剣、槍、斧。杖、槌、鞭。弓、銃、砲。拳、脚、尾、翼。
トイロボバトルには数多の武器が存在する。そして数多あるという事は即ちそれぞれに違いがあるという事であり、故にそこには相性による有利不利が生じる。
不利を承知で一つの武器のみを極めた達人も存在するが、だからと言って「ただ一つを極めさえすれば良い」などと結論付けるのは夢見がちな素人の戯言である。たった一つの武器だけで永遠に連勝街道を走り続けられる筈はない。
だが、かと言って武器を多く持てば持つほど良いというものでは当然ない。あらゆる状況を想定するのは確かに大切な事だが、その全てに備えようとして積載限界を超過し、逆にパフォーマンスの低下を招いたトイロボ初心者の例は数知れず。
何事も、バランス感覚が肝要だ。
しかしながら、そう理解していても「やっぱりアレも積んでおけば良かった」などとつい思ってしまうのも人の性。
相棒を右へ左へ走らせながら、迅瀬・ナクタは油断なく敵を見据えた。
OM-NATAKUと対峙するトイロボの歪なシルエット。装甲を極限まで削った骨のような上半身に対し、不釣り合いに膨らんだ強靭な足腰。その各所に配置された様々な火砲。一目で分かる、高機動射撃戦型――端的に言えば引き撃ち特化タイプだ。クロスレンジでの切った張ったを得手とするOM-NATAKUとは全く噛み合わない手合いである。
お互いに相手の土俵での相性は最悪。故に如何に自らの戦術を押し付けるかが勝負であり、その一点において相手の性能はこちらのソレを上回った。弾幕で進路を塞ぎ、常に一定の間合いを保つ。清々しいまでに徹底したスタイル。
こうなると「銃の一つも持ってきていれば」と思いたくもなり、実際ナクタはそのように思考して、しかしすぐにかぶりを振った。
付け焼刃だ。撃ち合いでその道のプロに敵うとは考え難いし、下手をすれば現状の強みを殺す可能性すらあり得る。
――故に、彼の切り札は銃火器ではない。
OM-NATAKUの脚部装甲が展開した。足裏からタイヤが覗き、下腿部背面からスラスターが顔を出す。
彼の
武器はあくまで近接。ならば必要なのは飛び道具ではない。機動力だ。遠距離戦に対応するのではなく、接近戦に持ち込む為の手札。現状の強みを活かし伸ばす新たな力。欠けていたパズルを埋める理想のピース。
これも付け焼刃には違いなく、変幻自在に飛び跳ねる立ち回りは今はまだ難しい。だが単純な動きならば事足りる。即ち、直往邁進ならば。
そして、暴風が巻き起こった。唸りを上げてOM-NATAKUが疾駆する。彼我の距離が瞬く間にゼロとなる。戦局が動く。格闘の間合い、OM-NATAKUの距離へと舞台が変わる。
遠間での切り札は一つだけだったが、至近においては手札全てがエース。こうなればもはや彼の猛攻を止める術はない。
縦横無尽に双刃が閃き、やがて勝者を称える声が響いた。
●Item
EP-Lレッグホイール(EPヴィークルアンダー)
OM-NATAKUの脚部変形機能。車輪と補助推進器を展開し高速走行を可能にする。
○Plan B
RX-Lブーストグリーヴ(RXロケットハンマー)
トイロボ専用の脚部増加装甲。下腿部のスラスターにより蹴り足を加速、威力を高める。
●Ubel Code
EP-Lレッグホイール(ジェットランページ)
『接近戦に持ち込む!』
【EP-Lレッグホイール】から【圧縮空気】を噴出しながら、レベル×5km/hで直進突撃する。2回まで方向転換可能。
Leg Flight Unit「EP風火輪」……再現失敗……機能縮小
成功
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