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【NEOサマースクール】吹雪の塔

#コイネガウNEO ーNeo Euro&Oceaniaー #NEOサマースクール #二年目の八月分シナリオ #プレイング受付は8月21日(水)の午前8:31から


●注意
 当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
 PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
 公式サイト:(https://koinegau.net/)
 公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
 NEOの世界観:(https://tw6.jp/club/thread?thread_id=134478&mode=last50)


 きーんこーんかーんこーん♪
「おーわったー」「さ、部活行こう!」「帰りどっかよってかない?」
 NEOの大洋諸島にあるとある学園。ちらちらと雪の舞う校舎に授業終わりのチャイムが鳴り響いた。
 そしてそのままはじまったホームルームもつつがなく終わり教師が退室すると、教室内はいっきに喧噪に包まれていく。
 そんな中。
「おーいアベル。お前今日はどうする? 俺らゲームしに行くけど」
「僕も……あ、ごめんちょっと無理みたいだ」
 アベルと呼ばれた少年は、「僕も行く」と答えかけ、スマホの着信に気がついて慌ててそれを断ると、急ぎ足で教室をでていった。

「どうしたの」
 アベルは校舎裏までくると、先ほどとはうって変わった真剣な表情でスマホに向かって話しかけた。
『マスター、塔の北方にサイキックウェーブの反応を感知しました』
 スマホから聞こえてくる機械質の声にアベルは大きく息を吐いてから頷いた。そして、
「わかった、すぐ行く」
 そう答えたアベルの身体は、溶けるように消えていった。


「オビス、状況は?」
 アベルは機械で埋め尽くされた部屋の中央、なにもなかった空間に突然現れると同時にそう尋ねた。
『サイキック反応はこの塔を目指して向かってきています。コード・レッド悪意の力。目覚めたのはカインで間違いないと思われます』
 アベルの問いかけに、周囲を埋め尽くしていた機械が明滅しながら答える。どうやら『オビス』というのはこの機械――コンピュータAIの名前のようだ。
 それを聞いてアベルは正面のモニターを見つめた。確かに光点は真っ直ぐこちらに向かってきていた。

 『NEO』――『Neo Euro&Oceania』
 南半球にあるこの国の、さらに南の端にある孤島に立つ塔の最上階にアベルはいた。ここは『原住民魔術派』の勢力下であるが、塔の存在を知るものはごくわずかだ。
 しかも塔の周辺は常に吹雪が吹き荒れており、存在を知っている者でも塔へたどり着くことは難しい。
 そんなところに真っ直ぐに向かってくる『悪意の力』は限られる。
「カイン……今度こそ決着をつける」
 カインと呼ばれる存在。
 その狙いはこの塔を手に入れることだ。なぜならこの塔は地域一帯を護る魔法結界の要石だからである。
 ここを奪われれば、大洋諸島の南半分はカインによって壊滅させられてしまうだろう。
「オビス、メーフィー師に連絡を入れてくれ、今度こそカインを仕留めたい」


「そんなわけで今回は『NEO』の『原住民魔術派』からの援軍要請なんだ」
 錫華がそう言うと、アミシアが正面のモニターに状況を表示していく。

 『NEO』――『Neo Euro&Oceania』は最近になって『希島』と国交を結んだ国で、『元西欧貴族派』と『原住民魔術派』の二派がそれぞれ『オセアニア本島』と『大洋諸島』を治めながら共存している国だ。
 今回はその『原住民魔術派』を治める天使長からの要請だという。

