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ひっくりかえる

#UDCアース #呪詛型UDC


●かぽーん
「――UDC組織に収容されていた、UDCオブジェクトが持ち出されたっス」
 猟兵達に頭を軽く下げた、小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)の第一声。
 ソレは自身で動くようなモノでも無く、自身が意志を持つモノでも無かった。
 保管されていた場所から、忽然と消えたUDCオブジェクト。
 平たく言えば、ソレは何かしらの要因で盗難された、と言う事であった。

「ソレは触れた『モノ』を反転させる力――、呪いを持ったUDCオブジェクトだったそうなンスけれど」
 その力がスパリゾートホテルにて乱用されるとの予知を見た、といすゞは言う。

「どの様な形で『反転』が顕れるかは、あっしの予知でも全ては見えなかったっス。ただ、今日この施設で何かが起こる事は確かなンスよ。――そして、その『反転』はその場を満喫している者により強く顕れる、という事だけは解っているっス」

 多彩な温泉はもちろん。
 温水プールから、岩盤浴、エステ、マッサージ、食事施設、そしてホテル等を備えたスパ施設をもつリゾートホテル。
 本日は平日。
 休日に比べ少ないとは言え、客は来ている。
 しかし、客を避難させることで『盗難した』モノ達に猟兵の動きを勘づかせたくも無い。
 そうなると、取れる方法は――。

「と、言う訳でセンセ達には、思いっっっっっきり、すぱりぞーとを楽しんで欲しいっス!」

 呪いが防ぐ事が出来ないのならば、呪いを全てかき集めて欲しい。
 と、彼女は笑う。

「大丈夫、大丈夫。センセ達なら死にゃァしないっスよォ」
 全く信用ならない言葉を零すいすゞの掌の中で、グリモアが瞬き。
 踵を返したぽっくり下駄が、コーン、と音を立てた。


絲上ゆいこ
 絲上ゆいこ(しじょう・-)です。
 今回もよろしくお願い致します!

●一章について
 スパリゾートを満喫して頂きます。
 楽しめば楽しむ程、一般人の安全が確保されます。
 温泉施設、温水プール、食事施設による食事などなどを皆様にはご気軽に楽しんで頂ければ!

 フラグメントに無くとも、スパリゾートで出来そう事ならば、お気軽に提案して頂ければいい感じに対応致します!
 混浴もあるよ、とは有りますが、混浴ゾーンは水着必須です。
 また、今回はいすゞはいません。
 がんばってテレポート係をしています。

●二章について
 調査フェイズです。
 異変が起きるので、異変を起こしているモトを推測して行動して頂きます。

 また。
 一章で行った『行動』で呪いを受けていた上で、
 更にどこかでダイスを振って頂き、奇数だった場合。
 『性格』が反転する呪いを受けるそうです。

 でもこれは一章時点では『プレイヤーキャラクターは知りえない情報』です。
 思いっきり楽しんだ上で、思いっきり困惑してくださいね。

 一章時点で『行動』によって、呪いを受けていない可能性もありますが。
 奇数の出た方で二章に参加して頂ける方は、
 プレイングに、どの様な呪いの受け方をしているか、を記入しておいて頂けると嬉しく思います。

 例えこのシナリオが失敗しても、時間経過で中途半端な呪いは解けるそうなので、ご安心を!

●迷子防止のおまじない
 ・冒頭に「お相手のキャラクター名(または愛称)とID」または「共通のグループ名」の明記をお願いします。
 ・グループ名等は、文字数が苦しければ括弧で囲わなくても大丈夫ですよ!

●その他
 ・プレイングが白紙、迷惑行為、指定が一方通行、同行者のID(共通のグループ名)が書かれていない場合は描写できない場合があります。

 それでは、素敵な皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 日常 『混浴温泉リゾートでのひとときを』

POW   :    水着を着てプールのように楽しめる温泉レジャー!スライダーとかありますよ!

SPD   :    水着なんて邪道!普通にのんびり露天の温泉でゆっくりしよう!混浴もあるよ!

WIZ   :    リゾートは温泉だけじゃない!海の幸に山の幸、美味しい料理も待っているぞ!

👑5
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河南・光
……邪神を狩りに来たんだけど。
なに、楽しんでいいの?ふーん……

まぁ、ずっと邪神邪神で遊んだりとかしてなかったしね
たまには遊ぶのもいいかしら

なになに、プールにウォータースライダー、サウナにエステ?
エステかー。ちょっと興味あるかも
もし入れなかったら流れるプールとかウォータースライダーとか楽しめばいいし、とりあえずエステ行ってみますかねっと

後はまぁ余裕があれば、普通に温泉と食事も満喫したいところね
さてさて、どうなることやら

※アドリブ、絡み歓迎


田抜・ユウナ
【SPD】
『反転』の呪具、か。何が起こるのかさっぱり想像がつかないわねー。

とにかく、今は楽しむことだけを考えましょう。ってことで、岩盤浴を満喫する。
説明書きをさらっと読んでから、
横になって、ひたすらぐでー

ぐでー

ぐでー

……ZZZ

……あぁ、日ごろの依頼とか鍛錬とか、グリモア猟兵としての予知とかで溜まった疲労やストレスが溶けていく。


クレム・クラウベル
ルト(f00036)と

俺も詳しいわけではないが……
要は温泉を含むリラクゼーション施設というものらしい
楽しみ方はルトに任せよう

……任せるとは言ったが、何ともお前らしいな
ベッドに埋もれるように寝転んだ背に肩を竦めて
あの世界にこんな上等なベッドがそうあると思うか?
と言うか、寒いからと暖炉の前で寝てるのはお前だろう
耳を寝かせる姿はともすれば子供の様で小さく吹き出し

楽しんでこいと言う事なら遠慮なく
酒と摘みになりそうな軽食を取り寄せて
昼から酒など久しぶりの贅沢だ
そうだな。身体も解れるし温まるし、お前は好きそうだ
……なんだ、もう眠くなったか?
はいはい、今の内に寝ておけ
人狼もこれでは子猫か何かの様だ


イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と

すぱりぞーと。
聞き慣れない響きを繰り返し、小首を傾げクレムに説明を求めてみる
とりあえず楽しめばいいらしいから、なんでもいいけど

娯楽といえば酒と惰眠

普段はソファで寝ているものだから
ぼふりとベッドの上で極楽気分
クレム、これ、やわい
おまえんちもこれにしなよ
苦言を言われてもぺとりと耳を垂らして聞こえないふり

温泉は気になるけれどこの身なりでは気になるところ
一応、それぐらいの礼儀はある
なあ、温泉って気持ちいいの
いずれ行ける日を空想しつつ、今は酒で誤魔化して
ふわりふわりと夢心地
ん、だいじょうぶ、仕事はする
ベッドに丸まる姿はすっかり猫である



●ようこそ、スパリゾートへ!
 椰子の木が立ち並ぶ通りを抜ければ、スパリゾートの入り口が見えてくる。
「すぱりぞーと」
 あんたは知ってるのか? と。
 首を傾ぐ、イェルクロルト・レイン(叛逆の骸・f00036)。
「……ん。俺も詳しいわけではないが……、要は温泉を含むリラクゼーション施設というものらしい」
 クレム・クラウベル(paidir・f03413)が、銀糸の三つ編みを揺らして建物を見上げる。
 一目で豪奢と理解出来る、その作り。
「……ふうん。なんでもいいけど」
 とりあえず、楽しめばいいんでしょ。
 説明を求めてはみたがいつもの態度。
 鼻を鳴らしたイェルクロルトが一歩踏み出せば、肩を竦めたクレムもその背を追った。

「ふーん……」
 木を基調とした温かみの感じられるデザインのフロントで、河南・光(神殺し・f12216)は壁に備え付けられた案内板とにらめっこしていた。
 光はいつもどおり、邪神を狩りに来たつもりだけであった。
 しかし。
 グリモアベースで猟兵達にまず与えられた任務は、――おもいっきり、楽しんできて欲しいというモノだ。
「プールにウォータースライダー、サウナに岩盤浴、エステ……」
 黒曜色の横髪を指先に巻き付けながら、光は瞳を細める。
 なかなか充実したスパリゾートである。
「エステかぁ」
 バリ式のオイルトリートメントが推しのエステ、との説明書きを、光は指先で追い。
 ちょっと興味があるかも、なんて。
 ふぅん、と喉を鳴らして頷いた。
 思えば覚醒してからずっと邪神邪神と走り回る生活で、最近は遊びに興じるような事も無くなっていた。
 何より、狩りに必要な事だと言うのならば。
「たまには、遊ぶ事も良いかもしれないわね」
 そうとなれば。
 温泉も、食事も、プールだって楽しみたい。
 さあ、まずはエステに向かいますか、と光はゆるゆる奥へと歩みだす。
「さてさて、どうなることやら」
 久々に羽根を思いっきり伸ばすのも良いだろう、と。
 光は両手を挙げて、伸びを一つした。

「……あー……」
 長い耳、漆黒の髪をタオルで一つに纏めた田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は、ごろごろと並べられた薬石の上で軽く寝返りを打つ。
 じわじわと温かい石に、体の芯から暖められる心地の良い感覚。
 滲んでくる汗に混じって、体の中の悪いモノが滲み出てきているような気がする。
 そこへ近づいてくる気配。
 小さく首を擡げたユウナは――。
「あら、あなたも猟兵、ね?」
 寝転がったまま、横のスペースに腰掛けた光に声を掛けた。
 先程、グリモアベースで見た顔だ。
「うん。エステに行ったんだけど、先に体を暖めながら待ってって言われちゃってね」
「まあ、今エステは待ち時間があるのね」
「そうね、でも。その間岩盤浴を楽しむのも、悪くは無いわ」
「……ええ。……これ、気持ちいいのよねー」
 一つ頷いてから。
「……しかし、『反転』の呪具、なんて。何が起こるのかさっぱり想像がつかないわねー」
 ぐで、と再び頭を枕へと倒したユウナは、ぽつりと呟いて瞳を閉じた。
 じわ、じわ、暖まる体。
 日頃の戦いや、鍛錬、予知。
 ――溜まった疲労やストレスが溶けていくようだ。
「そうね、『反転』……なんて、なかなか物々しい響きだしね」
 しかも、それが邪神が関わっている呪い、と成れば。
「……」
 嘆息と共に溢れた光の相槌に、返事は無い。
「――……」
 体を起こして、ユウナの顔を覗く光。
「……寝るの、早くない?」
 ユウナの寝付きはとても良かった。
 蕩けそうな程、はちゃめちゃに幸せそうな寝顔のユウナ。

 すう、すう。
 小さな寝息が響く。

「……任せるとは言ったが、何ともお前らしいな」
 ふわふわ、ふかふか。
 マットレスが、柔らかくもしっかりと体を受け止めてくれる幸せ。
「ん。……これ、やわい」
 呆れた様に肩を竦めたクレムにイェルクロルトは薄っすらと瞳を開いて、半分以上夢見心地の返事を返す。
 スパリゾートホテルの一室。
 イェルクロルトは綺麗なベッドに埋もれるように、寝転んでいた。
「おまえんちもこれにしなよ」
 大きな欠伸を隠しもせずに、イェルクロルトが尾を体に巻きつけて、蕩けるように囁いた。
 普段イェルクロルトはソファで寝ているものだから。
 こんなに心地よい寝心地では、直ぐに意識が持っていかれそうだ。
「……あの世界に。こんな上等なベッドがそうあると思うか?」
 眉を寄せたクレムは、呆れたように。
 サイドテーブルの上のグラスを傾け、苦言を零す。
「と言うか、寒いからと暖炉の前で寝てるのはお前だろう」
 ベッドに沈んだままのイェルクロルトは、ぎゅっとシーツを引き寄せて。
 ピアスだらけの獣の耳をぺったりと寝かせて、おれはいま聞こえていませんよのポーズ。
「……」
 耳は口ほどに何とやら。
 まるで子どもの様な、イェルクロルトの立ち振舞い。
 は、と喉を鳴らして吹き出したクレムは、大げさにやれやれと肩を竦めてから。
 ルームサービスで取り寄せたターキーのサンドイッチを一口齧り、追うように赤ワインを流し込んで一息。
 昼間から呑む酒なんて、随分と久しぶりの贅沢だ。
 んー、とベッドより声が漏れた。
「……おれも呑む」
「果物もあるぞ」
「……んー、酒が良い」
 娯楽といえば酒と惰眠。寝転んだまま言うイェルクロルトに。
「なら、ちゃんと体を起こせ」
 サイドテーブルに、赤ワインを注いだグラスを置いてやるクレム。
「どーも」
 短い返事。
 イェルクロルトは上半身だけ起こして、グラスを煽り。
「……なあ、温泉って気持ちいいの?」
 ぽつりとクレムに尋ねた。
 温泉は気になってはいるが、この身なりで入浴する事は少し憚れるような気がして。
「そうだな。身体も解れるし温まるし、お前は好きそうだ」
「ふうん」
 再び、イェルクロルトは短い返事。
 あたたかくて、やわらかな湯。
 いずれ行ってみたい、とその日を夢想するだけ。
 イェルクロルトはグラスを全て開けてしまうと、酒精の匂いをする息を肺から逃して再びベッドの上に丸くなる。
「……なんだ、もう眠くなったか?」
「ん。――だいじょうぶ、仕事はする」
 まあるく尾を引き寄せて眠るその姿は――。
「はいはい、今の内に寝ておけ」
 人狼もこれでは子猫か何かの様だな、と。
 クレムはまた肩を竦めて、赤ワインをグラスに注いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

寧宮・澪
わーい、スパー……。
いいですねー……ぬくぬくー……ゆったりー……。

温泉、満喫しましょー……。
目指せ、全制覇ー……。
ゆったり、いろんなお湯をじっくり楽しんでー……。
体、伸ばして、ほぐしてー……効能、読んだりしつつー。
喉にいい香りのお湯や、お肌にいいお湯、凝りに効くお湯とかー……ありますでしょかー……。
あったらいいですねー……。

休憩で、おいしいスイーツや、お茶も、楽しみですねー……。
おすすめ、きっとあると思うん、ですよー……。
落ち着いたら、また別の温泉にいったりー……。
体がふやけるくらいに楽しみますよー……。
ビバ、温泉ー……。

アドリブとかー、連携、歓迎ですよー……。


セツナ・クラルス
すぱりぞーととは
水やお湯を使った催しものだと聞いたことがあるよ
滝行や水行とはまた違う…のだろうね
ふぅむ、豪華すぎて
私は随分場違いに思えてしまうのだが
ふふ、何事も試してみないことには始まらないね

おいでゼロ
共に挑戦しよう
おっかなびっくり湯船に入り
そのまま肩までどっぷり浸かる
ああ、身体の疲れがお湯に溶け出ているようだ…
(はっ)大変だ、ゼロ
向こうの施設では
水流に身体を当てて血行を良くすることができるらしいぞ
すごいなここが桃源郷だったんだ
感激しつつ、全てのコーナーを制覇する勢いで満喫する

この辺りをあらかた制覇したら
あっちのフレッシュフルーツジュースでも飲もうか
ふふふ、実はこっちもとても楽しみにしてたんだ


ペチカ・ロティカ
リュー(f01051)と。

ペチカは温泉ってはじめてなのよ
ひろいお風呂?あたたかいプール?
リューが言っていたから、準備はしっかりしてきたの
髪もしっかりまとめるの(ほつれる
ちゃんと作法通りあひるさんも連れてきたのよ

がんばって、あひるさん
ぱちゃぱちゃ波をおこして応援するの
ペチカのあひるさんはのろのろなの
けどリューのはすごくはやいのよ。すごいの
”功労賞”として、温泉から出たら飲み物を買ってあげる事にするの
ここでもいろんな流派があるって聞いたのよ リューは何派?
ペチカは…ふるーつ牛乳が飲んでみたい。あるかしら?

(かぽーん)
……ちからが抜けて、とけてしまいそうなの
とろとろなのよ。おんせんたまご?みたいなの


リュー・メトカーフ
ペチカ(f01228)と共に
温泉へ行こうじゃあないか

背中の発条が他の邪魔にならぬよう気遣いを
ペチカ、髪は湯舟につけてはいけないよ
ちゃんとまとめておくといい

温泉にあひるさんはマナー
私もマナーを守り、相棒たるあひるさんと共に行こう
あひるの背中のゼンマイを回せば水上をかなりのスピードで駆けていく
あひる内部にモーターを仕込んであるのは私だけの秘密だ

見てくれペチカ、私のあひるさんが最速さ
今日のあひるさんレース、これで私たちの優勝は揺るがないよ

あひるさんレースは実際にあってもいいしなくてもいい
不正はバレてもいいしバレなくてもいい

私は勿論コーヒー牛乳
なんといっても大人だからね
コーヒーを嗜んでしまうのさ


自由に


野良・わんこ
【ワイルドハント】
スパはいいですよ。スパは! お風呂、ごはん! 
それにしてもリダンちゃんは相変わらずうない体ですねぇ。いえ、そういうのが好きな男の人だっているはずですから気にしないでください。
足裏マッサージ? いえわんこは遠慮します。遠慮しますから。
チョット待ってください、リダンちゃん。世の中には剛毛たわしが好きな人がきっと居ますから、だから待ってくd
このわんこ、健康体ゆえに足つぼマッサージなど効かぬ!
さて、按摩師のフリをしてニコリネちゃんのお肌チェックでもしましょうか。むむっ! この肌ツヤは……!!
やめろー! わんこの更に肉以外を入れるんじゃあない! 野菜はやみつきキャベツがありますからやめ


ニコリネ・ユーリカ
【ワイルドハント】
このメンバー、先の戦争での連携を思い出すわねぇ。
慰労会っていうとジジむさいから、温泉同好会!
今日は頭からっぽにして楽しみましょ。

ジャグジーってんンン水がんんポコポコしてんンン……
カラダがほっこり柔かくなって。はぁ極楽ごくらく。

リダンさん予約取ってくれてありがとう。事前準備担当お流石です。
ツボ押しで長寿健康って、こういうの凄く信じちゃうのよねぇ。
普段から立ち仕事で血流淀んでそうだから、思いっきりやって下さい!
足裏は第二の心臓ああああぁぁ嗚呼!!

あーすっきりした(涙目)!
汗とか涙とか色んな汁を絞った後は皆でご飯。
最近お野菜が高いから、こういう所で沢山取っておこうっと。(がめつい)


リダン・ムグルエギ
【ワイルドハント】
銀河皇帝の側近戦の時とか凄い頑張ったしね 。皆お疲れー
ジャグジー系のお風呂に入ってのんびりとしたいわ
水に揉まれる感じが好きなのよねー

ニコリネさんとかつかささんと一緒にお風呂だと、こう
お風呂に花浮かべて入ってるみたい
目の保養って感じね

わんこちゃんしゃらーっぷ
悪口いう子は…こうよ
事前に予約していた足つぼマッサージへ連れ込むわ
それとタワシとか
う そ 混 ぜ て 喋 る な
(頬ひっぱり)
肝臓があ”あ”あ"あ"とかいいながら普段の疲れを癒しましょ
つかささんの肩こり…丸太振り回してるせいよねきっと

食事はもちろん、旬の野菜とスイーツ尽くしでお願いするわ!
皆のお皿にもよそうわねー

アドリブ歓迎


荒谷・つかさ
【ワイルドハント】
美味しいごはんに温泉と聞いたら行くしか無いわね。
ワイルドハント温泉同好会、出陣よ!

じゃぐじー……なるほど、入ってるだけで身体が解されるお風呂。
普段から大剣とか振り回してるから、全身凝るのよね。
……あ、コレいいわぁ
(はふん、と吐息漏らしつつ満喫)

マッサージは私は全身揉み解しコースで……足ツボ組は頑張って?
(悲鳴を聞きながら)満遍なく凝ってる中で、肩を重点的に。
他はそれなりな中、ここだけは何故かガチガチで「んおおぉぉぉ」とか声出るわ。
(※主に胸のせい)

食事は勿論、がっつりいくわ。
焼き肉!お刺身!お野菜も沢山!
私の辞書に「好き嫌い」という文字は無いわ……いただきます!
(実は大食い)


静海・終
モクレン/f00754と

私もそこの辺はそれなりに知識がありますが
モクレンくんのは随分と知識がオヤジ臭いですね
古き良きとも言いますが…
中の人がいっぱい居るせいでしょうか…?

最近たくさん怪我してわき腹やら掌やらがひどいものなので
少々上着で誤魔化しながらはしゃぐのを眺める
ふふ、なかなかのんびりするのもいいものですねえ
と、言ってると私もオヤジ臭いですねかね?
これは大人げなくはしゃがねば
とりあえず全力でモクレンくんに絡みましょう
モクレンくんは…傍で見ると思った以上にちびっこですね
ちゃんと食べてはしゃいですくすく成長せねばですよ?
無意識に保護者面になってしまうのでオヤジ臭さから抜け出せませんね…


奇天烈・モクレン
終(f00289)と【SPD】



スパリゾートだって、俺達初めてかも。
終は露天温泉入ったことある?
へへへ、UDCアースではこうやってタオルを頭に乗せて、お風呂上りは
瓶入りの牛乳飲むんだってさ!
……なんでかは知らないけど。なんかそういう作法になってるらしいよ。
そんで肩までお湯に浸かった時にア゛ァーって言うんだって。

猟兵も肉体労働だもんなあ、偶には自分労わってやんないとな。
でも飲み友達とこうして依頼とはいえ温泉楽しめるんだから
仕事もよりけりだね! 今回は金も貰えて温泉も入れて超ラッキー!
呪いがどうとか言ってたけど……

パンフレット読む限りだと他にも
色々書いてあるし今日は指先がふやけるまで遊びつくそうぜ!


アルミィ・キングフィッシャー
…いやあ、仕事のなのに休ませてもらって悪いねえ
事件絡みじゃなきゃもっとゆっくり出来るんだが……まあいいや(ずぶずぶ)

しっかし、こんだけ熱い湯を用意できるとか、こっちの世は金持ちなんだか金遣いが上手いのか。どちらにせよ楽できるのなら越したことはないがね。

ほほう、湯船の外では酒も出ると
いいねえ、そこらの王侯貴族でもこんなことは味わえない
こういう時、猟兵で良かったと思うね。生魚はちょいといただけないが

(盃を傾けて)
…ところで反転とやらってなんなのかねえ
酒に酔って天地がひっくり返るとかかい?
それだとちょいと楽しむのが難しくなりそうだが。
いつでも何かを作れるくらいにはしておくかね。

…あ、もう一杯。



 湯けむりに混じる硫黄の匂いは、その湯が温泉である証拠のようであった。
 少しとろみの有る湯質は、肌に吸い付くよう。
 美人の湯、なんて名の冠された露天風呂。
「……いやあ。仕事なのに休ませてもらうなんて、なんだか悪いねえ」
「あー……、ぬくぬくー……、いいですねー……」
 こんこんと湯の注がれるその石造りの湯船に、アルミィ・キングフィッシャー(「ネフライト」・f02059)と寧宮・澪(澪標・f04690)は並んで浸かっていた。
「ま、事件絡みじゃなきゃもっとゆっくり出来るんだがね……」
 肩を竦めたアルミィは、まあいいや、と。
 ずぶずぶ肩まで湯に浸かり、木造りの屋根の向こうに覗く空を見上げた。
 温い露天湯の上を吹き抜ける風は、まだ少し冷たく。火照った頭を、心地よく冷やしてくれる。
 つまりはずっと浸かっていても、のぼせ辛いという事だ。
「お仕事でもー……、ゆーったり楽しんでこいって言われたならばー……。体がふやけるくらいに楽しんじゃいましょー……」
 目指せ全制覇ー、ビバ温泉ー。
 なんて。
 ゆるーく宣言した澪は、身体をぐうっと伸ばして、ほぐして。
 そんな様子にふ、と鼻を鳴らしたアルミィは、纏めた青髪を揺らして小さく顔を降った。
「それもいいかもしれないねえ。……しっかし、こんだけ熱い湯を大量に用意できるとか、こっちの世は金持ちなんだか金遣いが上手いのか」
 アルミィが呟き、軽く湯を掬えば。とろとろ、と指の間を滑り落ちる湯。
 温泉だけでもこの湯量だと言うのに、まだ温かいプールもあると言う。
 アルミィの『世界』ではちょっと考えられない程の贅沢に思える、スパリゾートという施設。
「どちらにせよ楽できるのなら越したことはないがね」
「はーい……ぬくぬくー、ゆったりー……、とっても、すてきですー……」
 あ、と眠たげな瞳を瞬かせた澪は、言葉を付け足し。
「休憩で、おいしいスイーツや、お茶も楽しみですー……」
 お腹が落ち着いたら、また別の温泉にいったりー、と言いながらぷくぷくと湯の中に半分沈んでゆく澪。
「ほほう、……湯船の外では食事もあると。……酒はどうだい?」
「あるの、ではないでしょかー……」
「いいねえ、そこらの王侯貴族でもこんなことは味わえないだろうね。――こういう時だけは、猟兵で良かったと思うねえ」
 にんまりと笑みを浮かべるアルミィに、あまり動かない表情筋を持つ顔を傾ぐ澪。
「んー……。お食事も、スイーツもー、いろいろー……。おすすめ、きっとあると思うん、ですよー……」
 ふうん、とアルミィは瞳を瞬かせてから。身体を澪へ向け、尋ねる。
「なあ、アンタ。後でその食事に行ってみないかい?」
「わーい……、いいですよー……」
 揺れる湯けむり。
 二人の猟兵はじっくりと湯を楽しみながら、相談を始めるのであった。

 自分で纏めようとしたら、ほろほろ溢れてぜんぜん纏まらなかった髪の毛。
「ねえ、リュー。温泉って、とってもひろいのね」
 長い琥珀色の髪を二つのお団子に纏めて貰ったペチカ・ロティカ(幻燈記・f01228)は、温泉のお作法としてのあひるさんを抱えて首を傾いで。
 髪を一つに纏めてあげている途中のリュー・メトカーフ(ヴィユーヴィス・f01051)に声を掛けた。
「それでもココの温泉は、特別広そうだけどね」
 髪の毛を纏めたリューも、マナーとしての相棒のあひるさんを脇に抱え。
 背中に伸びる発条が人の邪魔にならぬようにゆっくりと石畳の上を歩みだす。
 そんな彼女の後ろを、ゆっくりと付き歩くペチカはぴんと背を伸ばして。
「温泉ははじめてだから、作法には気をつけるの」
「おお、ペチカ。実に良い心がけだね」
 人の入っていない大きな湯船を選んで、そろそろと湯に浸かる二人。
 そう。
 今日の二人の目的は『温泉のマナー』たる、あひるさんレースだ。
 別段そんなレースは、この施設で公式には行われていないが。
 二人がレースをするのならばそれはレースなのだ。
「がんばって、あひるさん」
 ぱちゃぱちゃ。
 ペチカが湯の中で手を仰げば、波が起き。
 ゆるゆると進むペチカのあひるさん。
 その横で波紋を立てて。
 悠々と駆けてゆくのは、背中にゼンマイをつけたリューのあひるさんだ。
「見てくれペチカ、私のあひるさんが最速さ」
「……ペチカのあひるさんはのろのろだけど。リューのあひるさんはすごくはやいのね、すごいのよ」
 ぽんやりと呟きながら、尚も波を作るペチカ。
 ゆるゆる生まれた波に、中身が空洞のペチカのあひるさんは流され。
 中身にモーターが仕込まれたリューのあひるさんは、愚直に駆け。風呂の縁に、こつんと嘴をぶつけて倒れた。
「今日のあひるさんレース、これで私たちの優勝は揺るがないね」
「すごいの、リュー。もしひーろーいんたびゅーされた時は、どんなおはなしをすればよいのかしら?」
「そうだね。私とあひるさんの出会いから話を始めよう。――あれは今日みたいな、じっとりとした雨が降る夜だった」
「今日はとってもお天気なのよ?」
 嘯くリューに、ペチカが首を傾ぎ。
「……そう言えば『功労賞』として、温泉から出たら飲み物を買ってくれる、という話だったね」
「そう、そうね。ここでもいろんな流派があるって聞いたのよ。リューは何派?」
「私は勿論コーヒー牛乳さ。なんといっても大人だからね」
 コーヒーを嗜んでしまう大人のリューは、花も恥じらう14歳。
 そういうものなのね、と天井を見上げるペチカ。
「ペチカは……ふるーつ牛乳がのんでみたいのよ」
「そうか、あれも良いものだからね」
 ペチカの言葉に、うんうんと頷くリュー。
 改めてほう、と息を吐き出して。湯に肩まで浸かったペチカは、波に泳いでいたあひるさんを片手で捕まえた。
 なんとなく会話が止まった二人の遠くでカポーン、と音が響く。
「……ちからが抜けて、とけてしまいそうなの。とろとろなのよ」
「ああ、とろとろだね」
 リューの相槌に、ペチカはおんせんたまご? みたいなの、なんて。
 瞳を細めた。

「このメンバー、先の戦争での連携を思い出すわねぇ」
「銀河皇帝の側近戦の時とか、凄い頑張ったしね。皆、お疲れさまー」
 ジェットバスの設置された桶風呂にニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)とリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)が浸かると、ざぁと贅沢に湯が溢れ湯気を立て。
「スパはいいですよ、スパは……。温泉にご飯、極楽ですー」
「美味しいごはんに温泉と聞いたら、ワイルドハント温泉同好会としては来るしか無いわよねー」
 その横に並びもう一つ設置された桶風呂の中には、へにゃっとゆるーく表情を崩した野良・わんこ(灼滅者・f01856)と、荒谷・つかさ(焼き肉担当・f02032)が浸かっている。
「はー……、ジェットバスって、水に揉まれる感じが好きなのよねー」
 リダンの言葉通り。
 ごぼごぼごぼ。
 背を、脇腹を、脚を。
 水流が身体を揉み解すように勢いよく吐き出される湯船の中。
「なるほど、入ってるだけで身体が解されるお風呂。……はふ……、コレいいわぁ……」
 それは普段から大剣等を振り回しているつかさとしても、身体のほぐれる心地の良いモノであった。
「んンン、湯がんん、ポコポコしてんンン……、カラダがほっこり柔かくなって。はぁ極楽ごくらく……」
 言語の乱れが見られる、ニコリネもご満悦。
 その大きな胸が揺れる、揺れる。
「しっかし。ニコリネさんとか、つかささんと一緒にお風呂に入っていると、お風呂に花浮かべて入ってるみたいで……。目の保養って感じねえ……」
 そんな様子にリダンははあー、と息を零して、瞳を細め。
 両頬に湯をかける、わんこが首を傾げた。
「いやいや、リダンちゃんも相変わらずうない体ですよぉ」
「……ん?」
「いえ、そういうのが好きな男の人だっているはずですから気にしないでください」
「わんこちゃん、しゃらーっぷ」
 横の桶へと手を伸ばしたリダンは、わんこの両頬に掌を当てて。
「悪口いう子は……、事前に予約していた足つぼマッサージへ連れ込むわ」
「チョット待ってください、リダンちゃん。足裏マッサージは、遠慮します。わんこは遠慮しますから」
 ふるふる、と左右に首を揺するわんこ。
 リダンの緑色の瞳に揺れる、決意の色。
「世の中には剛毛たわしが好きな人がきっと居ますから、だから待ってく」
「それとタワシとか。う そ 混 ぜ て 喋 る な」
「んむうゅ、うひふふふぇー!!」
 むいーっ、リダンに引っ張られるわんこの両頬。
 よく伸びるなあ。
 悶えるわんこ。
 既にこれも、いつもの光景なのだろう。
「あ、リダンさん予約取ってくれてありがとうございます。事前準備担当お流石ですー」
 ツボ押しで長寿健康って、こういうの凄く信じちゃうのよねぇ、なんてマイペースに微笑むニコリネに。
「私は全身揉み解しコースにしようかな」
 なんだか肩が凝るのよねえ、と肩を回すつかさ。
 その肩こりの原因は、もしかするとその立派なお胸のせいなのかもしれない。
「……」
 わんこの頬を、優しい表現をすると揉みほぐしながら一瞬真顔になるリダン。
 つかさの肩こりは丸太やら大剣やらを振り回してるせいだと、自らに言い聞かせる。
「んむうぇふゅぅ、うー」
 そのままわんこも無理やり湯上げされて、そのままマッサージコーナーへと連行されたようでした。
 足裏は第二の心臓、なんて叫び声が聞こえたとか、聞こえなかったとか。

 一方、男風呂。
 うっすら硫黄の香りが漂う脱衣所。
「終は露天温泉は、入ったことある? 俺達初めてかも」
 ひょろりとした、小柄な身体。
 タオルを頭に載せた奇天烈・モクレン(破綻・f00754)は、静海・終(剥れた鱗・f00289)に首を傾げ。
「へへへ。UDCアースではこうやってタオルを頭に乗せて、肩までお湯に浸かった時にア゛ァーって言うんだって」
 そして腰に手を当ててエア牛乳瓶を一気に呷り、うぃーっと口を拭うモクレンに。
「そんで、お風呂上りはこうやって瓶入りの牛乳飲むんだってさ!……なんでかは知らないけど。なんかそういう作法になってるらしいよ」
 最近できてしまった多数の傷を大きめのタオルで隠しながら、終は瞳を細めた。
「私もそこの辺はそれなりに知識がありますが。……モクレンくんのは、随分と知識がオヤジ臭いですねえ」
「うーん、そうなのかな?」
 やや古い偏った知識は、彼の中に人格が多数在るせいだろうか?
 それは言い換えれば、古き良きとも言えるだろうが。
 しかし、何はともあれはしゃぐ友人が楽しげで何よりだと、終はへらへらいつもの笑み。
 服を脱いだモクレンの身体を、ちらと眺めて。
「……しかし、モクレンくんはこうやって見ると……。思った以上にちびっこですね」
 ちゃんと食べて、はしゃいで、すくすく成長せねばですよ? と、終はロッカーの鍵を閉める。
「ウッ。……もしかしていま、俺達の身長等の話をした?」
 びくん、と肩を跳ねるモクレンに、無意識に保護者面をしていた事に気づいた終。
「……今、私も少しオヤジ臭かったですかね?」
「はぁはぁ……、少し、すこしね……」
 少なからず身長の話題はダメージを受けるモクレン。
 先日も顔見知りに身長を抜かされ、血反吐をはく思いをした所なのだ。
 ロッカーの鍵を腕に装着してからタオルを握りしめて。
 なんとか呼気を整えた、モクレンは笑む。
 閑話休題って奴だ。
「……でも、こうして仕事とはいえ、飲み友達と温泉楽しめるんだから。仕事もよりけりだね!」
 猟兵も肉体労働。偶には自分を労ってやる事も大切であろう。
「今回は金も貰えて、温泉も入れて超ラッキー!」
 そりゃあ、呪いがどうとか、呪いを自分たちに集めろとか言われていたけれど。
 温泉は温泉だし、自分を労れる事も間違えては居ない。
 お給金だって言い値で出る。いいね。
「ふふ。温泉でのんびりするのは、なかなかいいものですからねえ」
 あ、またオヤジ臭い事をいいましたか? と、終が頭を掻き。
 終のオヤジ臭さはいつもの事だから気にしなくていいよ、とモクレンは笑った。
「へへへ。じゃ、今日はたっぷりのんびりして、指先がふやけるまで遊びつくそうぜ!」
 温泉だけでは無い、パンフレットには他にもいろいろな施設の事が書いてあった。
 プールに、岩盤浴。
 ジムにゲームコーナー、食事にマッサージだって。
 お楽しみはたくさん、たくさん。
「それは、それは。モクレンくんに負けないように、大人気なく私もはしゃがねばいけませんね」
 オヤジ臭さの払拭のためにも、と終は頷き。
「よーし、いくぞー!」
 タオルを巻いたモクレンと終は、浴場へと歩みだした。
 かぽーん。
 浴場に響く、謎の音。
「ゼロ、ゼロ。ご覧。こんな贅沢な湯浴みの施設見たことがあるかい?」
「はいはい、はしゃぐなよ」
 セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)と、その別人格のゼロは大きな湯船を前にはしゃいでいた。
 主に、大体、セツナが。
「おいでゼロ、滝行や水行とはまた違うのだろう? 共に挑戦しようじゃないか。」
 ふふ、何事も試してみないことには始まらないね、なんて笑うセツナに。やれやれと肩を大きく竦めたゼロが、仕方ないといった様子で彼の背を追う。
「……ああ、これは凄いね」
 おっかなびっくり。
 湯船に身体を沈めたセツナは、心から吐息を漏らして。
「これは身体の疲れがお湯に溶け出ていくようだ……」
 こんなに立派なで豪華な風呂は、セツナには場違いにも思えたが。
 その心地よさは、確かに本物だ。
「はー……、確かにこりゃあ気持ちが良いな」
 ほう、とゼロが息を吐いた瞬間。はっとして突然立ち上がるセツナ。
「……大変だ、ゼロ」
 落ち着けよと言いたげな、胡乱げな視線。
 ゼロはセツナを見上げ――。
「向こうの施設を見てごらん、水流に身体を当てて血行を良くすることができるらしいぞ」
 すごいなここが桃源郷だったんだ、なんてセツナは慄き。
 ゼロの視線はそのまま。
「落ち着いて浸かれよ」
 視線だけでなく、心から漏れるセリフ。
 しかし、セツナは既にジェットバスの方へと歩み行っていた。
 このまま放っておけば、この広い浴場の中。
 ある程度離れてしまえば、別人格である自らの身体は消えてしまうが――。折角のこの心地よい湯を諦めるのも癪だ。
 やれやれとゼロは彼を追って、立ち上がり。
「凄いぞゼロ。こっちは電気風呂だそうだ、電気だなんて感電してしまいそうだというのに。一体どんな魔法なんだろうか……」
「はいはい」
 感激の声を漏らすセツナに、仕方なく付いてゆくゼロ。
「ふふふ、ゼロ。この辺りをあらかた制覇したらあっちのフレッシュフルーツジュースも飲もう。私はこちらもとても楽しみにしていたんだ」
 そんな彼が次いだ言葉に。
「……それは、お前にしてはちょっといい考えだな」
 瞳を瞬かせたゼロは、提案に頷いて。
 並びジェットバスへと、そろりと脚を――。

●美味しいお食事をキミと
 焼き肉担当のつかさが手配したコースは、焼き肉、お刺身、お野菜もたっぷり。
 もちろんスイーツだって、モリモリだ。
「やめろー! わんこの皿に肉以外を入れるんじゃあない!」
 お野菜はやみつきキャベツがあるのですから、ソレ以外はノーセンキュー。
 わんこは喚きに喚いていた。
「はいはい、旬のお野菜をよそってあげるわねー」
 無情なるは、リダンのお野菜を盛る手。
 リダンは宇宙山羊。
 お野菜大好き。あとスイーツも大好き。
 リダンには野菜嫌いの気持ちはわからぬのだ。
「本当にスッキリしたわねぇ……」
 先程足ツボを思いっきり刺激された結果、汗やら涙やら色んな汁を絞られて、少しばかり目の下は赤くなっているけれど。ニコリネの身体は驚くほど軽い。
「あ、最近お野菜が高いから、こういう所で沢山取っておこうっと」
 盛られたお野菜だって、ニコリネは美味しく頂ける。
 温泉で温まって、身体もほぐれて、そして美味しい食事。
 ああ、今日はなんて良い日なんだろう。
 ニコリネは、ほくほくと微笑み。
「はあ……、スパって頭からっぽにして楽しめて最高ねぇ」
 止まらぬ箸。
 肉を、野菜を、魚を、皿に取ってはその胃袋に収めて。
「ええ、ええ。スパをめいっぱい楽しんだ後に、食べる食事も最高だわ」
 こう見えてつかさは健啖家。
 好き嫌いという文字の無い辞書を持つ女、つかさは4杯目のご飯をおかわり中。
 そんなほっこり風景の横は、わんこにとっての地獄絵図。
「やめ、やめっ、ああーっ!」
 肉の約2倍。
 リダンの手によって無事、野菜をモリモリにされたわんこのお皿。
「はいはい、わんこちゃん。こっちの人参サラダも美味しいわよ、どうぞー」
 必ずかの邪智暴虐のリダンを除かなければならぬと、わんこは決意する。

 わいわいはしゃぐ、ワイルドハントの皆が仲良く食事を楽しむ席より。
 少しだけ、離れた席。
「……ところで反転とやらってなんなのかねえ。酒に酔って天地がひっくり返るとかかい?」
 盃を傾けるアルミィは、片手でつまみを一口。
 花をあしらわれた南国風パフェを口に運ぶ澪に、肩を竦めて笑いかける。
「……それはー……、なんだか、二日酔い、みたいですねー……」
「そうなると、ちょいと楽しむのが難しくなりそうだけれどね」
 くっくっと笑ったアルミィは、歩いてきたウェイターに手を上げて。
「ま、ほどほどにして。いつでも何かを作れるくらいにはしておくかねぇ。――あ、アンタ、もう一杯コレを貰えるかい?」
「わー……、アルミィ、さんー……それ、何杯目でしたっ、けー……?」
 お茶をのんびり啜った澪は、眠たげな瞳を瞬かせた。
 ほどほどって、人それぞれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

壥・灰色
海の幸と山の幸を食べる
ポジションはクラッシャーでいく

バイキングかな? そうじゃないかな?
まあいいやどっちでも、今から沢山喰うことには変わりないわけだし
沢山喰うにはコツがあってね、前日から胃を空っぽにしておいちゃまずいんだ
食事の糖質量を控えつつ、けれどいつもの半分でいいから量は食べておくこと
その日の朝食はスープだけ
この辺を守って突撃するんだ


厨房を空にしてやる


嵐の如く海の幸山の幸を乱れ食い
スパにもプールにも一端興味なし
とにかく飯
海老とかカニとか普段あんまり食えないものをモリモリ食べる
あ、サーロインステーキもある? なるほどー十人前ください
おひつ空っぽにしてもまだ入るぞ
さあ、じゃんじゃん持ってこい



 別段遅れてもいないが、ポジションはクラッシャーだ。

 海の幸、山の幸。
 スパリゾートホテルの中の、バイキング店舗。
 たくさんの料理が立ち並ぶビュッフェボードを前に、白いトレイを携えた壥・灰色(ゴーストノート・f00067)は細く息を吐いた。
 目一杯料理を胃袋に収めるコツは、知っているかい?
 前日から胃を空っぽにしておいちゃまずいんだ。
 食事の糖質量を控えつつ、けれどいつもの半分でいいから量は食べておくこと。
 その日の朝食はスープだけ。
 つまり、何が言いたいかって。
 今日の灰色は絶好調だ、という事だ。

 ――厨房を空にしてやる。

 バイキングトレイの上に積み重なる肉、野菜、魚。
 え? 眼の前で焼き上げてくれるサーロインステーキ?
 へえ、刺し身も目の前で捌いてくれるパフォーマンスがあるって?
 なるほどー。
「そのステーキと刺し身、10人前づつください」
 漫画みたいに盛られた白米。
 カニだけのトレイ、大きなエビフライを幾つも納めたトレイ。
 普段食卓に並ぶ事の少ないお高めの海産も、焼き立ての肉も山盛り。
 野菜だって忘れずに。
 綺麗に並べられたトレイにはたくさんの料理が盛られ、――そして消えてゆく。
 表情の薄い彼の胃袋は、まるで魔法のよう。
 次々と、空になったトレイが山と重なり。
「あ、ご飯のおかわりあります?」
 灰色一人で、空っぽになってしまった白米の収まったおひつ。
 突然ゴールデンタイム並に、――いや、ソレ以上かも知れないが。
 料理が減ると言うよりは消滅しだしたビュッフェボードの有様に、慌てる厨房のシェフ達。

 スパよりも、プールよりも。
 今日はホテルのビュッフェを喰い尽くすと決めていた灰色。
 今まさに、厨房から現われたばかりの角煮をたっぷりとトレイへと盛りながら、彼は囁く。
「さあ、じゃんじゃん持ってこい。おれはまだ食べられるぞ」
 彼は今、店にとっての天災と言えようか。
 ――灰色の通った後は、嵐の過ぎ去った後の如く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レオナルド・ウラニクス
友人の「ルーシー・ルー(f13750)」と一緒に

WIZ

ホテル!初めてのリゾートホテル!!ワクワクするな。
温泉もいいがここはやはり料理を味わってみたい。
海の幸、とくにお刺身を食べながら美味しい酒を飲んだら最高だろう。

ん?ルーシーが呼んでいる。一緒に食べるとするか

とりあえずビールで乾杯〜!
刺身にはこのワサビという緑色のものをつけて……うっ鼻にツンとくる。(涙目)
刺身は美味しいが俺にワサビはまだ早かったみたいだ。

ルーシー飲み過ぎではないか?その辺りにしたらどうだ。

締めは特大パフェだ。甘いものを食べると幸せになるな。

おや?ルーシーが酔いつぶれて寝ている。
仕方ない少し寝かせておこう。

アドリブ絡み歓迎です


ルーシー・ルー
(レオナルド・ウラニクス:f13660)と一緒に
アドリブ・絡み歓迎です。

WIZ
お風呂も満喫したし、お待ちかねの晩酌♪
でもこのあと調査があるんだし、飲みすぎないように気を付けないとね!(フラグ)
あ、レオナルド〜こっちよこっち!一緒に飲みましょ!

乾杯!
グラスの麦酒を一口で飲み干す。
沁みるわ〜♪
唐揚げジューシーで美味しい〜お酒が進むわ。焼き鳥も香ばしくてお酒と合うし♪
刺身も新鮮でなに食べても美味しいわね!ん?レオナルド、なんで泣いてんの?

え?大丈夫だいじょうぶ、こんなの飲んだうちに入らないから!目一杯楽むのが目的でしょ。お酒追加おねがーい!

Zzz…



 温泉を満喫した後、する事と言えば――。
「あ、レオナルド〜、こっちよこっち!」
「ん? おや……」
 和食レストランの一角より、響く呼び声。
 ルーシー・ルー(ブレイズ・ネスト・f13750)は、通りかかったレオナルド・ウラニクス(人狼の黒騎士・f13660)へと手招きを。
「ね、一緒に飲みましょ!」
 なんて。
 料理が並んだ机の前で、ルーシーは瓶ビールを片手ににんまり笑った。
「あ、でも。このあと調査があるんだし、飲みすぎないように気を付けないとね!」
 あっ、いまこのウィザード、立派なフラグを立てましたよ。
 楽しげに笑うルーシーは、既にアルコールが入っている様子。
 こくんと頷く鋭い眼光とは裏腹、レオナルドはいかにも温厚そうな様子で、誘われるがままに彼女の前に腰掛ける。
 新しいグラスと、半分ほど減ったルーシーのグラス。
 手早く新しいグラスにビールを注いだルーシーは、レオナルドの前へとグラスを差し出して。
「はーい、とりあえず乾杯!」
「そうだな、――乾杯」
 交わされたグラスが、軽い音を立てる。
「はぁ~、沁みるわ〜♪」
 当然のようにビールを一気に飲み干したルーシーは、唐揚げを一口。
「唐揚げがジューシーで美味しい〜。はー、こんなのお酒が進んじゃうわ……」
 手酌上等。
 ルーシーは自らが空けたばかりのグラスにビールを注ぎ、もう一杯。再び、一気に飲み干し。
 焼き鳥も香ばしくてお酒に合っちゃう。
 こまっちゃう。
 しかたないよね、進んじゃうもん、もう一杯。
 そんなルーシーを尻目に、レオナルドはビールには軽く口をつけるだけ。
「刺身にはこのワサビという緑色のものと、醤油をつけるんだったな」
 海の幸と美味い酒を合わせる事は、レオナルドの今日の目的でもあったのだ。
 内心わくわく、一口ぱくり。
 刺身は美味い。
 美味いが……。
「……うっ、鼻が……」
 つうんと鼻を通り抜ける、鋭い辛味。
 金の瞳の目尻に涙を浮かべ。レオナルドは耐えるように肩を竦めて、ビールを飲む。
「すみませーん、もう一本瓶ビールお願いしまーす」
 そんな彼の様子もつゆ知らず。
 ルーシーは手をフリフリ、店員さんへと瓶ビールコール。
 ついでにわさび醤油をたっぷり、サーモンの刺身をぱくり。
「刺身も新鮮でなに食べても美味しいわねー。……ん? レオナルド、なんで泣いてんの?」
「……ワサビが……」
「ああ、あはは。レオナルド、ワサビが苦手なのねえ」
 笑いながら。
 追加したビールをグラスへと更に注ぐと、あっという間にグラスを空にするルーシー。
「ワサビは確かに、俺にはまだ早かったかもしれない……、それにしても、ルーシー飲み過ぎではないか?」
 やっと鼻の痛みが取れてきたレオナルドは、一息。彼女の飲酒ペースを軽く嗜めて。
「え? 大丈夫だいじょうぶ~、こんなの飲んだうちに入らないから! 目一杯楽むのが目的でしょ!」
「……そうか?」
 それならば良いのだが、と。
 マイペースにつまみを口に運びながら、ちびちびグラスを傾けるレオナルド。
 彼とは対照的。
 かぱかぱとグラスを開け続けるルーシー。
 ――。
 そりゃあ、まあ、こうなりますよね。
「……おや、ルーシー?」
 ぐう、ぐう。
 案の定フラグをしっかり回収して、酔い潰れて席に掛けたまま座るルーシーに。目尻を下げて、レオナルドは肩を竦めた。
「……仕方ない、少し寝かせておこうか」
 彼女が寝ている間に、ゆっくり締めの特大パフェだって食べられる。
 甘い物は、幸せの味だ。
 そりゃあ、酔いつぶれて眠るルーシーだって、とても幸せそうな顔をしていたけれど。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

奇鳥・カイト
エリシャ(f02565)共に

ったく、何をそんなに浮かれてんだか
肌まで出すなんてよ…

水着の上にラッシュガードを着て肌を見せないようにする
あン? どうって…露出し過ぎだろ、もうちと抑えろよ
──まあ、悪くはねえよ。その髪も、いつもと印象違ってて、いいんじゃねぇの。桜色も、女将っぽくてよ

ちょ、オイ!引っ張るなっての!
…んだあれ。滑り台か?つーか高くね
一緒に滑るのかよ……って引っ付いてんだ

近づくことで背中に感じる柔らかさ
女子特有の匂い
その他諸々
存外悪いものではなく

うおおおっ!?……高鳴りつーかドキドキつーか、悪くはなかったがよォ……照れの方が大きいぜ…
は!?勘弁してくれよ……一回だけだぞ


千桜・エリシャ
カイトさん(f03912)と

遊ぶだけでいいなんて不思議ですわ
でも折角の機会ですし楽しんじゃいましょう!
髪をポニーテールに結んで桜色のフリルビキニに着替えてれっつごーですわ!
水着は初めて着るのですが、どうかしら?
ふふ、カイトさんも男の子らしくていいのではなくて?

さて、もたもたしていられませんわ…だってスパリゾートも初めてなのですもの!
たっくさん遊ばないと!
あっ!私、あれが気になりますわ!
いつになくはしゃいで、カイトさんの手を引っ張ってウォータースライダーへ
後ろへぎゅっとくっついて一緒に滑り降りますわ
……背の順ということで、ね?
きゃーっ!……この胸の高鳴り……癖になりそう……
もう一度滑りましょう!



 遊ぶだけで良いなんて不思議だけれど、折角の機会なのだから。
 温水プールのプールサイド。
 髪をポニーテールに纏めた千桜・エリシャ(春宵・f02565)は、桜色のフリルビキニに身を包み。
「水着は初めて着るのですが、どうかしら?」
 エリシャは常の柔らかな笑みで。
 水着の上にラッシュガードを羽織って肌を隠した奇鳥・カイト(燻る血潮・f03912)へと、首を傾げた。
「あン? どうって……、露出し過ぎだろ。もうちと抑えろよ……」
 尋ねられたカイトは、ったく、と眉を寄せ。小言めいた言葉を、ぶっきらぼうに漏らすばかり。
「大体、何をそんなに浮かれてんだか、肌まで出すなんてよ……」
 それから赤い双眸を細めた彼は、視線を二度、三度泳がせてから。
 ぼそりと囁いた。
「──まあ、悪くはねえよ。その髪も、いつもと印象違ってて、いいんじゃねぇの。桜色も、……その、女将っぽくてよ」
「……ふふ、カイトさんも男の子らしくていいのではなくて?」
 彼の回答に、口元に掌を当て。桜色の眸の目尻を満足げに下げたエリシャは、笑み栄え。
 いつになくはしゃいだ様子で、カイトの手を取った。
「さて、もたもたしていられませんわ……、たっくさん遊ばないと!」
「ちょ、オイ、引っ張るなっての! 何はしゃいでんだ、全く……」
 だってだって、エリシャはスパリゾートなんて初めて来たのだ。
 しかも、たっぷり楽しまなければ行けない、という依頼だって受けている。
 瞳に揺れる期待の色は、星の如く瞬き。
「あっ、私あれが気になりますわ!」
「……んだアレ。滑り台か? つーか高くね?」
 大きなウォータースライダーを指差すと、エリシャはカイトを引いて早速滑り口へと。
 二人乗りの大きな浮き輪を使って滑るというソレは、自然と二人がくっつく形となる仕組みだ。
「一緒に滑るのかよ……」
「ええ、私は後ろに座らせて頂きますわ。……背の順ということで、ね?」
 浮き輪の上で。
 カイトの背に、ぺったりとくっついたエリシャ。
 ――密着すれば、イヤでも感じるエリシャの女性らしさ。
 女子特有の甘い匂い。
 その他、もろもろ。
 それは悪いものでは、ないが。
 悪いものでは……、ないのだが。
 カイトだって健全な14歳の男子だ。
「さあ、れっつごーですわ!」
 エリシャが勢いよくその身体を滑らせると、二人を載せた浮き輪は滑り台を滑り落ち――。
「――きゃーーっ!」
「うおおおっ!?」
 水流と共に重力に振られた二人の身体は、さらにぎゅっと密着。
 ――柔らかい。
 そんな事を考えているうちに、ばしゃん、と少し深くなったプールへと二人は一気に放り出され。
「はあ、……この胸の高鳴り……。癖になりそうですわ……」
 わくわくと、瞳を輝かせ続けるエリシャ。
「……高鳴りつーかドキドキつーか、悪くはなかったがよォ」
 ウォータースライダーとはまた別のドキドキ、――照れの方が大きいぜ、と。内心だけで呟くカイト。
 そんな心を、知ってか知らずか。
「カイトさん、カイトさん! もう一度滑りましょう!」
「は!? 勘弁してくれよ!?」
 なんて。
 エリシャの言葉に目を丸くしながらも。結局一回だけだぞ、と折れてしまうのがカイトだ。
 ――勿論。
 そんなの、一回で済むわけも無いのだが。

 今日は、たくさんたくさん楽しんじゃいましょうと、エリシャは笑いカイトの手を引いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イア・エエングラ
わあ、お風呂でないのにお水が温かいのな
ぱちんと手鳴らし機嫌よく
貸し出しの浮き輪持ち出して

いざ。
あのねぇ、水の滑り台、やってみたかったの
だって来たこと、ないのだもの
そっと下覗いて、曲りくねった道に瞬き
……そうな、滑る間は、溺れないものな
ぎゅっと目瞑って息止めて
あっという間におしまいで

よし。
もいっかい、次はきちんと目開けてよう
なんとか水場を上がったら挑戦しよな
速度が心地よくて何度か登ったりおちたりして
疲れたんなら暖かいところでのんびりしてよう
やあ、遊びに来ただけでないとは、覚えているよう
めいっぱい遊ばなければならないものな



「わあ、お風呂でないのにお水が温かいのな」
 手をぱちん、と鳴らして。
 イア・エエングラ(フラクチュア・f01543)はご機嫌。
 大きな浮き輪を手に、いざ、いざ。
 イアは、ウォータースライダーの搭乗口に立ち尽くす。
 そっと覗いた道のりは、水流がざあざあと流れ込む曲がりくねった道。
 瞬き一つ、二つ。
「……やあ、そうな。でも、やってみないとわからないものねえ」
 滑る間は、溺れはしない。
 浮き輪に座り。
 ぎゅっと目を瞑って、ぎゅっと息をつめて。
 浮き輪ごと身体を滑らせれば。ざあ、ざあ、耳に響く水流。
 滑り落ちる勢いが、身を包み――。
「あら」
 ばしゃあん。大きな水音。
 ぷかぷか浮き輪の上に浮いたイア。
 瞑った瞼の裏。
 大きなウォータースライダーも滑ってしまえば一瞬。
 あっというまに、何も解らないうちに終わってしまう。
「……よし。もいっかい、次はきちんと目開けてよう」
 ぱたぱた、と再びウォータースライダーの階段を、イアは駆け上ってゆく。
 これはとても、速度が心地よかったものねえ。
 飽きるまで、疲れるまで。
 何度か登っては、落ちて。
 やあ、やあ。
 遊びに来ただけではないとは、ちゃあんと覚えているよう。
「疲れたら、温泉でのんびりするのも好いかしら」
 でも、でも、今日ばかりは。
 めいっぱい遊ばなければ、ならないものねえ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
ふ、ふふ!
どのような反転が起こるのか興味もあります、ふふ!
ぜひ施設を満喫して呪いとやらを全身全霊で浴びてみせましょう、ふ、ふふ…!
(恍惚の表情のド変態)

■満喫
せっかくなので温水を楽しみたいですね…!
水着着用ですね、かしこまりました。
(白い褌を手に)
この子は水着に含まれますか?
ご安心ください、他の水着も用意してございます…!
(紫のTバックを手に)
どちらも私のチャアムポイントを最大限に活かす代物かと…!ふふ!
(水着お任せ)

(温水に浸かり)
あぁ、肌を柔らかく暖める心地よさ…!
そして楽しそうな人々…!
(老若男女問わず熱視線を)
あぁこれが極楽というものでしょうか…!

※アドリブ&絡み&ネタ大歓迎です♥️


ヴィクトル・サリヴァン
反転…?どんな風に反転させるのかな。
それは置いて、前この世界で温泉いい感じだったからね。今回も全力で楽しまないと。
大量の水の前にシャチの本能が騒ぐ…気がする?
れっつごー温泉レジャー。

【POW】
さぱっと水着に着替えてわくわくタイム。
やっぱりスライダーが気になる…盛大にこう、ばっしゃーんとやりたい感じ。
普通のお客さんもいるなら程々に、普通に泳ぎ楽しむ。
いない場合?なら躊躇いなんてないよね(のーぶれーき)
あと深く潜って水面から飛びだしたり、色んな設備に興味津々に挑んでみる。
他には変わったマスコットの像とかあったらぺしぺし触ったり。
びみょーな可愛さのとか何かこういう所にあるよね。

※アドリブ絡み等お任せ



 ラメが輝く紫のTバック。
 白褌で入ろうとして係員にバッチリ止められた明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)は、温水プールサイドで妖艶に笑み。
「ふ、ふふ……」
 彼のチャームポイントたる美しい白い尻を、その水着によって惜しげもなく晒していた。
 係員は割と苦い表情を浮かべていたが、一応水着だからと通してくれた。
 つまりこれはセーフで、合法だ。
「ぜひ、ぜひ……、呪いとやらを全身全霊で浴びてみせましょう、ふ、ふふ……!」
 興味深き呪いを、自らの身体に集めるが為に。
 呟き恍惚とした表情の珠稀は、掌を顔に当てたかっこいいポーズ。
 ぱしゃあん。
「ああっ……!」
 思いっきり大きく跳ねかけられた温水に、珠稀は熱っぽく甘い声を零す。
「あ、ごめんごめん、大丈夫かい?」
 続いて掛けられたのは謝罪の声。
 大量の水の前に、本能が騒いでいたのかも知れない。
 深く潜った水中から大きく尾を跳ねさせて、水面ジャンプをしてしまったシャチ。――勿論本物が泳いでいる訳では無い。
 シャチのキマイラ、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は水面から顔を出して、ごめんね、のポーズ。
「あぁ、気にしないで下さい。……肌を柔らかく暖める心地よさ……! これが冬でも楽しめる温水プールの醍醐味、と言った所でしょうか……、ふふ!」
 珠稀は熱っぽく囁き。
 老若男女。楽しむ人々を、言葉以上に熱っぽい視線で周りを見渡して見せた。
「プールを楽しむ人々……そしてキマイラの姿も、また一興――。あぁこれが極楽というものでしょうか……!」
「そ、そう?」
 ワッ、変わった人に水をかけちゃったな、なんて。
 ふふ、と再び笑んだ珠稀が、ぐうるり振り返るとめちゃめちゃ綺麗なプリケツ。
 ワッ、変わった人だ。
 尻を目撃してしまったヴィクトルはヒレをフリフリ、じわじわと距離を取る。
「……じゃあ、また。お互いに楽しもう」
「ええ、ええ! 是非、是非楽しみましょう……、ふふ、ふふふふ……」
 恍惚とした珠稀を尻目に。
 ヴィクトルはスイスイと泳いで離れ行く。
 しりだけに。

「……――」
 次はウォータースライダーに乗ってみるのも良いな。
 もうちょっと深い所で泳ぐのも楽しそうだ。
 そう言えば、滝みたいなスライダーもあった。
 さてさて、次は何をしようかな。
 大きなプールで泳ぐ楽しさは、先程の不思議な出会いを忘れさせる程。
「……そういえば、反転って、どんな風に反転させるのかな?」
 呟いて鰭で水を掻いたヴィクトルは、ぱしゃりと小さく水を跳ねさせて。
 水中でぐるん、と一回転した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)
アドリブ等歓迎

スパリゾート…
リゾートのマーメイドとはあたしの事よ、なんて
隣ではしゃぐリルが可愛くて愛おしくてたまらないから現実逃避

そうね!まずはエステとマッサージでリフレッシュ……プール?
リルの笑顔を見たのでは断れない

あたし
泳げないのよね

ええ
あたしもリルと泳ぎたいわ……泳ぎたいのよ……
ワンピースタイプの水着に着替え恐る恐るプールへ
ひっ

リル笑わないでっ
情けない所を見せてしまって恥ずかしい
掴まっていいの言葉にリルにしがみつく
人魚が一緒なら安心よ
ちょっ
離さないで頂戴!

そうよ
リルの家に遊びに行く為だけに泳げるようになりたいの!

けれど
楽しげなリルの笑い声が響く度に
幸福を実感するわ


リル・ルリ
■櫻宵(f02768)
✼アドリブ等歓迎

「何言ってるの。櫻宵!はやく、こっち」
すぱりぞーと
なんて初めてで好奇心と君がいる喜びに尾鰭がゆらり
温かいプールに温泉に気になる施設

でも1番は
「櫻宵、一緒に游ごう?湖と違って温かだから泳ぎやすいよ。えすてとまっさーじは後!」
僕は君と泳いでみたかった
はやく
手を引きプールへ

櫻宵を見てきょとり
まさか
泳げなかった?

嗚呼
いつも余裕ぶる君の別の一面が嬉しくて笑みが零れ
君をもっと知りたい

泳ぎ方教えてあげる
僕を離さないで……って
手の方!
しがみついたら泳げないだろ!

泳げなきゃ僕の家に来れない
……来てくれなきゃ嫌

沢山泳いだら美味しいものを食べて
休んで
君との時間が楽しくて

愛おしい



 ワンピースタイプの水着を纏った誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)は、カメラ目線。
「リゾートのマーメイドとはあたしの事よ」
 明後日の方向に流し目ウィンク、投げキッス。
「何やってるの、櫻宵? はやく、こっち」
 すぱりぞーとなんて初めて、と。
 そんな彼の腕をぐいぐいと引っ張るリル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)の薄花桜色の双眸は、常よりもずうと好奇心と――櫻宵のいる喜びの色を宿して。
 ゆうらり揺れる、尾鰭。
「そうね、まずはエステとマッサージでリフレッ」「ね。櫻宵、一緒に游ごう?」
 櫻宵の言葉に、重ねられたリルの言葉。
「ここまで来たら、えすてとまっさーじは後!」
 だって、だって。
 ずっと、ずっと。
 僕は君と泳いでみたかった。
「湖と違って、あたたかだから泳ぎやすいよ」
 はやく、はやくと急く気持ち。
 ぴかぴか笑顔のリルは櫻宵の手を引いて、プールサイドへ、プールサイドへ。
「……ええ、あたしもリルと泳ぎたいわ……泳ぎたいのよ……」
 こんなにはしゃぐリルが、可愛くて、愛おしくて。
 リルの笑顔に押し切られて。
 水着を着ては、みたものの。
 ――プールサイドまで。
 歩いて来ては、みたものの。
「……あたし、泳げないのよね」
 水に脚が浸かりそうな寸前まで現実逃避していた櫻宵は、プールに身体を沈めたリルの背に。
 やっとの事でぽつりと呟いた。
「え?」
 まさか。
 プールの中から櫻宵を見上げて、きょとんと目をまん丸くしたリルは驚きの声を零して。
「……泳げなかったの?」
「ひっ!」
 リルが振り向いた瞬間。
 揺れた尾鰭によって跳ねた水に、大げさに肩を跳ねた櫻宵。
 あ、これはなかなか重症かもしれない。
 ――嗚呼。
 いつも余裕ぶる櫻宵の別の一面が、リルには少し嬉しくて。
 思わず溢れる笑み。
 君をもっと知りたい、なんて思ってしまう。
「り、リル、笑わないでっ」
 櫻宵が重ねる、震えた声音。
 ――嗚呼。
 情けない所を見せてしまって恥ずかしい。
 彼と泳ぎたい気持ちに、嘘はないけれど。
「ふふ、大丈夫。ねえ、櫻宵。泳ぎ方、教えてあげる」
 だから、櫻宵。
 僕を離さないでね。
「……人魚が一緒なら安心ね」
 リルが言うならば。
 そのまま水の中に滑り込んだ櫻宵は、リルにぐっとしがみつく。
 そりゃあもう、全身で。
「……って、手の方! そんなにしがみついたら、泳げないだろ!」
「ちょっ、まっ、ヤダ! リル、離さないで頂戴!」
 バチャバチャ。
 わあわあ、くっついたまま喚き。
 水際でじゃれて男が、二人。
「ばか、もう! そんなんじゃ、泳げるようにならないってば!」
 櫻宵が泳げなくて、一番困るのはリルなのだから。
 なんたってリルの住処は、水底に沈んだ廃教会。
 泳げなきゃ、潜れなきゃ。
 櫻宵はいつまで立っても、リルの家に来る事ができない。
「……櫻宵が僕の家に、……来てくれなきゃ、いやだもの」
「――そうよ。あたしはリルの家に遊びに行く為だけに、泳げるようになりたいの!」
 その割にはリルにしがみついたままだけど。
 櫻宵の声に、嘘はない。
 だって、それは本当に、本当の気持ちだから。
「……うん。じゃあ、まずはおちついて。僕の手を、ちゃんと握って」
「……解ったわ」
 そんな風にリルにお願いされたら、櫻宵は深呼吸して頷くしか無い。
 しがみ付く腕を離して、彼と両手を交わして。
 少しずつ、少しずつ。
「こうかしら……?」
「そう、そう。うまいよ、櫻宵」
 腕を握られたままとは言え、身体の力を抜いて。
 何とか水に浮く事ができた櫻宵を、褒めるリルは笑顔を零す。
 櫻宵はその笑顔を見ているだけで、水が怖いなんて気持ちがどこかにいってしまいそう。
 だって、人魚が一緒なら安心だもの。
 それに、何より。リルの笑みには安心成分と幸福が、たくさん含まれているのだから。
「すこし練習して。もう少し泳げるようになったら、おいしいものを食べて、やすもう」
「ええ、ええ。そうね」
 ぱしゃ、ぱしゃ。
 ぎこちないバタ足が、水を掻く。
 なんだか、不思議と楽しくて。
 なんだか、とっても愛おしい時間。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジェイクス・ライアー
・ダンド(f14230)同行

反転、か。
ただ腕で捩じ伏せるだけならば話は早いが、こういった手合いは厄介だ。気を抜かずにいこう。

まずは満喫しろ、ということであればフリであれ従うしかないだろう。
ツレが温水プールに行きたいということだから、それについて行く。こいつの場合は心から満喫していそうではあるが…。仕事だという事を理解しているのか?

…おい、何をしているんだお前は。ナンパ?仕事だと言っているだろう?
でもでもだってじゃあない。
…ああ、お嬢さん方、私のツレがとんだ失礼を。折角のリゾートですから、どうぞ楽しんで。それでは。
ほら、お前はこっちだ。
まったく、とんだ子守だ。

……ああ、まあ。大きかったな。


ダンド・スフィダンテ
・ジェイクス (f00584) 同行

温水プールとか面白そうだな!
え、仕事?うん!でも先ず満喫するんだろ!

ん?なんかボールが……失礼麗しい方、これはミューズの物で?ははっ、良かった。そうだ、ここでお会いできたのも何かの縁。よければ俺様とも少し遊んで頂けなっいったあ!?ジェイクス殿、蹴ることなくない!?
え、何してるのかって?ナンパです……いや、仕事なのは解ってるけど!でもさ!?そこに美しいミューズが居たら声をかけてしまうだろ!?だってそれが男の性!
ああーーー!ジェイクス殿ひどい……あっはい、ごめんなさい、仕事です。俺様今仕事に来てます。はい……

でもさっきのミューズ、めっちゃおっぱい大きくなかった?



 ダンド・スフィダンテ(挑む七面鳥・f14230)の、温水プールとか面白そうだなという一言から。
 ジェイクス・ライアー(素晴らしき哉・f00584)はダンドと並び、プールサイドに立っていた。
 まずは、満喫しろという事であれば。フリであれ何であれ、従うしか無いのだ。
 ――ダンドの場合は、フリなんかで無く本気で心から満喫していそうな雰囲気がビガビガに出ているが。
「ん……、おや」
 そこに、てん、てん、と転がってきたビーチボール。それを拾い上げたダンドは、金髪を揺らし。
「失礼麗しい方、これはミューズの物で?」
 ボールを追いかけて来た、以下にも健康そうな肢体をビキニ水着に包んだ少女達に。まるで人懐っこい大型犬のように、ダンドは親しみ深い表情で笑いかける。
「そうです、そうです。拾ってくれてありがとうございますー」
 ぺこりと頭を下げて、礼を口にする少女達。
「ははっ、良かった。遠くに飛んでいってしまう前に捕まえることができて、……ああ、そうだ。ここでお会いできたのも何かの縁。――良ければ、俺様とも少しボールで遊んで頂けな」「……おい、何をしているんだお前は」
 全てのセリフを、ダンドが紡ぎ切る前に。
 上げた足の曲げ伸ばしの反動だけで、ダンドの背へと綺麗に蹴りをキメたジェイクス。
 勢い余ったダンドは、ボールを宙へと跳ね上げて。
 派手に水を巻き上げ、プールへダイブする。
「いったあ!? ジェイクス殿、蹴ることなくない!? 何をしてるかって、ナンパですけれど!」
 がぼっと水面から、くじらのように顔を出したダンド。
「ナンパ? ――今日は仕事だと言っただろう?」
 てん。
 跳ねたボールを腕の中に収めたジェイクスは、今正に男をプールに蹴落とした事実が無かったかのような、常通りの冷ややかな表情。
 ピンと背の伸びた、紳士然とした立ち振舞いで少女達にボールを手渡した。
「失礼、お嬢さん方。私のツレがとんだご無礼を。――折角のリゾートですから、どうぞ楽しんで。それでは」
「……は、はい、ありがとうございます」
 ほら、お前はこっちだ、と。
 片腕だけでプールからダンドを引き上げたジェイクスは、少女達から踵を返し。
「……いや、仕事なのは解ってるけど! でもさ!?」
 ダンドはそのままジェイクスによって、ずるずる引きずられて行った。
 蝸牛の這った後のように、彼らの進んだ分だけ水の跡が生まれ。
 プールの壁際まで連行されたダンドは、赤い瞳に情熱を燃やしながら。未だ力説を続けていた。
「何より、そこに美しいミューズが居たら声をかけてしまうだろ!? だってそれが男の性だから!」
 ぐぐっと拳を握りしめたダンド。
 そんな彼の頭頂部に、無言で落とされるジェイクスの拳。
「~~……、ああーーー! ジェイクス殿ひどい……」
 やや涙目でジェイクスを見上げるも、ダンドは視線があった瞬間に逸らす事にした。
 だってそれは、それは。
 見ているだけで凍てつくような、冷たい冷たい視線をジェイクスはしていたのだから。
「はい。ごめんなさい、仕事です。俺様は今、仕事に来てます。はい……、キビキビ馬車馬のように働かせて頂きます……」
 素直に謝罪の言葉を連ね。
 やっとしおらしくなったダンドの様子に、ジェイクスは溜息一つ。
「……まったく、とんだ子守だな」
「でもさ、ジェイクス殿」
「……何だ?」
 ダンドは真剣な声音。
 ジェイクスは短くそれに応え――。
「さっきのミューズ、めっちゃおっぱい大きくなかった?」
「……ああ、まあ。大きかったな」
 壁に背を預けて座るダンドと、その横に立ったジェイクス。
 遠くに見えるは、ボール遊びする少女達の姿。
 嗚呼。
 そりゃあ。
 胸が大きければ見てしまう。
 モテたいか、モテたくないかで聞かれれば。
 そりゃあ当然、勿論モテたい。
 だがモテたいと口にするには、ジェイクスのプライドは些か邪魔をするもので。
 ジェイクスは、気難しげな表情のまま。
「……反転、か。ただ腕で捩じ伏せるだけならば話は早いが、こういった手合いは厄介だ」
 気を抜かずに行くぞ、とダンドへと囁き。
「……はい」
 いつの間にか体育座りになっていたダンドは、辛そうに頷いた。
 俺様、今仕事に来てます。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフ(f07045)と行動
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!

どんな事件が起きるのかは不明かぁ。
それなら、事件が起きるまでは思いっきり楽しんじゃおう!
ふわふわフリルのビキニを着て、ユーリの手を引き温水プールへ!
どうしたのユーリ、緊張してる?
大丈夫だよ、いろんなプールがあって面白いよ!
きっとユーリも気に入るよ♪

流れるプールでは、ゆったりと流れ…
波の出るプールでは、ぷかぷかと漂い…
そろそろ慣れてきた?じゃあ、次はあれに行こう!

やっぱりスライダーは外せないよね!
ユーリを先頭にして2人乗りのタイプで行こう。
こういうのは先頭が盛り上がるからね、譲ってあげるよ!
レッツゴー!きゃああ~~♪


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ絡み大歓迎!

【POW】温水プール
私は水が苦手だ…炎竜だからな
だが楽しむほどに人々の安全が確保されるならば仕方ない
水着を着てベンチに座って適当にやり過ご…チコル?
だ、大胆な水着だな…!(赤くなって思い切り目を逸らす)
ぷ、プールに行くのか?仕方ない、腹を括るか!

流れるプールでは、海に漂う板切れのように流れ…
波の出るプールでは、半分沈み…
そ、そろそろ出よ…、な、次、だと…?

スライダーだと?肝試しの一環か!?
わ、私が先頭か!盾になれというのだな!?
ではユベコの無敵要さ…待てまだ心の準備が!うわあああああーーー!



 ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は、その身に炎竜の力を宿している。
 その力は、戦場では逞しく便りになる力だ。
 しかし――、今日ばかりは。
 つまり、何が言いたいかと言うと。
 炎竜の力をその身に宿しているユーリは、炎の弱まる水が苦手だと言う事なのだ。

 だが。
 今回の仕事は、彼の苦手とする水をふんだんに使った施設で楽しめば楽しむ程、人々の安全が確保されるというもの。
 人々の安全の為ならば仕方あるまいと。水着を纏うだけ纏って、ベンチに座ってやり過ごそうとユーリは考えていた。
 考えて、いたのだ。

 しかし、ユーリは、今現在。
 ふわふわフリルのビキニ姿のチコル・フワッフル(もふもふウサキツネ・f09826)に手を引かれ、流れるプールの前に立たされていた。
「……どうしたのユーリ、緊張してる?」
「い、いや、だ、大丈夫だ。ぷ、プールに行くのだな?」
 いや、本当はあまり大丈夫では無い。
 チコルのビキニ姿。
 大胆に曝け出された肌から思いっきり目を逸らすユーリの顔は、それこそ耳まで赤い。
「大丈夫だよ、ユーリ。いろんなプールがあって面白いみたいだし! きっとユーリも気に入るよ♪」
 手を引くチコルは、ユーリを元気づけるように。ウサギの耳をぴいんと伸ばして、ぴかぴかスマイル。
 いやあ。多分彼の心配している所は、多分そこだけでは無いと思いますよ。
「……仕方がない、腹を括るか……!」
 チコルの大胆な水着姿にも、大きなプールにも。
 耐えてみせるとユーリは深呼吸を、大きく三回。
 流れるプールに、二人飛び込んだ。
「……うぷ、う、けほ、うわ……」
「わ、気持ちいいねー」
 ゆったり流れる水流に、翻弄される板切れのように。
 可愛そうな声を漏らすユーリの横で、心地よさげに流れに身を委ねるチコル。
「あ、あああ……、沈……」
 そのまま流された先に続くのは、波が生まれるプール。
 そこでユーリは半分沈んでは、溺れる寸前みたいな動作であっぷあっぷと顔を水面に覗かせる。
「水に顔がつけられるようになったんだ、ユーリ。大成長だね!」
 そんな様子が、チコルにはなんだか楽しげに見えたのであろう。
 ぱちぱち、と両手を叩いて喜ぶ彼女。
 それはちょっと勘違いじゃないかなあ、否定もできないユーリ。
「じゃあさ、次はあれに行こうよ!」
 そして狐の尾をゆるゆる揺らしたチコルが、指差す先は。
 浮き輪に乗って、二人で滑り降りるタイプのウォータースライダーだ。
「やっぱりスライダーは、外せないよねー!」
「ひっ……、スライダーだと? ……肝試しの一環か!?」
 なんだか二人の間には温度差があるようですが、全く気づかないチコルはユーリの手を引いて。
 ウォータースライダーに続く、階段を登る二人。
「ね、ね。やっぱりこういうのは先頭が盛り上がるからね。ユーリはこういうの初めてだよね? 譲ってあげるよ!」
 善意100%のチコルスマイル。
 逆らえず、じわじわと追い詰められるユーリ。
「……わ、私が先頭か。わかった――盾になれというのだな!?」
 多分解っていない。
 二人ならんで浮き輪に座り込み。では無敵要塞を――なんて。ユーリが呟いた瞬間。
「よーっし、いっくよー! レッツゴー!」
 勢いをつけて、チコルはスライダーへと踏み出した。
「えっ、まっ! 待て、待て待て、まて、まだ、まだ心の準備が!」
 きゃああああ~~♪ と、楽しげなチコルの悲鳴と。
 うわああああーー! なんて、本気で切実そうなユーリの悲鳴が、ウォータースライダーで二重奏。
 やっぱり、女子は強いのである。
 合掌。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雪珠・ファティ
【土蜘蛛】

うわ室長めちゃくちゃ老いてる
やだやだジジくさっ
あははイドはこうならないようにねぇ
ねぇねぇ僕のワンピース水着どう?かわいい?
ざんげのリボンってどうなってんの……
よーこーよーこ僕ここみえてるー?!

あっ僕あれウォータースライダーやりたい
やだ~嫌がってる所を連れてくのが楽しいんじゃん~
よーしいけ!べりる!出勤!

どーーーんとスタート地点にいる室長に
僕なり好意で後ろから助走をつけてアタック
滑る室長の髪を掴み自分が飛ばされないよう
いえーいやっほー楽しんでるぅー!
きんもちいいー!!

あはは怒った?怒った?
あっ僕、流れるプールで流れたい
よーし一緒いくぞ~~~!
って排水溝つまンの?虫じゃないんだぞ!


黒海堂・残夏
【土蜘蛛】
白衣、ダメなんですか〜あ?
ええ〜、テンション下がりますぅ……

言った直後に女児用のワンピース水着を着てテンション爆上がり
わーいハイセンス!
めっちゃあそびますよぉ〜!

あれ〜え、みんなもうウォータースライダーに行っちゃったんですかぁ?
じゃ、次、ざんげちゃんも行きま〜す

――あ〜、ちょっとそこ、退いてくださぁ〜い!

あっ あ〜〜
リボンが絡まって室長とべりるっちが大変なコトにぃ〜(説明口調)
今解くから待ってくださいねぇ
っあ、やだ、室長そんなところ触っちゃだめですぅ〜

ふぅやれやれ、女の敵は去りましたねえ
縛りボコした室長を
引きずって次のプールへ
今回のUDCは強敵ですねえ…
油断せず楽しみましょ〜


花剣・耀子
【土蜘蛛】
そうよ、これはお仕事。
沢山遊ばなくちゃ。

見えているわ。
なにかこう……ぼやっとした白い塊だけれども。かわいいわよ。
残夏ちゃんは目立つわね(色が)

めがねがないと世界がぼやぼやするのよ。
イドくんも黒い塊にしか見えないのよね……。
大人しく手を借りて皆の落下待ち。

ウォータースライダーって、こんなかたまりになって落ちてくるものだったかしら。
……あの妙に赤いのは室長よね? 大丈夫?
べりるちゃんの殺気がすごいけれど、本当に大丈夫?
あっリボン あっ

残夏ちゃんとべりるちゃんが始末を付けるでしょうし、
そっとしておきましょう。
ナイフは仕舞って頂戴。

流れるプール、いいわね。
お仕置きされる前に行きましょうか。


蜂月・玻璃也
【土蜘蛛】

必要なこととはいえ仕事で来てるんだから、
心から楽しむなんてできないんだが…
いや待ってくれここのジェットバス超気持ちいい
日頃の疲れが溶けていくようだ…
もう動きたくない…

は?ウォータースライダー?
…いや、俺は遠慮しとく
お前らだけで…イテテテ!
引っ張るな!

へえ…思ったより高いんだな…
怖いとかじゃない…冷静な状況分析だ!

べりるのやつ、さすがに思いきりがいいな
(覗き込んでいると背後から衝撃)
うわっ!?…ギャアア!!
危ないあぶないぶつかる退けーッ!
(顔から尻に追突)

ファティーーー!!💢💢

なんで残夏はプールにまでリボン巻いてきてるんだよ!
あ、やめ…わざとじゃない!

ちょっと待て俺の水着は!?


星鏡・べりる
【土蜘蛛】

室長、いすゞちゃんの話聞いてた?
思いっきり楽しんで私達が呪い全部集めないとダメなんだよ。

……この男、しっかり満喫してんじゃん。

水着かわいいよ、ファティ~
でも、角は掴まないで、これハンドルじゃ、なっい"!
(ウォータースライダーの方に首を向けられる)

ビビってんの室長?
情けないなぁ、男の子でしょ。
じゃ、私が先行しまーす!

ハァ?なんでもう滑ってきてるの!?
わっ、変な体勢で滑ってくる!気持ち悪い!
ギャーーー!へ、変態!!!
(着水まで室長の顔に肘打ちを入れ続ける)

ちょ、なんでざんげちゃんまで滑ってくるの!
リボンが絡まって……早く解いて!!
なんなの、もう!!

って、室長!下!
脱げてる!!!


隠・イド
【土蜘蛛】
ふふ、とても可愛らしいですよファティ様
ご安心下さい、こう見えてまだ稼動3年程度ですので

室長はそのまま永遠の休暇を楽しんで下さっても構いませんのに
あっ、ファティ様…! クソッあいつ…(爪を噛む)

残夏様もとても水着がお似合いですね
とても目立っておりますよ(胸が)

目を細めながら視界の悪そうな耀子様もまたお可愛らしい
大丈夫です
私が耀子様の目となりましょう、と耀子の手を取る

べりるや残夏と組んず解れつな室長を見て
やはりあの男、ここで始末しましょうか
とナイフを取り出す


お気をつけくださいね、ファティ様
排水溝などに詰まりませぬよう



「ふぇえ~~」
 プールの係員に声を掛けられた、黒海堂・残夏(Atropos・f14673)はふるふると首を振り。
 係員を恨めしな視線で見上げた。
 なんならちょっと泣いてる。
「白衣、ダメなんですか〜あ? えぇ〜、テンション下がりますぅ……」
 スクール水着までは良し、としよう。
 19歳の女子大生がスクール水着を着ることの是非については、また別の場所で論議して頂く事にする。
 彼女がプールに足を踏み入れるに至っての問題点は、そこでは無い。
 その上羽織った白衣が、今回彼女が止められた理由であった。
 とぼとぼと更衣室へと、残夏が踵を返す中。
「耀子様」
 普段の三倍目つきの悪い花剣・耀子(Tempest・f12822)は、何やら黒い塊に声を掛けられた事に気がついた。
「……、その声はイドくん?」
「はい。耀子様の隠・イドでございます」
 仰々しく頭を垂れ、礼をした黒い塊――。
 隠・イド(Hermit・f14583)の顔(らしき部位)を、よく見ようと眉間に皺を寄せて睨めつける耀子。
「そう。めがねがないと世界がぼやぼやして分かりづらいのよね……」
 イドも実際、耀子には黒い塊にしか見えて居ない。
「目を細めながら視界の悪そうな耀子様も、またお可愛らしい。――大丈夫です。お任せ頂ければ、本日は私が耀子様の目となりましょう」
 耀子はそっと自らの手を取るイドの(恐らく)掌を一度見やり、小さく頷く。
「そう、助かるわ」
「よーこーよーこー、僕ここみえてるー?! ねぇねぇ、僕の水着はどう? かわいい?」
 そこに文字通りカッ飛んできたのは、何やら小さな白い塊。――妖精の雪珠・ファティ(Garbage・f13393)だ。
 くるくると頭の周りを飛び回るソレに、耀子はもう一度小さく頷き。イドも瞳を細めて同意する様。
「見えているわ。なにかこう……、ぼやっとした白い塊だけれども。かわいいわよ」
「ふふ、とてもよくお似合いで。可愛らしいですよ、ファティ様」
「でしょう! とびっきりおめかししたからね!」
 ワンピースの水着のお披露目を終えたファティは、満足げにぐうるり旋回。
 しゃがんでジェットバスを覗き込んでいる、星鏡・べりる(Astrograph・f12817)の頭上へと降り立ち。はたはたと羽根を休めた。
「ねえ室長、本当にいすゞちゃんの話聞いてた?」
 嗜めるようなべりるの言葉。
「……必要な事とはいえ仕事だ、心から楽しむなんてできないだろ」
 彼女が覗き込む先に居るのは、人類防衛組織『UDC』の内包する組織の一つ。
 特型異能対策室――《土蜘蛛》へと、最近赴任したばかりの室長たる男。
 ジェットバスの中で俯く、蜂月・玻璃也(Bubblegum・f14366)だ。
「それでも思いっきり楽しんで、私達が呪い全部集めないとダメなんだよ。――お仕事なんだから」
 べりるはどこか呆れた様に、眉を寄せる。
 そこにイドの手を引いて、耀子は声の先へと一歩踏み出した。
「そうよ、これはお仕事。沢山遊ばなくちゃいけないわ」
「みんなぁ~」
 そこに響く、頭のネジの外れた声。
 ふわっふわっひらっひら。
 女児用ワンピース水着の胸元をパッツンパッツンにさせた桃色の影!
「いぇ~い、ハイセンス!」
 かわいいポーズを決めると、胸がぽよんと跳ねた。
 凶悪な胸、かわいい水着! それは白衣を脱いだ、新生女児水着バージョンの残夏だ!
 ぴょんと跳ねると、臀部からたくさん生えたリボンがふわっと舞った。
「おまたせしましたぁ、めっちゃあそびますよぉ〜!」
 べりるの頭の上で首を傾げるファティ。
「ざんげのリボンって、どうなってんの……?」
 眉をしかめ、桃色を確認する耀子。
「残夏ちゃんは目立つわね」
 色が。
「残夏様もとても水着がお似合いですね、とても目立っておりますよ」
 胸が。
 耀子とイドは同じ事を言っていても、目の付け所は三者三様。
 斯くして、土蜘蛛の面々の待ち合わせは無事成功した訳であるが――。
「さぁ、プールに行きますよぉ~」
「あっ、僕あれウォータースライダーやりたいんだよねぇ!」
 テンション爆上がり中の残夏が宣言すると、ファティがべりるの角をぎゅっと掴んだ。
「よーしいけ! べりる! 出勤!」
「まって、まって、これハンドルじゃ、なっ! いっ!」
 痛い。
 角から首を無理矢理捻じ曲げられ、べりるの視線の先はウォータースライダーの方へと。
「は? ウォータースライダー?」
 ジェットバスの中から動く気配を見せない玻璃也は、眉を寄せ。
「……いや、俺は遠慮しとく」
 そのまま。お前たちだけで行って来いと言わんばかりに手を払う。
「俺はもう、超気持ち良いからココに居る。……ああ……。日頃の疲れが溶けていくようだ……、もう動きたくない……」
 日々の生活で、何か嫌な事がたくさんあるのであろう。
 きっと組織の中でも金食い虫とか土蜘蛛幼稚園とか、嫌味を沢山言われているのであろう。
 深い深い溜息と共に、眉間の皺を揉みほぐしながら沈んで行く玻璃也。
「……この男、しっかり満喫してんじゃん」
「室長はそのまま永遠の休暇を楽しんで下さっても構いませんのに」
 べりるの呆れた声、イドの平坦な感想。
 部下の酷評を一身に受けながら、玻璃也は再び眉を寄せて。
「うわ、室長めちゃくちゃ老いてる。やだやだジジくさ~っ。イドはこうならないようにねぇ?」
「ご安心下さい、こう見えてまだ稼動3年程度ですので」
 はたはたと羽根をはためかせ。
 べりるから玻璃也の頭へと飛び渡ったファティは悪戯げに笑う。
 イドはイドで、その男のようにだけはならぬと言わんばかりに瞳を細めた。
「良いから、お前たちだけで行っ、イテテテテ!」
「ほら~、行くよ~」
「ひ、引っ張るな!」
「やだ~、嫌がってる所を連れてくのが楽しいんじゃん~」
 小さな身体の悪い活かし方。
 玻璃也の頭頂部の毛束を抱えたファティが、ぎゅうと引き抜かんばかりに引っ張る、引っ張る。
「いて、イテテテ、……ああもう……仕方無いな!」
 頭頂部からハゲる事は本望では無い。
 観念したかのように、玻璃也はジェットバスよりやっとの事で立ち上がったのであった。
「……あっ、ファティ様……。クソッ、あいつ……」
 あんなに触れ合うなんて、無能の癖に絶対許される事では無い。
 表向きの取り繕いすら放棄した悪態を零し、ギリギリとイドは爪を噛み。
「滑る事はできなくても、降りてくる場所で待っていたいわ。イドくん、連れて行ってもらえるかしら?」
「……はい、耀子様。そちらの段差にお気をつけて」
 逆の手を握る耀子に催促され、正気に戻ったイドも歩みだし。
 土蜘蛛の皆はウォータースライダーへと向かうのであった。

 ウォータースライダーのてっぺんは、温水プールの施設がすべて見渡せそうな程。
 事実、スライダーを滑り降りた先にあるプールに耀子とイドが立っている姿が見えていた。
「よーこー、イドー!」「よーこっち~、イドっち~」
 ファティと残夏が下を見下ろして、手を大きく振り、振り。
「へえ……、思ったより高いんだな」
「……ビビってんの室長? 情けないなぁ、男の子でしょ?」
 玻璃也の呟きにべりるが悪戯げに笑うと、スライダー用の大きな浮き輪をひょいと掲げて、手をひらひら。
「じゃ、私が先行しまーす!」
「怖いとかじゃなくて、静な状況分析だ!」
 言葉を言い終えるのが先か、滑り出すのが先か。
「……と、さすがに思いきりがいいな……」
 室長の言葉をほぼ無視された事も気にせず。
 玻璃也はスライダーの管に近寄ると、既に滑り出したべりるの背を見やり――。
「お、っ、うわっ!?」
 その瞬間。
 玻璃也は背に衝撃を覚え、スライダーを滑り出していた。
 その髪の毛をぎゅっと掴む妖精は、(ファティなりの)精一杯の好意でビビっている所長に、タックルによって勇気を与えたファティちゃんだ!
「いえーいやっほー、所長ー? 楽しんでるぅー??」
「ギャアア!! べりる! べりる! べりるゥゥゥウ!!!」 
「ハァ? なんでもう滑ってきてるの!?」
 現場は大混乱。
「危ないあぶないぶつかる退けーッ!」
「わっ、変な体勢で滑ってくる! 気持ち悪、ッ!?」
 流れる水。
 浮き輪の無い分滑る速度が上がった、玻璃也オン・ザ・ファティは、尻からべりるの顔に追突。
「ギャーーーー! へ、変態!!!」
「痛い、痛い、痛い痛い、やめろバカ! おい!!」
 叫びながら玻璃也の顔に、鼻に、頬に、肘を打ち込みつづけるべりる。
 ボコボコ。
「ファティーーーーッッッ!!」
 玻璃也の怒りの咆哮。
「きんもちいいー!!」
 原因であるファティは、水と勢いを楽しみ続けていた。
 楽しそうでなによりです。
「あれ〜え? ……みんなもう行っちゃったんですかぁ?」
 いつのまにか。
 手を振る事が気持ちよくなって、振り続けていると周りにだあれも居なくなってしまっていた残夏は――。
「じゃ、次、ざんげちゃんも行きま〜す」
 勢いをつけてぴょいと浮き輪に目もくれず、スライダーへと飛び込んだ。
 流れる水流の心地よさ。
 ふふ~、なんて微笑んでいた残夏は程なく。
「――あ〜、ちょっとそこ、退いてくださぁ〜い!」
 塊になった挙げ句に暴れるせいで、速度が落ちていた塊にすぐたどり着いてしまう。
「ちょ、なんでざんげちゃんまで滑ってくるの!?」
 ぽよん。
 柔肉がべりると玻璃也に押し付けられ。
 臀部から幾つも生えた残夏のリボンが、めちゃくちゃの塊の中にはちゃめちゃに絡みつく。
「なんで残夏はプールにまでリボン巻いてきてるんだよ!!!」
「ああああ、やだ、もー! リボンが絡まって……早く解いて!!」
「あ、あ~~、リボンが絡まって室長とべりるっちが大変なコトにぃ〜~」
 残夏さん説明ありがとうございます。
「なんなの、もうーーーーっ!!」
 べりるの叫び声。
「大丈夫ですぅ、今解くから待ってくださいねぇ……」
「待て、待て、待て、落ち着け!」
 残夏だけに任せておけないと。
 慌ててリボンを解こうと、玻璃也は腕を伸ばし。
「ひゃン、あっ……やだぁ……、室長そんなところ触っちゃだめですぅ〜」
「あ、やっ、……わざとじゃない!」
 艶っぽい声音を零す残夏。
 玻璃也はびくんと肩を跳ね、セクシャルハラスメントでない旨を皆にお伝えしようとするが――。
「って、あああああああっ!?」
 再びのべりるの叫び声。
「室長! 下! 脱げてるっ!! 変態ッッ!」
「はァ!? 俺の水着は!? やめっ、痛ッ!」
「あら~」
「あはは怒った? 怒った?」
 下半身をいい感じに角度で隠された玻璃也が、べりるにボコボコにされる中。
 ファティの楽しげな笑い声が響いた。

 スライダーを見上げていた耀子は、首を傾げる。
「ウォータースライダーって、こんなかたまりになって落ちてくるものだったかしら……?」
 妙に赤い物体と、めちゃくちゃな塊がプールへと飛び込み着水する。
 よく見えては、いないけれど。
「……あの妙に赤いのは室長よね? 大丈夫?」
 プールに血がじわと広がり、係員がカッ飛んで来る。
 あー。
「……べりるちゃんの殺気をすごく感じるけれど、本当に大丈夫? あっ、あれ、リボン? あっ……」
 あんまり大丈夫じゃない感じだったようだけれど、よく見えはしないからもしかすると大丈夫だったのかもしれない。
 わざわざ怒られるのも、楽しいものでも無いと判断した耀子は傍観を決めこむ事にする。
 そこに感じるのは、女の子達と文字通り絡みついた男を睨めつける殺意。
「……やはりあの男、ここで始末しましょうか」
 イドは掌の中に器物を顕現させ、瞳を細めた。
「……だめよ、イドくん。残夏ちゃんとべりるちゃんが始末を付けるでしょうし、そっとしておきましょう」
 器物の顕現されたイドの掌の上に、耀子は掌を重ね。
 イドの瞳(だと思われる部分を)を真っ直ぐに見て、嗜める。
「ナイフは仕舞って頂戴?」
「――はい、耀子様」
 彼女に嗜められてしまえば、イドも強く出る事は出来ない。
 ふ、と耀子は瞳を細めて、頷いた。

 ――。
 係員に一通り怒られ終えた残夏は、額の返り血を拭う。
「――ふぅ、やれやれ~。 女の敵は去りましたねぇ」
「あっ! 僕、次は流れるプールで流れたいなぁ」
 皆が怒られている間、エスケープしていたファティは元気いっぱい。
「いいわね。これ以上怒られる前に行きましょうか」
「さあ、耀子様。流れるプールはこちらだそうです。……ああ、ファティ様もお気をつけくださいね。排水溝などに詰まりませぬよう」
 耀子が同意に頷き、イドがその手を引いた。
「虫じゃないんだぞ!?」
 いやいやいや、とぐるぐる飛び回るファティに、あはは、と笑ったべりる。
「ま、いこいこ。流れるプールで気持ちもリフレッシュしなきゃね」
 仲睦まじくも見える、面々。
 彼らの持つ絆は、組織での繋がりだ。
 今日はお仕事。
 お仕事で、楽しまなければいけない日。
 歩き出した土蜘蛛の面々の背を見て、残夏は天井を見上げて、呟く。
「今回のUDCは強敵ですねえ。……油断せず楽しみましょう~」
 ――ボコボコにされて、リボンに繋がれたままの玻璃也を引きずり行きながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
綾/f01786と

すごい、プールがたくさんだ!
深紅のビキニに浮き輪を抱えて、
きらきら目を輝かせ

あは、綾も楽しそうな顔してる
水着姿も似合いのきみの手を引いて
波の流れるプールへと

ふたり乗りの浮き輪は
滄海に漕ぎ出す船の代わり
堪えきれずにぱたぱたすれば
悠々と進むきみとの船旅

と思いきや、

襲い来る大波のアトラクションに
まさかの転覆の大ピンチ
わああ、綾が波で欠けちゃう!
助けなくちゃと必死に水を掻いて
手探りで見つけるきみの指先

……良かった、

互いにびしょ濡れの様に笑って、
けれど握る力を強くする

あたたかい掌は確かにひとのもの
けれど、やっぱり、
きみが波に攫われたら困るから

プールを出るまではこのまま
手を繋いでて、ね


都槻・綾
f11024/かよさん

幾種類もの水遊び場が並ぶさまは見慣れぬ光景で
のんびり歩きつつも
眼差しは好奇心に満ちている

振り向く彼女と目が合えば
艶めく水着姿に反した稚い様子が愛らしくて双眸を細めるけれど
きっと自身も大差ない程、顔が綻んでいるに違いない

楽しまなくては損、ですよね?


促されるまま流れるプールへ
揺蕩う小舟は丈の有る己には少し狭く
身動ぎすれば落ちてしまいそう
かよさんが漕ぐ度にゆらゆら揺れて
追い打ちとばかりにどかんと来た不意の大波に
敢え無く転覆

水中から眺める天井の明かりはきらきら煌いて実に綺麗
慌てた様子の彼女と手を繋ぎ

欠けませんよ
今は人の身ですから

悪戯っぽく笑って
安心させるよう絡めた指を掲げて見せる



 上を見上げれば、透明な通路に水を張られたプール。
 横をみれば、波の生まれるプール。
 ウォータースライダーに、ジェットバス。
 すこし水深の深いプールに、あさーいプール。
「すごい、すごい、プールがたくさんだ!」
 好奇心に、星が煌めくように瞳を輝かせて。
 大きな浮き輪を抱え、深紅のビキニに身を包んだ境・花世(*葬・f11024)がくうるり振り向けば、薄紅を揺らして童女のように。爛漫とした笑み。
「あは、綾も楽しそうな顔してる」
「――楽しまなくては損、ですよね?」
 艶めいた姿とは反した、稚い笑みに瞳を細めるが。
 彼女の指摘どおり。都槻・綾(夜宵の森・f01786)の翠瞳にも、好奇心の色が揺れ綻んでいるのであろう。
「その通りだよ!」
 笑み栄える表情はそのままで。
 ゆっくりとプールサイドを歩んでいた綾の手を引いた花世は、波揺蕩うプールへと彼を引き込んだ。
 そして大きな浮き輪を、滄海に漕ぎ出す小船の代わりにと。
「動くと落ちてしまいそうですね」
「そうだねえ、……えい」
 綾がくつくつと笑うだけで揺れる浮き輪の船。
 我慢をしきれなかったかのように花世が足先で水を掻きだした。
 それは、小さな小さな船旅での冒険の始まりだ。
 ゆら、ゆら、揺れる小さな船。
 しかし冒険には危険が伴う事は、皆ご存知の通り。
 ここの波の起こるプールには、ランダムで大波が生まれる事となっている。
 ――ざぶん。
 不意の大波に揺れる、浮き輪の小さな小舟。
「!」
 敢え無く波に攫われ、ぐるんと浮き輪はひっくり返り――。
「わああ、綾が波で欠けちゃう! 大丈夫!?」
 慌てた花世の腕が、水を掻き。
 彼へと腕を伸ばす。
 青磁香炉のヤドリガミたる、綾が割れてしまわないかと。
「――……」
 こぽ、こぽ。
 水中では、歪む音。歪む光。
 ゆらゆら、揺れる水。
 水中から見上げる明かりは、きらきらときらめいて。
 綺麗だなあ、なんて。
 綾はどこか、のんびりと。
 慌てて差し出された花世の手を、しっかと握りしめる。
「――欠けませんよ、今は人の身ですから」
 そもそも、そんなに深いプールでも無かったのだ。
 プールの底に足をつけて立った綾は、悪戯げに瞳を細めて、繋いだ指先を掲げて見せた。

 それは、たしかに人の指で。
 あたたかい掌は、たしかにたしかに、人のものだ。

「……よ、良かったぁー」
 ああ、ふたりともびしょ濡れになってしまって。
 花世は、ふは、と吐き出すように笑い。
 それでも、ぎゅっと、ぎゅっと掌を握りしめる事にした。
 指と指を絡めて、しっかりと貝みたいに。

 それは、人の指。
 あたたかくて、たしかに、たしかに、人のもの。
 それでも、それでも。

「……けれど、やっぱり。きみが波に攫われたら困るから」
 首を傾いで、綾の翠瞳を覗き込む花世。

 プールを出るまでは、このまま。
 手を繋いでいてね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスクルール・ラカーユ
サン(f01974)と知り合う!

スライダーに上がるもスライダー前で躊躇
下から見た時は高くないと思ったんだけど意外と高…いや滑らないのはこの上からの景色を楽しみたいからであって決して怖いとかそんなことごにょごにょ……
とかなんとか思っているうちに後ろから声をかけられ、驚いた拍子でそのままスライダーへイン!
「うわーーーーーはやいいいいいぃぃ!!!???」

出口についたと思ったらすぐ後ろから大きな波(サン)が来て「!?!?」状態

色々びっくりして放心状態のまま自己紹介
ん、なんだい、遊ぶの?遊ぼあそぼ…え、さっきのをまた?あ、いやスライダーは待ってー!!

遊び疲れたらおやつ食べて元気回復!アイスが食べたいな!


サン・ダイヤモンド
エスクルール(f12324)と知り合う

長い髪もふわふわの尾もそのままに
見た事も無い噴水ジャグジー流れるプール
瞳を輝かせ、ばしゃばしゃきゃあきゃあとどれも全力楽しい!

そして本丸スライダー
なかなか滑ろうとしない前の彼(エスクルール
不思議に思って顔を覗き込み「怖いの?」
そしたら喜んで滑って行った
あんまり楽しそうな声だから僕も間髪入れずに追いかける(尾は抱え

あっという間の終点で先の彼に覆い被さるようにばしゃーん!
※良い子は真似しないでね

勢いよく頭を振って水弾き、はたと彼の匂いを嗅いで
「君も猟兵?
僕はサン!君は?」

自己紹介が終わったら彼を誘ってまた滑ろう
たくさん遊んでお腹が空いたら一緒にご飯も食べようよ



「わ」
 飛び出してきた温水を頭から被れば、長い髪がぺっとりと濡れて。
 ぶるる、と獣のように顔を振り、水滴を跳ね飛ばす。
「ぷあっ」
 噴水みたいに吹き出る水に合わせて、サン・ダイヤモンド(甘い夢・f01974)は跳ねて飛んで。
 ぐうるり周りを見渡した。
 天井との間にある透明な池は、渡る人が見える。すごいやつ!
 風が吹いたみたいに、どんどん波が来る不思議な水たまり、魔法みたい!
 ちょっと深い池に、すっごく浅い池。それに全部、ここのお水は暖かいんだ!
 そして、これはみんな、プールと言うと聞いた。
 きらきらと瞳を瞬かせば、耳がぱたぱたと揺れる。
「凄い、凄い……! 楽しい!」
 びたびたになった太い尾を揺らして、サンの向かう先は大きな大きな滑り台!
 あれはウォータースライダーと言うらしい。
 一気に階段を駆け上って、順番待ち。
 まだかな、まだかな。
 滑り台の前で、立っている人は一人。
 なんだか、そわそわしているみたいに見えて――。

 下から見た時は高くないと思ったんだけど意外と高……、いいや、滑らないのはこの景色を楽しみたいからだ。
 うん、うん。
 決して怖いとかそういう事では無くて。
 一人頷いたエスクルール・ラカーユ(奇跡の迷子・f12324)は、スライダー用の浮き輪を持ったまま、そわそわ。そわそわ。
「……怖いの?」
「ヒャィッ!?」
 そんな彼に、思わず顔を覗き込んで声を掛けたサン。
 驚きのあまり、変な声を漏らして足元を滑らせたエスクルールは、浮き輪の上に倒れ。
「うわーーーーーー!!!!」
 そのまま、本来とは逆の方向を向いたまま、ウォータースライダーを滑ってゆく。
「……楽しそう!」
 あんなに楽しそうな声をあげるなんて、とっても喜んでくれたみたいで。
 サンはたまらなく嬉しくなってしまう。
 尾を抱えて、彼の背を追うみたいに。
 水を、滑る、滑る。
 あーっ、あーっ。
「はやいいいいいぃぃ!!!???」
 落ちる時は一瞬だ。
 ばしゃん! と大きな水しぶきを上げて、出口のプールへと落ちるエスクルール。
「……はあ、……はあ……」
 高鳴る心臓を落ち着かせるみたいに胸に手を当てた瞬間。
 その背中にサンが降り落ちてきた。
 ばしゃああん!
 後ろから抱きとめられるみたいにサンに押し倒され、水の中に引き込まれる。
「ぷあっ……は、はあ、はあ……」
 何とか立ち上がったエスクルールの眼の前には、びっちゃびちゃの白いキマイラ。
 ぶるる、と獣のように全身を振るわせて水滴を爆ぜさせた彼は、ぴかぴかの笑顔で笑った。
 この人からは、猟兵の匂いがする。
 きっと、ともだちになれる気がする!
「僕はサン! 君は?」
 色々起こりすぎて、混乱したままのエスクルールの頭。
 握手を求めるみたいに手を伸ばしたサンの手を、エスクルールは思わずぼんやりと握りしめ。
「えっ、えっ? ぼ、僕はエスクルール……」
「そっか、エスクルールだね。ねえ、一緒に、あそぼう!」
 少しだけ脳の動きも取り戻されてきた。こっくりと頷いたエスクルール。
「……うん、遊ぼ」
「じゃあまずはさっきのやつをもう一回!」
「えっさっきのを? あ、いや。待ってー!!」
 間髪入れず宣言。
 手をひいて歩き出したサンに、エスクルールはぶるぶると首を振る。
「えっ?」
 あんなに楽しそうだったのに、と首を傾ぐサン。
 あっ、もしかしたらお腹が空いているのかな? なんて。

 ゆらゆら、揺れる水面。
 少年達がプールサイドを歩みゆく。
 新しい縁を繋いだ事も、大きなプールも。
 とても、とても、楽しくて、幸せな事。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『持ち出されたUDCオブジェクトの探索』

POW   :    気力体力を駆使し、足で探す

SPD   :    持ち前の技術力を活かして、機転を利かせ情報を集める

WIZ   :    オブジェクトの性質を鑑み、どこにありそうか推理する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●反転
 始めに違和感を感じたのは、温泉を楽しんでいた猟兵達であった。

「なあ、何か変な感じがしない? 俺達、なんかぞわぞわしてきた」
 湯船の中で100まで数えていた少年は、首を傾ぐ。
「……確かに、何か変な感じですね」
 相槌を打つ彼も、確かな違和感を覚えていた。
 感覚が、気持ちが、何かおかしい気がする。
 それは多重人格者の人格が変わる事とは、また全く違う異質な感覚。

 暫くしてから、プールを楽しんでいた猟兵達も違和感に気がついた。
「ねえ、変な感じがするわね」
 手を繋いだまま、水を掻く足先を止めて。
 彼は違和感を探ろうとするように、瞳を細め。
「……うん、する。……なんだろう?」
 鰭を揺らして、これが『呪い』なのだろうか、と。
 二人はプールを上がろうと、プールサイドへと急ぐ。

 最後に違和感を得たのは、食事を楽しむ猟兵達であった。
 綺麗に食べ終えたトレイを重ねると、少年は立ち上がる。
「何かが、――おかしいな」

 妙な違和感。
 妙な感覚。
 ――そして。
田抜・ユウナ
※アドリブ大歓迎です。

●呪:性格反転
享楽主義、ぶりっこ、狸大好き

「あのお人形さん可愛い♪」
とか、調査中にすぐ脱線する
クレーンゲームに飛びついて狸のぬいぐるみをゲット
「やったー可愛いーポンポコー!」

●行動
【WIZ】
UDCオブジェクトの能力は「触れた者を呪う」
どの施設にいようとも等しく呪われてるというのは大きな手掛かりね。
来場者が必ず訪れる場所、必ず触れるような物はなんだろう……
一番可能性が高そうなエントランスを重点的に調査するわ。


千桜・エリシャ
カイトさん(f03912)と
WIZ


あら、なんだか変な感じ…これが聴いていた呪いというやつかしら…
うう…こうしちゃいられないわ!
さっさと原因を突き止めないと!
ほら、カイト!もたもたしてないで行くわよ!
全く…何を怖気づいているんだか
うじうじしてないで、いいから私に着いてきなさい!
何かあれば私が守ってあげるから!

あら、カイトも意外と役に立つじゃない?
そうね、温泉にいた人たちから異変が出ているということは温泉が怪しいかしら
何にせよ水が関係していそうだわ
料理にだって水は使うもの
水を介して呪いが広がっているのかもしれないわね
という訳で二人でこのリゾートの水の出処、貯水タンクや水道管辺りを調査していくわ!


奇鳥・カイト
エリシャ(f02565)と

んだよ、こっちまで呪いにかかるってのか?
面倒なこった……嫌だなあ本当に

えぇっ!やめようよ、エリシャ…危ないって…
でも解決しないとずっとこのままかもしれないよね…なら仕方ないのかなあ…
は、はい!行きます…
でも……危なくなったらこっちが守るからね


えぇと、先ず異変が出た人を中心に[情報収集]だよね
その人の時間、場所、それまでの行動…それらを簡単に分類分けしていこうか
う、うん。それは俺も考えてた
水か、それに媒介するものが怪しいかなって
そうだね、先ずは貯水施設に水道管を調べに行こうか
足が必要だから…僕にも手伝ってもらうね。猫がいいかな


壥・灰色
何かが、――おかしいな

空気の変化を肌で感じる
自身に対する影響は僅少のようだ
周りの猟兵の様子をうかがい、行動傾向が変化している者がいれば注視
彼らのいる位置関係から、呪いがある方向を推測できないか考えてみる

もし特にそこからヒントが得られなければ、ひとまず厨房に踏み込もう
食べ物に呪いを浴びせたか、或いは呪物そのものが混入しているか……
後者だとは考えたくないが、呪いを経口摂取した線で調べを進める

仮に経口摂取する事で発露する類のものなら、風呂の蒸気に紛れさせることも容易だろうし……何かヒントがあればいいけど

反転した猟兵達がぐでんぐでんしてたら、必要に応じてグーとかで活を入れて回るよ


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎


UDCオブジェクトを探さねば…探…
面倒になってきた
私は戦略的に撤退する!(逃走)

女性を見つけては子供から老婆まで
花束を渡しチャラチャラと口説く
幼女「愛らしい…私の将来のお嫁さんになってほしい」
老婆「貴女の笑顔は陽の光のように暖かい…貴女になら全てを捧げられる」

チコルに捕まったら
「はぁ?真面目に仕事なんてやってたら鳥肌が立つだろう
もしかして焼いているのか?」
(壁ドンし顎を指で持ち上げ顔を近づけじっと見つめ、甘い言葉を吐く)
「そんな顔をせずとも…今晩は二人だけの世界を作ろう
これが…約束の印だ」
ホテルの鍵を渡し、チコルの隙が出来た所で逃走!
遊びまくるぞぉ!


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

何だか違和感を感じる……。
ねぇユーリ、ちょっと調べに……えっ、どうしたの!?待ってよー!

ユーリを追いかけてみれば、あちこちでナンパ!?
もしかして、これが『反転』……?
とにかくユーリを止めないと!ナンパしてる場合じゃないよ~!
……きゃっ!ち、近い……!(一気に赤面し)
ふ、2人だけの……?これは……ホテルの鍵!?
頭の中がぐるぐるしている間に見失っちゃった!
これはもう、先に解決させた方がいいかも……!

SPD
【聞き耳】【野生の勘】で、異変にザワつく人が集まるエリアを探してみる。
もしかしたらUDCオブジェクトから近いほど、影響力があるのかもしれない!


クレム・クラウベル
ルト(f00036)と

ああ、ルト。起き……は?
言葉の半ばで素っ頓狂な声が出る
機嫌良さげに揺れる尾
今まで見た記憶のない、そして想像できない人当たりの良い笑み
思考も言葉も全力でフリーズし、ただ目を瞬いて

いや、熱は、別に……寧ろお前の方が熱でも出てるんじゃ……
狼狽えてる間に合わせられた額は平熱の様で
変なのはどっちだ、変なのは
これもUDCオブジェクトとやらの影響か……?

考えていて埒が明く様子でもないので一先ず調査へ
……ルトの口から協力などという言葉が出てくるとはな
この様子だと他の猟兵も随分な事になってそうだ
めぼしい情報があれば良いが

うん……?
あ、ああ。じゃあ、レイン
……こちらの方がむず痒くなるな、これ


イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と
↺(魂の反転)

寝て起きて、ぽやりと周りを見渡し大欠伸
おはようクレム、進展あった?
はたりはたり尾を揺らし
語りかける様は笑みを湛えて好青年のそれと変わりない

フリーズしたまま動かぬようなら首を傾げて
なに、熱でもあんの?平気?
こつり額を合わせ
なおも戸惑うようならば、からから笑って先へ行く
変なヤツ。ほら、行くぞ

物を探せばいいんだっけ
協力出来るならしていこう
調査には積極的に、必要ならば情報交換も

なあクレム、なんかその、ムズムズする
道具の影響かと問われればかぶりを振って
レイン、でいいよ。なんか、くすぐったい
くすくす笑う姿は幼く、ひと懐っこく



●ひっくりかえる
 違和感はあれどその感覚はすぐに馴染み、心地の悪さはいつのまにか消えている。
 それが何だったかだなんて、自分自身では解らない侭。
 猟兵達は『ひっくりかえる』。

 館内着を羽織り通路を歩くユウナは、顎に指を添わせて思案顔。
「……オブジェクトの能力は触れたモノを呪う……、だったわよね」
 どうやら、話を聞いた所によると。
 猟兵達は皆、どこに居ても何かしらの違和感を感じていたようであった。
 ――ならば来場者が必ず訪れる場所、または必ず触れるような物が……。
「あっ!」
 はた、と顔を上げたユウナは、自らの鍛え上げた武の結晶たる瞬発力で跳ねると、一気に『ソレ』の前へと転がり込む。
「きゃあーっ、この狸さん可愛いっ♪」
 彼女が一瞬で心を奪われたのは、クレーンゲームの中に居る狸のぬいぐるみであった。
 普段の彼女ならば。自らの名前と同じ響きの『狸』のぬいぐるみに、このように素直に反応したりしないであろう。
 考える前に、小銭をクレーンゲームへと投入。
 クレーンが動き、下がり
「……あっ、アレっ……?」
 そして空を切るアーム。
「ううーっ、もう一回っ!」
 ちゃりん、ちゃりん、一瞬で溶けてゆく小銭。
 普段のユウナであれば、考えられぬ程軽率で享楽的な行動。

 そう、今、彼女は『ひっくりかえって』いた。

 プールの出口。
 丁度服に着替えて合流したばかりだったチコルとユーリは、身体を駆け抜けた感覚に顔を見合わせる。
「ねぇユーリ、……違和感、感じたよね?」
「ああ、チコル。確かに妙な感覚を感じたな。……しかし、この感覚が呪いだとすれば、無事呪いは引き受けられたようだな。毒を食らわば皿まで。この感覚から、UDCオブジェクトを……オ……」
 う、と表情を歪め、口元を抑えるユーリ。
「えっ、ユーリ? ユーリ、大丈夫?」
 突如の異変。
 ユーリの変化に、チコルは慌ててウサギの耳を揺らし。
「……面倒になってきた。私は戦略的に撤退する!」
「えっ、えっ、えええええ、ユーリ!? どうしたの!? 待ってよーっ!」
 普段のユーリならば、絶対に言わない言葉だ。
 ――これが『反転の呪い』?
 混乱しながらも突然駆け出したユーリを追って、チコルも駆け出した。

「……んー」
 くあ、と大きな欠伸と、伸び。
 尾を揺らして周りを見渡す。
 何時もとは違う調度、心地の良いベッド。
 ここはスパリゾートホテルの一室。
「ああ、ルト。やっと起き……」
「ん、おはようクレム」
 目覚めた気配。
 ソファに腰掛けたまま顔を上げたクレムは、イェルクロルトの顔を見た瞬間にフリーズする。
「進展あった?」
「は?」
 はた、はた、と気分良さげに尾を揺らし。
 ピアスのぶら下がった狼の耳をぴんと立てると、いかにも好青年といった笑みを湛えてイェルクロルトが挨拶していたのだ。
 ――そんな事あり得ない。
 あんな人当たりの良い笑みで笑うイェルクロルトが、居る訳が無い。
 ふざけているのか?
 いや、冗談ですらあんな笑顔出来る訳ないだろう。
 飲みすぎたか?
 いや、酔いは待っている間に覚ましている。
 俺は今寝ているか?
 いや、起きている。明晰夢という線も薄そうだ。
 自問自答。
 先程少し感じた違和感よりもよっぽど強い違和感に、ただただ瞳を瞬かせるクレム。
「……なに、熱でもあんの? 平気?」
 言葉を詰まらせたままフリーズした彼に、不思議そうに首を傾ぎ。
 立ち上がったイェルクロルトがクレムに近づくと、こつんと額と額を合わせた。
「平熱、かな?」
 ……こんなに生気に溢れるイェルクロルトなんて、一度たりとも想像すらした事があっただろうか。いいや無かった。
「いや、熱は、別に……、寧ろお前の方が熱でも出てるんじゃ……?」
 クレムはやっとの事で言葉を紡ぎ。
「はは、何言ってんの。変なヤツ。ほら、行くぞ。――物を探せばいいんだっけ?」
「……変なのはどっちだ、変なのは」
 朗らかに返されてしまえば、これもUDCオブジェクトとやらの影響かとクレムは立ち上がる。
 尾をはたはた。
 それこそ人懐こい大型犬みたいに、ニコニコとイェルクロルトは扉を引いてクレムを待つ。
「他の奴とも協力出来るならしていこう、そっちの方がきっと早く見つかるだろ」
 飲みすぎた時の悪夢の様な、イェルクロルトのあまりに素直なセリフ。
 しかし、具合の悪い事にどうやら現実だ。
「……ルトの口から、協力などという言葉が出てくるとはな……」
 深い深い溜息。この様子だと、他の猟兵も随分な事になってそうだ。
「なあクレム、……なんかその、それ、ムズムズする」
「……うん? UDCオブジェクトの影響か?」
 イェルクロルトは首を左右に小さく振り、クレムの顔を見る。
「んーん、名前。――レイン、でいいよ。なんか、くすぐったい」
「……あ、ああ。じゃあ、レイン」
 くすくすと、いかにもおかしげに笑うイェルクロルト。
 調子を崩され、変な顔になるクレム。
「……こちらの方がむず痒くなるな、これ。……ほら、調査に行くんだろ」
「ん」
 尾をはたはた、機嫌良さげに揺らしながら。
 イェルクロルトとクレムは通路を行く。

「やったー! 可愛い! ぽんぽこ!」
 一体、幾らつぎ込んだであろうか。
 取り出し口から狸のぬいぐるみを拾い上げると、跳ねて喜ぶユウナ。
 ぎゅっと抱きしめると、ふかふかまふまふぽんぽこ。
 これで今日の夜は幸せに眠る事ができそうだ。
「……なんと愛らしい……!」
「んっ?」
 そこに気がつけば立っていた、赤髪の男。
 素早い動きでユウナの掌を取り、お姫様にするみたいに膝を突いて彼女を見上げた――ユーリ。
 彼は花束を差し出すと、真っ直ぐに彼女を見つめて。
「その花の綻ぶような笑顔。ぬいぐるみに感動する綺麗な心。それはまるで陽の光のように私の心に染み渡る――、折角ならどうだい、私と一緒に混浴風呂なんて」
 スラスラと普段ならば絶対言わないセリフを口に。
 ユーリはウィンク一つ、ばちーん。
「えっ、ええーっ!」
 てれてれ、ぶりっこぶりっこ。
「えへへぇ、どうしよう~、そんな事突然言われても照れちゃうよぉ~」
 ユウナはくねくねと身体を揺らして、狸のぬいぐるみをぎゅぎゅっと抱きしめて――。
「あーっ!」
 足音を響かせて。そこに駆け込んできたのは、チコルの姿だ。
「やっと見つけたよ、ユーリ! もーっ、ナンパしてる場合じゃないよ~!」
 見つける度にあちこちでナンパしていたユーリ。
 声を掛けると、逃げる彼を追いかけ続けさせられたチコルは、もはや確信していた。
 これが、『反転の呪い』なのだと。
「来たなユウナ。……真面目に仕事なんてやってたら鳥肌が立つだろう! ……それではお嬢さん、また混浴温泉で!」
「ひゃっ」
 ユウナの掌に口づけを落として駆け出そうとしたユーリ。
 しかし、もうこれ以上追いかけ回させられるつもりは無い。
 チコルは退路を断つ形で一気に踏み込むと、彼を壁際へと追い詰めた。
「もう逃さないよ、ユーリ!」
 狸のぬいぐるみを抱きたままユウナは、突如始まった昼ドラをわくわくと見つめる。
「……はぁ? もう逃げられないのはチコルの方だろう?」
「え……、きゃっ!」
 その瞬間。
 壁に腕を立て、チコルを見下ろすユーリ。
 いわゆる壁ドンだ。
「ち、近……」
 吐息が掛かるほど、顔を寄せて。真っ直ぐに交わされる、赫と翠の視線。
「もしかして焼いているのか?」
「や……、えっ?」
 チャリと響く、金属の擦れる音。
 ユーリは甘く甘く、チコルの耳元へと唇を寄せると囁く。
「そんな顔をせずとも。……今晩は二人だけの世界を作ろう、これは約束の印だ」
 そしてチコルへと手渡されたのは、ホテルの一室の鍵だ。
「ふ、2人だけの……?」
 えっ、えっ、とチコルが息を呑み。目を白黒している間に――。
「じゃ、そういう事で!」
 駆け出すユーリ。
 ひゃっほう、遊びまくるぞぉ!
 へた、とチコルは思わず座り込み、溜息を一つ。
「……もうーっ、……先に事件を解決させた方がいいかも……」
「あっ、そう言えばそうだったわね」
 ユウナもやるべき事を思い出して、あっと言った顔をした。
「あなたも猟兵なんだね! ねえ、どこか目星をつけた所はある?」
「そうね、私はエントランスを調査するつもりよ」
「なるほどなるほどー、私は騒ぎが起こっていそうな所を探してみようかな……?」
 二人はそのまま通路を歩き出し――。

 空気の変化を肌で感じる。
 何かが。何かが、――おかしいな。
「愛らしい……、私の将来のお嫁さんになってほしい!」
「はいはーい、人に迷惑をかけるのはやめましょうねえ」
「な、何をする!」
 バイキングを後にした灰色は、途中で幼女をナンパしていたユーリを機械的にひっつかまえて投げ出したり。
 やたらきゃいきゃいしているユウナを見やったり、きのこがうんたらと叫ぶ猟兵の横をすり抜け。
 考える。
 どうやら『呪い』の発露は、温泉に近い程早かったそうだ。
 四方八方に風呂がある状態では、方向の推測は難しい。
 しかし、自らも違和感を「感じた」という事は、呪いに「触れた」という事だ。
「……食べ物に呪いを浴びせたか、……或いは呪物そのものが食事に混入していた……?」
 ああ、しかし、どうせ呪われるならもう一枚ステーキを食べておけば良かっただろうか。
 厨房を見に行ってみれば分かるだろうか。
 仮に経口摂取する事で発露する類のものなら、風呂の蒸気に紛れさせる事も容易だろうし――。
「……風呂の蒸気?」
 はた、と顔を上げる灰色。
 皆が、全員、必ず触れているもの――。
 そうか、蒸気は元々――。

 カイトを腕をぐい、と引くエリシャ。
「ほら、カイト、もたもたしてないで行くわよ! さっさと原因を突き止めないと!」
「う、うう……、これ以上やめようよぉ、エリシャ……危ないって……」
「全く、何を怖気づいているの? うじうじしてないで、いいから私に着いてきなさい!」
「は、はいいっ、い、行きます……」
 やたらと驕り高ぶった様子のエリシャに、やたらと弱気な様子のカイト。
 やれやれとエリシャが肩を竦め。
「ふん、ソレでいいのよ。カイトが集めた情報によると、温泉にいた人たちから異変が出ているということは温泉が怪しいかしら?」
「う、うん、それは俺も考えてた。聞いた人の……時間と場所、行動を分類分けすると、そうなる、かも……」
「かもって何よ?」
 睨めつけるような視線を感じて、ひゃっとカイトはぷるぷると首を振って。
「そ、そうなる……よ! だから、……水か、それに媒介するものが怪しいかなって」
「ふうん、何にせよ水が関係していそうだわ。料理にだって水は使うものね」
 カイトはエリシャを伺うように首を傾いで。
「……そうだね、先ずは貯水施設に水道管を調べに行ってみる?」
「ええ、水を介して呪いが広がっているのかもしれないという線で探してみましょう」
 通路を歩む先に、発見した職員用通路。
 客の普通に行ける範囲には、水に関する施設は見えない。
 つまり、自由に歩き回れるエリア外に行かなければ探索はできないと言う訳で。
「……本当にここ入っちゃっていいのかなぁ……」
「良いに決まってるでしょう! 何かあれば私が守ってあげるから!」
 ぐずぐずしないのよ、と叱咤するエリシャ。
「う、ううう、でも……危なくなったらこっちが守るからね……」
「……当たり前じゃないの!」
 なんだかんだで守る気はあるのだ。
 思わずつん、とそっぽをむくエリシャ。また怒らせちゃったかな、と震えるカイト。
「ここの先に、給湯施設はありそう?」
 そこに、背後からかけられた声。
「ひゃふっ!?」
 ビクッ! と跳ねたカイトと、エリシャは悠然と振り向いて、小さく笑った。
「……あら、貴方も水が怪しいって?」
「まあね」
 背後に立っていた少年――灰色が頷き。
 扉を押せば、鍵もかかっていない職員用通路の扉は簡単に開かれる。
「こ、声を掛ける時は事前に声をかけてからかけてよ……び、びっくりするじゃないか……」
「うん……?」
 すっかり弱気になりきったカイトの言葉に、首を傾ぐ灰色。
「下らない事言ってないで、行くわよ」
「あ、ま、待って。……足が必要だから、僕にも手伝ってもらうから……」
 エリシャが急かせば、慌てた様子でカイトが盟約を口にする。
 ぐうるり、空中で血色がねじまがり。
 にあ、と彼の影より転がりでてきたのはカイトの髪色と同じ、黒猫の姿だ。
 発見されづらく、彼と五感を共有するその猫は、助けになるだろう、と。
「それじゃ、いこうか」
「待ちくたびれちゃったわよ」
「……ん、それじゃ、いこうか」
 こつん。
 三人と一匹は職員用通路へと足を踏み入れる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

奇天烈・モクレン
終ちゃん(f00289)と【WIZ】

反転:
社交的な人格が全員引っ込み思案に
代わりに滅多に表に出てこない「女性の心を持つ男性」の人格が露見する

キャーッ!何みてんのよエッチ!(平たい男の胸を押さえる)
急に引っ込まないでよモクレン!

ってアラヤダ、他のコもどうしちゃったワケ?
アタシ以外居ないじゃないの

あら終ちゃん。アンタも様子が変ね
何驚いてんのよ、百人も人格がいればアタシみたいな奴が一人いてもおかしくないのよ

とにかく原因を探りましょ
アタシ達だけじゃないみたいだし、きっと何か法則性があるんだわ
いすゞちゃんの言う触れたものが反転する呪い……終ちゃん何か触った?

そうよ調査よ!このまま行くに決まってるでしょ!


静海・終
モクレン/f00754と

…おかしな感じがございますね
モクレンくん、事があってはマズいですので出ましょ…モ、クレン…くん?
妙に高い声をあげながら胸を隠す姿に思わず一緒に自分の胸を隠す
えっ、あっ、ど、どうされました?
中の人ですか?中の人が違うんですか?いない?

いきなり友人が変になれば私もおかしくなりますよ!?
えぇ…モクレンくんの隠された…人格が…
…しかし周りもおかしいですね、これは何か起こっている…?
えぇ、とりあえず原因を探しましょうか
触ったもの…とくには思い浮かばないのでございますが…
強いて言えばお湯やロッカー、タオルなどですかね

ピンときませんね、他に原因がないか探してみましょう…モクレンちゃん



●温泉
 湯を掬えば、とろりと指の股を滑り落ちる。
 一瞬で身体を駆け抜けた違和感は直ぐに掻き消え、今は何も感じはしない。
 しかし、何かが。
 言うなれば――空気が変わったと言う確信を、終はたしか得ていた。

 湯船の中で立ち上がり、モクレンを見下ろす終。
「モクレンくん。このおかしな感じ、……事があってはマズいですので出ま、」
「キャーッ!」
「はっ!?」
 突如。
 薄く平たい胸板を覆い隠すように腕を交わして、甲高い声を上げるモクレン。
「何見てンのよ、何見せてンのよ!! このエッッッチッッ!!」
 そしてモクレンは、身体を隠すように湯船に潜り込みざま、終の終を強打した。
 昼間だと言うのに、終の目前にはチカチカと星々が散る。
「えっ、あっ、あ、あっ!? あッ……!!」
 ホワイトアウトする寸前で、ギリギリ留まり。悶えながら、ぺたんと再び湯船に座り込んだ終。
 まだ終の終は終わってはいない。セーフ。
 荒い息を零し。
 終は腹の奥が冷える痛みと共に、今何が起こったのか脳をフル回転させる。
 眼の前に居るモクレンは、モクレンではあるとは思う。
 しかし、いつものモクレンとは違う所を考える、考える。
 妙に女々しい動き、鋭いルール無用の残虐パンチ、甲高い声――。

 噛みつかんばかりの剣幕で、モクレンは『自ら』に吠えていた。
「モクレン、モクレン! 何急に引っ込んで……、……アラヤダ、他のコもどうしちゃったワケ……?」
 異様なまでに、静かな頭の中。アタシ以外居ないじゃないの、と、瞬きを数度か重ねるモクレン。

 はた、と結論に至る終。
 ――モクレンは多重人格者である。
 そして彼の中には百を超える数多の人格が存在している、そうだ。
 つまり。
「……えっ、あっ、あの……、その、中の人ですか? 中の人が違うんですか?」
 ぷるぷる震えながら、倣うよう様に胸元を隠して、恐る恐る尋ねる終。
「あら終ちゃん。アンタも様子が変ね。『呪い』にやられたのかしら?」
「い、いや、これは……、いきなり友人が変になれば私もおかしくなりますよ!」
 あと突如友人に局部を突かれればまあ、こんな感じにもなる。
「なァに、驚いてンのよォ。百も人格がいればアタシみたいな奴が一人位いてもおかしくないでしょォ?」
「えぇ……、モクレンくんの隠された人格……」
 何とか日常会話位ならばできる程、復帰した終は呆然と呟き。
 やれやれと肩を一度竦めた。
「……しかし、周りもおかしいように思えますね、……これが『反転の呪い』でございましょうか?」
「いすゞちゃんの言う触れたものが反転する呪い……ね」
 湯飛沫を跳ねさせて、雄々しく立ち上がったモクレン。
 湯船の横に置いてあったフェイスタオルを、胸と股間が隠れるように縦に垂らして脱衣所へ向かい出す。
「ま、とにかく原因を探りましょ。アタシ達だけじゃないなら、きっと何か法則性があるんだわ。……終ちゃん何か触った心当たりはあるかしら?」
「触ったもの……、特に思い浮かばないのでございますが……」
 並んで、モクレンと同じ形でフェイスタオルで身体を隠しながら立ち上がる終。
 ぱたぱたと金髪より溢れる水滴を見ながら、ふむ、と潜思する。
 ここに来るまでに、持参物以外で触った物。
 ロッカーキー、ロッカー、タオル、お湯。
 しかしこの騒ぎが何処まで、誰にまで及んでいるのかまだ分からぬ今では、断定をする事は難しいであろう。
「……ピンときませんね、原因を探るためには情報が足り無い気がします」
「そうよ、調査が必要だわ!」
 フェイスタオルで足や身体の水分を取りながら、二人は言葉と情報を交わし。
「……そのままの(人格で)行くのですか、モクレンく……ちゃん?」
 再び恐る恐る尋ねる終。
 ンもう! と頬を膨らせるモクレン。
「このまま行くに決まってるでしょ! アタシ以外、声をかけたって誰も応えてくれないンだもの!」
 そっかあ、って顔をする終。
「速やかにがんばりましょうか、モクレン……ちゃん」
「ええ、行くわよォ、終ちゃん!」
 モクレンの妙に艶めかしい動きにつられ、同じ様に身体を隠しながら。
 少年と青年は並び、着替えを始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ペチカ・ロティカ
進むにつれて無気力反転

温泉から出たらリュー(f01051)にこーひー牛乳を買ってあげるの
これはトロフィーでもあるので、恭しく渡すのよ

ペチカもふるーつ牛乳(すごくあまい)を飲むの
飲みほしたら牛乳ひげ(これも作法)をつけて
瓶をマイク代わりにひーろーいんたびゅーの練習

リュー選手、本日は素晴らしい走りでした
優勝して今のお気持ち、いかがですか
(零れ落ち凄惨な姿になったあひるさん)
―リュー、そんな
そんなのって…

(倒立してるリューは支えてあげる)
もうなにもしんじられない
はやくかえりたい
いえ、むしろもう一歩も動きたくないの
ペチカは器物に戻ったの

稼動してないマッサージチェアを陣取ってうずくまるまる
イヤイヤ期


リュー・メトカーフ
【反転は無し】
ペチカ(f01228)と共に

温泉から出れば
勝利の証たるコーヒー牛乳を仰々しく受け取ろう

いんたびゅーではコホンと一つおいてマジメな顔で
やはり戦いの事前準備の差が勝敗を分けたと思います
その上でやはり決め手は……勝利への想い、ですかね
(袖からあひるが落ちる)(散らばるあひるの部品やモーター)
違うんだ
違うんだよペチカ
違うんだ

おおペチカ、私も反転の呪いがかかってしまった(壁をつかって三転倒立)
頭に血が登りそうだ、これが呪いか……助けてくれ

──おや
なるほど、反転の呪いとはそういうものなんだね
残念ながらそろそろ仕事の時間だ
頑張ったらあとで好きなものを買ってあげるから頑張ろう
物で釣る作戦



 服に着替えたリューへと、両手を使ってうやうやしくコーヒー牛乳を差し出したペチカ。
 仰々しい動きでそれを受け取ったリューは、満足げに一つ頷いて。
 このコーヒー牛乳は由緒正しきあひるさんレースの勝利者のリューに贈られた、栄光の証たるトロフィーだ。
 二人は並んで腰に手を当てて、フルーツ牛乳とコーヒー牛乳を一気に飲み干す。
 これも牛乳ひげをお顔につけるまでが、お作法なのだ。
 ぷはーっと同時に息を漏らした二人は顔を見合わせて。後は、打ち合わせ通りに。
「リュー選手、本日は素晴らしい走りでした。優勝して今のお気持ち、如何ですか?」
 おひげをつけたままのペチカは、フルーツ牛乳の空瓶をマイク代わり。リューへと本日のヒーローインタビュー(の練習)だ。
 リューはこほん、と咳払いを一つ。
 真面目な顔で、まるでろくろを回すような手付きで言葉を紡ぎ出す。
「やはり、戦いにあたっての事前準備の差が勝敗を分けたと思います」
 あひるさんレースは厳しい戦いだ。
「水質、風、天候、そして腕の動かし方、そして……練習方法。一つでも違っていれば、今回のレースはまた違う結果となったかもしれません」
 和服の裾を翻し、瞳を瞑ってぐぐっと力説をするリュー。
 そのリューの表情は常とは変わらぬが、熱意が籠もっているようにペチカには見える気がする。
「なるほど、激戦であったという事ですか?」
「はい、しかし……、その上でやはり勝利の決め手は――、勝利への想い、ですかね」
 良い事を言った時の雰囲気を醸し出したリューが、エアろくろを回した瞬間。
 かしゃん。
「……あっ、あひるさんが……」
 慌てて拾おうとしたペチカは気づいてしまう。
「あっ……違うんだ」
 リューの袖から零れ落ちたあひるさんは妙に金属質な音を響かせて、床の上にモーターや部品を撒き散らしていた。
 これは、おかしい。
 ありえてはいけない事だ。
 だって、あひるさんレースのあひるさんのレギュレーションは空洞のあひるさんであった筈なのだ。
「――リュー、そんな。そんなのって……」
 改造された上に、落ちた事で内蔵された部品を撒き散らしたあひるさん。
 悲惨としか表現のできないソレを拾い上げて、わなわなとペチカはリューを見上げる。
「違うんだよ、ペチカ、違うんだ」
 はた、と気がついた様子で、リューは壁へと向かう。
 この場を誤魔化す為には――。
 よいしょ、よいしょ。
 二度目のトライで、ペチカが両足を支えてくれて成功する。
 それは壁を使って行われた、リューの三点倒立だ!
「おお……ペチカ、私も反転の呪いがかかってしまったようだ」
「そんな……、リュー……」
「頭に血が登りそうだ、これが呪いか……。ああ、ペチカ……助けておくれ」
「でも、リューもあひるさんも、ペチカはもうなにもしんじられないの……」
 よよよ、と嘆くペチカ。
 普段通りのように見えて、何かが違う。
 だんだん暗い方へ、暗い方へと向かうペチカの思考。
「はやくかえりたいの……」
 支えてあげていたリューの足首を壁へと立てかけると、コインをいれていないマッサージチェアに蹲ってしまうペチカ。
「ペチカ……! 私を置いていかないでおくれ」
「もう一歩も動きたくないの……、歩けないの……、ペチカは器物に戻ったの」
 三点倒立のまま、ペチカの調子に合わせていたリューだが、よいしょと立ち上がると瞬きを二度、三度。
 ペチカへの、違和感。
 常の彼女ならば、あそこまで沈んでしまったりしないであろう。
 これは、もしかすると、先程感じた違和感が『呪い』であったのかもしれない。
「――おや、なるほど。反転の呪いとはそういうものなんだね」
「ペチカは今お留守なの、ご用件のある方はぴーという発信音の後にめっせーじをどうぞなのよ」
「……ペチカ、残念ながらそろそろ仕事の時間だ」
「ぴー」
 いやいやと首を振るペチカの耳元へと顔を寄せて、リューは小さく囁く。
「頑張ったらあとで好きなものを買ってあげるから、頑張ろう」
「……なんでも良いの?」
「善処しよう」
「また……、リューをしんじていいの……?」
「勿論だよ」
「でも……でも……」
 イヤイヤ期に突入してしまったペチカの説得には、もう少し時間が必要かもしれない。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ニコリネ・ユーリカ
【ワイルドハント】
ねぇリダンさん、二人の様子がおかしいの(つんつん)
つかささんは急にしをらしくなっちゃったし、
わんこさんは……キノコ食べてキノコ生えたとかそれどういう……!

可哀想に。呪われてしまったのね。
暫く【Santuario Segreto】で姿を消して観察しましょ。
リダンさんと小指を繋いでモニタリング!
二人が呪詛を掛けた主に導かれたり、逆に呪いの元を誘引してくれるかもしれないし。
眼を離さないで、よーく、ああぁぁあこの惨事見てられない!

他にも性格が反転した人が沢山!
混乱に乗じて何か動いている気配がないか、奪われた形跡がないか警戒を。
探索中は音を立てずに、パントマイムで会話します(クネクネ)


リダン・ムグルエギ
【ワイルドハント】
アラヤさんが食べる事を止めた?!
これは…何かあったに違いないわ
そう、誰も次の注文をしていないのである!というワケでもなさそうだし…
もやしはどう?焼きもろこしは?青梗菜も…嘘、いらないの…?(愕然としつつ動画撮影)
わんこちゃんは…うん、いつも通りね

ともあれここは推理の見せどころね
ニコリネさんとタッグを小指で組んで調査と行きましょ
隠れて反転した二人を観察しつつ、他の猟兵の反転状況も聞いて回るわ
こういうのはやっぱり名物周りに何か仕込むのがデザインの基本よね
水回りに何かがあると予想しつつ探りを入れるわ

えぇ、見ていられないわね…
だから撮影して後で見せつけちゃいましょう!(悪乗り山羊)


荒谷・つかさ
【ワイルドハント】

※性格反転
「強気で剛毅な自信家」→「弱気でしをらしい恥ずかしがり屋」
表情はほぼ無表情固定だったのが、豊かに変化するように
姿勢も背筋伸ばして胸張って堂々としてたのが、猫背で縮こまってびくびくするようになる

食事後積み上がった皿を見て
「私ともあろう者が……なんてはしたない」と赤面
叫び声を上げるわんこにはビビりつつ
「ししし静かにしましょうよわんこちゃん皆様が見てるじゃないですかあぁぁぁ……」(涙目)
と弱々しく制止
その後はわんこの服の裾をぎゅっと握って影に隠れるようにして同行
躊躇いつつ、派手に厨房を漁る彼女の手伝い(というか探索後ちゃんと戻せるように物の整理)をする

アレンジアドリブ歓迎


野良・わんこ
【ワイルドハント】
「いや、焼き肉美味しかったですねぇー」
満足して焼き肉エリアから出たところで惨状を認識。
「ま、まさかこれは噂のセイカクハンテンダケ!! 焼き肉に混ざっていましたか!?」
山盛り野菜を食わされたのでどれがそうだったか記憶にない。
だがわんこは反転しない。
わんこの精神は球体である。
球体に裏表などない。
だが違和感を感じる。場所は体の下方。
「――??」
「……わんこにちんこが生えているー!! これじゃ野良わんこじゃなくて野良ちんこですよ!」
何故か性別が反転していた。
「くっ、幾らわんこといえどもTSは想定外!
早く異変を解決しなければ!」
セイカクハンテンダケの仕業だと思っているので厨房を漁る。



●レストランフロア
 じゅう、じゅう。
 煙の上がる、焼肉ロースター。
 焼き上がった肉を箸で捉えたつかさが、ぴたりと手を止めて。
 そのまま網の上に肉をそっと戻した。
「……あう、私ともあろう者が……なんてはしたない」
 そして眼の前に積み上がった、自らの食べたばかりの皿に初めて気がついたかのように。
 つかさが両頬を押さえて、羞恥に耐える様にるふると首を振る。
 ああ、ああ、女の子がこんなに食べて良い訳が無い。
 しかも人前で焼き肉だなんて。

 おかしい、これは何かがおかしい。
「……ねぇリダンさん、なんだか様子がおかしいわ」
 つん、とニコリネがリダンの腕を突き。
 こっそりと耳打ち一つ。
「つかささんが食べる手を止めて、急にしをらしくなっちゃったの……」
「え……、えっ? えっ! アラヤさんが食べる事を止めた?!」
 つかさが食事中に食事を中断する。そんな事があり得るわけ無いのだ。
 つかさの胃袋は大変に優秀で、本来は肉が焼けてから2分以内にはおかわりが届く様に注文を行っている。
 しかし、焼けた肉に手をつけないばかりか。
 そのおかわりは、現在どんどん積み上げられていっているのである。
「なのに、未だに手をつける様子が無いなんて……、これは絶対におかしい、何かあったに違いないわね……」
 リダンが冷静な様子でとりあえずスマホの動画撮影機能を起動させると、焼き上がったお野菜をつかさの前へと積み上げる。
「ねえ、アラヤさん。もやしはどう? ねえ、焼きもろこしは? 青梗菜も焼けているわ」
「あう、うう……そ、そんなにた、食べられません……っ」
「嘘、いらないの…?」
 ふるふると首を振って、きゅうっと身を縮こまらせるつかさ。なんなら少しばかり涙目になっている。
 常の無闇なまでに胸を張った、真顔のつかさを考えれば、これが異常と言わずとして何が異常というのだろうか。
 リダンとニコリネはこの異常さにぞっと肌を粟立てる。
 こんなに面白事態、動画に収めなければ嘘だわ。やや興奮に粟立つリダンの肌。
 ああ可哀想に。これが『呪い』、こんな惨事――。そっと目を伏せてしまうニコリネ。

「あ、あああああああああああああああああああ!?」
 そこに響く、わんこの絶叫。
 何かがおかしい、と思って自らを撫で回してみたわんこ。
「ま、まさかこれは噂のセイカクハンテンダケ!? 悪しき野菜の山に混ざっていましたか!?」
 わんこが館内着の上から股間を撫でると、何か膨らみがある気がした。
 これは、もしかして、男性の――。
「くっ、野菜の中に毒物を混ぜるだなんて卑怯ですよ! しかも性別が変わってしまうだなんて……! これじゃ野良わんこじゃなくて、野良ち」
 びくーんと跳ねるつかさ。
 それいじょうはいけない。
「わーっ、わーっ……、ししし静かにしましょうよ~、わんこちゃん、う、うう……皆様が見てるじゃないですかあぁぁぁ……」
 ふるふると首を振って、弱々しい静止。
 涙目でわんこを嗜めるつかさ。
「えっ、キノコ食べてキノコ生えたとかそれどういう……?」
「わんこちゃんは……うん、いつも通りね」
 ニコリネが首を傾ぎ、うんうんと頷くリダン。
 平常運転です。
「……兎も角、変化があった二人を観察していれば、呪詛を掛けた主に導かれたり、逆に呪いの元を誘引してくれるかもしれないわ」
「……たしかに、ここは推理の見せどころね」
 きゅ、とニコリネがリダンと小指と小指を繋ぐ。
 すう、と姿が消えた二人に構う事無く。
 焼けた肉だけを全て口に押し込んだわんこが立ち上がった。
「これは紛うことなきセイカクハンテンダケの仕業ですよ! くっ、早く異変を解決しなければ!」
 わんこが厨房へ駆け出すと、ころんと館内着へと潜り込んでいた生のエリンギが転げ落ちた。
 そう性別反転はこの世界では許されない禁忌であるので、呪いとは言えそれを叶えることは出来ないのだ。
 わんこの精神は球体である。
 球体に裏表などない。
 つまり、反転したところでわんこはわんこなのだ。
「あうあうあうあう、ま、まってくださいぃいぃい、ひ、ひとりにしないでえぇ……」
 駆け出したわんこの服の裾をぎゅっと握ってつかさが彼女を追いかけ。
「うおおお、厨房覚悟ーッ! わんころがしたる!」
「お客様、お客様おやめ下さいっ!?」
「わ、わんこちゃん……あ、あうう……」
 派手に厨房を漁るわんこ。
 それを元に戻すつかさ。
 UDCの存在は民間人に知られていない為、後々このフォローを行うのはUDC組織である。
 がんばれ、UDC組織。

「……!!」
 二人から目を離さない、とはいったものの。よーく、……よーく。
 ああぁぁあ、この惨事見てられない! こんな惨事。こんな惨状!
 ニコリネが、透明なままリダンへとパントマイムで感情を伝え。
 ふるふると首を揺すって、撮影を続けるリダン。
「……!」
 ええ、ええ、見ていられないわね。――だから撮影して後で見せつけちゃいましょう。
 パントマイムが伝わっているかは別として、リダンはそれは良い笑顔でサムズアップした。

 ……しかし、こういうのはやっぱり名物周りに何か仕込まれているのがデザインの基本だわ。
「――……」
 ――水回りに何かがある、かもしれないわね。
 リダンは、つん、とニコリネの服裾を引いて。
 行きましょう、と彼女を誘導する。
 きっと、他の猟兵達もおかしくなってしまっているのだろう。
 何か動いているモノはないだろうか、奪われているものはないだろうか。
 警戒をしながら、水回り――給湯施設にでもまずは向かってみようか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

サン・ダイヤモンド
【森】プールでブラッドと

↺1章を全力で楽しんだ結果がっつり反転している
白いガウンを羽織りプールサイドチェアに腰掛け葡萄ジュースの入ったグラスをくるくる回したり
艶めかしく指を滑らせブラッドを顎クイしたり
危険な場面は「下がってな、ハニー」と堂々積極的に行動

※謎のスパダリと化す(ネタでお任せ

『触れたモノを反転させる呪いのオブジェクト』か
例えば人目に付かず、且つ自然と足が触れるプールの底や
人混みで水に浮いている場合も知らずに触れてしまうかもしれないな
まさか水に溶け込んではいないだろうが

臆せず水の中に入り、不審なものが無いか探索する
オブジェクトを発見した場合一般人が触れぬよう気を付け
敵の視線や気配に注意


ブラッド・ブラック
【森】
(鬼めいた風貌のままホテルでゆったりと酒を嗜んでいたが)違和感を感じプールでサンと合流する

まずサンの無事を確認し、違和感があれば
「……何か、悪いものでも食べたのか?」
まさかこれが呪いの影響か?
いやしかし、何故……

妙な呪いに微妙に困惑しつつ(表情は変わらない)
元気そうなのでそのまま置いておく
サンが絡んできたらとりあえず頭をポンポン、沈静化を図る

バウンドボディで素早く天井の鉄骨等高い場所へ移動し
上から注意深く観察、呪いのもとを探る
人が入れない場所や鍵がかかっている部屋は液状化して擦り抜ける
何れも目立たぬように

オブジェクトの破壊が可能なら破壊
敵が動くならば一般人を最優先に庇う

・アドリブ連携歓迎


寧宮・澪

(反転性格:活発で活動的、直感型短絡的、表情豊か)
あははははっ。
わーい、リゾートたーのしー!
(満面の笑み)

あ、オブジェクト探すんだったよね!
きっと、お客さんがいっぱいいそうなところにいくと思うんだ。
【第六感】がそう言ってる!

だからー、水着でプールに突撃ー!
プールの人気コンテンツといえば、ウォータースライダーだよね!
そこに行って【失せ物探し】!
まだかなーまだかなー、順番まだかなー?
そわそわしちゃう。
きょろきょろしながらわくわく待つよ!

順番きたら満喫どーん!
きゃー、楽しー!!

あ、探すの忘れた……もっかい行ってこよー!
(エンドレス)

(アドリブ、連携歓迎。行動止めてくださっても勿論いいです)


明智・珠稀
↺ 

■性格反転結果
「……なん、だ?」
言葉少なく硬派で無愛想、他人に興味なしな性格に。
一人称は『俺』
二人称は『おまえ』
口調は『~だ、~だろ?』

冷たい眼差しで
「……まぁいい、早く終わらせる」
と、探索に行こうとし
「っていうか、なんで俺こんな水着着てんだ…!?タオルとかねーのかよオイ!」
恥じらう元・ド変態

■行動
(周りの様子に)
…俺の他にも違和感を感じてるやつがいるみたい、だな
盗難したモノ…

館内全域に影響がある位だから、何か強い気を放ってそうだがな
(目を閉じ【第六感】を働かせ)
ちょっと気になる方向を探るか。
「なぁ、おまえ。何か怪しい者やモノ、見なかったか?」
真面目に探索を

※アドリブ&絡み大歓迎です!



●温水プール
「あはははははははっ、わーい! リゾートたーのしー!」
 ばちゃ、ばちゃ、ばちゃ。
 水を跳ねて、どぼん、とプールへと飛び込む澪。
 先程まで――。
 いいや、常ならば起きてる間中微睡みに囚われているような澪が、今日ははちゃめちゃにアクティブになっていた。
 しかもいつもの表情筋の死に絶えた表情では無く、ぴっかぴかの笑顔と共に。
「うーん、ウォータースライダーしたいなあ、人並んでるかなあ?」
 でもでも、きっとお客さんがいっぱいいそうな所にオブジェクトはあると思うのだ。
 だって、沢山の人を困らせるならば、沢山人が訪れる所に設置したほうが良いはずだもの!
「……って、私の第六感がそう言ってる気がする! 多分!」
 だから、ウォータースライダーに乗っても良いのだ。
 ぱたぱたと駆けていく澪。
 普段から考えると、はちゃめちゃにレアな姿であった。

「……なん、だ?」
 冷えた眼差し。
 回りを見渡した珠稀は、普段よりもずっと澄んだように感じる思考で現状を確認する。
 今はUDCオブジェクトの呪いを引き受ける様に言われ、スパリゾートを楽しんでいた所だ。
 そして身体を蝕む違和感の後――。
「……まあ良い、これが呪いであろうが早く終わらせるだけだ」
 す、と歩きだそうとすれば、自らの姿が目に入った。
 珠稀の現在の装備、ラメが輝く紫のTバック、一枚。
「……って言うか、なんで俺こんな水着着てんだ……!? タオルとかねーのかよ、オイ!」
 いやー、君ねぇ。ソレ喜んで着てたんですよ、先程まで。
 そこに。
 珠稀の肩へと、スッと掛けられた白いガウン。
 それは先程までグラスに入ったぶどうジュースをくゆらせながら、プールサイドチェアに腰掛けていた彼が羽織っていたモノ。
「困っている様だったからね、良ければ使うと良いさ」
「……おまえは……?」
 耳をはためかせ、ふさふさとした太い尾が床を撫でる。
 珠稀に瞳を細めたサンは、ふふ、と笑みを浮かべた。
「名乗るほどの者では無い。それよりも君も猟兵だろう? ――何か不審なものを見かけたりしたかい?」
「いいや、まだ何も。――だが、俺の勘は……」
 珠稀は眉を寄せて、少しだけ自らの感覚に素直になる。
 皆が触れていたもの、蒸発すれば空気中にも散布されるもの。
 珠稀はプールサイドにしゃがむと、掌の上に水を少し掬う。
 うっすらと感じる『何か』。
 うっすらと感じる『気』。
 温泉に加水されて温いそれは、傾ければプールへと零れ落ちてゆく。
 そう。
 勘は『水』が怪しい、と、告げていた。
 ――まさか、オブジェクトそのものが水という訳では無いだろうが。
「ふうん、そうか」
 一つ頷いて、綺麗なフォームで水に飛び込むサン。
「僕は水の中に何か無いか見てこよう。――まさか水に溶け込んではいないだろうとは思うが」
「……サン?」
 掛けられた声に、サンはくっくっと笑って。
 余裕の滲む色を笑みに交えて、彼を見上げる。
「ああ、ブラッド、遅かったね」
「……どうしたんだ、それは……?」
 違和感を感じてから、サンと合流すべく彼の居たプールへと訪れたブラッド・ブラック(f01805)は、変わり果てたサンの姿に呆然とした。
 いいや、見た目は全くかわっちゃあいない。
 立ち振舞いが、普段のぽんやりパヤパヤな彼のソレとは全く別物なのであった。
「何か、悪いものでも食べたのか?」
 ブラッドの問いに、首を傾ぎ重ねて尋ねる珠稀。
「……何か変なのか?」
 髑髏めいたブラッドの眼孔の色は変わる事は無いが、少しだけ困惑した雰囲気だけ。
 サンを見下ろしてから、彼はふむ、と思案に視線を上げる。
「ああ。サンは常はあの様な話し方や、振る舞いをしないのだが――」
「そう? 僕は何時もこんなものでしょう、ハニー」
 一瞬で水から上がり。
 く、と擡げられたブラッドのかんばせ。
 絡みつくように尾をブラッドに這わせたサンの指先が、艶かしくブラッドの顎先を滑る。
 はいはい、と頭をポンポンとしてやったブラッドが肩を竦めて。
 常とは違う、立ち振舞い。
 常とは違う、話し方。
「ふむ、もしかすると『呪詛』で性格が……、『反転』したのかもしれないな」
 言葉にしてから。ガウンの下のTバックを思い、珠稀は背に氷柱を押し込まれたような気分になった。
 つまり、普段の珠稀はコレを喜んで履く性格だと言う事だ。
「……寒心に堪えないな」
 本当に呪いを解いて良いものなのか、と一瞬だけ考えてしまう珠稀。
 しかし、これも仕事だ。
「――俺は上から観察に行くとしようか」
「そっか、ふふ、困ったら何時でも僕を呼んで、ブラッド」
 はいはい、ともう一度サンの頭をポンポンしたブラッドは、ぎゅう、と身体を螺子のように軋ませて。
 一気に天井にめぐらされた梁まで跳ね跳んだ。
「じゃあ僕も改めて行ってくるよ、……ああ、そのガウンはあげる、ふふ、身体を冷やさないようにね」
 とぷん、とプールへ再び綺麗なフォームで飛び込んだサンを見送った珠稀は、プールより踵を返す。
「さて、……水、か」
 彼らがプールを捜索するのならば、別の方面からオブジェクトを探しに行こうと。

「きゃーーーっ!」
 ばちゃーんっ!
 スライダー用の浮き輪にしっかりとしがみついた澪が、プールへと突っ込むと水しぶきを上げる。
「わーーっ、楽しい、楽しいなあ……。……あれ? オブジェクトの事、探すの忘れてたな……。
 うーん、うーん、悩んで、悩んで。
 ぴょん、と跳ねて、思いついた! のポーズ。
「仕方ないから、もっかい乗っちゃお!」
 こんなに楽しいお仕事なら、いつだって大歓迎だなあ、なんて。
 そわそわきょろきょろ。
「あっ、でもあっちにも人が沢山居る気がするなー、何何? えっ! プールサイド限定のわたあめアイス……? うーん、うーん、えーっ、食べちゃおー!」
 うーんと言った割には即決であった。
 だって、向こうにも人がいっぱいだもんねー。
 きっときっと見つかるよ!
 わかんないけど、そんな気がする!
 見つかんなければ、もっかいスライダーの所探しに行っちゃお!
 ぱたぱたと駆けていく澪。
 楽しそうでなによりです。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ジェイクス・ライアー
ダンド(f14230)同行

呪いが始まったようだな。
…なに?おい、大丈夫か…、
…なんだ、この感覚は

【反転】
は?仕事?
ああ、私は此処で待っているからお前行ってこい。
…いやいや、私など役に立つわけがないだろう。
はっはっは、無理無理無理…
あーーー(壁にしがみつく)やーめーーろーーー!!!

分かった、降参だ。ついて行く。…だから、これやめろ。
はぁ…全く……何故私がこんな事を…(蝉状態ミーンミンミン)(常人ならミシミシ言うくらい力強いホールド)
もっと気楽になれよ。どうせいようがいまいが変わらないのだから。
ふーん。ほぉ。へー。すごいな、その根拠のない自信。

…あっちじゃないか?私の勘がそう言っている。(適当)


ダンド・スフィダンテ
ジェイクス(f00584)同行

な、なんかざわざわする。気持ちが悪い……ジェイクス殿、大丈夫か?

【反転】
……何か世界が明るいな?
ジェイクス殿、いいから仕事するぞ!そう言ってたのは貴殿だろー?
そうだな!よし、行くか!(ひっぺがして荷物の様に小脇に抱える)

ん?わかった!ちゃんと付いて来……待ってパーカー伸びる!背中に張り付くのは違う気がいだだだだだっ(剥がそうとする)離れない……!もー、じゃあこのまま行くぞ!?
ん?気楽だぞ!なんだか心が軽いし、世界は明るい!全部上手く行きそうな気さえする!はっはっはっ!
よーし、とりあえず歩いて回って怪しげな物が無いか探してみるかぁ!
貴殿の勘…?じゃあ行ってみよう!



「……えっ、まってまって、めっちゃざわってする」
 体育座りをしていたダンドが、その感覚に耐えるように膝を強く抱え。金糸を揺らして、一気に肌が粟立つ感覚に身を震わせた。
 悪寒とはまた違った感覚、心がざわざわするような――。
「なにこれ、うわっ……、気持ちが悪い……」
「なに? ……おい、大丈夫か?」
 こみ上げる嘔気、ジェイクスがダンドを見下ろした瞬間。
「――なんだ、この感覚は」
 ジェイクスの足先からてっぺんまでを貫く、居心地の悪さ。
 ぞぞ、と背に電気が奔ったみたいにジェイクスは一度大きく身震いし――。
「……ん? 何か気持ち悪く無くなったな……、……ジェイクス殿、大丈夫か?」
 しかし、一瞬でかき消える違和感。
 ダンドが立ち上がると、身体の動きを確かめる様に掌をぐっぱ、ぐっぱ。
 何故か世界が妙に明るく見える。
 そうか、俺様には使命があったな。
「ジェイクス殿、仕事をするぞ! UDCオブジェクトを探しに行くぞ!」
「……は? 仕事?」
「うん? そう言ってたのは貴殿だろー?」
 ぴかぴか笑顔のダンドに宣言されて、ジェイクスが何を言っているのだ、という態度を隠しもせずに。
 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて、目線を反らした。
「……ああ、私は此処で待っているからお前行ってこい」
「ジェイクス殿、冗談は良いから仕事するぞ!」
「……いやいや、私など役に立つわけがないだろう」
 首を傾ぐダンドに、掌をひらひらと振るジェイクス。

 常ならば、これほど仕事前向きな彼が見られる事は無いであろう。
 常ならば、立ち振る舞いに落ち着きと気品を保つ彼がこの様な言葉を紡ぐ訳も無い。
 彼らもまた、『ひっくりかえって』いるのだ。

「ジェイクス殿は機転も利くし、力もある、大丈夫!」
「はっはっはっ、無理無理無理」
 笑顔で否定するジェイクス。サムズ・アップするダンド。
 二人はしばし見つめ合い――。
 ダンドがジェイクスを抱えようとした瞬間、ジェイクスが蝉のように壁にしがみついた。
「よーし、行くか!」
「あーーーーーーッッッッ!! やーーめーーろーーーーッッ!!」
 巨躯の青年が、喚きながら壁にひっつくカッチリと髭まで身なりを整えた男を引き剥がそうとしている。
 あまりに異様な光景に、遠巻きに客達に眺められる二人。
 しばし、攻防が続き――。
「はあ……、はあ……、……分かった。降参だ」
 先に音を上げたのは、ジェイクスであった。
「――付いて行く。付いて行くから、小脇に抱えようとするのと、引っ張るのを止めろ」
「ん、わかった! ちゃんと付いて来……」
 ダンドがぱあと笑顔になり、踵を返した瞬間。
 ピッタリとダンドの背をホールドするジェイクス。
「はぁ……、全く。何故私がこんな事を……」
 声音だけは何時もの調子であるから、ものすごくシュールな事になっている。
「なんで背中に張り付いて……、それは違う気が、いだだだだだだだだっ! まっ、待って、パーカー!! パーカー伸びる!」
 引き剥がそうとしたダンドの制止を無視して。
 力加減もへったくれも無いそのホールドは、ダンドの程の身体でなければ動くこともままならないであろう力でひっついていた。
 パーカーが伸びるっていうか骨が折れる。
「離れない……。もー……、じゃあこのまま行くぞ!?」
 諦めたダンドは、ジェイクスを背中に張り付けたまま、プールサイドを歩みだす。
 は、と息を漏らしたジェイクスが瞳を細めて。
「もっと気楽になれよ。どうせいようがいまいが変わらないのだから」
 やれやれ、とホールドしたまま肩を竦めた。
 器用。
 それに対するダンドの返事は、ぴかぴか笑顔と共に。
「ん? 俺様、とっても気楽だぞ!」
「ふーん」
「なんだか心が軽いし、世界は明るい!」
「ほぉ」
「全部上手く行きそうな気さえする!」
「へー」
「はっはっはっ!」
「……すごいな、その根拠のない自信」
 めちゃめちゃ眩しい笑顔に、また苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべるジェイクス。
 そんな気持ちを知ってか知らずか、ダンドは嫌味なくそうだろう、と大きく頷いて。
「よーし、とりあえず歩いて回って怪しげな物が無いか探してみるかぁ!」
「――なんとなくだが、あっちじゃないか? 私の勘がそう言っている」
「貴殿の勘ならば信用ができるな、じゃあ行ってみよう!」
 ジェイクスには第六感などは別段備わっていない。
 だまし討ちは得意だ。
 ――無責任な言葉に従って。
 背中に張り付いた男と、張り付かれた男はどこかへと歩み行く。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)
アドリブ等歓迎
↺ワイルドな漢(泳げる

ハッ!何だこの女みてぇな水着は!(破り捨て
男はな!褌で十分なんだよ!!
悲鳴に振り向けば最高に可愛い俺の人魚

リル……無事か?
クソ!俺のリルを呪うなんて……見つけ出してぶち殺してやる!

フッ
そんなに褒めるなよ照れるだろ?
リルこそ世界一可愛いぜ(顎クイ

何かあるなら水の中って事もあるだろう
水を伝って施設全体に影響を及ぼしてる、とかな
プールの中を探ってみるか
いくぞ、リル!
何?泳げない?
安心しろ
俺が抱えて泳いでやる
お前は俺の愛する人魚姫だ

障害なら俺がこの拳でぶち壊してやる
可愛いお前の為だ

接吻で呪いが?
試してみるか
リル……愛してるぜ…(そして重なる―


リル・ルリ
■櫻宵(f02768)
アドリブ等歓迎

↺恋愛脳の乙女
櫻宵様ラブ全開の泳げない人魚

「櫻宵様……カッコイイ!!」
水着を破り捨て褌一丁になった彼にトキメキがとまらない!

嗚呼
最高に輝いてる…

好き好き
リル、櫻宵様大好き!
リルに脚があったら櫻宵様の横を歩けるのに

「櫻宵様、流石!どこへだって着いていくわ
けど……だめなの。リル…泳げない…」
抱えてもらえばあまりの男らしさに頬を染め首に腕を回し身を寄せる
櫻宵様はリルの王子様
リルも【野生の勘】で探るね
櫻宵様の役に立ちたいの

「呪いといえば……キスで解けるってリル、本で読んだことあるの
櫻宵様……リル…櫻宵様になら……」
高鳴る鼓動、身体が熱い(触れる―

嗚呼
あなたに溺れそう



 ビッと響く、衣を裂く音。
「ハッ! 何だこの女みてぇな水着は!」
 先程までピッタリとリルにくっついて居た櫻宵が、プールサイドに上がった瞬間に自らの纏っていた水着を破り捨てた。
「男はな! ――褌で十分なんだよ!!」
 ワンピースの胴が千切れ、見様に寄っては褌にも見えるようになってしまった水着。
 感極まった様子で、きゅっと息を飲む音。
「櫻宵様……カッコイイ!!」
 思わず漏れてしまった言葉。リルの蒼瞳に揺らぐのは、深い深い恋の色。
 ああ、水着を破り捨てて、褌一丁になった彼!
 なんて格好が良いのだろう、なんてワイルドなんだろう!
 まるで心臓が壊れてしまった見たいに、高鳴る鼓動がうるさい。
 溢れ出すトキメキが止まらない、止められない!
「……ああ、俺の可愛い人魚、リル――! 無事か? 俺のリルを呪うなんて本当に許せないな。……見つけ次第ブチ殺してやる……!」
 物騒な言葉を吐き捨てながら、リルを護るように引き寄せる櫻宵。
 こんなに近づいてしまったら、心臓の音が聞こえてしまわないだろうか。
 嗚呼、こんなに輝いている彼の横に僕は本当に居て良いのだろうか?
「櫻宵様……、ありがとう。……でも、リルは大丈夫だよ?」
「フッ、謙虚な奴だな、リル。――やっぱり世界一可愛いくて、気遣いができるだなんてリルは最高の人魚だな」
「ひゃぁっ……」
 櫻宵が甘く這わせた指先に顎をクイ、と擡げられ。桃瞳と青瞳が視線を交わす。
 ああ、その視線はあつくて、あまくて。
 今にも溶かされてしまいそう、泡と成るにはまだ早すぎるというのに。
 すき、すき、すき!
 だいすき、リルは、リルは、櫻宵様が好き!
 ――嗚呼、リルに脚があったら櫻宵様の横を歩けるのに!
 どうして、どうして僕は人魚なんだろう。
 高鳴る心臓を抑えるみたいに、胸に手を当てたまま。リルは言葉を紡ぐことも出来ない。
 胸いっぱいに広がる感情。
 すき、すき、すき、すき、だいすき!
「――しかし、何かあるなら水の中って事もあるだろう。水を伝って施設全体に影響を及ぼしてる、とかな」
「櫻宵様冴えてる……!」
「フフ、そんなに褒めるなよ、照れるだろ?」
 ああ~~~!!
 すき~~~!!
 尊い~~~!!
 コクコクコク、と三度頷くリル。
「プールの中を探ってみるか……、いくぞ、リル!」
 そう。
 なんと反転した櫻宵は高性能スパダリ属性なので水泳だってラクラクだし、ホテルの一室を取る時は最上階の夜景の見える部屋だ。
「櫻宵様、流石! どこへだって付いていくわ……、付いていきたいわ……」
 しかし、ぱ、と一瞬明るい笑顔を浮かべたリルは、みるみる内に語気を弱めて――。
「けど……だめなの。リル……泳げない……」
「何? ……そんなことか、安心しろ。俺が抱えて泳いでやる」
「あっ……!」
 きゅ、っと抱えられた瞬間。
 だめ、だめだめ、こんなの絶対心臓の音が届いちゃう。頭が沸騰しちゃいそう。
「……櫻宵様、守ってね……」
 リルは覚悟を決めたように、息を飲んで彼の首筋に腕を回す。
 肌と肌が触れあう感覚。ぺたりと真っ赤に染まった頬が見えぬように、リルは顔を埋める。
「ああ。お前は俺の愛する人魚姫だ。障害なら俺がこの拳でぶち壊してやる」
 なんて、なんて格好良い事を言うのだろう。
 大きな胸板、自らのものよりも太い腕。抱きとめられれば、彼に近づけば。それがもっともっとよく感じられる。
 水中に飛び込む時でさえ、全然怖くない。
 もっと、彼の役に立つために。
 はた、と思いだした事をリルは口にする。
「呪いといえば……キスで解けるってリル、本で読んだことあるの」
 それは、魔法で蛙に変えられてしまった王子だったかもしれない。
 それは、毒りんごを食べさせられたお姫様だったかもしれない。
 でも、櫻宵様はリルの王子様だから。
「ふうん……接吻で呪いが? ……試してみるか」
 水中に飛び込んだ姿の侭、向かい合う二人。
「うん……。――ねえ、櫻宵様……リル…櫻宵様になら……」
「其れ以上、言わなくて良い。――リル、愛してるぜ」
 言葉は、唇で塞いでしまえばよいのだから。
 高鳴る鼓動、なんて身体が熱いのだろう。
 きゅ、と掌と掌を貝のように結んだまま。

 僕は泳げない人魚。
 それでも、あなたは僕を水中へと連れ出してくれるのであろう。
 嗚呼、そんな、そんな。
 水に溺れなくなったと言うのに、――あなたに溺れてしまいそう。

 ※別段呪いが解けることは無かったので、普通にその後は探索をはじめました。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

境・花世
綾/f01786と

■9割方反転

寒気がするとプールから出れば、
徐に纏う知的なオーラ

――呪いの源を探すんだったね
推理しようと淡々と告げる顔には、
怜悧に光る眼鏡の幻

貴重にして危険なモノならば
人目の無い場所へ隠す筈
尚且つ呪いを広く、……水源?
探してみる価値はある

沈思する綾の手を引いてから、
自分でも驚いてパッと離す
申し訳ない、狎狎しいことを

第六感を共に研ぎ澄まし
建物の奥へと進みながら

気付けばまた自分が手を繋ぐので
眉を顰めて唸る
手が勝手に動くんだ、
これもUDCの呪いかもしれない

諦めてそのまま源探しを続けようと、
背の高い横顔を見上げれば

……きみ、なんで笑う?

憮然とした顔になりながら
それでも手を引いてゆく


都槻・綾
f11024/かよさん

呪詛耐性、破魔の加護により呪いは受けぬまま
ただ
身に添えていたヒトガタの護符が
水に濡れて尚、チリ、と焦げた事へ眼を眇める

――逆しま、

呪の性質をかよさんへ伝えかけて
雰囲気が豹変した様子に瞬く双眸

常は天真爛漫な彼女が淡々と紡ぐ推理へ
終始黙して相槌を打ったのは
吹き出すのを堪えて
口元を手で覆っていたから

第六感を働かせつつ
周囲の人々の騒ぎや挙動も観察
違和の深まる方へと進み行く

極自然に取られては慌てて離される腕も
ばつが悪そうに顰められた眉も
可愛らしく面白く

呪いを無理に剥がすと却って軛になりますよ

だからこのままで、と
手を繋ぎ直して澄まし顔で告げるけれど
ついに堪え切れず
くつくつ肩を震わせる



 寒気がする、と花世が言った。
 ならば、と。
 プールを上がった瞬間、綾が身に添えていたヒトガタの護符がチリリ、と焦げ燻る。
 それは、呪詛をヒトガタが引き受けたという事だ。
 瞳を眇めた綾が、花世へと口を開く。
 これは、
「――逆しま、」
「呪いの源を探すんだったね」
 重ねるように、言葉を紡いだ花世の声音は淡々と。
「……貴重にして危険なモノならば、人目の無い場所へ隠す筈だ」
 ――言葉を次ぐ事を止めて。思わずこくん、と頷いた綾。
 花世が重ねた言葉は、ひどく怜悧な響き。不思議と眼鏡の幻が見えたような気がして、綾は驚きに瞳を瞬かせる。
 常の花世は自由奔放、天真爛漫に振る舞っている。
 その彼女が、『逆しま』となれば、こうなってしまうとは。

「尚且つ呪いを広く、もしや……水源?」
 探してみる価値はあるだろう、と次いだ花世は、すっと踵を返した。
 口元を抑えたまま頷くと、沈思したように綾は瞳を閉じる。
 だって、そうしていないと今にも笑ってしまいそうだったから。
「では行こう、まずは――」
 自然に綾の手を取り、は、と目を見開く花世。
「も、申し訳ない、狎狎しいことを」
「いいえ」
 再び吹き出してしまいそうな口元を抑えて、肩を竦めた綾。
 プール施設の奥へと向かって歩き出した花世の背を追って、ゆっくりゆっくりと。

「きみ、この職員専用通路を――」
 と、言いながら。再び無意識のうちに、綾の手を取っていた事に気がついた花世。
 飛び退くように慌てて手を離すと、眉を顰めて、うう、と唸った。
「……すまない、手が勝手に動くんだ。これもUDCの呪いかもしれない」
 申し訳無さげに揺れる薄紅。
 笑いを堪えて、綾は一瞬眉をぎゅっと寄せる。
 極自然に取られては慌てて離される腕も、ばつが悪そうに顰められた眉も。
 ――可愛らしくて、おかしくて。

「呪いを無理に剥がすと却って軛になりますよ」
 だから、このまま。
 綾から手を繋ぎ直して、すまし顔。
 ……あ、いや、やっぱり無理だ。
 くつくつと肩を震わせて笑う綾を、花世はひどくバツが悪そうに。憮然と顔を歪めて見上げていた。
 この呪詛は、本人には逆さまになっている自覚が薄い様だ。
 しかし精神が逆しまになろうが、身体は何時もの動きを覚えているのであろう。
 彼女はいつも、綾の手を取るのだから。
「……きみ、なんで笑う?」
「いいえ、何でもありませんよ」
 先程と同じ応え。
 君の反応があまりに可愛らしくて、面白いなんて伝えたら。君はもっと、眉を顰めるのだろう。
 手を引き、歩む道。
「この奥は、ボイラー室につながっている様ですね」
「先に進むのならば、水着では進みづらそうだな。……一度着替えてきた方が良いかも知れないな」
「それでは、一度着替えに行きますか?」
「ああ」
 くうるり振り返り。
 二人は手を握った侭。
 男子更衣室の前まで手を握ったままで居た事に気づき、花世はひどく慌てたとか、慌てなかったとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

河南・光
(性格:ツンデレぶっきらぼう一匹狼→腹黒丁寧媚びっ媚び姫に
合わせて口調が丁寧に
行動指針が『自分から率先して動いて問題解決の為に頑張る』から『自分はなるべく動かず色仕掛けでも何でも使える手段は何でも使って他人に頑張ってもらって解決する』に)

ふぅん、これが呪いですか~
あーあ、何だか急にめんどくさくなってきちゃいました
誰か周りに私の代わりに頑張ってくれそうな人いませんかね~
色仕掛けとかでノってくれそうな人がいればいいんですけど
居なければ、動くのめんどくさいですし上手い策でも考えないといけませんねぇ
はぁめんどくさ

※アドリブ連携超歓迎


セツナ・クラルス
…これはどうしたことだろう
ゼロ、ゼ――

普段煩いくらいに喋り倒す主人格の沈黙に振り返ると
アイツがいない
もしかして、これが「反転」?
満喫し過ぎて、強制退場の呪いを受けたのか
どうしよう、アイツがいないとオレは

別にどうってことないな
寧ろ、雑音がない分集中できるかも
よっしゃ、アイツが消えてる隙に解決しちゃろ

会場に共通してあるものは「水」
場所により違いがあるのは「(水の)温度」?
だったら湯気とか水蒸気、それか水そのものが怪しい、とか?
ざっと見周り不自然な場所(そこだけ乾燥してるとか)を探す
空振りでも諦めず、他の猟兵たちと意見交換

なあ、どう思うセツ…あ、いないじゃん
…ちっ、なんだよもー、調子狂うぜー



●通路
「この違和感が、呪いですかぁ~……?」
 なんだか急激に急に面倒くさくなってきた光は、くわあ、と欠伸を一つ。
 常の真面目な彼女の姿は見る影も無く。
 ソファにごろんと寝転がる光。
「……だーれか、私の代わりに頑張ってくれそうな人、通らないですかねぇ~」
 はぁ、動くのすらめんどくさい。
 考えるのも、めんどくさい。
 ……うと、うと。
 瞳をつぶると、睡魔が――。

「これはどうしたことだろう。ゼロ――」
 妙な違和感が身体を走り抜けた後。
 ジュースを呑み終えたセツナは――否、ゼロは。
 自らが立っていた場所が入れ替わっている事に気がついた。
 これは、ユーベルコードで作られた身体では無い。
 『主人格』が握っていた筈の身体であった。
 頭の中で呼ぶが、『セツナ』の声は聞こえない。
「……これが、『反転』?」
 どうしよう、アイツがいないとオレは。
 オレは――。
「……別にどうってこと無いな。寧ろ、雑音がない分集中できるかもしれないな」
 断然ウキウキしてきたゼロ。
「この場所で共通してあるもの、と言えば『水』だよなァ。……場所によって違いがあるのは、『温度』か?」
 よっしゃ、アイツが消えてる隙に解決しちゃろ、なんて通路を歩き出し――。
「だったら湯気とか水蒸気、それか水そのものが怪しい、とか?」
 そこにソファで倒れている黒髪の少女を見つけて、ゼロは眉を一度寄せてから近づく。
 彼女が倒れている理由が『反転』、ならば、自らが体験した人格が変わる以上の何かが起こっているのかもしれない。
「おい、大丈夫か?」
 肩を軽く揺すると、薄っすらと瞳を開く光。
「……あんた……、いや、あなたは……?」
「何があったんだ?」
 尋ねるゼロに、光は寝起きの頭をフル回転。
 ああ、そうだ!
 ようし、この人に解決してもらおう。
「助けて下さい……、なんだか、身体が変で……!」
「!?」
 ゼロにぎゅっと抱きつく光。
 目を大きく見開いてから、何だコイツ、と瞳を眇めるゼロ。ぐい、と引き剥がすと、首を傾いで。
「とりあえず一応聞いておくが、症状は?」
「身体がダルくて……、動く事すら……」
 光は事実しか言っていない。
 面倒だから、動くのすらダルい。
 正直邪神もまあまあどうでも良いけれど、倒さなければいけないという目的意識は無いこともない。
「ふぅん、……そんな症状も出るんだな。オマエも猟兵、だよな?」
「はい……」
 うるる、と瞳をうるませる光。
 目薬完備。
「……分かった、まあ、動けないならオマエはそこで休んでろよ」
「はい……、ごめんなさい、役立たずで……」
「身体が動かねェなら仕方ねェだろ」
 こんな呪いの発露方法も出ているのならば、もしかすると思っている以上に呪いは多岐に渡るのかも知れない。
 体調を『反転』させた、とかか?
「なあ、どう思うセツ……、あ」
「……? どうされました……?」
 いないじゃん。
 光が首を傾ぎ、ゼロはがり、と頭を掻いて。
「チッ……、いいや、なんでもねェ」
 なんだよもう、調子狂うじゃねぇか。
 頭を一度振ったゼロは、光を見下ろした。
「まあ良い、……オマエは休んでろよ」
「はい……」
 光は一人ほくそ笑む。
 やったあ、働かなくて済んじゃった!
「……どっか乾燥してる場所とか、不自然な場所が無ェか探してみるか……」
 どうにも調子は、出ないが。
 いいや、アイツがいないせいなんかじゃないが。
 ゼロは『水』を探しながら、歩き出す。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

隠・イド
【土蜘蛛】
外面↺地
隷属↺支配
基本的に肉食系彼氏面


様子がおかしいな
これが『反転』ってヤツの影響か

べりると室長は普段と変わんねぇか
え、俺も反転してんの?
自覚がねえのが厄介だな

▼ファティ
面倒くせぇ事になってんな…
別に誰にどう見られようがいいじゃねえか
黙って俺のモンになれよ(顎クイ

▼残夏
いやいや
それお前の趣味だから
恥ずかしいって何を想像したんだ?
ほら、言ってみろよ

▼耀子
ナンパするのか?
俺以外の奴を
他の男に色目なんざ使ってんじゃねえぞ

▼室長
は、扱いにくい?
誰も扱ってくれなんざ頼んでねえよ

▼べりる
まともなのはお前くらいか
行くぞ
足引っ張んなよ


温泉つーか、貯水槽なりポンプ室だろ
そんな感じの設備どっかねえのか?


黒海堂・残夏
土蜘蛛
🔄
…、?

……え、ええええ!?
どうしてこんな格好……ふぇえ、やだ、見ないでくださいぃ〜!
顔を真っ赤にして逃走
タオルローブを借りてくる

着替えも恥ずかしい服だったのでひとまずこれで…
ファティっちも恥ずかしかったらこっちいっしょに入りましょ

けど一体どうしてあんな格好をぉ…まさか、室長の趣味……?(リボンを構える)

…あ、えと、原因探すんですよねえ
他の猟兵さんとの話を聞くに温泉の方を探してみた方がいいんでしょうかあ…
やん、探すのはピッピじゃないですよぅ、よーこっち!
ナンパで会った男の人と、――や、ダメですぅ!はわわ、そんな恥ずかしいこと……///
い、イドっちには言えません〜!


星鏡・べりる
【土蜘蛛】
・ひっくりかえらない

身に着けていたブレスレットの白い宝石が黒く染まり、呪いが発生している事を察知。

わっ、これはこれは。
また盛大に呪われたなぁ。

-ここから独白-
機械鏡を呼び出して録画モードを起動させるね。
この映像は、仕事の記録なので本部に送られます。
ごめんね、みんな。
これも私の仕事のひとつなので~
-ここまで独白-

はいはい、大丈夫だよ~
頼りにしてるよ、ファティ。

室長は確かにサイテーだけど
その服はざんげちゃんの趣味だよ~

よーこ、キミ……
あはは、一瞬正気に戻ってる!ウケる~

イドくん……それはこっちのセリフ
もう、なんでキミが呪いに負けるの?

そんじゃ、室長。
土蜘蛛幼稚園の引率お願いしまーす!


花剣・耀子
【土蜘蛛】
↺奔放、テンション↑↑↑

? どーしたの? みんな何か変じゃない?
遊んでないでマジメにやってよね

ファティちゃんもざんげちゃんも折角おめかししたんだからさー
まずはカッコイイヒト捕まえてー、お話してー
イイカンジだったらごは、ん゛っ、
……――じゃ、なくて、捜査、先に、……こっの呪詛……

――そう、温泉!
やだぁ、なに想像したのざんげちゃんのえっち!
そーゆーのは後のオタノシミ、ね?

カタチのあるものなら、近いほど凄いんじゃないの
これはナンパじゃないもーん、聞き込みですぅー
イドくんだって、みんなに声掛けるんだからおあいこよ
おごってくれそーなヒトにくっつくくらい役得じゃない?



べりるちゃんは後でなぐるわ


蜂月・玻璃也
【土蜘蛛】
仕事は捜し物だったはずなのに、何故俺はこんなボコボコに?
何も覚えてない…

ぐずぐずしてないでオブジェクトを探さないと!
ファティ、上空から何か…え?キャラ違くない?

残夏お前どこに行ってたん…いやお前の趣味だよ!
…え?お前いつものハイセンス(自称)はどうした?

どうなってるんだ…こんなとき頼りになるのは…耀子!
こいつらをどうにか…ってお前もかよ!
イド、は…いつもと別の意味で扱いづらいな…

こ、こんな状態じゃ本当に土蜘蛛幼稚園じゃないか!
まさか、べりるも…?
べ、べりる!なんともないのか!?
ううっ…いつもの減らず口さえ頼もしく思える…

とにかく、温泉の方を探すぞ!
耀子!勝手にふらふらするんじゃない!


雪珠・ファティ
【土蜘蛛】
↺根暗で自虐的

ヒッ…室長大声出さないでよ
ほんとムリ…似合いもしない水着まできて
どうせ似合わないって思ってんだろ
いいよどうせ僕なんて…(うつむいた顔をイドにあげられ)
…っ、イド…が、こわいよぉ、べ、べりる(べりるの後ろに隠れ距離をとり)
僕なんか役立たずだし居なくても変わんないし
ほんと、ほんと?嘘つくのなしだよ
ざんげぇ〜(一緒にタオルケープに入る)
やわらかい…(自分の体を見てセルフで落ち込む)
よーこ…それはナンパ…いいよね可愛くて自信あるよーこなら相手も嬉しいだろーし…

はぁ…もう帰っていいかな…
原因…水とか調べてみるべきなんじゃない
温泉…それでいいよ…みんながそういうならそれでいい…



●再び、プールサイド
 気がつけば、玻璃也はプールサイドのベンチに腰掛けていた。
 ひどく重だるく、傷ついた身体。
 はた、はたと、二度瞬きして、彼は呟く。
「仕事は捜し物だったはずなのに、何故俺はこんなボコボコに? ……何も覚えてない……」
「……? え、……ええええっ!?」
 そこに突然。
 目の前に立っていた残夏が、身体を隠すように両腕を交わしながら叫び声を上げた。
「どうしてこんな格好……、ふぇえ、や、やだ、見ないでくださいぃ〜!」
 顔を真っ赤にして駆け出す残夏に、玻璃也は元々悪い目つきを更に細めて怪訝な表情。
「……? なんだアイツ、ついに頭が……?」
 いや、もともと頭はおかしかった。
「ふーん……」
 小さく手首を擡げたべりるは身に付けていたブレスレットの白石が、みるみる間に燻り黒に染まり行く様を眺めていた。

 ああ、これは言われた通り。
 呪詛が発動したのであろう。
 皆、『ひっくりかえる』。

 さてと、と口の中で呟く言葉。
 べりるが取り出したのは丸鏡。
「動画記録転送先本部、――……録画モード、起動」
 とん、と指先で一度タップすれば、その鏡はゆうるりと彼女たちの回りを衛星のごとく公転を始め。
 べりるは瞳を細める。
 ――ごめんね、みんな。
 みんなは嫌がるかもしれないけれど。
 UDCオブジェクトの乱用の一部始終の記録として、今から本部にこの痴態を送るよ。
「……でもこれも私の仕事のひとつだもんね」
 べりるの言葉に返事するモノは、誰もいない。

「ああ!」
 立ち上がった玻璃也は、何のために今日ココに来たのかを思い出す事に成功した。
 そうだ、ここには仕事に来たのであった。
 水際でぱちゃぱちゃと水を弾いている土蜘蛛の皆に、無闇に威圧的な態度で吠える玻璃也。
「というかお前ら、何時まで遊んでいるんだ。ぐずぐずしてないでオブジェクトを探さないといけないだろうが!」
 ボールを抱えたまま、はたはたと飛ぶファティを見ると、天井を指差し。
「ファティ! 上空から何か見当たらないか見てこい」
「ヒッ……、室長目ェこっわ……、それに大声出さないでよ……」
 ぽとん、てん、てん、てん。
 びくん、と肩を跳ねたファティが玻璃也の剣幕にボールを落とし。
 たっぷり3歩分程、玻璃也より距離を取る。
「え? キャラ違くない?」
「いいよ……、どうせ僕なんて突然怒られた挙げ句に、潰されるのがお似合いなんだ……」
 鬱々とするファティの顎先に、小指が押し当てられる。
「面倒くせぇ事になってんな……」
 顎をく、と擡げられたファティの視線の先。
「別に誰にどう見られようがいいじゃねえか、黙って俺のモンになれよ、ファティ」
 それは常ならば彼女たちに対しては、慇懃無礼なほど腰の低い筈のイドの変わり果てた姿だ。
「イド……が、イドがこわいよぉ、……べ、べりる、たすけてぇ……」
 顎を擡げられたファティは、ひい、と息を呑んで。
 ぷるぷると震えながらひょろひょろとその羽根を力無くはためかせ、べりるの後ろへと逃げ込む。
「う、ううう……モノにされるって瓶詰めにして売られたりするのかなァ……、だって……僕なんか役立たずだし居なくても変わんないし、それに……」
「はいはい、大丈夫だよ~、頼りにしてるよ、ファティ」
 涙目のファティを、宥めたべりるは肩に彼女を載せてやり。
 震えるファティがべりるの頬に寄り添い、べしょべしょと呟く。
「ほんと、ほんと? 嘘つくのなしだよ? ねえ、べりる、ほんと? 一緒だよね? 僕は役立たずだけど……」
「そんな事無いよ、ファティ」
「べりるぅ……」
 肩を竦めたイドが、ぐるりと回りを見渡して細く息を吐く。
「しかし、何か様子がおかしいな。これが『反転』ってヤツの影響か?」
「あはは、や、キミもだけれどね。――そうだねえ……、これはまた盛大に呪われたちゃったなぁ」
 ファティの頭を指先で撫で宥めながら、イドの言葉にべりるは肩を竦め。
「うううう、みなさんおまたせしましたぁ……」
 そこに、大きな声で声をかけながら、皆の元に駆け戻ってくる残夏の姿。
「残夏お前どこに行ってたん……、え? お前いつものハイセンス(自称)はどうした?」
 怪訝な表情で、思わず首を傾ぐ玻璃也を。
「でも、なんであんな格好をさせられていた上に、着替えも恥ずかしい服しか無いのですかぁ……? まさか、室長の趣味……?」
 とりあえず館内着のタオルローブを羽織った残夏は、桃色の髪を揺らしながらぎゅっと前を引き絞るように。
 玻璃也を疑惑の視線で見やると、尻から生えたリボンがゆら、と揺れる。
「……いやお前の趣味だよ!」
「あう、そ、それはファティちゃんの……」
「それは、ざんげちゃんの趣味ね」
「室長は確かにサイテーだけど、その服はざんげちゃんの趣味だよ~」
「いやいや、それはお前の趣味だから」
「そ、そんな訳ないじゃないですかぁ……っ! そ、そんな恥ずかしい……っ!」
 口々に全員から指摘されて、頬を真っ赤に染めてやんやんってする残夏。
 イドがひどく残虐で楽しげな笑みを浮かべて、残夏の顎をクイ、と擡げた。
 本日二度目の顎クイだ。
「なァ、残夏。恥ずかしいって何を想像したんだ? ――ほら、言ってみろよ」
「い、イドっちには言えません〜!」
 ひゃあっ、とリボンでその手首を叩くと、ぱたぱたとべりるの方へと駆けてゆく残夏。
 彼女の肩の上で震えるファティに気がつくと、タオルローブの胸元を少しはだけて。
「……ほらっ、ファティっちも恥ずかしかったらこっちいっしょに入りましょお?」
「ざ、ざんげぇ〜」
 胸元に収められて、残夏のタオルローブの胸元から顔だけを出すファティ。
「やわらかい……」
 そしてそのまま、尻の下の柔らかさにファティは絶望した。
 自らの身体を撫でる。
 平坦。
 ファティは絶望した。

 惨状、というのに相応しい光景であろう。
 玻璃也は頭を抱え、頭を振る。
「ああもう……、どうなってるんだ……」
「……みんな何か変じゃない? 遊んでないでマジメにやってよね」
「…あっ、あっ、えと。えと、ごめんなさい……原因探すんですよねえ?」
 様子をじっと観察していた少女に指摘され、残夏は思わず謝る。
 黒耀石の角と髪。
 冷えた青目で、皆を見据える彼女の名は――。
「こんなとき頼りになるのは……、耀子!」
 ぱっと笑顔を浮かべた玻璃也が、彼女の名を呼ぶ!
「こいつらをどうにか……」
「うんうん、原因探すにはまずは情報集めだよねー? ファティちゃんもざんげちゃんも折角おめかししたんだからさー。まずはカッコイイヒト捕まえてー、お話してー、そんでー」
「……ってお前もかよ!」
 かるーい調子でキャピキャピと語りだした耀子に、また玻璃也は頭を抱えるハメとなった。
「イイカンジだったらごは、んっ、ン、ンンッ! ……――じゃ、なくて、捜査、先に、……こっの呪詛……」
 しかし、耀子の心は完全に屈してはいなかった。
 言葉を噛み、噛み――。
「ナンパするのか? 俺以外の奴を。……他の男に色目なんざ使ってんじゃねえぞ?」
 イドがそんな彼女を心配するかのように(?)、声を掛け。
「やん、探すのはピッピじゃないですよぅ、よーこっち!」
「ナンパ……、いいよね可愛くて自信あるよーこなら相手も嬉しいだろーし……」
 やんやんと頬を覆って言う残夏と、その胸元から顔をだすファティは鬱々と相づちを漏らす。
「これはナンパじゃないもーん、聞き込みですぅー、おごってくれそーなヒトにくっつくくらい役得じゃない? それにイドくんだって、みんなに声掛けるんだからおあいこよー……く、ぅっ……」
 抵抗も虚しく、呪詛に染まった心はぺらぺらと返事をはじめてしまう。
 ギリギリと唇を噛んで、すごい剣幕でどうにかコントロールしようとする耀子に――。
「よーこ、キミ……。あははははははは! 何? 何? 一瞬正気に戻ってる! ウケる~」
 べりるは爆笑していた。

 耀子は心の中で決意する。
 あの女、絶対後で殴る、と。

「あっ、でも……ナンパで会った男の人と、――や、ダメですぅ! はわわ、そんな恥ずかしいこと……!」
「やだぁ、なに想像したのざんげちゃんのえっち! そーゆーのは後のオタノシミ、ね?」
 また頬を真っ赤に染めてやんやんってする残夏。
 殴る、と決意した瞬間。
 呪いに負けまくった耀子が唇に人指を当ててふふ、と笑みを浮かべ。
「なァ、残夏。恥ずかしいって何を想像したんだ? ――ほら、言ってみろよ」
 再度イドがひどく残虐で楽しげな笑みを浮かべて、残夏の顎をクイ、と擡げた。
 本日三度目の顎クイだ。
「い、イドっちには言えません〜!」
 ねえねえ、何度この下りするの?
「ふうん……誰でもいいんだ、イドって……、やっぱり柔らかさが違うもんね……」
「ひゃあっ、あっ、あっ、だ、だめですよぉ……」
 胸元でファティがひどく冷たい声を漏らし、鬱々と胸を揉みしだく。

 ああもう、と玻璃也が顔を振り。
「こ、こんな状態じゃ本当に土蜘蛛幼稚園じゃないか! ――まさか、べりるも……?」
 おそるおそる、べりるの顔を確認する玻璃也。
 じと、と。
 そんな事もわかんないの? と面倒臭そうに彼を睨めつけたべりるは肩を竦めて。
「常におかしい室長と違って、私はいつも通りだよ」
「べ、べりる! なんともないのか! そうか、そうかぁ……ううっ……いつもの減らず口さえ頼もしく思える……」
 罵倒されても、それが嬉しい。
 思わず喜びの感情が瞳の端に滲み漏れ、玻璃也は拳で拭う。
「へぇ、まともなのはべりると室長……後、オレはくらいか」
 回りを見渡したイドが呟き――。
 全く同じタイミングで、同時に玻璃也とべりるが首を振った。
「いや、お前は今最悪だ。いつもと別の意味で、最悪に扱いづらいぞ」
「うん、イドくんは最悪なくらい呪われてるよ。もう、なんでキミが呪いに負けるの?」
 指摘に怪訝な表情を浮かべるイド。
「はァ? は、扱いにくい? ――誰も扱ってくれなんざ頼んでねえよ」
 しかし、べりるの言葉ならば信じられるのか。彼は眉を寄せて嘆息する。
「……しかし、俺も反転してんのか。ふうん、自覚がねえのが厄介だな」
 そこに意見を言う前に手をあげる、よいこの残夏。
 わちゃわちゃ三人が遊んでいるうちに、回りの猟兵に話を聞いてきたようだ。
「あのう……、他の猟兵さんとの話を聞いてきた感じ、温泉の方を探してみた方がいいかもしれません~」
 こくん、と頷いた耀子は言葉を次ぎ。
「――そう、温泉! 異変は温泉の方から早くはじまったみたい。次にプール、その他……って。あのちょっとかっこいい男の子が教えてくれたのよ。……カタチのあるものなら、近いほど凄いんじゃないの?」
「ほう、では温泉の方を探しにいく事にするか?」
 玻璃也が言葉を受け、纏めるが。
「……フン、オレよりは格好良い訳はないだろう? 温泉つーか、貯水槽なりポンプ室じゃないか?」
 温泉にも、プールにも、他にも異変が広がったと言う事は、それは皆にもれなく運ばれている筈だ、とイドは言う。
「そんな感じの設備どっかねえのか?」
 呪われていても、意見をちゃんと行ってくれる良い子達に、玻璃也は頷いて。
「なるほど、では水の施設が纏まっている場所に行ってみるか。……おい、耀子! 勝手にふらふらするんじゃない!」
「やーん、セクハラじゃない? 最低ー」
 ちょっとかっこいい男の子を追っていこうとする耀子の腕を、玻璃也は掴み大きな溜息。
 べりるは玻璃也――室長の顔を見上げて、角をちいさく揺らし。
 あはは、と笑った。
「そんじゃ、室長。土蜘蛛幼稚園の引率お願いしまーす!」
「……お前、それどうせ録画してるんだろう? ああもう……また嫌味を言われる……」
 おつかれさまです、室長。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ヴィクトル・サリヴァン

なんか変な感覚。気分がいいような…
けれどまあ、体がおかしくなった訳じゃないし気にしない気にしない。
それはそれとしてそろそろオブジェクト探さないとまずいかなよし行こう。

屋内とかは皆が見てるだろうから水底とかの探し辛い所中心に捜索。
触れたモノを反転、なら間接的にどこかで触れてるわけで…水?
この温泉の水源とかそういうのが怪しい気がしてきた。
よし行ってみよう。休んでいる暇はないよさあ進もう。

※アドリブ絡み等お任せ
呪いの受け方は強引で強気、人の話聞いちゃいねえ系に変化。
けれど理論派、動いて情報かき集めてそれを元に勝手に推論組み立て実行する。
方向性ミスったら行きつく所まで暴走。本人は性格反転の自覚無し。



●立ち並ぶ巨大なタンク
 この様な大規模な温泉施設では、基本的に源泉が掛け流されている事はよっぽどの場合ではあり得ない。
 このスパリゾートホテルも、その例外では無く。
 『循環式浴槽』と呼ばれる構造で、ろ過、加熱、消毒を行い、そこに温泉水や水を加水する事で賄われている。

「……水源が怪しいとは思ったけれど。こんな感じかぁ」
 並んだタンクの前で、シャチがふうん、と喉を鳴らした。
 彼も今、呪われているからこそ感じるのであろうか。
 このタンクより、ヴィクトルは強い気配を感じていた。
 調査、推測、かき集めた情報から導かれたこの場所。

 恐らく、ここで、冷たい水と、温かい湯に『ひっくりかえし』ていたのかもしれない。
 それとも、綺麗な湯と汚い湯を『ひっくりかえし』ていたのだろうか。
 タンクの機能が解らない以上、それは想像にしか過ぎないけれど。
 ソレを取り出さない事には話は始まらない。

「ゲコ、……何をしているゲコ!」
 強気で強引、人の話を聴かない形に『ひっくりかえって』いるヴィクトルは、その制止の声音を無視。
 いや、だって知らない人に突然声をかけられるとか怖くない?
「まって、まってほしいゲコ! ちょっとー! やめるゲコー!」
 ばんばんとなんか叩いてるけどヴィクトルは無視。
 ざぼん、とタンクの中に身体を沈めると中は温かった。
 飛び込んでから思ったが、沸騰した湯で無くてよかった、とヴィクトルは思う。
 そして、一抱えほどの大きさのアンクを拾い上げた。
「ああーーーっ、やっぱりお前!! そういうことするゲコ!!」
「ふう、これで仕事は終わりかな」
「ちょっとー!! 話きくゲコー!!」
「……うるさいなあ、何?」

 涙目の蛙に、やっとヴィクトルは首を傾げてあげた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『エージェント・アマガエル』

POW   :    はねかえる
【強靭な肉体 】による素早い一撃を放つ。また、【あらかじめ跳ね回る】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    いろいろつかえる
いま戦っている対象に有効な【エージェントひみつ道具 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    死亡フロッグ
自身の【死亡フラグをつい立ててしまう言動 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●エージェント・アマガエルの陰謀
「何と聞かれてしまっては、答えるしかあるまいゲコ!」
 ゲコゲコと顎下を膨らせて、胸を反りかえるスーツを着込んだ蛙の言葉を、アンクを抱えたままタンクに腰掛けて聞いてあげるヴィクトル。
「クックックッ、我らは愚かな人の子共が隠し持っていたソレを使って、内蔵からひっくり返して殺害する事を目的としているゲコ! 過去に我らの住処を追った人の子共に目に物見せてやるのゲコ!」
 過去に――。
 過去が滲み出し、変質して顕れた結果がこの蛙だったのだろうか。
 儀式によって活性化されたアンクによって。水に、湯に、湯気に溶け込んだ呪いはじわじわと広がり。
 最終的には世界全てを覆い尽くすであろう、と蛙は語る。
「そうなんだ」
 それはまずいね、と顎先に手を当てたヴィクトル。
「因みに儀式の方法は、教えてもらえるかな?」
「そりゃあ、お前の持ってるそのアンクをひっくり返すだけゲコ! 人の子はそんな事も知らないゲコ? ……あれ? そういえばお前は人の子では無いゲコ……?」
 話しながら混乱してきた様子の蛙。
 ちなみに蛙は異物を飲み込むと胃袋を口から吐き出して、ひっくりかえして洗う事もあるそうです。
 ひっくり返すだけで呪いを撒き散らすような物ならば、下手に壊さないほうが良いかもしれない、とヴィクトルとは少しかんがえる。
「それは、今はおいておいてよ。じゃあ、最後にもう一つ聞くけれど」
「ゲコゲコ、ふふん、何ゲコ?」
「――どうして教えてくれたの……?」
 はっと我にかえる蛙。
「あっ……えっ……聞かれたから……、お、お前もしかして凄腕諜報員ゲコ!?」
 うっかりだそうです。
「そういう訳でも無いけど……、そんなのでよくコレを盗み出せたね」
 先程教えてもらったとおり、アンクをひっくり返さない様に掲げたヴィクトル。
「我らは取りかえる事は得意ゲコからね!」
 しかし、これを聞かれたからには生きてかえる事は、出来ないと。
「ソレは返してもらうゲコ! 皆のものー、であえ、であえ!」
「それはちょっと困るね」
 瞬間、ヴィクトルは蛙の口を封じようと飛びかかるが、少し遅かった。
 げーーこ、とひときわ大きく鳴いた蛙の声に合わせて。
 げこ、げこ、げこ、げこ。
 あらゆる場所で響き出す、蛙の歌の合唱。

「ひっ! こ、こないで!」
 どれだけ性格が反転していようとも、体に染み付いた動きを忘れる事は無い。
 大きく振りかぶったカイトの拳に合わせて、身を低く踏み込んだ灰色の拳が交わされる。
「……なんだ、こいつら」
 調度タンク室へと向かっていた、カイトと灰色が、背後より襲いかかってきた蛙の頬を同時に殴りぬき。
 すらりと獲物を抜いたエリシャが、毅然と吠えた。
「……敵に決まっているでしょう!」
「ええ……もう引き返さない……??」
「行かないわけないでしょう、バカ!」
 何より、引き返すまでの道には、既に足音が響き出している。
「覚悟を決めなさい、二人共」
「言われずとも」
「う、うう……」
 低く構えた灰色とカイトの後ろで、エリシャが獲物を引き抜いた。

 ボイラー室に向かう通路の途中。
 突如現れた蛙頭に銃を向けたまま、花世は壁を蹴ってその粘着質な舌の鞭を避けた。
「――なんですか、この蛙頭達は」
「味方、では無いでしょうね。おそらく今回の黒幕達……でしょうか?」
 このオブリビオン達は過去に対峙した事がある。
 符を指先に幾枚も挟んだ綾は瞳を眇める。

 温泉へと向かう通路を歩いていたゼロは、スーツ姿の蛙に押しのけられ、怪訝な表情を浮かべた。
「ああ……? 何だ何だ?」
 この大量のオブリビオン――蛙達はあらゆる所から現れ、何処か――ゼロは今知る由もないが、タンク室へと向かっている。
 ゼロを跳ね除けた事を鑑みると、邪魔をしなければ目的地に向かってゲコゲコ振りかえる事なく駆けて行くのであろう。
 しかし、相手はオブリビオンだ。
 しかも、恐らく皆を呪おうとしていた奴らだ。
 ――一般人も沢山いるこの施設で。全ての一般人達が蛙達の邪魔をしないと言えるだろうか?

 突如現れた蛙を見かけた猟兵達には、2つの選択肢が与えられた事だろう。

 蛙達を追いかけて、集合場所を見極めてから戦うか。
 またはその場で派手に蛙達を叩く事で、一般人に目を向けさせる事なく、暴れる自らに敵を引き寄せるか。
 幸い。あまり彼らは賢くは無さそうだ。
 目の前で暴れる敵がいれば、そちらに向かってくれるだろう。

「多勢に無勢って感じだが、やるしかねぇかなァ」
 はぁと息を吐いたゼロは、大鎌を構え――。
セツナ・クラルス
アイツは未だ目覚めない

一時退避も考えたが
「力無き者を守ることが私の使命」
なんて
当然のように敵に向かうアイツの姿が目に浮かんじゃったから
…しゃあねぇな
撃破は無理でも足止めならいけるか

おいゲコ助
突き飛ばしといて挨拶もなしとか
いいツラの皮じゃねぇの

普段は二人で視界共有してるが
今はオレ一人
ま、足りなきゃ補えばいいってね
敵の背面に監視カメラ型の観測者を配置し視野を広げ
不審な動きを見逃さぬように

属性攻撃で水たまりを凍らせ行動妨害しつつ
水蒸気を冷やし周囲の気温を下げる
カエルって低温になると冬眠するんだろ
本能には抗えねぇだろ
後でちゃんと起こしてやるから
寝とけよ、な?
それらしく言ったらその気になってくれねぇかな



「――しゃあねぇなあ」
 大鎌を構えたゼロは、一気に地を蹴り。
「ゲコ!?」
 蛙共の足を刈り取る算段で大鎌を薙ぐと、蛙共の意識をこちらに向けることは無事成功する。
「おいゲコ助。突き飛ばしといて挨拶も無しとか、いいツラの皮じゃねぇの」
 普段自らの主導で動くことの少ない、セツナ――アイツの躰。
 『ゼロ』の武器で無くとも、鎌の使い方は『躰が覚えている』。
 そして。
 『力無き者を守ることが私の使命』、なんてクサいセリフも頭に過ってしまったのだ。
 当然のように敵に向かうアイツの姿と一緒に。
 一人でどうにかしよう、なんて思っちゃあ居ない。
 鎌を持つ腕を引き絞り、蛙共を睨めつける。
 我々はふたつでひとつ、なんだろう?

 足りなければ、補えば良い。
 カメラ型の観測者を召喚したゼロは観測者と五感をリンクすると、広がった視界で感知した蛙の一撃を横っ飛びで避け。
 次いでこちらに飛び込もうとして来る蛙の腹を、鎌の柄で突き飛ばし距離を取る。
 撃破までは出来ないとしても、足止め程度ならやってやろう。
「おい、お前ら見世物じゃねぇぞ、さっさと避難しろ! 死にたくなけりゃな!」
 突然始まったヒーローショーめいた催しに足を止めようとした人々に吠えるゼロ。
「……チッ!」
 げぇこ。
 その瞬間、蛙の舌に絡め取られる大鎌の柄。
 躰が覚えていようが慣れない武器はやっぱり慣れないもので。
 両腕で柄を握りしめて、睨めつけ合う蛙とゼロ。
 その隙を逃さず、先程あしらわれた二匹が彼へと飛びかかり――。

 奥歯を噛んだゼロが、大鎌へと魔力を流し込めば鎌に霜が落ちる。
 逆にびったりと鎌の柄にへりつく、蛙の舌。
「カエルって低温になると冬眠するんだろ、……本能には抗えねェだろ?」
 爆ぜる冷気。
 武器を絡め取ろうとした蛙にそのまま一度鎌を預けて、身を低く低く床まで下げたゼロ。
 頭の上で飛びかかってきた蛙二匹が、頭からぶつかり合う姿が別の視界から『見える』。
「後でちゃんと起こしてやるから、寝とけよ、な?」
 蛙の皮膚が凍てつく程の冷気を放ちながら、一気に踏み込むとそのまま武器を絡め取った蛙へと体当たりをブチかまし――!
「精々励むとしてやろうか」
 ひるんだ蛙から、『アイツ』の鎌を取り戻すと、歯を剥き出して笑うゼロ。
「……さっさと避難しろってんだろが!」
 そして。
 拍手をしながら見物する子どもにゼロはわんわんした。

成功 🔵​🔵​🔴​

リル・ルリ
■櫻宵(f02768)
アドリブ等歓迎


「櫻宵様っ!リル怖い……!」
でも…
愛しの櫻宵様の為にリルは戦うの
「蛙如きがリルの櫻宵様に触れていい思ってるの?!許さないんだから!」
リルの歌を聴いて!

真珠の泪を拭われたなら歌うのは【歌唱】を炸裂させた櫻宵様の為の「凱旋の歌」
【空中戦】で躱し
「魅惑の歌」で惹き付ける
櫻宵様っ今です!


正気に戻れば顔面を抑え悶え
「嗚呼嗚呼あぁあ!!なんてことを!」
唇をなどる
思い出す
柔らかくて僕より少し硬い
僕の櫻
唇の――

大事に秘めてたのに!

でも
カッコイイ櫻宵もすきだけど
いつものポンコツな櫻宵の方がもっとすき
なんて懲りてない

仕切り直し……?
嘘はない?
それって

心臓が爆発しそう
櫻宵のばか


誘名・櫻宵
🌸リル(f10762)
アドリブ等歓迎


蛙か
昔爆裂させて遊んだもんだ
見つけ次第ぶち殺す
男に二言はない!

俺の人魚姫に手出しはさせない
泪を拭いリルを背に庇い
可愛い歌に微笑み安心させ
敵には恐怖を

見切りで躱し
踏み込んで衝撃波を込めなぎ払う
怪力を乗せて抉り何度でも斬りつけて
数が多ければ広範囲に薙ぎ
リルが動きを止めてくれたなら絶華で散らす
リルに惚れちまったか?させねぇ

奴らの首が
俺達のエンゲージリングだ



いやーー!!
何この破廉恥な格好?!(胸を隠し
(思い出すスパダリの記憶
恥ずい言葉に唇の―

リル
あたしの言った言葉に嘘はないわ
ちゃんと
仕切り直すわね!
その時がきたら

(馬鹿!あたしの馬鹿!
顔が熱くてリルの方を見れない



 プールサイドにも溢れかえる蛙達。
「櫻宵様っ! リル怖い……!」
 ふるふると左右に首を振って、ぴったりと櫻宵のそのたくましい胸板に顔を押し付けるリル。
 櫻宵は人魚の瞳の端に浮いた、美しき真珠の泪を人差し指で拭い。
「安心しろ、俺の人魚姫に手出しはさせない」
 リルを一度強く抱き寄せると、櫻宵はそのまま自然な動きで背へと庇う形へと。
 その力強い腕は。
 その心満たす言葉は。
「……櫻宵様!」
 襲いかかる蛙を睨めつける櫻宵は、紅い紅い血桜の刀を構えて笑う。
「蛙か昔爆裂させて遊んだもんだ、――ぶち殺す!」
 プールサイドを駆ける彼は、リゾートのバーサーカー。
 手頃な蛙にブチかましを決めると、回りの蛙達が一斉に振り向いた。
 跳ね跳んできた蛙が振り下ろす警棒ごと、蛙の腕を斬り飛ばすと。
 げこっ!
 振り抜いた間を掻い潜って、刃を持った蛙がリルの方へと飛びかかって来る姿が見えた。
「……きゃっ!」
 一気に地を蹴って後退した櫻宵が、何とかリルへと届きそうになった刃を受け交わし。
 そのまま力任せに刃を弾いた櫻宵は吠える。
「――男に二言はない!」
 自らの為に危険を顧みず、庇いに駆けつけてくれる彼の姿は。
 リルの勇気を何よりも奮い立たせる。
 愛しい愛しい、彼の為だけに。
「蛙如きがリルの櫻宵様に触れていい思ってるの?! 許さないんだから!」
 格好良くて、リルだけを守ってくれる彼の為に。
 リルは凱旋を唄おう。
 跳ね跳んできた腕を失った蛙から目を逸らす事無く、空中で旋回したリルはその鰭で蛙の頬をはたき。
 更に駆けつけてくる蛙達に歌を重ねる。
 君たちに魂なんてものがまだあるのならば。
 惹きつけて止まないその音色。
 蒼瞳と桃瞳の視線が交わされ、桃の瞳が蒼を安心させるように瞬く。
 ああ、ああ、彼の為ならば。
 リルは。――僕は、幾らでも歌えるだろう。
 櫻宵の為に全てを蕩かせてあげる。
「櫻宵、今だよ!」
「リルに惚れちまったか? ――残念だったな、そこは俺の特等席だ」
 歌に聞き惚れたように一瞬足を止めた蛙達に飛び込み、思い切り引き絞る筋。
 櫻宵が円を描く様に刃を振り抜くと、桜吹雪のように血がぱっと爆ぜて、蛙達の胴がはじけ飛んだ。
「――奴らの首が俺達のエンゲージリングだ」
 襲いかかってきた蛙の一団を倒し、立ち尽くす二人。
 そして。
 そして。
 ……?
「……櫻宵?」
「……り、」
 二人は視線を交わし――。
「いやあああぁぁぁぁ!! 何、何何何!? この破廉恥な格好?!」
「嗚呼嗚呼あぁああああぁぁ!! なんてことを! な、ななな、なん……っ、えっ……!」
 胸元を隠す櫻宵。両頬を押さえて顔をぶるぶる振るリル。
 呪詛を吐いていたモノが取り除かれ、徐々に呪いが薄れだした二人は同時に叫んだ。
 やたらとかっこいい事を言いまくってスパダリ活動をした櫻宵。
 その櫻宵に好き好きと言いまくってお姫様活動をしたリル。
 びっくりするくらい、いちゃいちゃした記憶、事実。
 別段性格が変わっていただけで、それが失われたりする訳では無い。
 同時に自らの唇をなぞる二人。
 ああ。
 あの唇。
 自らのものとは、違う柔らかさの。
 ――。
「……う、うう……」
 唸るリル。
 大切に、大切に秘めていたのに。
 僕の櫻。
 あっ、でもあのカッコイイ櫻宵もすきだけど。
 いつものポンコツな櫻宵の方がもっとすきだなあ……。
「……リル」
「?」
 口を開いた櫻宵に、リルは首を傾ぎ。彼を見上げ。
「あたしの言った言葉に嘘はないわ。――その時がきたら、ちゃんと仕切り直すわね」
「仕切り直し……? 嘘はないって……」
 それって、それって。
 それって。
「……ばか」
 ――顔を背けたまま、顔を見る事も出来ない。
 もう、もう。
「……ま、まだ敵さんは沢山いるわ、行きましょう、リル」
「う、うん……」
 朱に染まる頬は彼も、自らも同じなのだろう。
 嗚呼。
 心臓が高鳴りで壊れてしまいそう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ダンド・スフィダンテ
ジェイクス(f00584)同行

「お、大量に敵が出て来たな?ジェイクス殿の勘が当たったか!」
そのジェイクスは逃げている訳だが!

【POW】
反転していれど、常とやる事は変わらない。
蛙を引き付け、一般人を守る事を選択。
アンブロジウスを槍へと変化、薙ぎ払いで大雑把に蛙を散らし注目を集める。
多少怪我をしても移動しながら、周囲の蛙をまとめ、来いよと手招き。それに釣られて来たのなら。

「よーし、派手に殺そうか!」

常では言わぬ害意の言葉。普段は周囲を考える動きも、今はただただ派手に敵を滅ぼす事だけに特化する。

楽しい蹂躙!はっはっはっ!

敵が居なくなったなら、ちぇっと小さく舌打ちをひとつ。
連れでも助けに行くとしよう。


ジェイクス・ライアー
ダンド(f14230)同行

反転結果:覚悟ゼロ/やる気ゼロ/責任感無し

【WIZ】
うぉおおッッ!!?こっちに来るなッ!!
敵が迫ってきたらダンドの背中になど留まっていられるわけがない。
走るとも。敵と逆方向に。

…なのに何故あちこちから沸いてくるんだ!?
ああぁあ!!!!ダンド!!!助けろ!!
…ダンド!?どこだ!?
何であいつ、肝心な時にいないんだっ…!(半べそ)

クソ!ただでやられてなるものか!
喰らえッ!!

いくら道具が良かろうが、思い切りの悪いぶれっぶれの一撃。
あ、これ無理だ。
時速170㎞の足で空中を駆け上がる。
身のこなしばかりは体に染みついた優雅さで。
逃げに必死になれば体は反射で敵を蹴散らす。

早く助けろ!



 プールを楽しんでいた客達をすり抜けて。
 走り抜けようとする蛙達に、ダンドはその巨躯でブチかましを一つ。
 ダンプカーに突然轢かれたようなもので、プールサイドを滑ってゆく蛙。
「お、大量に敵が出て来たな? ジェイクス殿の勘が当たったか!」
「うぉおおッッ!!? こっちに来るなああああッ!!!」
 ジェイクスから機敏な動きで離れたジェイクスは、跳ねるように軽やかに速やかに。一気にその場を後にする。
 声を掛けた相手は既にいやしないが、ダンドは気にしない。
 あんぎゃあ。
 ダンドが真紅の小竜を腕に這わせると、竜が槍の形を取る。
「よーし、派手に殺そうか!」
 槍を構えたダンドは、細めた瞳に敵意を宿して。
 常ならばあり得ない純粋な害意の言葉に、敵の殲滅を望み彼らを睨めつける。
 まずは銃を構えた蛙に向かって、一気に飛び込んだ。
「さあ、来いよ!」
 勿論撃たれる可能性が無いと踏んだ訳では無い。
 ただ、撃たれても良いと思っただけだ。
 結果、ひるんだ蛙が銃を打つ前にその得物毎首を貫く事に成功する。
 背後に迫りくる蛙の舌に向かって、敢えて腕を叩き込む。
 絡め取られた腕をぎりりと引き絞り。
 そのまま怪力としか表現の出来ぬ膂力でねっとりとした舌を掴み上げると、握りつぶさん勢いで力を込める。
 そしてそのまま蛙の舌を片腕で掴み上げたまま、蛙の身体を振り凪いだ。
 彼を捕らえるべく伸ばした舌を、逆に掴み上げられ円を描くように仲間たちをなぎ倒すハメになった蛙は、声にならぬ声を上げて。
「はっはっはっ! 死ね」
 バランスを崩した敵達を、真っ直ぐに貫く槍。
 直線状にいなかった敵が立ち上がり叩き込こむ拳を最低限のステップで躱しつつ。
 一気に側面に回り込んだダンドは、顎先を槍の柄底で打ち抜いて迎撃。
 同時に、打ち抜かれてふらついた蛙の後ろに居た蛙の動きを牽制する形で。
 くうるりと柄を回して。
「よいしょっ」
 二匹が立ち位置が重なった瞬間、一気にに貫いた。
「楽しい蹂躙! はっはっはっ!」
 自らに向かってきた敵を全て殲滅を終えたダンドは笑い――。
 そして、小さく舌打ちを漏らした。
「……連れでも助けに行くとしようか」

 その頃。
 逆方向へと駆け出したジェイクスは、蛙達と対面するハメになっていた。
「ああぁあ!!!! ダンドー、ダンドー!!!!!! 助けろーーーッ!!!!」
 涙目で情けなくジェイクスが連れの名を呼ぶも、彼はまだ来ない。
 めちゃくちゃな速度で走ってきたジェイクスは、蛙に気を取られているうちに蛙とぶつかり。
 めちゃくちゃな速度でぶつかると言うことは、結局はタックルと同義だ。
 攻撃され、敵と認識した蛙は警棒を振りかざし。
「くそっ、ただでやられてなるものか!」
 指輪より吐き出される鋼糸を両腕で引き絞り――。
「喰ら……あっ、無理、止めろ! 来るな! 止めろーーーーッッ!!」
 斬りつけようとした一撃は、ひょおろりひょろり。
 ステップを踏んだ蛙にすっと避けられ。
 逆に叩き込まれそうになった警棒を、身体に身についた反射だけで避け跳ねる。
 壁を蹴って。
 宙返りで半円を描けば世界はぐうるり半回転。
 逃げようと思った瞬間に、身体は反射的に蛙を蹴り飛ばし。
 手放した鋼糸を戻す動作が無意識に鞭のように撓り、蛙の首を刎ね飛ばす。
 逃げようとすればするほど、戦いを意識の外に追いやれば追いやるほど。
 身体に染み付いた動きは、敵を『殺す』。
 げこ、げこ、げこ。
 仲間を殺され、完全にジェイクスを敵をみなした蛙達は一斉にジェイクスへと飛びかかり――。
「だ、ダンドーーーーーーーーーーッッ!!!! どこだーーーッッ!!」
 情けない声で連れの名を叫ぶ、もがく、逃げる。
 悠然と伸ばした足先は、記憶している身体の動きだけで敵の頚椎を蹴り潰し。
 ジェイクスはもう大分しゃくりあげながら走り抜けて行く。
「う、ううう……ううっ……、何であいつ、肝心な時にいないんだ……っ!」
 怖い、怖い、怖い、無理、無理だ。
 早く、助けろ!

 嗚呼、嗚呼。
 彼の呪いが抜ける迄、後もう少し。
 彼の連れが彼の元に来る迄も、あともう少し。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒海堂・残夏
【土蜘蛛】
🔁

ひゃっ……なんですかぁ、あのカエルぅ!
きっとあのヌトヌトでネバネバな体でみんなのことをヌラヌラ……っひゃあ、そんなエッチなことは絶対ダメですぅ〜〜〜!!!

武器のリボンで捕まえて敵を誘い込む
べりるっちに足場が必要ならざんげちゃんのリボンが作りましょ

でもざんげちゃんは絶対触りたくないのでトドメはよーこっち、お願いしますぅ〜
イヤですよぅ、だって、ほら今水着ですし…
あっやだ、イドっち!室長!ダメ!ヌラヌラえっちですううう(しっかり見る)

あっ、やだ、カエルさ、こっち来ないで、ひゃああ!
(リボンを振る)(ユベコが出る)(攻撃が当たる)

危なかったぁ〜…
ファティっち、こっちも掃除お願いしますねぇ


蜂月・玻璃也
【土蜘蛛】

クッ…怪しい儀式で戦闘力を削いでから襲ってくるなんて…
なんて狡猾で賢しいやつらなんだ!

べりる以外こんな状態で、まともに戦えるのか…?
いや、こんな時こそ俺が…やるしかない!
フォロー頼むぞべりる!俺の毒で、いっそドロドロに溶かしてやる!

うわわっ!?
耀子!ちゃんと周りにも配慮してくれ!
(斬り飛ばされてきたカエルのねばっこい体にぶつかってイドの方へ倒れる)
す、すまんイド!
ドキッ
な、なんだよあいつ…いつもは俺に興味ない素振りのくせに…

あー…そうか
おかしくなっても戦闘力が変わるわけじゃないもんな?

あの…ファティ?ファティさん?
嫌なのはよくわかるんだが、ここは耐えて頑張ってくれ…
…頼りにしてるんだ


隠・イド
【土蜘蛛】

なぁ、俺らんトコの蛙だけ妙にヌメヌメしてんの気のせいか?

何だぁファティ~、言いたい事でもあんのかァ?
腐った視線に詰め寄ってニヤニヤと

UCにて高速機動
リボンだの敵だのを足場にしつつ、(普段ならどうでもいい)一般人の安全確保を最優先
近場の敵は直接刺して、離れ際の追撃やら中距離の敵には投げナイフ

室長に押し倒され「いや、いい」と起き上がろうとするも
床のネトネトに足を取られて今度は自分が押し倒す形に
室長の身体をじぃ、と見て
アンタ、意外と鍛えてるんだなと指を這わす
努力は認めるが、まだまだ甘い

ぼちぼち各個撃破で良いだろ
俺はそっちのが得意なんだ


大丈夫か、べりる
そういう発言をフラグって言うんだぞ


雪珠・ファティ
【土蜘蛛】
↺根暗で自虐的

ウェ…爬虫類きもちわるい…
えっち……そういうトラブルがお望みの展開らしいって
ねばねばかぁ(そっと室長とイドに視線をむけ)
ち、ちがう僕は腐ってもゴミでもないもんっ(近づいたイドを室長めがけてドンする)
えっえっふたりってそういう…僕のせいで…

いっそ僕の出番がないくらい暴れてほしい
みんなが纏めてよーこがぶったぎって
でもあぶれたお掃除は僕みたいなのがやらせられるんだ
きっと吐くまでやらせられて…
はぁ"お兄ちゃん"がこんなの口にしてお腹壊したらどうしよう…
はっ焼き肉…それってもちろん経費だよね
それじゃぁごめんね、ごめんね、ぱくりとしちゃって

あっ……
…べりるいいやつだったね…


花剣・耀子
【土蜘蛛】


えーカエルチャンにヒトボディが生えてるなんてかわいくなぁーい。
だって妙にヌメヌメしているんだもの。
好き勝手に湧かれてもやぁね。いっぱい暴れればよい?
ここで斬るわ。

だいじょーぶよ、ちゃんとみえているもの。
そのへんの緑色のはカエルでしょう?
ちまちま斬るのは面倒だから、一気に行くわよ。
巻き込んだらごめんねぇ。ちゃんと避けて!

えっ、今度は室長とイドくんのドッキリイベントなの???
そう……。

何言ってるの、剣に裏も表もないのよ。
ほらほらファティちゃん、ファイッ、オー!
終わったらお口直しに焼き肉ね!

ちょっと、べりるちゃん急に飛び出すと水着が緑色だから見分けがつかな あっ

……――嫌な事件だったわ。


星鏡・べりる
【土蜘蛛】

えっ、そう?
結構可愛くないかな、蛙頭のスーツ男って。
ヌメヌメなのは勘弁して欲しいけど。

纏めて倒すんだね、オッケー!
何匹纏められるか分かんないけど、誘い込むよ。

跳ね回る蛙には、スカイステッパーで追いついて、味方のとこに蹴り落とすね。
厄介そうな秘密道具を持ってる蛙男は銃で手元を撃って壊すなり落とさせるなりを狙うよ。

あはは、室長とイドくんはなにやってんの?
よーこはいつだってあんな感じだから、ちゃんと避けなきゃ。
ほら室長、フォローしてあげる。右斜め前見て避けて。次は背後ね、跳ねてる蛙来てるよ。

他のチームも強いし、これは勝ったね。

ちょ、よーこ!?
今日こんなのばっかりじゃん!
(鏡をパンチで破壊)



 プール天井に張り巡らされた梁より場内に目を光らせていたブラッドもまた、溢れ出した敵の姿を認めていた。
 一度解けたタールの体がバネのように引き絞られ、一直線に向かう先は白いキマイラの元だ。
「サン、敵だ。――何やら様子はおかしいが」
 敵のオブリビオン達はどこかに向かおうとしているように見える、とブラッドは語り。
 ふうん、とサンは鼻を鳴らして一つ頷いた。
「でも、一般人にいつかは危害を与えるかもしれない。なら、今叩いてしまおう」
 悪鬼めいたブラッドの顔に自らの顔を寄せ、長い睫毛を揺らしてサンは笑う。
「やろうかダーリン、前は任せたよ」
 唇に指先を寄せて、艶かしく囁いたサンはその指先に魔力を纏い。
 サンの様子が常とは力一杯違えど、ブラッドとしてもすることは同じだ。
「ああ、俺に任せろ」
 表情変わらぬ鬼の貌。
 一瞬で伸びたタールの腕は梁を掴み。
 そのまま蛙群に飛び込むと一匹の蛙を絡め取り、ウォータースライダーの上までブラッドは跳ねた。
「ゲコ!?」
 眼の前で仲間が攫われた事に蛙達は目をまんまるにして、その行方を見つけるとブラッドを追いかけはじめ。
 その間にサンは、拾ってきた調整中看板をウォータースライダーの登り口の前へと置いた。
 同時にサンの魔力を受けたプールの水が小さな音を立てて水蒸気を生み。
 戦う猟兵達と一般客との間に、雲のカーテンが落とされる。
 楽しんでいる客が気づかないのならば、そちらの方が好いのだから。
 ――例え、後で記憶消去処置を受けるとしても。
 少しでも改変は少ないほうが、彼らにとっても好いだろう。
 ブラッドを追って上へと駆けていった蛙達を追って、蒸気の覆う階段をサンも駆けてゆく。



「ゲコゲコ五月蝿い蛙共、――ここで決着をつけてやろう」
 は、と細く息を吐いた珠稀は、先程貰った白いガウンを羽織ったまま。
 蛙の一群へと、




 プールサイドのそこかしこで生まれはじめた剣戟の音。
 それは土蜘蛛の面々にも、例外では無く。
「クッ……、怪しい儀式で戦闘力を削いでから襲ってくるなんて……なんて狡猾で賢しいやつらなんだ……」
 そもそもべりる以外こんな状態で、まともに戦えるのか?
 いいや、こんな時こそ俺がやるしかないのだろうと。滲む嫌な汗を拭いながら、玻璃也はガジェットに手を伸ばし。
「フォロー頼むぞべりる! 俺の毒で――」
 決心と共に、べりるへと振り向いた玻璃也。
「え?」
 声を掛けられたべりるは、眼の前を横切る蛙へと思わず右ストレートを叩き込んでいる所であった。
 いやほら、どう見てもオブリビオンだったし。
 おもわず。
「ゲゴッ!」
 粘着質な音を立てて、地へと叩き伏せられる蛙。
 翔けていた回りの蛙達が、敵の出現への警戒を顕に土蜘蛛達を睨めつけ。
「ちょっと始めるのが早くないか……?」
 悲痛な玻璃也の声。
 有耶無耶の内に、戦端の幕は切って落とされていた。
「ひゃっ……なんですかぁ、このカエルぅ~!」
 蛙の体当たりを跳ねる事で避けた残夏は、卑猥なものを見せられた小学生女子のように。掌で顔を覆ってやんやんと首を振りながら、そのバッチリ開かれた指の隙間から蛙を見る。
 ついでに臀部より伸びるリボンは蜘蛛足の様に蠢いて、鋭く伸び上がり。粘着質な蛙の身体を絡め取った。
「ウェ……、ホントだ。爬虫類きっもちわるい……」
 残夏の胸元でファティがうんざりとした様子で零し。
 そこに蛙の素っ首を跳ね飛ばす、低いモーター音が重なった。
「えー。ホントだわ、カエルチャンにヒトボディが生えてるなんてかわいくなぁーい」
 速やかにチェーンソーを振り抜いた、耀子は二人に同意を示し。
「えっ、そう? 結構可愛くないかな、蛙頭のスーツ男って」
「可愛くないわよぉー」
 重ねて襲いかかってきた蛙の頬を、肘を叩き込む事で引き倒したべりるは首を傾ぎ。
 耀子は短い否定が重ねた。
「なぁ。それより俺らんトコの蛙だけ妙にヌメヌメしてないか? 気のせいか?」
 生み出した器物を掌の中で転がし。
 駆け寄ってきた蛙の首筋を貫くイドは、眉を寄せて。
「ひゃぁ~、やっぱり必要以上にヌメヌメしてますよねぇ~?」
 何故か嬉しげにも見える残夏は、襲いかかる蛙をリボンで拘束しながら。
「きっとあのヌトヌトでネバネバな体でみんなのことをヌラヌラ……っ!」
 想像に悶え、震える。
「ひゃあ~~、そんなエッチなことは絶対ダメですぅ〜〜〜!!!」
 そうだよねー、だめだよねー。
「……オイ、残夏。何を想像したんだ――? ほら、言ってみろよ」
「はわわ、そんな恥ずかしいことぉ……」
 残夏が拘束した蛙へと、真っ直ぐに刃を投擲するイドはいやらしく笑う。
 この下り今日何回目でしょうね。
「えっち……。そういうトラブルがお望みの展開らしいって、ほんっと最低な思考だね……。まあ、そりゃ僕みたいな妖精には関係無いけれどさ。どうせ……、どうせ」
 ファティは言葉を一度切ると、そっとイドと室長へと視線を向け――。
 ……。
 そっか、そっかぁ。
「……ねばねばかぁ……」
「ンン? 何だぁファティ~、言いたい事でもあんのかァ?」
 そのどこか熱のこもったファティの視線。
 先程の2割増しで、イドは下卑た表情を浮かべる。
「ち、ちがう僕は腐ってもゴミでもないもん……!」
 ぶんぶんと首を振りながら、まあまあ意味のわからない言い訳を口にしながらファティは、残夏の胸元から飛び出して行く。
 そこに。
「えーと、待て、待て、待て。お前ら」
 ガジェットを構えたまま、呆然としていた玻璃也が思わず止めに入った。
「うん?」
「ゲコ?」
 首を傾いだ、土蜘蛛達と蛙。優しいから彼らは待ってくれる。
「えーっと……」
 ――言ってる事は置いておいても、仲間たちはとても普通に戦っている。
「その……。儀式で、戦闘力が削がれて等はされていないのですかね……?」
「何言ってるの? 剣に裏も表もないのよ」
「あ、あー……そうか」
 確かにそうだ。
 おかしくなったとしても、その戦闘能力には変わりが出る訳では無いのであろう。
 変わるのは性格であって、強さでは無い。
「だいじょーぶよー、安心して。ここで全部斬っちゃうわ。今はちゃんとみえているもの。緑色のが、カエルでしょう?」
「……お、おう」
 好き勝手に湧かれてもやぁだもの。いっぱい暴れるわ、と言葉を次いだ耀子は、ぱんぱんと二度手を叩き。
「はい、じゃあ戦闘さいかーい」
「はーい」「ゲコ」
 なんとなく話を聴いてあげていた蛙達も、頷いて戦闘を再開する。

 この一連の茶番に、玻璃也の額に流れる一筋の汗。
 今更気づいたけれどこの女、戦闘能力以前に眼鏡すらかけてねェじゃん。
 戦闘能力っていうか視認能力削がれてるじゃん。
 いやこれで戦闘能力削がれて無いとしたら、ただただ回りがちゃんと見えてないバーサーカーじゃん。
「……」
 考える事を止めた玻璃也は、ガジェットに毒を装填する。
 考える事を止めたのだ。

 玻璃也が戦慄する横で、鋭い鞭のように撓ったリボンは蛙の身を捉え。
「あ、でもでも~、ざんげちゃんは絶対ヌメヌメには触りたくないので、トドメは皆にお願いしますぅ〜」
「ゲコ!?」
 だって今水着だもの。
 あんなヌメヌメした蛙が直接肌に触れたりしたら。触れたりしたら……!
 ひゃん、そんなえっちな事! やんやんってする残夏に、かる~くオッケーサインを出した耀子。
「りょーかいー。でもちまちま斬るのは面倒だから、一気に行くわよー。巻き込んだらごめんねぇ」
 ごめんねえじゃねえよ、って顔をした玻璃也を尻目に。
「はーい、よーこっち~、おねがいしますぅ~」
「うん、纏めて倒すんだね、オッケー! 何匹纏められるか分かんないけど、誘い込むよ」
「あぁ、集めりゃいいんだな?」
 残夏は勿論。
 べりるとイドもかる~くオッケーサイン。
「いっそ僕の出番がないくらい暴れてほしいな……、みんなが纏めてよーこがぶったぎって……、あ……、でも、でも……、あぶれたお掃除は、僕みたいなのがやらせられるんだ……。きっとネバネバした蛙を吐くまで掃除させられて……」
 かる~くオッケーサインをしない女に『ひっくりかえって』いるファティは、鬱々と言葉を零し続け。
「はぁ……、『お兄ちゃん』がこんなの口にしてお腹壊したらどうしよう……」
「あの……ファティ? ファティさん? 嫌なのはよくわかるんだが、ここは耐えて頑張ってくれ……」
 鬱々とするファティに、諭すように懇願するように。
 玻璃也は悲痛な声を漏らして、彼女の瞳を覗き込み。
「……頼りにしてるんだ」
「へえ……、室長……、そんな事言って、どうせ心を開いたりしたら僕を使い捨てるんでしょ……?」
「ファ、ファティさん……!」
 素気なく逸らされる視線。
 室長の真摯な声も、今のファティには通じない。

 武器を構えて飛び込んできた蛙へと、拳とナイフを叩き込んだべりるとイドは蛙が倒れる様に振り返る事も無く。同時に加速すると、一気に駆け出した。
 タオルローブから尻が溢れないか、片手で尻を抑えた残夏。
「行きますよぉ~……って、あっ、やだ、カエルさ、……こっち来ないでください! ひゃっ、あっ、あ……!」
 その倒れて転がってきた蛙に驚いた残夏のリボンは、あらぬ方向へと弾け伸び。
 彼女の『当たらない攻撃という現実を書き換える』能力は、そのリボンに蛙を捕らえ、多方向へと伸び続ける。
「おっと」
 リボンに押し出された蛙が、一般客の方向まで押し出されぬように。
 イドは方向を整える様に横蹴りで抑え込み、更に加速をすれば蹴りを重ね。
 ――普段ならば一般人の安否等、イドは興味を示すことも無い。
 彼からもまだ、呪詛は抜ける気配は無いと言うことであろう。

 跳躍した蛙には、べりるが向かう。
 空中を蹴り、蹴り、蹴り。跳ねたリボンを蹴り上げ、もう一歩空へ!
「えーいっ」
 空中散歩するかのように大きく飛び跳ねたべりるは、蛙の顔へとかかとを捩じ込み、叩き落とす!
 ぎゅう、と一塊に纏められだした蛙達。
「集まってきたわね、――皆、ちゃんと避けてねー?」
 視えていれば、斬れるわ。
 耀子はチェーンソーを低く唸らせて、大きく掲げて微笑んだ。
 緑色の塊を、斬ればよいのでしょう。
 駆ける白刃。それは幾度も、幾度も重ねられ――。
「うわわっ!? 耀子! ちゃんと周りにも配慮してくれ!」
 巻き込まれない事で精一杯。
 玻璃也が間合いを取ろうとした瞬間に、勢い良く弾け飛んできたねっとりとした粘液が彼へと叩き込まれる。
 バランスを崩した玻璃也は、イドの身体を押し倒す形で転げ――。
「っ! す、すまんイド!」
「いや、いい」
 玻璃也の腕を掴み、立ち上がらせるように押し上げたイドは首を振り。
「うおっ」
「あっ」
 そしてそのまま立ち上がろうとした脚が粘液に絡み取られ、ねっとりネチャネチャ。再び転ぶ二人。
 それは先程とは逆。
 玻璃也を押し倒す形になったイドは、目を見開く彼を見下ろして。ふ、と鼻を鳴らして笑った。
「アンタ、意外と鍛えてるんだな」
 彼の肉体をまじまじと見るなんて、これまでしようとも思わなかったから。
 ――努力は認めるが、まだまだ甘い絞り込みの肉体。
 イドはそ、と胸板の形に沿って指を這わせ。
「……ッ!?」
 なんだ、いつもは俺に興味ない素振りのくせに。
 上ずる声音。
「イ、ド……」
 か細くかすれた、玻璃也の声。
「あっやだ、イドっち! 室長! ダメ! ヌラヌラえっちですううう!!!」
「えっえっ、やっぱり……、ふたりってそういう……?」
「えっ、今度は室長とイドくんのドッキリイベントなの???」
 指の股の間からしっかり眺める残夏。
 興味津々、腐ってもゴミじゃないファティが切なげに拳を握りしめ。
 見えないけれど。
 聞いた割りには、そう……と、ただ視線を伏せて、蛙を更に蹂躙する耀子。
「もー、室長とイドくんはなにやってんの? 眼鏡があったって、無くったってよーこはいつだってあんな感じだから、ちゃんと避けなきゃ危ないよー?」
 空中を跳ねて、二人の腕をひっつかんだべりるは二人の身体を起こしてあげる。
「……ぼちぼち各個撃破で良いだろ、俺はそっちのが得意なんだ」
 立ち上がった瞬間に器物を構え直したイドは、尚寄ってきた蛙を肘で引き倒し。敵のスーツで粘液を捻り取ると、膝を追って一気に跳ねて敵群に急接近する。
「べ、べつにそれで良いと思うが……」
「じゃ、室長は私がフォローしてあげる。ほらほら、右斜め前見て撃ってー」
 次いで空中を蹴ったべりるは、握ってあげていた玻璃也の腕を勢い良く離して敵をスルーする形で、もう一歩跳ねた。
「!?」
 慌ててガジェットを構える彼に、あはは、と笑うべりる。
「次は背後ね、跳ねてる蛙来てるよー」
「ちょっ、まっ、べりるも戦え!」
「うんうん、やるやる」
 べりる先生の実践式スパルタ授業の始まりのようです。

 あらかた片付き出した敵に、ほう、と吐息を漏らす残夏。
「はぁ~~……、所長の貞操も、ざんげちゃんも危なかったですぅ〜……。あっ、ファティっち、こっちの掃除お願いしますねぇ」
「うう……ごめんね。『お兄ちゃん』……、こんなの口にするのイヤだよね……」
 やっぱり掃除に使われるんだ、僕なんて、僕なんて、とネガティブな言葉を口にしようとしたファティに――。
「ほらほらファティちゃん、ファイッ、オー! 終わったらお口直しに焼き肉よ!」
 耀子の鶴の一声。
「はっ、焼き肉……! それってもちろん経費だよね? それじゃぁ、『お兄ちゃん』ぱくりとしちゃって」
 一瞬で前を向いたファティの結い上げた髪の先端。
 ソレはまだ動きのある蛙達へと大口を開き――。
 やきにくはつよい。

 玻璃也で遊んでいたべりるは汗を拭う振り。
「……ふー、他のチームも強いし、これは勝ったね」
「べりる、そういう発言をフラグって言うんだが、大丈夫か?」
 イドが器物を横薙ぎに首を傾いだ瞬間。
 白刃を振り下ろして、あ、と声を漏らした耀子。
「あっ、待っ、あれっ、それもしかして緑色の水着のべりるちゃん?」
「ちょ、よーこ!?」
 今日こんなのばっかりじゃん、なんて。
 言う余裕も無く、べりるは轢き飛ばされ。
 ついでに彼女達の周りをぐるぐる回っていた機械鏡も、勢い余ったべりるの拳に叩き割られていた。
 地を転がって静かになったべりる。
「べっ、べりるーっっ!」
「べりるっちー!!」
「綺麗に決まったなあ」
「あっ……。……べりる……、いいやつだったね……」
「……――嫌な事件だったわ」
 口々に勝手な事を漏らす仲間たち。これも信頼の為せる業だ。

 ――もう少し戦いは続くが、今日の教訓を一つ。
 眼鏡をかけずに戦ってる人の前に、急に飛び出すと危ない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

明智・珠稀

反転:硬派で不愛想。俺/おまえ/~だ、だろ?
(白いガウン姿で)

■心境
なんだあの蛙ども…ゲコゲコ五月蠅いな全く…。
早く終わらせてサッサと帰りたいんだ俺は…!
纏めて倒してやるっ

■選択
「ここで決着つけてやるっ」
一般人に目が向かないよう、引き付けるように【存在感】発揮し
「蛙野郎ども、美味しい餌がここにいるぞっ」
【おびき寄せ】しやってきたところを
レガリアスシューズで【踏みつけ】たり、蹴り飛ばしたり
【2回攻撃】や【吹き飛ばし】を駆使し
派手な立ち振る舞いで攻撃を重ねる

「もう面倒だ、一気にいくぞっ」
UC【青薔薇吐息】で蛙だけに狙いを定め攻撃を
「俺は早く水着を変えたいんだっ!」

※アドリブ、絡み&ネタ大歓迎♡


サン・ダイヤモンド
【森】反転中、戦後徐々に解ける

ブラッドが敵を引き付けるならこっちは僕に任せてくれ
常時「全力魔法」展開
ブラッドと敵がいる高所と客との間に【水(水蒸気)の雲(霧】を極自然に発生させ目晦まし
戦闘音は水音や自分達の歓声で気付かない事を祈ろうか

丁度良かったと見付けた「調整中」の看板をスライダーの入り口には置き人払い
蛙頭と一般人が接触しそうなら
シンフォニックデバイスで『猟兵』を名乗り敵を引き寄せる
攻撃は水蒸気の水魔法かロッドで殴る

敵の殲滅が完了したら、デバイスを使い高所から全ての一般人へ
囁くような甘い歌(記憶消去催眠術)を贈ろう
楽しい思い出だけが残るよう

朝から全力で疲れたよ
うん……、と肩を借りて目を閉じる


ブラッド・ブラック
【森】プール
上から観察、敵を発見次第サンに警告
サン、敵だ
何やら様子がおかしいが一般人に危害を加えるのであれば
俺に任せろ
巻き込まぬよう天井の梁、キャットウォーク、スライダーの上等へ腕を伸ばし素早く敵を連行
敵の気を引き人気の無い高所で戦闘を行う(施設は壊さぬよう注意)

自身が傷付けば【殺戮捕食態】に変化させた巨大な腕でUDCの体を残さず呑みこみ、一時的・部分的に敵の能力を取り込み更に縦横無尽に動く(完全に化物な描写可)
劣勢なら敵から生命力を吸収する
サンの様子は適時確認し危険があるならかばうor抱きかかえ跳ぶ

戦後はキャットウォークにて暫しサンに体を貸して休ませる
少し目を閉じていろ
何かあれば起こしてやる


寧宮・澪


カエルに、スーツ。多分オブリビオン、つまり犯人!
よって倒せば解決!
よし、思いっきり暴れちゃおう。

装備を花に……装備……。
(水着姿)
(更衣室に走っていく)
(途中の蛙ははねていく)

装備とってきた!
これを変えてー……ユーベルコード【霞草の舞風】!
わちゃわちゃいる、カエルさんたち、狙うよー!
【範囲攻撃】だよー。
まとめて一網打尽!えい。
こっちに目を引きつけて、できるだけ派手に暴れて……一般人さんが避難できるよう、【時間稼ぎ】。
もし他に猟兵さんいたら、【援護射撃】していくよー。

ぴょこぴょこぴょこ、かえるさん♪
ぴょんぴょんぴょん、跳ねていく♪
跳ねられたくないなら、かかってこーい!

(アレンジ、連携歓迎)



 蛙に、スーツ。
 多分あれはオブリビオン。
 ――つまり、犯人!
「よって、倒せば解決! Q.E.D.!」
 そうと決まれば、早速武器を花弁に――。
 武器を……。
 元気いっぱい、蛙へと駆け込んでいこうとした澪ははた、と脚を止めた。
「……?」
 自らの身体を、見下ろす。
 水着。
 武器は、……あれえ。持ってないな?
 澪は駆けてゆく。――更衣室に向かって。

 プール天井に張り巡らされた梁より場内に目を光らせていたブラッドもまた、溢れ出した敵の姿を認めていた。
 一度解けたタールの体がバネのように引き絞られ、一直線に向かう先は白いキマイラの元だ。
「サン、敵だ。――何やら様子はおかしいが」
 敵のオブリビオン達はどこかに向かおうとしているように見える、とブラッドは語り。
 ふうん、とサンは鼻を鳴らして一つ頷いた。
「でも、一般人にいつかは危害を与えるかもしれない。なら、今叩いてしまおう」
 悪鬼めいたブラッドの顔に自らの顔を寄せ、長い睫毛を揺らしてサンは笑う。
「やろうかダーリン、前は任せたよ」
 唇に指先を寄せて。
 艶かしく囁いたサンはその指先に魔力を纏い。
 サンの様子が常とは力一杯違えど、ブラッドとしてもすることは同じだ。
「ああ、俺に任せろ」
 表情変わらぬ鬼の貌。
 一瞬で伸びたタールの腕は梁を掴み。
 そのまま蛙群に飛び込むと一匹の蛙を絡め取り、ウォータースライダーの上までブラッドは跳ねた。
「ゲコ!?」
 眼の前で仲間が攫われた事に蛙達は目をまんまるにして、その行方を見つけるとブラッドを追いかけはじめ。
 その間にサンは、拾ってきた調整中看板をウォータースライダーの登り口の前へと置いた。
 同時にサンの魔力を受けたプールの水が小さな音を立てて水蒸気を生み。
 戦う猟兵達と一般客との間に、雲のカーテンが落とされる。
 楽しんでいる客が気づかないのならば、そちらの方が好いのだから。
 ――例え、後で記憶消去処置を受けるとしても。
 少しでも改変は少ないほうが、彼らにとっても好いだろう。
 ブラッドを追って上へと駆けていった蛙達を追って、蒸気の覆う階段をサンも駆けてゆく。

「ゲコゲコ五月蝿い蛙共、――ここで決着をつけてやろう」
 細く息を吐いた珠稀は、先程貰った白いガウンを羽織ったまま。
 蛙の一群へと、存在感――。
 ガウンを投げ捨てた!
 何よりも彼らの目を引きつける方法。
 一般人を狙わせない方法。
 そう、なによりも一番目を引きつける物を、珠稀は身に付けていた。
 美しい白い尻を彩る、ラメの輝く紫Tバック。
「蛙野郎ども、美味しい餌がここにいるぞッ!」
「そうだそうだー!」
 更衣室で着替えてきた澪が、拳を突き上げて同意する。
「げ、ゲコ……?」「何ゲコ……?」「尻ゲコ……」
 蛙達より漏れる困惑の声。
 尻丸出しの男と、無闇に元気な少女がぴょいぴょいしている。
「違う……、コレは趣味では無い……! ただお前たちを引き留めようと……!」
 珠稀はただ、ただ、着替えたいだけだと言うのに。
 ざわめく蛙達。
「えーいっ、思いっきり暴れちゃうからね!」
 澪がぴっかぴかの笑顔を浮かべ、魔力を籠めれば解ける武器。
 それは霞草の花弁と化して、舞い踊る。
 蛙達の群れを薙ぎ払わんと、雪の如く、吐息のごとく。
「……ッッ! 一気に行くぞっ!」
 蛙に困惑されて精神的苦痛を味わいはしたが。
 しかし、珠稀は確かに敵へと存在感を示し、足止めすることは出来ているのだ。
 ならば後は、速やかに倒してしまえば良いだけだ。
「纏めて倒してやる!」
 霞草に混じる青薔薇の花弁。
「クッ、変態には負けないゲコ……ッ!」
 げぇこげこ。同意の声音。
「ちっ、違うッッ! ちゃんと理由がある!」
 一気に跳ね跳んできた蛙達に蒼い花弁を叩き込み。
「へんたいさん?」
 澪が首を傾ぎ。
「そうゲコ」
 蛙が同意に首を――。
「ちっがーーーうっ! 俺は早く水着を変えたいんだっ!」
 身を捻って、円を描く様に。
 珠稀は蛙を黙らせるべく、直接蹴りをブチかまし。
「あははは、おもしろーい! 私も、私も!」
 澪も彼に習って、一気に踏み込むと蛙を蹴り上げながら歌う、歌う。
「げ、ゲコーっ!」
 ぴょこぴょこぴょこ、かえるさん♪
 ぴょんぴょんぴょん、跳ねていく♪
 跳ねられたくないなら、かかってこーい!
 舞い踊る霞草と青薔薇に、蛙達は蹂躙され――。

 あらかた片付き出した、プールサイドの蛙達。
 ブラッドの腕に抱かれたサンは、プールに張り巡らされた梁の上。
 甘く甘く囁くように、彼は歌う、歌う。
 ――お客さんたちに楽しい思い出だけが残るよう。
「……ねえ、ブラッド。ちょっと疲れたよ」
「……少し目を閉じていろ」
 サンより呪詛も随分と抜けたのであろう。
 普段の喋りに近しい彼の言葉に、ブラッドはその眼孔の光を揺らして囁く。
 まだ他所に敵はいるだろうけれど。
 呪詛が薄まってきたと言う事は、事態が解決に向かいつつある、という事だ。
 ならば、体力を回復することも猟兵の務めであろう。
「何かあれば、起こしてやる」
「うん……」
 ブラッドの言葉に安心したように。サンは彼の肩を借りて、しばし瞳を瞑る。
 小さな、小さな、寝息。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡みも歓迎!

こんなところにオブリビオンがいっぱい!?
放っておいたら一般人が危ない、私はここで蛙達と戦うよ!
通りすがりの蛙達にダガーを【投擲】して気を引いてみる。
ここを通りたければ私を倒してからにしなさーい!じゃないと、もっとダガーを投げるよ!?

上手くいったら【ジャンプ】【空中戦】を使ってアクロバティックに動きつつUCで攻撃!
囲まれたらダガーを【一斉発射】で【範囲攻撃】!

でもちょっと数が多いかも……あっ、ユーリ!
もうっ、今は遊んでる場合じゃないの!
反転ユーリは変なことばっかり言うんだから……!
そういえば、今の記憶って残るのかな?後で聞いてみよっと!


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎!

ナンパしながら見かけた蛙を潰す
オブリビオンか?仕事は面倒だが…アイツに危機が迫っているなら話は別だ
『聞き耳』でチコルの元へ一直線!ピンチを救うべく『属性攻撃(炎)、範囲攻撃』で薙ぎ払う! かったるい。遊びに行こうぜ?ダメか?仕方ないならば手伝ってやる。何故か?ハッキリと意思表示してやろう。

「俺はチコルが好きだからだ!!」
凶悪な表情で【メギドフレイム】を繰り出し敵を貫き焼き尽くす。…なんだ。信じてないな?さあ、敵を蹴散らすぞ。今晩は時間を開けてくれているのだろう? 時間が勿体無い!

反転が戻れば、照れる会話は覚えていないフリで誤魔化すぞ!


河南・光
流石に戦闘までサボっちゃうと何しに来たのかってなっちゃいますから追いかけて来ましたけど、あれが黒幕ですか~。
うわぁ、蛙が一杯。めんどくさ……。
でも一般人が巻き込まれたりするともっとめんどくさくなりそうですねー……。
しょうがない、派手に撃ちまくって上手く引き付けて回りましょう。
なるべく距離を取って戦うようにして、近接戦闘は他の人に任せます。
後はまぁ、他の人が上手くやってくれますよね、うん。

※アドリブ・連携歓迎



 ソファに寝転がっていると、廊下を駆けてゆく蛙が光の視界の端に入る。
 残念ながら、入ってしまった。
「うわぁ……」
 流石にオブリビオンを放置してしまうと、何をしに来たのかすらわからなくなってしまう。
 元凶を引き出せたならば、叩く気概は無い事も無かったのだが――。
「蛙が一杯……、……めんどくさ……」
 こんなに数が居るとは聞いていなかった。
 うう、めんどくさい。
 しかし、一般客が巻き込まれたりすると、もっとめんどくさいかも知れない。
 取り出した銃を片手に、光は後頭をガリガリと掻き。
 すこーし、すこしだけ。
 蛙を見逃そうかなあ、なんて考え。
「わわっ、こんなところにオブリビオンがいっぱい!?」
 ユーリを探すよりも事件を先に解決させてしまおう、と掛けていたチコルが兎の耳をピン、と立てて。光の前で立ち止まった。
 放っておけば一般客が危ない、と。
 躊躇する事無く、チコルはダガーを蛙達へと投げつけた!
「――ここを通りたければ私を倒してからにしなさーい!」
 投擲されたダガーを、巨大なピコピコハンマー型の武器で防いだ蛙はチコルを睨めつけ。
「じゃないと、もっとダガーを投げちゃうんだから!」
「あーあーあーあ……」
 眼の前で戦いが始まってしまえば、傍観する訳にも行かない。
 光は立ち上がり、チコルの背を護る形で銃を構え――。
「覚悟してくださいね、黒幕さん。この人がばっちりやっつけてくれるはずですから!」
 なんとなしに人任せの発言。ショットガンを幾発か、挨拶代わりにブチこむと。
 蛙達も、光とチコルに向かって構え直す。
「ゲコ! ……邪魔をするなゲコ!」
 脚の筋肉をぎゅっと引き絞って、一気にチコルへと間合いを詰める蛙。
 ガードに上げたダガーとピコピコハンマーが交わされ、火花を散らし。
 重量差で崩しきられる前にチコルは壁を蹴って跳ねた。
「するにきまってるよっ、悪い事はしちゃだめだよ!」
 通路の反対側の壁に空中で手を突き。
 身体の勢いの方向を変えたチコルはそのまま空中で半回転。
 拳を叩きつけるように振り上げた腕が、ライオンの頭部に捻じくれ変形し。
 その獅子は大きく口を開き、凶悪な牙で蛙に食らいつく。
 しかし、攻撃をする瞬間は無防備になるもので。
 仲間が食らいつかれる瞬間に、横に居た蛙が飛び出し。
 チコルへと向かって、拳を固めて腕を振り上げた。
「女の子を殴るのは、良くないですよ!」
 その拳を貫くのは光の弾丸。
「わわわっ、ありがとう」
 光に叩き込まれた弾丸によって、逸らされた拳の軌道。
 地へと降り立ったチコルが、バックステップで距離を取ろうとするが。
 二匹の蛙が同時に彼女へと飛びかかる!
「止めろッッ!」
 朗々と響く声音。
 炎が奔り、駆け抜けざまに遠心力を載せて、振り抜かれた炎の刃。
 チコルに二匹の蛙が飛び込んで来る寸前に、蛙の身体は強かに吹き飛ばされて同時に左右の壁へと叩き込まる。
「あっ、ユーリ! もう……何処で遊んでたのっ? ……でもありがとっ!」
 兎の耳をひょっこり立てて、ナンパをしながら消えていってしまっていたユーリと視線を交わしたチコル。
 その翠瞳を覗き込んだまま。
 ユーリは少しばかり真剣な声音で――。
「……なあチコル。何だこの敵の数は、かったるい。今からでも放置して遊びに行かないか?」
 一応確認。
「私もそれにはひどく同意したいのですけれどぅ……」
 光もどちらかと言うとその意見には賛成だったが……。
「もう! 二人ともだめだよー、オブリビオンが皆を襲わないようにしなきゃっ。今は遊んでる場合じゃないの!」
 ダガーを指の股に幾つも挟んだチコルが二人を嗜め。
 ちぇー、と光は身を低くして銃を構えなおす。
「残念ですー」
「……仕方ないな、今は遊びにいけないと言うのならば手伝ってやる」
 肩を一度竦めたユーリは、やれやれと顔を左右に揺すり。
 ソレが何故かだなんて、決まっている。
「――俺はチコルが好きだからな!」
 早く終わらせて、二人で過ごしたいと。
 そもそもここに駆けつけてきた事自体が、まず彼女を心配しての事なのだから。
「ふあっ!?」
「わー?」
 突然のユーリの告白に、目をまんまるにするチコルと光。
 しかし、驚いている間も蛙の攻撃は止まること無く。
 左右から同時に得物を構えた蛙は、距離を詰めんと飛び出した。

 そんな蛙共からできるだけ距離を取ろうと、得物より幾度も弾を吐き出しながら光はバックステップ。
 その間もユーリの言葉は止まらない。
「――なんだ、信じていないのか? 今晩は時間を開けておいてくれるように、さっきも言っただろう?」
 光の放つ弾雨から飛び出した蛙を、顕現した炎の刃が貫き。ユーリは、チコルを見やって凶悪な笑みを浮かべた。
「もう……、呪いを受けたユーリは変なことばっかり言うんだから!」
 何を言い出すのか、全く。……こんなにほっぺたが熱いのは、彼の炎のせいだろう。
 ダガーを投擲しながら、ぷう、と頬を膨らせたチコル。
「変な事とはなんだ、――さあ、さっさと敵を蹴散らすぞ。チコルと過ごす時間が減ってしまうのはもったいないからな!」
「それが変なことだっていうのーっ!」
 わーっと慌てるチコル。
 こういうのがリア充っていうのかなあ、って顔で銃を撃ちまくる光。
「照れるな照れるな、今晩は二人だけの世界を作ろう――」
 ユーリの恥ずかしいセリフにもう、と肩を竦めながら。
 敵を捌くチコルは、考える。
 ……――でも、呪われている間の記憶って残るのかな?
 後で、ユーリにきいてみようかな。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

イェルクロルト・レイン
クレム(f03413)と

集合場所を見極めて戦うのが妥当だけど
ンー……めんどくさいから叩いて良い?
にしてもこの身体、ちょっと動きづらいな

えい、と軽い掛け声と共に変化
昏い赤の髪は銀色に
蜂蜜色の瞳は鮮烈な赤に
穢れの炎は清廉なる氷雪の結晶へ
畏れの炎は赤き彼岸花を象る
ひっくりかえる、その性質

なに、頭痛いの?
覗き込みつつからから笑ってクレムをつつき、ひと伸びすれば臨戦態勢
さァ、俺と遊ぼうぜ!

氷と炎を繰る魔術師が如く
近場の敵はナイフで裂いて
戦闘狂の質だけは変わりなく、子供の様に無邪気に
暴れる程に寄せられる敵に気分よく
背を預け、フォローが入れば軽く礼を
さんきゅー、クレム
まだまだ遊んでられるな。全員かかってこい


クレム・クラウベル
ルト(f00036)と

はいはい、もう好きにしてくれ……
相手の意向に振り回されるのは反転する前から変わらない
振り回し方が少し違うだけで

至極軽いノリで変じた姿には
……もう一々驚くのも疲れてきた
えいっ、てなんだ。えいって
どこまでUDCオブジェクトの影響なのやら、もう分からない
分からないが戦ってくれるならもう何でも良いか……
頭痛で重くなる額を押さえて俯き

いつもより爽やか増し増しルト、……もといレインに前を任せつつ
動きに合わせて援護射撃や打ち損じのフォローを
反転せども変わらない根っこのお陰かよく敵を引きつけてくれるのは有難い
ともかくこいつら全部なぎ倒せば
まあ、なんか良い感じに収まるだろう
残らず食い潰すぞ



 ロビーを駆けて行く蛙達、――オブリビオン。
「何処かに行こうとしているみたいだけど――」
 その足音に獣の耳を小刻みに揺らしたイェルクロルトは、ンー、と眉を寄せて。
 集合場所を見極めて、戦うのが妥当であろう。
 しかし。
 クレムの顔をちらりと見るイェルクロルト。
「めんどくさいから叩いて良い?」
「はいはい、もう好きにしてくれ……」
 肩を竦めて、その視線に応えるクレム。
 イェルクロルトにクレムが振り回されるのは、彼が『ひっくりかえって』いようがいまいが同じ事だ。
 今日はその振り回し方に、少し差があるだけ。

「にしてもこの身体、ちょっと動きづらいな」

 えい、なんてイェルクロルトの軽い掛け声。
 昏い赤髪は、透き通る銀へ。
 蜂蜜色の瞳は、鮮烈な赤に。
 穢れの炎は、清廉なる氷雪の結晶へと。
 畏れの炎は、赤き彼岸花を象る。
 『ひっくりかえる』、イェルクロルトそのものの性質。

 クレムは翠瞳を二度瞬かせ、唖然とした表情。
 こめかみを押さえて、揉み――。
「なに、頭痛いの?」
 彼の様子に首を傾ぐイェルクロルトは、クレムの顔を見上げて人差し指で額を小突き笑う。
「……もう一々驚くのも疲れてきた」
 なんだ、それ。
 何処までがユーベルコードで、どこまでがUDCオブジェクトの影響なのやら。
 クレムにはもう分かりはしない。
 しないが。

「さァ、俺と遊ぼうぜ」
 猫のようにしなやかに、伸びを一つ。
 狼の動きで、イェルクロルトは刃に銀を照り返し一気に飛んだ。
 慌てて放たれる蛙の一撃を、首を動かすだけで髪を揺らして避け。
 そのまま更に踏み込み、懐に潜り込めば一息に蛙の素っ首を掻ききって。
 更に叩き込む炎は肉を燃やす。
 傾いだかんばせには、無垢な残忍さを秘めた幼気な笑み。

 ――戦ってくれるならもう何でも良いか。
 もう一度。
 やれやれ、とクレムは肩を竦め。
 イェルクロルトの氷が、仕留め損ねた蛙の眉間を拳銃で貫いた。
 得物を振り上げた体勢のまま、床に崩れ落ちる蛙。
 こいつらを全部倒してしまえば、まあいい感じになるだろう。
「残らず食い潰すぞ」
「さんきゅー、クレム。まだまだ沢山遊べそうだ」
 ふ、と清清しく笑ったイェルクロルトは、軽く跳ねると片手に炎を纏わせた侭。
 飛びかかってくる蛙を見上げて、クレムと背中合わせ。
「さんきゅー、クレム。まだまだ沢山遊べそうだ」
 敵の視線は自らに向かっている、ならば背は彼に任せよう。
 視線を交わす事も無い、意思疎通。
「――全員かかってこい」
「ああ、食らいつくしてやる」
 銀髪が二人。
 炎が爆ぜる。
 重ねて、弾丸が敵群へと叩き込まれ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

奇天烈・モクレン
終ちゃん(f00289)と



やーねぇ、何このカエルちゃん
仕方ないわね、大暴れしちゃいましょうか!
行くわよ終ちゃん

アラヤダ痛そ
そろそろ恥ずかしがってないで出てこられるんじゃない?
謝りなさいモクレン!元はと言えばアタシの手が出たのもアンタが急に引っ込むからよ!
【オルタナティブ・ダブル】で引っ込んだ主人格を呼び戻すわ

あっなんか出てこられた!
ヒィッ終が怒ってる!俺達が叩いたんじゃないのに!
いや叩いたの俺達ではあるんだけど!痛そうだったもんね!?
でもそれもこれも全部後回し、まずこのUDCを倒さなきゃ
魔杖でボコボコに殴るぜ!

うう、見せたくない人格を見せてしまった
終も後頭部を殴れば記憶を失ってくれないかな……


静海・終
モクレン/f00754と

おやおや、何か出てきましたよ…
あからさまにコイツらが事の発端のようですね
敵を見つけて倒していきましょうか
では遠慮なく叩きのめしましょう、それに…
流石にモクレンちゃんは殴れませんからねえ!
ちょっと八つ当たりさせてくださいねえ!
あー!痛かった!!!
槍を顔面めがけて打ち込む
刃がない方で気が済むまでぼこぼこに殴っておきましょう

気が済めばふとモクレンを見て
おや、無事にモクレンちゃんから脱したようですねえ
………なんですか、なんで杖にぎりしめながら近付いてくるんですか
以前にガス灯のヤドリガミって言ったの怒ってるんですか?
えっ、な、なんで振りかぶるんですか!!
逃げますよ、そんなもの!!



「おやおや、何かでてきましたよ……」
「やーねぇ、カエルちゃんよ、カエルちゃん。自然が多いのは良い事だけれど、スパリゾートにカエルちゃんが出てくるのは、お客にとってはイヤな気分になっちゃうかもしれないわ」
 服を着替えた終とモクレンの二人は、目の前を駆けてゆくオブリビオンの群れに軽口を叩いていた。
 まあまあな数が走っていくこの光景が異常で無ければ、空から飴が振ってきたって正常だろう。
「……あからさまにコイツらが、事の発端でしょうね」
「そうねェ、仕方ないわ。カエル退治と洒落込みましょうか?」
 ガス灯じみた杖を前へと構えたモクレンは、その口元を可憐に笑みに歪めて。
 ええ、と頷いた終も、柔らかく笑んで竜槍を握りしめた。
「では遠慮なく叩きのめしましょう、――それに」
 それに?
 終の言葉に、モクレンは首を傾げて。
「流石に! モクレンちゃんは! 殴れませんからねェ!!!」
 放たれた弾丸のように、蛙に飛び込んだ終は一息に槍の柄を突き出して。
 仲間が引き倒された蛙達が、一気に振り向き終へと得物を向ける。
「――八つ当たり、させてくださいねえ!!!」
 そのまま槍の顔へと叩き込んだ柄を引き抜く勢いで旋転した終は、そのまま槍を逆水平に振り抜いた。
 蛙達を引き倒しながら、倒れた蛙の股間を踏みしめる終。
 げこっ!
 びくん、と蛙の身体が大きく跳ねる。
「あーッッ!!! 痛かったッッ!!!」
「アラヤダ、痛そ」
 まるで他人事。
 大暴れするモクレンに。掌で口元を覆って、まあまあと言った様子で呟くモクレン。
「――でも、元はと言えば……」
 モクレンは瞳を瞑る。
 そろそろ恥ずかしがってないで、出てこられるンじゃない? と、心の中に問いかけようか。
「――謝りなさいモクレン! アタシの手が出ちゃったのも、急にアンタが引っ込んだせいなんだから!」
 ユーベルコードが身体を巡り――。
 何かが、引き剥がされるような感覚。
「あ、あれ? うんっ? あっ、なんか出て来られた!」
 思わず座り込んでいたモクレンは、ぱちぱち、と瞬きを一つ、二つ。
 その話し方からは女性らしさが抜け、彼の常の物の響き。
「……おやおや、無事にモクレンちゃんから脱したようですねえ」
 倒れた蛙の山の上から、振り返る終。
 終は、倒れた蛙を更に丁寧に丁寧に叩いて居た。
「ヒィッ、終、怒ってない!? 俺達が叩いたんじゃないのに!」
 びく、と肩を跳ねたモクレンは、杖をぎゅっと握りしめて、わあっと。
 少しだけ天井を見上げてから、訂正。
「いや、叩いたの俺達ではあるんだけど……、痛そうだったもんね!?」
「いやぁ、痛かったですよ! 本当に、本当に!」
「ごめんね! でもまずはこのUDCを倒さなきゃだよな!?」
「全く、その通りです」
 げこ。
 終の八つ当たりの気迫にややヒキ気味だった蛙達も、果敢に得物を構えてくれている。
 突っ込んでくる蛙を引きつけたモクレンは、一歩バックステップ。
 そのまま長い杖のリーチを生かして振り抜けば、頭をこーんと叩き上げて。
 しかし、見せたくない人格を見せてしまったもので。
「……終も、後頭部を殴れば記憶を失ってくれないかな」
 自らに向けられたモクレンの視線に、ぞっと肩を跳ねる終。
「……………なんですか、なんで杖を握りしめて、こっちを見ているんですか? えっ、な、なんで杖を振りかぶって……?? 以前にガス灯のヤドリガミって言った事を気にしているんですか??」
 そしてモクレンは――。
 終の後ろに迫ってきていた蛙を殴り倒してから。
 じ、と終を見下ろした。
 ――記憶って、失って貰えるかな?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リュー・メトカーフ
ペチカ(f01228)と共に

ペチカの聡明さにはいつも驚かされるな…
そう、一から十まで全てあのかえる達が悪いんだ
あんな風にあひるさんを改造したのも彼らなんだ
私たちのあひるさんを弄んだ罪、贖ってもらおうじゃあないか

かえる達と対峙すればすぐさま両手を挙げて降参のポーズ

おお、私は猟兵の中で最も弱いうえに正面から襲い掛かられることにとても弱いんだ
だから私を狙うのはやめてくれ

すまない、今のは嘘だ
襲われようが襲われまいが、距離が詰まり次第氷槍で薙ぎ払う
条件が満たされれば周囲のかえるごと発条仕掛の虚凍で掃除しよう
私のためにもしっかり悪者になってくれ

終わればペチカと共にあひるさんを買いに行く
約束はしっかり守るさ


ペチカ・ロティカ
リュー(f01051)と。

ぴーと鳴ったあとのメッセージはうけとったの。
ペチカはおうちにかえるの…げこげこ?かえる?
わからないけれど、わからないなりに
あひるさんがあんなことになってしまったのも、
リューのことが信じられなくなったのも
ぜんぶぜんぶあのかえるたちのせいなのね

わるいの。いけないの。
そんなかえるにはお仕置きするのよ。
影の手を伸ばしてつかみかかるの
一般人に目が向きそうな所をきゅっと目隠し
あんまりすばしっこいようなら、影を薄く広く延ばして追いたてるの。

しっかりお仕事できたら、リューに新しいあひるさんを買ってもらうのよ。
約束だもの。わすれてないの。



 ご用件のある方はぴーという発信音の後にめっせーじをどうぞ。
「メッセージはうけとったの。――それでも、それでも……、ペチカはおうちにかえるの」
 いやいや、と更に首を首を揺すったペチカが、はた、と動きを止め、その瞳を瞬かせた。
 彼女の目を引いたもの、マッサージチェアの向こう側。
 ――通路を歩いてゆく、スーツ姿の蛙頭の群れ。
 げえこ、げこ。
「……げこげこ? かえる?」
 ペチカの変化に彼女と同じ方向を見たリューは、架空の電球を頭の上に瞬かせ。
 一瞬で頭の中でストーリーを組み立てる。
「――そう、一から十まで全てあのかえる達が悪いんだ」
 私が悪いワケじゃあないよ、と言わんばかりに。
 その大きな茶瞳が、横目で蛙を見やる。
「あんな風にあひるさんを改造したのも、あんな風にあひるさんが落ちるように仕込んだのも。全て、全て、彼らなんだ」
 顔の角度を変えるだけで、変わらぬ表情も多彩な色を宿す。
 その事は能楽の能面で、実際に証明されている事だ。
 ペチカは表情を変えてすらいないそのかんばせを、軽く俯けて悲しみを表現する。
「……あひるさんがあんなことになってしまったのも、リューのことが信じられなくなったのも、ぜんぶぜんぶあのかえるたちのせいなのね?」
「ああ、勿論。勿論さ、ペチカ」
「……なんてわるいの、いけないの」
 見事納得したペチカは、マッサージチェアより立ち上がり。
 元より9割リューが悪いのだが、1割の悪い部分。
 ペチカを『ひっくりかえした』のは蛙達である。
 嘘は真実を織り交ぜて行く事で、その強固さを増すものだ。
「私たちのあひるさんを弄んだ罪、贖ってもらおうじゃあないか」
「かえるたちに、お仕置きするのよ」
 ランタンを片手に傾けたペチカは、蛙達ぽんやり睨めつける。
 そのぽんやり顔は、普段のペチカの3割増し程には睨めつけているだろう。
 そんなペチカの気迫を背負って、リューは普段の足取りで蛙達に近寄ってゆく。
 ゆったりした足取りでも、蛙の背に語りかける事はできるもので。
 両手を上げて、降伏のポーズを取りながら朗とリューは語る。
「……おお、かえる達よ。私は猟兵の中で最も弱いうえに、正面から襲い掛かられることにとても弱いんだ。
だから私を狙うのはやめてくれ」
 声をかけられた蛙は首を傾ぎ。
 敵だと宣言された以上、蛙達としても無視は出来ない。
 ゆうらりゆらり、その背に伸びる影の腕。
「……何ゲコ?」
 首を傾げた蛙が一歩前へ、リューへと近より――。
 それは、もう、彼女の間合い。
「すまない、今のは嘘だ」
 リューの声。
 ペチカのランタンの光がまっすぐに伸びて、影の腕が蛙の身体を掴む。
 その隙を逃さず。
 重ねて、軽く踏み込めば宙へと跳ねる、リューの身体。
 その両手に握りしめられた、熱帯びた凍てつく氷槍は蛙達を串刺し。
 蛙たちのリューに『騙された』と言う感情は、更に追撃を与える魔法と化す。
 魔法の氷塊より礫が爆ぜ飛び、ペチカの影がぺたんと蛙達を押しつぶした。
 ありがとう、私のために悪者になってくれて。
 尊い犠牲に瞳を瞑るリューに、ペチカは口を開く。
「……ねえ、リュー。しっかりお仕事できたら、新しいあひるさんを買ってもらう約束。わすれてない?」
「おお、勿論さペチカ。約束はしっかり守るさ。」
 どんなに私が嘘つきでも、そのくらいの約束は守ろう。
 続く言葉は、言葉にしない言葉。
 リューはただ、口元を擡げて笑みのように。
「じゃあ、ペチカもお仕置きをがんばるのよ」
 頷いたペチカは大きく腕をあげて。
 ランタンを掲げると、蛙の一群を巨大な影の腕で薙ぎ払った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
【ワイルドハント】
引き続き性格反転中

「ぴゃあああああああ!!!」(悲鳴)
「カエル嫌ああああああ!!!」
同乗しているニコリネの車の運転の荒さに半泣きし
飛び掛かってくるカエル男にガチビビりしつつ戦闘

基本車から【鬼神剛腕砲】でどこからともなく召喚した丸太(※武器です)を投げつけて攻撃
怯えて腰が引けてるにも関わらず「衝撃波」を伴い「範囲攻撃」となる威力
至近距離まで寄られたら咄嗟に流星(※鉄塊ハンマー、重量約5t)を「怪力」で思い切り振りまわしてぶん殴る
※反転しても戦闘能力はそのまま脳筋クラス

「わんこちゃんなにしてるのよぉぉぉぉ!?!?!?」(スプラッタな光景見て顔面蒼白)


リダン・ムグルエギ
【ワイルドハント】
うぐっ…カエルなんて、全力で蹴散らすわよ!(キリッ
と性格反転し
事前準備を好み敵前に出るのを嫌がる性格から
いきあたりばったりの突撃女に

爆走するニコリネさんの車の上に立って蛙に向かってとびかかっていくわ!
(※運動神経は人並以下)
喧嘩上等!爆走!

死亡フラグを立てるために危ない!って仲間を庇おうとするカエルがいたら
幻覚を見せつつ飛び掛かって庇うのを失敗させ
纏めて丸太や車で轢くのを狙うの

カエルがどーとか、そんなデザインどうでもいいわ!
アタシのカッコいいアラヤさんと可愛いニコリネさんを返せー!
(針でぐさぐさしたりわんこちゃんの悪事を手伝ったり)
え、爆竹なんてしたこと無いわよ?(ドン引き


ニコリネ・ユーリカ
【ワイルドハント】
さぁみんな車に乗って! 敵を追い掛けましょう。
つかささんベルト締めて! 飛ばすわよー!
リダンさん、振り落とされないように掴まってて!
本日、「Floral Fallal」は戦場に花を届けに走ります。
ハンドル握ってアクセル全開、爆走しますレッツ&ゴー!

蛙ってよく道路でぺっちゃんこになってるわよねぇ。
だから【自走車輌定常円旋回】で轢き殺す! ウラー!
敵の強靭な肉体で車がダメージを受けるかもしれないけど、
板金いくらとかローン残ってるとか気にしない。ゲットワイルド。

皆を戦場にお届けしたら私も車を降りて戦います。
シャッター棒で引っ掛けて――殴る!
前に出るの怖かったけど、うん、何とかなる!


野良・わんこ
【ワイルドハント】
これはわんこの出番ですね。
はー、カエルごときに負けたりしませんとも!
「なんか今日はみんなテンション高いですねぇ。ザッツ焼肉パワー!」
ニコリネの車に乗ってダイナマイトをばら撒く。
建造物の被害? なんですそれ。
その後は飛び降りて。トリッキーな動きで刀とブレードを振るって攻撃。
相手のズボンのベルトを狙う。
ベルトを切れたらバジリスクタイム。
【サイキックウェーブ】で相手を拘束してからのケツにダイナマイトをインサート。
「カエルを爆竹で汚い花火にする遊びは皆しましたよね?」
吹っ飛んだカエルの血肉をモロに浴びてばっちいー!ってなる



「さぁみんな車に乗って! 敵を追い掛けましょう!」
「――……カエルなんて、全力で蹴散らすわよ!」
 駐車場を駆けてゆく蛙を見つけたニコリネが、ぴかぴか笑顔で宣言すると。
 遅れて、呪詛の発動したリダンが、ぐるぐるした瞳で大きく頷いた。
「はー、カエルごときに負けたりしませんとも!」
「えっ、えっ」
 わんこの力強い返事に、つかさがきょときょとと周りを見渡して。
 わざわざ車でおいかける必要ある?
 思っていたってツッコミができる人なんて、今ココには誰も居ないのだから。
 いや、もう、これが地獄の始まりだった訳なのだけれど。
 飛ばすわよ、なんて。
「さあ、皆ベルトは締めた? リダンさんはちゃんと捕まった?」
 駐車場内でそんなに本気で飛ばすとは思わないじゃあないですか。
 でもニコリネはちょっと違う。かなり違う。

「本日。『Floral Fallal』は、戦場に花を届けに走ります。――ハンドル握ってアクセル全開、爆走しますレッツ&ゴー!」
 めちゃくちゃ飛ばす。はちゃめちゃに飛ばす。
 なんたってこのガジェットたる車は、香りを運ぶ花車なんてゆるふわな事言ってるのに4WD。
 悪路だってすいすいだ。
 いいえ、駐車場内が、悪路の訳が無いのだけれど。
 ニコリネは蝸牛みたいなぐるぐるの道だってブレーキを踏まないし、踏めない。
「蛙ってよく道路でぺっちゃんこになってるわよねぇ!! ウラー!」
「なんか今日はみんなテンション高いですねぇ。ザッツ焼肉パワー!」
「ぴゃあああああああ!!!」
 ニコリネのドリフトからの、蛙への突進。
 わんこが喜々と言えば、つかさが変な悲鳴をあげた。
 これはなんたって、これはユーベルコード。
 オブリビオンにだって効果は抜群。
 それは車のローンや車体へのダメージも全て度外視の、財布への捨て身の攻撃でもある。
 わんこがガジェットのダイナマイトを投げ飛ばせば、爆音が轟き。
 アスファルトをタイヤが切りつけながら、駐車場内を走り抜ける。
 本気のスリルに身をまかせる事になった蛙を轢いた車が、ガッタンガッタン揺れる。
 つかさも恐怖で、ガッタンガッタン揺れている。
「あああああああああああ、たすけ、助けてええええええ」
「行くわよ、やるわよ、行くわよ!」
 ルーフの上で無理矢理はりついていたリダンが、落ちるみたいに……いえ、落ちてますね。
 『ひっくりかえった』リダンは普段の理性をすべて失い、突進にこそ戦いを見出している様子で。
「ゲコ……ゲコ!! 危ないゲコー!!」
 ガチの死亡フラグをたてながら。
 仲間を庇おうとした蛙へと転げ落ちたリダンは、自らの服の模様を無理矢理見せるべくボンネットを蹴って方向修正。
 ――彼女の服の模様には、『暗示』が篭められている。
「喧嘩上等! 爆走!」
 リダンに体当たりされ。
 暗示が発動する前に、庇うどころか二匹ともそのまま車に轢かれた蛙達。
 重ねて彼らへと叩き込まれるのは、つかさの召喚した丸太だ。
「ゲコ、ゲコオオオッ!!?!?」
 仲間を轢き倒されれば、――いやもう。
 逃げるよ、普通に蛙も逃げる。
 無理だよ。
「カエル嫌ああああああ!!!」
 つかさの叫び声。
 蛙もきっと、車を嫌がっているよ。
 逃げる蛙へと。更につかさが叩き込こむ、とてもいい感じの丸太。
 多分なんだけれども。
 蛙は、とてもいい感じの丸太も嫌がってると思うよ。

 車に追いやられて駐車場の片隅に集まった蛙達の前に、花車はブレーキ音を建てて止まり。
「げ、ゲコオオッ!!」
 追い詰められれば蛙たちだって、窮鼠猫を噛む。
 ――窮蛙猟兵を噛むってなもので。
 荒い運転から解放されたつかさが思わず外に転がり出れば、蛙達が構えて一気に飛び込んでくるが――。
「ひぁっ、や、やだあああ、近づかないでぇええええっ!」
 性格が『ひっくりかえって』いようが、つかさの腕力には変わりは無い。
 流星を垂直に薙がれて、壁へと叩き込まれる蛙。
 リダンは、そんな彼らへと一気に飛びかかり。
「カエルがどーとか、そんなデザインどうでもいいわ! ――アタシのカッコいいアラヤさんと可愛いニコリネさんを返せー!」
 そんなリダンの行き場の無い怒りの矛先は、敵に向けられるしかなかったのだ。
 針をばんばん叩き込むリダン。
 そこへ横から踏み込んできた、銃を構えた蛙がリダンを狙い――。
「危ないわよ!」
 シャッター棒を握りしめたニコリネは、リダンを狙っていた蛙の後頭部にソレをブチかまし。
 ぐら、とそのまま倒れ込む蛙。
「……前に出るのは怖かったけど……。うん、何とかなりますね!」
「そうよ! 突撃あるのみよ! ワーーッ!」
 こっくりと頷いたニコリネに力強く頷いたリダンは、更に蛙の群れへと飛び込んだ。
 かっこいいポーズをキメると、特殊な信号を撒き散らしたリダン。
 動きをその場に繋ぎ止められた蛙達は――。
「ええーいっ!」
 身体を捻って宙返りする形。
 曲芸のように身軽に跳ねるわんこは、蛙のベルトというベルトを振りかざした刃で断ち切ってゆく。
「――カエルを爆竹で汚い花火にする遊びは皆しましたよね?」
 すとん、と蛙達のズボンが滑り落ち。そこへ、わんこが取り出したるはダイナマイト。
「えっ……」
「え、爆竹なんてしたこと無いわよ……?」
「わんこちゃんなにしてるのよぉぉぉぉ!?!?!?」
 仲間達はそれぞれ目を見開き。
 わんこは悪戯っぽく笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

都槻・綾
11024/花世さん

建屋の形状から
集合場所に目星をつけて
蛙を追跡

走り難くないのだろうか思えども
繋がれた指に密やかに笑い
解けぬよう結び直そう

彼女の凛々しい牽制の一喝と共に弾ける銃音
先制攻撃、高速詠唱、範囲攻撃、二回攻撃を駆使して
同時に放つ鸇の鳥葬
蛙達を喰らう

ごめんなさい
蛙は彼ら(鳥)の好物なのです

軽く首を傾けて申し訳なさげに侘びるも
弛まぬ詠唱で次々と食んでいく

第六感と声の掛け合いで死角を補い
見切り回避
自他共にオーラ防御

背中越しに届く囁きに
軽やかな笑みを返す

奇遇ですねぇ
私もです
ヤドクガエルの鮮烈な彩りも
雨蛙やシュレーゲルの
美しき宝石の如き翡翠も(以下戦い乍ら蛙の美を延々讃え)

つまり
蛙可愛い(破願)


境・花世
綾/f01786と

エージェント対決か、上等だ
依然クールな顔で銃を構え直して
綾と一緒に蛙を追跡しよう

駆けるさなかに繋ぐ手の温みを、
今度はもう振り払わずに

目的地に辿り着いたなら
次々と標的変えて撃つ早業で、
蛙たちの動きを止めるよ
仕留めきれずとも構わない

――だって、きみがここにいるから

続きは頼んだ、とかろやかに告げ
広い背中を護るように立ったなら
綾を狙う敵は残らず牽制し

実は蛙って結構すきなんだ
ぷにぷにしっとりなのも円らな眸も
そうそう、きれいな翠の彩も!

綾が笑うのがうれしいから
一匹つかまえてこうかなあなんて、
くるくる銃を操りながら悪戯な顔

気付けば常と変わらぬ体で
きみの傍にいる、きみといる


千桜・エリシャ
カイト(f03912)と

その場でカエルを叩く――もとい斬首よ!
一般人に被害を出すわけにはいかないもの
目一杯暴れて注意を引いて、逃げる奴は打ち漏らさないようにしましょう
囲まれたら背後注意よ!

散華繚乱に二回攻撃と範囲攻撃を合わせて剣閃の雨を降らせてあげるわ
あなた達、雨は好きでしょう?
たっぷり味わいなさい!
弱った奴から首を狩ってやるから覚悟しておいて
敵の攻撃は見切って花時雨を開いてオーラ防御よ

きゃっ!ちょ、ちょっとカイト!無理しないの!
確かに守るって言われたけれど…
まあ少しだけ見直したわ
…少しだけよ!

戦いも終われば元に戻れるかしら?
――あ、あら?あらあら?
私ったら今まで何を…わ、忘れてくださいまし…


奇鳥・カイト
エリシャ(f02565)と
危なくなったら見切りを使い庇うつもり

ちょ、ちょっと
物騒だってばぁ…
それはそうだよね…よし、頑張ろうか
なら…逃がさないように、糸を張り巡らせる

ラフファイトに糸を合わせて使っていくよ
場所だと引っ掛かりが多いからね…糸の本領発揮ってところだよ
玉虫を使って、地形を利用し範囲攻撃で攻めるとしようか
見えない刃は直ぐ側まで迫るよ
敵の攻撃は他の敵を盾にしてなるべく喰らわないようにする

女将はほら…女の子だからね…
男の俺が守らないと…格好つかないよ
そう言われると嬉しい、かな…へへ

あ、なんとか切り抜けれたよう…だね?
─おう、戻ったな
…そっちこそ忘れろい
いいか、言ってたこと全部だ

アドリブ歓迎


ヴィクトル・サリヴァン
反転継続

何か色々教えて貰ったけど要するに渡したら碌な事にならないんだよね?
口封じは無理だったし沢山来る…よし逃げよう。
乱戦でこんな厄い物持って戦うなんて事故の元、活力の雷で自身の生命の速度加速させてすたこらさっさ。
蛙声以外で騒がしい場所に向かって他の猟兵と合流試みる。
オブジェクトは渡さぬよう、ひっくり返さないよう注意。
優勢なのにフラグ発言は流石に…言っちゃう?

合流できたら活力の雷で支援に徹する。
集中的に狙われるならオブジェクトの性質を端的に伝えつつ他の人に押し付け。
その後も適当なインテリア抱えて持ったままのフリして撹乱する。

解呪後も無自覚。
今度は温泉でも楽しみに行くかな。

※アドリブ絡み等お任せ


田抜・ユウナ
※アドリブ歓迎

●呪い継続
狸大好き、ぶりっこ、享楽的

●蛙たちを追いかける
気配を消して追跡
集合場所を付き止めたら、目立たないように会話の輪に加わる。
「へえ、そうなの」「これからどうするの?」等々、相槌を打つ
話を促して、何か情報でも引き出せたら楽しそうね。

正体に気付かれたら、ビシッとポーズを決めて名乗る。
「気付かれたら仕方ない。猟兵ナンバー05049番、田抜・ユウナちゃんです!」
芝居じみた立ち振る舞いだが、戦闘はちゃんとやります。
周囲を跳ね回る蛙の動きを見切り、紙一重で回避
「――田抜流歩法、蛇の道」
ぬるりと死角に回り込んで手刀をお見舞いする。


壥・灰色
かーえーるーのーうーたーがー……
歌にするにはちょっと可愛くないな、この蛙たち。

壊鍵、過剰装填
ロード、デス・スクリーマー

悪いが一体として生かして帰すつもりはない
飛び込み様、拳の弾幕で片っ端から粉砕していく
その最中、奴らが向かいたい方向がある様子が見て取れれば、その目指す方向からおそらくタンク室と辺りをつけ
その場にいた連中を鏖殺の後、タンク室へ移動、オブジェクトの捜索を開始する

出くわす蛙の連中は全員拳と衝撃で粉砕する
死にたくないなら、邪魔をしてくれるな
お前らは識らないかも知れないが、おれは見た目よりもずっと気が短いんだ



●ふりかえることもなく
「エージェント対決か、上等だ。追いかけるぞ」
 花世の片手には銃。
 そして逆の片手は、綾の掌。
 無意識に繋ぐ、手の温かみを今度はもう振り払うことも無く。
 解けぬように、きゅうと強く結び直す。
 ――走り難くないのだろうかと思えど、『ひっくりかえって』いても無意識に掌を求められてしまえば。
 心の奥の擽ったさに、密やかに笑みを零す綾。

●ひっくりかえって、ひっくりかえる
 背後より、駆けてきた蛙。
「じゃあ、この場は二人に頼むよ。おれは、原因を見てこようと思う」
 握りしめた拳を全身のバネを使って叩き込んだ灰色は、処理を終えた事を確認してから先へと駆け出し。 
 徐々に後ろに感じる蛙の気配が膨れ上がりつつある中、三人は短い相談を終えていた。
「ええ、では手筈通り。カイトは私とこの場でカエルを叩きましょう、――もとい、斬首よ!」
「ちょ、ちょっとぉ……、物騒だってばぁ、エリシャ……」
 この奥の施設に何かがある事は、確かのようで。
 ならば、敵を引き止める役と奥を探索する役に分かれる事となった彼ら。
 残って足止めする事にしたのは、未だ『ひっくりかえった』ままの二人。
 気弱と化したカイトは、気乗りはしない様子で糸を引き絞り。
 エリシャはそんな彼と視線を交わして、桜花模す鍔の大太刀を引き抜き構えた。
「だって一般人に被害を出す訳にはいかないもの。――目一杯暴れて注意を引いて、逃げる奴は斬首よ!」
「や、やっぱり物騒だなぁ……、でも。被害を出すわけにはいかないのは確かだよね……」
 なら、とカイトは通路へと糸を張り巡らせ。
「……逃さないようにしよう」
「ふふ。カイトも少しは役に経つみたいじゃない」
 そこに響く、復数の足音。
「あなた達、雨は好きでしょう?」
 刃を水平に構えてエリシャは、一息に跳躍し――。
「たっぷり味わいなさい!」
 その素首、剣閃の雨に濡らせてあげましょう。
 横薙ぎに斬り抜けた刃は赤い花弁を咲き散り爆ぜさせ、蛙達の首をも薙ぎ払う。
 とっさにガードを上げた蛙が、バックステップ。
 復数居る事の一番の利点は、連携できる事だ。
 それは蛙達にしたって同じ。
 逆に踏み込んで来た蛙が拳を大きく振りかぶり、後退した蛙は拳銃を構え――。
 踏み込んできた蛙が、『ひっかかる』。
 張り巡らされた糸に巡る『血の呪い』。
「逃さないよ」
 小さく呟いたカイトが見えぬ糸に切り刻まれた蛙の腹を、擡げた脚の反動だけで蹴り上げて。
 ゲコ、と鳴いた拳銃を構えた蛙が弾を放つ姿に、小さな舌打ちを漏らした。
 エリシャにその弾を向かわせるくらいならば。
 一も二も無く飛び込んだカイトのガードに上げた腕に、鮮血の花がぱっと映え咲き。
 抉れた肉より、ぼたぼたと血が溢れ落ちる。
 そのまま傷つくことも厭わず更に踏み込んだカイトが、拳銃を構えた蛙の頬を殴り抜き――。
 彼に庇われ。
「きゃ、カイト!」
 身を低く構えたエリシャは立ち上がりざまに、ぐんと地を蹴って。
 一気に加速すると、カイトに叩かれて体勢を崩した銃を持った蛙の首をぱつんと刎ねた。
「もう、カイト! 無理しないのよ!」
「……女将はほら……、女の子だからね……。男の俺が守らないと、格好つかない……から」
「……確かに守るって言われたけれど……」
 頬を覆うように指先を這わせたエリシャは、ぱっとカイトより視線を背けて。
 そっぽをむいて、呟いた。
「まあ、……少しだけ見直したわ。……少しだけよ!」
「ん……。そう言われると嬉しい、かな……、へへ」
 へにゃ、と笑ったカイトの顔を、エリシャが見る事は無かったけれど。
 続き響く、蛙達の足音は近い。
「もう! 少しって言ったでしょう。……早く止血をなさい、次が来るわよ!」
「……うん!」
 エリシャの叱咤に、カイトはこっくりと頷いて――。

●でむかえる
 振り抜いた拳に、充填された衝撃が爆ぜ。
 勢いを殺す事無く。
 灰色の指先が捉えた蛙の頭は、そのまま床へと炸裂する。
「お前らは識らないかも知れないが、おれは見た目よりもずっと気が短いんだ」
 先行く道を塞ぐ蛙共を、叩きのめしながら。
 階段を駆け下りる灰色は、蛙達の出てきたルートを脳内でマッピング。
 ――恐らく彼らはタンク室に向かって居るのであろう、と目星をつけた灰色の行動は早かった。
「死にたくないなら、邪魔をしないでくれるかな」
 道を塞ぐ蛙共を、逃がすつもりなど無いであろう鏖殺を繰り返し。
 彼はタンク室の前へと駆け――。

 蛙の上へと飛び降りたヴィクトルは、素早く立ち上がると扉へと視線を這わせて。
「色々教えて貰ったけど……要するに渡したら碌な事にならないんだよね?」
「何を言うゲコ、我々の目標が達成される事は素晴らしい事ゲコ……ッ!」
 それはどうかな、と小さく呟くだけ。
 巨体の割りには機敏な動きで、転がり体勢を立て直すヴィクトル。
「へー。でも、内蔵をひっくりかえすにはなかなか呪いの内容が違くない?」
「いいや、だんだん進行してくれば、ひっくり返る物が増えてくる筈ゲコ!」
 彼を追いかけようとした蛙に、首を傾ぐのはユウナの声。
 手をひらひら。
 思わず答える、うっかり親切な蛙。
 そんな蛙の横を、一気にすり抜け。
 ヴィクトルはUDCオブジェクトであるアンクをひっくりかえさないようにぎゅっと握りしめて、外へと逃げようと――。
 した瞬間、開いた扉。
「待って。……カエル達はここで仕留めてしまおう」
 彼の大切そうに握りしめている様からソレが探しているオブジェクトだろうと推測した灰色は、シャチの身体を掌で押し止めて。
 その部屋の前に集まりだしている、猟兵の姿を顎で示した。

「……ん。確かに。人が集まってきているなら、そっちのほうが良いかもね」
 ヴィクトルがその先へと視線を送れば。
 部屋に向かい来る敵の足元を狙って、目にも留まらぬ早業で幾度も銃を放つ花世と綾の姿。
 人数が多いのならば、籠城も悪くない。
 ならば、この部屋で迎え撃とうと、こっくりとヴィクトルは頷く。
 ――しかしこんな厄い物持って戦いたくは無いのだけれど。仕方があるまい。
 変な所に置いて持って行かれる事も困るだろうし、何かの拍子に転がって、ひっくり返されてしまってはまた呪詛を撒き散らすだろうし。

 そう考えれば。
 リスクが無い事も無いが、勝手に蛙達が集まってきてくれるならば、籠城戦の殲滅戦も悪くは無い。
 ――シンプルに考えれば、全部倒せば、終わり。
 しかし、その為に今邪魔なのは――。

「……って、お前はいつの間に混ざってたゲコ!?」
 室内に存在する唯一の敵。
 このめちゃくちゃ口が軽くて、妙な死亡フラグめいたものをガンガン立てている蛙だけだ。

「気付かれたら仕方ない! 猟兵ナンバー05049番、田抜・ユウナちゃんです!」
 そう、いつの間にかこの部屋を訪れていた。ぴしっとダブルピースをキメたユウナは、微笑んで。
 ぬる、と違和感と滑らかさの同居する動きで蛙へと一気に間合いを詰めた。
「――田抜流歩法、蛇の道」
 横薙ぎに放つ手刀。
「ゲコッ!?」
 その手刀は確かに、確かに鳩尾を貫いたように見えたが――
 しかし。
 フラグを立てまくったうかつな蛙の身体能力は、あがりにあがってしまっている。
 床を転がりながらも、げえこ、と顎下を膨らせて蛙は手刀を耐えきった。
「……そんな事をするのなら、お前たちから首をすえかえるゲコ! ソレは返してもらうゲコ!」
 ――壊鍵、過剰装填。
 灰色の瞳が、冷たく揺れる。
「悪いけれど。オブジェクトをお前らに返すつもりも、生かして帰すつもりもないよ」
「むむっ、ユウナちゃんの手刀を喰らって元気だなんて、――沢山斬らせてくれるってことですねっ?」
 ジャブのように跳ね跳んできた蛙。
 蛙の放つワンツーを叩き落とす様に捌いた灰色は、ぐっと踏み込み肘打ちを叩き込み。
 軽い衝撃がその身を貫いた蛙は、ぶるると身体を震わせる。
 勿論本命は、灰色を攻撃する事なんかでは無い事は皆理解している。
 灰色から間合いを取るように横っ飛びに跳ねた蛙は、強化された必要以上に素早い動きで。一気にヴィクトルの前へと跳ね跳んだ、が。
 ヴィクトルも自らに活力の雷を叩き込んで、身体能力を補助している。
 オブジェクトを抱えたまま大きく振るった鰭で、蛙は頬を叩き落とされ。
「よっし、俺はこれを死守するから。頑張って」
 速度を緩めずバックステップしたヴィクトルは、ついでに蛙を蹴り上げた。
 転がる蛙に、ユウナと灰色が踏み込むと――。
「ゲコッ!」
 脚の動きだけで跳ね上がった蛙は、跳躍。そして両手を重ねた拳を、蛙は振りかざし――。
 強い圧が膨れ上がる。
「――っ!」
 ユウナと灰色は腕を交わして、その蛙の一撃を受け止めた!
 砂埃が舞い上がる。
 引きづられた足の形に、床へ生まれゆく轍。
 殺しきれない勢いは、二人の背をタンクへと強かに打ち据えさせて。
 けほ、と溢れる咳。
「それで終わりなら」
「今度はこっちのばーん!」
 ――今からおまえを、死ぬまで殴る。
 一瞬で膨れ上がった魔力が衝撃と化して。
 どかん、と空気が爆ぜる音が響いた。
 ユウナと灰色が同時に叩き込む拳は、蛙を床の染みにせんと。
 何度も、何度も、何度も、何度も。
 叩く、斬る、叩く、斬る、叩く、斬る。
「げっ、げこっ、げっ」
 無駄に持ち合わせた耐久力。
 可愛そうなくらいぽこぽこにされる蛙。
 頭を掴み上げられた蛙は、そのまま――。
 ぱん、と弾け飛んだ。

「蛙達がこの部屋を目指しているのは確かみたいだ」
「なら、ここ待ち伏せてどんどん倒すだけで全て綺麗になりますね」 
 タンク室の前で、背中合わせに立つ花世と綾。
 溢れかえる蛙達へと、花世は牽制めいた弾を幾度も放ち。足元を狙って放つ弾には、彼らを仕留めきる意志は薄い。
「続きは頼んだよ」
 だって――、花世が仕留めきらずとも。
 きみがここにいるから。
「ごめんなさい、……君たちは、彼らの好物なのですよ」
 小さく首を傾けて、申し訳なさげに侘びて見せるも綾の詠唱は淀む事は無く。
 ――時の歪みに彷徨いし御魂へ、航り逝く路を標さむ。
 羽搏きに、彩られた鳥たちが一斉に蛙達を貫き啄み。
 術者を狙おうと、刀を片手に鳥に啄まれながら突進をしかけてきた蛙を回し蹴りで蹴り裁いた花世は、倒れた蛙の眉間にゼロ距離射撃をブチかました。
「綾には触れさせないよ」
「……ありがとうございます」
 密やかに笑った綾に、花世は小さく首を振って。
「でも。実は蛙って結構好きなんだよね。ぷにぷにしっとりなのも円らな眸も。そうそう、きれいな翠の彩も!」
「奇遇ですねぇ、私もです」
 ヤドクガエルの鮮烈な彩りも、
 雨蛙やシュレーゲルの美しき宝石の如き翡翠も、
 丸いタイガーアイのような綺麗な瞳も。
 蛙を鳥に啄ませながら、口元に笑みを湛えたまま蛙の美を語る綾。
「……つまり、蛙はとってもとっても可愛い、という事です」
 ついにへにゃ、と笑った彼に。
 なんだか花世は、とっても嬉しくなってしまう。
 いつのまにか花世にへりついていたクールな表情は消え、常の表情と戻っている。
 くうるり銃を操って、悪戯げに笑って。
「一匹つかまえていこうかなあ」
「……でも、オブリビオンですからねぇ」
 すこうしだけ残念そうな綾の声。
 ふふ、と笑った綾は、まだまだ尽きぬ敵を見やりながら。
 なんだか温かい気持ちで敵へと向き直る。

 気付けば常と変わらぬ体で。
 きみの傍にいる、きみといる。
 きみとなら、どんなに多い敵が相手だって。

「さて、引き続き籠城戦だ。がんばれ、がんばれー。終わったら温泉にもう一度はいりたいね」
「それってフラグですか?」
「いやー、……違うよ、多分。違う違う」
 オブジェクトを抱えたまま、応援と支援を行うヴィクトルの号令のもと。
「後もう少しだとは思うのですが……」
「うん、頑張ろう」
「かーえーるーのーうーたーがー……」
 連戦に疲れてきた声、歌うにはあまり可愛い蛙とは言えないなあなんて軽口を叩く声。
 UDCオブジェクトを巡った剣戟は、暫し続く。
 猟兵が勝利を収めるまで、あと、もう少し。

●あとは、いえにかえるだけ
 向かってくる蛙達はもう居ない。
 荒い息で床に座り込んだカイトと、壁へと背を預けたエリシャは――。
「……あ、あら? あらあら……?」
 エリシャは両頬を自らの掌で包み込み、恥じるように何度も瞬きを。
「なんとか切り抜け……、られたようだ」
 帽子をぎゅっと抑え込んだカイトは、やれやれ、と首を俯けた。
 戻ってきた感覚。
 少し記憶を探れば、自らの言った言葉もありありと思い出せるもので。
「わ、私ったら……今まで酷い言葉遣いを……、わっ、忘れてくださいまし……」
「そっちこそ忘れろ。――いいか、全部だ」
「……は、はいっ」
 忘れられる訳も無かろうけれども。
 なんとなく二人は、視線を交わすことも出来ずに。
 暫く同じ体勢で、じっとしていた。

 ――上記の内容を持って。
 スパリゾートにて観測された、UDCオブジェクトの乱用事件の記録を終了する。
 居合わせた一般人達への記憶処理は、全て完了済み。
 建物への被害は、局地的な地震として処理を行うものとする。
 今後の課題として。
 オブジェクトの保管方法の見直し、そして警備方法の変更の検討が必要であろう。
 一案としては、――――――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月24日


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#UDCアース
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#呪詛型UDC


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

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挿絵イラスト