3

帝都櫻大戰③〜モザイクの中からビーム

作者：ナイン高橋

---

●
「遂に帝都櫻大戰が始まりましたね」
　頭巾から黒曜石の角を覗かせる朝倉・くしな（鬼道羅刹僧・f06448）が君達を迎える。
「皆さんに向かって頂きたい戦場は、【「帝都タワー」】です」
　別名「帝都タワー」と呼ばれる世界最大級の電波塔……しかし実は、その正体はなんと、エンシェント・レヰス『悪魔』の最高指導者、通信を司るダイモン『ビームスプリッター』の『頭部』だったのだ！
「ビームスプリッターは今現在は暴れ回って居るようですが、どうにかすれば配下に下せるかも、しれません。しかしその前にまずは周辺の多数の影朧を蹴散らす必要があります」
　ビームスプリッターをどうにかするのはまずは近づかなくてはどうにもならない。
　だが、帝都タワー周辺には多数の影朧がひしめき、ビームスプリッターへの接近を阻んで来る。
　今回の依頼はその周辺の雑魚影朧を蹴散らすのが目的だ。
「影朧達はビームスプリッターから無限に生える「光線銃」で武装し、ユーベルコードと同時に放って来ます」
　ビームも強力ですが、それに加えてビームスプリッターの能力で通信による情報共有で一度捕捉した猟兵は集団で次々と狙われる。
　光線銃による集団戦術に対処しつつ、影朧達を倒さねばならないのだ。
「皆さんが戦う影朧は『モザイク覗き魔』です」
　覗きの常習犯だった全裸の若者達が影朧となってしまったらしい。
　影朧化した影響か、ビームスプリッターの放送規約に引っ掛かったのか身体がモザイクになっている。
　覗き行為に命を懸けているのだそうだ。
「まあつまり、チラっと見えそうだったりすると跳んでくるみたいですね」
　その瞬間は光線銃の狙いも無防備になるだろう。
「因みにモザイク覗き魔の光線銃はモザイクのかかってないところからビームが出ます。ぴぴぴと」
　つまり、あの1点から撃たれると言う事だ。
「敵の光線銃に対処するか、敵の光線銃を奪って使えばかなり有利になるでしょう。こんな敵と真っ向から勝負できるのは猟兵だけ皆さん、よろしくお願いいたします」

第1章 集団戦 『モザイク覗き魔』

POW   :    うおおおお！覗かせろおおおお！！ 【まあ反撃してくるだろうから】対象の攻撃を予想し、回避する。 SPD   :    桶ジャイロ 【股間の桶】を高速回転し続ける事で、威力増加・回転武器受け・レベル×5km/hでの飛翔を可能とする。 WIZ   :    みんな！協力してくれるのか！ 常識的な行動を囁く【解説役のモザイク覗き魔】と、非常識な行動を囁く【悪友のモザイク覗き魔】が現れる。［悪友のモザイク覗き魔］に従うと行動成功率が8倍になる。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●
「いやまぁワタシは視界に入れさえすれば攻撃判定に入れたも同然なんですけど……」
　セレッサ・フォトン（小悪魔系後輩電脳奇術師・f06147）は影朧をちらっと流し見して確認する。
『うおおおお！覗かせろおおおお！！』
　ドタドタドタと走って来る全身モザイク。
　あれが、今回の影朧。
　『モザイク覗き魔』なのである。
「……見なきゃいけないんですか？アレを？」
　セレッサはものすごく嫌な顔をしてしていた。
　まあそれも仕方ないうら若き乙女であるセレッサとて、流石に全裸モザイク桶ジャイロな影朧は出来る限り見たくはないものである。
「まぁ一応恥ずかしさ耐性持ってるので直視はできるんですけどじっくり見たいかと言われたら……その……」
　しかし敵は待ってくれる訳でない。
　むしろ今回は敵を蹴散らしてビームスプリッターまでの道を無理矢理開けなくてはいけないのでこっちから行かないといけない。
　覚悟を決めるしかないだろう！
「ええい。それでは……先手必勝！」
　セレッサは散々迷ったり悩んだりしていたように見えたがここぞとばかりに決めたところで相手を直視！
「目からビームですわ！」
　セレッサの眼球に直に内蔵された電脳世界操作システム、ARES(オーギュメンテッド・リコンストラクト・エンジニア・システム)。
　それに搭載された自己防衛用レーザーを照射するアルテミス・プロトコルが起動！
　素早くモザイク覗き魔へとレーザーが放たれる！
『うおおお！ビーム光線！！！』
　しかし敵もさることながらピピピと光線で反撃！
　眼から放った光線でセレッサのレーザーを相殺する！
「そちらも目からビームが出るのですの！？」
　モザイク覗き魔の光線銃はモザイクのかかってないところからビームが出ますって説明したからね！
　同じ射出成形であれば相殺はどうやら可能。
　全身モザイクはそのままセレッサの元まで走って寄って来る。
「ひっ、流石にあのまま近寄られるのは困りますわ！ちょっと痛い目、見てもらいますよ♥覚悟してくださいね？」
　セレッサは妨害されるのであればとユーベルコードを追加で発動。
「アルテミスプロトコル発動！からの、C.C.C（セレッサ・クルーエル・クラッシャー）ですわ！」
『うおおお！相殺！え、２連発は無理ぃぃぃぃ！！！？？？』
　眼からレーザー。
　追撃で即座に【目から電脳空間の強制介入による疑似光線】を放ち、セレッサは影朧を退治するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「えっちなのはいけないと思います。えっちなのは　いけないと　思います」
　大事な事なので２回言った。
　栗花落・澪（泡沫の花・f03165）はえっちっぽい影朧相手に隙を作るために完璧なコーデを用意してやってきた。
　夏らしく白と水色を主体にした丈の短いキャミソール＋スカート。
　ニーソックス衣装に長袖の上着を合わせて一見露出少なめに見せつつも。
　空中戦だったりでぴょんと跳ねればチラ見えするおへそにスカートの下に隠れたガーターベルトと絶対領域のチラ見せ。
　こんな姿を見せられてしまってはもはやこの影朧では対処はできまい！
『いいっ！！！いいんだっ！もう、男でも、俺はっ！！！？？？……あれ？別に男だったら覗き放題じゃね？合法じゃね？』
　影朧は澪のチラッチラッと見える素肌にうぉぉおおお！！と駆け寄ってきて世迷言を呟いていた。
「てや！」
　そして隙だらけだった影朧に武器を構え……ながらの敢えての蹴り上げで光線銃没収攻撃！
『グワーッ！？』
「蹴りだけは得意なんだ」
　今までいくつの蹴りあげが必要だったのか。
　澪は見事に影朧から光線銃と桶を蹴り飛ばしていた。
「……ええっ！？そっちも手放すのっ！！！？？？」
　全身モザイクのモザイクが澪の目の前に曝け出されるモザイク案件であった。
「わー！ダメダメ、放送事故になっちゃう！彩流星（クロレメテオール）！」
　澪は影朧を素早く対処しようとユーベルコードを発動！
「うおおおお！覗かせろおおおお！！」
　影朧はモザイクがモザイク状態になってしまっているのにも関わらず驚異的な跳躍で澪の魔力砲を回避！
「残念。この魔力砲は追尾型。予想出来たところで回避はさせないよ」
『なん、だと……っ！？』
　ドドドドーン！と多属性の魔法弾がモザイクに連続ヒットする！
『ぐはぁっ！』
　白目を剥いて倒れるモザイク。
「あ、これ使うと、一次的な幼児化になるんだった……わー！」
　澪は精神的に幼くなると、なんか気になるモザイクに向けて手に持ってた光線銃を撃ちまくるオーバキルをしまくるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「ちらっと見せて雑魚を集めて蹴散らせばよいのじゃな」
　ヴィクトリカ・ブランロワ（翠玉の竜姫・f05122）は出て来る影朧の特性を聞いてフフンと得意げな顔でやってきた。
「色々な意味で酷いですねぇ。まあ、何とかしてみますぅ」
　そこに夢ヶ枝・るこる（豊饒の使徒・夢・f10980）も一緒に対応しようとやってくる。
　敵はビームスプリッターの能力の支配下にある影朧で、全身モザイクな上にビームスプリッターの光線銃を取り込んでいる。
　だがモザイク覗き魔はとにかく覗きをしたかった生前の無念がどうしても覗き込みたいと思ってしまい隙になるらしい。
「成程ぉ。それでは」
　るこるとヴィクトリカは二人して空中にいって目立つようにすると、チラ見せちらちら作戦を敢行する。
「自分から集まって来てくれるとは大助かりなのじゃ！纏めて一網打尽で楽勝なのじゃ！」
　そして重装甲モードの鎧姿から軽装甲モードの鎧をチェンジ！
　具体的には足のガードはフリルで増えたけど腕は出て来るしお臍もちらちらになるのである！
　チラッと！
「……どうじゃ？足りぬならスカートの裾を持ち上げチラリの追加なのじゃ！」
　そしてガードが増えたと思った太ももまでチラリ追加の追撃！
　これは強烈！
「まだ暑さも有りますのでぇ……」
　るこるは胸元を開いて扇ぐ様にし『覗き』を誘発してくる。
　ドデカい部位はそれはもう深い深い谷間を構成していて目が離せない。
『うおおおお！！！桶ジャイロが、回るぜぇぇぇ！！！』
　サービスシーン満載な状況にどう考えても異性との交流のすくなかった影朧は大興奮。
　【股間の桶】を高速回転させて空を飛び始める。
「ふふふ。近寄ってきたようじゃ！って空飛んでくるのじゃ！？」
「酷郭（ノガレエヌクルワ）ですぅ」
　飛翔してやってくるモザイク覗き魔たちに、るこるはユーベルコードを発動。
　戦場全体を覆う空間『裁域』を構成し、空気の爆破で撃ち落としにかかる。
『うおおおおーーー！！！』
　反撃されるのはわかっているとばかりにモザイク覗き魔は全力回避ぃ！
「ここですぅ」
　した先にるこるが砲撃で撃ち落とした。
『あああああああっ！！！！』
　見えなくなってしまう程に消えていく影朧は涙を流しながらモザイクになったのだった。
　しかし敵は1体だけではない。
「む！来たのじゃ！」
「囲まれてしまいましたかぁ」
　光線銃を取り込んだ影朧たちが一斉にるこるとヴィクトリカに狙いをつける。
「ちょっと待つのじゃ！光線が飛んでくるモザイクの掛かってない1点とは……？」
　眼からビーム！ぴぴぴ。
「そっちかぁ！」
　モザイク覗き魔の光線銃はモザイクのかかってないところからビームが出ますって説明しましたけどなにか？
「空間歪曲障壁で防御ですぅ」
　るこるはバリアや障壁で反らしたり威力を軽減させるが、ユーベルコードでもないのに全てを賄えるわけではない。
　幾つかは当たってしまう。
「と、とにかくこれ以上は撃たせなければよいのじゃ！」
　ここでヴィクトリカもユーベルコードを発動！
「護りを捨てた究極乱舞！　我の存亡を賭けた覚悟の猛攻、喰らうがよいのじゃ！竜姫の究極戦舞い（ドラゴニアン・アルティメット・バトルダンス）」
　薄着鎧モードで戦場を舞いながら、あざとい動きで色々チラチラ！
　完全に影朧たちの視線を奪い取る。
「出血大サービスなのじゃ！」
　更には己の防具を削減。
　威力、速度、衝撃波の発射数を減らした分だけ増加させるのだ。
「これでどうじゃー！」
　ぶんぶんぶんぶんと色々と犠牲にしながらヴィクトリカは周囲の影朧を打ち倒すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●
「……人間とは、不便なところもあるな」
　神であるロビ・シートン（狼王・f18227）は全身モザイクな影朧をみてそう呟いた。
　覗きの常習犯だった全裸の若者達が影朧となってしまったらしい。
　影朧化した影響か、ビームスプリッターの放送規約に引っ掛かったのか身体がモザイクになっている。
「アソコが放送禁止とはな。人間以外の動物たちはアソコ丸出しでも文句言われんのにな」
　さすがに勃起したのは動物でも放映が憚れるがと思うロビ。
　恐らくはここがサクラミラージュで、一般的に人間種が多いからだろう。
　つまりは獣人戦線などだとまた違うような気もする。
　いや、階位によって違うのかも。
　まあそんな感じの考察をしていると、なんか鳥っぽいのも来た。
「あーッ！お客様！困ります！お客様！あーッ！」
　絶妙にイラっと来る挑発ポーズを連発しながら回避しつつダッシュで逃げる珍鳥だった。
　榊・ポポ（ごく普通の一般事務員・f29942）だった。
「このNSFW野郎共めッ☆ポポちゃんのアイヒョーンにはキッズプロテクトかかってないんだゾ！」
『うおおおお！！！知るか！？覗きをさせろぉ！ケモや鳥はお呼びじゃなーい！！』
　モザイク覗き魔はイラっとさせられ光線銃をピピピと撃ってポポを撃ち落としにかかる。
「未成年が見たらどうす...ウワーッ！『3年P組』のクソガキ共ダァーッ！」
　ちょっと羽根がじゅっとした。
「ケモって我も含まれているのか……」
　ロビは我関せずしておきたいなーと内心思っていたのだが残念ながら同じ戦場である。
　一緒に視界に入ってしまったのが運の尽きなのだ。
　あとプレイングの長さが大体同じくらいっぽく見えたのだ。
「とりあえず、鏡装着して。シーブズ・ギャンビット」
　ロビは鏡以外を全て脱ぎ捨てると身軽になって加速！
　相手の撃って来た光線銃を、まさかの鏡で跳ね返す！
　あ、レトロなヤツだとよくあるやつ！
『馬鹿なぁ！？』
　桶ジャイロで飛翔していた覗き魔モザイクは撃ち落とされてしまう。
　そこにロビは追い打ちで噛みつき！
「コラーッ！人様の光線銃を略奪して西部劇ごっこするのはやめなさー……やめなくていいでーす！」
　イライラさせられ捲っていたポポは集中砲火を受けてもうやば、やばやば！みたいになっていたが、そこにポーンと、光線銃が降ってきた。
　そう、ロビが倒した影朧の持ってた光線銃でる。
「ポポちゃん先生が許可しまーす！」
　小学校二年生男子メンタルを発揮したポポは、拾った光線銃を無差別乱射！
「ホラホラホラァ！ア”！ポポちゃん先生に撃つの止めなさババアバババアバッ！！」
　なんか撃ったり撃たれたりしまくったけど、最終的にはロビが１体ずつ仕留めていって影朧を一気に倒したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●
「ふむ、最終的な行動は迷惑ではあるが異性への興味という思いは否定し切れない。彼らを応援するというのか……」
　サハリエ・ステーロ（時計ウサギの魔王・f37256）は戦うべき相手である影朧を見る。
　覗きの常習犯だった全裸の若者達が影朧となってしまったらしい。
　影朧化した影響か、ビームスプリッターの放送規約に引っ掛かったのか身体がモザイクになっている。
　覗き行為に命を懸けているのだそうだ。
　ついでのようにビームスプリッターの持ってた光線銃を取り込んでいる。
　そんな覗きなんて行為をしてしかもモザイクまでかかってしまっている影朧に、サハリエは声を大にして言う。
「優しい上にワルだ！素晴らしいモダンボーイだなビームスプリッター。やはり配下として契約を結びたい！」
　大声で呼びかけるサハリエはデビルキングワールド出身。
　デビルキング法に乗っ取り、ワルいことはいいことだと思っているのだ。
　よって、覗きもワルいーね！ついでに放送コードにひっかっかてモザイクなんてワルいーね！なのである。
　サハリエの声にビームスプリッターはとても嬉しそうに身体を揺すっていた。ただし、影朧たちへの戦闘の手は全く緩めない。
「彼らの情念は晴らさねばならない」
「覗きか、おっけおっけ」
　そこにアリス・セカンドカラー（不可思議な腐敗の混沌魔術師艶魔少女・f05202）までやって来てしまった。
「では我らで！」
「覗きシチュに最適なフロアで構成された迷宮を作りましょ！」
　サハリエの召喚した配下と共にアリスがユーベルコードを発動！
　なんやかんやあって、お風呂場みたいな迷宮を作り上げてみせる。
『うおおおお！！！これは、風呂だぁ！！！』
『女子風呂はどこだぁ！！！』
『覗かせろぉぉぉ！！！』
　途端に出来たお風呂場にモザイク覗き魔がホイホイされていく。
「安心しなさい。各フロアには覗かれ役の分身を配置してあるわ。もちろん覗きスポットもちゃんと完備」
　そして覗きスポットにはエロイトラップもセットされている。
『な、なんだと……？！』
『馬鹿野郎！あれは明らかに罠だ！オレたちを全員道連れにする気だ』
『だが、だが！そこに覗きが出来る場所があるなら！その先に女の子の裸があるのなら！いくしかねーだろぉ悪友よ！』
『おうよ！！！！！』
「ふふ、たとえ罠だとしても悪友に唆された彼らは覗きを敢行するでしょう」
「うむ。では兎魔王流:占星魔法『Scorpion』（スコーピオン）だ」
　そしてまるであつらえたかのようにサハリエの投げた毒針がぷすっ。
『ぐあああああ！めが、めがぁぁぁぁ！！！！』
　桶ジャイロで飛行して覗きにやってきたモザイク覗き魔がのたうち回る。
「これが覗きの代償だ……、ビームを渡してくれるなら解毒薬を君に渡そう」
『渡しますぅ、渡しますぅ！！！』
　視界を奪われてしまっては覗きをする事が絶対に出来ない！
　己の存在、アイデンティティを奪われてしまった影朧は素直に光線銃を譲った。
「じゃー次はわたしね♪えっちなのうみそおいしいです❤よ。この”おしおき”も覗きシチュになるわね」
　しかし解毒剤はくれるとはいったが、解放してくれるとは言ってない。
　アリスのエロイトラップに連れ込まれたモザイク覗き魔はそのままモザイクになってしまうのだった。
「さて、ビームスプリッターさんに私と魂の契約を結んで配下になってよとおねだりするわ」
「この光線銃を使えば、進むのも多少は楽になるだろう」
　二人はその後もホイホイされるモザイク覗き魔を次々と仕留めていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年09月02日