暴食の化身に飯テロひゃっはー!
●貪る者
其の怪人は空腹で、空腹で仕方がなかった。
食べる為に破壊行動をして、食べる為に強奪し、食べる為に暴虐の限りを尽くした。
手にしたハンバーガー、ポテト、チキンナゲット、何を食べても満たされぬ食欲。
……当然だろう。食べる事を生存理由としている以上、其れを止める事は正に終わりと同義。とあるファーストフードチェーン店で暴飲暴食を行った後、視線が別の方角へと向かう。
遠くから見ても広大な場所から漂う、甘い香りに誘われる様に……。
●ミラ・パーチェはガチおこです
「可及的速やかに食物への祈りを忘れた不届き者をコテンパンにブッ潰してきて」
ミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)は激怒していた、目に見えて怒りのオーラが溢れていた。
命を頂いているとかそういう自覚のない邪悪なオブリビオン共を、神の名の元にメイスで撲殺してしまいたくて堪らなかった。明後日の方向にメイスをフルスイングを繰り返す、鬼気迫る彼女を此処に集った猟兵達は止められなかった。いや、だって怖いし。
先程の言葉もノンブレスで言い切る姿は聖女と言うより、夜叉の如く……ナンデモアリマセン。
「場所はキマイラフューチャー世界、とあるスイーツバイキング会場よ。とても広いの、野球場くらいを想像してもらえばわかりやすいかも?」
いやいや、幾らなんでも広過ぎでは!?
驚愕の声が上がるが、本当にあるのだから仕方がないね。
彼女曰く、怪人達が会場に入る前に付近にある広場で撃破して欲しいとの事だった。
「配下のイソギンチャク怪人なんだけれど……実は、ボスの怪人に無理矢理連れて来られたらしいの。麻痺要員で。其の所為かしら、少し弱ってるみたい」
それでも、放っておけば住民に危害を加えるのは間違いない。
だからこそ、現地でしっかりと倒してきて欲しいとミラは続けて……次の怪人の説明なのだろう、雰囲気がまた憤怒を纏う。
「で、この怪人。ミスター・ドムドムって名前だけれど……」
生き延びる為、食べる事に執心していたらしい。そんな旧人類こそ、ミスター・ドムドム。
暴れていた場所付近のファーストフード店で散々食べ散らかした後に、デザートとしてスイーツバイキング会場を襲った様だ。其れは良い。いや、本当は良くないが……聖女の怒りの理由。
「ちゃんと味わう事もしないで、空腹を満たす為だけに胃袋に食物を詰め込む作業をしているの。命をなんだと思っているの!スイーツバイキング、楽しみだったのに!」
絶対、最後私怨混ざってますよね?私怨しかない気がしたんですが!?
「そういう訳で、ブン殴るのは任せるわ。広場で食事をさせたら、その分元気になっちゃうし……ちょっとした神様の罰は必要よね?」
つまり、普通に戦う……のではないのか。
何を言いたいのか、意図が全く読めない。一部の猟兵の気持ちを汲み、彼女ははっきりと告げる。
「目の前で美味しそーうに食べる所を見せ付けつつ、食事を摂らせない様に妨害して!妨害は攻撃でも可!」
そういう方向で来たかー、そうかー。別名、飯テロ作戦と言うらしい。割とどうでもいい。
普通の戦闘でも妨害行動に繋がるので、其れは其れで構わないとの事。
「終わったら!夢の!夢の!超特大スイーツバイキングよ!」
本日一番の目の輝き、更には髪も輝く喜び様であった。
しかし、其処まで広いとは言えども招待状が必要なのではないか。そんな他の猟兵達の疑問は、彼女が取り出した何枚ものチケットによって解消される。匿名で届いた招待状らしいが、同封されていた手紙には猟兵達への感謝の想いが綴られていて。
……別に罠という訳でもないらしい。気兼ねなく、存分にスイーツを満喫出来そうだ。
「それじゃあ、皆!私の代わりに聖裁、宜しくね!」
ろここ。
●御挨拶
皆様、お世話になっております。
もしくは初めまして、新人マスターの『ろここ。』です。
七本目のシナリオは戦闘シナリオとなります。今回も細やかな日常を添えて。
荒ぶる暴食の化身を撃破した後、甘い甘い時間を過ごしてはみませんか?
勿論、各章どれかのみの参加も大歓迎です!お気軽に御参加下さい。
●第二章(ボス戦)補足
本シナリオでは、皆様のプレイング次第では純戦とする事も可能です。
しかし、もしボスに対して飯テロしてくれる!という猛者の方々がいらっしゃいましたら、下記の方針を参考にプレイングを作成して頂けると助かります。寧ろ、存分に飯テロしていきましょう!
POW:思う存分、豪快に食べて飯テロ!
SPD:怪人に素早く食べ物の匂いを嗅がせてから、飯テロ!
WIZ:一品じゃ物足りない!色々な料理を食べて飯テロ!
飯テロの効果度合いによって、判定にプラスになる可能性もあります。
プレイングの練習をしてみたいという方も如何でしょうか。
尚、此の判定方法は本シナリオに限る話となりますので、他のMS様の依頼では同様の書き方をしない様に御注意頂ければと思います。念の為。
尚、第三章(日常パート)のみ、お呼びがあればミラ・パーチェも同行が可能です。
同行を希望する際はお手数をお掛けしますが、プレイングの先頭に【同行希望】と記載をお願い出来ればと思います。
また、グループでの参加の際はグループ名を、お相手がいる際にはお名前とIDを先頭に記載をお願い致します。
それでは、皆様の素敵なプレイングをミラと共にお待ちしております。
第1章 集団戦
『イソギンチャク怪人』
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POW : テンタクル・テンペスト
予め【触手を振り回しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ウネウネ・アネモネ
自身の肉体を【ウネウネモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : ポイゾナス・ポリプ
【頭部】から【毒針のついた触手】を放ち、【麻痺毒】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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リア・ファル
SPD
スイーツバイキングだって?
良いね、ボクも一度行ってみたい!(初体験)
それじゃあ、その前にたくさん運動しておこうか!
空腹は最高のスパイスってね!
それじゃあ、怪人の状態をスキャニングして、
情報収集の上で攻撃を…って、
過去戦った怪人と比較して、どうも元気が無いようだね?
ウネウネの伸びも、明らかに弱ってるし
これを攻めない手も無いし、さっくり退場してもらおうか
騎乗や操縦で触手を回避しつつ、
ウネウネが伸びきったのを見計らって、反撃開始
UC【五光の神速疾走】を使用して、イルダーナで距離を取り、一撃離脱で攻撃する
共闘・アドリブ歓迎
シン・ドレッドノート
アドリブ・連携OKです。
【SPD】を活かして行動します。
連携する場合は援護射撃を行いますね。
「イソギンチャクですか…接近するのは危険ですね」
触手を警戒して、相手の射程外から狙撃しましょう。
「ハンドレット・ガンズ、目標を狙い撃つ!」
【乱舞する弾丸の嵐】を発動して右手の真紅銃と左手の精霊石の銃を複製後、【異次元の狙撃手】で離れた場所から狙撃を行います。
位置を特定されないよう、一発撃つ度に直ぐにその場を離れ、常に物陰を移動。
複製した銃を囮にしてフェイントをかけ、手に持った銃で確実にヒットさせていきましょう。
もし敵に接近されたら、閃光の魔盾のビームにより盾受け、カウンターの零距離射撃を撃ち込みます。
シシィ・オクトニーア
超特大スイーツバイキング!……のためにも、まずはイソギンチャク怪人さんたちを倒さないといけませんね。
食事は美味しくいただくものですから、暴食はよくありません。
さくっと解決して、スイーツバイキング会場の平和を守りましょう!
イソギンチャク怪人さんたちは無理矢理連れて来られて弱っているとのことなので少しかわいそうですが、被害が出る前に倒してしまいましょう。
攻撃は主に『輝きの飾膳』で。
たくさんの怪人さんたちを攻撃できるように位置取りたいです。
毒針による攻撃を受けないために怪人さんたちの頭部には注意し、毒針を武器で叩き落とすか回避します。
(アドリブ、連携歓迎です)
●前菜
……イソギンチャク怪人達は、此の時こそが好機と考えた。
自分達を酷い目に遭わせた上にロープで捕縛した挙句、無造作に引き摺って運んで来た諸悪の根源は……どうやら、ファーストフードの暴飲暴食に夢中の様で。散々な扱いを受けた報いを受けろ、と言わんばかりに頭部を向ける者もいたが他のイソギンチャク怪人が止める。とても雑な扱いを受けたが、共に怪人同士。何かしらの目的が無いのなら、此処で襲うメリットは無いのだ。
漸く解放された自分達が狙うべきは怪人ではなく、此の街に暮らす人々――。
「それじゃあ、スキャニング開始!」
唐突に聞こえてきた別の声に、其の場に居たイソギンチャク怪人達の視線が集中する。其の間にも、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)はARディスプレイ『ディープアイズ』を起動。過去の同怪人との戦闘データを参照、能力値を比較開始。……過去のデータとの差異が視界に表示される。
「うーん、過去戦った怪人と比較して、どうも元気が無いようだね?」
「無理矢理連れて来られて、弱っているとの事でしたからね……」
少しだけ、可哀想な気がしますと呟いたのはシシィ・オクトニーア(金剛石は宝石箱から旅立つ・f03316)だった。煌めく金剛石の髪が風に揺れて、彼女の横顔を一瞬隠して……再び見えた時には、真剣な眼差しをイソギンチャク怪人達へ向けていた。
「イソギンチャクですか……接近するのは危険ですね」
右手に真紅銃<スカーレット・ブラスター>を、左手に精霊石の銃を手にして。リアの情報を元に、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は冷静に分析を開始する。触手の伸びが弱っているとの事だが、警戒するに越した事は無い。ユーベルコードは同時に使用出来ないが、銃の複製が出来ないならば……連射で補えば良いだろう。彼はくるりと真紅銃を回してから、二丁の銃を構えた。
「私が相手の射程外から狙撃して、援護します。お二人は自由に動いて下さい」
「シンさん、ありがとう!シシィさん、頑張ろうね!」
スイーツバイキングは一度行ってみたい!と楽しげに笑うリアに対し、シシィはのんびりとした様子で微笑みを浮かべて返す。
「えぇ。さくっと解決して、スイーツバイキング会場の平和を守りましょう!」
――まずは前菜を片付けてしまおう。
後衛をシンに任せて、二人はイソギンチャク怪人が密集する場所へと駆け始めた。
●弱り目に祟り目とは此の事か
端的に言うと、戦況は猟兵達が目に見えて優勢だった。
イソギンチャク怪人達が弱体化していた事も理由の一つだろう。其れに加えて、猟兵達の攻撃はバランスの取れたものだった。
……其れはもう、イソギンチャク怪人達が可哀想になるのも仕方がない程には。
「彩らせていただきます!」
イソギンチャク怪人達が密集している場所、其の中心にシシィは敢えて立つ。より多くの怪人を攻撃対象とする為に。
お気に入りのカトラリーが少しずつ姿を変えてゆき、光り輝く宝石の花弁と成る。其の場で彼女がくるりと一回転した瞬間、総てが無造作に舞い踊り、怪人達の全身に数多の裂傷を作る。
運良く逃れた怪人も勿論、存在したが……残念な事に悪手であった。
「突撃形態(アタックモード)へ移行。いくよ、イルダーナ!」
量産型艦載機の内の一機に、推進機関と電脳機構、そして二輪を追加搭載した宇宙バイク。リアは其れを突撃形態に変形させた上で走行、シシィの輝きの飾膳から逃れた敵に向かう。ある程度、距離を詰めた所で片手で『セブンカラーズ』22マグナム・ワイルドキャットを取り出し、即座に撃つ。魔力で即再装填、また撃ち抜く。数度の銃撃に動きを止めたイソギンチャク怪人、だが再び逃走を始めようとすると……其の時には既に、イルダーナが目の前に――ッ!?
「どーん、ってね!」
……なんともダイナミックな轢き逃げに遭い、イソギンチャク怪人は吹き飛ばされた上に、虚しく地面へと落下。無論、其の個体が再び動く事は無かった。
「……っ、私ですか」
バイクに乗っている以上、リアは簡単に倒せそうにない。
ならば、と生き残ったイソギンチャク怪人達が狙うのはシシィだ。輝きの飾膳による、宝石の花弁の乱舞が収束したタイミングで怪人達が襲い掛かる。
嗚呼、だがしかし……其れもまた悪手である。彼女達には心強い狙撃手による、援護がある事を失念してはいけなかった。
「(いやいや、なんとも愛の無い攻撃ですね……)」
怪盗の単眼鏡越しに標的を見据えて、物陰から二つの銃口を覗かせる。
シンはシシィに近付く複数の敵に照準を合わせて、引鉄を引く。引き続ける。彼女に近付く敵が動かなくなるまで、何度でも。
……少しして、怪人達の声が聞こえなくなった頃合いで彼は銃撃を止めた。正確無比な攻撃は、シシィの脅威を撃ち滅ぼしたのだ。
銃撃があった方向へ彼女が小さく頭を下げて、感謝の意思を示すが……既にシンは其処にいない。撃破した事を確認次第、彼は銃を手にしたまま別の物陰に移動を始めていたからだ。
リアとシシィが派手に動いてくれているお陰か、フェイントが無くとも未だに位置は特定されていなかった。
「よし、この調子でドンドンいこう!」
「超特大スイーツバイキングの為にも、ですね!」
「(二人共、楽しそうですね……これもまた、愛でしょう)」
イソギンチャク怪人達を全て倒し切るまで、きっと然程時間は掛からないだろう。
三人は引き続き連携して、残りの怪人の撃破に向かうのだった。
大成功
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レイナ・オトゥール
ご飯をたくさん食べたいのはわかります。
ですが、私、レイナ・オトゥール、元農業従事者(実家お手伝い)として
命の恵みを分けていただいてる自然に対して
料理として作ってくれてる人に対して
いただきます、そして、ごちそうさま
感謝のできない人にはお仕置きです!
さて、まずはイソギンチャク怪人さんですね
無理やり連れてこられてしまったようでかわいそうですが
私はこの後にスイーツバイキングでたくさん感謝する予定があるので
可及的速やかにボスを懲らしめるため倒させてもらいます
私遠距離攻撃とかできないので
【精霊竜召喚】で風の竜を呼んで体とウィルに風を纏わせ
【ダッシュ】で突っ込んでうりゃああーって思いっきり薙ぎ払います!
●命の恵みに感謝を
流石に、イソギンチャク怪人達も状況を理解している。
どさくさに紛れて、呑気に暴飲暴食し続けている怪人に攻撃とかしても許されるよな?なんて、甘い考えだった。砂糖よりも甘ったるい考えだった。
今は一刻も早く、此の場から離脱しなければならない。
……しかし、怪人の仲間が許しても。元農業従事者である彼女が許すだろうか。
「ご飯をたくさん食べたいのはわかります」
其れは、レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)の姿だった。
仁王立ちをして、イソギンチャク怪人達に対峙している。彼女の言葉はまだ終わらない、寧ろまだ言い足りないと表現するべきか。
「命の恵みを分けていただいてる自然に対して、料理として作ってくれてる人に対して……いただきます。そして、ごちそうさま」
――此処は特に大事です。
そんな気持ちを伝えるかの様に、最後の『いただきます』と『ごちそうさま』を強調して告げる。イソギンチャク怪人達が其れを理解出来るかどうかはさて置き、彼らは思う。……其の話、多分自分達は関係ないよね?
しかし、彼らもオブリビオン。無理矢理連れて来られた点についてはレイナも可哀想と感じるが、いつかは倒さねばならない存在。何より……。
「私はこの後にスイーツバイキングでたくさん感謝する予定があるので、可及的速やかにボスを懲らしめるため倒させてもらいます」
早口で捲し立てた後、レイナは即座に詠唱を開始する。
イソギンチャク怪人達が先程の発言に狼狽えている間、呼び出す者の属性は風。暴風をも操る力を持つ、精霊竜だ。彼の竜の加護はレイナ、そして彼女の一番の友達である水竜『ウィル』に。周囲を纏う風の加護を感じて、彼女はウィルと頷き合う。
イソギンチャク怪人達も互いを落ち着かせて、彼女の攻撃を弾く為に触手を振り回し始めて。さあ、来るなら来い。最初はそんな風に思っていたそうな。
「行くよ、ウィル!せーの……うりゃああーっ!!!」
――流石にそんな攻撃は予想していませんでしたよ!?
イソギンチャク怪人達が言葉を発せたならば、そんな声が上がっていただろう。当然だ。風を纏った少女、そして小さな竜が真正面から全速力ダッシュで突撃。
……しかし、侮るなかれ。精霊竜の風は凄まじく、確かに振り回していた触手が時折全身やウィルを打ちつけるけれど、それでも勢いは衰えない。
レイナとウィルは其のままイソギンチャク怪人達を薙ぎ払い、纏う風で吹き飛ばし……残存戦力を全て倒したのだった。
成功
🔵🔵🔴
リン・イスハガル
【SPD】
●心境
すいーつ、ばいきんぐ。
お菓子食べ放題。それは神聖なもの。
感謝忘れた、許さない。
●行動
前哨戦として思い切り切る。ナイフで切り刻む。
途中でイソギンチャク美味しそうとか思うし、途中で切ったイソギンチャク口に入れるけど、シーブズ・ギャンビットでイソギンチャクを細かく切る。
攻撃の回避とかは考えずに切りまくる。
だって、目の前の触手の束がうどんかラーメンに見えるから。
ヨダレ垂らしながら襲いかかる。
調味料持ってくればよかったとか考えながら怪人の先にある甘いものパラダイスを夢見ます
●奇跡からの地獄?
……とあるイソギンチャク怪人は絶句していた。
否、話す事は出来ないけれど、兎に角目の前の光景が凄まじかった。
ロープが切れて、運良く捕縛から逃れたが……やはり、仲間を見捨てる訳にはいかないと追い掛けてきたのだ。結局、総て倒されてしまったけれど。
逃げなければと路地裏に逃げ込もうとしたが、背後にはリン・イスハガル(幼き凶星・f02495)が居て。死んだ魚の様な目が、じっと見つめている。
「すいーつ、ばいきんぐ。お菓子食べ放題。それは神聖なもの」
スイーツは美味しい。お菓子も美味しい。そして、おにぎりも美味しい。
……食物への感謝の念を忘れた者は許すまじ、彼女が手にしたダガーの刃が光る。
「許さない」
端的に告げると同時に、幼き凶星が地を駆けた。
イソギンチャク怪人も倒される訳にはいかないと、自身の身体をうねうねとした弾力性を付与する。
……それでも、リンは止まらない。うねうねとした皮膚、弾力。色は兎も角……それだけなら、うどんにも見える気がする。蕎麦の様な色をした、うどん。食べられる、かも。そう思うと、涎が止まらなくて――。
「いただき、ます」
小さな欠片にした触手を、口を開いてもぐっ。
……え、食べたのか?嘘だろ?
リンの突飛な行動に、イソギンチャク怪人がつい棒立ちになっている間も彼女はもぐもぐと咀嚼をしている。もぐもぐ、ごくん。
「……まずい。すいーつ、食べたい」
要約をすると、早く口直しがしたいと言う事なのだろう。
ナイフ捌きが更に冴えて、問答無用で怪人を斬り刻んでいく。調味料があったなら、もう少し美味しく食べられたかもしれないけれど。美味しくないなら、倒すまで。
「うごくな」
あまりにも不気味な双眸に、身が竦む。
恐怖心に囚われた怪人は凶星に貫かれる様に、其のままリンのナイフの餌食となったのだ。彼女は其れを確認した後、視線を別の方向に向ける。
暴飲暴食を繰り返す怪人を倒し、夢の甘い物パラダイスを楽しむのだ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『ミスター・ドムドム』
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POW : フライ・ド・プレス
単純で重い【フライングボディプレス 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ハイドロ・コーク
【ストロー付きの入れ物 】から【コーラ】を放ち、【強炭酸】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 抗えないジャンクの魅力
戦闘中に食べた【バーガーセット 】の量と質に応じて【体脂肪が増加し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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●暴食を止めろ!
ファーストフードを只管貪り続ける怪人、ミスター・ドムドムは連れてきたイソギンチャク怪人達が倒されても尚、食べる事を止めない。
彼にとっては食べる事こそが生きる理由、食べる事こそが強者への道。
例え戦闘中だろうと食べる事を止めない姿勢は、正しく暴食の化身と言えるだろう。
――ならば、其れを邪魔してやろうではないか。
俗に言う飯テロをするも良し、実力行使で妨害するも良し。
此処に集う猟兵達諸君、此の怪人を倒せば夢の超特大スイーツバイキングは直ぐだ。
……街の平和を守る為、食事の有難みを叩き込む為にもどうか尽力してほしい。
【お知らせ】
プレイング受付開始は『3月14日(木)8時30分』以降となります。
また、第二章に関しては通常の戦闘の代わりに飯テロでボスと戦う事も可能となります。詳細はマスターコメント部分を参照して頂けると助かります。
榎・うさみっち
えっ!?飯テロすれば倒せるボスがいるんですか!?
俺も助太刀するぜ!!
飯テロSPD
スイーツ系はこのあとの楽しみにとっておくというわけで
\ガーリックステーキライスお持ちしました~/
炭水化物と牛肉の魅惑のコラボレーション!
バター、玉ねぎ、こしょう、ニンニクの
濃厚な香り漂うライス(おこげつき)
その上にはレアな焼き加減の
ぶ厚めステーキを惜しげもなく乗せる
そして仕上げにネギとフライドガーリックをパラパラー!
お皿を持って怪人の周りをぶんぶん飛び回る
【逃げ足】でピュッと逃げる
そしてドヤ顔で食らう!
カロリーや臭いを一切気にせず貪るこの幸せ!
〆は【さわりごこちばつぐんのうさもっちスライム】姿で
ペシーンと体当たり
●ガーリックステーキライス、へいお待ち!
ミスター・ドムドムは表情が見えないものの、明らかに御機嫌な様子だった。
種類豊富な山盛りのハンバーガーを貪り、炭酸飲料をがぶ飲みして、飽きればサイドメニューに手を伸ばす。無理矢理連れて来た者達がいなくなろうが、此の怪人は気にも留めていない。ただ、好き放題暴食を続けている。
……其の筈だったが、彼の手が止まる。其れも無理はない。食料は有限、食べ続ければ無くなるもの。
更なる食料を求めていると、ふと怪人の動きが止まった。
「ガーリックステーキライス、お持ちしましたー!」
テッテレー、と効果音でも流れそうな調子で告げるのは榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)だ。
小さな両手で、自分よりも一回りも大きな皿を持っている。
……皿に盛られた山盛りのガーリックライス。所々に見え隠れする飴色玉葱が、おこげがキラキラと輝いて見える。ニンニクとバターの濃厚な香りが周囲に漂い始めていた。
そして、サシが程良く入った厚めのステーキ。焼き加減はレア。鮮やかな赤色の美しい断面。惜しげもなくドーンと鎮座された牛肉を、ネギとフライドガーリックが彩る。
――嗚呼、炭水化物と牛肉の魅惑のコラボレーション!
なんと素晴らしい!そして、美味しそうなので一口下さいッ!!!
焼き立てのステーキの肉汁が沁みたガーリックライスの美味しさと言ったら……怪人も想像したのだろう、思わず生唾を飲む様な素振りを見せていた。
ところで此の怪人は涎を垂らすのだろうかと思ったが、きっと見えないだけで垂らしかねなかったのだろう。肉と炭水化物は最強だもの。
「どうだ、美味そうじゃねぇ?やらねぇけどな!」
後生ですから止めてあげて下さい、そんな周囲をブンブン飛び回ったら香りが!嗚呼、香りがダイレクトに!怪人も捕まえようとするが、榎の逃げ足が速過ぎる。
「んじゃ、いただきまーす」
……うさみっち様は容赦はしない、するつもりはなかった。
渾身のドヤ顔で、ガーリックステーキライスをガツガツと食べ始める。
器用にも怪人から逃れながら食べ続ける、榎の表情は幸せそうで。
そうだ。今はカロリーや臭いを気にしなくても良い、此れは正真正銘猟兵としての仕事!何を躊躇う必要がある!?
目の前で美味しそうに食べる彼を見て、明らかに怪人は悲しみに暮れていた。ぐぅぅと腹の虫が鳴る。追い掛ける気力を失った怪人はなんとも無防備だった。
「まだまだ!食後の運動に付き合ってもらうぜ!」
綺麗に平らげ終えた後、さわりごこちばつぐんのうさもっちスライムを発動。
もちもちぷにぷにモードに変じた榎が怪人に向かい、全力で体当たり!
……哀れにも飯テロに屈した者は、仰向けの状態で地面に倒れた。
大成功
🔵🔵🔵
リリカ・ベルリオーズ
WIZ判定
とてつもない大食らいがいると聞いて来ましたが…食への感謝というのがまるで感じられませんね。さすがのわたくしでも呆れてしまいますわ。
ですが、奴の風貌や食べているものを見てると、わたくしもお腹が――
こうなったら、ワタシを以て飯テロしてやろうじゃない。
「お前らー!金は幾らでも払ってやる!メシというメシをありったけ持ってきなー!!」
ハンバーガーにギョーザ、白メシにケーキ…他にもどんどん来そうだな。
有難く頂くよ!!
美しく、有難く、美味しく食べるのがモットーだから、がっつきすぎず丁寧に食べるぜ。
あと、あいつに見せつけるようにするのも忘れずな。
そしたら、UCで攻撃力を強化。一撃かましてやるぜ。
●ビュッフェスタイル?いいえ、一人分の食事です
「とてつもない大食らいがいると聞いて来ましたが……食への感謝というのがまるで感じられませんね」
心底呆れた、と言いたげな様子でリリカ・ベルリオーズ(血に染まる白鳥、宝珠に映ろうは食・f12765)は溜息を吐く。
既に怪人は空腹を訴えているが、此れは畳み掛けるチャンスと彼女は考える。
……何より、怪人の見た目。膨らむ腹は兎も角、ハンバーガーにポテト、手にしているコーラを見ていると空腹に――其の瞬間、彼女の中で何かのスイッチが入った。
「……上等だ、ワタシを以て飯テロしてやろうじゃない」
先程までのおしとやかな雰囲気が一転、口の端を吊り上げて笑う。
リリカが空腹を感じた事で、裏の人格が表面化したのだ。好戦的な性格の彼女は思い付いた作戦を実行する為、財布を掲げては宣言する。
「お前らー!金は幾らでも払ってやる!メシというメシをありったけ持ってきなー!」
……えっと、自腹?まさかの自腹に踏み切った!?
後で人格が変わった後、表人格がどんな反応するのかは定かでないが……リリカの声に慌てて用意をし始めたのは少数だった。怪人がハンバーガーショップを襲う様子を見て、恐怖を覚えた住人も居たのだろう。
――其れでも、彼女の言葉に発破を掛けられた者達が居たのも事実。
暫くして運ばれた来たのは和洋中の料理の数々。例えば餃子一つを取っても、水餃子やチーズ餃子、料理人の個性が際立つアレンジ餃子と様々だ。用意された箸で二つに分けると、中から肉汁が溢れて……焼き立て熱々の内に口へ運ぶ。続けて、艶めく白米を一口分掬っては食べる。お米本来の甘みがまた、美味しくて。
美しく、有難く、美味しく。己の信条を大事にして、丁寧に食べ進める彼女の姿に……怪人は釘付けだった。腹の虫がまた鳴り響いた。
漂う餃子の匂いに堪らず、我慢出来ないと言った様子で手を伸ばす。
「……お前にやる餃子はねぇ、反省してな!」
だが、リリカは其れを許さない。
人格は違えど、食への感謝を忘れた者を許せないと思う心は同一なのだろう。
いつの間にか数種類の餃子、そして大盛りの御飯を食べ終えていた彼女は即座にトリニティ・エンハンスを発動。攻撃力を特に高めて、白翼剣を横薙ぎに振るう。弛んだ心を断つ様に、怪人の贅肉を斬り裂いた。
尚、次々に届けられた料理の数々は……怪人の注意が別の猟兵に向かう間、彼女の裏人格が美味しく頂いたそうな。御飯は有難く、大切にしましょうね。
成功
🔵🔵🔴
シン・ドレッドノート
連携アドリブOK。
【SPD】
趣味の料理人スキルで飯テロります。
「さて、本日のおすすめはこちらになります」
<本日のレシピ>
バターの豊潤な香りが迸る海鮮ピラフ
<特徴>
・狐色に焼き色が付いたチーズとホワイトソースの芳しい香り
・一口食べると、中からバターピラフの豊かな香りが迸る
・具のエビとホタテの香りも食欲を増進
まずは怪人の前でドリア表面の香りを漂わせて注意を惹きつけ、少し焦らした後で旨そうに一口。中から現れたピラフのバターと海鮮の香りでトドメをさします。
ドリアを奪いに襲い掛かってきたら、【天翔ける紅彗星】で速度を増した『貴紅(出前仕様)』で素早く逃げ去り、少し離れた所でまた旨そうに食べ続けましょう。
●料理人の本気
――まだまだ、猟兵達の飯テロは終わらない。
怪人としてはもう勘弁して欲しいだろうが、現実はかくも無情。
趣味の料理人スキルで飯テロを開始したのは、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)だった。
……自前のコック帽を着用している。成程、きっと彼は本気なのだろう。
付近の住人から難なくキッチンを借りて、調理した上で怪人の元へと歩みを進める。
「さて、本日のおすすめはこちらになります」
美しき白色のグラタン皿に盛られていたのは、こんがりと焼き目のついた……一見するとグラタンかドリアか、まだ判別出来ない。
しかし、狐色に焼き色が付いたチーズの香りのなんと芳しい事。
其れだけでも耐える事が難しいのに、ホワイトソースの香りも相まって……怪人は膝をついて、頭を抱え始めた。
此れまでの飯テロによって空腹の度合いが高まっている怪人としては、もう何でもいいから食わせろ!と言いたいのだろう。見えないが、涎が止まらない。止まる訳がない……!
「おっと、まだ終わりませんよ」
スプーンで一口分を掬い、持ち上げると……な、な、なんという事だ!
ドリアという事実が判明したが、驚くのは其処ではない。ホワイトソースで秘されていたのはただの御飯でなく、エビとホタテが神々しく輝く海鮮ピラフではないか――ッ!?
バターの豊潤な香りが迸る海鮮ピラフ、其れをホワイトソースで閉じ込めたドリアの破壊力が高過ぎる。飯テロという名の暴力的な美味しさ。
怪人もあまりの神々しさ、更に重なる海鮮の匂いに耐え切れないのだろう。手にしたコーラが入った紙カップを握り潰し、空へ絶叫を上げる。食べたいのに、届かない現実への嘆きだ。
其の様子を確認して、シンは充分に焦らす事が出来たと判断したらしい。
火傷をしない様に息で冷ました後、一口。香りに満足の出来と判断した故に優雅に微笑んでいたが、実際に食せば笑みは深まる。
海鮮ピラフ、ドリア。単体でも普通に美味しいにも関わらず、組み合わせる事で更なる高みへと至る。
……近くに存在するのに食べられない事がもどかしい。怪人は絶叫を上げたまま、半分自棄になった様子で彼へ駆ける。痛みより、食欲に任せた行動だ。
「(まあ、読めていましたが)」
純白のスペースバイク、貴紅<ノーブル・スカーレット>を変形。
普段は高貴な印象を持つが、今回は其れに出前仕様を加えた状態となっている。ドリアを手に騎乗して、シンが行う行動は……勿論、離れた所へレッツ逃走!
怪人の体型では追いつく事も不可能。ただ見えない涙を流しながら、海鮮ドリアを求めて声にならない叫びを上げていた……。
大成功
🔵🔵🔵
リア・ファル
共闘・アドリブ歓迎
「Dag's@Cauldron、今週のオススメ商品の紹介だよ!」
ユーベルコード『我は満たす、ダグザの大釜』を使用して商品を取り出す!
アックス&ウィザーズ産の厳選された小麦を使用したピザ生地
サムライエンパイアで捕れた新鮮なシラス、
ダークセイヴァーで厳選した濃厚なチーズ
UDCアース産の旬のエビとカニ、
キュマイラフューチャーでコンコン厳選してきたトマト
アルダワ魔法学怨製の石窯で焼いて、
スペースシップワールドの炎熱調理技術で仕上げた至高の一品!
名付けて『ワールドイズオーシャンピザ』さ。
…では早速ボクが試食を。 うん、口いっぱいに魚貝の旨味が押し寄せるね!
●世界の美味しさ、ぎゅっと集めました!
――もう勘弁してくれ。
ミスター・ドムドムは四つん這いになりながら、項垂れていた。此処までガーリックステーキライス、餃子を含む和洋中フルコンボ、海鮮ピラフドリア等々を散々見せつけられて限界だった。主に空腹の度合い的な意味で。
いい加減食べたい、そうだ此の甘い香りのする場所へ向かえば食べられるのではないだろうか。もうお腹と背中がくっつきそうなんだ。怪人が立ち上がり、走り出そうとした……其の時だった。
「Dag's@Cauldron、今週のオススメ商品の紹介だよ!」
……さて、情け容赦とはなんだったのだろうか。
リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)が『我は満たす、ダグザの大釜』を使用して、取り出したのはピザだ。其れもチーズだけではなく、海鮮の香りも豊かなピザだった。匂いだけでも美味しいと解る。
しかも、此のピザはただのピザではない。様々な世界から厳選に厳選を重ねた素材を惜しげもなく贅沢に使用、調理技術にもこだわりを見せる本格的なピザだったのだ!……Dag's@Cauldronの本気凄過ぎませんか、本当に。
「名付けて『ワールドイズオーシャンピザ』さ!」
――言うまでもないだろうが、盛大に腹の虫を鳴らす怪人は駆け出した。
超巨大スイーツバイキング会場ではなく、リアの元へと。遠くのデザートより、近くの御馳走を選んだ結果だ。
海鮮をふんだんに使用したピザ、其れだけでもきっと美味しい筈なのに。
ピザ生地は小麦からこだわり、生のトマトからソースを作る徹底ぶり。
ソースの上には贅沢に乗せられた美しいシラス、ぷりぷりのエビ、たっぷりのカニ。更に重なるのは濃厚なチーズ。
……皆さん、想像して欲しい。熱々の石窯の中、こんがりとろけるチーズの豊かな香りを。そんな中にも負けず劣らず香り立つ、海鮮の香りを。取り出した時、狐色に彩られたチーズ。耳までふわふわなハンドトス生地。嗚呼、食べたいッ!!!
「うん、口いっぱいに魚貝の旨味が押し寄せるね!」
既に試食していたリアを呆然とした様子で見ながら、怪人は燃え尽き始めていた。走る気力など、もう無くなっていて。弛み切ったお腹も心なしか萎み始めていた。
せめて、せめてと震えながら彼女に手を伸ばすが……。
「……キミ、お金は?」
そんな物を持っていたら、ハンバーガーショップを襲ったりしませんよね。
「じゃあ、あげないよ!」
母艦の凍結解除に掛かる資金を集めようとしている以上、お金を払えないならばあげる理由はない。リアがきっぱりと告げると、怪人が益々燃え尽きようとしていた。
大成功
🔵🔵🔵
レイナ・オトゥール
さあ、次はミスター・ドムドム、貴方です!
っと、その前に取り出したるはお弁当のハンバーガー※
食材と料理人への感謝を忘れず、いただきます!
ふわっとしたパンをがぶっと噛み千切り
その際圧縮されたパティから滲み出、口内に広がる肉汁
ソースがわりのとろっとろのチーズと粗挽き牛肉パティの滑らかさと荒々しさのハーモニー
歯ごたえと瑞々しさで単調でしつこくならないようしてくれる新鮮なレタスあぁ、、美味しさと感謝が止まりません!
ごちそうさまです!
食後、変身した水竜「ウィル」でえいやっ!と
【竜息斉唱】でどーん!とお仕置きです。
※材料(仕送り)
両親の小麦粉
おじーちゃんのレタス
隣村に嫁いだ叔母さんの家の牛肉
村長さんのチーズ
●嗚呼、懐かしきハンバーガー
「さあ、次はミスター・ドムドム、貴方です!」
何故か、既に萎み始めている気がしたが……レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)はビシッ!と効果音が流れる勢いで怪人へと告げる。
正直、怪人としては普通に戦ってくれる方が寧ろ好都合だった。空腹は否めないが、多少は気が紛れると思ったのだろう。早く猟兵を倒し、食事を――。
「っと、その前に……食材と料理人への感謝を忘れず、いただきます!」
何で、何で、お弁当を持って来ているんだよォォォ!!!
しかも、レイナがお弁当に選んだのはハンバーガーである。今の怪人にとって、喉から手が出てもおかしくない程に求めている食べ物。
……しかも、此のハンバーガー。チェーン店の其れではなく、一から手作りされた物であった。尚、材料は全て仕送りされた品々。
小麦の香りが鼻を擽る、ふわっとしたパン。噛む程に肉汁が広がる牛肉百パーセントのビーフパティ。ソース代わりの濃厚なチーズも相性が抜群だ。
濃くなりがちな味付けを、さっぱりとさせてくれるのは新鮮なレタス。瑞々しいのだろう、シャキッとした歯応えが堪らない。
「(皆……本当に、ありがとう)」
此のハンバーガーは正しく、故郷を感じさせる味だった。
感謝の気持ちが胸の内に広がる、美味しくて優しい味。
「ごちそうさまです!」
綺麗に食べ終えた後、レイナは両手を合わせて丁寧に感謝を示す。
……ところで怪人がやけに静かだが。萎むだけに留まらず、なんだか燃え尽きている様にも見えた。暴食の限りを尽くしたいにもかかわらず、何だ此の仕打ちは。
項垂れている様子を見ても、彼女は攻撃を止めない。感謝の念を忘れた報いを受けさせねばならないから。
「ウィル、お願い!」
其の声に応える様に、友である水竜は怪人へと一直線に向かった。
避けるだけの気力もないのだろう。ウィルの体当たりは簡単に命中して。
ぱたぱたとレイナの元へ戻ってきた頃には、既に彼女が装備していた全ての竜が武具変身を解除。周囲を漂っている。
「ウィル、それに……アイリス、クリスティア、ディーナ、フィニア、リーゼ、オーディス」
彼らと紡いできた絆こそ、レイナ・オトゥールという猟兵の力だ。
……彼女が指で示した方向。怪人へ、竜達は視線を集中。一斉に口を開いて。
「皆! 今だよ!」
レイナの声と同時に放たれた竜息斉唱が巨躯を呑み込んで、確実に怪人の体力を削り取っていった。
大成功
🔵🔵🔵
リン・イスハガル
【SPD】で行動
●心境
ご飯は、味わって食べる。わたしはそう聞いた。
だが、お前は、違う。どんなに美味しい料理や、すいーつも、味わって、食べない。ゆるすまじ。
●行動
持ってきたおひつを出してご飯を用意。
七輪をセットして、鮭とタラコを焼く。
ふっくらと焼けた鮭を解し、ぷりぷりのたらこを食べやすい大きさに切ってたら…
怪人の目の前で素早く手に塩を付けてホカホカご飯をおにぎりにして行く。
七輪でサッと炙った磯の香りただよう海苔を巻いて、完成。
具材の香りと海苔の香りが満ちるおにぎりを怪人の鼻に素早く近づけたあと、これみよがしに目の前で食べてやるぞ!
●お米の一粒一粒を大事に
ブレスを受けて……どさっ、と地面に倒れ込みながら怪人は思っていた。
もういっそ、普通に倒してくれ……お腹が空いているのに、香りまで嗅いでいるのに、それでも手が届かない。辛過ぎる。
怪人がまた、見えない涙を流そうとした所で……ふわり、鮭とタラコが炙られる良い匂いがした。食欲に従い、上半身を起こすと其処には幼女が七輪を見つめる姿が在った。
「……ご飯は、味わって食べる。わたしはそう聞いた」
おひつの蓋をぱかっと開けば炊き立てだったのだろう、熱々の御飯が姿を見せる。ふわっと浮かんだ煙だけでも解る、此のお米は美味しい。
「だが、お前は、違う。どんなに美味しい料理や、すいーつも、味わって、食べない。ゆるすまじ」
淡々とした口調で告げるも、視線は怪人に向いていない。
彼女――リン・イスハガル(幼き凶星・f02495)にとって、おにぎりとはとても重要なソウルフード。魂の食べ物。様々な種類のおにぎりを常に携行しており、尽きると命を落とす危険性もある……らしい。
それ程までに重要な物と真剣に向き合わないなど、有り得るのだろうか。否、有り得ない。大好物だからこそ、真摯に向き合うべきなのだ。
おにぎりは至ってシンプルな料理だが、味付けや具の中身など個人によって好みがある。そして、シンプルだからこそ、何処までもこだわれるのだ。
「……焼き加減、おっけー」
良い感じに焦げ目がついたのを確認して、リンは小皿に鮭とタラコを退避させる。右手で箸を使い、脂の乗った鮭を解す。表面が炙られたタラコも箸で食べ易い大きさに切っていく。具の準備は整った。
怪人が這い蹲りながらも近付くのを一瞥して、彼女は調理を続ける。
手早く塩を少々手に付けて、御飯を掬う様に手に取る。最初は解した鮭をそっと白米の真ん中に乗せて……優しく包む様に心掛けながら、ぎゅっと握って三角を作る。同様にしてタラコおにぎりも作った後、七輪で炙った海苔を巻けば完成だ。
ふっくらとした白き輝き、包む黒色の海苔からは炙られたからか磯の良い香りが漂う。
嗚呼、頼む。二つあるんだろう、どうか一つ食べさせてくれ……。
「ん……」
リンは何を考えたのだろう。怪人の鼻に近付け、おにぎりの匂いを嗅がせている。
猟兵は血も涙も無いと感じていたが、こんな天使もいるじゃないか!怪人は心から感謝しただろう。食べる事では無く、心優しい猟兵がいた事に。さあ、早く食べさせて――。
「あげない、お前、ゆるすまじ」
目の前でもきゅもきゅと食べ進める少女が悪魔に見えた、そうな。
……既に周囲の猟兵達は理解しているだろう、怪人の空腹は限界だった。
大成功
🔵🔵🔵
シノ・グラジオラス
ニナ(f04392)と参加
POW選択、アドリブ歓迎
俺は戦いながらも食べやすいのを狙ってピザを持って来たぞ!
デリバリーもいいが、今回は本格石釜で焼いた一品
1枚で4度美味しいとか言うクォーター系ではなく、1種類ずつ4枚ご用意しました
贅沢にチーズ盛りに、スタンダートなマルゲリータ、生ハムが乗ったのも間違いないし、
和風に餅が乗ったのも飽きなくていいな
え?勿論全部俺が食いますけど?
『見切り』と『ダッシュ』で攻撃を避けながら、『フェイント』で分けてやる振りなども挟む
相手が焦れてきたら攻撃力重視の【紅喰い】をお見舞いしますか
(ボスに噛みつくがぺっと吐き出して)ニナ、ピザか他の食べ物くれ。ちょっと口直しするわ
ニナ・グラジオラス
シノ(f04537)と参加
WIZ選択
『見切り』で敵の攻撃を回避し、シノの未開封のピザの箱を持つ
奪われないように注意し、箱が空いたら1箱パスして補充する
大食いのアイツからピザを奪ったら拍手ものだが、生憎それは没収だ
『高速詠唱』から【ウィザード・ミサイル】で攻撃して、その隙にピザもバーガーセットも回収
私は今が時期のイチゴやオレンジを食べやすく切ってタッパーに入れておく
敵の注意が他所を向いている間に休憩と言わんばかりにカガリと分けて食べるとしよう
油物やジャンクフードなどばかり食べていたら喉も乾くだろう?
この後にスイーツ関連は用意されてるらしいが、それはそれ。これはこれ
生憎だが、シノにも分けてやらんぞ
●毎度!ピッツァイェーガーです!
「まあ、それでも容赦する訳がねぇんでな!ヘイ、ピザお待ち!」
ピザの宅配のお兄ちゃん……あ、間違えてしまった。
飯テロのトドメを担うのはシノ・グラジオラス(火燼・f04537)、そして彼が持参した未開封のピザ箱を手にしているニナ・グラジオラス(花篝・f04392)の二人だ。
彼女の傍らをぱたぱたと飛んでいる焔竜・カガリが、食べ易いサイズに切った旬の果物を詰めたタッパーを持っている。早く食べたいのか、タッパーの蓋にうりうりと口を擦り付ける様子が愛らしい。
「ただのピザじゃねぇ、コレはな……石窯で焼いた一品だ!」
出たー!石窯で焼いたピザ、リターン!此れはピザの匂いを忘れかけていた怪人の嗅覚、そして胃袋に致命的な一撃だ!
……だが、思い出してしまえば此方の物。海鮮の香りならば先程も嗅いだばかりだ、耐性がある。此れを耐え抜けばきっと、飯テロの嵐も止む筈だ。
――しかし、其れは現実が許さない。
「一枚で四度美味しいとかあるけど、俺個人は物足りないからな。今回は一種類を四枚ご用意しました、ってな」
「(……食べ過ぎだろう、愚兄)」
衝撃の四枚セットと聞いて、怪人の背に稲妻が走った……そんな幻が見えた。
シェアするのではなく、全て一人で食べるつもりなのだからシノの胃袋には大変驚かされる。
妹のニナとしては見慣れた物だが、肥えて自分の親友に嫌われても知らないぞとは思うのだ。無論、言う必要も無い事。思うだけに留めて、彼女はカガリとのんびりカットフルーツを楽しんで食べている。
さて、シノに視点を戻そう。彼は贅沢五種のチーズ盛りピザを一ピース……え、もう半分食べ終わったの。速過ぎませんか。SPDを高めていたのは早食いの為だったのだろうか……兎に角、五ピース目を手に取る。とろーりと伸びるチーズだけでも、と怪人が最期の力を振り絞るが、其の手は届かない。
「お前にはやらねぇよ、俺が食べる分だからな」
●空腹はオブリビオンをも倒す
――嗚呼、何とも美味しそうに食べる姿が今はとても恨めしい。
全く見えないが、怪人は今頃普通の涙は枯れ果てて。血の涙を流しているのだろう。戦意喪失寸前の怪人にマルゲリータピザ、そして生ハムピザも食べ終えたシノが近付いて……不意にガブッ、と怪人の頭部に喰らい付く。
あまりにも唐突で、予想外の出来事に怪人は動けなかった。まさか、自分が食べられる側になると思わなかったのだ。
……彼は微妙そうな表情を浮かべて、即座にペッと地面に吐き出したが。
「ニナ、ピザか他の食べ物くれ。ちょっと口直しするわ」
「自分で取ればいいだろう、愚兄。あと、フルーツは分けてやらん」
大食いの兄からピザを奪えば拍手ものだとは思ったが……流石に此れまでの飯テロによるダメージが蓄積していたのだろう。奪おうとする素振りも見せない事から彼に任せても構わないと判断したのだろう。
一言物申しつつも残り一つの箱をパスしてから、ニナは怪人に見せつける様にピックを刺した苺をカガリに差し出して微笑んだ。
「カガリ、遠慮せずに食べていいぞ。日頃の御礼だと思ってくれ」
嬉しそうに応える鳴き声、甘酸っぱい美味しさにカガリは飛び跳ねる様にして喜びを表現する。そんな姿が嬉しくて、ニナも釣られてまた笑みが零れた。
「ニナー、俺もフルーツ食べたいんだけどなー?あと喉がだな……」
「――分けない、と言っただろう。だから油物やジャンクフードなどばかり食べていたら喉も乾くと言ったんだ」
……キャッチしたお餅入りの照り焼きピザを食べて、飲み込んでからのシノの打診はバッサリと棄却されてしまった。残念。
カガリはそんな兄妹のやり取りに首を傾げていたが……ニナがまた笑って、オレンジを差し出した事で興味の対象が移ったらしい。ぱくっ!と食べれば、また違った甘酸っぱさが広がって美味しい。
「しゃーねぇ、後で飲み物でも飲むか……そういや、ニナ」
「何だ?」
「怪人、何処行った?」
「お前が怪人の頭を食った後、消えていったぞ」
シノが嘘だろ?と言いたげな表情をしていたが、事実だ。
……彼が口直しに夢中になっている間、ニナとカガリは全てを見ていた。度重なる飯テロによるダメージに加え、食べる為に生きてきた己が誰かに食べられた事実。元々、限界だったのだ。彼の予想外の行動が、怪人に決定打を与えた事は確かだろう。
メインディッシュが済んだならば、次はデザート。
夢の超巨大スイーツバイキングへようこそ、猟兵諸君は其の権利を勝ち得たのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『あまい甘い休日』
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POW : ひたすらスイーツを食べまくる
SPD : シェフの代わりにスイーツを作る
WIZ : 豊かな語彙力で食レポする
👑5
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●超巨大スイーツバイキング
――甘党にとっては夢の様な光景だった事だろう。
野球場並の広さがある此の場所は甘味の楽園、と言っても過言ではない。
チョコレートファウンテンはミルクチョコレートだけではなく、ホワイトやビター、抹茶、ストロベリーなどの様々な種類が設置されている。
パティシエの本気を感じられる、春を表現した巨大ケーキも用意されており、見る者全てを楽しませてくれる。
洋菓子もだが、和菓子なども取り揃えられているらしい。
家族連れを想定しているのか、甘い物が苦手という人の為にもカレーやサンドイッチなどの軽食も用意されているそうだ。勿論、此処に挙げた物以外にも沢山のスイーツや軽食が置いてある事だろう。
他の一般人もいる為、そうでなくても公序良俗に反する行動は厳禁だが。
……好きな物を好きなだけ、とびきり甘い時間を過ごしてみては如何だろうか。
【お知らせ】
プレイング受付開始は『3月20日(水)8時30分』以降となります。
榎・うさみっち
めっっちゃ広ッ!!(第一声)
フェアリーの俺だとなおさら広く感じるぜ!
俺はスイーツの中でも特に抹茶系が好きなのだ
抹茶系を重点的に攻めるぜ!
まずはこの抹茶のロールケーキ!
美しい黄緑色のスポンジ生地
中のクリームも抹茶使用という
抹茶好きにはたまらない尽くしっぷり
上に振りかけられた粉砂糖が上品さを引き立てる
口に入れるとフワフワ且つもちもちさもある食感
これは材料や作り方にもしっかりこだわっているとみた
鼻を抜ける抹茶の香りがたまらない
抹茶のほろ苦さとケーキとしての甘さのバランスが絶妙
抹茶好きはもちろん、甘党にもそこまで甘いものが
得意じゃない人にもおすすめできる一品である
え?飯テロバトルはもう終わったって?
●いつから飯テロが終わったと錯覚した?
「めっっちゃ広ッ!!!」
店内に入って改めて榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)は思う、広過ぎだろコレ。フェアリーである彼からすれば、尚更広く感じるだろう。何処までも続く地平線……ではなく、数多の種類のスイーツ線。
「(こんな広過ぎるスイーツバイキングとか誰が考えたんだよ、マジで)」
いや、本当に誰がこんなスケールが大きい計画を立てたのだろうか。
此れ程までに広い場所を丸々借りられる程だ、きっとキマイラフューチャーの富裕層や企業の合同計画か何かだろう。そして、彼らのアイディアのスケールは通常よりも桁違いなのだろう。多分、恐らく、きっとそうだ。
しかし、流石に野球場並みの広さで全てを巡るのは骨が折れそうだ……よって、榎は考えた。まずは好きな物から重点的に攻める!
「抹茶のロールケーキ、ゲット!」
早速、抹茶スイーツコーナーに向かってはロールケーキを確保。
……素材にこだわった故か、スポンジ生地の黄緑色が何とも美しい。中のクリームにもスポンジ生地と同じく高級抹茶が用いられており、抹茶好きの心を擽る一品となっている。ヴェールの様に飾るのは純白の粉糖。
――さて、早速実食して頂こう。
「すげぇ、美味い……!」
抹茶系のスイーツが好きなうさみっち様も、お気に召した様だ。
口に入れるとふわふわだが、もっちもちの触感が楽しめる。材料、そして作り方も勿論こだわりがあるが……ここまでの美味しさはパティシエの技術もあっての事だろう。
「……鼻を抜ける抹茶の香りがたまらねぇ。抹茶のほろ苦さとケーキとしての甘さのバランスが絶妙だし、抹茶好きや甘党、それにそこまで甘いものが得意じゃない人にもおすすめできる一品である。マジで美味い」
……あのー、もう飯テロバトルは終わりましたよ?
そんな声が聞こえたとしても、榎は食レポを止める事は無い。寧ろ、もう終わってたのか?と言わんばかりにシラを切っている。抹茶ロールケーキをもきゅもきゅとしながら。ところで、美味しそうなので一口……。
「抹茶ロールケーキをお代わりついでに、抹茶わらび餅もゲットするぜ!」
誰かにぶつからない程度の速度でかっ飛ばし、再び榎は抹茶スイーツコーナーへと向かう。其の速さから、余程美味しかったのだろうと推察出来る。
抹茶スイーツだけでも種類が多く、此れは楽しめそうだと彼は笑う。時折飯テロ……ではなく、食レポをしつつ抹茶スイーツを楽しんでいた。
大成功
🔵🔵🔵
シノ・グラジオラス
【ADV】で参加、ミラの【同行希望】
アドリブ歓迎
さて、さっきの口直しと行くか
こりゃすげーな。女性陣が喜びに光り輝いてる気がする
甘い物に顔を輝かせてるのは可愛いもんだが…たまに猛者みたいなのもいるな
リナ、あっちのチョコファウンテン、ルビーチョコあるんじゃないか?
そうだな…味を見るならバゲットだろうが、皆イチゴ使ってるから試してみたらどうだ?
顔が緩んでるぞ、ニナ。って睨むなよ
ほら、ミラも皿持ってってやるから好きなの乗せ…ちょっと三人、加減を知ろうか!?
俺の手は二本しかないですが!
へいへい、姫様方の仰せのままに
あー、俺の分は軽食頼む。
甘いのは量は無理だから、皆のオススメ聞いてからにするわ
木槻・莉奈
【ADV】で参加、ミラの【同行希望】
3人ともお疲れ様!声かけてくれてありがとね
わ…凄い、いっぱい…!
猛者にならざるを得ないでしょ、こんなにいっぱいあるんだもの…!
えっ、ルビーチョコ!?それは是非食べないとだけど…シノ、何が合うと思う?
ミラはどういうのが好き?これだけいっぱいだと好きなの選ばないと流石に全制覇は難しいものね
カガリはどれにする?とってあげる
凄く美味しそう…!あ、こっちに苺のケーキもあるわよ、ニナ
手は二本しかなくても足があるでしょ?待ってるからいってらっしゃーい
ふふ、あんまり見られたら恥ずかしいもんね、ニナ(くすくすと笑いつつ
もう、ニナったら、褒めてもお菓子くらいしか出ないわよ
ニナ・グラジオラス
【ADV】で参加、ミラの【同行希望】
これは…凄いな。ああ、猛者。バーゲン会場と似た匂いを感じるな
それにしてもこんなに広いと気分が高揚する…シノは見るな?(凄んだ笑顔)
リナ、ミラ、どれから行こうか
ちょうど荷物持ちもいる事だから、遠慮なく取ってから席に戻ろう
もちろんカガリもだ。仲間外れにはしないさ
イチゴだけでもこんなに種類あるのか。食べ比べしてみたいので、全種類行こうか
(手招きして)なあ、リナ。このチョコそのままみたいなケーキ美味しそうじゃないか?
(色々皿に盛ったのを見られて照れつつ)
すまない、ちょっとテンション上がってたな
でも、私が一番好きなお菓子は、リナが作ってくれた物だよ
●ようこそ、スイーツの楽園
――キラキラと輝くチョコレートの泉の数々。
ケーキも、ムースも、ゼリーも。挙げ切れない程のスイーツの数々に【ADV】の面々、特に木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)は感動で目を輝かせていた。
「わっ……凄い、いっぱい……!」
「これは……凄いな。こんなに広いと気分が高揚する」
「どれも美味しそう!目移りしちゃうわね……!」
木槻の言葉に同意する様に続いたのはニナ・グラジオラス(花篝・f04392)、そして今回の事件を予知したグリモア猟兵のミラだ。
木槻はミラを含め、尽力してくれたニナとシノ・グラジオラス(火燼・f04537)の二人に御礼を伝えて。勿論、ミラも奮闘してくれた二人に続けて御礼を。お菓子が好きな二人の笑顔を見て、誘って良かったと兄妹は思うのだ。
「つか、こりゃすげーな。甘い物に顔を輝かせてるのは可愛いもんだが……たまに猛者みたいなのもいるよな」
「ああ、猛者。バーゲン会場と似た匂いを感じるな。……シノは見るな?」
「いやいや、女性陣が喜びに光り輝いてるのを見てぇじゃ……ぶっ!?」
楽しげに笑って女性陣へ視線を……と思いきや、シノの顔面に何かがクリティカルヒット!何かと思えば、ごめんなさいと申し訳なさそうに鳴く、カガリの声。
別に怒る訳でもないが、何故かニナの視線が益々鋭く感じる兄であった。うん、今回は不可抗力だから悪くないよね!?
●目指せ!(ほぼ)全制覇!
ニナ曰く、荷物持ちもいるのだから、遠慮なく取ってから席に戻る事に決めて。
最初は何にしよう、どれも美味しそうだと女子三人が楽しげに会話していると……ふとシノがチョコレートファウンテンコーナーで何かを見つけた様だ。
カガリも気になったのだろう、其の方向へ視線を向ける。直ぐにぱあっ、と瞳を輝かせては大好きな主の元へと真っ直ぐに。
「ん……?カガリ、何かあったのか?」
「あっちのチョコファウンテン、ルビーチョコがあるらしくてな」
「えっ、ルビーチョコ!?それは是非食べないとだけど……!」
何が合うかな、まずは何から試してみようかと考えるのもまた楽しい。
シノの意見も聞いてみようと、木槻が問い掛けると彼は周囲を見渡してから答えようと。
「そうだな……味を見るならバゲットだろうが、皆イチゴ使ってるから試してみたらどうだ?」
「フルーツも色々あるみたい!ドライフルーツも合うのかしら……?」
「カガリはどれにする?チョコレートを付けて、とってあげる」
ミラも髪だけではなく、一層輝かせた視線をフルーツ一覧に向けていた。
様々な品種の苺が揃っているのを見て、ニナも思わずまた感嘆の声を上げる。同様にカガリも驚き、木槻の提案にはまた嬉しそうに周囲をぱたぱたと。頑張ってくれた御褒美、そんな気持ちなのだろう。
「ほら、ミラも皿持ってってやるから好きなの乗せ……」
「シノさん、いいの?じゃあ、遠慮なく!」
「なあ、リナ。このチョコそのままみたいなケーキ美味しそうじゃないか?」
「本当ね、凄く美味しそう……!あ、こっちに苺のケーキもあるわよ、ニナ」
「カガリも何か見つけたら、ちゃんと言うんだぞ。シノが頑張ってくれるそうだ」
「あ、二人共!私もそのケーキ食べたーい!」
「――待て待てストップ!加減を知ろうか!?俺の手は二本しかないんですけどー!勢いで生やせませんけどー!?」
無茶ぶりは止めろー!と、シノが冗談めいた抗議の声を上げるが……器用にも三つの皿をバランス良く持っているのは流石だと思う。何か飲食店等のバイト経験があったのだろうか、それとも普通にバランス感覚が良いのだろうか。
……本当にスイーツに夢中になって、気付いていなかった様だ。女子三人とカガリは漸く気付き、だが落とさずに持ち続けている彼の律義さにほのぼのとした様子で微笑む。
「手は二本しかなくても足があるでしょ?待ってるから、いってらっしゃーい」
「あ、それなら軽食取っておくわね。シノさん、何がいい?」
「そうだな……肉って感じのサンドイッチとかかね。甘いのはオススメ聞いてからにするわ」
そのまま落とさない様に気を付けながら、シノは自分達のテーブルへと戻ろうとして。
振り向かない事を確認してから、珍しくニナの頬がほんのり赤くなる。高揚するという言葉は正しく、彼女も年相応に心から楽しんでいた様で。
其れを理解しているからこそ、木槻もまた嬉しくて笑うのだ。ミラとカガリも目を合わせて、二人の幸せそうな雰囲気を感じて笑い合う。……笑顔の空間が其処にはあった。
「どれも美味しそうだが……それでも、私が一番好きなお菓子はリナが作ってくれた物だよ」
「もう、ニナったら!褒めてもお菓子くらいしか出ないわよ?」
「ふふっ、でも本当にリナのお菓子美味しいわ!また食べたいもの!」
嬉しいけれど、少しだけ気恥ずかしい気持ちになりながらも、木槻は微笑む。二人の言葉がお世辞ではなく、本当にそう思ってくれての事だと解るから。
ミラの言葉には勿論と頷いて、また……今度は旅団の皆で御茶会をするのもいいかもしれないと彼女は思うのだ。勿論、カガリも一緒に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シン・ドレッドノート
アドリブ・絡みOKです。
【SPD】
今日は食べるのではなく作る側で。会場の一角を借りて、ライブクッキングといきましょう。
料理・早業・誘惑・アート・パフォーマンス技能を駆使して、華麗な技でスイーツを量産していきますよ。
「さぁ、ショーの始まりです!」
甘い香りの焼立てスポンジに、生クリームや桜の木をイメージしたチョコレートクリームでデコレーションしたら、桜の花びらをかたどった薄い桜色のチョコレートで飾り付け。
「名付けて、夢宵桜!」
「さぁ、お召し上がりくださいませ」
ウィンクと共に差し出して、通りがかった女性のハートをゲットです。
「美しいお嬢さん。甘いスイーツの後は、ディナーでもご一緒にいかがですか?」
レイナ・オトゥール
ふっふっふ、ついにスイーツバイキングですよ!
やー、もう、どこから食べていいか迷っちゃいますよね、目指せ全制覇!?
どれもこれも美味しそうだし綺麗だし、本当凄い!
パティシエさんたちのプロの技は圧巻です
特にこの春を表現したケーキなんて凄すぎます
ウィルやほかの皆も食べたいですよね?
ちゃんあとあーんして食べさせてあげるので、勝手に齧り付きにいったらだめですよ?
作ってくれた方に感謝をして、美味しく、楽しくいただきましょう!
もし、パティシエの方にお会いするようなことがあったら、
とってもおいしいです、幸せな気持ちになりました、ありがとうございます!っとお伝えしましょう!
それではいただきます!
アドリブ・絡み歓迎
●春色、夢宵桜
「ふっふっふ、ついにスイーツバイキングですよ!」
待ちに待った、夢の!超巨大スイーツバイキングである!
レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)は目を輝かせながら、辺りをきょろきょろ。沢山の輝きにそわそわと。周りを漂う水竜「ウィル」を筆頭、他の友達も同様の反応を見せていた。
こんなにも沢山のスイーツを見ていると、何処から食べようか悩んでしまう。
「どれもこれも美味しそうだし綺麗だし、本当凄い!」
皆と一緒に目指せ、全制覇!と言いたい所だが……実際には難しそうなので。レイナはまず、気になった物から食べ始める事にした様だ。
さて、最初は今の季節にぴったりの春を表現したケーキの所へ。
二色の生クリームでデコレーション、飾り付けには桜の花びらをかたどった薄い桜色のチョコレートを。生クリームも甘過ぎず食べ易くて。チョコレートクリームは桜の木をイメージしたのだろうか。一口食べれば、春を感じる気がした。
「ウィルやほかの皆も食べたいですよね?」
満場一致で勿論、と言いたげな頷きが返ってくる。
既に一部の小竜が齧り付きそうになるのを、他の皆が止めるという図が繰り広げられていて。微笑ましい光景にレイナは微笑み、皆に一口分をあーんと差し出す。
作った人への感謝を忘れず、美味しく。友達との楽しくも、大切な思い出を作ろうと。
……おっと、偶然。丁度、パティシエのライブクッキングが始まった様だ。
彼女も慌てて、友達と共に見に行こうとすると――。
「えっ、シンさん
……!?」
「おやおや、グッドタイミングですね。レイナさん」
●真紅の奇術師、其の神業
会場の一角でライブクッキング、夢宵桜を含める沢山のスイーツを作っていたのはシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)だったのだ。
日頃から培っている料理技術をフル活用、他にもパフォーマンスに使えそうな技術を駆使しては、来訪していた人々の目を釘付けにしていた。漂う焼き立ての甘い香りも含めて、レイナを含む周囲の皆を笑顔にする。
「さぁ、ショーの始まりです!」
半分にしたスポンジの片方に生クリームを塗り、其の上にフルーツを贅沢に使用。其れが終わればもう半分でサンドして、デコレーションへ移る。
……其処から先は、正に神業の域だった。周囲の人々の目を楽しませながらも、繊細且つ丁寧な動きに感動の声が上がった。特に子供達は動き一つ一つに感動していて、シンはふと微笑ましさを覚える。
「では、甘い花びらで彩りましょう」
――薄い桜色のチョコレートの味は苺か、或いは別の物か。
少しずつ、桜の木に花が咲き始めて……満開になるまで然程時間は掛からない。見た目も美しいケーキの完成に、周囲の人々の笑顔も花開く。
「名付けて、夢宵桜!さぁ、お召し上がりくださいませ」
綺麗に取り分けたケーキが乗った皿を差し出しながら、ウインクを一つ。偶々通り掛かった女性の心もばっちり射止める。恐るべし、真紅の奇術師。
早く食べたいと人々が順番に並んで皿を受け取る中、漸くレイナが受け取る機会を得た。
「シンさん、夢宵桜とってもおいしいです!幸せな気持ちになりました」
また皆で食べようと夢宵桜が乗った皿を受け取りながら、レイナはシンに感謝の気持ちを伝える。周囲をふよふよと漂っていたウィル達も彼女に倣う様にぺこり、と頭を下げていて。
素直な気持ちに作り手としても嬉しく思ったのだろう、彼もまた笑顔を浮かべていた。
「気に入ってもらえたなら、何よりです。……美しいお嬢さん。甘いスイーツの後は、ディナーでもご一緒にいかがですか?」
「えっ、え……!?わわわ、私は、お菓子の御礼をしたかっただけ、ですから……!」
……実は照れ屋なレイナさん。突然の褒め言葉とお誘いに驚いて、頬を赤く染めている。どうしよう、と困惑している様子がまた愛らしい。少なくともシンはそう思い、くすりと微笑むのだ。
流石にずっと話し込んでいるのも申し訳ないので、丁寧にお辞儀をしてから彼女は別のスイーツがある場所へと向かう。皆で色々なスイーツを巡ろうと。
照れのあまり頬の赤みが中々取れなくて、ウィル達に不思議そうな顔をされていたのはまた別の話。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リア・ファル
【イ・ラプセル】で参加
ボクもスイーツバイキングは初体験、
でもちゃんと下調べはしてきたよ。
(色々とクロエと匡に説明していく)
うん、流石に個人じゃあこのチョコファウンテンと
チョコフォンデュはチャレンジできなかったからね、
皆で来られて良かったよ。
さあ、食べよう食べよう!
(クロエに)
餡子を使った洋菓子もあるみたいだし、
お茶にも合うね!
ふふ、キュマイラフューチャーも良いところだよね。
(匡に)
糖分とか、食べれる時に食べとくってのは戦場の基本だったりしない?
…とはいえ、この会場だと主に婦女子にとっての戦場かも知れないけどね。
何かずっと食べてられるような、好物とか探してみても良いんじゃない?
鳴宮・匡
【イ・ラプセル】
二人の保護者代わり……、
とはいえ、俺もいまいち作法はわかってないんだよな
とりあえず好きなものを好きなだけ取って食べればいいらしいぜ
欲しいのがあれば取ってくるよ
……はいはい、お茶もな
とりあえず各自のリクエストに応じて菓子をよそったり
飲み物を持ってきたり、一応保護者らしく働こうか
俺自身は、……味の「好み」ってものがないんだよな
というより、食事に楽しみを見出すことがあまりない
単に、生きる為に必要だから食べる、ってだけだったから
食べれる時に食べておく、は確かだけどさ
俺、甘すぎるものは多分そんなに入らないぜ
……ものにもよるけどさ
ああ、まあ
確かに、食べやすいものを探すってのは悪くはないか
クロエ・ウィンタース
>行動選択
POW
>行動
【イ・ラプセル】で参加
リアの気遣いに、そしてこの場と縁を繋いでくれた匡に感謝を。
とはいえ、すいーつばいきんぐ?と言うものがどういうものか判らん。
教えてもらう通りにお勧めを見繕ってもらおう。
和菓子の類は見たことはあるがその他は全く判らん。
すいーつ、ケーキとな。ううむ、見慣れんが美味いものなのか。
あ、俺には茶を頼む。
(もぐっと一口。甘くて美味しい味に耳と尻尾がぴんと立つ)
…なんと。甘くて美味いな。これはかなり上等なものではないのか
これが食べ放題というのか…(リアと匡を尊敬の目で見る。この人たち実は凄い人たちなのでは)
有難く馳走になろう。よいな、これ。匡が食べる物にも興味深々。
●スイーツバイキングを楽しもう!
まずは、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)の気遣いに。そして、此の場と縁を繋いでくれた鳴宮・匡(凪の海・f01612)への感謝を示しつつ。律儀なクロエ・ウィンタース(刃狼・f15418)を含む、【イ・ラプセル】の面々はスイーツバイキング会場に到着しては辺りを見渡す。
皆が皆、初体験なのだろうが……リアが事前に下調べを行っていた事で、知識を共有するのに時間は掛からない。鳴宮もざっくりとした認識はあった為、保護者らしく働こうと手近な皿を手にしようとしていた。
「欲しいのがあれば取ってくるよ。何が良い?」
「和菓子の類は見たことはあるが、その他は全く判らんな……」
クロエが見慣れない洋菓子に首を傾げていると、リアが即座に何がお勧めかを調べてくれた様だ。抹茶やほうじ茶が香るパウンドケーキなど、和を感じさせる洋菓子を勧めてみると……彼女も此れは美味しそうだと頷く。
そして、気付けばひょいっと鳴宮が確保していて。保護者らしく働こうとしての行動だろうが、いつの間に取ったのかと二人はそれぞれ驚きを見せていた。
「あ!餡子を使った洋菓子もあるみたいだし、良かったらどうかな?」
「是非。あ、俺には茶を頼む」
「ボクは紅茶で!ホットのダージリン!」
「……はいはい、お茶とダージリンな」
ちょっと待ってろ、と鳴宮がドリンクバーへと向かう間に女子二人は近くにあったチョコレートフォンデュコーナーへと向かう。こんなにも沢山のスイーツ、色々見て回りたい気持ちもあるのだろう。待ち切れないのも無理はない。
クロエも興味津々と言った様子で見ると、熱々のチョコレートにマシュマロやフルーツをくぐらせている子供達の姿。皆、とても楽しそうだ。
「流石に個人じゃあチョコフォンデュや、あっちのチョコファウンテンはチャレンジ出来なかったからね。皆で来られて良かったよ」
「ああ、俺もだ。……ところで此れも何かお勧めがあるのか?」
「色々試すのもいいけど、最初は……」
リアの情報収集能力をフル活用、クロエも気になった物は彼女に確認しつつ、慣れぬ手つきでチョコレートをたっぷりと付ける。
少し時間を置いて、ドリンクバーから戻った鳴宮が見た時……其処には女の子同士の華やかな空気が漂っていて。適当なタイミングで声を掛けるか、と敢えて目立たない様な立ち回りを意識しつつ、チョコレートファウンテンが在る場所を見ていた。
●食べ放題は良い文明
一通り取り終えて、三人は指定のテーブル席に着く。
女子二人、特に良く食べるクロエの皿はこれでもかと盛られたスイーツの数々。別の皿にはチョコレートフォンデュ、チョコレートファウンテンを心ゆくまで楽しんだ結果も。保護者に徹していたからか、鳴宮の皿は適当な軽食などを少しずつ。
まずはクロエが、チョコレートたっぷりのマシュマロを一口。
「……なんと。甘くて美味いな、これはかなり上等なものではないのか?」
「この規模だし、それなりに上等なんじゃないか?」
「こ、これが……食べ放題というのか
……!?」
――こんなにも美味しいのに、こんなにも上等そうなのに。
思わず、二人に尊敬の眼差しを向ける程にクロエは感動を覚えていた。
普段、何気なく話しているが……実は凄い人達なのではないか、とも思うのだ。他のスイーツも食べ進めると、やはりとても美味しくて。箸休めにお茶を飲むと、其のクオリティにまた驚愕する。
「どれも美味しい、美味し過ぎるぞ」
「お茶にも合うなら良かった!ふふ、キュマイラフューチャーも良いところだよね」
リアも楽しみにしていた、チョコレートたっぷりのフルーツやウエハースを食べ進めている。優しい甘さが口一杯に広がって、とても美味しい。ついつい、手が伸びてしまう。ふと、クロエが鳴宮を見て、ぽつり。
「匡、甘味が苦手なのか?軽食が多いようだが」
「苦手っていう以前に……味の『好み』ってものがないんだよな」
リアとクロエが楽しそうにしているのは嬉しいが、自分自身は其れに楽しみを見出す事はあまり無い。鳴宮が食事を行う理由は、生きる為に必要だからというシンプルな物。其れを娯楽の一環として見る事はないのだ。
戦場傭兵という在り方なのか、其れとも彼個人の考えかは分からないが……リアは其れを聞いて、思い付いた様に提案する。
「糖分とか、食べれる時に食べとくってのは戦場の基本だったりしない?」
……まぁ、今回は主に婦女子にとっての戦場かも知れないけれど。
「何かずっと食べてられるような、好物とか探してみても良いんじゃない?」
「食べ切れない分は俺が食べよう。寧ろ、色々と食べてみたい」
「……俺、甘すぎるものは多分そんなに入らないぜ?」
リアの言葉も納得は出来るが、女性陣の様に沢山食べるのは難しそうだ。勿論、物にもよるだろうが。
それでもクロエの言葉を聞いて、彼はふと串を手にする。先にはチョコレートが半分程度付いたバナナ。一口食べながら、思った事を口にする。
「ああ、まあ……確かに、食べやすいものを探すってのは悪くはないか」
――チョコレートはこのくらいが丁度良いな、と続けて。
【イ・ラプセル】の三人は色々と試しつつ、楽しくも美味しい時間を過ごしたのだった。
大成功
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リン・イスハガル
●心境
プリンに大福、ケーキにサンドイッチ。ここは楽園か?
わたしにとっての楽園はここにあった。
もう、此処から出たくない。でも、時間来たら出なきゃいけない。
すごくジレンマ。一週間分くらい食べ溜めしなきゃ。
●行動
まずはご挨拶という感じで和菓子をもぐもぐ。
大福のもちもち加減がとてもよい。
食べ終わったらケーキとかプリンとかチョコとかの洋菓子にいく。
全種類コンプリートする勢いで食べる。
やはり、ここはわたしにとって、天国だった。
●天にも昇る気持ち
「……ここは楽園か?」
小柄故か、小さな足取りでスイーツの楽園に入ったリン・イスハガル(幼き凶星・f02495)は思わず呟く。死んだ魚の様な目の筈が、今は輝きに……いや、目はそんなに変わらなかった。代わりに雰囲気が普段よりも少しだけ明るく見える、気がする。
――しかし、リンは悩んでいた。
「(もう、此処から出たくない。でも、時間来たら、出なきゃいけない)」
時間制限付きの楽園、出たくないのに出なければいけないジレンマ。
魅力的なスイーツの数々を時間内に堪能するには、自分の胃袋はやや小さい。食べ切れるだろうか。否、此処で食べないでいつ食べる。
そして、彼女は決めた。一週間分くらい食べ溜めしなきゃ、と。
「和菓子、どこ」
……辺りをきょろきょろ、うろうろと。
途中の洋菓子に心揺らぎながらも、リンは決めていたのだろう。まずは和菓子。特に大福を食べなければならない。
少ししてから辿り着いた和菓子コーナーには、色々なスイーツを楽しんで欲しいという気持ちからか。一口サイズの大福、わらび餅、お団子等が並べられている。どれも全て美味しそうだ。まずは和菓子から攻めようと、彼女は皿の上に沢山の種類の和菓子を乗せる。自分のSPDの高さを活かして、直ぐに席に着いては早速頂きます。
「……!おい、しい……!」
アメジストの髪が、益々輝きを帯びた気がした。
大福のもちもち加減、そして控えめな餡子の甘さがベストマッチ。リンの希望に応えてくれたのだろう、これまた一口サイズのおにぎりの形をした練り切りもぱくっ。
練り切りとはこんなにも美味しい物だっただろうか。和菓子ならではの繊細で、でも優しい甘さが広がっていく。
「どうしよう。わたし、一ヵ月分、食べたい」
……流石に無理があるとは思うが、それ程までに美味しいと感じたのだろう。
リンは引き続き、もきゅもきゅと食べ進めて……其の間も、次は洋菓子を食べたいと考えるのだ。目指せ、全種類コンプリート。
頑張れば出来る、やれば出来る。そんな事を誰かが言っていた気がするから。
――さてさて、暫くして。
けぷー、と膨らんだお腹を擦りつつ。ほんの僅かだったが、確かにリンは笑顔を浮かべて思うのだ。
「やはり、ここはわたしにとって、天国だった」
御馳走様でした、食物や作ってくれた人々、そして招待状を用意してくれた人達への感謝を込めて呟く。本当はもっと食べたいけれど、それでももう時間切れ。
……縁があれば、また楽園の扉が開かれるだろう。
遠くから見ていた誰かが、心から嬉しそうに微笑んでくれた。そんな気がした。
大成功
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