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桜舞う伝説の島へ

#グリードオーシャン #戦後 #お花見 #ミッシェル島


●グリモアベースにて
「今年も春がやってきたわね!」
 世界によって気候は様々と言えど、4月は緑が芽吹き、花が咲き誇る季節。冬の寒さから春の暖かさを肌で感じ始めた猟兵たちへと、エリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)はグリモアベースでそう言って微笑むのだった。
「毎年春には、こうしてみんなを様々な世界でのお花見に誘ってるんだけど……もちろん今年もね! 今年はなんと冒険つきよ!」
 そうしてエリシャは意味ありげに片目を瞑ってみせると、グリモアベースに南国の島を映し出す。
「ここはグリードオーシャンにあるミッシェル島という南国フルーツの栽培が盛んな島よ。羅針盤戦争の時にみんなで我儘王女様をおもてなしした場所ね」
 一年を通して温暖な気候で、七大海嘯が全て倒された後は南国リゾートを楽しむ人たちも訪れるようになったようだ。
「島としては観光需要もあって順調なんだけど、島で取れる特産物を遠くの島へ交易品として運んでほしいって気持ちもあるみたいなの」
 以前の伝手もあったので、そう頼まれたエリシャは猟兵たちで何とかできればと思ったのだ。
「話を聞くとね、交易をしたい島は北の方にある島で、一年中桃色の花が咲いている島なんだって。きっとサクラミラージュから落ちてきた島なのね」
 これまでは異常気象で海が荒れていたこともあり、多くの島が伝説やおとぎ話のように伝わっていたのだが、戦後に航路が開かれたことで様々な情報が寄せられ、実在するならば交易をと考えたようだ。
「以前より落ち着いたとはいえ、海はまだまだ危険もいっぱい。まずはあたしたちが鉄甲船でその島に向かって、ミッシェル島の特産物を売り込むの。上手く行けば、あとはお互いの島を治める海賊達が引き継いでくれるわ」
 ミッシェル島の特産物は南国フルーツ。バナナやマンゴーなど追熟が出来るものは生のまま輸送も可能だが、ドライフルーツやシロップ漬けにして瓶に詰めるなど日持ちさせることで交易品としての価値も高くなるだろう。
「交易品を輸送する準備は出来ているから、たくさんのフルーツを積んで出発するのよ。ただ、目的の島に行くまでにひとつ問題があって……」
 今まで伝説の島として存在するかどうかもわからなかったのには、そこに行くことが出来なかったからだ。
「それがどうもコンキスタドール……オブリビオンの仕業みたいで。ただね、解決法がわかったの。それは、船の進行を妨げているコンキスタドールに美味しいものを食べさせてあげることよ!」
 荒れた海で遭難した船乗りが空腹のまま、救助されずに命を落としてしまったことでコンキスタドール化し、その海域にやってくる船を惑わせるようだ。
「だから、みんなは鉄甲船の中で美味しいものを作って欲しいの。コンキスタドールのためでもあるけど、その後目的の島に着いたら、南国フルーツを売り込むのも兼ねて、フルーツを使ったものもいいんじゃないかしら。桜が咲いているから、それを食べながらのお花見にもぴったりだしね!」
 料理道具や食材はたくさん用意してあるから、とエリシャが大きく頷いて。そしてその料理はそのまま花見用の料理やおやつにもなるようだ。
「交易品の交渉は船に同乗するミッシェル島の海賊たちがしてくれるから、みんなは作った料理を食べながらお花見を楽しむだけでいいのよ。もちろん、特産のフルーツを料理に使ってPRしたりしてもいいし……屋台を出して売り出すのもありね。特産物を宣伝できれば、きっと交易も上手くいくと思うから」
 今回猟兵たちがすることは、鉄甲船で料理を作り、そして目的の島でお花見をすること。それが、このミッシェル島の交易路を開く手助けになるのだ。
「今回は冒険つきのお花見よ。猟兵として力を貸してあげながら、楽しんで来てね!」
 そう言ってエリシャは笑顔で猟兵たちを送り出すのだった。


湊ゆうき
 こんにちは。湊ゆうきです。
 毎年恒例のお花見は、今年はグリードオーシャンです!
 今年は桜も咲くのがゆっくりだったので、のんびり楽しんでまいりましょう。

●第1章【冒険】
 ミッシェル島の特産物(南国フルーツ)をたくさん積み込んだ鉄甲船で、目的の島を目指します。島に着くまでの間に、何か美味しい料理を作ってください。この後のお花見に楽しむお弁当でも、南国フルーツを使った料理やスイーツでも何でもいいです。何かひとつはコンキスタドールに捧げてもらいます。
 リプレイは鉄甲船に乗ったところから描写します。料理道具や材料は用意してありますが、持ち込みも大丈夫です。特に料理をしないで船旅を楽しんでもらっても大丈夫です。フラグメントはあまり気にせず自由にしてください。
 皆さんの料理はまとめてコンキスタドールに捧げますので、どの料理にするかなど書いていただければと思います。1章の最後か2章の頭にまとめて描写します。

●第2章【日常】
 航海の末、ようやく伝説の島に到着しました。どうやらサクラミラージュから落ちてきた島に間違いないようです。
 一年中満開の桜が咲き誇るこの島の人たちは、遠くからやって来た猟兵たちを物珍しそうに見ながらも歓迎してくれます。
 この地の特産物を口にしたり、美しい景色を眺めながらお花見を楽しみましょう。可能ならミッシェル島のフルーツを使った料理を食べたりしてアピールしてあげるといいです。また、屋台を出して料理を振舞うことも出来ます。ただお花見を楽しむだけでも大丈夫ですので、好きなようにお過ごしください。きっと交易は上手くいくことでしょう。

 どちらかの章だけの参加も大歓迎です。2章だけ参加でも鉄甲船に乗ってたという扱いになります。あまり細かいことはお気になさらず。
 同行の方がいらっしゃる場合はその旨お書き添えください。
 プレイングはOP公開後すぐに受付いたします。
 2章のみ、お声掛けがあればエリシャもご一緒させていただきます。

 特に確認する必要はありませんが、ミッシェル島が出てきた依頼はこちらです。
 https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31826

 それでは、冒険とお花見をお楽しみください!
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第1章 冒険 『伝説の島を目指せ』

POW   :    目の前の問題を力任せに解決します。満載された積荷が崩れそうな場合などは、全力で支えたりします

SPD   :    敵が想定しない速度で鉄甲船を操ったり、類まれな操船技術によって困難を乗り切ります

WIZ   :    伝説の島の謎を解いたり、策略を逆手にとって利用する事で、島を目指します

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杜・泰然
嵐(f36333)と

こいつ冬眠から覚めたかと思えば
いきなりこんな場所に連れて来やがって…
料理するように見えるか?
食う必要が無い体だぞ俺は
フルーツ剥いて切るぐらいなら、まあ…

とりあえず厨房の器具を借りて
フルーツを食べ易い大きさに切るか
やっぱり南国のやつが多いな
手近なマンゴーをナイフで剥いて
一口大に切って皿に盛っていく

味覚も、まあ無いことはないが薄いな
切ったマンゴーの欠片を試しに食べてはみるが
やっぱり味はあまり分からなかった
気を取り直して次のを…
おい、さっき剥いたやつどこやった
お前さては食ったな
食うなら働け、自分の分も剥け

ナイフ捌きは嵐の方が上手い筈だし
これならそう時間は…
…お前いい加減にしろよ


邨戸・嵐
泰然(f38325)と

冬眠明けには栄養が要るからねえ
人助けも出来て一石二鳥でしょ
心の籠った料理って言葉大好き
ひとに用意して貰ったものが一番美味しい

南国産ってなると見たことない果物もたくさんあるねえ
俺が味見したげる
酸っぱい、甘い、ちょっと苦い
仕訳けてお手伝い

そもそも泰然って味覚とかあるの?
痛覚が薄いのは知ってるけど
雑談で邪魔しながらつまみ食い
仕上がった皿が気付けば空に
…剝かなくていいもの乗せて穴埋めしとこ

ア、バレた
ナイフの扱いぐらいしか自信ないよ
泰然の手元を覗いてお手本に
果物剥くの、皮とか捨てるのなんか勿体ないよねえ

いざ作業してれば次はまな板から舌の上へ
ねえ、またなくなっちゃった、どうしよう?



●目覚めの果実
 貪欲なる海の世界を渡るには、今でも鉄甲船が不可欠だ。
 たくさんの積み荷を乗せた鉄甲船が多くの人々に見送られながらミッシェル島を出発し、猟兵たちは船の上でそれぞれ自由な時間を過ごす。
「船旅って冒険って感じがするよねえ」
 甲板から小さくなっていくミッシェル島を眺めていた邨戸・嵐(飢える・f36333)がそう呟くと、隣に立っていた杜・泰然(停滞者・f38325)が不機嫌そうな声を返す。
「冬眠から覚めたかと思えば、いきなりこんな場所に連れて来やがって……」
 季節は春。けれど南国フルーツが採れるミッシェル島の周辺は暑く感じるくらいだ。
 泰然が憤っているのはもちろん気温のせいではない。
「冬眠明けには栄養が要るからねえ」
「食う必要が無い体だぞ俺は」
 嵐と一緒に栄養を取る必要はないはずだ。望まぬ形で齎された不死の体。もちろん食事を取ることは出来るが、必ず取る必要があるわけではない。
「人助けも出来て一石二鳥でしょ」
 泰然の反論にも嵐は全く悪びれる様子もなく、飄々としている。
 今回の任務の一つは料理をすること。それを無念の死を遂げコンキスタドールと化した船乗りのために捧げるのだ。
「心の籠った料理って言葉大好き」
 ひとに用意して貰ったものが一番美味しいと嵐は思うのだ。常に満ちぬ腹を持つ彼とて、食べられれば何でもいいわけではない。
「人選を誤ってるぞ。俺が料理するように見えるか?」
 そう訊ねても、嵐がそれなら何もしなくてもいいというわけはなくて。
「とりあえず食材を見てから考えてみる?」
 有無を言わせず、食材用に保管されているフルーツを見に行くのだった。
「南国産ってなると見たことない果物もたくさんあるねえ」
 ひょいひょいといくつか選んでは厨房へと運んでいく。
「料理……とりあえず食べられる形にすればいいのか? フルーツ剥いて切るぐらいなら、まあ……」
 しぶしぶと泰然が手にナイフを取り、ひとまず皮を剥いたり、食べやすい大きさに切って皿に並べていく。
「マンゴーにパイナップル、バナナはわかるが……これは何だ?」
「俺が味見したげる」
 泰然が首を捻る横で、嵐がカットされたフルーツを口に運んでいく。
「これは酸っぱい。こっちは甘い。こっちは……ちょっと苦い」
 見慣れないフルーツも味わい別に仕分けて手伝う。
「確かマンゴーはこう切るんだったか」
 真ん中に種があるのでそれを避けて三枚に切り分けて、それから種のない部分をダイス状にカットすれば一口大の食べやすい大きさになる。
「これ、輪切りにすると星の形になるね。うん、ちょっと酸っぱい」
 スターフルーツを口に入れた嵐がその酸味を感じたところで、ふと疑問が浮かぶ。
「そういえば……そもそも泰然って味覚とかあるの? 痛覚が薄いのは知ってるけど」
 実験と称して死に等しい痛苦を与えられながら、死なない体ゆえに死ぬことがなかったのだ。泰然の痛覚が麻痺してしまうのも当然だろう。
「味覚も、まあ無いことはないが薄いな」
 全ての刺激に鈍感になってしまったのかもしれない。試しに自分で切ったマンゴーを一口食べてみるが、見るからに完熟といった様子で嵐も甘いと言っていたが、あまり味というものが感じられなかった。
 そもそも食事を必要としないのだから、それでも問題ないだろうと思いながら、別の果物を切ろうとした時にはたと気づく。
「おい、さっき剥いたやつどこやった」
 気がつけばカットしたフルーツが目の前から消えていた。
「……お前さては食ったな」
 雑談で気がそれていた内に、皿の上から消えているのはどう考えても嵐の仕業だ。一応すぐにはバレないように、バナナがそのまま置かれている。
「ア、バレた」
「食うなら働け、自分の分も剥け」
 そもそもナイフ捌きなら嵐の方が上手いはずだと泰然は嵐の前にフルーツを置く。
「……ナイフの扱いぐらいしか自信ないよ」
 カットの仕方は泰然の手元をお手本にして見よう見まねでやっていく。
「果物剥くの、皮とか捨てるのなんか勿体ないよねえ」
 そんな感想を漏らしながらも、泰然の予想通り、ナイフの扱いに長けた嵐は手際よく果物をカットしていく。
(「これならそう時間は……」)
 そう泰然は思ったのだが、ふと視線をやるとカットしたフルーツは皿に乗る前に消えていた。
 カットするそばから嵐の腹へと消えていくのだ。
「ねえ、またなくなっちゃった、どうしよう?」
「……お前いい加減にしろよ」
 料理用にとたくさん用意された南国フルーツを全て食べきってしまいそうな勢いに、泰然は呆れたようなため息を漏らすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エディーネ・ガルーシャ
あら、あらあら。両方とも、なんて素敵な島なのかしら。
私はあの迷いの森からほとんど出たことがないから、そう思うのでしょうか…?

船旅も初めてだけれど…。
フルーツを使った料理…そうね、そうしたらこのスターフルーツを切って、そのままサラダに乗せましょう。
お星さまがそのまま乗ったかのようなこのサラダ。空にあるお星さまを道しるべにする海賊の方々に受けは良いのでは、と。
それにこれはお手軽に…乱暴な言い方になりますが、切るだけでできるものです。
初めてで慣れぬ船旅の最中でも、コンキスタドールに捧げる料理を…となれば。

うふふ、船旅を楽しむより料理だなんて…私らしいわね?



●船乗りに捧げる星のしるべ
「あら、あらあら。両方とも、なんて素敵な島なのかしら」
 鉄甲船の甲板の上で潮風を感じながら、先ほど特産物である南国フルーツを積み込むために寄港したミッシェル島の様子を思い出していたエディーネ・ガルーシャ(鬼道精霊術士・f43032)はそう言って穏やかな微笑みを浮かべる。
 熱帯植物や南国フルーツが豊かに実るミッシェル島は、白い砂浜も美しく、日焼けした人々の笑顔も眩しかった。聞くところによるとアックス&ウィザーズから落ちてきた島ということなので、エルフであるエディーネは親近感を覚えたのかもしれない。
「そうして向かう島も桃色の花……桜が一年中咲いている島だそうですね」
 こちらはサクラミラージュから落ちてきた島だと聞いている。桜は美しい花。それが一年中咲いている伝説の島というだけで心躍るというもの。
「私はあの迷いの森からほとんど出たことがないから、そう思うのでしょうか……?」
 一緒に鉄甲船に乗り合わせた他の猟兵にとっては、桜は馴染みの花のようで。一方、猟兵としてまだたくさんの世界に向かったことのないエディーネだからこそそう思うのかもしれない。
 エルフの精霊術士である彼女は普段は森の奥深くにある屋敷に住み、時には森に迷い込んだ人間を助けたりもしている。
「そういえば、船旅も初めてだわ」
 大きな船が広い海を渡る。そして独特の揺れに最初は慣れなかったけれど、潮の香りも時々姿を見る海鳥の姿を眺めるのも、なんとも新鮮で心地よい。
「では、次は料理ね」
 伝説の島に向かう途中、コンキスタドールと化してしまった悲しき船乗りのために料理を捧げるのが今回の目的のひとつ。
 食材として使っていいと言われた中には、ミッシェル島のフルーツがたくさんあり、それを使うのが良さそうだ。
「フルーツを使った料理……そうね」
 美味しそうな果物を見ていれば、すぐに作る料理が閃いた。
「このスターフルーツを切って、そのままサラダに乗せましょう」
 南国生まれの黄色い果実はそのままでは不思議な形をしているように見えるが、切った断面がまるで星のように見えることからそのような名で呼ばれている。
 葉物野菜にトマトや茹でた豆を乗せたサラダに、星の形に切ったスターフルーツを並べていく。
「まるでお星さまがそのまま乗ったかのよう……空にあるお星さまを道しるべにする海賊の方々に受けは良いと思うのです」
 船乗りにとって星は大事な目印。食べる人のことを考えたメニューは、料理が得意なエディーネらしい優しく美味しいもの。
 初めての船旅で慣れないのだから、普段は凝った料理を作ることも多いエディーネだとしても、果物を切って盛りつけるというお手軽な料理がちょうどよいと思ったのだ。
「お月様もイメージしてマンゴーも乗せてみようかしら? それともパパイヤの方がいいかしら……? うふふ、船旅を楽しむより料理だなんて……私らしいわね?」
 次々とアイデアが頭に浮かんできては楽しくなり、エディーネはそう言ってふわりと微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリ・ハーベスティア
【なめろう茸餃子】
水難して沈んだ船乗りさんの鎮魂の為に、フルーツを使った料理を作るのですね?

『お花見の料理と、特産品の宣伝も兼ねる……一石三丁と言う訳だけど、アメリは何かメニューの当てがあるのかな?』

アメリはバナナとキノコのマフィンと、を作るのですが……ビスちゃんはハワイアンなめろう持ってこいそうです

『アメリ達がメイン?でエミリロットはマンゴーとあんこもチーズで、デザート担当になりそうだね』

サラダ油、檸檬、牛乳、砂糖、薄力粉、ペーキングパウダーを混ぜたのに、エリンギ、舞茸を乾煎して、バナナと一緒に混ぜてオーブンで焼き『料理』するのです

『バナナに、ナッツみたいな香ばしさを感じるね』

※アドリブ歓迎


ビスマス・テルマール
【なめろう茸餃子】
南国スイーツを使った料理を推奨する理由としては、そんな所でしょうか?