「大洋諸島の南の端にあるノドの島。そこにある大きな塔が大洋諸島南を護る魔法結界を維持する上で欠かせない要石みたいなんだけど、大きなエネルギー体が迫ってきているらしいんだ」
 モニターに希島との位置関係を示しながら、錫華が説明を続ける。
「向こうからの説明をそのまま伝えると、それは『カイン』と呼ばれる個人搭乗型神霊機で、これまで何度も戦いを繰り広げてきたみたい」
 戦いと休眠を繰り返しながら何度も、それこそ『NEO』建国前から戦っていたということだった。
「まってまって。個人搭乗型神霊機、ってなに?」
 集まったメンバーから疑問の声があがった。
「んー……ざっくり言っちゃえば『サイキックキャバリア』って感じかな」
 錫華が資料を見ながら答えた。
 もちろんただのサイキックキャバリアなのかどうかは解らないけどね、錫華はさらりと言うが、戦いの話を聞く感じでは普通だと思わない方がいいだろう。
「『原住民魔術派』としては、こちらと国交ができたのもあるし、この機会に決着をつけたいらしいんだ」
 これまでは塔の守護者であるアベルしか戦える者がおらず撃退するのが精いっぱいだったが、希島の援軍が望めるなら撃破できると天使長は踏んだようだった。
「そんなわけで、我こそは、っていう勇士のみんなに援軍に行ってもらいたいんだよ」
 わたしも行きたいんだけどなぁ、と呟きながら錫華は続けた。
「ノドの島までの道は天使長が開いてくれるそうだから、みんなはカインとの戦いに集中してくれればいいからね」
 錫華は資料を閉じてひと息つくと、
「……まぁ上の人の思惑は『原住民魔術派』とのパイプだと思うから、無理しなくていいからね」
 余計なことを言って、アミシアにじとっと睨まれていた。


すい

 ここまで読んでいただきありがとうございます。MSのすいです。

 このシナリオは、コイネガウNEOにある大洋諸島南端の島にある魔法結界の塔を護りつつ、カインと呼ばれるサイキックキャバリアを倒すシナリオとなります。
 塔が破壊されてしまうと、大洋諸島が蹂躙されてしまうことになりますので、しっかりカインを倒していただけたらと思います。

 敵はサイキックキャバリア『カイン』。
 POW/SPD/WIZは目安です。あまり気にしないでいただいておっけーです。

 それでは、よろしければみなさまの熱いプレイング、お待ちしていますね。

 注:この依頼は、【NEOサマースクール】の共通題名で括られるシナリオの連動シリーズです。
 【NEOサマースクール】の各シナリオをクリアすると新しい「種族とジョブ」の報酬が出ます。
 なお、各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。

 注2:依頼と報酬の一覧表は以下です。
 ヤタ・ガラスMS:「日常」。ジョブ「魔法剣士」解禁。
 すいMS:「戦闘」。ジョブ「サイキックキャバリア」解禁。
 黒代朝希MS:「お色気」。種族「貴種+従属種ヴァンパイア」解禁。
 雅瑠璃MS:「お色気」。種族「エンジェル」解禁。
 にゃんさん。MS:「お色気」。種族「角の悪魔」解禁。

●『カイン』
 NEOの原住民魔術派と対立するサイキックキャバリア。
 武装はベーシックな装備が多いが、サイキックパワーにより凄まじい機動力と火力を誇る。

 POW
 サイキックソード:サイキックパワーを剣状にして相手に斬りつける。
 SPD
 サイキックキャノン:サイキックパワーを弾丸状にして撃ちだす。
 WIZ
 サイキックファング:サイキックパワーを機体に纏って格闘戦をしかける。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:JunMistral

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 ギャリリリッッ!
 お互いに繰り出したサイキックブレード同士が擦れ合うと、2機のサイキックキャバリアはオーラを弾かせながら離れて距離を取った。

 吹雪の中、銀と赤、2色のオーラを纏ったサイキックキャバリアが相対する。

 一瞬の対峙、次の瞬間には赤いオーラの機体――カイン――がサイキックキャノンを放つと、そのまま真横に機体を滑らせる。
 その動きに対するようにアベルも銀のオーラをたなびかせながら逆方向へと機体を奔らせた。

 2機のサイキックキャバリアは、纏うオーラの色以外は瓜二つだった。
 そしてその動きも、正反対の軌跡を描き、ぶつかりあい、そして位置を入れ替えて対峙する。
 まるでお互いを知り尽くした双子の舞いを見ているようだ。

「くっ、やはり強い。倒しきることはできないか」
 相手と同じ動きで攻撃を封じ合う、いわゆる千日手。
 このままではまた、エネルギー切れまで戦いを続けることになるだろう。しかし今回は。

 数え切れない撃ち合いの末の対峙を経たころ、それはやってきた。
 吹雪の中に開いたゲート。物理法則を超越した道を通って『希人』と『異界人猟兵』がその姿を現したのだ。
「間に合ってくれた――」
 これでカインを倒せる。自信と少しの安堵を含んだアベルの言葉がコックピットに零れた。
コニー・バクスター
【鯨兎】

サマースクール中に悪しきキャバリアが出ただと!?
コニーと澪子の希島と日本のコンビで挑むよ!

コニーは遊撃役だよ。
実は、コンビだが、初手では澪子のみが挑みに来たみたいに見せかけるのだ。
コニーは付近の孤島の砂浜でスナイピングポイントを作ってBRRで潜伏。

まずは澪子が囮役なのだ。
鯨のロボで砲撃してカインを引き付けている内にコニーはHCで狙撃。
「狙い撃て! コニーの黒き兎!」

流石に一撃で倒せる程、NEO産のサイキックキャバリアは弱くないね?
HCを連撃するから、引き続き、澪子に引き付けていてもらうよ。
スパロボは装甲が厚いけれど、敵も強いから、ダメージ与えまくったら、撤退!

アドリブ歓迎。
NG無し。


鯨臥・澪子
【鯨兎】

あたしとコニーのコンビでカインを迎撃するぜ!
あたしは海上から囮役だ。

サイクロン・ホエールに搭乗して大海原に登場。
海上からHCのグラビティ・サイクロンをカインに打ち込む。
幾度もHCの砲撃をして敵機にダメージを与えつつ注意を引き付ける。
「唸れ、台風、サイクロン・ホエール!!」

スパロボなので多少のダメージは厚い装甲でカバー。
こっちが敵機を引き付けている内に遊撃役のコニーが動く。
コニーがHCでカインを狙撃で連撃するまで持ち堪えるぜ!
完了後、撤退。

注:キャバリアのイラストがまだありません。
機械状の鯨型のスパロボ(主に海の戦闘専用)ですが、描写はお任せします。
アイテム参照。

アドリブ歓迎。
NG無し。




「唸れ、台風、サイクロン・ホエール!!」
 海上から放たれたその一撃が激しく舞う吹雪を巻き込みながら放たれると、螺旋を描く暴風が膠着状態に陥り対峙していた二機の神霊機うち、赤い一機へと襲い掛かっていく。
 深紅に輝く機体は咄嗟に機体を捻り上昇すると、竜巻は真っ赤なオーラのバリアを掠め、耳障りな音を立ててそれを削り取りながら上空へと昇り掻き消えた。

「今日は逃げられないぞ『カイン』」
 対峙していたもう一機の神霊機が赤い機体――『カイン』へそう告げると、
「一人では勝てないと見て援軍を頼んだか『アベル』」
 『カイン』は忌々しそうに銀の機体――『アベル』を見下ろしながら言った。
「情けないけどそうさせてもらった。僕とあなたではまた千日手だからね」


 その連絡は先日国交を結んだ『NEO』から、サマースクールまっただ中の『希島』に突然届けられた。
 メーフィー師から繋がれた通信で『オビス』と名乗ったそれ――本人(?)曰くAIらしい――から告げられた状況と、それに伴う援軍の要請に『希島』は戦力の派遣を即決。
 そして立候補の中から戦力の先遣隊として出撃したのが、『希島』所属のコニー・バクスター(ガンスリンガー・ラビット・ガール・f36434)と『日本』秋葉原解放軍所属の鯨臥・澪子(日本・秋葉原解放自治区・解放軍のエースパイロット・f42542)の両エースだった。

 二人はノドの島までの時間を利用して、作戦を立案していた。
 それは、到着に時間差をつけて、澪子のみが援軍に来たと見せかけ『アベル』と『カイン』を引き離し、それまで戦闘していた『アベル』を下がらせつつ、『カイン』の意識が澪子に向いたところをコニーが撃ち抜くというものだった。
 そしてそのための最初の一撃が、さきほどの【グラビティ・サイクロン】だったということである。

 その作戦は概ね成功した。

 竜巻から逃れて上空へと舞い上がった『カイン』は、そのまま『アベル』へと突撃をかけようとするが、そこへ澪子の【サイクロンCode : CホエールW】が鋭い砲撃を叩きつけた。 
 意識を『アベル』にのみ向けていた『カイン』にそれを避ける術はない。放たれた砲撃の全てを食らい『カイン』が爆風に飛ばされる。しかし。

 煙が晴れたその場所に『カイン』はいた。
 真っ赤に輝くオーラを全身に揺蕩わせながら、その意識を今度はしっかりと澪子へと向けていた。
「鯨もどきが……!」
 後方へ下がっていく『アベル』を横目に見ながら、忌々しげに吐き捨てられた言葉に、澪子のサイクロンCode : CホエールWが煽るようにその尾を海面に叩きつける。
「その「もどき」の力、みせてやるぜ」
 澪子は不敵な笑みを浮かべると、こちらに向かってくる『カイン』に迎撃の放火を向けた。


「すうー、はぁー、すぅー、はぁー」
 静かに深い呼吸がコックピット内に流れる。
 幾度かの深呼吸のを終え、コニーはあらためてターゲットスコープを覗き込んだ。

 ノドの島から南の海上を一望できる断崖の上に、コニーと【ブラックCode : BラピッドRラビットR】は機体の出力を極限まで落として、息を殺すように待機していた。
 覗き込んだスコープの先に見えるのはもちろん、『カイン』と澪子の操るサイクロンCode : CホエールWの戦いだ。
 コックピット内は灯りも空調も落とされ、いつもコニーが着ているスーツの上から防寒用のジャケットを羽織らないといけないほどに寒い。灯りもモニターが灯るのみで、それすらコニーが目視できるぎりぎりに調整されている。

 そんな中、コニーはひたすらにスコープを覗き続けていた。

 そこにでは澪子と『カイン』が激しく戦っていた。
 基本的には『カイン』の突撃を澪子が迎撃する構図が続いているのだが、その戦いを見続けているうちにコニーは違和感を感じるようになっていた。
 たしかに『カイン』は強い、サイクロンCode : CホエールWの砲撃力をいなすその機動力も、攻撃に転じたときに澪子に与えているであろうダメージ――火力も超一流だ。
 だけどなにかが――。
 スピードに狙いがつけにくいというのもあったが、コニーが狙撃に踏み切れなかったはその違和感のせいだった。

 そうしているうちにも澪子の機体にはダメージが蓄積されていく。
 いくら装甲の厚いサイクロンCode : CホエールWといえども、このままでは危ういだろう。
 早めに狙撃をしたいのだが、外すわけにいかない初撃のトリガーを違和感が躊躇わせていたのだ。

 しかし――。

 ガツンッ!
 スコープの中、澪子がサイクロンCode : CホエールWから放った【投げ舵輪】を『カイン』が受け止めたとき、唐突にその正体が判明した。

(そっかわかった!)

 澪子が『カイン』を引きつけてくれているのだが、そんな必要もなかったのかもしれない。今コニーはそう思っていた。
 違和感の正体は『カイン』の戦い方だった。
 慣れすぎているのだ。一対一に。
 いやむしろ、それしかしたことがないと言ってもいいのかもしれない。
 『希人』や『異界人猟兵』のように、一対多、もしくは多対多の戦闘を知らない戦い方なのだ。
 だれかとの連携などしたことがない。そしてもちろん相手に連携をとられたこともない。
 コニーには澪子の動きと考えが手に取るように解る。もちろん相手『カイン』をどう誘導しているのかも。
 『カイン』がそのことに対してあまりに無頓着だったことが、コニーの感じた違和感だった。
 狙いやすすぎて、なにかあるのではないかと思ってしまっていたのだ。でも、

(そういうことなら、躊躇うことはないよね☆)

 コニーがライフルの照準を合わせる。そして――。

「狙い撃て! コニーの黒き兎!」
 静かに、けれど力強く放たれた言葉と共に瞳が輝き、ラビット・バスター・ライフルスナイピング・ショット・オブ・ブラック・ラビットの一射が吹雪の空を斬り裂いていく。
 なにもなかったところに放たれたその一撃。けれどそこに『カイン』が唐突に現れた。
 まるで自ら当たりに来た・・・・・ように。

 しかしそこからの『カイン』の反応は、さすがとしか言えないものだった。
 コニーの弾丸に気づいた『カイン』は機体のスピードをさらに上げると、オーラバリアをアンダーフレームに集中的に展開させたのだ。
 オーバーロードした機体の各所から火花が飛ぶが、それを無視してさらに機体を捻ると弾丸を躱そうと試みる。
 しかしコニーと澪子の計算された一撃は、そこまでしても躱しきることはできなかった。
 弾丸は『カイン』の機体の右足の膝を砕き、片足をもぎ取っていったのだ。

「くっ……」
 悔しそうに歯噛みをする『カイン』だったが、必殺であった狙撃を躱されたコニーと澪子も『カインを』墜とせなかったことに悔しさを滲ませていた。
 とはいえ、片足をなくさせたことは大きな戦果だ。
 これで機動力は大きく落ちるだろうし、これまでの澪子との戦いで防御力もかなり削られたはずだ。

 それに狙撃という手段がバレた以上ここからはそう簡単に当てられないだろうし、なによりサイクロンCode : CホエールWの装甲もかなり危うい。
 コニーと澪子はここは深追いせずに、あとを託して撤退を選んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

星井・きらら
アドリブ歓迎
(きららとステラの多重人格。猟兵活動はステラが行う)

カインちゃんを倒せばいいのね。じゃあステラちゃん、よろしくなのよ!
(人格を「ステラ」に切り替え)
それでは参りますわ。お覚悟はよろしくて?
機動力に関しては【ランドセル型ジェットパック】と【レザーブーツ型プラズマジェットシューズ】の【空中戦・推力移動】でカバーしますわ。
ある程度近づけたら【姫魔気法王輝星杖】を天へと掲げ、蒼天テンペストジャッジを発動!反撃される前に即・戦略的撤退ですわ!

昏倒に陥ったら後は殴らせてもらいますわね?
【姫魔気波動】の波動を手に込めてボコスカしますわよ!
オラァ゛!! ふう、久々に体を動かしてスッキリしましたわ。


リン・ベルナット
アドリブとか大歓迎だよ!

キャバリアみたいな相手ってことはかなりの大きさだね。でも、ヒーローとして負けられないし気合い入れていくね!

機動力が凄い相手みたいだけど、こっちも「ダッシュ」力なら負けてはいないよ!
小さい分小回りも効くし敵の攻撃を避けるのだって行けるよ!

問題はこっちからの攻撃だよね。キャバリアみたいな敵が相手だと普通のUCじゃ歯が立たなそうだし…そうだ!こういう時は【斧踵の強打】の出番だね!
勢いよく「ジャンプ」してドカンと一発すっごいのを叩き込めばきっと効果があるはず!
よーし頑張るぞー!

あ、現地は吹雪いているみたいだけど、問題0だよ!燃えたぎる正義の心で寒さなんて吹き飛ばしちゃうもんね!




 『カイン』は右足のなくなった機体をコントロールしつつ、ぎり、と奥歯を噛みしめると、もぎ取られた右足を悔しそうにみやる。
「『アベル』以外の相手に不覚をとるとは……」
 『アベル』が援軍を頼んだことは、『カイン』にとって予想外のことではあった。しかしそんなイレギュラーがあったとしても、相手に後れを取るようなことはないと思っていたのだ。

 なぜなら『アベル』は『カイン』を墜とすことができなかったからだ。護ることで手一杯。『オビス』のサポートを受けているにも関わらず、『カイン』を墜とす余力はなかったのである。
 それはつまり、純粋な戦闘力なら『カイン』が上回っているという証であったからだ。だから『カイン』は最後には『アベル』を墜とし、塔を手に入れることができると信じていたのである。

 それ故に何度でも挑んだ。

 だがそれに気づいたのか『アベル』は援軍を頼んだ。
 だがそれでも『カイン』は負ける気はしなかった。『アベル』は強い。その強さは自分が良く解っている。
 それと互角以上に渡り合ってきた自分なのだ。多少の援軍など蹴散らしてからまた『アベル』に挑めばいい。そう思っていたのである。
 しかしその目論見は外れた。幾多の戦いを繰り返し、それでも大きなダメージは負わずにいた機体。その右足を失い、追い込まれているのは『カイン』のほうであった。
「なぜだ」
 カインから言葉が漏れる。
 技量でも機体の性能でもこちらの方が上なはずだ。それなのになぜここまでのダメージを負っている?
『カイン』にはその理由がわからない。なぜならそれまで『カイン』の前には『アベル』しかいなかったから――。


「カインちゃんを倒せばいいのね。じゃあステラちゃん、よろしくなのよ!」
 星井・きらら(きらきら輝く一番星・f44564)が、自らの内へと呼びかけると、『ステラ』と呼ばれた魂がきららの表層へと浮かび上がる。そして、
「お任せくださいませ」
 きららの声できららに答えると、肩に背負ったランドセル――比喩でなく文字通りのランドセル――の下部につけられたジェットノズルを噴かして吹雪の空へと舞い上がった。

 そんなきららを見送って、リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)は自分の準備に取りかかった。背を反らして大きく一度伸びをすると、身体の各部を確かめるように大きくストレッチをしていく。
 相手は神霊機。通常タイプのキャバリアと同程度かそれ以上の性能を持つ強敵だが、ヒーローとしては負けられない。
 リンとしてはいっそう気合いが入るところだ。念入りなストレッチのあとにアップを済ませれば、その魂の炎は吹雪すら寄せ付けない熱を持って、周囲を圧倒する域に達していた。


「それでは参りますわ。お覚悟はよろしくて?」
『カイン』を視界に捉えたきららステラが片足の神霊機に笑顔を向けると、それを感知した『カイン』が機体をそちらへと振り向ける。
 正対した一人と一機が真っ直ぐにその距離を詰めていき、『カイン』がきららステラを見据えてサイキックソードを展開し、それを見たきららステラ姫魔気法王輝星杖プリンセスマジカルロッドを構えた。
 そして、そのまま2つの軌跡が交差しようとしたその瞬間、軌跡のひとつが鋭角にその軌道を変えた。振り抜かれた『カイン』のサイキックソードが空を切る。
「力比べはしませんわよ」
 そう言ったきららステラのレザーブーツがプラズマの炎を上げていた。
 そんなきららステラを振り向きざまに薙ごうとした『カイン』だったが、その一撃も急角度の機動に躱された。
 神霊機のバーニアを噴かして円の動きで攻撃を当てようとする『カイン』だが、ランドセル型のジェットパックとレザーブーツ型のプラズマジェットシューズを組み合わせた鋭角の動きで、きららステラは狙いを絞らせない。
 これまでに見たことのない動きに『カイン』が戸惑いを見せ、機体の機動にも躊躇いが見えた。その隙をきららステラは見逃さない。
「王家に伝わる力。その身で受けてみるといいですわ」
 稲妻のような動きで相手に近づくと、姫魔気法王輝星杖プリンセスマジカルロッドを天にかざした。
 一瞬の静寂の後、杖に導かれた光が周囲を埋め尽くし『カイン』へと収束していく。

「なにっ!?」
 光に包み込まれた機体の中、『カイン』の目の前のメインモニターが暗転し、コンソールから火花が上がった。コックピット内が緊急用照明に切り替わる。
 なんとか生きているサブモニターと計器を確認すれば。機体がゆっくりと落ちていっていることが解った。
 重くなった操縦桿を引き、ペダルを思い切り踏み込むも機体は言うことを利かない。
 それでも。
 このまま海に落ちるわけにはいかないと、『カイン』は自らのサイキックを注ぎ込み、機体をなんとかノドの島の端へと不時着させた。
 それは類い希なサイキックパワーと熟練の機体操作の賜物ではあったが、しかしそこにはもう一人の猟兵がオーラを噴き上げつつ待ち構えていた。

 長い赤茶のポニーテールを吹雪に靡かせて立つ彼女――リンは『カイン』に、『行くよ』と宣言するようにびしっと指さすと、雪の大地に足跡を残し大地を蹴った。
 吹雪すら巻き込むような勢いでダッシュをかけたリンを、『カイン』はなんとか迎え撃とうと機体に己のサイキックを注いだ。
 そして剣を握る右手をなんとか突き出すと、剣先からサイキックの弾丸を放つ。

 真っ直ぐに走るリンを狙って放たれた光弾が無数に分かれ、点でなく面で襲いかかる。しかしリンは軽やかなステップでその全てを見切ると、最短距離で『カイン』へと迫った。
 接近戦を覚悟し、サイキックソードを構える『カイン』。
(機体のコントロールは戻りつつある。初撃を捌けば!)
 そう考えリンを見据える『カイン』だったが、その姿がサブモニターから消えた。一拍遅れて機能を取り戻した計器がリンの居場所を伝えてくる。
「上か!」
 『カイン』は回避行動を取ろうとするが、機体はまだそこまで反応してくれなかった。

(相手はキャバリア……大きさで言えばわたしの3倍)
 吹雪の大地を駆けながらリンは思考を巡らしていた。『大きさ=強さ』ではないが、相手が大きければやはりパワーの面では分が悪い。ならば――。
(自分の最高で最大の一撃を叩き込むよ!)
 気合いと共にリンの瞳がサファイアに輝くと、スピードをそのまま跳躍の力に変えて、『カイン』の眼前から消えるように跳んだ。
 じりじりと動きを取り戻しつつある『カイン』の頭上へと舞い上がると、しっかりと相手の位置を見定める。
 そのまま身体を丸めると、そのまま回転しながら『カイン』へと落ちて・・・いく。
 そして――。
 自らのスピードとパワーに重力という位置エネルギーを乗せた斧踵の強打アックスキックが『カイン』の右肩を捉えた。
 もぎ取られるように砕けた右腕から火花が上がり、動きを取り戻しかけていた『カイン』の機体がまた地面を舐める。
「入った!」
 地上に降りたリンが右手でガッツポーズを作った。

 リンは頭部を狙ったつもりだったが、それを躱されたのは『カイン』の意地なのかもしれない。
 強敵に改めて敬意を表しつつ、リンは『カイン』への次の一撃を考えていたのだが……。
「オラァ゛!! 」
 上空からの一撃が再び『カイン』を襲った。
 今度こそ狙い違わず機体の頭部が吹き飛ばされて、『カイン』の機体が完全に沈黙した。
 見れば、姫魔気波動プリンセスオーラに包まれたきららステラが、右手を解すように振っている。
「ふう、久々に体を動かしてスッキリしましたわ」
 妙にスッキリした表情で言うきららステラに、リンはちょっと戸惑いながらも、
「みっしょんこんぷりーと、だね!」
 と、笑顔を返したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年10月13日


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#コイネガウNEO ーNeo Euro&Oceaniaー
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト