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カラミティ・トラッカー

#サイバーザナドゥ #高濃度汚染地域


「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「サイバーザナドゥにて長距離運送業を営むトラック業者が、メガコーポのオブリビオンに襲撃される事件を予知しました」
 サイバーザナドゥにおける「稼げる仕事」のひとつが、傭兵と物資を満載した武装トラックによる長距離運送だ。
 勿論この世界に労働者を守る仕組みなど存在しない為、労働環境は極めてブラックだが、荒くれ者のトラック野郎どもはそんなことではへこたれず、今日もザナドゥを走り回っている。

「彼ら武装トラック業者は、しばしばその輸送ルートとして『高濃度汚染地域』を突っ切ります」
 そこはあまりにも大量の「骸の海」に長期間に渡って汚染された為、機械化義体サイバーザナドゥを全身換装した者でも侵入を忌避するほどの危険地帯だが、それ故にメガコーポすら手出しを嫌がっており、結果的に「ここを通るのが一番早い」とトラック野郎どもは考えているらしい。
「ですが今回の輸送では、高濃度汚染地域の通過中に予期せぬトラブルに見舞われ、武装トラック業者は大きく疲弊してしまいます。そして目的地を目前にして、待ち構えていたオブリビオンに殺害されてしまうようです」
 命知らずのトラック野郎は、報酬次第で誰の依頼でも受けるし、どんな荷物でも運ぶ。その「運び仕事」がどこかのメガコーポにとって目障りになったのか、あるいは「積み荷」に問題があったのか。いずれにせよ、このままだと彼らは人生ごと運び屋を廃業することになる。

「放置する訳にはいきません。彼らが無事に『仕事』を完遂できるできるよう、皆様は臨時の傭兵として武装トラックに同乗してください」
 危険やトラブルが付き物の長距離運送業では、腕の立つ傭兵はいつでも歓迎している。今回のグリモアの予知では高濃度汚染地域で発生するトラブルの詳細までは分からなかったため、臨機応変に対応できるよう事前に同行しておくことになる。
「高濃度汚染地域に突入するまでは、特にこれといって大きなトラブルはありません」
 武装トラック業者は行く先々で新しい荷物の配達を依頼されたり、逆に荷物を引き渡したりしながら旅路を行く。
 大きなトラブルはないと言ったが、報酬の金額や支払いで揉めたり、荷物の状態についてクレームを入れられたり、といった揉め事ならしょっちゅうある。同行者として彼らの仕事を手伝いつつ、親睦を深めると良いだろう。

「輸送ルートの先で待ち構えているのは、民間軍事企業『サイバー・エンフォースメント』が契約企業に派遣している傭兵部隊、『エンフォースメント・オペレーター』です」
 高度な戦闘訓練を積み、最新の装備や機械化義体の支給を受けている同社の精鋭で、要請があれば施設警備から要人暗殺まで幅広く請け負う。契約企業からしても、自社の戦力に動かさずに直接的な関与を否定できるので、汚れ仕事を任せるには丁度いいのだろう。
「実力的には皆様のほうが上ですし、武装トラック業者の方々もそれなりの戦闘能力を持っています。ですので問題はやはり、高濃度汚染地域でのトラブルをどれだけ消耗せずに解決できるかでしょう」
 トラック地帯がこの地域を運送ルートにするのは初めてではない。にも関わらず、彼らが頭を抱えるほどの深刻なトラブルとは一体何なのか。十分に警戒したうえで、滞在するだけでも危険な高濃度汚染地域を迅速に突破しなければならない。

「危険の多い依頼ですが、皆様なら無事に解決できると信じています」
 説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、サイバーザナドゥの運び屋の元へ猟兵を送り出す。
 命知らずのトラック野郎どもと行く、高濃度汚染地域の旅路。果たしてそこにはどんな冒険とトラブルが待ち受けているのだろうか。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはサイバーザナドゥにて、高濃度汚染地域を踏破するトラック野郎どもの仕事を手伝い、無事に荷物を届ける依頼です。

 1章は傭兵として武装トラックに乗り込み、運び屋の旅路に同行します。
 行く先々で荷物の依頼を受けるうちに、トラブルが発生することもあるでしょう。交渉(時には暴力も)で揉め事を解決しつつ、命知らずのトラック野郎どもと親睦を深める、比較的安全な日常のシーンです。

 2章は高濃度汚染地域にて発生したトラブルの解決にあたります。
 長距離運送の仕事も佳境というところになって、想定外のトラブルにより武装トラックは足止めを食らいます。
 周囲に満ちる汚染物質の被害をこちらが受けないうちに、このトラブルを迅速に解決して先へ急ぎましょう。

 3章は『エンフォースメント・オペレーター』との集団戦です。
 目的地を目前にして待ち構えていたメガコーポのオブリビオン軍団が、なんの理由で武装トラックを襲うのかは分かりませんが、その「運び仕事」が彼らにとって不都合だったのでしょう。
 交渉の余地がある相手ではないので、全力で撃破してください。この章では運び屋の方々も一緒に戦ってくれます。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『交渉対応』

POW   :    ●『相手に厳しく対応する』

SPD   :    ●『相手を騙す』

WIZ   :    ●『相手の言い分を聞く』

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ベティ・チェン
「ドーモ、ミュール=サン。ベティ、デス」

「知りたい、こと。何日の、ランか。食事と水、防護服は、誰持ちか」

確認したら準備して30m級竜型巨神G-O-リアス四龍スーロン(人化時2m越え猫背でジャージなドラゴニアン男性)喚ぶ
オーストラリアナゲット金貨(1オンス)投げ最終時のみの手伝い依頼

「まぁた爪の先ぃぃ!オレっちは竜なの!異次元潜航ねぐらでお宝抱いて寝てるのが1番幸せなの!喚ぶならもっと金塊ザクザク強奪依頼に喚べよぅ」
「最近、ない。だから。喚んだ時だけ、手伝って」
「…分かったよぅ、受けてやるよぅ。あー、オレっち優しいなぁあ!」

運送中は脅し要員として積極的に働く
「キリステ・ゴーメン!」



「ドーモ、ミュール=サン。ベティ、デス」
 長距離運送業を営む武装トラック業者に、護衛の傭兵として合流したベティ・チェン(迷子の犬ッコロホームレスキリング・f36698)。すでに相手側にも話はいっていたようで、ニンジャらしい丁寧なアイサツにも「おう!」と気さくな態度で返事される。
「あんたが今回の護衛の一人だな。よろしく頼むぜ」
 彼らの仕事はサイバーザナドゥの各地を巡り、荷物を送り届けること。道中にトラブルは付き物であり、時には高濃度汚染地域のような超危険エリアを輸送ルートに選ぶこともある。だからこそ腕に自信のある傭兵は素性を問わずいつでも歓迎であった。

「知りたい、こと。何日の、ランか。食事と水、防護服は、誰持ちか」
 本格的な仕事に入る前に、ベティは内容の細部確認を行う。こういうのが依頼の難易度を左右するし、後から揉める原因になると知っているのだ。もちろんトラック業者のほうもその辺は承知済みで、すらすらと質問に答えてくれる。
「今回のランは10日前後を予定してる。高濃度汚染地域を抜けるのはルートの終盤だな。食料と水と防護服は依頼料とは別にこっちで持つ。これでいいか?」
「わかった。それで、いい」
 確認を済ませたベティはさっそく準備を始め、巨神G-O-リアス『四龍スーロン』を喚ぶ。人化時は猫背でジャージを着た身長2m超のドラコニアン男性だが、真の姿は30m級の竜型巨神である。今回の護衛依頼で予想される非常事態に備え、事前に呼び出されたようだ。

「まぁた爪の先ぃぃ! オレっちは竜なの! 異次元潜航ねぐらでお宝抱いて寝てるのが1番幸せなの! 喚ぶならもっと金塊ザクザク強奪依頼に喚べよぅ」
「最近、ない。だから。喚んだ時だけ、手伝って」
 大した実入りもなさそうな依頼に引っ張り出されて不満たらたらのスーロンに、ベティは1オンスのオーストラリアナゲット金貨を投げて寄越す。こっちもこっちで懐事情には限りがあるのだ――なので重大なトラブルが予想される、最終時のみの手伝いを依頼する。
「……分かったよぅ、受けてやるよぅ。あー、オレっち優しいなぁあ!」
 それでもまだスーロンは不満げであったが、これまでの誼もあって渋々と依頼を受諾する。実際、金欠になりがちな彼女と今日まで縁が切れていないのだから、態度ほど薄情ではないのかもしれない。きっちり金貨は掴んで放さない彼に、ベティは「ありがとう」と微笑むのだった。

「よっしゃ、そんじゃ出発するぜ!」
 かくしてベティ達猟兵を乗せたトラックは、長い旅路を走り出す。その道程は単調な一直線ではなく、途中の都市で補給を行いながら新しい荷物の受け取りや引き渡しをするコースだ。基本的にモラルが壊滅状態のサイバーザナドゥなので、ただの荷下ろしでもイチャモンを付けられることはしょっちゅうだが――。
「キリステ・ゴーメン!」
「ヒエエエ! すみません!」
 ベティは自らの腕っぷしを誇示することで、脅し要員として積極的に働く。フォトンセイバーでその辺のガラクタを真っ二つにする程度のデモンストレーションでも、パンピー相手には効果抜群だった。お陰で依頼主からの覚えもめでたく、ランの序盤は快適そのもので進行していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルマリカ・ラム
(いつでも笑顔・ですますのすがカタカナ)
ワタシも商いをする身。物を運んでくださる方々には感謝していまス
世界は違えど、手を貸さない理由はありません
もしかすると今後お仕事をお願いするかもしれませんし!
高濃度汚染地域にも興味がありまスし

道中は是非皆様のお仕事についてお話を聞きたいところ!
見知らぬ世界というのはいつだって胸が躍りまス!
トラブルがあれば勿論出ましょう。今は雇われの身、お仕事はしっかりと!
ご機嫌ようUCを使用! どうか落ち着いて、お話を聞かせていただけまスか?
双方のお話を聞き、お互い納得のできるラインを探りましょう
再び口論になりそうであれば、都度こちらから声をかけて落ち着いて頂きまス



「ワタシも商いをする身。物を運んでくださる方々には感謝していまス。世界は違えど、手を貸さない理由はありません」
 世界を股にかける冒険商人として、武装運送業者の護衛に参加を決めたウルマリカ・ラム(よくばりメイルストロム・f30328)。どんなリスクも厭わず受けた依頼は遂行する、命知らずなトラック野郎どもの仕事ぶりは、彼女から見ても好ましいものだった。
「もしかすると今後お仕事をお願いするかもしれませんし! 高濃度汚染地域にも興味がありまスし」
 未知なる他世界の物事は、新しい商売のタネにもなる。好奇心に満ちた笑みを浮かべ、トランクケースを持ってトラックに乗り込んだ彼女は、いざ荷物運びの長旅へ。それは汚染地域に限らず、サイバーザナドゥの様々な土地を見る旅ともなった。

