エリオン・グランディール
いつも色んなうちの子でお世話になっております。今回はエリオンの中の人です。
編集にドヤされるうちの子が見たいです。
違います、編集を振り回してドヤされるうちの子が見たいです。編集と作家ってこういうのつきものだし見たいなあってへへっ
違うんですMS様にはモブとのやり取りがいいなと思って発注させてもらってるだけで「変わったうちの子ならこの人に任せればええやろ」と思ってることなんて……2割ほどしか……ないです……
以下発注文です
場所:サクミラの倫敦(ロンドン)っぽいところにあるエリオンの自宅
内容
家に駆け込んでくる編集。
手には1枚の新聞記事。
「ミスター! 今度はまた何をしてるんですか!」
「いやあ、人目につかないところで死んだつもりなのだけどね。うっかり身体の1部が現場に残ってしまったとは」
「反省の欠けらも無い顔だ……!」
エリオンは思わず胃痛を覚える編集君を他所にエリオンはアフタヌーンティーを楽しんでおられる様子。
「でもまあ、物的損害はもたらしていないし事件も解決しているのだしいいじゃないか。まあ、死に場所については反省の余地ありだけども」
「そう言って割と「うっかり」をやらかすの何回目ですかミスター……」
「試行錯誤はしているんだよ? 本当にね?」
編集君、なんだかんだで周りのことを考えるし紳士的だし社交的だけどこういう愉快犯じみた性格はやっぱりどうなんだろうと思う。
あの事件(初ノベルの事件)からそうだ、ミスター・グランディールはその日からどうも悪戯好きのような、愉快犯のような心持ちで人を振り回すこと、世間を騒がすことを満更じゃなく感じている気がする。
真意はどこにあるのか、そんな事を考えていると突然エリオン、日本(ジャポン)旅行に行ってくるとか抜かしやがる。
「いやあ、日本における精霊の概念というものを取材してみようと思ってね。何処の世界から来た秘術、でも近しいものはあると思うから取材に1度行ってみたくてね。何より少し気になってはいたんだ。果たして幻朧桜は咲く場所によって見栄えも変わるものなのだろうか? どう思う? 編集君」
「とりあえず向こうでも騒ぎを起こしたりとかしないでくださいね……?」
「もちろんだとも」
信用出来ない編集君なのであった。
そしてやはり旅行先で事件に巻き込まれなんやかんや解決したことが海を越えて伝わってきたし編集君の胃痛は激しくなるばかりなのであった……
こんな感じの、会話多めなノベルを1つ、お願いします。
セリフとかやり取りとかは雰囲気こんな感じですって提示するためのものですのでアドリブ、改変ばっちこいです!
キャラクターについて:
表向きは紳士で律儀、社交的でファンサだって時にはする好青年な文豪。その本性は巨大人型フェチ、限定的マゾヒストな変態。
最近ちょっと世間が騒いでくれるのが楽しいと思ってしまっている。でも程々にはしているつもり。本人の中では。だって物壊さないように戦ったりとかしてるし死に場所も考えてるし……はて?
なにとぞ、よろしくお願いします!
文豪は死なない。
いや、その言い回しには若干語弊があるか。
正確には死のようなものは訪れるが、真の意味で絶命することはない。
あまりに強い情念のために。
その筆を取り続ける限り――。
(だからって! 毎回毎回あの人は!)
倫敦の閑静な住宅街を大股で歩く男が一人。手には今朝売店で買ったばかりの新聞が既に強く握りしめられてくしゃくしゃになっている。
単身者向け
フリーファーニッシュのドアノブを掴み、引き千切るのではないかという勢いで引っ張った。
「ミスター!!! いらっしゃるんでしょう、ミスター!!」
「ああ、君か。どうぞ」
開いたドアの向こうから返事があったが、それを待たずして男はずかずかと家に入り込んでいた。
廊下の先、リビングにいた声の主は英国紳士そのものといった金髪碧眼で、男の無遠慮といってもいい挙動に眉一つひそめずにこにこと見守っている。
手には湯気の立ち昇るティーカップ。芳醇な香りが男の鼻腔をくすぐった。
(ダージリンファーストフラッシュ、相変わらず趣味がいい……じゃなかった! 人の気も知らず何を呑気に……!)
ぶんぶんと首を振って甘香を振り払う。
よく見れば紅茶だけでなく、テーブルにはセイボリーからスコーン、ペイストリーまでフルセット揃ったティースタンドまであるではないか。
「ミスター・グランディール……! 今度はまた何をしてるんですか!」
「日課のアフタヌーンティを」
「ではなくて! これの事です!」
目を血走らせて新聞の一面記事を見せつけてくる男。そこにはこうあった。
【稀代の大文豪エリオン・グランディール、“またしても”惨殺される!?】
ああ、と頷いた紳士は紅茶を口に運び、ゆっくりと飲み下してから答えた。
「いやあ、人目につかないところで死んだつもりなのだけどね。うっかり身体の一部が現場に残ってしまったとは」
「反省の欠けらも無い顔だ……!」
男、つまりこのけったいな文豪の編集者はまたしてもきりきり痛み出した胃の辺りを押さえた。
「お腹が減っているのかい? スコーンならまだあるけど用意しようか?」
「結構です」
こいつの編集につかされてから、肥満を指摘されていた体重はたっぷり
2ストーンは減った。だからといって健康になった気は全くしないが。
「でもまあ、物的損害はもたらしていないし事件も解決しているのだしいいじゃないか。まあ、死に場所については反省の余地ありだけども」
それについては編集者も新聞で知っていた。現場に残っていた「一部」は彼の腕で、指紋から「死体」の特定は容易だったという。
なにせその「死体」――というか本人に問いただしたところ「あ、それ僕」とあっさり白状した。しかも二本の腕が生えそろった姿で。
それだけならただの捜査ミスで片付けられる話だが、なにせ彼には前科がある。
「そう言って割と「うっかり」をやらかすの何回目ですかミスター……」
「試行錯誤はしているんだよ? 本当にね?」
およそ嘘というものを知らない純粋な子供のような眼差しで、そんなことをのたまう。
(どうだろうか……)
文豪というものは大なり小なり型破りなものだ、その中でこのエリオンという青年はまだ「普段は」かなり常識人の部類である。
周りの事をよく見ているし、社交的だし紳士的だ。締め切りは絶対に守るし(なんなら「死んだ」時ですら原稿は落とさなかった)、その上彼の書くものは飛ぶように売れる。
だがそれは「普段は」という枕詞がついてのことで、そこに
欲求と
好奇心が絡むと――。
それにどうも、彼は悪戯好きなところがある。
異形にもてあそばれて死ぬという行為自体を楽しんでいるのはそうなのだろうが、どうも一度世間を騒がせた事件の時から、自分の行動でひとを振り回す楽しさに目覚めてしまったところがあるらしい。
(彼の場合、売名目的の炎上狙いというわけでもあるまいに。むしろあまりセンセーショナルすぎる話題はこの人の場合作風の足枷にしかならないのだが。いやはや本当に何を考えているのやら……)
「ところで編集君」
「はいはい、次は何ですか」
「僕はしばらく
日本に行って来る」
「……はァ?」
今度はなにを企んでいるんですか、と喉元迄出かけた言葉を呑み込む。
「息抜き兼取材というやつだ」
「死んだんだから息なんて一旦全部抜けたんじゃないですか」
「手厳しいね」
クスクスと優雅に喉を鳴らす。腹立たしい事この上ない。
「いやあ、日本における精霊の概念というものに興味があってさ。何処の世界から来た秘術、でも近しいものはあると思うから取材に一度行ってみたくてね。何より少し気になってはいたんだ。果たして幻朧桜は咲く場所によって見栄えも変わるものなのだろうか? どう思う? 編集君」
ああ、それは――さぞ有意義な旅だろうて。
残念ながら引き止める理由は何もない。先日、月間の連載物に加え、書き下ろしの長編原稿まで無事に受け取ったばかりだ。
「とりあえず向こうでも騒ぎを起こしたりとかしないでくださいね……?」
「もちろんだとも」
いわれなくても当然、とばかりにっこり微笑んでくる。
こんなに信用の出来ない言葉が、果たして他にあるだろうか。仮にも言葉を生業にするひとだろうに。いや、だからこそだろうか。
(しばらくは海外のニュースも気に留めておくべきか。いや、そこまでは私の責任ではない……)
しかしやっぱり数日後。
帝都のお膝元で起きた影朧事件を謎の英国紳士が解決しただの、しかしその紳士は巨大影朧の攻撃により還らぬ人になっただの、英雄を偲んで建てられた筈の墓がもぬけの殻になっただの、
編集者の胃を痛ませるニュースが舞い込んでくる事になったのだという。
「いやあ。じつに実のある取材だったよ。おかげで次回作の構想が固まった」
「猟奇ミステリでもお書きになるおつもりで?」
「まさか。精霊と幻朧桜の心温まるお話だよ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