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帝都櫻大戰⑳〜透明なる一撃ー再刃

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第三戦線 #幻朧帝イティハーサ #ソウマコジロウ


「皆にはソウマコジロウと再び戦い、そして勝利して欲しいんだ」
 金髪のグリモア猟兵のリリスフィアは、そう切り出した後で詳しい状況の説明を始める。
 ソウマコジロウは骸の海そのものである、幻朧帝イティハーサの唯一の『器』として造られた存在であった。
 そして遂にソウマコジロウとの融合を果たした幻朧帝は、『再孵化』によって「侵略新世界」を創造する。
「その名は『輝けるサクラミラージュ』。それは幻朧帝の封印という使命から解き放たれた事でさらなる発展を遂げるであろう、将来のサクラミラージュとも言うべきかな。その世界ではテロルも猟奇事件は無く平和そのものなんだ」
 また影朧を癒す事で『転生による人口増加』が発生し、世界のすみずみまで発展を遂げようとしている、理想のサクラミラージュとも言うべき世界である。
「幻朧帝の望んで侵略新世界ではなく、ソウマコジロウの意志が生んだ世界みたいだね。制圧に失敗しても、他世界侵略に乗り出すことはないことはない筈だよ」
 そしてソウマコジロウは『幻朧帝の完全滅殺に成功し、帝都の無限繁栄を約束した立役者』となって輝けるサクラミラージュを見守っている。
 実際にはそんな過去など存在せず、幻朧帝が創り出した幻に過ぎない。
「融合の影響で第一戦線で皆と戦った時の記録はないようだね。だから乗り込んで来た皆を、太平の世への叛乱者と見なして迎え撃って来る筈だよ」
 ソウマコジロウはサクラミラージュの同胞たちをけしかけるようなことはせずに、最後まで単身で戦うだろう。
 だがソウマコジロウ本来の肉体・装備・ユーベルコードの全てを自在に透明化する能力と、それを利用した必中の先制攻撃は健在な上、自らの手で討ったと思わされている幻朧帝の力を従え操ってくる。
 間違いなく総力戦となるだろう。
「もしかしたら輝けるサクラミラージュを壊したくないという人もいるかもしれない…でもそれこそが幻朧帝の本当の狙いなのかもしれないね」
 何故ならすべての『侵略新世界』を破壊しなければ、例えこの戦争で幻朧帝イティハーサを滅ぼしたとしても、いずれは復活してしまうからである。
 当然、輝けるサクラミラージュも『侵略新世界』に含まれており、幻朧帝イティハーサを完全に滅ぼすにはソウマコジロウとの戦いは避けては通れないのだ。
「だから迷わずに全力で挑んでもらえればと思うよ。以上かな、皆の健闘を祈っているよ!」
 説明を終えたリリスフィアはいつもの調子で、猟兵達を輝けるサクラミラージュにへと送り出すのだった。


吾妻 銀
 吾妻 銀です。

 帝都櫻大戰の7本目のシナリオとなります。
 戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
 『ソウマコジロウ幻朧態』との直接対決となります。
 やや難となりますので判定は厳しめとなります。

 相手は必ず必中の先制攻撃を仕掛けてきますので、対策は必須となります。
 プレイングボーナスは「敵の必中先制攻撃に対処する/敵の透明化能力に対処する」となります。
 参加は公開直後から受け付けます。
 締め切りは参加状況を見て、タグや雑記に記載します。

 それでは皆様の参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ソウマコジロウ幻朧態』

POW   :    透明逆転剣
【舞い散る幻朧桜】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
SPD   :    透明魂魄刀
【鷹の如く飛翔する、無数の透明な日本刀】で攻撃する。命中すると【世界創造の力】を纏い、レベル分間[鷹の如く飛翔する、無数の透明な日本刀]の威力と切断力が上昇する。
WIZ   :    透徹たる眼光
戦場内に、見えない【幻朧桜の花弁】の流れを作り出す。下流にいる者は【オブリビオンと化す運命】に囚われ、回避率が激減する。
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フィーナ・シェフィールド
アドリブ連携歓迎です。

理想の世界、でもここはわたしの故郷じゃない。
…ごめんなさい、恨んでくれてかまわないわ。

あまり長くはもたないけど…
シュッツエンゲルにオーラを纏わせて、幻朧桜の花弁の流れを逸らすオーラ防御の結界を形成。

「魔を祓い、傷つきし者を癒す。響け、聖なる旋律!」
すぐに【交響詩『天秤の女神』】で、戦場中に万感の想いを込めた歌を響かせます。

見えなくても、音は届くから。
味方に癒しを与えつつ、破魔の旋律により悪しき者…幻朧帝の存在そのものを浄化します。

「さようなら、コジロウさん。もし奇跡が起きて転生することがあったら、って。願わずにはいられないわ」
その時は、帝の呪縛も関係なく、一人の人として。



「ここは本当に理想の世界なのね…」
 幻朧帝『イティハーサ』がソウマコジロウと融合した事で創り出された、輝けるサクラミラージュに降り立った、フィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は、帝都の光景を目に焼き付けていた。
 影朧の気配も感じられず、多くの人々が楽しそうに行き交う光景。
 サクラミラージュの帝都よりも平和と幸福に満ちていることが、フィーナにも一目で理解できた。
「でもここはわたしの故郷じゃない。…ごめんなさい、恨んでくれてかまわないわ」
 ソウマコジロウを倒すことは平和なこの世界を破壊することに他ならないのだ。
「…例え女子だろうと、輝けるこの世界に害を成す存在は看過するわけにはいかない!」
 だがそんなフィーナの心情を読み取ったかのように、世界の守護者となったソウマコジロウが単身で襲撃を仕掛けてきたのである。
 幻朧帝と融合した今でも透明人間としての本質は変わらない。
「だが命までは奪わぬ」
 フィーナの周辺には目には見えない幻朧桜の花弁が激しく流れ出す、その下流に居る者は心も体も輝けるサクラミラージュの住人と化してしまう、即ちオブリビオンと化す運命に囚われてしまうのだ。
「あまり長くはもたないけど…」
 フィーナはシュッツエンゲル自在に宙を舞う数十枚のマルチドローンプレートにオーラを纏わせて、見えざる幻朧桜の花弁の流れを逸らす結界を形成する。
 だがフィーナの言葉通り、そう長くは花弁の流れを防御する事はできないだろう。
 それでも反撃するだけの時間は稼げる。
「魔を祓い、傷つきし者を癒す。響け、聖なる旋律!」
 フィーナすぐに万感の想いを込めた歌を帝都に響かせる。
「…これは?」
 透明人間は姿を消す事は出来ても聴覚までは消す事もできない。
 破魔の旋律によりソウマコジロウだけでなく…幻朧帝の存在そのものを浄化しにかかる。
 それは平和に暮らす帝都の人々の消失をも意味していた。
 彼等は何が起きたのか理解できぬまま、聖なる旋律により浄化されていく。
「~っ!!」
 その光景にフィーナも心を痛め、キュッと唇を噛みしめる。
 だが同時に善良であると思われた帝都の人々でさえも、倒すべきオブリビオンである事実が証明されたということでもある。
 そしてソウマコジロウもまた融合した幻朧帝と共に浄化されつつあり、その場で膝をつく。
「さようなら、コジロウさん。もし奇跡が起きて転生することがあったら、って願わずにはいられないわ。その時は、帝の呪縛も関係なく、一人の人として…」
「く…これで勝ったつもりか?」
 しかし幻朧桜の花弁の流れも激しくなり、フィーナが展開した結界が破られようとしている。
 フィーナが花弁の流れに囚われてしまうのが先か、ソウマコジロウが幻朧帝と共に浄化されるのが先か、そんな緊迫した状況は姿も音も無く続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
幻朧帝は滅ぼさなければならないし、(どうしようもないとはいえ)ソウマコジロウが乗っ取られたままというのも、少し気に入らない
だからこの世界を壊す事に躊躇いはない……それに、まあ、偽りの世界だしな

神刀の封印を解除。神気を纏う事で身体能力を強化して
例え舞い散る桜が見えずとも、刀を振るう剣圧、神気によって桜を吹き飛ばし

心の眼でソウマコジロウの位置を見定め、高速ステップで踏み込んでから廻・伍の秘剣【灰桜閃】
正確な斬撃ではなくとも三度の剣戟を食らわせたなら、敵に浄化の神気を纏わせる事ができる。姿は見えずとも、この神気が敵の位置を示し、追加でダメージを与えてくれる
さて、もう少し続けるとしようか



「全くもって気に入らないな…」
 サクラミラージュ出身の剣豪、夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)は、将来のサクラミラージュとして幻朧帝と融合したソウマコジロウによって生み出された世界『輝けるサクラミラージュ』にへと踏み入れる。
 輝けるサクラミラージュの帝都は、鏡介が知る帝都よりも平和で幸福に満ちている。
 そんな光景すらもソウマコジロウを乗っ取っている幻朧帝に嘲笑られているような気がして、鏡介の神経を逆なでさせていた。
「だからこの世界を壊す事に躊躇いはない……それに、まあ、偽りの世界だしな」
「ならば、全力でお相手させてもらおう!」
 鏡介の敵意に感づいたソウマコジロウから、舞い散る幻朧桜を纏わせた見えざる一撃が繰り出される。
「やはりそう来たな!」
 鏡介は咄嗟に神刀の封印を解除し神気を纏い、見えざる一撃を受ける。
「何とか…即死は免れたか…」
 強化した身体能力で必中の先制攻撃を受け流し、手傷を負わされるも致命傷を避けたのである。
「そこだな!」
 そして神気によって幻朧桜を吹き飛ばし、心の眼でソウマコジロウの位置を見定めると、高速ステップで踏み込んでから、秘剣を放つ。
「神刀解放。咲き乱れろ、灰の桜花――廻・伍の秘剣【灰桜閃】」
 姿の見えない相手に普段のような正確な斬撃を放つことは出来ない。
「ぐ…まるで我の動きを知っているかのようだ!」
 だがそれでも鏡介はソウマコジロウの三度の剣戟を食らわせた。
 ソウマコジロウの方は憶えてなくとも、鏡介には以前にソウマコジロウと戦った経験がある。
 その差は特に剣での戦いは大きなアドバンテージとなるのだ。
 与えた傷自体はかすり傷程度でしかなかったが、それでもソウマコジロウに浄化の神気を纏わせるには十分である。 
 纏わせた神気が透明人間であるソウマコジロウの位置を示し、更に浄化によって常にダメージを与えてくれる。
「このまま終わりたくなければ思い出したらどうだ?」
「…何を?」
 鏡介の言葉にソウマコジロウはその意味を理解しかねていた。
「お前は自分が幻朧帝の完全滅殺に成功し、帝都の無限繁栄を約束した立役者と思っているようだが、実際はそうではないということだ」
 その事実を伝えた所で、ソウマコジロウが幻朧帝の融合から解放されることはない。
 それでも今の守護者気取りのソウマコジロウは、鏡介にとっては見るに堪えない哀れな存在であるように思えてならなかったのだ。
「悪かったな…さて、もう少し続けるとしようか」
 珍しく饒舌になったと、鏡介は気持ちを切り替えて、ソウマコジロウとの戦いを続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

伊澄・響華
「理想の世界、ね…」
美しい、幻の世界。
本当の世界は、みんなの力で今も障害を乗り越えようとしている。
だから、この世界は討つわ。わたしの天使のためにね。

見えない姿からの、見えない攻撃…
敵対者を否定するオーラ、Verweigerungを全開にして防御。
触れた瞬間にその部位にオーラを集中し、刀の軌道を逸らします。

「…死撃必殺」
敵の攻撃に込められた殺気から心眼でソウマコジロウの位置を感じとったら、UCを発動、胡蝶の幻覚の中から左右の手に持ったKette des Waffeの針と、刃と化したPresence of Exterminationの四連撃を撃ち込みます。

「…嫌いじゃなかったわよ、ソウマコジロウ」



「理想の世界、ね…」
 ソウマコジロウが創り出した新世界『輝けるサクラミラージュ』は、復活ダークネス専門の殺し屋稼業である伊澄・響華(幻惑の胡蝶・f44099)でさえも美しいと感じさせる程であった。
 だが響華は知っている。
 眼前の平和そのもののサクラミラージュが、幻朧帝『イティハーサ』との融合によって生まれた幻であるということ、そしてみんなの力で今も障害を乗り越えようとしている世界サクラミラージュこそが本物であるということを。
「だから、この世界は討つわ。わたしの天使のためにね」
 三つ編みおさげの天使の姿を思い浮かべながら、響華はソウマコジロウの襲撃に備える。
「ようやく築いたこの世界を壊させなどせぬ!」
 そして予想通りのタイミングで、透明人間でもあるソウマコジロウの奇襲を受ける事となった。
 見えない姿からの、見えない攻撃、鷹の如く飛翔する、無数の透明な日本刀が世界に仇成す者を両断しようと襲い掛かる。
「ここは決して理想の世界などではないわ!」
 自らに向けられる敵対行為を否定し、拒絶し、無効化する気Verweigerungを発した、響華は必殺必中の刃が触れた瞬間に、オーラを一点に集中させ、刀の軌道を急所から逸らすことに成功した。
「流石ね…」
 しかし無傷という訳にはいかず、肩口を切り裂かれ、血しぶきが桜の花びらのように舞い散った。
「この代償は高くつくわ」
 それでも傷口は浅く反撃するには支障はない。
 ソウマコジロウの姿は見えないままだが、今の攻撃に込められた殺気から、おおよその位置を感じ取った響華はすかさず反撃に移った。
「…死撃必殺」
 超高速の突進でソウマコジロウとの間合いを詰めた響華は胡蝶の幻覚を放つ。
「舞い飛ぶ胡蝶、あなたが最後に見る光景よ」
 そして左右手に持った悪夢の「影」を宿して漆黒に染め上げた鎖Kette des Waffeの先端に備えられた針と、刃と化した深く暗い漆黒の闇の色に物質化した殺気Presence of Exterminationによる四連撃を撃ち込んだ。
 生命あるモノを否定し、拒絶し、切り裂く、必殺の四連撃による確かな手応えを感じた。
「…嫌いじゃなかったわよ、ソウマコジロウ」
 物音立てずに倒れるソウマコジロウの気配を感じながら、響華は冷ややかに、彼とそしてこの幻の世界に別れを告げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎

例え繁栄が約束されている理想世界だとしても
これが幻朧帝が未来を否定し生み出した幻想と分かっているなら…ぶっ壊す


透明化対だが、姿が見えなくとも気配と殺気までは消せねぇだろう
「第六感、聞き耳」で危機を察しつつ、俺自身の直感も信じよう

幻朧の花弁の流れも、流れる気配を察知し把握したい
流れを上流に遡れば…流れの起点にはソウマコジロウがいるよな?
幻朧桜の流れをかき分け上流へと少しずつ歩みを進め
流れが途切れた、あるいは強くなったら
「高速詠唱、言いくるめ」+指定UCで「破魔、浄化」特化のアスモデウス召喚
「属性攻撃(聖)、破魔」の白炎を噴かせて、ソウマコジロウを浄化してやる!



「確かに理想世界なんだろうな…」
 森宮・陽太(未来を見据える元暗殺者・f23693)は、創り出された新世界『輝けるサクラミラージュ』の様子をざっと見て率直な感想を漏らす。
 陽太の眼前には、影朧の気配も悪意も感じられず、笑顔を絶えず日々を懸命に過ごしている人々が行き交う光景が広がっている。
 サイバーザナドゥ出身でサクラミラージュの帝都在住の陽太は、幻想と分かっていながらも、理想と呼ぶに相応しい世界であるという事を嫌でも理解できてしまうのだ。
「だが、例え繁栄が約束されている理想世界だとしても。これが幻朧帝が未来を否定し生み出した幻想と分かっているなら…ぶっ壊す」
 それでも諸悪の根源である幻朧帝『イティハーサ』の存在を思い浮かべ、決意を固める。
「そうはさせぬ!」
 その決意に呼応するかのように、幻朧帝と融合したソウマコジロウが、姿を消したまま陽太を襲撃する。
 ソウマコジロウもまた悪意は無く、ただ純粋に世界を守るという想いのみで猟兵達をこの世界から排除しようとしている。
 透徹たる眼光から放たれる見えない幻朧桜の花弁の流れが、下流にいる者を幻想の世界の住人オブリビオンにへと変えるのだ。
「姿が見えなくとも気配と殺気までは消せねぇだろう」
 それに対して陽太は聴覚を研ぎ澄まし、第六感を頼りにソウマコジロウの気配を察知する。
 同時に見えない幻朧の花弁の流れも気配を察知し、下流には立たないようその場から離れる。
 向かう先は花弁の流れの上流である。
 流れの起点にソウマコジロウがいるに違いないのだ。
「獄炎操る悪魔アスモデウスよ、その炎で魔と闇を打ち砕き、希望を齎せ!」
 陽太はダイモンデバイスから白色の獄炎の術を操る悪魔を召喚し、流れの起点に向かわせる。
「要求は後で聞いてやる。姿の見えない相手でもお前ならやれるだろう?」
 陽太の言葉に触発された悪魔は、白色の獄炎を噴かせて、幻朧の花弁を燃やし尽くす。
 そして幻朧の花弁の流れの起点に居た、ソウマコジロウをも浄化しにかかる。
 姿は見えなくても、白色の獄炎に苦しむソウマコジロウの様子が、陽太にははっきりと感じ取れた。
「悪いがそのまま消えてもらうぜ。忌々しい幻朧帝と共にな」
 その後も悪魔アスモデウスは、理想の世界で鬱憤を晴らすかのように暴れまわるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

弓落・高寿
何やら随分と様子が変わっちまったようで…尤も、第一戦線と今の状態、果たしてどちらがあれにとって幸せなのだろうな。

感傷はさておき、しかし前と同じく第一戦線いまだ透明化なんぞ言う小細工を使うなら、我はただ押し切るのみ。初手の一撃を凌ぎ切れば後は見えなくても数で潰してやろう。
初手の一撃は神器の自動防御で、失敗しても激痛耐性と気合いで耐えて意地でも術を発動させてやる。
この数の包囲UC、切り抜けられれば素直に褒めてやろう。ソウマコジロウ。
手前に偽りとはいえ護る世界があるならばそれはこちらも同じこと。負けても恨んでくれるなよ。


七那原・望
視覚に頼らなければ透明化は意味がない。だから目隠しをしたまま戦場へ。

絶望しなさい、憎みなさい、罵りなさい、呪いなさい。
この素晴らしい世界も、ここに生きる全ての命も、あなたの願いも希望も、そして平和も、わたしという下衆の私利私欲で全て踏み躙られるのですから。

第六感、気配感知、心眼、聞き耳で視覚に頼らずにコジロウさんの行動を見切り、攻撃を回避。
幻朧桜による攻撃は風属性の全力魔法と結界術を併用し、わたしに触れる前に吹き飛ばします。
隙を見つけたら絶・蘇威禍割。イティハーサの因果ごとコジロウさんを砕きます。

正当化はしないし免罪符もいりません。
やってる事はイティハーサと大差ないのですから。



「この世界を脅かす不届き者め!女子供とて退かぬのなら容赦はせぬぞ!」
 幻朧帝イティハーサとソウマコジロウが融合した事で、創り出された『輝けるサクラミラージュ』。
 理想のサクラミラージュとも言うべき、繁栄と平穏に満ちた世界も猟兵達の度重なる進行によって崩壊しつつあった。
 それでも世界の守護者としての記憶を受け付けられた、ソウマコジロウはあくまでもその役割を演じ続け、猟兵達を相手に剣を振るい続けているのである。
「何やら随分と様子が変わっちまったようで…尤も、第一戦線と今の状態、果たしてどちらがあれにとって幸せなのだろうな」
 弓落・高寿(平安京異邦人・f44072)は幻朧桜の花弁の奔流を神器で凌ぎながら、いまだに透明化を続けているソウマコジロウの気配を探る。
 第一戦線で相対した時は、自身の置かれている状況を正しく理解していたソウマコジロウであったが、今の彼はその面影は感じられない。
 高寿はまるで別人を相手にしているかのような気分だった。
「絶望しなさい、憎みなさい、罵りなさい、呪いなさい。この素晴らしい世界も、ここに生きる全ての命も、あなたの願いも希望も、そして平和も、わたしという下衆の私利私欲で全て踏み躙られるのですから」
 目隠ししたまま戦場に赴いた、七那原・望(比翼の果実・f04836)は、幼いながらも大人びた態度で、非常に徹していた。
 自分達がこれから行おうとしている事を正当化せずに、事実として受け止めているのだ。
「ならば死んでもらう他ない!」
 ソウマコジロウも望に対して手心を一切加える事無く、舞い散る幻朧桜を纏わせた刃で必殺の一撃で、その幼き命を葬ろうとする。
 姿こそ見えないが、これまでの戦いで負傷しているソウマコジロウであるが、それとは反比例して幻朧桜の力は高まっていた。
 望も視覚には頼らず、行動を見切って必殺の一撃を回避しようとするが、ソウマコジロウの方が数段も早く、間に合わない。
「いいのかい?もうとっくに包囲されてるのに隙だらけさ!」
 そこへ既に神器の複製を終えていた高寿が、その一つを飛翔させて、ソウマコジロウを妨害した。
 高寿とてソウマコジロウの幻朧桜の花弁による先制攻撃を受けて、軽くはないダメージを受けていたが、それでも気合いで激痛に耐え、意地で術を発動させたのである。
「この数の包囲、切り抜けられれば素直に褒めてやろう。ソウマコジロウ」
 望の代わりに必殺の一撃を受けた神器は粉々に砕け散るも、神器の複製はまだいくらでもある。
 太刀、勾玉、杖、鏡、様々な複製された神器が幾何学模様を描き複雑に飛翔し、姿なきソウマコジロウを攻め立てる。
「ぬうううう!」
 ソウマコジロウも懸命に神器の猛攻を凌いでいるようだが、手数が足りずに追いつめられていく。
「手前に偽りとはいえ護る世界があるならばそれはこちらも同じこと。負けても恨んでくれるなよ」
「わたしのことは恨んでくれて構いませんけれどね」
 残っていた幻朧桜を風の結界で吹き飛ばした望は、黒き妖刀と白き聖剣を手に隙をみせたソウマコジロウに斬りかかる。
 もはや意識を集中させなくとも、ソウマコジロウの居場所は明白であった。
「外すなんて有り得ない。絶対に割ります」
 望による視界を閉ざして放つ超高精度かつ神速の一刀が、ソウマコジロウを無慈悲に切り裂いた。
「ぐわおおおおおおお!」
 響き渡る断末魔の絶叫は融合していた、幻朧帝イティハーサによるものだった。
 概念的に粉砕する無数の剣閃、ソウマコジロウだけではなく、イティハーサの因果をも打ち砕いたのである。
「終わったようですね…」
 ソウマコジロウの気配も消滅し、彼が最後に幻朧帝から解放され、本来の記憶を取り戻せたのか、知る由はない。
 そして輝けるサクラミラージュの崩壊が、急速に進んでいく様子が見て取れる。
 当然、住人達もその崩落に巻き込まれ次々と命が失われていく。
 彼等は何故自分達の世界が破壊されなければならないのか、その理由を誰一人として理解できていないだろう。
 望は目隠しを外し、目を反らす事無く、その光景をしっかりと目に焼き付けた。
「正当化はしないし免罪符もいりません。やってる事はイティハーサと大差ないのですから」
「そういうことだろうね…引き上げようか」
 そんな中、望と高寿は崩壊に巻き込まれる前にグリモアベースに帰還するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年09月26日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト