闊達自在-own way-
筆、というのは道具の極みだ。
丹念に獣毛を束ね、幾度も揃えて形を整える。
持てばわかる、作り手の技と知恵。
それに応えるには、使う方にも技量がいる。
軽く添えるように指で持ち、そっと何もない場所を撫ぜる。
布石、というやつだ。
僅かな……じっと目を凝らさねばわからないほどの
きっかけを仕込んでおく。そら、こっちだ。俺だけを見な。さっき撫ぜた場所がもう何処かわからなくなった。始動するのはここからだ。勝負は一気に決めてやらァ。
筆が撫ぜた虚空より出でし、波輪がひい、ふう、みい……。
まるで罠のように、相手は飛び交う波輪のただ中に囚われた。
鋭い切断力を持つそれ、
虚空より前触れなく襲いかかるそれ、
斬るべき相手を目がけて自動的に飛んでゆくそれ。
逃げ場など端からあるものか。
「で、まだやるのかい?」
仕込みを終えた虚空を背に、笑う絵描きの名は菱川・彌三八(彌栄・f12195)といった。
●闊達自在-own way-(オウンウェイ)
『あらよ、っと。……斬れたろ?』
【筆】で虚空を薙いだ地点から、任意のタイミングで、切断力を持ち敵に向かって飛ぶ【波輪】を射出できる。
元ユーべルコード:月光斬
成功
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