帝都櫻大戰②〜大豪遊喫茶激励会
●帝都覆いつくすは満開を超えし櫻
常に桜が咲き誇るサクラミラージュにおいて、その桜が暴走したのは一体いつからだろうか。
帝都には季節外れとも言える桜吹雪が吹き荒れ、幻朧桜が激しく咲き誇る。
それはまさに、帝都を桜が覆いつくしてしまうかのようだった。
●グリモアベースより激励会のお知らせ
「現在、サクラミラージュの帝都が凄まじい桜に覆われているのは知ってる?」
水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)はそう語り始めた。
「これは端的に言えば桜の下に埋められたサクラミラージュの『帝』によるものだ」
諸悪の根源とも言われているその存在。サクラミラージュの不死の帝。
「帝都を治めているはずの帝……諸悪の根源、『幻朧帝イティハーサ』。それが今、蘇ろうとしている」
これを阻止するため、超弩級戦力たる猟兵の力が求められている、今のサクラミラージュはそんな時勢だと語る。
「勿論、私達もこれに向かうんだけど、その途中、作戦行動がてら……激励会をしようと思うんだ」
浅草六区――帝都でも随一の繁華街、その中のある番外地。そこにある一つのカフェーが今、影朧に乗っ取られているという。しかもどうやらこの影朧達はあろうことか従業員のように振舞っているというのだ! 影朧達も久しぶりに働ける、とテンションが上がっているらしい、というのもどうやら生前はカフェーで働いてたものの閑古鳥であまり働く機会がなく燻っていたようなのだ。このままではテンションの上がった影朧に招かれた客の影響でさらに影朧が増加してしまう。
「そこで、朝の開店ギリギリ、サクラミラージュ現地の客が来る前にここで思いっきり激励会をして、みんなで楽しむと共に影朧達をバリバリに働かせて浄化させてあげようと思うんだ」
影朧達を楽しませ、自分達も楽しむ。そして影朧を浄化しつつ、自分達はこれから始まる戦いに備える。
まさに一石二鳥とも言える作戦である。
「あ、あとこの激励会の為に私が頑張ってサアビスチケット用意してきたよ」
ででーん、と見せびらかされる超弩級サアビスチケットなるもの。
「これでもう好きなだけ豪遊してきてほしい。みんなが好きに楽しめば楽しむほど影朧も満足するだろうし」
影朧の満足は浄化へと繋げられるし自身のテンションアップにもなるだろう。
「なのでもう好き放題に楽しんでしまってほしい。大体の事はこれでできると思うから」
食べ放題なんか勿論のこと、ジャンボメニューに果ては店員にサアビスを求めることも場合によってはできるだろう。
「これから始まる戦いは恐らく長い戦いになると思う」
そのためにも、英気を養う事は重要だ。
「だからぜひ、ここで気合を入れられるように楽しんできてほしいな。勿論影朧のことも大事だけど、ね」
●影朧達は往時に囚われる
朝、影朧により乗っ取られたあるカフェー。
そこでは影朧達が従業員のふりをして開店準備のためにあくせく働いている。
ただそのうちの1体がふぁ、と欠伸をした。
『退屈だなぁ』
それに別の影朧が注意をする。
『そろそろ開店だから、ちゃんとして』
『はいはい、でも……』
外を見ながら欠伸をした影朧が遠い目をした。
『どうせ、客も来ないだろうし……来たらもう、気合入るだろうけど』
『そのためにもちゃんと準備するぞ』
『はーい……』
彼らはこの後とんでもないことになるのをまだ知る由もない。
結衣謙太郎
ヤウコソ、浅草六区番外地へ。
結衣(戦争モード)です。
戦いの前に激励会を一つまみ。
以下詳細。
●メイン目標
カフェーでの激励会をガッツリ楽しむ。
大体カフェーでできそうなことならサアビスチケットのおかげでできてしまいます。
●章構成
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝都櫻大戰」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
ロケーションは開店すぐのカフェー。ただし従業員は影朧ばかりです。
皆さんはサアビスチケットを可奈から受け取りそれを現地喫茶店で使い豪遊、満喫するのが目標です。
影朧達は生前閑古鳥に苦しめられていたので、こんな経験をしてしまえば満足して浄化してしまうでしょう。それが戦略的な目的です。
なのでもう、存分に楽しんで下さい。これからの戦争に向けて頑張るぞ、という感じで。
楽しめば楽しむほど特別プレイングボーナスが入ります。
●備考
プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
オーバーロードは納期の都合により後回しになる可能性もあります。
また、『戦線』があるので時期によっては完結優先で待てない場合がございます。
以上、プレイングお待ちしております。
第1章 日常
『こ……これが噂の超弩級サアビスチケット!』
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POW : 情熱的に考えて自分の望みは…
SPD : 効率的に考えて自分の望みは…
WIZ : 理論的に考えて自分の望みは…
👑5
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栗花落・澪
【天使組】
食べ放題で自由に豪遊!
