ハック・ダッシュ・スラッシュ
「おい、聞いたか?また地下迷宮が変化したらしいぜ。」
「知ってる知ってる。んで、その奥には今までなかったお宝を守るフロアボスが出たって言うんだろ?」
アルダワ魔法学園、放課後の教室で数人の生徒が集まって情報交換をしているそんな中で出た噂。それは新たに変化し、難易度が上がったため立ち入り禁止になったフロアの話だった。話を振られた生徒も気になっていたようで食いつきがいい。なにせ未知のフロアに未知のボス、となれば未知のお宝もあるかもしれない。
「きっと立ち入り禁止にしてるのもすごいお宝があるからなんだ。なら、オレたちが一番乗りしてやろうぜ!」
「わかったよ。じゃあパーティ集めて行ってみるか!」
自分たちなら大丈夫。何かあったら逃げればいいさ。今まで迷宮を探索してきた自信か、そう思った彼らは立ち入り禁止のフロアへ行くのだった。
事件です、とグリモアベースを行き交う猟兵たちに向けてアルトリンデ・エーデルシュタインが呼びかけた。
「アルダワ魔法学園の地下迷宮でオブリビオンが発生しました。迷宮を探索している学生さんたちに被害が出る前に退治してほしいのです。」
事件と聞いて集まってきた猟兵に状況を説明していく。なんでも、オブリビオンが迷宮のフロアボスになっているらしい。迷宮の他の災魔なら生徒でも対処できるが強力な災魔であるオブリビオンは猟兵にしか倒せない。だから該当フロアを探索禁止にしてこちらに話が回ってきた、というわけだ。
「ですが、どうやら探索禁止フロアのボスがすごい宝物を護っているという噂が流れているようで…」
噂に尾ひれはつくものだ。探索をしている生徒に、未知のフロアの立ち入りを禁止すれば当然何かあると思う生徒はいるわけで。噂が膨らみ、好奇心旺盛な生徒が何人かこっそり入ってしまっている。すでに入っている学生たちがどこまで進んでいるかは分からないが、可能な限り速やかに、学生に被害が出る前にオブリビオンを倒してもらいたい、と言葉をつづけた。
「変化する前の迷宮は巨大な書庫だったようです。入り口から見る限りは、現在は石造りの迷宮ですね。」
災魔の気配はないが、この石造りのフロアにはトラップが多数配置されているようだ。迂闊にスイッチを踏むと矢が飛んできたり火球が撃ち出されたり、直径2mほどの岩が転がって来たりする。隠し通路もいくつか見つかっており、もしかしたらショートカットできるような隠し通路もあるかもしれないがしっかり探さないと見つからないかもしれない。力任せに攻略するもよし、罠を解除したり隠し通路を探しながら進むもよし。やり方は猟兵たちに委ねられている。
「フロアボスに関しては情報がないのですが、もし変化前の書庫の一部でも残っていたら書物から何か分かるかもしれません。もっともアルダワの迷宮の本は一筋縄ではいかないようですけど。」
実際に進んでみない事には奥がどうなっているかは分らない。それに中で生徒を見つけたら説得して引き返してもらうのも大事な事だ。万一、生徒が戦闘に巻き込まれるようなことがあれば守りながら戦う必要もあるだろう。
「厳しい状況ですが、猟兵である皆さんならばできると信じています。ご武運を。」
アルトリンデはそう言葉を結び、迷宮の入口へと猟兵を誘うのだった。
こげとら
初めまして!マスターを務めさせていただきます、こげとらです。
ダンジョン物という事で、皆さまがどのような攻略をされるのかワクワクしています。いただいたプレイングを活かせるよう尽力する所存ですので、よろしくお願いします。
第1章 冒険
『冒険競争』
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POW : 力技で迷宮を攻略する
SPD : 速度を活かして迷宮をショートカットする
WIZ : 競争相手の生徒達の行動を読んで出し抜き先行する
👑11
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テラ・ウィンディア
ドラゴン相手となれば竜騎士たる俺も挑まずにはいられないな!
準備
マッピング用の地図と突破用のハンマーとか
更にドラゴンの現れたという場所と競争相手の目標となってる場所の把握
うん
こういうややこしいのは学生共の方が馴れてるよな?
ってなればおれの得意分野を生かすのが王道、か
という訳で色々観察しつつ解らない場合は容赦なく突撃!
本の棚の上を昇ったりショートカットを見つけつつ邪魔な本棚は必要とあらば倒しつつ追いかけてくる学生の道も塞ぐぞ!
拙速を貴ぶのであれば多少強引にいくのもまた乙女道という奴だな!(はっはっはっ
ドラゴンよ!おれが来るまでやられてるなよ!!
巡回モブは補足次第襲い掛かり粉砕!
「ドラゴン相手となれば竜騎士たる俺も挑まずにはいられないな!」
アルダワの地下迷宮、その石造りの通路をテラ・ウィンディアは駆けていた。情報によればここのフロアボスはドラゴン。気合も入ろうというものだ。
「フロアボスの方向はあっちか。こういうややこしいのは学生共の方が慣れてるだろうしな。」
事前に調べた情報と照らし合わせながら通路を観察する。前方には変化前の名残か、本棚がいくつか残っており前方の見通しが良くない。もしトラップがあれば本棚で死角が多く、調べるのも避けるのも手間がかかりそうだ。先行している学生たちに追いつくのであれば時間をかけるのは得策ではない。
「っとなればおれの得意分野を生かすのが王道、か」
本棚が邪魔なら倒していけばいい。実に単純かつ効率的な方法で突破する事を決め、テラは突撃した。一つ目の本棚を上り、2つ目の本棚を蹴倒して、と通路を本棚で埋める勢いで進んでいく。
「拙速を貴ぶのであれば多少強引にいくのもまた乙女道という奴だな!」
途中、何かトラップが作動したようだが本棚からブスブス煙が出る程度なので問題ない。はっはっはっと笑いながら先へ先へと突破していく。
「ドラゴンよ!おれが来るまでやられてるなよ!!」
後には本棚に埋もれた通路。
「なんだこれ……」
この後来た学生たちの一致した感想だった。
大成功
🔵🔵🔵
絡繰・ビリー
前提
・お宝より途中の仕掛けに興味が湧くけど、仕事しよっか!
・最優先は罠解除!次点は近道!なんでもは無理、だから出来ることからコツコツと。
行動
・グッドナイス・ブレイヴァー!応援を気力にお仕事だ。
「私が迷宮探索1番乗り!多分!猟兵のビリーだよ、皆、応援よろしく!」
・進路上の罠は解除して、未解除の罠も仲間に警告するよ。見つけられれば!
・迷彩技能で近道見つからないかな?隠す、隠れる側の思考で探してみよう。
心情
・成功してる自信で無茶をする。あるよね、私もある。
ちょっと失敗するくらいが良い自信になるらしいけど、今回はそういう訳にもいかない。
命あっての次なれば!だ。それはそれとして、お宝ないかな?ない?残念
「私が迷宮探索1番乗り!多分!猟兵のビリーだよ、皆、応援よろしく!」
石造りの迷宮で絡繰・ビリーが撮影用ドローンに向かって放送開始の挨拶をする。学生たちも先行してるが、動画配信しているのは絡繰が初なので1番乗りでいいのだ。徐々に視聴者数も増え始め、待ってました、がんばれー、などコメントも付きはじめてきた。
「お宝より途中の仕掛けには興味が湧くけど、仕事しよっか!」
さっそく探索を始めると床の石畳に隠すように小さな魔法陣の刻まれたスイッチが見つかった。興味を引かれながらも調べると、どうやら踏むと火球が飛んでくるトラップのようだ。魔法陣を壊せば作動しなくなるようだが、であればスイッチは何のために?
「こういう時は隠す、隠れる側の思考で探してみよう。」
別の何かを動かすためのスイッチをトラップで守っているのでは、と予想し周囲を探ると近くの壁に不自然な切れ目が。魔法陣を壊してからスイッチを押してみると、その壁が重い音を立てて開いていく。
おお、すげー、などとコメントが流れる中、通路わきにあった別のスイッチに目立つように印をつけて先に進む絡繰。
「命あっての次なれば!だ。それはそれとして、お宝ないかな?ない?残念。」
動画配信者として盛り上げる事も忘れず、先へ進むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シル・ウィンディア
妹のテラと一緒に。
相手は迷宮になれているからね。地の利や経験は向うに分があるから…。マッピングをしながら、壁や床などを調査。ショートカットできそうなところがあれば、呼び止めて、調べるね。
急がば回れともいうしね?ここは冷静に…
突破力が必要なら、妹に任せて、わたしは相手の邪魔をすることをメインに考えるね。
罠を使えたら、罠を使って、使えないなら、ユーベルコードで壁とかを破壊して
生徒たちの足止めする様に仕向けるね
迷宮、変化するらしいから、多少壊しても大丈夫、だよね??
先行して突破している妹を追うシル・ウィンディアはマッピングしながら追いかけていた。すでに突破された通路、トラップもあらかた発動した後なので危険は少ないだろう。であれば、調べるのも隠し通路に絞る事ができる。
「急がば回れともいうしね?ここは冷静に…」
丹念にマッピングをすれば何かありそうな場所の目星も付きやすい。通路の一角、一見すれば普通の通路だがそこだけトラップはおろか障害物になりそうな物も何もないところがあった。よくよく見れば壁の色合い、汚れ具合が違う所がある。押してみるとどうやらどんでん返しになっているようだ。
隠し扉のどんでん返しをくぐり、入ってきた通路を見やる。後からやってきた生徒を足止めするならこの入り口は塞いでおいた方が良いだろう。だが、近くにトラップや動かせそうな障害物は見当たらない。ならば……。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
シルの放ったエレメンタル・ファランクスが入り口に炸裂し、通路に繋がる入り口を崩落させて塞いだ。
「迷宮、変化するらしいから、多少壊しても大丈夫、だよね??」
猟兵なら兎も角、普通の学生にこの通路はもう使えないだろう。
成功
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甲斐・ツカサ
「『すごいお宝はなかった』じゃなくて『先に転校生に取られた』の方が悔しさでこれから頑張るだろうし、スパッと行ってそういう事にしちゃおうか!」
こういうのは大好きだし、素早さ自慢のシーfもとい冒険家だし、任せてよ!
それに10秒後に引っ掛かる罠が分かれば避けたり解除も楽だしね!
だから罠を恐れずに隠し通路を探そう!
指を湿らせてひんやりしたらそこには風があるし、壁から風が流れてるならそこには隠された通路がある、って愛読してる冒険記に書いてたんだよね。
さて、ここの書庫にはどんな本があるのかな?
迷宮攻略も順調に進み、だいぶ先まで進んだと思われる頃。次第に密度と殺傷力の上がってきているトラップを恐れずに通路を進む甲斐・ツカサの姿があった。
「『すごいお宝はなかった』じゃなくて『先に転校生に取られた』の方が悔しさでこれから頑張るだろうし、スパッと行ってそういう事にしちゃおうか!」
素早さ自慢のシー…もとい冒険者である甲斐の手にかかればトラップも何のその。まるで10秒先の未来を見てきたかのようにトラップを巧みに避け、あるいは解除しながら隠し通路を探していた。指先を舐め、湿らせた指に当たる風を探していると、不意にひんやりとした空気を感じた。
「指を湿らせてひんやりしたらそこには風があるし、壁から風が流れてるならそこには隠された通路がある、って愛読してる冒険記に書いてたんだよね。」
この近くに隠し通路がある。その確信を元に丹念に通路を探っていくと、床の石畳の一つが持ち上がる事に気が付いた。どうやら別の通路に出る為の隠し通路が下を通っているようだ。
「さて、ここの書庫にはどんな本があるのかな?」
奥にあるであろう書庫に想いを馳せながら甲斐は隠し通路へと降りて行った。
成功
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大塚・霧華
「力技で迷宮を攻略する」
私は剣豪。全ては真っ向勝負。向かい来るものはこの刃で斬伏せるのみ。
慌てれば失態を犯すのが常。冷静に物事を見極めれば矢も火も斬伏せられようもの。大型の邪魔者は剣刃一閃にて真っ二つに。
先行している生徒に関しては見かけたら帰還を促しておきます。死していれば放置を。己が責、その身で受けただけの事ですので。怪我人に関しても同様に。
ブロンクス・ベルトロガー
猟兵として目覚め、最初の一歩としてミッションに挑ませてもらいます。
先ずなにはともあれ迷宮の踏破を優先。生徒達の退路の確保を兼ねて、途中のトラップを力技で解除し、かつショートカットを見出して素早く攻略する。もし他の猟兵と合流出来たら【POW】系のサポートをしつつ協力。
生徒達に追いついた場合は周囲の状況を警戒する担当になり、説得等は他の猟兵にお任せ致します。
迷宮の奥深く、石畳の通路に剣戟の音が響く。大塚・霧華がトラップの矢を斬伏せたのだ。彼女は剣豪として、真っ向勝負で迷宮に挑んでいた。
「力業で迷宮を攻略する。」
その強い意志を刃に乗せて。
と、その時、後方の壁が派手な音を立てて崩れ落ちた。突然の事態にも冷静に構えをとる大塚の視線の先、もうもうと舞う土埃の先に一人のウォーマシンの姿があった。迷宮のショートカットを力技でこじ開けてきたブロンクス・ベルトロガーである。猟兵として目覚め、最初の一歩として挑んだミッション、彼も力技で迷宮を踏破していた。
「今までの傾向から察するに、これからのトラップは威力も仕掛け方も厄介になると予想されます。どうでしょう、私もご一緒してもいいですか?」
他の猟兵とは協力したいと考えていたブロンクスの提案に大塚は瞬きの間考えを巡らせ、己が責で同行するならば、と答え踵を返した。思わぬところで協力する事になった二人が進むことしばし。前方の緩やかに曲がる通路の先、少し窪んだ壁に身を隠すように一人の生徒がいるのを見つけた。
「お、お前ら!こっち来るならトラップ解除してから来てくれよな!この通路、とんでもないトラップの数なんだよ!」
彼が言うには、通路に入った途端あめあられと矢やら火球やらが飛んできて、必死に進んでたらこの物陰で進むも戻るもできなくなったらしい。単一のトラップに比べ複数が連動するタイプのトラップは解除も、発動した場合の対処も難しくなる。その上、立て続けにダメージトラップを受ければただではすむまい。精神を研ぎ澄ませ大塚は足を踏み出し、その後をいつでもサポートできるようブロンクスも歩を進めた。
「おい!聞いてたのかよ!?力技でどうにかなるトラップじゃ……」
慌てる生徒の前で、高速で飛来する矢の雨を大塚がことごとく斬伏せていく。だが、間髪入れずに放物線を描くように斜め上方から多数の火球が降り注ぐ。やらせまいとブロンクスがマキナドラグナー・オリジンで弾いて誘爆させて防いでいる向こうからさらに巨大な岩の塊が撃ち出すような勢いで転がってくる。咄嗟にガジェットを突き出したブロンクスの身体が衝撃に軋む。だが、そのわずかに緩んだ隙に大塚が進み出た。
「向かい来るものはこの刃で斬伏せるのみ。」
剣刃一閃。刃が振り抜かれ、真っ二つになった岩がその勢いのまま壁にめり込んだ。他にトラップが作動しないか警戒するブロンクスの横で刃を収めながら大塚が生徒に目を向ける。
「これより先はいっそう危険となります。あなたはここで帰還してください。」
言外に先に進むならどうなろうと己の責だと言われ、腰を抜かしていた生徒は何度も頷きながら出口へと向かっていった。
そして先へ進むため振り返る二人の視線の先には、一際大きな両開きの扉があった。大迷宮の知識の集積所、書庫への大扉である。
成功
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第2章 集団戦
『書物の魔物』
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POW : 魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ : ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
👑11
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曙・聖
書物の内容が気になりますが……魔物は魔物です。
エレメンタル・ファンタジアの炎の津波を用いて、魔物たちを焼き払ってしまいましょうか。
魔物とはいえど、乾燥した書物。よく燃えるはずです。
暴走したときのために、なるべく味方から離れた、魔物が密集している場所で使用しますね。
余計な物を燃やしてしまわないようにも、注意します。
私は一体でも多く焼き払うことを中心に動きましょう。
猟兵たちが大扉を開け、進んだ先には大聖堂もかくやというほどの広さとそれに見合う荘厳さをもった、まさに大書庫だった。見上げれば迷宮の何フロア分になるだろうかというほどの高さの壁一面に古びた書物が並び、また柱のように幾つもの本棚が立ち並んでいる。先へ進むにはこの書庫を抜けるしかない。侵入者の気配を感じたか棚から本がバラバラと落ち、開いたページが重なり鎌首をもたげるように猟兵たちを睨みつけた。
「書物の内容が気になりますが……魔物は魔物です。」
他の猟兵に先んじて一歩踏み出したのは曙・聖だ。手にしたエレメンタルロッドを書物の魔物に向ける。乱雑に落ち、次々に攻撃を仕掛けようとページの端に黒い魔力を滲ませる魔物の群れに臆することなく対峙する。
「魔物とはいえど、乾燥した書物。よく燃えるはずです。まとめて焼き払ってしまいましょうか。」
この書庫に最初に踏み込んだ故に他の猟兵はいない。魔物の近くには生徒の気配も感じない。ならば、後は魔物以外の書物や棚に延焼しないよう気を付けるだけだ。曙はエレメンタル・ファンタジアで炎の津波を作り出し、魔物に向かって解き放った。爆発的に広がった炎は、魔物が放ってきたインクの魔弾ごと魔物たちを飲み込んでいく。
「このまま一体でも多く魔物を焼き払ってしまいましょう。」
過度に炎が広がらないよう炎の津波の向かう先を制御しながら書物の魔物を焼いていく。彼の操る炎が過ぎ去った後には、本棚は焦げ跡なく残っているにもかかわらず魔物は燃えカスすら残さず焦げ跡だけが残っていた。
成功
🔵🔵🔴
シル・ウィンディア
魔道書の魔物か…
魔法攻撃に注意しないとね。
初動はサイコキネシスを使用
そこら辺の書物やらいすやらを掴んでは対象に投げて
隙を作ってから、フォースセイバーで斬りつけるよ
でも、深追いはしないよ
何せ、何をしてくるかわからないしね。
相手の攻撃は、回避したり
フォースセイバーやエレメンタルロッドで打払ったりして
被害を最小限に食い止めつつ、相手の攻撃行動を見切って
次のアクションへとつなげていくね
攻撃方法わかれば、次は対処できると思うしね
それに、他の人達への攻略のヒントになると思うからねっ!!