「宜しければ、是非皆様のお仕事についてお話を聞かせてください」
「なんだいアンタ、この仕事に興味があんのか?」
 ウルマリカが尋ねると、トラック業者達は「お勧めはしねえぜ」と皮肉げに笑いながら、自分達の業務や過去にあった仕事の内容について語ってくれる。それは彼らの"武勇伝"であり、仕事とあらばどんな荷物も運ぶことをプライドとする故、地元の警察やヤクザ、メガコーポと揉めたことも一度や二度ではない。
「抗争中の街で、銃弾の雨の下を突っ切った時は肝が冷えたな!」
「けど悪くはねぇ仕事だ。喜ぶ依頼人の顔が見れた時はな」
「なるほど。興味深いでスね!」
 見知らぬ世界というのはいつだって胸が踊る。彼らの仕事や巡った土地の風物詩は、ウルマリカの関心を刺激する。
 もちろん話を聞いているだけではない。彼らが言うようなトラブルが今回の旅でも実際に起これば、それに対処するのが護衛の役目だ。

(今は雇われの身、お仕事はしっかりと!)
 トラックが止まり、外で揉め事の気配を感じ取ったウルマリカは、颯爽と車外に飛び降りる。彼女自身は子供相手にギリギリ負けるほど非力だが、それゆえに強き者と対峙する手練や、危険に対処する手管はちゃんと取り揃えている。
「ご機嫌よう! どうか落ち着いて、お話を聞かせていただけまスか?」
 その一つが、セイレーンの魔性の声をもって他者の警戒心を緩める【Make a deal】だ。彼女の声を聞いた者は、生命体・無機物・自然現象を問わず――もちろん血の気の多いサイバーザナドゥの住人だって殺気を緩め、耳を傾けるようになる。

「ワタシたちは、あなたのお力になりたいのでスよ」
「けどよぉ、聞いてくれよ」「おうおう、こっちにだって言い分があるぜ」
 ウルマリカはトラック業者と依頼人、双方の話を聞き、お互い納得のできるラインを探る仲介人となる。再び口論になりそうな時は、その都度こちらから声をかけて落ち着いて貰う。聞けば揉め事の発端は運送料についてであり、落ち着いて話し合えば落とし所を見いだせない事ではない。
「……ということで、今回はこの額が妥当ではないかと思いまス」
「ふむ……わかった、それでいい。悪かったな」「いや、こっちこそ」
 無事に矛を収め、合意の上で両者が手を取り合えば、ウルマリカも満足げに笑みを深め。このようにして彼女は行く先々で起こるトラブルを解決しながら、トラック業者との旅を続け――やがて高濃度汚染地域に迫っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
アドリブ歓迎

朧車“家伊賀”に乗って参加
「骸の海を通るなら妖怪にまかせとけっす!」
え、家伊賀さん汚れるのやだ?後で洗車頑張るからお願いっす!

家伊賀にも荷物や客、傭兵乗せUC『収納鏡』も駆使して【運搬】
安全【運転】で【足場習熟】を駆使して【悪路走破】、道中は忍者ゴーグル利用し【視力】と【第六感】で注意
必要な場合はUC『綿ストール・本気モード』で障害物排除し【化術】や【結界術】で安全確保や道作り

休憩時に他の運ちゃんに【料理】を振舞い【コミュ力】で仲良くなる
この先で待つ企業の事を聞いとくっす

対人トラブルは【コミュ力】と【取引】で適正に対処
あまり無茶言うと【化術】で怖い姿になって【おどろかす】っすよ?



「骸の海を通るなら妖怪にまかせとけっす!」
 どんな危険地帯も恐れぬトラック野郎どもの旅路に、家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は自家用車ならぬキャンピングカーの妖怪付喪神、朧車"家伊賀"に乗って同行する。もとは大型トレーラーに多数の武装と重装甲化を施してあるので、よその武装トラックと並んでも見劣りしない。
「え、家伊賀さん汚れるのやだ? 後で洗車頑張るからお願いっす!」
 その辺の泥道を通るのとはわけが違う運送ルートに、ちょっと渋られたりもしたようだが、どうにか話は纏まった。
 トラック業者のほうも、護衛を頼んだ傭兵がゴツい大型車両に乗って来た時は、「スゲェもんが来たな!」と驚きの表情であった。

「良ければおいらの車の荷台も使ってくださいっす!」
「ほんとか? そりゃ助かる!」「今回は荷物が多かったからな」
 衣更着は業者が運ぶ貨物や客、傭兵を"家伊賀"にも乗せて運搬を手伝う。【収納鏡】から繋がるマヨヒガの収納空間も駆使すれば、普通の車両を超える重量を積載可能だ。長距離運送業においては夢のようなユーベルコードであろう。
「よっしゃ、出発だ!」
「はいっす!」
 積み荷を終えて走りだすトラックの後を追って、"家伊賀"のハンドルを握る衣更着。運転は安全第一で、足場の悪さにタイヤを取られないよう気をつけつつ、どんな悪路もガンガン走破していく。目元は「忍者ゴーグル」で保護して視界良好、不慮の事故にも警戒して第六感を研ぎ澄ませている。

「っと、ここは進めねえな」「チッ、誰だこんなトコでドンパチやったのは」
「おいらに任せてくださいっす!」
 途中、予定していた道が通れないようなことがあれば、衣更着は【綿ストール・本気モード】で瓦礫などの障害物を排除し、橋が落ちていれば結界の橋を架け、野獣が出れば化術で追い払うなど、持てる能力の数々を活かして安全確保と道作りに努める。
「皆さん、お疲れ様っす! 飯作ったんで良ければどうぞ!」
「おお、あんがとよ」「気が利くじゃねえの」
 休憩中には料理を振舞って業者と仲良くなるなど、道中を円滑にするための努力に余念がない。荒くれ者のトラック野郎どもも、その短期間でだいぶ彼に心を許したようだ。「次の仕事もよかったら頼むぜ」と、声をかける者もいた。

「おいおい、タダの荷物運びがどうしてこんなに高えんだ? もっとまけろよ!」
 そしてサイバーザナドゥの旅路で避けられないのが住人とのトラブル。こちらの仕事に難癖をつけて代金を値切ってくるような面倒くさいクレーマーが、武器で脅してくる場合もある。そんな相手にも、衣更着は"適正な対処"を取る。
「あまり無茶言うとおどろかすっすよ?」
「へッ、やれるもんならやってみ……うひえッ?!」
 イキッた乱暴者が腰を抜かすような怖い姿にドロンと化けてみせれば、大概のケースは片がつく。オブリビオンに比べれば全然物わかりが良いほうだ。きっちり適正額の代金を受け取ってから、衣更着とトラック業者は旅を再開する。

「この先で待っていそうな企業? いやぁ、ちとわかんねえなぁ」
「そうっすか。まあ皆さん、敵は多そうっすからねぇ」
 道中、衣更着は襲撃が予知されているメガコーポについてトラック野郎に聞いてみたが、彼らの返答は「心当たりがありすぎる」だった。こんな仕事を長く続けていれば、どこぞの企業や組織の不興を買うのは珍しくもない話らしい。
 結局は、誰が来るとしても返り討ちにできるよう、万全に備えておくしかあるまい。これから向かう高濃度汚染地域の先に敵はいる、そのことは確かなのだから――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュカシオン・カーネーション
❛トラックいつまで乗るのだわ?…退屈なのだわー!❜《シエルさん、今仕事中ですよ!》
シエルがウチのオーラの中で叫んでいるがアロナちゃんがそれを注意する

あ〜気にしないでくれ、大丈夫だぜ〜?ん?着いたか!
トラックの運転手が何があったのと聞いて来たので大丈夫と言っていると目的地に到着

❛あ〜!きつかったのだわ〜!❜《トイレは今の内に済ませて下さいよ!シエルさん!》
身体を伸ばしているシエルとトイレに行けというアロナちゃんを他所に何やらトラブルがあったようだ

おう、どうしたんだ?
運転手に聞くとエンジンの調子が悪くまだ時間がかかるそう

よし、ナノダワーにも手伝わせるか…
UCを発動してエンジンの修理を手伝う事にした



『トラックいつまで乗るのだわ? ……退屈なのだわー!』
《シエルさん、今仕事中ですよ!》
 リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)のオーラの中で、不満げに叫ぶ虹炎神アルカンシエルと、それを注意する精霊王アロナフィナ。現在彼女達はサイバーザナドゥでトラック運送業者の護衛依頼に参加中である。
「おい、どうした?」
「あ~気にしないでくれ、大丈夫だぜ~?」
 何かあったのかと聞いてくるトラックの運転手に問題はないと答え、ひらひらと手を振るリュカシオン。アロナフィナが退屈と言うくらい、今のところ大きなトラブルもなく旅は順調だ。このまま何事もなければ、護衛としては楽ができるのだが。

「ん? 着いたか!」
 そうこうしている間にトラックは目的地に到着したようで、ガタゴトと車内の揺れが止まる。今回の長距離輸送では途中幾つかのポイントを経由して荷物の積み込みや引き渡し、および休憩を行い、高濃度汚染地域を抜けて最終目的地に向かう予定だ。
『あ~! きつかったのだわ~!』
《トイレは今の内に済ませて下さいよ! シエルさん!》
 車内から出てうんと身体を伸ばしているアルカンシエルと、保護者のように口を酸っぱくするアロナフィナ。そんな二人をよそに、リュカシオンはトラックの方を見ていた。業者の連中が集まっている様子からして、何やらトラブルがあったようだ。

「おう、どうしたんだ?」
「ああ、参ったぜ。エンストだ」「最近ガタがきてやがったしなあ」
 運転手に話を聞いてみると、どうやらエンジンの調子が悪いらしい。骸の雨降る世界の旅路は人間だけでなく車両にとっても過酷であり、これまでの長旅で蓄積してきた負荷がとうとう限界に達したようだ。ままあるトラブルではあるが、間が悪い。
「こりゃ直すのには時間がかかるな」
 音を上げるようにプスプスと黒い煙を吐くエンジンを見て、業者はそう語る。これから高濃度汚染地域を突っ切ることも考えれば、ここで修理に手を抜くわけにもいくまい。幸い、必要な部品や道具と修理スキルを持った人間はいるので、直せないことは無いようだが。

「よし、ナノダワーにも手伝わせるか……」
 見てるだけでは付いてきた意味もないからと、リュカシオンは【虹炎獣ナノダワー】を召喚。手足を短くデフォルメした置物のような体型の生物がわらわらと出てきて、エンジンの修理を手伝い始める。見た目だけならあんまり役には立たなそう、だが。
「ナノダワー」
「うおっ、なんだコイツら?」「ここをこうしろってのか? ……おっ、動いたぞ!」
 ナノダワー達の助言や応援は意外にも的確で、怪力を活かした部品運びなどにも協力してくれる。初対面では困惑していたトラック業者達も、実際の働きぶりを見て評価を改めたようだ。お陰で想定よりも速く修理は進んでいき――。