カフェって事は甘味も勿論選び放題…!?
なんとまぁ魅力的、こんなお誘い乗らないわけなかった
とはいえ…悲しいかな少食なんだよね…
って事で、お友達呼んじゃいました
飲み物は紅茶で…まずはチーズケーキを一つ頂こうかな
勿論、わけっこしよ
朱雀さん、そんなに一気に頼んでもテーブルに乗り切らないよ
相変わらずの食欲に苦笑いしつつ
このペースなら僕の追加は要らないかもな、なんて
朱雀さんがわけてくれるみたいだし
あ、冷めたら勿体無いから温かいものは先に食べていいよ
えっ、あ、ありがと…
ふふ、美味しい
じゃあこっちのチーズケーキもどうぞ(あーん返し)
店員さんごめんね、がんばれ〜(こっそり応援

朱雀・慧華
【天使組】
食べ放題!
ほんとに好きなだけ頼んでいいの?
澪は紅茶とチーズケーキかぁ…
ねぇねぇ、それ私も一口貰ってもいい?
やったー!
じゃあ私は…メニューのここからここまで
チーズケーキ以外ぜーんぶください!
え、乗らない?
んー、じゃあ……一旦ここまでで!(半分くらい減らす)
あ、飲み物は…うーん……私も紅茶で!
澪も一緒に食べていいからね
料理系も甘味系もジャンボも全部食べたいし
足りなければ二週でも三週でもしたいくらい(大食い)
澪にも色んな味楽しんでもらいたいし
テーブルに空きができるたびに次々追加
私だけの分じゃないもん、いいよね
はい澪、一口どうぞ、あーん♪
わーいありがとうー!(ぱくっ
美味しいー!
弓落・高寿
かふぇ…激励会…さあびすちけっと…言葉の意味はよく分からんがつまり、甘味食べ放題?
よし行く、今すぐ行く速攻行く。
カタカナには疎い癖、己に都合のいい事だけは飲み込みの早い平安貴族。甘いものは好きだ、甘ければ甘いほどいい。特にちょこやら生くりいむ、あいすとやら?こちらで初めて口にしたがあれはいいな、うん。いくらでも行ける。
と言う訳で朝から勢いよく、道場破りが如く店の扉を開け、店員の影朧へチケットをひらり。めにゅうは…読んでも分からん。甘い物を沢山持ってこい。
苦いの?いらん。
態度は不遜だが大変美味しそうに食べるのできっと店員さんもニッコリ…する体力が残っているといいですね。おかわり。
夜刀神・鏡介
「もっと働きたい」が未練っていうのは中々見上げた根性かもしれないが
それはそれとして。影朧が穏便に未練を晴らして転生するならその方が良い
それに、それで俺達が英気を養えるなら言う事無しだ
とはいえここはあくまでカフェー
盛大にといわれても、長時間居座るとか、盛大に飲み食いするっていうのもなんか違うとは思うし
とりあえず珈琲とモーニングセットあたりを頼む事にして……やけに量が多くないか、これ?
まあ、食べきれない程の量ではないし。朝食をしっかり食べるのは大切だ……そして味も良いから文句はないけどな
食べ終えたなら挨拶をして
さあ、英気を養う事もできたし……軽く腹ごなしをしてから、どこかの戦場に向かうとしようか
●あるカフェーのいつも通りの開店
カフェーの扉の鍵が開く。
今日もカフェーの1日が始まった。
恐らくはいつも通り――あるいは生前通りの閑古鳥だろう、そう店員……の姿をした影朧は思っていた。
そう、今日この日激励会なんてものがなければ。
●食べ放題、飲み放題
時刻は少し巻き戻り、グリモアベースにて。
「かふぇ……激励会……さあびすちけっと……」
アヤカシエンパイアに
神隠しされた異星の姫君、弓落・高寿(平安京異邦人・f44072)は言葉の意味が今一つ掴めなかった。が、よくよく詳細を聞いてみれば。
「つまり、甘味食べ放題?」
正解かもしれない。カタカナに弱いくせに自分に都合いい事は飲みこみが早かった。
「よし行く、今すぐ行く速攻行く」
ということで彼女も
依頼に参加することになったのだった。
「たのもう!」
開店早々に勢いよく店の扉を開ける高寿、驚く影朧にサアビスチケットをひらつかせる。
『あ……す、すぐにお席用意しますので!』
これが一応敵同士とは思えないような具合に少し驚きつつも、機嫌を良くする高寿。用意された席に座れば威風堂々とした態度を取る。
『ご、ご注文はいかがいたしましょうか?』
『こちらメニューになります』
影朧店員よりメニューが出されるが、軽く流し読みしただけではぁ、と嘆息。
「読んでも分からん……甘い物だ」
『へ?』
「甘い物を沢山持ってこい。そうだな、ちょこやら生くりいむ、あいすとやら? こちらで初めて口にしたがあれはいいな、うん。いくらでも行ける。甘ければ甘いほどいい」
『は、はい……ええと、珈琲とかは』
「
苦いの? いらん」
すっぱりと言い切ると早く持ってこいとばかりに威張る高寿。サアビスチケット使ってるし、これくらい威張っても文句は言われないだろう。多分。
「食べ放題! そう、カフェってことは甘味も勿論選び放題だ!」
「ねえほんとに好きなだけ頼んでいいんだよね!」
高寿が注文を待っている間に扉を開けて現れたのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と朱雀・慧華(純真天使・f17361)の2人だ。澪にとってこの激励会のお誘いは甘味選び放題の食べ放題ももちろんできるだろうという点で魅力的過ぎた。しかし悲しいかな、澪は少食なので友達の慧華を呼んだのだった。
『ご注文をお伺いいたします』
「僕は飲み物は紅茶で……まずはチーズケーキを一つ頂こうかな」
「私はー、」
慧華がばっとメニューのページを影朧店員に見せる。
「メニューのここからここまでチーズケーキ以外ぜーんぶください!」
おーっと合わせ技で全メニューと来ました、影朧店員がびくっとなっています!
「朱雀さん、そんなに一気に頼んでもテーブルに乗り切らないよ」
「え、乗らない? んー、じゃあ……」
慧華が残念そうな顔で大体半分くらいの部分を指した。
「一旦ここまでで!」
『か、かしこまりました……お飲み物は』
「うーん……私も紅茶で!」
慌てて厨房に戻る影朧店員を見ながら澪が苦笑いする。
「相変わらずの食欲だね……」
「うん! 料理系も甘味系もジャンボも全部食べたいし、足りなければ二周でも三周でもしたいくらい」
それに、と澪に微笑む慧華。
「澪にも色んな味楽しんでもらいたいし!」
純真天使たるその笑顔に澪は苦笑するしかなかった。
「あ、ねぇねぇ、澪のチーズケーキも私一口貰ってもいい?」
「勿論、わけっこしよ」
「やったー!」
●地獄であり天国、そんな忙しさ
猟兵達による食べ放題祭。ここからが影朧店員にとっての
地獄の始まりだった。
『チヰズケーキできました!』
『あっちのテーブルに運んで!』
『アヰスクリヰムもできました!』
『それはあっちのテーブル! え、人いないの!? ああもう私が動く! 貸して!』
てんてこ舞いのように動く影朧店員だが、大変そうな顔の裏に、どこか充実してそうな感じが見えた。……生前の閑古鳥を思い出せばこれだけ多くの注文で忙しくなるのは辛いどころか逆に夢みたいで嬉しいというものだ。
「『もっと働きたい』が未練っていうのは中々見上げた根性かもしれないが、それはそれとして……影朧が穏便に未練を晴らして転生するならその方が良い。それに、それで俺達が英気を養えるなら言う事無しだ」
コーヒーとモーニングセットを頼んでいたサクラミラージュ現地民の夜刀神・鏡介(道を貫く一刀・f28122)は先に届いたコーヒーを嗜みながら影朧店員のバタバタを見ていた。
『お待たせしました、モーニングセットです』
「ああ、ありがとう……やけに量が多くないか、これ?」
『サアビスチケットにより、サイズを上げてお届けしております』
「それでもここまではいかないだろう……これが超弩級サアビスチケットか……」
これには鏡介も苦笑するしかなかった。まあ、食べきれない程の量ではないのでいいのだが。
(サアビスチケットを使った激励会とはいえここはあくまでカフェー……長く居座るのも、盛大に飲み食いするのも何か違うとは思ったが……)
大量に頼んでいる他3人を見ながら一つため息。
(少なくとも、後者はそんなこと考えなくてもよかったのかもしれないな)
もう一杯、コーヒーを飲むと、モーニングセットに手を付け始めた。
「いただきます」
「おかわり」
『ま、またでしょうか?』
「ああ我がおかわりと言っているんだ、早く持ってこい!」
『ひ、ひいい!』
『でもあの美味しそうな顔はご馳走様です!』
影朧店員が高寿のもとからまた厨房へと走っていけば、澪たちの方でも。
「追加で! これとこれと……」
『は、はい、わかりました!』
テーブルに空きができるたびに慧華が次々と追加していくのを澪があはは、って顔で眺めていた。
(店員さんごめんね、がんばれ〜)
(私だけの分じゃないもん、いいよね)
こっそり応援する澪と己が行いを正当化する慧華だった。
「このペースなら僕の追加は要らないかもな、なんて」
「あー、確かにこれはそう、かも?」
「うん、まあそれを見越して朱雀さんを呼んだしね。あ、冷めたら勿体無いから温かいものは先に食べていいよ」
「いいの? じゃあ遠慮なく」
暖かいものを食べてんー、といい笑顔をする慧華。そのスプーンが不意に澪へと伸びる。
「はい澪、一口どうぞ、あーん♪」
「えっ、あ、ありがと……」
戸惑いながらも澪があーんを受け取る。
「ふふ、美味しい」
そして笑顔を見せた。
「じゃあこっちのチーズケーキもどうぞ」
おおっと澪のあーん返しだ!
「わーいありがとうー!」
慧華も何も戸惑うことなしにあーんを受け取る!
「美味しいー!」
この様子を見た影朧店員がほんわかした気分になっていたのを他の影朧店員が何してるのと叱ったのだとか。まあ今回バタバタだからね、仕方ないね。風景は癒しなんだけどね。
『お、お待たせしました……』
「待ちくたびれたぞ!」
『も、申し訳ございません……!』
高寿のもとへもスイーツが運ばれてくる。影朧店員ももうクタクタだし高寿の言い方がキツイのもあり、影朧店員に笑みを浮かべる体力はあまりなかった。
だが、それでも。
(ああ……やっぱり美味しく食べてくれるお客様を見ると……この仕事やっててよかったなぁ、って……)
高寿が美味しそうに食べているのを見ると、どうしても至福の感情を得るのは仕方のないことだった。
「む? 何をしている、おかわりだ」
『は、はい! すぐに!』
大変だが、おかわりするとなるとあの笑顔がまた見れる、と考えれば、そして生前の閑古鳥を考えればこんなの苦でもない……のかもしれない。
●そして、終わる時は突然に
(量が多いとはいえ、朝食をしっかり食べるのは大切だ……そして味も良いから文句はないけどな)
鏡介は他の皆とは違いマイペースでゆっくりと食事を楽しんでいた。それはある意味優雅なる食卓とも言えるのかもしれない。そして他の猟兵達が美味しかったー、と言いながら店を後にしていき、影朧店員達がふぅー、と息をついたりぐったりしていくのを横目に、鏡介もまた食べ終えるのだった。
「ごちそうさまでした……ああ、店員さん」
『はい』
呼ばれて鏡介のテーブルにやってくる影朧店員。
『追加のご注文でしょうか……?』
めっちゃビクビクしてた。そりゃそうだ。
「いや、もう大丈夫だ。美味しかった。ありがとう。
……君達の未練が晴れ、良い転生を迎えられるのを祈っている」
そう言うと席を立ち、会計を済ませる。といっても超弩級サアビスチケットのおかげか、財貨自体は全然払わなくても大丈夫だったのだが。
そして店の外に出ると、鏡介は軽く伸びをした。
「さあ、英気を養う事もできたし……」
彼もまた、歩き出す。
「軽く腹ごなしをしてから、どこかの戦場に向かうとしようか」
激励会は終わった。
超弩級サアビスチケットを使った、一つの店への有り得ない大注文。そしてそれに伴う影朧店員のてんてこ舞い。
嗚呼、それでも彼ら彼女らは『満たされた』のだろう……死屍累々の中でも表情は柔らかく、やり切ったような顔だった。
――影朧達が鎮まり『転生』するまで、時間はかからなかった。
大成功
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