はい、バナナとアボカドを使うと言う意味でも、ハワイアンなめろうは持ってこいかもしれませんね

わたしのが船乗りさんへの料理のメインとなるのなら、尚の事気も手も抜けませんね……バナナ、アボカド、マグロ、オリーブ油、檸檬果汁、醤油でハワイアンなめろうを『料理』してパンに挟みましょうか


エミリさんに純粋なデザートを任せて、アメリさんも面白い物を作りますね

乾煎りしたキノコがナッツ代わりに機能している香ばしさ……バナナとナッツも合うでしょうし、上手い事を考え……船乗りさんが物珍しげに

※アドリブ歓迎(今回見た目目的でUC使用)


エミリロット・エカルネージュ
【なめろう茸餃子】
エリシャちゃんの予知の内容聞いた時に、ビスちゃんがハワイアンなめろうを料理するのに、お誂えと思ったけど……ビスちゃんの格好が既に

アメリちゃん、ビスちゃんが言う通り
凄いの作ったね

じゃあ、ボクは締めとしてちゃんとデザートを決めなくちゃね

切ったマンゴーとバナナを、あんこやクリームチーズと一緒に餃子の皮で包んで揚げで

マンゴーは熱いと酸味が残るので『属性攻撃(冷風)』の『気功法』で冷まして
マンゴーのあんこチーズ餃子とバナナのあんこ餃子を『料理』と

別に包んだのを湯で潜らせ冷水に締めて、他の果物とシロップに絡めて餡蜜にして……こんな感じかな?

まぁ、ボク達ある意味色物かな?

※アドリブ歓迎



●トロピカルなコースを
「グリードオーシャンへは、去年の夏休みにお友達と無人島に遊びに行った時以来ですが……今回は、いろいろとやることがあるのですね」
 仲間達と共に鉄甲船へ乗り込んだアメリ・ハーベスティア(キノコ好きの「よいこ」な地竜の末裔・f38550)は、船旅の楽しさを味わいつつも、目的の島に着くまでの時間にやるべきことをきちんと整理する。
『ミッシェル島の特産物を伝説の島に運ぶ……だけど、その途中でコンキスタドールが邪魔してるみたいだね』
 いつものように子犬サイズになったグリフォン型特機のラングリフがアメリの言葉に頷くと、事前に聞いた情報を整理する。
「水難して沈んだ船乗りさんの鎮魂の為に、フルーツを使った料理を作るのですね?」
 空腹のまま命を落としコンキスタドールと化した船乗りのために美味しい料理を捧げれば、今まで船乗りたちの行く手を阻んでいた海域を渡ることができるようになるようだ。
「料理で上手くいくのなら腕を振るわない理由がありませんね」
 スペースシップワールドの南国コロニー船出身のビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、この依頼へのやる気が漲っている。それもそのはず。
「エリシャちゃんの予知の内容聞いた時に、ビスちゃんがハワイアンなめろうを料理するのに、お誂えと思ったけど……ビスちゃんの格好が既に」
 二人と共にやって来たエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は、そう言って改めてビスマスの姿を眺める。
 ビスマスのやる気は既にその格好に現れていた。
 彼女の全身は、マグロ、アボカド、バナナの三種の鎧装で覆われており、まさにハワイアンなめろうを体現していた。なめろうの布教をしながら世界を渡り歩くビスマスが、その中でも大好きで思い入れがあるのが、ハワイアンなめろうなのだ。
「はい、エミリさんの言う通り、まさにうってつけだとわたしも思うのですよ」
 今回、料理に南国フルーツを使うのは、材料としてたくさんあるから、というからだけでなくて。
『お花見の料理と、特産品の宣伝も兼ねる……一石三丁と言う訳だね』
 このあと、ミッシェル島の交易を開拓するためにも特産品を売り込む必要がある。花見を楽しみながら特産品を美味しく食べることは宣伝にも繋がると言うわけだ。
「南国フルーツを使った料理を推奨する理由としては、そんな所でしょうか?」
 ラングリフの言葉に頷くと、ビスマスはこれもなめろうの布教の良い機会だと嬉しそうに微笑む。
『ビスマスにはハワイアンなめろうがあるからね。それで、南国フルーツを使った料理……アメリは何かメニューの当てがあるのかな?』
 アメリの得意料理はきのこ料理。ただ、南国フルーツときのこを使った料理と言って、ぱっとすぐに思いつくものがなく、ラングリフは首を傾げる。
「アメリはバナナとキノコのマフィンを作ろうと思うのです。確かに南国フルーツは、ビスちゃんのハワイアンなめろうに持ってこいだと思うのです」
「はい、バナナとアボカドを使うという意味でも、ハワイアンなめろうは持ってこいかもしれませんね」
 南国フルーツを使った料理と言っても様々で、アメリのマフィンにそう来たかと頷きながら、エミリロットは自分は何にしようかと考えて。
「なるほど、アメリちゃんはマフィンかぁ。ビスちゃんがなめろうなら……ボクはデザートにしてみようか」
「スイーツ餃子なのです?」
「うん、フルーツをあんこやクリームチーズと一緒に餃子の皮で包んで揚げようかなって」
「それは、美味しそうなのですっ!」
『マフィンは食べ応えがありそうだし、アメリとビスマスがメイン料理ってとこかな。エミリロットはデザート担当になりそうだね』
 それぞれの個性を活かした料理はコース料理のようにバランスもとれていて。三人は頷き合うと、新鮮な南国フルーツを選んでは調理場へと移動し、早速料理を開始する。
「わたしのが船乗りさんへの料理のメインとなるのなら、尚の事、気も手も抜けませんね……」
 もちろんいつだってビスマスは全力だけれども、空腹のまま無念の内に散った命を思うと、最高のおもてなし料理をふるまいたいと思うのだ。
「このバナナもアボカドもとても良いですね。こちらも是非宣伝してあげたいと思う一級品」
 ミッシェル島の南国フルーツの品質に頷くと、ビスマスはそこにマグロやオリーブオイル、レモン果汁に醤油を加え、ハワイアンなめろうを仕上げていく。
「このままでもいいですが、食べやすいようにパンに挟みましょうか」
 ビスマスの気遣いはそういった面にも表れていた。
「アメリはマフィンを作っていくのですが……キノコ類は前もって乾煎りしておくのです」
 フライパンに油なしできのこを入れ、炒めることで、香りや食感が引き立つのだ。
「今回はエリンギと舞茸を使用するのです。あとはバナナを潰して……」
 フォークでバナナを潰し、サラダ油やレモン果汁、牛乳に砂糖、薄力粉、ベーキングパウダーといった材料と一緒に混ぜては、生地をカップに入れてオーブンで焼いていくのだ。
「マフィンにきのこかぁ。アメリちゃんも凄いのを考えるね。じゃあ、ボクは締めとしてちゃんとデザートを決めなくちゃね」
 先程言った通り、エミリロットはマンゴーやバナナをカットすると、あんこやクリームチーズと一緒に餃子の皮に包んで油で揚げていく。
「マンゴーは熱いと酸味が残るのから……」
 しっかりと気功法も用いながら冷風で冷ましておく。
「さすがエミリさん。スイーツ餃子はお手の物ですね」
「これだけじゃないよ」
 そう言ってエミリロットは今度はあんこを包んだ餃子をお湯にくぐらせてから冷水で締め、他の南国フルーツやシロップに絡めて餃子のあんみつを作っていく。
「こんな感じかな?」
「はわ、種類の違うデザートが2種類も。さすがエミリちゃんなのです」
 エミリロットがデザートを仕上げている間に、アメリのマフィンも焼き上がり、バナナの甘い良い香りが漂っている。
 焼き上がったマフィンはきのこ型。そういった意味でもなんともアメリらしい一品が完成した。
「ランちゃん、一緒に味見なのです」
 粗熱を取ったところでアメリはラングリフと一緒に味を確かめる。
「どうでしょうか?」
『バナナに、ナッツみたいな香ばしさを感じるね』
「なるほど、乾煎りしたキノコがナッツ代わりに機能している香ばしさ……バナナとナッツも合うでしょうし、アメリさん、上手い事を考えましたね」
 これなら船乗りさんも興味を持ってくれそうですとビスマスも微笑んで。
「船乗りさんにとって、ボク達の料理は初めて見るものかもね。まぁ、ボク達ある意味色物かな?」
 他の猟兵が作る料理と違っているかもしれないけれど、それこそが料理の多様性と可能性。同じ食材でもそれぞれの個性が光るというもの。
「気に入ってもらえるといいですね」
 船乗りなのだから、たくさんの島を渡り歩いてきたのかもしれない。それでもまだ出会ったことのない料理を美味しいと感じてもらえれば、それが何よりなのだから。
 ミッシェル島のフルーツと三人の料理の腕が出逢い、また新たな美味しさを完成させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
羅針盤戦争以来だから、ほんと久しぶりだね
特産品の売り込みついでに花見できるのは役得かな

どんな島か、今から楽しみですの

それはそれとして
今回はメイド服を着る理由は無いんじゃないかな

あら、売り込みするなら人目を引く方が良いと思いますの

…議論しても疲れるだけだから食べ物の用意をしようか

フルーツをカットして
邪神の聖域で保管していた魚を刺身にして
オリーブオイルや調味料をかけて
カルパッチョにしよう
フルーツでソースを作るのも良いね

お手軽過ぎる気がしますの

凝った料理なんてできないし
素材の味がそのまま出るから販促に良いと思うよ

無駄にフリル多いし
服を神気で覆って汚さないように作業しよう
神気の扱いも慣れちゃったなぁ…



●メイド服と魚介の一皿
 どこまでも続く大海原に、異世界から落ちてきた島たちがひしめくグリードオーシャンの世界。
「羅針盤戦争以来だから、ほんと久しぶりだね」
 鉄甲船から眺めるこの世界らしい海の様子に、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)が少し懐かしそうに目を細める。ミッシェル島のように南国リゾート風の島もあれば、キマイラフューチャーの面影を残す島もあったりと多種多様。今から向かう伝説の島もサクラミラージュから落ちてきた島だというのだから、島ごとに個性も様々だ。
「特産品の売り込みついでに花見できるのは役得かな」
「どんな島か、今から楽しみですの」
 サクラミラージュのように一年中桜が咲いているらしいという情報はあるが、伝説の島と言われているぐらいで、まだ島の名前も詳細もわかっていない。
 今日も晶と一緒にやってきた邪神の分霊は、過去に楽しんだお花見を思い出しながらわくわくとしている。
「うん、確かにどんな島か楽しみだね。……それはそれとして」
 分霊の言葉には大いに頷いた晶だけれど、どうしても一言言っておきたいことがあった。
「今回はメイド服を着る理由は無いんじゃないかな」
 羅針盤戦争の時、晶も別の島で我が儘王女様をおもてなしする任務をこなしたのだが、その時はお嬢様の従者と言えばメイドと分霊に言われ、妙に丈が短くて可愛らしいメイド服を着たものだが……今回はそんな必要はないはずだ。
「あら、売り込みするなら人目を引く方が良いと思いますの」
 どうやら今回は、その後の売り込みのことを考えているらしい。確かに一理あるが、今から着ておく必要があるのか。
「……議論しても疲れるだけだから食べ物の用意をしようか」
 今までもこの手のことで話し合って解決した試しはない。晶はおとなしく、フリルとレースたっぷりの可愛らしいメイド服を着たまま、料理するために甲板から移動するのだった。
「晶、たくさん南国フルーツがありますの。ジュースにするだけでも美味しそうですの」
「ほんとだ。たくさん種類があるね。じゃあ、これとこれと……」
 自由に料理に使っていいというミッシェル島産のフルーツの中から晶がいくつか選び出し、料理が出来る場所へと移動する。
「何を作りますの?」
「せっかくだから新鮮なフルーツを活かしたものをと思ってね」
 晶はいつものように冷蔵庫代わりにしている邪神の聖域で保管していた魚を取り出すと、一口大のお刺身として切り分けていく。
「……また便利に使ってますの……」
 分霊のこれまたいつもの非難をそっと聞き流し、次にアボカドとマンゴーをカットしていく。
「……っと、無駄にフリル多いし」
 可愛らしいメイド服だが、実際に作業をするのには向いていない。汚れたりしないように、晶は神気で服を覆っては、作業を進めていく。
(「神気の扱いも慣れちゃったなぁ……」)
 しみじみと思いながらも、刺身と同じサイズの薄切りにしたフルーツたちを魚と交互に綺麗に並べていく。鯛とマンゴー、サーモンとアボカドと、二皿作れば彩りも美しい。
「オリーブオイルと調味料をかけて仕上げて……カルパッチョの完成だよ」
「お手軽過ぎる気がしますの」
 あまりにも短時間で完成した料理に分霊がぱちぱちと目を瞬かせる。
「素材の味がそのまま出るから販促に良いと思うよ」
 時間をかければいいというわけではないし、そもそも晶は凝った料理が得意なわけではない。
「まあ……確かに美味しそうですの」
「そうだ、フルーツでソースを作るのも良いね」
 フルーツはサラダに入れたり、ソースとして使ったりもできるはずだと、オレンジ船のみんなと共に食べた料理でも使われていたことを思い出す晶だった。
 ペースト状にしたマンゴーにオリーブオイルとレモン汁と調味料を加えれば魚介にも合うソースになる。
「あとはまた邪神の聖域に保存しておいて……ああ、途中でコンキスタドールにあげる分も必要だったね」
 この船が無事に伝説の島に辿り着くために。南国フルーツを使った色鮮やかな料理が完成したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小雉子・吉備
【蛟】
話は大体解ったよう!つまりコンキスタな船乗りちゃん達を南国フルーツ使った料理食べさせて

成仏させれば良いんだねっ!

(成仏するか解らないけど、大人しくはなるんじゃない?と口笛吹く《ひいろ》)

マンゴー、パイナップル、バナナ、アボカドを初めとした南国フルーツを大福に

お花見にもPRにもなるし、船乗りちゃん達のお供えにも

霓虹ちゃんがツッコミに回るの珍しいね、霓虹ちゃんが作って来た白餡はマンゴー、パイナップルとか酸味が仄かにある果物の味を引き出すんだったよね?

アボカドは甘めのノーマル餡かな?
それぞれ一緒に求肥に包んで
【料理】してお供え

……白餡入りの中に味噌餡混じってないよね?霓虹ちゃん

[アドリブ歓迎]


蒼・霓虹
【蛟】
まぁ、南国フルーツ料理の美味しさで、料理アニメのリアクションで成仏はないでしょうが、ミッシェル島への交易への障害は無くなるのでは無いでしょうか?

吉備ちゃん

まぁ、事前に各種餡をお供えとお花見やPRの分も踏まえて【料理】して持参して来ましたが、白餡は控えめな優しい甘さが、南国フルーツに相性抜群ですからね

フルーツ大福が良さげでしょうか
あっ、アボカドは甘めのこし餡が良いですよ?

ふふふ、さてどうでしょうかね?
まぁ、フルーツ味噌大福と言うのもありますし、味噌餡の甘しょっぱさもフルーツと意外に相性良いですよ

決して某郷土料理の●●●●布教の
一環では(《なまり》にスリッパでツッコミ食らう)

[アドリブ歓迎]



●癒しの果実で安らぎを
「話は大体解ったよう!」
 グリモアベースで聞いた話をふまえ、実際に伝説の島へと船出した鉄甲船に乗り込み、たくさんの積み荷として運び込まれた南国フルーツを前に小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)はぎゅっと拳を握りしめ大きな声で叫ぶ。
「つまりコンキスタな船乗りちゃん達を南国フルーツ使った料理食べさせて成仏させれば良いんだねっ!」
 吉備と一緒にやって来た蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)は、目の前の南国フルーツを手に取ってその質の良さに目を細めると、教え子の言葉に頷く。
「そういうことになりますね。まぁ、南国フルーツ料理の美味しさで、料理アニメのリアクションで成仏はないでしょうが……ミッシェル島の交易への障害は無くなるのでは無いでしょうか?」
 アニメ好きな吉備だから、そこは何かアニメ的な演出を想像しているようだが、ともかくその無念を晴らすことが出来るなら、二島間の自由な交易に繋がるはずだ。
「成仏……しないの?」
 可愛らしく小首を傾げた吉備に、赤い猿のひいろは『成仏するか解らないけど、大人しくはなるんじゃない?』と言ってるように口笛を吹くのだった。
 ともかくそのためには料理が必要。青い虹色狛犬のなまりが、尻尾を振りながら美味しそうな果物の前に立っている。
「なまりちゃんはこれがいいの? マンゴーにパイナップルに……うん、どれも甘そうだねっ」
 しっかり熟したものを選ぶのはなまりの嗅覚のおかげだろう。
「これだけ新鮮なフルーツがあるのですから、やはりここはフルーツ大福が良さげでしょうか。バナナやアボカドもいいですね」
 事前にいろいろな種類の餡を作って持参してきた霓虹は、そう吉備に問いかける。普段はUDCアースで茶屋を営む二人にとっては、お供えやお花見にはお団子や大福がぴったりなことを知っている。
「うん、キビもそう思うよ! お花見にもPRにもなるし、船乗りちゃん達のお供えにも」
「そうですね。大福という和風な甘味と南国フルーツの融合はきっとミッシェル島にはまだなさそうですし、新たな名物として売り出しても面白いかもしれませんね」
「うんうん、一年中桜が咲いている島ならお花見し放題だし、大福はきっと人気出るよね!」
 そうして二人はフルーツ大福を作ることにして、料理に使っていいと言われていたミッシェル島産の南国フルーツをいくつか選んで調理場へと向かう。
「白餡は控えめな優しい甘さが、南国フルーツに相性抜群ですからね」
 事前に準備してきた餡を広げ、どのフルーツに合うか考えを巡らせる霓虹。
「霓虹ちゃんが作って来た白餡はマンゴー、パイナップルとか酸味が仄かにある果物の味を引き出すんだったよね?」
「はい、有名なところではいちご大福もですね。もちろん白餡以外もありますが」
「じゃあ……アボカドは甘めのノーマル餡かな?」
 そんな風に果物ごとに合う餡の種類を見極め、求肥で包んでいく。
 果物の大きさ、餡の量、求肥はぶ厚すぎず薄すぎず。フルーツ大福には計算された黄金比があるのだ。
「バナナにはチョコ餡だと思う! 霓虹ちゃんいっぱい作ってきてくれたんだね……ん? ひょっとして、白餡入りの中に味噌餡混じってたりしないよね?」
「ふふふ、さてどうでしょうかね?」
 そこは明言せず微笑みで応える霓虹に、吉備は食べてみてのお楽しみ? と首を傾げる。
「まぁ、フルーツ味噌大福と言うのもありますし、味噌餡の甘しょっぱさもフルーツと意外に相性良いですよ」
「まあ、合うのはわかるんだけど……ってこの流れは……」
 吉備がそう思って振り返った時には、器用にスリッパを持ったなまりが霓虹にばしっとツッコミを入れた後だった。
「違うんです。決して某郷土料理の布教の一環では……」
「まあ、いつも通りということで」
 相変わらずのなまりのツッコミはそっとしておくことにして、吉備は次々とフルーツ大福を完成させていくのだった。
「フルーツ大福といえば、その断面も綺麗だよね。船乗りちゃんにも楽しんでもらえないかな?」
 包丁を使うより、糸を使って切れば、形を損なわず美しい断面を見ることが出来るのだ。
「ええ、これは良いと思いますよ。もちろん宣伝にも」
 見るのも食べるのも楽しみなトロピカルスイーツが見事に出来上がったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
【🎀⚙】
はわ
飢えたまま……というのは、とてもおつらいと聞きます
はいっ、無念空腹を晴らすお手伝いです……!

『どこでもキャンプ』を使うと物持ちもよくなるかしら?
ニイヅキさん、積み込まれているフルーツと南国のお花を鉄甲船のデッキに飾りませんか?
香りにコンキスタドールさんも楽しんでくれるかしら

カットすればフルーツの瑞々しさに癒されますねぇ
魔法で凍らせてかき氷にします!
ですです
こんな日にぴったり!

普通のかき氷や、果物を凍らせて削った果汁100%のかき氷を
お供えしたら溶けてしまいますが
ニイヅキさんが盛り付けてくださったフルーツもいつの間にかなくなって…?
――私たちも、美味しくいただきましょう♪


尾花・ニイヅキ
【🎀⚙】
空腹のまま救助されなかっただなんて……そんなのなんて辛いんだ……!!

コンキスタドールになってしまうのも納得だ。
イロハ、彼らの無念空腹を少しでも晴らせるように頑張ろう!

飾り付け?なるほど、香りや見た目で楽しんで貰うのも大事だね!
よし、綺麗に飾るぞ!

かき氷!いいね、暖かくなってきてたまに暑い日もあるものね。
折角フルーツを使うんだ、パフェ風に盛り付けてみようか。
色々なフルーツがあるから見た目も華やかに出来そう。
カットの形もこだわってみよう。月や花の形にカットしてかき氷に添えればそれっぽくなるだろうか。

綺麗になくなってるということは、食べに来たのかもしれないな?
うん、僕たちも食べよう!



●優しさに花と香りを添えて
「空腹のまま救助されなかっただなんて……そんなのなんて辛いんだ……!!」
 グリモアベースでこの依頼の概要を聞いた時、尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)は心からそう思ったのだ。
 グリードオーシャンの海は異常な海流や気象で常に荒れ狂っているため、その船乗りも覚醒者として危険を承知で海を渡っていたのだろう。海に投げ出され、仲間とはぐれ、命こそとりとめたものの、その後も救助の手が伸びることはなく、何日も漂流し、空腹のまま息絶えたのだろうか。
「はわ……飢えたまま……というのは、とてもおつらいと聞きます」
 ニイヅキの言葉に冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)もその過酷さを想像し、悲しそうに表情を曇らせる。
「コンキスタドールになってしまうのも納得だ」
 ニイヅキは食べることが好きだ。ミレナリィドールである彼女は飲食物をエネルギーに変える機関を持つが、少々燃費が悪い。割といつもハラペコ状態ではあるのだが、それが些細なことに思えるほど、この船乗りの最期を思うとやるせなくなったのだろう。
「イロハ、彼らの無念空腹を少しでも晴らせるように頑張ろう!」
「はいっ、無念空腹を晴らすお手伝いです……!」
 そんな風に他人の痛みを理解してあげられるニイヅキの優しさと一生懸命さにイロハもまた優しい気持ちになりつつ、もちろんですと力強く拳をきゅっと握るのだった。
 それでは早速船乗りに捧げる料理と作ろうと、自由に使っていいと言われている南国フルーツを始めとした食材の保管庫へと向かう。
「わあ、南国フルーツがたくさん! どれも美味しそうですね」
「どれを使っても美味しいものが作れそうだな。あ、マンゴーもある!」
 宮崎で食べた美味しいマンゴーを思い出しながらニイヅキはそれを手に取って、他にも珍しいフルーツがどんな味だろうと想像を巡らせてみる。
「ニイヅキさん、積み込まれているフルーツと南国のお花を鉄甲船のデッキに飾りませんか?」
 イロハが指差した先には、果物と共に南国らしい華やかな花も積み込まれていて。香りにコンキスタドールさんも楽しんでくれるかしら、とイロハは呟き首を傾げる。
「飾り付け? なるほど、香りや見た目で楽しんで貰うのも大事だね!」
「はい、私たちもお食事する時に綺麗なお花があったら嬉しいですし」
「さすがイロハ! よし、綺麗に飾るぞ!」
 そうして二人はまずは鉄甲船の甲板の上を南国フルーツや花で飾っていく。
 同時にイロハはユーベルコードで辺り一帯をダメージが伴わない全ての行動が強化される空間へと変えておく。植物や食事にもきっと良い効果があることだろう。
「喜んでもらえるといいですね」
 美しく飾られたデッキを見て二人顔を見合わせてにっこり。次に調理場へと向かうと、イロハはまずは選んだ果物をカットしていく。
「はわ、フルーツの瑞々しさに癒されますねぇ」
 辺りに漂う甘い香りと溢れる果汁。これだけでも十分美味しそうだが、イロハが作るのは――。
「魔法で凍らせてかき氷にします!」
「かき氷! いいね、暖かくなってきてたまに暑い日もあるものね」
「ですです。こんな日にぴったり!」
 ミッシェル島は亜熱帯の気候なのか、出航した時は春にしては暑く感じたのだ。
 南国産の新鮮なフルーツを切ったものをそのまま凍らせ、それを削れば果汁100%のかき氷が出来上がる。
「すごい、こんなのもあるんだ!」
「ウフフ、素材が良いのでこれだけで充分美味しいんですよ。普通のかき氷もつくっていきますね」
 いつも持ち歩いている野外調理道具の中から愛らしいかき氷機を取り出しては、しゃこしゃこといい音を立てて削っていく。
「じゃあ折角フルーツを使うんだ、パフェ風に盛り付けてみようか」
「いいですね。ニイヅキさんお任せします」
「うん!」
 パイナップルは月に見立てて丸く切ったり、三日月型にしたり。赤い果肉のドラゴンフルーツは花型にくり抜いて。
「マンゴーもこうすると花びらみたいになるよね」
「わあ、とっても綺麗です♪」
 スターフルーツは切ってそのまま並べるだけでも美しい。
 色とりどり、美味しそうなかき氷たちが完成したところで、さてデッキに備えようと思ったのだが、件の海域に到着するのはもう少し先のようで。
「じゃあ、クーラーボックスに保管しておこうか」
 取っ手にリボンが巻かれた愛用のクーラーボックスにニイヅキが氷菓をしまうと、イロハに笑いかける。
「僕たち用にも作ってたし、先に味見させてもらおう!」
「そうですね。お先に、美味しくいただきましょう♪」
 きっとこの後に、例の船乗りの無念空腹が晴れ、同じように満たされてくれますようにと願いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
南国フルーツを売り込むのですわね、おまかせくださいませ!
ティータイムは欠かさないわたくし、スイーツ作りは得意ですの。

どうせなら思いっきり『映える』スイーツを作りたいですわね…
目に止まったのはスターフルーツ。これは映えスイーツにうってつけですわ!
映えといえば少し前に流行ったマリトッツォもいいかも…
丸くて柔らかいパンにたっぷりのマスカルポーネクリームと星型にスライスしたスターフルーツを挟めば星型の断面が可愛い映えスイーツが完成。
スターフルーツと他のフルーツを詰め込んだトロピカルフルーツティーも作りましょう。
さあ腹ペココンキスタドールさん、このトロピカルで映えるティータイムで成仏してくださいな。



●目にも楽しいティータイム
「南国フルーツを売り込むのですわね、おまかせくださいませ!」
 そう力強い言葉と共に鉄甲船に乗り込んだミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)の姿は、ミッシェル島から航海を共にしている海賊たちの目には、まさに大海原に現れたマーメイドプリンセスに見えたことだろう。
「ティータイムは欠かさないわたくし、スイーツ作りは得意ですの」
 宝石と恋バナとメイクが好きで、今はネイリストを目指す花盛りのミルナは、15時のお茶の時間を嗜むレディにして騎士。当然美味しい、流行のスイーツも知っているし、作るのも得意なのだ。
 乗組員たちに期待の目を向けられ、楽しみにしていると声をかけられたミルナは嬉しくなる。
(「わたくしもお母様のように人々の役に立てるのなら」)
 かつて世界を救った英雄を母に持つミルナはそう心の中で呟いて。年頃の少女ながら、しっかり騎士としての矜持を持つミルナは、自分の持てる力を惜しみなく発揮する。
「まあ、素晴らしいフルーツですわね。あとは、こちらをどうやってアピールするか……」
 見せてもらった南国フルーツはどれも品質が申し分なく、あとはどれだけより価値を高められるかだ。
「どうせなら思いっきり『映える』スイーツを作りたいですわね……」
 そうすれば人目を引くし、より多くの人に興味を持ってもらえるだろう。
「でしたら……」
 そんなミルナの目に留まったのは、カットすると星型になるスターフルーツ。
「これは映えスイーツにうってつけですわ!」
 大きく頷き、そうしてこれがさらに映えそうなスイーツを思い出す。
「映えといえば少し前に流行ったマリトッツォもいいかも……」
 瞬時に映えスイーツのレシピが閃いたミルナは早速、好きに使っていいと用意されていた食材の中から丸くて柔らかいパンを選ぶ。
 調理場に移動し、マスカルポーネチーズに砂糖や生クリームを加え混ぜ、マスカルポーネクリームを作っていく。
「丸いパンに切り込みを入れて、マスカルポーネクリームをたっぷり詰めて……」
 そうしてクリーム部分に星型に切ったスターフルーツを盛りつければ。
「星型の断面が可愛い映えスイーツが完成ですわ!」
 けれどこれで終わりではない。ティータイムには紅茶も必要だから。
「スターフルーツと他のフルーツを詰め込んだトロピカルフルーツティーも作りましょう」
 マンゴー、キウイ、パイナップル。オレンジやベリーも入れて彩りよく。カットしたフルーツを透明なガラスのティーポットに入れれば、それだけでこれも映える一品。
 新鮮な果物がたくさん詰め込まれた見た目も味も楽しめる、ティータイムメニューの完成だ。これは伝説の島に着いた時に、南国フルーツを売り込むためにも前面に推していきたいところだが……その前に。
「さあ腹ペココンキスタドールさん、このトロピカルで映えるティータイムで成仏してくださいな」
 まずはこの先の航路を阻むというコンキスタドールへと、魅惑のティータイムメニューを捧げるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

デイジー・クゼ
【シーアクオンズ】
銅板の熱伝導率ゆえに均一に火が通って、綺麗な焼き色も出来るし
ふっくらしっとりと焼き上がるんニャよ

【情報収集&グルメ知識】にも
バナナ入れたカステラボールはあったし、白餡はマンゴーやパパイアやバナナと相性良いからニャ

苺は今回除外として、ヒナスミちゃんも同じ事言いたいんニャろうなぁ

と言いつつ、ルインクちゃんと南国フルーツ入りカステラボールを銅板で【料理】するんニャよ

屋台も【メカニック】で作って持参してるからニャ、試運転ついでに銅板にカステラ生地流して白餡とマンゴー、バナナ、パパイア、キウイを入れてクルクル。これをお供え……

パパイアとキウイのフルーツ飴も、良いかもニャ

[アドリブ歓迎]


ルインク・クゼ
【シーアクオンズ】
船乗りさんが遭難し、コンキスタドールになって船を脅かす、生前ひもじい思いをしながらとなると

……余計に悲惨やと思うなぁ

『ぶぅぷーっ!(携帯用《明石焼き調理料理道具一式》の銅板を持って)』

お供えと花見と南国船フルーツの宣伝かねて、何か作るんは賛成やけどフルーツたこ焼きでも作るん?

銅板の熱伝導率はポットケーキとかにも応用出来る話は【グルメ知識&情報収集】で耳にした事あるな

お義姉ちゃんの言う通り、南国フルーツ入りのカステラボール色々【料理】してお供えや花見や宣伝に利用するんも良い手やね

カステラ生地にバナナ、マンゴー、パパイア、キウイ……それぞれに白餡も一緒に入れるん?

[アドリブ歓迎]



●温もりを伝えて
「船乗りさんが遭難し、コンキスタドールになって船を脅かす、かぁ……」
 たくさんの南国フルーツを積み込んだ鉄甲船に乗り込んだルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)は、グリモアベースで聞いた話を思い出しては表情を曇らせる。
 ルインクが育った明石市も漁が盛んな海の街。ご当地ヒーローとして、明石のシーアクオンとして、海でそういった事件が起こっているのは見過ごせないのだろう。
「生前ひもじい思いをしながらとなると……余計に悲惨やと思うなぁ」
 グリードオーシャンの海は決して穏やかではなく、渡航が容易でないことはわかる。覚悟を持って臨んだ航海だったとしても、その最期が辛いものだったことはやりきれない。
「ルインクちゃん、わたし達がその無念を晴らすために美味しいものを作るニャよ」
 ルインクの義理の姉であるデイジー・クゼ(シーアクオン弐號と書いてニャゴウ・f27662)が励ますようにそう言っては紫の毛並みの尻尾を揺らす。料理で力になれるのならそれは願ったりというもの。
「そうやね、お義姉ちゃん。ここは出張版『すこてぃっしゅ』開店といこうか」
『ぷぅぷーっ!』
 デイジーがかけてくれた優しい言葉にルインクがそう返して笑顔を見せると、良いタイミングでジャイアントオクトパスのヒナスミが明石焼き調理道具一式の銅板を二人にアピールする。
「ヒナスミちゃんもやる気満々やね。そうやね、確かこのあと南国フルーツの売り込みも必要やったはず。お供えと花見と宣伝をかねて、何か作るんは賛成やけど……フルーツたこ焼きでも作るん?」
『ぷっぷぷぅ!』
 ヒナスミは首を横に振って銅板を誇らしげに掲げる。この銅板は明石焼きを焼く以外にも使い道があるのだと言いたげに。
「ここはやっぱり特産のフルーツを使うのがいいと思うニャから、南国フルーツ入りカステラボールを銅板で作るのがいいと思うんニャよ」
 ヒナスミの意図を汲んだデイジーがそう言えば、ヒナスミは銅板を持っていない手でその通りと言うように丸を作って見せる。
「そっかカステラボール……銅板の熱伝導率はホットケーキとかにも応用出来る話は耳にした事あるな」
「そうニャよ。銅板の熱伝導率ゆえに均一に火が通って、綺麗な焼き色も出来るし、ふっくらしっとりと焼き上がるんニャよ」
 明石焼きのあの柔らかさを生み出すのは、ひとえにこの銅板の力ともいえる。その銅板でカステラボールを作れば出来上がりの素晴らしさは容易に想像できるというもの。
「それは絶対美味しいやろうし、一口大で食べやすいから、お花見にもぴったりやね。果物は何入れるん?」
 ルインクもその美味しさに太鼓判を押し、そうして多くの南国フルーツの中から何を選ぶのかと興味深そうにデイジーに訊ねる。
「わたしが仕入れた情報では、バナナ入れたカステラボールはあったし、白餡はマンゴーやパパイアやバナナと相性良いからニャ」
「うん、白餡に合うやろうね」
「南国フルーツを使うから、苺は今回除外として……」
 デイジーがそう言うと、ヒナスミは銅板を持って早く焼きたそうにしている。
「ほんなら練習も兼ねて早速作ろか」
「そうニャね。向こうでお客さんの前で焼くのもやりたいし……屋台も作って持参してるからニャ。試運転ついでに銅板で焼いてみるニャよ」
 そうして二人とヒナスミはカステラボールに入れる南国フルーツを選んでは、鉄甲船内の調理場で火にかけた銅板にカステラ生地を流していく。
「カステラ生地にバナナ、マンゴー、パパイア、キウイ……それぞれに白餡も一緒に入れるん?」
 ちょうどいい大きさにカットした南国フルーツをカステラ生地の上に入れるべくスタンバイ。
「そうそう白餡も一緒ニャね。少し固まってきたらこう、クルクルと……」
『ぷぅーっ!』
 ヒナスミも張り切って、一緒に生地をクルクルしている。
「ヒナスミちゃん、上手上手。いい色に焼けてきたね」
 デイジーが言った通り、均一に火が通り、ふっくらかつしっとりとした焼き上がりだ。
「これは人気出そうやね」
『ぷぅぷーっ!』
「試運転はばっちりニャね。あとは……パパイアとキウイのフルーツ飴も、良いかもニャ」
 食べ歩きにもぴったりな南国スイーツもお花見にもってこいだろう。
 砂糖を鍋で煮詰め、コーティング用の飴を作り、串に刺したフルーツにかければ完成だ。
「準備はばっちり、やね。これは遭難した船乗りさんに美味しく食べてもらわなね」
「無念を晴らしてあげるのニャ」
『ぷぅーっ!』
 心のこもった美味しい料理はきっとひもじい思いをしたコンキスタドールの心を癒してくれるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
「…むぅ…ぅ…ぅ…」
そうだった…。この世界は暑かったな…。忘れていた…。
甲板の中で一番風通しが良く陰が多い場所にいるが暑い。
久々のグリードオーシャンで身体が気温に追い付かない。
かなり通気性のある薄い生地で身を包んでいるんだがな。
…許可を得てハンモックで休んでいるが正直しんどい…。
「…この世界は…苦手だ、私は…」
限界突破した全力魔法の高速詠唱で【凍てつく波動】行使。
船の機器に影響がないように気を払いつつ私の周囲を冷やす。
暫くすると私の周囲が適温になったようで…心地よく…て…。
「…む?」
起こされたのは遠くから聞こえてくる私を探す露の声。
遠くにいてもよく通る澄んだ声だな。あの子の声は。
…何?…料理を…そうだった。そういう仕事だったな。
眠気を少し強引に払いながら考えて。氷菓子に決めた。
「軽い舌触りと美味しさがあるジェラートが最適だ」
フルーツが豊富な島のようだし納涼にとてもいいだろう。
輸送は困難だろうが島の名物になるんじゃないだろうか。
実際私も食べたい。今すぐ作ろう。


神坂・露
レーちゃん(f14377)
わーい♪久しぶりのグリードオーシャンだわ。だわ♪
潮風がとっても気持ちよくって素敵だわ。素敵よね♪
船の先で風浴びてうーんって背筋伸ばして深呼吸よ♪
「磯の香に潮風が、気持ちがいいわ~♪」
あれ?…そーいえばレーちゃんってどこいったんだろ?
このお船に一緒に乗ったしどこかにいるはずだけど…。

「あのねあのね。レーちゃん見かけなかったかしら?」
鉄甲船の内部をウロウロしてるクルーさん達に聞いてみる。
一人二人じゃあなくって会ったクルーさん全員に聞くわね。
勿論だけどあたしも彼方此方船の中を探してみるわよ~。
「そっか♪ ありがとー。行ってみるわね♪」
教えてくれた場所へ進むと…♪段々涼しくなってきたわね。
あ❤やっと逢えたわ。逢えたわ。わーい♪レーちゃん♪
ダレてて寝起きのレーちゃんも可愛いわ。えへへ~♪

お仕事の相談したら少し考えてからジェラートって。
わぁ~♪この気温ならぴったりかもしれないわね!
凄く率先して行動しよーとするのは暑さの所為かしら?
ふふふ♪暑さに弱いところも可愛いわ。



●熱気と納涼氷菓
 青い空、白い雲。どこまでも広がる紺碧の海。
「わーい♪ 久しぶりのグリードオーシャンだわ。だわ♪」
 鉄甲船の先端の甲板から大海原を眺めていた神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)は、長い銀色の髪を揺らす潮風に目を細める。
「磯の香に潮風が、気持ちがいいわ~♪」
 海特有の香りを胸いっぱいに吸い込んで、両手と背筋を伸ばして深呼吸。これは船でしか味わえない貴重な時間。
「そういえばこの前もアワジシマで遊覧船に乗って渦潮を見たんだったわ」
 秋の淡路島観光のことを思い出し、巡る季節を感じる露。あの時は観光だったけれど、今日はこの船は交易品を積んでまだ見ぬ島を目指しているのだ。
「確か南国のフルーツを積んで出発したのよね。今は春だけど、まるで夏みたいにあったかかったわね♪ 次は桜が咲いている島に行くって言うから楽しみだわ。だって、レーちゃんは桜が好きだし……」
 そこで露は、はたと気づくと辺りを見渡した。
「あれ? ……そーいえばレーちゃんってどこいったんだろ?」
 もちろん二人は今日も一緒。船にも一緒に乗り込んだが、船旅にはしゃぐ露の後に一緒についてこなかったようだ。
 しっかり潮風を満喫したところで、露は親友を探しに向かう。
「あのねあのね。レーちゃん見かけなかったかしら?」
 ミッシェル島から積み荷と一緒に乗り込んでいた海賊たちに外見の特徴を伝えて聞いてみる。
 最初はわからないという返答があったものの、露もいそうな場所を覗き込んだり、出会う人物全員に訊ねて行けば、少しずつ情報が得られて。
 どうやら船の片隅で休んでるようだ。
「そっか♪ ありがとー。行ってみるわね♪」
 持ち前の明るい笑顔でお礼を言って手を振ると、露は教えてもらった場所へと向かうのだった。

 時間は少し巻き戻り、ミッシェル島から出航し、露が船旅にはしゃいで船の先端の甲板へ向かった後。
「……むぅ……ぅ……ぅ……」
 眩しい太陽を恨めしそうに見上げたシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は、その暑さに参っていた。
(「そうだった……。この世界は暑かったな……。忘れていた……」)
 島によって気候もいろいろだろうが、南国フルーツ栽培が盛んなミッシェル島は春でも温暖な気候であり、まだこの辺りも温かい。日常的に吹雪が吹き荒れていたような極寒の地出身のシビラにはそれだけで堪えるのだ。
(「もちろん、厚着などしていないのだが……」)
 シビラもきちんと通気性のある薄い生地の衣服を着るなど対策はしてきたのだ。それに今も甲板の中でも一番風通しが良くて陰が多い場所にいるというのに、とにかく暑い。
 露と同じく、シビラにとっても久々のグリードオーシャン。少し前まで冬だったこともあり、この気温に身体が追いついていないのだ。
「……この世界は……苦手だ、私は……」
 横になりたくて場所を探せば、ハンモックがあるのでそれで休んでいいと言ってもらえたので、シビラはそこで横たわっている。それでも身体が熱っぽく感じられる暑さにぐったりとして、身体がついていかない。
 このままでは何もできないと、シビラは暑さを解消するため魔法を詠唱する。暑さでぐったりしていても、シビラの魔力が弱まることはなく、しっかりと冷気で辺りが冷えていく。
(「むろん、船の機器に影響がないように気をつけているが……」)
 徐々にひんやりとしてきた空気に、シビラはようやくふうと息を吐き出した。うだるような暑さから熱と湿度が消え、あたりはようやくシビラにとって適温になってきた。
 これで少し休憩すれば大丈夫だろう。そう思い、その心地よさに目を瞑りかけたのだが。
「レーちゃーん! レーちゃんどこー?」
 聞きなれた声が耳に届く。遠くにいてもよく通る澄んだ露の声。馴染みの声が徐々に近くから聞こえてくる。
「……む?」
 仕方なく目を開ければ、ようやくこちらを見つけた露がぱっと顔を輝かせてやってくるのが見えた。
「あ❤ やっと逢えたわ。逢えたわ。わーい♪ レーちゃん♪」
 こちらがばてていようとお構いなし。ハンモックに寝転んでいるシビラの腕をむぎゅっと掴んで抱きしめた露は嬉しそうに頬ずりしている。
「レーちゃんの周りだけ涼しいわ♪ 魔法で冷やしたの? あ、暑かったのね! レーちゃん暑さに弱いから」
「この世界が暑いことを忘れていたんだ……」
 ぐったりした様子のシビラは珍しい。だが、そんな貴重な姿が露には愛おしく思えてますますぎゅむむっと抱きしめる。
「ダレてて寝起きのレーちゃんも可愛いわ。えへへ~♪」
「……」
 少し涼しくなったとはいえ、体力を奪われて疲れているシビラはあまり言い返す気力がなく黙ってされるがままにしている。
「じゃあじゃあ、こんなに暑いなら冷たいものがいいかしらね?」
 レーちゃんはどう思う? とにこにこと訊ねてくる露の言葉に、シビラは不思議そうに問い返す。
「……何がだ?」
「船に乗ってる間に、海で遭難しちゃった船乗りさんに料理を作るお仕事もあったでしょ?」
「……料理を……そうだった。そういう仕事だったな」
 暑さのせいですっかり抜け落ちていたが、確かそういう依頼だったとシビラは思い出す。気だるさと眠気を追い払いながら頭を働かせる。
「ふむ……冷たいもの。ならば、軽い舌触りと美味しさがあるジェラートが最適だ」
「ま、ジェラート! わぁ~♪ この気温ならぴったりかもしれないわね!」
「フルーツが豊富な島のようだし素材はいくらでもありそうだ。納涼にもとてもいいだろう」
 確かコンキスタドールに捧げる以外にも、交易先で南国フルーツを宣伝するためにも料理は大事だと言っていた。
「そうね、フルーツとジェラートって合うもの。きっと喜ばれるわ♪」
「輸送は困難だろうが島の名物になるんじゃないだろうか」
 ジェラートとしての輸送は困難でも、南国フルーツを使ったデザートの一例として挙げるだけでもミッシェル島のフルーツのPRになるし、きっと喜ばれることだろう。
「実際私も食べたい。今すぐ作ろう」
 先程まで気だるげだったシビラがいち早く動こうとする様子を露は不思議そうに見つめて首を傾げる。
(「凄く率先して行動しよーとするのは暑さの所為かしら?」)
 少しでも涼しくなりたいという気持ちがあるのだろう。
「ふふふ♪ 暑さに弱いところも可愛いわ」
 そう言って露が抱きつけば、シビラはちょっと迷惑そうな顔をする。
「くっつくと余計暑いだろう」
「ジェラートを食べたら涼しくなるでしょ? じゃあじゃあ、ジェラートはあたしが食べさせてあげるからね♪」
「本当に、君はいつも元気だな……」
 ちょっと羨ましそうな視線を送りながら、シビラは涼しさを求めてジェラート作りを開始するのだった。


●船乗りに捧ぐ料理
 ミッシェル島の特産物を乗せ、鉄甲船は伝説の島を目指していた。
 その途中にある海峡では、コンキスタドールと化した船乗りが船を惑わし、通行を妨げているのだという。
 そこに近づくにつれ、正確に方位を示していた羅針盤がくるくると乱れ始め、方角がわからなくなる。
 船の先端の甲板は、南国フルーツや花で飾られ、そこに猟兵たちが用意した料理がずらりと並べられていた。
 ひとつひとつ丁寧にカットして、様々な種類を並べたフルーツ盛り合わせに、船乗りに相応しい星空をイメージした南国風サラダ。アボカドとバナナを使ったハワイアンなめろうに、乾煎りしたきのこが香ばしいバナナマフィン。南国フルーツにあんことクリームチーズを包んで揚げたスイーツ餃子に、南国フルーツたっぷりの餃子のあんみつ。
 見た目も色鮮やかで、フルーツソースも絶品の南国フルーツと鮮魚のカルパッチョ。断面も美しい、餡と果物のハーモニーが際立つフルーツ大福。素材の美味しさを活かした果汁100%のかき氷に、新鮮なフルーツを盛り合わせたパフェ風かき氷。
 一際映えるのは、星を抱いたマリトッツォに、カットフルーツがゴロゴロ入ったトロピカルフルーツティー。南国フルーツ入りのカステラボールは、白餡とも相性抜群でふっくらしっとり。そして軽い舌触りが絶品のフルーツジェラート。
 どの料理もミッシェル島の特産のフルーツが使われており、作り手の美味しく食べて欲しいという想いが込められている。
 荒れた海により、船体は大きく揺れるが、不思議と料理がひっくり返ることはなかった。
 一際強い風が船上に吹きつけたかと思えば、次の瞬間甲板に用意されていた料理が食器を残して消えていた。ひとつも残すことなく美味しく平らげたとでも言うように。
 嵐のような風の音に交じり、美味しかったという感謝の言葉が聞こえた気がした。
 段々と荒れた海は穏やかになり、羅針盤の針も正しい方角を示す。
 今まで頑として船を通さなかった海域へと進んだ鉄甲船は、一路伝説の島へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『島を楽しみつくそう』

POW   :    島特有の食事を楽しむ。

SPD   :    島特有の景色を楽しむ。

WIZ   :    島特有の花や自然を楽しむ。

👑5
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●桜舞う伝説の島へ
 初めて向かう航路の先には、伝説と謳われている島。
 遠目から見てもわかる島全体を覆う薄紅色は、年中島で咲いているという桜だろう。
 荒れ狂った海を越え、長い航海をしてきた者ならば、この世のものとは思えない美しさに、黄泉にでも迷い込んだのかと思ってしまいそうだ。
 コンキスタドールが進路を阻んでいたこともあり、長い間その島を訪れる者はいなかったが、決して他島との交流を避けているわけではない。
 久方ぶりに訪れたよそからの船を見つけた港に立つ船乗りは、大きく手を振ると、ミッシェル島からの鉄甲船を歓迎したのだった。

 島の名前は桜雲おううん島。たくさんの桜の花が咲いている様が雲のように見えることから生まれた言葉だが、まさにこの島を表すのにぴったりの名前だった。
 ミッシェル島からやってきた海賊たちが南国フルーツを手土産に早速交渉に乗り出す。
 他の島民たちも久しぶりの来客を物珍しそうに見ていたが、この島を楽しんで欲しいと猟兵たちを歓迎する。
 たくさんの桜の木が植えられた広場では、この島の名産も売られているようだ。特に人気なのが、桜の葉と花びらの塩漬けを使用した桜のおにぎり。見た目と桜の香りが楽しめる一品。他にも花霞と呼ばれる甘味もおすすめだ。下は抹茶のムース、上は塩漬けの桜の花びらを透明な寒天に閉じ込めた目にも楽しいスイーツだ。
 現地の食事を楽しむもよし、鉄甲船で作った料理を持ち込んで食べるのもよし。屋台を出す許可ももらっているので、現地の人々に何か料理を振舞うのもいいだろう。
 満開の桜の木の下で、思い思いに花見を楽しむことが、二つの島を繋ぐ力になるだろう。
エディーネ・ガルーシャ
ああ、やはり素敵な島ですね。
桜、というのは初めて見ましたけれど…ふふ、良い色。

せっかくなので、その人気の『桜のおにぎり』をいただきます。
目で見ても楽しめるのに、こうして味でも楽しめるなんて…!
塩漬けの葉と花びら、というのもなかなかに。海が近く塩が手に入りやすいから、出来たものでしょうか…?
(森の近くに岩塩坑もないので、けっこう塩が貴重品なエルフ)
はふはふ。ふふ、美味しい…。このお飲み物は、抹茶かしら。それとも、緑茶…?

ええ、花見をしながら、こうして現地のものを食す。
とても貴重で、贅沢な体験です。



●桜色の時間
 初めての船旅はわくわくの連続だった。
 鉄甲船から一目見た桜雲おううん島の薄紅色に染まった外観も美しかったけれど、こうして上陸して、桜の木の下を歩いていると、またその素晴らしさに思わずため息が出る。
「ああ、やはり素敵な島ですね」
 事前に想像していた以上の素晴らしさに、エディーネ・ガルーシャ(鬼道精霊術士・f43032)は柔らかい微笑みを浮かべる。目の前の桜にも似た彼女のピンクローズの瞳が、初めて見る美しい景色を前にきらきらと輝いていた。
 歩いていれば、はらはらと花弁が舞い降りてきて、エディーネはそっと手を差し出す。
「桜、というのは初めて見ましたけれど……ふふ、良い色」
 手のひらにふわり舞い降りた花弁の優しい色に目を細める。
 辺りを見渡せば、桜の木の下で敷物を敷いて食事をとる人や、ベンチに腰掛けて桜を眺めている人など、島民にとってもこうして桜を眺めるひとときは日常的な癒しの時間なのだろう。
「お姉さん、外から来た人かい?」
 エディーネに向かって声をかけて来たのは、ここで出店を出している年配の女性だった。
「はい、島の外から参りました」
「この島に外からの人が来るなんて何年ぶりだろうねえ。みんな歓迎してるよ。良かったら、うちの名物食べていくかい?」
「はい、せっかくですし。ぜひ」
 お代はいらないよ! と上機嫌で桜のおにぎりとお茶を手渡してくれた女性に礼を述べ、エディーネは出店の近くにテーブルと椅子があるのを見つけ、そこでいただくことにした。
 一口大の丸いおにぎりに塩漬けされた桜の葉っぱが海苔代わりに巻かれ、ちょこんと塩漬けの桜の花びらが飾られている。
「目で見ても楽しめるのに、こうして味でも楽しめるなんて……!」
 食べられる花……エディブルフラワーというのはあって、料理が得意なエディーネも飾り付けに使うことはあるけれど、これは一体どんな味なのだろうかとわくわくしながらおにぎりを一口。
「まあ……いい香り」
 塩漬けにすることで桜特有の香りが強くなるようで、その香気と塩味、昆布で出汁をとって炊いたご飯を握ったおにぎりの深い味わいが興味深い。
「塩漬けの葉と花びら、というのもなかなかに」
 この塩加減がおにぎりにぴったりだ。おにぎりは他にも、桜でんぶを使った甘くてほんのりピンク色をしたものや、枝豆やごまの入ったものなどもある。そのどれもに葉と花の塩漬けが使われている。
「海が近く塩が手に入りやすいから、出来たものでしょうか……?」
 それらを順番に美味しくいただきながら、エディーネはそんな考察をする。
 森の奥深くで暮らすエルフのエディーネにとっては、近くに岩塩坑もないので、塩は貴重な調味料でもあった。塩は海水から作ることができるので、グリードオーシャンのような海に囲まれた島国では生産も難しくないのだろう。
 そんなことを考えながらも、おにぎりの美味しさに思わず笑みがこぼれる。一緒に渡してもらった飲み物は美しい緑色をしていて。
「このお飲み物は、抹茶かしら。それとも、緑茶……?」
 そう思いながら飲めばほんのりと桜の風味を感じる。茶葉に桜の葉と花を混ぜた桜緑茶のようだ。
「きっとこれもこの島の名物なのでしょうね」
 長年この島の人々に愛されてきた料理。それを現地で満開の桜を見ながら食すということ。森での暮らしも精霊術士としては性に合っているけれど、こういった体験も貴重で贅沢だと思うエディーネだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
【🐟️×🍄×🥟】
あっ、エミリさんその頭は南国フルーツのスイーツ餃子の……アメリさんは、この状態のエミリさんを見るのは初めてでしたね

アメリさんも対抗アピールをですか?
では簡易的な【メカニック&武器改造】ですが、ランさんにバナナ型のミニ鎧装を取り付けて、アメリさんはマシュマリッパーを頭に被るのは如何でしょう?

食材は簡易冷蔵庫やクーラーBOXに入れて、屋台に来たお客様に鮪を捌き、バナナやアボカド等を使い『早業&料理&パフォーマンス』で作りパンに挟み勧めましょう

二人のもお勧めですが、此方のも
如何でしょう?鮪とバナナとアボカドは
意外にも合うので、騙されたと思って

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


エミリロット・エカルネージュ
【🐟️×🍄×🥟】
ここが桜雲島かぁ、名前通り絶景だね
……ビスちゃんが引き続きその格好ならボクもUC発動させて、生地もオレンジのマンゴー餃子怪人に

そう言えば、この姿も初めて見せるね
アピールに盛ってこいかなって
アメリちゃんは、成る程…ビスちゃん
バナナと茸のマフィンにあやかって

うん、絵にはなってるね
アメリちゃんもランくんも

ボクもマンゴー餃子やバナナ餃子とか『早業&料理&パフォーマンス』したり『属性攻撃(冷風)&気功法』で冷ましてアピール出来るけどアメリちゃんなら、属性攻撃と結界術とかの併用で疑似オーブンやってみるのどうかな?

焼けてる様子も、良いアピールになると思うんだ

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


アメリ・ハーベスティア
【🐟️×🍄×🥟】
この桜の雲な絶景の元なら、とても屋台日和ですね

『屋台の許可を取って良かったね、ビスマスが気合いが入っているのもだし、エミリも……頭が餃子?』

ふぇ!?エミリちゃんの頭が餃子になってるのですっ!

確かにアピールとして凄いのですが、アメリも考えてくれば……わわっ!ランちゃんにバナナの良くに似合ってるのです

アメリも変身系はその内考えなければなりませんが、ビスちゃんのアドバイス通り、マシュマリッパーを被って

『属性攻撃(火)&結界術』での疑似オーブン、確か……いつぞや試した事がありますが、確かにバナナと茸のマフィンを『料理』する時、良いアピールになるかもです

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



●絶景の桜と屋台日和
「ここが桜雲島かぁ、名前通り絶景だね」
 コンキスタドールが足止めしている海域を越え、鉄甲船が辿り着いたのは、伝説の島と呼ばれていた桜雲おううん島。
 サクラミラージュから落ちてきたらしき島全域に満開の桜が咲いている様子を、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は眩しそうに見つめるのだった。
「はい、この絶景に相応しい料理をわたしたちが提供すると思うと……腕が鳴りますね」
 同じように舞い散る桜を目を細めて眺めていたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、これから作る料理がこの島の人々にも気に入ってもらえるといいなと思うのだった。
「この桜の雲な絶景の元なら、とても屋台日和ですね」
『屋台の許可を取って良かったね』
 故郷であるブルーアルカディアで見る雲海とはまた違う美しさに、アメリ・ハーベスティア(キノコ好きの「よいこ」な地竜の末裔・f38550)も、うきうきとした気持ちを抑えきれないようだ。相棒の子犬サイズのラングリフも三人の気合の入った様子を頼もし気に見ている。
 花より団子という言葉もあるように、美しい花と食べ物は切っても切り離せない関係。この島の人にとっては、一年中見ることができる花より、遠い島から運ばれてきた南国フルーツに興味を惹かれることだろう。
「わたしが作るのは、もちろんハワイアンなめろうです」
「そうだよね、だってビスちゃん、引き続きその格好だし」
 ハワイアンなめろうを体現する、マグロ、アボカド、バナナの三種の鎧装姿のビスマスを見てエミリロットは頷く。
「でもそれいいよね。目立ってアピールにもなるし、ならボクは……こうかな」
 ビスマスに触発されたエミリロットは、ユーベルコードを発動させると、肉体を餃子のご当地怪人に変化させる。様々な種類のご当地怪人に変身することが出来るのだが、今日はオレンジ色の生地のマンゴー餃子怪人だ。
「ふぇ!? エミリちゃんの頭が餃子になってるのですっ!」
『ビスマスが気合いが入っていると思ったけど……エミリも……頭が餃子?』
 餃子怪人になるとは、すなわち頭部が餃子そのものになることなのだ。アルダワのハロウィンでチョコ餃子怪人になったこともあるエミリロットだが、アメリは初めて見るその様子に驚いていた。
「あっ、エミリさんその頭は南国フルーツのスイーツ餃子の……アメリさんは、この状態のエミリさんを見るのは初めてでしたね」
 見慣れた様子のビスマスは、それが何の餃子かすぐさま理解し、驚いているアメリに微笑みかける。
「この姿のエミリさんも人気なんですよ。マスコットっぽくなりますからね」
「そう言えば、この姿も初めて見せるね。ビスちゃんの言う通り、アピールにもってこいかなって思ってね」
 この姿は人目を引くし、確かに怪人とはいえ、アース世界におけるゆるキャラ的な可愛らしさがある。
「確かにアピールとして凄いのですが、それならアメリも考えてくれば……」
『そうだね、アメリにも何かあればよかったね』
 二人が料理以外のアピールに成功している今、アメリも何か考えてくればよかったと後悔するのだった。
「アメリさんも対抗アピールをですか?」
 微笑まし気にアメリとラングリフの様子を見守っていたビスマスは、すぐにいいアイデアを思いつく。
「では簡易的なメカニックと武器改造を活かした方法ですが……ランさんにバナナ型のミニ鎧装を取り付けて、アメリさんはマシュマリッパーを頭に被るのは如何でしょう?」
 言いながらすぐにビスマスはラングリフを手招くと、その身体のサイズに合ったバナナ型の鎧装を取り付ける。
「わっ! ランちゃんにバナナの良く似合ってるのです!」
『ロブスターライズも良かったけど……これもなかなかだね』
 ラングリフも、身につけた鎧装を確認してはどこか誇らしげだ。
「アメリも変身系はその内考えなければなりませんが……」
 今後このような場面がまたやって来ることを想定し、アメリも何か用意しておこうと思うが、今日の所はビスマスにアドバイスを受けた通り、スーパーよいこランドのきのこの力を秘めたキノコ帽であるマシュマリッパーを被ってみる。
「どうでしょうか?」
「うん、絵にはなってるね。アメリちゃんもランくんも」
「はい、これで料理のアピールも出来ますしね」
「成る程……ビスちゃんよく考えたね。アメリちゃんのバナナと茸のマフィンにあやかってのセレクトだね」
「ふふふ、その通りです」
 三者三様の姿でそれぞれの料理をアピールする準備がととのえば、いよいよお客様への提供だ。
「ライブ感も大事ですからね。わたしはお客様の前でマグロを捌いて行きます」
「いいね、ボクもパフォーマンスを取り入れていこうっと」
 屋台は、島の人たちからいい場所を提供してもらったので、人目もつき、自然と人が集まってくる。
「今から解体ショーとハワイアンなめろうの料理を行っていきます。すぐ仕上げるので、ぜひ食べていってくださいね」
 そう言ってビスマスは傷まないようにクーラーボックスに入れてきたマグロを客の目の前で捌いていく。
「こっちは南国フルーツを使った餃子だよ」
 まずはマンゴーやバナナをカットするところから見せ始めたエミリロット。鮮やかな手際のマンゴーの花咲カットだけでも客は引き込まれる。
「見てるだけでも楽しいけど……食べてみたいね」
「わわ、二人ともすごいのです」
 バナナをフォークで潰し、乾煎りしたきのこや材料と混ぜていたアメリは二人の人を引きこむパフォーマンスの多彩さに驚かされる。
「そうだね、アメリちゃんなら……属性攻撃と結界術とかの併用で疑似オーブンやってみるのどうかな?」
『アメリ、やってみようよ!』
 ラングリフがバナナの体を揺らしてアメリを後押しする。
「はわ、疑似オーブンなのです? 確か……いつぞや試した事がありますが、確かにバナナと茸のマフィンを料理するのに、良いアピールになるかもです」
「そうそう、焼けてる様子も、良いアピールになると思うんだ」
 エミリロットの助言を受け、アメリは観客の目を楽しませるパフォーマンスを行う。
「わ、すごい!」
「いい香りがする~」
 その様子を見ながら、気功法を用いて揚げたての餃子を冷風で冷ましていたエミリロットもにっこり。
「さあ、こちらは完成です」
 ビスマスが作り上げたハワイアンなめろうは、食べやすいようにパンに挟んで、興味を持った島民たちへと勧めていく。
「はーい、南国フルーツのスイーツ餃子の完成だよ! フルーツ以外にもあんこやクリームチーズも入ってるからね」
 エミリロットのスイーツ餃子は特に女の子に大人気。
「アメリのバナナとキノコのマフィンも完成なのです。ナッツのような香ばしさを味わってほしいのです」
「わ、ほんと香ばしい。これがきのこなの?」
 驚きと美味しさに目を丸くする人々を見て、アメリはラングリフと顔を見合わせ笑い合う。
「二人のもお勧めですが、此方のも如何でしょう? マグロとバナナとアボカドは意外にも合うので、騙されたと思って」
 これだけ美味しいものを提供してくれる屋台の味を信じた様子の島民は、騙されたというよりは、期待をこめてハワイアンなめろうサンドを口にする。
「美味しい!」
 その笑顔を見れば、心から喜んでいることが伝わって。
「交易が上手くいけば、これからもミッシェル島のフルーツがたくさんこの島にやってきますよ」
「うん、みんなも南国フルーツを使って料理出来るようになるよ」
「皆さんからもよろしく伝えて欲しいのです」
 きっと交易の話し合いは上手くいくだろうけど、この島で南国フルーツとその料理がこれからも末永く愛されるようにと、三人は願うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

小雉子・吉備
【蛟】
桜の雲かぁ……この辺りなら
良く見えて絶景かなっ?
屋台はこの辺、茶屋らしく
日傘と椅子とかはこの辺っ!

現地の名物も食べたいけど
先ずはアピール兼ねて
出張茶屋が先だよね

茶屋処・吉備男出張茶屋だよう!
メニューの目玉は船で船乗りちゃん達の成仏の為に作った南国フルーツ大福
糸切りをしてお客ちゃんに断面アピール

こちらが南国フルーツ大福の断面
マンゴーにパパイアには白餡
バナナはチョコ餡
アボカドは甘めのこし餡と一緒に入ってるけど、良かったら試食どうかな?

気に入ってくれたら、お茶も一緒に
……彩虹ちゃん、背中にタンクと蛇口
もしかして、お客ちゃんへのお茶出し?

あっ、またなまりちゃんったら

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]


蒼・霓虹
【蛟】
確かに、主張茶屋としては好条件ですよね、南国フルーツのアピールも主目的ですし、現地の名物は仕事が終わった後に致しましょう

お客様がいらっしゃったら、接待しつつ吉備ちゃん、フルーツ大福の断面を糸切り宜しくお願いします

あっ、白餡の優しい甘さはマンゴーやパパイアなどの南国スイーツの酸味を抑え、甘味を引き出すのにもってこいなんですよ、吉備ちゃんが申しましたメニューの他に

味噌餡を入れたのもお勧めなので
あぁ……なまりさん頭に
しがみつかないで

あっ、お茶なら彩虹さんを【メカニック】改造してお茶を給仕して貰おうと思いまして

『霓虹さん、相変わらずですね……呆れて物が言えませんが』

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]



●待ち合い茶屋は未来を繋ぐ
 遠くから見た時に、たくさんの桜の花がまるで雲のように見えることから名づけられたのだろう桜雲おううん島には、島の至る所から桜を見ることができるようだ。それでも、海と桜が同時に楽しめる場所や、サクラミラージュ風の瀟洒な建物と桜が同時に楽しめる場所、高台から島全体を眺められる場所など、様々な見頃スポットがある。
「桜の雲かぁ……この辺りなら、良く見えて絶景かなっ?」
 そう言って小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)が、出店を構えたのは、高台にある空と海が見渡せる場所。近くにも出店があることから、やはり見頃の場所であるのだろう。
吉備男きびつおも山の中腹にあるし。なんとなくロケーションも似てる気がするしねっ!」
 そう言って、吉備は屋台の前に茶屋らしく赤い和傘と縁台を設置していく。
「はい。確かに、出張茶屋としては好条件ですよね」
 この先に向かう人や上の方から降りてくる人の休憩場所にもなると、吉備と一緒に茶屋を切り盛りしている蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)は朗らかに微笑んだ。
「だよね! うーん、この島の名物も食べたいけど……」
 吉備は途中で見つけた屋台にあった桜のおにぎりや花霞と呼ばれる甘味が気になりながらも、首を横に振る。
「先ずはアピール兼ねて、出張茶屋が先だよね」
「わたしももちろん気になりますが……南国フルーツのアピールも主目的ですし、現地の名物は仕事が終わった後に致しましょう」
 霓虹の言葉に、なまりやひいろたちもうんうんと頷いている。働き者の彼女たちはお手伝いする気満々なのだ。
「なまりちゃんもひいろちゃんもありがと! あ、彩虹ちゃんもお手伝いしてくれるんだね」
 屋台の近くでスタンバイしている、虹龍の虹の力が顕現した意思を持つ猟機人・彩虹へと吉備は笑顔を向ける。
「ふふふ、彩虹さんにも今回は手伝ってもらおうと思いまして。……あ、吉備ちゃん。早速お客様がいらっしゃいましたよ」
「わ、ほんとだ。よーし、茶屋処・吉備男出張茶屋の開始だよう!」
 満開の桜の中、吉備の元気な声が響くのだった。
「こんにちは。本日、遠くの島から船が着いたことはご存じですか?」
 まずは接客の基本、会話から。霓虹はこの島では珍しいであろう南国フルーツを持ってやってきたこと、交易が上手くいけばこれからも美味しい南国フルーツが食べられることなどを話して興味を持ってもらう。
「その美味しい南国フルーツで作ったのが……じゃーん、フルーツ大福だよ!」
 霓虹が話している間に、吉備は断面を見てもらえるように糸切りをしておいたのだ。
「わあ、綺麗!」
 計算された求肥と餡とフルーツのバランス、また南国フルーツの色鮮やかな色彩に、客もすぐに興味を持ってくれる。
「これを切ったのがこちらになります。新鮮なフルーツに餡と求肥を包んでいますが、餡はフルーツによって変えているんですよ」
 霓虹が丸い大福を指し示せば、なまりとひいろもこれこれとアピールする。そうして吉備が断面を見せながらさらに説明していく。
「マンゴーにパパイアには白餡。バナナはチョコ餡だよ。アボカドは甘めのこし餡と一緒に入ってるけど……良かったら試食どうかな?」
 果物の名前を聞いても味が想像できないかもしれないと、吉備は試食を勧める。
「え、いいの?」
「食べてみたいわ」
 そう言った客へ、なまりが席へとご案内。ひいろが試食用に小さくカットした大福を差し出す。
「甘みと酸味のバランスがいいわね」
「果物がとってもジューシーだわ」
 試食をして、気に入ってくれた様子の女性客をにこにこと眺めていた吉備だが、それならお茶を出そうと動き出したところで、霓虹が彩虹の背中に背負ったタンクから蛇口をひねっている様子をみとめる。
「もしかして、お客ちゃんへのお茶出し?」
「そうです。彩虹さんを改造してお茶を給仕できるようにしておいたのですよ」
 霓虹のメカニック技能が発揮され、出張茶屋でも不自由なくお茶を提供することが出来る。吉備はすごーいと瞳をきらきらさせ、先ほどの霓虹の言葉を思い出していた。
「これが手伝ってもらうって言ってたことだね!」
「これ以外にも撮影もお願いしてあります。茶屋の常連の子たちにも写真を見せたいですからね」
『僕は言われた仕事をこなすだけですよ』
「彩虹ちゃん、献身的!」
 吉備はちょっぴり彩虹の苦労をしのびつつ、よしよしとその機械の体を撫でる。
 そんな苦労性な彩虹は、甲斐甲斐しく仕事をこなすのだった。
 その後もたくさんの客が訪れ、フルーツ大福の試食をしてもらい、興味を持ってもらうことに成功する。茶屋でフルーツ大福を楽しみながら休憩する客は、きっと今後ミッシェル島のフルーツも気に入ってくれることだろう。
「この餡が果物とよく合ってるね」
 客が感心したように呟けば、霓虹も丁寧に説明する。
「白餡の優しい甘さはマンゴーやパパイアなどの南国スイーツの酸味を抑え、甘味を引き出すのにもってこいなんですよ」
「バナナにはチョコ餡、アボカドは甘めのこし餡って果物によって餡の種類を変えてるんだよ」
「はい、吉備ちゃんが申しましたメニューの他にも味噌餡を入れたのもお勧めなので……」
 そう、やや控えめにだが、霓虹が口にした途端、接客していたはずのなまりが猛スピードでやってきては、飛び上がり、霓虹の頭にしがみついた。
「あっ、またなまりちゃんったら」
 その様子に、ひいろもやれやれと言った様子で肩をすくめている。
「あぁ……なまりさん頭にしがみつかないで……」
『霓虹さん、相変わらずですね……呆れて物が言えませんが』
 いつもの光景が繰り広げられる中、茶屋処・吉備男出張茶屋の出店は、これからの二島間の交易に一役買うことになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
なんで屋台で呼び込みしてるんだろう
いや、今回の目的は交易の手伝いだけど

一度やってみたかったのですの

まあ、UDCアースの日本だと資格とかあるし
いくら猟兵でも適当な事はできないからね

とはいえ屋台で売るのはシンプルなカットフルーツだよ
邪神の権能で腐る事も生温くなる事も無いからね

停滞は悪い事ではありませんの
ずっと瑞々しいまま届けられますの
それよりもっと愛想よく呼び込んで欲しいですの

…まあ、島の人達の為でもあるしね

フルーツがそれなりにさばけたら一休みしよう
折角だからゆっくり桜も見たいしね

邪神の聖域からカルパッチョとお酒を出して楽しもう
青空と風に揺れる桜花を眺めていると心が落ち着くね
…メイド服に目を瞑れば



●風に揺れるは桜花とフリル
「南国の新鮮なフルーツを持ってきましたの」
「今日船で運んできた新鮮なフルーツだよ」
 桜舞う桜雲おううん島の広場で、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、邪神の分霊と共に、ミッシェル島自慢の南国フルーツを屋台で提供していた。
「わ、あの果物見たことない!」
「ちょっと寄っていきましょうよ」
 島民たちが二人の呼び込みに興味を惹かれ、次々と集まってくる。
「こちらはマンゴーですの。甘くてとってもジューシーですの」
 二人が売るのはシンプルにカットフルーツ。一口大にしてカップに入れたり、パインなどは串に刺して片手でも食べられるようにしている。
「ねえ、これはどんな味?」
「これはドラゴンフルーツと言って、甘さは控えめだけど食感が面白いよ」
 質問してきた小さな女の子に晶がそう説明すると、「食べたい!」と母親におねだり。そうしていくつかのフルーツをお買い上げしてくれた。
「ありがとう、可愛い服着たおねえちゃんたち!」
 少女に手を振り返すが、その言葉に現実を思い出させられる晶だった。
「なんでメイド服着て屋台で呼び込みしてるんだろう……」
「なぜって、一度やってみたかったからですの」
 邪神の気まぐれなのか、可愛い服を着ていることが楽しいのか……何にせよ、意外と働き者の分霊である。
「まあ、今回の目的は交易の手伝いでもあるけど」
「人助けですの」
「……」
 普段人に迷惑をかけるであろう行いを平気でしようとする邪神にしては、まともなことだと思えばいいのか。
「まあ、こういうところでやるのはちょうどいいかもね。UDCアースの日本だと資格とかあるし」
 出店を出すにしても、飲食物を扱うとなると許可や資格が必要になる。もちろん、ここで許可がいらないとしても適当な真似をするつもりはないが。
 やってみたかった、だけでは済まされない責任がついて回るのだと言うことを暗に伝えたつもりだが、分霊はわかっているのかいないのか。ともかく、楽しそうに屋台を切り盛りしている。
「ここ、ここの果物がとっても美味しかったの! ほんとに新鮮で。あ、この果物二つください!」
 先程フルーツを試してくれた客が別の客を連れて来てくれ、評判が評判を呼んでいるようだ。
「フルーツの美味しさはもともとのものだから、それを新鮮に提供できるのは誇っていいことだよね。こうして店先に出しておいても、腐る事も生温くなる事も無いからね」
 邪神の権能の力がこうして役に立ったことは何よりだ。
「停滞は悪い事ではありませんの。ずっと瑞々しいまま届けられますの」
 妙に誇らしげに胸を張った分霊が、カットフルーツを手渡して笑顔で手を振る。
「……それより、晶はもっと愛想よく呼び込んで欲しいですの」
 晶が特に無愛想というわけではないが、丈の短い可愛らしいメイド服を着せられた晶が満面の笑みで接客をするのは何か違うと思ってしまっているのが態度にも表れていたのだろう。
「……まあ、今回は島の人達の為でもあるしね」
 もう少し頑張ろうか、と表情筋を緩める努力をするのだった。
 可愛いメイドさんが勧める南国カットフルーツは口コミもあって大好評だった。一休みしてからまた再開することにして、二人は休憩を兼ねて花見をすることに。
「折角だからゆっくり桜も見たいしね」
「ここの桜もとっても綺麗ですの」
 少し高台に行けば、満開の桜と一緒に乗ってきた鉄甲船と海も見える。
 腰を据えたところで、晶は邪神の聖域から船で作ったカルパッチョとお酒を取り出す。
「やっぱり今日もお酒ですの」
「お花見といえばね」
 この島では桜を使ったお酒を作ったりしているのだろうか、ミッシェル島から運ばれたフルーツを使ったお酒も人気が出るかもしれないと、販促に使えそうなことを考えながら、晶は美しい景色と食事を楽しむ。
「どこの世界に行っても、桜は綺麗だね」
 青い空と風に揺れる薄紅色の桜を眺めていると心が落ち着くと晶はしみじみしている。
「お花見も素敵ですの」
 分霊もうっとりする、とても幸せな時間ではあるのだが。
 視界には桜の花びらと共に、ひらひらと揺れるメイド服のフリル。
(「いいお花見だよね……メイド服に目を瞑れば」)

大成功 🔵​🔵​🔵​

杜・泰然
嵐(f36333)と

結局着くまで延々と果物剥く羽目になったな…
嵐はここでもどうせ食うんだろ?
俺は水分さえあればそれで…桜の茶?
あー、まあ…いいかそれで

騒がしい場所は落ち着かねえからどこかで休むか
…なんだ、お前も来るのか
両手から溢れそうなほどの食い物には呆れるし
俺との会話も食い物にしようってつもりだろう

ずっと春ねえ…
お前は冬眠するから余計にそう思うだろうな
俺には明るすぎて、夏とそう変わらねえよ

木陰のある、奥まった静かな場所でも見つけたら
胸焼けするような量を食う嵐を横目に見つつ休憩
嵐が早々に飯を平らげて物足りなさそうだが知らん
景色と波音でも食ってろ
感情が食えるなら、情緒にも多少なりとも味はあるだろ


邨戸・嵐
泰然(f38325)と

美味しい匂いまみれで良い船旅だったねえ
つまみ食いしきれなかった料理はちょっと残念
当然、名産品は一通り食べておきたいでしょ
屋台の端から端まで、持てるだけ包んでってお願い

お腹に入ればなんでもって昔は思ってたけど
構ってくれるひとがいると楽しみも覚えたの
景色探して島の探索へ

泰然はたぶん静かな場所の方が好きでしょ
桜おにぎりに歩きながらも齧りつき
小川の魚も木々の果実も美味しそう
続きっぱなしじゃ飽きるけど
季節ってずっと春でいい気がするよねえ

希望を汲んで、探すのは木陰
いただきますの頃には随分減っちゃった
景色でお腹は膨れないし
君ももうちょっと食べさせてくれたらいいのにねえ
つれないの



●波音と桜の香り
「美味しい匂いまみれで良い船旅だったねえ」
 ミッシェル島を出発し、こうして無事桜雲おううん島に到着した鉄甲船を労うように見上げた邨戸・嵐(飢える・f36333)は、たくさん食べた美味しい南国フルーツの味を思い出して満足げだ。もちろん嵐にとって、いくら食べようが完全に満たされるということはないのだけれど。
「結局着くまで延々と果物剥く羽目になったな……」
 自身はほとんど食べていないのに、ひたすら果物の皮を剥き、カットしていた杜・泰然(停滞者・f38325)は、冬眠明けの蛇はこんなに食べるものなのだろうかと考えていた。なんとか嵐に食べられなかった果物を盛り合わせ、コンキスタドール用に用意することが出来たのは良かったが、なんだか疲れてしまった。
「他の猟兵も美味しそうなの作ってたよねえ。つまみ食いしきれなかったのはちょっと残念」
 準備していた料理は全てコンキスタドールが食べたのか、跡形もなく消えてしまっていたのだ。
「嵐はここでもどうせ食うんだろ?」
 島に上陸すれば、目に入るのは満開の桜。話に聞いていた通り、島の住人はよそからの来訪者を歓迎し、島ではいつでも見頃の桜と共に島の名物料理などが売られているようだ。
「当然、名産品は一通り食べておきたいでしょ」
 もちろんと頷く嵐の足はもちろん、屋台が並んでいる方へと自然と向かう。
「名産品、か……。桜や桜の葉の塩漬けを使ったものが多いのか」
 売られているのは、桜と葉の塩漬けを使った桜おにぎりに、桜の形を模した桜あんぱん。アース世界で見られる桜餅のようなものや、クッキーにケーキなどもある。
「たくさんあるな。どれにするんだ?」
「どれって……全部に決まってるでしょ?」
 選ぶという気は元よりないらしく、嵐は屋台に売られているものを待てる限り包んでもらう。
「まあ……そうなるか」
「泰然も何か食べてみる?」
「俺は水分さえあればそれで……」
「じゃあ、これにしなよ」
 そう言って嵐が勧めてくれたのは、桜の塩漬けにお湯を注いだ飲み物――桜茶だ。
「桜の茶?」
 カップの中でふわり広がる薄紅色の花弁が美しく、ほのかに桜の香りが立ち上る。
「そ、桜茶。これもここの名物だって」
「あー、まあ……いいかそれで」
 見た目の美しさや香りなどを重視するわけではないが、せっかくなら土地のものを口にするのもいいだろうとカップを受け取る泰然。
「騒がしい場所は落ち着かねえからどこかで休むか」
 屋台が出ている辺りは人も多く、賑やかだ。よその島からやって来た来訪者も珍しく、屋台で買い物をする度に声をかけられる。
 泰然が歩き出せば、屋台巡りをしていた嵐も両手を一杯にしながらついてくる。
「……なんだ、お前も来るのか」
「せっかくだし島の探索もしようよ」
 嵐の意見はもっともだが、溢れんばかりの食べ物たちを持っての発言に泰然は呆れてしまう。
「食いながら探索か? 食う場所を見つけるための探索か? 俺との会話も食い物にしようってつもりだろう」
 泰然の言葉に笑みで応えると、嵐は早速桜おにぎりに齧りながら頷く。
「お腹に入ればなんでもって昔は思ってたけど、構ってくれるひとがいると楽しみも覚えたの」
 そうして二人は歩き出し、桜雲島の自然を楽しむ。
 桜の花はどこにでも咲いていて。その間に果実の実る木があったり、足元には小川が流れていたりもする。
「小川の魚も木々の果実も美味しそう」
「……食べながら言う言葉か?」
 歩きながらも嵐はおにぎりやパンに齧りつき、食べ物は順調にその数を減らしている。
 ここは一年中桜が咲いているそうだが、春はやはり多くの植物が芽吹く季節。
「続きっぱなしじゃ飽きるけど、季節ってずっと春でいい気がするよねえ」
「ずっと春ねえ……お前は冬眠するから余計にそう思うだろうな」
 冬の眠りから覚めたあとの春は全ての始まりの季節でもあるのだろう。泰然はそう言いながら、眩しそうに空を見上げる。
「俺には明るすぎて、夏とそう変わらねえよ」
 そんな会話をしながら、休憩場所に見つけたのは、泰然が望む静かな場所。海にも程近い、大きな桜の木陰。
「ここが良さそうか」
「うん、休憩休憩。改めていただきます」
 そう言って腰を下ろして改めて食べ物を口にする嵐だが、道中も食べていたのでその数はかなり減っていた。
(「見てるだけで胸焼けしそうだな……」)
 同じく木陰に腰を下ろした泰然は、桜茶を一口。味覚は薄い泰然だが、ふわり、と桜の香気を感じてはのどかな自然を眺めていた。
「全部食べ終わっちゃった……」
 休憩を始めてからあっという間に両手いっぱいだった食べ物たちは嵐の腹の中に消えてしまった。少し物足りなさそうに桜茶を飲む嵐。
「足りなければ景色と波音でも食ってろ」
 感情が喰らえるなら、こういった情緒にも多少なりとも味はあるだろうと、泰然はそっけなく言葉を放つ。
「景色でお腹は膨れないし……君ももうちょっと食べさせてくれたらいいのにねえ」
 つれないの、と嵐は呟く。
 恐れや喜びなどの感情を食料とする幽世の妖怪たち。嵐も喜怒哀楽に快不快、愛に憎しみと様々な感情を今まで喰らってきた。だが、やはりそれらで満腹を覚えることはない。
 腹が満ちることはないけれど、それでも今日食べたものはとても美味しかった。
「冬眠明けの栄養補給としては満足、かな」
 はらりと舞い落ちる桜の花びらを眺めながら、聞こえる波音に耳を澄ませ、二人はゆったりとしたひとときを楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
エリシャ様(f03249)をお誘いして一緒にお花見したいですわ!

お花見のお供に先ほど鉄甲船で作ったマリトッツォと南国フルーツティーを持参。花霞も買ってお花見ティータイムにいたしましょう。

突然お誘いしてごめんなさい、一度お話してみたかったんですの。
美味しいスイーツで女子会となれば恋バナですわよね!もしよろしければエリシャ様の恋バナ、聞かせていただけません?無理にとは言いませんけれど…

聞かせていただけるなら、お付き合いしている方とかいらっしゃるのかしら?どんな方がタイプですの?など色々聞いてみたいですわ。

わたくしは褐色肌でワイルドなイケメンが好みですの。運命の人を探して人生の航海中なのですわ!



●桜の下で恋バナを
「無事、伝説の島へ辿り着けて良かったですわ」
 桜雲おううん島へと到着した海賊たちが、張り切って商談に向かう姿を、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)は手を振って見送る。
 ミルナの作ったマリトッツォを一目で気に入った海賊たちは、「これで商談は大成功だ!」とスターフルーツを飾ったマリトッツォを手土産に、いそいそと交渉に向かったのだ。
「お役に立てたのなら何よりですわ。……さて、ではわたくしもティータイムにいたしましょうか」
 ミルナ自身も船で作ったマリトッツォと南国フルーツティーを桜のお供にするつもりだ。
 途中、広場の出店で売っているこの島名物だという花霞というスイーツも購入して、準備は万端。あとは……。
「エリシャ様、よろしければわたくしと一緒にお花見しませんか?」
 広場で他の猟兵の様子を見守っていたエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)へとミルナは声をかける。
「ええ、もちろんよ。誘ってもらえて嬉しいわ」
 ミルナの言葉に嬉しそうに頷いたエリシャは、「ちゃんとお花見セット持ってきてるのよ」とレジャーシートを手にして微笑んだ。
「ここなんてどうかしらね?」
 海と桜が両方楽しめる場所にレジャーシートを敷き、二人はティータイムの準備。
「ええ、とっても良さそうですの。わたくしはフルーツティーの準備をいたしますわね」
「まあ、これが海賊さんたちが絶賛してたマリトッツォね。スターフルーツが可愛いわ。あ、あたしも船でフルーツサンドを作ったのよ」
 特にマンゴーが好きなの、とエリシャは贅沢にマンゴーをたっぷり挟んだフルーツサンドを指し示す。
 そうして準備がととのったところで美味しいスイーツを囲んだお花見の開始。
「突然お誘いしてごめんなさい、一度お話してみたかったんですの」
 そうミルナが切り出せば、エリシャは首を横に振って。
「そういうお誘いは大歓迎よ。あたしもおしゃべり、大好きだもの」
 にっこりと微笑むと、早速口にしたマリトッツォの美味しさに目を丸くする。
「あたしこれ大好きだわ。スターフルーツとも相性いいし。商談もきっと上手くいくわね」
「ミッシェル島のフルーツがこの桜雲島でも愛されると嬉しいですわ」
 まずはスイーツに舌鼓を打ち、好きな食べ物の話などをして二人は打ち解けていく。
「美味しいスイーツで女子会……となれば、ここは恋バナですわよね!」
「そうね、女子が二人集まれば恋バナね!」
 ミルナと同じように、実はエリシャも恋バナ好き。
「もしよろしければエリシャ様の恋バナ、聞かせていただけません?」
「あら、あたし?」
 ミルナの恋バナを聞けるのかとわくわくしていたエリシャはぱちぱちと瞬きして。
「いいわよ。後でミルナのも聞かせてね!」
 エリシャの様子は話すネタには困っていないように見えて、ミルナはこう問いかける。
「もしかして、お付き合いしている方とかいらっしゃるのかしら?」
「そうね、恋人って呼んでいい人はいるんだけど……あんまり会えなくて。時々恋人同士か不安になっちゃうの」
 ちょっと寂しそうに青い雫型をしたイヤリングを触ったエリシャの様子に、恋人からのプレゼントかしら? とミルナは想像してみる。
「あら、会えないのは寂しいですわね」
「忙しい人だし仕方ないのよ……でも、夢のために頑張るあの人の力になりたいの。だから寂しがっていられないわ」
 その後、二人がどんな形で出会ったのか、思い出に残る話などを目を輝かせながら聞くミルナ。
「でもね、時々思うの。生まれた世界も育った環境も違う……猟兵にならなければ出会えなかったのよ。だから、出会えたことに感謝したいわ。できればこれからも一緒に素敵な景色を見たり、思い出を作りたいって思うの」
「そうですわね、わたくしも猟兵になったからこそ、銀の雨降る世界で銀誓館学園に通って卒業まですることができたのですから」
「まあ、それもまた夢のある話ね」
 ミルナの話にもエリシャが目を輝かせる。
「今は美容系専門学校に進学してネイリストを目指していますのよ」
 そんな風に夢の話を挟んだところで、エリシャが次はミルナの番よ、と促して。
「ミルナはどうなの? 可愛いから絶対モテると思うんだけど」
「ふふふ、わたくしは運命の人を探して人生の航海中なのですわ!」
 まだ特定の相手はいないけれど、いつか出会うはずの大切な人のために自分を磨いている最中。
「まあ、素敵ね。どんな人がタイプなの?」
「褐色肌でワイルドなイケメンが好みですの」
「あら、ちょうど海の男って感じ? この辺りにいないかしら?」
 運命の人との出会いはいつやってくるかわからない。猟兵だから、どの世界で出会うかもわからない。けれどきっとこの可愛らしくて凛とした美しい、まるでプリンセスのような少女に、素敵な出逢いがあるだろうとエリシャの予感は告げる。
「ミルナならきっと素敵な人に出会えると思うわ。恋人が出来たら、また話聞かせてね!」
「はい、楽しみにしていてくださると嬉しいですわ」
 このフルーツティーのように甘酸っぱい出会いがありますように。
 桜の花びらがまるで前途を祝福するかのように舞っている中、二人はお互いの幸せを願って微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

デイジー・クゼ
【シーアクオンズ】
船乗りさんの無念も、あれで鎮まってくれるんニャら良いけど……取り敢えず、一先ず屋台はここら辺で良いかニャ

景色としては絶景なんニャよ

生地と南国スイーツと白餡でカステラボールはこれから【料理】して焼くとして、フルーツ飴も良い感じに出来てるニャね

ヒナスミちゃんも『すこてっしゅ』と看板に書くの上手ニャんよ

……と感心しとる内にお客さんが来とるニャ、これは只のカステラボールやニャいんやよ?良い匂いかニャ?

お客さん、一口食べてみるかニャ?

マンゴーやパパイアやバナナは一緒に入っている白餡とも相性良いんニャよ
(と断面図を見せて)

エリシャさんも来とるニャね、良かったら食べてくか、持ち帰るかニャ?

このカステラボール、中身の南国スイーツの関係上、冷めても美味しいと思うし、キウイやパパイア等の南国フルーツ飴も、パリパリジューシーでオススメニャ

と言いつつ冷ます分のカステラボールは【属性攻撃(冷風)】で適度に冷まして
味は折り紙付きニャよ、そこのエリシャさんが証人ニャし

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]


ルインク・クゼ
【シーアクオンズ】
そう言えば、皆が作った南国スイーツや料理、あっという間に消えたらしいなぁ……せめて満足してくれたんなら、エエんやけど、あたしもお義姉ちゃんに同意なんよ

《ヒナスミ》ちゃん【達筆】で屋台に付ける看板に、出張版すこてぃっしゅとかいたんやね、何か上手やなぁ

と感心しながら、キウイやパパイア等の南国スイーツ飴を何本か刺し立てて、回りを【属性攻撃(冷風)&結界術&オーラ防御】で囲えば、溶けないやろ

追加も【料理】しつつ、あっ……お客さんきたんよ、スタンばらな

隣の猫のお姉ちゃんと、タコのお姉ちゃんが作った南国フルーツの入ったカステラボールも、あたしが作った南国フルーツ飴も、味はバッチリ保証するんよ

南国フルーツの入ったカステラボールなんて、珍しいかもしれへんけど

そう言えば、最近明石の魚の棚でも、色々なフルーツ飴を出してる屋台も出とったなぁ……あっ、エリシャちゃん

そう言えば、エリシャちゃんはこれが美味しいんは、よく知っとるよね?(とウィンクして)

[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]



●明石より愛を込めて~『すこてぃっしゅ』桜雲島出張店
「無事に伝説の島……桜雲おううん島って名前やったね、に辿り着けて良かったなぁ」
『ぷっぷぷぅ!』
 鉄甲船に乗ってやって来たのは、話に聞いていた通り、サクラミラージュから落ちてきたのだろう、年中桜が咲いているという島。
 至る所に桜の木が植わっている島に上陸したルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)の言葉に、桜の花びらを追いかけていたヒナスミも元気よく返事する。
「しばらくこの島にはよそからの来訪はなかったそうニャけど、歓迎されているのを感じるニャね」
 船に乗っている時から、島から島民がこちらに手を振っていた。そのことを思い出しながら、デイジー・クゼ(シーアクオン弐號と書いてニャゴウ・f27662)が呟けば、ルインクもそうやね、と頷いた。
「進路を邪魔しとったコンキスタドールがいなくなったから、こうして辿り着けたんやね」
「わたしたちの作った南国フルーツ入りカステラボール気に入ってくれたんかニャ」
 猟兵たちが船で作った料理を例の海域に入る前に捧げたのが功を奏したようだ。
「そう言えば、皆が作った南国スイーツや料理、あっという間に消えたらしいなぁ……」
「急いで食べたってことニャんかな? 船乗りさんの無念も、あれで鎮まってくれるんニャら良いけど……」
「うん、詳細はわからんけど、せめて満足してくれたんなら、エエんやけど」
 デイジーの言葉に同意すると、ルインクは気持ちを切り替え、島を見渡す。
「さて、ほんなら次にやることは、南国フルーツの売り込みやね」
『ぷぅぷーっ!』
 ミッシェル島の南国フルーツが交易品として価値があるものと思ってもらえれば、交渉も上手くいくに違いない。ルインクの言葉に、銅板を持ったヒナスミが元気に応える。
「ほんまヒナスミちゃん、やる気満々やね。お義姉ちゃん、出店出すんはどのへんにしようか?」
「そうにゃね、どこにでも桜は咲いてるみたいニャけど、せっかくなら海の近くにしてみるニャ? わたしたちも海の近くに住んでるって話が弾むかもしれニャいし」
「そうやね、海と桜も綺麗やし、見に来る人多そうやね」
 そうして既に出店許可は取ってあり、店はどこに出してもいいと言われていたので、海と桜の両方を楽しめる場所に屋台を設置する。
「景色としては絶景なんニャよ」
 これならお客さんもたくさん来るだろうと、デイジーも舞い散る桜の花びらの美しさに目を細める。
「屋台はこれでええとして……え、ヒナスミちゃん……?」
『ぷぅぷーっ!』
 ヒナスミは屋台につける看板に、『出張版すこてぃっしゅ』と器用に文字を書いていく。なかなかの達筆であり、とてもいい味が出ている。
「何か上手やなぁ」
「ヒナスミちゃん、ルインクちゃんが言うように、とっても上手ニャんよ」
 二人が感心していると、ヒナスミは得意げに胸を張るのだった。
「ほな、あたしらは食べてもらうものの準備やね」
「そうニャね」
 デイジーが鉄甲船でも試しておいた銅板でのカステラボール作りのための準備をすれば、ルインクは屋台の前の目立つところにフルーツ飴を刺して立てて置けるようにしていく。
「キウイにパパイアもここにはないやろうから、珍しいやろね」
 近くで火を使ってカステラボールを焼くので、飴が溶けないように、結界術を使って冷風を留めて囲っておく。
 早速カステラボールを焼き始め、辺りにいい匂いが漂い出せば、お客さんもやってくる。
「あっ……お客さんきたんよ」
 現地でも追加のフルーツ飴を作っていたルインクが客の姿に気がつくと、接客のスタンバイ。
「いらっしゃい! 珍しい南国フルーツを使ったスイーツを用意したんよ」
『ぷっぷぷぅ!』
 ヒナスミも元気いっぱいにフルーツ飴を手に持ってアピール。
「わあ、とっても良い匂い! こっちが果物で、こっちはお祭りの時に見る小さなカステラ?」
 こちらでもこの菓子にはどうやら馴染みがある様子。けれど、一味違うのだと、手はふさがっているので、デイジーは紫の尻尾を揺らしてみせる。
「これは只のカステラボールやニャいんやよ?」
『ぷぅーっ!』
 ちょうど焼き上がったカステラボールの粗熱が取れたところで、興味深そうに屋台を見つめる客に差し出す。
「お客さん、一口食べてみるかニャ?」
「え、いいの?」
 興味を持っていた客は差し出されたカステラボールを口にして、ぱっと目を見開く。
「わ、果物が入ってる!」
「ふふ、そうニャよ。これは南国フルーツの入ったカステラボール。フルーツもいろいろ種類があって、マンゴーやパパイア、バナナは、一緒に入っている白餡とも相性良いんニャよ」
 デイジーがカステラボールの断面図を見せれば、客はただのカステラボールでないことを理解する。
「ここでは、珍しいかもしれへんけど……隣の猫のお姉ちゃんと、タコのお姉ちゃんが作った南国フルーツの入ったカステラボールも、あたしが作った南国フルーツ飴も、味はバッチリ保証するんよ」
「うん、とっても美味しい!」
「私も食べたい。飴の方も」
「僕も食べてみたい。お母さん、買っていい?」
 試食をした客の反応に、辺りにいた客も興味を持ってくれたようで一気に大人気に。
「焼くのに少し時間がかかるニャけど、材料はたくさん持ってきたから待って欲しいんニャよ」
「こっちのフルーツ飴食べて待っといてくれる?」
 にわかに忙しくなったが、二人は地元で明石焼き店を切り盛りしているのだ。こういう状況にもすぐさま臨機応変に対応し、お客を飽きさせずに待ってもらう術を心得ている。
「ふう、ようやくひと段落したなあ」
 少し客足が落ち着いたところで、ルインクがフルーツ飴を作る手を止め少し休憩。
「フルーツ飴もどこの世界でも人気なんはびっくりやね。そう言えば、最近明石の魚の棚でも、色々なフルーツ飴を出してる屋台も出とったなぁ……あっ、エリシャちゃん」
 しみじみとフルーツ飴を眺めていたルインクだが、こちらに手を振って近づいてくるエリシャの姿に気がついた。
「ルインク、デイジー、ヒナスミ! お疲れ様。お店大盛況みたいね」
 どうやら噂は離れた場所にまで伝わっているようだ。
「そう、出張版『すこてぃっしゅ』大成功みたいなんよ」
『ぷぅぷーっ!』
「ふふ、すごいわ。あ、これこの島で買ってきたの。良かった食べてね」
 そう言ってエリシャが手渡したのは、桜の花びらと葉の塩漬けを使った桜のおにぎりに、花霞と呼ばれるスイーツ、そして桜茶だ。
「ありがとうニャんよ、エリシャさん。わたしたちが作ったカステラボールとフルーツ飴も良かったら食べてくか、持ち帰るかニャ?」
「あら、いいの? じゃあカステラボールは今食べて、フルーツ飴はお土産にするわ」
「わかったニャよ」
 デイジーが焼きあがっていたカステラボールをエリシャに手渡してくれる。
「カステラボールは焼き立ても美味しいけど、これは中身の南国スイーツの関係上、冷めても美味しいと思うし、少し冷ますくらいがちょうどいいんニャよ」
 お客さんがいっぱいで冷ます時間がない時は、冷風を起こして冷ますのだとデイジーは説明してくれる。
「外の生地はふんわり柔らかくて、その中に甘くてジューシーな南国フルーツが入ってるの、すごくいいわね」
「白餡とも相性良いんニャよ?」
「白餡! ええ、カステラとフルーツを繋ぐ役目もあっていいわね」
 果物との相性が考えられた様子に、エリシャもこれは子どもたちも好きそうね、と頷いて。自分が開いている食堂で、おやつに出そうと考えているのだろう。
「はい、エリシャちゃん、持ち帰り用のフルーツ飴」
「ありがとう、ルインク。キウイもフルーツ飴に出来るのね。あたしいつもりんご飴食べちゃうから」
「そう言えば、エリシャちゃんはこれが美味しいんは、よく知っとったね?」
 水着コンテストの時に、よくりんご飴を用意している姿を見ていたルインクはそう言って片目を瞑ってみせる。
「ふふ、そうなの。ね、二人とヒナスミも休憩してね。あたしも手伝うわよ」
「ありがとうニャよ。では少しおにぎりをいただいて……写真、撮っていいニャよ?」
 何か言いたげなエリシャの視線に気づいたデイジーはもう慣れたのかそう言ってくれた。
「ありがと! デイジーもだけど、みんなで撮りましょ。出張版『すこてぃっしゅ』のお店の前で!」
 ヒナスミが自撮りよろしく腕を伸ばして写真をぱちり。
「こういうのもエエね。帰ったらケットシーの義妹達にも報告せなあかんな」
 そうこうしているうちに、またお客さんがたくさんやってきた。
「わあ、美味しそう!」
「さっきあっちで食べてる人いたよね?」
「いらっしゃい! 南国フルーツ入りカステラボール食べていってな」
「キウイやパパイア等の南国フルーツ飴も、パリパリジューシーでオススメニャ」
『ぷっぷぷぅ!』
 多くの客が賑わう中、二人とヒナスミは元気よく、愛想よく接客をこなしていく。
「これからこの南国フルーツがこの島でも日常的に食べられるようになると思うんよ」
「そうニャね。だから試してみて欲しいニャ。味は折り紙付きニャよ、そこのエリシャさんが証人ニャし」
「ええ、とっても美味しかったわ。お土産にもぴったりよ!」
 屋台を手伝いながら、エリシャはそう言って笑顔を浮かべる。
 ミッシェル島と桜雲島、二つの島の交易はきっと上手くいくだろうと思いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
ジェラートで幾分マシにはなったが…まだしんどい…。
船内で借りた水着に着替えたらようやく人心地ついた。
…初めからこうすればよかったな…。迂闊だ…。

露にくっつかれながら改めて巨大な桜の樹を眺める。
島名を桜の雲と表現したのは良く言ったものだと思う。
…さながら落ちる花びらは桜の雨と言ったところか…。
桜湯を飲みながら船上で島の観光を楽しむとしよう。
隣の露はというと握り飯を食べながら桜湯を飲んでいて。
この暑い中の彼女の元気さに呆れつつも感心してしまう。

「…いや…。今の私は…桜湯だけでいい。君が食べてくれ」
いつの間にか購入してきた島の名産を私にも勧めてきたが。
むぅ。まだ調子が出ない今の私には重すぎる気がする。
恐らく私のために購入したのは理解できる。
「…すまないが、帰りの船で食べさせてくれ…」
何?罰として背中から包むように抱きしめて欲しい?
…いや。…この暑い世界で…抱きしめろ…と?
私用に購入した名産のことを言われると否定できない。
「仕方がないな。…まったく…」
露の真似で抱きしめてみる。


神坂・露
レーちゃん(f14377)
まだまだ調子悪いみたいね。レーちゃんってば。
水着借りてもう少し薄着になるみたいだわ~♪
じゃあじゃあこの内に名産を買ってくるわね!

レーちゃんの隣で名産をパクパク食べるわね♪
…♪このオニギリ桜餅みたいな味で美味しいわ。
食べながら親友の視線を追って桜雲を見るわよ。
…あ♪この甘味は抹茶のムースが美味しいわ♪
ん。素敵よね。言葉を失うのも解る気がする。

食べてる途中で視線を感じて。それが親友で…。
レーちゃんあたしのことを見てたわ。見てるわ♪
調子が戻ってきたのかしら?食べたいのかしら?
「レーちゃん、なぁに? スイーツ食べる?」
勧めてみたけど…まだ調子悪いみたいね。残念。
「だったら、あたしのことぎゅぅうーってして!」
「折角買ったのに一緒にたべられないの残念だわ」
ちょっと我儘言ってみたら渋々応じてくれて。
…ちょっと意地悪い我儘だったかしら?
でもでもレーちゃんは優しく抱きしめてくれて…。
わ❤わ~♪何だかふんわりと抱きしめてくれたわ。
えへへ♪美味しい名産がより美味しくなっちゃう。
えへ♪



●たなびく桜雲 舞うは桜雨
 鉄甲船は無事に問題の海域を抜け、伝説の島――桜雲おううん島へと辿り着いた。
 グリードオーシャン特有の気候に参り、暑さにへばっても食べやすく冷たいフルーツジェラートを作ったシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)は、コンキスタドールに捧げる以外のそれを食べて少し落ち着いたものの、完全回復とまではいかないようだ。
「ジェラートで幾分マシにはなったが……まだしんどい……」
 身体の内側から熱を取り去ってくれた冷たいジェラート。けれど辺りから熱気をはらんだ空気がなくなるわけではない。
「まだまだ調子悪いみたいね。レーちゃんってば」
 船が到着しても、まだぐったりとした様子のシビラにそう声をかけた神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)は、心配そうに顔を覗き込む。
「涼しくなるためにできることって何かしら? えーと、夏にすることとか……」
 露の言葉に、ふむとシビラも考えを巡らせる。
「夏は……そうだ水着を着ていたな。さらに軽装になれば少しはマシだろう」
「あ、そうね、水着を着れば薄着になれるわね♪」
「よし、では船内で借りてこよう」
 動き出したシビラを見て、露もまたこの後の花見に向けて行動を開始する。
「レーちゃん動くのしんどいでしょうし、じゃあじゃあこの内に名産を買ってくるわね!」
 買い出しは任せて、と露が胸を張る。
「そうか、では頼んだ」
「海賊さんがね、レーちゃんがしんどそうなのを見て、船の上から桜を見たらって言ってくれたのよ。良く見える場所も教えてくれたわ!」
 だからレーちゃんは水着に着替えて待っててね! と言い置いて露は元気に船を降りて行った。
「あの元気が今は羨ましいな……」
 そう呟いては、シビラは船内に残っている乗組員に水着を借り、着替えることにした。黒いビキニがあったので、それに着替えれば、ようやく人心地ついた気分だ。
「……初めからこうすればよかったな……。迂闊だ……」
 無駄に体力を消費してしまったようで、自戒の念を込めてそう呟くシビラ。今回は敵と戦う必要はないから良かったものの、今後は注意しようと考えるところがシビラらしい。
 陰のある場所でハンモックに揺られて露を待つことしばし。
「レーちゃーん! お待たせ~」
 よく通る元気な露の声が聞こえてきた。
「ま、レーちゃんの真っ白な肌に黒い水着がよく似合うわ~♪」
 水着姿のシビラに露が目を輝かせ、そうして買ってきたものを見せてくれる。
「これが桜のおにぎりよ~。桜の花びらと葉の塩漬けが使われてるんだって。種類もね、いろいろあるのよ」
 桜でんぶを使った甘くてピンク色をしたものや、枝豆やごまの入ったものなどを見せてくれる。
「じゃあ、海賊さんたちが教えてくれた場所でお花見しましょ♪」
 露がシビラを案内したのは、普段は乗組員しか入れない船の中でも高い場所。見張りの役目もあるのだろうその場所だが、二人が過ごすには十分な広さがあり、シビラのことを考えたのか、日よけの傘も立てかけられていた。
「風も通るようだな」
 潮風と共に、時折桜の花びらも島の方から流れて来る様にシビラは目を細めた。
「ね、いい場所ね♪ あ、あそこに大きな桜の木が見えるわ」
 当然のようにシビラにぎゅっとくっついた露はそう言って島を指差す。
「ああ、綺麗だな……」
 改めて、島にそびえる巨大な桜を眺めたシビラは、ふむ、と頷く。
「島名を桜の雲と表現したのは良く言ったものだと思う」
「ほんとよねー。ピンク色の雲ってとっても可愛いわ♪」
 そう言いながら、露は早速買ってきたものを広げていく。
「……さながら落ちる花びらは桜の雨と言ったところか……」
 やはり桜は美しい、そう思いながら目を細めたシビラの隣で、露が幸せそうに桜のおにぎりを頬張っている。
「ね、レーちゃん。このオニギリ桜餅みたいな味で美味しいわ」
(「花より団子という言葉は、この島にもあるのだろうか」)
 シビラにとって暑いと感じるこの環境でも、いつも通り元気な様子の露の姿に、呆れつつも感心してしまう。
「この飲み物もこの島の名産なのか」
 露が買ってきてくれたのは、桜の塩漬けにお湯を注いだ飲み物だ。花びらが広がり、カップの中にも春が来たような見た目も楽しいそれを口にしながら桜を眺めれば、島の名物と桜を船上でも楽しめる。
「そうよ~……あ♪ この甘味は抹茶のムースが美味しいわ♪」
 花霞と呼ばれるスイーツは、下は抹茶のムース、上は塩漬けの桜の花びらを透明な寒天に閉じ込めたこの島の名物。
 露は食事を楽しみながらもシビラと一緒に視線は島の方へとやり、美しい景色を楽しむ。
 隣のシビラが黙って景色を眺めている様子に、思わずにっこりする。
(「素敵よね。言葉を失うのも解る気がする」)
 しばらくはそんな時間を楽しみながら、露はぱくぱくと桜のおにぎりを食べながら景色を眺めていた。
 ふと視線を感じて横を見れば、シビラがこちらを見ている。
(「レーちゃんあたしのことを見てたわ。見てるわ♪」)
 景色ばかりを眺めているものとばかり思っていた親友の様子に、露は何だか嬉しくなって。けれど、こちらを見ていた理由を考えてみたりもする。
(「調子が戻ってきたのかしら? この島の名産、食べたいのかしら?」)
 そう思った露は、満面の笑みでまだ手をつけていない花霞をシビラの方に見せて勧める。
「レーちゃん、なぁに? スイーツ食べる?」
 シビラはその言葉は予想外だったようで、勧められた名産を少し眺めた後、ゆっくりと首を横に振った。
「……いや……。今の私は……桜湯だけでいい。君が食べてくれ」
 きっと美味しいのだろうとは思うが、今日はジェラートや水分しか身体が受け付けそうにない。まだ本調子でない今、美味しそうなスイーツも桜のおにぎりもシビラには少し重いと感じるのだ。
「あら、そうなの? まだ調子悪いのね。残念だわ」
 シビラにも楽しんでもらおうと露が買ってきてくれたことはわかるし、シビラも名産に興味がないわけではない。
「……すまないが、帰りの船で食べさせてくれ……」
「うん、わかったわ~。だったら、あたしのことぎゅぅうーってして!」
「……なぜ、そうなるんだ?」
 シビラが困惑した表情でそう呟くと、露は可愛らしく頬を膨らませて見せる。
「だってだって、折角買ったのに一緒にたべられないの残念だわ」
(「一緒に食べられないことに対しての罰なのか……?」)
 確かにこの暑い中、露を抱きしめるのはシビラにとっては罰ゲームだ。
「あのね、あのね、背中からぎゅーってしてほしいの。包み込むようにね♪」
「……いや。……この暑い世界で……抱きしめろ……と?」
「そうよー、だって、せっかくレーちゃんと一緒に食べれると思ったのに~」
 自分でもちょっと意地の悪い我が儘だとは思ったが、露のその作戦は功を奏した。
「仕方がないな。……まったく……」
 わざわざ買いに行ってくれたのは確か。露の言葉にも一理あると思ったのだ。
「……こうか?」
 いつも露が自分にしてくるように、シビラは真似をして背中から露を抱き締める。ぎゅっとすると暑いので、できるだけふわっと優しく。
(「わ❤ わ~♪ 何だかふんわりと抱きしめてくれたわ」)
 ちょっと慣れていない様子なのがまた可愛らしくって。露はそのぬくもりを感じながら、ぱくりと桜のおにぎりをもう一口。
「えへへ♪ 美味しい名産がより美味しくなっちゃう。えへ♪」
 幸せそうな露の様子に暑くないのかと呆れながらも、シビラは露の背中越しに見える桜雲島の景色の美しさに目を細めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
【🎀🌟⚙】
桜雲島!
なんて素敵な名前なのでしょう
はい、これから賑わっていくといいですねぇ
売り物はどんなものがあるのかしら、とわくわく

ピクニック準備のお買物~
ニイヅキさん、みてください
綺麗な織物、レジャーシートとして使えるかしら?
名産品な食べ物ももちろん買いですよねっ
お土産も……あ、おにぎりに使われてる葉と花びらの塩漬けは各所へのお土産にも良さそうですね
後日も島のことを想えたらって思います
仁さんならきっとおにぎり作ってくれますよ、とニイヅキさんにお伝えしましょう
クーラーボックスに入れていくのは楽しみをいっぱい詰めていくかのよう

お花見する場所が決まったらエリシャさんをお誘いに
シートに南国のお花も飾りましょう
異国同士な島のお花見です
フルーツもとっても美味しかったんですとエリシャさんに勧めて
あ。切るのはニイヅキさんにお任せ♪
飾り切り、凄く綺麗だったんです!
桜のおにぎりと花霞を美味しくいただきます~

食べたあとはのんびり
寝転がって見上げると桜がたなびいてるようにも思えて、島の名前にぴったりです


尾花・ニイヅキ
【🎀🌟⚙】
ここが桜雲島……!
コンキスタドール達が進路を阻んでいなければ、もっと多くの人が来てたんだろうね。
色々売っているみたいだし……今日はお買い物しつつピクニックの準備をしよう!

わぁ……!こんなに綺麗な織物をレジャーシートにするの、なんだか豪勢だな(くすくす)
塩漬けをお土産に……?
おにぎり……、ほう。なら買って帰ろうかな!
エリシャへのお土産も忘れず買っていかなきゃね!
スイーツも勿論買わなきゃ!
花霞は勿論、たまにケーキ屋さんで見かける桜のケーキやプリンもあったりしないかな?
ふふ、確かに楽しみを詰めていくみたいだ。
ミッシェル島のフルーツも少し貰っていけないかな?
さっき食べたら美味しかったし……エリシャにもお裾分けしたいな。

お花見する場所は、海が見える場所が良いよね!
桜と南国の花の組み合わせ、なんだか他では見ないのもあって、今回の交流を象徴するようでいいな。
おにぎりとスイーツ、フルーツ……ふふ、異文化交流感溢れるピクニックだ!

レジャーシートに寝転がって空を見ると、桜色……とても綺麗だな。



●楽しみと美味しさをいっぱいに詰めて
「ここが桜雲おううん島……!」
 たくさんの船を惑わせ、通行不可能になっていた海域を抜けた先に辿り着いた伝説の島は、満開の桜の花が咲き誇る美しい場所だった。
 その様子に目を輝かせた尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)は、猟兵たちが捧げた料理によって無念空腹を晴らしたであろうコンキスタドールへと思いを馳せる。
「僕たちの料理、綺麗になくなってたから、きっと食べに来てくれたんだよね」
「はい、ニイヅキさんが盛りつけてくださったフルーツもなくなってましたから、溶けたわけじゃないと思います」
 ニイヅキの言葉に、一緒にかき氷を作っていた冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)もこくこくと頷く。食べ物は食器を残してなくなっていて、二人が飾った南国の花は綺麗に飾られたまま。つまり食事をした、ということなのだろう。無事こうして伝説の島に着いたということは、コンキスタドールの無念が晴れ、今後この海域を通る船を惑わせることはないということだ。
「コンキスタドール達が進路を阻んでいなければ、もっと多くの人が来てたんだろうね」
 こんな素敵な島がもったいないと言いたげなニイヅキに、イロハも大きく頷いて。
「はい、これから賑わっていくといいですねぇ」
 船から見た島は、名前の通り、桜の花たちがまるで雲のように見え、その美しさにイロハはきっとこれからもっとたくさんの人に愛される島になるだろうと思うのだ。
「桜雲島! なんて素敵な名前なのでしょう」
 改めてそう思ったイロハにニイヅキも頷いて。サクラミラージュから落ちてきたらしいこの島は一年中桜が咲いているようで、島の名産も桜を使ったものが多いようだ。
「じゃあ早速……今日はお買い物しつつピクニックの準備をしよう!」
 いろいろ売ってるみたいだし、と船から降りたニイヅキは辺りに出ている出店を見てイロハに笑いかける。
「はい。まずはピクニック準備のお買い物です。売り物……どんなものがあるのかしら」
 二人は広場に出ている出店や、街中の店を覗いていく。
「ニイヅキさん、みてください」
 まずイロハが目をつけたのは、綺麗な織物を売っている店。桜の模様が編み込まれたそれは、ひとつひとつ職人の手作りのようだ。
「これ、レジャーシートとして使えるかしら?」
「わぁ……! こんなに綺麗な織物をレジャーシートにするの、なんだか豪勢だな」
 そう言ってニイヅキはくすくす笑い、でもいいよね! とイロハの案に大賛成。
「では、これをお買い上げして……あとは、名産品な食べ物ももちろん買いですよねっ」
「うん、もちろん! 桜のおにぎりが有名なんだっけ」
 そう言って二人は桜のおにぎりや花霞と呼ばれるスイーツに、他にも桜をかたどったあんぱんや、桜を使ったケーキやプリンなども見つけて買っていく。
「やっぱり桜を使ったスイーツはいっぱいあったね。お花見には食べ物がいっぱいあればあるだけいいよね!」
「はい、両方楽しみたいですからね。……そうだ、お土産も買いたいですね」
 そう言ってイロハは一つの店を見つけては指差す。
「あ、おにぎりに使われてる葉と花びらの塩漬けが売っているみたいです。これは各所へのお土産にも良さそうですね」
 ここを去った後も、島のことを思い出すのにいいと思うとイロハはにっこり。
「塩漬けをお土産に……?」
「はい、仁さんならきっとおにぎり作ってくれますよ」
 塩漬けをお湯に入れて桜茶にしてもいいし、ここで売っているおにぎりのように使ってもいいとイロハはニイヅキに伝える。
「なるほど、おにぎり……、ほう。なら買って帰ろうかな!」
 おにぎりを握るのが上手な同居人の姿を思い浮かべながら、ニイヅキは作ってもらう気満々で頷いた。
 たくさん買ったものは、それぞれの愛用のクーラーボックスに詰めて。
「前にエビを獲った時も、こうしてイロハのお土産にっていろいろ詰めていったんだよね。今回はエリシャへのお土産だ」
「ウフフ、あの時は嬉しかったですね。こうしてクーラーボックスに入れていくのは楽しみをいっぱい詰めていくかのようですね」
「ふふ、確かに楽しみを詰めていくみたいだ」
 クーラーボックスの中には、すでにミッシェル島のフルーツが先客としている。二人が食べた南国フルーツもとても美味しかったので、わけてもらったのだ。
「エリシャにもお裾分けしたいな」
「はい、喜んでくださると思います」
 買い物を済ませた二人は、中身が詰まったクーラーボックスを手に、花見にちょうどよい場所を探すことにして。
「お花見する場所は、海が見える場所が良いよね!」
 昨年、アスリートアースの神戸で見た桜と海の絶景を思い出しながら、ニイヅキはイロハに問いかける。
「はい、去年とはまた違いますが……エリシャさんとも一緒に見たいですし」
「やっぱりイロハもそう思った? 僕も同じ気持ちだよ」
 あの時は写真で見せた海と桜の美しい光景を、今度は一緒に眺めることが出来ると、二人は海と桜が良く見える丘の上に織物を敷いてお花見の準備を始める。
「南国のお花も飾りましょう」
 イロハは織物の上に色とりどりの南国の花を飾っていく。
「桜と南国の花の組み合わせ、なんだか他では見ないのもあって、今回の交流を象徴するようでいいな」
「はい、異国同士な島のお花見です。ミッシェル島と桜雲島がこれからも末永く交流していく願いも込めて……では、エリシャさんをお誘いしてきますね」
 広場で他の猟兵たちを見守っていたエリシャは確認済み。あとで一緒に花見をすることも伝えておいたので、イロハは行ってきますとニイヅキに手を振って迎えに行く。
「じゃあ、その間に僕は食事を並べておこう」
 先程買った桜のおにぎりをお皿に並べて、桜の塩漬けが使われた卵焼きや桜塩で食べる天ぷらなどおかずも盛りつければ早く食べたくなってしまう。
「すぐ食べられるようにフルーツも切っておくか」
 せっかくならと先程した飾り切りと同じように見た目でも楽しめるように。準備が出来たら、またクーラーボックスへとしまっておく。
「ニイヅキさん、エリシャさんをお連れしましたよ~」
「二人とも、お手伝いありがと! あたしも一緒にお花見できて嬉しいわ」
 ほどなくしてイロハがエリシャを連れて現れ、エリシャも手に何かを持ってやってきた。
「エリシャ、いらっしゃい! うん、三人でお花見楽しもう!」
「わ、美味しそう! ここの名物を買ったのね。あたしは船でフルーツサンドを作ったから、お裾分け」
「フルーツサンドもいいですね。この島の次の名物になるかもしれません」
「そうだな! それにしても、おにぎりとスイーツにフルーツ……ふふ、異文化交流感溢れるピクニックだ!」
 ニイヅキの言葉に三人は嬉しそうに微笑み合う。
「あら、南国のお花も……本当に素敵なお花見ね」
 レジャーシート代わりの織物の上に飾られた花と、海と桜が同時に眺められる景色にエリシャが目を細める。
 そうして三人は桜のおにぎりを食べながら、話にも花を咲かせる。
「この織物はこちらの島で買ったものなのです」
「まあ、そうなの? これも交易品とかになったりするのかしらね」
「お互いの島のいいものが流通するのはいいことだよね。あ、エリシャはミッシェル島のフルーツ食べた? 僕たちはさっき食べたら美味しかったからエリシャにもお裾分けしたくて」
「はい、どれもとっても美味しかったんです。かき氷に乗せたんですが、ニイヅキさんの飾り切り、凄く綺麗だったんです!」
「あたしはマンゴーだけいただいたけど、他のはまだね。お花見にも持ってきてるの?」
「うん、さっき切って冷やしておいたよ。じゃーん!」
 そう言ってニイヅキがクーラーボックスから取り出した南国フルーツ盛り合わせは、イロハが言った通り月や花などの飾り切りが美しい。
「ほんと綺麗! じゃあ……いただくわね!」
 あまり見ない珍しい果物もそれぞれ酸味や甘味の個性があって、そしてどれも美味しかった。
「きっと交渉も上手くいくわね」
「はい、そう思います」
 この島の名産の花霞を目と舌で味わって、イロハは嬉しそうに尻尾を揺らしている。
「景色も綺麗だし、料理も美味しかったな!」
 ニイヅキが食後に入れてくれたのは、桜の塩漬けにお湯を注いだ桜茶。コップの中で花開く桜とふわりと漂う桜の香りに癒される。
 のんびりとした時間に、イロハは織物の上に仰向けに寝転ぶと、空を指差す。
「こうして見上げると、桜がたなびいてるようにも思えて、島の名前にぴったりです」
「僕もやってみる」
「あたしも」
 三人で並んで寝転がると、視界は空の青と揺れる薄紅色でいっぱいになって。
「桜色……とても綺麗だな」
「ほんと、桜の雲ね……」
 三人で一緒に見る幻想的に美しい光景。写真で残しておくのはもちろんとして、それぞれの心にも楽しい思い出と共に深く刻まれるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月05日


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 苦戦🔵🔴🔴
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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


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