「おっしゃ、直ったぞ。乗ってくれ!」
「良かった。お~いみんな、行くぞ~」
『えっ、もう行くのだわ?』《シエルさん、急いで!》
 再び快調なエンジン音を響かせ始めたトラックに、ひょいと飛び乗るリュカシオン。休憩していたアルカンシエルとアロナフィナも戻ってきて、旅は再開する。荷物も補給も万全で、目指すは次の目的地。その先には最大の難所である高濃度汚染地域が待ち構えていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

儀水・芽亜
どこの世界も運び屋は大変ですね。
私の夫も運び屋ですから、他人事とは思えません。まあ、うちの人はバイク一台で小規模な仕事ですけど、こちらは武装トラック。世界の違いを感じます。

さてと、配送品の受け渡しでトラブルが起きないように、ですか。対人業務は本当に大変です。
それなら、竪琴の「楽器演奏」を伴奏にヒーリングヴォイスを「歌唱」しましょう。
癒やしの歌声を聞けば、ささくれだった精神も落ち着いて寛容になれるでしょう。
ついでに武装トラックの傭兵さんたちにも効果を及ぼして、肩の力を抜いてもらいましょうか。

さて、もうすぐ『高濃度汚染地帯』ですね。鬼が出るか蛇が出るか。気分を切り替えて参りましょう。



「どこの世界も運び屋は大変ですね。私の夫も運び屋ですから、他人事とは思えません」
 誰かから荷物を受け取り、時には見知らぬ土地を渡って、必要とする人に受け渡す。それが血管のように社会を支える大事な仕事であることを、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『夢可有郷ザナドゥ』・f35644)は理解していたし、それに伴う苦労は夫からも聞いていた。
「まあ、うちの人はバイク一台で小規模な仕事ですけど、こちらは武装トラック。世界の違いを感じます」
 社会モラルの悪化が深刻で、労働者を保護する制度もないサイバーザナドゥでは、荷物と自分の生命を守るためには武装するしかない。大枚はたいて傭兵を雇うのもそのためだ。この依頼の危険性とリスクをよく理解した上で、彼女は護衛に名乗り出た。

「さてと、配送品の受け渡しでトラブルが起きないように、ですか。対人業務は本当に大変です」
 こういった世界なので、やれ荷物が違うだの代金が高すぎるだのといった揉め事は尽きない。そういった時に武力をちらつかせてでも事を収めるのが、護衛の仕事のひとつだが――それならと芽亜が取り出したのは銃や刃物ではなく、竪琴『Playland In Sleeping』だった。
「皆さん、少し落ち着いて、私の歌を聞いて下さい」
「あぁン? なんだテメェ……は……」
 竪琴の音色を伴奏として、彼女が唱えるのは【ヒーリングヴォイス】。のびやかな優しい歌声が聞き手の身体を癒やし、体力を回復させる。これを聞けば皆のささくれだった精神も落ち着いて、寛容に話し合う気持ちになれるだろう。

「あなたがたも、一旦冷静になりましょう」
「お、おう。すまんかったな」
 芽亜はユーベルコードの効果を武装トラックの業者や傭兵達にも及ぼして、肩の力を抜いてもらう。彼女の歌を聞いてなお争いを続ける気になれる者はおらず、頭の血が下がればもう一度話し合う気にもなれるだろう。どうやら一触即発の危機は去ったようだ。
「じゃあ、この値段でどうだ?」
「オーケー、それで手を打とう」
 細かい交渉事については、芽亜はあまり口を出さず、また荒れそうになった時に口と歌を挟む程度だ。無事に交渉が纏まり、荷物の引き渡しが完了するのを見届けると、彼女はほっと息を吐いて竪琴を下ろす。暴力沙汰になるよりは楽だが、これもこれで神経を使う役目だ。

「さっきは悪かったな、助かった」
「いえ、これが仕事ですから」
 ひとつの配達を終えた武装トラックは、また次の配達先へ。同じようなトラブルに度々見舞われながらも旅は続く。
 ゴタつきもあったがここまでは概ね想定内、平穏無事とさえ言えるだろう。だが、この順調さがいつまでも続かないことは業者達も、そして芽亜も分かっている。
「さて、もうすぐ『高濃度汚染地帯』ですね。鬼が出るか蛇が出るか。気分を切り替えて参りましょう」
 メガコーポさえ滅多に手出ししないという、サイバーザナドゥでも指折りの危険地帯。そこを敢えて突破しようという命知らずを、無事に最後の目的地まで送り届けなければ。穏やかに微笑む芽亜の眼差しが、鋭さを帯び始めた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラーウム・ティラメイト
オベイは今日も可愛いですね
『ケー(何か今日は頬ずり速いな)』
いつものようにオベイに頬ずりをしている(凄まじい速さ)

(⁠☞゚⁠∀゚⁠)⁠☞
イルミリアが頬ずりの速さを笑っているように感じた

おや?着きましたか?長かったですね…
呆れる運転手だがようやく目的地に到着した
((⁠╭⁠☞⁠•́⁠⍛⁠•̀⁠)⁠╭⁠☞
イルミリアも少し疲れていた

では、私は何かご飯買って来ますね…イルミリアさん頼みましたよ
『ケー』
そういうとオベイを連れて軽食を買いに行く


(⁠☞⁠ ⁠ಠ⁠_⁠ಠ⁠)⁠☞
荷物を奪おうとする強盗相手に吸収属性のブレスを吐き消滅させる(直接食べた方が強いが今回は護衛なので)

イルミリアさん、軽食買って来ましたよ



「オベイは今日も可愛いですね」
『ケー』
 武装トラックの座席でゴトゴトと揺られながら、鳥型の石に凄まじい速さで頬ずりをするフラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)。その石に封印されているディストーション・オベイは(何か今日は頬ずり速いな)と思いながらも、ただ鳴くだけでされるがままになっていた。
『(⁠☞゚⁠∀゚⁠)⁠☞』
 ふたりの様子を見ているのは【暴食の因果獣王・イルミリア】。言葉は発さずに独特の言語(?)で喋るため、意思の疎通は難しいが、今はフラーウムの頬ずりの速さを笑っているように感じる。護衛の傭兵として雇われたとは思えないほど、全体的に呑気な雰囲気が漂っていた。

「あんたら、一体何やってんだ……着いたぞ」
 フラーウム達の奇行に運転手は呆れつつも、目的地でトラックを停める。ここで依頼人から新しい荷物を受け取り、その間に休憩を取る予定だ。最終的には10日間ほどの期間をかけて、最後の目的地に向かう予定と聞かされている。
「おや? 着きましたか? 長かったですね……」
『((⁠╭⁠☞⁠•́⁠⍛⁠•̀⁠)⁠╭⁠☞』
 ここまでの道中も長かったため、フラーウムとイルミリアの表情にもやや疲れが見られる。だが、この先の旅路はもっと過酷なものとなるだろう。高濃度汚染地域を無事に抜ける為に、体調やメンテナンスは万全にしておかなければ。

「では、私は何かご飯買って来ますね……イルミリアさん頼みましたよ」
『ケー』
 そう言ってフラーウムはオベイを連れ、軽食を買いに適当な店に向かう。武装トラックに残されたのはイルミリアと少数の業者のみ。傍目からすると無防備であり、こういう時に限ってトラブルがやって来るのが、サイバーザナドゥの常である。
「おうおうテメーら。どこのモンだ?」「ちょいと荷物を検めさせて貰おうかぁ」
 現れたのはいかにも荒くれ者な風貌をしたヤクザども。この辺りを通る運び屋などにコナをかけ、荷物を奪おうとする強盗だ。モラルが崩壊しているこの世界では、警察もこの手の連中をほとんど取り締まってくれず、実質野放しになっている。

「ヘヘッ、なんだ姉ちゃん。ビビッて声も出せねえかあ?」
 強盗団はイルミリアを見ると、下卑た態度で脅しをかけてくる。彼女の容貌は銀色の長髪にエメラルドの瞳をもった絶世の美女であり、ヤクザどもが目をつけるのも無理はない。が、相手をただの人間の女だと思ったのが彼らの運の尽きである。
『(⁠☞⁠ ⁠ಠ⁠_⁠ಠ⁠)⁠☞』
「「なっ……ヒェーーーッ!?!」」
 イルミリアがフッとブレスを吐くと、強盗団はひとり残らず消滅する。"暴食"を司る七罪の因果獣の力は森羅万象を吸収する。本来は直接食べたほうが強いのだが、今回は護衛なので力をセーブしており――その上で、そこらのチンピラ風情が敵う相手ではなかった。

「イルミリアさん、軽食買って来ましたよ」
 ほどなくしてフラーウムが戻ってくると、イルミリアは嬉しそうに笑みを浮かべて食事に飛びつく。その間に何があったかを説明する必要はないだろう――かくして武装トラックの道中の安全は保たれ、快適な旅路は続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリュファシオン・アルティウス
そろそろ付く頃かな?オーさん
『オォォー!』
どうやら取引の場所へ着いたよう

運転手さんも取引が成立して少しの間自由時間が出来たのでのんびりしていると事件が起きる

どうしたのですか?
運転手さんに聞くとどうやらお金が盗まれたらしい

『私の出番ですね!』
突然現れたメロウが勝手に捜査を始める

…あの時、大丈夫だったの?
『距離を取らないで!あの後も誤解も解けたから!』
獣人戦線の時に探偵道具が爆発したので距離をとっている

『エル!オーさんを出して!これは空き巣の手口だから…まだ遠くまでは行ってない!』
分かった!
メロウに促されオーさんに乗り犯人の確保へと向かった

その後犯人は確保した

…探偵道具使わない方がいいんじゃない?



