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ダンス・オブ・スクール!

#サイキックハーツ #武蔵坂学園


●サイキックハーツ~武蔵坂学園~
「え!? キミってダンス得意なの!?」
 灼滅者スレイヤーたちへの互助組織でもある武蔵坂学園むさしざかがくえん。そのとある教室では、転校生の話題で持ちきりだった。
「うん。インドにいたころから踊るの好きだったんだ」
 クラスメイトに囲まれたこの少年は、インドからの転校生。質問攻めにあって少々疲れを見せているが、ダンスの話題になると楽しそうにダンスについて語る。そしてそのエピソードにクラスメイトたちの想像を刺激し、さらに期待を高めていく。
「なあ、そういえば5時間目の体育ってダンスじゃなかったか?」
「そういえばそうね! ねえ、その時にダンス教えてよ!」
 クラスメイトたちからの尊敬と期待の眼差し。それを受け流すかのように少年は微笑み、うなずいた。
「もちろんだよ。先生直伝のボリウッドダンス、みんなも楽しんでくれるといいな」
 その言葉に、クラスメイトたちはまだダンスが始まっていないのに歓声を上げていた。

 そして、4限目の終了を知らせるチャイムが終わり、昼休みがやって来た。
 教室でお弁当を広げる生徒もいたが、この武蔵坂学園にはうまい、安い、ボリューム満点と大評判の学生食堂がある。少年はクラスメイトたちに誘われ、共に食堂へと行くことになった。
「その前に、ちょっとトイレ行ってからでいいかな?」
「うん! 食堂の場所はわかる?」
 だいじょぶ、ありがとうと少年たちはクラスメイトと1度別れ、トイレへと走って行った。

「……人の姿に変身つづけるのも楽じゃないなあ」

 周りに誰もいないのを確認して、トイレの鏡の前で少年はそう呟く。
 と同時に、止めていた息を吐き出すように一瞬だけ、姿が変わった。

 派手な衣装を身に纏い、背中から翼が生えた怪人の姿に。

「……!!」
「あっ」

 元の人の姿となった少年が鏡を見ると、後ろで驚愕の表情を浮かべる男子生徒の姿があった。
 男子生徒はカバンを落とし、なにも言わずに出口へと走り出すが……それを超える速度で少年は接近、男子生徒の腕を掴むと奥へと連れ込んだ。
「おっと、逃さないよ」
「……ぁ……あ」
 微笑む少年に迫られ、男子生徒は恐怖で声が出ないまま、その後に待っているであろう死を覚悟した。

 だが少年は男子生徒に危害を加えず、いきなり踊り始める。
「……?」
 その踊りは、狭いトイレの中でも激しく、情熱的だった。やがてその踊りに巻き込まれた男子生徒は遅れを取ることのないダンスを少年と共に踊っていく……!

「ふう、やっぱり踊るのは楽しいよ。ねえ?」
「……ああ、もちろん」
 さわやかに流れた汗を拭き取る少年。それに対して男子生徒は笑みを浮かべていたが……その目には光がなかった。
「キミにお願いがある。ここで見たことは誰にも言わないこと……素晴らしダンスで世界を埋め尽くすために大切なことだ。いいね?」
「うん。わかった」
 そのボソボソ声にすっかり機嫌を直した少年は、その男子生徒とともにクラスメイトの待つ食堂へと向かって行った。

●グリモアベース
「あの情熱的な踊りを見せた少年……彼の正体は、極めて狡猾に人間に擬態したダークネスです」
 ノキ・エスプレッソ(色を求めて走るレプリカント・f41050)は、ヴィヴィットバイクのライトが映す予知を反映した映像の解説に移る。
 かつて、サイキックハーツと呼ばれる世界を支配していた邪悪な別人格『ダークネス』。全人類が寿命以外のあらゆる死を克服し、戦争や犯罪もほぼ存在しなくなったこの世界で、ダークネスたちはオブリビオンとして蘇った。
 殆どのダークネスは、敢えて意図すれば人間に近い外見へ変身することが可能だった。それを利用し一般人に擬態して「比較的小さなコミュニティ」に潜り込んでいる者もいる。あの少年もその一人なのだ。
「そのダークネスの名はインドのご当地幹部『インドマハラジャ怪人』。激しく踊ることで周囲のエスパー(サイキックハーツに住むかつての人類)を踊りに巻き込むことで洗脳、「インドダンサー戦闘員」化させる能力を持ちます」
 学校というコミュニティは小さいながらも、家族や地域と密接に結び合っている。放置していればその学校の生徒から洗脳が広がってしまうだろう。

「でも個人的にはあの羽、とても奇麗な色だから観賞用に取っておきたい……コホン、今はそう言っている場合ではありませんね。インドマハラジャ怪人の企みを阻止するため、みなさんの力を貸してください」

 猟兵たちが承諾すると、ノキはインドマハラジャ怪人を倒すための作戦会議を始める。
 相手は作戦級……大規模な軍勢を率いるオブリビオン。最初に洗脳された学生以外にも洗脳された者がいるかもしれない。うかつに接近し警戒されては危険だ。
「そこでまずは、武蔵坂学園の食堂で周りに溶け込みつつ、少年が手下を増やさないように見張りましょう」
 武蔵坂学園は猟兵の受け入れや支援を行っているため、事情を話せば入り込むこと自体は容易だろう。
 だが、授業などで姿を現せば少年は警戒する恐れがある。そこで多くの人で溢れる食堂であれば目立ちにくくなる上、少年はクラスメイトの質問攻めにあって見つかることはないだろう。

「5時間目の体育になると、少年は体育館で正体を現しクラスメイトを洗脳するダンスを始めます。すぐに戦闘を仕掛け、生徒たちを守りましょう」
 インドマハラジャ怪人はダンスで竜巻を発生させたり、ガルーダご当地怪人を召喚してくる強敵。しかも洗脳した生徒を引き連れている可能性もあるため、生徒に危害を加えないように戦う必要があるだろう。
 あるいは、彼にダンス対決を挑み勝利できれば、生徒たちにかかっている魅了を解くこともできるかもしれない。

「無事にインドマハラジャ怪人を倒したら……もしかしたら、転校生がダークネスだったとショックを受ける生徒がいるかもしれません。なので……猟兵みなさんが授業に参加することで彼らに刺激を与えてあげましょう!」
 6時間目は歴史だ。共に授業を受ける、あるいは講師として教えることで、事件の影響を少しでも流し去ることができるだろう。

「たしかにダンスも楽しいかもしれませんが、それを強要することは楽しさではありません。みんな、インドマハラジャ怪人を倒して生徒たちを正気に戻してあげてね!」

 ノキはスプラッシュ模様のグリモアを出現させ、猟兵たちへ投げつける。
 それらは色を放ち、包み込んだ猟兵をサイキックハーツへと転送させた……!


オロボ
 こんにちは、オロボです!
 本来はサイキックハーツが出て間もないころに公開する予定が、もう次の世界開放が近づいている!?

 ということで、今回の舞台はサイキックハーツ。久しぶりの3章構成ですね!
 武蔵坂学園に潜り込んだインドのご当地幹部『インドマハラジャ怪人』を倒し、生徒たちの洗脳を解放しましょう!

●第1章
 武蔵坂学園の食堂で学食を楽しみつつ、少年に化けたインドマハラジャ怪人を見張ります。
 新たに生徒を洗脳しないよう見張る必要がありますが、こちらが猟兵と分かると洗脳した生徒を連れて逃げてしまう恐れがあります。うまく溶け込みましょう。
 学食を楽しむことができれば周囲に溶け込みやすくなるので、評判の定食を食べて力をつけてもいいし、周囲の生徒の会話に混ざって仲良くなるのもアリですね!

●第2章
 体育館で正体を現したインドマハラジャ怪人との対決です!
 相手はダンスで竜巻を発生させたり、ガルーダご当地怪人を召喚してくる強敵……しかも、【危険度★★】作戦級(大規模な軍勢を率いるオブリビオン事件)に値するオブリビオン! 既に洗脳した生徒たちを戦闘員化させ引き連れています!

 洗脳された生徒たちは全員エスパーのため通常攻撃を無効化しますが、ユーベルコードによる攻撃は無力で最悪死亡の恐れがあります。生徒が死亡した場合でもシナリオは失敗とはなりませんが、第3章の雰囲気がお通夜状態になるかも……?
 一方で、猟兵がインドマハラジャ怪人にダンス勝負で挑み、勝利することで戦闘員化の効力が失われるようです!

 殺傷能力のないユーベルコードを使う、インドマハラジャ怪人だけ命中するユーベルコードで攻撃する、生徒たちには効かない通常攻撃で勝負するなどで、生徒を傷つけずインドマハラジャ怪人を倒しましょう!
 もちろん、ダンスに自信があればダンス対決に挑み、生徒たちの洗脳を解くのもいいでしょう!

●第3章
 洗脳が解かれた生徒たちとともに授業を受けます。
 洗脳された生徒の中には転校生がダークネスだったとショックを受ける人もいるかもしれません。
 生徒たちと交流しながら授業を受ける、あるいは講師として教えるなどして授業に参加し、事件の影響を少しでも流し去ってあげましょう。

 おいしい食事にダンスにお勉強!
 学園を楽しみつつ、インドマハラジャ怪人を倒しましょう!
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第1章 日常 『武蔵坂学食探訪』

POW   :    ボリューム満点の定食を注文する

SPD   :    手軽に食べられる軽食やカフェメニューを頼む

WIZ   :    食事もそこそこにおしゃべりに興じる

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アンリミテッド・ワールド
アドリブ・連携歓迎

 まさか、我らが武蔵坂学園の学内に復活ダークネスが侵入しているは……。
 我が魔法でさっさと排除してしまいたいところですが、エクスブレイン……ではなくグリモア猟兵か、グリモア猟兵の警告には耳を貸すべきでしょう。

 とはいえ、教師が生徒を監視しているという様子は些か具合が悪いですね。
 よし、ここは我が魔法【18歳変身】で18歳の姿に戻りましょう。懐かしき《武蔵坂学園制服》に身を包み、アリスにも同じく《武蔵坂学園制服》を着てもらい、カップルを装います。

 そうですね、勝つにかけて、カツカレーでも食べながら、「転校生に興味があるけど声をかけられない」みたいな【演技】でこっそりと監視



「まさか、我らが武蔵坂学園の学内に復活ダークネスが侵入しているとは……」
 武蔵坂学園で教鞭を振るうアンリミテッド・ワールド(愛に生きる魔法使い・f43931)、通称アンリは、昼休みの廊下を歩きつつ現状を振り返りながら呟いた。
 猟兵としては初陣となるが、彼はダークネスと戦ってきた灼滅者。1度は一線を退いて武蔵坂学園の教師として就職したものの、ダークネスの復活により戦場に舞い戻ってきたのだ。
「我が魔法でさっさと排除してしまいたいところですが、エクスブレイン……ではなくグリモア猟兵か、グリモア猟兵の警告には耳を貸すべきでしょう」
 そんなアンリの話を、かつて失った愛する人の姿をしたサーヴァント『アリス・リデル』は隣で相づちを打つように頷いていた。
 教師として生徒たちを守るため、そしてアリスを復活ダークネスから守るため、アンリは食堂へと歩みを進めていく。
「とはいえ、教師が生徒を監視しているという様子は些か具合が悪いですね……よし」
 何かを思いついたアンリは1度立ち止まると、アリスと顔を合わせ、ともに頷いた。



 たくさんの生徒たちで溢れる食堂。
 インドマハラジャ怪人である姿を隠した転校生の少年は、教室の時と変わらず他の生徒に囲まれている。

 そこから少し離れた場所で、2人の生徒がテーブルにトレイを置き、席についた。
(この制服も懐かしいですね……)
 その内の男子生徒は……自身の魔法で18歳の姿となったアンリだった。隣に座るアリスにも武蔵坂学園制服を着せて、転校生に興味があるけど声をかけられない演技で転校生をこっそり監視していたのだった。
 アリスと共に転校生の少年に目線を向けつつも食事を楽しむその様子は、他の生徒から見てもお似合いのカップルのように映っていた。

 だが、ここで想定外の出来事が起きた。隣に座っていたアリスが、転校生の少年とは別の方向を向き始めたのだ。
 その方向を見てみると……2人組の別の生徒がこちらを見てヒソヒソと話し合っている。アンリが受け持つ授業に参加していた生徒だ。その様子から、彼はこの状況を理解した。

 赤い瞳に金髪……そして顔の特徴の、一致。
 彼らは目の前のカップルの片方が、アンリであるかもしれないと考えているのだ……!

 なぜ自分の知っている先生が18歳の姿で生徒に扮しているのか?
 悪気のない好奇心から席を立って近づいてくる生徒たち。だがここで騒がれてしまえば転校生の少年に気づかれてしまう……!

 その時、アンリはアリスの手を握ることで彼女の不安を沈めさせた。
 そして、こちらにやって来る生徒を待ち受ける。

「あの、もしかしてアン――」
「……」

 声をかけてきた生徒に対しアンリは何も言わず人差し指を立て、アイコンタクトを送った。
 2人の生徒はお互いに顔を合わせたかと思うと、アンリの名前を出すことなくなにげない会話をした後、そのまま元の席に戻っていった。

 目的である転校生の少年を見てみると、先ほどと変わらず周りの生徒と会話している。危ないところだったが、騒ぎになることなく転校生の動向を探り続けることができそうだ。
 アンリは隣のアリスと顔を合わせて、微笑んだ。

 さっきのアイコンタクトで事情を汲み取ってくれた生徒たちに感謝しながら、アンリは注文したカツカレーを口に運ぶ。カレーの辛さとカツの食べ応えの組み合わせが、今後待ち受けている戦闘の勝利を応援しているようだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

守安・結衣奈
久し振りの武蔵坂学園、懐かしの我が母校だけどダークネスの侵入を許している様子。
これはOGとして放っては置けないよ!
灼滅者改め、猟兵としての再びの戦いに赴く時、だね。

とは言いつつも、まずはご当地怪人を見張るのがお仕事。
18歳変身とお久しぶりの武蔵坂学園の制服を着て、紛れ込むよ!

学食も変わらないな~と懐かしみつつ、
転校してきたばかりという体でお勧めのカフェメニューを並んでいる生徒に聞く!
そして学校の事を教えて欲しいという感じで、今の学校生活と共にダークネス……じゃなかった。
オブビリオンの事も自然に聞きだして情報収集!

青春時代を送る若人達につい大人の笑みを浮かべながら溶け込んで監視の目をキュピーン!



「久し振りの武蔵坂学園、懐かしの我が母校だけどダークネスの侵入を許している様子……これはOGとして放っては置けないよ!」
 母校の様子を見ていた守安もりやす結衣奈ゆいな(叡智を求導せし紅巫・f43908)は、懐かしさを感じながらも改めて自身を鼓舞する。
「灼滅者改め、猟兵としての再びの戦いに赴く時、だね」
 今は一児の母となったが、アンリに続き彼女もまたダークネスの復活を機に再び武器を手に取った灼滅者。その真紅の瞳に叡智の探求による輝きを秘め、武蔵坂学園の食堂へと向かった。

「学食も変わらないな~」
 18歳の姿となり、7年ぶりの制服を身に包んだ結衣奈は、生徒たちで賑わう食堂の中を歩く。目的である転校生の少年は相変わらず生徒たちに囲まれており、その輪に入ることは難しいだろう。もちろんそれは結衣奈だけではなく、他の生徒たちも同様だ。
 自分の時には見かけなかったカフェのメニューの数々に目を通すと、結衣奈は転校生の少年から離れた席にいる生徒たちへと近づいていく。

「ねえ、ちょっといいかな?」
「え……? あなたは……」
 焦らず結衣奈は転校したばかりであると伝えると、3人組の生徒たちはすぐに輪に入れてくれた。インドからの転校生で盛り上がっている中で、さらにもうひとりの転校生の登場。生徒たちが結衣奈に興味を示すのは必然だった。
「カフェでおいしいメニューとかあるかな?」
「それならやっぱりアレだね!」
 教えてもらったのは、今の時代の流行を取り入れたスイーツ。その見た目は7年間の進化を感じつつも、口に入れると新鮮かつどこか武蔵坂学園らしい味わいが広がった。

 3人組も同じスイーツを頼み、結衣奈に様々な質問をする。それにうまく対応しつつも、結衣奈は今の学校生活についてたずねることで情報を引き出すきっかけを作る。
「そういえば、もう1人転校生がいるみたいだけど、どんな子なの?」
「あなたもやっぱり気になる? あの転校生、インドから来たみたいなんだけど……」
 そして話題は、転校生の少年へと移り変わる。今日やってきたばかりでまだまだ謎の多い少年。3人組みの生徒から得られる情報は限られたが、彼女たちが転校生の少年にどのような魅力を抱いているのかを知ることができた。
 その魅力とは、自分たちにはあまり馴染みのない異国からやってきたという謎めいた雰囲気。ダンスで魅了するインドマハラジャ怪人の戦略を考えれば、これも有益な情報であろう。

「それにしても、彼って家族と日本に来たのかしら?」
「もし1人だったら引っ越し大変よね。だったら、労いも兼ねて歓迎会してあげましょうよ!」
「ちょっと、結衣奈さんも忘れてないでしょうね? 2人の歓迎会にしないと!」

 歓迎会の話題へと移り、盛り上がる3人の姿はまさに青春ならでは。
 すっかりこの場に馴染んだ結衣奈は少年への監視の目を光らせつつも、輝かしい青春時代を送る彼女たちの会話を聞き、懐かしさからつい大人の笑みを浮かべるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・カガミ
あたしも本業が踊り子だから放ってはおけないわね。
あたしは幸い小柄だから制服を着て学生として紛れ込むわ。
あたしも踊りが得意分野だからそれを生かしてダンスをやっている学生として問題の学生に近づいてみるわ。
あたしはヨーロッパや南米系、向こうはインドだから踊りの形は違っても共通する分野で話せるし、実際に踊れるから怪しまれにくいから。
変に遠巻きで見てるよりはこうやって入り込んだ方がかえって怪しまれにくいと思うから。
向こうも自分に興味を持ってくれる=洗脳しやすい、と思ってくれるだろうから。



「あたしも本業が踊り子だから放ってはおけないわね」
 武蔵坂学園の食堂へ訪れたステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)は先行した2人の猟兵と同じように制服を身に包んでいた。2人と違う点は18歳変身の能力を使っておらず、元々の小柄な体格を活かした変装であることだ。
 目的である転校生の少年は、周りに集まる生徒の存在もあって後から話しかけるのには勇気がいるだろう。それでも、ステラは臆することなく少年の元へと歩いて行く。

「あなたが噂の転校生さん? ダンスを嗜んでいると聞いたけど」
「……? 君は?」
 自身もダンスをやっているここの学生であると伝えると、「おお!」と声が上がる。少年もその言葉に、興味を持つように笑みを浮かべた。もちろんそれは、共通の話題があることと自身に興味を持ってくれることから洗脳しやすいと判断したが故の笑み。だからこそ、警戒されることなく入り込むことができた証であろう。

 ヨーロッパや南米系発祥の踊りを得意とするステラと、インドでダンスを学んだ転校生の少年。
 踊りの形こそ違えど、ダンスであることは違いない。共通する分野で盛り上がる2人の会話は、実際に踊れる者だからこその体験談も混じることで、周りの生徒たちが2人のダンスの腕を疑うことはなかった。

「ところで、君は僕とは別のクラスみたいだけど……君にもぜひ僕のダンスを見せたいな」
 社交的なステラとの会話で非常に充実感を覚えたのか、少年はステラを誘う。
「今日の放課後、体育館裏にこれるかい?」
 そんな少年の言葉に、周りの生徒はさらに盛り上がる。
「体育館裏……つまり決闘!?」
「ってことはダンスバトルってこと!?」

 高揚感故だろうか、生徒たちが違和感に気づくことはなかった。
 この武蔵坂学園には様々なクラブ活動が存在する。ダンスを専門とするクラブがあればいつも使っている練習場所があるはずだ。それを差し置いて提示した場所は、少年にとって都合のいい場所であることは間違いない。
 考えられることは、既に手下にしたインドダンサー戦闘員化したエスパーの集合場所。もしもそれ以前で手下にした学校用務員など生徒以外のエスパーがいれば、彼らはきっとそこで待ち伏せているだろう。

「ええ。もちろんよ」
 違和感には触れず、あえてステラはその勝負に乗った。どちらにせよ、自分たち猟兵が次の5時間目でその企みを阻止するのだから。
 ステラは手にした情報は、学校の教職員に伝えることができれば増援を防ぐことができる。もしまだ学校の食堂に猟兵が残っていたら、彼女はアイコンタクトで合図していたかもしれないだろう。それほどまでに重要な情報を引き出すことができたのだ。

 やがて、昼休みの終わりも近づいてきた。
 少年はステラに別れを告げると、他の生徒とともに体育の授業へと向かって行った。

(それにしても、本当なら昼休みの間に2、3人ぐらい増やしたかったんだけどなぁ……)
 転校生の少年……インドマハラジャ怪人は、計画がうまくいかなかったことに若干の不安を覚えていた。警戒するほどではないものの、なんとなく視線が多く感じたことから付近の生徒を誘うことができなかったのだ。
 それが猟兵たちの活躍によるものであることを、今の少年は知るよしもなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『インドマハラジャ怪人』

POW   :    インドタイフーン
【激しいダンス】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【竜巻】で攻撃する。
SPD   :    ガルーダ舞踏撃
レベル体の【ガルーダご当地怪人】を召喚する。[ガルーダご当地怪人]はレベル×5km/hで飛翔し【踊るような連続攻撃】で攻撃する。
WIZ   :    マハラジャステップ
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【インドダンサー戦闘員】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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 生徒たちにとって、待ちに待った体育の授業がやって来た。
 ちょうど授業内容がダンスであったこともあり、少年はお手本として生徒の前で踊ることとなった。体操服を身に包んだ少年が前へ出ると途端に歓声が上がる。

「それじゃあ、さっそく始めよう……その前に、みんなに紹介したい人がいるんだ」

 そのセリフとともに、少年は手を叩く。
 瞬間、彼の両隣に半人半鳥の怪人が現われる。突然の出来事に生徒たちはもちろん、その場にいた教員も言葉を失う。ただ1人、少年だけがいつもと変わらない笑みを浮かべていた。
「心配することはないよ……彼らは仲間だから。僕のダンスを盛り上げてくれる仲間……君たちだってそうさ」

 少年の姿が、本来の姿であるインドマハラジャ怪人へと変わっていく……!

「ッ! み、みんな逃げろッ!!」

 叫んだのは、後列にいた生徒。
 先ほどの昼休みに知っている教師によく似た男子生徒と接触した彼は今、あのアイコンタクトがこのことを意味していたと理解し、インドマハラジャ怪人が危険であること気づいたのだ。

 だが、その叫びも空しく最前列にいた生徒は踊り始めたインドマハラジャ怪人に心を奪われていた。
 バッグダンサーであるガルーダご当地怪人とともに踊る情熱的なダンスの虜となり……インドダンサー戦闘員として、共にダンスを踊り始めた!!
「早く出口に!!」
 開かれた出口に向かって走るまだ洗脳されていない生徒たち。
「逃がさないよ」
 そんな彼らを取り囲むインドダンサー戦闘員たち。そしてその輪に、一歩ずつインドマハラジャ怪人が近づいてくる……!

 一方で、インドマハラジャ怪人の方も内心では焦り始めていた。
(予め洗脳していたインドダンサー戦闘員……なぜ来ない?)
 チラリと近くの出口を見る。本来ならあの扉から増援がやって来るはずだったが……!

 その扉は、猟兵から情報をもらった教職員が施錠していたのだ!
 ダンスについて行ける戦闘員になったとはいえ、元は普通の学生。数人がかりでも蹴破るには時間がかかるだろう。他の扉も同じように施錠されており、生徒の脱出口兼猟兵の進入口のために唯一開かれた扉は別の体育の授業が行われている運動場から丸見え。大勢に見られたら計画が台無しになると判断して、彼らは体育館裏で立ち往生していたのだ。

 それに加えて、猟兵と接触した生徒の声がけによって予定よりも多くの生徒が洗脳する前に逃走を始めている。猟兵から見れば洗脳されている生徒が少ない状態で戦えるだけでなく、協力を持ちかけることのできる生徒が多い状況だ。

 また、猟兵の活躍によって「転校生に対する魅力が自分たちにはあまり馴染みのない異国からやってきたという謎めいた雰囲気からによるもの」という情報も手に入っている。ダンス勝負に勝利し洗脳を解く程の効果ではないものの、その情報を活かして雰囲気に流され魅了されていることを訴えれば戸惑いから動きを止められるかもしれないだろう。

 追い詰められる生徒たちだが、インドマハラジャ怪人もまた追い詰められている。
 さあ急げ! ダンスに支配されつつある武蔵坂学園の体育館へ!!
アンリミテッド・ワールド
 アドリブ・連携歓迎

 現れたな、復活ダークネス。
 久しぶりだが、戦いの時だ。
 《スレイヤーカード》を構え合言葉を唱える。
「僕らの魔法の時間だ」
 《使い古されたサイキックソード》を構える。
 敵は数で攻めてくるか。ならば!

 サイキックソードを手に、真正面から、敵首魁に向けて攻撃を仕掛ける。
 【斬撃波】を飛ばしながら牽制しつつ、肉薄。近接戦闘に移行する。

 全員の注意がこちらに向いたら、UC発動。
「ユーベルコードとなった我が魔法を見るが良い!」
 …‥思ったより遠くまで吹雪くな。昔はこんな広範囲に届かなかったからな

 後は、アリスの【不意打ち】を交えつつ、確実に敵を削っていく。



「に、逃げ場が……!」
 出口を前にしてインドダンサー戦闘員に囲まれ、逃げ場を失った正気の生徒たち。彼らは戦闘員の踊りを見ないように頭を抱えるが、近づいてくるステップのリズムに思わず釣られそうだ。
「怖がらなくてもいい。君たちも一緒に踊るんだよ」
 少年に化けていた時と変わらない声色で誘いながら、インドマハラジャ怪人が生徒たちに近づいていく……!

 その歩みを止めたのは、侵入者が体育館へと足を踏み入れた音だった。

「現れたな、復活ダークネス」
 その言葉がインドマハラジャ怪人へと投げかけられた時、生徒の一人が戦闘員の足の隙間から侵入者の姿を見た。
「久しぶりだが、戦いの時だ」
「ア……アンリ先生!」
 アンリミテッド・ワールド(愛に生きる魔法使い・f43931)はその声に頷くと、1枚のカードを取り出す。
「……やっぱり灼滅者、君らの仕業か。いや、今は猟兵っていうんだっけ?」
 やれやれと言いたげに両手を挙げつつ、インドマハラジャ怪人は指を鳴らしてユーベルコード『ガルーダ舞踏撃』を発動。現われたガルーダご当地怪人が軽快なステップを踏みながら跳躍する!
(敵は数で攻めてくるか。ならば!)
 こちらへと飛びかかるガルーダたちを見てもなお取り乱すことなく、アンリはその言葉を口にした。

「  僕らの魔法の時間だ  」

 すると彼が手にしていたスレイヤーカードが輝き、その手にサイキックエナジーで出来た剣が現われる! 幼少期から使ってきたサイキックソードを構え、アンリは真正面から立ち向かう。
 襲いかかるガルーダを斬撃波で牽制しつつ、首魁であるインドマハラジャ怪人へと肉薄! サイキックソードを振り下ろす!!
 インドマハラジャ怪人は持ち前の身のこなしでかわすが、近接戦闘に移行したアンリの猛攻は止まらない。育てられたころから師匠に鍛えられてきた彼の剣術に、インドマハラジャ怪人は回避以外の選択肢を取ることができなかった。

 追い詰められる首魁を、手下たちは見過ごすわけにはいかない。ガルーダはもちろん、洗脳されたインドダンサー戦闘員たちも正気の生徒たちからアンリへと狙いを変える。
 全員の注目がこちらに来ているのを確認したアンリは1度インドマハラジャ怪人から距離をとった。
「やはり使い慣れた技が一番だ。ユーベルコードとなった我が魔法を見るが良い」

 その声とともに体育館を駆け抜けるのは、吹雪。

 正気の生徒インドダンサー戦闘員を避け、インドマハラジャ怪人とガルーダへと迫る!

 次々と凍結していくガルーダたち。一方で、敵味方を区別する吹雪は洗脳された生徒であるインドダンサー戦闘員を守るべき味方と認識し、正気の生徒を襲わないように彼らの周囲を塞いだ。
「…‥思ったより遠くまで吹雪くな。昔はこんな広範囲に届かなかったからな」
 灼滅者の時から使ってきたサイキック……改め、ユーベルコード『フリージングデス』。より強くなった自身の能力に感心しつつも、アンリは走り出す。
 凍結したガルーダをサイキックソードで各個撃破しつつ、インドマハラジャ怪人へと向かう!
 一方のインドマハラジャ怪人もダンサーとしての意地を見せ、踊ることで吹雪によるダメージを受けつつも凍結を免れていた。アンリの接近を狙って構えを取る……!

 だが、アンリにとって大した問題ではない。

 愛する者が、いるのだから。

「!?」

 後ろからの攻撃によって、インドマハラジャ怪人は大きくのけぞる。
 アンリのビハインド、アリスによる不意打ちだ!

「  溶けない氷の中で眠れ  」

 すぐさま、アンリの一太刀。続けてフリージングデスによる吹雪がインドマハラジャ怪人を襲う!
 アンリとアリスの息があった連携は、まさしく氷の上のデュエットダンスだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

守安・結衣奈
増援も断てて、洗脳もそこまで広がるのを阻止しているね。
怪人と生徒達の間に割り込みむよ、
ここで逃がさずに灼滅させて貰うよ!

みんな、雰囲気に流されちゃだめだよ!
ここはわたし達が受け持つから、押さず、駆けず、喋らずに出口へ、だよ!

敵の攻撃は集中力を高めて敵の動きを見切った上で受け流しつつ、
カウンタ―で櫻芳烈から桜吹雪を発生させて視界を奪いながらや、斬撃波で牽制しつつ斬撃痕を置いて発動させたりして。
変幻自在にこちらも舞いながら敵の精神力を削って肉体を傷つけずに倒して、本体にも襲い掛かるよ!
生徒が変化している戦闘員の場合は殺してしまわない様に注意しつつ、精神力を奪うか、峰打ちで物理的にダウンして貰うよ!



 アンリのフリージングデスによる吹雪が止むと、体育館の出口にもうひとりの元灼滅者……改め、猟兵が立っていた。
「増援も断てて、洗脳もそこまで広がるのを阻止しているね」
 守安もりやす結衣奈ゆいな(叡智を求導せし紅巫・f43908)は正気を保っている生徒たちを見て一息つく。それでも油断している場合ではないとその手にある刀を構える。

「これぐらいで、僕のダンスは止められないよ……さあ、ダンス再開だ!」

 吹雪によるダメージによろめきつつ立ち上がるインドマハラジャ怪人。すぐに負傷前と変わらない動きで踊りつつ指を鳴らし、再びユーベルコード『ガルーダ舞踏撃』を発動!

 現われたガルーダご当地怪人は空高く舞い上がり、安心して気を許していた正気の生徒たちはその舞に釘付けとなる……!

「みんな、雰囲気に流されちゃだめだよ!」
「「「ッ!」」」
 その声に、我に返る生徒たち。すぐに結衣奈が前に躍り出て飛びかかろうとしたガルーダと生徒との間に割り込んだ!
「ここはわたし達が受け持つから、押さず、駆けず、喋らずに出口へ、だよ!」
 その指示に従い、出口へと向かう生徒たち。一方の結衣奈はガルーダたちに囲まれるものの、集中力を高めることでその跳躍の軌道を見切り、刀で受け流す。そして反撃の一手へと打って出た!

「  力を貸して、櫻芳烈!  」

 刀で振りかぶった瞬間、その刀身から現われた花吹雪がガルーダたちの視界を奪った!!

 その刀は、樹齢を重ねた櫻の根本で清浄な霊気を蓄えた霊刀『櫻芳烈』。その霊気を活用した結衣奈のユーベルコード『嵐櫻華ランオウカ』で櫻の花弁の花吹雪を発生させたのだ!
 続けて牽制の斬撃波が床や壁に斬撃痕を残す。嵐櫻華の効果によりその斬撃痕が飛び出し包み込まれたガルーダたちは次々と倒れていく……!

「まったく、本当に容赦ないね……みんなで踊れば傷つく者なんていないのに」
 この状況であっても、インドマハラジャ怪人は不敵に笑う。
 結衣奈へ向けて腕を上げると、洗脳された生徒たちインドダンサー戦闘員が駆け出し始める! 守るべき対象である生徒を傷つけることはできない。そう判断したインドマハラジャ怪人の策略だ。

 だが、彼は倒れているガルーダたちを見て、それが浅はかな考えであったことに気づく。

(ガルーダが……まだ生きている??)

 ガルーダたちの体には、どこにも傷がない。だが彼らは起き上がろうとはせず、ただ天上を見上げているだけの戦意喪失状態だった。

 嵐櫻華による花吹雪が持つ能力の本命、それは邪気を祓う、幻惑させるなどで精神エネルギーだけを攻撃する能力だった。
 結衣奈は変幻自在に舞い、櫻芳烈を振るう。周辺にばらまかれた花吹雪で精神力を奪い、肉体を傷つけることなく生徒たちを倒していく。間合いに入ってきた生徒たちも、殺してしまわない程度に抑えた力による峰打ちで無駄なく無力化する!

「ッ!」

 その動きを止めないまま、思わず見とれていたインドマハラジャ怪人へと襲いかかる!!

「芳醇な櫻の匂いに包まれた櫻吹雪で、鎮めて魅せるよ!」

 花吹雪と剣術を組み合わせたその舞は、インドマハラジャ怪人に傷口と花吹雪を咲かせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・カガミ
とうとう正体を表したわね。
あたしも踊り子だからダンスでマハラジャステップに対抗するわ。
体育の時間だったのが運の尽きね。
制服ならともかく動きやすい体操着なら普段の踊り子の衣装と同じように踊れるわ。
あたしのヨーロッパの華麗さと南米の情熱を込めた踊りに歌(シンフォニック・キュア)を乗せてマハラジャステップで洗脳された生徒たちを洗脳から回復させるわ。
怪人から生徒たちを引き離せれば他の人たちが戦いやすくなるはず。
(あたし自身は戦いは本業じゃないし)
怪人が妨害を仕掛けてきたら怪人の手を取って無理やり踊りに引き込んで生徒たちに近づけないようにするわ。
『ねぇ、せっかくの特別なステージだし、あたしと踊らない?』



「インドダンサー戦闘員、まだそんなものじゃないだろう?」
 結衣奈の一撃をもらったインドマハラジャ怪人だったが、それでもまだ倒れる気配はない。結衣奈の嵐櫻華によって気を失っているインドダンサー戦闘員と化した生徒に話しかける。
「さあ立ち上がって。君たちの情熱を届けるんだ」
 そう言ってインドマハラジャ怪人は軽快なステップを踏み始めると、気絶していたはずの生徒たちが起き上がり始める! 死亡もしくは気絶した対象を戦闘員に変えて操る彼のユーベルコード『マハラジャステップ』だ。

「とうとう正体を表したわね」

 そんなインドマハラジャ怪人のステップを止めたのは、体育館に響き渡る声だった。
「……やっぱり、君も猟兵だったんだ」
 先ほどの昼休みで少年と顔を合わせ、増援を断つことができる情報を入手したステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)は、体操着姿でインドマハラジャ怪人と対峙する。
「体育の時間だったのが運の尽きね」
 あの後も情報収集を続けていたのか、もしくはこの生徒たちに紛れて様子をうかがっていたのか。いずれにせよ、彼女の言う通り体操着姿で挑めた点は大きい。もしも動きづらい制服であったら、これから挑む決闘に支障が出ていただろう。
「なるほど。やっぱり君は踊りで勝負するのか」
 彼女の言葉から意図を汲み取ったインドマハラジャ怪人は、動きだそうとしたインドダンサー戦闘員を静止する。

「それならば、ダンス対決と行こう!」

 その言葉を合図に、2人は踊り出す。
 ステラはヨーロッパの華麗さと南米の情熱を込めた踊りに、ユーベルコードを込めた歌を乗せる。一方、その歌をかき消してしまうほどの激しい情熱を秘めて踊る。
 2人の踊りを眺める、インドダンサー戦闘員のその虚ろな目が、徐々に光を取り戻す。

 やがて、1人のインドダンサー戦闘員が声を上げる。

「!? あれ? アタシたち、何してたんだろう??」

 このダンス対決を制したのは、歌を乗せたステラを踊りだ。歌に込めたユーベルコード『シンフォニック・キュア』には歌声を聞いて共感した対象全てを治療する能力を持つ。その治癒能力と、インドマハラジャ怪人の舞に食らいつかんとばかりの情熱で生徒たちの洗脳を解いたのだ!
 ステラがすぐに生徒たちへと目配せをすると、生徒たちはすぐに出口に向かって走り始める。
「ッ! しまった!!」
 インドマハラジャ怪人はダンスを止めずに、生徒の逃走を妨害しようと向かい出す。
「ねぇ、せっかくの特別なステージだし、あたしと踊らない?」
「!?」
 しかし、ステラのダンスもまだ終わっていない。インドマハラジャ怪人の手を取って無理やり踊りに引き込み、生徒たちから引き離していく!
(あたし自身は戦いは本業じゃないし)
 戦いが本業でなければ、自分ができることをすればいいのだ。生徒との距離が他の猟兵が戦いやすくなるまで、ステラはインドマハラジャ怪人と華麗なダンスを続けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

不破・静武(サポート)
年齢イコール彼女イナイ歴なので基本的な行動原理は「リア充爆発しろ」「リア充は死ね」です。オブリビオンは彼の中では全員リア充です。リア充に見えそうにないオブリビオンに対しては最初はやる気なさそうにしますが、状況を前進させる意思は一応あるので無理やり理屈をつけてリア充と決めつけます。一度敵とみなせば以降はもう容赦はしません。
オブリビオンに対しては基本的には『リア充ころし(焼却)』と『ガソリン』を併用して消毒という名の焼却を図ります。状況に応じて『リア充ころし(爆破)』や『リア充爆破スイッチ』等を併用して物理的にリア充爆発しろを実現させようとします。
見た目がやられ役なので逆襲くらう展開も可能です。



「くっ……やってくれるね」
 ステラのシンフォニック・キュアで生徒たちを洗脳から解放され、さらにステラ本人によって大きく引き離されてしまったインドマハラジャ怪人。得意のダンスも破られたことで猟兵という存在の恐ろしさとともに、自身の目的を果たすために乗り越え泣けばならない敵と認識した。
 誇りをかけて闘志を燃やし、インドマハラジャ怪人は出口から出ようとしている生徒たちに向かって走り始める……!

 だが、同じように闘志を燃やす者が1人、ここにいた。

「待てェ!」
「ッ!?」
 突然後ろからガソリンを浴びせされ、振り返るインドマハラジャ怪人。その先にいた不破ふわ静武しずむ(人間の非モテの味方・f37639)は、火炎放射器をインドマハラジャ怪人に向けて、炎を放った。
 年齢イコール彼女イナイ歴。生来の挙動不審で情緒不安定、おかしな言動から引き籠もりとなった静武。オブリビオンとの遭遇をきっかけに異能を得た彼は己の信じる正義モテない男女のためにオブリビオンとリア充と戦ってきた。そんな彼にとって、ダンスをたしなみクラスメイトに囲まれるインドマハラジャ怪人は青春を謳歌する立派なリア充なのだ。
「驚いた。君みたいなのも猟兵と呼ばれるのか」
 得意のステップでかわしたインドマハラジャ怪人は、その見た目からは想像できない炎の火力を見て気を引き締める。怒りに燃える静武と目的を果たさずには帰れないインドマハラジャ怪人。両者はお互いに、倒すべき敵と認めたッ!

「リア充は死ね!」「猟兵には死んでもらう!」

 激しく踊りながら炎を避けるインドマハラジャ怪人。一方で静武も『リア充ころし(焼却)』と呼ばれる火炎放射器を操り、休む暇も与えず追い詰めていく!
「乱暴者には、自身の炎で黒焦げになってもらおうか!」
 するとインドマハラジャ怪人はその踊りに回転を加え、自ら炎を纏う! その舞はユーベルコード『インドタイフーン』によって竜巻となり、炎を絡め取り静武に向かって放たれる……ッ!

「ッ!?」

 そのはずだった。
 絡め取ったはずの竜巻は周囲の炎に取り込まれ、その炎はインドマハラジャ怪人へと近づいている!

「  リア充は消毒だ~~!!  」

 静武はリア充ころし(焼却)のトリガーを握る手に力を込める。そこから放たれるのは、静武のリア充への怒りにより生み出されたもの。ユーベルコード『汚物は消毒だリアジュウハショウドクダ』によってその怒りを具現化した炎が、体に付着したガソリンに引火しインドマハラジャ怪人を包み込んだ!
 火だるまとなり踊りどころではなくなったインドマハラジャ怪人。そんな彼に向かって、静武はリア充爆破スイッチを取り出し、憎しみをこめてスイッチを押す……!!

 体育館の中で、花火が如き爆発音が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
みんなで踊れば傷つく者なんていないのに――ね。
踊りで洗脳して戦闘員に仕立て上げている奴がよくそんなことを言えるわね。
第一、心を揺さぶるんじゃなく、強制的に操るための手段にするだなんてダンスに失礼じゃないの?

周囲に展開した《領域》で敵や周りの人達の動きを把握。
敵が竜巻を放ってきたなら、UCを用いてすぐに反射。被害を敵にのみ与えるようにする。

せっかくだから、無理矢理ダンスをさせられる感覚、貴方にも味わわせてあげる。

念動力を用いて敵の四肢、首、翼を強制的に動かす。
残念ながらダンスの知識は持ち合わせていないので、関節などお構いなくバキバキに。

ダンスを十分に堪能してもらったら、《還送》の力を叩き込む。



「よ……よくも……」
 幸いにも体育館は大火事にはならなかったものの、炎と爆発を受けてボロボロとなりながらもインドマハラジャ怪人は立っている。自身のダンスと計画を打ち破る猟兵に対して脅威から怒りの対象へと変えて。
猟兵おまえたちさえいなければ……! みんなで――」
「みんなで踊れば傷つく者なんていないのに――ね」
 そんなインドマハラジャ怪人に対して、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は自信を持った表情で彼の言葉を先読みして現われる。
「それにしても、踊りで洗脳して戦闘員に仕立て上げている奴がよくそんなことを言えるわね」
「ッ! おまえもか……!」
 インドマハラジャ怪人はすぐさま構えを取るが、アレクシアはその場に立ったまま話を続ける。
「第一、心を揺さぶるんじゃなく、強制的に操るための手段にするだなんてダンスに失礼じゃないの?」
 そう言い放った瞬間、アレクシアは横へと移動する。その横を、インドマハラジャ怪人の飛び蹴りが通過する。奇襲に対してアレクシアが焦ることなくかわせたのは、強化された念動力を基礎とした超能力のひとつ、『領域』によるもの。周囲に展開した物理的存在から概念的存在まで認識可能な領域で、敵や周りの人達の動きを把握していたのだ。

「いいや! ダンスは心を1つにするためにあるのさ! 手段は関係ないッッ!」

 その飛び蹴りの勢いを殺さず、インドマハラジャ怪人は激しいダンスへと移行。今度は避けられまいと放ったのはユーベルコード『インドタイフーン』による竜巻だ!
「これは僕が、ダンスで1つにするために生み出した力さ!」
「そう。それならこっちは――」
 竜巻が迫っても、アレクシアは微動だにせず微笑んだ。

「  貴方達と戦うために生み出した力よ  」

 瞬間、竜巻は起動を180度変え、インドマハラジャ怪人の方へ戻っていくッ!

「な――ッッ!!!」

 ユーベルコードを抹消、反射又は複写。攻撃が命中した箇所を破壊するアレクシアのユーベルコード『対抗カウンター』。それによって反射された竜巻にインドマハラジャ怪人は巻き上げられる!

「せっかくだから、無理矢理ダンスをさせられる感覚、貴方にも味わわせてあげる」
 床にたたきつけられたインドマハラジャ怪人を見下ろし、アレクシアは手を伸ばす。瞬間、インドマハラジャ怪人の四肢、首、翼が本人の意志に反して動き出す……!!
 ダンスの知識は持ち合わせていないアレクシア。彼女の提案するダンスは、尋常ではないほど強化されたその念動力で関節などお構いなくへし折っていく。その痛みの絶叫とともにインドマハラジャ怪人は地を這いながら歪なダンスを踊る。

「ま……まだだ……僕のダンスは……こんなものでは……!」
「堪能した? それじゃあ、さようなら」

 それでもなお動きだそうとしたインドマハラジャ怪人に対し、アレクシアはオブリビオンを骸の海に還す力を生み出す超能力回路『還骸回路』を作動させ、その力をたたき込んだ。
 1人ではない、複数の意識が宿っているようなその赤茶色の瞳に標的を映しながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。



「ま……まだだ……」

 アレクシアによって還送の力をたたき込まれたインドマハラジャ怪人。それでもすぐに消滅することなく、まるで執念だけで還送の力に抗っているように、彼はまだ存在し続けていた。

「僕のダンスで……1つにするまで……! 消えてたまるかああああああ!!!」

 するとインドマハラジャ怪人は閉じられた扉へと走り出し……跳び蹴りで蹴破った!!

 その先にいたのは、気を失って倒れている子供たち。
 猟兵たちがやってくる以前に、インドマハラジャ怪人が洗脳していた生徒たちだ。ステラとのダンス対決に敗れたことで洗脳は解かれたものの、長時間の洗脳となんども扉を蹴破ろうとした疲労により気を失っていたのだ。
 還送の瀬戸際で扉の施錠で増援がこなかったことを理解したインドマハラジャ怪人は、ユーベルコード『マハラジャステップ』で再び洗脳させようと踊り出す……!

「  この波長……見きった!  」

「ッ!?」
 瞬間、インドマハラジャ怪人は突如現われた衝撃波によって体育館の中へと吹き飛ばされる。
 起き上がろうとしていた生徒たちも、再び地面へと崩れ落ちる。

「間に合ったみたいですね」
 生徒たちの様子を見て、ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)は安心したように息を吐いた。
 彼のユーベルコード『UDC神拳:逆位相キャンセリングギャクイソウニヨルソウサイ』で、インドマハラジャ怪人のマハラジャステップに対して逆位相の衝撃波を放つことで相殺させたのだ。本来は事前にそれを見ることで成功率を上げられるのだが、今までの猟兵たちの戦いから逆位相を見つけられたのだろうか。
「最後まで……邪魔するのだな……猟兵……!!」
 にらみつけてくるインドマハラジャ怪人に対し、ティモシーは臆することなく体育館へと足を踏み入れる。その手に持っているのは、ヤドリガミである彼の本体……ではない。本来は占いに使うタロットカードこそが彼の本体なのだが、なぜか水晶体が本体と偽っているのだ。

 還送の力で消滅する前の、最後の抵抗。インドマハラジャ怪人は跳躍による飛びかかりを皮切りに、次々と踊りを活かした格闘で襲いかかる!
 本職の占いは当たらない、複製体の数を間違えるといったポンコツさを見せるティモシー。この今も、ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて負傷しないよう回避に専念していた。

 だが、彼は決して臆病ではない。
 その身に宿る猟兵としての責任感は、偽りのない……本物だった。

「そこだっ!!」
「!!?」

 刀身にルーンをあしらった、炎や水等の精霊属性を宿す魔法剣『ルーンソード』。
 ティモシーは飛びかかってくるインドマハラジャ怪人に相打ち覚悟で飛びかかり、そのルーンソードを突き刺した!!

「あ、ああ……」
 ルーンソードによって、壁に打ち付けられたインドマハラジャ怪人。
「今……思いついた……ぞ……新……しい……ダンス……の……インスピレーション……が……」
 もう踊れなくなった状態の彼は、還送の力によってその姿が消滅していく。
「お……踊ら……なきゃ……みんな……を……ひとつ……に……しなく……ちゃ……ひと……つ……」

 インドマハラジャ怪人の姿は完全に消滅し、骸の海へと還っていく。
 その言葉を最後まで聞き終えたティモシーは、突き刺さったまま残されたルーンソードを引き抜いた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『勉強会をしよう』

POW   :    気合で資料を丸暗記する

SPD   :    基礎から丁寧におさらいする

WIZ   :    講師役となり、他の人に勉強を教える

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

 体育の授業が終わり、6時間目の歴史の授業が迫っている。
「……だ、だいじょうぶだった?」
「う、うん……なんとかね……ははは……」
 猟兵たちの活躍のおかげで誰ひとり負傷者を出すことはなく、転校生と同じクラスだった生徒たちは全員次の授業に出ることができた。6時間目が始まる前の休み時間で、彼らは互いの無事に安堵していた。
 それでも、彼らにできた心の傷は大きい。心躍らせてくれた転校生がオブリビオンであり、裏切られたショックと自分たちも洗脳されようとしていた恐怖から立ち直るのは時間がかかるだろう。
 せめて、和らげられることができれば。
 廊下側の窓から生徒たちの様子を見ていた歴史の担任は、決心するようにうなずき教室へと入る。
「みんな、さっきは大変だったな。その代わりと言っちゃなんだが……今回の授業ではゲストを呼んでいる」
 チャイムとともに告げられた言葉に、生徒たちの関心が引き寄せられる。それを見計らって、担任は『廊下で待っている者たち』に合図をした。

「あの時、みんなを助けてくれた……猟兵たちだ」

 かつてこの世界を救った灼滅者を含めた彼ら猟兵の活躍は、ダークネスがオブリビオンとして蘇り、各地で事件を起こすようになったこのサイキックハーツにも届いている。事実、生徒たちは先ほど猟兵たちに救われたばかりなのだ。
 そんな猟兵たちが授業に参加すると担任が説明すれば、先ほどまでの暗い雰囲気から一辺、生徒たちは大はしゃぎで歓迎した。

 一口に参加すると言っても、方法は様々だ。生徒とともに講義を聞くのもよし、教師として黒板の前に立ってもいい。もしも生徒たちから猟兵たちの戦いについて尋ねられたら答えてもいいだろう。

 食後の運動も終えた今は勤勉の時。
 生徒たちとともに、授業に参加しよう!
アンリミテッド・ワールド
 アドリブ連携歓迎

 特別授業は楽しんでいますか? 結構結構。
 とはいえ、世界史の教師として、特別授業を楽しむだけ、というのはいただけませんね。
 というわけで、今日はこれから抜き打ちでテストをします!
 不合格者は補修!

 はい、文句は受け付けません。
 いいですか、かつて灼滅者は学校生活を送りながらダークネスと戦っていました。守るべき日常を感じる事こそが戦いの意義だったのです。
 それはテストなども例外ではありません。
 みんな、命懸けの戦いの後にも、必死にテストを受けていたんですよ。
 ですから皆さんも、灼滅者になったつもりで、命懸けの戦いを生き抜いた後にテストをするという気概でテストに挑んでください。



「特別授業は楽しんでいますか? 結構結構」
 最初に教卓へと立ったのは、先ほどインドマハラジャ怪人と死闘を繰り広げたアンリミテッド・ワールド(愛に生きる魔法使い・f43931)だ。この武蔵坂学園の教師でもあるアンリの見慣れた姿に、緊張していた生徒も力を緩める。

「さっきの戦い、かっこよかったぁ!」
「先生も猟兵なんだろ? 別の世界に友達できた?」
「アンリ先生の灼滅者時代ってどんなだったんですかー?」
「どうやって18歳の見た目してたの??」
 教室にくる前の気まずい雰囲気はどこへやら、身近な存在であり憧れの猟兵でもあるアンリに生徒たちは次々と質問を投げかける。笑顔が戻り賑わう教室に、アンリも安心から笑みを浮かべた。

「とはいえ、世界史の教師として、特別授業を楽しむだけ、というのはいただけませんね……」
 
 ドスン。
 
 その空気は、アンリが用紙の束を置く音によって凍りつく。
 そう、彼ら生徒にはまだ戦いが待ち受けていたのだ。武蔵坂学園でなくても、全ての学生に運命づけられた、戦いが……!

「というわけで、今日はこれから抜き打ちでテストをします! 不合格者は補修!」
「「「「  そ、そんなあァー!!!  」」」」

 教室に響く悲鳴に対して、「はい、文句は受け付けません」と笑顔で答えるアンリ。その顔は生徒たちから見れば血も涙もないように映るだろう。
 なぜ、このタイミングで抜き打ちテストを? もちろん空気が読めなかったわけではなく、そこにはアンリの教師としての意図があった。

「いいですか、かつて灼滅者は学校生活を送りながらダークネスと戦っていました。守るべき日常を感じる事こそが戦いの意義だったのです」
 灼滅者時代の戦いと青春を振り返りながら、アンリは語る。一瞬だけ息を呑む様子は、愛する者との日常とそれを失った挫折を思い出したのだろうか。
「それはテストなども例外ではありません。みんな、命懸けの戦いの後にも、必死にテストを受けていたんですよ」
 その経験談から、騒いでいた生徒たちもハッとする。アンリという実力者の説得力も後押しして、憧れの灼滅者と同様の状況に、誰もが心を躍らせた。

「ですから皆さんも、灼滅者になったつもりで、命懸けの戦いを生き抜いた後にテストをするという気概でテストに挑んでください」

 アンリの言葉に、元気よく返事をする生徒たち。用紙が配られると、彼らは灼滅者になったつもりで黙々と問題に向き合い記入していく。
 その様子に懐かしさを見出し、自身も楽しむアンリであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に

アドリブ・絡み・可



「いきなり抜き打ちテストになっちゃったけど、まあなんとかなるか」

 特別授業のゲストとして他の生徒に混じって授業を受けている鳶沢とびさわ成美しげよし(三角定規の除霊建築士・f03142)は、アンリの抜き打ちテスト宣言にも平常心を保っていた。故郷UDCアースの下町の古書店で見つけた『陰陽師入門』なる新書本で陰陽術に目覚めたのをきっかけに始まった、数多の世界を駆ける戦い。そしてその中で自身がシルバーレイン世界での同位体である自分と融合していたことが判明した……にも関わらずマイペースを貫いてきた彼にとって、突然の抜き打ちテストぐらいで動じることはない。
(それにしても、この武蔵坂学園……銀誓館学園となんか似てるなぁ)
 かつての灼滅者の暮らしについての話を聞きながら、成美はシルバーレイン世界での暮らしを思い出す。勉学に励みつつ戦いに身を投じる学生たち。戦う敵は違えどそれらの共通点に、思わず懐かしさに包まれながら成美は答案用紙に向かい合った。

 抜き打ちテストが終わった後、いよいよ授業内容に入っていく。
 最初は基礎の部分から。前回の授業の復習から始まり、世界史の中で基礎となる歴史から丁寧に固めていく。
 その中で成美は授業内容を聞きながら、マイペースに教科書を眺める。読書好きであるということもあって、懐かしみつつ昔との違いを探している様子だ。

 そんな成美の肩を、ポンポンと誰かが叩く。
「ここの話、よくわからなかったんだけど……」
 隣の席に座っている生徒が、教科書の一文を指さしながら質問してきた。
「ん? ああ、えっとね……」
 それに対して成美は、自分なりの教え方で答える。元々所属していたボランティア同好会からの人助けの精神は25歳となった今でも受け継がれている。基礎の部分が分からず授業においていかれそうになって困っている生徒に教えるのも人出す毛だ。
 成美の説明を聞いた生徒は疑問が晴れたかのように笑顔になり、お礼の言葉を贈った。
「ねえ今日じゃなくてもいいからさ、放課後の勉強会に来てみない?」
 猟兵がこの時間しかいられないという事情を考慮してのことだろうか。またサイキックハーツの武蔵坂学園に訪れた時でいいからと付け加えて生徒は成美を誘ってみた。
 昨今でいう陽キャラのような行動は正直よくわからない成美だが、集団での行動も嫌いじゃない。マイペースな彼のことだから、気が向いた時に訪れるかもしれないだろう。

 自分のペースで生徒と交流する成美。
 その姿は年下の生徒とともに教室に溶け込んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

陽環・柳火(サポート)
基本的にはのんびりまったりイベントごとを楽しむ。

酒を飲むのが好きなので、その場所の地酒が飲めるようなら、そういったものを探す。
食事も酒につまみになりそうなものを好んで食べます。

復興の手伝い系であれば、口は悪いながらも面倒見よく手伝います。能力値的に力技が得意ですが、護符衣装の護符を使った小技や、猫車(バイク)を利用した輸送系などが出来ます



(特別授業かぁ……さすがに酒はでてこねえよなぁ)
 成美が隣の席の生徒に勉強を教えている後ろで、陽環ひのわ柳火りゅうか(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)は少しだけ不満そうな顔をしていた。
 似たような存在の要素が混ざっている様子もあるが、火車という死者を運ぶ東方妖怪である彼女は、普段から舐められないようチンピラめいた態度をとっている。実際に授業を聞いている姿はまさに不良学生のように見えるだろう。
 それでも周りの生徒たちは彼女を邪険に扱わなかった。たとえ怖いと思っても、自分たちの憧れる猟兵に質問してみたいという好奇心の方が勝つのだから。

 その時、柳火の足元に消しゴムが転がってきた。
 後ろを振り向けば、一番後ろの席に座っている生徒が何かを探すように筆箱を見ている。おそらく、机から落ちて前まで転がって行ったことに気がつかず、消しゴムが消えて慌てているのだろう。
 さて、この消しゴムはどうすればいいだろうか。あの生徒のためにも渡すにしても距離が遠くて届かない。席から立てば目立ってしまうし、他の生徒にリレー形式で渡してもらうにしても授業を受けている他の生徒に迷惑がかかる。かといって無視を決め込んで見捨てることもできなかった。

「……仕方ねぇ」
 すると柳火は身に纏っている衣服の裾に手を当て引き抜く。その手に現われたのは……護符。柳火は目立たないようにその護符を消しゴムの側に落とした。

 ひらひらと舞い落ちるその護符はやがて地面へと着地する……ことはなくその直前で立ち止まる。そして独りでに動き出したかと思うと、消しゴムを掬い上げた……!
 そのまま机の下を通過していき、一番後ろの席の側までくると上昇、静かに消しゴムを机の上に置くと素早くUターンし立ち去って行く。

「あ、あった……よかったぁ」
 消しゴムが見つかって安堵する生徒。一方柳火の元に帰ってきた護符は彼女の手によって受け止められる。すると裾の欠けていた部分にピースのように護符が埋め込まれた。
 柳火が身に纏っている衣服は、霊験あらたかな護符が服の形に集まった、護符装束と呼ばれるもの。柳火の念動力でばらばらにして操る事も可能なそれで、騒ぎを起こさず消しゴムを届けることに成功したのだ。

(今回だけだからな)
 さっそくノートに書かれた間違いを消し始めている生徒。そんな彼の様子を見て柳火は笑みを浮かべた。
 暴力で解決することが多い柳火だが、それは自分なりの正義感を持つため。いつもとは違ってトラブルなく対処できたのは、その面倒見のよい性格のおかげだろう。



 こうして、楽しい猟兵との特別授業は終わりを迎えた。
 部活、もしくは帰路へ、6時限目を終えた生徒たちはそれぞれ教室から立ち去って行く。

「あっ」

 駅に向かっていた生徒の1人が、自然とステップを踏んでいたことに気づいて足を止める。
 インドマハラジャ怪人が見せたダンスを思い起こさせるリズム。無意識による行いに申し訳ないように隣を歩く友人を見る。
「どうしたの?」
「いや、今日あんなことあったから、不謹慎かなーって思っちゃって」
 気を遣う彼女に対し、友人もその気持ちを汲み取り思案する。
「私は気にしないよ。アンタ自身は?」
「うん。さすがに自分が操られてたって聞いた時は怖かったよ。でも今は全然大丈夫。過ぎたことを気にしないって、こういうことなのかなぁ」

 転校生がオブリビオンであったことは、生徒たちにとって確かな痛みであった。
 それでも、猟兵憧れの彼らと出会えたという記念すべき出来事が、その傷を癒やしていたのだ。

 鮮やかな夕焼けの下、2人はステップを踏む。
 
 強制的に操るのではなく、心を揺さぶって踊り出す華麗さと情熱を持ったリズム。

 時には爆発させた炎のように。時には大切な者と使命を包み込む氷のように。

 自分のペースを大切にしつつ、困っている者を救い出せるように。

 死の危険を前にしても立ち向かえるように。時が立っても積極的に手を繋げられるように。

 若者たちは、青春を踊る。
 踊り方はそれぞれ違えど、同じ未来へと向かって、踊る。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年12月16日


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🔒
#サイキックハーツ
#武蔵坂学園


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト