揺らぎ揺らめき恨めよ少女
――かなしいの。
――かなしいのよ。もっと私を求めて欲しいの。
――かなしい……。
――ああ、どうか……。
――私と、一緒に。
●
「協力者が存在する。着いたら『寺崎詩波(テラサキ・シナミ)』という女性に話を通してもらうといい」
彼が紡ぐ言葉はいつも端的だ。カレンデュラ・フォリル(桜の精の聖者・f44266)はその顔をゆるゆると傾け、小さな笑顔を浮かべた。
「という訳で、結論は伝えたけれどこれでは情報が足りないだろう。詳細をお伝えするよ」
存外に落ち着きがなく、その場をゆっくり歩きながらカレンデュラは言葉を編む。
「事件としては、人が突発的に意識を失い……目覚めたらその人らしくもない行動を繰り返す。自殺、他害、暴動……とにかく、自身や他者に害を与えることを止めない。そんな事件が起きている」
こつこつ。足が地を叩く音が響く。
「曰く、そうした事件の裏にUDCの影がある。所謂警察だとかそういった関係にも我々に協力をしてくれている者が存在してね。彼らからの協力要請だ。ああ、もちろん今回の事件現場でも彼らが便宜をはかってくれている。故に寺崎詩波を頼るようにということさ」
カレンデュラはふわふわと笑いながら、そんなことを紡いだ。笑みは変わらない。微かな歪みすらも無い。
「まずはそうした妙な行動をするようになった人々を抑えながら元凶となるUDCを探してもらうことにはなるだろうね。ただ、妙な行動をするとはいえ人々は一般人。君たちが危害を加えればすぐに死んでしまう。……故に出来るだけ攻撃は控えるよう頼みたいかな」
かつり。足音が止む。笑みは変わらない。
「UDCは人々を操り何をするかわからない。……不測の事態がいくつあるか、分からない状況だよ。気をつけて」
雛田導夢
はじめまして、マスターとして活動をさせていただきます雛田導夢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
UDCアース世界にて、協力者たる警察官と共に猟奇事件を追いましょう。
協力者『寺崎詩波(テラサキ・シナミ)』は新進気鋭のキャリア組刑事。真面目すぎるきらいはありますが、猟兵の方々にも敬意を持って協力してくれます。彼女との協力も心に留めていただければと思います。
一章は冒険『操られた人たち』
他者を害する動きをする人々を交わしながらボスへの手がかりを探します。
二章がボス戦『『悲嘆概念』自殺少女』
この自体を引き起こしている少女のかたちをしたオブリビオンとの戦闘です。
三章が集団戦『嘆き続けるモノ』
ボスから呼び寄せられた下級オブリビオンをお掃除しましょう。
プレイングは常時受け付けております。
オーバーロード、お連れ合わせでのご参加、1章のみ、歓迎しております。
お連れ合わせの場合、分かるようお相手のお名前とIDを記載いただけますと幸いです。
第1章 冒険
『操られた人たち』
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POW : ややこしいのでぶん殴って気絶させる。
SPD : 遠回りをしたり、素早く走って逃げる。
WIZ : 操られている仲間のフリをしたり、交渉を試みる。
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「……なんという」
呟いて、その先を飲み込んだ。自分自身こうした不気味な現実を知っている。知っていながら、ここに存在する決意をしたのだ。忘れてはいけない。
「寺崎刑事、首尾は?」
先輩刑事に問われ、寺崎詩波は自分自身を奮い立たせるように軽く頬を叩いた。
「はい。協力者を要請しました」
「協力者ぁ?」
不審そうな声。それはそうだろう。こうした事件で警察以外が関わることは少ない。以前の自分ならば、先輩と同じように怪訝な顔をしていただろう。
「こうした事件のスペシャリストです。全ての責任はわたしが持ちます」
「……お前がそこまで言うなら、分かった」
真面目な気質は信用を買うのにぴったりだった。打算も含まれたそれを、自分で否定はしなかった。どう思われるかは、知らないけれど。
「しかし、どうしてこうなったんだ……」
「……」
事件現場を見る。通行止めをした道の向こう。暴れる人々が見える。
警官たちが止めるのも徒労。止めた端からまた暴動が起きる。
叩き、切り、噛みつき、暴れる。
「何が起きているんだ」
「……どうして」
こんなことが起きるのか。知っていても、そう思うことしか出来ない。力が欲しいと感じたことは多々あるが、……それでも今は力がない。
だからこそ、今は。力を借りることを選んだのだ。
石動・翔子
POW対応
アドリブOK
連携OK
「あんまり傷つけたくはないんだがねぇ。ま、死なない程度にぼっこぼこにしたらいいでしょ!保険は何か下りるだろうからそれでなんとかしな!」
調べるのは得意じゃないんでね。全員ボコボコにするよ。
囲まれないように動き回りつつ素手で殴る蹴る、木刀で攻撃してやればいうて一般人だし大したことはなく制圧出来そうだね。
気功のこもった体術と木刀でぶん殴れば流石にダウンするでしょ。
頭とか腹を殴ったらまずいので手足を狙うよ。
掴みかかってきたら投げ飛ばすよ。
あらかた片付いたら全員調べてみて何か変わった点がないか調べてみて手がかりがないか徹底的に調べ上げてやるよ。僅かなヒントも逃さないからね。
「ったく、あんまり傷付けたくはないんだがねえ」
阿鼻叫喚。そんな印象すら巻き起こる目の前の惨劇を眺めて石動・翔子(豪快快活・f44181)はこき、と首を鳴らした。
「はい。……出来れば民間人は傷付けたくはありません。ご協力をお願いします」
「わかってるよ。できる限りでなんとかするさね」
「よろしくお願いしま……」
寺崎詩波のその声が最後まで紡がれる前に、翔子は動いていた。
「さあて、何か情報が得られればいいんだが……」
暴動状態の民間人の群れに突っ込んでいく。そして、
「おっと」
掴みかかろうとした男を華麗に投げ飛ばす。手加減も入った一撃により男は意識を手放したらしい。
「次々! まどろっこしいのは苦手なんだ。保険は下りるだろうからそれでなんとかしな!」
手をパシパシと鳴らし、翔子は民間人たちを見やる。彼らからすれば翔子は排除すべきと映ったらしい。一斉に翔子へと向かっていくその様はまるで。
「こういうのなんだっけ、ゾンビパニック……だっけ?」
――相手にとって。
「不足なし!ってね」
翔子は手に木刀を構える。大立ち回りの始まりだ。
●
「さあて、あんたらがどうしてそうなったのか、わかるやつはいるかい?」
地に伏す女に向かい、問いかける。言葉は返らない。
(……なんの情報も得られないかな、こりゃ)
一通り倒した民間人を調べたが、何も情報と呼べるものは手に入らなかった。なかなか上手くはいかないものだ。小さくため息がもれた。……その時、
「……かなしい、」
「ん?」
「かなしい、の」
倒れ伏した女が、呟くのを聞いた。
成功
🔵🔵🔴
サンディ・ノックス
寺崎詩波さんって居る?
俺の名前はサンディ、協力要請をもらって来た者だよ
現地に着いたら辺りを警戒しているヒトが警察関係者だろうと予想して声をかけ、詩波さんに会わせてもらう
なんでもいいから今わかっている情報を全て教えてもらうよ、調べた結果警察も知ってましたなんて二度手間はイヤだからね
特に確認しておきたいのは害を与え始めたヒト達が自然治癒するかどうか
勝手に止まってくれないなら俺もなにかしらの形で手を出さなくちゃいけないけど、いかんせん殺すほうが得意なのでできれば避けたいんだよねえ
後は暴れるヒトと接触して指定UCを使いながら耐える
勝手に止まらない場合に限り警察に借りた道具とかを使って拘束していこう
「寺崎詩波さんって居る?」
サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)の問いかけに警官は怪訝な顔をした。
「寺崎刑事なら……ああ、あんたが言ってた『協力者』ってやつか」
「そう。協力要請をもらって来た者だよ」
「それなら、こっちだ。着いてきな」
案内された先。線の細い女性がサンディを迎えた。
「ご協力感謝します」
「あなたが詩波さんか。……手早く行こう。今出ている情報を全て教えて欲しい」
「もちろんです」
詩波はその強ばるような表情を小さく緩めた。そうしてサンディに向け今出ている情報を提供する。
「今のところ、明らかになっていることはそれほど多くはありません。一度意識を失うと、次に目が覚めた瞬間には暴徒のように危害を与える行動を繰り返す。次に意識を失って、目が覚めた時には治まっていますが、暴れていた間の記憶もありません」
「なるほど。自然治癒とはいかないんだね」
「はい。正気を取り戻すためには一度意識を失わせる必要があるようです。また、数人が意識を失う前に「かなしい」と呟いたとの報告が上がっています」
「……かなしい?」
「かなしい。何かの鍵になれば…良いのですが……」
「まだ確定とは言えないけれどね」
それにしても、意識を失わせるか。サンディは静かに思考を回した。下手に手を出すよりは殺す方が得意なのだが……。
サンディの思考はしばし泳ぎ、着地点を見つけたらしい。
「情報ありがとう。俺も調べてみるよ。……拘束に役立つ道具とかあるかい?出来れば借りたいんだけれど」
「わかりました。いくつか手配しましょう。そのくらいならお役に立てます」
詩波は周囲の警官に指示を出した。少しの間を経て、いくつか道具が揃う。
「ありがとう。じゃあ、行ってみるとするよ」
「よろしくお願いします」
●
暴動の最中に飛び込んだサンディ。ゆらりゆらりとサンディに向かい暴徒と化した民間人たちが集まっていく。
「傷付けることはしないよ。気絶させるのは詩波さんに任せるとして……」
魔力の流れがサンディの全身を覆う。民間人の攻撃なら、耐えらないことはまずないだろうけれど。念には念を。
「さ、かかってきなよ」
その声と共に民間人が一気に動き出す。サンディは笑みを崩さない。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
とりあえず【念動ソナー】で周辺を探査。
周辺の地形を把握し、
暴れている人の座標を捕捉します。
ついでに念動力できゅっと絞めて気絶させときましょう。
で、どこからどこまでが影響範囲か、分布に偏りがないかを確認しまして…
拾った情報をできる限り詩波さんに伝えます。
原因の分析とか究明とか被害者の保護とか。
そういう細かいことは、お任せします。
きっとなんかそれっぽくいい感じに処理してくれると信じてます。
しかし、かなしい、ですか。
一人でかなしめというのは、流石に酷かもしれませんが…
こうも不特定多数の人間に、そのかなしみを押し付けないでほしいものです。
言っても仕方のないことではありますが。
「では……参りますかね」
念動の力が周囲を駆け巡る。暴れる民間人はどの程度いて、どのくらいに広がっていて、それに偏りはあるのか。規則性があるのか…。
手に取るようにそれが伝わる。
「……なるほど」
しばし集中していたエリー・マイヤー(被造物・f29376)が目を軽く瞬かせる。
「一見ばらばらに見えますが…どこかに向かっているようにも見えますね」
「……確かに暴徒たちは1箇所に集中するよりは移動をしているようです」
「そこに何かがある、と見ていいのではないでしょうか」
「そうですね。その線が高そうです」
詩波が頷く。エリーもそれに頷きを返し、暴れる人々の方を向いた。
「彼らを気絶させれば正気に戻るのですよね」
「はい。それで間違いなさそうです」
「では、気絶させながら行先を探ってみます。被害者の方々とか諸々はお任せしますので」
「もちろんです。……よろしくお願いします」
エリーに向き直り、折り目正しく礼をする。今はこのくらいが、詩波に出来ることだった。
「では、行ってきます」
エリーは周囲の民間人たちを念動力できゅっ!と締めながら彼らの行先を探す。力加減はしているから、大丈夫。……のはず。その辺りは詩波が頑張ってくれるだろう。
今は、この事件を解決することが優先。
(それにしても、)
『かなしい、と』
詩波が言っていたことを思い出した。民間人たちが気を失う前に言う言葉。
(一人でかなしめというのは、流石に酷かもしれませんが…)
「こうも不特定多数の人間に、そのかなしみを押し付けないでほしいものです」
小さな言葉が、場を揺らした。
成功
🔵🔵🔴
レイヴァ・エレウネラ
アドリブ、連携OK
POW
ほんとに暴れてるよー…。
交渉してると時間かかりそうだし…ある程度ぶん殴って大人しくさせることにしようかな。
とはいえ、ボクが本気でぶん殴ったら血肉が儚くも飛び散っちゃうかもだから力はできる限り抑えて…
パンチやキック一発で効率よく動けなくなるようにして暴徒を鎮圧してくよ。
混戦模様になりそうだけど並みより遥かに頑丈だから暴徒に殴られる程度なら、全然大丈夫だしね!
にしても何故こんな事になってるのかな?なにか共通点とかないか探してみようかな!
「おお……ほんとに暴れてるよー……」
レイヴァ・エレウネラ(恐れ知らずな外界の女神・f44350)がきょろきょろと周囲を見回した。
詩波から事前に情報は得ていたとはいえ、実際に目にするとまた感じは違う。
人々は暴れ、ひしめいている。レイヴァはこきりと首を鳴らした。
「交渉が出来るかもわからないし……ある程度は殴って大人しくさせようかな? 気絶すれば治るみたいだし」
レイヴァが軽く腕を振る。もちろん本気で殴ってしまえば血肉は儚くも弾けてしまうだろう。力は、出来るだけ抑えて……。
「こんな感じ、かな!」
重い拳が暴徒に突き刺さる。勢いよく飛んで行った男は、倒れたままぴくぴくしている。
「これなら大丈夫でしょ!」
気を失ったことを確認して、次に次にと襲いかかる暴徒を一撃でのしていく。
そこらにいる暴徒たちがどんどんレイヴァの元に集まる。一撃は重い。その度に吹き飛び、気を失う民間人が増えていった。
「にしても、」
大立ち回りをしながら、レイヴァは思考を回す。何故こんなことになっているのか……。
「共通点とかないかな」
レイヴァの手は止まらない。暴徒たちを沈静化しながら、共通点を探す。暴徒と化した民間人たちに共通点は……。
「ん?」
ふと、気付いた? まだ疑問にしかなっていないが、人々を見て気付いた、と、思う。
「みんな、どこかに行こうとしてるのかな?」
暴徒たちは、みな歩いていて、足を止めては暴れていた。
大成功
🔵🔵🔵
建依・莉々
アドリブ・連携OKです。
いつの間にか、いる。
けーじさん(寺崎刑事)の陰に、いつの間にか出現。(単にそこで化け直しただけ) うん、ランドセルとか色々困惑だろうけど、実力魅せて納得してもらおう♪
UCで伸ばしたアホ毛で暴動者の足を絡み取り、釣り上げる。数回振って目を回させた後、けーじさんにお渡し。これを繰り返す。自動車ごとでも大丈夫♪ いっそ建物ごと・・・(げふん) うん、情報収集の専門家(刑事さん)がいるんだから、捕まえるのに専念しよう。
「取り調べやって♪ カツ丼、スッて出して。どんどん釣るからね♪」
一仕事終えた後は、カツ丼サービスを希望! 食べてみたかったの! なんか美味しそう♪
「けーじさん♪」
それは、唐突に。
「……っ!?」
建依・莉々(ブラックタールのどろんバケラー・f42718)が、詩波の後ろに現れた。現れた、というべきだろうか? いつからいたのか、詩波にはわからなかった。
彼女は、ランドセルを背負った少女のように、見える。戸惑いが顔に出ていたのだろう。詩波を見て莉々は笑う。
「大丈夫。うん、気持ちはわかるから……実力魅てもらっちゃう♪」
急に彼女の髪の毛……所謂アホ毛が伸びた。近くにいた暴徒をひゅいっと絡み取り、……ぐるぐると振り回す。あーれー……。とあっという間に気絶した暴徒を詩波の近くにひょい、と置いた。
「取り調べやって♪ カツ丼、スッて出して。どんどん釣るからね♪」
「あ……は、はい!」
呆気に取られていた詩波はその言葉で我に返った。慌てて警官たちに指示を出す。莉々はその間にも暴徒の一本釣りを披露していた。ひょいひょいと釣られていく暴徒は壮観そのもの。
「あ、けーじさん!」
「はい!」
莉々の呼び掛けに詩波が応じる。莉々は無邪気な笑顔で言った。
「一仕事終えた後は、カツ丼サービス希望! 食べてみたかったの! なんか美味しそう♪」
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『悲嘆概念』自殺少女』
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POW : インフィニットナイトメア~地獄の鐘は永遠に~
【この世界の過去・未来】から【自殺を行った生物達の記憶】を放ち、【対象の記憶にその全ての上書きし続ける事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 悲嘆非業のダブルドールズ
【無抵抗で微笑みつつ、自身に敵意】を向けた対象に、【自身の五感・記憶・精神を上書きし続ける事】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 全人類絶叫協奏曲~最終自殺楽章~
自身が戦闘で瀕死になると【他の人間の記憶・精神を上書きする形で自身】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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暴徒たちが鎮圧されつつある中。
たどり着いた暴徒たちを迎え入れる影があった。
「さみしい……」
それは少女の声をしていた。周囲に参った人々をゆっくりと撫で、ゆっくりと安堵の声を漏らす。
「さみしい、ね。さみしい、よね」
小さな声は次第に強く。それでも木漏れ日のようにささやかに、周囲を包む。
集った人々は、眠っている。まるで死んだように。
「さみしくないように。……みんな、いっしょ」
恍惚の域にもなりそうな声。人々は聞こえない。それを知りながら、そのひとがたは声を紡ぐことを止めない。
「さみしいもの。くるしいもの。いきるのは、つらいもの」
「ずっとつづくなんて、しんじたくないもの」
少しずつ、周囲のざわめきが、濃くなっていく。
「かなしい、の」
誰かが来るのだ。作った楽園を壊しに。
「かなしい、かなしい。だから」
許さない。
「みんなでいっしょにねむるの。ねむるまえにすきかってしてもいいの。じゃまはさせないの」
「ぜったいに」
石動・翔子
SPD対応
アドリブOK
「あんまり使いたくないけどこいつの出番だね。出てこい魔剣!傾国・七天狂乱!」
「さあて…躾の時間じゃな」
UCを発動し、目の前の対象を全て奴隷化させてもらうぞ。
戦闘に関係ない一般人は全員帰宅させ、敵のみその場に残ってもらおう。二時間もあれば全員帰れるじゃろう。
周囲が敵のみになったら一方的に嬲らせてもらおう。よく見れば上玉な女子じゃ。良い声で啼くじゃろう。可愛がってやるぞ。
素直に受け入れるなら色に染めて骨抜きにするが、そうでなければいたぶってさっさと成仏させてやろうぞ。攻撃は斬撃と気功で行うゆえ覚悟しておけ。ふふ、魍魎をいたぶるのは楽しみじゃ。
ああ、これが楽園なんて。
「あんまり使いたくないけどこいつの出番だね。出てこい魔剣!傾国・七天狂乱!」
翔子は魔剣を構える。彼女の雰囲気が変わった。
「さあて…躾の時間じゃな」
どこか妖艶なその美貌は、周囲に集う民衆たちを飲み込む。
「さて、一般人たちは帰るが良いぞ。この場はそちらの楽園ではない」
座っていたものは立ち上がり、呆然と立っていたもの達は歩き出す。まるで、言う事をなんでも聞く奴隷のように。
「さて、残るはそちだけ。……ほう」
泣きそうな顔をした少女は翔子に恨みを込めた視線を向けている。
「かなしい、の」
小さな呟きは翔子に何を与えるのか。
「ほう、良い声をしておる」
翔子が魔剣を構え直した。ちゃきり、少女のかたちをしたそれに向けて。
「可愛がってやろう。良い声で啼けよ?」
一閃。
少女のからだが脆くも引き裂かれる。ひとがたを保っている少女を見て、翔子は笑みを浮かべていた。
「ほう、耐えるか。吹き飛んでしまうかと思ったが……まだ楽しめそうじゃのう」
笑みは酷薄な色を浮かべている。少女はすぐに、……笑みを浮かべた。微笑みだった。
「……ち」
翔子が小さく舌を打った。何らかの精神攻撃だろう。痛みと妙な記憶、それが大量に流れ込んでくる。
「……だが、この程度で妾が狂うとは思わぬ事じゃ」
翔子の唇が、笑みを作った。
成功
🔵🔵🔴
エリー・マイヤー
生きるのはつらい、ですか。
そうやって塞ぎ込む余裕があるのは、羨ましいですね。
…なんて言ったら、怒りますかね。
まぁ、敵にどう思われようと、私のやることは変わらないですけども。
とりあえず【念動フラッド】で敵の攻撃を無効化します。
食らったら厄介な能力目白押しみたいですからね。
マトモに食らいたくはありません。
で、守りを固めたらそのまま念動力で敵に干渉。
捻ったり潰したり叩いたり引き裂いたりして攻撃します。
ついでに寝てる被害者を念動力で掌握。
持ち上げて動かし、協力者達の元へ順々に運んでいきます。
サイキックエナジーは無尽蔵に余ってますからね。
人を運ぶくらいの余力はあるでしょう。
「生きるのはつらい、ですか」
エリーの思考は静かに廻る。生きること。それを否定する目の前の少女のかたちをしたナニか。
「そうやって塞ぎ込む余裕があるのは、羨ましいですね。…なんて言ったら、怒りますかね」
少女はぴくりと眉を跳ねさせた。まあ、少女にどう思われようと、エリーのすることは変わらないのだが。
「ひとまず、あなたが危ないことはわかります。無効化出来る分はさせてもらいますよ」
エリーがサイキックエナジーを展開する。少女の力を上手く逸らしているのか、少女からの干渉はない。
そして、そのまま念動力を発揮した。少女を力が包み、地に叩き伏せる。
――不気味な音が響いた。
「あ……周りの人々も、」
よく見れば遠くに移動を始めている人々もいるが、まだ眠っている者もちらほらと見えた。
「よいしょ……と」
少女に気を向けながら、眠る人々を運んでいく。意外と余力はあるもので、ゆっくり運べば何人か同時に運ぶことも出来そうだった。
「まあ、生き急ぐ必要はありませんが。今は多少急いでもバチはあたりませんね」
人々がどう思っているかは知らないが……生きるとは意外と、急がなくて良いものだ。
大成功
🔵🔵🔵
サンディ・ノックス
知らないよ
お前の言葉には同意できない
お前が寂しがることは自由
だけど関係ないヒトを巻き込むな
(まだ、こいつと同じく人生に疲れているヒトを巻き込むのならわからなくもないけど、このタイプは同意をしてはいけない。冷たい言葉を投げかけるだけにする)
寂しくなくなって満足しているのはお前だけだ
哀しみから逃れるために眠りたいのもお前だけだ
好き勝手したいと思っているのもお前だけだ
俺はお前のような『悪』を許さない
双馬を呼び出し黒剣(暗夜の剣)を抜く
鎖鎌に変形させて女の首を狙うよ
刎ねるまではいかなくとも
お前が気に入らないという念をぶつけてやる
自死した者の念を送られても怯まない
行き場の無い苦しみは俺だって経験してるし
「知らないよ」
人の言葉を介する少女のかたちをしたそれに、サンディは吐き捨てるように言い放つ。
「お前の言葉には同意できない。お前が寂しがることは自由。だけど関係ないヒトを巻き込むな」
静かだが明確に突き放す言葉。少女は揺らりとサンディを見る。
「寂しくなくなって満足しているのはお前だけだ。哀しみから逃れるために眠りたいのもお前だけだ。好き勝手したいと思っているのもお前だけだ。
俺はお前のような『悪』を許さない」
彼が呼ぶ。刹那、白と黒の2匹の馬が現れた。その様はまるで、夢の中。ただ、夢を見たい者は歓迎されてはいない。
黒い剣は鎖鎌の姿にかたちを変える。
双馬の牽く戦車は少女に向け走った。
――そうして、刃は首を狙う。
がちゃり、首は離れることはなかった。が、少女は瞳を揺らす。明確な、敵意だった。
少女はサンディを敵だと見なした。そのちからが、サンディを襲う。
自ら苦しんでいなくなったものたち。それらの記憶が、一気に流れ込む。
――ただ。
「……」
サンディの瞳は揺らがない。ただ、少女を見据えて輝いていた。
成功
🔵🔵🔴
レイヴァ・エレウネラ
常時適用【通常攻撃無効/硬化】
可愛そうな存在ではあるけど事件の原因ならスパッと断ち切らないとね!
何かこの娘?の感情みたいのが流れ込んでくるけど、それに反応してUC発動!
影響を掻き消しエネルギーの奔流が放たれるよ。
こうなったら回避に専念するしかないよね!
そこに【怪力/グラップル】による【連続コンボ】で攻撃し最後の蹴りで【吹き飛ばし】ちゃうよ!
殴り合いでよければ君の気が晴れるまでボクが付き合ってあげるよ。
レイヴァが腕を振る。軽く体を動かして、目の前でかなしみを綴る少女を迎えた。
「うーん、可愛そうな存在ではあるけど……事件の原因ならスパッと断ち切らないとね!」
レイヴァの気配に、少女がちからを放つ。
「んー……」
感情の奔流。溢れるそれは、普通なら軽く精神を崩壊させてしまうようなもの。
だが、
「よいしょ……っと!」
その瞬間、ちからが、消えた。
少女が向けていたちからが消え失せ、レイヴァの笑みが深まる。
「じゃあ、付き合ってもらうよ」
重い一撃が少女を襲う。鋭い拳が、刺さるように体に降り注ぐ。
少女は避けようと体を動かすが、拳は激しく少女を打つ。
「いっくぞー!」
トドメの蹴りが見事に突き刺さり、少女は吹き飛んだ。地に体が叩きつけられる。
少女は、静かに息をしている。人間のように。
「殴り合いでよければ君の気が晴れるまでボクが付き合ってあげるよ」
だから。せめて。気持ちだけでも、少しでも、安らかに。
成功
🔵🔵🔴
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)
「好き勝手されてるわね……」
イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)は少女をじっと見据えた。
かなしい、かなしいと泣く少女はただ自分の欲のままに。
イネスは彼女にそっと槍を向ける。
「あなたがどれだけ悲しいかはわからないけれど……今、あなたが悲しませている人々を守るために、私は戦う」
イネスのビキニアーマーから圧倒的なる神気が発された。ぶわりと周囲を満たしたそれは、逃げ遅れていた民間人たちが、ぼんやりする頭を抱えながら遠くへ離れていく。
「近くには……もう、逃げ遅れた人はいなさそうね」
神託により場の状況を察知。あとは、この少女のみだ。
「あなたの悲しみがどれだけのものか、理解してはあげられないけれど……」
イネスは駆け出す。少女に向け、槍を突き立て。……少女が苦しみに震えた。
イネスの願うような表情に、少女は何を思うのか。今の彼らには何も見えない。少なくとも少女には、まだ分からなかった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 集団戦
『嘆き続けるモノ』
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POW : 何故俺は救われなかった?
質問と共に【多数の視線】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
SPD : 誰も私を助けてくれない
自身と自身の装備、【自身と同じ感情を抱く】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ : 僕を傷つけないで!
【悲しみに満ちた声】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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石動・翔子
POW対応
「恨みつらみだけでどうこう言ってるしみったれの集合体ってとこかい。見苦しいことこの上ないねえ」
なんで救われなかったと言われたらそりゃあしみったれだからだろうね。
人恨んでるやつにろくなやつはいねえんだよ。
相手がUC撃ってくる前にこっちから発動だね
見えないならいいだろ?あとまあ「霊的防護」はサキュバスだから万全だよ
さっさと攻撃を「見切って」偏霊剣で攻撃だよ
こっちの「気功」は「破魔」に「縛霊」なんでもござれだよ。
あたっても真実とやらは救われなかったのは「弱く愚かだったからだ」と言い返すしかないかね。
恨みつらみを考えるのは勝手だけど人に押し付けるやつは愚かなだけさね。
「……何故、救われなかった?」
目の前に溢れ出したどろりとしたなにかが翔子をじっと見つめた。塊からの視線はひとつではない。たくさんの視線が、こちらを見る。
「恨みつらみだけでどうこう言ってるしみったれの集合体ってとこかい。見苦しいことこの上ないねえ」
さらりと言って、翔子は偏霊剣を構える。
繰り出してくる攻撃は軽くいなし、剣を振るう。嘆きは止まらない。なぜ自分は救われなかったのか? 翔子に視線を向けたままそれを問いかけ続けている。
剣を軽く薙ぎ、翔子はそれと視線を合わせた。
「なぜ救われなかったか? 弱く愚かだったからだよ。全部あんたの責任だ」
ぱきり。嘆き続けるそれは苦しそうにうめく。そんなことは、知ったこっちゃない。
「恨みつらみを考えるのは勝手だけど人に押し付けるやつは愚かなだけさね。覚えておきな」
翔子は剣を振る。しっかり視線を合わせる。愚かさで苦しむ目の前のそれよりも、今を生きる誰かを救うために。
大成功
🔵🔵🔵
レイヴァ・エレウネラ
君達もあの女の子と同じで命を絶った者の怨念なのかな…?
成仏するまで付き合うって約束したからね。
基本は【怪力/グラップル/連続コンボ】で戦うよ。ただ数が多いから同時攻撃された場合は【エネルギー弾】で牽制しつつ攻撃するかな。
それでも攻撃が食らった場合、持ち前の頑強性による【通常攻撃無効/硬化/激痛耐性/回復力】でダメージを最小限に抑えるよ。
彼等が視線と共に投げかける問いには…
「キミ達は仲間を増やしたいのかもしれない。でもボクはキミ達を哀れむからこそキミ達の様な被害者を増やさせる気はないよ!ボクにできる事は最初からキミ達を成仏させる事だけ。だから、お休み。」
そう答えUCで一気に動きを止め殲滅するよ。
レイヴァが現れたものに視線を向ける。
恨み辛みを撒き散らすそれらは、ただただ苦しんでいる。
「君達もあの女の子と同じで命を絶った者の怨念なのかな…?」
レイヴァの呟きは揺らめきの中に消える。拳を軽く振り、構えた。
「成仏するまで付き合うって約束したからね。任せてよ」
レイヴァの拳は重い。嘆き続けているそれらを薙ぎ倒していく。
拳が唸り、綺麗に影を捉える。打撃は彼らを嘆きから救えるのか。今は分からないけれど。
エネルギー弾に牽制された彼らは、しばし惑うように揺らめいた。
そして、視線がレイヴァを射抜く。
「何故、俺は救われなかった?」と。
「キミ達は仲間を増やしたいのかもしれない。でもボクはキミ達を哀れむからこそキミ達の様な被害者を増やさせる気はないよ!ボクにできる事は最初からキミ達を成仏させる事だけ。だから、お休み」
一気にエネルギー弾が彼らを穿つ。安らかな眠りが彼らに訪れますように。そんな祈りが含まれた、光だった。
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
何故救われなかった、ですか。
私も知りたいところですね。
どれだけ鍛えても、どれだけ強くなっても、どうしても掬い切れない。
何故、私は色々な物を掬い切れず、取りこぼしてしまうのか。
実に難しい問題です。
さて、これが簡単な質問だったら、大ダメージで死んでる気もしますが…
こんな難しい質問で、そう大ダメージを受けるわけもないって話ですね。
痛みは気にせず、【念動アーツ】を発動。
まっすぐ突っ込んで殴ります。
弱い物いじめみたいで気が引けますが…
見ず知らずの他人を巻き込むようになった時点で、アナタは私の敵です。
申し訳ないですが、救おうとは思いません。
そこで果ててください。
「何故俺は救われなかった」
恨み嘆きを吐きながら、それは問いかける。視線がエリーに向かい、煌々と光っていた。
エリーはしばし、考えるように目を瞬かせる。
「何故救われなかった、ですか」
きらり。瞳が微かに瞬く。
「私も知りたいところですね」
どれだけ鍛えても、どれだけ強くなっても、どうしても掬い切れない。
何故、色々な物を掬い切れず、取りこぼしてしまうのか。
「どれだけ想っても取りこぼす。実に難しい問題です」
エリーを見つめる視線が揺れる。エリーは構わず念動の力を行使した。
まっすぐにそれに突っ込んでいき、拳でぶん殴る。それは苦しげに声を上げながら吹っ飛んで行った。どさり。地に落ちる音。ぴくぴくとからだを揺らすそれに、少しの揺らぎ。
「弱いものいじめみたいで気が引けますが……見ず知らずの他人を巻き込むようになった時点で、アナタは私の敵です。
申し訳ないですが、救おうとは思いません。
そこで果ててください」
エリーの言葉が溶けるようにそれに染みていく。
成功
🔵🔵🔴
サンディ・ノックス
真の姿開放
金の瞳の赤い竜人、のようなものになる
理由は知らないけど出てきた連中と負けないくらい、この姿の俺は禍々しい存在じゃないかな
でも彼らを傷つける目的での変身ではない
呪詛に耐えるなら呪詛に近しい者に変身したほうがやりやすいってだけなんだよね
左腕を漆黒の大剣に変貌させ右手で相手に突き刺しユーベルコードを封じる
俺への害を無くしたら後は――話を聞いてあげるよ
先程のオブリビオンは話を聞いても一理にもならないタイプだと思ったけど
今目の前にいるような存在には「聴く」ということが効果的だと思う
思う存分呪うがいい、妬むがいい、怨嗟をまき散らすがいい
語らせて満足させる
それが俺の【浄化】方法だ
サンディの体が、変貌する。
赤い竜のかたちをしたひと。金の瞳が煌々と輝き、それを見つめていた。嘆き続けるそれは延々と呪詛を重ねている。
サンディの瞳はただ静かにそれを見ていた。
呪詛には呪詛を。呪詛に近しい姿となり、それの望むことを叶えよう。サンディは静かに片腕を振る。
振られた左腕が漆黒の大剣に変貌した。大剣は黒々と輝き、冴えた光でそれに自らを誇示していた。
「……傷つけないで!」
嘆くものが意志を吐き出す。だが、それよりもサンディが動く方が早かった。
サンディの大剣が、それを貫く。動けなくなったそれは苦しそうに声を上げながら蠢いている。
――と。
「……お前はどうしてそんなふうに思うんだい?」
静かな声。だが、決して突き放すものではなかった。それを理解できたらしい嘆くものも、蠢くことをやめている。
サンディは何も言わない。それだけ言って、嘆き続ける彼らの言葉を待っている。
「……!!!」
吐き出すように流れた呪詛を、静かに聞いていた。サンディに出来る浄化を。思う存分吐き出して、もらう。
大成功
🔵🔵🔵