●
24時間営業のゲームセンター。そこで、彼らは待ち合わせをしていた。
お互い、裏サイトで応募した闇バイトのために来たと言わないまま、駅で指定のロッカーからキャリーバッグを回収して、店員に怪しまれないようゲームを楽しみながら両替機で一万円分を百円玉に交換し、時間になったら移動をする。
条件は、お互いバイトで来たとは言わない事。同行の士である風を装って、移動をする事。向かう先は、同人誌即売会。
受け取ったキャリーバッグの中に入っているサークルチケットのサークルで、もしくは衣装を身につけてコスプレイヤーとして、または運営スタッフとして参加する。サークル参加者は指定の方法で設営し、本を並べて、売る。他参加者は、それのさりげないサポート。それが、闇バイトの内容だった。
本の売り上げを、そのままバイト代として参加者で山分けしていい。そんな夢のような案件に、彼らは浮かれきっていた。
その、金に対する欲望──つまりは夢を狙う、UDC怪物が彼らを喰らうための罠だとも知らずに。
●
「同人誌即売会でのサークル参加者を装う闇バイト……それは、UDC怪物を祀る邪教集団が仕掛けた罠です」
グリモアベースに集まった猟兵達に、プルミエール・ラヴィンスは事件の予知について説明を始める。
「今回の闇バイト参加者は、サークルの売上金をそのまま受け取れると言われて闇バイトを引き受けます。彼らの夢は、一攫千金の大金持ち……壁サーでも一攫千金なんて、よほどのサークルでもなければ有り得ませんが、彼らは大金が手に入ると信じています」
現実を……というよりも、同人業界の実情を知らない人々である。口車に乗せられ、もしくは一昔前の情報を真に受けて、ホイホイつられてやって来た訳だ。
「即売会の参加者は、本当に好きで集まって来ている方ばかり。そんなところでUDC怪物が暴れれば、被害は甚大になるでしょう。しかし、闇アルバイターも悪と断じ切れるほどの悪ではありません。彼らも、そして即売会の皆さんも守る。同じような事件を今後起こさせない為にも、皆さんには闇バイトに潜入し、このUDC怪物を倒して来て欲しいのです。よろしくお願いします」
秋野
●
全三章となります。
●第一章
駅のロッカーでキャリーバッグを回収して、指定の24時間営業のゲームセンターでゲームをしながら、一万円分を百円玉に両替し、時間になったら移動をするというミッションを完遂します。
尚、ゲームセンターでゲーム目的以外での両替は迷惑なので、依頼以外では真似しないようにしましょう。
●第二章
同人誌即売会に参加します。それらしい態度を装いつつ、さりげなく人々の避難を促していきましょう。
●第三章
現れたUDC怪物との戦いになります。第二章までで避難しきれなかった人々を守り、避難させながら、UDC怪物と戦います。
第1章 日常
『ゲームセンター』
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POW : パンチングマシンや格闘ゲームで遊ぶ
SPD : シューティングゲームやレースゲーム、音ゲーで遊ぶ
WIZ : パズルゲームやクイズゲーム
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ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。
ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です
ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです
ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
指定されたゲームセンターは、ぽつりぽつりと客がいた。指定時間を前に、なんとなく緩い感じに集まってくる闇バイトのメンバー達。
「ふぅん……この辺りはこんなものが流行りですのね」
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)が眺める筐体は、多種多様な過去を持ち年齢の幅もあるメンズがクイズ大会で優勝を目指すという内容のクイズゲームだった。男性キャラは見た目も大事だが、背景も性格も声もその全てが大切だ。そして、作品内での他キャラとの絡み方も。
「どうしましょう……」
興味が無いとは言えないが、そんなにしっかりとゲームに集中出来る程の時間もない。
でも、少し……触るくらいなら。3プレイくらいなら。もしかしたら1発で目当ての場面を引けるかもしれないし。
自分自身に言い聞かせながら、ゾンビーヌは千円札を握りしめて、この後使う分も含めて多めに両替を行っていく。
一方、ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)はというと。
「機械がいっぱいにゃあ……」
メカニックとしては構造には多少興味はあるものの、ゲームをプレイするとなると話は別だ。何から手をつけたものか、と考えつつ、千円札を数枚両替したミルディア。
駅で回収したキャリーバッグを引き摺って、フロア内をふらふら彷徨い、やがて辿り着いたのは格闘ゲームのエリア。
これなら、もしかしたら……。
目を閉じて、意識を集中し。自己催眠にて、自身を好戦的でお人好しな男性人格へとスイッチする。
「あ? これは……は〜……なるほどな」
格闘ゲームとしてはストーリー性のある方のゲームであるその設定は、細かい所を省けば簡単なもので。つまり、主人公がたまたま鉢合わせたトラブルに巻き込まれた少女を助けるといったもの。その少女は、病気の母のため、早くその場を切り抜けなければならない状況にあった。
ゲームとはいえ、その状況を見捨てるのは、幾らか気が咎める。
時間は、もう少しある。その間だけでも、このゲームで彼女の手助けをしてやろう。
そう決めたミルディアは、百円玉を投入し、格闘ゲームをプレイし始めるのだった。
成功
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ヴィリヤ・カヤラ(サポート)
手伝いなら料理とか出来る事をするし、
楽しんで良いなら思いっきり楽しんじゃうよ。
買い物や何か食べるなら甘いものが良いな。
苦いものと酸っぱいものは苦手だから
極力食べないようにするよ。
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ゲームセンター内、カラカラとキャリーバッグを引く音がところどころで聞こえるのは、純粋に今日がイベントの日だからなのか、それとも闇バイト参加者がそれだけ多いということなのか。
──要因としては、半分半分くらいか?
日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は
影狼複写で伸ばした影で形作られた狼達からの報告を静かに聞きつつ、ベンチでシューティングゲームに興じる人々を見ていた。
自分もアルバイトで生活する身。闇バイト云々に関しては、自分に人のことをいうだけの資格はないように思うが、それでもやはり危険は危険だとも思う。ましてや、なんの技能も持たぬ、自分の身ひとつ守るのも満足に出来ないものが、闇バイトなんてあやしいもの。
しかし、それでも彼らにも理由があるのだろう。そう思いつつ、彼方は腰を上げる。
向かった先は、先程まで男性客がプレイしていたシューティングゲーム。
野性の勘と戦闘知識が、果たしてゲームでどこまで役に立つか。
そんな事を考えつつ、彼方は百円玉を投入した。
「あ、これ美味しい」
ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は、目に付いたゲームセンター内の売店で売っていたホイップの乗ったフラッペを一口啜り、ぱあっと表情を明るくさせる。その際に多めに小銭をもらえるように調整してお金を出したので、両替も完了したし、一石二鳥だ。
「最近のゲームセンターって、美味しいものもあるんだね」
感心しつつ、中のベリーソースが混ざるようにくるくるとストローを回すと、ホイップクリームが少しずつ溶けていく。
「よし、ついでに」
得した気分でフラッペを持ったまま、ゲームセンター内を歩き始めるヴィリヤ。ゲームセンターなのだし、依頼内容にもあったし。やはり少しはゲームをするべきかと思った彼女が百円玉を入れたのは、大きなタッチパネルでプレイできるのが売りのパズルゲーム。
色をつなげたり列を消したりと楽しんでいるうちに、時間は過ぎ。
「あ、そろそろ時間だね」
時計を確認するヴィリヤの後ろを、同じように移動し始める者がちらほらと。
こうして、猟兵達は特に怪しまれる事もなく、闇バイト参加者達に紛れる事に成功したのだった。
成功
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第2章 冒険
『布教本』
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POW : 会場スタッフとして潜入する
SPD : 一般客として潜入する
WIZ : コスプレイヤーとして潜入する
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御堂・伽藍(サポート)
主に戦闘、探索、護衛などもこなす
戦闘は念動力、属性攻撃を主軸に近接、中距離をこなす
集団戦、ボス戦共に参加する
残像等の回避とオーラ防御等の防御を併用
窮地の仲間には積極的にかばい援護射撃
UCは公開しているものを適宜使用
ひらがな ふたつ
漢字混じりを、二節
これが喋り方の基本(例外アリ)
敵の最期には
さようなら
さようなら
御然らば
御然らば
の言葉を
宙音・ナナシ(サポート)
あまり感情は表に出ないタイプだけど・・・好奇心旺盛な方ってよく言われる・・・かな。
興味本位で痛い目を見たこともあるよ。
・・・体が頑丈で良かった。
戦闘する際は勿論前衛は任せてよ。
会話は苦手だけど仲良くなりたいから頑張るよ。
ツッコミは任せて。
アドリブ、絡み、連携、お色気展開、何でもOK。
「みなさん、安全に気をつけて……列は一歩前に、詰めてお願いします!」
開場前からイベント会場は大変な賑わいだった。
「これは…………大変……」
ぎゅうぎゅうの列の真ん中で、キャリーを持った宙音・ナナシ(異能改造体少女1st・f42852)は遠い目をして呟いた。満員の通勤電車なんて、まだ可愛い……と言えるかどうかは、また別の話だが。
とにかく列が凄まじい。立ってるのも大変だし。
本来であれば、死ぬほど欲しい本の為……と頑張るのであろうが、今回ナナシは特に目当ての品もなく、ただ闇バイトの仕事として参加している。
猟兵として義務感はあれど、興奮も熱狂も他人事なのだ。辛さが先立ってしまうのは、仕方ないと言えるだろう。
イベントの話を聞いた時から少しの興味はあったけれど、イベントにおける本当の楽しさを知るのは、まだまだ先の話になりそう。
そんな事をしみじみ実感しながら、ナナシは列に流されていくのだった。
「ならぶのは……こちら……」
御堂・伽藍(がらんどう・f33020)はというと、イベントスタッフとしてホールにて列整理を行いつつ、闇バイトのサークル主が運営するサークルへとさりげなく人を流していた。
「あれ、今回のイベントって、スタッフさんもコスOKなんだ」
伽藍の6本ある腕を見て、そう囁く一般客や、サークル主達。美しい見た目も相まって、結構注目を集めているものの、伽藍自身は集団戦術の要領で集まった人々をそのままサークルの方にさりげなく流す事に集中しているのであまり気にしていない様子。
「これ、一冊良いですか?」
そんな伽藍の仕事の甲斐あって、闇バイト参加者が頒布する本の捌け具合は好調であった。中身は邪教の布教に関するものをかなり受け入れやすいようにアレンジしたもの。あれは、どちらにせよあとで燃すなりなんなり処分しなければ危険であるが、闇バイトに潜入して参加者を守りつつ機を伺う、という観点で言えばこれ以上無い程に好調な滑り出しである。
あやしいやつがきたら、たおす。
伽藍はその部分を改めて意識しつつ、イベントスタッフとしての仕事に集中するのだった。
成功
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日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
夜鳥・藍(サポート)
生まれも育ちもサクラミラージュ。誰かの願いで転生した元影朧。そのため影朧には同情しがち。
それなりの良家の出で言葉遣いは丁寧。だが両親とは違う種族で生まれたのを悩み高等部(高校短大相当)卒業を機に家を出ている。現在は帝都で占い師。
もふもふ大好き。
実家ではいろいろ我慢してたのもあって、飼えなくとも一人暮らし&猟兵となったことで爆発しがち。
猟兵になっていろいろ経験し悩みを乗り越えた。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭いません。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は絶対にしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「そろそろか……」
日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は周囲を見やりつつ、呟く。
かれこれ、敵が動き出そうとしている。第一の根拠は、この空間を包む空気感が何処となく、ピリピリと肌を焼くような殺気にちかいものを感じるから。それは彼方の第六感の告げている危機感のようなものである。
第二は、
影狼投影で潜ませた狼の群れから齎された情報から、邪教集団のメンバーと思しき者が妙な動きをしているらしいと判断出来たから。
避難誘導に移らねばならない。
この平和な空間では、彼方のアルバイトでの服装、そして装備は出来の良いコスプレ衣装として判断された。故に、今現在彼方の周りはカメラマンや一般客達で溢れている。
それは、
春乙女で真の姿となり、翼を生やした夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)も同様だった。
彼方が狼で藍に同様の情報を伝えれば、藍も自身の感覚と占星術で察した不穏な空気が正しいものであったと納得し、そして、動き出す。
「みなさん、移動しますよ。次は外にしましょう」
敢えて存在感を発揮させながら歩く藍に、周囲の人々はつい彼女の歩く方向へと足を向けてしまう。
「え、どうしよう……」
そう呟くのは売り子をしている闇アルバイター達。興味は今日の売り上げにしかないような彼らであるが、藍の存在感と出来が良いコスプレ──実際にはコスプレではないが──に、思わず興味が惹かれている。
「ここは私が見とくから、君達も見てきたらいい。ついでにトイレ休憩にも行って来い」
申し出て、数サークル分の本を纏めて真ん中に移動させる彼方に、売り子達は顔を見合わせる。
「休憩無しとは、言われていないだろう」
彼方にそう言われて、彼らはハッとする。確かに、要項には休憩なしとはなかったはず。ならば、別に少し離席したとて訳前が減りはしない。そう納得したのか、彼らは頷き、素直に藍の向かった外へと走って行く。
彼らがある程度離れた、その時。
「…………なんとか間に合ったな」
彼方は凄まじい圧を感じた。異変を察した藍は結界術を発動し、彼女についてきた人々の安全の確保に努めたのだった。
成功
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第3章 ボス戦
『夢の現』
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POW : 夢喰み
【対象の精神を喰らうこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【戦意の喪失】で攻撃する。
SPD : 魂攫い
【深層の欲望を見抜く視線】を向けた対象に、【欲を満たし心を奪う空間を創り出すこと】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 心砕き
いま戦っている対象に有効な【対象が最も苦手とする存在】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
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●
闇バイト参加者達に割り振られたサークルスペースの程近くで、ばたり、ばたりと数人の男女が倒れて行く。
彼らは一様に目深に黒いキャップを被り、同じようなマークの入ったパーカーを着ていた。
彼らは、邪教集団のメンバーであった。
倒れ伏す彼らの真ん中に、異様な雰囲気を醸し出しながら佇む、異形のもの。
ヤギの頭部に似た骸骨の頭を持ち、黒いローブで隠した身体の末端からは赤い触手のようなものが伸びる。
「夢、欲望……なんと美味な事か」
軋むような声。夢の現と呼ばれるそれは、今まさに、邪教集団のメンバー達が抱いていた『夢の現を喚び出す』という欲望を喰らった。そして、他の欲望もまた、彼にとっては食料である。
その空虚な眼窩が、ゆっくりと、一般客やサークル参加者、スタッフや、闇アルバイター達の居る方向へと向けられていくのだった。
宙音・ナナシ
基本戦術は、・・・集団戦の時と同じかな・・・。仲間を守ることを中心に真正面からぶつかって格闘技で攻めていくよ。
どちらかといえばタイマンのほうが好みだね。
相手の攻撃にも臆したりはしないし、攻撃チャンスを作れそうなら相手の攻撃を避けずに、踏ん張って反撃に繋げてみたり・・・。
こんな戦い方してるから、痛撃を多く受けることもあるけど・・・、私は耐久力には自身があるからちゃんと耐えて反撃できるはずだよ・・・!
遠距離攻撃はやや苦手だけど・・・耐久戦しているうちに攻略できる場合もあるから絶対に諦めないよ!
ツッコミは任せて。
アドリブ、絡み、連携、お色気展開、何でもOK。
諏訪野・みすず(サポート)
とにかく突撃して、ボスをぶっ飛ばします。「みすずちゃんにはパパ以外は、勝てないよー!」「このままじゃマズいよね」アドリブ、共闘歓迎です。
ふよふよと漂うように、夢の現ローブが揺れる。きし、きし、きし。軋むような笑い声を漏らしながら、一般客へと手を伸ばした。
その様子を見て、諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)は、レガリアシューズで血を蹴り、一気に距離を詰める。そんなみすずの方へと顔を向け、空虚な眼窩で彼女を見据えた。
「
見えたぞ……」
その瞬間、みすずの周囲に創り出されたのは欲を満たし心を奪う空間。彼女の欲望を見抜いた夢の現が発動したUCにらみすずは取り込まれていく。
「させないよっ!!」
それを阻止し、仲間を守るべく、宙音・ナナシ(異能改造体少女1st・f42852)が拳を握りしめ、駆ける。
渾身の力を込めて地を蹴るナナシ。夢の現はその接近に気が付くものの、その視線を向けるよりもナナシが肉薄する方が早かった。
「……最大出力! 消し飛ばすよ
…………!」
貫通し、直撃で広範囲炸裂する電撃──貫く神殺しの雷槍が、夢の現のローブと、その身体を構成する触手の幾らかを破壊する。それと同時に、みすずを飲み込んでいた欲を満たし心を奪う空間が霧散した。
「パパ……?」
みすずは今目の前にいたはずの、大好きな啓太郎の事を呼ぶ。伸ばしていた掌が、空を切る。それと同時に悟る。先程の啓太郎が、夢の現が作り出した偽物だった事に。そして、自分がその幻に取り込まれてしまうところだった事に。
幸いな事に、途中でナナシの攻撃により、半端な状態で助け出されたらしく、与えられたダメージはさほどではないものの、苛立ちや憤りはかなりなものだ。
「大丈夫?!」
ナナシの問いに頷くみすずではあるが、しかし。
「大丈夫だけど……あいつ……」
大切なものを踏み躙られたような気がしたみすずは、ナナシの一撃からまだ立て直せていない夢の現へと一気に距離を詰め、さして。
「許さないんだからっ
……!!」
蒸気エンジンを搭載したレガリアシューズでの渾身の蹴りが、夢の現の頭部に命中したのだった。
成功
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ハゲルヤ・クワイア(サポート)
神の聖者×ディバインウィザード、19歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
普段の口調の時は頻繁に★や♪を語尾に付けるよ♪
基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★
UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★
後はMS様におまかせするね♪
頭部にヒビが入り、角が一本折れて尚、夢の現は動揺一つ見せない──いや、もしかしたら、動揺という感情自体がないのかもしれない。なんせ、ローブの中は蠢く触手である。思考する脳があるとは思えない。例え脳がなくとも思考するのがUDC怪物であるとはいえるけれども。
「ふむ……それぞれが自身の思想を布教する場……このような会もあるとは、興味深い」
ハゲルヤ・クワイア(神の聖者・f40472)は即売会の雰囲気やそれぞれのスペースなどをちらちら見やりつつ知見を深めていたが、かと言ってここにきた目的を忘れた訳ではない。
「この場を悪用し、台無しにしようという汝や邪教集団のこと……許せぬな」
そもそもハゲルヤ自身やハゲルヤの好きなものを崇められるのであればまだしも、こんな訳のわからないものなど、滅びて然るべきであると言える。
「裁きを受けよ
……!!」
そう告げながらD.Dで音色を奏でると、先程散策しながら設置した避雷針の中心に位置する夢の現の身を、裁きの雷が直撃する。
だがしかし、夢の現もやられっぱなしではなく。
「っ
…………!!」
夢の現が、ハゲルヤに視線を向ける。その瞬間、彼女の精神を争い難い無気力と呼んでも良いようなものが覆い尽くす。夢の現の発動した夢喰みである。
「ちょっとめんどくさい系だね……さっさと倒しちゃおっ★」
戦意の喪失と共にダメージを受けるハゲルヤを見やり、その能力のめんどくささを実感したクローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)。精神攻撃に対する耐性があれば話は変わってくるだろうが、猟兵全員が耐性を持っている訳ではなく、ましてや一般人に矛先が向かえば被害は甚大だろう。
「いっくよ〜……
ワタシの悪魔兵ちゃん♪」
クローネは右腕を召喚した悪魔兵の大型機銃に変形させ、強酸弾を連射する。正直クローネ自身、悪魔兵って何だろうかと思わなくはないが、強酸弾は強力である。
酸のかかった夢の現の身体は、煙を上げながら焼け爛れていくのだった。
成功
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ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。
ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。
ウィルヘルム・スマラクトヴァルト(サポート)
『緑の騎士の名にかけて、世界も人々も護りましょう』
エメラルドのクリスタリアンの騎士、25歳の男。
騎士として脅威に立ち向かい、人々を、ひいては世界を護るのが自身の在り方。
普段は物腰柔らかく穏健。口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」。
敵には勇猛果敢かつ荒々しく挑む。口調は「勇猛(私、貴様、だ、だな、だろう、なのか?)」。
戦闘スタイルは斧槍と盾による白兵戦。キャバリア戦も可。
UCは状況に合う物ならどれでも使用し、死の危険さえも厭わない。
窮地にある味方や人々を、身を挺して盾となり庇うこと多々。
NG:一般人への加害、お色気系依頼、他の猟兵に迷惑をかける、公序良俗に反する
焼け爛れたローブの下から、うねうねとした触手が覗いていた──数秒の後。
「危険です!!」
ぶるぶるっ! と震え出す触手に嫌な予感がしたウィルヘルム・スマラクトヴァルト(緑の騎士・f15865)は、一般人達が逃げた方向へ向けて素早くインヴィンシブル・フィールド・バリアを展開した。全員収容できるサイズのバリアが張られた数秒後、触手達はローブと骨のようなもので出来た面を残して一般人達の方へと殺到する。
しかし、それがバリアによって阻まれたと汁や否や、触手は数を減らしながら外へと逃げていく。
「くっ
……!!」
歯噛みするウィルヘルムであるが、ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)に焦りはなかった。
「大丈夫にゃん!!」
そう言って走り出すミルディア。彼女は触手が逃げ出すより前に影の追跡者を召喚し、触手の追跡をさせていた。
五感を共有している
影の追跡者からの情報は、触手のいる場所へと確実にミルディアを導いていく。
そして。
「ここだな……っ!!」
自己催眠で好戦的な人格に切り替わったミリディアは、鋭利な形状にしたクランケヴァッフェをシャッターの隙間に突き刺した。
まるで断末魔のような濁った叫びを上げながら、びったんびったんと身体をくねらせる触手。しかし、床との間に見事に縫い止められ、逃げられない。
「捕まえたぜっ!!」
ミリディアが振り返った時にはもう既に、ウィルヘルムは一気に距離を詰め、跳躍していた。
「はぁっ
!!!!」
気合いと共に振り下ろされた緑の
斧槍は、触手を縦に真っ二つに切断した。びちっびちっ、と数回、それぞれ飛び跳ねるように蠢いた後、触手は溶けていったのだった。
その後、周囲の見回りを実施した猟兵達だが異変はなく、中断を経て即売会は再開された。消耗は激しいものの、なんとか意識を取り戻した邪教の信者達はUDC組織に連行されていく。
こうして、即売会の平和はUDC怪物の討伐により守られたが、邪教集団はまだ世に身を潜め、活動しているのだろう。そう思うとなんとなく気が重たくなるが、ひとまずはこの平和な時が守れたという事でほっと胸を撫で下ろしつつ、猟兵達は帰路に着くのだった。
成功
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