ける者は誰もいなかった。
爆風が消え後にオブリビオンの姿も欠片もなく。猟兵とオブリビオンの戦いの一部始終を見届けたサメ達は海中から顔を出、驚嘆と歓声で猟兵達を讃える。
勝利と無事を祝い喜ぶサメ達、彼らの穏やかで楽しい日々はきっとこれからも続いていくのだろう。
無事幻朧帝国の悪しき企みの一つを挫いた猟兵達は、勝利の報告と共にグリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
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