書庫を焼き払った炎から逃れるように宙を舞う書物の魔物。そこへ向けて今度は普通の書物やら椅子やらがすごい勢いで飛んでいく。飛ばしているのはシル・ウィンディアのサイコキネシスだ。
「魔導書の魔物か……魔法攻撃に注意しないとね。」
厄介な魔法を使われるより先に、予想外の方法で先制の一撃を浴びせられた魔物が弾き飛ばされ、バランスを崩したようにバタつく。その隙を見逃すシルではない。フォースセイバーの一閃で魔物を切り裂き、他から攻撃されないよう距離をとる。
「書物の魔物とか、何をしてくるかわからないしね。」
隙をみては斬り込み、向かってくる魔物はフォースセイバーで切り裂き、振り抜いた隙に突っ込んできた魔物をエレメンタルロッドで打払う。攻撃から防御、そこから回避して距離をとり。流れるように次々と魔物を討ち倒していくシルを脅威と捉えたか魔物がばらり、と自身の書のページをめくり始める。あの敵に対する有効な戦術、有効な魔法……知識の集積たる書物が繰られ、その度に魔力が高まっていく。
だが。
「その行動は見切っているよ。」
魔物が必殺の一撃を放つより先にシルのフォースソードがその書物を魔力ごと切り裂いていた。力を失いバラバラと散っていく魔物を見て、攻撃方法わかれば、次は対処できるという実感を得たシルは後に続く猟兵たちの事も考えていた。
「他の人達への攻略のヒントになると思うからねっ!!」
成功
🔵🔵🔴
大塚・霧華
周囲にいる面子と一緒に行動を。
敵の動き(POW)を見て、「溜め後の大技が見切れる」というのが弱点なのだろうと判断。弱点を見極めて、回避してみせ「達人の智慧」にて敵の技を封じる。
「我が意に答えよ!守護明神!…『封』!」
封じれば、あとは書物の魍魎と同じ。…斬伏せるのみ。
「さて、これで終わったのでしょうか。」
敵を倒したら周囲を観察。奥に行くような扉や階段などの確認。ただし、その途中にも罠がある可能性があるので、全ては冷静に。
テラ・ウィンディア
やるなシル!おれも後れを取る訳にはいかないな!
シルの闘いでの詳細を記憶に刻
戦闘
初手は相手の動きを見据えシルらの闘いでの情報との相違性を分析しながらトリニティエンハンスで攻撃力強化
炎の魔力をルーンソードに込め
書棚の普通の本が燃えない様注意しながら脅威となる本の魔物達に躍りかかり焼き切り刻む!
猛攻を仕掛けながらも冷徹に敵の動きと今迄のシル達への攻撃からどのような攻撃を仕掛けるか見切り回避し隙を作り切り捨てようと
戦闘中も常に周囲の状況を分析し学生達が来ないかも警戒
着た時は全力で庇う立ち位置を維持
戦い終えて余裕があったらフロアボスについての情報が載った本が無いかを調
情報は大事なのはおれも知ってるぞ?
甲斐・ツカサ
本の内容、気になるよね?
それなら近付いて……と思ったけど、敵の攻撃が早くて近付けないな…
この鎧は硬いんだけど重いのが欠点なんだよね
でも、これを着て動いていれば、脱いだ時はもっと早く動ける!
だからみんな、少し時間稼いでてね!
バイクの陰で鎧を脱いで、右手にダガー一本携え、さあ行こうか!
光のように疾く、風のように自在に駆け回り、敵に接近
右手で逆手に持ったダガーで斬り裂き、返す刃で突き刺して
動きが止まった瞬間に、ページを頂戴出来たらみんなへのお土産になるかな?
折角だから何冊かからサンプル貰いたいところだね
……言っとくけど、シーフじゃないよ、冒険家だからね!?
ブロンクス・ベルトロガー
先行しているシル館長の戦いをサンプリングし、魔導書型のエネミーにマキナドラグナー・オリジンを連装砲の形に変えて魔導書を撃ち抜く。
チャージ攻撃の隙は見せないのが鉄則。それでは狙ってくれと言ってるモノだ。
ページカッターやビブリオマジックに対してはドラゴンランスを起動させて切り払う事で対処。
竜の力を用いた戦いを急速に会得しつつ、先行した猟兵たちをサポート。
油断は禁物。まだ大元が残っている以上、取って置きはまだとっておこう。(本人は洒落のつもりではなく、ガチモードで言ってます)
シルの奮闘により、書物の魔物の手の内はほぼすべて晒されたと言っても過言ではないだろう。となれば、敵の隙を待ってなどという消極的な手段を取る必要もない。今こそ一気にこの大書庫の魔物を掃討するべく、猟兵たちは次々に攻勢に出た。
「やるなシル!おれも後れを取る訳にはいかないな!」
気合十分に魔物の群れに突撃したテラ・ウィンディアは手にしたルーンソードに魔力を込める。トリニティエンハンスによる炎を纏う剣の切先で狙いを定めながらも頭は冷静に避けようとする魔物の動きを分析していた。半端な攻撃ではだめだと判断したのか魔物が一斉にページを繰り始める。となると……。
「そんな見え透いた攻撃、させるかよ!」
他の攻撃は来ないと判断したテラは一気に間合いを詰め、魔物に躍りかかった。速度を乗せた一撃を振り下ろし、間髪入れずに切り返す。手ごたえを感じたテラは切り刻まれたページが燃え散る時にはすでに次の魔物に疾駆していた。
「本の内容、気になるけど……敵の攻撃が素早くて近づけないな……」
宇宙バイクで乗り込んできた甲斐・ツカサだったが、自分が着ている板金鎧を見て嘆息した。重い金属鎧は頑丈で頼りになるが、身軽に駆け回るテラのように動くには向かない。今必要なのは、硬さより速さだ。そう判断した甲斐の行動は早かった。
「これを着て動いていれば、脱いだ時はもっと早く動ける!だからみんな、少し時間を稼いでてね!」
バイクの陰に身を隠しながら周囲の猟兵に向かって声を張る。だが、書物の魔物は数が多い。しかもそれぞれがページを繰り力を溜めているのだ。他よりも一足早くページを繰り終わった魔物がその力を向ける先を探る。その意識の先に進み出たのは大塚・霧華だ。書物から引き出された魔力が高まり、ページの奔流となって襲い掛かった。しかし大塚はその挙動をしかと見定め半身をずらして躱す。
「来ると分かっている攻撃に当たる私ではありません。」
不意打ちや連携してくるなら兎も角、数を頼りに来るだけの相手の大技など見切りに徹すれば御しやすい。溜め後の大技が見切れる、という予測を実証して見せた大塚の背後に守護明神が現れる。
「我が意に答えよ!守護明神!…『封』!」
言の葉と共に守護明神から放たれた力が広がり、魔物の纏っていた力を封じ込めていく。蓄えた力が霧散し、魔物たちに動揺が広がる。わずかでも動きが止まった瞬間。
「それでは狙ってくれと言ってるモノだ。」
ブロンクス・ベルトロガーの手にするガジェット、マキナドラグナー・オリジンが展開し、いくつも連なる砲身が現れる。連装砲と化したマキナドラグナー・オリジンがドラグナーの名に違わぬ竜の咆哮のような轟音と共に弾丸を撃ち出して魔物を撃ち抜いていった。チャージ攻撃の隙は見せないのが鉄則。それを事前に見破られていたのでは当然の帰結というものだろう。
浴びせられる砲弾の雨に魔物たちは慌てふためきながらもページやインクの魔弾を飛ばして応戦するも、散発的な攻撃はブロンクスの持つドラゴンランスで打ち払われた。流れは完全に猟兵に傾いたと誰もが思ったその時。
「よっしゃ着いたぞ!ここを抜ければボスまで……ぇぇぇええええ!?」
書庫の入り口から素っ頓狂な声が上がる。見れば猟兵たちに遅れてやってきた学生が数人、眼前の戦闘に気圧されて腰を抜かしている。乱戦になっている状況、このまま放置しては最悪、命を落としかねない。
「おれが庇う!学生たちは任せてくれ!」
常に周囲の状況を分析し、警戒していたテラがいち早く学生たちのたち周囲の魔物を切り刻み安全を確保する。入り口で学生たちを庇っているテラが居ればまだ誰か来たとしても大丈夫だろう。
だが劣勢を悟った魔物たちは奥に集まり、猟兵たちに向かって一斉にページカッターやビブリオマジックを放ってきた。魔力を蓄える力を封じられた以上、もはや数で押すのみと言わんばかりのページやインクが降り注ぎ、思うように有効打が与えられない。このままでは……誰かが思いかけたその時、本棚の柱を蹴って光のような疾さの一閃が魔物を切り裂いた。
「みんな、お待たせ!さあ行こうか!」
そこに立っていたのはダガー一本携え、鎧を脱いで身軽になった甲斐だった。鎧を着ていた時からは想像もつかないほどの速さで床を翔け、壁を蹴り、宙を舞うように魔物たちを翻弄していく。狙うこともままならない速度についていけない魔物を逆手にもったダガーで斬り裂き、返す刃で突き刺していく。密集陣形を崩された書物の魔物にさらに砲弾が降り注ぎ、剣閃がひらめいた。
「自分も竜の力を用いた戦いに慣れてきたところだ。サポートは任せてもらおう。」
「あとは書物の魍魎を斬伏せるのみ。」
こうなってはもはや魔物たちに抗うすべなどない。刀に斬り伏せられ、炎剣に焼き切り刻まれ、光迅の刃に貫かれ、竜の咆哮に撃ち抜かれ、ついに最後の一体まで討ち倒された。魔物の全滅を確認し、連装砲を元のガジェットに戻しながらブロンクスはつぶやいた。
「油断は禁物。まだ大元が残っている以上、取って置きはまだとっておこう。」
……洒落?と思わず聞き返しそうになるも当人はいたって真面目に、ガチモードである。突っ込まない方が良いかと暗黙のうちに合意がなされた。
「ま、まあそれより……頂戴できたコレで、みんなへのお土産になるかな?折角だから何冊かからサンプルを貰いたいところだけど」
「あの戦いの最中、そのような事までしているとは。」
「……言っとくけど、シーフじゃないよ、冒険家だからね!?」
「あ!そのページ、フロアボスの情報とか載ってないか!?」
いつの間に切り取ったのか、書物の魔物のページを手にひらひらとさせていた甲斐に一同が感心していると思い出したようにテラが声をあげた。情報は大事なのはおれも知ってるぞ?と言いつつ見せてもらったページを読み上げる。
「なになに……其れは錬金により生まれし黄金の竜。其の黄金の輝き増す時あらゆる敵意を弾き、その爪は大地に錬金の陣を刻む。其の咆哮轟く時、万色の輝きがあらゆるものを飲み込むだろう。其れは骸の海より来りてやがて全てを喰らう者。その名は錬金術ドラゴン……だって。」
次の扉はフロアボスへと続く扉だ。そう伝える学生の言葉とともに、ページから得た情報を胸に大書庫最奥の一際立派な黄金の装飾が施された扉へ向かう。
いよいよこの変異の元凶であるオブリビオン、錬金術ドラゴンが居るボスフロアへの扉が開かれるのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『錬金術ドラゴン』
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POW : 無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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そこはかつては書斎かあるいは錬金術の研究室だったのか。大きく変容し、わずかな名残を残すその空間は、壁に、床に、天井に屹立する大小さまざまな輝く水晶体に照らされた、黄金の部屋だった。天井の中央に輝く一際大きい水晶体の下、黄金の残骸の山に座し、猟兵たちを待ち受けていた部屋の主は煌く黄金の翼を広げ高らかに咆哮を上げた。
今まさに猟兵たちとフロアボス、錬金術ドラゴンとの戦いの火蓋は切って落とされた。
絡繰・ビリー
目標
・ボスの撃破!以上!
行動
・さあさ遂にクライマックス!視聴者の皆さんお待ちかね!ボスのドラゴンと勝負だ!
・ま、1人じゃ無理だから、皆と連携したいね。
スクラップビルド・マメタンクで召喚して騎乗。
「我が力と技、どこまで通じるか。武者震いがするぞ。決してビビってはいないぞ!」
攻撃よりは撹乱、気を引いて皆に背中や横腹を晒してもらおう。
・尻尾や爪は怖いけど、特にブレスに注意!回避重点、スリルも満点!
・羽あるよね、飛行されたらどうしようかなぁ、対空出来ないんだけど。飛ぶなよー!
心情
恐怖はある。だけど躊躇いは無い。なにせ、ここが最高のシチュエーション!
動画の盛り上がりもマックスだ!カッコよく決めるよ!
カメラが入り口から部屋の中央に待ち構える錬金術ドラゴンの威容を映し出す。そこへ向かい踏み込んでいく一人の男が居た。絡繰・ビリーである。
「さあさ遂にクライマックス!視聴者の皆さんお待ちかね!ボスのドラゴンと勝負だ!」
絡繰の宣言に、ついにボス戦か、ドラゴンキター、と視聴者の興奮も高まっていく。圧倒的な迫力の巨大なドラゴン、対するにはこちらもインパクトのある戦い方を。この最高のシチュエーションを最大に盛り上げるべく、絡繰は高らかに叫んだ。
「唸れ拾ったエンジン!走れガタガタの無限軌道!弾は撃てないので体当たり!行くぞ、我が愛車、マメタンク!スクラップ召喚!」
ガタガタとあたりに散らばる残骸が集まり、組み込んだエンジンが唸りを上げる。スクラップビルド・マメタンクにより召喚されたマメタンクにひらりと飛び乗り、絡繰は猛然と吶喊した。
「我が力と技、どこまで通じるか。武者震いがするぞ。決してビビってはいないぞ!」
正面から向かってくるマメタンクに向かって、錬金術ドラゴンは大きく口を開いた。ドラゴンに生える水晶が輝きを増す。ブレスを吐く気だ、そう感じた瞬間、絡繰は退避するのではなく逆に速度を上げて体当たりを仕掛けた。
「恐怖はある。だけど躊躇いは無い!」
前方を薙ぎ払おうと放たれるブレスを紙一重で躱す。おおっすげー!スリル満点じゃねーか!と視聴者が湧く中、マメタンクがドラゴンの脚に激突する。ダメージよりも気を引く事を重視した体当たりにドラゴンは放射しているブレスを当てようと首をひねる。が、至近距離を狙うには無理があったか、逆にバランスを崩した。
「ま、1人じゃ無理だから、皆と連携したいしね。」
絡繰の狙い通り、ドラゴンの巨躯は傾ぎ、今ならその背を狙う事もできるだろう。
成功
🔵🔵🔴
シル・ウィンディア
これがボスか…
たしかに、これは学生達には荷が重いというか危険だよね
さて、ここからは猟兵が相手になるよ
と、言いつつ、左手のフォースセイバーを構えるね
相手の攻撃をじっくり観察しつつ…
とはいかないから
ここは、ヒット&アウェイでじっくり攻めるかな
爪の攻撃は避けて、ブレスは、避けにくいみたいだし
セイバーとロッドで防御して
被害を最小限にするよ
相手が隙を見せたら、エレメンタル・ファランクスで一気に押し切るっ!
わたしの全力の魔法、じっくりと味わってねっ!!
なんにせよ、真正面のパワー勝負では分が悪いから
スピードで撹乱して、一撃必殺の魔法を撃つ感じで動くね
小さいなら、小さいなりの戦い方を教えてあげるっ!
「これがボスか……」
放たれたブレスの威力を見て、シル・ウィンディアはこれは学生には荷が重いというか危険だよね、と感じていた。相手の攻撃をじっくり観察しつつとはいかないか、と思い直したシルは左手にフォースセイバーを構え、駆けだした。
「さて、ここからは猟兵が相手になるよ。」
無理な体勢でブレスを放ちバランスを崩した好機を見逃さず、ドラゴンの身体を支える脚の一つに斬りかかる。攻撃に固執せず、身をひるがえしたシルの横を巨大な爪が通り過ぎた。ドラゴンの脚には斬撃の跡が刻まれているものの、まるで黄金の塊を切ったような手ごたえにシルは眉をしかめた。思った通り、真正面からのパワー勝負は分が悪そうだ。ならば。
「小さいなら、小さいなりの戦い方を教えてあげるっ!」
ドラゴンの体勢を立て直されないよう振るわれる爪を避けながらフォースセイバーで斬りつけていく。思うように捕えられないシルにいら立ったのか、ドラゴンは雄叫びと共に全力で爪を振り下ろした。その一撃は床を砕き、辺りに黄金の破片や砕け散った水晶が舞う。それはシルが待っていた好機。
「わたしの全力の魔法、じっくりと味わってねっ!!」
ドラゴンの爪をくぐり、死角である背に回ったシルはエレメンタルロッドを振り上げ必殺の一撃を放った。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
全力を込めた魔力の砲撃がドラゴンに突き刺さる。火・水・風・土の四大元素が錬金術により構成されたドラゴンの水晶体を砕き、爆散させた。背に大きなダメージを負ったドラゴンは苦悶の声をあげた。
成功
🔵🔵🔴
大塚・霧華
一番厄介なのは竜の咆哮でしょう。
その気配を見せたなら、一気に駆け寄り、その体躯に花びら舞う3撃を与えて技を封じる。
「それはさせません。…一つ、二つ、三つ。…華陣の太刀!」
技の台詞は略式でも構いません。花びら舞う結界で相手の技を封じる技。花びら自体が封印の護符の様な力を持っている。
咆哮さえ封じれば強化しようが華陣で威力も下がっているので元に戻ったみたいなもの。硬くなろうが動けぬなら、鎧抜きの業物で斬り行くだけの事。
「逃げの一手ですか。竜というのも些か残念な存在ですね。」
戦場とあらば常に冷静に。言い放つも気は抜かずに。
学生達も居るみたいですが死にたいのでしょうか? …忠告はしたので構いませんか。
背の水晶を砕かれ傷を負った錬金術ドラゴンが怒りの咆哮を上げる。もはや猟兵許すまじ。必殺のドラゴンブレスでもってまとめて消し飛ばしてくれる。膨れ上がる怒気と共にドラゴンの身体に残る水晶が輝きを増す。今まさに全力のブレスが猟兵たちに放たれようとしたその時。
「それはさせません。」
一気に駆け寄った大塚・霧華が銘刀『華菖蒲』を抜きざまに斬りつけた。一つ。斬られた痛みに猛るドラゴンに一片の花弁が舞う。二つ。先のシルの一撃の事もあり傷の痛みにかまわずブレスを放つべく大きく顎が開かれる。三つ。その選択が、過ちとも知らずに。
「…いざ花弁を散らして舞い誇れ!華陣の太刀!…「封」!!」
舞い散る3枚の花弁、その一つ一つがドラゴンの力を削いでいた。そして3枚の花弁がまるで護符のようにドラゴンに張り付くと放たれようとしていた膨大な魔力が霧散した。何が起きたか分からずに飛びすさり後退するドラゴンに大塚は間髪入れずに追撃をかける。
「逃げの一手ですか。竜というのも些か残念な存在ですね。」
そう言い放ちながらも気は抜かずに冷静に相手の動きを見定める。動転して大振りになっている攻撃を躱しながら打ち込んだ鎧抜きの業物が黄金の巨躯をものともせずに斬り裂いていく。花弁の封印もいつまで持つか分からない。ならば、それまでに一太刀でも多く斬りつけるのみ。
役目を終えた花弁がはらりと落ちる頃には、錬金術ドラゴンは全身に傷を負いその力を大きく減じられていた。その様子に大塚は一度距離を取り呼吸を整える。ふと入り口を見ると、恐る恐る戦闘を覗き見る先ほどの学生の姿が目に入った。
「そんなところに居て、死にたいのでしょうか?」
一言かけた後、忠告はしたので構いませんか、と戦闘に意識を戻す。その言葉に学生は慌てて扉の奥へ引っ込むのだった。
成功
🔵🔵🔴
甲斐・ツカサ
「みんな、距離を取って散会しといて!」
何度もブレスを吐こうとしては痛い目を見ている錬金術ドラゴン、それでも距離を取ってバイクで旋回していれば、ブレスを吐いて攻撃するしかないよね
それが一撃必殺を狙った深呼吸であろうと、隙を少なくする為の浅い呼吸であろうと、もう何度も見た攻撃
それならば「そのモーションを盗む」だけ
攻撃の予兆を感じた瞬間に宇宙バイクを変形
左右に展開したスラスターから翼のような蒼い光を放ち、一瞬で超加速
そのままブレスを吐こうとしている口めがけて、一条の光の矢じみて突撃!
全てを喰らう竜の顎と過去を振り切る光の矢、どっちが鋭いか勝負だ!
……でも、バイクは後で修理しないとなー……
フェル・ドラグニエル
「この流れに乗って…私も続いていくよっ!」
仲間の攻撃で傷ついて攻撃が通りそうな箇所に目がけて槍を構えて突撃!
【ドラゴニック・エンド】で追撃の一撃を放ちます。
ここならこの槍も刺さるはず! 刺さったならば…さらにもう一発!!
我らの前に立ちし敵を屠りたまえ!
攻撃の命中の有無にかかわらず、距離を取ってヒットアンドアウェイ!
さすがにドラゴン相手に攻撃を受け止めるのは今の私では難しいからね!
ブロンクス・ベルトロガー
ボスユニットを確認。これより撃破に当たる…!
爪攻撃を行っていたならば、振った場所に錬金術の魔法陣が刻まれている為、これをマキナドラグナーで撃ち壊したり、超重装甲の躯体を利用して踏み付けて魔法陣を破壊する。
強化できる要素が判明出来ればそれを引っぺがすのも立派な戦術。実際情報は大事。
そのままマキナドラグナーで爪や口を狙い砲撃・牽制。
無敵の黄金発動時は、進化したドラゴンランス改めジャベリンデバイス"ソーマ"の力を引き出して今は名も無き必殺技を放ち、防御ごとぶちぬく。(ユーベルコードのドラゴニック・エンド使用)
ソーマ、仕掛けるぞ!
(ソーマ)了解。リミット解除、ドラゴニック・マテリアライゼーション。
遠呂智・景明
「おーおー、こいつが竜ってやつか。俺が切った大蛇よりゃちいせぇな」
のんびりと歩いてきたら出遅れちまったか、と呟きつつ己の依代である【大蛇切 景明】を構える。
「さて、簡単に刃は通りそうにねぇな。……ならこうだ」
【剣刃一閃】を使い相手の【無敵の黄金】を誘発。【残像】と【殺気】で翻弄しつつ動けないドラゴンよ足元や周囲を切り刻み罅を入れることでドラゴンを地へ埋める。
動けなくなれば既に傷ついているドラゴンの【傷口をえぐる】斬撃を放ち、じわじわとその体力を削っていく。
「深追いは禁物ってな」
ドラゴンのブレスや爪攻撃に気をつけながら、ヒットアンドアウェイで攻撃を続ける。
錬金術ドラゴンは全身に浅くはない傷を負いながらも、いまだ倒れずに猛威を振るっていた。黄金の巨体がもつ圧倒的な耐久力に加え、今までの戦闘であちこちにある爪痕から錬金術の魔法陣が刻まれており錬金術ドラゴンの戦闘能力を補助しているのも大きい。
その様子を分析していたブロンクス・ベルトロガーはドラゴンへ向かう仲間を補助するためにも魔法陣の破壊をすべきだと判断し、マキナドラグナー・オリジンを砲撃モードに移行させる。
「強化できる要素が判明出来ればそれを引っぺがすのも立派な戦術だ。」
実際情報は大事、と今までのドラゴンの行動を思い返し次にドラゴンが向かいそうな魔法陣に狙いを定め、撃ち砕いた。思惑を外されたドラゴンが怒りの叫びをあげながらブロンクスを次の標的に定めたか、地響きを立てながら向かってくる。その前進を遮るように駆け抜けるバイクが一騎。甲斐・ツカサがドラゴンの注意を自分に引き付けるべく前に出たのだ。
「このまま距離を取って旋回していれば、ブレス以外は届かないはず!」
すでにブロンクスによる魔法陣の破壊は進んでおり、錬金術ドラゴンの強化は阻まれている。そのため消耗した現状では接近するだけの速度が出せないのだ。そしてブレスはすでに何度も放たれているのを見ている。ならば「そのモーションを盗む」だけ。胸に秘めた策を実行に移すタイミングをはかりながら甲斐はドラゴンの意識を引きつけ、駆け回った。
「この流れに乗って……私も続いていくよっ!」
ドラゴンの強化が途切れ、注意が甲斐に向いている今がチャンスとばかりにフェル・ドラグニエルがドラゴンランスを構えて突撃する。狙うは巨大な後脚にある他の猟兵が攻撃し、黄金の鱗を突き抜けた亀裂だ。
「ここならこの槍も刺さるはず!」
ミシリ、と硬い金属が裂けていくような音とドラゴンの咆哮が重なった。反撃を受けないようすぐさま距離を取るが、フェルの攻撃はこれで終わりではない。ドラゴニック・エンドにより召喚された竜が放たれ、轟音と共に同じ傷めがけて突っ込んだ。攻撃を終えた竜が突き抜けた後には大きく抉れた傷跡が残るのだった。
「おーおー、こいつが竜ってやつか。俺が切った大蛇よりゃちいせぇな」
のんびりと歩いてきたら出遅れちまったか、と呟きつつ遠呂智・景明は己の依代である大蛇切 景明を構えた。これまでの戦闘でドラゴンにつけられた斬り傷を見れば、黄金の鱗と肉体がもつ驚異的な防御力と耐久力が見て取れる。猟兵の戦闘能力があればこそダメージを与えられているが、それでもフェルのような高威力の攻撃でなければ致命傷を与えるのは難しい。
「さて、簡単に刃は通りそうにねぇな。……ならこうだ」
近づきざまに剣刃一閃、振り抜かれた刀が迎え撃とうとしたドラゴンの胴を切り裂いた。だがやはり、致命傷には届かない。さらにドラゴンの全身が黄金の輝きを増し始めた。全身を無敵の黄金と化し、猟兵たちの攻撃を凌ぐつもりだろう。ただでさえ硬い巨体がさらに硬化し全身が黄金の像に変わっていく。
「む、これは……」
先ほど最後の魔法陣を踏み砕き砲撃による牽制を始めたブロンクスだったが、黄金化を始めたドラゴンを見て戦力の再計算を余儀なくされていた。爪や口といった比較的攻撃が通りやすい部位を狙っていたのだが、そこでも砲弾が弾かれているのだ。
「どうしよう、私たちの攻撃が効かなくなってきてる!」
「このままだとマズイよ!」
ドラゴンの動きが止まり、ヒットアンドアウェイをしていたフェルと攪乱して攻撃者を助けていた甲斐が集まってくる。皆の表情が険しくなる中、遠呂智は笑みを浮かべた。
「いいや、これを待っていた。」
次の瞬間、強烈な殺気を放ちながら遠呂智がドラゴンに向かって駆けだした。何を、と他の仲間が思うより早く、ドラゴンを囲うように遠呂智の残像が舞う。それは一呼吸にも満たない間、ドラゴンが殺気に怯んだ一瞬の事だった。ブロンクスが破壊していた床の魔法陣の跡、攻撃で脆くなったそこを的確に切り刻み、ドラゴンの足場を崩したのだ。黄金は重い金属だ。全身を黄金化したドラゴンの下半身は崩れた床にめり込み、その動きを封じる。
「動けなくなれば、あとは削っていくだけだ。」
だが黄金化は解けていない。動きを封じたところで……ドラゴンがさらに全身に魔力を込めたその時、胴に激痛が走った。遠呂智が最初に斬りつけた傷跡に剣刃一閃を放ったのだ。どれだけ硬かろうが、「切断する」事に特化した剣刃一閃を防ぐことはできなかったのだ。さらに一度削れた傷をもう一度斬れば、より深く刃は入る。何度も斬りつければ文字通り削り切る事もできるだろう。
無敵の黄金でも防げない斬撃がある、その事実はドラゴンに衝撃を与えていた。一刻も早くこいつらを排除しなければ。猟兵たちを脅威と感じ錬金術ドラゴンは無敵の黄金を解いた。そして大きく開いた顎にその魔力全てを集める。ブレスが来る……この場の誰よりもブレスを警戒し、タイミングを計っていた甲斐。
「みんな、距離を取って散開しといて!」
だからこそ誰よりも早く動いていた。ドラゴンに向けて走るバイクの左右にスラスターが現れ、翼のような蒼い光を放って飛翔する。光をも置き去りにするような超加速を得て、一条の光の矢となって突き進んでいく。
「全てを喰らう竜の顎と過去を振り切る光の矢、どっちが鋭いか勝負だ!」
ブレスを吐かんとするドラゴンの顎に甲斐が突撃を敢行した。臨界に達しつつあった魔力が吐き出される前に解き放たれた。巨体が軋む音を立てて、全身の傷後から内部で暴発した魔力が漏れる。
「これを逃すテはねぇな!」
ひときわ大きく魔力が漏れている胴の切り傷を遠呂智がさらに斬り広げていく。それを見たブロンクスがジャベリンデバイス“ソーマ”から力を引き出し、フェルもその一撃に合わせるように狙いを定める。
「ソーマ、仕掛けるぞ!」
『了解。リミット解除、ドラゴニック・マテリアライゼーション。』
「合わせるよ!我らの前に立ちし敵を屠りたまえ!」
ブロンクスとフェルの槍が遠呂智が広げた割目を貫く。そこにブロンクスのソーマとフェルの召喚したドラゴンの全力の攻撃が同時に突き刺さる。その一撃がトドメとなり、ついに錬金術ドラゴンの巨体は倒れるのだった。
「ようやく終わったな。」
「ああ、だが……」
ブレスに突撃した甲斐は……場に重い雰囲気が流れる。と、その時、床の残骸が崩れ少年の声が響いた。
「いてて……あー、バイクは後で修理しないとなー……」
暴発の際、上手くバイクが盾になったのか、甲斐は吹き飛ばされる程度で済んでいたのだ。その代わりバイクは大破していたが。なんだ人騒がせなヤツめ、などと軽口を言いあい、ようやく猟兵たちに勝利の実感がこみ上げる。
その様子を見ていた学生がおずおずと手を上げた。
「あのー、お宝は?」
「ウワサはウワサ、そう旨い話があるわけないさ。」
「……がっくし。」
アルダワの地下迷宮に巣くっていたオブリビオンは猟兵たちの活躍により退治され、無謀にも迷宮に挑んだ学生たちも無事連れ帰る事ができた。事態の収拾を受け、学園は立ち入り禁止の措置を解除するのだった。
大成功
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