サメと巡る機関車道中
●イングランドサメ鉄道
獣人戦線、イングランド。
狂気の超大国に支配されたこの地にも当然のように鉄道は走っている。
街と街を繋ぐ動脈とも言える魔導蒸気機関車は多くの荷物や人員を輸送し、クロックワーク・ヴィクトリアに抗う人々の大きな助けとなっている。
その鉄道の通る街の一つにサメ獣人の街がある。
近海の海底にある鉱山から金属を採掘して、それを機関車に積み込み精錬施設のある他の街へと輸送していく街は大きさの割には近隣経済に与える影響が大きい。
だからこそ、悪しき幻朧帝国のエージェントの逢魔弾道弾を用いた破壊工作のターゲットとして狙われてしまったのかもしれない。
グリモアベース。
「お疲れ様です。今日は皆様に獣人戦線のイングランドについて予知された事件の阻止に向かって頂きたいと思います」
白き獅子の姿をしたサーマ・マルヴァス(華やかな獅子王・f37974)という魔王はそんな風に切り出す。
「イングランド北部のサメ獣人達が多く住まう街で逢魔弾道弾を使った破壊工作が行われることを予知しました。工作員の『クロスファイア・コマンダー』はどうもその街に向かう機関車に逢魔弾道弾と共に乗車しているため、可能なら機関車内、遅くとも街に到着してすぐの段階で発見して撃破してください」
そしてサーマは今回の作戦の詳細を語り始める。
「まず皆さんに乗車していただく機関車はサメ獣人達の街に向かっています。乗車する街もサメ獣人は多いようですがそれはさておいて、今回の目的地の街は海で採掘した鉱物資源を他の街に送っていて、その手続きに他の街へ向かったサメ獣人達が多く機関車を利用しています。彼らは頻繁に利用しているようで、列車の設備も彼らに合わせた作りになっているようですので、接触して話を聞くことができればエージェントの居場所に繋がる違和感や手がかりを教えてくれるかもしれません。ちなみに機関車は海沿いを走る……風景はかなり美しいようなので、そちらを楽しむのもいいかもしれませんね」
食堂車で
糧食料理を楽しむのも良いかも知れないとサーマは付け加える。
「そしてエージェント自身は砲戦に長けているようです。キャバリア部隊や機械兵士部隊を召喚したり、背中の巨大ガトリング砲で攻撃してきます。基本的に取り回しが良くなく機関車内では戦いづらいので、おそらく戦場は外になると思われます。そうなれば乗客に被害が及ぶ心配もないでしょうから遠慮なく戦って倒してください。」
それではよろしくお願いします。そうサーマは締め括ると、オカリナの形をしたグリモアを輝かせ、獣人戦線のイングランドへと猟兵達を導いたのであった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
海辺の列車旅はいいものです。
第一章はサメ獣人が多く住む街へと向かう機関車に乗って機関車の旅を楽しんでください。エージェントもどこかに潜んでいるようです。
乗客もサメ獣人が多く、階梯0や1の獣人向けに水槽もあったりするようです。
食堂車もあるのでのんびりするのもいいかもしれません。
第二章は『逢魔弾道弾』を起爆しようとやってくる『クロスファイア・コマンダー』との戦いになります。
こちらは断章で冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらもご確認下さい。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 日常
『スチーム・トレイン』
|
POW : 豪華な食事を楽しむ。
SPD : 客車でくつろぐ。
WIZ : 風景を楽しむ。
|
シホ・エーデルワイス(サポート)
たまにはゆっくりするのも良いですね
人柄
物静かで礼儀正しく儚げな雰囲気
姿や形にとらわれず誰にも分け隔てなく接しようとします
印象的な蒼き瞳
ほとんどの思い出が無く
肉親や帰る故郷も無いため
常に世界を跨いで旅をしています
その為
休養する機会は余り無いです
心情
基本、粗なく振舞いますが
好きな物が絡むと年相応に興味を持ちます
好きな事
<動物と話す>で会話をしたり歌を歌ったりして交流します
空を飛ぶのも好きです
探し物
常に自身の過去や異世界同位体の手掛りを探しています
基本行動
引っ込み思案で主体的に行動するより
静かに楽しんだりくつろいだりするか
仲間に合わせて楽しい一時となる様に気配りします
●蒸気機関車に揺られて
海沿いを蒸気機関車が走っていく。
前半分は獣人達を乗せるための造りで後ろ半分は貨物用。近海の鉱物資源を採掘、回収するサメ獣人の街と近隣の街を結ぶその機関車は、獣人達を乗せてサメ獣人達の街へ定刻通りに向かっている。
だが、この機関車には悪しき幻朧帝国のエージェントが乗り込んでいて、逢魔弾道弾により目的地を逢魔が辻へと変えて惨劇を起こす事が予知されている。
それを防ぐために機関車に乗り込んだ猟兵は、被害を防ぐべく機関車へと乗り込みそれぞれの行動を開始する。
上品なオラトリオが客室の一つに入り、窓際の椅子に座り外の風景を見やる。
(「たまにはゆっくりするのも良いですね」)
エーデルワイスを咲かせたシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)の青い瞳に移る風景はクロックワーク・ヴィクトリアの怪物やオブリビオンに荒らされてきたとは思えぬ美しさ。
もし、故郷の記憶があったなら別の感想があったのかもしれないが――そんな事を考えながら、廊下を通り過ぎる気配にちらりと視線を向ける。
廊下を行き来する獣人達、内訳はサメが大半でその身なりは様々、忙しさも様々なように見えるが、その顔には概ね希望が溢れているように見える。
客を装い敵に気取られ警戒させぬように観察しているが、明らかに怪しい者はいなさそうだ。彼女自身の探し物も見当たらないが、それはさておきいざとなればすぐ避難誘導や敵の牽制にかかれるようにシホは備えている。
完全に気を休めている訳ではないが、あまりない穏やかな旅の景色は少しの気晴らしにはなるだろう。
この機関車に同乗している獣人達の先行きに小さな幸運と希望がある事を願いながら、一時の鉄道での休息と流れ行く海沿いの景色をシホは静かに楽しむのだった。
成功
🔵🔵🔴
箒星・仄々
逢魔弾道弾なんて使わせませんよ
汽車の旅を満喫しつつ
エージェントさんを探します
巨大ガトリング砲や弾道弾をお持ちですから
大きなスーツケースを持っておられたり
何処かに隠しているはずです
例えば貨物室かどこかに鉱石と異なる物品があったり
鉱石を運ぶコンテナ内に紛れ込ませていたり
車窓の風景に合わせて曲を選んで
汽車のリズムや汽笛と協奏するかのように
竪琴を奏でながら
車内や食堂車をそぞろ歩いて探索します
サメさん達のリクエストに応えて
歌ったり演奏したりして仲良くなって
おしゃべりを楽しみます
いつも利用されている🦈さんなら
普段は見かけない雰囲気の人物や物品に
気づくのではないでしょうか
お礼を申し上げて
そちらへ向かってみましょう
ありがとうございました♪
●機関車に響くメロディ
一方、個室ではない大部屋の客室では黒の毛並みのケットシーの箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が同乗しているサメ獣人達に竪琴の演奏を披露しつつ機関車の旅を満喫していた。
小柄な彼が奏でるメロディは、蒸気機関式の拡声機能もあって大勢の獣人達がいる客室内によく響く。
車窓の外に見える穏やかな海や原っぱの風景に合わせた曲を選び、更には時折響く汽笛も織り込み即興のアレンジを加え奏で客室内を歩き回る彼の姿を、大半がサメの獣人達は興味津々に眺めている。
『上手いもんだなぁ!』
曲が一段落ついて、パチパチと拍手と共にサメ達が仄々の腕前を褒め称えて。
『もっと賑やかな曲とかもいける?』
「勿論大丈夫ですよ」
水槽の中の妖精階梯らしきサメ獣人のリクエストに応え、仄々が次に奏でる曲は酒場や祭りで奏でられるようなテンポの早い明るい調子の曲。
心地よさげに聞くサメ達を見つめつつ、演奏を続けながら仄々は考える。
(「逢魔弾道弾なんて使わせませんよ」)
固く決意しているケットシーは演奏しながら歩き回る中で、客が乗せた大荷物を見落とさぬよう観察している。
今回の敵エージェントは巨大ガトリング砲や弾道弾を持っている、ならばその入れ物として大きなスーツケースを持ち込んでいる可能性は高いだろう。
もしかするとこの機関車内のどこかに気付かれぬように隠しているのかもしれない。機関車の先頭側から順に見ているが、今のところ明らかな大荷物は見当たらない。
(「怪しいのは後ろの貨物室でしょうか」)
演奏しながらそう思案する仄々、そして演奏の区切りにサメが一人ご機嫌な様子で話しかけてくる。
『いい腕してるな! 見ない顔だが、アンタも旅してるのか?』
彼には仄々が旅の楽士のように見えたようだ。先日の獣人世界大戦で超大国が手痛い打撃を受けた事で侵略の勢いが弱まった事で、この地方を訪れる旅人が増えているのかもしれない。
「ありがとうございます♪ そんな感じでですが……アンタも、という事は最近他にも旅してる方でも見たんですか?」
首を傾げて仄々が問えば、サメは今朝見たと答える。
『見ない顔だからありゃ他所の奴だろ。あんなでっかい荷物持って歩くのも大変だろうに。……降りた様子もないし、今もそっちにいるんじゃないか?』
『ああオレも見た見た。暗い顔して貨物車の方に荷物載せてたけど何か大変なことでもあったのかねえ』
――恐らくはそれが仄々が探すべきエージェント、討つべきオブリビオン。
情報を得た仄々は緑の大きな瞳を瞬かせて、
「ありがとうございました♪」
そうにこやかにサメ達に礼を言い、不自然にならないように機関車後方の貨物室へと向かっていった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『クロスファイア・コマンダー』
|
POW : 進軍命令
攻撃力に優れた【砲戦型パンツァーキャバリア部隊】、レベル×2体出現する【砲撃型機械兵士部隊】、治癒力を持つ【機械衛生兵部隊】のいずれかを召喚し、使役する。
SPD : 焼却命令
【背中に装着された巨大ガトリング砲】から【無数の焼夷弾】を放ち、敵及び周辺地形を爆発炎上させる。寿命を削ると、威力と範囲を増加可能。
WIZ : 殲滅命令
自身の【背中に装着された巨大ガトリング砲】を【殲滅砲火形態】に変形する。変形中は攻撃力・射程が3倍、移動力は0になる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●砲戦司令官を撃破せよ
黒の妖精猫が得た情報を元に、猟兵は連結された車両の後方の貨物車へと急ぎ向かう。
天井は比較的頑丈な作りになっていて、内部はやや薄暗い。
目的地の街へ向かう途中の貨物車には鉱石などに比べれば遥かに軽量な日用品などが積み込まれているが、隙間はそこそこあり人が隠れている可能性は十分にある。
万が一にも客室の車両側へと逃がさぬよう警戒しつつ慎重に探り、そして最後列に近い車両に置かれた見慣れぬ大型のケース――コントラバスなどが入りそうなサイズのそれを発見する。
そして同時に、
『誰だ! まさか……猟兵か!』
スーツケースの傍に隠れていた女が叫ぶ。
この夏の季節なのに服を着込んだ、外見に獣人の特徴が見られない女――多少おおらかな気質のサメ達は気付かなかったが、彼女は機械化義体技術により改造された司令官のオブリビオン。機関車を利用して逢魔弾道弾を仕掛ける為にやってきた幻朧帝国のエージェントなのだ。
正体を既に見破られている事を悟ったエージェントの動きは早い。スーツケースを蹴り上げ中身のガトリング砲を背中に装着すると、貨物車の屋根を砲撃で砕き屋根の上へと飛び出した。
左右に狭い列車の屋根の上での戦闘ならば勝機があると考えたのだろう。だが、悲劇を防ぐために猟兵達も引き下がる訳には行かない。
早めに発見できたこともあり、目的の街へ到着するにはまだ距離も時間もある。
災厄をサメの街へ持ち込ませぬように、そして前方の車両の獣人達を守るために、猟兵達はエージェントを追いかけ屋根の上へと飛び出した。
陰日向・千明(サポート)
「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
◆口調
・一人称は「うち」、二人称は「あんた」、くだけた敬語をつかう
◆性質・特技
・マイペースで合理主義
・雨女
◆行動傾向
・特権階級者の車に轢かれ事故すら揉み消された女子高生の悪霊
・地元を鎮守する竜神の力を借りて受肉を果たした
・利己主義で秩序や慣習にこだわりはなく、勝つためなら手段を選ばないしたたかさを備えているが、なんだかんだで面倒見はよい
・神器化したスマホで霊界通信サービス「天孫(あまそん)」に武器を注文して戦う
・一度死んだ経験から死に対する恐怖心がなく、戦闘をゲームのようにとらえている。敵にも当然慈悲はない
・誤って買ったキャバリアは千明の切札
●神剣振るう竜神の悪霊
破壊工作を行わんとするオブリビオンを追いかけて貨物車両の屋根の上に飛び出した竜神の陰日向・千明(きさらぎ市の悪霊・f35116)を、クロスファイア・コマンダーは憎悪の瞳で睨みつける。
「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
『地獄に堕ちるのは貴様だ!』
その憎しみをマイペースに流した千明に怒り心頭のエージェントは背中の巨大ガトリング砲の照準を千明に定め無数の焼夷弾を放つ。
周辺地形ごと纏めて爆発炎上させる――最後尾付近の車両であるから人的被害はないだろうが、その狙いが前方に及べば甚大な被害は免れないだろう。
おまけに屋根の上という戦場は左右への逃げ道がほぼなく、活路は前にしかない――即座に判断した千明はユーベルコード【天孫購臨「通販で取り寄せた両手剣」】を起動、
「配送は当日即時っす。敗走は許されない……」
霊界通販サービス『天孫』で発注した神剣を手にし、『エアリアル・マイケル』で屋根を蹴って一気に加速、空から降り注ぐ焼夷弾の雨をまるで死に対する恐れなどないかのように突っ切り、最短距離で肌を焼く爆風を突破してオブリビオンに肉薄、神剣を振り抜いきコマンダーの横をすり抜けていく。
千明の速度に対応しきれぬオブリビオンの胴が切り裂かれ鮮血が散って慣性で後方に吹き飛んでいく。即座にエージェントは振り返り千明に反撃するが、彼女の速度を捉えることはできない。
そしてその勢いのまま千明は次なる猟兵に託して機関車後部から飛び降り無傷で着地、戦場を離脱したのだった。
成功
🔵🔵🔴
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●影狼は砲火を抜けて
ブレザー服の悪霊がエージェントに初太刀を叩き込み、続き貨物車の屋根へと飛び出したのは日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)。
月のエアライダーの機動力で焼夷弾に傷んだ悪路の屋根を駆け抜けて迫る彼女に、エージェントは砲戦型パンツァーキャバリア部隊を召喚、機関車に並走させながら彼方へと砲撃指令を出して迎撃を開始する。
砲撃能力と火力に優れたキャバリア部隊は最高速度で並走しつつ、照準は的確に彼方を狙い武装のランチャーを発射、けれど砲撃に砕かれるのは貨物車のみ、疾走し勢いの付いた彼方は的確に見極め月追う狼の名を冠したレガリアスシューズで駆け抜けつつ回避する。
そして四本一組の試製封刃『Tyr』の一振りを手にし、
「この一撃を以て冬の始まりを告げる」
ユーベルコード【冬の刻撃】を起動してコマンダーを切り裂いた。
短刀――彼方の内なる獣を抑える為の楔でもあるそれを代償にした一撃は、獣の力の一端を籠めた強烈な一撃。まともに受けたコマンダーの口から血が溢れ、身体がくの字に折れ曲がる。
並走するキャバリアの支援砲撃が彼方を狙う。指揮官を守るためのそれを感知したエアライダーは試製飛盾『Heimdall Mk-Ⅱ』を展開、それを盾にして砲撃をガードする。そしてキャバリア部隊を自由にさせていてはこれ以上の追撃は難しいと判断した彼女は、指揮官を後続の猟兵に任せ、並走するキャバリア部隊を食い止めるため飛盾を足場にして並走するキャバリア部隊へ攻撃を仕掛けていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
シェリー・クサナギ(サポート)
「美しくない世界なんて、生きるに値しないわ」
◆口調
・一人称はワタシ、二人称はアナタ
・女性的な口調
◆性質・特技
・血液の形状を自在に操作する能力を保有する
・可愛いものには目がない
◆行動傾向
・暴力と砂嵐が支配する狂気の世界において、美しいものと可愛いものこそが人の心を救うと信じ、それらを護るために戦ってきた歴戦の奪還者です。社会通念や秩序に囚われることなく、独自の価値観を重んじます(混沌/中庸)
・彼にとって『美しさ』は外見だけでなく、義侠心や献身的な姿勢、逞しく生きようとする精神の高貴さも含まれます。これを持つものは敵であっても尊重します(が、世界を脅かす存在は『美しくない』ので結局戦います)
ネッド・アロナックス(サポート)
めずらしい そざいはある?
なければ じょうほうを しいれて かえろうかな!
(※セリフはひらがな+カタカナ+空白で話します)
探し物や調べ物は楽しくて得意だよ
"くらげほうき"や"ゆきソリ"で空を飛んだり泳いだりしてヒトや物も運ぶよ
戦闘はサポートに回ることが多いかな
手強い敵は基本隠れながら隙を作って逃げる!
"クリーピングコイン"で物をひっかけて飛ばしたり
"しろくじら"の歌で余所見をさせたりね
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
よろしくおねがいします!
●ソーダ水の深海と血の追跡者
後方に過ぎ去っていくパンツァーキャバリア部隊を歯噛みしながら見やる幻朧帝国のエージェント、だが猟兵の追撃が止まることはない。
鍛え抜かれた黒曜石の肌に星々を煌めかせたようなシェリー・クサナギ(荒野に咲く一輪の花・f35117)、そしてま白きクラゲのような印象のガムゴム人、ネッド・アロナックス(ガムゴム人の冒険商人・f41694)が戦闘態勢を整えて機関車の最後尾から大分破壊された貨物車両の屋根へと登ってくる。
「だいぶ よわってる みたいだよ」
空飛ぶクリーピングコインを周囲にばら撒いたネッドの言葉に、油断なく自動小銃を構えたシェリーが首肯する。
とはいえこの司令官の得物はあの背の巨大なガトリング砲、火力と射程で状況をひっくり返しうる厄介な相手である事は依然変わらない。
『クソッ! 我々の素晴らしき理想の為に任務を果たさねばならぬのだ!』
ヒステリック気味に叫んだエージェントの背の巨大ガトリング砲の形が変形していく。移動力を代償に火力と射程を三倍に跳ね上げる殲滅砲火形態――この力で先頭車両を砲撃し道連れにしようとでもいうのだろうか。
『まずは止める! それから皆殺しだ!!』
その有り様はなんとも――、
「……アナタ……不愉快ね」
辛辣なシェリーの言葉。
奪還者として美のみならず精神の気高さを尊重するシェリーにとって、その行動は美しくないもので表情に軽蔑の色が浮かんでいる。
そしてその感情はシェリーのユーベルコード【責め立てる追跡者】を起動させる鍵となるもの。
黒き奪還者の肌から流れた血――血液に溶け込み収納された
血球型偽神兵器が蠢き、141体もの人の形を作り出す。
揺れるそれらはかろうじて人の形を留めているに過ぎず、されどシェリーの感情に従い敵を攻撃する武器でもある。
「せめて散り際は美しくあって頂戴❤️」
言葉と共に血球型偽神兵器の群れが一斉にコマンダーへ襲いかかる。
『来るな
……!!』
相対するエージェントは強化された砲撃能力で迫りくる血球の追跡者を破壊せんとするが、ここでネッドが動く。
「だいじょうぶ まかせて」
ユーベルコードを起動すれば急に雨が振り出した。
それは先に戦った雨女であるらしい竜神の悪霊とは関係なく、ネッドのユーベルコード【シェイプ・オブ・ウォーター】により降り出したソーダ水の雨はあっという間に周囲一帯を深海の環境へと塗り替えていく。
急な環境の変化に殲滅砲火形態に変形し移動すらできぬ状況のクロスファイア・コマンダーは対応できず、深海の環境下で放たれた砲撃は明後日の方向にそれて機関車から離れた大地を爆破するのみだ。
そして血球の偽神兵器は多少動きは鈍るものの追跡そのものは止まらず、オブリビオンに接近して硬化させた血を刃にして容赦なく切り刻んでいく。
鮮血を撒き散らすコマンダー、だが機械化改造された生命力によりエージェントは完全に絶命する前に足元を無理やり爆破、血球型偽神兵器の群れを真下に落下させる。
衝撃で人の形が崩れた偽神兵器には見向きもせず、殲滅砲火形態んお変形を解除したコマンダーはそのまま前方の貨物車両の屋根に飛び移り、後方の車両の連結部を爆破、シェリーやネッドが乗ったままの貨物車両を切り離した。
既に満身創痍だが、エージェントはまだ任務達成を諦めていない。目的地に到達するまであと少し、その執念を止める為の戦いは終盤戦に突入しようとしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
キノ・コバルトリュフ
キノキノ、火力が足りないんだって?
だったら、焼き舞茸はいかが?
キノ!バルくんどんどん焼いていくよ!!
トリュフ!バルくん、いい焼き加減だね。
キノも奉納の舞いを頑張っちゃうよ!
マツタケ!!おいしく焼けたかな?
●街へ災厄が辿り着く前に
満身創痍ながら機械化された体を強引に動かすエージェント――生物的な限界はとうに越えているだろうが、任務を果たす為に魂が肉体を凌駕しているのだろう。
であるならば、有無を言わさぬ超火力で跡形もなく叩き潰すのが最善。
「キノキノ、火力が足りないんだって?」
そんな風に言いながら、前方の貨物車からひょいと姿を現したのはキノ・コバルトリュフ(
キノコつむりの星霊術士・f39074)。
星霊バルカンの『バルくん』を連れた彼女は、満身創痍のエージェントとその向こうに見える切り離された貨物車両を見遣って何となく状況を把握。
「だったら、焼き舞茸はいかが?」
問いかけながらユーベルコードを起動して奉納の舞を踊り始めれば、貨物車の屋根をバルくんがたたっと走り出してクロスファイア・コマンダーの周囲を旋回し始める。
攻撃の前にオブリビオンは背のガトリング砲を殲滅砲火形態に変形、高火力の砲撃で術者の舞を止めようとする。
けれどその前に発生した炎渦がオブリビオンを包み込む。星霊バルカンの旋回に合わせ燃え上がる創世記の炎はキノの懸命な舞により完全制御されていて、貨物車両の屋根すら焼かずコマンダーのみを極大の炎熱で焼き尽くす。
「トリュフ! バルくん、いい焼き加減だね」
奉納の舞を踊りながらバルくんを褒めるキノ、その声援を受けてかバルくんの旋回速度は更に増していく。
逃れようにも逃げ場もなく、何よりユーベルコードの代償により変形中の移動力は完全に喪失している。
無理にガトリング砲を発車しようとするが、砲身が熱で拉げてしまっていたのかクロスファイア・コマンダーの直上で大爆発。
「マツタケ!! おいしく焼けたかな?」
キノが奉納の舞を終え炎の渦が消え去った後には、サメの街を狙う災厄は跡形もなく焼却され消滅していた。
猟兵とエージェントとの戦いで機関車の貨物は多少は犠牲にはなったが、本来起こる筈だった破壊に比べれば微々たるもの。
イングランドの海辺の街と街を繋ぐ蒸気機関車はこれからもこれまで通りの仕事を果たしていくだろう。
災厄の砲撃司令官を討ち果たし、街を逢魔ヶ辻の危機から救った猟兵達は無事グリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
🔵🔵🔵