「そろそろ付く頃かな? オーさん」
『オォォー!』
 相棒のオオサンショウウオ型バイク『オーさん』に乗って、武装トラックと並走するエリュファシオン・アルティウス(“やんきー”を目指す『時間逆行』を使う不思議な旅人・f39208)。彼女らが向かう先には他世界で言うところの「道の駅」のような施設があった。あれが次の取引場所であり、休憩ポイントだ。
「そんじゃ、あんたらはここで少し待っててくれ」
「わかりました」
 目的地に着くと運転手はトラックを降り、依頼相手との交渉を始める。どうやら取引は無事成立しそうな雰囲気だ。
 荷物の受け渡しと積み込みをやっている間、護衛には少しの間自由時間が出来る。まだまだ続く旅に備えて、英気を養いたいところだ。

「――げっ! やられた!」
 だが、エリュファシオンがのんびりしていると、突然素っ頓狂な叫び声が聞こえてくる。見ればトラックの運転手が顔色を変えて慌てふためいているではないか。特にケガなどしたわけではなさそうだが、なにやら事件の匂いである。
「どうしたのですか?」
「泥棒だ! 金を盗られた!」
 話を聞いてみると、どうやらちょっと目を離していた隙に車内に置いてあった金品がなくなっていたらしい。仮想通貨による支払いが当たり前になった世界でも、カードや身分証のように取引を行ううえで何かしらの「現物」は必要になる。それを盗られたというわけだ。

『私の出番ですね!』
 それを聞いて突如出てきたのは、鹿撃ち帽、パイプ、虫眼鏡を持った青い髪の少女。エリュファシオンの仲間である【探偵逆行王メロウ・ホームズ】だ。あらゆる謎を解明すると豪語する彼女は、勝手にこの盗難事件の捜査を始めた。
「……あの時、大丈夫だったの?」
『距離を取らないで! あの後も誤解も解けたから!』
 探偵としての使命と正義感は強い一方、彼女が相当なトラブルメイカーなのも知っているエリュファシオンは、若干引き気味に様子を見守っている。以前、獣人戦線で彼女を呼び出した時は探偵道具が爆発したこともあったのだ。巻き添えを食らうのは勘弁である。

『エル! オーさんを出して! これは空き巣の手口だから……まだ遠くまでは行ってない!』
「分かった!」
 幸いにも今回はトラブルもなく、メロウは犯人の手口と逃走経路を解き明かす。彼女に促されたエリュファシオンは直ちにオーさんに乗って犯人の確保へと向かう。どこに行ったのかさえ分かれば、ただの泥棒に遅れを取りはしない。
「捕まえたよ」
「ウソだろ、もう追いついてき……ぐえっ?!」
 かくしてスピーディに捕らえられた犯人は、これまで盗んできたものを没収され、軽い"お仕置き"を食らわされたのだった。どうやら過去にも同様の手口を繰り返してきた常習犯だったらしいが、今回ばかりは相手が悪かったようだ。

「ありがとよ! 最高の仕事だ!」
 無事に金が戻ってきて、運転手も大喜び。警察にも保険にも頼れないサイバーザナドゥでは、大抵の盗難事件は「盗まれたほうが悪い」で終わってしまう。それをキチンと解決してくれたのだから、雇った甲斐があったというものだ。
「……探偵道具使わない方がいいんじゃない?」
『いるの! 絶対!』
 今回は普通に有能だった探偵について、エリュファシオンはそんな感想を零すが、当のメロウにとって道具は大事なものなのだろう。なんにせよ、ここでの取引とトラブルも無事解決したところで、一行は次の目的地へと向かう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『高濃度汚染地域にて』

POW   :    力ずくで障害を排除し、押し通る

SPD   :    トラブルの原因を突き止め、取り除こうと試みる

WIZ   :    何らかの手段で汚染物質の影響を抑える

👑7
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 道中で荷物の取引を行い、時にはトラブルに見舞われながらも、おおむね順調に旅を続ける武装トラックと猟兵達。
 その道程はいよいよ佳境――最大の難所である高濃度汚染地域に差し掛かっていた。

「このへんは昔、どこぞのメガコーポがおっ立てた工業地帯だったらしいぜ」

 トラックの運転手が語るように、この地域にはかつて工場や倉庫の一部だったと思しき建造物が乱立している。
 だがそれらは今や朽ち果て、錆と金属とコンクリートによる廃墟の迷宮と化している。そしてメガコーポがここを放棄した後も、工場から垂れ流された大量の排水や汚染物質はそのままだ。

「ここを突っ切れば、最後の目的地はもう目と鼻の先だぜ」

 トラック業者は以前にもここを通り抜けたことがあるらしく、汚染の影響を抑えられる最短ルートを知っている。
 危険とはいえ道筋さえ間違えなければ、メガコーポなどの面倒な横槍を入れられず、むしろ安全かつ迅速に荷物を運べる、はずだったのだが――。

「おい、見ろよあの雲。こりゃあ……嵐が来るぜ?」
「マジかよ?! クソっ、天気予報のやつ、こんな時に限ってアテにならねえ!」

 彼らを襲った予期せぬトラブルは、突然の天候の悪化だった。
 ただの悪天候だと思ってはいけない。高濃度汚染地域を満たす汚染物質は、廃工場の排煙に混ざって空に昇り、雲と混ざり合い――そして、雨となって降り注ぐのだ。

 それは鋼鉄すら短時間で腐蝕させる、骸の海を含んだ重金属酸性雨の嵐。
 頑丈な造りをした武装トラックでも、長居すれば積み荷ごとおじゃんだ。
 乗っている人間の生存については、言うまでもあるまい。

「マズいぜ……本降りになる前にここを抜けねえと」
「迂回して雨雲を避けるべきじゃねえか?」
「いや、だがそうすると時間がかかって汚染のリスクが……!」

 この想定外のトラブルに対しては、命知らずのトラック野郎どもも慌てふためいている。
 彼らの力だけで、この窮地を乗り切るのは難しいだろう。生き延びたとしても消耗しきってしまう。

 だからこそ、猟兵達が彼らの旅に護衛として付いてきたのだ。
 重金属酸性雨の降り注ぐ高濃度汚染地域を無事に突破するために、一同は行動を開始する――。
儀水・芽亜
トラブルの正体は重金属酸性雨の雨でしたか。酸性雨を使う知人のことは知っていますが、仕掛けられる側となると厄介です。

私を起点に「全力魔法」「範囲攻撃」「毒耐性」「結界術」でサイコフィールドを展開!
酸性雨を弾く結界で風雨を防ぎ、車体や乗員を「回復力」「浄化」で消耗を防いで。
私は「集中力」でサイコフィールドの維持に全力を尽くします。起点が私なので、結界もトラックが進むのに合わせて移動出来ます。

傭兵の皆さんとは、結界の維持をしながらではありますが、私が雨を食い止めていることを「コミュ力」を交えて伝え、ドライバーさんに最短距離を突っ切ってもらうよう伝言を頼みます。

窓の外は、現状どんな具合ですか?



「トラブルの正体は重金属酸性雨の雨でしたか。酸性雨を使う知人のことは知っていますが、仕掛けられる側となると厄介です」
 上空に広がっていく真っ黒な雨雲を見上げて、そう呟くのは芽亜。天候という大規模な現象を敵に回した時、逃げることは極めて困難になる。強酸性の雨に骸の海まで含まれているとなれば、ちょっと濡れるのを我慢して突っ切る、という訳にもいかない。
「トラックの皆さんの体調も心配ですね。全力で守りましょう」
 芽亜は己を起点に【サイコフィールド】を展開。鴇色の陽炎を纏ったドーム状の結界が、乗員ごとトラックを包む。
 ほどなく重金属酸性雨が降り始めても、毒耐性を付加した結界は風雨を弾き、内部の安全を確保する。ついでに高濃度汚染地域の汚染も防げて、一石二鳥だ。

「うおっ、なんだこりゃ! あんたがやったのか?」
「ええ。これで当分は大丈夫なはずです」
 原理まで説明している暇はないが、この結界の中にいれば安全だと、芽亜は驚いている運送業者や傭兵達に伝える。
 この結界は夢幻の力を用いたもので、防御力の強化に加えて癒やしと浄化の作用で車体や乗員の消耗を抑えられる。さらに起点が術者なので、芽亜がトラックに乗っていれば、結界もトラックが進むのに合わせて移動できる寸法だ。
「すみませんが、私は結界の維持に全力を尽くします。皆さんは何かあった時に備えて警戒と、ドライバーさんに最短距離を突っ切ってもらうよう伝言を頼めますか?」
「わかった。任せとけ!」
 現状、このサイコフィールドが一行の生命線である以上、その維持に集中を切らすことはできない。自由に動けなくなる分、他のことは一般の傭兵に頼ることにする。これまでの道中で関係を紡いできたことと、芽亜のコミュ力の高さもあって、傭兵達は快く伝言役を引き受けてくれた。

「伝えてきたぜ。最速でかっ飛ばすってよ」
「そうですか。ありがとうございます」
 芽亜がサイコフィールドの展開を始めてからほどなくして、武装トラックが移動を再開する。想定外のトラブルに対応を迷っていた業者も、どうやら腹を括ったようだ。重金属酸性雨の降りしきる汚染地帯の中を、鴇色の陽炎に包まれた車両が疾走する。
「窓の外は、現状どんな具合ですか?」
「ひでぇモンだぜ。生身で外に出たら10分と保つ気がしねえ」
 時間と共に雨脚はどんどん強くなっており、路面も視界も悪くなる。そんな中でもドライバーはこれまでと変わらぬスピードを出しており、流石は歴戦のトラック野郎だ。あとは雨雲の下を抜けるまで、重金属酸性雨から皆を守れるかどうか。

「私の世界で勝手はさせません」
 広大な高濃度汚染地域の中で、皆の安全圏を維持するために、意識を集中して魔力を振り絞る芽亜。決して楽な仕事ではないだろうに、彼女の表情は涼しげなままだ。地獄めいた現実から隔離する夢幻の結界は、まだ朽ちる気配を見せない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
家伊賀さんどうしたんす?あの雲絶対ヤバイ?キャバリアで散らしてこい?…いや、それ溶けちゃうだけっす

【天候操作】で雨乞いならぬ晴乞い
ちょっとでも本降りになるのを遅らせる
さらにUC『あやかしメダル「打綿狸の衣更着」』を発動
家伊賀と仲良くなった運び屋たちのトラックにメダル生成して貼り付けて【結界術】で護り汚染を遅らせる

骸の海…汚染は遠ざけてくれるけど、このユーベルコードじゃ雨自体は防げないっす!
地面が溶けちゃう前に急いで抜けるっすよ!

