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アナグラ案内!

#昭和レトロスチィムパンク怪奇PBW『ヤケアト』


「マレビトの皆様に、アナグラの案内をして差し上げたいであります!」
 びしり! と敬礼したのは、アナグラ生まれアナグラ育ちのハラナキであった。
「どうした、藪から棒に」
 区切・終(飢餓文学・f42796)の言葉に、ハラナキは敬礼の姿勢を止めない。
「はい! 最近匙隊長の指揮下のもと、マレビトの方々や、はじめて地下に潜る方々が増えてまいりました! であるからして、今一度アナグラがどのような場所か、実体験してもらうのが一番かと!」
「……匙隊長、どう思います?」
「いいんじゃないかなぁ? アナグラ育ちの子達も改めて現状のアナグラを把握する必要はありそうだし」
 ……と、匙も義足ではない方の足から立ち上がった。
「どうせだからボクも視察に行きたいな!」

 ●
「……どうすんだよ、要警護対象連れてお散歩だなんて……」
「部長はああ見えて奇術を使わせたら人一倍であります! 心配無用!」
「そうそ、カモフラージュは万全、ってね」
 鼻歌を歌いながらそう進む匙に、傍若無人の終も頭を抱えたい気分であった。

 ●
「大きく分けるし商店街、歓楽街、居住地、開発区に分かれるであります」
 簡単な地図を広げてみる。とはいえ、アナグラの中は常に変動する、地図は役に立ったものではない。
「商店街は文字通り。地下ならではのお買い物ができたり、地上から流れてきた食べ物や地下で生産している食べ物も飲食できるであります。歓楽街は博打やお酒、女性と遊ぶ場所、などをイメージされるかと思いますが、お祭りのような出店が多くあります。勿論『そのような店』もありますけれども……今回はそちらには案内いたしません。まぁ、毎日がお祭りのようで楽しいでありますよ!」
 地図をなぞる指は、順番に進んでいく。
「居住地はアナグラの方々とお話がしやすいです。ちょっと『上』からきた人やフクロウには厳しいでありますが、打ち解けたら強い味方になるであります。開発区は新しく掘り進めている箇所でありますね、奇怪党の方々とお話する機会がありますよ。何かコネとかつけたかったら是非顔を出すといいであります!」
「そうすると俺は歓楽街で遊ぶかな」
「あ、じゃあボクは居住区で様子でも見に行こうかな~」
「と……では不肖ハラナキ、皆様の案内役をば」
 びしりと敬礼、やはりどこまでも生真面目そうであった。


tk
 tkです。アナグラの中をお散歩するシナリオです!記載してあるNPCと交流も可能です!
 内容は概ねオープニングにある通りで、どこをみて回りたいか【一箇所のみ】記載してください。
 【商店街】……地下ならではのお買い物ができたり、地上から流れてきた食べ物や地下で生産している食べ物も飲食できます。
 【歓楽街】……お祭りのような出店が多くあります。区切・終が居ますが、彼と交流はできません。
 【居住地】……アナグラの人々とお話がしやすいです。ちょっと『上』からきた人やフクロウには厳しいですが、打ち解けたら強い味方になるでしょう。匙が居ます。
 【開発区】……奇怪党の方々とお話する機会があります。奇怪絡繰を体験使用なんてこともできます! ライデンが居ます。
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

👑11
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テーオドリヒ・キムラ
ハラナキさんに歓楽街を案内して貰う

フクロウ仲間にマレビトなのを誤魔化す気は無ぇが
耳尻尾はしまっとく

屋台で蒸かし芋を買い食いしたり
射的でそこそこ成果を出したりと
表向きはのんびりと観光
食糧事情や衛生状態、ライフライン、文化など
現地を歩いて推し量れるものはしっかり観察していく

他世界との協力関係を維持するためにも
少しでも異世界の情勢を理解し情報を持ち帰る
ま、その為にも今後はフクロウとしてここの人達の役に立たねぇと

「俺が元いたところと似てるようで違うから」
平成生まれなんで物珍しいのは本当
「あ、ブギだ」
ラジオの音源に懐メロを聴いた感覚に

「テオでもキムラでも、呼びやすい方でいいよ」
「これからよろしく頼むね」



「歓楽街の案内でありますね! おまかせあれ、であります!」
 敬礼するハラナキはあくまで生真面目、それでもあれよあれよと毎日が祭りのような歓楽街を見せて回る。
「祭りでもないのに、こんなに屋台をやっているのか」
 テーオドリヒ・キムラ(銀雨の跡を辿りし影狼・f35832)は賑わいに目を丸くする。歓楽街、の名の通りとはいえ、こんなにガヤガヤとしているとは。
「驚くのも無理はないでありましょう。しかし、アナグラはウロをはじめとしていったいぜんたい、なにが起こるかわからないところ。縁起担ぎという面でも毎日このように賑わっているのです」
「……『上』の闇市とどっこいどっこいだな」
 人混みの中を進む、屋台で蒸した芋はどうだいと売りつけられて、ハラナキがいただきましょうと金銭を支払う。
「貨幣は上と変わらないんだな?」
「基本的にはそうでありますね、アナグラから上に出る人もいればその逆も然り、ここで稼いで上へ行く人もいますね」
 出稼ぎみたいなものでありますなぁと言うハラナキに、まるでアナグラはニホンと別の国のようだ、とテーオドリヒは素直な感想を抱いた。

 ●
「む、上手いでありますな」
「そちらこそ」
 どちらも良い景品を手にコツンと拳をあわせる、射的の景品だ。
 と、遊びながらも見ていくものはしっかりと。食料についてはアナグラは陽が当たらないという性質上暗部でも育つ作物などか盛ん、川なども存在しているようで、あとは上の雨が染み出るかたちでこちらも雨のようになることもあるのだそう、文化についてはご覧の通りある程度独自の発展を遂げている――。
「俺が元いたところと似てるようで違うんだな……」
「でありましょう、マレビトの方々は、ここニホンとほぼ同じ歴史を歩んでいても、アナグラが無いそうでありますからなぁ」
 ――ふと、ラジオ屋から流れる音楽がある。
「……あ、ブギだ」
 懐メロ、とかいうやつ。でも、この世界の今を生きている人達にとっては、イマドキの、流行りのものなんだろうけど。
「では、テーオドリヒ殿――」
「テオでもキムラでも、呼びやすい方でいいよ。――これからよろしく頼むね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

蔵務・夏蓮
【開発区】へ行きたいわ
奇怪党の技術に興味があるの
欲しいものが作れるのかどうか知りたいし、奇怪絡繰も実際に触ってみたいし
別の区にも興味はあるのだけれど。それはまたの機会ね

ごきげんよう。お話を聞かせてくださる?
奇怪絡繰は、戦いに使うものが見られるならそちらを見たいわ
武器とか、盾とか、戦いを補助するものだとか、そういったもの
……私自身、技術というものに明るいわけではないけれど
それでもこちらの技術は初めて見るものばかり
なんだかわくわくするわね(顔にはあまり出ないけれど)

訊きたいのだけれど
たとえば、ひとつ依頼が来るとして
武器に装着することで、その武器を強化できるような。そういった奇怪絡繰は作れるのかしら



「ごきげんよう、お話を聞かせてくださる?」
 奇怪党が一人、ライデンにそう声をかけたのは蔵務・夏蓮(眩む鳥・f43565)であった。可憐な少女の姿に、油で汚れているライデンは慌ててゴシゴシとおのれの汚れをタオルで拭くと――といってもすでに全身汚れているので、暖簾に腕押しではあるが――おう! と気前よく返事をした。
「なんでいなんでい、何を聞きたいんだい」
 ニカ! と効果音がつきそうなほど笑い、ライデンは蔵務を歓迎した。開発区では搭乗型の奇怪絡繰が採掘を進めていた。『上』からの流入で新しく来た人々の仮住まいを作ろうとしているらしい。他、人が乗らない自動奇怪絡繰もいくつか見受けられた。
「このあたりのは、開発用のものなのね?」
「そうだねェ、概ね奇怪党の作るモンはアナグラの開発や発展のためだ」
「ふむ……その感じだと、戦いに使うものはあまりないのかしら?」
「いンや、採掘進めるとウロが出てくることもあるからねェ、戦闘用のものは必須だねい。開発用と一緒に用意する感じでい」
 採掘を進めている奇怪絡繰の他に、動いていない奇怪絡繰がいくつか。これが戦闘用のもののようだ。
「こいつが自動でウロを感知して動くタイプ。異能使いにコアを作ってもらって、ウロを自動追尾できるんだ。んでこいつは搭乗型だな、いざという時はすンげえことができるぞ」
 ドリルだの怪しげな砲塔だのがついている奇怪絡繰を次々と見せる、特に最近はウロ組合とのにらみ合いが続いているから、集団行動する時は必ず武装奇怪絡繰を連れている、とのことだ。動力源は石炭が主の他、異能使いの作ってくれた動力炉が組み込まれているなど、様々なようである。
「……私自身、技術に明るいというわけではないのだけれども……ここの技術ははじめて見るものばかりね……」
 素直な感心の言葉に、ライデンはそうだろうそうだろう! とニカニカと笑顔であった。

 ●
「ひとつ、訊きたいのだけれど……たとえばひとつ、依頼が来るとして。武器に装着してその武器を強化できるような、そういった奇怪絡繰は作れるのかしら」
「オ、いわゆるアタッチメントだなァ? もちろんさ!」
 これとかライデン様のお手製さ! とチェーンソーを中心になにやら射撃用の銃口やらなんやら、ずっしりとしたモノを見せた。
「ど、どう使うのかしら、これ……!?」
「それはいざという時の見てのおたのしみでい! ……ま、出番はないほうがいいんだがよ。ともあれ、奇怪絡繰が欲しけりゃ、フクロウさん相手なら協力は惜しまないぜ」
 ニ、と笑うライデン。どうやら奇怪党とは仲良く過ごすことができそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

江田島・榛名
ふぅん、なるほど……結構広いんでありますなぁ。
ま、とりあえずまずはここにいる人たちにご挨拶ってことで、居住区の人たちとお話するでありますかね!
にっこり笑顔で笑って話すでありますよー。
「はじめまして、江田島榛名であります!どうぞよろしくー」ってね



 広々とした居住区、バラックのようなものが広がっていると思えば、『上』とさして変わらない木造建築がある場所も見える。
「や、榛名じゃないか」
 第弐帝都対策部の部長たる匙・当適がその姿を認めて片手を上げる、江田島・榛名(強化人間のガンスリンガー・f43668)はその声の方へと視線を向けた。協力者たる部下の名前はきちんと覚えている、不意に名を呼ばれ、江田島は少し目を丸くした。
「ええと、匙殿……」
 思わず軍役時代の敬礼が出そうになるもののそれは控えて、気楽にゆるりと構えている匙は苦笑いを浮かべた。
「さすがに部長のぼくはあんまり歓迎されなくてねえ……きみとならお話できるかな? ご一緒願うよ」

 ●
「む、トリ公じゃないか」
 匙の白い腕章を見た住民の一人が声を上げた。といっても逃げるでもなく、ただ余所者に向ける冷たい視線があるのみである。匙は距離感を測りかねているのか、曖昧に笑ってみせるが、そこで江田島はにっこりと笑顔を浮かべて住民の方へと歩を進めた。
「はじめまして、江田島榛名であります! どうぞよろしくー」
「お、おう!? どうぞよろしく?」
 そんなに笑顔で迫られるとは思わなかったのか、住民の一人は思わず片手を上げつつ、それに応じた。

 ●
 と、それから江田島と周辺の住民が打ち解けるのは早かった、存外話してみれば気前の良い人間が多いようで、なんだったら蒸した芋まで分けてくれた。匙は遠巻きに見ているものの、江田島の上司かそれに相当するものならば悪い人間ではあるまいと判断されているようである。フクロウが珍しいのか、あれよあれよと軽い人だかりができていた。
「最近お困りのこととか、ありますかね?」
「やっぱりウロ組合だねえ、今は露店とかよく襲ってるけど、いつここに来るやら」
 あーおっかないおっかない、と震えるような仕草をおどけてやってみせるものの、脅威としてはやはり高いようだ。江田島はもぐもぐと芋を食べつつ、ワイワイとしているのを微笑ましく受け入れる。先ほどの冷たい目線はどこへやら、今はフクロウというあまり知らぬ存在への好奇心に満ちていた。
「ねえねえ、上のお話、聞かせて!」
 と、アナグラ育ちらしい少女が、目をキラキラさせて江田島に問う。
「ふむ。そうだな、それじゃあね――」
 目線をあわせるためにしゃがみこんで、それから、ここでは見ることができない、青空の話をすることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

篠田川・臨土
地上部出身、第弐帝都対策部の民間協力者です。アナグラは初めてで案内に素直に参加致します。
案内ツアーに従い【開発区】へ参りたいです。
完全門外漢です。
「何でこんなに足が??へぇ…面妖だ」
『見学』と書かれたヘルメット等を大人しくかぶり参加しています。
運動神経も普通。体験させればそこそこ動かしますが、
「これ、何のボタンだい?(ポチー)」と余計な事をやらかすかもしれません。平身低頭土下座謝罪致します。
「はぁ、見事なもので…いえ、すみませんでした」修理の様を手品を見るように感心して見ています。
「機械で困ったら相談させて下さい。逆もまた然りです。探し物とかおつかい、喜んで行きますので。」



「お! またフクロウさんか! どうかしたかい?」
 ライデンがそう快活に迎え入れたのは篠田川・臨土(探偵兼召喚士・f43550)だ、地上出身の民間協力者。ハラナキから事前にある程度人が来ると連絡を受けていたので、ある程度見れる奇怪絡繰をウキウキと用意していた。地上のモノとは全く異なる系統の進化を遂げた、文字通り奇怪なモノに篠田川は目を丸くする。
「なんでこんなに足が?」
「うんにゃ、無駄に見えるだろ? ところがどっこい、突然地面が崩落した時だとかに踏ん張れるんだわ、これが」
 こんな感じに、とミニチュアの奇怪絡繰が器用にライデンの足元から腕へと駆け上る、不安定な人体をするりするりと多脚で登るさまはなんとも小器用で、愛嬌のあるものだった。
「へぇ……面妖だ」
「ふふーん、良さがわかってきたかい? そんじゃコイツ被って見学だ!」
 そうして篠田川は手渡された『見学』と書かれたヘルメットを被り、いざ本格的な見学へと洒落込むこととなる。

 ●
「そんじゃあ試しに搭乗してみるかね? そこの壁をちょーっとドリルで掘削するくらいのお試しだったら大丈夫でい」
「ふむ」
「まぁ操作方法は簡単だ、そこのレバーを――」
「これ、何のボタンだい?」
 間髪入れずにボタンを押すと派手な破砕音が響き渡る。おもむろに出た破壊的な光線に思わず篠田川はのけぞった。それ以上にぎええと悲鳴を上げたのはライデンであった。
「聞く前に押すんでねぇ! そりゃー対ウロ用の緊急兵器だ!」
「はぁ、見事なもので……いえ、すみませんでした」
 平身低頭、土下座までしようとすると流石にそれは止められて、マァ次気をつけりゃいいんだとあっけらかんとした返答、ではその通りにと見つつ、先の砲撃の反動で少しガタができているらしい、手早く修繕するのを見届ける。おお、と思わず一言、どんなもんだいとライデンは鼻の下をこすってみせる。
「機械で困ったら相談させて下さい。逆もまた然りです。探し物とかおつかい、喜んで行きますので」
「おうよ! 困った時はお互いサマ、ってな!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

スカーレット・ブラックモア
【傭兵】アドリブ◎
【歓楽街】

ルナとアナグラの下見(のつもり)

要請を受けて訪れたマレビトの一人
未知の土地、単独で行動するには多少心許ない
なるべく知己の仕事仲間を協力者に欲しいと思ってルナを呼んだのだが…
「さっきから何を探している」
「ヨーヨーが欲しい??持って帰ってもその辺にポイする未来しか見えんぞ!」
「…郷愁に浸ろうとする思いにとやかく言うべきではなかったな。好きにしたらいい」

以降も落ち着きのないルナに仕方なく付き合うが
博打小屋に入ろうとしたら流石に止める
「待て待て待て!!」
賭け方を聞いて呆れ説教
黙ってこいつに博打をやらせたら確実に全財産をスる
ここで全力で食い止める


ルナ・クレシェント
【傭兵】アドリブ○
【歓楽街】

要請は知らなかったが、呼ばれるがままにスカーレットについてきたマレビト

祭りを見て昔に遊んだヨーヨー釣りを思い出し、もう一度遊びたいと探す
「昔に1度だけやったことがあるんですけど、楽しかったんです!だからもう一度だけやりたいんです!」

その後も屋台で遊び回ろうとするが、途中で手持ちが足りないことに気づくと稼げそうな小屋を見つけ、どんな場所か知った上で行こうとする

「あ、ちょっとお金が足りなさそうなので、あそこに行ってきますね」
「え、そんなに待たせませんよ?遊ぶ時間がなくなっちゃいますし、一気に使って一気に増やしますから!」

止められたら絶対に言い勝てないので大人しくなる



 歓楽街にて、マレビトが二人。
 まったくもって未知の土地、ひとりでふらりふらりとするには心許なく、知己の仕事仲間を協力者に欲しいと思い、呼んだ同行者であるが……。
「……さっきから何をしている……?」
 ヨーヨー釣りにかまけている同行者――ルナ・クレシェント(人間の戦場傭兵・f04792)に、スカーレット・ブラックモア(異邦神狩り受ける執行人・f00474)はため息交じりに声をかけた。
「あっ! あのですね!? 昔に、一度だけやったことがあるんですけど、楽しかったんです! だから、もう一度だけやりたいんです!」
 お願いします! と頼み込むルナ。幼少の頃の思い出に蓋をさせていても仕方あるまい、よろしいとスカーレットは言って、ヨーヨー釣りをするのを眺めている。他にも金魚屋台や射的、そのほか食べ物の露店なども見当たる。まるで毎日が祭りのようだ。
「ハラナキさんいわく、これは縁起担ぎらしいですねー……?」
「ん? ああ。祭事を常にやることによって、不安定な地下の安全祈祷をする文化もあるんだとか。アナグラの人の分布により文化は異なるらしいけれども」
「なーるほどー……」
 ある意味このアナグラは極限空間ではある、地盤の不安定さもさることながら地下で生きるための諸々の知恵が必要な他、ウロの危険性も高い。人々に信心や独自の文化ができるという点については、想像に難くない。色々とうろついては目を輝かせるルナ。金魚すくいは失敗して、射的は人混みがすごいからちょっと遠慮。ヨーヨー釣り、もう一度できるかな? ……手持ちがない。
「あ、ちょっとお金が足りなさそうなので、あそこに行ってきますね」
「うん?」
 ……指差す先は薄暗がりにある博打小屋だ。
「いやいやいや待て待て待て!」
「え、そんなに待たせませんよ? 遊ぶ時間がなくなっちゃいますし、一気に使って一気に増やしますから!」
 賭け方がそれか! 服を引きずってまで止めた。
「それな、全財産をスるぞ!」
「ええっ! それは困っちゃいますけどぉ……」
「『けどぉ』ではない! ええい、費用くらい私が持ってやる!」

 ●
「で、思う存分遊ばれたでありますか。賭けをしないのは賢明でありますなー、たまに詐欺が紛れている故」
 しれっと発されたハラナキの言葉に、ルナは本当に……? とショックを受けている様子であるが、あんな風にさも当然のように紛れている博打小屋なんて怪しいモンなのが相場だとスカーレットは説教した。
「うう……でもでもっ、楽しかったです!」
「それは良かったであります!」
「あまりルナを甘やかすな……」
 終始ため息まじりのスカーレット、けれども――手にしたヨーヨー、逃した金魚、並ぶには長すぎてしびれを切らした射的――童心に帰るのも、まあ、悪くなかったような気がする。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月13日


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#昭和レトロスチィムパンク怪奇PBW『ヤケアト』


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト