一面の銀世界、それは幻想的であり、人の命を奪う無慈悲な世界。吹きすさぶ雪が行方を惑わし、肌を突き刺すような冷気が体力を奪う。
「ハァ、ハァ……!」
一人の青年が何かを抱いて、雪に足を取られながらもがくように駆けている。栗毛の毛皮に長い耳、そう兎を抱え走っている。
青年の厚着をしているが、それはこの銀世界で過ごすには不十分と言える程度のもの。雪の上の歩き方も青年がこの環境に不馴れであることを物語っている。
そこに、吹雪の音に混じるように獣の遠吠えが響き渡る。
「ヒッ…!な、なんなんだ…なんなんだよこの雪は!!」
青年は恐怖を押し殺し走る。手に入れた食料を飢えて待つ家族に届けるために。その後ろを狡猾な獣が着いてきていることも知らずに。
「そんな事件の予兆を見たアルヨ。」
語り終えたグリモア猟兵、八卦鏡のヤドリガミ黒白鈴凛が集まった面々を見回す。
「事件はダークセイヴァーのとある村近辺ネ。そこで異常気象と謎の獣のよる被害が出ているアル。」
元々ダークセイヴァーの世界はヴァンパイアに支配された世界。民達の暮らしは決して裕福とは言えないものだった。そこに突如の大雪、そして謎の獣が現れたことにより狩りもままならず民達の飢餓に陥ることとなった。
「自然の摂理に従うのならワタシ達が手を出すのはお門違いだが、この獣がオブリビオンとなれば話は別ヨ。奴等は輪廻から外れた者共、ワタシ達が倒すべき者らだからナ。」
識別名は暗闇の獣と言われるこのオブリビオンはヴァンパイアの血の祝福を受けた獣、残忍で狡猾なハンターだ。
「異常気象の原因は不明だが、ひとまずこの暗闇の獣をお前達に狩って貰うアル。」
お前達なら出来るだろう?と挑発的な笑みを浮かべる中華娘はしかしと眉を潜める。
「銀世界は獣達の方が有利。まずは村に出向き手助けをしながら情報を集めるヨロシ。」
村には雪が積もりそれが人々の生活の邪魔となっている上、飢餓で人々の気力は低下している。話を聞くならそれらをどうにかしないといけないだろう。
「……村にはまだ幼い子供達も居るアル。どうか助けてやって欲しいネ。」
最後に僅かな自身の願いを込め頭を下げる。その少し後、猟兵達の転位が始まった。
モノクロ
初めまして、新参MSのモノクロと申します。
この度初めてシナリオを作成させて頂きました。不馴れではありますが、皆さんのキャラクターを精一杯輝かせられるように尽力して参ります。
さて、シナリオでありますが、最初の章は村の救援となります。
雪に埋もれてしまった村を皆さんのお力で救っていただきたい。方法としては、雪を力業で除去する。狩りや料理などで飢えを満たす。体力が落ち病に伏せた人を治療するなどがありますが、それ以外にも様々な救いがあるでしょう。皆さんの救いの灯火をプレイングに込め送って頂ければ幸いです。
二章以降の情報はまた後程記載させていただきます。
皆さんの熱いプレイング心待にしております。
第1章 冒険
『白に沈む村』
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POW : 雪かきや屋根の雪下ろし、薪割り等の肉体労働を行うなど
SPD : 狩りで食料を入手する、温かい料理を作るなど
WIZ : 体調不良の村人を救護する、寒さ対策の情報を啓発するなど
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都築・藍火
さぁて、最終的に討つべきものは獣っぽいおぶりびおん。とはいえ、困窮する人々がいるならば助けるべきでござろう。
拙者は雪かきをするでござるよ。まずは放っておけば家屋の倒壊につながる屋根の雪かきで御座るが、砕天號で槍を構え、ばっと屋根の上を払ってしまえばおおよそ屋根の上の雪はどかせるで御座ろう。
砕天號の腕の長さと槍の長さがあれば大体届くでござろうしな。
あとは道を作るため、スコップとか借りて雪を脇にどけるでござる。拙者、【怪力】故、砕天號と合わせてがっしがっしと雪はどけれるで御座ろう
アドリブ歓迎お好きに
フェル・ドラグニエル
「うん。そうだね。暖かい家じゃないと心は凍えてしまうから…こういうときこそ助け合いだね。」
「戦うだけじゃなく、村を助けるのも猟兵のお仕事!頑張るぞ!」
【トリニティ・エンハンス】
で自身の身体能力を強化して雪かきをしていくよ!
「みんな!この村に住む人たちの明日のために、頑張ろうね!」
と同じくPOWでの行動を取る猟兵さんや村人を鼓舞しておきます。
外は寒そうだから…凍えないように対策もしておかないとね。
[怪力・氷結耐性・激痛耐性・鼓舞]の技能を使用します
そして、村人と話せる機会があれば
[情報収集]の技能を使用し、最近何か怪しい事があったか 等を聞いてみます
明智・珠稀
あぁ、寒さに凍える村の人々…!
私が抱擁し温めて差し上げたい…!
しかしこの身は有限。皆様のために私も雪かきをお手伝いさせていただきましょう、ふふ!
■行動
「せっかくですのでかまくら…とは言いませんが、雪で壁が作れると良いですね」
【礼儀作法】で村人に柔らかな笑みと共に接し、村の地形を伺う
獣の出る方角を重点的に、雪で柵が作れるように雪かきを
UC『明智・ザ・ジャイアント』発動
大きな自身と共に【怪力】使用し
2馬力以上の力で雪かきに精を出す
「寒さなど少しも辛くありません…ふふ!」
【氷結耐性】と
「この肌身に刺さる冷気…あぁ、とても素晴らしい…!」
どこかうっとりした表情を見せるド変態
※アドリブ、絡み大歓迎です!
ほんの少しだけ吹雪が収まった村の一角に三人の男女が集まっている。面々はそれぞれ雪かきをするための道具を手に持っているのだが……
「二人は寒くないのでござるか?」
鍛えられた身体を僅かに震わせ、白い息を吐きながら着物に身を包んだ武芸百般の修行を積む武道少女、都築・藍火が二人の男女を見る。
「私は寒さには耐性があるから。それから痛みにもね。だからこのくらいなんてことは無いかな。」
大きな蒼竜の翼に積もる雪を払って答えるのはドラゴニアンのフェル・ドラグニエル。自由な旅人であり竜騎士の見習いだ。
「私もフェルさんと同じで寒さには耐性がありますので。しかし、この肌身に刺さる冷気…あぁ、とても素晴らしい…!そして寒さに凍える村の人々…!私が抱擁し温めて差し上げたい…!」
身長190近い長身で、肩や胸元を大胆に晒す衣装の男。明智・珠稀は恍惚とした笑みを浮かべ自身を抱きしめた。それを見て女子二人は顔を見合わせる。
「ま、まぁ困窮する人々がいるならば助けるべきでござろう。」
「うん。そうだね。暖かい家じゃないと心は凍えてしまうから…こういうときこそ助け合いだね。」
とは言え一人一人抱きしめて回るわけにもいかない。原因を探るためにも先ずはこの雪をどうにかしなければならないのだ。
「この身は有限。皆様のために今は雪かきをお手伝いさせていただきましょう、ふふ!」
「この村に住む人たちの明日のために、頑張ろうね!」
握りこぶしを突き上げるフェルの姿に二人も同じように拳を突き上げるて心意気を一つにする。
「せっかくですのでかまくら…とは言いませんが、雪で壁が作れると良いですね」
「壁でござるか、なるほど。獣達が近寄れないように防壁にするのでござるな。それでは拙者は屋根の上に登り雪を下に落とすでござる。」
明智の言いたいことを察した藍火は、そう言うやいなや手に持っていた槍で棒高跳びをするように綺麗な弧を描き屋根に飛び乗った。
「ふふ、元気な人だ。それでは私が藍火さんの落とした雪を運びましょう。フェルさんは運んだ雪の整えをお願いできますか?それと、村人が居ましたら話を聞いておいて貰えるとありがたいです。」
「分かったよ!じゃ二人共怪我しないようにね。」
フェルは頷き、村民を探すべく駆けていく。
「さて、出番でござるよ!砕天號!」
雪の積もる屋根に仁王立ちする藍火の啖呵と共に、同じように仁王立ちした鎧武者の上半身が現れる。藍火が自慢の槍を構えると武者も同じように巨大な槍を構え。
「セイヤァ!!!」
屋根を壊さないようギリギリを攻めながら掬うように振るわれた槍は屋根を押しつぶさんとしていた雪を根こそぎ吹き飛ばす。飛んだ雪は空を舞い、どさりと地に落ちる。
「さぁ!どんどん行くでござる!」
次の屋根へと飛び乗ると自慢の槍捌きで雪をどんどん落として行くのだった。
藍火が元気に雪を落としている頃、聞き込みを頼まれたフェルは道端で座り込んでいる青年を見つけていた。
「すみません。お話を伺っても良いかな?最近この一帯に現れた獣について聞きたいのだけど。」
獣と聞いた途端に青年の顔色は真っ青になりポツポツと語り始める。青年曰く、まだ雪が降り始めていない日のこと。北の森の動物達や僅かな家畜が無残に食い殺される事件が起きた。青年の父や多くの大人たちが原因を調べに森に入っていったが、帰ってきたのは松明持ちだった大怪我を負った父親だけ。その父も大雪の寒さで体調が悪化し生死の境だという。
「その事件以来、北の森から毎日のように奴らの遠吠えが聞こえるんだ。……皆、恐怖で殆ど眠れてないはずだ。」
そこまで語ると青年は力無くまた項垂れてしまう。フェルは何とか励まそう言葉を探すが見つからない。そんなとき、地を揺らすような音が鳴る。いや、実際に地面が揺れている。
「ふむ。北の森からの遠吠えですか、では、そちらの方に壁を作るとしましょうか。」
地鳴りと共に現れたのは明智だ。板の上に大量の雪を載せ運んでいる。そして、その後ろに更に大きい明智が立っている。
彼のユーベルコード、その名も明智・ザ・ジャイアント!!4メートル近い巨大な明智が本物と同じように板の上に山のような雪を載せて運んでいるのだ。
「ご安心を。獣は我々が必ず駆除してみせましょう。貴方はまず暖に当たり身体を休めると良い。しかし、あぁ…!今この手が空いていたのなら私の熱で温めたというのに!!」
大仰に天を仰ぎながら歩いていく明智の姿を青年は呆然と見送る。そして、その青年の手を温める熱がある。
「貴方のお父さんが生きて帰ってきたのは偶然じゃない。明智の言う通り獣は私達がなんとかする。だから貴方はお父さんの側に居てあげて。」
明智を追いかけるように駆け出しながら振り返り安心させるように笑うフェルの姿に青年の心が僅かに温まる。
その後、藍火によって全ての屋根の雪が落とされ、明智と二人がかりの怪力で運ばれるとトリニティ・エンハンスで強化されたフェルによって積もっていた大雪は獣と風を阻む防壁へと形作られていく。
そして、その防壁には風で消えないよう細工がされた沢山の松明が配置されていた。
成功
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モイ・トリー
【SPD】で行動
「ここはシーフとしての腕を活かして、狩りに行きましょう。そうすれば、肉は食料として、普段は捨ててしまう皮も、面積や質にもよりますが、防寒具に使えますからね」
白寂・魅蓮
一面真っ白なうえにこの寒さ…これは早く動かないと寒さで死んでしまいそうだね。
正直村の救助は面倒ではあるけど…このまま放っておくのも気が引けるし、できる限りの事はしよう。
とりあえずまずは食料の確保だね。
白金魔糸を地面などに張って罠を仕掛けておきましょう。獲物が上手く引っかかったら、そのまま捕まえます。
あとは火を起こしたりしておこうかな。料理は他の人に任せるとしよう
一通り救援が終わったら自分の狼の尻尾を巻いたりしてこちらも暖を取ります
「…何?この尻尾ならあげる気はないですけど」
できればあまり尻尾は触らせたくないが、子供一人分くらいならまぁ…あんまり乱暴に触らないでよ?
※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎
白に染まった森の入り口付近、鹿の群れがいた。雪に埋もれた草を探がすように顔を近づけている鹿達だが、彼らも謎の獣に警戒をしているのだろう。群れの数頭が見張りをするように辺りを見回している。
そして餌を探しゆっくりと移動している一団を木の上から見下ろす女がいる。
「……肉は食料として、普段は捨ててしまう皮も、面積や質にもよりますが、防寒具に使えますね。」
警戒心むき出しの鹿を見据えるのは、モイ・トリー、咎人を殺しその財で生活を立てるシーフだ。彼女はシーフとして培った気配の消し方で獣達に悟られること無く接近し、機を待っていたのだ。その機は突如として訪れる。
一頭の鹿が突然倒れ込む。よく見れば煌めく細い光が前足と後ろ足を縛り付けていた。
「……此処ですね!」
慌てふためく鹿達、好機を伺っていたモイは木から自由落下し手に持ったダガーを突き立てる。血飛沫が跳ね、的確に急所を突かれた鹿は暴れる事もできずに仕留められた。それを見た他の鹿達は未だに倒れて藻掻いている一頭を置き去りに散り散りに逃げていった。
「お見事だね。」
雪を踏みしめ現れたのは白い世界に混ざりそうな銀髪の少年だ。その身を包む武芸衣装が風に吹かれ揺れる姿はまるで雪の精霊かと錯覚させるほどに美しい。
心の隅で村の救助は面倒に思いながらもこのまま放っておくのも気が引けるしと、できる限りの事をやろうとするツンデレ気質のある人狼、白寂・魅蓮は軽く手を振ると藻掻いていた鹿の首に光が絡み、首から乾いた音が鳴り鹿は力無く横たわる。
鹿を捉えていたのは彼の操る退魔の力が込められた白金の鋼糸、白金魔糸だった。
「貴方が罠を仕掛けてくれたお陰ですよ。お蔭で早く片付きました。」
「どういたしまして。鹿が二頭もあれば食料はひとまず大丈夫だろうね。件の獣が血の匂いに引き寄せられてくる前に村に運ぼうか。」
モイの礼に年齢に沿わない冷静な対応を返した魅蓮の言葉にモイは気を引き締めて頷く。二人は捉えた二頭の重さに苦労しながら村へと運んでいった。
「一面真っ白なうえにこの寒さ…これは早く解決しないと寒さで死んでしまいそうだね。」
村に戻り、捉えた食料を調理を担当する猟兵に押し付けた魅蓮は白湯を貰い焚き火で暖を取っていた。自身の狼の尻尾を体に巻いて休んでいた彼はふと視線を感じて振り返る。そこには彼よりも更に年が下であろう子供がじっとフサフサの尻尾を見つめている。魅蓮が尻尾左右に振れば子供の首が左右動き、上下に揺らせば頷くように上下する。
「…何?この尻尾ならあげる気はないですけど……まぁ優しく触るだけなら良いですよ。」
その言葉に子供は笑顔を輝かせ、たどたどしく手を伸ばす。その様子をモイは少し離れたところから優しく見守っているだった。
成功
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ルリ・アイカワ
屋根には乗れないだろうから、薪でも割ろうか
自身の装備で行えば、薪がおが屑になってしまうだろう
適当な鉈でも借りれれば何とかなるんじゃないだろうか
座ってやる事になりそうだけど、薪割りというより工芸品でも作ってる気分だろう
まぁ、薪を割るより薪にする丸太を取ってくる方が楽なんだけどね
リヴェンティア・モーヴェマーレ
[SPD]
※アドリブ、他の方との絡み大歓迎です
[スナイピング]や[お料理]は意外と得意なのデ、お任せくださイ!
こういう時はすいとんとかお鍋系良いでしょうカ?
お鍋にお野菜を入れておいて、お水の代わりに雪を代用すれば料理が楽になりそうな気持ち
後はもし狩りでお肉が手に入ったらお肉
そして味付け!寒さ対策に唐辛子を入れて召し上がれな気持ち♪
あら…ハムちゃん達は寒いですカ?
なら私のコートの中に入って暖をとっててくださいネ?
[情報収集]も忘れてはなりませんネ
有力情報をゲットすべく、配膳する時などに何となしに聞いてみまショ
時間が空いていれば[救助活動]も一緒に出来れば喜んでもらえる…かナ?
破竹の勢いという言葉を知っているだろうか。それは竹を割る際に一節さえ割れれば後は一気に裂くことが出来るということから由来する勢いを表現する諺だ。
「さながら工芸品を作っている気分だな」
片手で鉈を握るウォーマシン、バーバリアンのルリ・アイカワ。二メートルも超える長身の彼女は戦場ではいかなる物も使いこなす戦場傭兵でもある。そんな彼女が何をしているかと言うと薪の確保だ。彼女のサイズからすると短剣程度にしか見えない大鉈を軽々と振るい薪を一振りで真っ二つにすると後ろに放り投げる。
そこには既に程よい大きさになった薪が山のように積まれていた。因みに此処に積まれている薪の元となった丸太は彼女が軽々と運び、自前の斧である程度叩き砕いたものである。
「わぁ!凄い薪の量ですネ!これなら皆さんノ食事を作ることができそうデス!アリガトウな気持ち!」
片言交じりの感謝を述べながら薪を取りに来たのは食事係を買ってでたリヴェンティア・モーヴェマーレ。料理が得意なミレナリィドールの少女。
「うちは自分に出来る仕事をしてるだけさ」
「でもでも!これで村ノ皆さんに暖かなお鍋を振る舞えますかラ。だからやっぱりアリガトウな気持ち!」
陽気に笑ってみせるリヴェンティアの言葉に肩をすくめたルリは小さく笑みを返す。そしてまた黙々と薪割りへと戻り、リヴェンティアも必要な薪を持つと給餌場所に決めた広場へと駆けていく。
「さて!じゃんじゃん作って行きますヨ!」
持参のアウトドアグッズを広げ、民家から借りた大きな鍋に持つてきた野菜、そして、狩りに行った猟兵達の手みあげである鹿肉をなるべく綺麗な雪を溶かし、ゴミを取り除いたお湯と適度に調理していく。
「ちょっと唐辛子多めでポカポカ暖かい気持ち!」
スパイスや調味料で味をつけると辺りに鼻孔をくすぐる良い香りが漂い、釣られるように村人たちが集まってくる。それら一人一人に手渡しで配膳していくリヴェンティアのコートがもぞもぞ動きハムスターが顔出すと小さな子どもたちがわらわらと集まってきた。
「あら、ハムちゃん達は寒いですか。もう少し我慢してくださいね。…あら?」
自身に力を貸してくれる精霊のような小動物たちに申し訳なさそうにお願いする彼女の裾を引く子供がいる。子供はハムスター達を見ながら。
「その子たちはおねえさんのお友だち?」
「えぇ、大事ナ友達デスよ。」
「それじゃ、この前から森に住んでる精霊さんとも?」
精霊さん?獣ではなくて?と首をかしげるリヴェンティアに子供は聞かせてくれる。雪が降り始めた頃、まだ獣の被害が小さかったときだ。好奇心から大人たちに内緒で村を出て雪の世界を探検した子どもたちは森の近くに綺麗な白い精霊のようなもの見たのだという。そして大人たちは雪が積もった木を見間違えたのだろうと信じてくれないのだと。
「…もしかしテ、それが異常気象の原因でショウか?気になる気持ち」
この情報は後で共有しておこうと頭の片隅に置いておきながら給餌を続けていくのだった。
成功
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メリナ・ローズベル
ウィザードロッドを装備
「雪はとても綺麗だけど、積もると厄介よね
寒いし…」
スノーシューを履いて、雪の上を移動する
家のドアが埋もれていたら【属性攻撃】炎の魔法で雪を溶かしてみるわ
一軒ずつ見て回る
「誰かいる?無事?」
声をかけて生存を確かめる
暖炉に火を付けてから、体調不良の人の救護ね
「使い捨てカイロ、使ってみて?
何もしないよりはマシでしょ?」
お湯を沸かしてちょうどいい湯加減になったら、足湯で温まりましょ
動けない人には補助をしたり、毛布を掛けるわ
あと私ができることは、【シンフォニックキュア】
優しい歌を歌うわ
「あなたのぬくもりがあれば~
寒くはないの~」
効果はあるかしら?
浅葱・シアラ
ひぅ……寒い……体が凍えちゃう……
こんな極限状態の中で獣たちと飢餓に苦しみ続けたんだね……
シアたちが助けるから……!
【POW】で判定
やっぱり雪と寒さのせいで生活がままならないなら……雪をなんとかしないとね……!
屋根や道の雪に、ユーベルコード「黄金の地獄」によって生み出した黄金の地獄の炎を放って溶かしていくよ
雪が冷気を放って体温を奪っていくならこれで少しは楽になるはずだよね……!
雪解け水の処理や炎が他に燃え移らないように気をつけないとね……!
少しでも多く雪を溶かしたらきっと村人さん達からお話が聞けるかも……!
獣さん達の居場所や習性を訊いてみよう
それに、黄金の灯がきっと、村人さん達の希望になるから
一軒の家の中、寒さを凌ぐ為に身を寄せ合う家族が居た。窓や戸からは締め切っていても冷気を防ぎ切れず家の中は寒々しい。暖炉の薪は既に尽き、ただ白い灰だけがそこにある。食料を探しに行こうも体力は無く、行ったところで獣達に為す術もなく食い殺されるだけだろう。そう、父親と母親は此処までかと諦めてしまっていた時だった。子供がアッと声を上げる。
窓の外、曇ったガラスの向こうを黄金色の妖精がひらひらと飛んでいく。するとさっきまで縁に雪がかかっていたはずなのに今はそれが溶け去っていた。そして、同時に中に流れ込んできていた冷気も収まっている。不思議な光景に顔を見合っている家族の耳にノックの音が飛び込んだ。
「誰かいる?無事?」
若い女の声だ。少なくともこの村では聞いたことのない声。何者かの罠でないかと警戒している所にもう一度ノックが飛び込む。
「誰か居るなら返事をして。温かい食事と薪を持ってきたわ。」
食事と薪。それは今家族が最も必要としているもの。一家の大黒柱である父親がこのまま飢えと寒さで死んでいくよりはと、藁にも縋る想いで閉ざしていた扉を開く。
「あぁ、良かった。まだ生きていてくれたわね。今仲間が家の周りの雪を溶かしてくれているから少しは楽になったでしょう?」
家先に立っていたのは髪に添えられた赤い薔薇が目を引く裕福そうなオラトリオであるメリナ・ローズベル。スノーシューを外し家へと乗り込んだメリナは他の猟兵が作った唐辛子入のスープを並べ、暖炉に薪を並べていく。その時、扉が少しだけ開き流れ込んだ冷気に家族が振り返れば小さな妖精が身を震わせていた。
「ひぅ……寒い……体が凍えちゃう……こんな極限状態の中で獣たちと飢餓に苦しみ続けたんだね……今シアたちが助けるからね……!」
引っ込み思案で弱虫そして泣き虫。しかし内気なその目に確かな決意を灯した小さな妖精、浅葱・シアラは鮮やかな紫の羽を羽ばたかせ妖精の魔力を高める魔法の杖を振るう。溢れ出た黄金の炎、それは先程窓の外に見えた明かりと同じものであり、パッと散る火の粉は燃え移ること無く雪のように舞い落ちる。しかし、それは雪と違い室内そして見る者の心を温める優しい灯火。飢えに気力を削がれていた子供も大はしゃぎしている。それを微笑み見ていたメリアは並べた薪に魔法で火を点ける。自分たちが去っても家族が凍えることのないように祈りながら。
「……それじゃ、その獣さん達はヴァンパイアの配下では無いの?」
パチパチと火の粉を飛ばす暖炉を前で大人から話を聞いていた二人は顔を見合わす。ダークセイヴァーでの事件といえば主犯はヴァンパイアの領主であることが多い。しかし聞く所によると、この一帯はまだヴァンパイアの領主がいない珍しい土地であるのだという。故に村人達は平穏を壊さぬよう目立たぬように暮らしていたのだと。
そして気になることがもう一点。獣達は決して知性が高いとは言えず、知性あるものに従っているような統率感も感じられない。本当に動物の群れのようなのだと。
「ヴァンパイアの支配を逃れた奴らが群れを成したってとこかしら。」
それが異常気象と繋がるかは定かではないが、少なくとも獣の情報は得られた。まだ見て回らなければならない家は多いと二人は家を出る。ありがとうと仕切りに頭を下げる父親と母親に。
「使い捨てカイロ。使ってね。無いよりはマシなはずよ。」
「暖かくしてね……!」
スノーシューが雪を踏みしめる軽快な足跡と共にあるき出すメリナの周りをシアラが希望のように輝く黄金の炎を灯しながら飛んでいく。
「あなたのぬくもりがあれば~寒くはないの~」
メリナの口から紡がれた歌は不思議と吹雪にかき消されること無く村に響いていた。
大成功
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ミーユイ・ロッソカステル
……異常気象も、陽の差さない空も。
住んでいた頃は、「そういうもの」だと認識していたけれど……オブリビオンが噛んでいるとあれば、話は別。
放っておく訳には、いかないでしょう。
とは言え……雪かきなどの力仕事は私には不向きだわ。
……体調不良の者たちがいる、とは聞いたけれど。1か所に集まっているかしら?
……病院か、避難所代わりになっている集会所か何かがないか、探してみましょう。
こんな寒さの中では、気が滅入るわね。
口から紡ぐは、ユーベルコード「恋路の迷宮 第1番」。
異世界の、恋にまつわる伝説の果実を巡る噂を歌い上げた治癒の歌。
……身体も、そうだけど。少しくらい、楽しい気分になることを考えてもいいでしょう?
「異常気象も、陽の差さない空も。住んでいた頃は、そういうものだと思ってたわ。」
新鮮な瑞々しい桃のようなに艶のある髪は毛先に行くほど情熱的な紅へ。身を包む華美なドレスと相まってその美しさは白いカンバスに描かれた一輪の花のように見るものを引きつける。ダンピールの女、魔性の歌を詠う者。名をミーユイ・ロッソカステルという。
極度に日光に弱い彼女だが、何時も薄暗いダークセイヴァーの空を更に濃ゆい雪雲が覆っている今は何時もより眠気がない。
「……そこの人。……体調不良の者たちがいる、とは聞いたけれど。1か所に集まっているかしら?」
雪かきのような力仕事の向いていない彼女は通りすがりの女性にそう訪ねた。声をかけられた女性は見惚れるように呆けてしまう。無理もない。だが、ミーユイとしては早く質問に答えてほしく。急かすようにもう一度質問を繰り返す。
「……病院か、避難所代わりになっている集会所か何かがないかしら?」
再びの問に女はハッと我に返り。村の一番大きな建物を教えてくれた。女性が言うには、体調が良く無い者たちはそこに集められ看病をされているが、看病できる人も徐々に少なくなってきていてとても忙しい、女性も看病に使えそうな物を取りに来て今から戻る所だと。語る女性の目元にも化粧で誤魔化されているが消しきれない隈が見えた。
「ちょうど良いわ。……私もついでにそこに案内して頂戴。」
自分がやるべきことを見つけたミーユイは女性の案内で集会所へと向かった。
集会所の扉が開かれる。そこには多くの人が毛布に包まり横になっている。看病に動き回る人の顔にも余裕はなく、患者の目には希望は無い。
「こんな寒さの中では、気が滅入るのも分かるけど……皆してひどい面ね。」
深呼吸するように空気を吸い込むと突き刺すような冷気が身体を冷やす。だが、ミーユイの口から紡がれた旋律は春のような暖かさを持った歌だ。
身体も大事だが、。少しくらい、楽しい気分になることを考えてもいいでしょう?
そんな気持ちを込められた歌は集会所に響き渡る。
『恋路の迷宮 第1番』
異世界の、恋にまつわる伝説の果実を巡る噂を歌い上げた治癒の歌。その内容は恋心を糧に、困難に挑む少女の困難を乗り越え進む活力ある歌。
「焦がれるほどに苦いのだ 痺れるほどに甘いのだ 破滅を超えて希望へ進め 命短し恋せよ乙女よ」
紡がれた歌詞の所々が村人たちの今の状況と重なって、そしてそれを乗り越える姿を幻視させる。病人だけでない、忙しなく動いていた者たちも立ち止まり歌姫の紡ぐ希望を聴いている。
歌は呪詛のように甘く心に染み渡り抱いていた絶望感を溶かしていく。暫くの間ミーユイは甘い歌を歌い続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ウェンディ・ロックビル
……大雪、大変だもんねぇ。雪に不慣れな村なんて、なおさら大変。僕はちょっとだけど雪に慣れてるし、こーゆー時こそ力にならなきゃね!トナカイさんは大雪だってへっちゃらなんだよー?
炊き出し班を手伝うのも考えたけど、僕が一番得意なのはやっぱり足を動かすこと!屋外で倒れてたり、村の外で遭難してる人を助けに行くよー。視界が悪くなるかもしれないけど、そこは「野性の勘」なんかでカバー……できたらいいなぁ。
無事救助できたら、「手を繋ぐ」で安心させつつ、聖者としての力で疲れや傷を癒してあげようね。
帰りの光源にもなるし一石二鳥、えっへん!暗い雪道は、ぴかぴかのー、なんてね?村に帰り着くまでがきゅーじょですっ!
ザクザクと雪を踏みしめ駆ける者が居た。トナカイの角と耳、チーターの尻尾を生やした少女。キマイラのダンサー、ウェンディ・ロックビルは村の周りの救援活動を行っていた。
「大雪、大変だもんねぇ。雪に不慣れな村なんて、なおさら大変」
トナカイの子であるウェンディは雪の影響など物ともせず、軽快に雪の上を走っており、既に何人かの救助を終え、最後の見回りをしているところだ。
彼女は聖職者としての光を輝かせながら走っていて、徐々に暗くなってきた辺りを照らしている。もうそろそろ帰ろうかと行ったところで、ウェンディは急ブレーキをかける。彼女の野生の勘が働き、生き物の気配を感じ取ったのだ。
「獣かなぁ?それともまだ誰かいるのかなぁ?」
トナカイの耳が風の音に交じる僅かな息遣いを探るように動き。聞き取ったのは必死な呼吸音と藻掻くような足音だ。光を向けると、何かを抱えた青年が北の森方向から必死に走ってくる姿が見えた。
「もしかして……」
グリモア猟兵である友人の予兆では兎を抱えた青年の姿があったという。ウェンディは自分からも青年の方へと駆けていく。
「こんばんわぁ!ゴメンだけど手に持ってるもの見せてねぇ」
有無を言わさず青年の抱えるものを覗き込むウェンディ。そこには予想通り栗毛の兎があった。
青年は何かを伝えたいようだが、呼吸が定まらず上手く言葉を発せられない。そんな青年の手を握り。安心させるようにウェンディはニッと笑う。
「安心して、僕達は君らを助けに来たんだー。って言っても、此処じゃ安心できないねぇ。先ずは村まで戻ろうぜぃ。村に帰り着くまでがきゅーじょですっ!」
そう言って手を引くように走り出すウェンディ。雪の走り方を知っている彼女の助けによって青年は無事に村へと辿り着いた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『暗闇の獣』
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POW : 魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
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※第二章のプレイングはもう少しお待ちください。
軽い第二章オープニングを投稿しますので、その後に送信して頂けたらありがたいです。
獣の咆哮が轟き、震えた窓に積もっていた雪が滑り落ちる。聞くものを震え上がらせるような叫びに憤怒が含まれるのは、獲物であった青年に逃げられたこと、そして、狩られるのを待つだけだったはずの人々の心に希望の灯りが灯ったのを感じているからだ。
咆哮は伝播し、さらに別の咆哮が上がる。一頭の獣に引き寄せられるように北の森から続々と暗闇の獣達が姿を表した。
狙いは明白、その凶悪な爪と牙をもって希望の芽を摘み取らんと襲いかかってくる。
さぁ、猟兵達よ。真に狩るのはどちらなのか教えてやろう!!
フェル・ドラグニエル
「こんなにも吹雪いてたら…敵を見失ってしまいそうだね。でも…」
と言いながら真の姿を解放!
一瞬の間に竜を模した全身鎧を纏います
「我らは此処であの獣を討つ!あの村を絶望の氷に閉ざしてはならない!」
〈焔竜の戦斧〉を旗の如く掲げ
【竜技・攻勢の号令】で味方達に激励を込めた号令を叫びます
「ここに集いし猟兵は武勇に優れた強者も多いだろう!ならば!その力を以て共に敵を討ち果たそう!
我らの明日のため、この地に住む者の明日のために!志を同じく持つ者よ!汝らに猛き竜の加護あれ!」
号令を言ったら敵へと向かい攻撃を仕掛け、反撃には防御をします
[氷結耐性・鼓舞・激痛耐性・怪力・2回攻撃・かばう・盾受け]の技能を使用します
モイ・トリー
(※一連の作業で猟兵達や村の人々には気を許しているので、口調「タメグチぎみ」解放します)
「数で攻めてくるなら、前衛や先鋒のためにも可能な範囲で攻撃力を下げておこう。体力を削っても、こっちも大ダメージを負う危険性があるよりはいいだろうし」
ユーベルコード【咎力封じ】で判定
(もし、逃げ出しちゃうような臆病な個体が出てきたらこっそり追いかけてみるかな)
技能【追跡】で住処もしくはこの群れのリーダーを特定できるかもしれないから
ルリ・アイカワ
各所の援護に回ろう
獣相手に近接戦を仕掛ける猟兵もいるだろう
【援護射撃5】と【スナイパー4】で相手の無力化を図る
アレも一応食料や防寒着等になるんだろうか?
残念な事に大味な武装しかない故、そこはあきらめて貰おうかな
それでも「やれ」って言われたら難易度上がってもやるのだけどね
●開戦の咆哮
築かれた防壁の向こう側、多くの獣達が村を襲うべくゆっくりと歩みを進めている。それを防壁の上から睥睨するフェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)は手に持った手に持った焔竜の戦斧を握りしめる。
「こんなにも吹雪いてたら…敵を見失ってしまいそうだね。でも…」
真の姿が開放されフェルの身を竜を模した白銀の蒼のドレスアーマーが包み込む。そのまま竜の翼を広げ防壁の上から舞い降りると戦斧を掲げる。
「我らは此処であの獣を討つ!あの村を絶望の氷に閉ざしてはならない!
ここに集いし猟兵は武勇に優れた強者も多いだろう!ならば!その力を以て共に敵を討ち果たそう!
我らの明日のため、この地に住む者の明日のために!志を同じく持つ者よ!汝らに猛き竜の加護あれ!」
掲げた戦斧が神々しく火炎を纏い雪を溶かし、声を張り上げた竜の魔力を伴った鼓舞は集まった猟兵達の戦意を向上させ、光を嫌い暗闇の獣達が苦しげな唸り声を漏らす。
そして、トワリングのように戦斧を振り回し構えた彼女を更に咆える。
「私たちの明日のため、この地に住む者の明日のために!志を同じく持つ者よ!汝らに猛き竜の加護あれ! みんな、頑張ろうね!」
気高き竜は翼を広げ先陣を切り獣達に肉薄するとその戦斧を振るう。透明になっていた獣だったが、光を嫌う唸り声を彼女は聞き逃していなかった。戦斧は暗闇の獣の毛皮、そして血肉を断ち切り、一撃でその生命を終わらせた。
そこに後ろから襲いかかる獣、だが、その手足を横から飛んできた枷で繋がれ半端な威力となりフェルが発した〈防壁〉の竜言語で形成された盾に阻まれる。更にその頭部を弾丸が貫き獣は力なくその場に倒れた。
フェルが枷と弾丸が飛んできた咆哮を見ると二人の猟兵が居た。
●後方支援は援護の花
枷を放ったのはモイ・トリー(人間のシーフ・f15633)彼女が放ったのはただの枷ではない。咎を封じる力を持つユーベルコード、咎力封じである。
「数で攻めてくるなら、前衛や先鋒のためにも可能な範囲で攻撃力を下げておこう。ってのは正解だったみたいだね」
タメ口気味に隣の狙撃手に声をかけると。声をかけられたルリ・アイカワ(ウォーマシンのバーバリアン・f05097)はスコープを覗いたまま小さく頷く。
「あぁ、接近戦がし易いように、うちらが援護をしよう」
余裕の笑みを浮かべ引き金を引けばスコープの先で獣が姿勢を崩し、それをフェルが叩き切る。そして援護を感謝するように戦斧の斧を輝かせまた次の暗闇の獣へと向かっていく。
「体力を削っても、こっちも大ダメージを負う危険性があるよりはいいだろう。…お!」
枷を放ちながら逃げるような個体は居ないかと目を光らせていたモイの視界に、傷を負い逃げようとする獣を見つける。
スコープ越しに同じものを見ていたルリは行くのか?と首を傾げた。それに頷き。
「行くよ。この群れのリーダーを特定できるかもしれないから」
「そうか、気をつけてな。援護射撃は任せろ。」
コクリと頷くとモイは負傷個体の追跡を開始した。
それを見送り、獣に視線を戻したルリはふと思う。アレも一応食料や防寒着等になるんだろうか?
「まぁ、あの様子では望み薄か。」
雪と炎と銀線が舞う戦場を見つめ再び彼女の銃声が響くのだった。
成功
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白寂・魅蓮
さて、どうやらお出ましのようだね。
こっちが邪魔をしたから向こうも相当お怒りのようだ。
「どっちが狩られる側なのか、教えてあげないと…ね」
まずは軽快な足取りで敵をおびき寄せるようにして、なるべく村からは離れさせよう。
爪の一撃や咆哮は【見切り】で躱して距離を常に取り、その隙に白金魔糸を仕込んでおきます。
ある程度獣たちが集まったら、仕込んだ糸で【白金糸・鋭牙】を一斉に放って一網打尽だ。
もし攻撃を受けそうになったら、糸で敵の一体を掴んで【敵を盾にする】
「爪が無くても、鋭い武器くらいはあるものだよ。」
※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎
ウェンディ・ロックビル
……怒ってるねえ。うん、わかってるよー。僕が君たちのえもの、取っちゃったからでしょー?
……大丈夫。その分僕が君たちと遊んであげるから。……僕も、ちょっとだけ怒ってるんだ。
【最速乱舞】!獣の群れを撹乱するように、最高速度で動き回るよ。ダメージを与えることよりも、「パフォーマンス」や「時間稼ぎ」の要領で、敵の注意を惹きつけることに集中しようかなって。誰かが大技で決めてくれたら万々歳、みたいなっ。
……僕、この世界、ちょっぴり苦手なんだよねえ。重苦しくて、息苦しくて。……でも、一番生きづらいのは多分、この世界で暮らしてる人たちなんだよね、きっと。
※アドリブとか絡みとか大かんげーです!
●雪と獣のダンスパーティー
「……怒ってるねえ。うん、わかってるよー。僕が君たちのえもの、取っちゃったからでしょー?」
「そうだね。こっちが邪魔をしたから向こうも相当お怒りのようだ」
トナカイと狼、それぞれの獣耳を動かしながら殺気立つ暗闇の獣を見据えるのはウェンディ・ロックビル(能ある馴鹿は脚を隠す・f02706)と白寂・魅蓮(黒銀の華・f00605)だ。
ウェンディは軽くストレッチするように四肢を伸ばして身体を温め、魅蓮は退魔の力が練り込まれた白金で出来た鋼糸、白金魔糸を指先に漂わせながら歩く。それは戦場を歩くというよりはまるで散歩のように軽快であって、暗闇の獣達は獲物を見つけたと涎を滴らせる。
「まぁまぁ、あんなに涎を垂らして知性の欠片も感じられない。どっちが狩られる側なのか、教えてあげないと…ね。ウェンディ?」
「お腹ペコペコなんだねぇ……大丈夫。僕が君たちと遊んであげるから」
ウェンディは魅蓮に頷き走り出す。その速度は零から一気にトップスピードに辿り着き暗闇の獣の横をすり抜ける。
「……僕も、ちょっとだけ怒ってるんだ。“三十六界最速”の僕のダンスなんだからねー。遠慮なく見ていってよー」
重苦しくて、息苦しくて、きっと生きている人たちが一番苦しんでいるこの世界。娯楽を愛し、楽しく過ごすキマイラフューチャー出身の彼女からしたらこの世界は少し苦手意識がある。
獣の眼前で止まりニヤリと笑うウェンディ。獣は面食い、コケにされたと怒りを顕に雄叫びを上げる。しかしその時には既に彼女の姿は其処に無く、離れた位置で小生意気に舌を出して挑発している。
彼女のユーベルコードは最速乱舞。空間全てをステージとした終わらない武踊。彼女のダンスは誰にも止められない。獣達は近くに寄られながら捉えきれないウェンディに業を煮やし釣られ、徐々に一箇所に誘導されていく。
●知ある獣は策を巡らす
「これは楽で良いね」
ウェンディが獣達を引き寄せている間に魅蓮は獣達に悟れれないようにゆっくりゆっくりと白金魔糸を地面を這わせていた。
そこにウェンディを諦めた暗闇の獣が鉤爪を振り上げ襲いかかる。だが、その一撃は見切られ空を切る。そして空を切った腕に糸が巻き付き、彼が腕を振るうと軽々と飛び、姿を消して近づいていた獣を巻き込んで獣たちの集団の元へと転がっていく。
「わぁ!?魅蓮くん、もう準備の良いのぉ?」
転がってきた獣達に驚き足を止めたウェンディにチャンスと獣が襲いかかるが野生の勘で察知され回避され、ウェンディは魅蓮の横に移動する。
「あぁ、お蔭で仕込みは終わったよ。仕上げといきましょうか。」
ゆらりと両手を上げる。それはピアニストが演奏を始めるように、今から何かが始まることを予感させる。暗闇の獣達の獣としての勘が危険を察知したが……既に彼らは罠にかかった獲物だ。
「爪が無くても、鋭い武器くらいはあるものだよ。この白糸は鋭く、深く、君を追い詰めて絡めとる――」
ユーベルコード白金糸・鋭牙、張り巡らされていた見えないくらい細く切れ味の鋭い白金の糸が牙のように襲いかかり獣達を縛り付け、肉に食い込む。それらは暴れれば暴れるほど食い込んでき、やがては血が吹き出し、骨が砕け、徐々に事切れていく。
「うわぁ……魅蓮くん結構エグいねぇ」
「綺麗な花が咲いたじゃないか。さ、次の獲物を探すとしよう。」
白い大地に咲いた赤い花を見てそう言葉を零したウェンディに魅蓮は軽く返すと白金魔糸を手繰り寄せ回収すると歩き出す。その後ろをウェンディはとっとこと追いかけるのだった。
成功
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明智・珠稀
あぁ、獣の咆哮が聞こえますね、ふふ…!
(どこか楽しそうに)
迎え撃ち、この村に春を訪れさせてみせましょう…!
■戦闘
「せっかくです、作った雪壁を利用させていただきましょう…!」
雪壁に身を隠しながら、向かってくる獣に小型拳銃で攻撃を
【2回攻撃】で手数を増やし、また【マヒ攻撃】でマヒを狙い
確実に仕留めていく
敵UCが発動したら物音や【第六感】で場所を探り
「そちらにいるのでしょう?ふふ!」
とUC【青薔薇吐息】で拳銃を花弁に変え透明な獣を始め
範囲内の敵に攻撃を
敵の攻撃にはオーラシールドで【盾受け】【オーラ防御】
仲間との連携を意識し
「ここは私にお任せください…!」
と【援護射撃】を
※アドリブ、絡み大歓迎です!
都築・藍火
さて、来たでござるな。困窮する人々が居るならば守り闘うが武士の努めというものでござろう。いざ尋常に参る!!
とは言ったものの、此度の戦は【拠点防衛】の側面が強いものでござろう。
大事なのは村を守ることの方でござる。
拙者は前章で作った防壁の上に立ち、何故か連発出来る火縄銃での【援護射撃】【スナイパー】で狙撃を行うでござる。
村には近づけさせないでござるよ!
火縄銃が有効じゃなさそうな距離まで近づかれれば、後は火縄銃をほっぽって槍を構えて突貫でござる!
アドリブ歓迎お好きに
●銃は咆え、命舞う
「ガァァァァァ
!!!!!」
獣が咆える。それは己の強さを示すように力強く降る雪を震わせ、積もった雪を吹き飛ばす。その振動は築かれた急ごしらえの防壁にも響き、罅割れを生じさせた。
「ふむ、アレを連発されるのは不味いでござるな」
自ら防壁制作に関わった都築・藍火(サムライガール・f00336)は顔をしかめて武器である火縄銃の銃口を再び叫びをあげようとする獣に向け、引き金を引く。予め火を付けられていた火縄が薬室の黒色火薬に引火し破裂音を響かせると弾丸は高速で獣の喉を貫いた。
更に彼女の後ろでは召喚された空中に浮く鎧武者の上半身、砕天號が同じ様に巨大な火縄銃を発砲。もはや大砲級になった弾丸……いや、砲弾は獣の上半身を吹き飛ばす。
それを口笛を吹き称賛を送る男がいる。
「ふふ、見事な腕前ですね」
藍火の隣の防壁で手に持ったメタリックカラーの小型拳銃に新たなマガジンを込めているのは明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)
彼も防壁作りに携わった一人であり、藍火と同じ後方支援を買って出ていた。
「そちらにいるのでしょう?ふふ!」
銃を構えた明智が咄嗟に何も無い真っ白な空間へと弾丸を放つ。薔薇のエングレーブが施された銃は反動で銃口を跳ね上げ、金色の薬莢が放物線を描き雪に落ちて僅かに湯気を立てた。それが二度三度と描かれて、放たれた弾丸はまるで銃の薔薇から散った青い薔薇の花弁となり、舞うように何も“見えない"空間に吸い込まれるように消えていく。
青薔薇吐息。自分の武器を青薔薇の花弁に変え周囲を切り裂く美しくも鋭利なユーベルコード。
鮮血が上がり、血塗れの暗闇の獣が複数現れる。獣達は姿を隠し、二人を強襲せんと近づいていたのだ。
「ガァ…?…ァ…ガァ?!」
彼は決して出鱈目に撃ったのでは無い、彼の研ぎ澄まされた第六感が獣を察知していたのだ。バレてしまっては仕方がないと言わんばかりに獣は飛びかかろうと跳躍しようとするが。雪の上にどさりと倒れ込む。
明智の小型銃は口径は小さく花弁も当たりどころが良くなければ致命傷にはなり難い。だが、美しい薔薇には棘が付き物。花びらにはマヒさせる力が込められている。
「この村に春を訪れさせてみせましょう…!」
「応!困窮する人々が居るならば守り闘うが武士の努めというものでござる」
銃声が更に響き動けない獣達の命を青い花びらが刈り取っていく。青い花びらは赤と混じり黒い花びらとなって白い大地に散り落ちた。
大成功
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ミーユイ・ロッソカステル
【wiz判定】
……フフ。
あら、ごめんなさいね。……とても滑稽で、思わず。
えぇ、たかだか姿を視認できなくなった程度で、姿を隠して絶対的優位からの狩りだと思えるのだもの。図体ばかり大きくて、人々に恐れられていても所詮はけだものの知性ということね。
――――えぇ、思い知らせてあげるわ。いらっしゃい?
唇から紡ぐユーベルコードは、「夜との闘い 第3番」
姿が見えなかろうが、なんの問題もなく。
知性なき怪物にとっては、ただ目の前で気配を殺すどころか声を張り上げて歌う女を、間抜けな得物としか捉えない。
……それで、終わり。
私に敵意を抱いたならば、この歌は、周囲を包み込む「夜」は……決して、おまえを逃がさない。
浅葱・シアラ
怖い、なんていってられない……。
怖いのは、村人さん達の方なんだから……シアの何倍も怖い思いしてるんだから……!
負けない、退かない……諦めない!
使用するユーベルコードは「黄金の地獄」
寒さをしのぐためにあれだけ分厚い毛皮を纏ってるならこっちのものだよ
相手の爪の一撃を受けないように、技能【地形の利用】と【迷彩】で物陰に隠れてじっと相手の様子を伺って、隙ができたら飛び出して
シアの身体に眠る黄金の地獄の炎を呼び出して攻撃するよ
相手の毛皮に向けて、【属性攻撃】で強化された黄金の地獄で燃やしてあげる!
この黄金の炎は希望の灯、お母さんの光と、お父さんの炎が!
あなたを焼き尽くす!
●獣の嘲笑、歌姫の艶笑
雪が降る中、獣の唸り声が聞こえる。それは悪質に纏わりつくような粘りのある響きで聞く者の心に不安を宿す。
「ひぅ…!獣さん達怖い……」
思わずか細い悲鳴を上げてしまったのは鮮やかな紫の羽が白い世界では目立つ浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)だ。
臆病なシアラはその声に体を震わせてしまう。獣達は彼女の何倍も大きく、下手をすれば一飲みにされてしまいそうですらある。そんな震えるシアラの淡い青髪を撫でる綺麗な指があった。
「怖気づく必要なんて無いわ。……フフ。あぁ、ごめんなさい貴方を笑ったわけではないの」
女が笑ったのは今自分たちを取り囲もうとしている獣達だ。ただ姿を視認できなくした程度で、自分たちを有利なハンターだと勘違いている獣。
その滑稽さをミーユイ・ロッソカステル(眠れる紅月の死徒・f00401)は笑ったのだ。
「図体ばかり大きくて、人々に恐れられていても所詮はけだものの知性ということね。……貴方は怖ければ私の後ろに居なさい。」
「……うん、そうするね?……わぁ、ミーユイ暖かいね」
シアラはミーユイの背に隠れるようにピッタリと身を寄せる。そこにはほんのりと寄り添い合うことで生まれる熱があり、それを感じ取ったシアラの震えは徐々に収まっていく。
それを知ってか知らずか、ミーユイは歩み始める。先には姿を隠した獣達が待ち伏せているのは間違いない。しかし、彼女はまるで庭園を散歩するような足取りで雪を踏みしめ歩いていく。そして、見惚れる様に艷やかな笑みを浮かべ告げる。
「思い知らせてあげるわ。いらっしゃい?」
●晴天の輝き、黄金の灯火
吹雪が収まりを見せたのは偶然か?それは誰にも分からない。ただ、この空間に響くのは暗闇の獣の下衆な嘲笑だけだ。それが気に入らないとミーユイは唇を震わせ歌を紡ぎ始める。
『夜との闘い 第3番』
声を張り上げた歌は白い世界に広がり、戦う猟兵達や村で怯える人々の耳にも届く。それは彼女が幼き日に夢想した景色に想いを馳せて紡がれた歌。
「ミーユイ綺麗……」
髪に捕まっていたシアラが思わずそう言葉を漏らしてしまうほどに堂々とアカペラで歌うミーユイは美しかった。常に闇に覆われたこの世界で歌われる星の歌。獣達は獲物で有りながら希望を歌う彼女に呆けた後、その余裕ある様子にコケにされていると殺気立つ。
しかし、それはミーユイの思惑通りだ。
雪雲を貫き、光が暗闇の獣を貫いた。それはミーユイへ敵意を抱いていた獣達全てに降り注ぐ星の光。光は暑い雲を貫きその先に満点の夜空を覗かせる。
「聴け この叫びを 見よ この光を 星の輝きは 全てあなたの敵である」
姿が見えないなど関係ない。このユーベルコードは彼女に敵意を抱いた全てに降り注ぐ光と熱の奔流である。暗闇を晴らす様に獣達は奔流に飲み込まれ消えていく。
そんな中、怪我を負いながらもミーユイに襲いかかる獣がいた。彼女の腰よりも太い腕を歌を阻止しようするべく振り上げる。
しかし、そんな獣の前に飛び出す小さな影。
「怖い、なんていってられない……。怖いのは、村人さん達の方なんだから……シアの何倍も怖い思いしてるんだから……!」
希望の歌を聞き、シアラは思い出したのだ。村で震えていた人を、助けて喜んでいた子供を。それらがまた苦しんでいく怖さに比べたら。
「負けない、退かない……諦めない!」
シアラから黄金の地獄が放たれる。その輝きは戦乙女の母から受け継がれた彼女の心。その熱意は蝶の騎士の父から受け継がれた彼女の想い。
「この黄金の炎は希望の灯、お母さんの光と、お父さんの炎が!あなたを焼き尽くす!」
属性攻撃で強化された炎はまたたく間に獣の毛皮を伝って広がり、そのまま灰燼に帰す。
「なんだ。やれば出来るじゃない。」
その小さな妖精の背中をミーユイは小さく微笑みかけるのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『天魔の幼獣』
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POW : 白の嵐
自身の装備武器を無数の【羽毛を思わせる光属性】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 白の裁き
【視線】を向けた対象に、【天からの雷光】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 天候操作
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
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猟兵達の働きにより村近辺に巣食っていた暗闇の獣は討伐された。だが、そこに新たな脅威が現れる。
村を包み込む様に竜巻のような吹雪が降り始め、その中心地に一匹の獣が居た。
愛くるしい見た目に反して暗闇の獣達よりも重圧を放って居るのは天候を操るとされている天魔。その幼体だ。
天魔の幼体はその天候を操る力で獣達に有利な狩場を提供する代わりに獣達に餌を集めさせていたのだ。しかし、その暗闇の獣達が倒されたことで縄張りを荒らされたと怒り姿を表した。
天候を操るとされるその力、天魔を倒せばこの降り注ぐ雪も解決するだろう。
猟兵達よ最後の仕事だ。天魔の幼体を討ち、村に再び平穏を!!
モイ・トリー
「こいつがこの天候の原因か」
(相手が1体なら陽動に回ろう、気候的に身軽になれないから上手くいくかは分からないけど)
「敵の攻撃は引き受けるよ!攻撃お願い!」
敵の攻撃対象になるように動きつつユーベルコード【シーブズ・ギャンビット】に技能【傷口をえぐる】を乗せて使用。
ターゲットを取れたら他猟兵の邪魔をしないように回避に専念
フェル・ドラグニエル
さっきに引き続き真の姿の状態です。口調は"覚醒時は"のままです
「ほぉう。どうやらあの獣が今回の元凶か。随分愛くるしい見た目だが…我らに向けてる殺気はさっきの獣どもよりも大きいな。皆、警戒していこう!」
敵の攻撃に対して<蒼雷の銀竜槍>を構えて攻撃を受け止めます
「電撃を放つのか。ならこの槍は避雷針となるだろう!」
[かばう・激痛耐性・電撃耐性]の技能を使用
今度は<蒼雷の銀竜槍>を構えて詠唱
【竜技・雷霆光雷】で反撃を仕掛けます。
「今度は我の番だな。我が雷、受けてみよ!」
[属性攻撃・2回攻撃・カウンター・串刺し・全力魔法・高速詠唱]の技能を使用
@他のキャラとの協力・アドリブ可
●天を鳴らす魔の雷光
「こいつがこの天候の原因か」
「随分愛くるしい見た目だが…我らに向けてる殺気はさっきの獣どもよりも大きいな。皆、警戒していこう!」」
吹き荒ぶ雪が敵対者達を逃さないとばかりに渦巻く中で武具を構える猟兵。二人共始まりからこの事件に関わってきた者たちだ。その中でもフェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)は暗闇の獣達との戦いで開放した真の姿を保持したまま、いや更に力強い意思を瞳に宿しながら手に持つ蒼雷の銀竜槍の矛先を天魔の幼体を向けている。その横にはシーフであり咎人殺しであるモイ・トリーがマントで身を包みダガーを逆手に握り天魔の幼体へ接近するタイミングを測っている。
天魔の幼体は可愛らしい顔を怒りで歪め、唸り声を上げながら少しづつ彼女たちに近づいてくる。
「敵の攻撃を誘導するよ!攻撃お願い!」
モイが駆ける。雪の上を狙いを定められぬよう変動的にジグザグと駆ける彼女を天魔は目で追い、その視線が突き刺さるように鋭くなったとき、空気が爆ぜ轟音となり天から雷光が降り注ぐ。
「待っていたぞ!その雷光を!!」
素早い仲間に天魔の注意が向いた隙きに接近していたフェルが銀竜槍を天高く掲げる。モイを狙っていた雷光は避雷針のようにより電気を流しやすい彼女の槍へと引き寄せられ、雷光を纏う神々しき槍と化した。無論、それを持つ彼女は生身の人間だ。溢れる電が彼女の皮膚を焼き激痛を引き起こすはず。しかし、彼女は痛み、そして電気に対して高い耐性を有しており纏った雷光を御すこと可能にしたのだ。
●明日を照らす蒼雷の輝き
バチバチと雷が爆ぜる槍を手にフェルは詠唱を始める。
『我囁くは「雷霆」 降り注ぐは天ノ怒槌』
纏った雷は彼女の魔力と混ざり、只々眩いだけの光から見る者を惹き付ける蒼光へと昇華され、それを見た天魔の幼体は獣としての危機感を覚え再び雷光を落とさんとフェルを睨む。だが……
「頭上がお留守だよ。」
突如の天魔の視線を塞ぐように布が被せられた。それはモイがさっきまで着ていたマントだ。天魔の雷光は視線を向けた所に降らすものであるから、こうされては放つことができない。身軽となった彼女はダガーを煌めかせ視界を奪われた天魔の幼体を切り裂く。ユーベルコード、シーブズ・ギャンビット。身軽になればなるほど素早さを上がる。
痛みにのたうちながらマントを取り払った天魔が見たものは。蒼電を纏った槍を手に肉薄したフェルの姿だった。
『咆哮轟音輝き全てを以て我が前に立つ敵を焼き尽くせ!』
槍が深々と突き刺さり、雷が血肉を焼く。しかしそれだけでは終わらない。彼女の詠唱はまだ完成していない!
『……ケラウノス・ブレードッ!』
突き刺した槍が纏う蒼い雷と同じ雷光が降り注ぎ、串刺しとなった天魔の幼体を更に焼き焦がす。
「此れが竜騎士たる我が力だ!」
槍を引き抜いたフェルが咆える。戦いはまだ始まったばかりだ。
大成功
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明智・珠稀
おやおや、愛らしい姿に強大なパワーを秘めてらっしゃるのですね…!
しかし、人々に脅威を与える存在…ここで眠りについていただきましょう、ふふ!
■戦闘
妖刀を手に接近戦を
【ダッシュ】で【先制攻撃】また【2回攻撃】と
手数を増やし斬撃を重ねる
仲間との連携を意識し、声を掛けあい敵前へ
敵UCには
オーラシールドで【盾受け】&【オーラシールド】
また【電撃耐性】&【激痛耐性】で
「…ふふ、そんな愛くるしい瞳で見つめられるとゾクソクいたします…!」
軽口を叩きつつ、真の姿に変身し(白い羽根が現れる)
「私の衝撃波はいかがでしょう…!」
と【カウンター】でUC【妖剣解放】の衝撃波と力一杯、刀で斬撃を
※アドリブ、絡み大歓迎です!
白寂・魅蓮
あの獣の後だったからどんな猛獣が現れるかと思ったら…随分可愛らしい親玉が出てきたものだね。
これ以上悪天候が続いても迷惑なんでね、とっとご退場願おう。
天候の操作は正直かなり厄介だね…。
竜巻や雷で迎撃されないうちに、【見切り】で攻撃をかわして一気に距離を詰めて、近距離から接近戦で短期決戦を狙おう。
距離を詰めて攻撃範囲内に入ったら、白金魔糸でまずは相手の手足を狙って動きを封じにかけよう。
動きを封じたら、【幽玄の舞「泡沫語リ」】で畳みかけるよ。
「嵐を起こせるのは、君だけじゃないさ。ほら、黒い嵐が包み込むよ」
※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎
●痛みと悦、そして罠
「…随分可愛らしい親玉が出てきたものだね」
体の周りに白金の糸を漂わせた白寂・魅蓮(黒銀の華・f00605)が拍子抜けた吐息を吐く。あの獣達の後なのだからどんな猛獣が出てくるかと警戒していたのだろう。
「おやおや、しかし愛らしい姿に強大なパワーを秘めてらっしゃるご様子。油断はできませんよ。」
刀を担ぎ、愉快そうに笑みを浮かべる明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)に魅蓮は分かっていると頷いた。
確かに可愛らしい見た目をしているが天候の操作は厄介で手負いの獣は獰猛さが増して手が付けられなくなるほどに危険。
「……でも、これ以上悪天候が続いても迷惑なんでね、とっとご退場願おう。」
いい加減この寒さも嫌になって来たしと魅蓮が手を振り上げ白金魔糸が揺らぐのを合図に戦況が動き始めた。
珠稀が地を滑るように低く、そして素早く距離を詰めると使い手の命を縮める呪われた刀の切っ先を煌めかせ長い手足を活かした刺突を繰り出し天魔の幼体を斬りつける。
「――――ッ!!!」
傷口から地が吹き出し白い世界に紅い染みを咲かせた天魔が珠稀を睨みつけると天から雷光が振り注ぐ。珠稀は咄嗟にオーラを身にまとい雷光を防いだ。電撃、そして、激痛を物ともせずに、それどころか恍惚とした様子の彼は天魔と視線を交える。
「…ふふ、そんな愛くるしい瞳で見つめられるとゾクソクいたします…!ですが、私ばかりに熱い視線を向けていて大丈夫でしょうか?」
含みを混ぜたその笑みに天魔が訝しむように唸り声を漏らし、一歩後退ろうとしたとき、その足が縺れ雪の上に倒れ込む。
「油断大敵、お蔭で此処まで楽に距離が詰めれたよ。」
張り巡らせた弦の様に細い鋼糸を手繰る魅蓮が、罠にかかった天魔の幼体を睥睨する。
●見惚れるほどの黒い花
『これより踊りまするはひと時の夢物語…』
そう魅蓮は語ると共に舞い踊る。究極の舞を探求する少年はまだ若く、その歩みは道半ば、しかし、甘く儚く、それでいて艶めかし舞いは見る者を魅了する程に蠱惑的。その一差し、名を幽玄の舞「泡沫語リ」といい、その姿はまるで咲き誇る黒い蓮。
『どうか心行くまで、溺れて、融けていただきます』
魅蓮が手足を動かす度に黒い蓮の花びらが舞い、天魔の幼体に浅い傷を付けていく。花びらは徐々に数を増していき、黒い嵐となって天魔を飲み込む。
「おぉ…!なんと甘美な舞でしょうか。ふふ、これは私も負けていられませんね。行きますよ。閃天紫花」
珠稀が愛刀の腹を優しく優しく撫で、真の姿を開放する。雪とはまた違う白い翼を広げ、更に妖刀の力も開放すると花びらの合間を縫って斬りつける。
花びらが衝撃波で飛び散り、其処から天魔が逃げ出そうとするが、絡んだ鋼糸が邪魔をして、外そうと藻掻いてる間に花びらにまた飲まれ、見えないところからまた斬撃の衝撃波が叩き込まれる。舞が終わるその時までそれが繰り返され、天魔の幼体は徐々に疲弊を顕にしていった。
成功
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ミーユイ・ロッソカステル
あら、なんとも可愛らしい相手ですこと。
……でも、ね。おまえもオブリビオン、世界を侵す災魔なれば。
醜悪なけだものを使役して益を得るその生きざま、なんともそれらしいじゃない?
紡ぐユーベルコードは「影の国 第2番」
実体化した音符の力場による、直接攻撃を行う魔歌
仮によけられたとしても……闇が周囲へと溶けだし、光すら遮る闇へと変えるわ。
……えぇ、天候を操るのでしょう?
なら、暗闇の中で視認すら困難な状況、陽光すら届かぬ相手に決定打はあるかしら?
狩りすら自力で行おうとせず、ぬくぬくと肥え太ったその罪――贖いなさい
※アドリブ・連結歓迎
浅葱・シアラ
可愛い、なんていってられない……
あなたがこの天候を巻き起こした元凶だね……
許さない……どれだけ村の人達が怖くて、苦しい思いをしたか……
絶対に、許さないよ……!
使用するユーベルコードは『エレメンタル・ファンタジア』
獣たち同様、極寒の大地に住む獣たちは分厚い毛皮を持っているって特徴があるんだ……
だから、それが大きな弱点になる!
「炎属性」と「暴風雨」を合成して、ここに、「炎の暴風雨」を巻き起こす!
炎の雨が天魔に降り注ぎ、灼熱の暴風が天魔をからめとるの!
それだけじゃないよ、【高速詠唱】で何度も連発して、全て【全力魔法】で強化する!
暴走なんてしない……必死で制御する!
村人たちの平和のために!
ウェンディ・ロックビル
……君たちも、ご飯を食べられなきゃ死んじゃうんだろうけど。
だからって、僕らだって食べられるわけにはいかないもん。
……だから、怒っていいぜ。僕だって、怒ってるから。
自分はソラを支配してる、って。君、きっとそう思ってるんでしょ?舐めちゃダメだぜ、僕をさ!
スカイステッパー!敵の降らせる雹や嵐を足場にするように飛び跳ねて、敵よりも高く、高く跳び上がるよ。
跳べる回数ギリギリまで跳び上がったら……急降下して、きっく!
キックが決まるかは賭けだけど……へへん、僕の方が、君より高く飛べたでしょ!どんなもんだい!
……ふふ、上手に勝てたら、村のみんなに雪遊び、教えてあげようか。
●決意は明日を照らす輝き
天魔の傷が目に見えて増えてきているのと同調するように吹雪はその激しさを増し、猟兵達の体力を奪っていく。それは天魔の力を示していると同時に、その生命に余裕のないことを物語っている。
「可愛いなんて言ってられない…!……よね」
「そうね。世界を侵す災魔であるオブリビオンなのだから。」
「うん……」
倒さないといけないと分かっていながら少しばかりの迷いが見える浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)にルージュの髪先を弄っていたミーユイ・ロッソカステル(眠れる紅月の死徒・f00401)がきっぱりと告げる。ミーユイはその口をほんの僅かだがバツが悪そうに膨らませていた。きっと小さな妖精の言葉を切り捨ててしまったことに少しだけ後ろめたさを感じているのだろう。
そんな様子に気づかないシアラは自分の気持に踏ん切りをつけるため瞳を閉じて、一呼吸。その様子を横目で見ていたウェンディ・ロックビル(能ある馴鹿は脚を隠す・f02706)がその頭を撫でる。
「……獣たちも、ご飯を食べられなきゃ死んじゃうんだろうけど。だからって、村の人達、そして僕らだって食べられるわけにはいかないもんね?」
弱肉強食、それは自然の摂理なのかもしれない。特にヴァンパイアの支配するこの世界はそうなのだろう。だが、そうだとしてもウェンディはそれを許容できない。例え厳しい世界であろうと笑顔の無い世界は嫌なのだ。だから、今回の元凶である天魔の幼体に怒りを燃やす金色の目を向ける。
「……うん。村の人たちを苦しめたこと、それだけは絶対に許しちゃいけない
……!!」
それがまだ成長途中の幼体であろうと……決意を固めたシアラの片目が蝶の騎士である父親と同じ朱となった。
「それじゃ、フィナーレを奏でに行きましょうか。」
醜悪なけだものを使役して肥えたその対価を今支払わせるためにミーユイは大きく息を吸い込んだ。
●獣が舞い夜が歌う幻想曲
まさかこの世界でこの歌を歌うことになるなんて、そう心の片隅で思いながらミーユイは歌を紡ぐ。
影の国 第2番(ダン・スカー)
それは歌声が実体化した暗く光る音符となり直接攻撃を行う歌だ。だが、警戒心剥き出しの獣は音符を避ける。
それを見たミーユイはほくそ笑む。夜は避けられた。しかし避けられた夜は世界に染み渡り天魔の幼体を闇の中へと閉じ込めた。前後左右、あらゆる先が見えなくなるほどの濃ゆい闇。闇はヴァンパイアにとっては力の源。天魔がヴァンパイアで無いからこそ彼女はこの歌を歌えた。
「……えぇ、天候を操るのでしょう?なら、暗闇の中で視認すら困難な状況、陽光すら届かぬ相手に決定打はあるかしら?」
天魔は迷う。周りの状況が分からない状態でどう行動するか。闇雲に攻撃すれば無駄に体力を消耗し、じっとしていれば更に増援が来るかもしれない。飛び出せば待ち伏せされている可能性もある。
追い込まれた獣はそして思いつく。敵で飛べるのは小さな妖精だけ、前や後ろ、左右よりも"空"の方が安全だと。思いつくやいなや天魔の幼体は飛び上がる、闇を抜け更に上へと逃れるために。
「やっほー。遅かったねぇ」
闇を抜けた天魔は見た。自分よりも高みを駆けるように飛ぶトナカイの少女の姿をだ。
人は空を飛べない、しかし彼女は空を駆ける事ができる。スカイステッパー、空を跳ぶユーベルコード。
ウェンディは限界まで飛び上がり急降下、驚異的なバランス感覚で体を捻ると父譲りのチーターの脚が見上げていた天魔の顔面を打ち据え地面へと叩き落とす。
そしてウェンディはというと……
「わっぷ…!?」
降り積もった雪の上に落ちて雪まみれ。ブルリと頭を奮って雪を払った。
「さーて、シアラちゃんやっちゃえ!!」
「うん…!シアに任せて!」
天候を操れるのは天魔だけの特権ではない。シアラは魔法で炎と暴風雨をかけ合わせ『炎の暴風雨』を作り出す。
エレメンタル・ファンタジア、掛け合わせる自然現象が複雑であればあるほど制御の難しくなるそれをシアラは高速詠唱で何度も全力で発動させ天魔の幼体を焼いていく。
「暴走なんてしない……村人たちの平和はシアが取り戻す!!!」
最後に一段と強い暴風が吹き、火の粉が蛍のように漂い辺りを照らす中、天魔の幼体が居たところには小さな灰の山があるだけだった。
それも、吹き始めた暖かな春風に運ばれ散っていく。猟兵達の活躍により異常な冬が終わり、村には遅めの春が訪れたのだった。
大成功
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