安全【運転】で通りやすい【地形を利用】して【悪路走破】
タイヤ溶かしたくない家伊賀さんこっそり【空中浮遊】

タイミング悪すぎてメガコーポが嵐起こしたのかと疑っちゃうっすね



「家伊賀さんどうしたんす? あの雲絶対ヤバイ?」
 重金属酸性雨の雨雲が迫ってきた時点で、衣更着の乗った朧車"家伊賀"は警告を発していた。サイバーザナドゥの汚染物質が大量に溶け込んだ雨は、ただの酸性雨とは危険レベルの違う「災害」だ。骸の海まで含まれているので、妖怪や付喪神でも命の保障はない。
「キャバリアで散らしてこい? ……いや、それ溶けちゃうだけっす」
 どんなメカを持ち出したところで、あの雨を完璧に耐えられるものは無いだろう。なら、ちょっとでも本降りになるのを遅らせるために、衣更着は雨乞いならぬ晴れ乞いを始めた。狐の嫁入りや狸の嫁入り然り、古い知識にも色々と通じる妖怪なら、多少の天候操作は心得ているものだ。

「まあ時間稼ぎっすけど……守るぜトモダチ! おいらのあやかしメダル、ペタリっす!」
 雨雲の動きがちょっと遅くなると、その間に衣更着は【あやかしメダル「打綿狸の衣更着」】を生成し、"家伊賀"や運び屋達のトラックに貼り付けていく。このメダルには悪意を持つものを退け、対象を守る結界を張る効果があった。
「これを貼っとけば汚染を遅らせられるっす!」
「マジかよ、すげーな」「助かるぜ!」
 原理を知らなければだいぶ怪しいが、ここまでの道中で衣更着と仲良くなった連中は、彼の言葉を信用する。これで雨足が強くなっても、車両と乗員と荷物は汚染されない。高濃度汚染地域の汚染も防げて万事解決――とはいかない。

「骸の海……汚染は遠ざけてくれるけど、このユーベルコードじゃ雨自体は防げないっす!」
 重金属酸性雨はあくまで自然現象であり「悪意を持つもの」ではない。そして雨による視界の悪化や路面の溶解等、間接的な悪影響までは阻止できない。何度も使っているユーベルコードだからこそ、衣更着は自分のメダルにも弱点があることを把握していた。
「地面が溶けちゃう前に急いで抜けるっすよ!」
「おうよ! おめーもしっかり付いてこいよ!」
 話を聞いたトラック野郎はアクセルをベタ踏みして爆走し、衣更着も"家伊賀"に乗って後を追う。晴乞いの効果も切れたようで、頭上はすっかり雨雲で真っ黒に覆われている。ここからは車両と結界が保つかどうか、時間との戦いだ。

「事故ったら本末転倒なんで、安全運転っすよ!」
「わーってらい!」
 放棄された巨大な工業地帯の迷路を、衣更着はなるべく通りやすい地形を選択して走破する。トラック業者も元からこの地域は輸送ルートとして通り慣れていただけあって、運転は荒いがミスはない。重金属酸性雨でぬかるんだ道を、水しぶきを上げながらガンガン進んでいく。
(タイヤ溶かしたくないって? 仕方ないっすね)
 実は"家伊賀"がこっそり路面から数センチほど空中浮遊しているのは内緒だ。車両にとってここは毒の沼地のようなもので、できれば踏みたくない気持ちはわかる。メダルの結界のほうは想定通り機能しているようで、体調不良を訴える様子はなかった。

「タイミング悪すぎてメガコーポが嵐起こしたのかと疑っちゃうっすね」
 窓に当たる重金属酸性雨をワイパーで拭いながら、空を見上げてそんなことを考える衣更着。偶然だと思いたいが、メガコーポとオブリビオンの力なら気象操作による邪魔者の排除も不可能とは言えないし、やりかねないのが厄介だ。
 いずれにせよ、ここを突破すれば奴らとは必ず衝突するだろう。それまでどれだけ自分達の余力を残せるだろうか。彼はトラックと"家伊賀"の様子を見つつ、ギアをひとつ上げるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベティ・チェン
「…ここで、呼ぶ予定じゃなかった、けど」

ミュールに無限倉庫退避提案
「トラックごと、シェルターに入れて。空中を運べる手段が、ある。墜落死、しないよう。合図するまで、待てる?」

ミュールの了解得たらトラックごとインヴェントリーへ
「最適環境。生物も、問題、ない」
30m級竜型巨神G-O-リアス四龍スーロン喚び地図見せ操縦席に乗り込む
「ここは、殲禍炎剣がない、から。雲の上に出て、ここに、降りたい。出来るよ、ね」
「ベ〜ティ〜ッ!オレっちの装甲が傷むだろォ!あれっぽっちで足りるかよォ!」
「上乗せは、する。スーロンにしか、頼めない。お願い」
「〜〜〜ッ!3倍で手ぇ打ってやるよォ!あー、オレっち優しーなァ!」



「……ここで、呼ぶ予定じゃなかった、けど」
 高濃度汚染地域で重金属酸性雨の到来という、想定よりも酷いトラブルに見舞われ、ベティは当初の計画を改める。
 強まる雨脚の中、早急な対処が必要だと判断した彼女は、武装トラックの運送業者を呼んで、手短に提案を伝えた。
「トラックごと、シェルターに入れて。空中を運べる手段が、ある」
「マジかよ! そんな方法があんのか?」
 ベティのユーベルコード【インヴェントリー】を使えば、異空間の無限倉庫に全員を退避させることが可能だ。この場合、ベティ本人だけは外に残ることになるが――自分一人なら、この嵐の高濃度汚染地域を突破できると言うのだ。

「墜落死、しないよう。合図するまで、待てる?」
「ごちゃごちゃ言ってるヒマはねえだろ。やってくれ!」
 まだ出会って間もない輩に命運を委ねることになる訳だが、命知らずで名の売れたトラック野郎は思い切りがいい。
 了解が得られると、ベティはトラックに拳を押し当ててユーベルコードを発動。乗っている人間や荷物を含めた全てを【インヴェントリー】へ送り込む。
「最適環境。生物も、問題、ない」
 夢幻倉庫内の湿度や温度は保管対象に合わせられており、時間経過まである程度コントロールできる。向こうの感覚では数分程度のうちに、気がつけば目的地に着いていることもあるわけだ。無論、それはベティが無事にここを抜けられたらの話だが。

「ここは、殲禍炎剣がない、から。雲の上に出て、ここに、降りたい。出来るよ、ね」
 高濃度汚染地域に残ったベティは、巨神G-O-リアス『四龍スーロン』を喚び、操縦席に乗り込んで地図を見せる。指差したのは汚染地域を抜けた先のエリアだ。高度制限のかからないサイバーザナドゥなら、この機体の飛行性能を最大限発揮できるはず。
「ベ〜ティ〜ッ! オレっちの装甲が傷むだろォ! あれっぽっちで足りるかよォ!」
「上乗せは、する」
 無論、それは短時間とはいえ重金属酸性雨の雨雲を突っ切ることになるわけで、一般車両よりは頑丈でもスーロンとて機械である。手伝うとは言ったものの報酬に釣り合うリスクではないと不満たらたらだが、ベティはいつもと変わらぬ調子で返す。

「スーロンにしか、頼めない。お願い」
「〜〜〜ッ! 3倍で手ぇ打ってやるよォ! あー、オレっち優しーなァ!」
 その言葉が殺し文句だったのか、結局はベティの願いにスーロンが折れた。動力炉が唸りを上げ、30m級の巨体が空に飛び立つ。降りしきる重金属酸性雨を装甲で弾きながら、黒濁の雨雲に突っ込んでなお、最高速で上昇を続け――。
「オラァ! これでいーんだろうがァ!」
 ヤケクソめいた雄叫びが、雲の上の青空に響き渡る。どんなに土砂降りの嵐の日でも、ここはいつだって晴天だ。
 スーロンはそのまま要望通り、高度を維持したまま目標地点に向かう。操縦席にいるベティと、無限倉庫に収納されたトラック業者達を連れて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルマリカ・ラム
嵐は故郷を思い出して楽しくなりまスし、雨の性質はとても興味を引かれまス!
けれど今は、踊る心は潜めて

望んでくださいませんか?
ワタシは雇われの身でスが、同時に商人
お客様がお望みならば、それに適した商品を!

今回ご用意致しましたのはこちらの商品!
一見小さな玉でスが、周囲にバリアを張るものでス
それだけではありません
内側から新たなバリア層を生成し続けることにより、
表層のバリアが損傷・破損しても、内部を守ることができるのでス!
これでこの嵐を進むことができるかと!

本来はお代を頂かねばならないものでスが……
雨のサンプルを採取したので良しと致しましょう
ねえスイル?(密かに雨を採取させていた熱帯魚の悪魔を回収する)



(嵐は故郷を思い出して楽しくなりまスし、雨の性質はとても興味を引かれまス!)
 海洋世界グリードオーシャンの出身であり、水の種族であるウルマリカからすれば、サイバーザナドゥに降る重金属酸性雨の嵐も恐怖ではなく興味の対象だった。けれど今は武装トラックの護衛として、彼らの安全を担う身だ。踊る心は潜めて、あくまで冷静な対応を心がける。
「望んでくださいませんか?」
「は? 何をだよ」
 どうやってこの雨の中で高濃度汚染地域を突破するか、頭を悩ませていた運送業者は彼女の問いかけに首を傾げる。
 ウルマリカの手には、使い込まれた印象のある大きな鞄。その中には彼女が売り物として用意した品々が詰め込まれている。

「ワタシは雇われの身でスが、同時に商人。お客様がお望みならば、それに適した商品を!」
「もしかして、その中に雨をどうにかできるモンが入ってんのか? 売ってくれ、頼む!」
 そんな都合のいいことがあるのかと疑いながらも、今の業者達に断る選択肢はなかった。大事なトラックと荷物を雨で台無しにされずに済むなら、多少値が張ったとしても求めるだろう。彼らの望みにウルマリカはにっこりと微笑み、【Deal with demands】を発動する。
「今回ご用意致しましたのはこちらの商品! 一見小さな玉でスが、周囲にバリアを張るものでス」
 鞄の中から出てきたのは、水晶か硝子か、材質不明の物体でできた球体だった。サイバーザナドゥの技術で作られたものでは、まず無い。業者達にはその使い方がさっぱり分からなかったが、だからこそウルマリカのセールストークに耳を傾けていた。

「それだけではありません。内側から新たなバリア層を生成し続けることにより、表層のバリアが損傷・破損しても、内部を守ることができるのでス!」
「へえ、そりゃすげえや!」
 常時生成される多層構造のバリアによって、重金属酸性雨も完全シャットアウト。強度面も折り紙付きで、どんなに微細な汚染物質だって決して通さない。本当に、この状況におあつらえ向きのアイテムがなぜ都合よくあったのかは、企業秘密である。
「これでこの嵐を進むことができるかと!」
「買った! すぐに使ってくれ!」
 取引が成立すると、ウルマリカは直ちに玉を起動。セールストークに嘘はないと示すように、ドーム状に広がった半透明の膜がトラックを包み込む。鉄をも溶かす重金属酸性雨も、この多層バリアに弾かれて内側には侵食してこない。

「こいつはいいや! よし、今の内に行くぜ!」
 ウルマリカの商品に満足した業者は、ノリノリでトラックを走らせる。雨足は強くなる一方だが、バリアの多層構造はきちんと機能しているようで走行に支障はない。同乗するウルマリカは、その様子を窓辺から楽しげに眺めていた。
(本来はお代を頂かねばならないものでスが……雨のサンプルを採取したので良しと致しましょう。ねえスイル?)
 少しだけ窓を開け、熱帯魚の悪魔「スイル」を回収する。商品の売り込みの最中、この子らには密かに雨を採取させていたのだ。この世界特有の汚染物質や骸の海まで溶け込んだ雨――これはこれで「商品価値」がありそうですねと、満足げなウルマリカであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『エンフォースメント・オペレーター』

POW   :    スマートアサルトライフル
自身の装備武器を【スマートモード】に変え、【弾丸】に【自動追尾】能力と【炸裂】能力を追加する。ただし強すぎる追加能力は寿命を削る。
SPD   :    エネミーサーチ
【サーチドローン】を放つ。他のユーベルコードと同時に使用でき、【敵探知】効果によってその成功率を高める。
WIZ   :    スモールディスラプター
【インセクトボット】から、戦場全体に「敵味方を識別する【電磁パルス】」を放ち、ダメージと【電子機器】及び【機械化義体】に【使用不可】の状態異常を与える。
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「よっしゃあ! 抜けたぜ!」

 重金属酸性雨が降り注ぐ高濃度汚染地域を、猟兵達の助けを借りて、無事に突破した武装トラック。
 汚染地帯を抜けるのと同時に雨雲も去り、天候は穏やかな晴れ模様に。ここまで来れば後は難所もなく、目的地は目を鼻の先だ。

「……そこのトラック、止まれ」

 そこで一行の進路に立ち塞がったのは、武装した兵士の一団だった。
 顔は機械式のヘルメットで隠され、所属を明らかにするような物は身に着けていない。
 だが、このタイミングでの遭遇は、明らかにこちらを待ち伏せしていたとしか思えない。

「まさか本当に高濃度汚染地域を抜けてくるとはな。そこで野垂れ死んでくれればこちらも"仕事"が楽だったものを」
「まあいい。任務を開始する」

 目標を確認した兵士達――『エンフォースメント・オペレーター』は直ちに銃口をトラックに向ける。
 こちらが制止を聞くとは思っていないのだろう。目的は積み荷か、あるいは業者の生命か。いずれにせよ、この場にいる全員を"口封じ"する気でいることは間違いない。

「なんだァ! てめえら、やるってのか!」
「上等だオラァ!」

 もちろん、血の気の多いトラック野郎どもが、こんなメガコーポの手先にビビるはずがなかった。
 彼らも職業柄、荒事には慣れている。そして何より、こうした事態に備えて猟兵が護衛として雇われているのだ。
 高濃度汚染地域での消耗も少なく抑えられたため、コンディションは万全である。

 これが本当に正真正銘、最後の障害。
 無事に運び屋の仕事を完遂するために、猟兵とトラック野郎どもは戦闘態勢を取った。
儀水・芽亜
どこのものともしれぬ武装勢力のお出ましですか。袖の下で通してくれる相手でもなさそうですし、討滅してくれますか。

「全力魔法」「呪詛」「範囲攻撃」で胡蝶の盾。
高硬度の黒揚羽の群れを放ち、兵士たちにたからせて生命力吸収と「魔力吸収」。

反撃の電磁パルスは、傘状に黒揚羽をより集めた盾で出来るだけ食い止めましょう。私は義体化部分などありませんが、味方の傭兵への悪影響を食い止めたい。まあ、近くにいる方だけですね。遠くで戦っている方には別の猟兵が協力するでしょう。

ただ私の分身達の群だけで殲滅するのも時間がかかりますね。
神器『驟雨の弓』から、「矢弾の雨」のごとく矢を射ましょう。こちらはおまけのようなものですが。



「どこのものともしれぬ武装勢力のお出ましですか。袖の下で通してくれる相手でもなさそうですし、討滅してくれますか」
 ご丁寧に所属を隠した『エンフォースメント・オペレーター』達を見やり、そう呟いたのは芽亜。どうせメガコーポに高い金を積まれたオブリビオンだろうし、懐柔策は取るだけ無駄というもの。向こうが問答無用なら、こちらも同じ対応に出るまでだ。
「フン、勝てるとでも……むっ?」「なんだこれは……蝶?」
 ヘルメットの下で冷笑するオペレーター達は、ひらひらと羽ばたく黒い翅を見た。それは芽亜のユーベルコードで呼び出された【胡蝶の盾】。高い硬度を有する黒揚羽の群れが、向けられた敵意の感情に反応して兵士に襲い掛かった。

「さあ、可愛い私の分身たち。私を否むその感情を喰らってしまいなさい」
 傍目には美しい黒揚羽は、触れた相手から生命力と魔力を吸収する危険な蟲だった。その群れにたかられた兵士達の間からはたちまち「うわぁっ?!」と悲鳴が上がる。これは不味いと腕で振り払おうにも、あまりにも数が多すぎる。
「チッ、虫けらめ!」
 そこでオペレーター達は【スモールディスラプター】を発動し、随行するインセクトボットから電磁パルスを放つ。
 これは主に電子機器と機械化義体の無力化に用いられる、対サイバーザナドゥとも言えるユーベルコード。攻撃範囲が広いため、蟲の群れを駆逐するにも有効――のはずだった。

(私は義体化部分などありませんが、味方の傭兵への悪影響を食い止めたい)
 芽亜は黒揚羽の群れを傘状により集め、電磁パルスの拡散をできるだけ食い止める。高硬度の蝶達はこれしきの電波で死滅することはなく、むしろ盾として皆を守護していた。武装トラック業者や機械化義体を装備した一般の傭兵は、このお陰で命拾いしただろう。
「あっぶねぇ……助かったぜ、姉ちゃん!」
「まあ、近くにいる方だけですね。遠くで戦っている方には別の猟兵が協力するでしょう」
 流石に全てをカバーすることはできないしする気もないが、護衛として果たされた以上義理は果たそう。電磁パルスの放射が収まると、蝶達は再びバラバラになって敵兵に襲いかかる。この子らは芽亜の意のままに動く、可愛い分身のようなものだった。

「く、くそっ!」「邪魔をするな!」
 胡蝶の盾に攻撃を阻まれ、逆襲で生命を啜られ、一人また一人と力尽きてゆくエンフォースメント・オペレーター。
 万全の状態で待ち構えていたはずが、想定外の反撃を受けた動揺は大きい。この分なら優勢は揺らがなそうだが――蝶の群れだけで殲滅するのも時間がかかる。
「こちらはおまけのようなものですが」
「がは……ッ!!?」
 そこで芽亜は神器『驟雨の弓』から、矢弾の雨の如く矢を射掛ける。おまけとは言ってもその威力は、敵のボディアーマーを貫通するほど。生命力を吸われた兵士にはそれがトドメとなった者も少なくはなく。相手が悪かったと悔やむ暇もないまま、メガコーポの手勢は骸と化していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベティ・チェン
「ミュールは、運ぶのが、仕事。怪我、しないように。無理は、禁物」

「ドーモ、カツアゲマン=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」

マッハ12で飛行
自分の身長ほどある大剣(偽神兵器)振り回し雷撃
敵の攻撃は素の能力値で回避
なお誘導弾は引き付け敵直前で急上昇して敵に当てる戦法取る

「ライフルで、マッハ2。ボクは、マッハ12。その、銃弾。遅すぎて、カロウシ」
「ボクは、ウェット。義体、入れてない。壊れるかも、しれない、ブーツと、ゴーグル。この戦闘では、使わない。UC、併用しても。ボクが、勝つ。ベイビーサブミッション」

「キミ達、は。ジリー・プアー。ハイク詠め、サンシタ」



「ミュールは、運ぶのが、仕事。怪我、しないように。無理は、禁物」
「むっ……だが、あんたらだけで大丈夫か?」
 血気に逸る武装トラック業者を、淡々とした調子でなだめるのはベティ。確かに荒事は護衛に任せるのが普通かもしれないが、今回の相手は完全武装で待ち伏せていたメガコーポの兵隊だ。こっちも頭数は多いほうがいいのではないかと聞かれるが――彼女は「大丈夫」と言って、前に出た。
「ドーモ、カツアゲマン=サン。ベティ、デス。ゴートゥ・アノヨ!」
「俺達をカツアゲ扱いか……いい度胸だ」
 自分の身長ほどもある大剣を構え、勇ましくアイサツするベティに、『エンフォースメント・オペレーター』は銃口を向ける。どのみち、この業者に関わった連中は全て消すつもりだったのだろう。遅いか早いかの順番でしかないと、彼らの態度は如実に物語っていた。

「行こう」
 ベティは大剣に呼びかけるように囁くと【偽神降臨】を発動し、音速を超えたスピードで空に飛び立つ。この剣こそが彼女の偽神兵器であり、振り回せば刀身よりほとばしった電撃が稲妻となって戦場に降り注ぐ。肉体のサイボーグ化が当たり前となったサイバーザナドゥでは、やはりこの手の攻撃が一番効く。
「飛んだ?!」「撃ち落とせ!」
 もちろん敵もこの程度で怯むほど軟弱な兵士ではない。電撃に打たれながらもアサルトライフルで弾幕を展開する。
 しかし、いかにメガコーポ製の最新鋭武装と言えども、上空を高速飛翔する今のベティを捉えるのは容易ではない。

「ライフルで、マッハ2。ボクは、マッハ12。その、銃弾。遅すぎて、カロウシ」
「フザけやがって!」「舐めるなよ!」
 単純な速度の差と素の能力だけで銃弾の雨を回避するベティ。皮肉を返されたオペレーター達は、武装を【スマートアサルトライフル】に切り替えた。このモードから発射される弾丸には自動追尾能力と炸裂能力が付与され、ロックオンした目標をどこまでも追い詰める。
「これならどうだ!」
「マヌケの、浅知恵。やらないほうが、マシ」
 銃弾が追ってくるのを見たベティはわざとそれを引き付けながら飛び回り、敵兵の直前で急上昇。いくら誘導弾でも突然の方向転換には追随しきれず、そのまま兵士に着弾し、炸裂する。自分の撃った弾に牙を剥かれた愚か者達から、「ぐわッ?!」と悲鳴が聞こえた。

「ボクは、ウェット。義体、入れてない。壊れるかも、しれない、ブーツと、ゴーグル。この戦闘では、使わない。UC、併用しても。ボクが、勝つ。ベイビーサブミッション」
 どうやら敵部隊は電子機器や機械化義体を使用不可にする電磁パルス兵器を持ってきているようだが、それを見越してハイテク装備の使用を控え、自身と偽神兵器の性能のみで戦うベティに逆転の隙はない。銃弾でも追いつけない速度から放たれる雷撃の雨は、敵の兵力を着実に削っている。
「キミ達、は。ジリー・プアー。ハイク詠め、サンシタ」
「こ、こんな強いヤツが、いるなんて、聞いてない……ぐわーッ?!!」
 無情なる追撃によって、また一人の兵士が倒れ伏す。辞世の句もまともに詠めない粗暴な輩に、かける情けはなし。
 後方待機していたトラック業者はその戦いぶりを見て、なるほど自分達の出る幕はなさそうだと納得したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュカシオン・カーネーション
さあ、行くぞ!アロナちゃん!シエル!
《いよいよ最後ですね!》
❛やってやるのだわー!❜
と敵に対峙する

よし…少し本気を出そうか
敵のUCのサーチドローンが出てきた瞬間に心眼で見ながら素早くアズリエルから斬撃波を放ちサーチドローンを破壊する

《行きますよ!消えなさい!》
アロナちゃんは炎と水と風の魔法を放ち敵を消し飛ばす(UC精霊王の天災の裁き)


させねえよ…吹き飛ばせ、シエル!
❛なのだわー!❜
UCを発動して虹炎乱気流で敵の未来を改変して何も起きないようにしてから素早く弾幕を放ち敵を攻撃した


まだまだ敵がいるな…二人共まだ行けるか〜?
《はい!行きましょう、シエルさん》
❛やってやるのだわー!❜
やる気は十分のよう



「さあ、行くぞ! アロナちゃん! シエル!」
《いよいよ最後ですね!》
『やってやるのだわー!』
 高濃度汚染地域でのトラブルを乗り越え、長い旅路の末に待っていたのは『エンフォースメント・オペレーター』。
 横暴なるメガコーポの手先から武装トラック業者を守るため、リュカシオン、アロナフィナ、アルカンシエルは敵と対峙する。
「抵抗する気か。愚かな奴らだ」「降伏すれば楽に死ねたものを」
 オペレーター達は彼女らの闘志を鼻で笑いつつ、サーチドローンを放って【エネミーサーチ】を行う。索敵補助によって行動成功率を高めつつ、戦場から逃走する者がいないか監視しているのだろう。どんな態度を取ったところで、こいつらが標的を生かすつもりがないのは明らかだ。

「よし……少し本気を出そうか」
 敵がユーベルコードを使った瞬間、リュカシオンは素早く「天災邪神鎌龍アズリエル」を振るう。放たれた斬撃波は起動直後のサーチドローンを即破壊し、探知機能を無力化した。心眼を磨いた彼女の前で、おかしなマネができると思わぬことだ。
《行きますよ! 消えなさい!》
「なに……ッ!!?」
 直後にアロナフィナが【精霊王の天災の裁き】を発動。炎と水と風の魔法を複合させた現象が、文字通りに敵を消し飛ばす。普段は物腰の柔らかく穏やかな性格の彼女だが、怒らせた時の恐ろしさときたらまさに天災の如しであった。

「くっ、思ったより強いぞ、こいつら!」「こうなったら……!」
「させねえよ……吹き飛ばせ、シエル!」『なのだわー!』
 焦ったオペレーター達は別のユーベルコードを使おうとしたようだが、すかさずリュカシオンとアルカンシエルが【虹炎神・レーヴ・アルカンシエル"未来虹炎乱気流"】を発動。吹き荒れる虹色の炎の乱気流が敵の未来を改変し、何も起こらないようにする。
「な、なんでだ、起動しないぞ?」「こんな時に不具合かよ……ぐあッ!!」
「残念だったな!」
 スマートモードへの切り替えもインセクトボットの起動も失敗し、狼狽するオペレーター達を炎の弾幕が撃ち抜く。
 虹炎神へと変身を遂げたリュカシオンは虹色に輝く長髪と羽衣をなびかせて、不敵な笑みを浮かべながら炎を纏っていた。

「まだまだ敵がいるな……二人共まだ行けるか〜?」
《はい! 行きましょう、シエルさん》
『やってやるのだわー!』
 リュカシオンが尋ねると、アロナフィナとアルカンシエルから元気な返事が。どうやら全員やる気は十分のようだ。
 虹炎神と精霊王の力にかかれば、たかがメガコーポの雑兵如きものの数ではない。荒ぶる炎と天災が、立ちはだかる敵を焼き払っていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラーウム・ティラメイト
オベイは可愛いですねオベイは可愛いですねオベイは可愛いですね
と摩擦でオベイから火が出るくらい頬擦りをしていた

『…ケー(何やってんのフラーウム)』
オベイは呆れながらも私に返事をした
(⁠╭⁠☞⁠•́⁠⍛⁠•̀⁠)⁠╭⁠☞
イルミリアさんも呆れた様子だったが戦闘開始

行きますよ、イルミリアさん
´⁠◔⁠‿⁠ゝ⁠◔⁠`⁠)⁠━⁠☞
敵がUCを発動してきたので私は推力移動で加速しながら斬撃波を放ちイルミリアさんは手から破壊属性攻撃のブレスを放ち電磁パルスを破壊

(⁠づ⁠。⁠◕⁠‿⁠‿⁠◕⁠。⁠)⁠づ
敵に抱きつきUC暴食の王で敵を直接食べていた

前はイルミリアさんを活躍させてあげられなかったからよかったです…本当に



「オベイは可愛いですねオベイは可愛いですねオベイは可愛いですね」
 武装トラックの旅路もゴールまであと一歩、というところで出てきたメガコーポの襲撃――そんな危機的状況下で、フラーウムはマイペースにオベイに頬ずりしていた。あまりに速すぎて摩擦で火が出そうだが、本人はお構いなしだ。
『……ケー(何やってんのフラーウム)』『(⁠╭⁠☞⁠•́⁠⍛⁠•̀⁠)⁠╭⁠☞』
 オベイもイルミリアもこれには呆れた様子だったが、流石に流れ弾がこちらにまで飛んでくると遊んでいられない。
 今回の依頼はトラックの護衛だし、敵はこちらを一人残らず抹殺するつもりのようだ。フラーウムもようやく頬ずりを止め、戦闘を開始する。

「逃げられると思うなよ」「やれ!」
 敵部隊の『エンフォースメント・オペレーター』は【スモールディスラプター】を起動し、電子機器や機械化義体を停止させる電磁パルスをインセクトボットから放つ。これでトラックは動かなくなり、基本的にサイボーグであるサイバーザナドゥの住人も大きなダメージを受ける。
「行きますよ、イルミリアさん」
『´⁠◔⁠‿⁠ゝ⁠◔⁠`⁠)⁠━⁠☞』
 まずはアレを止めるべきだと判断したフラーウムは、推力移動で加速しながら鍵形の黒剣より斬撃波を放つ。イルミリアも手からブレスを放ち、二人がかりで電磁パルスの発生源であるボットを次々に破壊していく。機械ではなく神秘の力を操る彼女達に、この手の妨害は大した意味をなさない。

「ちっ、あいつら義体化してないのか」「だったら直接……うおっ?!」
 電磁パルスを止められるとトラックに逃げられる恐れがある。面倒な事をする連中にオペレーター達は銃口を向けるが、そこに急接近してきたのが【暴食の因果獣王・イルミリア】である。彼女は愛嬌のある表情で笑いながら、敵兵にぎゅっと抱きつき――。
『(⁠づ⁠。⁠◕⁠‿⁠‿⁠◕⁠。⁠)⁠づ』
「う、うわぁぁぁぁぁ?!」「く、喰ってる……!!」
 概念すらも捕食する【暴食の王】の権能が、敵を直接喰らい尽くす。武器やヘルメットなどの装備品も含めて、血肉や骨の一欠片も残さない。美しい容姿とショッキングな光景のギャップに耐えきれず、パニックに陥るオペレーターが続出した。

「前はイルミリアさんを活躍させてあげられなかったからよかったです……本当に」
 その光景を冷静に、むしろしみじみと満足げに眺めているのはただ一人。イルミリアの友であるフラーウムだけだ。
 あの調子なら残りの敵も任せてオベイの頬ずりに戻っても良さそうだが、流石にそれは良くないかと考え直し、彼女も黒鍵で援護に回る。
「どんどん食べちゃってください」
『(⁠◠⁠‿⁠・⁠)⁠—⁠☆』
「やッ、やめろ……うわぁぁぁ!!!」
 暴食の二つ名の通り、底なしの食欲のままに敵を食らうイルミリア。逃げ惑う連中に追い打ちをかけるフラーウム。
 阿鼻叫喚の惨状が繰り広げられる中、武装トラック側への被害はいまだゼロ。戦況は猟兵の圧倒的有利だった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリュファシオン・アルティウス
行くよ、オーさん!
『オォォー!』
油断しないようにオーラ防御を纏いながらトラックから降りる

IT'S SHOWTIME!出番だ!零!命!
『任せろ、エル!』『行きましょう、お姉様…』
UC幽銃逆行王零と滅詩逆行王命を発動して二人の王を呼び出す

よし、サーチドローンを破壊しよう!
『オォォー!』
敵のUCに対しては私は素早く呪殺弾を放ちオーさんが光線を放ちサーチドローンを破壊する

『なら俺達は…』『敵を殲滅します!』
零は敵に幽銃を乱射して命は消滅魔法弾幕を放ち敵に殲滅する

行くよ!零!命!オーさん!
『オォォー!』『おう!』『ええ』
全員で総攻撃を敵にかけた

TheSHOW'S OVER…
と手袋を引き締めてフィニッシュ



「行くよ、オーさん!」
『オォォー!』
 ゴールまであと一歩だからこそ油断しないように気を引き締め、オーラの鎧を纏いながらトラックを降りるエリュファシオン。その隣にはもちろん相棒のオーさんが一緒だ。視線の先にはメガコーポが送り込んできた刺客、『エンフォースメント・オペレーター』がいる。
「一人か……あのデカい変な生き物はなんだ?」「さあな。どうせ全部始末するんだ」
 オペレーター達は上空にサーチドローンを放ち、【エネミーサーチ】で周辺にいる敵性反応を探知している。もし逃亡を図る者がいても絶対に逃さないための措置だろう。もっとも、今彼らの前にいる者達には逃げるつもりなど微塵もなかったが。

「IT'S SHOWTIME! 出番だ! 零! 命!」
『任せろ、エル!』『行きましょう、お姉様……』
 エリュファシオンがユーベルコードを発動すると【幽銃逆行王零と滅詩逆行王命】が姿を現す。黒ゴスロリ服を着た水色髪の少女が零、白ゴスロリ服を着たピンク髪の少女が命だ。見た目は可憐でも、いずれも「王」の名にふさわしい力を持った双子である。
「よし、サーチドローンを破壊しよう!」
『オォォー!』
 仲間が揃ったところでエリュファシオンは「シャドウ・ガンナイフ」を上空に向けて素早く発砲。放たれた呪殺弾とオーさんの光線がサーチドローンを破壊する。これで【エネミーサーチ】の効果が停止すれば、敵の戦闘力も低下するだろう。

『なら俺達は……』『敵を殲滅します!』
 新たなドローンやユーベルコードを使われる前に、攻撃を仕掛けたのは双子の逆行王。零は幽銃から魔弾を乱射し、命は消滅魔法弾幕を放ち、目についた敵を片っ端から殲滅していく。その攻撃力はただのボディアーマーやヘルメットでは到底防ぎきれないものだ。
「ぐあッ?!」「こ、こいつらッ!」
 たかが輸送業者の護衛にこんな猛者が付いていたとは思わず、動揺を露わにするオペレーター達。アサルトライフルによる反撃も完全に撃ち負けており、体勢を立て直せぬまま脱落者だけが増えていく。人数では優位に立つ筈なのに、どうしてこうも差があるのか。

「行くよ! 零! 命! オーさん!」
『オォォー!』『おう!』『ええ』
 ここぞとばかりにエリュファシオンは【逆行奥義・総攻撃】を宣言。自身のガンナイフの銃撃と斬撃、オーさんの光線、零の幽銃、命の魔法、その全てを組み合わせた必殺のコンビネーションを叩き込む。たった4人だとしても、彼女達の連携の質は敵部隊を遥かに上回っていた。
「TheSHOW'S OVER……」
「「ぐ、ぐわぁぁぁぁーーーッ!!!」」
 最後に手袋を引き締め皆でフィニッシュポーズを取ると、断末魔の絶叫を上げてオペレーター達が吹き飛んでいく。
 メガコーポの尖兵として送り込まれた彼らも、すでに被害は甚大。立て直しを図る目もすでに絶えつつあった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルマリカ・ラム
まあ、ご機嫌よう!
こちらの世界のドレスコードも素敵でスね!
そのヘルメット・銃・ドローン・小型の機械等……
どれも気になるものばかり!

運び屋の皆様、少し確認を
あちらの方々の装備はご入り用でスか?
もし不要でしたらこちらで回収しても?

では運び屋の皆様、ここはワタシにお任せを。そしてどうか前へ出ませんよう!
カリュ、麗しき巨魚のレディ!
ワタシたちのお相手はあのヘルメットの方々
沢山いるでしょう? 貴女にぴったりかと!
雇い主の方々が後ろにおり、後程回収するものもあるので、ある程度の加減を
そのぶん別のご馳走も用意しまスので!
ワタシも空飛ぶ金貨たちを壁のようにして盾受け、運び屋の皆様への攻撃を防ぎましょう!



「まあ、ご機嫌よう! こちらの世界のドレスコードも素敵でスね!」
 前方に立ち塞がる『エンフォースメント・オペレーター』に、にこやかに挨拶するウルマリカ。連中の装備はどれもメガコーポから供与された最新式で、サイバーザナドゥの尖端技術の結晶とも言えるもの。商人としては興味津々だ。
「そのヘルメット・銃・ドローン・小型の機械等……どれも気になるものばかり!」
「オイオイ、そんなこと言ってる場合じゃねえだろ」
 その装備が自分達を殺す為に準備されたものと分かった上でブレない彼女に、命知らずのトラック野郎も苦笑気味。
 しかし怖気づかれるよりは頼もしいとも言えるだろう。銃口と殺意を向けられても顔色一つ変えないのは、よほどの修羅場を潜ってきたのか。

「運び屋の皆様、少し確認を。あちらの方々の装備はご入り用でスか? もし不要でしたらこちらで回収しても?」
「あ? ああ、別に構わねえが……」
 戦闘に参加する前に、ウルマリカは念の為トラック業者に確認を取る。あくまで運送業者である彼らは敵からの戦利品に興味はなく、とにかく積み荷が守られることが最優先だ。手に入った装備品は好きにすればいいとのお墨付きを得れば、女商人の表情が輝いた。
「では運び屋の皆様、ここはワタシにお任せを。そしてどうか前へ出ませんよう!」
「お、おい、大丈夫かよ!」
 颯爽と前線に上がるウルマリカに、トラック野郎は心配そうな声を掛ける。彼女が持っているのは黒い小銃が一つ、それだけで敵のアサルトライフルと撃ち合うのはどう見ても不利だ。当然、一見無防備に前に出てきた標的に、オペレーター達は遠慮なく銃口を向ける――。

「カリュ、麗しき巨魚のレディ!」
 だが、ウルマリカの銃は鉛玉を撃ち出すためのものではなく、悪魔を呼び出す召喚器「Raise the Devil」。カチリとトリガーを引いて【2nd bullet-Chary】を発動すれば、水飛沫と共に巨大な魚の姿をした悪魔が現れる。彼女が契約した者の中でも、たいへんな大食いっぷりが特徴の悪魔だ。
「ワタシたちのお相手はあのヘルメットの方々。沢山いるでしょう? 貴女にぴったりかと!」
 銃口でオペレーター達を指し示せば、悪魔カリュは得心いった様子で身体をうねらせて、戦場に渦潮を呼び起こす。
 この大渦が彼女の「口」であり、全てを呑み込む悪魔の顎。食事の標的にされた者達は、御愁傷様と言うしかない。

「なッ、なんだ?!」「このバケモノ……ッ!!」
 作戦の為に装備を整えてきたオペレーター達も、陸上で渦潮に襲われるとは思わなかっただろう。悪態を吐く間もなく巻き込まれた彼らは、そのまま底なしの悪魔の腹の中に沈み――あとには空っぽになったヘルメットやジャケットを始めとした、装備品だけが残される。
「雇い主の方々が後ろにおり、後程回収するものもあるので、ある程度の加減を。そのぶん別のご馳走も用意しまスので!」
 というウルマリカからのリクエストにきちんと応えているあたり、食い意地が張っても自制はできる悪魔のようだ。
 精密にコントロールされた大渦の術は敵対するオペレーターだけを飲み込み、同時にトラックへの接近を阻む役割も果たしていた。

「クソっ、邪魔するな……!」
「あら、やらせないでスよ!」
 オペレーター達も必死に反撃するものの、カリュの大渦に弾丸も電磁パルスも飲み込まれるうえ、ウルマリカ自身も空飛ぶ金貨「Ligeia Coins」たちを壁のようにして、トラック業者たちへの攻撃を防ぐ。戦利品目当てというだけではなく、護衛としての仕事もそつはない。
「皆様の装備、じっくりと拝見させていただきまスね!」
「や、やめろッ、うわぁぁぁぁーーーッ!!!」
 抵抗もむなしく、メガコーポの走狗どもは悪魔の餌食となり、その装備はウルマリカの「商品」として鞄に収まる。
 護衛の報酬だけでなく、今回の仕事はなかなか実入りの多いものとなったと、ご満悦な笑みを口元に浮かべて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着
「どーも、お仕事お疲れ様です。護衛の衣更着っす。トラックに手出しは許さないっすよ!」

…とはいえサーチに、自動追尾して炸裂する弾丸に、護衛対象がヤバそうな全体攻撃にと、相性は良くないっすね

仕方ない、切り札っす!
試作魔剣『空亡・蒼』抜刀、UC「魔剣憑依・神斬りの一閃」!
敵の弾丸も電磁パルスも、まとめてたたっ斬ってやるっす!

【残像】残しつつの高速移動【ダッシュ】、時々手裏剣【投擲】でサーチドローンも撃墜
派手な立ち回りで【おどろかせ】自分に注目を集め、【おびき寄せ】
自動運転中の朧車“家伊賀”の【重量攻撃】と、【結界術】に守られた武装トラックの攻撃で一網打尽を狙う

お仕事は終わりの時間、ご苦労様でしたっす



「どーも、お仕事お疲れ様です。護衛の衣更着っす。トラックに手出しは許さないっすよ!」
 完全武装した『エンフォースメント・オペレーター』の待ち伏せにも驚かず、トラックをかばうように立ちはだかる衣更着。あちらがメガコーポからの指令で来ているのなら、こっちも依頼を完遂する義務がある。苦労を重ねたここまでの道程を台無しにされる訳にはいかない。
(……とはいえサーチに、自動追尾して炸裂する弾丸に、護衛対象がヤバそうな全体攻撃にと、相性は良くないっすね)
 忍法や化術で敵を撹乱するのが得意な衣更着のスタイルは、今回の敵の装備だと活かせそうにない。理由は分からないが、ここでトラック業者を逃さず抹殺するというメガコーポの意向は強いようだ。甘く見れば自分はまだしも業者達の身が危うい。

「仕方ない、切り札っす!」
 衣更着が抜いたのは試作魔剣『空亡・蒼』。時空を操る力と超常を討つ力を授ける、彼の悪友が作り上げた魔剣だ。
 その妖力を借りて発動するのが【魔剣憑依・神斬りの一閃】。小細工の通じにくい相手なら、純粋なスピードと力で圧倒する。
「劒さん、その力借り受けるっす!」
「な……ッ、疾い!?」
 魔剣の妖力を身に纏った衣更着の移動速度は残像が生じるほどで、【エネミーサーチ】の効果でも捕捉しきれない。
 オペレーター達の目が追いつかない内に、彼は戦場を駆け回りながら手裏剣を投擲し、サーチの要となるドローンを撃墜していく。

「こいつめッ!」
 想定外の速度に驚いた――ある意味では目を奪われたとも言えるオペレーター達は、【スマートアサルトライフル】の追尾弾や【スモールディスラプター】の電磁パルスで反撃するが、衣更着が魔剣を振るうとそれらは全て切り払われていく。
「まとめてたたっ斬ってやるっす!」
「なんだとぉ?!」「つ、強いぞ!」「怯むな、撃ちまくれ!」
 若き大妖怪が魔剣に込めた「全てを切り裂く」妖力の前では、弾丸も電磁波も関係ない。前時代的な剣一本で最新鋭装備を圧倒するという、派手な立ち回りに敵の注意も釘付けだ。なんとか仕留めようと、人数にものを言わせて攻撃を集中させてくる。

「今っす!」
「おうよぉ!!」
 しかし、それも全ては計算のうち。自分のもとにオペレーターが誘き寄せられるのを待って、衣更着は合図を出す。
 すると自動運転モードで待機していた"家伊賀"と、荒くれ者たちを乗せた武装トラックが走り出し、こちらに向かって突っ込んできた。
「なッ?! と、止まれ、止まれぇーーーッ!!!」
 迫るエンジン音に気付いた兵士たちは慌てて攻撃の矛先を変えるが、重装甲を誇る"家伊賀"は勿論、あやかしメダルの結界で守られた武装トラックも簡単には撃ち抜けない。二台はそのままスピードを落とさず、アクセル全開で敵部隊に激突する――。

「お仕事は終わりの時間、ご苦労様でしたっす」
「「ぐ、ぐわーーーーッ!!!!?!」」
 ドガシャァン!! と盛大な交通事故の音が響き渡り、二台の大型車両に轢かれたオペレーターが空を舞う。まんまと敵を一網打尽にした衣更着は、魔剣を鞘に収めてぺこりと一礼。周囲を確認しても、もはや立っている敵はいない。
 武装トラックを襲撃した部隊は猟兵の手によって蹴散らされ、メガコーポの思惑はここにご破産となったのだった。



「ありがとな! 今回はあんたらのお陰で助かったぜ!」
「縁があったらまた頼むぜ! じゃあな!」
 かくして、全てのトラブルを乗り越えた武装トラックは最後の目的地へと辿り着き、無事に荷物の配達を完了する。
 高濃度汚染地域での嵐や、メガコーポのオブリビオンの襲撃。数々の危機を解決した猟兵達に、運送業者は感謝と共に高評価を伝える。これからもサイバーザナドゥを巡る彼らの口づてに、この名声もまた広まっていくのだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月12日


タグの編集

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 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サイバーザナドゥ
🔒
#高濃度汚染地域


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト