ヘルプフェスティバル開幕です!?
(これは、少々困ったことになりましたね……)
ユミナス・チャイブ(マジカル☆強化ナイト!・f22254)は依頼の内容を改めて確認すると、眉間に皴を寄せていた。
「ご当地フェスティバルの開催が決まったんだがね、どうにも人手が足りないようなんだ」
サイキックハーツ世界の一般人(つまりエスパー)の商工会から、お悩みの相談が舞い込んできた。
珍しい地域の物産展が、地域活性化を狙って出店を計画したものの、想像以上に規模が大きくなってしまったのだ。
現状、出張店舗関係者だけでは到底人手が足りそうにない。
その上、上手いこと人を呼び込もうにも、職人や料理人たちは現地でのサービス提供に集中したいということで、接客の手が最も足りないという試算が出ているとのこと。
日頃世話になっているグリモア猟兵のユミナス経由で助っ人を頼もうという依頼であったのだが、何せこの土地、観光一つにしても今イチ手腕が振るわないようなのだ。
名物はどれも美味いものではありつつ、呼び込みの目玉に萌えキャラやゆるキャラなどを起用するところは多いが、それではあまりにありふれているし、何か捻ったことをやろうにも、予算の方が追い付いてこない。
そこで、家族連れをメインターゲットにするべく巷で流行っているのが、ご当地ヒーローである。
これならば、テンプレート設定でわかりやすく、子供受けもいい。
その、はずだったのだが……。
間の悪いことに、どこからか怪人がイベントを狙っているというではないか!
この賑わいに乗じて潜り込んでいるオブリビオンの存在が予知によって判明したのだ!
(マッチポンプですか? いいえ、違います、本当です、信じてください!)
オブリビオンはエスパー達を何らかの手段で自身の配下に変え、人類社会を蝕む第一歩とすることを目論んでいる! 物産展規模で? はい……ある意味礼儀正しい攻撃を仕掛けてきていると言えよう。
洗脳されそうな手が回らないエスパー達も助け出し、狡猾なオブリビオンを撃破して、この目論見を阻止しよう!
「はー。ここでそのご当地ヒーローが登場して、華麗にやっつけてくれるヒーローショーを展開出来たらよかったんですけどね、正体が市の職員なんですよ……この土日はお休みなんですって」
なるほど、そういうことなら仕方がない(?)。
「というわけで、警備も兼ねてイベントを盛り上げる係、イベントを楽しむサクラの係、イベントに更なる催しを提案してくれる係を務めてくださる猟兵の皆さんを大々的に募集しよう、という話になりました!」
それって殆どをお任せする流れでは? 猟兵達は訝しんだ。
「お得意様のたってのお願いなので……ということでお引き受けしましたが、そんなこんなを助けてくださる皆様宜しくお願いします! 勿論無報酬ではありません、イベントを楽しんでいただくのは当然として、〆にはパーティーをご用意くださるとのことです! 是非張り切ってこのピンチをチャンスに変えていただけますと幸いです!」
果たして、このイベントは安全に成功するのか!? それは皆さんの手腕にかかっている。
ロミナ毅流
猟兵の皆様、お疲れ様です! ロミナ毅流です。
サイキックハーツ世界での催しごとのお助けを願うべく、シナリオ展開させていただくことになりました!
ご当地物産展、いいですよね……私は好きです。
ですが、美味しいものを平和に味わおうにも、邪魔が入っては困りもの……ということで、盛り上げを行っていただきつつ、困った怪人もやっつけていただけると大変助かるシナリオとなっております。
●一章……イベントを盛り上げよう!
地方都市物産展の盛り上げ、ヘルプをお願いします。
●二章……お邪魔怪人をやっつけよう!
予知ではオブリビオンであることが判明しています、全力でやっつけてしまってください!
●三章……焼肉天国
説明不要、ただ美味い肉を焼いて焼いて食べまくってフィーバー!
〆にはパーティーもありますので、全体的に日常寄りの展開です。
一仕事していただいて、飲んで騒いでいただけるのであれば何よりかと思います、皆様のエンジョイご参加心よりお待ちしております!
第1章 日常
『盛り上げろ! ご当地フェスティバル!』
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POW : 大いに楽しむ
SPD : お祭りを宣伝する
WIZ : イベントを立案する
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リン・ベルナット
何やら面白そうな予感!よーし、頑張るよ!
お祭りとかイベントがあるなら積極的に参加したいなっておもってるよ!皆でワイワイ楽しめるイベントって面白いもんね!
特に体を動かせるようなのは大好きだし、そういうのだと嬉しいな!
UCを使った準備運動で体をほぐしたら、目一杯に体を動かして楽しんじゃうよ!
スポーツでもそうでないのでも運動神経は良いほうだし、華麗にこなしちゃうね!
勿論、体を動かさないタイプのイベントもどんと来い!だよ!
美味しいものを食べたり何かを見に行くっていうのも楽しいもんね!
温泉とかでリラックスしたりまったり休むっていうのも面白いかも?
いろんなのがあって楽しみ!よろしくね!
物産展イベント当日。
開店待ちの行列にリン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)の姿があった。
うきうきのワクワク状態で開店時間を迎えると、一同はぞろりぞろりと物産展開催のイベントフロアまで足を延ばしていく。
メインは勿論、地産のうまいもの……海の幸、山の幸、そして珍味など、普段百貨店規模の店でも購入が難しい品々である。
最近は通販に対応している地域も多いが、新鮮さをウリにする品こそこうした場できちんと体感しておきたいと思う人々で大変な賑わいを見せていた。
特に目玉の『最強豪華海鮮丼スペシャル』の行列がすごい。
あれだけの具材が一堂に会している大きな丼が僅か1500円で賞味出来るとあれば、当然の人気と言えよう。
山の幸も負けていない。
新鮮で美味い空気と水をたっぷりと蓄えた、栄養豊富な餌を食べた牛や豚、勿論鳥に至るまで、肉料理にも自信があった。
そのままでも十分に美味しい肉を、特性調味液で味付けした『ウルトラ級焼肉併せ盛り丼』の行列も長く、珍味である木の実や香辛料が別添えで味変も楽しめるようで、こちらも是非味わってみたいと思っている。(珍味は別途瓶詰のものを購入出来るようだ。)
美味いものだけではない。
伝統工芸品の展示、一部では体験会も開催されているのだ。
更にこれは必ず見ておきたい! と思ったのが、観光地の映えスポットを集めた展示である。
ただの展示に留まらず、体験型にもなっていて、尚且つ一部はミニチュアも設置されており、その精巧な作りを見るだけでも楽しいし、顔ハメパネルで現地気分を満喫出来るのも良さそうだ。
(うわああああ、美味しそうなものは当然だいたい攻略するとして、こっちの展示もすごそう! 全部見て回れるだけの時間は確保してあるから、あとは混雑と体力の勝負だね!)
さすがにこの人ごみで得意の短距離走を披露するわけにはいかないが、小さくストレッチして全力で楽しむ気満々である。
『運動前の準備は大切だからね!』
ユーベルコード【
念入りな準備運動】を使用すると、【準備運動を行った】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させることが出来るのだ。
人の多い場所でも可能な範囲で腕や足を動かし、マップのリーフレットを片手に巡回ルートを入念に模索していく。
「先に海鮮丼を攻めて~展示を見た後にここの果樹園フレッシュジュースを挟むのはどうかな? んで、お土産にはお菓子と焼肉丼を買って夕飯にガッツリ決める、これでどうだ!」
我ながら完璧な計画だとリンは満足げだ。
後の戦いは、人ごみに負けぬ体力と、各店の在庫状況といったところか。
(何にせよ、どんな戦いだって負けるつもりなんてないんだから!)
リンの目はきらきらと輝き、勿論迷惑の無い範囲を俊足で移動して全てを満喫していった。
思った以上に美味しかったのは、フレッシュジュースコーナーの隣に展開していたアイスクリームだった。
果実と木の実を丁寧に混ぜ込み、乳牛から絞られた新鮮なミルクのコクが合わさったソフトクリームのコーナーのラインナップがすごい。
色々な果実のものだけでなく、変わり種では珍味を混ぜ込んだもの、アルコール分は飛ばしてあるがワインの風味がきいているもの、なんと肉エキスが練り込まれたものまでも……!
(挑戦者魂を煽る! 実に愉快だね! こういうの挑んでみたくなっちゃうんだけど……今回はこれに決めよう!)
両手で数えても多い程の種類の中からリンが選んだのは、たまごたっぷりカスタードプリン味!
トリッキーなものも多かったが、これは新鮮でないと味わえないとっておきだと判断したからだ。
「はい、カスタードプリンのお客様~」
「あっはーい! 私です、ありがとうございます!」
元気いっぱいに受け取ると、思ったより大きいソフトクリームがパリパリのワッフルコーンの上に鎮座している。
先端をぱくりと頬張ると、濃厚な卵とミルクが融合した、素材の味をこれでもかと生かしているコク深く上品な甘さと、カラメルソースの適度な苦みが口の中一杯に広がるではないか……!
「これ、本当に美味しい! こんなの食べたことない!」
丁寧に味わいながら、それでもあっという間に食べ切ってしまう。
サービスで口直し用のお水もとてもさっぱりとしていて、気遣いも嬉しい。
予定に追加して牧場プリンも二つ購入してしまったリンなのであった。
成功
🔵🔵🔴
アルテミシア・ルッシュリア
物産展イベントか……
シャドウとして、共存ダークネスがどれだけ貢献しているかを見てみたいものだね
『最強豪華海鮮丼スペシャル』も美味しかったし……『ウルトラ級焼肉併せ盛り丼』も悪くなかった
あとはそうだね、タタリガミが運営している『デラックス波羅蜜ハニートースト』も美味しかった
……胃が実質的にないからさ、健啖家に見えるんだよねボク
そんな風に食べ進めながら、ダークネスの物産展の貢献を見学していく
スサノオとイフリートは熱発電で貢献できるし、六六六人衆とアンブレイカブルは格闘で活躍している
こう言うのを見るのは楽しいものだね
(物産展イベントか……シャドウとして、共存ダークネスがどれだけ貢献しているかを見てみたいものだね)
アルテミシア・ルッシュリア(月を示す影・f44022)も、このイベントに参加すべく列にひっそりと並んでいた。
並んでいる様子を見る限りでは、現状怪しい影は見つからないようで安心している。
サイキックハーツ世界に於いては、ダークネスとしての存在も一般的であるが、邪悪化してしまえばオブリビオンと同じものに成り果ててしまう。
そうした危機を見張るのもまた、ダークネスとしての使命だとアルテミシアは考えている。
とはいえ、イベント事を素直に楽しむのも大切だ。
いかにダークネスが闊歩しようとしていたとて、害のない行いで皆を楽しませてくれるというのであれば、全力で乗っていこうではないか。
同胞が能力を存分に奮って活躍しているのを見るのも楽しいだろうと思い、パンフレットを端から端まで興味深く見ていると、開催時刻になった。
スタートダッシュから、やはり目玉のグルメ店舗人気がすごい。
それを売りさばく店舗の手腕もまた、すごいものであった。
お一人様数量限定を早々と掲げ、ものすごい勢いで商品を仕上げて並べていく……あの卓越した技術は恐らくただの
一般人だけではないだろう、とアルテミシアは商品より店員の様子に見入っている。
平和だ。
すこぶる盛り上がりを見せる物産展に、一般人以外の種族貢献が見られることが、楽しく頼もしく嬉しい。
スサノオとイフリートは熱発電で貢献し、各種店舗の裏方として立派に活躍しているようだった。
彼らなしでは成り立たない店も多いことだろう。
六六六人衆とアンブレイカブルは、なんと見世物の格闘で活躍し、見物客を大いに湧かせていたのに大層驚かされた。
大技が決まった時なとは、ハラハラドキドキの展開にオーディエンスも腹から声を出して大声援を送っていたようだった。
(こう言うのを見るのは楽しいものだね)
そうしてやや達観しながら客観的に物産展を見て回るアルテミシアは既に、二大グルメ店舗を無事制覇していてご機嫌だ。
「ふふ……『最強豪華海鮮丼スペシャル』も美味しかったし……『ウルトラ級焼肉併せ盛り丼』も悪くなかった」
新鮮な海の幸を新鮮なままお届けする冷却運搬技術にも、同胞の貢献力を感じたし、熱々で次から次へと焼き立ての肉を提供出来る、十分な火力にも同じく仲間の能力が活躍していた。
そして何よりアルテミシアがお気に入りとして今まさに食しているのが、タタリガミが運営している店舗で隠れた人気の『デラックス波羅蜜ハニートースト』だ。
厳選されたはちみつの刺激的な甘さと、ふわふわの大きな湯捏ねトースト、豪華に果肉をこれでもかと乗せ、楽しいトッピングの数々が賑やかで、大いに「映える」。
甘味ではあるものの、そのボリュームから男性陣にも挑戦人気が高い逸品である。
もくもくともぐもぐしているアルテミシアはとってもご機嫌だ。
『月よ示せ。影という闇の真なる姿は膨れ上がる闇にして不定形なる塊。それを活用するは影としての在来的な権利にして義務である』
密やかに、サイキック:
影の身体にして真体は不定形の闇を増幅し活用するを利用して、味わいながらこちらも難なくぺろりと平らげた。
肉体の一部もしくは全部を【『膨れ上がる闇』のような不定形の塊】に変異させ、『膨れ上がる闇』のような不定形の塊の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る技を使うと、この通り混雑した人気物産展で立ち回るには非常に便利であったのだ。
「……胃が実質的にないからさ、健啖家に見えるんだよねボク」
次はどこの美味しいものを食べ……いや、活躍している同胞の様子を伺おうかと思案するアルテミシアの手には、何度も確認されてややくたびれたパンフレットと、お土産用がたくさん入った袋が握られている。
イベントは大盛況、アルテミシアも観察に体験にグルメ満喫と大満足で一日が過ぎていった。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
…UCでご当地怪人を…いや、ダークネスを召喚するのは良くないか…♪
ここは別世界の存在で、かつ人型に近い子にしよっと★
物産展の宣伝・盛り上げを行うよ♪
【コミュ力/誘惑/おびき寄せ】で宣伝をしたり、【団体行動/コミュ力/心配り/料理/運搬/掃除】で出張店舗の手伝いをしたりするね♪
UCは『クローネちゃんの支援者ちゃん★』★
ヴァルキュリアメイドちゃん達を召喚して、物産展の盛り上げや出張店舗の手伝いをやってもらうよ♪
クローネ・マックローネ(
闇と
神を従える者・f05148)は、一足早く物産展会場に乗り込んでいた。
商工会の皆さんとの打ち合わせのため、特別関係者パスをいただいての入場である。
この物産展を大いに盛り上げるべく、クローネは助力を申し出ていたのであった。
会場の開店前に入店出来るというだけでも、特別な気分になる。
「……サイキックでご当地怪人を……いや、ダークネスを召喚するのは良くないか……♪」
曰く、特殊能力を持つ助っ人に来てもらえれば、更なる戦力になるのでは、と思案したクローネに、能力持ちであれば猫の手も当然借りてしまいたい関係者一同は手を取り是非にと懇願した。
(ここは別世界の存在で、かつ人型に近い子にしよっと★)
『他の子のお手伝いをしてあげてね♪』
クローネちゃんの支援者ちゃん★をすすっと唱えると、現れたるは多数の【漆黒肌の色っぽいヴァルキュリアのメイド】。
クローネの使役するメイドさんたちは皆一様に並ぶと、はいご主人様! と一礼し、クローネの指示を待つ。
「物産展の盛り上げや出張店舗の手伝いをやってもらうよ♪」
具体的な指示は各種店舗、関係者にヒアリングし、個々に従ってもらうことにする。
優先度はクローネの直下ではあるが、ここでは臨機応変さが最も求められる場なので、管理能力も問われるところだが……。
クローネも自ら先だって「物産展の宣伝・盛り上げを行うよ♪」と、舵を仕切ることにより、命令系統は煩雑化せずにメイドさん達を動かすことが可能となっていた。
流石にレベルの高い猟兵ならでは、と言ったところか。
他者の技能を10レベル加算する【お手伝い】能力も有するので、全体の士気も上昇している。
(【コミュ力/誘惑/おびき寄せ】で宣伝をしたり、【団体行動/コミュ力/心配り/料理/運搬/掃除】で出張店舗の手伝いをしたりするね♪)
ざっくりとではあったものの、商工会並びに物産展関係者の前でのクローネの立ち振る舞いは、それはもう見事なものであったし、そこから派生して召喚されたメイドさん達も一律に働きが良く、多くを説明しなくともしっかりと働いてくれるクローネとメイドさんに、一同驚きを隠せない。
まず、コミュ力が高い。
一般客との対話の能力が高いのは、商売上とても有利なことだ。
質問疑問にも柔らかな対応、巧みな話術で双方間のやりとりに綺麗な橋を架けていく。
誘惑/おびき寄せの手腕も素晴らしい。
しつこくなく、且つ相手に興味を持ってもらうことに専念した姿勢で、あっという間にそれぞれの店舗や展示に人が集まっていく。
個別に対応しているにも関わらず、全体を見れば素晴らしく統率が取れている。
団体行動と心配りが行き届いているためだろう。
料理/運搬/掃除は特に飲食エリアで効果を発揮していた。
そして何より、たくさんのメイドさんたちは、それこそご当地キャラに負けずの認知度となり、人気を博している様子だった。
「本当に助かるよ! あ、そっちのお客様にはこの商品をお渡ししてね、二名様分だよ!」
「あらまあ、お気遣いありがとうね。それじゃあ、あちらのお店にも伺ってみようかしら」
「これ美味しいね! えっ、おうちでもこの味が簡単に再現出来るセットがお買い得? それ一つください!」
「危うく迷子になりかけたところでした……ほら、お姉さんに御礼言って!」
「いやはや、大活躍だね、クローネちゃん★」
販売の接客、他展示への勧誘に案内に商品のお勧め、果ては迷子の捜索案内まで、クローネ一人でも大変な労力であろうに、それに倣って働くメイドさん達も同程度の能力を持つのだから、本当に素晴らしいと、関係者一同大絶賛だ。
「本当に助かったよ、ありがとう! 御礼は弾んでおくから!」
「うちからもお土産たくさん持ってって!」
「わぁお★ クローネちゃん大人気~♪」
丁度良い塩梅で閉店間際に売り切れとなった店舗、閉店ギリギリまで盛況した展示、それぞれから御礼のお土産をたくさんもらい、両手と胸にいっぱいの思い出が出来たクローネの一日は、とても充実したものになった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『スマイルイーター』
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POW : 微笑みの殺人
【「幸せへの憎悪」に満ちた笑顔】を披露した指定の全対象に【彼の前から逃げ出したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : 殺しに笑いを
戦場内に「ルール:【幸せであってはならない】」を宣言し、違反者を【脱出不能の特殊空間『密室』】に閉じ込める。敵味方に公平なルールなら威力強化。
WIZ : 微笑みと共に消ゆ
【遠隔操作装置】を使い、予め設置しておいた【殺人サイキック爆弾】を起爆する。同時に何個でも、どんな遠距離からでも起爆可能。
👑11
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大盛況の物産展に紛れる闇一人。
『スマイルイーター』は、この物産展の賑わいに乗じて、一般人を狙うオブリビオンである。
なかなかにニッチな狙い処ではあるのだが、何やらただ事ではない盛況っぷりだと聞き及んでいる……。
ここであれば、たくさんのスマイルを喰らうことが出来るのではないかと画策したが、果たしてその目論見は果たせるのだろうか……?
物産展に、戦いの火蓋が斬って落とされる(スマイルイーターは至って真面目に狙っています)。
下原・知恵(サポート)
「話は聴かせてもらった。つまり……ここは
戦場だな!」
◆口調
・一人称は俺、二人称はお前
・ハードボイルド調
◆癖・性質
・公正と平等を重んじ、己を厳しく律する理想主義者
・自分の現況を何かにつけてジャングルとこじつけたがる
◆行動傾向
・己を顧みず同志の安全と任務遂行を優先する(秩序/中立)
・UDC由来の人工心臓が巨大ゴリラの変身能力をもたらす
・ジャングルでの戦闘経験から過酷な環境を耐え抜く屈強な精神力と意表を突くゲリラ戦術を体得している
・とりあえず筋力で解決を試みる。力こそパワー
・手軽に効率よく栄養補給できるバナナは下原の必需品
・生真面目がたたり、意図せずとぼけた言動や態度をとることがある
「話は聴かせてもらった。つまり……ここは
戦場だな!」
まさしく人の波が渦巻くここ、人ごみのジャングルで下原・知恵(ゴリラのゲリラ・f35109)はサングラス越しにニヒルな微笑みを見せていた。
こんなに平和な
物産展を脅かそうとは、不届き者が居たものだ……と、火を灯した葉巻をひと吸い、ぷかりと煙をくゆらせる。
「呑気な人間共め! 高級食材を味わい尽くし、こうも簡単に幸せに包まれているとは許せん! 断じて許せんのだ!」
スマイルイーターの苦しみ……もとい、妬みは、全身を黒いオーラで包んでいく。
「俺ぁ、お前さんみたいに無粋なやつが
戦場を荒らすのを見るのが何よりも嫌いだ」
知恵はもう一口葉巻をゆっくりと吸うと、相手の動きを様子見する。
「明るく楽しい物産展……人間の幸せってやつがこんなにも簡単に手に入りそうな現場を、俺が見逃すわけはない! 全ての幸福を食らい尽くしてくれるわ!」
かっこいいことを言っているが、あくまでもここは物産展である。
スマイルイーターは【殺しに笑いを】と囁くと、戦場内に「ルール:【幸せであってはならない】」を宣言し、違反者を【脱出不能の特殊空間『密室』】に閉じ込めようとする。
「おおっと、そうはさせねぇ、ここは俺の大事な
戦場なんでな」
知恵は今回、商工会に雇われた
掃除屋として物産展を守るべく、敢えてその特殊空間に身を投じた。
スマイルイーターと二人、真っ向勝負だ。
「フッ……自ら
戦場の維持に貢献してくれるとは、ありがたいことだ。いいぜ、乗ってやる」
サングラスをキラリと光らせ、余裕の笑みで葉巻の火を消すと──鋭い深呼吸を一つ。
そして、咆哮する。
『剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力剛力――羅ァッッッッ!!』
ユーベルコード【
剛力羅襲】を一気に繰り出し、スマイルイーターに猛攻撃を仕掛けた!
【猛獣めいた強烈な打撃のラッシュ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない、力こそパワーのフルコースパンチ!
この特殊空間に於いては、知恵とスマイルイーターのみの戦場展開、迷うことなく相手目掛けて全力が出せるというもの。
(感謝するぜ、何も考えずに一撃一撃を迷うことなくお見舞いしてやれる!)
知恵は今、幸せだった。
依頼された
戦場を平穏に導くのはこの俺……下原・知恵だということを、人目を気にせず全力で徹底的に教え込んでやれる喜びを込めた拳を叩き込めるのだから。
「そ、そんな幸せがあって堪るか!」
「ハッハァ! 狭い、狭いぜ! その心! 狭すぎる!」
これでもかとばかりに目標のスマイルイーターを殴りつけ、ヒュウッ、と息を吸い込んでとどめの一撃を全身全霊で叩き込んでやる!
スマイルイーターはその力を弱めてしまい、特殊空間が解かれてしまう。
「おっ、なんだ? 兄ちゃん達、喧嘩は他所でやんな?」
「ああ、こいつちょっと人ごみに酔ったみたいなんで、裏へ連れて行くところだ」
今度は全力の笑みで周辺の客に応えると、知恵はスマイルイーターを引きずってバックヤードへ引き上げていくのだった。
「
戦場は如何なる時も美しくなきゃ、な」
成功
🔵🔵🔴
アルテミシア・ルッシュリア
この場にある人々のソウルボード……そこから精神・知性を完全に『支配』する精神感応波を召喚
二分以内にケリをつける――知的生命体から生まれた文明・概念の支配で遠隔操作装置と殺人サイキック爆弾を支配
これらも『六六六人衆』という『知的生命体』から生まれた『文明・概念』だろう?
そのまま、殺人サイキック爆弾を解体――そして『精神・知性を完全に『支配』する精神感応波』でスマイルイーターを自傷させていく
幸せに嫉み憎む……典型的な弱者の思考だね
そのまま、自分で自分の命を終わらせると良いよ
スマイルイーターに自分で自分の首を攻撃させながら、時間制限以内にトドメを刺すか殺人サイキック爆弾を解体し尽くしていくよ
「幸せに嫉み憎む……典型的な弱者の思考だね。そのまま、自分で自分の命を終わらせると良いよ」
アルテミシア・ルッシュリア(月を示す影・f44022)は静かに言い放った。
折角の楽しい物産展満喫の一日を台無しにしようだなんて、本当に無粋なやつがいたものだと心底嘆かわしくじっとりとした目線でスマイルイーターを見定める。
「お前たちのような、人間社会に紛れて幸せを享受している奴らも、漏れなく俺の技の餌食にしてやる!」
アルテミシアは加えてため息までついた。
本当に、無粋。
……まあ、オブリビオンが粋を理解し始めたら、それはそれで恐ろしいことになりそうだが。
底なしとはいえ、これを腹ごなしにといったところか。
こいつを片付けたら勝利の盃と称してご当地限定サイダーを決めることにする算段を立てながら、静かに綺麗な言霊を紡ぐ。
『月よ示せ。知的生命体が紡いだ概念、文明とも呼べるその全てを白き影は支配する。汝、世界に存在する知的生命体から其らを支配せよ』
白は知の生み出した総てを支配する、この場にある人々のソウルボード……そこから精神・知性を完全に『支配』する精神感応波を召喚すると、きりりと表情を正して宣言。
「二分以内にケリをつける」
「! 何だとォ!? 馬鹿にしやがって!」
スマイルイーター側も【微笑みと共に消ゆ】を唱えると、予め設置しておいた【殺人サイキック爆弾】を起爆させようとするが……。
アルテミシアの【支配】が有効なこの範囲に於いて、スマイルイーターの思惑は外される。
「知的生命体から生まれた文明・概念の支配で、遠隔操作装置と殺人サイキック爆弾の行方はこちらの手にある」
淡々と述べると、【支配】の力を実行させて見せる、アルテミシア。
「これらも『六六六人衆』という『知的生命体』から生まれた『文明・概念』だろう?」
「ああ、そうだろうな、お前らにとっては」
それなら、支配は簡単だ。
ある意味、スマイルイーターの手の内を全て握れているといっても過言ではないだろう。
「その、お前の優越感すらも食らってやる!」
スマイルイーターが次の手に打って出ようとしたが──思考が混濁し、儘ならなくなったことにやっと気付く。
「殺人サイキック爆弾を解体」
アルテミシアが告げると、【支配】の力が作動し、起爆回路を難なく綺麗に解体して無力化する。
「――そして『精神・知性を完全に『支配』する精神感応波』でスマイルイーターを自傷」
「ぐっ
……!?」
命じられるまま、スマイルイーターは自分の次なる手によって自身にダメージを負ってしまう。
「こ、こんなこと、が、あって……たまる……か……ぐぁあああああ!?」
宣言通り、ここまで約一分半と少し。
圧倒的な支配力で、アルテミシアはスマイルイーターの技も思考も掌握してしまう。
「せめて最後は笑ってあげる。キミの幸せに対する思いはその程度だったってことに……ね」
そして、二分。
スマイルイーターは完全に自身と自信を失い、その場に膝を付いた。
(さて、あとは爆弾の残骸を回収処理しなきゃだね)
気配を探りながら、パンフレットを片手に物産展をもう一周するべく、スマイルイーターに背を向けて微笑むアルテミシアの幸福はもう、奪われない。
大成功
🔵🔵🔵
ヘンリエッタ・ネクサス(サポート)
「状況:能動的脅威を検知/脅威度=グレードⅣ――任務遂行を最優先」
◆口調
・一人称はボク、二人称はあなた
・誰でも丁寧な口調。語彙は硬く、形式的
◆特技・性質
・全身を機械的に強化されており、常人以上の身体能力と反応速度を有する
・USBで充電可能
◆行動傾向
・とあるヴィランの組織の尖兵として造られた宿命に抗うべく、猟兵として活動しています
・体内に武器やセンサー等を格納しており、状況に応じて展開します
・強化頭脳は動作のムダを省きます
・私情や一般的道徳に囚われることなく、合理的な行動に徹します(中庸/中立)
・感情表現を学習途中なので無機質な印象を与えがちですが、実は人情を重んじ、真顔でジョークを言います
予知通りに現れたるは、スマイルイーター。
ここ、人手賑わう物産展の幸せを悪用し、破滅を導こうと企むものだ。
グリモアの力で先回りし、対オブリビオン部隊が結成されており、ヘンリエッタ・ネクサス(棄てられた少女兵器・f35114)もそのうちの一人としてエントリーされていた。
接客業にはあまり向いていない己だが、こと戦闘であれば役に立てるであろうと思ったのだ。
周辺観客に被害が及ばぬよう、会場から離れた人の少ない特設会場へとスマイルイーターを誘導していくヘンリエッタ。
「人々の幸福を無下にしようなどと画策する不届き者……」
「そいつが俺の幸福なんだ、邪魔してくれるな!」
「そうはいかない。……状況:能動的脅威を検知/脅威度=グレードⅣ――任務遂行を最優先」
今回の任務は、人々の安全を最優先としつつも、このオブリビオンを完全に排除することである。
ヘンリエッタは淡々と己に搭載された機能の確認を進めつつ、軌道を確保し距離を取る。
「お前の幸福も差し出せ! 俺が台無しにしてくれる!」
「ボクの幸せは、あなた程度のものにどうにか出来るものではないよ」
互いに攻撃を撃ち合いながら、間合いを図りあう二人。
スマイルイーターの飛び道具をヘンリエッタが一つ一つ確実に打ち落とし、更にスマイルイーター側は【遠隔操作装置】を使い、予め設置しておいた【殺人サイキック爆弾】を起爆する。
「微笑みと共に消ゆ! さあ爆弾どもよ、会場のありとあらゆる箇所を破壊しつくしてしまえ!」
同時に何個でも、どんな遠距離からでも起爆可能なこの爆弾の処理に、ヘンリエッタは脳内のコンピュータをフル稼働させていた。
何よりも、被害者を出してはいけないのが最優先だから。
(それが、今ボクが目指す幸せへの道……)
センサーで反応を察知すると、片っ端から精密射撃で機能停止に追い込んでいく。
しかし数が多い……熱反応、振動や光に対するセンサー、巧妙に罠回路まで備えている【殺人サイキック爆弾】。
殺人と名を冠するだけあって、その威力は絶大なものであろう。
一つたりとも見逃せない……ここはこちらも必殺の手を使うしかない、と判断する。
『
Versatile Swarm by Pocket Robots、ヴェスパー、展開します』
700を超える小型の戦闘用【ドローン】を召喚し、自身の搭載機能はほぼ全て【殺人サイキック爆弾】の処理に優先させた。
その間のスマイルイーターの攻撃は全て、ドローンに処理を任せる。
程々の強さを持つが、一撃で消滅させられてしまうので長くは持たないが……そうしている間にもセンサーで感知した全ての【殺人サイキック爆弾】の処理が完了した。
(よし、時間稼ぎにはなった)
「この密度だ、一つでも爆弾を起動させてやれば……って、な、なんだと!? 全て無効化されている!?」
(その油断する機会を待っていた!)
ヘンリエッタは一瞬のチャンスを見計らい、今度は全てのセンサーと装備武器を一気に展開させ……スマイルイーター殲滅に集中させる!
「3……2……1……、Fire!」
周辺を巻き込まぬよう破壊力を絞り、レーザータイプの兵器を優先して射出すると、それをガイドにしてケーブルを打ち込み、高圧電流を流し込んだ!
「っぐ、あ、あああああああ!!」
スマイルイーターだけを確実に狙い、淡々と仕留めるヘンリエッタに笑顔はない。
だが確実に攻撃がヒットしたことに安堵していた。
傍から見れば一定範囲内で短時間に派手な撃ち合いをし、最後に決め技で片方が倒れるプロレスのような展開に見えたことだろう。
当然、周囲の被害はゼロ。
一種の『見世物』として二人の対決に拍手が巻き起こる。
そう、ここは物産展。
決して戦場にしてはいけない場所であった。
「ふう、何とか任務完了です。皆さまありがとうございました」
人々はこの短時間の打ち合いの最中に、爆弾処理まで行われていたとは思っていないだろう。
だが、それでいいのだ。
ひとつの曲芸じみたショーとして、人々の心を楽しませたのであれば、それだけで十分だ。
「被害状況確認……損害回避。我々の勝利です」
この宣言を以て、状況を終了としたヘンリエッタ。
フル稼働させたセンサーには冷却時間が必要そうだが、胸の内ではすこぶる満足していた。
やっと一息つくと、口元だけで僅かに微笑んだ。
成功
🔵🔵🔴
ギュスターヴ・ベルトラン(サポート)
よう、お出ましだな?
…ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても
人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は…神敵必滅、躯の海に叩き返す
■行動
柄が悪くとも信心深いため、戦う前に【祈り】を捧げる事は忘れない
敵の主義主張は聞き、それを受けて行動する。行動原理を理解しないままの行動はしない
連携相手がいるならば相手のフォローに、居ないなら全力で敵をシバきに行く
戦場によっては屋内でも空が飛べるタイプの魔導バイクを乗り回す
「公序良俗に反することはしてねえぞ」と言うし実際にそうするタイプ
■攻撃
主武器:リングスラッシャーと影業
近距離攻撃が不得意なので敵とは距離を取って戦う
アドリブ連帯歓迎
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
今回は真剣口調で話すよ
元ゴッドセブンのナンバー5…六六六人衆『スマイルイーター』だね
お前のせいで折角の良い気分が台無しだよ
この罪は、お前の安っぽい命一つじゃあ到底償いきれないよ…!
怒りと殺意に満ちた笑顔を顔に貼り付けて戦うよ
UCは『ワタシの殺人鬼変身』
鋼糸と鋏を武器とする学生服姿の女殺人鬼に変身して、【切断】攻撃を行うね
…この姿になったからには、
殺人鬼らしく振る舞うよ
敵のUCによる精神干渉は【狂気耐性/精神の余裕/勇気/元気】で対策するね
「元ゴッドセブンのナンバー5……六六六人衆『スマイルイーター』だね」
クローネ・マックローネ(
闇と
神を従える者・f05148)がビシリと指をさし敵として認定する。
「よう、お出ましだな?」
ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)もまた、一瞥すると胸元の十字架を握り、構えを取る。
二人はグリモア予知に従い、商工会の対オブリビオン部隊として登録された猟兵だ。
物産展に被害を出さぬよう、慎重な立ち振る舞いを要求されている。
対峙したスマイルイーター側もまた、邪魔者たちを一瞥し、零す。
「全く、お前達もこんなところまでご苦労様だな? 俺は場所規模問わず幸福を喰えればそれでいいってのに」
(あまりに場所を問わなさ過ぎて逆に目立つ!)
猟兵二人は心の中で気持ちをシンクロさせていた。
警備用に派遣された別動隊の猟兵が周囲の観客を制御し、ベルトパーティションポールを立てて範囲を形成する。
「これより先は危険なので注意してくださいねー、お子様連れの方は気を付けて少し前の方へどうぞー」
「……何の真似だ」
「決まってるだろ、物産展が開催されやすいデパートで、子供が楽しい催しと言えばそう、ヒーローショーだ」
ギュスターヴのサングラスがキラリと光る。
「お前のせいで折角の良い気分が台無しだよ。この罪は、お前の安っぽい命一つじゃあ到底償いきれないよ……!」
クローネの芝居がかった声が周囲の注目を集め出す。
「……ソレが怨嗟による存在であっても、殺す事に歓びを得る存在であっても、人の間に悲しみと苦しみが広がる以上は……神敵必滅、躯の海に叩き返す」
ギュスターヴもそれに続いて宣言する。
「かっこいいセリフで場を何とかしようってのか!? こっちは遊びじゃねえんだぞ!?」
スマイルイーターは場の空気に呑まれかけているが、奴の狙いはこの物産展に満ち溢れる幸福だ。
それを逆手に取り、囲い込んで一定距離の安全を確保した上で、見世物として利用してやろうという作戦を立てたのである。
「勿論、こちらも遊びじゃないよ。『
ワタシの殺人鬼変身』!」
クローネはユーベルコードを展開する。
鋼糸と鋏を武器とする学生服姿の女殺人鬼に変身したところで、観客から歓声が上がる。
『この姿になると、不思議と「殺人鬼に変身しているのだから、殺人鬼らしく振舞わないといけない」って気分になるんだよね……』
「そんな悠長な事言わせておかねえ!」
スマイルイーターは、『微笑みの殺人』を繰り出してきた。
【「幸せへの憎悪」に満ちた笑顔】を披露した指定の全対象に【彼の前から逃げ出したいという】感情を与える。
しかし、変身し殺人鬼化したクローネには届かない。
隠密力・速度・【鋼糸と鋏】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【恐怖】の感情を与える力によって、恐怖と恐怖はぶつかり合い相殺されてしまったのだ。
「くそっ……! なら、こいつはどうだ!」
スマイルイーターが次に繰り出したのは、『微笑みと共に消ゆ』……【遠隔操作装置】を使い、予め設置しておいた【殺人サイキック爆弾】を起爆する技だった。
『――光とは即ち愛である。愛を遮るのは、一番やったらダメなやつだぜ?』
光あれ、とギュスターヴがユーベルコードを囁けば、そこに光が差し、溢れる。
戦場内を【光と清浄な空気に満ちた】世界に交換したのだ。
この世界は「【光を遮るものの存在否定】の法則」を持ち、違反者は行動成功率が低下する。
「くっ、ま、まぶしい……ッ!」
スマイルイーターの手元は狂い、爆弾を起動するどころか一斉強制停止を実行させてしまった。
「
殺人なら……ワタシの方が得意だよ」
独白もばっちり決まったところで、クローネが【切断】攻撃を行う。
これにより、【殺人サイキック爆弾】は全て動きを停止させられた上に、綺麗に切断解体され、僅かな煙がポンポンと周囲に上がる程度に無効化されてしまった。
それはまるで小さな火薬演出のようで、派手な爆炎とまではいかなかったが、ヒーローショーお決まりの演出に子供たちの瞳はきらきらと輝いた。
まさに、光あれ、である。
「くそう……! な、なんなんだお前らぁ!」
「通りすがりの……
女学生だよ」
「たまたま居合わせた……退魔士さ」
ドシャアアアアア! スマイルイーターは全ての力を無力化され、床に倒れ込んだ。
周囲はこのショーに魅了され、幸せと光に満ち溢れる。
地に伏したオブリビオンが全力を出したとしても食いきれぬほどの、圧倒的な幸福が物産展を包み込む。
クローネは変身を解き、ギュスターヴはサングラスを掛けなおす。
二人の
猟兵もまた、満足して手を振り歓声に応える。
こうして物産展の見世物は、大成功に終わったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 日常
『焼肉天国』
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POW : 焼肉万歳
SPD : 焼肉万歳
WIZ : 焼肉万歳
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色々あったが、何とか平和で盛況に終わった物産展。
商工会から報告された書類によれば、これまでの開催で一番の売り上げだったようだ。
また、猟兵達の活躍にも多数の感謝の声が届いている。
名産品のお土産と日給は勿論のこと、折角だからと打ち上げの場が用意されていた。
打ち上げの定番と言えばそう、焼肉である。
さあ、心行くまで後の祭りをお楽しみください!(※未成年の飲酒は禁止です。)
アルテミシア・ルッシュリア
焼き肉かぁ
匂いが衣装につかない様にして、と
『匂い』と『衣服』を分割して染み込まないようにしてから焼肉を
ジュースはオレンジジュース
ご飯は加薬御飯と行こうか
カルビ、タン、ロース、ハラミ…タマネギやニンジンも美味しいね
後は、少し季節外れだけど冷麺も
うん、美味しい
幾らでも入るね
他人の金で食べる焼肉、そういうものに執着はしていないが…遠慮もしない
黙々と小柄な身体に入らないほどの量を食べ進めていく
ビビンバに加熱したユッケ
サンチュも忘れずにね
そうして最後は、白米でカルビ、タン、ロース、ハラミを一人前平らげてご馳走様
美味しかったよ、ありがとうね
『月よ示せ。分割と結合を示す杖の理と神性。その属性を以て遍く障害を分割し、遍く意志を結合するその灼滅の影を示そう』
アルテミシア・ルッシュリア(月を示す影・f44022)のつぶやきは静かに響き、ユーベルコード:
分割と結合は絆を蹂躙せずが発動する。
『匂い』と『衣服』を分割して染み込まないように、丁寧な配慮を施して挑む焼肉。
これならお気に入りの衣装のままでも、終わった後のことまで気にせず存分に楽しめるだろう。
「飲み物はいかが?」
アルテミシアのチョイスはオレンジジュース。
太陽の恵みをたっぷり受けて育った、果汁100%の橙色が心にも優しい。
主食には初手で加薬御飯を選択、ここで安易に白飯に行かないところは、なかなか通なセレクトだと言えよう。
「カルビ、タン、ロース、ハラミ……タマネギやニンジンも美味しいね。後は、少し季節外れだけど冷麺も」
お礼にと奮発してくれたのだろうが、どれも良い食べ応えの肉だ。
肉だけにがっつくのではなく、きちんと野菜も摂取する。
栄養バランスを厳密に考えているわけではなかったが、箸休めにもなるし、何より油っぽい肉ばかり食べていて飽きてしまうのを防ぐためだ。
どれも焦がさないように気を付けながら、丁寧に焼いていくと、じんわり甘みの楽しめる野菜は気持ちを落ち着けてくれる気がする。
冷麺は、スープの旨味と面の独特な歯ごたえが楽しめるのがとても良いし、トッピングの具材も華やかだ。
焼肉を楽しみつつ、さっぱりとした味付けのものもいただけるのは嬉しい。
物産展をこれでもかと楽しんだ後だというのに、小柄なアルテミシアの胃は底なしであった。
(他人の金で食べる焼肉、そういうものに執着はしていないが……遠慮もしない)
曰く、美味しいものを美味しいときに美味しくいただくのも礼儀であると考えているのもあり、黙々と小柄な身体に到底入らないほどの量を難なく食べ進めていく。
「ビビンバに加熱したユッケ、サンチュも忘れずにね」
追加注文でサイドメニューもばっちり網羅している。
特に、サンチュが新鮮でとても美味しい、混ぜたビビンバを巻いて食べるもよし、ユッケを乗せてもよしの大活躍だ。
アルテミシアの食べっぷりに周囲の猟兵達も驚きながら、しかし負けずとどんどん肉を焼いていく。
何よりこの場を楽しんでいるのが皆に伝わるのは、良いことだ。
(食事には、楽しさと感謝を込めて)
そうして最後は、改めて白米でカルビ、タン、ロース、ハラミを一人前平らげる。
〆は徹底的にオーソドックスな攻め方……ある意味でとても贅沢だとも言える。
色々を楽しんだうえで原点に帰り、各々の部位を丹念に比較して味わった。
カルビとロースは油が甘くて、タンはさっぱり塩だれが馴染み、ハラミは肉そのものの味わいが深い。
これを白米に乗せて、一緒にハフハフと食べられる悦び──ひと仕事終えて食べる肉は、最高に美味しい。
添えられていた野菜も無駄にせずきちんと食べ終えて、アルテミシアは満足げにご馳走様、と手を合わせた。
「美味しかったよ、ありがとうね」
食材に、物産展の関係者の皆様の気遣いに、そして何より楽しい一日に感謝の心を込めて。
宴の夜は賑やかに更けていく、まだまだ周囲は食べ盛りで大層賑わっていた。
大成功
🔵🔵🔵
クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪
もう普段通りの口調に戻っているね♪
物産展が上手くいった事に安堵しているよ♪
心置きなく、皆と打ち上げを楽しむね★
クローネちゃんは大人だから、飲酒をさせてもらうよ♪
…まあぶっちゃけ、お猪口半分程度でも泥酔するレベルで弱いんだけどね★
酔った時の反応はその時々で異なるから、今回どうなるかはMSさんにお任せするよ♪
UCは『クローネちゃんの愛用品★』★
【料理】を100レベルにして、お肉や野菜を焼いていくよ♪
「物産展が上手くいった事に安堵しているよ♪ 心置きなく、皆と打ち上げを楽しむね★」
クローネ・マックローネ(
闇と
神を従える者・f05148)は、すこぶる上機嫌で肉を焼いている。
その手元には……
クローネちゃんの愛用品★で作られたトングと、アルコール飲料の入ったグラスが握られている。
『スライムちゃん製の道具はクローネちゃんでもすっごく使い易いんだよね♪』
ひょいひょいと肉を焼き、最初のドリンクはアルコール度数の少ないレモンサワーでさっぱりと乾杯。
……そしてスキル強化で【料理】のステータスを伸ばし焼肉を食べ、心行くまで満喫をする予定、だったのだが。
「たはは、クローネちゃんってば、超ご機嫌★ お肉美味しい~♪」
実はクローネはアルコールにめっぽう弱かった。
グラスの中は3%程度の、ほぼジュースに近いものだったはずなのに……。
その反面で高いスキルを維持して肉や野菜を焼いているのだから、周囲には一件落着してご機嫌状態の可愛い女性が楽しみまくって飲食しているように見えているのだろう。
問題行動をするでもなく、キャッキャと楽しく肉を焼いたそばから食べているだけなのだが……周囲の猟兵はそんなクローネの様子を見て、自分たちもとどんどん賑やかになっていくのだ。
クローネが美味しそうに肉を頬張れば、隣の席の猟兵が同じものをと注文し、絶妙な加減で綺麗に焼き上げたのを見て、そうだ忘れずに野菜も食べなければと相次いで注文が重なる。
グラス半分程度まで進んだレモンサワーで更に上機嫌になったクローネが次に選んだ品は、ホルモンの玄人好みで焼き加減が難しくコツが要る部位だ。
しかし、料理スキルをユーベルコードで高めたクローネは、事も無げに焼き網に乗せていくし、余分な脂が落ち切った瞬間でひっくり返し、両面が綺麗に焼けたところで取り皿に盛っていく。
あまりに鮮やかな手付きに見惚れていた別の猟兵はゴクリとつばを飲み込み、じーっとクローネの手元を観察してしまった。
そしてやはり影響を受けたのか、同じものを注文する声がどんどん上がっていくではないか。
「あー★ 焼肉、楽しい~♪」
ロース、カルビ、野菜とミックスホルモンの皿を制覇して、その頃には一杯目のレモンサワーが尽き、次に何を頼むかとメニュー表を眺めている。
あまりアルコールが強すぎるものは頼めないが(その後の記憶が危ないので)、ふわふわしたいい気持ちになれるし、何より今は【愛用品】を使っているのもあって、悪酔いすることもないだろう。(制御不能になるまで酔ってしまえばその限りではないだろうが……)
牛タンを堪能した頃には、二杯目に頼んだコークハイも空になっていた。
「さーて、次は〆までのジェットコースター♪ いっちゃうぞ~★」
スープにご飯を入れてクッパにする楽しみも併せ、料理を計画的に行うのみならず、食べることまでもスキルで高めていたのだ。
「ユッケジャン……コムタン……どっちも捨てがたい~♪ お肉はハラミでお願いね★」
何を頼んでも美味しくいただけるのは間違いない。
こうしてクローネの幸せな焼肉は、綺麗に〆られていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。
(しかし、にぎやかだな……祝い事というのは、こういうほうがいい)
北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)もまた、焼肉万歳会場に席を置いていた。
此度の物産展周りでの猟兵たちの活躍を労う場に誘いがあって参上していたのだ。
周囲は物産展の成功を祝う乾杯の音頭で、一層大きな声が上がっている。
優希斗も乗じて手にはグラスを持ち、同様に乾杯する。
こうした場に馴染むことも、ある意味猟兵としての仕事であるかもしれない……特に、所謂庶民の集いというものには関心があった。
特に、食事に関しての「焼肉」というメニューは、なかなか単身で楽しめる場が少なく、優希斗もソロ焼肉の経験は持っていなかった。
なので、一人用焼き網からの準備があるこの場で経験を積むのも良いだろうと考えたのだ。
気のいい
猟兵の誘いでやってきたものの、サイキックハーツ世界でこれが経験できるとは思っていなかったため、少し面食らってはいる。
周囲には、仲間たちと共に大皿を頼んでワイワイ楽しむもの、優希斗と同じくソロで淡々と、好きな部位のみ繰り返し注文するものや、まずは腹ごしらえといきなり丼物に挑戦するものなど、本当に自由に過ごしている。
優希斗は自由な空気を大層好ましく思った。
自由であるというのは、平和な証拠なのだ。
聞けば、物産展を恐怖に陥れようとしたオブリビオンを退治して活躍した猟兵も、物産展の開催そのものを土台から支えた猟兵も居るという。
自分と同じ、猟兵が活躍して平和を得られていることは、優希斗にとってもありがたいことであった。
「おにいさん、飲み物は足りているかい?」
商工会の皆さんが、気遣って席の様子を見てくれているようだ。
「ありがとう、ではハイボールを貰おうかな」
乾杯と共に煽った軽めのビールは既に飲みほしていたので、追加の注文と……正直詳しくはなかったが、焼肉の定番をここで経験しておこうと選んだのは、上級ミックスプレートと野菜盛りだ。
メインのカルビを始め、オーソドックスな部位が数枚ずつ一皿で楽しめる、ソロにも最初の一皿としても優しい盛り合わせとなっている。
ライスの代わりにたくさんの野菜を食べることで、より肉を多く楽しみつつもバランスを取ろうという考えてもある。
この最初の一皿で様子を見つつ、腹具合に問題がなければ次の手を考えてもいい。
平和で自由な焼肉会場。
優希斗は場の空気に身を委ねつつ、一枚一枚丁寧に肉と野菜を焼いていく。
旅をしているとなかなか焼き立てをその場で食べられるというのは、贅沢なものだとも思う。
自分の手でそれを作り上げながらの食事とは、なんと楽しいものだろう。
片面をじっくり焼き見つめて……色が変わってきたら返してもう少し焼く。
正直なところ適性な加熱具合というものに詳しいわけでもなかったが、焦げずにきちんと火が通っていれば問題はないだろう。
野菜は生でも食べられる種類が多いので、こちらは過熱しすぎず歯ごたえと素材の味を堪能できるよう、控えめな焼きでいく。
付き合いで酒を飲むことは多少あったが、そんなに得意ではないほうかもしれない。
といっても、やはり肉には酒が合う。
適度に飲み、それなりに食べ、平和をとことん満喫するのも重要な旅路だと言える。
優希斗は次の肉を返しながら、周囲の楽しそうな歓談をBGMに、ソロ焼肉を満喫したのだった。
成功
🔵🔵🔴