帝都櫻大戰㉑〜世界は喜劇で出来ている
●華やかなりし夢幻の劇場
超古代種族『ビームスプリッター』は激闘の末、猟兵の軍門へと下った。彼の新たな主となった猟兵はデビルキングワールドの出身だそうで、先代のKINGであったビームスプリッターにとって納得の主になった。
さて、猟兵の僕となったビームスプリッターであるが、彼は己を取り込もうとした『幻朧帝イティハーサ』の膨大なリソース――それは新世界を創造するための物――を逆に利用し、世界型大魔術を実行した。その世界の名は『スタアラヰトステエジ』。どの世界の劇場よりも広く、華やかな夢の大劇場。この戦争が終われば消えてしまう泡沫の夢。そして、猟兵の表現力と想像力が続く限りどこまでも味方してくれる戦場である。
●イティハーサの壁
『スタアラヰトステエジ』の客席前列ど真ん中、所謂SS席に一人の老人が腰かけていた。彼こそが今回の戦争の元凶『幻朧帝イティハーサ』である。
かつて彼を命と引き換えに封印した
超古代種族4体のうち、3体までと融合した彼はビームスプリッターとも融合すべく動いていたのだが、ビームスプリッターが新たな主に猟兵を選んだことでその思惑は外れることとなった。
それ故彼は単騎で現れたのだが、どういう訳か愛用の弓は傍らに置き、〇×の付いたハンディ型のブザーを手にしている。UDCアースなどの現代に近い世界に馴染みのある猟兵なら気付くだろう、それが有名なバラエティ番組で見る光景だと。
「さて第六猟兵よ、儂を笑わせてみよ。」
●ラスボスオーラどこに行った
グリモアベースで一人大爆笑している柏宮・晴仁(柏宮家の御曹司・f42421)の姿を見た猟兵たちは、思わず圧倒的な絶望に発狂したのかと不安に駆られてしまった。だが、現実は別ベクトルで酷かった。
「ああ、ゴメン!見た予知があまりにも面白くてつい笑いが止まらなくてさ。ほら、『幻朧帝イティハーサ』が『スタアラヰトステエジ』に現れたんだけど、ヨユーぶっこいて普通のバトルする気が無いんだよ。
で、イティハーサが『儂を笑わせてみよ』って言い出すんだ。だからみんなにはステージをフル活用してイティハーサを笑わせて欲しい。ジャンルは漫才コント漫談落語一発ギャグ何でもあり!必要なものは全部舞台装置で出てくるからそこは心配しなくていいかな。
で、ネタが面白くなかったりすると客席からユーベルコードを使ってくるから、逆に利用するのも一つの手かもしれない。あとユーベルコード使った無茶振りもしてくるから、そこの対処も必要かな。」
ここまでもまぁまぁ酷い話だが、晴仁がもっと酷い話を続けてくる。
「そんで問題はここから。あのジジイ、物凄い笑い上戸でさー。もうゲラってレベル。最初に出てきた時のラスボスオーラどこ行ったって話。」
『イティハーサが実は物凄い笑い上戸』という信じがたい話を耳にした猟兵たちの顔は一様に困惑していた。
「という訳で、みんなあのジジイの腹筋崩壊させてきてくれ!頼んだぜ!」
太陽のようなグリモアが輝いた。
武炎鉄
こんにちわ、武炎鉄です。17作目は『帝都櫻大戰』からスタアラヰトステエジ編をお送りします。
OPからお察しの通りトンチキシナリオです。思いついた以上どうしてもやらずにはいられなかった、正直反省している。
●このシナリオは戦争シナリオなので、1章で完結します。
●OP公開と同時に受付開始します。断章はありません。
●プレイングボーナス:華麗なショウを演じながら戦う/舞台装置を戦闘に利用する。
●なお、プレイングボーナスは複数条件を満たすとさらに有利になります。
●今回は完結を優先させるため、全採用できない可能性があります。なのでオーバーロードは非推奨です。
●連絡事項はタグでお知らせします。
第1章 ボス戦
『幻朧帝イティハーサ』
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POW : 天羽々矢 undefined arrow
【矢】を非物質化させ、肉体を傷つけずに対象の【生命】のみを攻撃する。
SPD : 征服せし神鷹 undefined falcon
【神鷹】による超音速の【飛翔突撃】で攻撃し、与えたダメージに応じて対象の装甲を破壊する。
WIZ : 歴史を見る骸眼 undefined eye
対象の周りにレベル×1体の【滅びし歴史上の強者達】を召喚する。[滅びし歴史上の強者達]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
👑11
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ユウ・リバーサイド
ほんとは泣かせるより笑わせる方が難しいって言うんだけどね
やるっきゃないか
黒づくめ目出し帽、忍び足の泥棒に
パントマイムのパフォーマンスと効果音で
実際にはダメージは無くても大袈裟にコミカルに
セットの住宅に忍び込もうとして
忍び返しを踏んで悲鳴をあげ
窓を叩き割ろうとして自分の手を叩き
住人(照明による人影)に見つかってワンパンされたり
敵UCを警備員に見立て
釣り天井に槍の通路、罠だらけの豪邸での逃走劇
軽技とダンスの動きで攻撃を回避しつつ
強者達をセットの罠に巻き込む
ふぅと座り込んで「かちり」という効果音
オロオロとする間に足元にトランポリンを
爆発音と共に敵の下まで飛んでいき
そのままエアシューズで蹴り飛ばす!
●喜劇は本当に難しい
「ほんとは泣かせるより笑わせる方が難しいって言うんだけどね。やるっきゃないか。」
舞台袖で呟くのはユウ・リバーサイド(Re-Play・f19432)。表現者ならば分野を問わず、多かれ少なかれ『笑い』というものに対し、難しさを覚えるものだ。役者である彼もまた、『笑い』の壁にぶち当たったことがある。
さて、そんなユウの衣装であるが、黒づくめ目出し帽の古典的な泥棒スタイルだ。今回彼はパントマイムを演目に選んだ。言語を選ばない、身振り手振りで笑いを取りに行く算段だ。
舞台上に豪邸のセットが設営される。『スタアラヰトステエジ』の魔力により、舞台上にスタッフがいなくても自動的にセットの配置や音響、照明など全てが行われる親切設定だ。これにより、猟兵は自分の舞台に集中することができる。
泥棒に扮したユウがBGMと共に舞台上に現れた。そろりそろりと抜き足差し足忍び足。できるだけオーバーに、そしてコミカルに。
「なるほど、動きの普遍性で挑むか。」
イティハーサの口角がニヤリと上がる。それはあくまでも余裕から来る笑みであった。
泥棒が豪邸に忍び込もうとして様々なトラブルに巻き込まれる、というシンプルなストーリーラインだが、それ故に応用性は広い。まず庭に撒かれたまきびしを踏んづけて聞こえない悲鳴を上げつつ悶えるところから始まり、様々な受難が泥棒を襲う。
窓を金槌でたたき割ろうとして自分の手を叩いたり、住人に見つかって殴られたりと、何かと痛い目に遭うシーンがコミカルな効果音と共に展開される。
「なるほど。ではアドリブは得意か?小僧。」
イティハーサがユーベルコードを発動し、ステージ上に『滅びし歴史上の強者達』を召喚する。
(そう来たか。ならこちらにも考えがある。)
この『スタアラヰトステエジ』は猟兵の表現力と想像力が続く限りどこまでも猟兵の味方である。ユウはそれを利用してカウンターを仕掛けることにした。
自分は今『警備員に見つかった泥棒』である。そのように演じるユウ。そして『自分が忍び込んだ豪邸は侵入者対策のトラップが仕掛けられている』と演じてみせれば、舞台装置は連動して変化する。
天井からは釣り天井が降り、通路の壁からは大量の槍が突き出してくる。それらを軽妙な軽業とダンスで回避するユウ。そして巻き込まれる『滅びし歴史上の強者達』。
最後に落とし穴に落ちそうになる芝居をすれば、舞台上にぽっかりと奈落が開く。そしてユウを追いかけてきた『滅びし歴史上の強者達』は音も立てずに落下した。
ユウと『滅びし歴史上の強者達』によるドタバタの追跡劇に、笑いを堪えるイティハーサ。半分くらい自業自得のような気がするが、それでもじわじわとダメージは与えられているようだ。
いかにも疲れたと言わんばかりに、ステージ中央に座り込むユウ。だが、ここに最後の仕掛けが待っていた。
「カチリ」という音が劇場内に広がる。一瞬間を置き、おろおろする芝居をするユウ。そして足元にトランポリンが出現した。
トランポリンを踏み、爆発音とともに客席のイティハーサへ超音速で一直線に飛ぶユウ。足に装備したエアシューズで何の迷いもなくイティハーサの顔面に暴風回し蹴りを放った。
吹っ飛ばされるイティハーサ。劇場内には『〇』のブザー音と彼の爆笑が響いていた。
大成功
🔵🔵🔵
ブラッキー・ホワイトソックス
あちらの戦場もこちらの戦場も
駆け回るには時間が足りませんにゃあ…
此度、私はこちらに腰を落ち着けますかにゃ
これまでの冒険の話をお聞かせしますにゃあ
少しは興味を持っていただけますかにゃ?
海賊船で生まれ育ち
ある日、海に転げ落ちたのが冒険の始まり
飛べる世界は年々増えて
商人として生きる私にとっては
景気のいいことですにゃ
宝物との縁もいろいろと…
ふむ、今までで一番の宝ですかにゃ?
(ここではあえて焦らしますにゃ)
何だと思いますかにゃ?
富、名声、それとも仲間…
焦れた敵がUCを放ったら好機
厚着がだいぶ軽くなりましたにゃ
敵の喉元を狙い指定UCで反撃ですにゃ
きっと、お客様の首には
それはそれは良い値が付くでしょう、にゃ
●海を駆ける漫談
「あちらの戦場もこちらの戦場も、駆け回るには時間が足りませんにゃあ……。」
悩める顔のケットシー、ブラッキー・ホワイトソックス(Stray cat・f26339)をピンスポットが照らす。
「此度、私はこちらに腰を落ち着けますかにゃ。」
表情がそれまでの苦悩からパッと明るいものに変わる。ブラッキーが舞台中央に歩みだすと、それに合わせてスポットライトが追跡する。
「これまでの冒険の話をお聞かせしますにゃあ。少しは興味を持っていただけますかにゃ?」
背後のステージ上では、甲板の形をしたセットが自動的に、音も立てず組みあがっていく。
「ほう、漫談か。少しは楽しませてくれるだろうな?」
とりあえず食いついたイティハーサ。これならいけるだろうと、ブラッキーは内心安堵した。
舞台全体に照明が灯され、セット全体の全容が明らかになった。甲板を模したセットに青空を再現したホリゾント、時折雲が流れるように照明が設定されている。BGM代わりに穏やかな波の音と、時折聞こえる海鳥の鳴き声が、ステージを大海原へと変化させていた。
「私はオーシャングリードの海賊船で生まれ育ちましたにゃ。」
「オーシャングリード、かつての『サクラエリシュオン』か。」
愛と死の女神、イザナミが統治していた世界『サクラエリシュオン』。彼女亡き後、オーシャンボールによって世界の殆どが水没し、今の『オーシャングリード』へと変化した。
「来る日も来る日もネズミ退治をしておりましたが、ある日、嵐に巻き込まれ海に転げ落ちたのが冒険の始まり。」
舞台照明が曇りへと転じ、雨と風、雷の効果音が鳴り響く。
「気が付けばそこは慣れ親しんだ船ではなく、グリモアベースにいたのですにゃ。」
「飛べる世界は年々増えて、商人として生きる私にとっては景気のいいことですにゃ。」
機械仕掛けの巨人と戦争を続ける世界、
空に島々が浮かぶ世界、
骸の雨降る電子世界、
宇宙から来る侵略者たちと戦い続ける世界、
偽りの平安と妖が跋扈する世界……。
このほかの世界においても、基本的にブラッキーの商売は変わらない。そう、『海賊仕込みのスパイス交易』が彼の専門なのだ。
さて、ここからが話の本題である。
「宝物との縁もいろいろと…ふむ、今までで一番の宝ですかにゃ?」
顎に手を当て考えるしぐさをするブラッキー。ここはあえて溜めの時間を作る。『溜め』と『間合い』は話芸の基礎なのだ。ブラッキーは商売での話術でそれを学んでいる。
「何だと思いますかにゃ?富、名声、それとも仲間……。」
客席に語り掛け、更にじらすブラッキーにイティハーサが痺れを切らした。
「はよせんか!」
舞台に神鷹を突っ込ませてきたイティハーサ。だがそれがブラッキーの狙いだった。ブラッキーは攻撃を避けることなく、あえて冒険商人服を犠牲にすることで最低限のダメージのみに済ませた。そして身軽になったブラッキーはイティハーサの喉元にダガーの鋭い一撃をお見舞いする。
「きっと、お客様の首にはそれはそれは良い値が付くでしょう、にゃ。」
「宝とは賞金首のことと。見事なオチだ。」
〇のブザー音が客席に響いた。
大成功
🔵🔵🔵
アラタマ・ミコト
これは好機/危機でございます!
荒魂鎮神命が御業【殲剣陣羽織】で対処いたします。
皆様方は……?
何でそんな物を使っているのかでございますか?
……極楽浄土ではこれも武器なのです!
「ゆにーくあいてむ」と言われるのです!!
●ぶきのようなもの
「これは好機でございます!」
舞台上に現れたアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)が叫ぶ。先程からの猟兵による笑いの連続攻撃に、イティハーサが若干ボロボロになっている。今なら多少滑り気味のネタを披露しても笑ってくれるだろう。もちろん、ミコトにそんな意思はない。彼女なりに真剣で真面目なのだ。多分。
「荒魂鎮神命が御業『殲剣陣羽織』で対処いたします。」
ユーベルコードを発動するミコト。それに連動し、舞台装置が武器を生成する。生成された武器はミコトの『将軍鎧』に付着するのだが……。
「皆様方は……?何でそんな物を使っているのかでございますか?」
ミコトの背丈くらいはあろうかという巨大な駄菓子が、次から次へと生成される。これは元々カクリヨファンタズムで作られた『駄菓子兵器』と呼ばれる分類の武器だ。
「今度はモノボケか。」
多少冷静さを取り戻したイティハーサが勝手に解釈する。そして傍らの弓を手に取ると、真っすぐに矢を射かけた。
非物質化した矢がミコトに襲い掛かる。
既に生命無き身であるミコトにとって『生命』を攻撃されるのは大した問題ではないが、それでも面倒なものは面倒である。
「む、死した身ならばこちらの方が良いか。」
今度は普通の矢を大量に放つイティハーサ。それに対し、ミコトはポン菓子ガトリングで矢を打ち落としにかかる。小気味いい音を立てながら、ポン菓子の弾丸が矢を打ち落としていく。イティハーサの傍らの鷹が主そっちのけでポン菓子をついばむ。
「あっ、コラ!やめんかい!」
慌てるイティハーサに向け、飴玉鉄砲と金平糖クラスター砲が放たれる。思ったより硬い飴玉と金平糖がイティハーサに襲い掛かり、時間差を置いてヨーグルとりもちが身動きを封じる。
「しまった!」
「覚悟するのです!」
念動力で浮かぶ無数のアイスチューブソードとチョコレー刀がイティハーサを貫く。
「改めて確認する。本当にそれは武器か?」
「……極楽浄土ではこれも武器なのです!『ゆにーくあいてむ』と言われるのです!!」
真剣な顔で反論するミコトにイティハーサは何も言わず、しかし笑いながら〇のブザーを鳴らした。
大成功
🔵🔵🔵
熊猫丸・アカハナ
【坊ちゃまとシュバ爺】
よしっ、腕の見せ所や!絶対イティハーサを笑わせたるで!
帝都桜學府の訓練を舞台としたコントや。
わしが教官役でツッコミを担当するで。
2人に分かれたシュバ爺に対して、いろいろとお手本を見せながらその2人のボケにどんどんツッコんでいくで。
(予め打ち合わせも入念にせんとな)
UCに対しては【逃げ足】でかわして鳳仙花で撃ち落として見せて、最後までしくじりまくったシュバ爺に呆れておしまい…といった感じや。
シュバ爺もようがんばったわ。
ソウゴ・シュヴァルツ
【坊ちゃまとシュバ爺】
ソウゴ「(お坊ちゃまのコントに付き合う事になるとは…)」
帝都桜學府の訓練を舞台としたコントでソウゴとトウマに分かれて、訓練兵役でボケを担当します。
ソウマは独特の几帳面さで、トウマは力業で、打ち合わせ通りにそれぞれボケていきます。
UCに対しては【だまし討ち】や【2回攻撃】で対処しますが、最後は服を破かれる等のしくじりをしてアカハナを呆れさせて終わります。
ソウゴ「お坊ちゃま…。(涙)」
トウマ「うぅ…(男泣き)」
●本職と素人
「よしっ、腕の見せ所や!絶対イティハーサを笑わせたるで!」
舞台裏でやる気万全なのは熊猫丸・アカハナ(花咲かコメディアン・f23154)。彼の本職は何とお笑い芸人。『ラスボスを笑わせる』というこの舞台にかける意気込みは誰よりも熱い。
(お坊ちゃまのコントに付き合う事になるとは……。)
その傍らで、ソウゴ・シュヴァルツ(膨張と収縮を繰り返す謎多き執事・f23609)は不安げな表情を浮かべていた。彼は本来熊猫丸家に仕える執事であり、その前はベテランの戦闘傭兵だった。つまり、お笑いはズブの素人である。
「不安な顔せんと、わしに任しとき!とはいえ、シュバ爺は素人やからな。いつもの倍入念に打ち合わせしとかなアカンな。」
「申し訳ありませんお坊ちゃま。」
「エエって!気にせんとき!」
アカハナ作の台本を手に2人は打ち合わせを始めた。
舞台上にセットが組みあがっていく。そして出囃子が流れ、帝都桜學府の教官服に身を包んだアカハナが現れた。
「わしは帝都桜學府の教官、熊猫丸・アカハナである!今日は新人學徒兵の訓練を行うのである!新人集合!」
「1!2!、1!2!」
掛け声とともに、下手側から桜學府制服に身を包んだ2人の男が教練スタイルで入ってきた。片方は先程までアカハナと打ち合わせしていたソウゴ。改めて確認すると、大分細身である。そしてもう片方が彼のもうひとりの人格である『トウマ』だ。こちらはかなりの筋肉質だ。
「ちょっと待てい!どこまで行くねん!」
舞台を突っ切って上手側でハケる2人に突っ込むアカハナ。今回のコントは教官役のアカハナがツッコミ、訓練兵役のソウゴとトウマがボケという立場だ。
「今日は武器を使った訓練を行う!」
ツカミは万全。ここからが本番だ。
アカハナが武器の使い方のお手本を見せ、ソウゴとトウマが実際に使ってみようとしてボケるという王道のコントが展開される。
ソウゴが軽機関銃を的に当てて『カ・イ・カ・ン』と言ってみせれば「若者にそのネタ分からへんやろ!」とツッコミが飛び、トウマは光線銃を鈍器として使い「使い方ちゃうわ!」と突っ込まれる。
全体的にソウゴは独特の几帳面さによる『使い方は正しいが、その前後がおかしい』ボケを、トウマは筋肉を生かした力業のボケをそれぞれ打ち合わせ通りに繰り出している。ここまでは打ち合わせ通りだ。
「さて、アドリブの時間だ。」
笑いながらイティハーサがユーベルコードを発動させる。
まず、舞台上に『滅びし歴史上の強者達』が現れた。
「ちょうどええ!お前ら模擬戦や!」
アカハナの声に訓練兵2人は歓喜した。
ソウゴが軽機関銃で制圧射撃を行い、トウマはアサルトウェポンで直接殴る。それも2回殴る。時にはだまし討ちのように人の影に隠れて殴る。
頭の片隅で冷静さを保つアカハナ。客席のイティハーサを見ると、傍らにいるはずの神鷹がいない。
(しまった!どこ行った!?)
コントを演じながら神鷹を探すアカハナ。
(おった!こちらに突撃しよる!)
アカハナを狙い、舞台上に神鷹が突撃してくる。アカハナは逃げ足を発揮して攻撃を躱し、返すようにユーベルコードを発動させる。
「ほないくで!『
蠅獲草と鳳仙花』!今回は…こっちや!!」
アカハナの腕が鳳仙花の実に変化し、弾ける。そして中から飛び出した種が神鷹を打ち落とす。その様子はどこかコミカルさをを感じさせるものだった。
「おや?これは……。」
足元に転がってきた
腹腹時計を強者の集団に投げつけるソウゴ。カチカチと音を刻むそれは、トウマが囲まれているタイミングで爆発した。
舞台上に爆発音と煙が充満し、照明が暗転する。そして暗転明け、そこには爆発の衝撃で服が破れてほぼ全裸かつアフロ頭になったトウマがいた。
「なんでそうなるんや!」
オチのツッコミもバッチリ決まり、〇のブザー音とイティハーサの笑い声が劇場内に響く。
「お坊ちゃま……。」
涙するソウゴ、煙が目に染みるだけではないらしい。
「うぅ……。」
トウマも男泣きしている。
「シュバ爺もようがんばったわ。」
2人の肩を抱き、労いの言葉を掛けるアカハナ。彼らは確かに一つの作品を作り上げたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
初雪崎・識
幻朧帝、お笑い好きだった……?
ふ、それならここは僕のセンスの見せ所
(※笑いのセンスはあまりないです)
椅子と机のセットと、フリップとペンを舞台装置で用意してもらって
1人大喜利「『こんなサクラミラージュはいやだ』、どんなの?」開始
「幻朧『桜』が幻朧『杉』」(スギ花粉が帝都じゅうに撒き散らされているイラストを添えて)
「カフェーの給金が桜餅の現物支給」
「成人の儀式が帝都タワー早登り」
幻朧帝がUCで神鷹を飛ばして次のネタを催促してきたら締めはちょっとシリアス
「こんなサクラミラージュはいやだ、『幻朧帝に支配されている』」
UCで炎猫に変身して神鷹を爪で墜落させ、幻朧帝にダイレクトアタック
「これでも笑える?」
●それでもなお世界を哂う
「幻朧帝、お笑い好きだった……?」
初雪崎・識(翠炎の探求者・f44092)は訝しんだ。そりゃそうである。『ラスボスっぽいのに物凄い笑い上戸』なんて噛み合わないオブリビオンなど聞いたことがないのだから。
「ふ、それならここは僕のセンスの見せ所。」
張り切る識だが、彼女、実のところ笑いのセンスはあまりない。一体どうするのだろうか。
舞台上に椅子と机のセットと、フリップとペンが現れる。そして舞台に立った識がネタを始めた。
「こんなサクラミラージュはいやだ』、どんなの?」
フリップに絵を描きながら場を繋ぐBGMを歌いだす識。だがテンションは低い。
「ほう、大喜利か。」
力量を測るように舞台を見るイティハーサ。テレビのゴールデン番組に出るような芸人であっても、即興性が問われる大喜利は苦手という芸人は意外と珍しくない。大喜利はそれだけ芸人の力量が問われるものなのだ。
「幻朧『桜』が幻朧『杉』。」
その言葉と共に出されたフリップには、ヘタウマ系のイラストで帝都中に杉花粉が巻き散らかされている様子が描かれている。
「カフェーの給金が桜餅の現物支給。」
こちらはカフェーの給仕と桜餅のイラストだが、桜餅が桜餅に見えない。
「成人の儀式が帝都タワー早登り。」
よく見たら帝都タワーがビームスプリッターになっている。
「そしてバンジー。」
『ただ単にビームスプリッターの触手に捕まっているだけでは?』と突っ込んではいけない。
「早う次のネタを見せんかい!」
神鷹を飛ばしてネタの催促をするイティハーサ。識もその場でネタを考えて絵を描いているので、あまりスピードが上がらないのだから仕方ない。
「それじゃあ、次が最後のネタです。」
神鷹が接近するギリギリを狙う。
「こんなサクラミラージュはいやだ、『幻朧帝に支配されている』。」
両手に炎の巨爪を宿し、猫パンチで神鷹を撃墜すると、ジャンプで一気にイティハーサに詰める識。
「これでも笑える?」
その言葉に、今までで一番の爆笑と〇のブザー音が響く。
「素晴らしいオチだ!」
吹っ飛ばされたイティハーサの消滅を確認した識。そして夢幻の劇場に幕が下りた。
大成功
🔵🔵🔵