
百海・胡麦
突然の御依頼失礼します。
隙間の息抜きになれば幸いに存じます。
(提案の意味合いも強く
難しいときは改めますので、御負担の少ないよう扱うてください)
此方の要望と判るよう
依頼文は公開いたしますので
文体については安心して取り組んでください。
●
此度はいのとMS様の
『言の葉あそび』を耳にしたく参じました。
●詩歌や
●物語調のおとぎばなし
●どこかの土地で語られた子守唄や言い伝え
普段の小説調に“縛られず”
光景を切り取って
貴方様の自由に綴って欲しいのです。
といっても全部お任せ・取っ掛かり無しは
取り組みづらいと想いますので
案を並べてみます。
例えば
●前回戴いた動物たちと戯れた宇宙の広大さや
●那夜竹星のこと、大変気に入っております。
●もしくは百海胡麦の故郷のこと。
●或いは、ただ。季節に映る彩り
など如何でしょうか。
かの土地に伝わる御伽噺でも
季節の行事に土地の者たちが歌う労働歌
祝いに招くこどもたちの笑い声でも。
詩歌や
かな/カナ表記など形式に縛られる事もありません。
普段の書き出しから
研究者や旅人、やんちゃなこども。
景色や文化を見つめた何者かの
『ふと耳にした、言の葉』が聞こえても好いのです。
……御老体が口ずさんだかも
意味ありげな石の裏から妖精が囁いて
泉の精が大樹より、微笑んだかも。
そうですね。
――『妖が、蔵で読んだ本の一文』かも。
ならば
他世界の土産も多い。
どこの話でも紛れ込むかも。
猟兵も海も
遍く出入りする世界ですから。
言葉を置いて想像に任せる形でも歓迎です。
●
【お願い】
戴いた作品は
挿絵やUCの形で
百海が何処かで触れて歩んだ大切な一部として
設定に組み込まさせて戴く可能性が高いです。
難しいようなら
『引用は控えてください。』
などと文頭か文末、本文内に添えてください。
胸にしまいます。
●
【参考が欲しいときの】(忘れてもいい)
設定:
西洋の寒い島国生まれの焔を操る妖怪
見た目は若い姿を保っています
戦場生まれ
幼い頃に
狼に近い姿の養い親の妖を失うております。
薄灰という名。
慕うておりました。
周りに「獣型の同志」もおりましたし
故郷は緑豊か。兎も牧羊犬も見かける国でした。
春の花は
ハリエニシダがまず浮かびます。
エニシダは
箒の原料として有名で黄の花が愛らしいですが
それに似ながら、鋭い棘を持つのが
針金雀枝です。
家畜は怪我をしますし
妖も出入りには境目として注意を払います
ゆえに
動物を好む
幼い日の胡麦の心にも
深く刻まれた彩りなのです
●他に想い出深いのは
立てた棒に
華やかなリボンを巻いて
渦のよう
くるりくるり行ったり来たりする遊び。
春の恵みの祝いです。
●あとは扱いきれぬ自身の焔に灼かれた肌、
火傷の傷みを和らげてくれる薄荷の香り。
●蜜色のうつくしい瓶も。甘い、貴重な味。
かの宇宙の不思議な景色や生き物については
貴方様がお詳しい。
かささぎの舞う遠くに誘ってくださいませ。
散文のよう
幾つか並べても
短くひとつ区切っても貴方の感性で御好きなように。
――あとは朽ち土と還る筈の老木のうろへ、さいごに鼓動の祝福をくれた素晴らしいちいさな命だったあなたに。
⬜︎
陽が、光の
腕を世界に伸ばす
夜が光で拭われゆく
きみが吐き出す息 白いけぶり
頬をあたためる、陽の指先
陽の腕に大地も夜露を霧にけぶらせる
いちめんの、しろ
あのいっとき
自分も群れだと地団駄踏んだ、あの、いっとき。
あのいっとき
すべては、ともに、同じ息をしていた。
(群れの朝)
⬜︎
きっと誰かが、太陽を拾ってがちゃんとやったに違いない
よっぽど背の高いのが、腕いっぱい集めたひだまりを 上からざあっと撒いたのかも
風に揺れるハリエニシダ
無邪気な羊がめいっと跳ねた
気軽に触れられないとこも そっくり
(ひかりのハリエニシダ)
⬜︎
のたり のたりと羊の群れが
ようよう風の良い
草原に
かわいい雲を描くのです
くっつき はなれて またよせて
どこも かしこも 春の陽気
あなたも草原に腰をおろし
風に吹かれてうとうとと
くっつき はなれて またよせて
雲をつなぎようやくできた似顔絵を
牧羊犬のやつがおんっと台無しにするのも
今だけは許してやりましょう
くっつき はなれて またよせて
(ぽかぽか)
⬜︎
仲間の灯したそれならば、いくらか行儀もよかろうか
鞭の火かき、飴の薪
握りましてはいざ聞かん、炎のことば
――鮎が上手く焼けました。
(和解)
⬜︎
ごおう、ごおう
薄灰色の毛皮
ごおう、ごおう、ふくらんで
ごおう、ごおう、収まって
きみはある明察に至る
おおきく噴き上げる炎の音!
おおきな
炉、
火のひびき
ごおう、ごおう、ふくらんで
ごおう、ごおう、収まって――
なんだ。眠れないのか。
きみはかぶりを振る
自然と浮かぶ笑みをなんとか隠しながら
もうへいき。
すきとおる、薄荷の匂い。
(明察)
⬜︎
ほうほう 始まる 焦がれた春
鳥の歌に蕾は開き
蜂はこぞってくちづけに
わたしは あなたに 花冠
ろうろう 踊ろう 満ちる夏
水の誘いに魚は舞って
夜は蛍も祭りをひらく
わたしは あなたに 吊鐘草
ようよう 急げ 穂る秋
草木が揺らす 重たい実
大地を覆う 錦の毛布
わたしも あなたに 冬支度
とうとう 眠る 長い冬
誰もが眠りにまなこをこすり
動くは雪とつむじかぜ
わたしは あなたの 傍らに
こうして ひととせ また来年
(或る唄)
成功
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