●
――世界はケルベロスディバイド、其処は何処とも知れぬ場所。名だけはある。“
呪咒哭哭哭大内裏”という。
其処に現れた男が言う。
――知恵と命を産みだす者よ、私に従え。
大内裏を支配していた原罪蛇は驚きに笑う。
――私の『
剣』を掌握したのか。“絶対制御コード”を手に入れたのか
男は是とも非とも答えない。だが、其の沈黙が何より雄弁に答えを物語っていた。
やがて原罪蛇は口を開く。
――『愛し子』を奪わぬのなら
――其れ等を喰らう力があるのなら
――なら自由は要らない。脳も要らない。
必要なのは『おそれ』だけ。
そうして原罪蛇は、男に全てを明け渡した。
●
「ドラゴンテイマー……という敵を覚えているかしら」
佐々・夕辺(咲梅・f00514)は嘗ての戦争の資料――“バトルオブフラワーズ”と表紙には書かれている――をめくりながら、猟兵たちに説明を始めた。
「彼がどうやら動き出したみたいなの。ケルベロスディバイドの世界にいる“原罪蛇メデューサ”を支配下に置いてしまったみたい。其処にどんな取引や駆け引きがあったのかは判らないけれど、メデューサは完全に理性すら失っている状態よ。まずはメデューサが持っていた権能である“おそれから怪物を産みだす”という能力と戦って貰う事になるわ」
幸い、現れる敵は絞り込めているの。
と、傍らのホワイトボードに写真を一枚貼る夕辺。
――其れは、黒い翼を持った巨大な竜のように見えた。
「これも見たことがある人はいるでしょうね。“ダイウルゴス”……『ドラゴンテイマー』という存在と99体の竜の融合体。彼等は日常の何てことない『おそれ』にさえ反応して現れるわ。例えば……そうね。お化け屋敷怖かった、とかそういう『おそれ』ですらも含まれるでしょう。迅速に処理しなければならないわ。ケルベロスディバイドの『
決戦配備』を用いて斃しましょう」
しかしダイウルゴスも簡単にやられる訳ではない。斃される間際、己が抱かせた『おそれ』を用いて“原罪蛇メデューサ”を降臨させるのだという。
「基本的にデウスエクスは撃破出来ないわ。だから兎に角、メデューサを戦闘不能まで追い込むしかない。彼女は理性を失って、ただ知的生命体を襲うだけのものになっているから……そうね、ある意味対処は楽かもしれないわ」
敵とはいえ、脳まで売り渡す其の神経は理解出来ないけれど。
夕辺は僅かに目を伏せて言う。そして、と最後に、ダイウルゴスの横に写真を貼る。
「メデューサを戦闘不能にしたら、ドラゴンテイマーとの戦闘になるわ。でも気を付けて、彼は周囲の
決戦配備に何か仕掛けをしているかもしれない。――場合によっては
決戦配備が使えない、周囲の人々に被害が及ぶかもしれない事を念頭に置いて頂戴。どんな仕掛けをしているのかは巧く視えなかったのだけれど……其れでも臨機応変に対処できれば、必ずドラゴンテイマーを撃破出来る筈よ」
幸いにして、ドラゴンテイマーはケルベロスディバイド世界の存在ではない。つまり、デウスエクスという事になる。
撃破は十分に可能だ。
「じゃあ、準備できた人から順番に。……先日の戦役で説明された二番目から五番目の猟兵。ドラゴンテイマーは恐らくそのうちの一勢力なのでしょう。何が目的かは判らないけれど……十二剣神が支配下に置かれるというのは由々しき事態だわ。どうかあなた達に武運を。気を付けてね」
key
こんにちは、keyです。
じゅじゅさんこくだいだいり、って凄い心に響く良い言葉ですね。
●目的
「ケルベロスディバイド世界を護れ」
●各章
【第一章】
人々の「なんて事はない『おそれ』」をメデューサは敏感に感じ取り、ダイウルゴスを送り込んできます。
まずは彼との再戦です。(帝竜戦役にいましたね)
デウスエクスですので撃破可能です。決戦配備などを用いて地の利を生かしましょう!
【第二章】
ダイウルゴスが集めた『おそれ』を用いて、遂に“十二剣神メデューサ”が降臨します。彼女はデウスエクスなので完全に滅ぼす事は出来ませんが、戦闘不能=撃破する事は出来ます。
【第三章】
ドラゴンテイマーとの戦闘です。
彼は事前に仕掛けていた爆薬によって周囲一帯の決戦配備を爆破してしまいます。
第三章では決戦配備の要請は出来ません。が、後述のプレイングボーナスがありますのでご利用ください。
●プレイングボーナス!
「焔に包まれた戦場に対策する」
「一般人の避難を完遂する」
ドラゴンテイマーは決戦配備を爆破して周囲を爆炎に包んでしまいます。決戦配備の為に待機していた人たちの避難が必要になってきます。
焔に包まれた戦場への対策をしてドラゴンテイマーと戦うか、焔にまかれそうになっている民間人の避難誘導を行うか選んでください。
●プレイング受付
第一章はオープニング公開と共にプレイング受付開始です。
各章の受付、〆切日時はタグ・マスターページにて適宜お知らせ致します。
●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
また、アドリブが多くなる傾向になります。
知らない人と共闘する事なども在り得ますので、ソロ希望の方はプレイング冒頭に「🌼」を添えて頂けると助かります。
また、ケルベロスディバイドでは
決戦配備の要請が可能です。(三章以外)ご利用の場合はプレイングの最初の方にポジションを書いて頂けると助かります。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ダイウルゴス』
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POW : ダイウルゴス会議
自身の【体内の無数のダイウルゴスによる合議制】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ダイウルゴス文明軍
レベル×1体の、【眼球】に1と刻印された戦闘用【小型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略衝撃波『フロンティア・ライン』
【四肢のどれか】から【見えざる文明侵略衝撃波】を放ち、【ダイウルゴスの一部になりたいと望ませる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう。
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ。
でもぉ、身体を動かすのも好きですよぉ。
お互いに納得の上で全力が出せると一番良いですよねぇ。
※アドリブ・絡み歓迎
●
「んん……ふあぁ」
四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)はいつだって眠い。
だから“おそれ”を元に現れた
巨大なる竜を前にしても、彼女の纏う穏やかな空気は決して揺るぐことはなかった。
「原罪蛇……でしたかぁ? 絶対制御コードとかぁ……気になる事は幾つかありますけどぉ、兎に角今は、目の前に集中しなければなりませんねぇ」
だって、出し惜しみしても仕方がありませんからぁ。
眠斗が要請した
決戦配備はクラッシャー。
周囲のビルの屋上に次々と機銃が現れて、ダイウルゴスへと弾丸を浴びせかける。
「賛成90、反対9、棄権1……」
ダイウルゴスは機銃の弾を其の身に受けながら、厳かに呟いた。
「議長は棄権票として処理する。我らは此処に猟兵との交戦を再度選択する。
文明侵略衝撃波の発射……賛成95、反対4、棄権1」
其の右腕に、禍々しい光が灯る。
光はあっという間に臨界へ達したかと思うと、街を貫くかのように放たれた。其の光自体に破壊力はない。しかし……
「う
……!?」
「何だこれは、……違う! 俺は、俺はあの竜にはなりたくない!」
決戦配備の為に其の場に駐留していた戦闘員たちが苦しみだす。
文明侵略衝撃波の本当の恐ろしさは、『ダイウルゴスの一部になりたい』と思わせる催眠効果にある。
だが。
「……?」
「なんだ……?」
其の衝動が徐々に薄れていく。
戦闘員たちは何事が起こったのかと周囲を見回し、そうして、戦場に横たわる一人の少女を見詰めた。
「んくぅ……だーいじょうぶ、ですよぉ~……」
戦場に関わらずすやすやと眠っている眠斗。其の安眠から生まれるのは、安らぎを与える雪だるまの妖精。ぱっぱ、と彼等は周囲に広がり、戦闘員たちから何かを払い落すような仕草をする。
「あれが、妙な衝動を払ってくれたのか……?」
「――猟兵とはいえ、眠っている間は無防備だ! 護れ! 略式徹甲弾込め!
撃ぇーッ!!」
彼女が我々の心を護ってくれるなら、彼女の肉体を護るのは我々であるべきだ。
戦闘員たちは眠斗の安全を守るべく、機銃や砲から再びダイウルゴスへと弾を撃ちまくるのだった。
成功
🔵🔵🔴
仰木・弥鶴
決戦配備:ディフェンダー
人々のおそれが利用される以上
市街地戦は避けられないか…
迅速な討伐をということなので
まずはピンマイクの音声攻撃で先制攻撃を試みよう
命中と同時にユーべルコードを発動
ダイゴウルゴスへの攻撃は白燐蟲に任せて
決戦配備で要請した隔壁やバリケードの裏へ退避
誰かの一部になりたいなんて気分は
相手がダイゴウルゴスでなくともあまり味わいたくはないな
見えない衝撃波がどこから来るか分からないので
こちらからは極力動かず
白燐蟲と音声攻撃による追撃に集中する
帝竜ともあろう者が
原罪蛇メドゥーサの前座に甘んじるとはね
これも合議の結果なのかな?
●
がごん、と音がして、道路から巨大な盾のようなものが現れる。
其れは一つではない。次々と林立する盾の群れは、仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)を護るように配置されていた。
人々の“おそれ”が利用される以上、市街地戦は避けられない。
より速く、より的確に攻撃して斃さなければ、非戦闘員に害が及ぶ危険性がある。
「――じゃあまずは、こうしてみようか」
弥鶴は服に付けたピンマイクに、音声を一つ吹き込む。
――
……!!!
其れは恐るべき音波となって、ダイウルゴスの耳を揺るがせた。
「……賛成85、反対14……」
ダイウルゴスの決定的な弱点は、彼等が集合体であるが故の
決議である。其の間はダイウルゴスは無防備であり、攻撃を防ぐ手段を持たない。
ならばと弥鶴は其の竜体に贄の紋印を付けた。先程の音波攻撃によるものだ。
白燐蟲が鳴いている。贄の薫りがすると。喰いたいと、食欲を?き出しにしている。
「いいよ、行っておいで」
半暴走状態にあった白燐蟲は、其の弥鶴の言葉一つで理性をかなぐり捨てた。
竜体の胴辺りに刻まれた紋印目掛けて白燐蟲の群れが走り、其の肉を、皮を引き千切っては喰らっていく。
――誰かの一部になりたいなんて気分は、相手が
竜であっても余り味わいたくはないな。
ディフェンダーの決戦配備、其のバリケードの裏へ退避した弥鶴は静かにそう思う。
そうして時折ピンマイクに音を吹き込み、贄の紋印をダイウルゴスに付与していく。
「――
文明侵略衝撃波、承認」
ごう、と音がして、弥鶴の後ろ髪が激しく揺れる。
少し離れたバリケードを、視えざる何かが包み込んでいく。……成る程、あれがダイウルゴスと一体になりたいと思わせる侵略波か。
「帝竜ともあろうものが、
原罪蛇メデューサの前座に甘んじるとはね。『議長』の命令なら仕方ないのかな?」
「……賛成31、反対69。
棄権票なし。其の問いに答えるには値しない」
大成功
🔵🔵🔵
成谷・理奈
まさかディバイドの世界にもオブリビオンが出てくるなんてね
放っておいたら、ブレイドの世界にも侵入してくるかもしれない
絶対に負けられないね
決戦配備はディフェンダー指定
でも、ボクが使うんじゃない
小さなダイウルゴスの攻撃をバリケードなんかで遮断することで、街の人を守って逃げやすくするために使ってもらうよ
ボクは敢えて足を止めて、敵を引き付ける
向かってくる小さなダイウルゴスに向けて、UCで矢を発射
これは光子対消滅弾……反物質結晶体だからね
触れた個所を光に変えて消滅させる矢だよ
どれだけ合体して強くなろうと、防御は無意味!
そのままダイウルゴス本体にも、余った矢をお見舞いだ!
「みんなまとめて、光になっちゃえ!
●
「まさかディバイドの世界にもオブリビオンが出て来るなんてね……放っておいたら、
ブレイドの世界にも侵入してくるかもしれない。漸く掴んだ平和なんだ、絶対に負けられないね」
そうして成谷・理奈(ウェアライダーの鹵獲術士・f40874)が要請した決戦配備はディフェンダー。
あらゆる位置に盾のような鉄壁が展開され、バリケードが張られる。
でも、其れを使用するのは理奈ではない。
「ギィ! キィッ!!」
ダイウルゴスから放たれた、小さなダイウルゴス……其の爪と牙から一般人を護るための決戦配備だ。
「おいでよ、消えてなくなりたいのならさ!」
そして敢えて理奈は、よく見える箇所で足を止めて囮役を担う。
弓を構える。螺旋が渦巻く魔法陣から矢を引き抜いて、番えて、引く。そうして放たれるのは、光子対消滅弾の矢。小さなダイウルゴスの一体が其れを受け、ぱっ、と花火のように光となって散った。
「これはいわば反物質結晶体。触れた場所を光に変えて消滅させる矢だ。どれだけ合体して強くなろうと防御は無意味だよ! みんな纏めて光になっちゃえ!」
敢えて足を止めて撃つ事で威力を増した其の矢を、大小構わずダイウルゴスに向かって放つ。其れを身を持って防ぐかのように小さなダイウルゴスは次々と現れたが――理奈の無限供給される矢によって、ついにダイウルゴス本体の翼が光となって焼け落ちた。
流石に本体としての矜持か、其れとも生来の頑健さか、羽根のみが光となって散ったが……ぐらり、と大きくダイウルゴスはバランスを崩し、大地へと不時着した。
大成功
🔵🔵🔵
ファルコ・アロー
ダイウルゴス?ドラゴンテイマー?
昔の戦争に出て来たらしいですけどこちとら新人猟兵、知らねーですよてめーらの事なんざ!
だからぜんっぜん怖くねーです!残念でしたね!
まぁボク一人態度デカくても意味ねーんですけど、戦う側が怖がってちゃダメですからね。
大声出すですよ!
そんでもって決戦配備!クラッシャー!
派手に行くですよやろーども!
あいつってゆーかあいつらが悠長に会議してる時がチャンスです。
どかどか砲撃をかましてもらってる内に空高く舞い上がるですよ!
こっちが高く飛んじまえば、会議が終わった所でもう遅せーです!
最後の砲弾はボク自身、そのでけぇ頭に頭突きかましてやるですよ!
鉄と超合金、どっちが硬いか勝負です!
●
ファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)は新人の猟兵だ。
だから昔の戦争だの、再び現れた敵だの、そういうものは全く知らない。
「そうです、知らねーですよてめーらの事なんざ!! だからぜんっぜん怖くねーです! 残念でしたね!」
戦う側が怖がっていたら意味がない。
どうせ意地を張るなら自分から。だからファルコはダイウルゴスに向かって見栄を張って見せた。
「決戦配備クラッシャー、要請確認! 敵、前方10時! 撃ち方始め!!」
ファルコの要請によって現れた機銃と砲。次々と弾雨がダイウルゴスへと降り注ぐ。
「派手に行くですよやろーども!」
「――賛成89、」
今だ。
ファルコはダイウルゴスが発した言葉を聞くと、素早く空高くへと舞い上がった。
ダイウルゴスは
合議制だ。行動を“可決”するまでに時間を要する。其処が決定的な弱点! 其の間に高くまで飛んでしまえば、会議が終わったところでもう遅い!
「反対10、棄権1」
「さあ、最後にして最強の砲弾を喰らうと良いです!! 其のでけぇ頭、スイカみたいに割ってやるですよ!!」
「殲滅を開始する」
「させねーって……言ってるですよ!!」
ファルコは一気に飛んだ。
正に一条の弾丸となって飛んだ。
バリアを纏い、超高高度から落ちてくる様はまるで隕石か何かのよう。
そうしてファルコを見上げたダイウルゴスは大きく口を開け、彼女の小さな身体を呑み込んでしまおうとして――
「……誤算」
そう、誤算だった。
大人しく飲み込まれるようなら、始めからこんな事はしていない。
だってファルコは、最高にして最強にして最後の弾丸なのだから。
そうしてダイウルゴスはばくりと呑み込んだファルコに喉笛を貫かれ、……ぐらり、とよろめくと青黒い塵となって消えた。
其の巨体に似合わぬ、呆気ない最期であった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『十二剣神『原罪蛇メデューサ』』
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POW : 蛇蛇獄魔獄狡兎殺
【全身から染み出す「超次元の蛇」】で近接攻撃し、与えたダメージに比例して対象の防御力と状態異常耐性も削減する。
SPD : 朧朧蛇蝎奇霊夜行
自身が対象にとって未知の存在である限り、通常の行動に追加して「【広域感染型の金縛り】」「【鎮火できず永遠に追尾する鬼火】」の心霊現象を与える。
WIZ : 歓歓禍禍大虞呪咒
【底知れぬ恐怖をもたらす笑い声】を放ちダメージを与える。命中すると【「おそれ」】を獲得し、自身が触れた対象の治癒or洗脳に使用できる。
👑11
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●
斯くして竜は去り――
「禍禍禍」
――蛇が現れる。
暗雲が立ち込め、神の到来を告げる。剣を持つ神が、剣を“掴まれた”神が現れると空が告げる。
ゆうるりと其れは現れる。長い尾を遊ばせて、其の口元はいびつに歪んでいた。
「禍禍禍、……禍禍禍禍禍!」
「いっそ爽快」
「誰かに総てを預けるのは、こんなにも心地良い」
「ただ喰らえば良い、愛し子を愛でれば佳い、なんと心地良い事か」
「猟兵虞るるに足らず」
「禍禍禍禍禍、禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍禍!!」
彼女の名は原罪蛇メデューサ。
いや……理性持たぬ“ただのデウスエクス”となった者。
成谷・理奈
現れたね、メデューサ!
まだ避難が終わっていない人がいるかもしれないし、無差別攻撃されても面倒だね
決戦配備はジャマーを要請
視界が閉ざされた中でモモンガ手裏剣を投げつつ大声で叫んで、メデューサの意識をボクの方へ向けるよ
「さあ、こっちだよ! それとも、ボクが怖いのかな?
敵がこっちに向かってきたら、敢えて無防備を晒して更に誘導
超次元の蛇で接近攻撃を狙ってきたところに合わせて、ボクもUCを発動
身体の全面から威力重視で刃を出して、攻撃を食らう前に超次元の蛇を切断しながらメデューサの身体を串刺しにする!
「残念だったね。その蛇ごとバラバラにしてあげるよ!
●
「現れたね
……!!」
空を悠々と泳ぐ其れを見上げて、理奈はぐっと唇を引き結んだ。
まだ避難は終わり切っていない。突然のデウスエクスの襲来に、人々は戸惑いと混乱に陥っていた。
そんな中、理奈にあらかじめ渡されていたイヤホンがガガッ、と耳障りな音を立てる。
『聴こえるか
猟兵! こちらDIVIDE、α1!』
『同じくα2、現着した』
『α3、いつでも行けます!』
「来てくれたね……!! こっちもいつでもOK!
決戦配備……宜しく!」
『了解。α1煙幕展開。α2、α3は続け』
ばらばらばらと音を立てて現れたのは、特務機関DIVIDEの精鋭たちだ。戦闘ヘリから次々とミサイルが放たれ、メデューサへと向かっていく。
「――雑雑雑」
勿論其の程度では十二剣神であるメデューサには通用などするはずもない。虚空から滲み出た蛇のような何かがミサイルを貫き破壊する。しかし――本命は其処に在った。
ミサイルは破片と火花、そして煙幕を放ち、メデューサの周囲を包み込んでいく。
「よし、此処までは想定通り……! DIVIDEの皆さんは離れて! 相手は近接攻撃の手段を持ってる!」
『α1、了解。離脱する!』
『α2、α3共に離脱します! 御武運を、猟兵!』
ヘリの起こす風は、下手をするとメデューサを囲った煙幕を散らしてしまうかもしれない。其の前に、とDIVIDEのジャマー工作員たちは遠ざかっていく。
理奈は其れを見ながらモモンガ手裏剣を投げつけて、ヘリの音に負けないくらいの大声で叫んだ。
「さあ、十二剣神メデューサ! こっちだよ! それともボクが怖いのかな?」
「怖怖怖?」
この程度、十二剣神たる身にはさしたる障害でもない。と、メデューサは宙を泳ぐ魚のように素早く身を翻し、
読み通りにモモンガ手裏剣の軌道を遡るようにやってくる!
「来たね……! 挑発と判っていて来たのかな。其れとも、もう挑発も判らなくなっているのか……」
そうしてメデューサは、超次元の蛇を確実に当てられる範囲まで理奈に接近する。
だが其れは同時に、“理奈もメデューサに攻撃できる”間合いだ。
「残念だよメデューサ。君の超次元の蛇より、ボクのこの刃の方が速い!」
理奈が身体の全面から、一枚の光の刃を解き放つ。百数枚撃てるところを、たった一枚に込める。今にも理奈の頭に掴みかかろうとしていた巨大な肉体が、まるで電気を当てられたように跳ねて素早く後ろに下がった。
――何が起こった?
メデューサは疑問に思う。そうして見下ろすと……女性を模した肉体部分の腹が、ばっさりと切り裂かれていた。
大成功
🔵🔵🔵
仰木・弥鶴
決戦配備:キャスター
ライブステージ用のアンプの準備を要請
原罪蛇メドゥーサの攻撃に対しては
笑い声をかき消すように装備しているラジオの音量を上げて抗う
そのままスピーカーから白燐蟲を飛ばして侵食状態に持ち込みたい
あなたのような強者でも
理性を捨てることの安楽に飲まれてしまうというのは興味深いね
俺には都合よく利用されているようにしか見えないけれど…
キャスターに用意してもらったアンプにラジオの音源を繋いで
さらに音量アップ
ユーべルコードの白燐侵食弾を面で浴びせ
出来る限りのダメージを叩き込めるように努めよう
●
きぃーん、と、ハウリングの音がした。
弥鶴が要請した決戦配備によるものだ。ライブステージが凄まじい速さで建設されていく、其れを見据える原罪蛇、原罪蛇を見据える弥鶴。
『――では皆様、明日の天気になりますが……』
ライブステージ用の大音量アンプから、ラジオの音声が流れだした。弥鶴が持っているラジオの音声だ。
「……! 煩煩煩!」
「ああ、すまないね。少々五月蠅いのは勘弁してほしい。――其れにしても、あなたのような強者でも、理性を捨てる事の安楽に飲まれてしまうんだね。実に興味深い。まあ、俺には都合よく利用されているようにしか見えないんだけど……」
「例えそうだろうとも、私は“おそれ”さえあればいい。愛し子を喰らう口さえあれば、何も要らない」
「……成る程。あなたが“彼”に選ばれた理由が判った気がするよ」
恐らく原罪蛇メデューサは、ドラゴンテイマーにとって最も扱いやすい相手だったのだろう。“絶対制御コード”とやらを手に入れたからというのもあるだろうが、気性という意味で考えてもきっと彼女との交渉は楽だったはずだ。
「でも、だからといって此処で逃がす理由にはならない。例え“駒”になってしまった十二剣神でも、ここで斃しておかないとね」
「禍禍。禍禍禍……斯斯斯斯、禍禍禍禍禍禍禍禍禍!!!」
原罪蛇メデューサが嘲笑う。
と共に、弥鶴は装備していた武器から白燐蟲を呼び出した。
『次にご紹介するのは、この商品――』
凄まじい音量のラジオと、原罪蛇の笑い声。二種の轟音がぶつかり合う。
音圧の中を游ぐのは白燐蟲。原罪蛇の各所に噛み付き、貫き、ダメージを与えていく。
「蟲蟲蟲……!」
「あなたにとってはそうかもしれないね。彼等も、俺も、愛し子と呼びはすれど蟲同然。だけど、蟲は時に象を斃す事もあるんだよ」
『つづいては料理のコーナー! 今回のゲストは――』
原罪蛇は己の中に何かが入り込むような悍ましい感触を感じていた。いや、感じていなかったかもしれない。だって彼女は、脳すらドラゴンテイマーに差し出したのだから。
だから白燐蟲の浸食によるダメージにも気付かないまま、笑い続ける。傷口が腐食して爛れ、そうしてようやく気付いてももう遅い。
「禍禍禍禍禍禍――!!!」
何に対して笑っているのか。
原罪蛇は己の身体のあちこちを這いずる白燐蟲を払い落しながら、尚も笑い続けた。
『――これにて出来上がりです!』
大成功
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岩社・サラ(サポート)
「最優先撃破対象確認。これより戦闘に移ります」
傭兵としての戦闘技術と一族に伝わる土魔法を組み合わせて戦う冷静な性格の女性。
口調はですます調。必要以上に会話はしない。
依頼に関しては負傷を厭わず可能な限り全力を尽くすが、公序良俗に反する行為は行わない。
仲間との連携ができる場面では積極的に連携を行う。
行動
目立たないように隠れながらDMRによる狙撃。ショットガンによる接近戦。装甲目標ならミサイルランチャー。接近戦なら斧。と武器を使い分けて戦います。
敵の攻撃を防御する際はゴーレム(アイテム)を召喚し庇わせることで対処します。
ユーベルコードは選択したものを適時使用します。
書かれていない部分はおまかせします
●
岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)はDIVIDEにクラッシャー要請をし、其の指示に使ったイヤホンマイクを大地に置いた。
其の視線の先には十二剣神、原罪蛇メドゥーサがいる。腹に大きな傷があり、また、全身にも深く浅く傷が付いている。先の猟兵の健闘によるものだろう。
「――最優先撃破対象確認。戦闘に移ります」
其れを見計らったかのように、各ビルの屋上から機銃の砲が放たれる。
十二剣神は矢弾の雨を受けて笑う。嘲笑うかのようだった。
「禍禍禍、禍禍禍禍禍禍禍禍!!!」
鬱陶しい、と言いたかったのだろうか。
其れとも別の事を訴えたかったのか。
或いは何も考えていなかったかもしれない。
だが原罪蛇の哄笑は、其れだけで十分な威力の攻撃となった。機銃が爆発する音がする。だが其れで諦めてはいられない。サラは素早くDMRを構えると、弾丸をメドゥーサへ放ちながら奔った。
「愛し子よ、戦慣れしているのか」
メドゥーサは言う。
サラは答えない。
だからといって何がどうという訳でもない。サラは狩る側で、メドゥーサは狩られる側だ。其の立ち位置も、すべきことも、何ら変わりはない。
無事な機銃の砲撃音が、行動の音を隠してくれる。更に命中した弾の煙幕がサラの身体を隠してくれる。
サラは走った。DMRを仕舞い、代わりに取り出すのは巨大な斧。
メドゥーサには判らなかった。其れは単なる慢心か、其れとも脳を明け渡したからか、どちらなのかは定かではない。
ただ、サラに飛ぶ手段があるとは気付かなかった。だから大地から攻撃を仕掛けて来るだろうと踏んでいたのだ。
まさか、サラが
ゴーレムを召喚し、
踏み台にして跳躍するなどとは思わなかったのだ。
「攻撃を開始します」
サラの大地を割らんばかりの斧の一撃が、メドゥーサの片腕を骨ごと叩き割った。
一瞬がくん、と原罪蛇の巨体が揺れ……其の後、力を失った大きな片腕がだらりと垂れて、指先を地表に触れた。
成功
🔵🔵🔴
ファルコ・アロー
けっ、なーにがいっそ爽快ーですか。
てめーの頭ん中なんざ元々食欲以外ねーようなもんでしょーに……今更他にも色んな事考えてましたみたいな事抜かしてんじゃねーですよ!
食欲魔神の近くに一般人置いとくのも嫌ですし、メディックを要請して避難させるですかね。
これで遠慮なく暴れられるです!
チェンジ・ファルコン!
超次元の蛇ってのが何だか分かんねーですけど、射程は短そうだからビーム砲で攻撃すりゃあ何とかなりそうですね。
ビームであいつの体のどこかの蛇を吹き飛ばして、もう一回染み出して来る前に思いっ切り体当たりしてやるですよ!
無傷って訳にはいかねーかもですけど、多分そのまま突っ込むよりはマシです。
喰らいやがれですよ!
●
「けっ、なーにが“いっそ爽快”ですか。てめーの頭ん中なんざ元々食欲以外ねーようなもんでしょーに……今更他にも色んな事考えてましたみたいな事抜かしてんじゃねーですよ!」
ファルコが要請した
決戦配備はメディックだ。DIVIDEの人員が、一般人を手慣れた様子で避難させていく。
「じゃあこれで……遠慮なく暴れられるです! ウィングアップ、」
――チェンジ・ファルコン!
一瞬周囲が閃光に包まれたかと思うと、其処に現れたのは10mの大きさをした戦闘機。召喚ではなく変身なので、まさに“ファルコの意のままに”操縦できる戦闘機である。
「禍禍禍! 私に、この私に空で挑むのか」
「そーですよ! ボクがてめーを墜としてやります! もう二度と見下ろす事ができねーくらいにしてやるですよ!」
ファルコが飛び立つ。
其の速さはメデューサには追い切れない。十二剣神といえども、全てが優れている訳ではない。
既に腹に痛手を負っているのは見れば判った。恐らく先の猟兵が付けた傷だろう。其処を狙われればさしものメデューサでも再起不能に陥るのは想像に難くない……が、其れはメデューサとて判っていた。うまく身体をくねらせ、己の周囲の空間から“超次元の蛇”を呼び出す。
其の蛇は透明だ。まるで騙し絵か何かのように、空間になじみ切れず浮かび、歪んで見える。
「くらいやがれですよ!」
ファルコがビーム砲を放つ。まずはお手並み拝見とばかりに放たれたビーム、超次元の蛇たちが塊になってメドゥーサの盾になった。
歪みのようなものがビーム砲とぶつかり合い、ばちん! と散る。
「おそれを、おそれを寄越せ」
「生憎と、ボクはてめーなんて怖くねーです! 行くですよ!」
ファルコはこの原罪蛇を恐れるつもりなど毛頭ない。相手は倒すべき敵、其れだけだ。例え神を名乗ろうと、神さえ斃してきた猟兵の前では其の肩書きに意味などない。
一気にスピードを挙げ、メデューサへと接近する。ならば掴んで壊してやろうと伸ばされた巨大な原罪蛇の手をかわし、更に滲み出る超次元の蛇を確認すると、ビーム砲を機体前部から撃ち放った!
「――!!!」
またも超次元の蛇たちが盾になるが、今度のビーム砲は彼等を貫き、蛇身に傷を付ける。
其の傷目掛けて、ファルコは一気に体当たりを仕掛けた。
ずばん、と実に気持ちの良い音がした。
ファルコの体当たりでビーム砲の傷を広げられた原罪蛇は、サラの一撃によって其の膝下……蛇の身体を斬り落とされた。
浮遊する力を喪った巨大な蛇体と、浮遊する体力を失った女性体が諸共大地に落ちて土煙を上げる。
「驚、驚驚驚……否、否……否……」
徐々に弱くなっていくメドゥーサの気配。青い光となって散っていく様は、デウスエクスとオブリビオンの差異を示していた。
ファルコもまた無傷では済まなかった。頑健にして堅牢な十二剣神の身体に体当たりをして、胴体を引き千切る程の激突をしたのだ。戦闘機への変身が解けて、傷を負った小さな身体が大地に落ちる。
「(ざまーみろ、でやがりますよ)」
内心でファルコは舌を出した。
元々無傷でいられるとは思っていなかったから、寧ろこれならお釣りがくるというものだ。ただ、墜ちたらちょっぴり痛いかもしれないなぁ。なんて思っていると、下に人が集まって来て。
「今だ!! 引っ張れーーーーッ!!」
布の四つ角を握った屈強な男たちが、一気に大きな布を引っ張ってファルコを受け止める。彼等はDIVIDE、メディック部隊の人間たちだ。
「
猟兵、大丈夫か!?」
「酷い傷だ、直ぐに手当てを! 一般人の避難はほぼ完了した、大丈夫だ!」
「水持ってこい! 身体が熱を持ってる!」
戦闘に慣れたメディック部隊が、あくせくとファルコの手当を始める。
ファルコはまだだ、と手当てを受けながら己を奮い立たせた。まだ、戦いは終わっていない。たしかグリモア猟兵は――
そう思い返した瞬間、爆発音がした。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
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●
爆音は、最初一つだった。
何処に爆薬が仕掛けてあったのか、其の男が現れると同時に次々と決戦配備の配置位置が爆破されていく。
ビル屋上の機銃が爆炎を上げている。
人々を護る防壁が爆発で砕け散り、無惨に欠片を散らしている。
ライブステージは業炎に包まれ、アンプが奇妙な音を立てて歪み始めている。
この爆破連鎖と爆炎では、戦闘ヘリも迂闊には近付けないだろう。狙撃部隊を配置するのも危険だ。相手はこちらの決戦配備を読み切っている。
「隊長!」
「……すまない猟兵、俺たちに出来るのはここまでだ……! 総員退避! せめて俺たちは猟兵の枷にならないように離れよう!」
メディック部隊が口惜し気に撤退していく。爆炎の熱と火の粉が視界を焼く、其の中に――真っ黒い影のように立つ男がいた。
「――出会うのは二度目になるか」
ドラゴンテイマーという名は伊達ではないという事か。
そいつの後ろには、無数の竜のシルエットが見えた。其れは先程戦った竜、ダイウルゴスに酷似していた。
「全く、この世界はまるで戦うために出来ているかのようだ。爆薬を配置するのにも苦労した」
男は歩む。猟兵たちに向けて。
そして、剣の間合いより少し遠い場所で、止まった。
「かつての戦役では後れを取ったが、今度はどうなるだろうな。何にせよ、お前達の情報を“持ち帰る”のも有益になりそうだ、精々足掻いてみせてくれ」
何処までも冷徹に。
何処までも冷静に。
“ドラゴンテイマー”はそう言うと、剣となった右手を猟兵たちに向けるのだった。
【CAUTION!】
この章では決戦配備は使えません!
其の代わり、皆さんの尽力により周辺からの一般人退避は『完了しています』!
爆炎の中でどう立ち回るかに専念して頂いて大丈夫です!
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
イヌイ・イヌバシリ(サポート)
◼️
呼ばれて飛び出て元気いっぱいイヌ系女子!イヌイ・イヌバシリであります!ワン!よしなに!
◼️お困りの皆様は無条件でお助けしつつ、何か事情がありそうな敵には
事情聴取!
しかし悪には情け無用…というより難しいことは苦手なので深く考える前に突っ込むタイプでありますな〜。
◼️戦闘は皆様のご安全を第一に、非戦闘員の保護や他猟兵殿のサポートに回る後方支援タイプであります!勿論UCはご自由にでありますよ。
◼️絡み、トンチキ展開、負け戦などなど
公序良俗に反しなければ
気にしない性分ですので、是非ぜひご自由にご活用くださいであります!ワン!
岩社・サラ(サポート)
「最優先撃破対象確認。これより戦闘に移ります」
傭兵としての戦闘技術と一族に伝わる土魔法を組み合わせて戦う冷静な性格の女性。
口調はですます調。必要以上に会話はしない。
依頼に関しては負傷を厭わず可能な限り全力を尽くすが、公序良俗に反する行為は行わない。
仲間との連携ができる場面では積極的に連携を行う。
行動
目立たないように隠れながらDMRによる狙撃。ショットガンによる接近戦。装甲目標ならミサイルランチャー。接近戦なら斧。と武器を使い分けて戦います。
敵の攻撃を防御する際はゴーレム(アイテム)を召喚し庇わせることで対処します。
ユーベルコードは選択したものを適時使用します。
書かれていない部分はおまかせします
●
ごうごうと炎の燃える音がする。
其の中で、イヌイ・イヌバシリ(飴色の弾丸・f43704)は周囲を忙しなく見渡していた。
「これは大変! 辺り一帯が爆炎で覆われているであります! 幸い一般人の避難は完了している感じでありますが……」
「まだ仕事は終わっていないようだ。最後まで敵を撃破してこそ猟兵たるもの。私たちは私たちの仕事を果たそう」
「最終撃破対象確認。戦闘に移ります」
岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)が口数少なに、此処こそ正念場だと語る。
そうして日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は愛用の槍、『Skoll』を構えてドラゴンテイマーを見据えた。
……一瞬視線が交錯し、戦いの火ぶたは切って落とされた。
彼方は一足飛びでドラゴンテイマーに肉薄し、槍の先で其の胴を薙ぐ。
「随分と遅いお出ましじゃないか。何処かに旅でも出ていたのか?」
「ああ。……小用でな。だがそろそろまた忙しくなりそうだ」
ドラゴンテイマーの右腕と、彼方の槍が幾度も鋭い音を立てる。
其の間にも、ドラゴンテイマーに付き従う竜の群れ――ダイウルゴスたちが交戦に気付き援護しようと寄って来る。
サラの役目は其の妨害だった。崩れかけのディフェンダー用シールドの影から身を乗り出すと、DMRを構えて狙撃する。通るか判らない胴ではなく、薄い羽の皮膜を狙った其の一撃はダイウルゴスの翼を奪い取り、燃え盛る大地へと叩き落とす。竜といえど量産品ゆえか、其れとも炎は矢張り痛むのか、竜の悲鳴が周囲にこだました。
剣戟は一進一退の攻防を続けていた。
其の最中、ドラゴンテイマーの赤い右腕が、僅かに紫色のオーラを纏う。
……一撃が来る。
そう確信した彼方は槍で防御の構えを取り――
「させません! でありますッ!」
何か硬いものが飛来したかと思うと、横合いからドラゴンテイマーの腕を殴りつけるようにぶつかって宙に舞う。
僅かに逸れたドラゴンテイマーの一撃は、宙を蹴った彼方の直ぐ隣を抉って行った。
からからん、と音を立てて落ちた其れをドラゴンテイマーは一瞥する。其れは十手だ。イヌイは獣としての勘で、ドラゴンテイマーが剣戟の合間にユーベルコードを仕込んだのを見抜いたのだろう。
「……獣ごときに見破られるとは、俺もだいぶ訛ったものだ」
「獣の嗅覚をナメないで欲しいのであります!」
「其れから――みだりに隙を見せる其の隙も直した方が良いと思うぞ」
彼方の槍は決して獲物を逃がさない。
イヌイもまた其の応酬に割り込む。機動隊の盾を持ち、ドラゴンテイマーの腕の一撃をいなし、時にシールドバッシュの要領で打撃を加える。
「今であります! 彼方どの!」
「判っている」
炎がドラゴンテイマーの背中に迫っていた。其れを感じたドラゴンテイマーが僅かに背中に意識を向けた一瞬。
其の一瞬を猟兵たちは見逃さない。イヌイは横っ飛びに跳躍し、彼方の一撃がよく通るように援護に回る。
そうして彼方の槍はドラゴンテイマーの二度目の隙を今度こそ逃がさず、其の胴に袈裟懸けの大きな傷を刻んだ。
「――!」
「悪いが、竜たちに援護させてやる程私たちは優しくない」
「このまま倒れて下さい、であります!」
成功
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ファルコ・アロー
あー!いってーんですけど!
でもやってやったですよ、手下共はぶっ潰してやったし手当だってしてもらったです。
爆破なんて舐めたマネしやがって……次はてめーの番ですよ、うさんくせーおっさん!
あいつと戦うのに一番厄介なのはあの剣ですね。
今のまま高速での戦闘に持ち込むのが良さそうです。
だったらROCKET DIVE!スタートです!
最高速で敵の周りを飛んでまずは撹乱、狙いはつけさせねーです。
推力移動の時の衝撃波で、燃える瓦礫や炎は吹き飛ばしてやるですよ!
戦場を整えたら真正面から特攻です!
瞬間思考力で解析するまでもなく、てめーはその剣で攻撃してくるはずです。
それを怪力で引っ掴んでぶん殴ってやるですよ!
●
「いっ……てーんですけど!!」
メディック部隊が去って後。
ファルコは体力がある程度戻って来たのを確認すると起き上がり、身体の各所を確認した。傷は処置してあるが治った訳ではない。痛みはあるし、動かせば違和感のある個所もある。
しかし其れ以上に、“やってやった”という達成感がファルコを次の戦へと急かしていた。
「手下どもはぶっ潰してやったし、手当もして貰ったです。爆破なんて舐めたマネしやがって……次はてめーの番ですよ、うさんくせーおっさん!」
「原罪蛇メデューサは俺の手下という訳ではない。俺が絶対制御コードを手に入れ、交渉したが……其の結果勝手に此処に喰らいに来た。其れだけだ」
「うるせーです! 言い訳の暇なんて与えねーですよ!」
恐らく一番厄介なのは、右腕が変化したあの剣だろう。
これまでと同じように高速戦闘に移るべきだ、とファルコの冷静な部分が告げた。
「なら……これはどーです!? 光より早く駆けるボクを、其の重そうな右腕で攻撃できやがりますか!?」
ファルコが空を駆ける。凄まじい速さでドラゴンテイマーの周囲を飛行し、其の動きを読みづらくする。
ドラゴンテイマーは其れを敢えて目で追う事はせず、静かに右腕を構えていた。攻撃とは常に、必ず自分の傍で発生するものだからだ。
がらんがらん、と瓦礫が激しく動いて五感を刺激する。ファルコの起こした衝撃波が、炎と瓦礫を吹き飛ばし、二人だけの
闘技場を作り上げていく。
「其の右腕に捕まる前に……! ボクが其の右腕をぶっ壊してやるのが先です!!」
そうしていよいよファルコが突っ込んでくる。真正面から突破するつもりだ。
ドラゴンテイマーはそう判断した。しかし。
――解析するまでもねーです。てめーは待ち受けて、其の剣でカウンターを仕掛ける気でやがりますね?
ファルコとて、其の危険性くらいは重々承知していたのだ。真正面からドラゴンテイマーに特攻……するのではなく、構えられた其の赤い右腕を右手で引っ掴んだ。
「……何?」
「さっきまでのが全部攪乱なんですよ、」
――ばーーーーか!
子どもじみた悪口とは相反して、まるで巨人のような膂力でファルコはドラゴンテイマーの右腕を封じると、同じ怪力を宿した左腕を握り締め……右腕を離すと同時、其の顔面をぶん殴って吹っ飛ばしてやった。
ド派手に瓦礫にぶつかり、凄まじい音がする。豪熱の中で其れでも、ファルコはまた“やってやった”と笑った。
「どーでやがりますか。これが! 駆け引きってもんですよ!」
大成功
🔵🔵🔵
成谷・理奈
情報を持ち帰るためだけに街を焼く?
デウスエクスより性質悪いね
でも、ボクの前で迂闊に炎なんか広げたのは失敗だよ
まずはUCで周囲の炎を全て吸収
そして、自分の周りを覆うバリアとリング・オブ・リングから展開する円形のエネルギー障壁で、相手の攻撃を受け止めるよ
残念だけど、キミの攻撃は通さない
竜を呼ぶ?
好きにすればいいよ
この距離からだったら、キミはボクの視線から逃げられないんだから!
吸収した炎属性を拡散螺旋弾として零距離で発射
ドリル状の炎魔法でダイウルゴスの群れ諸共に内部を抉って焼き尽くす
自分で散らかした炎は、ちゃんと持ち帰らなくちゃね
炎の螺旋が、ボクから渡すお土産だよ、おじさん!
●
「情報を持ち帰るためだけに街を焼くって、さっきのデウスエクスより余程性質が悪いね」
理奈は炎の中でも一切態度を変えることはない。
傷だらけのドラゴンテイマーは、其れでも理奈を見詰め、口端を上げてみせた。まるで此処で己がやられても、其れすら計算であるかと言いたいかのようだ。
「ま、ボクの前で迂闊に炎なんか広げたのは失敗だったね。なにせ……これから全て、ボクの力になっちゃうんだから!」
理奈がユーベルコードを発動する。吸収する属性は勿論『炎』。周囲に燃え盛る炎が指向性を持ち、理奈の指先に向かって流れ込んでいく。
「――判っているのか? 其れは重大な隙だという事を」
ドラゴンテイマーもまた動いた。僅かにひしゃげたような跡のある歪んだ刃で、理奈の身体を切り裂こうと迫るが……振り下ろした瞬間、見えざる障壁が刃と理奈の間に割り込んだ。
「……バリアか。本当に、猟兵というものは多才だな」
「褒め言葉として受け取っておくよ。どうする? 竜を呼ぶ? 好きにすればいい。どのみちこの距離なら、キミからもボクの視線が
よく判るでしょ?」
「……」
いよいよドラゴンテイマーも進退つかなくなってきたか。
ダイウルゴスたちが一斉に、炎のなくなった戦場で理奈へと襲い掛かって来る。
「そうだよ、おいで、おいで……! 後始末は少ない方が良いからね……!」
ぎりぎりまで引き付ける。そう、全てのダイウルゴスが、理奈の視界に入るまで。
ドラゴンテイマーはなおもバリアを割ろうと刃を押し付けて来る。僅かに螺旋エネルギーのバリアが割れかけたところで、理奈の視界一杯にダイウルゴスの群れが映り込んだ。
――今しかない!
「自分で散らかした炎はちゃんと持ち帰ってね! この炎の螺旋……!」
ボクからおじさんへのお土産だよ!
これをもって、大人しく骸の海へ帰るんだ!!
理奈の視界が真っ赤に染まった。いや、真っ白かもしれない。或いは真っ暗かもしれない。
其れは吸収した炎の力を視界内に解き放った証左。拡散螺旋エネルギー弾に込められた炎がダイウルゴスたちとドラゴンテイマーに突き刺さり、爆裂した其の光。
眩しいけれど、理奈は目を閉じる訳にはいかない。そうして凄まじい光量に耐えて、暫し……視界が晴れると、其処には竜の群れも、男もいない。ただ破壊された瓦礫たちだけが、冷え切って転がっていた。
「――倒せたなら良いんだけどね」
でも一筋縄じゃいかないかもしれない相手だし、……気を付けないと。
理奈は現場の鎮静を確認して走って来るDIVIDE職員へと手を振りながら、次への一手を考えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