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トレーニング・イン・ザ・サンスイ・サマーキャンプ

#アスリートアース #ノベル #猟兵達の夏休み2024

叢雲・凪
◇参加者(記述必須)
月杜・屠(f01931)
叢雲・凪(f27072)
フェトナ・ミルドアレア(f40966)
レイチェル・ノースロップ(f16433)

◇ノベルシチュエーション
【ノベルシチュは月杜屠のリク文準拠】
・「お友達と山に来るなんて初めてです!」(と満面の笑みでニコニコする凪)
・しかし 何故がメイド服である。 山を舐めているのか? https://tw6.jp/gallery/?id=197728
※ 【動きやすい服装】の解釈違い。スカートだったら動きやすい+メイドさんは料理がうまい という謎の考えでこの恰好。
・スク水に早着替えするとジンライ・フォックス化。
・ウォータースライダーを滑るのではなく そのまま高速走行で傾斜として走り抜ける!
・しかし 最後の降りで盛大に足を滑らせ 自身の加速+勢い が合わさって「アバッーーー!」と悲鳴を上げながら水面に激突
・水柱を上げ沈む


◇叢雲・凪についてや行動など
・水着時は赤黒の旧スク水(胸に【なぎ】と書いてある) ※ 仮面を装着しており ジンライ・フォックスモード
・ヒーロー 「ジンライ・フォックス」としては冷静沈着。合理的に物事を判断する。
素顔「叢雲・凪」としては 非情にマイペースで天然。常にニコニコしており頭の悪い子犬のよう。
・【加速やダッシュ】を重視した戦闘スタイル。基本的にカラテで戦う。


月杜・屠



レイチェル・ノースロップ



フェトナ・ミルドアレア




 旅団「影乃忍群」の面々はこの夏、各自のカラテを磨くべくアスリートアース世界にて修行がてら山中キャンプを決行した。
 今回参加するのは4人。
 まずは旅団の主である月杜・屠。この山籠もり修行を企画した張本人だ。
「流石アスリートアースね。ここへ来る途中でクライマー達が断崖絶壁を登る光景を何度も見てきたわ」
 これから向かう場所は現地の人々も寄り付かない『秘境』らしいが、夏休みとあってか道中で鍛錬を積むアスリートたちのなんと多い事か。考えることはみな同じらしい。キャンプ好きな人々にとってもここは絶好のキャンプ地のようで、森の中に幾つもテントが見え隠れしている。
「Yeah! 今年はビッグマウンテンでサマートレーニングをエンジョイするデース!」
 レイチェル・ノースロップは普段のぴっちりクノイチ・ニンジャスーツではなく、既にニンジャらしさを醸すビキニ水着にデニムホットパンツという軽装でテントを担ぎながら笑顔を振りまく。その胸は豊満であった。
 彼女の浮かれ気分ぶりは、完全にサマーレジャーを満喫する気満々である。
 そんなレイチェルの浮かれぶりは、もうひとりの参加者に勘違いを与えていた。
「レイチェルさんに誘われて、旅団の皆さんと山の避暑地で夏を満喫です~! ……と思っていたら修行でしたっ!?」
 フェトナ・ミルドアレアは慌てて顔を紅潮させた。齢11歳の純朴な男児は、陽気なお姉さんの支度の内容から『避暑地でのキャンプレジャー』で楽しむのだと思い込んでいた。
 だが、フェトナは幼くてもれっきとしたニンジャである。己を鍛えるにはカタナめいて熱して叩くのが一番の近道だと理解している。
「でも皆さんとの山籠もり修行も楽しそうですね~! 僕もカラテを鍛えます!」
「その意気よ、フェトナ。レイチェルもね」
「勿論デース!」
 月杜は団員のモチベーションの高さに、思わずメンポの下で唇を緩ませる。
 だが、彼女達の後ろから付いてくる人物に、とうとう我慢の限界を迎えてしまう。
「凪、あなたは山籠もりが何なのか理解しているのよね?」
「はい、勿論です! それにボク、お友達と山に来るなんて初めてです! 万全の態勢でご奉仕しますね!」
 叢雲・凪は山籠もりには似つかわしい姿――純白のヘッドドレスにエプロンドレス、真夏の直射日光の熱を一身に吸収する漆黒のミニ丈ワンピースという『コンセプトカフェにいそうなメイド服』を着込んでいた。
 月杜は思わず8月の青空を仰いで青い溜息を吐いてしまう。
「凪がその服装に着替えた時から本来は何か言うべきだったし、諸々ツッコミが追い付かないのだけど、ひとまず何故その服装をチョイスしたのかを教えてくれるかしら?」
 この問いに凪は目を輝かせて答えた。
「はい! 僻地での修行ということで、まずは動きやすいスカートを選びました! そしてボクはみんなのサポートをしたいと思ったので、給仕に最適な服装をファッションサイトで検索したら、これがヒットしましたので! これで美味しい料理を作って、みなさんを癒しますから!」
「ワタシは新手の修業かと思って、今まで黙ってマシタ! キヅカイ・オオキイ!」
「えっと、僕はそういうご趣味なのかなって……多様性を尊重する時代ですし……」
 レイチェルとフェトナの言葉に、月杜がジト眼で凪を見詰める。
「凪、ふたりの反応を見て何か思うところはないの? フェトナに至っては11歳児に多様性を説かれてるのよ、恥ずかしくないの?」
「……ウカツ! こんなの、テストに出ないよぉ……!」
 凪はようやく自身の過ちに気付いたようで、羞恥からその場でドゲザをしてしまった。凪はその生来からか、どうも世間一般の常識とはズレた認識を持っていることが度々露呈している。だがこれも、彼女が血なまぐさいイクサバばかりに浸かって頃に比べれば些末なことであり、何より代えがたい平穏を満喫している証であった。
「はぁ、本当にあなたは……そういうところが偶に抜けてるのね……まぁ、そんな事だろうと思って、着替えを用意しておいたわ。目標の野営地に到着したら、すぐに着替えなさいね」
「月杜=サン……! ヨロコンデー!」
 凪は立ち上がると、率先して皆の荷物を引き受ける。総重量50kg前後の荷物を背負ったまま、彼女は笑顔で告げた。
「では、先行して野営地の安全確認してきますね! イヤーッ!」
 白雷が彼女の脚に宿ると、飛燕めいて山奥へと駆け出してゆく。だが木々の至る所を黒雷のクナイ・ダガーで印をつけて、後続が迷わないようにする配慮も見せる。タツジン!
 残された3人は、そんな彼女のはしゃぎぶりに応えようと、改めてこの山籠もりを有意義な時間にしようと決意した。

 野営地に就いたニンジャ4人は、早速テントを設営して拠点づくりを済ませた。
「森の中は木陰とそよ風が涼しいデース!」
 レイチェルの言う通り、普段は人も寄り付かない手付かずの大自然の中は真夏だというのにひんやりしている。
「そういえば、ここへ来る途中、大きな川が見えましたよ」
 フェトナは道中の崖下を流れる荒々しい渓流の美しさに心を奪われた様子。
「今年は記録的な大雨のせいで、川の水量が例年の2倍になっているそうよ。だからここを野営地に選んだのだけれども」
 月杜の含みのある言葉をレイチェルが遮る。
「ここをキャンプ地とするデース! これ、言ってみたかったのデース!」
「ああ、でもここは涼しいので、朝起きて『寒かったんだねぇ……』ってことにならないといいのですが」
 苦笑いするフェトナをよそに、凪は月杜に支給された服装に着替えてきた。
 登山ガールファッションに身を包んだ凪は、川と聞いて再び目を輝かせた。
「川の水が増水!? つまり修行の場は……滝ですか!? 先程の安全確認の際に巨大な滝を発見したんです!」
「そうよ、これからみんなで滝で修行よ。だから水着を着込んで山を登ってきたのだけど」
 月杜の視線は再び凪へ注がれる。
「凪、水着は?」
「安心してください、穿いてますよ!」
 次の瞬間、早脱ぎで衣服を空中へ放り投げた凪。その姿はもはや伝説に近しい水着……紺色のハイレグスクール水着であった。胸元には大きく『なぎ』と書かれたネームワッペン。そして彼女の胸は平坦だった。

 そんなこんなで、やってきました巨大滝。
 凄まじい大瀑布を目の前に、4人はしばし圧倒されてしまう。
「これ、高さは何mあるんでしょうか?」
 フェトナの疑問にレイチェルが答えた。
「目測300mデース。どこかのビデオゲームでこういう光景を見たデース!」
「みんな、この滝を登るのが最初の修業よ。死人が出かけないけれど、わたしたちなら大丈夫でしょう。かなりの傾斜で急流だから気をつけてね。そして道中で食料を調達も同時で行うわ。頂上まで言ったら一気に滝を滑り落ちてゴール。大自然のウォータースライダーよ。タイムアタックと一番食材を多く獲得量を鑑みて勝敗を決めるわ。ビリは今日の食事当番よ」
 月杜は勝負という名の修業を持ちかけてきた。
 これに各自はやる気を見せる。
「みんな、いい目付きね。それじゃ、ハッケヨイ……ノコッタ!」
 月杜の合図と共に、彼女を含めた4人のニンジャが大瀑布の断崖絶壁に挑む!
「うわぁ! すごい水圧です……!」
 身体の小さなフェトナは流し落されないよう、必死に岩を掴んで着実に上へ昇る。隠密じゃない堂々としたタイプのニンジャである彼は、必死に食らい付いてゆく。
「あれ? なんか大きなお魚が滝を登ってる!? よし、お魚さん、ちょっとごめん!」
 フェトナの持ち味は素早い身のこなし!
 巨大魚の滝登りを足場に、八艘跳びめいて上まで翔け上がる!
 同時に魚を捕まえる用意周到ぶり!
「Wow! ワタシも負けまセーン!」
 レイチェルもユーベルコードで身体を身軽にすると、岩場や魚を足場にぴょんぴょん跳び回る。
「Oh! 胸の谷間にバイオピラニアがINしてきまシタ! ハンティング成功デース!」
 豊満な胸元に、水圧に負けた魚が次々と自然と入ってくるのだ。ゴウランガ!
「標高2500mの高山にこんな場所があっただなんて」
 団員の活躍を喜ばしく思いながら、彼女はクナイとカタナを岩に突き刺しながら登る。先行するふたり同様、岩場を蹴って跳躍する事も忘れない。
 そして凪は明らかな出遅れ!
 しかし、その黒雷のメンポが本気度を示していた。
「イヤーッ!」
 おお! なんたることだ! あれはジンライ・フォック!
 足元に電流を流すことで超小規模水蒸気爆発を発生させて浮力を得た黒白の雷は、一気に滝を登り切ってゆく!
「お先に失礼する。水に逆らうのではなく、そもそも水に浸からなければ抵抗などない。ノーレン・ゴーストプッシュだ」
 ポエット!
 頂上まで登ったジンライ・フォックは、折り返し水面をスケーティングしながら滝壺へダイブ!
 ……かと思いきや?
「アバーッ! カニバサミ!」
 足元のサワガニに小指を挟まれ、凪は激痛で転倒!
 そのまま頭から滝壺へ落下して水柱を天に衝き上げたのだった。
「チャンスです! でもスライダーというかもう激流と滝そのままっていう感じです~! 普通に滑るのも何なのでこれで行ってみましょうっ」
 背負っていたビート版を使って、フェトナも2番手で滝壺へするりとダイブ。
「レイチェル、行かせないわ」
「それはこっちん台詞デース!」
 月杜は巨大魚を真正面から刀で一刀両断すると、その半身に乗って落下!
 レイチェルも盛大にドボンと落水して勝負終了!
 敗者は……。

「ボク、圧倒的1着ですよ! なんでビリなんですか!?」
 凪は焼き魚の番をしながら肩を落とす。
 他の3人は食材確保もこなしたが、凪だけは足の小指を挟んだサワガニだけだった。
「明日は組手をしましょう!」
「いいでスネー!」
「そろそろ食べごろね……」
 4人の夏の夜はまだまだ更けてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年08月31日


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