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はじめてのクエストはゴブリン退治!

#ゴッドゲームオンライン #クラン『自由の翼』


●初心者クエスト
「ここがGGOゴッドゲームオンライン! すげーリアル!!」
「やべー、思い通りに動くぜ!」
 ゲームを始めたばかりの初心者プレイヤーが、GGOの始まりの街で辺りを見回し興奮していた。
「最初は何をやったらいいんだ?」
 お上りさんらしくきょろきょろしているとNPCが話かけた。
「初めての方ですね? それならばチュートリアルを兼ねた初心者クエストがお勧めです」
 データで表示されるのはゴブリン退治の一番簡単なクエストだった。
「ゴブリン退治か! ファンタジーっぽくっていいな!」
「そうだな! ゴブリンで最初はレベル上げすっか!」
 初心者クエストに参加することを決めて、目的地である森に向かう。
 そんなプレイヤーは一組だけではない。春のシーズンは新たな出会いの季節。何組ものプレイヤー達が初心者クエストに参加して出発していった。

「ん? 若葉マークが多いな」
 街の屋台の前で骨付き肉を食らう、筋骨隆々マッチョな壮年の軽戦士が初心者が森に向かうのを目にした。
「どうやら新人プレイヤーのようです。卒業シーズンですからね。入学まで暇ができた新入生がGGOを見つけて遊びにきたんでしょう」
「おうおう、もうそんな時期か!」
 新人プレイヤーを眺めるのは、クラン『自由の翼』に所属するサブリーダーのサジとマッチョな聖剣士グラファイトフェンサーであるグスタフの二人だった。
「よし、親切な先輩プレイヤー役をしてやるか!」
 骨付き肉をさっさと食べ終えたグスタフがぽいっと骨を捨て、新人の後を追って歩き出す。
「相変わらず先輩はお節介ですね」
「がははっ! お前らの時もお節介を焼いてやったな!」
 お節介と言われても豪快に笑い、グスタフは新人の手助けに行く。
「まあ新人をクランに誘うのもいいかもしれません」
 それに付き合いサジも初心者クエストの行われる森に向かった。

 だがその誰もがクリアできるはずの「初心者クエスト」はバグプロトコルに侵食され、初心者殺しのデスクエストとなっていた……。

●グリモアベース
GGOゴッドゲームオンラインで、初心者クエストがバグプロトコルに侵食されちゃって、初心者プレイヤー達の遺伝子番号ジーンアカウントを焼却しようとしてるんだ!」
 ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が新たに起こる事件を予知していた。
「初心者クエストは本来は初心者向けの簡単なクエストなんだけど、バグプロトコル化したモンスターは強くなってて初心者プレイヤーをあっさり殺しちゃうんだよ。みんなにはクエストに参加して、それを阻止してほしいんだ!」
 初心者クエストは誰でも参加できる。猟兵も参加してバグプロトコル化したモンスターを倒せばいい。

「森にはバグプロトコルの『ゴブリン・アーミー』が初心者プレイヤーを狙ってるよ。遠距離攻撃で一方的に攻撃しようと待ち伏せしてるんだ。襲われそうなプレイヤー達を助けてあげよう!」
 本来のゴブリンより強力になり、初心者では勝てない強さとなっている。
「それと、バグによってクエストをクリアしないと森から出られなくなってるんだ。だからプレイヤーを守りながらクエストを進めないといけないよ」
 森は入ることは出来ても出る事はできなくなっている。脱出するにはプレイヤーにクエストをクリアさせるしかない。
「森には前に一緒に戦ったことがあるクラン『自由の翼』のメンバーが二人いるから、協力すれば初心者プレイヤーを助けやすくなるよ!」
 自由の翼の二人は経験も豊富で、手助けしてもらえば有利に戦えるだろう。

「ゴブリン・アーミーを倒したら奥に進むんだけど、まだバグに侵食してない場所を通るから、普通のゴブリンを相手に初心者のみんなを戦わせてあげよう。最初にバグってなにもできないとつまらないからね!」
 このままバグ塗れで何もせずに終われば最初のゲーム体験としては最低だろう。普通に遊べるように、ゴブリン退治のクエストを続行させてやりたい。

「森の奥にはゴブリン退治クエストのボスのゴブリンガードがいるんだけど、これは普通のボスだからプレイヤーのみんなで簡単に倒せるよ。だけどその周囲にはバグプロトコルの『ゴブリンアサシン』の集団がいるんだ。だからボスはプレイヤーのみんなに任せて、危険なゴブリンアサシンをやっつけよう!」
 道中でチュートリアルのゴブリンと戦っていれば、ボスのゴブリンガードも倒すことができる。だが同じゴブリンでもバグったゴブリンアサシンは猟兵が相手をしなくては初心者は全滅するだろう。

「初心者プレイヤーがこのGGOを楽しいって思えるように、クエストクリアまで導いてあげよう!」
 ラフィロワの言葉に頷き、猟兵は初心者プレイヤーの手助けにGGOへと向かった。


天木一
 こんにちは天木一です。
 GGOで初心者クエストに現れるバグプロトコルを排除することになります。

 第1章は初心者を襲う『ゴブリン・アーミー』との戦闘です。遠距離攻撃をしてくる敵から初心者を守りながら戦いましょう。

 第2章はチュートリアルのゴブリン戦を初心者にさせてあげます。森の探索や戦い方などアドバイスをしてあげると、初心者はどんどん上達していくでしょう。

 第3章では『ゴブリンアサシン』との戦闘です。通常のボスのゴブリンガードは初心者に任せ、森の中を動き回って初心者の暗殺を狙うゴブリンアサシンを撃退します。

 クラン『自由の翼』の2人と協力すると、全ての章でプレイングボーナスを得られます。

 クラン『自由の翼』は30人ほどのクランで、今回のクエストにはサブリーダーで月穹士アルテミスガンナーのサジと聖剣士グラファイトフェンサーのグスタフが参加しています。サジは後衛で冷静なタイプで、グスタフはスピードタイプのアタッカーです。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第タグにて。
 それでは、初心者を救済しGGOの楽しさを教えてあげましょう!
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第1章 集団戦 『ゴブリン・アーミー』

POW   :    アンチヒューマンライト
【対物ライフルから放たれる弾丸】に【遺伝子番号ジーンアカウント剥奪】のルーンを宿して攻撃する。対象が何らかの強化を得ていた場合、それも解除する。
SPD   :    アサルトゴブリン
【手榴弾】で装甲を破り、【アサルトライフルによる連射】でダウンさせ、【コンバットナイフでの急所へのめった刺し】でとどめを刺す連続攻撃を行う。
WIZ   :    ジェノサイドゴブリン
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【ゴブリン・アーミー】が出現し、指定の敵だけを【アサルトライフルによる銃撃】と【コンバットナイフによるめった刺し】で攻撃する。
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●初心者クエストのバグ
「えーっと、まずはゴブリンを見つけて退治しろ……だって」
「森の中にいるんだろ。すぐに見つけ……いた!」
 初心者クエストに参加するプレイヤーの一組が森に入ると、すぐに一体のゴブリンが堂々と歩いている姿を見つけられた。
「よし、じゃあ攻撃しようぜ!」
「そういや武器なんにしたの?」
「俺は剣と盾! そっちは?」
「魔法使いたいから杖にした。とりあえずチュートリアルだし試しみよっか」
「おう!!」
 プレイヤーは簡単に倒せるだろうと一緒にゴブリンに近づいていく。だがそのゴブリンはただのゴブリンではなかった。
「ケケケッ、釣れた釣れた……」
 バグプロトコルとなった『ゴブリン・アーミー』が邪悪な笑みを浮かべる。
 その周囲には木々に隠れたゴブリン・アーミー達が潜み、罠に掛かった初心者達を狩ろうとしていた……。
サラ・ノースフィールド
箒さんに乗って、空からふよふよと近づき……ません。
攻撃が来る来ない以前に、時間がないので。

保護対象が敵に近付く前に、派手なのを落とします。
全力魔法のメテオストライク。
味方が近付いてしまうと使えませんから。

あとは取りあえずの結界術を張って、空中で陽動を掛けながら、
『それはバグプロトコルなので近づかないでくださいー』
な旨を保護対象に伝えて距離を取ってもらいます。

おっきなライフルなら、空飛んでればほぼ当らないんですが……。
掠っただけでも結界術なんかすぐに剥げちゃうじゃないですか。
いちいち張り直すのも手間ですし。
うーわー面倒くさいですねこれ。

そんなあなたに2回攻撃の二回目、追加の隕石をプレゼントです。



●バグゴブリン退治
「見つけました。箒さんに乗って、空からふよふよと近づき……ません。攻撃が来る来ない以前に、時間がないので」
 サラ・ノースフィールド(図書館のサラ・f39225)は魔法の箒に乗って空から状況を確認し、森に隠れて新人プレイヤーを奇襲しようとしているゴブリン・アーミーを見つけた。
「保護対象が敵に近付く前に、派手なのを落としましょう」
 今なら味方を巻き込む心配もないと、杖を手にすると全力でユーベルコード『メテオストライク』を発動し、魔法で巨大隕石を召喚して隠れるゴブリンの頭上に落とす。
「クケケ……もう少し………なんだ?」
 急に影に覆われて暗くなり、何事かと空を見上げると、そこには迫る巨大な岩の姿があった!
「ひげぇええええええ!!!!」
 悲鳴を上げて逃げようとするが間に合わず、巨大隕石の直撃を受けて潰れ、さらには爆発が起こって辺りに隠れていたゴブリン達も吹っ飛ばされる。
「グゲゲ! なんだなんだ!!」
 爆発で地面に投げ出されたゴブリン達が隠れていたのも忘れて大混乱して叫ぶ。

「うわっ!?」
「爆発した? あ、ゴブリンがいるっ」
 その爆発に驚きながらも、剣や杖を持つ新人プレイヤーはゴブリンに気付いた。
「それはバグプロトコルなので近づかないでくださいー」
 空からサラがプレイヤーに距離を取るように呼び掛けた。
「バグ?」
「データが変になったら嫌だし下がろうぜ」
 新人プレイヤーは巻き込まれないように後退する。
「ゲゲ! よくも邪魔したな!」
「お前から消去してやる!!」
 怒ったゴブリン・アーミー達がサラを見上げ、対物ライフルを構えた。
「おっきなライフルなら、空飛んでればほぼ当らないんですが……。掠っただけでも結界術なんかすぐに剥げちゃうじゃないですか」
 飛んで来る弾丸には強化を破るルーンが刻まれていた。
「いちいち張り直すのも手間ですし。うーわー面倒くさいですねこれ」
 空を飛んで回避行動を取りつつ呪文を唱える。
「そんなあなたに2回攻撃の二回目、追加の隕石をプレゼントです」
 空よりお返しと、地上に向かって再び巨大隕石を贈った。
「グゲーーーーー!!!!」
 ゴブリン達の悲鳴が爆発に掻き消され、粉々に吹っ飛んでドロップアイテムを残し消滅していった。
「やばっ! すっげー!」
「やっぱ魔法使いだよな!! 俺もメテオ撃ちてーー!」
 サラの使う大魔法に、新人達は目を輝かせていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メリヤス・エスペランサ
とりあえずゴブリンのステータスをスキャンして調べてみましたけどぉ~
…しれっとステータスの桁が一つ増えてますねぇ~
こんなの始めたばかりの人が勝てるわけないじゃあないですか~
銃撃も慣れてない人だと対処しづらいんですよねぇ~

変に接近しようとするとその前にやられちゃいますから、ここはガジェットショータイムで機銃型ガジェットを設置して一斉掃射!
顔を出す隙すら与えませんからねえ~

…ってドロップ報酬のトリリオンの方は逆に桁が一つ減らされちゃってるんですかあ~?
これじゃあ倒しても旨味が全然無いじゃないですか~…
倒さないとその分通常モンスターのスポーン枠が圧迫されちゃうので金策の為に倒すしかないんですけどねぇ~



「とりあえずゴブリンのステータスをスキャンして調べてみましたけどぉ~……しれっとステータスの桁が一つ増えてますねぇ~」
 メリヤス・エスペランサ(ゲームプレイヤーの重戦士(ヘビーウェイト)・f42284)は隠れたゴブリンを観察し、その初心者殺しといってもいいバグった能力を調べ上げていた。
「こんなの始めたばかりの人が勝てるわけないじゃあないですか~。銃撃も慣れてない人だと対処しづらいんですよねぇ~」
 しかもゴブリンなのに使う獲物が遠距離攻撃のライフルときている。どう考えても初心者が最初に相対するレベルのモンスターではない。
「変に接近しようとするとその前にやられちゃいますから、ここはガジェットショータイムで先手を打ちますねぇ~」
 敵にこちらが捕捉される前に、離れた位置からユーベルコード『ガジェットショータイム』を発動し、多数の機銃型ガジェットを召喚して辺りに設置すると一斉掃射を開始した!
「ぐぎゃっ!!!」
「ゴブ、どこから撃ってきてやがる!!」
 被弾したゴブリン達が次々と倒れていく。慌てて木に身を隠すがその木も弾丸によって削れていった。
「顔を出す隙すら与えませんからねぇ~」
 容赦のない攻撃を続け、メリヤスはゴブリンを殲滅する。
「ゴブッ!!」
「くそっどこだ!!」
 ゴブリンが撃ってくる方向へとライフルを構えるが、そこにあるのは機銃だけ。機銃を一つ破壊する間に、蜂の巣となって消え去った。

「じゅ、銃撃?」
「ここの敵ってゴブリンじゃないのか!?」
 激しい撃ち合いにその近くまで来ていた新人プレイヤーは流れ弾を恐れて屈みこんだ。
 少しすると銃声が止み、森に元の穏やかな自然の環境音が戻ってきた。
「……終わったみたいだな」
「何があったんだ? あ、あそこにいるのプレイヤーじゃないか?」
 新人が森を歩くメリヤスの姿を見つけた。
「……ってドロップ報酬のトリリオンの方は逆に桁が一つ減らされちゃってるんですかあ~?」
 ゴブリンのドロップを拾い集めるメリヤスが落胆する。
「これじゃあ倒しても旨味が全然無いじゃないですか~……」
 ゴブリンのバグだけあって、倒してもまったく美味しくない敵だった。
「倒さないとその分通常モンスターのスポーン枠が圧迫されちゃうので金策の為に倒すしかないんですけどねぇ~」
「あの、すみません! いったい何があったんですか?」
「なんかのイベント?」
 銃を装備する新人プレイヤーがメリヤスに声をかけて合流した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マル・メロ
「ぷりゃーう」
新人のプレイヤーさんですか
おやつをくれそうな信者候補が増えるのは良いことです
ですので、マルメロも新人さんを守るお手伝いをすることにしました

「ぷるぁ」
最近のゴブリンは近代的な武装をしているのですね。当たったら痛そうです
そこで、マルメロは考えました。攻撃できないくらい弱らせてしまえば良いのです
「ぴゃーお」
【地と人はネコのもの】
範囲内のゴブリンの生命力を吸い取って動けなくしましょうか

マルメロは攻撃は苦手です。倒すのは先輩プレイヤーさんたちにお任せしましょう



「ぷりゃーう」
(新人のプレイヤーさんですか。おやつをくれそうな信者候補が増えるのは良いことです。ですので、マルメロも新人さんを守るお手伝いをすることにしました)
 白黒猫のマル・メロ(まるめろ・f41913)がいまいち猫っぽくない鳴き声を発し、森の中を散歩するようにするすると進んでいく。
「あ、猫よ!」
「もう、今はクエスト中なんだから、猫と遊ぶのは……かわいいなぁ」
「そっちこそ見てるじゃない!」
 マルメロを見つけた新人の少女プレイヤー達が笑顔になって手を振る。
 尻尾を一振りして挨拶したマルメロは、そのままプレイヤーを追い越して距離を離しゴブリンの潜む場所へと近づいて足を止めた。
「猫ちゃん、そこに何かあるの?」
 その様子を眺めていたプレイヤーが声をかける。

「猫だぁ?」
「ちっ、気付かれたか!?」
「やっちまえ!!」
 隠れていたゴブリン達が対物ライフルを手に飛び出す。
「ぷるぁ」
(最近のゴブリンは近代的な武装をしているのですね。当たったら痛そうです)
 そこでマルメロは考える。攻撃できないくらい弱らせてしまえば良いのだと――。
「ぴゃーお」
 ユーベルコード『地と人はネコのもの』を発動し、周囲を猫魔力で覆いその範囲に入ったゴブリンの生命力を吸い上げる。
「なん、だ?」
「力が抜け……」
 バグで強化されているはずのゴブリンがよわよわしくなり、銃の重さに耐えられずに手放してしまう。
「あ! ゴブリンだ!」
「君が見つけてくれたの? ありがとう!」
 少女達はマルメロに感謝して、普通のゴブリンと思い込んで魔法を撃ち込み、ハルバードで叩き斬ってトドメを刺して消滅させた。
「倒せた! 簡単だね!」
「うん、この調子でレベル上げよう!」
 初めての戦闘に勝利した少女達は喜び合う。
「ぷみゃあ」
(新人のプレイヤーさんを普通のゴブリンの元へ案内します。ついてきてください)
 マルメロがちらっと振り返り、尻尾をフリフリ歩いていく。
「なんかついて来いって言ってるみたい?」
「ゴブリンの居場所がわかるのかも! いってみよ!」
 そんなマルメロの後に少女達は話しかけながらついて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
確かに初心者向けのクエストかもしれませんね
「油断大敵」を学ぶのには丁度良い教材でしょう
良き教材とする為にも犠牲者は出させませんよ

◆行動
『自由の翼』のお二人と共闘し初心者を防衛

此処の敵はバグで強化されている様ですので用心を
ゴブリンが狡猾な存在とされる昨今の風潮では「そういうイベント」と誤認しかねません

『暗キ獣』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】で敵を蹂躙
飛び道具相手に莫迦正直に吶喊する様に見せるのは陽動と射線妨害も兼ねる故…

其の機に乗じ、私は【目立たない】様に敵へと接近
【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「確かに初心者向けのクエストかもしれませんね。「油断大敵」を学ぶのには丁度良い教材でしょう」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は油断する危険性を学ぶにはちょうどいいクエストだと微笑む。
「良き教材とする為にも犠牲者は出させませんよ」
 それも全て無事に帰ればこそ教訓となる。誰も犠牲者が出ないようにと、まずは先行している自由の翼に追いつこうと森を進む。

「クケケ!!」
「うわっ! ゴブリンが隠れてた?!」
 森を歩く新人プレイヤーに向かって突然木の陰から襲い掛かって来たゴブリンを、割り込んだ聖剣士のグスタフが殴り倒す。普通の雑魚ゴブリンなら一撃で粉砕されるはずが、口の端から血を流しながら起き上がる。
「おいおい、なんだこのゴブリンは? この森に居るようなレベルじゃないぞ!」
「そうですね。恐らくバグプロトコルではないでしょうか」
 そう言いながら月穹士のサジが矢を放ち、銃を撃とうとしていたゴブリンを射抜く。
「ケケッ!!」
 隠れていたゴブリン達が次々と現れるところに、絶奈が衝撃波を叩き込んで吹き飛ばした。
「貴女は! あの時のっ」
 以前助けられたことがあるサジが絶奈に気付き声を上げた。
「此処の敵はバグで強化されている様ですので用心を」
 絶奈はゴブリンが狡猾な存在とされる昨今の風潮では「そういうイベント」と誤認されないように忠告した。
「そりゃやべぇな。初心者じゃ瞬殺だ」
「ええ、我々が護りましょう」
 自由の翼が本気になってゴブリンを倒し始める。
「では此方も、バグを一気に殲滅するとしましょう」
 絶奈はユーベルコード『暗キ獣ソラト』を発動し、屍の軍勢を呼び出すと隠れたゴブリンに向かって突撃する!
「アンデッドだっ! 撃て撃て近づかせるな!」
 隠れていたゴブリン達が慌てて顔を出し、弾幕を張って足止めを図る。
「飛び道具相手に莫迦正直に吶喊する様に見せるのは陽動と射線妨害も兼ねる故……」
 その機に乗じて絶奈が視界に入らないよう木々を利用して接近し、間合いに入ると衝撃波を叩き込んで吹き飛ばした。
「ウゲェーー!」
「今です。仕留めましょう!」
「おう、任せとけ!」
 サジとグスタフが攻勢に出て、倒れたゴブリン達を仕留めていった……。

「なんなんです? これって初心者クエストだったんじゃ?」
「いや、どうやらバグったモンスターが出たみたいなんだわ。バグは俺らが相手するから、あんちゃんたちは普通のゴブリンを相手にしな」
 困惑している新人プレイヤーにグスタフが説明し、共にクエストをクリアする為に同行することになる。
「この先には普通のゴブリンも居るようです。その相手をしてもらいましょう」
 絶奈が声をかけ、本来のクエスト通り雑魚ゴブリンを倒すべく森の奥へと案内した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『森林エリアの大冒険!』

POW   :    木々を薙ぎ倒して道を切り拓く!

SPD   :    足跡などの痕跡からルートを考える!

WIZ   :    獣除けの香を焚いて危険を回避!

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●ゴブリン退治チュートリアル!
「ゴブゴブ!」
「ゴーブ!」
 初心者狩りのバグを排除して森を進むと、棍棒を持った普通のゴブリン達が堂々と森を徘徊し、木の実を食べたり野生動物を追いかけたりと、雑魚モンスターらしく生活していた。
 ここからが本来の初心者クエストのバトルチュートリアルとなる。普通に戦っても勝てるが、それぞれの近距離・遠距離といった武器の特性を知って戦えばもっと簡単に勝てるようにできている。
 さらには森の地形を利用したりと、リアルと同じようにさまざまな行動がこのGGOでは自由に出来るのだということが、この場で試せるようになっていた。

 新人プレイヤー達に経験を積ませ、このゲームが面白いと思ってもらおうと、猟兵達は少しばかり教官役を買って出ることにした。
サラ・ノースフィールド
ゲームのお邪魔をするのも野暮ですね。
手前の方の開けた場所に結界術/キャンプで居場所を作り、
休憩所&救護所として陣取りましょう。

あちこち動くのが面倒なだけとも言いますが。

「この辺りの安全は確保しておきますので、疲れたらこちらへどうぞ。
 コーヒーも医薬品もありますし、調べ物も出来ますよ」

多少の医術と魔法薬調合セットで、怪我の治療はお手の物。
魔法の鏡もありますから、一般に知られた情報もたいがい判ります。
一番のお薦めは熱いコーヒーの無限POPですけどね。

前の方で楽しんでいる方々の支援はあんまりしません。
無茶をして倒れるのも良い経験です。ゲームですし。
手が空いたら周囲の方々と雑談でもしていましょ。


メリヤス・エスペランサ
念のためバグプロトコルが混じっていないか確認はしておきますけど此処に居るゴブリンなら初心者でも十分倒せますねぇ~
スキャンして確認してみたところステータスも普通ですし~
普通に戦っても負ける事はないとは思いますが、戦い方によって少しダメージも変わったりしますから、色々試してみると良いですねぇ~
例えばシンプルに剣で攻撃するにしても、高い所から攻撃すると勢いを乗せやすいので~上手く行くと1割くらいダメージが増えたりしますぅ~

あ、ここのゴブリンは殆ど棍棒で殴りかかってくるだけですけど、偶に投石してくるのが居まして~
棍棒より射程が長い分、油断してると結構被弾しちゃうので、それだけ気を付けてくださいねぇ~


霧島・絶奈
◆心情
死ななければ其の経験を次に活かせる機会が生まれます
だからこそ、生き残る為の術を教えるのは良い事でしょう

◆行動
とは言え、私に出来るのは所詮力押し
教導出来るかは甚だ不安ですね

森林地帯を歩く際の注意事項としては…
①他者の痕跡の見つけ方
②自身の気配や痕跡の消し方
③常に戦闘を意識し有利な地形を考慮する

此れが出来れば不意を打たれる心配は減ります
其の上で彼我を知る事で「負けなく」なるでしょう
不利なら一度退いて仕切り直すのも手です
ゆくゆくは無意識下でも行える様に癖付けると良いでしょう

後はそうですね
『自由の翼』のお二人にも話を伺いましょう
先達の「自分達も初心者の頃こうだった」話は案外興味を引かれるものです



●森での戦い方
 バグプロトコルのゴブリンを倒して森を進むと、同じようにバグに遭遇してきた初心者プレイヤーとそれを護った猟兵と合流した。
「他のパーティーと合流したか。バグった敵はいなくなったか?」
「そうですね。普通のゴブリンのようです」
 クラン自由の翼のグスタフとサジが周囲の様子を窺い、見たところ先ほどの異常なゴブリンが居ないようだと判断する。

「念のためバグプロトコルが混じっていないか確認はしておきますけど、此処に居るゴブリンなら初心者でも十分倒せますねぇ~」
 メリヤスも周囲のゴブリンにバグった個体が居ないかを確認していく。
「スキャンして確認してみたところステータスも普通ですし~。普通に戦っても負ける事はないとは思いますが、戦い方によって少しダメージも変わったりしますから、色々試してみると良いですねぇ~」
「わかった!」
「よーし、初戦闘だ! いろいろ試してみよう!」
 新人プレイヤー達が武器を手に剣を振るってゴブリンに攻撃する。
「ゴブッ!」
 その一撃を受けたゴブリンは大ダメージを負いながらも反撃に棍棒を振るう。
「うわっ!」
 慌ててプレイヤーは盾で受け止めるが、僅かにダメージが通る。
「隙あり!」
 棍棒を振るって前屈みになったゴブリンに、もう一人のプレイヤーが銃口を向けて弾丸を撃ち込みトドメを刺した。
「片手剣じゃ一撃で倒せないのかー。やっぱ火力なら両手剣か?」
「例えばシンプルに剣で攻撃するにしても、高い所から攻撃すると勢いを乗せやすいので~上手く行くと1割くらいダメージが増えたりしますぅ~」
 火力が足りないというプレイヤーにメリヤスがアドバイスを送る。
「へぇ、地形とか大事なのか」
「じゃあ今度はあそこの岩を使って上から攻撃を仕掛けよう!」
「おう!」
 二人は岩を登り、ゴブリンを見つけると盾を剣で叩いて呼ぶ。
「こっちだ!」
「ゴブ!!」
 ゴブリンがやって来ると、プレイヤーが岩から飛び降りて剣を振り下ろし、一撃で致命傷を与えて消し去った。
「やった! 一撃で倒せた!!」
「この調子でばんばん倒していこうぜ!」
「あ、ここのゴブリンは殆ど棍棒で殴りかかってくるだけですけど、偶に投石してくるのが居まして~。棍棒より射程が長い分、油断してると結構被弾しちゃうので、それだけ気を付けてくださいねぇ~」
 調子に乗ってガンガン行こうとする二人の背中にメリヤスが忠告した。

「よーし! 俺たちもゴブリン退治だ!」
「軽く蹴散らしてやるぜ!」
 他の初心者プレイヤー達がガンガンいく二人を見て、自分達もと剣と杖を構えて戦いに向かう。
「ゲームのお邪魔をするのも野暮ですね」
 そんな様子をサラは弱いモンスターが入れぬ結界を張ってキャンプ地とし、休憩所&救護所として陣取った。
「あちこち動くのが面倒なだけとも言いますが」
 平和な初心者クエストの戦いを座ってのんびりと眺める。
「たぁーーー!!!」
「魔法いくよ!」
 前衛の戦士が剣を振るい、後衛の魔法使いがファイアーボルトを放ってゴブリンを仕留める。まだまだ慣れた動きではいないが、ゴブリンを倒すには十分だった。
「ゴブーーー!!」
 悲鳴を上げてゴブリンが消滅しドロップアイテムが落ちる。
「やった!」
「あ、また来るよ!」
「ゴブゴブ!!」
 仲間の悲鳴を聞きつけたゴブリンが新たに現れた。
「返り討ちにしてやるぜ!」
「やろう!」
 二人は戦闘を上手く熟せると楽しみ始め、ゴブリンを倒していく。
「ふぅ、思った以上に動けるな」
「リアルで面白しね!」
 戦闘を終えた二人は多少のダメージを負っていたが、興奮冷めやらず爽やかに笑う。
「この辺りの安全は確保しておきますので、疲れたらこちらへどうぞ。コーヒーも医薬品もありますし、調べ物も出来ますよ」
 そこへサラが一休みすればどうかと誘う。
「あ、はい!」
「ダメージも受けたし一休みしようぜ!」
 二人はサラの魔法薬調合セットで治療を受けてダメージを回復し、お薦めの無限POPコーヒーで一服する。そして質問に答えてくれる魔法の鏡でゴブリンや森でできる戦い方などを学んでいった……。

「森での戦いってどうしたらいいのかな?」
「とりあえず見つけたら攻撃したらいいんじゃない?」
 あまり闘争心の高くない女子の初心者プレイヤーが血気逸る男子陣とは違い、ゴブリンと戦う他のプレイヤーを見てどうしようかと戸惑っていた。
「死ななければ其の経験を次に活かせる機会が生まれます。だからこそ、生き残る為の術を教えるのは良い事でしょう」
 絶奈は生存することこそがもっとも大切な事であると考える。
「とは言え、私に出来るのは所詮力押し。教導出来るかは甚だ不安ですね」
 しかし、素人相手ならば教えられることもあるだろうと、絶奈は迷っている女子プレイヤーに話しかけた。
「戦いで重要なのは、戦場の地形を理解することです」
「戦場の地形ですか?」
「今は森を理解するのが大事ってことなのかな?」
「そうです。森林地帯を歩く際の注意事項としては……」
 絶奈は首肯して3つの注意点を伝える。
 第一に、他者の痕跡の見つけ方。
 第二に、自身の気配や痕跡の消し方。
 第三に、常に戦闘を意識し有利な地形を考慮する事。
「此れが出来れば不意を打たれる心配は減ります。其の上で彼我を知る事で「負けなく」なるでしょう」
「なるほどー!」
「わかりやすいです!」
 うんうんと女子たちが頷いて、まずは自分達が生き残るというシンプルな行動原理に納得した。
「不利なら一度退いて仕切り直すのも手です。ゆくゆくは無意識下でも行える様に癖付けると良いでしょう」
「はい!」
「慣れるまでやられなければいいもんね!」
 やる事が理解できれば、女子たちもやる気を見せだした。
「後はそうですね。『自由の翼』のお二人にも話を伺いましょう
先達の「自分達も初心者の頃こうだった」話は案外興味を引かれるものです」
 そう言って絶奈がクラン自由の翼のグスタフとサジを呼んで指導を頼む。
「んー、俺は何も考えずガンガンいくタイプだったなぁ。その所為で何度もぶっ倒されたもんだ!」
「それでは参考になりませんよ。そうですね……一人で出来ることは限られますから、仲間と連携する事が大事です。私は相方がいたので、そのフォローをしていくことで連携を覚えましたね」
 ガッハッハと豪快に笑うグスタフに溜息を吐き、サジが仲間と共に行動することの大切さを説いた。そんな視界に調子に乗って少し多いゴブリンの群れに向かう二人組が見える。

「サジ」
「ええ、わかっています。危なくなったら少しばかり手伝いましょう。お二人も手伝ってくれますか?」
「は、はい!」
「がんばります!!」
 グスタフとサジが女子プレイヤー達を連れて動き出す。
「無茶をして倒れるのも良い経験です。ゲームですし」
 サラはバグが関係しないゲーム内なら問題ないと、のんびりその様子を眺めていた。
「いくぞー!」
「一気に蹴散らしてやるぜ!」
 戦いに慣れ始めた新人プレイヤー達がゴブリンに襲撃を掛ける。最初は押せ押せでいくが、ゴブリンが後方から石を投げ始めると避けようと慌てて躓き尻餅をついた。そこへゴブリンが棍棒を振り上げる。
「やばっ!」
「今です、撃ってください!」
「はい!」
 サジの指示を受けた女子プレイヤーの一人が魔法を放ち、ゴブリンに直撃して倒れる。
「ゴブッ!!」
 慌ててゴブリン達が逃げ出し、魔法で倒れ逃げ遅れたゴブリンにもう一人の女子がハルバードを振り下ろしてトドメを刺した。
「おう、いい連携だな! そうやって慎重に戦えばゴブリンなんざにゃ負けんさ」
「ありがとうございます!」
 グスタフが褒めると女子たちは嬉しそうに笑った。
「す、すまん。助かった」
「ゴブリンでも数が多いとやばいな……こっちも連携してかないと。パーティーを組んで戦わない?」
「どうする?」
「いいんじゃないかな。みんな初心者だし」
 ガンガン進んでいた二人が反省して、助けてくれたプレイヤー達に礼を言ってパーティーに誘う。そうして初心者プレイヤー達は集まって、パーティーで戦う練習をしていった……。
「どうやら順調に経験を積んでいるようです」
「油断さえしなければ初心者クエストはクリアできそうですねぇ~」
「ではそろそろボス戦といきましょ。私達がバグの相手をすれば大丈夫でしょう」
 絶奈とメリヤスとサラはその様子を見守り、森の奥に居るボスゴブリンとその取り巻きのバグプロトコルとの戦いに備えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ゴブリンアサシン』

POW   :    アサシネイト・ハイド
自身と武装を【データ改変効果のあるバグ】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[データ改変効果のあるバグ]に触れた敵からは【バグっていないキャラデータや遺伝子番号】を奪う。
SPD   :    フライ・スラッシュ
【両手にナイフを構えた攻撃体勢】から、物質を透過し敵に【データ改変】の状態異常を与える【飛ぶ斬撃】を放つ。
WIZ   :    スレット・エッジ
【大量のデータ改変バグ】を籠めた【両手のナイフ】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【キャラデータのバグ化していない部分】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

●ボスバトル!
「あ! あそこ! 剣と盾を持ったゴブリンがいる!」
「ボスだな!」
 パーティーを組んだ初心者プレイヤー達が戦闘練習を終えて森の奥に進むと、そこには剣と盾を持ったいかにもなボス『ゴブリンガード』が待ち構えていた。
「ゴブゴブ!!」
 ゴブリンガードがガンガンと盾を鳴らして威嚇する。
「ケケケ、ボスが呼んでるぜ!」
「手伝わねぇとなあ!」
 ゴブリンアサシン達が配下のようにぞろぞろと現れ、木々に隠れるようにして駆け出した。
 その動きはボスであるゴブリンガードの身のこなしよりも上、バグプロトコルによって初心者クエストに存在してはならない強さの雑魚となっていた。
「ありゃヤバイな! 俺達で止めないと全滅するぞ!」
「はい、ですがこちらも頼もしい味方がいます。何とでもなるでしょう」
 グスタフがその動きから並みのゴブリンどもではないと分厚いガントレットを装着して警戒し、サジは頼れる猟兵という仲間がいれば守れるはずだと弓を構えた。
 それに合わせて猟兵達もバグを排除しようと動き出す――。
サラ・ノースフィールド
実も蓋もない事を言ってしまえば。

初心者の方々には一度引いてもらって、強い人だけで全滅させ、エネミーが再POPしてから戻って来てもらえば簡単なんですが。
……もう遅いですかね。

仕方ありません。バグプロトコルと初心者さんとの間に入って、指定UCで戦場を分けましょう。
お互いに明後日の方向を向いていますが、初心者さんは私の『後方』に位置しますので、防衛結界の効果が及びます。

相手が見えようが見えなかろうが気配感知/見切りで対応も出来ますし、
高速詠唱/2回攻撃/範囲攻撃/エネルギー弾の平凡な魔法も舐めたものではありません。
突破されると困りますので、箒さんで飛べないのがちょっと悔しいですけれどー。



●ボスより強い雑魚バグ
「実も蓋もない事を言ってしまえば。初心者の方々には一度引いてもらって、強い人だけで全滅させ、エネミーが再POPしてから戻って来てもらえば簡単なんですが」
 サラはボス戦に熱くなるプレイヤーと違い、冷静に状況を俯瞰して確実な方法を考える。
「……もう遅いですかね」
 だが既に戦闘は始まってしまっている。今から引く方が危険だろうとその案は諦めた。
「仕方ありません。バグプロトコルと初心者さんとの間に入って、UCで戦場を分けましょう」
 まずは安全の確保と、初心者プレイヤー達に近付き振り向いて背中合わせになり、ユーベルコード『シールドバリア』を発動し、左の掌から光の盾が現れ自分の後方を防衛結界で覆う。
「お互いに明後日の方向を向いていますが、初心者さんは私の『後方』に位置しますので、防衛結界の効果が及びます」
 プレイヤーの防御力と治癒力を高めるバフを与えた。

「おっ、バフが掛かった!」
「よし、ゴブリンのボスを倒そう!」
 初心者プレイヤーがゴブリンガードに向け、まずは魔法や矢を放って先制攻撃を浴びせる。
「ゴブゴブ!!」
 するとダメージを受けたゴブリンガードが怒って剣と盾を構えて攻撃してきた。
「前衛!」
「おう!!」
 先にゴブリン戦で練習したように、プレイヤーは前衛後衛で役割分担し、ゴブリンガードと戦っていく。

「ケケ、あいつが護りの要みてぇだな」
「なら最初に狙うのはヤツだっ!」
 ゴブリンアサシン達がデータ改変効果のあるバグで透明となり、サラを狙い左右から襲い掛かる。
「相手が見えようが見えなかろうが気配感知/見切りで対応も出来ます」
 その動きを察知したサラが高速詠唱でエネルギー弾を放つ。それは通常に比べて範囲を広げ、避けようとするゴブリンアサシンを巻き込んで吹き飛ばした!
「ゴブッ!?」
「エネルギー弾の平凡な魔法も舐めたものではありません」
 さらには連続して反対側にも放ち、カウンターを受けたゴブリンアサシンが地面を転がって消滅した。
「突破されると困りますので、箒さんで飛べないのがちょっと悔しいですけれどー」
 サラは空からなら一方的に排除できたのにとちらりと空を見上げ、今は地上での防衛に集中した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
愉しみましょう
この『逢瀬』を

◆行動
『自由の翼』のお二人と共闘
彼らには万が一猟兵が「抜かれた」場合の遊撃役として初心者達を護衛して貰いましょう
バグプロトコルは此方で受け持ちます

【暗視】で暗がりを見通し、【聞き耳】を立て索敵
【空中浮遊】を活用し【目立たない】様に敵を追い立てます

移動しつつ【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置

『暗キ獣』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】で敵を蹂躙

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
…尤も、この世界にとっては我々もバグの様なものでしょうけれどね



「彼らには万が一猟兵が「抜かれた」場合の遊撃役として初心者達を護衛して貰いましょう」
 絶奈は自由の翼の二人に保険として動いてもらうことにする。
「お二人は初心者の護衛をお願いします。バグプロトコルは此方で受け持ちます」
「わかりました。我々は離れないようにします」
「バグの処理は任せたぞ!」
 サジとグスタフが承諾し、周囲を警戒して初心者達を護る。
「サラさんの防衛結界もあるので大丈夫でしょう。此方は敵の排除に専念できます」
 絶奈は暗視で暗がりを見通し、聞き耳を立てて索敵する……。

「グケケッ、このナイフでバグらせてやる……」
 透明化を解いたゴブリンアサシンは両手のナイフに大量のデータ改変バグを籠めてプレイヤーに向かって忍んでいく。
「見つけました。早々に排除しましょう」
 絶奈はふわりと浮かんで足音を立てずに移動し、先手を取ってサーメートを敵の進行ルートに設置する。
「すぐにぶっ殺してやる……?」
 ゴブリンアサシンが今にも飛び掛かろうとしたところで、足元でなにかカチッと金属音がした。
「んあ?」
 確かめようと足を上げた瞬間に爆発が起こり吹き飛ばされる!
「ギュアッ!!」
 燃え上がったゴブリンアサシンは隠れることも忘れて地面を転がる。
「不意打ちを仕掛けるのは得意でも、仕掛けられるのは苦手なようですね」
 一方的に戦う事しか知らない動きだと、絶奈はユーベルコード『暗キ獣ソラト』を発動し、屍者の軍勢と獣の群れを召喚した。
「隠れる隙もない、数の力で炙り出すとしましょう」
 獣が駆け、軍勢が木々の間を塞ぐ。
「げぇっ!?」
 そうして逃げ場を失ったゴブリンアサシンが姿を見せては、槍に貫かれ、獣に噛み殺されていく……。

「……尤も、この世界にとっては我々もバグの様なものでしょうけれどね」
 このゲームの世界にとっては、これだけ大きな力を振るう自分達もまたバグに等しいのだろうと考える。
「毒を以て毒を制すと言います。せめて有益な毒として働きましょう」
 絶奈はこの世界からバグを一つでも多く排除していく。
「召喚魔法か! やるな!!」
「こっちも油断せずにいきましょう」
 それを見てグスタフとサジもバグゴブリンへと注意を払い、初心者達を見守った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マロン・ビネガー(サポート)
◎連携・アドリブ歓迎
知的好奇心旺盛で少し不思議+ひんやり系な性質の僕っ子。思考は理系寄り
戦場ルールと他者の意志は尊重する方
現地住民や先輩には「礼儀作法」で丁寧な対応を心掛ける

◆戦闘傾向
エキセントリック+トリックスター
属性魔法や精神攻撃/誘惑、地形の利用等で撹乱するタイプ

主な得物は蓬莱の玉枝orレイピア、弩

技能は主に「天候操作」、
特に雨・雪系を好む

攻撃系UCに合わせて「電撃」+「貫通攻撃」、
回復系UCに「浄化」を載せる等

勝利の為なら代償・取引系UCも躊躇いませんが
保護対象や共闘する方々を攻撃に巻き込む事は極力避けます
必要なら「結界術」等で防御、場所感知等
臨機応変に支援行動も可

後は基本お任せです



「もう少しだ!」
「援護するわ!」
「この調子で倒そう!!」
 猟兵達がバグを抑えている間に、戦いに慣れ始めた初心者プレイヤー達がボスゴブリンとの戦いを順調に進めていた。

「ゲームの世界とは思えないよね……困っているなら僕もお手伝いします!」
 マロン・ビネガー(ブナ科クリ属の落葉性高木・f37213)がGGOゴッドゲームオンラインリアルのリアルな風景に驚きながらも、他の猟兵に加わりプレイヤー達を助けようとバグであるゴブリンアサシンの排除に動く。
「近づけねぇなら、遠距離からぶった切ってやるぜ!」
 ゴブリンアサシンが遠距離から両手のナイフを構える。そして飛ぶ見えない斬撃で初心者プレイヤーの狙撃を狙っていた。
「させないよ!」
 それを見つけたマロンが【蓬莱の玉枝】を手にすると、敵と味方の間に結界を張って飛ぶ斬撃を逸らした。
「邪魔するヤツがいるな!」
「先にヤツを殺す、何をされたかもわからずにバラしてやるぜ!」
 ゴブリンアサシン達がマロンに狙いを変え、見えない飛ぶ斬撃を連続して放った。
「見えないなら見えるようにすればいいだけ!」
 マロンはユーベルコード『銀の流星群シルバニア・メテオシャワー』を発動し、詠唱銀を消耗して銀の雨を降らせ、それに当たった飛ぶ斬撃の軌道がはっきりと宙に描かれる。それをマロンは容易く躱した。
「お返しだよ!」
 そして玉枝を敵に向けて電撃を放ち、濡れるゴブリンアサシン達を貫き感電させた。
「あぎゃっ!!」
「ごががががががっ!!!」
 そのまま黒焦げとなって崩れ落ちる。
「プレイヤーの皆さんには傷一つ付けさせないよ!」
 護ってみせると意気込むマロンはバグゴブリンの攻撃を防ぎきった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メリヤス・エスペランサ
やっぱりまだ隠れて居ましたねぇ~
ボス戦はゲームの華ですし、一番楽しい部分ですから邪魔はさせませんよ~
…って不可視化能力ですかぁ~?
それ、初心者向けのエリアに居る敵が使って良いような能力じゃないですよぉ~

まあ、武器は短剣みたいですし、ここはリーチの差で潜り込まれる前に対応させて頂きますねぇ~
エンジンブレイドをタンク・オブ・スティールで自身にとっての重さを無視して振り回してエンジン重撃、重さは気にならないので懐に潜り込む隙は与えません~

ただ、不可視化能力を持ってるとなると本当に全滅してるかどうか、よくわからないんですよねぇ~
此処はボスが倒れて全員が森を退場するまで、周辺を警戒しておきますよ~



「くそ、次々やられてやがる……」
「やっぱりまだ隠れて居ましたねぇ~」
 メリヤスは木々に隠れるように動き出したゴブリンアサシンを視界に入れる。
「隠れていくぜ」
「ケケケ、気付かない間に殺してやるぜ!」
「ボス戦はゲームの華ですし、一番楽しい部分ですから邪魔はさせませんよ~。……って不可視化能力ですかぁ~?」
 目で追っていたゴブリンアサシンが透明になって視界から消えてしまう。
「それ、初心者向けのエリアに居る敵が使って良いような能力じゃないですよぉ~」
 どう考えても初心者殺し過ぎると、メリヤスは目では追えなくなった敵を探す。
「まあ、武器は短剣みたいですし、ここはリーチの差で潜り込まれる前に対応させて頂きますねぇ~」
 メリヤスはずしりと重々しいエンジンブレイドを構え、ユーベルコード『タンク・オブ・スティール』を発動して重量ペナルティを無視し、逆に重さの分だけ威力と防御力を上げた。
「懐に潜り込む隙は与えません~」
 エンジンブレイドを木の枝のようにブンブンと振り回し、草刈でもするように辺りを薙ぎ払っていく。
「ギャッ!!」
「ただ、不可視化能力を持ってるとなると本当に全滅してるかどうか、よくわからないんですよねぇ~」
 見えないところで突然悲鳴が上がるのも気にせず、メリヤスは巨大な得物を振り回し続けてプレイヤーの元に近付かせない――。

「トドメだ!!
「いくぞー!!」
 その間にプレイヤー達が弱ったボスに対して一斉に攻撃を仕掛ける。少し自分達が高くなる位置で攻撃し、地形的な有利を取っていた。
「ちゃんと学習したことを実践できてますねぇ~」
 その様子を目の端で眺めたメリヤスは笑みを浮かべ、自分もやるべきことをせんとエンジンブレイドを振る勢いを増した。
「近づけっゲェエエ!!!!」
「また当たったみたいです~。ちゃんとドロップアイテムは見えるみたいですねぇ~」
 手に伝わる感触と、ドロップ品が散らばるのを見てメリヤスは敵を倒していることを確認して、さらなる敵を薙ぎ払っていった……。

●クエストクリア!
「ゴ、ゴブゥッ………!」
 大量の血を流してボスのゴブリンガードがバタンと仰向けに倒れ、消滅してドロップ品に変わった。
「……たおした?」
「あ、クエストクリアの表示が出た!」
「やった! 初心者クエストクリアだね!」
 初心者プレイヤー達がボスを倒し、勝利や拍手のエモーションを使って喜び合う。すると森の外に続く帰還ゲートが現れた。
「どうやら終わったみたいだな」
「ええ、帰還ゲートはちゃんと開くみたいですね」
 警戒していたクラン『自由の翼』のグスタフとサジもほっと息を吐いた。
「さあ、帰るまでが冒険です」
「そうですよ~。まだバグが残ってるかもしれませんからねぇ~」
 警戒を解かないサラとメリヤスが早々に立ち去るように促す。
「そうだな! それじゃあ帰ってクエスト報酬をもらおうぜ!」
「そうね! 街に帰りましょう!」
「あの、いろいろ教えてくれてありがとうございました!」
 共に戦った初心者プレイヤー達は初めてのクエストを楽しみ、猟兵や自由の翼の二人に礼を言って帰還していく。
「俺ら二人は『自由の翼』ってクランに所属してる。何かあったら尋ねてくるといい!」
「来る者拒まずなので、お気軽に」
 そんな新人たちをグスタフとサジは見込みがありそうだと勧誘して別れた。

「無事に終わったようですね。お疲れ様でした」
「あんたたち強いな! 今度はお守りじゃなく一緒に冒険しようぜ!」
 新人を見送ったサジとグスタフが猟兵達に声をかける。
「そうですね。その時は大冒険に繰り出しましょう」
 絶奈の返答にサラとメリヤスも頷き、猟兵達もゴブリンの森から立ち去った。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年03月28日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ゴッドゲームオンライン
#クラン『自由の翼』


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
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 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト