●『追うモノと追われる者』
「はぁ、はぁ
......」
街の路地裏を必死に駆ける人影があった。疲れてもなお走り続けるその人影は齢15ほどのうら若き少女だろうか。
「誰か
......助けて
......」
絞りだされるのは涙交じりの悲痛な声、だがそれを聞く者は誰もおらず、ましてや応える者など当然のごとく、いない。
「グルルルル」
「ひぃ!」
背後から聞こえる唸り声にふと振り返ると、そこに居たのは複数の犬のような獣たち。もう逃げられないことを悟った少女は壁を背に座り込む。
「助けt
......」
少女の言葉は誰にも届かず、無残にも散っていく。彼女はただ運がなかっただけ、だがこの世界ではそれだけが理由で死んでいく者が数多くいる。祈りを聞き届ける神はおらず、人間にとって生きていくだけでも精一杯の残酷な世界。
血だまりに残されるのはただの肉となったモノ。手足を喰い千切られ、断面からは砕け折れた骨が覗いている。腹は食い破られ、臓腑が散らばる。顔はグチャグチャに潰され、可憐であった少女の面影などすでにない。目に映るのは赤一色に、鼻をつくのは錆びた鉄の臭い。
「あら?もう終わったの?じゃあ次に行きましょうか?」
先程まで少女だったモノを踏みつけ、獣たちの主は微笑む。この程度の血ではまだまだ足りないと。主とその異形の従者は、次の獲物を探してその場から去っていく。
●『追うモノを追え』
「ダークセイヴァーのとある街デネ。夜な夜な人が襲われるという事件が発生してるんダヨ」
いつものように己の持つグリモアを読みながら、集まった猟兵たちへ説明を始める石動・レイン。
「被害者はもっぱら女性、見つかるころには八つ裂きデネ。それはもう凄惨の一言に尽きるヨ」
今回の目的はその事件を起こしているオブリビオンを倒すことだという。
「犯人は犬みたいな獣を連れた吸血鬼なんだけどネ、問題なのは一か所に留まらず歩き回っているということなんダヨ」
つまるところ、まず猟兵たちは何らかの方法で犯人を探し出さなければいけないのだ。
「彼女の目的はただのお遊び、ペットと散歩のついでにおもちゃを見つけて楽しんでるくらいの感覚なんだろうケド被害者はすでに多数でている。諸君らにはこれ以上犠牲者を出さないためにも早急に解決してもらいたい。健闘を祈っているヨ」
この許し難い蛮行を行う者に鉄槌を、そう言ってレインはゲートを開き猟兵たちを送り出す。
外持雨
外持雨です。季節の変わり目ですが皆さん体調を崩してはいないでしょうか?初めましての人もそうでない人もよろしくお願いします。
今回の依頼はまず敵を探すところから始まります。その後集団戦、続いてボス戦の流れです。1章での皆さんの行動によっては死体が増える可能性もあるのでご注意ください。
第1章 冒険
『闇夜を切り裂く断末魔』
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POW : 不審な人影を取り押さえる
SPD : 町人に聞き込みを行う
WIZ : 囮となって切り裂き魔をおびき寄せる
👑11
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煌天宮・サリエス
男ではありますが、この中性的な見た目であれば女性として見られることもできるでしょう。
「どうにかして、私を狙ってくれるといいのですが」
【誘惑】を使用して、襲い掛かりたくなるような、儚げな少女のような雰囲気を纏いながら路地裏を歩きます。
もし、切り裂き魔を発見、もしくは襲い掛かってきたのならば、ユーベルコードを使用して捕縛しようとします。
発見した時点で演技も誘惑もする必要もないので、逃げるのならば空を飛んでも追いかけます。
葛乃葉・やすな
人間の少女が襲われたじゃと?
捨て置けぬわ。
このような蛮行、わしが終止符を打たせてもらう。
さて、これ以上被害を出しとうない。
ここはわし自ら囮となるかのう。
不本意ではあるが、わしはちょいとばかり幼く見えてしまうでのう。
切り裂き魔もわしを標的に選びやすいじゃろう。
敵を油断させる為に武器は持たぬ。
後は人通りのない場所で相手が来るのを待つだけじゃ。
敵がわしを狙ってきたら【逃げ足】と【ダッシュ】さらに【地形の利用】をして他の猟兵が来るまで【時間稼ぎ】じゃ。
わしは足が速いほうではないでのう。
早く他の猟兵と合流したい所じゃ。
※アドリブや絡みは大歓迎じゃ。
「どうにかして、私を狙ってくれるといいのですが
......」
一人暗い路地裏を進む煌天宮・サリエス(聖呪天司・f00836)。彼女、いや彼は今にも襲ってくれと言わんばかりの雰囲気を醸し出して街の片隅を歩いていく。
男ではあるものの、その中性的な見た目を利用して犯人を誘いだそうという作戦だ。さらに念には念を入れてと誘惑を使っていることで知らぬ者からすればただか弱い女性が無防備に隙をさらしているようにしか見えない。
「なかなか釣れないものですね
......」
作戦は失敗かと呟くサリエスだが、いつの間にか音を立てずに彼の跡を追う複数の影がある。
「グゥゥゥ
......」
ほんの静かな唸り声、だが人気のない路地裏では思いの外響くものだ。
ふいに背後から聞こえた音にサリエスが勢いよく振り返ると、そこに居たのは姿だけは犬に似ているもかわいらしさなど欠片もない異形の獣たち。一部とはいえ、どうやら狙い通りに獲物は釣れたようだ。
「狙い通りと言いたいところですが、流石にすべて引き寄せられたわけではないみたいですね
......救済式起動」
とりあえず今いる分だけでも捕まえておきますか、とサリエスは<救済式:怨呪闇縛(コード・グラッジチェンド)>を発動する。放たれた闇の鎖が逃げようとする獣たちを捕まえ、縛り上げていく。
獣たちを捕まえることには成功したものの、その主であるはずの吸血鬼の影が見当たらない。一抹の不安を覚えるサリエスだが、獣たちを野放しにするわけにもいかずその表情を曇らせていくのだった。
「人間の少女が襲われたじゃと?捨て置けぬわ。このような蛮行、わしが終止符を打たせてもらう」
これ以上の被害を出さないためにもと、自ら囮を買って出た葛乃葉・やすな(ガチャで大爆死した妖狐・f14023)。見た目は幼い少女である自分ならば標的にしやすいのではないかと考えた上での選択だ。
「わしはちょいとばかり幼く見えてしまうしのう
......囮としてはもってこいのはず」
不本意じゃが、不本意なんじゃがと繰り返し呟きながら、人通りのない通りを選んで待ち構えるやすな。あえて油断を誘うためにも武器を持たずに佇んでいる。
そんな無防備に見える彼女の背後から迫る異様な姿の獣たち。
「うん?」
嫌な気配を感じたやすながふと振り返ると、そこに居たのはよだれを垂らし、今にも飛び掛かろうとしてる獣の群れがいた。
「わ、わしは美味しくないんじゃぁああ!」
三十六計逃げるに如かず。飛び掛かる獣たちにむけてその辺にあったものを手あたり次第に投げつけ、やすなは脇目も振らずに走りだす。
「だ、誰かぁあ!?誰かおらんのかぁあああ!?」
逃げる猟兵、追う猟犬。味方を探して走るやすなの地獄のような鬼ごっこ、開幕である。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
祝聖嬢・ティファーナ
WIZ>SPD重視でお願いします☆
*アドリブは歓迎します♪
風の精霊や聖霊に『良からぬ存在』に気を付けて探してもらいます☆
自分でも実際に翔んで人々に“良からぬ何か”の噂や目的談を聞いて回ります♪ 同時に風の精霊や聖霊に闇の精霊や土の精霊の話を聞いてもらい、虫や動物にも「変なモノや怖いモノは見なかった?」と聞いてみます☆
聞いてみる時点で気持ちをほぐす為に“こんぺいとう”を手に「どうぞ♪」と配りながら聞いてみます♪ 精霊・聖霊にもお礼に配ります☆
聞けたお話しなどはまとめてから猟兵の皆様と情報を交換して置きます♪
困っている人や落ち着かない人には『シンフォニック・キュア』でキュア・サニティで治します☆
「それじゃあみんな、いやな感じの存在を見つけたらボクに教えてね」
風の精霊や聖霊を集めて何かしら『良からぬ存在』を見つけたら教えてほしいと頼むと、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)は自らも人々に話を聞きに翔びたつ。
「最近おかしな噂とかって聞いたことないかな?それか変なもの見たりとか?あ、これどうぞ♪」
ただで聞くのではなく気分をほぐすためにも金平糖を配りながら訪ねていくティファーナ。そんな彼女に気を良くしたのか、町人たちはいろいろと気前よく教えてくれる。
「最近だと
......あれだな。一人で出歩いてると化け物に襲われるって噂だ。化け物が本当かどうかは知らないが確かに無残な姿になった死体が街のあちこちで見つかっている」
「犬のような化け物を連れ歩くこの世の物とは思えないほど綺麗な少女がいるっていう話もあるねぇ」
「暗い路地裏とかによく出るって話だな。そんなところ歩いていたら襲ってくるのは何も化け物だけじゃないだろうが」
「そうなんだ。みんな話してくれてありがとう」
噂が広まる程度には有名だが、まだ噂の域をでるほどではないのだろう。人が相手だと聞けるのはこのくらいが精一杯だと考えたティファーナは、今度は相手を変えて聞いてみることにする。
「ねえ、キミたちは変なモノや怖いモノは見なかった?」
金平糖を配りながら聞いていく相手は多種多様な精霊や動物たち。
普通の人は聞こえぬ声に耳を傾け、聞き取っていく。どうやら相手はどこからともなく現れては惨劇を作り出し、宴が終わったころにその主である吸血鬼が現れては共に去っていくらしい。
「教えてくれてありがとう」
感謝の意を告げ、他の猟兵たちにも教えるべく翅を広げるティファーナだった。
大成功
🔵🔵🔵
ミアズマ・フォルテ
趣味の悪い散歩だな、だが猟兵に嗅ぎつけられたのが運の尽きだ。
SPD重視で行動
まず住民に過去に街のどの辺りで被害者が出たのか聞き込みをして
出現地域を地図に書き込んでの次の目星をつけよう。
後は誘き出す際にすぐ援護できるよう囮役の人から少し離れて
身を潜めつつ様子を見守る。
囮役ではなく潜んでいる私が狙われたら笑えないので
獣が嫌がる匂いがする香草なんかを用意しておこう。
(囮役がいないなら自分で囮になる、その際は獣避けの道具は使わない)
獲物が食いついたら用意しておいた笛を鳴らして他の猟兵を呼び寄せる。
クリミネル・ルプス
事件現場を町民に聞き更にUCで『残り香』を嗅ぎ取り、情報を収集する。
残り香と聞き取りの情報からペットと主人は『愉しんでいる』と想定する。
狙われた犠牲者達に祈りを捧げ、行動に移す。
小柄な体躯を活かし見た目を町娘に擬装。犠牲者が狙われた時間にちらちらと周囲を伺いながら『怯える町娘』を演じる。
喰いついて来たら、怪しまれない様致命傷にならぬ程度に傷付く事は覚悟している。
(他の猟兵との連携は可です)
「(喜びも痛いのも苦しいのも生きとるからや。アンタ等、たらふく狩ったやろ?)」
静かにしかし憎悪とも言える醒めた怒りの感情を押し殺すのではなく転換し擬態する。
デナイル・ヒステリカル
どのような性質を持つオブリビオンの仕業か分かりませんが、ただ犠牲者が出るのを待つというのは論外ですね。
オブリビオンを打倒する。犠牲者を最小に留める。
今回の目的は大きく分けてこの二点です。
僕は被害者の特徴・外傷、事件現場の位置などを町の人に聞き込み、【情報収集】をして共通項を探します。
それを割り出すことにより、より効果的な囮役の作成。
そして町の人に注意喚起を促すことが出来ると判断しました。
もし情報提供や注意喚起に渋られるようなことがあれば金銭の譲渡で交渉することもやむなしです。【コミュ力】を発揮しましょう。
※アドリブ・連携など大歓迎です。
忍足・鈴女
WIZ
ふむふむ…複数のわんころを従えた嬢ちゃんか…
上空から【猫霊の追跡者】で捜索
序でに街のMAPの『情報収集』を
『視力』『暗視』も猫霊に反映されるから
見えん事はないやろ…
発見した敵グループを各猟兵に伝達
狐っ娘を追っかけてるのが全部ならまだしも
分散してたら厄介やな…
その場合は敵に張り付いてる猫霊さんに『存在感』を与えて
人の通らない通りを選択しつつ『おびき寄せ』を
一カ所に集めた方が殺りやすいやろし
なるべく人の少ない大き目の広場に全敵を誘導
各猟兵さんにも集合地点の広場の避難と誘導を手伝うてもらおか
さてさて…猟兵さんも狼さんも踊りゃんせ~♪
と【楽器演奏】で囮も兼ねながら広場に向かいますか
ラモート・レーパー
WIZ 被害に関してはまあ勿体ないとかそこら辺かな。
模倣犯を演じてみるよ。被害が多少大きくなるかもしれないけどコラテラルということで。UCで地獄の猟犬を呼び出して被害地域の周辺で散歩ごっこするのと何処からしらかで死体を調達するよ。猟犬にはギリギリになるところで襲わないようにして、調達した死体で偽装して噂を広めたりしてみよう。そうすれば時間帯は家に閉じこもって被害が少なくなるんじゃないかな。
もし敵が人が出歩いているところで散歩しているのならそのうちかち合うんじゃないかな?
「趣味の悪い散歩だな、だが猟兵に嗅ぎつけられたのが運の尽きだ」
「まったくや。しかもこの匂いからして奴さんら、愉しんでるみたいやな」
街の地図を片手に、人々に事件のことを尋ねては犠牲者の見つかった現場に印をつけていくミアズマ・フォルテ(求める者・f00215)と、現場の残り香から情報を集めていくクリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)の二人。
「人々に聞けたことから考えて、次に出そうな場所は
......」
「この辺やろな。そんじゃあとは打ち合わせ通りにいくか」
印の付いた地図と睨めっこしながら、お互いに集めた情報を確認し合うと、そっと犠牲者たちに祈りをささげる二人。彼女たちの仇は必ず討つと決意を固めると、クリミネルは町娘に扮し、敵が出てくると予想した薄暗い裏通りを進んでいく。その後ろから、念のためにと獣除けの香草を所持したミアズマが姿を隠し、音をたてずに付いていく。クリミネルが囮となって敵を呼び寄せ、時間を稼いでいる合間にミアズマが他の猟兵たちを呼ぶ作戦だ。
ちらちらと周囲に目をやり、怯えた町娘を演じながら進むクリミネル。そんな彼女の後ろを、気配を消しながらついていくミアズマ。
そして、不意に、一匹の獣がクリミネルの前に降り立つ。
「なっ、上からやて?!」
「屋根の上とは
......図られたな」
急ぎ視線を上に向けると、そこに居たのは屋根の上に集まった数十もの異形の犬たち。驚いている合間にも二人を取り囲むように続々と飛び降りてくる。
「釣れたんはええけどまさかここまで団体さんやったとはなぁ」
「とりあえず他の猟兵たちに救援を乞おう」
じりじりと包囲網を狭めていく獣たち。
現れた敵を目の前に、冷めた怒りからくる獰猛な笑みを浮かべるクリミネルとあくまで冷静なまま笛を鳴らし救援を呼ぶミアズマ。
「こりゃ助けが来るまで待ってくれそうにあらへんな」
「仕方ない。私達は全力を尽くすだけだ」
そう言葉を交わすと、拳を握りしめるクリミネルと弓に持ち替え矢をつがえるミアズマ。たとえ多勢に無勢でも、そうそう簡単にやられるつもりなど毛頭もない二人だった。
「どのような性質を持つオブリビオンの仕業かわかりませんが、ただ犠牲者が出るのを待つというのは論外ですね」
確認のためにもと声に出して方針を語っていくデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)。
「オブリビオンを打倒する。犠牲者を最小にとどめる。今回の目的は大きく分けてこの二点です」
なるほど、確かにその通り。だがその程度のことならよほどの馬鹿でも無い限りわかるだろう。そこからどういう作戦を立案し、実行するのか。重要なのはそこだ。
「なのでまずは犠牲者たちの特徴・外傷、事件現場の位置といった事柄から共通項を探し、そこから効果的な囮役の選抜する。そして町の人たちに注意を呼び掛けることで犠牲者を減らすことができるのではないでしょうか」
「なら私は模倣犯を演じて人々があまり外を出歩かないように仕向けようかな?多少は被害が増えるかもしれないけどそれはまあコラテラルダメージということで」
あどけない笑みを浮かべながらさらりとえげつないことをのたまうラモート・レーパー(生きた概念・f03606)。
「私が地獄の猟犬たちを呼び出して、被害のあった地域を散策して、もし出歩いてる人がいれば命は取らずとも死ぬほど怖い目に合わせれば警戒して外出を控える人も増えるんじゃないかな?そうすれば被害も少なくなるよね」
だがそれは犠牲を出すことを前提とした作戦だ。一般人が狙われないように囮を使いリスクを分散させるのではなく、狙われる対象を減らすということは効果はあるだろうがその分一人一人のリスクが跳ね上がるやり方だ。
案の定、デナイルは眉をひそめながらラモートの方を見ている。
「効果はあるでしょう。しかし僕はそれが良いやり方だとは思えません」
「でも効果はあるよ?それにぼくも歩き回ってたらいずれ敵とも鉢合わせるんじゃないかな?」
「だからといってそう簡単に犠牲を出す前提で進めないでください!」
「犠牲はもう既に出ているんだからあと数人くらいなら仕方ないで済む範疇だと思うよ?」
互いの価値観の違いからくる論争。大も小も可能な限り拾うのか、大のためには小など斬り捨てて当然か。敵を討つという目的は一緒なのにその過程が大きく異なる二人。
とはいえまずは情報収集からである。考えが違おうとも、情報を集めるためには協力し、人々に事件のあらましを尋ねていくデナイルとラモートだった。
「ふむふむ
......複数のわんころを従えた嬢ちゃんか
......追うのでござる!猫霊の追跡者(キャット・ストーキング)!」
そんなにわかりやすいのなら簡単に見つけられるやろ、と猫の霊を召喚し、上空から街中を探すように命令する忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)。自らは手近なところにあったベンチに腰かけたまま、猫霊と五感を共用させる。
己の五感は猫霊にも反映される。暗視に加え、視力までもが強化された自分になら見えないものはないはずと上空から見渡していくと、視界に映るのは囮となった猟兵たちに群がる異形の獣の集団。それも厄介なことに複数の集団に分かれている。
「これはまたちと厄介やな
......」
そう呟くと、鈴女は猫霊に新たな指示を出す。今度の指令は窮地にいる猟兵の元に他の猟兵たちを連れていくこと。そして全員を集合地点に適した人気のない広場へと誘導し、味方の戦力を一つに纏めること、その二つだ。
「一か所に集めた方が殺りやすいやろし。うちはそれまでの露払いと洒落込みましょか」
おもむろに立ち上がりながら三味線を構えると、鈴女は弾きながら自らも広場へと向かって歩きだす。
「さてさて
......猟兵さんも狼さんも踊りゃんせ~♪」
歌いながら歩く鈴女の足取りはどこか軽やかで、まるで狩りに赴く肉食獣のよう。そしてその金の瞳はすっと細く、浮かべた笑みは上品ながら恐ろしい雰囲気を漂わせているのだった。
成功
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第2章 集団戦
『オルトロス』
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POW : くらいつく
自身の身体部位ひとつを【もうひとつ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD : ほえる
【悲痛な咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : なかまをよぶ
自身が戦闘で瀕死になると【影の中から万全な状態の同一個体】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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●『狩人を狩れ』
囮となって敵を引き付けていた者も、そうでない者も、味方の猟兵たちと力を合わせて人のいない広場に合流する。そんな彼らを追って同じように集うのはオルトロス。犬にも似た形状をした、しかし全く似ていない異形の獣たち。
猟兵たちが引き付けていた分だけでなく、それを上回る数のオルトロスが今なお着々と増えていく。どうやらこの街に巣くうそのすべてが集結しているようだ。
ここがある意味正念場。街の人のためにも一匹でも取り逃がすわけにはいかない。そしてここにいるオルトロスを倒せば今なお出てこないその主を引き摺りだすことができるだろう。
デナイル・ヒステリカル
十分な広さを有したこの場所でなら、戦闘も可能です。
それでも、逃げ出したオブリビオンが広範囲攻撃をする場合、住人の安全は保証できません。
たとえ彼らが四方八方に移動したとして、追い付けるだけの機動力が必要だと考えます。
UC:オーバークロックをスタート
イナヅマを纏って目にも留まらぬ高速で移動し、広場から離れようとする敵を【見切り】、攻撃します
咆哮を響かせようとする個体に対しては、雷の【属性攻撃】を放射することよって音を打ち消し、被害の拡大を軽減しようと思いました
激しい攻勢は体力を減らしていくでしょうが……
問題ありません、この場にいる猟兵は僕一人ではないのですから。
ラモート・レーパー
「誰かを襲うってことは襲われる覚悟があるってことでいいんだよね?それともそんな覚悟がなくてやってたのかな?どっちにしても悪い子。悪い子にはお仕置きしないとだめだよね」
POW 真の姿に変えないで角笛型ホイッスルを吹いてUC【ワイルドハウンズ】【デュラハン】を発動、探索で出した地獄の猟犬たちとともに戦わせるよ、【間引きの厄災】で狂犬病あたりの病魔でもばら撒きつつ、黒剣を狩猟武器に変化させて戦おうかな。仲間にはあらかじめワクチンを作ってもらって罹っても大丈夫にしたりしておくけど。
僕と僕が召喚したのは生命がないから多分噛まれて大丈夫。
戦闘が終わったら自分の猟犬とかとオブビリオンの遺体を食べたい!
ミアズマ・フォルテ
予知で複数いるとは言っていたがこの規模は……
女性だけでなく近いうちに街の住人全てが犠牲になっていたかもしれないな
SPD重視で行動
とにかく数が多い。囲まれて集中攻撃されたら危険なので
他の猟兵と声を掛け合い、連携して孤立しないよう立ち回る
特に前に出て近接攻撃するタイプの猟兵を積極的に援護しよう
それから敵は瀕死になると仲間を呼ぶらしいので
弱った敵を優先的に潰し、一体一体きっちり仕留めるよう心掛ける
幸いというべきか私の得物は弓だからな
弱った個体が逃げに入っても追いかけずに遠距離から撃ち抜いてみせよう
クリミネル・ルプス
「さぁ…ワンちゃん?!…潰されるか、折られるか、破裂するか選ぶとエェで!」
双頭の狗に対峙するのは狩人となった人狼。
【戦闘方針】
狗は群れて獲物を狩るものとしてもこの数は厄介と判断。
躱すよりも確実に『潰して』いき増加の抑制を狙う。
(瀕死のモノは早々に潰し『なかまをよぶ』をさせない)
UCで広場でもやや低い所や高い所からの着地点となる場所の地面を崩し、狗達の機動力を削ぐ。
(連携は勿論歓迎)
出来る限り狗の群れの近くで戦い遠距離・範囲攻撃のフォローと足止め。
激痛耐性あるので『ほえる』『くらいつき』されたら狗ごと他の狗も巻き込んだりする。
「アタマ二つを割ったらケルベロスより多くなるやん?!」
「ここでなら戦闘は可能でしょうが、オブリビオンに逃げ出されると住民の安全が保障できませんね」
敵と味方で埋まっている広場を見渡しながらデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は呟く。
「となれば、必要なのはたとえ逃げ出されても追いつけるほどの機動力。優先順位変更。ぶっ飛べ
......!」
デナイルが<雷霆万鈞システム>を使うと、青白い雷光が彼の身体の上を這うように纏わりつく。
稲妻を纏ったまま、デナイルが一歩踏み出すと、広場に中央にいたはずの彼の姿は掻き消え、一秒の間もなく端にいたオルトロスの目の前に出現する。
「■■■▪▪■■▪▪▪」
予兆もなくに目の前に現れたデナイルに対し、味方を巻き込んでも咆哮を放とうとするオルトロス。だが咆哮よりも先に放たれた雷撃がオルトロスを打ち据え、雷鳴をもって咆哮をかき消していく。
「速く動けるのはいいですがこれの欠点は体力を減らしていくことですね
......ですが問題ありません。この場にいる猟兵は僕一人ではないのですから
......」
他の猟兵たちに目をやれば、皆それぞれのやり方でオルトロスを倒している様が見える。これならば心配はいらないと、住民の被害を減らすべく、オルトロスを狩るデナイルだった。
「誰かを襲うってことは襲われる覚悟があるってことでいいんだよね?それともそんな覚悟がなくてやってたのかな?どっちにしても悪い子。悪い子にはお仕置きしないとだめだよね」
不気味な笑みを浮かべて首から下げた角笛型ホイッスルを手に取ると、軽く息を吸って魔笛を吹き鳴らすラモート・レーパー(生きた概念・f03606)。
断末魔のような音色を奏でる笛に呼ばれて巨大な黒狼と地獄の猟犬たちがラモートの影から這い出てくる。
「それじゃあお仕置きのじかんだよ」
黒狼の背に跨り手に握った黒剣を禍々しい槍へと変形させると、お次はこれとオルトロスにむけて強力な病魔を宿した息を吐くラモート。目に見えぬがゆえに防ぐこともできず、ただただ身を蝕んでいく病にオルトロスたちは恐怖し狂い、同士討ちを始めてしまう。
その只中に一騎駆けする黒狼とその背のラモート、そして猟犬たち。猟犬たちが喉を食い破り、黒狼に騎乗したラモートが刺し貫いていく。
蹂躙劇が終わるとそこに居たのはオルトロスの死骸を貪る黒狼と猟犬たち、そして晴れやかな笑みを浮かべるラモートだった。
「予知で複数いると言っていたがこの規模は
......女性だけでなく近いうちに街の住人全てが犠牲になっていたかもしれないな」
オルトロス達のあまりの数に呆れ、思わずため息をつくミアズマ・フォルテ(求める者・f00215)。
「さぁ
......ワンちゃん
?!......潰されるか、折られるか、破裂するか選ぶとエェで!」
対してこちらは獲物の数に狂喜するクリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)。
「とにかく数が多い、孤立したら危険だ。私は後ろから援護するので前衛は任せた」
「狗は群れで獲物を狩るもんなぁ。にしてもこの数は厄介やな」
前衛のクリミネルと後衛のミアズマ。それぞれの役割を確認すると、素早く行動に移す。
「そんじゃいっちょ潰れろや!」
物騒な掛け声とともに身の丈ほどの巨大な斧を振りかぶると、クリミネルはオルトロスの群れの真ん中に飛び込んでいく。大きく振りかざした斧に慣性を乗せ、思いっきり地面へと叩き付ける。その威力に、オルトロスたちを巻き込みながら破壊のクレーターが形成される。
破壊の一撃を逃れたオルトロスたちも余波によりダメージを受けている。回復するためにも頭の数を増やし、彼女に飛び掛かり食らいついていく。痛みは感じている、だがこの程度、どうということはないと自らの腕に噛みついた一匹の頭部を鷲掴みにし、引きはがす。
「アタマ二つを割ったらケルベロスより多くなるやん?」
ギラついた笑みを浮かべながら力を込め、オルトロスの頭をグシャリと一思いに握り潰すと遠くに投げ捨てる。ちぎっては投げ、ちぎっては投げと、最早それが返り血なのか自らの血なのかもわからぬほどに赤くその肌を染めていくのだった。
先の一撃で虫の息となるオルトロス。その影が渦を巻き新たなオルトロスが召喚されようかという時に、ミアズマの放つ矢がとどめを刺していく。
「幸いにも私の取り柄といえば弓だからな
......」
そう自嘲気味に微笑みながらも矢をつがえ、放つ手を休めることはない。他の猟兵が戦うほどに新たなオルトロスが呼び出されるかもしれないのだ。対策といえば新たに呼ばれる前にきっちりと殺しきる事ぐらいしかない。
攻撃を受け、弱った個体をみつけると、ミアズマは優先的に、そして素早く射抜いていく。乱戦の図となった広場には彼女の矢から身を隠す遮蔽物などなく、たとえ逃げだそうと彼女の射程から逃れることはできない。
敵を引き付けるのは前衛に任せ自らは後衛に徹底する、そして必ず仕留めきるように援護するミアズマ。狙いを外さぬその腕前に、オルトロスの数は着々と減っていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
煌天宮・サリエス
「さて、犬だろうが何だろうが魔性のものは燃やすに限る」
熾天使の書を開き己の命を捧げることで、敵のユーベルコードをも燃やしつくす白炎をいくつも顕現させる。
特に、肉体を変化させて攻撃する犬達にはさぞかし効くことだろう。
炎で犬を焼いている間、炎が届いてなく、攻撃準備に入っている犬を【見切り】銃に装填した【誘導弾】で【援護射撃】することでほかの人の行動が円滑にできるようにします。
「あぁ、人を喰らう邪悪が苦悶する姿こそ喰らわれた人の安息になるのです」
アドリブ歓迎
忍足・鈴女
敵さんの『ほえる』の射程外から
お味方さんが一匹倒して
『なかまをよぶ』のを確認しよか
「増えた敵さん倒して経験値あがるんやったら
なんぼでも付き合うてあげるんやけど
経験値固定なんやわ
せやから…土は土に、灰は灰に、塵は塵に…」
【凛とした音色】で『なかまをよぶ』を封じるで
後は
『ほえる』連発してくれたら勝手に自滅してくれへんかしら…
『くらいつく』で共食いしてくれてもええし…
補給源やったら周りに一杯あるやろ
くらい言うとこか
【援護射撃】は
鎮魂の鈴から呼ぶ猫霊さんによる【呪詛】攻撃
「おいでまし、猫霊はん…
ってお前も戦え?しゃーないやん…
両手塞がってるんやし…
少ない労力で、より良い戦果を…がうちのスタンスなんよ」
葛乃葉・やすな
何とか合流出来たようじゃな。
ここから反撃といくかのう。
UC【奥義・傾国美女】で大人に姿をしたわしを二人召喚じゃ。
この二人には【破魔】の力を込めた【衝撃波】で【範囲攻撃】をしてもらう。
一度では済まさん【二回攻撃】じゃ。
先ほどわしを追いかけた報いを受けよ!
祝聖嬢・ティファーナ
WIZ>POWで判定を
*アドリブや共闘は歓迎します☆
一緒に戦う猟兵がいなければ『クリスタライズ』で隠れて、1名なら仲間も隠れます♪
風の精霊と雷の霊性に周囲の警戒と防御をしてもらい聖霊に『エレメンタル・ピクシィーズ』と『神罰の聖矢』で攻撃も仕掛けます☆
状況にゆとりがあれば、地面にも光の精霊に邪魔と攻撃を頑張ってもらいます♪ “勇気”と“応援”で励ましながら“オーラ防御”でも協力を出し惜しみはしません!
精霊と聖霊と猟兵へ『生まれながらの光』や『シンフォニック・キュア』での治療や状態回復は望まれてる様に見えたり感じたら行います☆
合間や終わりに“こんぺいとう”で疲れを労います♪ 精霊・聖霊・猟兵全部に
「さて、犬だろうが何だろうが魔性のものは燃やすに限る」
熾天使の書を片手で開き、ページを捲っていく煌天宮・サリエス(聖呪天司・f00836)。
敵を前にいつもの穏やかな表情は鳴りを潜め、代わりに浮かぶのは残虐な笑み。
「魔を滅せよ白き炎。全ての厄災は神の名にて焼却される」
朗々と文言を唱えるサリエス。それは己の命を対価にすべてを焼き尽くす白焔を呼び出すためのキーワード。サリエスの使うユーベルコード、『救済式:熾天白炎(コード・ミカエル)』だ。
辺り一面を白く燃やしていくサリエス。敵のユーベルコードさえも燃やす炎はユーベルコードで身体を変化させるオルトロスにとって天敵ともいえる技だ。
炎に包まれ、転げまわるオルトロス達、それを眺めてサリエスは口角を歪に釣り上げる。
「悔い改めなさい。私の技であなた達の罪を清めてあげましょう」
そう言い放つと、遠巻きに唸り声をあげているオルトロスに銃口を向け引金を引く。発射された弾丸は曲線を描き、狙いを誤ることなく標的を撃ち抜いていく
「あぁ、人を喰らう邪悪が苦悶する姿こそ喰らわれた人の安息になるのです」
燃え盛る白い炎に囲まれる中、ただ一人悦に浸るサリエスだった。
猟兵たちも健闘し、敵の数は順調に減っていくのだが、そもそもの数が多いためにどうしても取りこぼしが出てしまう。そう、一撃でとどめを刺すに至らなかったために新たに仲間を呼ぶオルトロスが出てくるのだ。
死にかけの個体の影が渦を巻き、万全な個体が這い出てくる。その様をつぶさに観察していた忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)がそっと独り言を呟く。
「増えた敵さん倒して経験値が上がるんやったら何ぼでも付き合うてあげるんやけど経験値固定なんやわ。せやから
......土は土に、灰は灰に、塵は塵に
......」
何やらメタなことをぼやきながら手に持つ三味線をかき鳴らす鈴女。その凛とした音色は広場に鳴り渡り、新たなオルトロスの召喚を封じていく。
「『ほえる』を使うて勝手に自滅してくれへんかしら
......『くらいつく』で共食いしてくれてもええし
......補給源やったら周りに一杯あるやろ
......」
言葉では怠そうにしていても、弦をはじく手は止まらない。
「ああもう面倒やなぁ
......おいでまし、猫霊はん」
鎮魂の鈴から猫霊を呼び、自分に代わって攻撃するように頼む鈴女だが
......
「ってお前も戦え?しゃーないやん
......両手塞がってるんやし
......少ない労力で、より良い戦果を、がうちのスタンスなんよ」
鈴女を説教しながらも呪詛を飛ばし援護する猫霊と、説教なんてどこ吹く風と聞き流す鈴女のペア。彼女らの活躍により新たなオルトロスが呼び出されることはなくなったのだった。
「なんとか合流できたようじゃな。それではここから反撃と行くかのう。よろしく頼むぞ、理想のわし達!」
作戦のためとはいえ追いかけ回されていた葛乃葉・やすな(ガチャで大爆死した妖狐・f14023)。恨みを込めて呼び出したのは大人となった自分自身(理想)、それも白と黒の二人。
「先程わしを追いかけた報いを受けよ!」
二人の後ろからふんぞり返るやすな。そして偉そうにしているやすなに代わって攻撃するやすな白とやすな黒。二人×二回分の計四回放たれた浄化の衝撃波は群れなすオルトロスを纏めて薙ぎ払っていく。
「わはははは。見たか、これがわしの実力よ!」
耳をピンと立て、高らかに笑うやすな。そんな彼女に白と黒やすなからの冷淡な視線が突き刺さる。
「な、なんじゃ?!わしだって頑張ったじゃろ!怖いのにずっと追いかけられて街中マラソン大会だったんじゃぞ!」
お前は何もしてないだろうという二人からの視線に耐えかねて、弁明を述べるやすなだが、そんなことをしている間にも敵はどんどん迫ってくる。
「ってこんなことをしている場合ではないのじゃ!早く敵を倒さねばいかんじゃろう!」
いつの間にか近くにまで来ていたオルトロスを見て慌てふためく。そんなやすなにやれやれという視線を向ける白やすなと黒やすな。
戦場の只中にいるというのに、ここだけはどこか緊迫感にかけているのだった。
「身体も貴方も水晶の様に透明に
......」
戦闘が始まると、即座に『クリスタライズ』を使い、自らの姿を消した祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
「みんな、ボクのまわりをお願い」
そっと小声で風と雷の精霊に囁くティファーナ。彼女の願いに応え、周囲を浮遊する精霊たち。
「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ
......ついでもう一つ。光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい
......」
透明なまま、声を潜めて詠唱を諳んじるティファーナに今度は聖霊たちが応じる。聖霊の矢があらぬ方向を向いているオルトロスたちを素早く仕留めていったかと思えば、天から降り立つ光が彼らを穿つ。
意識していない方角からの攻撃に、敵を探すオルトロスたちだがティファーナの姿は目に映らない。匂いで気づいた個体がいても、それらは速やかに風の精霊と雷の精霊によって倒されていく。
「ありがとう!もうあと少しだけだから頑張って!」
精霊や精霊たちだけでなく、姿を隠したままとはいえ猟兵たちも励ましていくティファーナ。こんな時でも。いや、こんな時だからこそ普段と変わらずに金平糖を配っていく。地震も疲れながら、それでも周囲に気を配ることを忘れない。そんな彼女の姿に皆一様に癒されていくのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『リーシャ・ヴァーミリオン』
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POW : 魔槍剛撃
単純で重い【鮮血槍】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ブラッディ・カーニバル
自身に【忌まわしき血液】をまとい、高速移動と【血の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 魔槍連撃
【鮮血槍による連続突き】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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●『猟犬たちの主』
「あーあ、折角のペットだったのに
......」
襲い来るオルトロスを殲滅し、一息つく猟兵たちの耳にそっと聞こえてくる少女の声。
「色々楽しめていたのに残念だわ」
残念と言いつつも、その声音には少しもそのような感情は籠っていない。
むしろ、新しいおもちゃを見つけたことへの喜びに溢れている。
「ねえ、遊びましょ?あなたたちはそう簡単に壊れなさそうね」
無邪気に嗤う吸血鬼の少女、リーシャ・ヴァーミリオン。彼女と猟兵たちとの戦いが今、幕を開ける。
煌天宮・サリエス
「壊れなさそう……ね。残念だが、お前の遊ぶ時間は最早来ない。」
自身が装備する呪いの武具のいくつかが闇色の粒子に分解され、複数の鎖が形成される。
この鎖は死者の怨嗟が染み付く命を喰らい力を封じる鎖。
今まであの吸血鬼が殺したであろう人々の思念ではないが、オブビリオンに対する憎悪は変わらない。
「さあ、貴方達が憎悪するアレを喰らいなさい。」
鎖を敵に向けて襲い掛からせる。躱しきれなければ、鎖はその身に巻き付き締め上げるだろう。
敵の攻撃は、鎖を利用した牽制や見切り回避するといった行動で対処。
貴様の最期は、人々の呪詛に捕らわれた楽しさなど少しもない時間を送ってもらいましょう。
アドリブ・共闘歓迎です。
葛乃葉・やすな
ほう、わしと遊んでくれるか。
奇遇じゃのう。
わしもお主と遊びたかったのじゃ。
お主こそ壊れてくれるなよ。
わしは遊びでも手は抜かぬのでな。
UC【絶技・九尾解放】を使用。
わしの最大出力の妖気を【衝撃波】にしてリーシャにぶつける。
攻撃が通ればわしの妖気から【生命力吸収】をさせて貰う。
まだ終わらせんぞ。
【2回攻撃】で奪い取った生命力をわしの妖気に加えてからもう一度【衝撃波】を打ち込んでくれるわ。
今のわしに慈悲など無いぞ。
せいぜい頑張るのじゃな。
※アドリブや絡み歓迎じゃ。
「壊れなさそう
......ね。残念だが、お前の遊ぶ時間は最早来ない」
暗い笑みを浮かべたまま、煌天宮・サリエス(聖呪天司・f00836)は吸血鬼、リーシャへと言い放つ。
彼の所持する呪いの武具が粒子状に解けていったかと思うと、空で溶け合い、闇色の鎖へとその姿を変えていく。それは死者の怨嗟が呪いとして染みついたモノ。他者の命を喰らい、力を封じることで飢えを満たし無聊を慰めるモノ。吸血鬼に殺された人々の恨みが込められているわけではないが、それでもオブリビオンに対し果てない憎悪を抱いたモノ。獲物を見つければ喜んで喰らいつく。
「さあ、貴方達が憎悪するアレを喰らいなさい」
サリエスの号令とともに、吸血鬼へと向かって鎖が踊るように襲い掛かる。
「呪いと憎悪に満ちた武器。面白いものをお持ちなのね」
纏わりつく鎖に槍を一閃、軽く薙ぎ払うと素早く距離を詰める少女。
そして勢いよく槍を突き出すが、横から伸びてきた鎖に弾かれ、軌道を逸らされてしまう。
その一瞬の隙を逃さず、サリエスの操る鎖が足に絡みつき機動力を封じる。
「貴様の最後は、人々の呪詛に捕らわれた楽しさなど少しもない時間を送ってもらいましょう」
畳みかけるように鎖をけしかけ、少女を雁字搦めに縛っていく。
「それは
......少し困るわね。でもこの程度、私に効くとでも?」
幾重もの鎖に封じられているというのに、余裕の笑みを浮かべる少女。
「呪いなんていう闇に近しいもので私を捕まえようだなんて愚かにもほどがあるわ」
満面の笑みでサリエスに笑いかけると、少女を縛っていた鎖が力を失い、ひび割れていく。
「貴方じゃとても私の相手は務まらないわね。もっと遊んでくださる人はいないのかしら?」
地面に落ちた鎖の輪から一歩抜け出すと、少女の姿をした怪物は猟兵たちを見渡して微笑む。
そこに叩き付けられる衝撃波。
「ほう、わしと遊んでくれるか。奇遇じゃのう。わしもお主と遊びたかったのじゃ。お主こそ壊れてくれるなよ。わしは遊びでも手を抜かぬのでな」
九尾の妖狐へと姿を変えた葛乃葉・やすな(ガチャで大爆死した妖狐・f14023)が全身から妖気を滾らせ、リーシャへと容赦なく衝撃波を放っていく。
それもただの衝撃波ではない。攻撃した相手の生命力を吸い、使い手へと還元する。そのエネルギーを上乗せして更なる攻撃を重ねていくやすな。
「今のわしに慈悲などないぞ。せいぜい頑張るのじゃな」
「次はあなたが遊んでくれるのね、狐さん?」
度重なる衝撃波を受け吹っ飛んで行く少女。だがあくまでそれは見た目だけ。中身はれっきとした吸血鬼、化け物である。たとえ常人ならば全身が砕けているような攻撃を受けても平然としているどころか反撃までこなして見せる。
笑いながら鮮血に染まった槍を振りかぶり、横薙ぎに振るうと赤い三日月がやすなにむかって飛んでくる。
飛来する血の刃を妖狐と化した身でヒラリと躱すと、いつの間にかやすなの目元にまで迫っているリーシャ。
その笑みを絶やすことなく、今度は目にも止まらぬ速度で槍を繰り出してくる。
「グ八ッ
......」
早すぎる槍の技に防ぐ間もなく、数撃をもらい地面へと叩き付けられるやすな。だがなにもただやられただけではない。防御が間に合わないと悟るや、攻撃を喰らったと同時にリーシャへと衝撃波を放っていたのだ。そのおかげで相手は遠くへと吹き飛ばされ、追撃を受けることもない。
「なかなかに楽しかったわね。でもあなたも私の相手をするには力不足みたいね?」
吹き飛ばされながらも空中で姿勢を整え、軽やかに着地するリーシャ。未だその笑みは崩れない。
「ねえ、もっと遊びましょう?」
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
忍足・鈴女
うんうん…何事も楽しいのはええことや
けどな…遊びで命奪ったりしたらあかん
うちかてなんぼ殺ったかわからんけど
それが誰かの為になるからや
遊んだるわ、じゃりん子
猫霊召喚による【呪詛】攻撃
鉄針の【投擲】による【援護射撃】
魔槍剛撃は近づかんければええし
魔槍連撃は【フェイント】で誘発させて隙を作る
ブラッディ・カーニバルは連発できへんし
高速移動は小回りが利かへん分読みやすい
発生を見逃さず【野生の感】で避けきる
距離を取って戦いながら挑発し
相手が焦れて近くに来るように【おびき寄せ】る
遠距離しかできんやる気ない奴と思わせてるから
そこを突き【怪力】【グラップル】で相手の体勢を崩して
『心臓徹し』による【だまし討ち】
ミアズマ・フォルテ
私達は新しいおもちゃ扱いか、だがあいにくそこまで上品ではないのでね
怪我をしても苦情は受け付けないぞ?
SPD重視で行動
と意気込んだのはいいものの、相手は見た目こそ可憐な少女だが
常人離れした身のこなしと膂力の持ち主
1対1や正面からぶつかるのは分が悪いな。
当初は下手に仕掛けず側面からの牽制や味方の援護に徹して機を伺おう。
予知のおかげで弱点はわかってる、槍による連続突きは
動きこそ早いものの一度放つ体制に入ったら止められない。
その瞬間を狙って他の猟兵とタイミングを合わせて攻撃を仕掛けるぞ。
(自分が狙われていたら全力で回避)
猟兵たちと対峙しながらも、にこにこと笑みを浮かべたままの少女。
「ねえ、もっと、もっと愉しみましょう?もっと、もっと遊びましょう?」
それがただの少女ならば微笑ましい光景だったかもしれない。だが彼女は吸血鬼。おまけにその手に握った槍からは鮮血を滴らせている。
「うんうん
......何事も楽しいのはええことや。けどな、遊びで命奪ったりしたらあかん。うちかてなんぼ殺ったかはわからんけどそれが誰かのためになるからや」
微笑み続ける少女にむかって凄みのある笑みを浮かべる忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)。
「せやからな
......遊んだるわ、じゃりん子」
不敵に笑い、召喚した猫霊に呪詛を放つよう命じると自身は鉄針をリーシャへと投げつける。
「私達は新しいおもちゃ扱いか、だがあいにくそこまで上品でないのでね」
一方でミアズマ・フォルテ(求める者・f00215)は聞こえないような小声でそっと呟く。
「怪我をしても苦情は受け付けないぞ?」
見た目こそは可憐な少女だが中身は怪物。身のこなしや膂力など、どれも常人離れしている。正面からぶつかるのは分が悪く。ましてや一対一など論外だ。そう結論付けた彼女は近く屋根の上へと陣取ると弓を構える。
「あらあら、怖い顔ね」
対するリーシャは余裕の顔で呪詛の嵐を突っ切り、鉄針は槍で弾き、お得意の高速移動で死角から距離を詰めると魔槍の連撃を放ってくる。だがそれも想定の範囲の内。そう来るであろうと予測していた鈴女は野生の勘で回避すると後ろに大きく飛んで距離を稼ぐ。
そこへ飛んでくるのはミアズマの放った矢。一度発動したら中止できないという魔槍連撃の特性上、リーシャにはそれを防ぐすべもなく、ただ受けるしかない。
「あら?あなたも交じりたいの?いいわ、一緒に遊びましょう」
貫かれながらも笑顔で言い放つや、リーシャは矢の飛んできた方へと血の刃を飛ばし返す。それをミアズマは屋根から飛び降りることで回避する。
「まったく
......私はこういうのは苦手なんだ
......」
屋根から下りても攻撃は止まらない。次々と飛んでくる血の刃を飛んだり跳ねたりと躱していくミアズマ。
必死に逃げるミアズマへと攻撃を続けるリーシャ。そんな彼女の背後から鉄針が飛んでくる。
「ほらほら、鬼さんこちらやで」
ゆっくりと手をたたき挑発する鈴女。そんな彼女に釣られたリーシャは槍を構え向き直る。
「助かった
......できればもう二度とやりたくないな」
リーシャと鈴女の間に火花が散る中、ミアズマはほっと息を吐く。あんな化け物とはもうやりあいたくないと思うもののまだ戦いは終わっていない。
「遠くからちまちまと針を投げる程度しかできないのに私を誘おうって言うのかしら?いいわ、まずはあなたからよ」
槍を真っ直ぐに構えると、一直線に突っ込んでくるリーシャ。その穂先は紛れもなく鈴女へと向いている。
「離れとらんと攻撃できへんなんて誰も言うとらんで?」
赤い穂先を半身ずらすことで躱すと、すれ違いざまに心臓へと貫手を叩き込む鈴女。気付いた時にはもう遅く、至近距離、それも不意に放たれた貫手を躱すことも防ぐことも難しい。だが流石は吸血鬼といったところか、かろうじて心臓は避けたものの胸に大穴を開けたまま、少女は笑う。
「まったく
......かわええのは見た目だけやな
......」
そうぼやく鈴女の額を冷や汗が伝う。風穴を開けられ、片方の肺を潰されているというのに笑い続ける少女に流石の鈴女も戦慄を禁じ得ない。
「もう嫌になるな
......」
物陰から様子をうかがっていたミアズマも思わず泣き言を漏らす。向いてないとわかりつつも頑張ったが、精神的な余裕が尽きかけているようだ。
「あはははは。楽しいわね。ねえ、あなたたちはどうなの?」
決して軽傷ではないというのに意に介した様子もなく、怪物は無邪気に笑い続ける。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブや共闘は歓迎します☆
聖霊に周りを守ってもらいながら、光と火の精霊に攻撃を仕掛けてもらいます♪ 同時に風と氷の精霊にもサポートと協力をしてもらいます☆
『クリスタライズ』で姿を隠したりしつつ、『神罰の聖矢』『エレメンタル・ピクシィーズ』で頑張ってくれている精霊・聖霊に“こんぺいとう”を配って労います☆
猟兵にも『生まれながらの光』『シンフォニック・キュア』で支援とサポートをします♪ “オーラ防御”“勇気”“鼓舞”“祈り”でも助力を惜しみません!
聖・光・大地で十字に敷いた土地に置いて、清めます☆
猟兵にも“こんぺいとう”を終わったら配って労います♪
「お疲れさまでした☆」と♪
クリミネル・ルプス
【戦闘方針】
攻撃を躱しつつ、こちらに注意を向け、他の猟兵に攻撃の機会を増やす。
攻撃そのものは手や足など『飼い犬に手を咬まれる』程度のやや、苛つくように。
範囲攻撃は完全に躱しきれない時は他の猟兵を範囲外に弾きだす。
*他の猟兵との連携は勿論歓迎です。
遣り取り
「おー、飼い主サンか?アンタの『狗』なぁ…殺処分になったわー」
見た目に騙されずに間合いを計り攻撃の隙を作る様に血塗れのまま近付いていく。
ラモート・レーパー
狼たちとオルトロスを全部処理してからいくから戦闘の最後を漁夫の利かな。
【ウィル・オー・ウィスプ】で敵と自分を地獄に送って一騎打ち。殺気を放ったまま本性をさらけ出して戦わせてもらうよ。本性の時の自分の愛称は『』。
黒剣を弓に変えて虐めるように戦うかな。敵が戦意喪失するなりして戦闘が終わったら体内の地獄か冥界やらに送っておしまいにしよう。戻ってみんなの前ではいつもの口調で振る舞うけどね。
猟兵たちと吸血鬼の少女との戦いもいよいよ大詰めだ。数多くのオルトロスたちとの戦いの後に一息つくことができたとはいえ、リーシャ・ヴァーミリオンという強敵を相手にして猟兵たちは疲弊している。その代わりと言っては何だがこちらも彼女に対し大怪我を負わせる事ができている。
「まだよ、まだ遊び足りないわ」
狂ったように笑いながら、否、狂い、笑いながら踊るように魔槍を振り回す少女。片方の肺をつぶされ、今なお血を流しているというのにその動きに乱れは見えない。
「お願い、精霊たち!」
未だ<クリスタライズ>で姿を隠したままの祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)の願いに応えて、光と火、そして風と氷の精霊たちがリーシャにむけて各々の属性を纏った魔法の矢を放つ。
「みんな、まだ戦いはこれからだよ!」
精霊たちに攻撃を任せ、ティファーナは飛び回りながら他の猟兵たちを治療していくと同時に皆を応援する。いくら終盤に近いからと言っても気を抜いてしまえば最後、敗北するのは猟兵たちの方かもしれないのだ。
「わぁ、綺麗ねぇ
......あははは!!」
四方八方から放たれる幾数もの魔法の矢。複数の属性が入り交じり、まるで虹のようなそれらが迫りくる様を見てリーシャが取った選択は、360度、全方位に向けて血の刃を放ち相殺すること。
くるりと踵で一回転。さっと回ると彼女を取り囲むように赤い輪が形成されると広がっていき、空中でティファーナの矢とぶつかり合う。轟音とともに派手な爆発が生じ、余波による土煙がこの場にいる全員の視界を塞いでいく。
爆風による被害は猟兵たちにも及んでいる。だがそれらもすべてティファーナと彼女の聖霊たちが急いで治療していく。
「この程度で殺れるんやったらまあ苦労はせえへんなぁ」
そんな呟きとともに、立ち込める土煙の中を駆け抜けるクリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)。たとえ視界が悪くとも匂いを頼りに戦うことができる彼女にとってこの程度、不利どころかむしろアドバンテージとなる。
おぼろげに見える人影、それがリーシャである事を確信しているクリミネルは勢いを殺さぬように飛び蹴りを放つ。
突然の攻撃に対応することもできす、蹴り飛ばされ、転がっていくリーシャとその隙を逃さず追撃を仕掛けていくクリミネル。
「なぁ、飼い主サン?アンタの『狗』なぁ
......殺処分になったわー」
挑発も交えながら拳を、蹴りを打ち込んでいくクリミネル。
「あら?思いの外使えませんでしたわね、あの駄犬たち」
迫る拳を躱し、蹴りを弾きながら徐々に押し込まれていくリーシャ。ここにきてこれまでのダメージが祟ったのか、小技の連続に対し攻めに移れず徐々に笑みが消えていく。
「まあそう言いはんな。あんたもそうなる運命なんやから!」
その言葉とともに、リーシャの胸へと拳の突きを放つクリミネル。傷を抉るその攻撃に吸血鬼と言えども怯む。怯んでしまう。その一瞬の隙を突いてクリミネルは回し蹴りを叩き込み、少女を蹴り飛ばす。
「いらっしゃい、待ってたよ。最後はボクと遊ぼうか」
蹴り飛ばされ、大きく後ろへと下がったリーシャ。その背後から抱き着くとラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は<ウィル・オー・ウィスプ>を発動すると、自身とリーシャを亜空間へと転送する。
そこは彼女と彼女の選んだ者しか入れない空間。疑似的な地獄。
「ここは
......?どういうことですの?」
先程までいた広場とはまったく異なる光景。戸惑うのも無理はない。
「ここは『』の空間だ。汝の死に場所でもある」
リーシャが振り返るとそこに居たのは妖しい殺気を放つ何か。他の猟兵たちの目のないここでなら、ラモートは本性を解き放つことができる。
口調までも全く変わったラモートが手に持つ黒剣を一振りすると、その形が弓へと変わっていく。
「どういう原理だかわからないけど、あなたを殺せば出られるのね?なら簡単じゃない」
嗤いながらラモートへと槍を投擲するリーシャ。最初こそ戸惑ったが、これが相手の技だとわかれば後は簡単だ。さっさと殺してこの空間から出ればいい。
だが彼女は知らない、ここがどんな空間かを。
投擲された槍を躱すことなくその身で受けるラモート。次の瞬間、彼女の姿が煙となって消え、槍だけがその場に残される。
唖然とするリーシャ、その背中に漆黒の矢が突き刺さる。
「言っただろう?ここが汝の死に場所だと」
ここは地獄。それも一人の作り出した、一人のためだけの場所。ここに来たが最後、如何なるモノも逃げだすことはできない。
「さあ、足掻いてみるといい。それが無駄だと知りながら」
その言葉とともに光をも消す闇の矢がリーシャに突き刺さっていく。
遊びのために人々を狩っていた少女はその行動の報いを受けるかのように、静かに狩られて最期の時を迎えるのだった。
場面は変わり、ここは街中の広場。リーシャとラモートが亜空間へと消えた後。
「皆さん、お疲れさまでした☆」
姿を消すことを止めたティファーナが、飛びながら皆を治療し、金平糖を配っている。
「いや、まだ終わったわけと違うんやで?気を抜いたらあかん」
そんなティファーナにクリミネルはあきれ顔でツッコミを入れる。
「でも精霊たちももう大丈夫って言ってるよ?」
「ソレ、本当に信用できるんか?」
二人が言い争う中、空間が歪みラモートが姿を現す。
「お待たせ、みんな終わったよ」
口調を戻し、妖しい気配も隠した今ではただの少女にしか見えないラモート。
彼女の帰還をもって誰一人として欠けることなく依頼を達成した猟兵たちは疲れた体を引き摺って帰路へ着く。
「ああでも、リーシャやったっけ?結局あの娘どないしたん?」
「うん?ああ、それはね
......内緒なんだよ」
大成功
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