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帝都櫻大戰⑮〜ラグランジュカップ・キックオフ!

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第二戦線 #イザナミ #サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』 #ラグランジュポイント


「帝都櫻大戰への参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は現在の状況を語り始めた。
「戦いは第二戦線へと移行し、残る3体の『エンシェント・レヰス』が出現。彼らはサクラミラージュのみならず、他の世界にまで侵略規模を拡大させています」
 幻朧帝イティハーサによってオブリビオン化されたエンシェント・レヰスは、望まずして世界に滅びをもたらす。彼らは一体一体が規格外に強大な存在であり、10日もあれば世界を10は滅ぼせるだろう。だが、この未曾有の危機を知った『山本五郎左衛門』と『キャンピーくん』の働きにより、頼もしい援軍も各世界に集結しつつある。

「皆様にお願いしたいのは、ヒーローズアースに出現したエンシェント・レヰス『イザナミ』の撃破です」
 ヒーローズアースの地上から遥か大気圏外まで、世界中で咲き乱れる幻朧桜と共に出現した『イザナミ』は、かつては安らかな死後の楽園「サクラエリュシオン」を司る女神であった。されど楽園は喪われ、彼女の身体も冥府の蛆獣に蝕まれ、幻朧帝の尖兵に堕ちた。そんな彼女は今、ラグランジュポイントにある都市を襲っている。
「女神イザナミは『火雷大神ほのいかづちのおおかみ』という8体の精霊によって、あらゆる攻撃から完璧に守護されています」
 イザナミの周囲に浮遊する精霊が護りを固めている間は、どんな攻撃も彼女には届かない。だが、ここには火雷大神ほのいかづちのおおかみの鉄壁のディフェンスを突破できるテクニックを持つ助っ人が、山本親分とキャンピーくんの手によって送り込まれている。

「その名は『エル・ティグレ』。サッカーで第三銀河を統一した究極のストライカー、サッカー・フォーミュラです」
 アスリートアースのバトル・オブ・オリンピアで、彼女と激闘を繰り広げた記憶も新しい猟兵もいるだろう。その時の試合結果――というか部下の先走りのせいで猟兵の配下になってしまった彼女は、猟兵との協力プレーでイザナミに立ち向かってくれる。
「エル・ティグレのディフェンスをかいくぐるフットワークと、必殺の暗黒星雲ボールは強力です。真っ向から敵の守備を攻略することも不可能ではありません」
 エル・ティグレの暗黒星雲はあらゆるユーベルコードを吸収する。これを利用して彼女と一緒に『ユーベルコードを籠めたサッカーボール』を高速でパスし合いながら間合いを詰め、火雷大神たちの守護をすり抜けることができれば、イザナミにダメージを与えることができるはずだ。

「この試合……もとい戦いは、エル・ティグレとのチームプレーが重要になってくるでしょう。サクラミラージュを、そしてヒーローズアースをエンシェント・レヰスの脅威から救うため、皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、ヒーローズアースのラグランジュポイントへと道を開く。
 安寧なる櫻の楽園の女神、イザナミ。規格外のオブリビオンとして再臨したいにしえの超存在から、果たして世界を護ることはできるのか。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはヒーローズアースに降臨したエンシェント・レヰス『イザナミ』に、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と共に立ち向かう依頼です。

 このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。

 プレイングボーナス……エル・ティグレと協力して火雷大神の守護をすり抜ける。

 8体の火雷大神ほのいかづちのおおかみに守護されたイザナミには、通常ではあらゆる攻撃が通じません。
 そこでエル・ティグレと協力して、猟兵とエル・ティグレ自身のユーベルコードを籠めたサッカーボールをパスし合いながら火雷大神のディフェンスを突破し、イザナミ本体にシュートを叩き込みましょう。
 それ以外の攻撃はなんであれ無効になってしまうので、ご注意ください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『イザナミ』

POW   :    幻櫻死界
指定地点からレベルm半径内を【サクラエリュシオン】に変える。内部にいる者は活力(体温・燃料等)を激しく消耗する。
SPD   :    黄泉変異卵
【冥府の蛆獣】から無限に供給される【生命を貪る蛆獣の卵】を、最大レベル体の対象に一瞬で投擲できる。
WIZ   :    火雷大神
自身に刻まれた【オブリビオン化の烙印である腐敗した肉体】を引き裂き、【8体の火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)】を召喚する。[8体の火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)]は死ぬまで敵を追跡し、【雷】で攻撃し続ける。
👑11
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エリー・マイヤー
愛と死の女神、イザナミの誇る絶対防御。
それを超える鍵は、サッカーにあるということですか。
なるほど。
なるほど?
…まぁ、倒せるなら何でもいいですか。

念動力で自身の肉体に干渉し、自由自在に飛翔。
縦横無尽の三次元軌道によるパス回しで、敵を翻弄します。
敵のパスカットは、ボールの軌道を念動力で操ることで防止しましょう。
そのまま、ゴール前敵の目前までエル・ティグレさんと共に駆け抜けます。
で、ボールに【念動・エクスプロージョン】を込めまして…
念動力による軌道操作で、いい感じの位置にパスを届けましょう。
シュートはエル・ティグレさんに託しました。
第三銀河を統一したというその球威、見せつけてやってください。



「愛と死の女神、イザナミの誇る絶対防御。それを超える鍵は、サッカーにあるということですか」
 現在の状況と作戦の説明を受けたエリー・マイヤー(被造物・f29376)は「なるほど」と頷き、次に「なるほど?」と首を傾げた。大真面目に奇妙なことを言われた気がするが、アスリートアースのサッカーとサッカー・フォーミュラにはそれだけの力があるのだ。
「……まぁ、倒せるなら何でもいいですか」
「おう! このアタシの華麗なドリブル、見せてやるよ……です!」
 先の戦争で敗北して以来、猟兵に頭の上がらない『エル・ティグレ』だが、それを差し引いても今回の士気は高い。
 フォーミュラとの共闘というイレギュラーな事態だが、それくらいしなければ倒せないほど、今回の敵もまた規格外の存在なのだ。

「無理です。妾の火雷大神達が護りを固めてしまった以上、どのような攻撃も……」
 ラグランジュポイントに顕現したエンシェント・レヰス『イザナミ』の周囲に浮かぶのは8体の精霊。ゴールポストを護るディフェンダーのように、その守備は鉄壁で隙がない。そのうえでイザナミ本人は攻撃ができる一方的な状況に、世界の滅びを望まぬ彼女が悲観するのも無理はなかったが――。
「付いて来いよです、猟兵様!」
「はい。行きましょう」
 サッカーボールを蹴って流星のようにダッシュするエル・ティグレに合わせて、エリーは念動力で自身の肉体に干渉し、自由自在に飛翔。重力の鎖に囚われない、縦横無尽の三次元機動によるパス回しでイザナミへと突っ込んでいく。

「うっ……お待ちなさい、火雷大神……!」
 イザナミの制止も聞かずに【火雷大神】はエリーたちを追跡してパスカットを図る。だがエリーはボールも念動力で操ることで本来ならありえない軌道を描かせ、相手の妨害をすり抜ける。これだけ精密に念動力をコントロールできるサイキッカーも滅多にいまい。
「運動は苦手ですが、こういうのならどうとでも」
「アハハッ! 流石だなぁ!」
 表情ひとつ変えないクールさで、のらりくらりと自由でとらえどころのないフットワーク。そのままゴール前敵の目前までエル・ティグレと共に駆け抜けると、サッカーボールに【念動・エクスプロージョン】を込める。暗黒星雲のパワーを凝縮したボールに破裂する念動力が加わると、彼女はそれを味方に向けてポンッと蹴った。

「シュートはエル・ティグレさんに託しました。第三銀河を統一したというその球威、見せつけてやってください」
「おう! 刮目しろ……ですッ!!」
 念動力による軌道操作で、足元に吸い付くような絶妙の位置にパスが届く。ボールを受け取ったエル・ティグレの瞳には、イザナミゴールへのシュートコースがはっきりと見えていた。かつて宇宙を制した黄金の右脚が、今こそ唸りを上げて必殺の一撃を放つ。
「まさか……!!」
 無敵と評された火雷大神のディフェンスを破り、2人分のユーベルコードを籠めたボールがイザナミに突き刺さる。
 暗黒星雲と念動力の爆発に仰け反らされ、驚愕し、目を丸くする。その様子は女神にとっても予想外のことが起きたようだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シリルーン・アーンスランド
わたくしも銀誓館から出でし者
球技は一通り嗜みましてございます

並ぶものなき強者エル・ティグレさまが
お味方に馳せつけて下さいましたからには
必ず最高のプレイを見せて下さると存じますわ

まずは頼もしき方にご挨拶を
球に『月の斬撃』を封じて頂きましょう
ご説明の後全ての技能も用いUCを唱え参ります

封じた斬撃からもわたくしからも
縦横無尽に攻撃と足場が発されます
足場はエル・ティグレさまにもお使い頂き
パスを回してゆきますわ

回せば回すほど近づき斬撃の密度も濃くなります

斬撃が交差し道が開けました
「エル・ティグレさま!今です!」
わたくしも後押しし真っ直ぐ!

なんという脚力!お美しゅうございます
女神の終焉も近うございましょう



「わたくしも銀誓館から出でし者。球技は一通り嗜みましてございます」
 ゴーストの脅威に対抗する能力者養成機関にして教育機関である銀誓館学園では、体育の授業やクラブ活動、学校行事等でスポーツも盛んだった。まさかの実戦でそれを披露する機会に、シリルーン・アーンスランド(最強笑顔の護り風・f35374)は気後れしていない様子だ。
「並ぶものなき強者エル・ティグレさまが、お味方に馳せつけて下さいましたからには、必ず最高のプレイを見せて下さると存じますわ」
「アハハッ! そう言われちゃあブザマなところは見せられねぇなです!」
 頼もしき相方となる『エル・ティグレ』に挨拶し、優雅な微笑とともに一礼すると、相手はボールをリフティングしながら快活に笑った。そのサッカーボールこそがサッカー・フォーミュラの能力にして第三銀河最強兵器。これに猟兵の力も合わせて放てば、どんな相手にも通用するはずだ。

「この球に、わたくしの【月の斬撃】も封じて頂けますか」
「もちろんだぜ……です!」
 シリルーンのユーベルコードは極超音速の月光弾。暗黒星雲ボールの威力を高めるのにも相性の良さそうな能力だ。
 あらかじめエル・ティグレにその内容や効果を説明してから、彼女は持てる技能の限りを尽くして呪文を詠唱する。
「参ります。あえかなる月の光よ、斬撃となり敵を討て!」
 お淑やかな所作からキレのある動きでキックオフ。サッカーボールの銀河に月の輝きが宿ると、シリルーンとエル・ティグレは一斉に走り出した。彼女らの前に立ちはだかるのはエンシェント・レヰス『イザナミ』と、彼女を守護する8体の『火雷大神』である。

「あの球は、ただの遊具ではありませんね……」
 イザナミと火雷大神が警戒を強めるなか、【月の斬撃】を封じたサッカーボールから三日月型の衝撃波が放たれる。
 さらにボールを追うシリルーンからも同様の衝撃波が。縦横無尽にラグランジュポイントを飛び交うそれは、攻撃手段と足場を両立するものだ。
「エル・ティグレさまも、どうぞお使いくださいませ」
「こりゃいいぜ! ありがとよです!」
 シリルーンとエル・ティグレはこの足場を存分に活用して、立体的な動きでパスを回していく。火雷大神たちが阻止しようとしても、衝撃波のせいで迂闊に近寄れない。しかも二人がパスを回せば回すほど、ボールからは新たな斬撃が次々に発生するのだ。

「アハハッ! どけどけ、エル・ティグレ様と猟兵様のお通りだ!」
 巧みなフットワークでイザナミに近付いていく二人。食い止めんとする火雷大神たちのディフェンスにも怯まない。
 度重なるパスワークにより密度を増した斬撃を、たった8体で防ぎきれるものか。交差した三日月の衝撃が道を開く。
「エル・ティグレさま! 今です!」
「おうッ!」
 シリルーンの後押しを受けながらエル・ティグレの放ったシュートは、真っ直ぐにイザナミのもとへと飛んでいく。
 その弾速はマッハを越えて亜光速の領域に。銀河の星々と月光の輝きをまとった一撃が、桜と死の女神に直撃する。

「なんという脚力! お美しゅうございます」
「へへっ! それほどでもあるぜ!」
 見事シュートを決めたエル・ティグレの業前を、手放しで賞賛するシリルーン。女神の終焉も近うございましょう、という彼女の褒め言葉に、エル・ティグレのほうも満更ではない様子だ。事実、今のシュートにはそう言われるだけの価値があった。
「見事……です。サッカーとは、侮れないものですね……」
 鉄壁のディフェンスを突破され、大きなダメージを受けたイザナミ。その表情には苦痛だけではなく希望が見える。
 幻朧帝の配下としてオブリビオン化された彼女にとって、自身を打倒しうる存在の出現は望ましいことだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
サッカー……サッカーときたか。確かにエル・ティグレの能力は大したものだったし
協力すれば勝機も見いだせるだろう

慣らしは不要だ、最初から全力で行こう
なに、以前の戦いで動きは大体把握しているからどうにか合わせられるさ
適宜パスを回しながら接近するが、敵の守りは硬い

ならば。エル・ティグレのパスを敢えて蹴り返さずに身体で受けて、ボール諸共吹き飛ばされる
相当のダメージは受けるが(特にサクラエリュシオン化した領域を)走り抜けるよりも圧倒的に早い

――丁度良い間合いまで移動したら、渾身の力を込めていざシュート

剛式・肆の型【鎧断】。鎧を断ち切るその一撃にて火雷大神たちの守護をぶちやぶり
そのままイザナミに叩きつける



「サッカー……サッカーときたか。確かにエル・ティグレの能力は大したものだったし、協力すれば勝機も見いだせるだろう」
 サクラミラージュ誕生に関わる超古代種族エンシェント・レヰス、愛と死の女神『イザナミ』を打倒するカギはサッカーにあり。そう言われても夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)はさほど驚かなかった。バトル・オブ・オリンピアにて実際にサッカー・フォーミュラの実力を目の当たりにしていたのも大きかっただろう。
「慣らしは不要だ、最初から全力で行こう」
「了解だぜです! 飛ばしていくぜ!」
 本気を出していいと言われ、意気揚々とキックオフする『エル・ティグレ』。猟兵に負けて配下になったとはいえ、そのフットワークのキレは相変わらずだ。第三銀河を征服した黄金の足が、ラグランジュポイントを超高速で駆ける。

「なに、以前の戦いで動きは大体把握しているからどうにか合わせられるさ」
 純粋なサッカー技術では流石に劣るものの、鏡介も足手まといにはならない。適宜パスを回しながらイザナミに接近するが、そこで立ちはだかるのが8体の『火雷大神』。全方位からのあらゆる攻撃に備えた、その守りの硬さは鉄壁だ。
(ならば)
 正攻法でのディフェンス突破は難しいとみた鏡介は、アイコンタクトでパスを要求。なにか策があると察したエル・ティグレはすぐさま稲妻のような鋭さでボールを送る。暗黒星雲のパワーを具現化したこのボールこそ、対イザナミ戦の最終兵器だ。

「うっ……!」
「えっ? ちょっ、猟兵様ーー!!?」
 しかし鏡介は、パスとはいえ途轍もない威力と速度のボールを、敢えて蹴り返さずに身体で受けた。まさかの行動にエル・ティグレもビックリしているが、彼は「これでいい」と頷く。味方にとっても予想外なら、敵にはもっと予想外のはずだ。
「なにを……まあ!?」
 ボール諸共吹き飛ばされた鏡介はイザナミの元へと急接近。相当のダメージは受けるが、サクラエリュシオン化した【幻櫻死界】の領域を走り抜けるよりも、このほうが圧倒的に速いと判断したのだ。エル・ティグレの全力と、それを受け止められる実力があって実現できる荒業である。

「斬り壊す――剛式・肆の型【鎧断】」
 丁度良い間合いまで吹き飛んだら、渾身の力を込めていざシュート。大太刀を振るう際の全身を大きく使った動きをシュートモーションに応用し、鎧を断ち斬るユーベルコードを暗黒星雲ボールに乗せる。その一撃はまさしく刃の如き切れ味をもって、火雷大神たちの守護をぶち破った。
「なんと……ッ!!!」
 そのままイザナミに叩きつけられたボールは、ユーベルコードふたつ分のパワーを解放。剣豪の技と暗黒星雲の力がひとつになって、女神に驚愕と大ダメージを与える。まさかサッカーがこれほどの可能性を秘めているとは、戦う前の彼女は予想すらしていなかっただろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
あーんっど!
コラボ先の皆様なのでっす!
エル・ディグレのお嬢さんも合わせて11人なのでっす!
やや、単純にイザナミのおねえさん達を数で勝ってるだけではないのでっしてー。
11という数字はエル・ディグレのお嬢さんを最強にするのでっす!
というわけで11人でボールに力を込めながらパス回しをしていくのでっす!
藍ちゃんくん達は本職の選手ではありませんがー。
【演技】に関してはプロなのでっすよー?
視線誘導やフェイントを織り交ぜて、火雷大神によるディフェンスを抜いちゃいましょう!
エル・ディグレのお嬢さん以外も甘く見てもらっては困るのですよー!
ではではお嬢さん、ゴールを決めちゃおうなのでっす!



「藍ちゃんくんでっすよー! あーんっど! コラボ先の皆様なのでっす!」
 いつも通りに快活な挨拶でラグランジュポイントに登場する紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)。
 だが、本日の参加はソロではなかった。【縁・逢い】によって召喚されたコラボ共演のメンバーが9名、フィールドにずらりと勢揃いする。
「エル・ディグレのお嬢さんも合わせて11人なのでっす!」
「イレブン! アハハッ、わかってるねぇ!」
 彼が言わんとすることをサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』は即座に察し、明らかにテンションを上げた。
 彼女はアスリートアースの宇宙史上、初めて第三銀河を統一した最強のギャラクシィリーガー。その実力を発揮するには、この布陣こそが相応しい。

「いかに人数を増やそうとも、それだけで妾の【火雷大神】は……」
「やや、単純にイザナミのおねえさん達を数で勝ってるだけではないのでっしてー。11という数字はエル・ディグレのお嬢さんを最強にするのでっす!」
 サッカーのルールに明るくないイザナミにそう言って、藍はエル・ティグレにボールをパス。他9名のコラボ相手とも連携して、戦場という名のフィールドを駆け上がる。ここに呼ばれたメンバーは全員が藍のファンでもあり、統率力は完璧だ。
「神様だかなんだか知らないが、このアタシに『サッカー』をやらせたらどうなるか、思い知らせてやるぜ!」
 チームのフォワードにして連携の軸を担うのはやはりエル・ティグレ。サッカー・フォーミュラとしての実力を遺憾なく発揮して味方を牽引する原動力となり、彼女を中心とした11人はボールに力を込めながらパス回しをする。パスが通るたび、ボールに籠められた暗黒星雲のパワーが増していくのがわかる。

「藍ちゃんくん達は本職の選手ではありませんがー。演技に関してはプロなのでっすよー?」
 もちろん藍たちもただの数合わせのメンバーというわけではない。あっちにボールを送ると見せかけてこっちにパスを出したり、ここで蹴るかと思わせてタイミングをずらしたり。ステージに立つ専門家らしく、視線誘導やフェイントを織り交ぜて【火雷大神】によるディフェンスを抜き去る。
「エル・ディグレのお嬢さん以外も甘く見てもらっては困るのですよー!」
「なんと……火雷大神が完全に翻弄されている……!」
 たかだか数名の人数差では突破されるはずのなかった布陣。それがバラバラに乱され破られていく様を、イザナミは驚嘆の面持ちで見ていた。六番目の猟兵とサッカー・フォーミュラの共闘はエンシェント・レヰスの想像すら超える。目の前で起きた現実がその証明だ。

「ではではお嬢さん、ゴールを決めちゃおうなのでっす!」
「オッケー! アタシに任せろ……です!」
 目標をゴール圏内に収めたところで、藍は絶妙のパスを送り。それを受け取ったエル・ティグレがシュートを放つ。
 11人で繋いだ暗黒星雲ボールはブラックホールのように渦を巻き、衝撃波を起こしながらイザナミへと突き刺さる。
「ぐッ……見事です……この力ならば……」
 その身を蝕む冥府の蛆獣ごと、またしても大打撃を被ったイザナミは、このまま自身が倒されることを期待する。
 司るべき世界を失い、幻朧帝の配下に成り果てた彼女にとっては、自身に立ち向かう猟兵こそが最後の希望だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリュンヒルデ・ブラウアメル
サッカーか!
なら、我も本気を出そう!
サッカーウェアに着替えてエル・ティグレと共にUCを込めたサッカーボール…貴殿がサッカー・フォーミュラであるなら、こちらはエンドブレイカー・フォーミュラのヴァルキリー・フォーミュラを気取らねばならん
つまり…空を飛びながら終焉を破壊するUCをサッカーボールに込め、あらゆる『終焉エンディング』を破壊しながらパスをし合う
火雷大神に塞がれる終焉、攻撃を叩き込まれる終焉、それら諸々を覆し…破壊していく!

エンドブレイカーのサッカーとは、こうやるのだ!
最後にエル・ティグレと同時にシュートをイザナミに叩き込む



「サッカーか! なら、我も本気を出そう!」
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と共闘する今回の作戦のために、サッカーウェアに着替えてきたのはブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首『剣帝』・f38903)。まずは形から入るタイプなのだろうか、気合は十分である。
「よし! いくぜ猟兵様!」
 エル・ティグレのほうもやる気は満点。8体の『火雷大神』に護られた『イザナミ』に再びゴールを決めるため、サッカーボールを蹴って走りだす。それは彼女の髪に宿る暗黒星雲を具現化したもの――そこに猟兵の力も加えるために、ブリュンヒルデも並走を始めた。

「エル・ティグレと共にユーベルコードを籠めたサッカーボール……貴殿がサッカー・フォーミュラであるなら、こちらはエンドブレイカー・フォーミュラのヴァルキリー・フォーミュラを気取らねばならん」
「え、なにそれ?」
 パスを回しつつイザナミたちに近付きながら、ふいにブリュンヒルデはそんなことを言い出す。エル・ティグレには意味のわからない単語だが、エンドブレイカーのヴァルキリーであることに人一倍拘りのある彼女にとっては、かける意気込みが違うのだろう。
「つまり……こういうことだ!」
 空を飛びながら彼女がボールに籠めたのは【蒼翼の終焉破壊・蒼の色彩宿す空たる我が翼】。ヴァルキリーのルーツたる翼を最大駆動させ、あらゆる『終焉エンディング』を破壊しながらパスをし合う。悲劇のエンディングを打ち破ることが、エンドブレイカーの宿命だ。

「火雷大神に塞がれる終焉、攻撃を叩き込まれる終焉、それら諸々を覆し……破壊する!」
 このボールをイザナミにシュートする以外あらゆるエンディングを否定しながら、ブリュンヒルデはエル・ティグレと共に突き進む。立ちはだかる精霊たちのディフェンスも【幻櫻死界】からの妨害も、彼女らの足を止めることはできない。
「よく分かんないけど上手くいってるぜ!」
「なんと不思議な力でしょう……」
 エル・ティグレ自身も巧みなドリブルとパスワークでボールを運び、イザナミの元に迫る。終焉を終焉させるエンドブレイカーの力に、あちらも驚いているようだ。広い世界にはエンシェント・レヰスにも対抗しうる力がまだまだ存在する。

「エンドブレイカーのサッカーとは、こうやるのだ!」
 最後にブリュンヒルデはエル・ティグレと同時にシュートを叩き込む。空を示す蒼色に染まった暗黒星雲ボールは、翼を生やしてイザナミへと飛んでいき――この世界に顕現した『終焉』の象徴に大きな衝撃を与える。冥府の蛆獣と共によろめく女神の口から「見事です……」と、猟兵たちの健闘を称える声が聞こえた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミノア・ラビリンスドラゴン
大規模戦闘の中で突然のサッカー!
いわゆるミニゲーム要素ですわね、分かりますわ!!!

わたくしは聖剣士グラファイトフェンサー、ゴッドゲームオンライン最強最速のDPS職!
エル・ティグレさんとやら、わたくしのスピードについて来られるかしら?(挑発)
いきますわよ~!!!

ドリブル【ダッシュ】!
投擲された卵が飛んで来たらパス!
そしてわたくし自身は【ジャンプ】回避!
投擲は一瞬でも、供給というタイムラグがある!
わたくしの【戦闘演算】なら充分弾道予測可能ですわ~!!

ラストスパート!
【白龍疾走】で超加速!!!
純白のドラゴンオーラを纏った……シュッゥゥゥウウウウトッ!!!!!



「大規模戦闘の中で突然のサッカー! いわゆるミニゲーム要素ですわね、分かりますわ!!!」
 世界の命運を賭けた戦争でいきなりスポーツをやれと言われても、ミノア・ラビリンスドラゴン(ポンコツ素寒貧ドラゴン令嬢・f41838)に動揺はなかった。シリアスな展開に息抜きのようなイベントが挟まるのは、彼女の出身世界ゲームでもままあることらしい。勿論これも負けられない試合には違いないので、手は抜かない。
「わたくしは聖剣士グラファイトフェンサー、ゴッドゲームオンライン最強最速のDPS職! エル・ティグレさんとやら、わたくしのスピードについて来られるかしら?」
「アハハッ、言うねえ! だったらアタシの本気も見せてやるから、そっちこそ置いてけぼりになるなよ……です!」
 自信満々の態度で挑発すると、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』も強気な笑みを見せる。第三銀河最強のプライドに賭けて、スピードでは誰にも負ける気はないのだろう。仲間でありライバルとしてバチバチに火花を散らしながら、二人は共通の敵に立ち向かう。

「いきますわよ~!!!」
「いっくぜぇ!」
 ユーベルコードを籠めたサッカーボールを蹴って、ドリブルダッシュするミノア。その瞬発力は言うだけあってエル・ティグレにも負けていない。8体の『火雷大神』のディフェンスを躱しながら、目指すゴールはエンシェント・レヰス『イザナミ』――だが、あちらもシュートされるのを待ってはくれない。
「気をつけなさい……冥府の蛆獣が暴れだします……!」
 彼女の頭部に齧りついた蛆獣から、生命を蝕む【黄泉変異卵】が放たれる。その弾数は無限に供給されるうえ、投擲モーションは一瞬。命中すればどうなるかは目の前のイザナミの様子を見れば明らかだ。絶対に食らってはいけないとミノアのゲーム脳が警鐘を鳴らす。

「投擲は一瞬でも、供給というタイムラグがある! わたくしの戦闘演算なら充分弾道予測可能ですわ~!!」
 蛆獣の卵が飛んで来たら、ミノアはボールをエル・ティグレにパス。そして彼女自身はジャンプで投擲を回避する。
 ゴッドゲームオンラインの管理者AI、ドラゴンプロトコルの演算力を侮るなかれ。一瞬の隙さえあるならどんな弾道でも全て見切ってみせよう。
「ラストスパート!」
「やるじゃないか! いいぜ、トドメは譲ってやるよです!」
 ここでミノアは【白龍疾走】で超加速。火雷大神たちのディフェンスを振り切って、一気にイザナミの元まで迫る。
 全力を出した彼女に追随できるのは、この場ではエル・ティグレだけだろう。フリーでシュート体勢に入った白龍のもとに、最高のタイミングでパスが通り――。

「シュッゥゥゥウウウウトッ!!!!!」
 渾身の一蹴りで撃ち出された暗黒星雲ボールは純白のドラゴンオーラを纏って、ゴールのイザナミめがけて一直線。
 鉄壁を誇った火雷大神の護りも、それをブロックできる者はおらず。二人分のユーベルコードを乗せた衝撃が、愛と死の女神を揺らす。
「なるほど……最強最速を謳うだけのことは、ありますね……」
 それでもまだ斃れないあたりエンシェント・レヰスは流石のしぶとさだが、ダメージ自体は間違いなく通っている。
 ミニゲームにしてはアツく激しいサッカーバトル――ラグランジュポイントでの戦いは佳境を迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゼーレ・ユスティーツ
『さあ、ゼーレ…イザナミにシュートを決めてあげよう』
ええ…決めてやるわ
エーリュシオンに声をかけてもらいつつ気功法で呼吸を整えながらエル・ディグレと協力する事にした
指定UCの効果でUC時空呪神・エーリュシオンは発動している

アンタ凄いわね…
『僕も手伝おうか』
敵のUCに対しては心眼で蛆獣の卵を見ながら鎌でシャドウパリィしながら推力移動で加速しサッカーボールをパスしながら突破する
ガンナイフから呪殺弾を素早く放ち蛆獣の卵を攻撃
エーリュシオンのUC時と空間で時空干渉の斬撃波を放ち蛆獣の卵を消す

蝶のように散れ!スタールイーファントム!
UCの効果で増えた分身の一人がボールを蹴り上げエル・ディグレと連携シュート



『さあ、ゼーレ……イザナミにシュートを決めてあげよう』
「ええ……決めてやるわ」
 呪いの大鎌から顕現した【時空呪神・エーリュシオン】に声をかけてもらいつつ、ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)は気功法で呼吸を整える。8体の『火雷大神』に護られた女神『イザナミ』にダメージを与える方法はひとつ。サッカー・フォーミュラ『エル・ディグレ』との協力だ。
「アハハッ! そんなヌルいディフェンス、もう見慣れたっての!」
 サッカーで第三銀河を統一した究極美少女は、その自称に違わぬ卓越したスピードと足技で精霊の護りをかい潜り、暗黒星雲ボールをドリブルする。かつては猟兵の敵として立ちはだかった相手だが、味方となれば頼もしい選手だ。

「アンタ凄いわね……」
 エル・ティグレの技術に感心しながら、ゼーレも推力移動で加速。並走してサッカーボールをパスしながら、一緒に戦場を駆けていく。あらゆる攻撃を通さない火雷大神たちのディフェンスも、フットワークに翻弄されて1匹また1匹と突破されていく。
「驚くべきことです……しかし、油断しないよう……」
 イザナミは感服しているが、彼女の肉体を蝕む冥府の蛆獣は、寄生先の意に反して攻撃を行う。その体内より無限に投擲される【黄泉変異卵】は、あらゆる生命を貪る忌まわしき存在だ。エンシェント・レヰスさえ拒めなかった以上、猟兵やオブリビオンにとっても脅威と考えていい。

『僕も手伝おうか』
「お願い……」
 ゼーレは心眼にて蛆獣の卵を捉え、大鎌でシャドウパリィするか、ガンナイフ「黒蝶刃銃」の呪殺弾で撃ち落とす。
 同時にエーリュシオンも【時と空間】のユーベルコードを発動。時空干渉の斬撃波を放って、ゼーレが討ち漏らした蛆獣の卵を跡形もなく消し去る。
「やるじゃないか、猟兵様!」
 エル・ティグレも自慢のフットワークで投擲を回避している。もはや、この程度の攻撃で彼女たちは止められない。
 火雷大神のディフェンスを全て抜き去り、阻むものなき状況で女神と対峙した死神とストライカーは、連携シュートの体勢に入った。

「蝶のように散れ! スタールイーファントム!」
「暗黒星雲の力、喰らいなッ!」
 ユーベルコードの効果で増えたゼーレの分身がボールを蹴り上げ、飛び上がったゼーレ本体とエル・ティグレが同時にボールを蹴る。二人分の脚力とユーベルコードのパワーが籠もったシュートは、一直線にイザナミに突き刺さった。
「ぐうっ……その、調子です……」
 苦痛に呻きながらもイザナミの口から漏れるのは賞賛の言葉。幻朧帝の配下になった今も、彼女の心は世界の滅亡を望んでいない。かつては死者を楽園へと誘う者であった愛と死の女神に、このまま安らぎをもたらせるだろうか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
カビィちゃん、ポーラちゃんと

カビィちゃんは奇行に走るしポーラちゃんも全力で乗るタイプ、妙な展開は止めないと……

巧い!?往年の名選手のように!?
真面目だ!?
ドッヂやるとかお茶会です!とか言わない!?

真面目さに私!感動!
するかっ!
特にサッカーが好きか気まぐれってオチだこれ!
ま、任せて大丈夫そうだね!
ポーラちゃんのお髭はかわいいけど紳士ってそういうのじゃないから!

【フォースマシン総突撃】
ゴーレムを呼び出し、ベルちゃんとパスワークを繋いで攻める!
大きい足で蹴ればより強い!
故にキャバリアに搭乗してシュートだ!

『何故かしら。こっちの方が異端に感じるの』
サッカーと超次元サッカーは別種の競技だよ、シェル姉


カビパン・カピパン
「いいですか皆さん、サッカーとは紳士のスポーツです」
カビパンは真面目だった。
彼女は「リベロ」という言葉がピッタリな全盛期のパオロ・マルディーニのような左サイドバックとして活躍し
カカ(リカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ)のように左サイドから緩急あるドリブルで、味方に華麗にパスを繋ぎ
フィリッポ・インザーギ再来の如く泥臭くもボールをゴールに押し込んだ。
シュートを叩き込まれたイザナミ、そのシーンは第六猟兵界インザーギVSオリバー・カーン

「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ」
↑ゴールパフォーマンスでサタデーナイトフィーバー

よくわからんUCが籠ったボールは確かに精神的ダメージも与えた。


ポーラリア・ベル
カビパンお姉ちゃん(f24111)、セフィリカお姉ちゃん(f00633)とご一緒。

お……ぉ、あ……ぁ(あまりのさっかぁ用語の嵐に頭が溶けかけてる)
多分お姉ちゃんが知ってるサッカーの有名どころの奴並べてるだけだと思うけど
これが……紳士……!
ポ、ポーラも真似した方がいいかしら(雪でちょび髭作って装備し)

UC発動!
お姉ちゃん追加召喚するか悩んだけど雪うさぎで。
イザナミさんの蛆獣の卵ボールや火雷大神DFを飛ばした雪うさぎで相殺、氷漬けに。
更に大振りでおっきなセフィリカお姉ちゃんのゴーレムの足元を縫ってこぼれ球もキャッチ&パスさせるの!
締めはお願い!パース!(【怪力】の乗った思ったより鋭いパス)



「いいですか皆さん、サッカーとは紳士のスポーツです」
 共に戦う二人の猟兵と『エル・ティグレ』の前で、カビパン・カピパン(倫理規定に反している女・f24111)はいつになく真面目にそう語った。8体の『火雷大神』に護りを固められた女神『イザナミ』にダメージを与えるには、皆との連携が必要不可欠。味方にも敵にもリスペクトを欠かさず、チーム一丸となってゴールを決めるのだ。
(カビィちゃんは奇行に走るしポーラちゃんも全力で乗るタイプ、妙な展開は止めないと……)
 と、仲間たちのブレーキ役になるつもりで来たセフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)からすれば、これも奇行の前フリとしか思えなかっただろう。ここからサッカーとは名ばかりの超展開が始まっても、本題からは逸れないつもりだった。

「私は左サイドバックを務めます。そう『リベロ』という言葉がピッタリな全盛期のパオロ・マルディーニのような」
 ――が、いざ戦闘(試合)が始まってみれば、セフィリカの心配は杞憂になる。カビパンは自ら名乗り出たポジションを忠実に守り、【火雷大神】の妨害にも負けずにボールをキープ。わずかな隙を突いて左サイドから攻め上がっていく。
「カカ(リカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ)のように緩急あるドリブルをご覧あれ」
「アハハッ、ナイスだ猟兵様!」
「巧い!? 往年の名選手のように!?」
 ただの大言壮語とは言えない動きで華麗にパスを繋ぐと、ボールを受け取ったエル・ティグレが走りだす。これにはセフィリカも驚かずにはいられない。サッカーが上手いのもそうだが、ちゃんと本来の作戦通りに戦っていること自体がカビパン史上稀有だった。

「真面目だ!? ドッヂやるとかお茶会です! とか言わない!?」
「お……ぉ、あ……ぁ」
 セフィリカが動揺を隠せない一方で、ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)はあまりのサッカー用語の嵐に頭が溶けかけていた。たぶんカビパンが知っているサッカーの有名どころの選手名を並べているだけだとは思うが、今日の彼女はなんか一味違う。あふれるオーラと風格はまるで本物のサッカー選手のようだ。
「これが……紳士……! ポ、ポーラも真似した方がいいかしら」
「ポーラちゃん、かわいいけど紳士ってそういうのじゃないから!」
 まずは形から入ってみようかなと、雪でちょび髭を作って装備するポーラリア。微笑ましい格好だがそれはそれとしてセフィリカがツッコミを入れる。いつもと違う意味で予想外なカビパンの行動に、付き合いが長い者たちほど混乱しているようだ。

「これがサッカーの真の力ですか……素晴らしい……」
 普段のカビパンのことを知らないぶん、むしろ冷静なのは敵のほうだった。イザナミ自身は猟兵の奮闘を讃えるが、彼女の周囲にいるものたちは自動的に活動する。【火雷大神】がディフェンスを固め、冥府の蛆獣が【黄泉変異卵】を放つ攻防一体の布陣だ。
「雪兎さんの力の想起! 戦場を支配せしは冬の遣い、ウィンターアーミー! セット! だよ!」
 ここで動いたのはポーラリア。数百羽の雪うさぎによる【冬精式・雪兎軍団】を召喚し、蛆獣の卵ボールや火雷大神ディフェンダーに飛びかからせる。このうさぎは攻撃されると一撃で消滅するが、消滅時に強い冷気を放出するのだ。

「お姉ちゃん追加召喚するか悩んだけど雪うさぎで」
 ポーラリアの選択は正しかったようで、雪うさぎと衝突した敵の攻撃は相殺され、ディフェンダーは氷漬けになる。
 この間隙を縫って前線に攻め上がるのは、依然確変中のカビパンだ。エル・ティグレからパスを受け、フィリッポ・インザーギ再来の如く、泥臭くもボールをゴールに押し込む。
「第六猟兵界インザーギVSオリバー・カーンをここに再現しよう」
「まあ……!」
 シュートを叩き込まれたイザナミ、そのシーンはスポーツ史に残るような衝撃的(?)な瞬間となった。超存在たるエンシェント・レヰス相手に一撃食らわせたのだから、色眼鏡で見ずとも十分な戦果である。他のチームメンバーからも思わず拍手が上がる。

「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ」
「ううっ……あ、頭が……」
 よろめく女神を背にして、ゴールパフォーマンスでサタデーナイトフィーバーするカビパン。【キャーカビパンサーン!】と幻聴が聞こえた気がした。よくわからない彼女のユーベルコードを籠めたボールは、イザナミに確かな精神的ダメージも与えたようだ。
「真面目さに私! 感動! するかっ! 特にサッカーが好きか気まぐれってオチだこれ!」
 想定外の活躍っぷりに一瞬呑まれかけたセフィリカだが、結局カビパンはいつも通りのカビパンなのだと確信する。
 多分、次もこんなふうに真面目にやることを期待したら絶対にダメだ。どんなに予想しても絶対に裏をかいてくる。それがわざとなのかテキトーなのかは定かではないが。

「ま、任せて大丈夫そうだね!」
 とりあえず今日のカビパンなら妨害はなさそうだと、セフィリカも普通に追撃をかけることにする。無数のゴーレムを呼び出し【フォースマシン総突撃】を発動。イザナミから跳ね返ったサッカーボールを確保し、再び戦場を攻め上がる。
「セフィリカお姉ちゃん、こっちこっち」
「はいポーラちゃん、パス!」
 【火雷大神】のディフェンスと【黄泉変異卵】の攻撃も復活したが、こちらはポーラリアとゴーレムとパスワークを繋いで対抗だ。傑作機から量産型まで投入可能な全てを出し切った、これはまさに総力戦。テクニックと数の暴力で敵の護りをこじ開けるのだ。

「火雷大神たちよ、止めるのです……」
 イザナミの制止も聞かずに、8体の精霊は冥府の蛆獣と共にボールを奪おうとする。皆のユーベルコードを籠めた暗黒星雲ボールを奪えれば、一気に形勢逆転だ。たったひとつのプレーやミスが切っ掛けで状況がひっくり返されるのも、サッカーの試合ではよくあることである。
「やらせないの!」
 しかし、そうした逆転のチャンスを潰していくのがポーラリアのプレーだ。大振りでおっきなセフィリカのゴーレムとは対照的に小さなフェアリーは、味方の足元を縫ってこぼれ球もキャッチ&パス。おまけに雪うさぎもけしかけて、敵にボールを取る隙を与えない。冷気と雪風が舞うところ、全てが彼女の支配領域だ。

「締めはお願い! パース!」
 見事に火雷大神のディフェンスを突破したポーラリアは、ちっちゃな足でボールをキック。怪力の乗った思ったより鋭いパスが通った先には、優美なる紫水晶のキャバリア――「スプレンディア」に搭乗したセフィリカが待っていた。
「大きい足で蹴ればより強い!」
「それは、そうでしょうけど……ッ!!?」
 魔導技術と精霊魔法で駆動する戦姫が放つ最大出力のシュートは、人間のサッカー選手のシュートと比べればまさに規格外であり。暗黒星雲に氷雪にあとなんかよく分からないパワーまで乗ったサッカーボールが再び叩き込まれると、イザナミはたまらず崩れ落ちた。

『何故かしら。こっちの方が異端に感じるの』
「サッカーと超次元サッカーは別種の競技だよ、シェル姉」
 人数オーバーどころではないゴーレム大量投入に人型兵器の使用、他人のことを言えたものではないトンデモぶりにセフィリカの相棒兼魔剣「シェルファ」がツッコむが、そもそもこれはスポーツの試合ではなく世界の存亡がかかった戦いなのだ。正当性やルールなんて気にすることではない。
「それで良いのです……妾を止めるためには、全力で来なさい……」
 イザナミも猟兵たちの戦い方にケチをつけることはない。むしろ想像を超える彼女らの強さに歓喜すら感じている。
 カビパン、ポーラリア、セフィリカによる連続ゴールから彼女が受けたダメージは甚大で、冥府の蛆獣と火雷大神の活動も鈍っている。帝都櫻大戰・第二戦線も正念場を迎える中、この戦場の終幕もいよいよ見えてきた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神臣・薙人
火雷大神の守りは強固ですが
エル・ティグレさんの協力があれば或いは…ですね
ご協力に感謝します

私のUCは桜花燐撃を使用
エル・ティグレさんのUCと共に
サッカーボールに籠めたら行動開始です

足手まといにならないよう
ボールの行方をしっかりと見て
パスを受け取り損ねる事の無いよう注意します
私のパスに大した力はありませんが
サッカー・フォーミュラなら
きちんと繋いでくれるでしょう

接近中もイザナミの動きには警戒
火雷大神が召喚された場合は
パスの頻度を細かくし
妨害されないよう留意
回避よりもパスを繋ぐ事を重視

イザナミにボールが届くようになれば
狙いを外さないようにシュートを
当たれば範囲外に逃げられないよう
一定の距離を保ちます



「火雷大神の守りは強固ですが、エル・ティグレさんの協力があれば或いは……ですね」
 8体の精霊に守護された愛と死の女神『イザナミ』を見据え、そう呟くのは神臣・薙人(落花幻夢・f35429)。以前はヒーローズアースで戦った相手と、別の戦争で共闘することになるとは予想外だったが、これも全てはエンシェント・レヰスに立ち向かうためだ。
「ご協力に感謝します」
「今のアタシはあんた達の配下だからな! 仕方ないぜ……です!」
 サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』はそう言うものの、なんだかんだで楽しそうな様子だ。敵も味方も強いほどサッカー選手としての血が滾ってくるのだろう。この辺りのシンプルさはアスリートアースらしいと言うべきか。

「では、私のユーベルコードも籠めさせていただきます」
 薙人はおもむろに竜笛型の「初心者用蟲笛」を吹き、エル・ティグレのサッカーボールに【桜花燐光撃】を籠める。
 これで、このボールが命中した対象には白燐蟲のターゲットマーカーとなる桜花の刻印を付与する効果が加わった。当てられさえすればイザナミにも有効打を与えられるはず。
「行動開始です」
「よーし、やるぞっ!」
 準備完了と同時にボールを蹴って走りだすエル・ティグレ。流石はサッカー・フォーミュラ、ドリブルしながら凄いスピードで敵のフィールドに飛び込んでいく。立ちはだかる【火雷大神】のディフェンスにも怯む様子は全くなしだ。

「私のパスに大した力はありませんが、サッカー・フォーミュラなら、きちんと繋いでくれるでしょう」
「おう、任せろです!」
 足手まといにならないように、ボールの行方をしっかりと見て、パスを受け取り損ねる事の無いよう注意する薙人。
 運動神経はともかくサッカーの動きはプロには及ばないが、それでも連携して敵のディフェンスをかい潜っていく。イケイケに見えてチームプレーも上手いエル・ティグレの助けもあった。
「気をつけなさい……妾の火雷大神たちは、まだ……」
「わかっています」
 敵に注意されるまでもなく、接近中も薙人はイザナミの動きを警戒していた。オブリビオン化の烙印である腐敗した肉体から、新たな【火雷大神】が召喚されれば、パスの頻度を細かくして妨害されないよう留意する。ここで敵チームにボールを奪われるわけにはいかない。

「大丈夫か、猟兵様!」
「っ……問題ありません」
 回避よりもパスを繋ぐ事を重視するあまり、雷の攻撃を食らいかけることもあったが。薙人も歴戦の猟兵としてそう簡単には倒れない。一蹴り一蹴りに意思を込めてボールを運び、ディフェンスを突破し、ついにイザナミにシュートが届くところまで来た。
「今だ……です!」
「はい」
 状況はフリー、焦る必要はない。狙いを外さないよう慎重にシュートを放てば、桜花と暗黒星雲を宿したサッカーボールは吸い込まれるようにイザナミを捉えた。ズドンと砲弾のように鈍い音と共に、消えない刻印が肉体に刻まれる。

「うっ……こ、これは……!!」
 桜花の刻印を目印にして、どこからともなく湧いてきた白燐蟲の群れが、次々とイザナミに食らいつく。こうなれば薙人は【桜花燐光撃】の範囲外に逃げられないよう、一定の距離を保ち続けるだけでいい。あとの攻撃は蟲達に任せておけば大丈夫だ。
「その傷は、もう消えない」
 規格外の力を誇るエンシェント・レヰスといえど、何度もシュートを決められたダメージが相当響いているようだ。
 蟲達に取り囲まれた愛と死の女神は、その身を蝕む冥府の蛆獣と共に血を流し、弱々しい吐息を漏らしていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マデライン・アッシュリア
死の女神たるイザナミ様は
死の花嫁である私にとっては
勝手ながらお義姉さまのようにも思えるお方
そのお義姉さまがお苦しみならば全力でお救いしなければ
必ずや静かな死の世界へお送り致します

サッカーですか
集団戦と大軍指揮ならば私の本分
亡霊のお友達の皆さんと共にエル・ティグレさんをバックアップです
ダッシュによってダンスのように軽やかにボールを運搬
誘導弾によりボールの軌道を変えてフェイントを混ぜながら
エルさんにパスを回していきましょう
それでも潜り抜けて来る火雷大神の攻撃は
「白薔薇の香気」とオーラで防ぎます

エルさんからパスを受けたらUCを込めシュートです
お義姉さま、静かなる死の世界でまたお会いいたしましょう



「死の女神たるイザナミ様は、死の花嫁である私にとっては、勝手ながらお義姉さまのようにも思えるお方。そのお義姉さまがお苦しみならば全力でお救いしなければ」
 かつて幻朧帝イティハーサを封じた超古代種族の一人にして、死者に安寧をもたらす櫻の楽園サクラエリュシオンの女神『イザナミ』。その有り様はマデライン・アッシュリア(死の花嫁・f32233)に強い親近感を抱かせるものだった。楽園はすでに喪われ、オブリビオンと化していても、敬意を評するに値する相手だ。
「必ずや静かな死の世界へお送り致します」
「宜しく頼みます……妾がこの世界を滅ぼしてしまう前に……」
 幻朧帝の配下にされ、不本意にヒーローズアースを滅ぼさんとする女神に、今度は自分が静寂と安寧をもたらそう。
 そのための障害は8体の【火雷大神】。女神の忠実なる式神である彼らが、女神を解放するうえで最大の壁となるのは皮肉な話である――これを突破するには、サッカーしかない。

「サッカーですか。集団戦と大軍指揮ならば私の本分」
「アハハッ! そりゃ頼もしいぜです!」
 マデラインは亡霊のお友達を連れて、サッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』をバックアップする態勢を取る。
 あまりスポーツには向かなそうな花嫁衣装だが、運動が苦手なわけではない。ダンスのステップように軽やかなダッシュによって、ユーベルコードが籠められたサッカーボールを運搬する。
「こちらです、よ」
「ナイスパス!」
 先に進ませまいと火雷大神が立ち塞がれば、詰められる前にエル・ティグレや他の亡霊にパスを回す。誘導弾のように軌道を変えるフェイントを織り交ぜられた彼女のボールは、パスカットするのも容易ではない。一糸乱れぬ巧みな連携で敵のディフェンスをかい潜りながら、シュートチャンスを見計らう。

「流石はお義姉さまの式神、一筋縄ではいきませんね」
 それでも潜り抜けてくる火雷大神の攻撃は、身に纏った「呪われし白薔薇の香気」とオーラで防ぐ。甘やかな花の香とは裏腹に強烈な瘴気は、あらゆる攻撃を蝕む攻勢の防壁だ。降りかかる精霊の雷を相殺し、マデラインはイザナミの目前まで迫る。
「そこだ! 猟兵様!」
 火雷大神たちの妨害がなく完全にフリーのタイミングで、エル・ティグレから絶妙なパスが届く。それを受け取ったマデラインは友なる亡霊と共に【アッシュリア館に響け歌声轟け祝砲】をボールに込め、鎮魂の想いを乗せてシュートを放った。

「お義姉さま、静かなる死の世界でまたお会いいたしましょう」
 エル・ティグレの暗黒星雲に超極大呪殺砲のエネルギーを吸収したボールは、阻止されることなくイザナミに着弾。
 敬意を抱くからこそ、ここで手加減はしない。マデラインによる全力の一撃は愛と死の女神を貫き、腐敗した肉体に風穴を開けた。
「あぁ……ありがとう……」
 ふらり、ふらりとよろめくイザナミの表情は、苦痛よりも安堵に満ちている。愛する命をこの手で散らしてしまわずに済む、心からの感謝を死の花嫁たちに伝えて――その命脈が尽きるまであと一歩、決着の時はもはや目前であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スキアファール・イリャルギ
サッカーは護りを崩しゴールを決める競技
成程この状況には最適……(目をぱちくりさせつつ)
東方親分さんの采配、お見事です

しかし私は素早さを求められるのは苦手分野……
なので任せましたよ、ラウル!
UCによって増強されたあなたの力ならば、
素早いパス回しにも対応できる筈!
("主の頼みとならば"と張り切るヘラジカさん!)

私はラウルに騎乗し、ラウルの走るルートの指示と飛来する卵の対処を
投擲ならば、事前に何かしらの動作が在る筈――その一瞬を見逃さずに
エル・ティグレさんとラウルの前に炎(属性攻撃)で防壁を作り、卵を焼却する!

今が好機!
ラウルの怪力でパスしたボールを、全力でエル・ティグレさんにシュートして貰います!



「サッカーは護りを崩しゴールを決める競技。成程この状況には最適……」
 世界を滅ぼさんとする超古代種族エンシェント・レヰスにサッカーで立ち向かうという、突拍子もなさそうな作戦にもきちんと筋が通っていることを理解し、スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)は目をぱちくりさせつつ納得する。であればここの援軍にサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』を送るのは最適解と言う他ない。
「東方親分さんの采配、お見事です」
「アハハッ! 急に呼ばれた時は驚いたけどな!」
 幻朧帝の侵略にいち早く手を打っていた『山本五郎左衛門』の功績に改めて感服し、その働きを無駄にしないためにスキアファールはエル・ティグレと共に戦場に立つ。愛と死の女神『イザナミ』に決勝のゴールを決め、ヒーローズアースを護るのだ。

「しかし私は素早さを求められるのは苦手分野……なので任せましたよ、ラウル!」
 スキアファールは【Laulu】を発動して大ヘラジカの「ラウル・ヴィーザル」を召喚すると、その背に跨りフィールドを駆ける。とある"かみさま"の元眷属にして偉大なる森の王は、ラグランジュポイントに蹄の音を高らかに響かせた。
「ユーベルコードによって増強されたあなたの力ならば、素早いパス回しにも対応できる筈!」
「シカと一緒にサッカーするのは初めてかもな! 面白いぜです!」
 期待を寄せられ"主の頼みとならば"と張り切るラウルの走力は、サッカー・フォーミュラにも負けてはいない。エル・ティグレのパスを巧みに受け、立ちはだかる「火雷大神」のディフェンスを軽やかなステップで躱し、パスを返す。種族は違えどボールと"こころ"があれば一緒に戦える、それがサッカーなのだ。

「ラウル、気を付けて。攻撃が来ます!」
 騎乗中のスキアファールの役割は、ラウルの走るルートの指示と、飛来する攻撃の対処だ。イザナミを蝕む冥府の蛆獣は、体内から無限に【黄泉変異卵】を生成して投げつけてくる。被弾すれば自分たちもイザナミ同様に無事では済むまい。
「投擲ならば、事前に何かしらの動作が在る筈――」
 その一瞬を見逃さずに、スキアファールはエル・ティグレとラウルの前に炎で防壁を作る。飛んで火に入る夏の虫のように、蛆獣の卵は孵化する前に焼却され、灰も残さず消滅する。彼らとイザナミの間にある障害は、これで全てクリアされた。

「今が好機!」
 火雷大神たちがディフェンスに戻って来る前に、決着の号令を出すスキアファール。ラウルの怪力でパスしたボールが、エル・ティグレの足元に渡る。暗黒星雲のパワーに猟兵のユーベルコードを封じたそれは、今にも爆発しそうなほど膨らんでいた。
「任せろです! これで終わり……だぁッ!!!」
 ここでゴールを決められずして、なにがサッカー・フォーミュラ、なにが第三銀河最強のギャラクシィリーガーか。
 エル・ティグレの黄金の右脚が唸りを上げ、流星の如く放たれた必殺シュートは、まっすぐにイザナミの元へ飛んでいく――。

「あぁっ……よくぞ……妾を討ち倒しました……六番目の猟兵、そしてサッカーの使い手よ……」
 猟兵とエル・ティグレの全力を受け、ついに力尽きた愛と死の女神は、優しげな微笑みを浮かべながら消えていく。
 イティハーサの尖兵と化した自分に勝利し、世界と生命を救った英雄たちへの、心からの賞賛と感謝を伝えて――。



 かくしてサッカー・フォーミュラ『エル・ティグレ』と共に『イザナミ』と戦い、ヒーローズアースを救った猟兵。
 エンシェント・レヰスによる異世界侵略の撃退を境に、帝都櫻大戰もいよいよ最終局面を迎えようとしていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月20日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト